JP2001012543A - シート状制振材及び制振パネル - Google Patents

シート状制振材及び制振パネル

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JP2001012543A
JP2001012543A JP11183080A JP18308099A JP2001012543A JP 2001012543 A JP2001012543 A JP 2001012543A JP 11183080 A JP11183080 A JP 11183080A JP 18308099 A JP18308099 A JP 18308099A JP 2001012543 A JP2001012543 A JP 2001012543A
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vibration damping
sheet
particles
layer
damping material
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JP11183080A
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Takeshi Yanagida
剛 柳田
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Susumu Kobayashi
晋 小林
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2kHz以下の低周波数帯域を含む幅広い周
波数帯域において、制振効果を高める。 【解決手段】 シート状制振材3は、中空状のシート材
1の内部空間に、振動エネルギーを吸収する粉粒体層4
が、挙動可能な状態で封入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い制振性能(振
動を吸収する性能)を有するシート状制振材及び制振パ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】制振とは、運動エネルギーを熱エネルギ
ーに変換することで、振動エネルギーを吸収し、固有振
動系の共振増幅を抑えたり、振動伝搬の距離減衰を大き
くすることと定義されている。また、その制振効果を有
する形態の一つとして、大きな内部損失を有する粘弾性
材料からなるシート状制振材が挙げられる。このシート
状制振材は、例えば床材の裏面に貼着されて、床面への
衝撃音の吸収を行う防音床材として使用される。
【0003】従来のシート状制振材20は、図24
(a)に示すように、構造物2上に接着されることによ
り構造物2の振動エネルギーを吸収している。構造物2
に振動エネルギーが加えられると、図24(b)に示す
ように、構造物2及びシート状制振材20が屈曲変形
し、シート材内部における内部摩擦現象により振動エネ
ルギーが熱エネルギーとして吸収される。このシート状
制振材20による制振性能を示す指標として、損失係数
がある。一般的には、この値が0.1以上であれば制振
性能が高いと評価されている。
【0004】この損失係数を計測する装置概要を図22
に示す。なお、計測装置及び制振作用を受ける構造物と
して、板厚2mmのアルミ矩形パネル2′(サイズ:3
00×300mm)を用いた。このパネル面にシート状
制振材20(図24)を接着してシート状制振材20の
制振性能を評価した。図22において、アルミ矩形パネ
ル2′の中央部をインピーダンスヘッド18を介して加
振器17に固定し、そして、FFT13の信号発生器か
ら発生させたある一定周波数成分(0〜4kHz)を有
するランダムノイズをアンプ15に入力し、加振器17
にて垂直方向にランダム加振する。また、ランダム加振
の加振力はパネル条件変化に対して、一定になるように
コンピューター12により制御力が作用されている。さ
らに上記インピーダンスヘッド18より加速度と力をセ
ンシングし、アンプ14を介してFFT13へ入力す
る。そして、FFT13により、イナータンス(加速度
/力)やアパレントマス(力/加速度)といった伝達特
性を測定する。この伝達特性に示される共振や反共振に
よる山部や谷部の形状から、次式を用いて損失係数を抽
出する。
【0005】η=(f2−f1)/f なお、ηは損失係数を表している。また、f,f1及び
2は周波数を表しており、その定義については図23
に示した。
【0006】図25に、従来技術であるシート材内部に
硫酸バリウムが混練分散された粘弾性材料のシート状制
振材20(シート厚み3mm)による周波数に対する損
失係数を示した。この図25からわかるように、2kH
z以上の中・高周波数帯域においては、損失係数が0.
1以上となり、優れた制振性能を示すが、2kHz以下
の低周波数帯域においては損失係数が0.1以下の低い
値を示しており、十分な制振性能が得られているとは言
えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
例の間題点に鑑みて発明したものであって、その目的と
するところは、2kHz以下の低周波数帯域を含む幅広
い周波数帯域において、制振効果を高めることができる
シート状制振材及び制振パネルを提供するところにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るシート状制振材3は、中空状のシート材
1の内部空間に、振動エネルギーを吸収する粉粒体層4
が、挙動可能な状態で封入されていることを特徴として
おり、このように構成することで、振動に伴い粉粒体層
4が弾性振動を励起し、粒子接触点における粒子の接触
・変形現象によるヒステリシス減衰が、低周波数帯域か
ら生じることによって、周波数に対する構造物の振動状
態に影響されることなく、構造物の振動エネルギーを効
果的に吸収することが可能となる。
【0009】また上記粉粒体層4が、弾性変形に伴って
振動エネルギーを吸収する低弾性粒子6と、剛性の高い
高剛性粒子5とが混在した混合粉体層であるのが好まし
く、この場合、高剛性粒子5の大きな慣性により、粒子
接触点におけるヒステリシス減衰がより低周波数帯域か
ら生じ、これにより単一の粉粒体層よりも更に低周波数
帯域において振動エネルギーを効果的に吸収することが
できる。
【0010】また上記混合粉体層において、低弾性粒子
6のヤング率が108(N/m2)以下であり、且つ高剛
性粒子5のヤング率が1010(N/m2)以上であるの
が好ましく、この場合、ヤング率が大きな高剛性粒子5
の慣性及びヤング率が小さな低弾性粒子6の大きな粒子
変形により、粒子接触点におけるヒステリシス減衰が低
周波数帯域より効果的に生じることとなり、従って、振
動エネルギー吸収が増加して、低周波数帯域におけるシ
ート状制振材3の性能を向上させることができる。
【0011】また上記混合粉体層において、高剛性粒子
5に対する低弾性粒子6の材料密度比が2以上であるの
が好ましく、この場合、大きな材料密度を有する高剛性
粒子5の慣性により、粒子接触点におけるヒステリシス
減衰が低周波数帯域より生じ、振動エネルギー吸収が増
加することによって、低周波数帯域におけるシート状制
振材3の性能を向上させることができる。
【0012】また上記混合粉体層において、高剛性粒子
5に対する低弾性粒子6の平均粒径比を1以上とし、且
つ高剛性粒子5と低弾性粒子6との個数比率を略1:1
〜略1:5とするのが好ましく、この場合、高剛性粒子
5間の粒子接触点において低弾性粒子6が介在すること
が可能となり、粒子接触点において高剛性粒子5の慣性
が効果的に作用し、ヒステリシス減衰が増加し、低周波
数帯域における振動エネルギーの吸収量を増加させるこ
とができる。
【0013】また上記シート材1の材料が低弾性材料で
あるのが好ましく、この場合、粉粒体層4による制振効
果に加えてシート材1自身の制振効果を付加させること
が可能となる。
【0014】また上記シート材1の内部空間に振動エネ
ルギーを吸収する粉粒体層4が空隙7を残して充填さ
れ、その空隙7の高さh1が粉粒体層4の高さh2の2%
以上であるのが好ましく、この場合、粉粒体粒子がシー
ト材1により制限・拘束されることなく運動するため、
粒子接触点における効果的なヒステリシス減衰が生じ、
低周波数帯域における振動エネルギーの吸収量を増加さ
せることができる。
【0015】また上記粉粒体層4が仕切り8によって分
割されているのが好ましく、この場合、本発明のシート
状制振材3を重力に対して水平方向に用いる際に、空間
内における粉粒体層4の重力偏析を防止することが可能
となる。
【0016】また本発明に係る制振パネルAは、上記シ
ート状制振材3が、金属板、木板等のパネル面2aに貼
付されてなることを特徴としており、このように構成す
ることで、低周波数帯域を含む幅広い周波数帯域におい
て優れた制振性能を有する制振パネルAを得ることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0018】本実施形態のシート状制振材3は、図1に
示すように、中空状のシート材1の内部空間に、振動エ
ネルギーを吸収する粉粒体層4が、挙動可能な状態で封
入されている。このシート状制振材3は、構造物2を構
成する金属板、木板等のパネル面2aに貼付されること
で、制振パネルAが構成されている。構造物2として例
えば合板、中密度繊維板等の床材が挙げられるが、もち
ろんこれに限定されるものではない。また、シート材1
の材料3は低弾性材料とするのが望ましい。これによ
り、後述のように粉粒体層4による制振効果に加えて、
シート材1自身の制振効果を付加させることが可能にな
り、より大きな制振性能を得ることが可能になる。
【0019】図2は、本発明の振動エネルギーを吸収す
る粉粒体層4が封入されたシート状制振材3と、従来の
粘弾性材料のシート状制振材20を用いた場合の周波数
に対する損失係数の変化を示している。図2に示す曲線
(A)は、厚み3mmのSBR樹脂シート材1内に、振
動エネルギーを吸収する粉粒体4aとしてゴムビーズ
(平均粒径300μm)を層高2mmとなるように封入
された場合における本発明の結果であり、曲線(B)は
シート材1内部に硫酸バリウムが混練分散された粘弾性
材料のシート状制振材(シート厚み3mm)による従来
の結果である。図2において、本発明のシート状制振材
3は、従来技術では成し得なかった低周波数帯域イにお
ける優れた制振性能(損失係数0.1以上)を示してい
ることがわかる。
【0020】ここで、粉粒体層4を封入したシート状制
振材3が、低周波数帯域において、従来の粘弾性材料の
シート状制振材20より優れた制振性能を示すメカニズ
ムについて説明する。図3には、従来の粘弾性材料のシ
ート状制振材20における制振メカニズムの模式図を示
した。図中のヌは振動エネルギー、チは熱エネルギー、
リは摩擦熱をそれぞれ示している。従来の粘弾性材料の
シート状制振材20にあっては、構造物2の曲げ変形に
伴い接着面方向への伸縮変形が生じることによって、シ
ート材1内部での摩擦熱が発生することにより振動エネ
ルギーを吸収している。従って、図3(b)に示すよう
に、接着面方向への伸縮変形が大きくなる高周波数帯域
では摩擦勢がより多く発生し、優れた制振効果が得られ
るが、図3(a)に示すように、接着面方向への伸縮変
形が小さな低周波数帯域では、優れた制振効果を得るこ
とが困難である。
【0021】一方、図4には、本発明のシート状制振材
3における制振メカニズムの模式図を示した。本発明の
粉粒体層4を封入したシート状制振材3にあっては、図
4に示すように、構造物2の振動に伴い粉粒体4aが弾
性振動を励起し、粒子接触点における粒子の接触・変形
現象によるエネルギー減衰(ヒステリシス減衰詳細につ
いては図7、図8参照)が、低周波数帯域から生じるこ
とによって、幅広い周波数帯域において優れた制振性能
を発揮する。すなわち、周波数に対する構造物2の振動
状態に影響されることなく、シート材1内に存在する粉
粒体層4は振動エネルギーを効果的に吸収することが可
能である。
【0022】しかして、本発明のシート状制振材3にあ
っては、シート材1内に振動エネルギーを吸収する粉粒
体層4が挙動可能に封入されているので、振動に伴い粉
粒体層4が弾性振動を励起し、粒子接触点における粒子
の接触・変形現象によるヒステリシス減衰が、低周波数
帯域から生じることによって、周波数に対する構造物2
の振動状態に影響されることなく、構造物2の振動エネ
ルギーを効果的に吸収することが可能となる。このよう
にシート材1内に粉粒体層4が存在することによって、
粒子接触点における効果的なエネルギー減衰が生じ、従
来の粘弾性材料によるシート状制振材では成し得なかっ
た低周波数帯域を含む幅広い周波数帯域における優れた
制振性能を得ることが可能になる。
【0023】しかも、上記振動エネルギーを吸収する粉
粒体層4が挙動可能な状態で封入されている制振材3を
シート状に形成することで、いかなる形状の構造物2
(金属板、木板等)に対しても使用可能となり、構造物
2の用途に応じた制振効果が期待できるものである。ま
た、シート状制振材3を構造物2に貼着して構成される
制振パネルAを例えば床材に使用することにより、構造
物2に加えられた振動エネルギーを自らの内部摩擦減少
にて吸収することかできるので、構造物2の用途に見合
った制振効果を容易に実現できるものである。なお、シ
ート状制振材3の用途として、上記床材以外にも、例え
ば天井材、屋根下地材、壁材、柱、電子機器部材など、
様々な用途が挙げられる。
【0024】さらに、本発明のシート状制振材3は、構
造物2に貼付して使用されるだけでなく、シート状制振
材3単独でも使用可能である。つまり被制振体の振動エ
ネルギー吸収効果を目的として使用される場合に限ら
ず、例えば音の遮断性を必要とする防音カーテンなどに
も幅広く使用可能である。
【0025】図5は他の実施形態を示している。本例で
は、中空状のシート材1内に、弾性変形に伴って振動エ
ネルギーを吸収する低弾性粒子6と、剛性の高い高剛性
粒子5とが混在した混合粉体層が封入されている。その
代表例として、図6には、混合粉体層(ガラスビーズ:
平均粒径125μm、ゴム粒子:平均粒径50μm、ゴ
ム粒子の質量分率10%)を用いた場合と、図2の曲線
Aにおいて示したゴムビーズ(平均粒径300μm)を
用いた場合の周波数に対する損失係数を示した。また、
それぞれの粒子5,6は、厚み3mmのSBR樹脂シー
ト材1内に層高h3が例えば2mmとなるように封入さ
れている。
【0026】図6において、曲線(A)が混合粉体層
(ガラスビーズとゴム粒子)を用いた場合、曲線(B)
がゴムビーズを用いた場合の結果を表している。図6か
ら、混合粉体層を用いた制振性能が、単一のゴムビーズ
よりも更に低い周波数帯域イにおいて優れているのがわ
かる。この結果を、図7、図8に示す粒子接触状態の概
念図を用いて説明する。図7(c)、図8(c)におい
て、粒子への力に対する粒子変形量の関係がループ形状
として得られているが、これはヒステリシスループと呼
ばれ、このループ内面積が大きいほど粒子変形による振
動エネルギー消費が大きく、ループの粒子変形軸への振
幅が大きいほど、より低周波数帯域より振動エネルギー
を吸収する。図7(c)に示すように、単一のゴムビー
ズ4aでは材料白身の密度及び弾性により、ヒステリシ
スループの形状は一義的に決定される。一方、混合粉体
層(ガラスビーズ6とゴム粒子5)では、単一のゴムビ
ーズ4aのみでは得られない密度及び弾性を自由に調整
することが可能であり、図8(c)に示すように、高剛
性粒子(ガラスビーズ)の大きな慣性によりヒステリシ
スループの振幅が大きくなることによって、単一のゴム
ビーズよりも更に低周波数帯主成において振動エネルギ
ーが吸収される。
【0027】しかして、シート材1内に、弾性変形に伴
って振動エネルギーを吸収する低弾性粒子6と、剛性の
高い高剛性粒子5とが混在した混合粉体層を封入するこ
とで、高剛性粒子5の大きな慣性により、粒子接触点に
おけるヒステリシス減衰がより低周波数帯域から生じ、
これにより単一の粉粒体層よりも更に低周波数帯域にお
いて振動エネルギーを効果的に吸収することができ、低
周波数帯域を含む幅広い周波数帯域におけるシート状制
振材3の性能を向上させることができる。
【0028】本発明の更に他の実施形態として、上記混
合粉体層において、低弾性粒子6のヤング率が10
8(N/m2)以下であり、且つ高剛性粒子5のヤング率
が1010(N/m2)以上であるのが望ましい。この各
粒子のヤング率に関する数値限定は、シート状制振材3
の高性能化を狙いとしたものである。図9には、代表例
として、上記指定ヤング率範囲内の混合粉体層(A)と
上記指定範囲外の粒子による混合粉体層(B)を用いた
場合の周波数に対する損失係数を示した。ここで、混合
粉体層(A)は、高剛性粒子5としてヤング率が5.0
×1010(N/m2)である平均粒径125μmのガラ
スビーズ及び低弾性粒子6としてヤング率が5.0×1
5(N/m2)である平均粒径50μmのゴム粒子から
構成されており、ゴム粒子の質量分率は10%である。
また、混合粉体層(B)は、高剛性粒子5としてヤング
率が6.0×108(N/m2)の平均粒径300μmの
ゴムビーズ及び低弾性粒子6としてヤング率が3.0×
108(N/m2)の平均粒径125μmのポリスチレン
ビーズから構成されており、ポリスチレンビーズの質量
分率は10%である。ここで、それぞれの粒子5,6
は、厚み3mmのSBR樹脂シート材1内に、層高2m
mとなるように封入されている。
【0029】図9から、上記指定範囲内のヤング率を用
いた混合粉体層(A)の結果が、混合粉体層(B)より
も低周波数帯域イにおいて優れた制振性能を有している
ことがわかる。この結果は、次のように説明される。高
剛性粒子5が低弾性粒子6よりも大きなヤング率を有し
ていることを考慮すれば、上記指定条件範囲外の混合粉
体層とは、両粒子ともにヤング率が非常に近い値を有す
る材料同士となる。それゆえ、このような混合粉体層で
は、混合粉体層としてのエネルギー減衰特性よりも単一
の粉粒体層としての特性が顕著になる。一方、上記指定
条件範囲内の混合粉体層は、混合粉体層としてのエネル
ギー減衰特性が発揮され、低周波数帯域における優れた
制振性能を示す。
【0030】しかして、混合粉体層における低弾性粒子
6のヤング率を108以下にし、且つ高剛性粒子5のヤ
ング率を1010以上にすることで、ヤング率が大きな高
剛性粒子5の慣性及びヤング率が小さな低弾性粒子6の
大きな粒子変形により、粒子接触点におけるヒステリシ
ス減衰が低周波数帯域より効果的に生じることとなり、
従って、振動エネルギー吸収が増加して、低周波数帯域
におけるシート状制振材3の性能を向上させることがで
き、優れた制振性能が得られるものである。
【0031】本発明の更に他の実施形態として、上記混
合粉体層において、高剛性粒子5(図8)に対する低弾
性粒子6(図8)の材料密度比(高剛性粒子5の材料密
度/低弾性粒子6の材料密度)が2以上であるのが望ま
しい。この高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の材料密
度比に関する数値限定は、シート状制振材3の高性能化
を狙いとしたものである。図10には、代表例として、
高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の材料密度比を2.
5とした混合粉体層(A)と材料密度比を1.5とした
混合粉体層(B)を用いた場合の周波数に対する損失係
数を示した。ここで、混合粉体層(A)は、高剛性粒子
5として材料密度が2500(kg/m3)である平均
粒径125μmのガラスビーズ及び低弾性粒子6として
材料密度が100(kg/m3)である平均粒径50μ
mのゴム粒子から構成されており、ゴム粒子の質量分率
は10%である。また、混合粉体層(B)は、高剛性粒
子5として材料密度が150(kg/m3)である平均
粒径125μmのアクリルビーズ及び低弾性粒子6とし
て材料密度が1000(kg/m3)である平均粒径5
0μmのゴム粒子から構成されており、ゴム粒子の質量
分率は10%である。ここで、それぞれの粒子5,6
は、厚み3mmのSBR樹脂シート材1内に、層高2m
mとなるように封入されている。
【0032】図10から、混合粉体層(A)の結果が、
混合粉体層(B)よりも、低周波数帯域イにおいて優れ
た制振性能を示しているのがわかる。これは、高剛性粒
子5に対する低弾性粒子6の材料密度比が、混合粉体層
における振動エネルギーの吸収メカニズムと密接に関係
しているためである。前記図8に関する説明において述
べたように、混合粉体層では、高剛性粒子5の有する大
きな慣性により、優れた制振性能を示す。しかし、高剛
性粒子5に対する低弾性粒子6の材料密度比が2以下、
すなわち高剛性粒子5の慣性が小さい場合にはヒステリ
シスループの振幅が小さくなり、混合粉体層内における
エネルギー減衰量は小さくなる。一方、高剛性粒子5に
対する低弾性粒子6の材料密度比が2以上であり、高剛
性粒子5の慣性が大きな場合にはヒステリシスループの
振幅が大きくなり、低周波数帯域において効果的な制振
効果が得られる。
【0033】従って、高剛性粒子5に対する低弾性粒子
6の材料密度比(高剛性粒子5の材料密度/低弾性粒子
6の材料密度)を2以上にすることで、大きな材料密度
を有する高剛性粒子5の慣性により、粒子接触点におけ
るヒステリシス減衰が低周波数帯域より生じ、振動エネ
ルギー吸収が増加することによって、低周波数帯域にお
けるシート状制振材3の性能を向上させることができ、
優れた制振性能が得られるものである。
【0034】本発明の更に他の実施形態として、上記混
合粉体層において、高剛性粒子5に対する低弾性粒子6
の平均粒径比(高剛性粒子5の平均粒径/低弾性粒子6
の平均粒径)を1以上とし、且つ高剛性粒子5と低弾性
粒子6との個数比率が1:1〜1:5であるのが望まし
い。この高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の平均粒径
比及び高剛性粒子5と低弾性粒子6との個数比率に関す
る数値限定は、シート状制振材3の高性能化を狙いとし
たものである。図11には、上記指定範囲内の条件によ
る混合粉体層(A)と上記指定範囲外の条件による混合
粉体層(B)〜(D)を用いた場合の周波数に対する損
失係数を示した。ここで、混合粉体層(A)は、高剛性
粒子5として平均粒径125μmのガラスビーズ及び低
弾性粒子6として平均粒径50μmのゴム粒子から構成
されており、高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の個数
比率は1:3である。また、混合粉体層(B)及び
(C)は混合粉体層(A)と同一の高剛性粒子5及び低
弾性粒子6から構成されており、それぞれ高剛性粒子5
と低弾性粒子6の個数比率は1:0.5、1:10であ
る。さらに、混合粉体層(D)は、高剛性粒子5として
平均粒径125μmのアクリルビーズ及び低弾性粒子6
として平均粒径50μmのゴム粒子から構成されてお
り、高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の個数比率は
1:3である。ここで、それぞれの粒子5,6は、厚み
3mmのSBR樹脂シート材1内に、層高2mmとなる
ように封入されている。
【0035】図11から、混合粉体層(A)の結果が、
混合粉体層(B)〜(D)よりも、更に低い周波数帯域
イにおいて優れた制振性能を示しているのがわかる。こ
の結果は、次のように説明される。高剛性粒子5に対す
る低弾性粒子6の平均粒径比が1以下の場合は、図12
に示されるように、低弾性粒子6表面上に高剛性粒子5
が付着固定化され、粒子接触点において高剛性粒子5同
士が接触・変形するために、低周波数帯域における制振
効果が弱くなるという間題が生じる。一方、平均粒径比
が1以上の場合は、図13に示すように、高剛性粒子5
間の粒子接触点において低弾性粒子6が介在することが
可能となり、効果的な振動エネルギー吸収が行われる。
また、上記平均粒径比の条件下においては、高剛性粒子
5に対する低弾性粒子6の個数比率が1:1よりも低い
と、図14(a)に示すように、低弾性粒子6の総数が
高剛性粒子5の総数を下回り、高剛性粒子5間の各接触
点に低弾性粒子6が少なくとも一個存在させることがで
きなくなり、このため低周波数帯域における振動エネル
ギーの吸収量が小さくなって制振効果が弱くなる。一
方、高剛性粒子5に対する低弾性粒子6の個数比率が
1:5よりも高くなると、図14(b)に示すように、
粒子接触点において高剛性粒子5の慣性が効果的に作用
しないために、低弾性粒子6の粒子変形量が少なくな
り、図8(c)に示したヒステリシスループの振幅が小
さくなるために、低周波数帯域における振動エネルギー
の吸収量が減少する。
【0036】しかして、高剛性粒子5に対する低弾性粒
子6の平均粒径比(高剛性粒子5の平均粒径/低弾性粒
子6の平均粒径)を1以上とし、且つ高剛性粒子5と低
弾性粒子6との個数比率を1:1〜1:5にすること
で、高剛性粒子5間の粒子接触点において低弾性粒子6
が介在することが可能となり、粒子接触点において高剛
性粒子5の慣性が効果的に作用し、ヒステリシス減衰が
増加し、低周波数帯域における振動エネルギーの吸収量
を増加させることができる結果、シート状制振材3の性
能を向上させることができる。
【0037】本発明の更に他の実施形態として、図15
に示すように、シート材1内に振動エネルギーを吸収す
る粉粒体層4を空隙7を残して充填し、その空隙7の高
さh 1を粉粒体層4の高さh2の2%以上とするのが望ま
しい。この粉粒体層4の充填量の数値限定に関しては、
粉粒体運動の制限・拘束による制振性能低下の防止を狙
いとしたものである。
【0038】また、代表例として、シート材1内に粉粒
体層4を100%充填した場合と、空隙7の高さが粉粒
体層4の高さの2%となる充填状態における周波数に対
する損失係数を図16に示した。図16中の曲線(A)
が2%の空隙7を残した充填の場合、曲線(B)が粉粒
体100%充填の場合の結果である。図16から、粉粒
体層4を100%充填すると、上下のシート材1の影響
により、粉粒体粒子の運動が制限・拘束されるため、制
振性能が低下する傾向にあることがわかる。
【0039】従って、シート材1内に振動エネルギーを
吸収する粉粒体層4が空隙7を残して充填され、少なく
とも粉粒体層4とシート材1間の空隙7の高さh1を、
充填された粉粒体層4の高さH2の2%以上にすること
で、粉粒体粒子が上下シート材1により制限・拘束され
ることなく運動するため、粒子接触点における効果的な
ヒステリシス減衰が生じ、図16の低周波数帯域イにお
ける振動エネルギーの吸収量を増加させることができ、
シート状制振材3の性能向上を図ることができる。
【0040】本発明の更に他の実施形態として、図17
に示すように、上記単一の粉粒体層、及び、高剛性粒子
と低弾性粒子との混合粉体層の両方を含む粉粒体層4
が、仕切り8によって分割されているのが望ましい。こ
のように粉粒体層4を仕切り8によって分割すること
で、図18(b)に示すように、本発明のシート状制振
材3を重力(図18の矢印ヘで示す方向)に対して水平
方向に用いる際に、空間内における粉粒体層4の重力偏
析を防止することが可能となり、本発明のシート状制振
材3を幅広い用途に適用できるものとなる。
【0041】
【実施例】以下、本発明に係わるシート状制振材3及び
制振パネルAの代表的な実施例について説明をする。
【0042】以下には、高剛性粒子5としてガラスビー
ズ(平均粒径125μm)、低弾性粒子6としてNBR
粒子(平均粒径50μm)を用い、高剛性粒子5と低弾
性粒子6の個数比率を1:3となる条件において作製さ
れた混合粉体層をシート材1内に封入した場合の実施例
について示した。
【0043】混合粉体層の作製のために、ここでは撹枠
翼を備えた竪型混合機を用いた。また、回転型混合機、
V型混合機、気流撹枠型混合機等を用いることによって
も、同等の混合粉体層を作製することが可能である。
【0044】粉粒体層を封入するシート材としては、厚
み2.5mm、及び、0.5mmの二枚のSBR樹脂シー
トを用いた。ここで、シート材は、ゴム、高分子樹脂及
びエラストマーなどであってもよく、特に限定はしな
い。
【0045】SBR樹脂シート内に、粉粒体層を封入す
る手法について、以下で説明する。
【0046】まず、厚み2.5mmのSBR樹脂シート
90を、図19に示すようなローラ表面に高さH(例え
ば2.2mm)の凸部91を持つ歯車状ローラミル10
により、SBR樹脂シート90表面に一定間隔の窪み9
3を設けた。ここで、凸部91の径dは例えば3mmで
あり、その間隔eは例えば1mmである。次いで、上記
混合粉体層を窪み91内に層高2mmとなるように充填
し、そのSBR樹脂シート90上面に別の厚み0.5m
mのSBR樹脂シートを接着した。
【0047】図20に、実施例における損失係数の測定
結果を周波数に対して示した。曲線(A′)は比較例と
してアルミパネルに従来の粘弾性材料(塩化ビニル;シ
ート厚み3mm)のシート状制振材を接着した場合の結
果であり、曲線(A)は、混合粉体層が封入された本発
明のシート状制振材をアルミパネルに接着した場合の結
果である。
【0048】図20の曲線Aから本発明のシート状制振
材は、従来の粘弾性材料のシート状制振材と比較して、
低周波数帯域イにおいて優れた制振性能を示しているこ
とがわかる。
【0049】また、参考までに同条件におけるパネル中
心からの300mm遠方の位置での騒音レベルの1/3
Band特性を図21に示した。制振性能の傾向と同様
に、本発明のシート状制振材は低周波数帯域におけるパ
ネルからの放射音が、従来のシート状制振材よりも低減
していることがわかる。
【0050】
【発明の効果】上述のように請求項1記載の発明に係る
シート状制振材にあっては、中空状のシート材の内部空
間に、振動エネルギーを吸収する粉粒体層が、挙動可能
な状態で封入されているので、シート材内に粉粒体層の
存在によって、粒子接触点における効果的なエネルギー
減衰が生じ、従来の粘弾性材料によるシート状制振材で
は成し得なかった低周波数帯域を含む幅広い周波数帯域
における優れた制振性能を得ることが可能になる。しか
も、上記シート材内に粉粒体層が挙動可能な状態で封入
されてシート状制振材が構成されているので、このシー
ト状制振材がいかなる形状の構造物に対しても使用可能
となり、構造物の用途に応じた制振効果が期待できるも
のである。
【0051】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、粉粒体層が、弾性変形に伴って振動エ
ネルギーを吸収する低弾性粒子と、剛性の高い高剛性粒
子とが混在した混合粉体層であるので、高剛性粒子の大
きな慣性により、粒子接触点におけるヒステリシス減衰
がより低周波数帯域から生じ、これにより単一の粉粒体
層よりも更に低周波数帯域において振動エネルギーを効
果的に吸収することができ、低周波数帯域を含む幅広い
周波数帯域におけるシート状制振材の性能を向上させる
ことができる。
【0052】また請求項3記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、混合粉体層において、低弾性粒子のヤ
ング率が108(N/m2)以下であり、且つ高剛性粒子
のヤング率が1010(N/m2)以上であるので、ヤン
グ率が大きな高剛性粒子の慣性及びヤング率が小さな低
弾性粒子の大きな粒子変形により、粒子接触点における
ヒステリシス減衰が低周波数帯域より効果的に生じるこ
ととなり、従って、振動エネルギー吸収が増加して、低
周波数帯域におけるシート状制振材の性能を向上させる
ことができ、優れた制振性能が得られる。
【0053】また請求項4記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、混合粉体層において、高剛性粒子に対
する低弾性粒子の材料密度比が2以上であるので、大き
な材料密度を有する高剛性粒子の慣性により、粒子接触
点におけるヒステリシス減衰が低周波数帯域より生じ、
振動エネルギー吸収が増加することによって、低周波数
帯域におけるシート状制振材の性能を向上させることが
でき、優れた制振性能が得られる。
【0054】また請求項5記載の発明は、請求項2記載
の効果に加えて、混合粉体層において、高剛性粒子に対
する低弾性粒子の平均粒径比を1以上とし、且つ高剛性
粒子と低弾性粒子との個数比率を略1:1〜略1:5と
したので、高剛性粒子間の粒子接触点において低弾性粒
子が介在することが可能となり、粒子接触点において高
剛性粒子の慣性が効果的に作用し、ヒステリシス減衰が
増加し、低周波数帯域における振動エネルギーの吸収量
を増加させることができる結果、シート状制振材の性能
を向上させることができる。
【0055】また請求項6記載の発明は、請求項1〜請
求項5のいずれかに記載の効果に加えて、シート材の材
料が低弾性材料であるので、粉粒体層による制振効果に
加えてシート材自身の制振効果を付加させることが可能
になり、より大きな制振性能を得ることが可能になる。
【0056】また請求項7記載の発明は、請求項1〜請
求項6のいずれかに記載の効果に加えて、シート材の内
部空間に振動エネルギーを吸収する粉粒体層が空隙を残
して充填され、その空隙の高さが粉粒体層の高さの2%
以上であるので、粉粒体粒子が上下シート材により制限
・拘束されることなく運動するため、粒子接触点におけ
る効果的なヒステリシス減衰が生じ、低周波数帯域にお
ける振動エネルギーの吸収量を増加させることができ、
シート状制振材の性能向上を図ることができる。
【0057】また請求項8記載の発明は、請求項1〜請
求項7のいずれかに記載の効果に加えて、粉粒体層が仕
切りによって分割されているので、本発明のシート状制
振材を重力に対して水平方向に用いる際に、空間内にお
ける粉粒体層の重力偏析を防止することが可能となり、
本発明のシート状制振材を幅広い用途に適用できるもの
となる。
【0058】また請求項9記載の発明に係る制振パネル
は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のシート状制
振材が、金属板、木板等のパネル面に貼付されてなるの
で、低周波数帯域を含む幅広い周波数帯域において優れ
た制振性能を有する制振パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態の一例を説明するシ
ート状制振材の斜視図、(b)は断面図である。
【図2】本発明のシート状制振材と従来制振材のそれぞ
れの周波数に対する損失係数の関係を説明するグラフで
ある。
【図3】(a)(b)は従来制振材の制振メカニズムを
説明する概念図である。
【図4】(a)(b)は本発明のシート状制振材の制振
メカニズムを説明する概念図である。
【図5】(a)は本発明の他の実施形態のシート状制振
材の斜視図、(b)は断面図である。
【図6】図5における本発明のシート状制振材の周波数
に対する損失係数の関係を説明するグラフである。
【図7】(a)は本発明の単一の粉粒体層の制振メカニ
ズムを説明する概念図、(b)は(a)のロ部の拡大
図、(c)はヒステリシスループの説明図である。
【図8】(a)は本発明の混合粉体層の制振メカニズム
を説明する概念図、(b)は(a)のハ部の拡大図、
(c)はヒステリシスループの説明図である。
【図9】本発明の混合粉体層において、ヤング率が制振
性能に与える影響を説明するグラフである。
【図10】本発明の混合粉体層において、材料密度比が
制振性能に与える影響を説明するグラフである。
【図11】本発明の混合粉体層において、平均粒径比及
び個数比率が制振性能に与える影響を説明するグラフで
ある。
【図12】(a)は本発明の粉粒体層において平均粒径
比がエネルギー吸収メカニズムヘ与える影響を説明する
概念図、(b)は(a)のニ部の拡大図である。
【図13】(a)は本発明の混合粉体層において、平均
粒径比がエネルギー吸収メカニズムヘ与える影響を説明
する概念図、(b)は(a)のホ部の拡大図である。
【図14】(a)は本発明の混合粉体層において、個数
比率が1:1以下の場合のエネルギー吸収メカニズムを
説明する概念図、(b)は個数比率が1:5以上の場合
のエネルギー吸収メカニズムを説明する概念図である。
【図15】(a)は本発明の更に他の実施形態のシート
状制振材の斜視図、(b)は断面図である。
【図16】本発明の粉粒体層の100%充填の場合の周
波数に対する損失係数の低下を説明するグラフである。
【図17】(a)は本発明の更に他の実施形態のシート
状制振材の斜視図、(b)は断面図である。
【図18】(a)は粉粒体層の重力偏析現象を説明する
概念図、(b)は粉粒体層が仕切りによって分割される
場合の重力偏析現象が防止されることを説明する概念図
である。
【図19】(a)(b)は同上のシート状制振材の作製
に用いた装置の概略図である。
【図20】本発明のシート状制振材の制振性能を説明す
るグラフである。
【図21】本発明のシート状制振材の騒音レベル1/3
Bandを説明するグラフである。
【図22】同上の制振性能(損失係数)を計測するシス
テムの概略図である。
【図23】図22の損失係数の算出に関する説明図であ
る。
【図24】(a)は従来の制振材の斜視図、(b)は振
動時の概念図である。
【図25】従来の制振材の周波数に対する制振性能(損
失係数)を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 シート材 2 構造物 3 シート状制振材 4 粉粒体層 5 高剛性粒子 6 低弾性粒子 8 仕切り A 制振パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 晋 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 FA13 GA24 HF16 3J048 AA07 AC02 BB01 BE14 DA06 DA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状のシート材の内部空間に、振動エ
    ネルギーを吸収する粉粒体層が、挙動可能な状態で封入
    されていることを特徴とするシート状制振材。
  2. 【請求項2】 粉粒体層が、弾性変形に伴って振動エネ
    ルギーを吸収する低弾性粒子と、剛性の高い高剛性粒子
    とが混在した混合粉体層であることを特徴とする請求項
    1記載のシート状制振材。
  3. 【請求項3】 混合粉体層において、低弾性粒子のヤン
    グ率が108(N/m2)以下であり、且つ高剛性粒子の
    ヤング率が1010(N/m2)以上であることを特徴と
    する請求項2記載のシート状制振材。
  4. 【請求項4】 混合粉体層において、高剛性粒子に対す
    る低弾性粒子の材料密度比が2以上であることを特徴と
    する請求項2記載のシート状制振材。
  5. 【請求項5】 混合粉体層において、高剛性粒子に対す
    る低弾性粒子の平均粒径比を1以上とし、且つ高剛性粒
    子と低弾性粒子との個数比率を略1:1〜略1:5とし
    たことを特徴とする請求項2記載のシート状制振材。
  6. 【請求項6】 シート材の材料が低弾性材料であること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシ
    ート状制振材。
  7. 【請求項7】 シート材の内部空間に振動エネルギーを
    吸収する粉粒体層が空隙を残して充填され、その空隙の
    高さが粉粒体層の高さの2%以上であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシート状制振
    材。
  8. 【請求項8】 粉粒体層が仕切りによって分割されてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記
    載のシート状制振材。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の
    シート状制振材が、金属板、木板等のパネル面に貼付さ
    れてなることを特徴とする制振パネル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110407534A (zh) * 2019-07-18 2019-11-05 珠海兴业新能源科技有限公司 一种核壳结构的隔音砂浆及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110407534A (zh) * 2019-07-18 2019-11-05 珠海兴业新能源科技有限公司 一种核壳结构的隔音砂浆及其制备方法

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