JP2001011709A - すべり止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】少なくとも凸部1aとその側方に縫い代1bを
有する、シリコン樹脂で一体成形されたすべり止め。こ
のすべり止め１の縫い代1b部分をズボン又はスカートの
腰の裏側に取り付ける帯体２に重ね合わせ、その部分で
両者を縫着する。 【効果】この重なり合っている部分にミシン糸３を走ら
せるだけで、帯体２にすべり止め１をきわめて簡単に取
り付けることができ、加工性・作業性の面で優れてい
る。このすべり止め１は縫着によって帯体２に取り付け
られるから、従来の場合に比べて離脱しにくい。従っ
て、腰裏として、末永くすべり止め機能を保持すること
ができる。すべり止め１は伸長可能であるから、使用時
に要求される伸びに充分対応させることができ、履き心
地も充分満足できるものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ズボン又はスカー
トの腰の裏側に取り付ける腰裏に装着するためのすべり
止め及びこのすべり止めを取り付けた腰裏の改良に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付
ける腰裏用のすべり止めとして、従来、帯状の生地にス
クリーン印刷その他の印刷方式により発泡シリコン樹脂
を所定形状に転写したり（例えば、特開昭６０−３９４
０３号、特開昭６０−１３４００２号）、発泡シリコン
樹脂からなる所定形状のすべり止め部材を熱接着させる
もの（例えば、実用新案登録第３０５１９５１号）など
が存在する。また、ズボン又はスカートの腰の裏側に帯
体を取り付けた後、すなわち、帯体の縫製後において、
液状のシリコン樹脂を塗布した後それを硬化させること
によってすべり止めとしたものもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】印刷方式により腰裏に
すべり止めを転写する場合には、印刷機を必要とするだ
けでなく、精巧な作業が要求され、また、転写した樹脂
を乾燥させなければならないから、加工に手間が掛か
る。また、熱接着により腰裏にすべり止めを取り付ける
場合にも、アイロンやこてを必要とするだけでなく、一
々アイロンやこてですべり止めを押え付ける等厄介な作
業を行わなければならない。また、帯体の縫製後におい
て、液状のシリコン樹脂を塗布した後それを硬化させる
方式も、加工に手間が掛かるのみならず、すべり止めと
しての仕上がりが見にくいものとなり、さらに、コスト
が高く付くという欠点を有している。そして、このよう
な方式により取り付けられたすべり止めの最大の欠点
は、きわめて剥がれやすいことである。それは、樹脂を
単に生地に転写し、あるいは、熱接着したり、塗布後に
硬化させているに過ぎないからである。この欠点は、す
べり止めとして致命的なものである。このように、従来
の場合には、加工性・作業性の面で、特に、耐久性の面
できわめて不十分と言わざるを得ず、これらの欠点のな
いすべり止めの出現が待たれていた。本発明は、加工性
・作業性の面で、特に、耐久性の面で優れたすべり止め
を提供することを目的とするものである。また、このす
べり止めを取り付けた腰裏をきわめて容易に製造するこ
とができるようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、一つのすべ
り止めを、少なくとも凸部1aとその側方に縫い代1bを有
する、シリコン樹脂で一体成形されたものとし、それに
よって上記目的を達成するようにしたものである。ズボ
ン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体２にこのす
べり止め１を沿わせると、平らな縫い代1b部分と平らな
帯体２とが重なり合う。この重なり合っている部分にミ
シン糸３を走らせると、図１に示すように、帯体２にす
べり止め１をきわめて簡単に取り付けることができる。
そして、このすべり止め１は縫着によって帯体２に取り
付けられるから、従来の場合に比べて離脱しにくいもの
とすることができる。このすべり止め１はシリコン樹脂
で一体成形されたものであるから、少なくとも長手方向
に伸長可能なものである。

【０００５】凸部1aの裏面に、ロゴ4a入りのフィルム４
を重ね合わせておくとよい。このフィルム４が凸部1aの
裏側にあると、凸部1aの凸レンズ機能によってフィルム
４に描かれたロゴ4aを図４の黒字で示すように凸部1aの
表側に浮き上がらせることができ、すべり止めに宣伝機
能を持たせることができる。従って、このすべり止め１
を取り付けた腰裏Ａにも宣伝機能を持たせることができ
る。

【０００６】一方、少なくとも凸部1aとその側方に縫い
代1bを有する、シリコン樹脂で一体成形されたすべり止
め１を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯
体２に縫着する。すなわち、この帯体２にすべり止め１
を沿わせると、平坦な縫い代1b部分と帯体２とが重なり
合うから、この重なり合っている部分にミシン糸３を走
らせるだけで、図１に示すように、帯体２にすべり止め
１をきわめて簡単に取り付けることができる。この場合
において、前記凸部1aを帯体２からはみ出させることが
でき、その凸部1aがすべり止めの機能を果たす。そし
て、このすべり止め１は縫着によって帯体２に取り付け
られるから、従来の場合に比べて離脱しにくい。このよ
うにして縫製された帯状物Ａが、本発明にいう腰裏であ
る。

【０００７】すべり止め１が帯体２の長さにほぼ等しい
長尺物であることが好ましい。すべり止め１がこのよう
な長尺物であると、長尺状の帯体２にその長さにほぼ等
しいすべり止め１を沿わせ、重なり合っている平坦な縫
い代1b部分と帯体２とに端から端までミシン糸３を走ら
せるだけで、一時に縫製加工を完了することができるか
ら、すべり止め付きの腰裏をきわめて容易に製造するこ
とができ、また、すべり止めの取付作業も大幅に向上す
る。

【０００８】このすべり止め１はシリコン樹脂で一体成
形されたものであるから、少なくとも長手方向に伸長可
能であり、これをズボン又はスカートの腰の裏側に取り
付けて使用したとき、伸縮自在の生地でできている帯体
２等の素材の伸びに伴ってこのすべり止め１も自由に伸
長する。従って、使用時に要求される伸びに充分対応さ
せることができ、履き心地も充分満足できるものとな
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を、
図面に基いて詳細に説明する。図１に、本発明によるす
べり止めの一例と、それを取り付けた腰裏を示す。この
すべり止めはシリコン樹脂で透明に近いものとすること
ができ、少なくとも凸部1aとその側方に縫い代1bを有す
る形に成形することにより連続したものとすることがで
きる。そして、それを適当な長さに切断して用いること
ができる。凸部1aの形は図１に示すように断面丸形とし
てもよいし、三角形、四角形等自由な形とすることがで
きる。

【００１０】一方、凸部1aの側方に位置する縫い代1b
は、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体２
に沿わせやすく、かつ、重なり合っている縫い代1bと帯
体２とをミシン糸で縫着しやすいように平らに形成され
ている。ズボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯
体２にこのすべり止め１を沿わせると、平らな縫い代1b
部分と平らな帯体２とが重なり合う。この重なり合って
いる部分にミシン糸３を走らせるだけで、図１に示すよ
うに、帯体２にすべり止め１をきわめて簡単に取り付け
ることができる。この場合において、前記凸部1aを帯体
２からはみ出させることができ、その凸部1aがすべり止
めの機能を果たす。そして、このすべり止め１は縫着に
より帯体２に取り付けられるから、従来の場合に比べて
離脱しにくい。このようにして縫製された帯状物Ａが、
一つの製品である腰裏と呼ばれるものである。

【００１１】この腰裏Ａは、例えば図６に示すようにズ
ボン又はスカートの腰の裏側に取り付けることができ
る。図６では、ズボン又はスカートの表地５の裏側であ
って腰の裏側に相当する部分に、ミシン糸６により取り
付けられている。なお、図６において、図面符号７は芯
地、８はバイアス生地で、ともに伸縮自在な素材ででき
ている。このすべり止め１はシリコン樹脂で一体成形さ
れたものであるから、長手方向及び幅方向に伸長可能で
あり、このすべり止め１を備えた腰裏を図６に示すよう
に取り付けて使用したとき、伸縮自在の生地でできてい
る帯体２や芯地７やバイアス生地８の各素材の伸びに伴
ってこのすべり止め１も自由に伸長する。従って、使用
時に要求される伸びに充分対応させることができ、履き
心地も充分満足できるものとなる。

【００１２】縫い代1bは、図１、図３に示すように、凸
部1aの片側に設けてもよいし、図２に示すように、その
両側に設けてもよい。図２に示すように、凸部1aの両側
に縫い代1b、1bを設けておくと、図１の場合とは異なり
その両側を縫着することができるので、すべり止めとし
ての凸部1aがめくれにくくなる利点がある。

【００１３】凸部1aは、図１、図２に示すように、長手
方向に連続する太い１本の凸条としてもよいし、図５に
示すように、長手方向に連続する細い複数本の凸条とし
てもよい。また、図示はしないが、長手方向に連続しな
い凸部とすることもできる。さらに、長手方向に連続す
る１本の凸部1aの表面を凹凸状にしておくとよい。この
場合には、その表面が単に平坦な場合に比べてすべり止
め機能が向上するという利点がある。凹凸の大きさ、長
さを自由に変えることができ、それによってすべり止め
効果を増大させることもできる。

【００１４】すべり止め１が帯体２の長さにほぼ等しい
長尺物であることが好ましいが、長い帯状物を幾つかに
分割した短いものであってもよい。すべり止め１が帯体
２の長さにほぼ等しい長尺物であると、長尺状の帯体２
にその長さにほぼ等しいすべり止め１を沿わせ、重なり
合っている平坦な縫い代1b部分と帯体２とに端から端ま
でミシン糸３を走らせるだけで、一時に縫製加工を完了
することができるので、すべり止め付きの腰裏をきわめ
て容易に製造することができ、また、すべり止めの取付
作業も大幅に向上する。

【００１５】図４は、凸部1aの裏面に、ロゴ4a入りのフ
ィルム４を重ね合わせた場合の一例を示す。このフィル
ム４が凸部1aの裏側にあると、凸部1aの凸レンズ機能に
よってフィルム４に描かれたロゴ4aを図４の黒字で示す
ように凸部1aの表側に浮き上がらせることができ、すべ
り止め１に宣伝機能を持たせることができる。従って、
このすべり止めを取り付けた腰裏Ａにも宣伝機能を持た
せることができる。

【００１６】シリコン樹脂の中にトルマリン、磁気粉
末、消臭剤の一種以上を混入することもできる。また、
シリコン樹脂の中に着色剤を混入してすべり止めを着色
することもできる。

【００１７】

【発明の効果】請求項１記載のすべり止めによれば、ズ
ボン又はスカートの腰の裏側に取り付ける帯体２にきわ
めて簡単に取り付けることができるから、加工性・作業
性の面で優れている。そして、このすべり止めは縫着に
より帯体２に取り付けることができるから、従来の場合
に比べて離脱しにくいものである。

【００１８】請求項２記載のすべり止めによれば、すべ
り止めに宣伝機能を持たせることができ、従って、この
すべり止め１を取り付けた腰裏Ａにも宣伝機能を持たせ
ることができる。

【００１９】請求項３記載の腰裏によれば、すべり止め
が離脱しにくいから、末永くすべり止め機能を保持する
ことができる。また、使用時に要求される伸びに充分対
応させることができ、履き心地も充分満足できるもので
ある。

【００２０】請求項４記載の腰裏によれば、重なり合っ
ている平坦な縫い代1b部分と帯体２とに端から端までミ
シン糸３を走らせるだけで、一時に縫製加工を完了する
ことができるので、すべり止め付きの腰裏をきわめて容
易に製造することができ、また、すべり止めの取付作業
も大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるすべり止めの一例と、それを取り
付けた腰裏を示す斜視図である。

【図２】縫い代を凸部の両側に設けたすべり止めの一例
を示す斜視図である。

【図３】凸部の表面を凹凸状にしたすべり止めの一例を
示す斜視図である。

【図４】凸部の裏面に、ロゴ入りのフィルムを重ね合わ
せた一例を示す斜視図である。

【図５】凸部を長手方向に連続する細い複数本の凸条と
した一例を示す斜視図である。

【図６】図１に示す腰裏をズボン又はスカートの腰の裏
側に取り付けた状態を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１…すべり止め、1a…凸部、1b…縫い代、２…帯体、３
…ミシン糸、４…フィルム、4a…ロゴ、Ａ…腰裏。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大隅 久平 群馬県利根郡片品村大字鎌田3819番地 Ｆターム(参考） 3B035 AA03 AB05 AB13 AC01 AC15 AD08 AD13

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも凸部1aとその側方に縫い代1bを
   有する、シリコン樹脂で一体成形されたすべり止め。
2. 【請求項２】凸部1aの裏面に、ロゴ4a入りのフィルム４
   を重ね合わせたことを特徴とする請求項１記載のすべり
   止め。
3. 【請求項３】少なくとも凸部1aとその側方に縫い代1bを
   有する、シリコン樹脂で一体成形されたすべり止め１の
   縫い代1b部分を、ズボン又はスカートの腰の裏側に取り
   付ける帯体２に重ね合わせ、その部分で両者を縫着した
   ことを特徴とする腰裏。
4. 【請求項４】すべり止め１が帯体２の長さにほぼ等しい
   長尺物であることを特徴とする請求項３記載の腰裏。