JP6927290B2 - ガラス板構成体 - Google Patents

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Description

本発明は、振動することにより音響性能を発揮するガラス板と、このガラス板の縁部に沿って取り付けられた支持部材と、を有するガラス板構成体に関する。
スピーカ又はマイクロフォン用の振動板として、一般的にはコーン紙又は樹脂が用いられているが、これらの振動板に代えてガラス板を使用したものが特許文献1に開示されている。
特許文献1には、平面表示パネルと組み合わせたパネル型スピーカが開示されている。特許文献1のパネル型スピーカは、エキサイターによって励振される平板状の振動板を備えており、この振動板が平面表示パネルの構成部分を兼ねるように構成されている。具体的には、表示装置を構成する表面側のガラス板が振動板として兼用されており、この表面側のガラス板は、適宜な剛性を有する媒介層を介して表示装置の枠体に支持されている。
つまり、特許文献1には、振動板であるガラス板が、支持部材に相当する枠体に、剛性を有する媒介層を介して支持されたガラス板構成体が開示されている。また、特許文献1のガラス板構成体は、支持部材が枠体なので、振動板であるガラス板の4辺の全周縁部が枠体に媒介層を介して支持されている。
日本国特開2001−61194号公報
しかしながら、特許文献1のガラス板構成体は、表面側のガラス板を振動させると、ガラス板の振動が媒介層を介して支持部材(枠体)に伝達し、支持部材も振動してしまうので、支持部材からも音が発生するという問題があった。この問題によって特許文献1のガラス板構成体は、良好な音響性能を得ることができないという問題があった。
ところで、振動板として使用されるガラス板の用途としては、特許文献1に開示された平面表示パネルの他、窓用、壁用又は天井用などの建材に適用されることが想定される。また、振動板であるガラス板は、騒音に対して逆位相の振動を発生させることにより、騒音を消音する機能も有する。このため、室内に設置される自立型の手すり用又は防煙垂壁用などの室内構造体に、振動板であるガラス板を適用し、手すり又は防煙垂壁に消音機能を備えさせるなど幅広く使用されることが予想される。
更に、振動板であるガラス板は、ガラス板のみで適用箇所に設置されるものではなく、ガラス板の4辺の全周縁部を支持部材によって支持した形態(例えば、窓用のガラス板構成体)、又は少なくとも1辺の縁部を支持部材によって支持した形態(例えば、壁用、天井用、手すり用及び防煙垂壁用のガラス板構成体)で適用箇所に設置されることが一般的である。
このように振動板であるガラス板は、縁部が支持部材に支持された形態(ガラス板構成体)で使用されるものであるが、特許文献1にて説明したように、従来のガラス板構成体には、上記の問題により音響性能を十分に発揮することができるものは存在せず、よって、良好な音響性能を有するガラス板構成体が望まれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、良好な音響性能を有するガラス板構成体を提供することを目的とする。
本発明のガラス板構成体は、本発明の目的を達成するために、振動子によって振動される振動板と、振動板の縁部に沿って取り付けられて振動板を支持する支持部材と、を有し、振動板は、少なくとも1枚のガラス板を備え、振動板の縁部と支持部材とを固定する固定部と、振動板の振動を許容する振動許容部と、を介して支持部材に支持される。
本発明のガラス板構成体によれば、良好な音響性能を有する。
本発明の一形態において、振動板は、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、支持部材は、振動板の4辺の縁部に沿って取り付けられる枠状体に構成されることが好ましい。
本発明の一形態において、振動板は、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、支持部材は、振動板の1辺に取り付けられる直状体に構成されることが好ましい。
本発明の一形態において、固定部は、振動板の縁部に沿って間欠的に配置されることが好ましい。
本発明の一形態において、固定部は、振動板の隅部の近傍の縁部に配置されることが好ましい。
本発明の一形態は、振動板の縁部における固定部が配置される領域が、振動板の縁部における振動許容部が占める領域よりも小さいことが好ましい。
本発明の一形態において、固定部は、振動板の縁部が載置されるセッティングブロックと、振動板の縁部を支持部材に固定するシール材と、を備えることが好ましい。
本発明の一形態において、振動許容部は、振動板の縁部と支持部材との間に配置される軟質のバッカーであることが好ましい。
本発明の一形態において、振動許容部は、振動板の縁部と支持部材との間に配置される軟質のガスケットであることが好ましい。
本発明の一形態において、振動許容部は、振動板の縁部と支持部材との間に形成される空隙部であることが好ましい。
本発明のガラス板構成体は、本発明の目的を達成するために、振動子によって振動される振動板と、振動板の縁部に沿って取り付けられて振動板を支持する支持部材と、を有し、振動板は、少なくとも1枚のガラス板を備え、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、4辺の縁部のうち少なくとも1辺の縁部を除く残りの辺の縁部に支持部材が取り付けられる。
本発明の一形態において、振動板は、25℃における損失係数が1×10−2以上、かつ、板厚方向の縦波音速値が5.0×10m/s以上であることが好ましい。
本発明の一形態において、振動板は複数のガラス板を備え、複数のガラス板のうち少なくとも一対のガラス板の間に液体層が備えられることが好ましい。
本発明によれば、良好な音響性能を有するガラス板構成体を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係るガラス板構成体の斜視図である。 図2は、図1に示したガラス板構成体の振動板の断面図である。 図3は、固定部及び振動許容部の配置位置を例示したガラス板構成体の平面図である。 図4は、固定部の第1の例を示すガラス板構成体の断面図である。 図5は、固定部の第2の例を示すガラス板構成体の断面図である。 図6は、振動許容部の第1の例を示すガラス板構成体の断面図である。 図7は、振動許容部の第2の例を示すガラス板構成体の断面図である。 図8は、振動許容部の第3の例を示すガラス板構成体の断面図である。 図9は、第2実施形態のガラス板構成体の平面図である。 図10は、ガラス板構成体の変形例を示したガラス板構成体の平面図である。 図11は、振動板に対する固定部と振動子の配置位置を示した振動板の正面図である。
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス板構成体の好ましい実施形態について説明する。なお、以下の図面において、同一又は類似する部材については、同一の符号を付して説明し、重複する場合にはその説明を省略する場合もある。
また、本明細書において数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
図1は、第1実施形態に係るガラス板構成体10の斜視図である。
ガラス板構成体10は、後述する振動子によって振動される振動板12と、振動板12の縁部に沿って取り付けられて振動板12を支持する支持部材14と、を有する。
ガラス板構成体10の特徴を説明する前に、本実施形態に適用される振動板12について説明する。
振動板12は、25℃における損失係数が1×10−2以上、かつ、板厚方向の縦波音速値が5.0×10m/s以上であることが好ましい。なお、損失係数が大きいことは振動減衰能が大きいことを意味する。
損失係数は、半値幅法により算出したものを用いる。材料の共振周波数のピークトップの値をf、振幅hであるピーク値から−3dB下がった点(すなわち、最大振幅−3[dB]における点)の周波数幅をWとしたときに、{W/f}で表される値を損失係数と定義する。
共振を抑えるには、振動板12の損失係数を大きくすればよい。損失係数が大きくなることは、振幅hに対し相対的に周波数幅Wが大きくなり、ピークがブロードとなることを意味する。
損失係数は材料等の固有の値であり、例えばガラス板単体の場合にはその組成や相対密度等によって異なる。なお、損失係数は共振法などの動的弾性率試験法により測定することができる。
縦波音速値とは、振動板中で縦波が伝搬する速度をいう。縦波音速値及びヤング率は、日本工業規格(JIS−R1602−1995)に記載された超音波パルス法により測定することができる。
ガラス板構成体10の振動板12は、少なくとも1枚のガラス板を備えればよく、即ち1枚のガラスのみ(単板)からなってもよいが、高い損失係数及び高い縦波音速値を得るための具体的な構成として、2枚以上のガラス板を含み、これらのガラス板のうち少なくとも一対のガラス板の間に所定の液体層を含むことが好ましい。
振動板12は、少なくとも一対のガラス板の間に液体からなる液体層を設けることで、高い損失係数を実現することができる。中でも、液体層の粘性や表面張力を好適な範囲にすることで、より損失係数を高くすることができる。
これは、一対のガラス板を、粘着層を介して設ける場合とは異なり、一対のガラス板が固着せず、各々のガラス板としての振動特性を持ち続けることに起因するものと考えられる。
液体層は25℃における粘性係数が1×10−4〜1×10Pa・sであり、かつ、25℃における表面張力が15〜80mN/mであることが好ましい。粘性が低すぎると振動を伝達しにくくなり、高すぎると液体層の両側に位置する一対のガラス板同士が固着して一枚のガラス板としての振動挙動を示すようになることから、共振振動が減衰されにくくなる。また、表面張力が低すぎるとガラス板間の密着力が低下し、振動を伝達しにくくなる。表面張力が高すぎると、液体層の両側に位置する一対のガラス板同士が固着しやすくなり、一枚のガラス板としての振動挙動を示すようになることから、共振振動が減衰されにくくなる。
液体層の25℃における粘性係数は1×10−3Pa・s以上がより好ましく、1×10−2Pa・s以上がさらに好ましい。また、1×10Pa・s以下がより好ましく、1×10Pa・s以下がさらに好ましい。
液体層の25℃における表面張力は20mN/m以上がより好ましく、30mN/m以上がさらに好ましい。
液体層の粘性係数は回転粘度計などにより測定することができる。液体層の表面張力はリング法などにより測定することができる。
液体層は、蒸気圧が高すぎると液体層が蒸発してしまう。そのため、液体層は、25℃、1atmにおける蒸気圧が1×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以下がより好ましく、1×10Pa以下がさらに好ましい。なお、液体層の蒸発や流出を防ぐため、シール材により封止処理等を施してもよいが、このとき、シール材により振動板12の振動を妨げないようにする必要がある。シール材としては、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニルアルコール系、エチレン共重合体系、ポリアクリル酸エステル系、シアノアクリレート系、飽和ポリエステル系、ポリアミド系、線状ポリイミド系、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系、ポリウレタン系、不飽和ポリエステル系、反応性アクリル系、ゴム系、シリコーン系、変性シリコーン系等を用いることができる。
液体層の厚さは薄いほど、高剛性の維持及び振動伝達の点から好ましい。具体的には、一対のガラス板の合計の厚さが1mm以下の場合は、液体層の厚さは、一対のガラス板の合計の厚さの1/10以下が好ましく、1/20以下がより好ましく、1/30以下がさらに好ましく、1/50以下がよりさらに好ましく、1/70以下がことさらに好ましく、1/100以下が特に好ましい。
また、一対のガラス板の合計の厚さが1mm超の場合は、液体層の厚さは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましく、20μm以下がよりさらに好ましく、15μm以下がことさらに好ましく、10μm以下が特に好ましい。液体層の厚さの下限は、製膜性及び耐久性の点から0.01μm以上が好ましい。
液体層は化学的に安定であり、液体層と液体層の両側に位置する一対のガラス板とが、反応しないことが好ましい。化学的に安定とは、例えば光照射により変質(劣化)が少ないもの、又は少なくとも−20〜70℃の温度領域で凝固、気化、分解、変色、ガラスとの化学反応等が生じないものを意味する。
液体層の成分としては、具体的には、水、オイル、有機溶剤、液状ポリマー、イオン性液体及びそれらの混合物等が挙げられる。
より具体的には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ストレートシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル)、変性シリコーンオイル、アクリル酸系ポリマー、液状ポリブタジエン、グリセリンペースト、フッ素系溶剤、フッ素系樹脂、アセトン、エタノール、キシレン、トルエン、水、鉱物油、及びそれらの混合物、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル及び変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコール又はシリコーンオイルを主成分とすることがより好ましい。
上記の他に、粉体を分散させたスラリーを液体層として使用することもできる。損失係数の向上といった観点からは、液体層は均一な液体であることが好ましいが、ガラス板構成体に着色や蛍光等といった意匠性や機能性を付与する場合には、スラリーは有効である。
液体層における粉体の含有量は0〜10体積%が好ましく、0〜5体積%がより好ましい。粉体の粒径は沈降を防ぐ観点から10nm〜1μmが好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
また、意匠性・機能性付与の観点から、液体層に蛍光材料を含んでもよい。蛍光材料を粉体として分散させたスラリー状の液体層でも、蛍光材料を液体として混合させた均一な液体層でもよい。これにより、ガラス板構成体に光の吸収及び発光といった光学的機能を付与することができる。
図2は、本実施形態の一態様における振動板12の断面図である。
本態様の振動板12は、液体層16を両側から挟む、一対のガラス板18、20を備える。このような構成の振動板12は、一方のガラス板18が共振した場合に、液体層16の存在により、他方のガラス板20は共振しない、又は、ガラス板20の共振の揺れを減衰することができることから、単板の場合と比較して損失係数を高くすることができる。
一方のガラス板18と他方のガラス板20の共振周波数のピークトップの値は異なることが好ましく、共振周波数の範囲が重なっていないことがより好ましい。ただし、ガラス板18及びガラス板20の共振周波数の範囲が重複していたり、ピークトップの値が同じであったりしても、液体層16の存在によって、一方のガラス板18が共振しても、他方のガラス板20の振動が同期しないことで、ある程度共振が相殺されることから、単板の場合と比較して高い損失係数を得ることができる。
ガラス板18の共振周波数のピークトップの値をQa、共振振幅の半値幅をwa、他方のガラス板20の共振周波数のピークトップの値をQb、共振振幅の半値幅をwbとした時に、下記[式1]の関係を満たすことが好ましい。
(wa+wb)/4<|Qa−Qb|・・・[式1]
[式1]における左辺の値が大きくなるほどガラス板18とガラス板20との共振周波数のピークトップの値の差(|Qa−Qb|)が大きくなり、高い損失係数が得られるようになることから好ましい。そのため、下記[式1’]を満たすことがより好ましく、下記[式1”]を満たすことがさらに好ましい。
(wa+wb)/2<|Qa−Qb|・・・[式1’]
(wa+wb)/1<|Qa−Qb|・・・[式1”]
なお、ガラス板の共振周波数のピークトップの値及び共振振幅の半値幅は、損失係数と同様の方法で測定することができる。
ガラス板18とガラス板20の質量差は小さいほど好ましく、質量差がないことがより好ましい。質量差がある場合、軽い方のガラス板の共振は重い方のガラス板で抑制することはできるが、重い方のガラス板の共振を軽い方のガラス板で抑制することは困難である。質量比に偏りがあると、慣性力の差異により原理的に共振振動を互いに打ち消せなくなるためである。
ガラス板18とガラス板20の質量比(ガラス板18の質量/ガラス板20の質量)は0.8〜1.25(8/10〜10/8)が好ましく、0.9〜1.1(9/10〜10/9)がより好ましく、1.0(10/10、質量差0)がさらに好ましい。
ガラス板18及びガラス板20の厚さはいずれも薄いほど、ガラス板18、20同士が液体層16を介して密着しやすく、また、ガラス板18、20を少ないエネルギーで振動させることができる。そのため、スピーカ等の振動板用途の場合には、ガラス板18、20の厚さは薄いほど好ましい。具体的にはガラス板18及びガラス板20の厚さは、それぞれ15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましく、3mm以下がさらにより好ましく、1.5mm以下が特に好ましく、0.8mm以下が特により好ましい。一方、薄すぎるとガラス板の表面欠陥の影響が顕著になりやすく割れが生じやすく、強化処理がしにくくなることから、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましい。
また、共振現象に起因する異音の発生を抑制した建築・車両用開口部材用途においては、ガラス板18及びガラス板20の厚さは、それぞれ0.5〜15mmが好ましく、0.8〜10mmがより好ましく、1.0〜8mmがさらに好ましい。
ガラス板18及びガラス板20の少なくともいずれか一方は、損失係数が大きい方が、振動板12としての振動減衰も大きくなり、振動板用途として好ましい。具体的には、ガラス板の25℃における損失係数は1×10−4以上が好ましく、3×10−4以上がより好ましく、5×10−4以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、生産性や製造コストの観点から5×10−3以下であることが好ましい。また、ガラス板18及びガラス板20の両方が、上記の損失係数を有することがより好ましい。
ガラス板18及びガラス板20の少なくともいずれか一方は、板厚方向の縦波音速値が高い方が高周波領域の音の再現性が向上することから、振動板用途として好ましい。具体的には、ガラス板の縦波音速値は5.0×10m/s以上が好ましく、5.5×10m/s以上がより好ましく、6.0×10m/s以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、生産性や原料コストの観点から7.0×10m/s以下が好ましい。また、ガラス板18及びガラス板20の両方が、上記の音速値を満たすことがより好ましい。
なお、ガラス板の縦波音速値は、ガラス板構成体における縦波音速値と同様の方法で測定することができる。
ガラス板18及びガラス板20の組成は特に限定されないが、例えば下記範囲であることが好ましい。
SiO:40〜80質量%、Al:0〜35質量%、B:0〜15質量%、MgO:0〜20質量%、CaO:0〜20質量%、SrO:0〜20質量%、BaO:0〜20質量%、LiO:0〜20質量%、NaO:0〜25質量%、KO:0〜20質量%、TiO:0〜10質量%、かつ、ZrO:0〜10質量%。但し上記組成がガラス全体の95質量%以上を占める。
ガラス板18及びガラス板20の組成はより好ましくは、下記範囲である。
SiO:55〜75質量%、Al:0〜25質量%、B:0〜12質量%、MgO:0〜20質量%、CaO:0〜20質量%、SrO:0〜20質量%、BaO:0〜20質量%、LiO:0〜20質量%、NaO:0〜25質量%、KO:0〜15質量%、TiO:0〜5質量%、かつ、ZrO:0〜5質量%。但し上記組成がガラス全体の95質量%以上を占める。
また、ガラス板18及びガラス板20は、有機ガラスであってもよい。
ガラス板18及びガラス板20の比重はいずれも小さいほど、少ないエネルギーで振動させることができるため好ましい。具体的にはガラス板18及びガラス板20の比重はそれぞれ2.8以下が好ましく、2.6以下がより好ましく、2.5以下がさらにより好ましい。下限は特に限定されないが、2.2以上であることが好ましい。
ガラス板18及びガラス板20のヤング率を密度で除した値である比弾性率は、いずれも大きいほど、剛性を高くすることができる。具体的にはガラス板18及びガラス板20の比弾性率はそれぞれ2.5×10/s以上が好ましく、2.8×10/s以上がより好ましく、3.0×10/s以上がさらにより好ましい。上限は特に限定されないが、4.0×10/s以下であることが好ましい。
ガラス板18、ガラス板20及び液体層16の少なくともいずれかに着色することも可能である。これは、振動板12に意匠性を持たせたい場合や、IRカット、UVカット、プライバシーガラス等の機能性を持たせたい場合に有用である。
振動板12がガラス板の間に液体層を含む構成である場合、振動板12を構成するガラス板は2枚以上であればよいが、3枚以上のガラス板を用いてもよい。振動板12を構成する複数枚のガラス板は、すべて異なる組成のガラス板を用いてもよく、すべて同じ組成のガラス板を用いてもよく、同じ組成のガラス板と異なる組成のガラス板とを組み合わせて用いてもよい。中でも、異なる組成からなる2種類以上のガラス板を用いることが振動減衰性の点から好ましい。
振動板12を構成する複数枚のガラス板の質量及び厚さについても同様に、すべて異なっても、すべて同一でも、一部が異なっていてもよい。中でも、構成するガラス板の質量が全て同一であることが振動減衰性の点から好ましい。
振動板12を構成するガラス板の少なくとも1枚に物理強化ガラス板又は化学強化ガラス板を用いることもできる。これは、振動板12の破壊を防ぐのに有用である。振動板12の強度を高めたい場合には、振動板12の最表面に位置するガラス板を物理強化ガラス板又は化学強化ガラス板とすることが好ましく、構成するガラス板の全てが物理強化ガラス板又は強化ガラス板であることがより好ましい。
また、ガラス板として、結晶化ガラスや分相ガラスを用いることも、縦波音速値や強度を高める点から有用である。特に、振動板12の強度を高めたい場合には、振動板12の最表面に位置するガラス板を結晶化ガラス又は分相ガラスとすることが好ましい。
振動板12の少なくとも一方の最表面に、音響効果を損なわない範囲でコーティングをしたり、フィルムを貼付したりしてもよい。コーティングの施工又はフィルムの貼付は例えば傷付き防止等に好適である。
コーティング又はフィルムの厚さは、表層のガラス板の板厚の1/5以下であることが好ましい。コーティング又はフィルムには従来公知の物を用いることができるが、コーティングとしては例えば撥水コーティング、親水コーティング、滑水コーティング、撥油コーティング、光反射防止コーティング、遮熱コーティング、等が挙げられる。また、フィルムとしては例えばガラス飛散防止フィルム、カラーフィルム、UVカットフィルム、IRカットフィルム、遮熱フィルム、電磁波シールドフィルム等が挙げられる。
振動板12の形状は、用途によって適宜設計することができ、平面板状であっても曲面形状でもよい。
低周波数帯域の出力音圧レベルを上げるため、振動板12にエンクロージャー又はバッフル板を付与した構造とすることもできる。
図1に戻り、第1実施形態のガラス板構成体10について説明する。
まず、本発明の目的は、振動板12自体が備える音響性能を損なうことなく、振動板12を支持部材14に有効に支持させたガラス板構成体10を提供することにある。先にも説明したが、従来のガラス板構成体は、振動板の4辺の全周縁部が枠体(支持部材)に媒介層を介して支持されている。つまり、振動板の4辺の全周縁部が媒介層を介して支持部材に拘束されている。このため、振動子による振動板の振動が、振動板の4辺の全周縁部から支持部材に伝達し、支持部材からも音が発生することから、良好な音響性能を得ることができない。
そこで、本発明では、振動板を支持部材に支持させる支持構造(従来では媒介層に相当)を改良することで、振動板から支持部材に伝達する振動を低減することができる点に着目し、その支持構造を備えたガラス板構成体を提供するものである。
上記の支持構造を備える本発明のガラス板構成体は、以下の基本構造を有する。
すなわち、本発明のガラス板構成体は、振動子によって振動される振動板と、振動板の縁部に沿って取り付けられて振動板を支持する支持部材と、を有し、振動板は、少なくとも1枚のガラス板を備え、振動板の縁部と支持部材とを固定する固定部と、振動板の振動を許容する振動許容部と、を介して支持部材に支持される。
本発明のガラス板構成体は、振動板の全周縁部を支持部材に固定部を介して取り付けるものではなく、固定部と振動許容部とからなる支持構造を介して支持部材に取り付けるものである。つまり、固定部によって振動板の縁部を支持部材に取り付けることにより、振動板を支持部材に有効に支持させたガラス板構成体を構成することができる。そして、振動許容部によって振動板の振動を許容することにより、振動板の振動が振動許容部から支持部材に伝達することを防止し又は低減することができる。
これにより、本発明のガラス板構成体は、振動板から支持部材に伝達される振動を、従来のガラス板構成体と比較して低減することができる。よって、本発明のガラス板構成体は、支持部材から発生する音を低減することができるので、良好な音響性能を得ることができる。
本発明で言う振動許容部とは、支持部材に対して振動板を固定せずに振動させることにより、振動板の振動が支持部材に伝達することを低減し又は防止する部位である。振動許容部の形態としては、振動板の縁部と支持部材との間に配置される軟質のバッカー又は軟質のガスケット、又は振動板の縁部と支持部材との間に形成される空隙部を例示することができる。この点については後述する。
以下、第1実施形態のガラス板構成体10の具体的な構造を説明する。
第1実施形態のガラス板構成体10は、振動板12の4辺の縁部を支持部材14によって支持した形態であり、特に、窓用に好適なガラス板構成体である。
振動板12は、4辺の縁部(以下、上縁部とも言う。)12A、縁部(以下、下縁部とも言う。)12B、縁部(以下、左縁部とも言う。)12C及び縁部(以下、右縁部とも言う。)12Dを有する矩形状に構成される。支持部材14は、振動板12の4辺の縁部12A〜12Dに沿って取り付けられるように枠状体に構成される。すなわち、支持部材14は、振動板12の上縁部12Aに沿って取り付けられる枠(以下、上枠とも言う。)14Aと、下縁部12Bに沿って取り付けられる枠(以下、下枠とも言う。)14Bと、左縁部12Cに沿って取り付けられる枠(以下、左枠とも言う。)14Cと、右縁部12Dに沿って取り付けられる枠(以下、右枠とも言う。)14Dと、を有している。
支持部材14の材質としては、鋼材、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム又は炭化タングステン等の金属、合金材料又はFRP等の複合材料、アクリル又はポリカーボネート等の樹脂材料、ガラス材料又は木材等を用いることができ、その材質は特に限定されるものではない。
図3は、ガラス板構成体10の支持部材14を透視して固定部22及び振動許容部24の配置位置を例示したガラス板構成体10の平面図である。
図3の如く、固定部22は、振動板12の上縁部12A及び下縁部12Bに沿って間欠的に配置される。一例として、上縁部12Aにおいては、上縁部12Aの左右の隅部13の近傍位置に2つの固定部22が配置され、下縁部12Bにおいても同様に、下縁部12Bの左右の隅部13の近傍位置に2つの固定部22が配置される。このような位置に固定部22を配置することで、左縁部12Cの中央位置近傍に左用振動子26Lを取り付けることができ、かつ、右縁部12Dの中央位置近傍に右用振動子26Rを取り付けることができるので、ステレオタイプのガラス板構成体10を構成することができる。
なお、図3に示した固定部22の配置位置は一例であり、図3の配置位置に限定されるものではない。例えば、図3の二点鎖線で示すように、振動板12の左縁部12C及び右縁部12Dに沿って固定部22を間欠的に配置してもよい。この場合にも、左縁部12Cにおいては、左縁部12Cの上下の隅部13の近傍位置に2つの固定部22を配置し、右縁部12Dにおいても同様に、右縁部12Dの上下の隅部13の近傍位置に2つの固定部22を配置することが好ましい。このような位置に固定部22を配置することで、上縁部12A及び下縁部12Bの各々の中央位置近傍に左用振動子26Lと右用振動子26Rとを取り付けることができるので、ステレオタイプのガラス板構成体10を構成することができる。
図4は、図3の4−4線に沿うガラス板構成体10の断面図であり、固定部22の第1の例を示したガラス板構成体10の断面図が示されている。
図4の如く、振動板12の下縁部12Bを、支持部材14の下枠14Bに取り付ける固定部22は、振動板12の下縁部12Bが載置されるセッティングブロック28と、振動板12の下縁部12Bを下枠14Bに固定するシール材30と、を備える。
支持部材14の下枠14B(上枠14A、左枠14C及び右枠14Dも同様)は、断面がU字状に構成されており、振動板12の下縁部12B及び下縁部12Bに連続する振動板12の表裏面(主面とも言う。)の下辺部位12E、12Eを収容する形状に構成される。セッティングブロック28は、下枠14Bの底部に載置され、シール材30は、下辺部位12E、12Eを封止するように下枠14Bに充填される。また、必要に応じて、振動板12の面外方向の力を受ける硬質ゴム製のブロック32、32が、下辺部位12E、12Eを挟むように下枠14Bに嵌入される。なお、本願明細書では、実質的な縁部12A〜12Dと、その縁部12A〜12Dに連続して隣接する表裏面の上下左右の辺部位と、を含めて縁部と定義する。
一方、振動板12の上縁部12Aを、支持部材14の上枠14Aに取り付ける固定部22は、シール材30を備えている。このシール材30は、振動板12の上辺部位12F、12Fを封止するように上枠14Aに充填される。また、必要に応じてブロック32、32が、上辺部位12F、12Fを挟むように上枠14Aに嵌入されている。
このように構成された固定部22によれば、セッティングブロック28によって振動板12の自重を受けつつ、シール材30によって振動板12を上枠14A及び下枠14Bに確実に取り付けることができる。
なお、硬質ゴム製のブロック32としては、クロロプレンゴム、EPDMゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
また、セッティングブロック28としては、クロロプレンゴム、EPDMゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
また、シール材30としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン共重合体系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、線状ポリイミド系樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、反応性アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂等を用いることができる。
図5は、固定部22の第2の例を示すガラス板構成体10の断面図である。図5の固定部22は、図4に示す第1の例のブロック32に代えてバッカー34を使用したものである。
図5に示した固定部22であっても、振動板12を上枠14A及び下枠14Bに確実に取り付けることができる。
なお、バッカー34としては、発泡ポリエチレン、発泡クロロプレンゴム、発泡ウレタン、EPDMゴム等を用いることができる。
図6は、図3の6−6線に沿ったガラス板構成体10の断面図であり、振動許容部24の第1の例を示すガラス板構成体10の断面図である。
図6の振動許容部24は、振動板12の縁部12A〜12Dと支持部材14との間に形成される空隙部36である。振動許容部24を空隙部36とすることにより、空隙部36から支持部材14に伝達する振動板12の振動を阻止することができる。
なお、空隙部36には、独立気泡スポンジなどの軟質の充填材を充填してもよい。軟質の充填剤を空隙部36に充填することにより、振動許容部24から支持部材14に振動板12の振動が伝達しにくい上、ガラス板構成体10の気密性を確保することができる。また、充填材は、JIS−A硬度が30以下が好ましい。なお、本願でいうJIS−A硬度は、デュロメータの測定値による。すなわち、JIS−A硬度は、被測定物の表面に圧子(押針)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定し、少なくとも4か所の平均値とする。振動板12の縁部12A〜12Dにおける固定部22が配置される領域は、縁部12A〜12Dにおける振動許容部24が占める領域よりも小さいことが好ましい。固定部22が配置される領域が、振動許容部24が占める領域よりも小さいことにより、ガラス板構成体10の音響性能が良い。
図7は、振動許容部24の第2の例を示すガラス板構成体10の断面である。図7の振動許容部24は、振動板12の縁部12A〜12Dと支持部材14との間に配置される軟質で紐状のバッカー38である。振動許容部24として軟質のバッカー38を適用することにより、振動板12からバッカー38を介して支持部材14に伝達する振動を低減することができる。
なお、バッカー38としては、発泡ポリエチレン等を用いることができる。バッカー38は、JIS K6253(2012)に従い測定されるゴム硬度が20〜50度であることが好ましい。バッカー38のゴム硬度が20〜50度であれば、振動板12からバッカー38を介して支持部材14に伝達する振動を充分に低減することができる。バッカー38として用いられる発泡ポリエチレン等の発泡密度を大きくすることにより、バッカー38のゴム硬度を小さくすることができる。
図8は、振動許容部24の第3の例を示すガラス板構成体10の断面図である。図8の振動許容部24は、振動板12の縁部12A〜12Dと支持部材14との間に配置される軟質で紐状の中空ガスケット40である。振動許容部24として軟質の中空ガスケット40を適用することにより、振動板12から中空ガスケット40を介して支持部材14に伝達する振動を低減することができる。なお、ガスケットは中空ガスケット40に限定されるものではない。
なお、中空ガスケット40としては、シリコンスポンジ、シリコンゴム、EPDMゴム、クロロプレンゴム等を用いることができる。中空ガスケット40は、JIS K6253(2012)に従い測定されるゴム硬度が20〜70度であることが好ましい。中空ガスケット40のゴム硬度が20〜70度であれば、振動板12から中空ガスケット40を介して支持部材14に伝達する振動を充分に低減することができる。
以上の如く、第1実施形態のガラス板構成体10によれば、振動板12が固定部22と振動許容部24とを介して支持部材14に支持されているので、良好な音響性能を有する。
図9は、第2実施形態のガラス板構成体50の平面図である。
第2実施形態のガラス板構成体50は、振動子によって振動される振動板12と、振動板12の縁部に沿って取り付けられて振動板12を支持する支持部材52と、を有する。振動板12は、少なくとも1枚のガラス板を備え、4辺の縁部12A〜12Dを有する矩形状に構成される。また、振動板12は、4辺の縁部12A〜12Dのうち少なくとも1辺の縁部(例えば、左縁部12C)を除く残りの辺の縁部(例えば、上縁部12A、下縁部12B及び右縁部12D)に、平面視で略U字状の支持部材52が取り付けられている。
第2実施形態のガラス板構成体50は、左縁部12Cが支持部材52に支持されておらず、左縁部12Cの振動が支持部材52に伝達されない構成となっている。このような第2実施形態のガラス板構成体50であっても、従来のガラス板構成体と比較して、振動板12から支持部材52に伝達する振動を低減することができるので、良好な音響性能を有する。
なお、第2実施形態のガラス板構成体50において、振動板12と支持部材52との支持構造は限定されるものではなく、例えばシール材を介して取り付けられていてもよく、また、図4及び図5に示した固定部22と、図6から図8に示した振動許容部24とを介して取り付けてもよい。これにより、振動板12から支持部材52に伝達する振動を更に低減することができる。
また、第2実施形態のガラス板構成体50では、平面視で略U字状の支持部材52を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、平面視で略L字状の支持部材を適用してもよい。この場合は、振動板12の4辺の縁部12A〜12Dのうち2辺を除く残りの2辺の縁部にL字状の支持部材が取り付けられる。
図10は、第2実施形態のガラス板構成体の変形例を示したガラス板構成体60の平面図である。
図10のガラス板構成体60は、振動板12の少なくとも1辺の縁部(例えば上縁部12A)が直状体の支持部材62によって支持された形態であり、壁用、天井用、手すり用及び防煙垂壁用に好適なガラス板構成体である。
振動板12は、下縁部12B、左縁部12C及び右縁部12Dが支持部材62に支持されておらず、下縁部12B、左縁部12C及び右縁部12Dの振動が支持部材62に伝達されない構成となっている。このようなガラス板構成体60であっても、振動板12から支持部材52に伝達する振動を低減することができるので、良好な音響性能を有する。
なお、ガラス板構成体60において、振動板12と支持部材62との支持構造は限定されるものではなく、例えばシール材を介して取り付けられていてもよく、また、図4及び図5に示した固定部22と、図6から図8に示した振動許容部24とを介して取り付けてもよい。これにより、振動板12から支持部材62に伝達する振動を更に低減することができる。
図11は、振動板12に対する固定部22と振動子64LU、64LD、64RU、64RDの配置位置の一例を示した振動板12の正面図である。
図11の振動板12は、上縁部12A、下縁部12B、左縁部12C及び右縁部12Dの各々の中央部に固定部22A〜22Dが備えられている。そして、振動板12の左上隅部13LUに振動子64LUが取り付けられ、左下隅部13LDに振動子64LDが取り付けられ、右上隅部13RUに振動子64RUが取り付けられ、右下隅部13RDに振動子64RDが取り付けられている。
上記の如く構成された振動板12によれば、振動子64LUを駆動することにより、振動子64LUと固定部22Aと固定部22Cを頂点とする三角形の領域の振動板12LUを独立して振動させることができる。また同様に、振動子64LDを駆動することにより、振動子64LDと固定部22Bと固定部22Cを頂点とする三角形の領域の振動板12LDを独立して振動させることができる。同様に、振動子64RUを駆動することにより、振動子64RUと固定部22Aと固定部22Dを頂点とする三角形の領域の振動板12RUを独立して振動させることができる。また、振動子64RDを駆動することにより、振動子64RDと固定部22Bと固定部22Dを頂点とする三角形の領域の振動板12RDを独立して振動させることができる。
図11の振動板12によれば、1枚の振動板から4枚の振動板に相当する振動板12LU、12LD、12RU、12RDを得ることができ、振動子64LU、64LD、64RU、64RDを定位制御することにより、広がり感及び奥行感のあるステレオ音場を提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2017年3月29日出願の日本特許出願特願2017−065571に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10…ガラス板構成体、12…振動板、12A〜12D…縁部、12LU、12LD、12RU、12RD…振動板、13…隅部、14…支持部材、14A〜14D…枠、16…液体層、18、20…ガラス板、22…固定部、22A〜22D…固定部、24…振動許容部、26L…左用振動子、26R…右用振動子、28…セッティングブロック、30…シール材、32…ブロック、34…バッカー、36…空隙部、38…バッカー、40…中空ガスケット、50…ガラス板構成体、52…支持部材、60…ガラス板構成体、62…支持部材、64LU、64LD、64RU、64RD…振動子

Claims (13)

  1. 振動子によって振動される振動板と、前記振動板の縁部に沿って取り付けられて前記振動板を支持する支持部材と、を有し、
    前記振動板は、少なくとも1枚のガラス板を備え、前記振動板の縁部と前記支持部材とを固定する固定部と、前記振動板の振動を許容する振動許容部と、を介して前記支持部材に支持される、ガラス板構成体。
  2. 前記振動板は、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、
    前記支持部材は、前記振動板の4辺の縁部に沿って取り付けられる枠状体に構成される、請求項1に記載のガラス板構成体。
  3. 前記ガラス板は、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、
    前記支持部材は、前記振動板の1辺に取り付けられる直状体に構成される、請求項1に記載のガラス板構成体。
  4. 前記固定部は、前記振動板の縁部に沿って間欠的に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  5. 前記固定部は、前記振動板の隅部の近傍の縁部に配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  6. 前記振動板の縁部における前記固定部が配置される領域が、前記振動板の縁部における前記振動許容部が占める領域よりも小さい、請求項1から5のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  7. 前記固定部は、前記振動板の縁部が載置されるセッティングブロックと、前記振動板の縁部を前記支持部材に固定するシール材と、を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  8. 前記振動許容部は、前記振動板の縁部と前記支持部材との間に配置される軟質のバッカーである、請求項1から7のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  9. 前記振動許容部は、前記振動板の縁部と前記支持部材との間に配置される軟質のガスケットである、請求項1から7のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  10. 前記振動許容部は、前記振動板の縁部と前記支持部材との間に形成される空隙部である、請求項1から7のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  11. 振動子によって振動される振動板と、前記振動板の縁部に沿って取り付けられて前記振動板を支持する支持部材と、を有し、
    前記振動板は、少なくとも1枚のガラス板を備え、4辺の縁部を有する矩形状に構成され、前記4辺の縁部のうち少なくとも1辺の縁部を除く残りの辺の縁部に前記支持部材が取り付けられる、ガラス板構成体。
  12. 前記振動板は、25℃における損失係数が1×10−2以上、かつ、板厚方向の縦波音速値が5.0×10m/s以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
  13. 前記振動板は複数のガラス板を備え、前記複数のガラス板のうち少なくとも一対のガラス板の間に液体層が備えられる、請求項1から12のいずれか1項に記載のガラス板構成体。
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