JP2001011273A - 溶融押出成形性に優れた含フッ素材料 - Google Patents

溶融押出成形性に優れた含フッ素材料

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JP2001011273A
JP2001011273A JP11186793A JP18679399A JP2001011273A JP 2001011273 A JP2001011273 A JP 2001011273A JP 11186793 A JP11186793 A JP 11186793A JP 18679399 A JP18679399 A JP 18679399A JP 2001011273 A JP2001011273 A JP 2001011273A
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polymer
elastomeric
polymer chain
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JP11186793A
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Takayuki Araki
孝之 荒木
Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Noritoshi Oka
憲俊 岡
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 柔軟性を有しながら、耐熱性、耐摩耗性およ
びトナー非粘着性、耐油性を兼ね備え、特に定着部ロー
ルまたはベルトなどの表面に用いられるOA機器用のロ
ールやベルトに好適なチューブまたはフィルムを容易に
溶融押出成形法により製造できる含フッ素多元セグメン
ト化ポリマーからなる含フッ素材料を提供する。 【解決手段】 エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントAと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ントBを有する含フッ素多元セグメント化ポリマーであ
って、該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
Aの構成単位の90モル%以上がパーハロオレフィン単
位であり、かつ含フッ素多元セグメント化ポリマー全体
の30重量%以下を非エラストマー性含フッ素ポリマー
鎖セグメントBが占める含フッ素多元セグメント化ポリ
マーからなる溶融成形可能な成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフィスオートメー
ション機器(OA機器)の耐熱性を必要とする部品に用
いられる含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる溶
融押出成形可能な含フッ素材料に関する。さらに該材料
を用いたOA機器に用いるチューブおよびロールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷機用ロール、プラテンロール
などにはウレタンゴム、EPゴム、シリコーンゴムなど
が使用されており、また、電子写真複写機の定着用ロー
ルとしては、シリコ−ンゴムロールあるいはフッ素ゴム
ロールなどが知られている。しかしながら、これらは離
型性トナーを使用したばあいにおいても、離型性(トナ
ー非粘着性)が充分でないため、フッ素樹脂を被覆した
非弾性ロール、あるいは弾性ロール表面にフッ素樹脂収
縮チューブなどを被覆したものなどが提案されている。
さらに、弾性ロール表面にフッ素ゴムとフッ素樹脂粉末
の混合物を塗布、焼き付けし、表面にフッ素樹脂粉末層
を形成したもの(特公平1−36622号公報)、フッ
素ゴムとフッ素樹脂粉末を塗布、焼き付け後さらにフッ
素樹脂粉末を塗布しフッ素樹脂層を形成したもの(特公
平6−100876号公報)なども提案されている。
【0003】電子写真複写機における定着操作に際し
て、定着ロールの離型性を改善するために離型油、一般
にはシリコーン油を塗布することが行なわれているが、
そのばあい、シリコーン油が内部に浸透して定着ロール
が膨潤するのを防止するために、弾性ロール表面にフッ
素樹脂収縮チューブなどを被覆したもの、あるいは特開
平1−205188号公報などに記載のように、芯金上
にシリコーンゴム層、フッ素ゴム層あるいはフルオロシ
リコーンゴム層、シリコーンゴム層を順次設けた定着ロ
ールが提案されている。
【0004】また、特開昭62−285839号公報に
は、本発明者らによって、耐熱性エラストマー材を、フ
ィブリル化されたポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、特に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンに含
浸、接合させた被覆層を芯金上に形成した弾性ロールが
提案されている。
【0005】ところで、ウレタンゴム、EPゴム、シリ
コーンゴムなどを使用した印刷機用ロール、プラテンロ
ールなどにおいては、ロールの弾性は良好であるが、離
型性の面では必ずしも良好なものとはいい難く、そのた
め、トナーの付着、紙粉の付着による印刷物の汚染、紙
のロールへの巻き付きなどのトラブルが発生するという
問題があった。
【0006】また、特に電子写真複写機の定着ロールに
おいて、PTFEやPFA(テトラフルオロエチレンと
パーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)な
どのフッ素樹脂を被覆した非弾性ロールは弾性がないと
いう欠点を有し、また弾性ロール表面にフッ素樹脂収縮
チューブなどを被覆したものなどは、フッ素樹脂が硬
く、伸びが小さいため、表面弾性という面では必ずしも
満足のいくものではなかった。さらに、弾性ロール表面
にフッ素樹脂粉末層(PFAの粉体塗装などによる)を
形成したものは、初期においては弾性、離型性とも良好
であるが、表面のフッ素樹脂粉末が剥離、離脱し易いた
め、その離型性の寿命は短いものであり、さらに150
〜200℃といった高温化する定着ロール用途において
は耐熱性が不充分であり、特にフッ素ゴム成分が劣化し
たり、強度低下したりするためロールの耐久性が低下す
る。
【0007】また、特開平1−205188号公報など
に記載のように、フッ素ゴム層あるいはフルオロシリコ
ーンゴム層の上にシリコーンゴム層を形成したものは、
表面のシリコーンゴム層の強度が充分でない。そこで強
度を向上させるために充填剤の量を増加させると離型性
が低下する。また、シリコーンゴム層とフッ素ゴム層あ
るいはフルオロシリコーンゴム層との接着強度が充分で
ないために、シリコーン油を反復塗布して定着操作を繰
り返すことにより、表面のシリコーンゴム層にクラック
が発生し、最悪のばあいには、剥離が生じるという問題
を有している。さらに表面のシリコーンゴム層やその内
部のフルオロシリコーンゴム層または、フッ素ゴム層
は、それ自体耐熱性が不充分であり、150〜200℃
といった高温化する定着ロール用途では劣化したり、強
度低下により摩耗したりする。
【0008】また、特開昭62−285839号公報に
開示されている弾性ロールは、離型性において非常に優
れており、また、シリコーン油とのなじみ性や耐膨潤性
は良好であるが、弾性特性が劣り、特に弾性回復力にお
いて劣っている。さらに、熱伝導性がわるく、特に連続
コピー時にロールの表面温度が低下してしまうという問
題も有していた。
【0009】近年コピー機、複写機はカラー化、高速化
に向かっており、定着部のロールもより柔軟性と耐熱
性、耐摩耗性を兼ね備えた表面材料が求められている。
【0010】さらにカラー化、高画質化、高速化に進む
LBPにおいて、トナー自体も多色化、低粘度化に向か
っており、オフセット防止の点から定着部ロール表面材
料に対してより一層の非粘着性も求められている。
【0011】こうしたOA機器部品の材料は種々の成形
法で製造されているが、特に肉厚の薄いチューブやフィ
ルムが要求されるLBP機器の分野では、溶融成形法、
特に溶融押出成形法が採用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の各種の
要求特性を満たしかつ高精度で溶融成形、特に溶融押出
成形が可能な含フッ素材料は知られていない。
【0013】本発明は、従来のこのような問題点に鑑み
てなされたものである。
【0014】したがって、本発明の目的は、好ましい柔
軟性と耐摩耗性および優れた離型性や非粘着性を有し、
かつ溶融成形性に優れたOA機器用、特にOA機器ロー
ルまたはベルト用材料に好適な含フッ素材料を提供する
ことにある。
【0015】本発明の他の目的は、シリコーン油などに
よる膨潤が乏しく、離型性(トナー非粘着性)、用紙剥
離性、定着性、発色性が良好であって、耐熱性、耐久性
に優れ、溶融押出成形性に優れた含フッ素材料、OA機
器ロールまたはベルト用などのOA機器用に好適な含フ
ッ素材料を提供することにある。
【0016】本発明者らは、エラストマー性含フッ素ポ
リマー鎖セグメントと、非エラストマー性含フッ素ポリ
マー鎖セグメントを同時に有する特定の含フッ素多元セ
グメント化ポリマー自体が、耐熱性、柔軟性、非粘着性
が要求されるOA機器用途の材料として適していること
を見出した。さらに、これらの含フッ素多元セグメント
化ポリマーのうちでも特定の組成および特定の高温溶融
時の流動性をもつものが溶融押出成形性に優れ、表面が
平滑な肉厚の薄いチューブまたはフィルムを与えること
ができることを見出した。
【0017】なかでも、電子式定着・感光部用途のOA
機器ロール用の材料に好ましく用いることができ、特に
定着ロールに用いることによって優れた定着性・発色性
と耐油性、トナー非粘着性、用紙剥離性を兼ね備え、さ
らに耐熱性、耐久性、耐摩耗性、非粘着性をロール表面
に与えうることができるものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融押出成形用
含フッ素材料は、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
グメントAと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントBを有する含フッ素多元セグメント化ポリマーで
あって、該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメン
トAの構成単位の90モル%以上がパーハロオレフィン
単位であり、かつ含フッ素多元セグメント化ポリマー全
体の30重量%以下、好ましくは25重量%以下を非エ
ラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントBが占める
含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる溶融成形可
能な成形材料であり、さらにフローテスター昇温法で測
定した1.23×105ダイン/cm2のせん断応力下の
1/2流出温度をT1とし、1.23×106ダイン/
cm2のせん断応力下の1/2流出温度をT2としたと
き、ΔT=T1−T2が30℃以上、好ましくはΔTが
40℃以上である溶融押出成形性に優れた含フッ素材料
である。
【0019】含フッ素多元セグメント化ポリマー中に含
まれるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントA
としては非晶質であってガラス転移点25℃以下のポリ
マー鎖であることが好ましく、またテトラフルオロエチ
レン(TFE)50〜85モル%とパーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)(PAVE)および/またはヘキ
サフルオロプロピレン(HEP)15〜50モル%とか
らなるポリマー鎖であることが好ましい。
【0020】また、含フッ素多元セグメント化ポリマー
中に含まれる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントBとしては、結晶融点またはガラス転移点が15
0℃以上、特に250℃以上のポリマー鎖であることが
好ましい。
【0021】さらに、非エラストマー性含フッ素ポリマ
ー鎖セグメントBは、テトラフルオロエチレン85モル
%を超え100モル%以下および式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満か
らなるポリマー鎖であることが好ましい。
【0022】さらに本発明は、前記の溶融押出成形用の
含フッ素材料を用いて溶融押出成形して得られるチュー
ブに関する。本発明によれば、肉厚が10〜500μm
という薄いチューブを提供できる。
【0023】本発明はさらに、前記のチューブを最外層
に有するロール、特にOA機器に使用するトナー定着部
のローラにも関する。
【0024】
【発明の実施の形態】つまり、本発明の溶融押出成形用
含フッ素材料を構成する含フッ素多元セグメント化ポリ
マーは、1分子中にエラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントA(以下、「エラストマー性セグメントA」
という)と非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ントB(以下、「非エラストマー性セグメントB」とい
う)がブロックやグラフトの形態で結合した含フッ素多
元セグメント化ポリマーであることが重要である。
【0025】本発明においてエラストマー性セグメント
Aと非エラストマー性セグメントBとをブロックやグラ
フトなどの形態でつなぎ、含フッ素多元セグメント化ポ
リマーとする方法については、公知の種々の方法が採用
できるが、なかでも特公昭58−4728号公報などに
示されたブロック型の含フッ素多元セグメント化ポリマ
ーの製法や、特開昭62−34324号公報に示された
グラフト型の含フッ素多元セグメント化ポリマーの製法
などが好ましく採用できる。
【0026】とりわけ、セグメント化率(ブロック化
率)も高く、均質で規則的なセグメント化ポリマーがえ
られることから、特公昭58−4728号公報、高分子
論文集(Vol.49、No.10、1992)記載の
いわゆるヨウ素移動重合法で合成されたブロック型の含
フッ素多元セグメント化ポリマーが好ましい。
【0027】一方、エラストマー性含フッ素重合体と非
エラストマー性含フッ素重合体との単なる混合物を用い
たものは、混合するそれぞれの重合体の種類、混合性、
相溶性などによって異なるが、一般的に機械的特性(特
に高温時)が不充分となったり、耐摩耗性が低下した
り、柔軟性が低下したり、耐久性が低下したりする。
【0028】これに対し、本発明のようにエラストマー
性セグメントAと非エラストマー性セグメントBをブロ
ックやグラフトなどで結合させ、多元セグメント化ポリ
マーとすることによって、上記のエラストマー性含フッ
素重合体と非エラストマー性含フッ素重合体とを単に混
合したものなどに比べて、耐熱性、機械的特性(特に高
温時)などが向上し、ロール用としたばあいも耐熱性、
耐久性、耐摩耗性をより効果的に改善できるものであ
る。
【0029】また一方、フッ化ビニリデンを主成分とし
たエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有す
る含フッ素熱可塑性ゴムの被覆層を外周面に設けたゴム
ロールが提案されている(実公平2−15873号公
報)。これらは含フッ素セグメント化ポリマーを用いて
いても、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
がパーハロオレフィン単位を主成分としていないため、
耐熱性、非粘着性が不充分である。
【0030】また本発明者らはさらにヨウ素移動重合法
において、エラストマー性セグメントAの構成単位の9
0モル%以上をパーハロオレフィン単位とすることによ
り、非エラストマー性セグメントB用の単量体とのブロ
ック共重合反応が規則的に均一に進行し、非エラストマ
ー成分が結合しないエラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントのみからなる分子や結合しても分子量の低い
非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントなどの
目的外の生成物量を大幅に少なくできることを見出し、
さらにこれらを用いた成形品がOA機器用耐熱材料、特
にOA機器ロールまたはベルト用として有用であること
を見出した。一方、目的外の未反応のエラストマー性含
フッ素ポリマー鎖セグメントなどを含む含フッ素多元セ
グメント化ポリマーからなる材料は、それを用いて作製
したOA機器用部品に機械的強度の低下、耐熱性の低
下、耐摩耗性の低下など悪影響を及ぼすものである。
【0031】本発明の含フッ素材料は、用いられる含フ
ッ素多元セグメント化ポリマー中のエラストマー性セグ
メントAによって、良好な柔軟性が与えられる。特にO
A機器ロールまたはベルト用とした場合、含フッ素セグ
メント化ポリマー全体の弾性率が150℃で7×108
dyn/cm2以下であること、さらに150℃で5×
108dyn/cm2以下であることが特に好ましく、そ
れによって高画質化、カラー化に向かう定着ロールまた
はベルトの用途においても良好な定着性、発色性を与え
うる。
【0032】エラストマー性セグメントAの構成単位と
して使用可能なパーハロオレフィンとしては、たとえば
テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオ
ロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)〔アルキル基の炭素数は1〜5〕(PAV
E)、
【0033】
【化1】
【0034】(式中、YはFまたはCF3、Rfは炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基、pは0〜5の整数、
qは0〜5の整数、ただしp+q≧1)などのパーフル
オロビニルエーテル類、ヘキサフルオロプロピレン(H
FP)などがあげられ、これらのうちからエラストマー
性をもつ組合せと組成のものが使用できる。なお、パー
オキサイド加硫やポリオール加硫、ポリアミン加硫やそ
の他の硬化反応のために硬化部位を与える単量体や他材
との接着性などの機能付与のための官能基含有単量体を
10モル%以下、導入してもよい。
【0035】本発明で用いる含フッ素多元セグメント化
ポリマーにおいて、エラストマー性セグメントAとは、
ガラス転移点が25℃以下であるセグメントを示し、一
般的には非晶性である。具体的に好ましい組成として
は、たとえばTFE/PAVE/硬化や接着機能を与え
る単量体があげられ、その好ましい組成は50〜85/
15〜50/0〜10モル%、特に50〜80/20〜
50/0〜5モル%である。
【0036】硬化部位を与える単量体としては、たとえ
ばフッ化ビニリデン、CX2=CX−Rf 3CHRI(式
中、XはH、FまたはCH3、Rf 3は1個以上のエーテ
ル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状
のフルオロ−またはパーフルオロアルキレン基、または
フルオロ−またはパーフルオロオキシアルキレン基、フ
ルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリ
オキシアルキレン基、RはHまたはCH3)で示される
ヨウ素含有単量体、CF2=CHI、
【0037】
【化2】
【0038】で示されるニトリル基含有単量体、臭素含
有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカル
ボニル基含有単量体などがあげられ、通常、ヨウ素含有
単量体、ニトリル基含有単量体、カルボキシル基含有単
量体などが好適である。
【0039】ヨウ素含有単量体としては、パーフルオロ
ビニルエーテル化合物がその共重合性から好適である。
たとえばパーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード−
3−オキサ−1−ヘキセン)や、パーフルオロ(5−ヨ
ード−3−オキサ−1−ペンテン)などが好適である。
【0040】そのほか特公平5−63482号公報に記
載されている一般式:
【0041】
【化3】
【0042】(式中、Y3はトリフルオロメチル基、n
は0〜2)で示されるフルオロビニルエーテルなどがあ
げられる。
【0043】また、アルミニウム、ステンレススチール
などの金属やシリコーンゴム、ポリイミドなどの有機材
料などの他材との接着などを与えうる単量体としては、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸誘導体、
スルホン酸、スルホン酸誘導体、エポキシ基、アセチル
基などを有する含フッ素単量体または、フッ素不含単量
体などがあげられる。
【0044】なかでも本発明で用いる含フッ素多元セグ
メント化ポリマーにおいて、OA機器ロール、特に定着
ロール、加圧ロールのソフトロール用に利用するのに充
分な柔軟性を与えるためには、エラストマー性セグメン
トA部分のガラス転移点が25℃以下、特に10℃以下
であることが好ましい。
【0045】エラストマー性セグメントAはフッ素ゴム
の製造法として公知のヨウ素移動重合法で製造できる
(特公昭58−4728号公報、特開昭62−1273
4号公報)。
【0046】たとえば実質的に無酸素下で、水媒体中
で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下
に、前記パーハロオレフィンと、要すれば硬化部位を与
える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存
在下乳化重合を行なう方法があげられる。
【0047】用いるジヨウ素化合物の代表例としては、
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,
4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−
2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨ
ードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフル
オロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカ
ンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカ
ン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。
これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合
せて使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨー
ドパーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の量
は、エラストマー性セグメントA全重量に対して0.0
1〜1重量%である。
【0048】本発明におけるエラストマー性セグメント
Aの製造で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフ
ッ素系エラストマーの重合に使用されているものと同じ
ものであってよい。これらの開始剤には有機および無機
の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤
として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エス
テル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモ
ニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用し
てもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還
元剤と組み合わせて使用することもできる。
【0049】乳化重合に使用される乳化剤としては、広
範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤
分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカ
ーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有するカル
ボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加され
た水の約0.05〜2重量%が望ましく、特に0.2〜
1.5重量%が望ましい。
【0050】本発明で使用するモノマー混合ガスは、カ
ルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン
・ケミストリー・シリーズ(Advances in
Chemistry Series.)129,13
(1973)に記載されるように、爆発性を有するの
で、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しな
いように工夫する必要がある。また、その意味からは、
重合圧力はできる限り低く抑えることが好ましい。
【0051】重合圧力は、広い範囲で変化させることが
できる。一般には、0.5〜5MPaの範囲である。重
合圧力は、高い程重合速度は大きくなるため、生産性の
向上の観点から、0.8MPa以上であることが望まし
い。
【0052】かくしてえられるエラストマー性セグメン
トAは数平均分子量が5,000〜750,000、特
に20,000〜400,000のものが、えられる含
フッ素多元セグメント化ポリマー全体への柔軟性の付
与、弾性の付与、機械的物性の付与の点から好ましい。
【0053】このようにしてえられるエラストマー性セ
グメントAの末端部分はパーハロ型となっており、非エ
ラストマー性セグメントBのブロック共重合の開始点と
なるヨウ素原子を有している。
【0054】本発明において非エラストマー性セグメン
トBとしては、フッ素原子を含み前記エラストマー性を
有していなければ基本的には限定されず、非エラストマ
ー性セグメントBをブロック共重合することによりえよ
うとする特性・機能に合わせて選択すればよい。
【0055】非エラストマー性セグメントBを構成しう
る単量体のうち含フッ素単量体としては、たとえばTF
E、CTFE、PAVE、HFP、CF2=CF(C
2p3(pは1〜10の整数、X3はFまたはC
l)、パーフルオロ−2−ブテンなどのパーハロオレフ
ィン類;フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル、
トリフルオロエチレン、
【0056】
【化4】
【0057】(X1およびX2はHまたはF、qは1〜1
0の整数)、CH2=C(CF32などの部分フッ素化
オレフィン類の1種または2種以上があげられる。ま
た、これらと共重合可能な単量体、たとえばエチレン、
プロピレン、塩化ビニル、ビニルエーテル類、カルボン
酸ビニルエステル類、アクリル類の1種または2種以上
も共重合成分として使用できる。
【0058】これらのうち、耐薬品性、耐熱性の点か
ら、主成分に用いる単量体としては含フッ素オレフィン
単独または含フッ素オレフィン同士の組合せ、エチレン
とTFEの組合せ、エチレンとCTFEの組合せが好ま
しく、特にパーハロオレフィンの単独またはパーハロオ
レフィン同士の組合せが好ましい。
【0059】具体的には、 (1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特
にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFE
またはPVdF; (2)エチレン/TFE/HFP(6〜43/40〜8
1/10〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレ
ン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフ
ルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜
40); (3)TFE/CF2=CF−Rf 1(非エラストマー性
を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 1が15
モル%未満、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基)); (4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜
0/20〜1); (5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0
/10〜1); (6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40); (7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E); (8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40) などがあげられる。
【0060】なかでも、定着ロールまたはベルト用材料
など、耐熱性、耐摩耗性を必要とするばあいの非エラス
トマー性セグメントBは、結晶融点が150℃以上であ
ることが好ましく、また特に高速機の複写機やプリンタ
ー用の定着ロールまたはベルト材料に適用するために
は、特に結晶融点が250℃以上であることが好まし
い。それらのなかでも特に耐熱性や非粘着性、耐摩耗性
の良好な点で、パーハロオレフィンを主構成単位とした
非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとする
ことが好ましい。
【0061】具体的には本発明の含フッ素多元セグメン
ト化ポリマー中の非エラストマー性セグメントBとして
は、テトラフルオロエチレン85モル%を超え100モ
ル%以下および式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5
のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満から
なるポリマー鎖であるものが特に好ましい。このもの
は、OA機器ロール、定着用ロールに用いたばあい、優
れた耐熱性、耐摩耗性とともに、トナーなどの非粘着性
にも優れた性能を示す。
【0062】本発明で用いる含フッ素多元セグメント化
ポリマーの分子末端のヨウ素原子は種々の方法により別
の原子、有機基などに変換することができる。
【0063】たとえば、パーハロオレフィンのみからな
る本発明の含フッ素多元セグメント化ポリマーをフッ素
ガスにより処理することによって分子末端をフッ素化
し、−CF3基とすることができる。
【0064】それによって、含フッ素多元セグメント化
ポリマーの非粘着性、耐熱性、耐油性、耐薬品性をさら
に向上させることができる。
【0065】フッ素ガス処理は、パーハロオレフィンの
みからなる本発明の含フッ素多元セグメント化ポリマー
をフッ素ガスと通常50〜250℃、好ましくは200
℃までの温度で1〜10時間、好ましくは2〜5時間接
触させることによって行なう。圧力は1〜10kgG/
cm2の範囲でよいが通常大気圧で行なわれる。用いる
フッ素ガスは純粋なフッ素ガスを用いてもよいが、安全
性の面から窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど
の不活性ガスで2〜25容量%、好ましくは7〜15容
量%に希釈したガスが好ましい。
【0066】フッ素ガスと接触させる際、含フッ素多元
セグメント化ポリマーは、粉末状、ペレット状、フレー
ク状のいずれの形状であってもよく、さらにフィルムや
チューブ、その他の成形品の形状としてからフッ素化処
理することも可能である。
【0067】また、この含フッ素多元セグメント化ポリ
マー中の非エラストマー性セグメントBにおいても、必
要に応じてまたセグメント化ポリマー自体の構造に対し
て、官能基含有モノマーの共重合により、またはセグメ
ント化ポリマーの末端基の反応により、当該セグメント
化ポリマー中にカルボキシル基やその誘導体、ヒドロキ
シル基、スルホン酸基やその誘導体、エポキシ基などを
導入することができ、それによって基材との密着性、架
橋反応性、充填材などとの親和性を向上させることがで
き、その他の種々の機能も付与できるものである。
【0068】非エラストマー性セグメントBのブロック
共重合は、エラストマー性セグメントAの乳化重合に引
き続き、単量体を非エラストマー性セグメントB用に変
えることにより行なうことができる。
【0069】非エラストマー性セグメントBの数平均分
子量は、1,000〜300,000、好ましくは3,
000〜150,000と広い幅で調整できる。本発明
における重要な特徴は、エラストマー性セグメントAに
確実に非エラストマー性セグメントBをブロック共重合
でき、しかも非エラストマー性セグメントBの分子量
(重合度)を大きくすることができた含フッ素多元セグ
メント化ポリマーを用いる点にある。この点は前述した
とおり、エラストマー性セグメントAの構成単位の90
モル%以上、好ましくは95モル%以上をパーハロオレ
フィン単位とすることにより達成できる。
【0070】かくしてえられる含フッ素多元セグメント
化ポリマーは、エラストマー性セグメントAの両側に非
エラストマー性セグメントBが結合したポリマー分子
(B−A−B)、エラストマー性セグメントAの片側に
非エラストマー性セグメントBが結合したポリマー分子
(A−B)を主体とするものであり、非エラストマー性
セグメントBが結合していないエラストマー性セグメン
トAのみのポリマー分子(C)は、含フッ素多元セグメ
ント化ポリマー中のセグメントAとポリマー分子(C)
との合計量に対し20重量%以下、好ましくは10重量
%以下である。
【0071】このポリマー分子(C)が20重量%を超
えて存在すると、これを用いたOA機器用部品の機械的
物性、耐摩耗性が低下したりする。特に150℃以上と
いう高温化するOA機器用ロールまたはベルトに用いた
ばあい、特に高温での耐摩耗性が低下する。
【0072】本発明者らは、本発明の含フッ素材料で用
いる含フッ素多元セグメント化ポリマー自体の成形加工
性、特に溶融押出成形や射出成形などの溶融成形性が、
非エラストマー性セグメントBの含フッ素多元セグメン
ト化ポリマー全体に占める存在比率に大きく左右される
ことを見出した。
【0073】つまり、非エラストマー性セグメントBが
セグメント化ポリマー全体の30重量%以下、好ましく
は25重量%以下、特に1〜20重量%存在するもの
が、溶融成形性に優れた含フッ素多元セグメント化ポリ
マーである。
【0074】非エラストマー性セグメントが30重量%
を超えると、含フッ素多元セグメント化ポリマーを溶融
押出成形用として用い、チューブやフィルムに成形する
ことを試みた場合、薄膜のものが得られなかったり、厚
膜のものの成形を試みても厚さが均一なものが得られな
かったり、成形時に発泡したり、成形速度が極端に遅く
なったりしてしまう。
【0075】さらに本発明者らは、上記非エラストマー
性セグメントの存在比率が30重量%以下の含フッ素多
元セグメント化ポリマーを用いたものの中に、それ自
体、または上記含フッ素多元セグメント化ポリマーから
なる成形材料(上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
を用いて、たとえば他の材料とブレンドした組成物も含
む)が以下の条件を満たすことにより、より高精度の溶
融押出成形性を有することを見出した。
【0076】その条件とは、前記の含フッ素多元セグメ
ント化ポリマーからなる成形用材料(他の樹脂または添
加剤との混合物も含む)であって、その成形用材料全体
をフローテスター昇温法で測定した場合、1.23×1
5ダイン/cm2のせん断応力下の1/2流出温度をT
1とし、1.23×106ダイン/cm2のせん断応力下
の1/2流出温度をT2としたとき、ΔT=T1−T2
が30℃以上である条件である。
【0077】1/2流出温度とは、フローテスター昇温
法により、一定のせん断応力下で流出温度を6℃/分の
昇温速度で変化させたとき、供試サンプルの全体量の1
/2が流出する温度を言う。
【0078】フローテスター昇温法で所定のせん断応力
と加温を与えると、サンプルは溶融しダイスのダイ孔か
ら流出してくる。ある時点でのサンプル流出量は、その
時点でのサンプル温度とせん断応力に基づくサンプルの
粘度に対応して変化することが知られているが、1/2
流出温度はサンプルの全体的な粘度状態を考慮し、安定
した流出量を反映できるファクターである。
【0079】今回、せん断応力を大きく変化させたとき
の1/2流出温度の変化が特定値以上の値を示す材料が
特に薄膜を狙いとする溶融押出成形においても、成形性
に優れ、均質で表面平滑性が高く(たとえば表面粗度R
aが5μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましく
は2μm以下のものが得られる)、生産性にも優れた成
形品(チューブ、フィルムなど)を提供し得ることを見
出した。
【0080】本発明の含フッ素材料は、ΔTが30℃以
上のものである。ΔTが30℃を下回ると溶融押出成形
により得られるチューブやフィルムなどの成形品の表面
にシワや波打ちが発生し、特に薄膜の成形品を製造する
ことが困難となる。またさらに、ΔTは40℃以上であ
ることが、表面平滑性のより高い成形品を得ることがで
きる点から好ましい。
【0081】本発明の含フッ素材料には、用途、目的に
応じて他のフッ素樹脂や種々の充填剤を混合させること
ができる。
【0082】他のフッ素樹脂は、もちろん前記含フッ素
多元セグメント化ポリマーと異なる物質である。他のフ
ッ素樹脂は、結晶融点またはガラス転移点が150℃以
上のものであり、含フッ素多元セグメント化ポリマーの
優れた非粘着性、機械的特性を低下させないで、さらに
耐熱性や特に高温での機械的特性を改善する能力を有す
るものである。
【0083】他のフッ素樹脂は、本発明の含フッ素材料
の目的、用途により上記のものから種々選択されるが、
OA関連機器のロール、自動車関連部品のシール材、半
導体製造装置のシール材などの表面材料や成形材料に利
用するばあい、結晶融点またはガラス転移点が150℃
以上、さらに好ましくは250℃以上のものが好まし
い。
【0084】そのなかでも優れた耐熱性、非粘着性、耐
薬品性、低摩擦性を有し、柔軟性含フッ素材料にも同様
な性質を与えうるパーフルオロ系フッ素樹脂、特にPT
FE、PFA、FEP、EPAの1種または2種以上が
とくに好ましくあげられる。
【0085】本発明の含フッ素材料おいて含フッ素多元
セグメント化ポリマーと他のフッ素樹脂の好ましい重量
比は、1/99〜99/1の広い範囲で選定でき、特に
柔軟性を充分維持し、かつ機械的特性、耐熱性を兼ね備
えるためには、40/60〜99/1、さらに50/5
0〜90/10とすることが好ましい。
【0086】また、含フッ素多元セグメント化ポリマー
と他のフッ素樹脂との組合せは任意であるが、特に含フ
ッ素多元セグメント化ポリマー中の非エラストマー性セ
グメントBと同種または類似の組成のフッ素樹脂を選択
するときは、両成分の相溶性が優れる点で好ましい。
【0087】他のフッ素樹脂の混合は、たとえば溶融加
工できない含フッ素多元セグメント化ポリマーや他のフ
ッ素樹脂(たとえばPTFEまたはPTFE系共重合
体)を主成分とする組成物のばあい、充填剤入りPTF
Eの通常の混合方法でよく、たとえばタンブラーミキサ
ー、ヘンシェルミキサーなどの混合機によって混合して
うることができ、圧縮成形などの成形原料に供される。
また、溶融加工可能な含フッ素多元セグメント化ポリマ
ーや他のフッ素樹脂(たとえばPFA、FEP、EPA
など)が主成分となる場合、溶融混合して調製すること
が好ましく、溶融混合するばあい、溶融混合する装置と
しては、混合ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダ
ーミキサー、押出機などがあげられるが、なかでも押出
機が、混練力がより大きく含フッ素多元セグメント化ポ
リマーと他のフッ素樹脂とのブレンド時に分散性の向上
がより一層期待できる点で、また、材料の製造時の生産
性が良好である点で好ましい。押出機としては、単軸ま
たは二軸以上のスクリューを有するものなどが使用でき
るが、とくに二軸押出機を使用するのが、より混練力が
大きいためより分散性のよい組成物がえられる点で、ま
た、混練力を自由に制御できる点で好ましい。
【0088】これらの溶融混合によって、組成物は、一
般にペレットの形態とされたうえ、チューブ押出し、フ
ィルム押出しなどの溶融押出成形用および射出成形用の
成形材料として用いられる。
【0089】また複写機、プリンターなどの定着ロール
に代表されるOA機器ロールまたはベルト用の材料とし
て前記含フッ素多元セグメント化ポリマーを用いるばあ
いは、主としてロール表面に導電性を付与できるような
充填剤が混合される。
【0090】導電性を付与するための充填剤としては、
カーボンブラック(ケッチェン、アセチレンなど)類;
PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、膨張化黒鉛粉砕
品などのカーボン類;およびこれらカーボン類を完全ま
たは部分的にフッ素化したフッ化カーボン類;Ag、N
i、Cu、黄銅、銀メッキ銅、Zn、Al、ステンレス
スチールなどの金属類(粉末状、フレーク状、繊維状な
ど);SnO2(Sbドープ)、In23(Snドー
プ)、ZnO(Alドープ)などの微粒子状の金属酸化
物類;フェライト類;チタン酸バリウムなどの高誘電体
などがあげられる。
【0091】導電性を付与できる充填剤の添加量は、使
用するOA機器ロールまたはOA機器ベルトなどの目的
とする表面抵抗値または体積固有抵抗値によって、さら
には用いる導電性充填剤の種類によって適宜選択される
が、含フッ素多元セグメント化ポリマーと充填剤からな
る組成物全体に対し0.1〜40重量%程度、好ましく
は1〜30重量%である。
【0092】なかでも部分的にフッ素化したカーボンが
抵抗値を108〜1013Ωcmの狭い範囲に安定してコ
ントロールできることから、また、フッ素ポリマーの非
粘着性を低下させないで導電性を付与できることから好
ましい。
【0093】部分的にフッ素化したカーボンとしては、
カーボンブラック、炭素繊維、石油コークス、黒鉛粉な
どの炭素材料をフッ素化したものが好ましい。
【0094】これらのうち、カーボンブラックをフッ素
化してえられるフッ素化カーボンブラック、特に炭素原
子に対するフッ素原子の比F/Cが0.1以上1.0未
満、とりわけ0.1以上0.5未満であるフッ素化カー
ボンブラックが好ましい。
【0095】フッ素化カーボンブラックのF/Cが0.
1未満のときは、フッ素化の効果が不充分であり、フッ
素化前の炭素材料のもつ問題点、すなわち、配合量に対
する抵抗の変化率が非常に大きく導電性のコントロール
が困難であること、また、発達したストラクチャーのた
めフッ素化カーボンブラックの分散が不均一となった
り、えられる組成物が硬くなるといった問題点がそのま
ま残る。F/Cが1.0以上のときは、目的とする導電
性を組成物に付与することができない。
【0096】本発明において、F/Cはつぎのようにし
て測定される。フッ素化カーボンブラックを助燃剤Na
22およびポリエチレンフィルムとともに濾紙に包みこ
み、酸素を充填した密閉フラスコ内で燃焼し、発生した
フッ化水素をフッ化物イオンメータ(オリオン社製:イ
オンアナライザ901)を用い、常法により測定する。
この値からフッ素含有量を算出する。えられたフッ素含
有量に基づいてF/Cを算出する。
【0097】かかるフッ素化カーボンブラックはポリ
(カーボンモノフルオライド)が主成分をなすものであ
り、平均粒径0.01〜50μm、好ましくは0.01
〜1μmのカーボンブラックをフッ素ガスによりフッ素
化したものが好ましい。平均粒径が50μmを超える炭
素材料、たとえば石油コークス、黒鉛粉末、炭素繊維な
どを原料としてえられるフッ素化カーボンブラックは、
樹脂に導電性および非粘着性を付与するための量を多く
しなければならず、えられる組成物に表面粗度の上昇、
機械的強度の劣化、抵抗率の不均一などの不都合が生ず
る傾向にある。
【0098】フッ素化カーボンブラックの炭素材料とし
て適するものは前記の平均粒径を有するカーボンブラッ
クである。カーボンブラックとしては、たとえばゴム用
ファーネスブラック(たとえば旭カーボン(株)製の旭
#55など)、カラー用チャネルブラック(たとえばコ
ロンビアカーボン社製のレーベン7000)、サーマル
ブラック(コロンビアカーボン社製のセバカーボMT−
C1)などの市販のものが使用できる。
【0099】カーボンブラックのうち、とくに一般に導
電性カーボンブラックと称されているものが好ましい。
導電性カーボンブラックは、平均粒径が小さい(平均粒
径0.1μm以下)、表面積が大きい(N2表面積50
2/g以上)、ストラクチャーが発達している(吸油
量100cc/g以上)、不純物が少ない(灰分0.1
%未満)、グラファイト化が進んでいる、というファク
ターで定義されるものであり、比較的少ない配合量で材
料に導電性を付与できるため、広く使用されているもの
である。具体例としては、たとえばケッチェンブラック
EC、ケッチェンブラックEC−600JD(以上、ケ
ッチェンブラックインターナショナル(株))、ブラッ
クパールズ2000、バルカンXC−72、CSX−9
9(以上、キャブラック(株))、デンカブラック(電
気化学工業(株))、コンダクテックス950(コロン
ビアカーボン(株))などが市販されている。
【0100】本発明において使用されるフッ素化カーボ
ンブラックは、こうした炭素材料を200〜600℃の
範囲の温度で、より好ましくは300〜500℃の範囲
の温度でフッ素ガスと接触させることによってえられ
る。この範囲より低い反応温度では、フッ素化反応の進
行が遅い、フッ素化度が上がりにくい、熱安定性が充分
ではない、フッ素化カーボンブラック特有の非粘着性、
潤滑性などの特性が発揮されない、といった問題が起こ
る。逆に、この範囲よりも高い反応温度では熱分解反応
がおこりやすく、えられるフッ素化カーボンブラックの
収率が低くなる。また、ときとして急激な熱分解反応が
生じ爆発にいたることがあるので充分注意する必要があ
る。
【0101】反応に使用するフッ素ガスはチッ素、アル
ゴン、ヘリウム、四フッ化炭素などの不活性ガスで希釈
されていてもよく、フッ化水素を含んでいてもよい。ま
た、反応は常圧で行なうことができるが、減圧下あるい
は加圧下であっても何らさしつかえない。
【0102】前記条件のほか、反応時間、フッ素ガス流
量などは原料の炭素材料のフッ素との反応性や希望する
F/C(フッ素含有量)に応じて適宜調節すればよい。
【0103】本発明の含フッ素多元セグメント化ポリマ
ーと上記フッ素化されたカーボンとの配合割合は、目標
とする抵抗値により適宜選択されるが、1/99〜20
/80(重量比。以下同様)である。フッ素化カーボン
ブラックが少なくなると添加した効果が充分えられず、
多くなりすぎると引張強度などの機械的強度が低下する
傾向にある。
【0104】さらに機械的物性や圧縮復元性を高めるた
めに、充填剤を混合してもよく、代表的なものとしてガ
ラス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維、チタン酸カ
リウム繊維などの繊維状の充填剤が好ましくあげられ
る。
【0105】本発明の溶融押出成形性に優れる含フッ素
材料を用いることにより、表面が平滑で薄膜でかつ膜厚
が均質な成形品が製造できる。
【0106】溶融成形法としては、溶融押出成形法だけ
でなく、射出成形法、ブロー成形法、そのほか多層押出
成形法、多層ブロー成形法、インサート成形法なども採
用できる。
【0107】本発明のOA機器用材料として特に好適に
用いられる含フッ素材料は、シート状やフィルム状、チ
ューブ状に成形でき、OA機器ロールまたはOA機器ベ
ルトなどに使用される。そのばあいの成形方法は、公知
の成形方法が適用でき、押出成形、射出成形、圧縮成形
などにより必要な形状に成形できるが、特に溶融押出成
形法により薄肉のチューブやフィルムを製造することが
できる。
【0108】したがって本発明は前記の含フッ素材料を
用いて製造したチューブにも関する。
【0109】チューブのサイズは、目的、用途、使用方
法によって異なり、限定されないが、通常内径約5〜5
0mm、厚さ1mm以下のものが用いられ、とくに定着
ロール、加圧ロールなどのOAロール用途には内径10
〜40mm、厚さ10〜500μm、さらに10〜15
0μmのものまで製造できる。
【0110】本発明のチューブは、通常の溶融押出法に
よりチューブ状に製膜される。必要に応じて、延伸(1
軸または2軸)してもよいし、熱収縮性を有していても
よいが、通常では延伸や熱収縮性はなくてもよい。
【0111】本発明のチューブには必要に応じて、前述
の導電性を付与する充填剤を混合してもよく、通常溶融
押出によりチューブ成形される際の原料(ペレット状ま
たは粉末状)に、混練、ドライブレンドなどで導電性付
与剤をあらかじめ混合したものを用いることで作製でき
る。
【0112】成形方法にもとくに制限はないが、一般に
は前記するように環状ダイスからの溶融押出成形が例示
できる。すなわち1軸または多軸のスクリュー付き押出
機によって、環状ダイスを通して、溶融押出されたフィ
ルム筒状体をそのまま適当な冷却手段によって冷却しな
がら引き取るか、該環状ダイスの後にサンジング治具を
使って、インサイドまたはアウトサイドに寸法・形状を
さらに規制しつつ、常温または空気、水などの冷媒によ
って冷却して引き取ることが行なわれる。ここで筒状体
内に空気を送るとか、引き取る場合に若干延伸を行なう
とか、冷却を徐冷または急冷するなどの諸条件を取り入
れることには何ら制約はない。
【0113】なお、チューブは、通常は1層で構成され
るが、2層以上の多層であってもよい。かかる場合、各
層のポリマーは、相互の相溶性とか、後述の特定条件下
での加熱温度について充分検討し、選択することが必要
である。なぜなら、各層で加熱処理温度が異なるからで
ある。なお、成形は共押出法によるが、一層の場合と同
様に特別な条件はない。
【0114】本発明のチューブは必要ならば被覆される
物品との接着性を向上させるために適宜の内面処理が行
なわれる。好ましい内面処理としては化学的エッチング
処理を例示でき、たとえばナトリウム系エッチング剤が
好んで用いられる。こうした内面処理は化学的エッチン
グのほかに接着性の向上が期待されるものならば何でも
よい。さらに内面を化学的エッチングした後にプライマ
ー処理を行ない、さらに下地との接着性を向上させても
よい。
【0115】本発明のチューブはOA機器用のロール
(とくに定着ロール、加圧ロール)に用いられ、ロール
自体に優れた柔軟性と耐熱性を与えうる。また、本発明
のチューブをロール最外表面に施すことによって前記性
能に加えて良好な非粘着性をも付与できる。
【0116】本発明のチューブを施してなるロールは、
前述したとおりチューブを芯金に直接被覆したものであ
ってもよいし、芯金とチューブの間にシリコーンゴム、
フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDMなどの弾性層を設
けたものであってもよい。
【0117】本発明のチューブは芯金に直接被覆しても
ロール表面に充分な柔軟性を与えうるが、弾性層を間に
設けることによってより一層の柔軟性をロール表面に与
えることができ、OA機器用の定着ロール、加圧ロール
に用いた場合、高画質化、高速時の紙搬送性の向上が達
成できる。この場合、ゴム硬度10〜30度程度の弾性
層、または10度以下(スポンジ状も含む)の弾性層が
好ましい。
【0118】本発明のチューブとそれと接触する下地
(芯金または弾性層)との接着性を付与するため、必要
に応じて接着剤やプライマー処理が施される。その場
合、前述のエッチングによる内面処理したチューブを用
いることがより強度な接着力がえられる点で好ましい。
【0119】本発明のチューブを金属の芯金に直接施し
たロールを作成する方法は、公知の方法が適宜採用でき
るが、チューブ内面エッチング処理を行なった熱収縮性
を有するチューブを用い、プライマー処理などを施した
芯金にかぶせ、融点以下(たとえば150〜200℃)
で収縮させ固定した後、融点以上(たとえば320〜4
00℃)で焼成し融着させるのが好ましい。
【0120】本発明のチューブと芯金の間に弾性層を設
けたロールを作製する方法として、まず筒状成形体の内
部に芯金と本発明のチューブとを間隔を置いて配置し、
かつ筒状成形体の内表面とチューブの外表面とが接触す
るように配置しておき、前記した間隔に生ゴム、ラテッ
クス、エラストマーなどを流し込み、必要ならば加硫す
ることによりロールを得ることができる。もちろん、必
要なときに筒状成形体から被覆されたチューブを含むロ
ール部分を取り出しておかねばならない。この際、チュ
ーブの内表面にゴム部分と接触しやすいように予めエッ
チング処理、プライマー処理などを施こしておいてもよ
い。また、あらかじめゴムロールを作製しておき、その
表面に本発明のチューブを被覆してもよい。この際は、
チューブとしては熱収縮性を有するものを使用する方が
よい。このようにロールの製造法についてはとくに制限
はない。
【0121】また、定着ロールや加圧ロールなどのOA
機器用ロールに前述でえられたロールを利用する場合、
本発明のチューブで作製したロールの表面は充分に平滑
であるが、さらに必要に応じて表面を平滑にする工程を
行なってもよい。
【0122】たとえば、えられたロールの表面を研磨
し、平面粗度(Ra)を低下させることができる。好ま
しいRaは3μm以下、より好ましくは2μm以下、特
に1μm以下である。
【0123】つぎに本発明の含フッ素材料に用いる含フ
ッ素多元セグメント化ポリマーをOA機器ロールの表面
層として用いた場合の具体的な構成例について示す。
【0124】構成例1 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)エラストマー性セグメントAとしてテトラフルオ
ロエチレン50〜85モル%およびパーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)15〜50モル%からなる単量体
を共重合してなる分子量5,000〜750,000の
重合体鎖からなる1種または2種以上のセグメントと非
エラストマー性セグメントBとしてテトラフルオロエチ
レン85モル%を超え100モル%以下および式(1) CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3または−ORf 2(Rf 2は炭素数1
〜5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満
からなる単量体を重合してなる分子量3,000〜1,
200,000の重合体鎖からなる1種または2種以上
のセグメントとを有し、非エラストマー性セグメントB
の存在比率が30重量%以下であり、ΔTが30℃以上
である含フッ素多元セグメント化ポリマー。(i)に
(ii)を外層として積層した定着部の定着ロールまたは
加圧ロール。
【0125】構成例2 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)構成例1の(ii)(外層)に示した含フッ素多元
セグメント化ポリマーに、導電性を付与できる充填剤を
混合した組成物。 (i)に(ii)を外層として積層した定着部の定着ロー
ルまたは加圧ロール。
【0126】本発明で使用する含フッ素多元セグメント
化ポリマーはそれ自体柔軟性を有するため、上記の構成
例1、2の例示のように直接芯金に施しても充分な柔軟
性をえられるが、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタ
ンゴム、EPDMなどの弾性層を施すことによりロール
表面により柔軟性を与えることができ、より高画質化、
高速時の紙搬送性に効果的に作用する。なかでも弾性層
として、ゴム硬度で10〜40度のもの、または10以
下(スポンジ状のものも含む)のものが選ばれる。
【0127】構成例3 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)シリコーンゴム。 (iii)構成例1の(ii)(外層)に示した含フッ素多
元セグメント化ポリマー。 (i)の芯金にシリコーンゴム層(ii)を積層し、その
上に(iii)を最外層に積層した定着部の定着ロールま
たは加圧ロール。
【0128】構成例4 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)シリコーンゴム。 (iii)構成例1の(ii)(外層)に示した含フッ素多
元セグメント化ポリマーに導電性を付与できる充填剤を
混合した組成物。 (i)にシリコーンゴム層(ii)を積層し、その上に
(iii)を最外層に積層した定着部の定着ロールまたは
加圧ロール。
【0129】なお構成例1〜4の各積層ロールの各層間
には密着性、接着性を改善するための接着剤、プライマ
ーなどを使用してもよい。
【0130】構成例3、4が好ましい例示である。通常
これら定着部を構成する定着ロール、加圧ロールのいず
れか一方、または両方にセラミックヒーターなどの加熱
装置を備えており、トナーを軟化または融解させ、紙に
画像を定着させる。本発明のOA機器用材料はこの加熱
装置に対しても充分な耐熱性を有するものである。
【0131】本発明の含フッ素材料は、OA機器用途以
外においてもその耐熱性、耐薬品性、非粘着性、柔軟
性、シール性、耐摩耗性を利用し、種々の用途に利用で
きる。その具体例を表1、2、3に示す。
【0132】
【表1】
【0133】
【表2】
【0134】
【表3】
【0135】
【実施例】つぎに本発明を製造例および実施例に基づい
て説明するが、本発明はかかる製造例および実施例のみ
に限定されるものではない。
【0136】製造例1(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの製造)エラストマー性セグメントAの合成 着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤として
715COONH4300g、pH調整剤としてリン酸
水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系内を
窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで攪拌し
ながら、50℃に昇温し、TFE/パーフルオロ(メチ
ルビニルエーテル)(PMVE)(32/68モル比)
の混合ガスを、内圧が8.0kgf/cm2Gになるよ
うに仕込んだ(混合モノマー780g)。ついで、過硫
酸アンモニウム(APS)の37.2mg/mlの濃度
の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始し
た。
【0137】重合の進行により内圧が、7.0kgf/
cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(C
24Iを18.21gとC715COONH4の10重
量%水溶液234gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧
力が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自
圧にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=6
3/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。
以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを
圧入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降
圧を繰り返した。
【0138】重合反応の開始から12時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、5900gになった時
点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度16.0重量%の水性分散体をえた。
【0139】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム
状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML
1+10(140℃)は、58であった。
【0140】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成は、TFE/PMVE=61/39モル
%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)
は、2℃であった。
【0141】非エラストマー性セグメントBとのブロッ
ク共重合 上記と同じ内容積47リットルのステンレス製オートク
レーブに、上記でえられた水性分散体3200gと、パ
ーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)1
42gおよび純水400gを仕込み、系内を窒素ガスで
充分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。1
20rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチ
レンを内圧5.5kgf/cm2Gとなるよう圧入した
(テトラフルオロエチレン量400g)。
【0142】ついで過硫酸アンモニウム0.4gを水5
0mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
【0143】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、5.0kgf/cm2Gまで低下した時点でテ
トラフルオロエチレンガスで5.5kgf/cm2Gま
で再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0144】重合開始よりテトラフルオロエチレンが9
50g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを
冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体
6000gをえた。
【0145】えられた水性分散体中のポリマー濃度は1
8.3重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は
58nmであった。
【0146】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられた
ポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合
でえられたポリマー得量)×100は17重量%であっ
た。
【0147】えられた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
【0148】この白色固体粉末を230℃に保った電気
炉中に入れ、炉内を窒素ガスで置換したのち20容量%
のフッ素ガス(窒素ガス80容量%)を0.5リットル
/分の流速で5時間流通させた。その後充分に窒素ガス
で置換し冷却し、フッ素化した含フッ素多元セグメント
化ポリマー(白色粉末)を得た。
【0149】えられた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
Bの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE
=98/2モル%であった。また、DSC分析により、
エラストマー性含フッ素ポリマー鎖のガラス転移点は2
℃であり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ントの結晶融点は282℃と検知された。また、高化式
フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズ
ルを用い、372℃で予熱5分間、荷重5kgf/cm
2でのメルトフローレートを測定したところ、38g/
10分であった。
【0150】製造例2(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの製造)エラストマー性セグメントAの合成 着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤として
715COONH4300g、pH調整剤としてリン酸
水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系内を
窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで攪拌し
ながら、50℃に昇温し、TFE/パーフルオロ(メチ
ルビニルエーテル)(PMVE)(32/68モル比)
の混合ガスを、内圧が8.0kgf/cm2Gになるよ
うに仕込んだ(混合モノマー780g)。ついで、過硫
酸アンモニウム(APS)の22.3mg/mlの濃度
の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反応を開始し
た。
【0151】重合の進行により内圧が、7.0kgf/
cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(C
24Iを10.9gとC715COONH4の10重量
%水溶液234gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力
が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧
にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63
/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以
後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧
入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧
を繰り返した。
【0152】重合反応の開始から12時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、5900gになった時
点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度16.4重量%の水性分散体をえた。
【0153】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム
状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML
1+10(170℃)は、67であった。
【0154】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成は、TFE/PMVE=62/38モル
%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)
は、2℃であった。
【0155】非エラストマー性セグメントBとのブロッ
ク共重合 上記と同じ内容積47リットルのステンレス製オートク
レーブに、上記でえられた水性分散体3300gと、パ
ーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)1
42gおよび純水1300gを仕込み、系内を窒素ガス
で充分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。
120rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエ
チレンを内圧5.5kgf/cm2Gとなるよう圧入し
た(テトラフルオロエチレン量400g)。
【0156】ついで過硫酸アンモニウム0.5gを水5
0mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
【0157】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、5.0kgf/cm2Gまで低下した時点でテ
トラフルオロエチレンガスで5.5kgf/cm2Gま
で再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0158】重合開始よりテトラフルオロエチレンが9
50g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを
冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体
6000gをえた。
【0159】えられた水性分散体中のポリマー濃度は1
8.5重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は
62nmであった。
【0160】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられた
ポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合
でえられたポリマー得量)×100は17重量%であっ
た。
【0161】えられた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体をえた。
【0162】この白色固体粉末を230℃に保った電気
炉中に入れ、炉内を窒素ガスで置換したのち20容量%
のフッ素ガス(窒素ガス80容量%)を0.5リットル
/分の流速で5時間流通させた。その後充分に窒素ガス
で置換し冷却し、フッ素化した含フッ素多元セグメント
化ポリマー(白色粉末)を得た。
【0163】えられた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
Bの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE
=98/2モル%であった。また、DSC分析により、
エラストマー性含フッ素ポリマー鎖のガラス転移点は2
℃であり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ントの結晶融点は288℃と検知された。また、高化式
フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズ
ルを用い、372℃で予熱5分間、荷重5kgf/cm
2でのメルトフローレートを測定したところ、4.4g
/10分であった。
【0164】製造例3(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの製造)エラストマー性セグメントAの合成 着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤として
715COONH4を300g、pH調整剤としてリン
酸水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系内
を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで攪拌
しながら、50℃に昇温し、TFE/PMVE(32/
68モル比)の混合ガスを、内圧が8.0kgf/cm
2Gになるように仕込んだ(混合モノマー787g)。
ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の68.6mg
/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧で圧入して反
応を開始した。
【0165】重合の進行により内圧が、7.0kgf/
cm2Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(C
24Iを27.2gとC715COONH4の10重量
%水溶液234gとを窒素圧にて圧入した。ついで圧力
が8.0kgf/cm2Gになるように、TFEを自圧
にて60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63
/37モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以
後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧
入し、7〜8kgf/cm2Gのあいだで、昇圧、降圧
を繰り返した。
【0166】重合反応の開始から16時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、6000gになった時
点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度16.6重量%の水性分散体をえた。
【0167】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム
状重合体をえた。この重合体のムーニー粘度ML
1+10(100℃)は59であり、ML1+10(140℃)
は12であった。
【0168】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成は、TFE/PMVE=64/36モル
%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)
は、3℃であった。
【0169】非エラストマー性セグメントBとのブロッ
ク共重合 上記と同じ内容積47リットルのステンレス製オートク
レーブに、上記でえられた水性分散体1840gと、パ
ーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)2
08gおよび純水1200gを仕込み、系内を窒素ガス
で充分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。
120rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエ
チレンを内圧5.5kgf/cm2Gとなるよう圧入し
た(テトラフルオロエチレン量640g)。
【0170】ついで過硫酸アンモニウム0.27gを水
50mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を
開始した。
【0171】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、5.0kgf/cm2Gまで低下した時点でテ
トラフルオロエチレンガスで5.5kgf/cm2Gま
で再加圧し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0172】重合開始よりテトラフルオロエチレンが1
400g消費された時点で供給を止め、オートクレーブ
を冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散
体4000gをえた。
【0173】えられた水性分散体中のポリマー濃度は2
1.0重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は
59nmであった。
【0174】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントBの比率、すなわち、{(後重合でえられた
ポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合
でえられたポリマー得量)×100は33重量%であっ
た。
【0175】この白色固体粉末を230℃に保った電気
炉中に入れ、炉内を窒素ガスで置換したのち20容量%
のフッ素ガス(窒素ガス80容量%)を0.5リットル
/分の流速で5時間流通させた。その後充分に窒素ガス
で置換し冷却し、フッ素化した含フッ素多元セグメント
化ポリマー(白色粉末)を得た。
【0176】えられた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
の組成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=
98/2モル%であった。また、DSC分析により、エ
ラストマー性含フッ素ポリマー鎖のガラス転移点は3℃
であり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメン
トの結晶融点は297℃と検知された。また、高化式フ
ローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmのノズル
を用い、372℃で予熱5分間、荷重5kgf/cm2
でのメルトフローレートを測定したところ、77g/1
0分であった。
【0177】製造例4 製造例1で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
の白色固体とPFA(ダイキン工業(株)製ネオフロン
PFA AP230。結晶融点302℃)とを重量比で
80/20にてドライブレンドしたのち二軸押出機(東
洋精機(株)製のラボプラストミル)により350℃で
混練、押出しを行ない、ペレット状の本発明の柔軟性含
フッ素材料を調製した。
【0178】製造例5 含フッ素多元セグメント化ポリマーとPFAとの比率を
60/40(重量%)としたほかは製造例4と同様に混
練、押出しを行ない、ペレット状の含フッ素材料を調製
した。
【0179】製造例6 製造例3で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
とPFAとの比率を72/28(重量%)としたほかは
製造例4と同様に混練、押出しを行ない、ペレット状の
含フッ素材料を調製した。
【0180】実施例1 製造例1で製造した含フッ素多元セグメント化ポリマー
(白色粉末)を二軸押出機(東洋精機(株)製のラボプ
ラストミル)にて350℃で混練および押出しを行ない
ペレットを作製した。
【0181】得られたペレットを100mmφの金型に
入れ、350℃に設定したプレス機にセットし、予熱を
30分間行なったのち、70kg/cm2で1分間圧縮
成形を行ない、厚さ約0.5mmのフィルムを得た。
【0182】このフィルムについて、つぎの物性を調べ
た。結果を表4に示す。
【0183】(機械的特性)引張強度 :フィルムをASTM−1467記載のダンベ
ル状に切りとり、オリエンテック(株)製のテンシロン
万能試験機を用い、クロスヘッドスピード200mm/
minにて測定する。弾性率 :フィルムをASTM−1467記載のダンベル
状に切りとり、オリエンテック(株)製のテンシロン万
能試験機を用い、クロスヘッドスピード200mm/m
inにて測定する。ゴム硬度 :JIS K 6301に従い、A硬度を測定
する。また、上記ペレットを用いてつぎの成形加工性お
よびフィルム成形性を調べた。結果を表4に示す。
【0184】(成形加工性)1/2流出温度(T) :(株)島津製作所製のフローテ
スター(CFT−500C)を使用し、昇温法により測
定する。サンプル3g、昇温速度6℃/分にて、せん断
応力1.23×105ダイン/cm2(ダイス径1mm、
ダイス長10mm、荷重5kg)およびせん断応力1.
23×106ダイン/cm2(ダイス径1mm、ダイス長
1mm、荷重5kg)を与えた状態でのそれぞれのサン
プルが1/2量流出したときの温度を測定する。せん断
応力1.23×105ダイン/cm2のときの1/2流出
温度をT1、せん断応力1.23×106ダイン/cm2
のときの1/2流出温度をT2とし、、T1−T2=Δ
Tを計算する。
【0185】メルトフローレート(MFR):高化式フ
ローテスター((株)島津製作所製のCFT−500
C)を用い、直径2mm、長さ8mmのノズルを用い
て、372℃で予熱5分間、荷重5kgf/cm2での
メルトフローレートを測定する。
【0186】ダイスウェル(DIE SWELL):キ
ャピログラフ(東洋精機(株)製)を使用し、直径1m
m、長さ1mmのノズルを用いて、350℃せん断速度
1.216×10/秒でのダイスウェルを測定する。
【0187】(フィルム成形性)上記ペレットを幅15
0mm、スリット厚1mmのフィルムダイスを備えた押
出機を用いて350℃で溶融押出を行ない、成膜可能な
膜厚(μm)、平滑性(表面粗さRa)および外観(透
明性)を調べた。
【0188】実施例2 製造例1で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーに代
えて製造例2で得た含フッ素多元セグメント化ポリマー
を用いたほかは実施例1と同様にしてプレスフィルムを
作製し、実施例1と同様にして各特性を調べた。結果を
表4に示す。
【0189】比較例1 製造例1で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーに代
えて製造例3で得た含フッ素多元セグメント化ポリマー
を用いたほかは実施例1と同様にしてプレスフィルムを
作製し、実施例1と同様にして各特性を調べた。結果を
表4に示す。
【0190】
【表4】
【0191】実施例3 製造例1で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーに代
えて製造例4で得たペレット状含フッ素材料を用いたほ
かは実施例1と同様にしてプレスフィルムを作製し、実
施例1と同様にして各特性を調べた。結果を表5に示
す。
【0192】実施例4 製造例4で得た含フッ素材料に代えて製造例5で得たペ
レット状含フッ素材料を用いたほかは実施例3と同様に
してプレスフィルムを作製し、実施例3と同様にして各
特性を調べた。結果を表5に示す。
【0193】比較例2 製造例4で得た含フッ素材料に代えて製造例6で得たペ
レット状含フッ素材料を用いたほかは実施例3と同様に
してプレスフィルムを作製し、実施例3と同様にして各
特性を調べた。結果を表5に示す。
【0194】
【表5】
【0195】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟性を有しながら、
耐熱性、耐摩耗性およびトナー非粘着性、耐油性を兼ね
備え、特に定着部ロールまたはベルトなどの表面に用い
られるOA機器用のロールやベルトに好適なチューブま
たはフィルムを容易に溶融押出成形法により製造できる
含フッ素多元セグメント化ポリマーからなる含フッ素材
料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 憲俊 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F207 AA16 AG08 AG14 AH33 KA01 KA17 KF01 KL88 KW41 4J002 BD151 BD171 BP031 DA036 FD116 GQ00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントAと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
    ントBを有する含フッ素多元セグメント化ポリマーであ
    って、該エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
    Aの構成単位の90モル%以上がパーハロオレフィン単
    位であり、かつ含フッ素多元セグメント化ポリマー全体
    の30重量%以下を非エラストマー性含フッ素ポリマー
    鎖セグメントBが占める含フッ素多元セグメント化ポリ
    マーからなる溶融成形可能な成形材料であり、さらにフ
    ローテスター昇温法で測定した1.23×105ダイン
    /cm2のせん断応力下の1/2流出温度をT1とし、
    1.23×106ダイン/cm2のせん断応力下の1/2
    流出温度をT2としたとき、T1−T2が30℃以上で
    ある溶融押出成形性に優れた含フッ素材料。
  2. 【請求項2】 前記T1−T2が40℃以上である請求
    項1記載の含フッ素材料。
  3. 【請求項3】 前記含フッ素多元セグメント化ポリマー
    中に含まれるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
    ントAが非晶質であってガラス転移点25℃以下のポリ
    マー鎖である請求項1または2記載の含フッ素材料。
  4. 【請求項4】 前記含フッ素多元セグメント化ポリマー
    中に含まれる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントBが、結晶融点またはガラス転移点が150℃以
    上のポリマー鎖である請求項1〜3のいずれかに記載の
    含フッ素材料。
  5. 【請求項5】 前記含フッ素多元セグメント化ポリマー
    中に含まれる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントBが、結晶融点またはガラス転移点が250℃以
    上のポリマー鎖である請求項4記載の含フッ素材料。
  6. 【請求項6】 前記含フッ素多元セグメント化ポリマー
    中に含まれるエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
    ントAがテトラフルオロエチレン50〜85モル%とパ
    ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および/または
    ヘキサフルオロプロピレン15〜50モル%とからなる
    ポリマー鎖である請求項1〜5のいずれかに記載の含フ
    ッ素材料。
  7. 【請求項7】 前記含フッ素多元セグメント化ポリマー
    中に含まれる非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントBが、テトラフルオロエチレン85モル%を超え
    100モル%以下および式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
    5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満か
    らなるポリマー鎖である請求項1〜6のいずれかに記載
    の含フッ素材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の溶融押
    出成形用の含フッ素材料を用いて溶融押出成形して得ら
    れるチューブ。
  9. 【請求項9】 肉厚が10〜500μmである請求項8
    記載のチューブ。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載のチューブを最
    外層に有するロール。
  11. 【請求項11】 オフィスオートメーション機器に使用
    するトナー定着部のローラである請求項10記載のロー
    ル。
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