JP2001011690A - 表面処理金属材及びその製造方法 - Google Patents

表面処理金属材及びその製造方法

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JP2001011690A
JP2001011690A JP18026599A JP18026599A JP2001011690A JP 2001011690 A JP2001011690 A JP 2001011690A JP 18026599 A JP18026599 A JP 18026599A JP 18026599 A JP18026599 A JP 18026599A JP 2001011690 A JP2001011690 A JP 2001011690A
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Masayuki Hanazaki
昌幸 花崎
Junichi Oshiro
準一 大代
Takemasa Yamamoto
武正 山本
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム又はアルミニウム合金若しくは
ステンレス鋼からなる金属材において、その表面に、優
れた塗膜密着性、耐食性、耐衝撃性及び加工性を有し、
しかも、最外層に塗布された塗膜層が高い塗膜硬度を発
揮する表面処理金属材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金若し
くはステンレス鋼からなる金属材の表面に形成された表
面粗さRz 5〜50μmの粗面化表面と、この粗面化表
面も含めて金属材表面全面に化成処理又は陽極酸化処理
で形成された皮膜層と、最外層として設けられた塗膜層
とを有することを特徴とする表面処理金属材である。ま
た、金属材の表面に表面粗さRz 5〜50μmとする粗
面化処理を施し、次いで化成処理又は陽極酸化処理を施
して皮膜層を形成し、この皮膜層の上に塗料を塗布して
塗膜層を設ける表面処理金属材の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム又は
アルミニウム合金若しくはステンレス鋼からなる金属材
の表面に、粗面化処理が施され、更に皮膜層及び塗膜層
が形成された表面処理金属材及びその製造方法に係わ
り、特に、優れた塗膜硬度、塗膜密着性、耐衝撃性、耐
食性等を有する表面処理金属材及びその製造方法に係わ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金から
なるアルミニウム材や、ステンレス鋼からなるステンレ
ス鋼材等の金属材は、押出形材や板材等として、鉄道車
両内装、建物の窓や玄関建具等の建物の内外装、ビル外
壁や内装等の各種建築部材、道路資材、各種キャビネッ
ト、冷凍車コンテナ内外装、冷凍ショーケース、各種日
用品等極めて多岐に渡って利用されている。
【0003】このような金属材において、特に、アルミ
ニウム材の押出形材や板材は、一般に、その表面に陽極
酸化処理を施して陽極酸化皮膜層を形成したり、更にそ
の上にアクリル電着塗装を施して複合皮膜層を形成した
り、また、表面に化成処理を施して化成皮膜層を形成
し、その後に通常の塗装を施して塗膜層を形成した表面
処理アルミニウム材として使用されている。
【0004】ところで、これら表面に皮膜層や塗膜層が
形成されたアルミニウム材は、長期に亘って美観と優れ
た耐食性を発揮するが、アルミニウム又はアルミニウム
合金が他の金属に比べて柔らかく、アルミニウム材を表
面処理して形成された皮膜層や塗膜層は、その塗膜硬度
や耐衝撃性等の物性において不足する場合があり、その
ため、摺動部や人の出入りの激しい部位では、アルミニ
ウム材表面の塗膜層が傷付き易く、また、塗膜割れし易
く、長期間に亘って美観を維持し続けるのが困難である
という問題がある。
【0005】また、このように表面に皮膜層や塗膜層が
形成されたアルミニウム材は、優れた耐食性、耐候性及
び加工性を有するため、前述したように広範な用途で使
用されているが、最近では、最終ユーザの嗜好の変化か
ら、薄っぺらである、安っぽい、冷たい等の感じがする
ことを指摘する者も出始めている。このため、公共施設
や鉄道施設のように不特定多数の人々が使用する環境で
用いられる材料については、これまでのアルミニウム材
に代わって樹脂部材が用いられ始めているのが現状であ
る。
【0006】しかしながら、上記樹脂部材で形成された
樹脂製品については、廃棄後のリサイクル方法が確立さ
れていないため、廃棄物処理に大きな費用がかかるばか
りでなく、地球環境を汚染するという問題もある。
【0007】また、ステンレス鋼材については、通常、
その表面に不動態皮膜とよばれるきわめて薄い酸化皮膜
が生成しており、この酸化皮膜がステンレス鋼材の化学
的あるいは電気化学的な活性を抑制し、これによって優
れた耐食性が発揮され、耐食材料として前述したように
広範な用途で使用されている。しかしながら、このよう
なステンレス鋼材は、その表面に酸化皮膜が存在してい
るが故に、最外層に塗料を塗布して塗膜層を設けた際に
塗膜密着性が悪く、その結果、ステンレス鋼材の表面と
塗膜層との間に隙間が生じて腐食し易いという問題があ
る。
【0008】
【発明が解決すべき課題】そこで、本発明者等は、アル
ミニウム及びアルミニウム合金若しくはステンレス鋼か
らなる金属材において、その表面に優れた塗膜密着性、
耐食性、耐衝撃性及び加工性を有し、且つ、塗膜硬度に
優れた金属材、及びこの金属材を得るための製造方法に
ついて鋭意研究した結果、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金若しくはステンレス鋼からなる金属材において、
その表面に凹凸を付与して所定の表面粗さを有する粗面
化表面を形成し、この粗面化表面も含めて金属材表面全
面に化成処理又は陽極酸化処理で形成された皮膜層と、
最外層として塗膜層を設けることにより目的を達成でき
ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】従って、本発明の目的は、アルミニウム又
はアルミニウム合金若しくはステンレス鋼からなる金属
材において、その表面に、優れた塗膜密着性、耐食性、
耐衝撃性及び加工性を有し、しかも、最外層に塗布され
た塗膜層が高い塗膜硬度を発揮する表面処理金属材を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、このよ
うに優れた塗膜密着性、耐食性、耐衝撃性及び加工性と
高い塗膜硬度を有する表面処理金属材を製造するための
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金若しくはステンレス鋼から
なる金属材の表面に形成された表面粗さRz 5〜50μ
mの粗面化表面と、この粗面化表面も含めて金属材表面
全面に化成処理又は陽極酸化処理で形成された皮膜層
と、最外層として設けられた塗膜層とを有する表面処理
金属材である。尚、Rz は、表面粗さにおける十点平均
粗さ(JIS B 0601)を示す。
【0011】また、本発明は、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金若しくはステンレス鋼からなる金属材の表面
に表面粗さRz 5〜50μmとする粗面化処理を施し、
次いで化成処理又は陽極酸化処理を施して皮膜層を形成
し、この皮膜層の上に塗料を塗布して塗膜層を設ける表
面処理金属材の製造方法である。
【0012】本発明の表面処理金属材に用いられる金属
材としては、アルミニウム又はアルミニウム合金からな
るアルミニウム材や、ステンレス鋼からなるステンレス
鋼材が挙げられ、その押出形材や、圧延加工された厚肉
又は薄肉の金属板材、又はこれらを適宜折り曲げ加工し
た曲げ加工材等が使用される。
【0013】また、上記金属材の表面は、平坦面に限ら
ず、湾曲面又は球状面も含まれ、且つ適宜のコーナー線
を介して連続する複数の平坦面及び/又は湾曲(球状)
面の組み合わせも含まれる。
【0014】本発明の表面処理金属材において、金属材
の表面に形成される粗面化表面については、その表面粗
さRz が5〜50μm以下であることが必要であり、好
ましくは、その表面粗さRz が15〜40μm以下であ
る。この表面粗さRz が5μm未満であると、金属材の
表面の最外層に設けられる塗膜層の塗膜硬度が十分に得
られず、また、50μmを超えると金属材の表面の外観
が悪くなるため好ましくない。
【0015】上記粗面化表面は、金属材の表面の一部又
は全部に形成されていればよいが、本発明の目的を達成
する上で、好ましくは、金属材の全表面積に対して粗面
化表面が占める割合が70%以上、好ましくは80%以
上、より好ましくは100%であるのがよい。
【0016】また、この粗面化表面については、更に、
その表面の一部又は全部が表面粗さRz 2μm以上5μ
m未満の微細粗面で形成されていてもよく、これによっ
て粗面化表面は二重粗面化構造となり、最外層である塗
膜層との塗膜密着性がより一層向上する。
【0017】本発明の表面処理金属材は、金属材がアル
ミニウム材である場合、上記粗面化表面も含めて金属材
の表面全体に、化成処理又は陽極酸化処理で形成された
皮膜層(すなわち、化成皮膜層又は陽極酸化皮膜層)を
有し、また、金属材がステンレス鋼材である場合、化成
処理で形成された皮膜層(すなわち、化成皮膜層)を有
するものであり、更に、最外層として上記皮膜層の上に
塗膜層を有するものである。
【0018】本発明において、上記化成皮膜層又は陽極
酸化皮膜層からなる皮膜層の厚さは、通常、1〜80μ
mであるが、皮膜層の上に最外層として設けられる塗膜
層に対して、なるべく高い塗膜硬度を付与するという観
点から、好ましくは3〜60μm、より好ましくは5〜
50μmである。
【0019】また、上記最外層である塗膜層の厚さは、
5 〜150μmが望ましい。この塗膜層の厚さが5μm
未満であると粗面化処理によって得られる金属材の凹凸
を解消できず、最外部塗膜層に凹凸が生じて、好ましく
ない外観となる。また、塗膜層の厚さが150μmを超
えると、効果が飽和するばかりでなく、かえって使用さ
れる塗料そのものの塗膜硬度が現出し、本発明の主目的
である高い塗膜硬度を発現せしめることが難しくなる。
【0020】次に、本発明の表面処理金属材を得るため
の製造方法としては、先ず、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金若しくはステンレス鋼からなる金属材の表面
に、ショットブラスト処理、エンボスロール圧延処理等
の粗面化処理を施して表面粗さRz 5〜50μmの粗面
化表面を形成し、次いで、金属材の表面全体に、金属材
がアルミニウム材である場合には化成処理又は陽極酸化
処理を、また、金属材ステンレス鋼材である場合には化
成処理を施して皮膜層を形成し、更に、この皮膜層の上
に塗料を塗布して塗膜層を設ける。
【0021】上記粗面化処理において、ショットブラス
ト処理としては、例えば、金属材の表面に対して、最大
粒径が1mm以下であって、且つ、平均粒径が100μ
m以上のアルミナ粒子を用いてショットブラストを施す
ことが望ましい。
【0022】このショットブラスト処理において、アル
ミナ粒子を用いることが望ましいとしたのは、金属材の
表面に硬質で微細な凹凸を容易に形成することができ、
且つ、アルミナ粒子が金属材の表面に残留した場合にお
いても、後工程の陽極酸化処理時に悪影響を及ぼさない
ためである。従って、ショットブラスト処理には、アル
ミナ粒子と同様の作用効果を発揮し得る他のセラミッ
ク、砂、又は金属等からなる粒子を用いることが可能で
ある。
【0023】また、上記粗面化処理において、エンボス
ロール圧延処理は、例えば、一対の圧延ロールのうちの
少なくとも一方の圧延ロールとしてロール表面が粗面化
された圧延ロールを用い、これら一対の圧延ロール間に
金属板材を挿入し、加圧下に通過させ、粗面化された圧
延ロールの凹凸を金属材の表面に転写させることにより
行なうものである。
【0024】ここで、上記圧延ロールのロール表面を粗
面化する手段については、例えば、レーザーダル加工、
ショットダル加工等を用いることができ、その際、圧延
ロールの粗面化は、この圧延ロールのロール間を通過し
たアルミニウム材の表面に、表面粗さRz 5〜50μm
の凹凸が形成されるように行われる。
【0025】上記レーザーダル加工は、例えば、高エネ
ルギー密度のビーム、例えばレーザービームをブライト
ロール表面に照射して規則的な凹凸パターンを施して、
金属材に与えようとする凹凸パターンを形成する技術で
ある。また、ショットダル加工は、ショットブラストに
よりブライトロール表面に不均一な凹凸パターンを施し
て、金属材に与えようとする凹凸パターンを形成する技
術である。
【0026】次に、本発明において、上記のように粗面
化表面が形成された金属材の表面に施される化成処理と
しては、例えば、アルカリ−クロム酸塩系、クロム酸塩
系、リン酸−クロム酸塩系、リン酸亜鉛系等の皮膜を形
成せしめる種々の方法が挙げられ、これによって化成皮
膜層が形成される。また、陽極酸化処理には、酸性浴の
建浴に硫酸、シュウ酸、クロム酸、ほう酸等を用いる公
知の方法が適用可能であり、これによって陽極酸化皮膜
層が形成される。また、低温で高い電解電圧を付与させ
る硬質アルマイト処理も用いることができる。
【0027】更に、上記陽極酸化皮膜層は、厚さ方向に
沿って細径の通電孔が多数内包された多孔性であるた
め、陽極酸化皮膜層が形成された後直ちに、公知の方法
で封孔処理を行なって通電孔を封孔してもよい。この封
孔処理によって耐食性を更に向上せしめることができ
る。
【0028】また、本発明における表面処理金属材はそ
の表面に着色が施されたものであってもよく、この着色
が施された表面処理金属材としては、例えば、金属材が
アルミニウム材であって陽極酸化皮膜層が電解着色され
た表面処理金属材や、表面に形成された粗面化表面の凹
部内に顔料が充填された表面処理金属材等が挙げられ
る。
【0029】粗面化処理後、化成処理皮膜層又は陽極酸
化皮膜層が設けられた表面処理金属材は、電着塗装、ス
プレー塗装、又は浸漬塗装等の塗装処理を施すことがで
きる。上記電着塗装、スプレー塗装、及び浸漬塗装等は
それぞれ公知の方法によって行うことができる。 ま
た、上記塗装処理に使用される塗料については、特に限
定されるものではないが、アクリル樹脂塗料、ポリウレ
タン樹脂塗料、ふっ素樹脂塗料、ポリエステル、ビニー
ルオルガノゾル、光触媒酸化チタン含有無機系塗料及び
又は無機系のポリシロキサン化合物に有機系のアクリル
樹脂を反応させた、いわゆる、無機系塗料等が使用され
る。上記塗装処理に使用される塗料は、顔料を含む有色
塗料又はクリア塗料が使用される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施に好
適な形態を図面と共に説明する。本発明は以下の実施形
態や実施例に限定されるものではない。
【0031】先ず、アルミニウム又はアルミニウム合金
からなる押出形材又は板材(以下、金属材と称する)1
を公知の方法により用意する。次に、この金属材1に対
しアルミナ粒子を用いてショットブラスト処理を施す。
このアルミナ粒子は最大粒径が1mm以下で、且つ、粒
径100μm以上である。また金属材1の送り速度は約
1m/分程度とし、且つ、ショット圧力は1〜5kg/
cm2 の範囲で適宜選択される。
【0032】その結果、図1に示すように、金属材1の
表面において、表面粗さがRz で5〜50μmの粗面化
表面2が形成される。また、この金属材1に対し、第一
段目として粒径の大きいアルミナ粒子を用いてショット
ブラスト処理を行ない、引き続いて粒径の小さいアルミ
ナ粒子を用いてショットブラストを行うことにより、R
z の値が大きい粗面化表面にRz の値が小さい粗面化表
面を作る、所謂、二重構造粗面化表面を形成させること
が可能である。
【0033】更に、金属材1の粗面化表面2に陽極酸化
処理を施す。すると、粗面化表面2に沿って全体に略均
一な厚さの陽極酸化皮膜層3が形成される。この陽極酸
化皮膜層3は厚さ1〜80μmのアルミナ層から成り、
且つ、厚さ方向に沿って細径の孔(図示せず)が多数内
包されている。係る各孔を直ちに公知の方法により封孔
処理しても良い。
【0034】加えて、上記陽極酸化皮膜層3に対して着
色処理を施すことも可能である。係る着色処理には、例
えば金属塩浴を用いて金属成分又は金属酸化物を被膜層
中の細孔内に充填させる公知の電解着色処理が用いられ
る。この電解着色処理は、Ni、Sn、Co、Cu等の
金属塩中に浸漬した金属材1に対し、交流、直流、矩形
波電流又はパルス電流を供給して電解することにより、
Ni、Sn、Co、Cu等の金属成分又は金属酸化物を
陽極酸化皮膜層3の細孔中に充填させるものである。
【0035】これらの後に前記封孔処理がなされ、或い
は未封孔状態でこの陽極酸化皮膜層3上に、塗装処理を
施して塗膜層4を設ける。塗装処理は、電着塗装、スプ
レー塗装又は浸漬塗装等公知の方法が用いられる。
【0036】
【実施例】以下において、本発明の具体的な実施例を比
較例とともに説明する。
【0037】実施例1〜24及び比較例1〜8 アルミニウム合金(JIS A 1100)からなる同じ形状とサ
イズを有する板材を複数枚用意し、実施例1〜24及び
比較例1〜7とした。比較例1 、2 、8 を除き、表1に
示す条件で平均粒径250μmのアルミナ粒子を用いて
ショット圧力を3段階に変化させてショットブラスト処
理を施した。このアルミナ粒子の組成は、アルミナ:9
6.6wt%、TiO2 :2.4wt%、SiO2 :0.6
wt%、その他を含むものである。
【0038】次いで、実施例1〜6、実施例13〜1
8、比較例1〜6において硫酸法による陽極酸化処理を
施した。この処理は、硫酸160g/リットルで23℃
の電解液を用い、且つ、電流密度1.5A/dm2 の条
件で電解した。また、実施例7〜12、19〜24及び
比較例7については、硫酸法による硬質アルマイト処理
を行なった。この処理は、硫酸200g/リットルで5
℃の電解液を用い、且つ、電流密度2.0A/dm2
条件で電解した。
【0039】そして、封孔処理は行わずに、直ちに所定
の塗装処理を行なった。即ち、実施例1〜12及び比較
例1、比較例5〜7においては、表1に示す膜厚の熱硬
化型アクリル塗装を実施した。塗装はスプレー塗装を行
ない、次いで、170℃×20分の焼き付け処理を行な
った。
【0040】同様に、実施例13〜24及び比較例2〜
4において、有機無機ハイブリット塗料をスプレー塗布
により供試体に塗布した。次いで、170℃×20分の
焼き付け処理を行なった。また比較異材料として有機無
機ハイブリット塗料が表層に塗布されたFRPを供試し
た。
【0041】以上の実施例1〜24及び比較例1〜8に
ついて、表面塗膜硬度をJIS K5400に準拠して鉛筆硬度
法により測定した。また以上の実施例1〜24及び比較
例1〜8について、塗膜の耐衝撃性をJISK5400 に準拠
してデュポン衝撃試験法により測定した。この際の衝撃
荷重は500g(撃ち型及び受け台半径6.35±0.
03mm)であり、落下高さは50cmである。耐衝撃
性の判定基準は、衝撃による変形で、割れ・剥がれを認
めない状況を◎、周辺部に目視観察で微かなひび割れを
生じた場合を○、割れ・剥がれを生じた場合を×と評価
した。また、塗膜外観及び特異点を目視により評価し
た。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果、実施例1〜24のブラスト処
理(粗面化表面)+陽極酸化皮膜層+塗膜層の組み合わ
せは、一般的な陽極酸化皮膜層+塗膜層である比較例1
〜2に比して、塗膜硬度が著しく高くなることが認めら
れた。
【0044】
【発明の効果】本発明の表面処理金属材によれば、その
表面に所定の表面粗さを有する粗面化表面が形成されて
おり、更に、この粗面化表面も含めて金属材表面全面に
化成処理又は陽極酸化処理で形成された皮膜層と、最外
層として塗膜層が設けられているため、その表面の適度
な粗面化によって、優れた塗膜硬度と塗膜密着性を有す
ると共に耐食性にも優れ、また、粗面化表面が衝撃を吸
収するために耐衝撃性及び加工性も有する。
【0045】更に、本発明の表面処理金属材の製造方法
によれば、その表面に優れた塗膜密着性、耐食性、耐衝
撃性及び加工性を有し、最外層に塗布された塗膜に、高
い塗膜硬度を発揮させる表面処理金属材を確実に提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の表面処理金属材を示す模式
的断面図である。
【符号の説明】
1…金属材、2…粗面化表面、3…陽極酸化皮膜層、4
…塗膜層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 武正 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金若し
    くはステンレス鋼からなる金属材の表面に形成された表
    面粗さRz 5〜50μmの粗面化表面と、この粗面化表
    面も含めて金属材表面全面に化成処理又は陽極酸化処理
    で形成された皮膜層と、最外層として設けられた塗膜層
    とを有することを特徴とする表面処理金属材。
  2. 【請求項2】 粗面化表面は、その一部又は全部が表面
    粗さRz 2μm以上5μm未満の微細粗面で形成された
    二重粗面化構造である請求項1に記載の表面処理金属
    材。
  3. 【請求項3】 皮膜層は、その厚さが1〜80μmであ
    る請求項1又は2に記載の表面処理金属材。
  4. 【請求項4】 金属材がアルミニウム又はアルミニウム
    合金からなるアルミニウム材であり、陽極酸化処理で形
    成された皮膜層が電解着色されている請求項1〜3のい
    ずれかに記載の表面処理金属材。
  5. 【請求項5】 塗膜層は、その厚さが5〜150μmで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理金属材。
  6. 【請求項6】 アルミニウム又はアルミニウム合金若し
    くはステンレス鋼からなる金属材の表面に表面粗さRz
    5〜50μmとする粗面化処理を施し、次いで化成処理
    又は陽極酸化処理を施して皮膜層を形成し、この皮膜層
    の上に塗料を塗布して塗膜層を設けることを特徴とする
    表面処理金属材の製造方法。
  7. 【請求項7】 粗面化処理が、ショットブラスト処理又
    はエンボスロール圧延処理である請求項6に記載の表面
    処理金属材の製造方法。
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