JP2002195250A - 用紙搬送性に優れたoa機器用部材 - Google Patents

用紙搬送性に優れたoa機器用部材

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JP2002195250A
JP2002195250A JP2000397571A JP2000397571A JP2002195250A JP 2002195250 A JP2002195250 A JP 2002195250A JP 2000397571 A JP2000397571 A JP 2000397571A JP 2000397571 A JP2000397571 A JP 2000397571A JP 2002195250 A JP2002195250 A JP 2002195250A
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perfluoro
equipment
elastomeric
polymer
segment
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JP2000397571A
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English (en)
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Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Noritoshi Oka
憲俊 岡
Takeshi Shimono
武司 下野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性および非粘着性を保持しながら用紙の
搬送に適した動摩擦係数を有するOA機器用部材、特に
ロールまたはベルトを提供する。 【解決手段】 200℃における引張り強度が9MPa
未満で24℃における動摩擦係数が0.4以上であるパ
ーフルオロ系フッ素ポリマー(I)の層を表面層として
有するOA機器用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性および非粘
着性を保持しながら用紙の搬送に適した動摩擦係数を有
するOA機器用部材、特に用紙搬送用の各種ロールまた
はベルトなどに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂やフッ素ゴムなどの含フッ素
材料は、それらの特異な性能を利用して、種々の分野で
各種の材料として使用されている。そうした分野とし
て、特に含フッ素材料が重要な役割を果たしている分野
としてOA機器の分野がある。
【0003】この分野では従来、印刷機用ロール、プラ
テンロールなどにはウレタンゴム、EPゴム、シリコー
ンゴムなどが使用されており、また、電子写真複写機の
定着用ロールとしては、シリコーンゴムロールあるいは
フッ素ゴムロールなどが知られている。しかしながら、
これらは離型性トナーを使用した場合においても、離型
性(トナー非粘着性)が充分でないため、フッ素樹脂を
被覆した非弾性ロール、あるいは弾性ロール表面にフッ
素樹脂収縮チューブなどを被覆したものなどが提案され
ている。さらに、弾性ロール表面にフッ素ゴムとフッ素
樹脂粉末の混合物を塗布、焼き付けし、表面にフッ素樹
脂粉末層を形成したもの(特公平1−36622号公
報)、フッ素ゴムとフッ素樹脂粉末を塗布、焼き付け後
さらにフッ素樹脂粉末を塗布しフッ素樹脂層を形成した
もの(特公平6−100876号公報)なども提案され
ている。
【0004】また、電子写真複写機における定着操作に
際して、定着ロールの離型性を改善するために離型油、
一般にはシリコーン油を塗布することが行なわれている
が、その場合、シリコーン油が内部に浸透して定着ロー
ルが膨潤するのを防止するために、弾性ロール表面にフ
ッ素樹脂収縮チューブなどを被覆したもの、あるいは特
開平1−205188号公報などに記載のように、芯金
上にシリコーンゴム層、フッ素ゴム層あるいはフルオロ
シリコーンゴム層、シリコーンゴム層を順次設けた定着
ロールが提案されている。
【0005】また、特開昭62−285839号公報に
は、本発明者らによって、耐熱性エラストマー材を、フ
ィブリル化されたポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、特に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンに含
浸、接合させた被覆層を芯金上に形成した弾性ロールが
提案されている。
【0006】ところで、ウレタンゴム、EPゴム、シリ
コーンゴムなどを使用した印刷機用ロール、プラテンロ
ールなどにおいては、ロールの弾性は良好であるが、離
型性の面では必ずしも良好なものとはいい難く、そのた
め、トナーの付着、紙粉の付着による印刷物の汚染、紙
の搬送時における紙のロールへの巻き付きなどのトラブ
ルが発生するという問題があった。
【0007】たとえばPTFEやテトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体
(PFA)といったパーフルオロ系フッ素ポリマーは耐
熱性や非粘着性に優れており、機械的強度も大きな表面
層を形成するが、一方、動摩擦係数が低いためロールや
ベルト間でスリップが生じたり、用紙搬送時に紙がスリ
ップして画像不良が生じることがある。
【0008】こうしたスリップを防止するために動摩擦
係数の高いシリコーンゴムや非パーフルオロ系フッ素ゴ
ムを使用したり、非パーフルオロ系フッ素ゴムとフッ素
樹脂とのブレンド物、またはエチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)やテトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライ
ド共重合体(THV)とPFAとのブレンド物を使用す
ることが提案されているが(特開平8−267614号
公報、特開平10−39667号公報など)、非パーフ
ルオロ系フッ素ポリマーは非粘着性の点でパーフルオロ
系フッ素樹脂に劣っており、トナーの付着防止、紙粉や
紙の添加剤の堆積減少などの点で不充分である。
【0009】さらにETFEやTHVとPFAなどのフ
ッ素樹脂とをブレンドして高い動摩擦係数の材料を得よ
うとすると、フッ素樹脂の配合量を少なくする必要があ
り、折角のフッ素樹脂の強度を活かせない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の上記
のようなOA機器の分野で問題となっている点に対応で
きる部材を提供することを目的とする。
【0011】なかでも、電子式定着・感光部用途のOA
機器ロールまたはベルト用の材料に好ましく用いること
ができ、特に用紙搬送用のロールやベルトに用いること
によって優れた防汚性、トナー非粘着性、用紙剥離性を
兼ね備え、さらに耐久性、耐摩耗性をロール表面に与え
得るOA機器用部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、20
0℃における引張り強度が9MPa未満で24℃におけ
る動摩擦係数が0.4以上であるパーフルオロ系フッ素
ポリマー(I)の層を表面層として有するOA機器用部
材に関する。
【0013】前記表面層は、対水接触角が100度以上
であること、表面粗さRaが1μm以下であること、ま
たは25℃における引張り強度が4MPa以上であるこ
とが好ましい。
【0014】前記パーフルオロ系フッ素ポリマー(I)
としては、(a)エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
グメントAと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントBを有するパーフルオロ系多元セグメント化ポリ
マーおよび(b)結晶融点またはガラス転移点が150
℃以上、さらには250℃以上であるパーフルオロ系フ
ッ素樹脂のブレンド物であることが好ましい。
【0015】前記パーフルオロ系多元セグメント化ポリ
マー(a)は、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントAが、テトラフルオロエチレン(TFE)50〜
85モル%とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
(PAVE)および/またはヘキサフルオロプロピレン
(HFP)15〜50モル%とからなるパーフルオロポ
リマー鎖であることが好ましい。
【0016】また、前記パーフルオロ系多元セグメント
化ポリマー(a)中に含まれる非エラストマー性含フッ
素ポリマー鎖セグメントBとしては、TFE85モル%
を超え100モル%以下および式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満か
らなるパーフルオロポリマー鎖であることが好ましい。
【0017】パーフルオロ系フッ素樹脂としてはTFE
−PAVE共重合体(PFA)、TFE−HFP共重合
体(FEP)などが好ましく、特にPFAが強度の点か
ら好ましい。
【0018】前記パーフルオロ系多元セグメント化ポリ
マー(a)/パーフルオロ系フッ素樹脂(b)の重量比
は、99/1〜1/99とすることが好ましい。
【0019】これらのOA機器用部材は、OA機器の用
紙搬送用のロールまたはベルトとして好適である。
【0020】本発明のロールまたはベルトは、たとえば
基材に直接または基材を被覆している弾性層上に前記パ
ーフルオロ系フッ素ポリマー(I)のチューブまたはフ
ィルムを被覆することにより製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明におけるOA機器用部材の
表面層を構成するパーフルオロ系フッ素ポリマー(I)
は、200℃における引張り強度が9MPa未満で、か
つ24℃における動摩擦係数が0.4以上のものであ
る。
【0022】耐熱強度が必要な定着用および加圧用のロ
ールまたはベルトでは200℃での引張り強度として9
MPa以上とすることが必要であるが、用紙搬送などの
それ程の耐熱強度が要求されない部材においては200
℃での引張り強度として9MPa未満でよい。ただ、2
5℃での引張り強度は常温で必要な強度として4MPa
以上、さらには7MPa以上とすることが好ましい。
【0023】24℃での動摩擦係数を0.4以上とする
ことにより、表面層に適度な摩擦抵抗を付与でき、ロー
ルやベルト間のスリップ、搬送時の用紙のスリップを防
止することができる。好適な24℃における動摩擦係数
は0.4以上、1.5以下、さらには0.4〜1.0で
ある。
【0024】またトナーまたはインクなどによる汚染の
防止の点から、対水接触角が100度以上、好ましくは
102〜120度の表面層とする。
【0025】さらにトナーまたは紙粉の埋没による汚染
の防止の点から、表面粗さRaを1μm以下、好ましく
は0.1〜0.5μmとする。
【0026】こうした特性を与えることのできるパーフ
ルオロ系フッ素ポリマー(I)としては、特に(a)エ
ラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントAと非エラ
ストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントBを有するパ
ーフルオロ系多元セグメント化ポリマーおよび(b)結
晶融点またはガラス転移点が150℃以上、さらには2
50℃以上であるパーフルオロ系フッ素樹脂のブレンド
物が好ましい。
【0027】まず、(a)成分であるパーフルオロ系多
元セグメント化ポリマーについて説明する。
【0028】このパーフルオロ系多元セグメント化ポリ
マーは1分子中にエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
グメントA(以下、「エラストマー性セグメントA」と
いう)と非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメン
トB(以下、「非エラストマー性セグメントB」とい
う)がブロックやグラフトの形態で結合したパーフルオ
ロ系多元セグメント化ポリマーであることが重要であ
る。
【0029】本発明においてエラストマー性セグメント
Aと非エラストマー性セグメントBとをブロックやグラ
フトなどの形態でつなぎ、パーフルオロ系多元セグメン
ト化ポリマーとする方法については、公知の種々の方法
が採用できるが、なかでも特公昭58−4728号公報
などに示されたブロック型のパーフルオロ系多元セグメ
ント化ポリマーの製法や、特開昭62−34324号公
報に示されたグラフト型のパーフルオロ系多元セグメン
ト化ポリマーの製法などが好ましく採用できる。
【0030】とりわけ、セグメント化率(ブロック化
率)も高く、均質で規則的なセグメント化ポリマーが得
られることから、特公昭58−4728号公報、高分子
論文集(Vol.49、No.10、1992)記載の
いわゆるヨウ素移動重合法で合成されたブロック型のパ
ーフルオロ系多元セグメント化ポリマーが好ましい。
【0031】一方、エラストマー性含フッ素重合体と非
エラストマー性含フッ素重合体との単なる混合物を用い
たものは、混合するそれぞれの重合体の種類、混合性、
相溶性などによって異なるが、一般的に機械的特性が不
充分となったり、耐摩耗性が低下したり、柔軟性が低下
したり、耐久性が低下したりする。
【0032】これに対し、本発明のようにエラストマー
性セグメントAと非エラストマー性セグメントBをブロ
ックやグラフトなどで結合させてパーフルオロ系多元セ
グメント化ポリマーとしたものとパーフルオロ系フッ素
樹脂と混合することによって、上記のエラストマー性含
フッ素重合体と非エラストマー性含フッ素重合体とを単
に混合したものなどに比べて、機械的特性などが向上
し、ロール用とした場合も耐久性、耐摩耗性をより効果
的に改善できるものである。
【0033】また一方、フッ化ビニリデンを主成分とし
たエラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有す
る含フッ素熱可塑性ゴムの被覆層を外周面に設けたゴム
ロールが提案されている(実公平2−15873号公
報)。これらは含フッ素セグメント化ポリマーを用いて
いても、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
がパーハロオレフィン単位を主成分としていないため、
非粘着性が不充分である。
【0034】さらにヨウ素移動重合法において、エラス
トマー性セグメントAの構成単位をパーフルオロオレフ
ィン単位とすることにより、非エラストマー性セグメン
トB用の単量体とのブロック共重合反応が規則的に均一
に進行し、非エラストマー成分が結合しないエラストマ
ー性含フッ素ポリマー鎖セグメントのみからなる分子や
結合しても分子量の低い非エラストマー性含フッ素ポリ
マー鎖セグメントなどの目的外の生成物量を大幅に少な
くできる。このようにして得られたパーフルオロ系多元
セグメント化ポリマー(a)を用いてパーフルオロ系フ
ッ素樹脂(b)と混合した本発明で使用できるパーフル
オロ系フッ素ポリマー(I)は、機械的特性、耐磨耗
性、防汚性に優れており、さらにこれらを用いた成形品
が各種製品の材料、たとえばOA機器用耐熱材料、特に
OA機器の用紙搬送用のロールまたはベルト用として有
用であることを見出した。
【0035】またさらに、パーフルオロ系多元セグメン
ト化ポリマー(a)とパーフルオロ系フッ素樹脂(b)
とを混合することによって、非パーフルオロ系エラスト
マー性含フッ素重合体とパーフルオロ系フッ素樹脂
(b)の単なるブレンド物や、パーフルオロ系多元セグ
メント化ポリマー(a)のみからなるものに比べて、非
粘着性、特に汚れの取れやすさにおいて優れている。
【0036】本発明においては、パーフルオロ系多元セ
グメント化ポリマー(a)中のエラストマー性セグメン
トAによって、さらに良好な柔軟性が与えられる。特に
OA機器ロールまたはベルト用とした場合、パーフルオ
ロ系フッ素ポリマー(I)全体の弾性率が150℃で7
×108dyn/cm2以下であること、さらに150℃
で5×108dyn/cm2以下であることが特に好まし
い。
【0037】エラストマー性セグメントAの構成単位と
して使用可能なパーフルオロオレフィンとしては、たと
えばテトラフルオロエチレン(TFE)、パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)〔アルキル基の炭素数は1
〜5〕(PAVE)、
【0038】
【化1】
【0039】(式中、YはFまたはCF3、Rfは炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基、pは0〜5の整数、
qは0〜5の整数、ただしp+q≧1)などのパーフル
オロビニルエーテル類、ヘキサフルオロプロピレン(H
FP)などがあげられ、これらのうちからエラストマー
性をもつ組合せと組成のものが使用できる。なお、パー
オキサイド加硫やポリオール加硫、ポリアミン加硫やそ
の他の硬化反応のために硬化部位を与える単量体や他材
との接着性などの機能付与のための官能基含有単量体を
10モル%以下、導入してもよい。
【0040】本発明で用いるパーフルオロ系多元セグメ
ント化ポリマー(a)において、エラストマー性セグメ
ントAとは、ガラス転移点が25℃以下であるセグメン
トを示し、一般的には非晶性である。具体的に好ましい
組成としては、たとえばTFE/PAVE/硬化や接着
機能を与える単量体があげられ、その好ましい組成は5
0〜85/15〜50/0〜10モル%、特に50〜8
0/20〜50/0〜5モル%である。
【0041】硬化部位を与える単量体としては、たとえ
ばフッ化ビニリデン、CX2=CX−Rf 3CHRI(式
中、XはH、FまたはCH3、Rf 3は1個以上のエーテ
ル型酸素原子を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状
のフルオロ−またはパーフルオロアルキレン基、または
フルオロ−またはパーフルオロオキシアルキレン基、フ
ルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリ
オキシアルキレン基、RはHまたはCH3)で示される
ヨウ素含有単量体、
【0042】
【化2】
【0043】[X4はCN、COOHまたはCOOR
1(R1は炭素数1〜10のフッ素原子を含んでいてもよ
いアルキル基)である]で示されるニトリル基含有単量
体、ヨウ素含有単量体、カルボキシル基含有単量体、ア
ルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられ、通
常、ヨウ素含有単量体、ニトリル基含有単量体、カルボ
キシル基含有単量体などが好適である。
【0044】ヨウ素含有単量体としては、パーフルオロ
ビニルエーテル化合物がその共重合性から好適である。
たとえばパーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード−
3−オキサ−1−ヘキセン)や、パーフルオロ(5−ヨ
ード−3−オキサ−1−ペンテン)などが好適である。
【0045】そのほか特公平5−63482号公報に記
載されている一般式: ICH2CF2CF2(OCFY3CF2)nOCF=CF2 (式中、Y3はトリフルオロメチル基、nは0〜2)で
示されるフルオロビニルエーテルなどがあげられる。
【0046】また、アルミニウム、ステンレススチール
などの金属やシリコーンゴム、ポリイミドなどの有機材
料などの他材との接着性などの機能を与えうる単量体と
しては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸
誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、エポキシ基、
アセチル基などを有する含フッ素単量体または、フッ素
不含単量体などがあげられる。
【0047】なかでも本発明で用いるパーフルオロ系多
元セグメント化ポリマー(a)において、OA機器ロー
ル、特に用紙搬送用ロールのソフトロール用に利用する
のに充分な柔軟性を与えるためには、エラストマー性セ
グメントA部分のガラス転移点が10℃以下であること
が好ましい。
【0048】エラストマー性セグメントAはフッ素ゴム
の製造法として公知のヨウ素移動重合法で製造できる
(特公昭58−4728号公報、特開昭62−1273
4号公報)。
【0049】たとえば実質的に無酸素下で、水媒体中
で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下
に、前記パーフルオロオレフィンと、要すれば硬化部位
を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤
の存在下乳化重合を行なう方法があげられる。
【0050】用いるジヨウ素化合物の代表例としては、
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,
4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−
2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨ
ードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフル
オロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカ
ンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカ
ン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。
これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合
せて使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨー
ドパーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の量
は、エラストマー性セグメントA全重量に対して0.0
1〜1重量%である。
【0051】本発明におけるエラストマー性セグメント
Aの製造で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフ
ッ素系エラストマーの重合に使用されているものと同じ
ものであってよい。これらの開始剤には有機および無機
の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤
として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エス
テル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモ
ニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用し
てもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還
元剤と組み合わせて使用することもできる。
【0052】乳化重合に使用される乳化剤としては、広
範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤
分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカ
ーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有するカル
ボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加され
た水の約0.05〜2重量%が望ましく、特に0.2〜
1.5重量%が望ましい。
【0053】本発明で使用するモノマー混合ガスは、カ
ルブ(G. H. Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミ
ストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Serie
s.)129,13(1973)に記載されるように、爆
発性を有するので、重合装置には着火源となるスパーク
などが発生しないように工夫する必要がある。また、そ
の意味からは、重合圧力はできる限り低く抑えることが
好ましい。
【0054】重合圧力は、広い範囲で変化させることが
できる。一般には、0.5〜5MPaの範囲である。重
合圧力は、高い程重合速度は大きくなるため、生産性の
向上の観点から、0.8MPa以上であることが望まし
い。
【0055】かくして得られるエラストマー性セグメン
トAは数平均分子量が5,000〜750,000、特
に20,000〜400,000のものが、得られるパ
ーフルオロ系多元セグメント化ポリマー全体への柔軟性
の付与、弾性の付与、機械的物性の付与の点から好まし
い。
【0056】このようにして得られるエラストマー性セ
グメントAの末端部分はパーハロ型となっており、非エ
ラストマー性セグメントBのブロック共重合の開始点と
なるヨウ素原子を有している。
【0057】本発明において非エラストマー性セグメン
トBとしては、前記エラストマー性を有しておらずかつ
パーフルオロ系であれば基本的には限定されず、非エラ
ストマー性セグメントBをブロック共重合することによ
り得ようとする特性・機能に合わせて選択すればよい。
【0058】非エラストマー性セグメントBを構成しう
る単量体のうち含フッ素単量体としては、たとえばTF
E、PAVE、HFP、CF2=CF(CF2p3(p
は2〜10の整数、X3はF)、パーフルオロ−2−ブ
テンなどのパーハロオレフィン類の1種または2種以上
があげられる。
【0059】具体的には、TFE/CF2=CF−Rf 1
(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2
=CF−Rf 1が15モル%未満、Rf 1はCF3またはO
f 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)
などがあげられる。
【0060】なかでも、たとえばOA機器の用紙搬送に
用いるロールまたはベルト用材料など、耐摩耗性を必要
とする場合の非エラストマー性セグメントBは、結晶融
点が150℃以上であることが好ましく、また特に高速
機の複写機やプリンター用の定着ロールまたはベルト材
料に適用するためには、特に結晶融点が250℃以上で
あることが好ましい。特に非粘着性、耐摩耗性の良好な
点で、パーフルオロオレフィンを構成単位とした非エラ
ストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントとする。
【0061】具体的には本発明のパーフルオロ系多元セ
グメント化ポリマー中の非エラストマー性セグメントB
としては、TFE85モル%を超え100モル%以下お
よび式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5
のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満から
なるポリマー鎖であるものが特に好ましい。このもの
は、たとえばOA機器ロールに用いた場合、優れた耐摩
耗性とともに、トナーなどの非粘着性にも優れた性能を
示す。
【0062】本発明のパーフルオロ系多元セグメント化
ポリマー(a)の分子末端のヨウ素原子は種々の方法に
より別の原子、有機基などに変換することができる。
【0063】たとえば、本発明におけるパーフルオロ系
多元セグメント化ポリマー(a)をフッ素ガスにより処
理することによって分子末端をフッ素化し、−CF3
とすることができる。それによって、パーフルオロ系多
元セグメント化ポリマー(a)の非粘着性、耐油性、耐
薬品性をさらに向上させることができる。
【0064】フッ素ガス処理は、パーフルオロ系多元セ
グメント化ポリマー(a)をフッ素ガスと通常50〜2
50℃、好ましくは200℃までの温度で1〜10時
間、好ましくは2〜5時間接触させることによって行な
う。圧力は0.1〜1MPa・G(1〜10kgf/c
2・G)の範囲でよいが通常大気圧で行なわれる。用
いるフッ素ガスは純粋なフッ素ガスを用いてもよいが、
安全性の面から窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス
などの不活性ガスで2〜25容量%、好ましくは7〜1
5容量%に希釈したガスが好ましい。
【0065】フッ素ガスと接触させる際、パーフルオロ
系多元セグメント化ポリマー(a)は、粉末状、ペレッ
ト状、フレーク状のいずれの形状であってもよく、さら
にフィルムやチューブ、その他の成形品の形状としてか
らフッ素化処理することも可能である。
【0066】また、パーフルオロ系多元セグメント化ポ
リマー(a)中の非エラストマー性セグメントBにおい
ても、必要に応じてまたセグメント化ポリマー自体の構
造に対して、官能基含有モノマーの共重合により、また
はセグメント化ポリマーの末端基の反応により、当該セ
グメント化ポリマー中にカルボキシル基やその誘導体、
ヒドロキシル基、スルホン酸基やその誘導体、エポキシ
基などを導入することができ、それによって基材との密
着性、架橋反応性、充填材などとの親和性を向上させる
ことができ、その他の種々の機能も付与できるものであ
る。
【0067】非エラストマー性セグメントBのブロック
共重合は、エラストマー性セグメントAの乳化重合に引
き続き、単量体を非エラストマー性セグメントB用に変
えることにより行なうことができる。
【0068】非エラストマー性セグメントBの数平均分
子量は、1,000〜1,200,000、好ましくは
3,000〜600,000と広い幅で調整できる。
【0069】かくして得られるパーフルオロ系多元セグ
メント化ポリマー(a)は、エラストマー性セグメント
Aの両側に非エラストマー性セグメントBが結合したポ
リマー分子(B−A−B)、エラストマー性セグメント
Aの片側に非エラストマー性セグメントBが結合したポ
リマー分子(A−B)を主体とするものであり、非エラ
ストマー性セグメントBが結合していないエラストマー
性セグメントAのみのポリマー分子(C)は、パーフル
オロ系多元セグメント化ポリマー中のセグメントAとポ
リマー分子(C)との合計量に対し20重量%以下、好
ましくは10重量%以下である。
【0070】このポリマー分子(C)が20重量%を超
えて存在するものをパーフルオロ系フッ素樹脂(b)と
混合すると、これを用いた製品や部品の機械的物性、耐
摩耗性が低下したりする。
【0071】パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー
(a)中のエラストマー性セグメントAと非エラストマ
ー性セグメントBの存在比率は、目的とする製品および
部品、たとえばOA機器用途の使用部材、ロールまたは
ベルト種類、要求特性などにより適宜選択され、また各
セグメントの組成によって異なってくるが、エラストマ
ー性セグメントA:非エラストマー性セグメントBが
5:95〜99:1(重量%)の範囲から好ましく選ば
れる。その中でも特に防汚性、耐摩耗性、非粘着性を兼
ね備える必要のある用紙搬送部のロール用材料用として
用いる場合は、エラストマー性セグメントA:非エラス
トマー性セグメントBが20:80〜98:2(重量
%)であることが好ましく、さらに50:50〜98:
2(重量%)であることが好ましい。
【0072】また非エラストマー性セグメントBの存在
比率が少なすぎると、機械的物性、耐摩耗性が不足する
傾向があるが、成形加工性の観点から、非エラストマー
性セグメントBを30重量%以下とするときには、成形
加工性、特に溶融成形性、溶融押出成形性、射出成形性
の点で優れたセグメント化ポリマー(a)を提供するこ
とができ、特に溶融押出成形性に優れているので、厚さ
10〜500μm程度の薄い膜厚で平滑な表面を有する
チューブやフィルムを製造することができる。この点か
らは、さらにセグメントA:セグメントBを70:30
〜98:2(重量%)とすることが好ましい。
【0073】またエラストマー性セグメントAに硬化部
分を導入して架橋点を設けた場合、加硫(架橋)を公知
の有機過酸化物によるパーオキサイド加硫や公知の多価
アルコール類によるポリオール加硫、公知の多価アミン
化合物によるポリアミン加硫などにより行なうことがで
きる。
【0074】その他有機スズ化合物によりトリアジン環
を形成させるトリアジン加硫(たとえば特開昭58−1
52041号公報参照)、同じくニトリル基を架橋点と
して導入した含フッ素エラストマーを使用し、ビスアミ
ノフェノールによりオキサゾール環を形成させるオキサ
ゾール加硫(たとえば、特開昭59−109546号公
報参照)、テトラアミン化合物によりイミダゾール環を
形成させるイミダゾール加硫(たとえば、特開昭59−
109546号公報参照)、ビスアミノチオフェノール
によりチアゾール環を形成させるチアゾール加硫(たと
えば、特開平8−104789号公報参照)などによっ
ても行うことができる。
【0075】つぎに(b)成分であるパーフルオロ系フ
ッ素樹脂について説明する。このパーフルオロ系フッ素
樹脂(b)は、もちろん前記パーフルオロ系多元セグメ
ント化ポリマー(a)と異なる物質である。
【0076】パーフルオロ系フッ素樹脂(b)は結晶融
点またはガラス転移点が150℃以上のものであり、パ
ーフルオロ系多元セグメント化ポリマー(a)の優れた
非粘着性、機械的特性を低下させないで、さらに耐熱性
や機械的特性を改善する能力を有するものである。
【0077】パーフルオロ系フッ素樹脂は、本発明の目
的、用途により上記の特性をもつものから適宜選択され
るが、OA関連機器のロールなどの表面材料や成形材料
に利用する場合、結晶融点またはガラス転移点が150
℃以上、さらに好ましくは250℃以上のものが好まし
い。
【0078】そのなかでも優れた耐熱性、非粘着性、耐
薬品性、低摩擦性を有し、パーフルオロ系フッ素ポリマ
ー(I)にも同様な性質を与え得るパーフルオロ系フッ
素樹脂、特にPTFE、PFAの1種または2種以上が
とくに好ましくあげられる。
【0079】本発明におけるパーフルオロ系フッ素ポリ
マー(I)において、(a)成分と(b)成分の好まし
い重量比は、(a)/(b)が1/99〜1/99の広
い範囲で選定できる。
【0080】また、パーフルオロ系多元セグメント化ポ
リマー(a)とパーフルオロ系フッ素樹脂(b)との組
合せは任意であるが、特にパーフルオロ系多元セグメン
ト化ポリマー(a)中の非エラストマー性セグメントB
と同種または類似の組成のパーフルオロ系フッ素樹脂
(b)を選択するときは、両成分の相溶性が優れる点で
好ましい。
【0081】たとえばつぎの組合せが好ましい。 (a)パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE−PAVE(PAVE 30〜5
0モル%)共重合ユニット セグメントB:TFE−PAVE(PAVE 0.5〜
5モル%)共重合ユニット (b)パーフルオロ系フッ素樹脂 PFAからなる組成物。 (a)パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE−PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE−HFP共重合ユニット (b)パーフルオロ系フッ素樹脂 FEPからなる組成物。 (a)パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE−PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE単独重合ユニット (b)パーフルオロ系フッ素樹脂 PTFE、PFA、FEP、EPAから選ばれるものか
らなる組成物。 (a)パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE−PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE−HFP−PAVE共重合ユニッ
ト (b)パーフルオロ系フッ素樹脂 EPA、PFA、FEPから選ばれるものからなる組成
物。
【0082】本発明の各成分の混合は、たとえば溶融加
工できないパーフルオロ系多元セグメント化ポリマー
(a)やパーフルオロ系フッ素樹脂(b)(たとえばP
TFEまたはPTFE系共重合体)を主成分とする組成
物の場合、充填剤入りPTFEの通常の混合方法でよ
く、たとえばタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー
などの混合機によって混合してうることができ、圧縮成
形などの成形原料に供される。また、溶融加工可能なパ
ーフルオロ系多元セグメント化ポリマー(a)やパーフ
ルオロ系フッ素樹脂(b)(たとえばPFA、FEP、
EPAなど)が主成分となる場合、溶融混合して調製す
ることが好ましく、溶融混合する場合、溶融混合する装
置としては、混合ロール、バンバリーミキサー、ブラベ
ンダーミキサー、押出機などがあげられるが、なかでも
押出機が、混練力がより大きくパーフルオロ系多元セグ
メント化ポリマー(a)とパーフルオロ系フッ素樹脂
(b)とのブレンド時に分散性の向上がより一層期待で
きる点で、また、材料の製造時の生産性が良好である点
で好ましい。押出機としては、単軸または二軸以上のス
クリューを有するものなどが使用できるが、とくに二軸
押出機を使用するのが、より混練力が大きいためより分
散性のよい組成物が得られる点で、また、混練力を自由
に制御できる点で好ましい。
【0083】これらの溶融混合によって、組成物は、一
般にペレットの形態とされたうえ、チューブ押出し、フ
ィルム押出しなどの溶融押出成形用および射出成形用の
成形材料として用いられる。
【0084】本発明のパーフルオロ系フッ素ポリマー
(I)には、用途、目的に応じて種々の充填剤を混合し
てもよい。
【0085】なかでも複写機、プリンターなどのロール
やベルトに代表されるOA機器用部材としてのロールま
たはベルト用の材料として用いる場合は、主としてロー
ルまたはベルト表面に導電性を付与できるような充填剤
が混合される。
【0086】導電性を付与するための充填剤としては、
カーボンブラック(ケッチェン、アセチレンなど)類;
PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、膨張化黒鉛粉砕
品などのカーボン類;およびこれらカーボン類を完全ま
たは部分的にフッ素化したフッ化カーボン類;Ag、N
i、Cu、黄銅、銀メッキ銅、Zn、Al、ステンレス
スチールなどの金属類(粉末状、フレーク状、繊維状な
ど);SnO2(Sbドープ)、In23(Snドー
プ)、ZnO(Alドープ)などの微粒子状の金属酸化
物類;フェライト類;チタン酸バリウムなどの高誘電体
などがあげられる。
【0087】導電性を付与できる充填剤の添加量は、使
用するOA機器ロールまたはOA機器ベルトなどの目的
とする表面抵抗値または体積固有抵抗値によって、さら
には用いる導電性充填剤の種類によって適宜選択される
が、本発明におけるパーフルオロ系フッ素ポリマー
(I)と充填剤からなる組成物全体に対し0.1〜40
重量%程度、好ましくは1〜30重量%である。
【0088】さらに機械的物性や圧縮復元性を高めるた
めの充填剤を混合してもよく、代表的なものとしてガラ
ス繊維、カーボン繊維、アスベスト繊維、チタン酸カリ
ウム繊維などの繊維状の充填剤が好ましくあげられる。
【0089】つぎにパーフルオロ系フッ素ポリマー
(I)を用いて本発明の防汚性および非粘着性を有する
高い動摩擦係数を与えるOA機器ロールの表面層を作製
する場合の具体的な構成例について示す。
【0090】構成例1 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)エラストマー性セグメントAとしてTFE50〜
85モル%およびPAVE15〜50モル%からなる単
量体を共重合してなる分子量5,000〜750,00
0の重合体鎖からなる1種または2種以上のセグメント
75重量%以上と、非エラストマー性セグメントBとし
てTFE85モル%を超え100モル%以下および式
(1) CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3または−ORf 2(Rf 2は炭素数1
〜5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満
からなる単量体を重合してなる分子量3,000〜1,
200,000の重合体鎖からなる1種または2種以上
のセグメント25重量%以下とからなるパーフルオロ系
多元セグメント化ポリマー(a)40〜99重量%、お
よび結晶融点またはガラス転移点が150℃以上のパー
フルオロ系フッ素樹脂(b)1〜60重量%からなるパ
ーフルオロ系フッ素ポリマー(I)。(i)に(ii)を
外層として積層したロール。
【0091】構成例2 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)構成例1の(ii)(外層)に示したパーフルオロ
系フッ素ポリマー(I)に、導電性を付与できる充填剤
を混合した組成物。(i)に(ii)を外層として積層し
たロール。
【0092】本発明で用いるパーフルオロ系フッ素ポリ
マー(I)はそれ自体柔軟性を有するため、上記の構成
例1、2の例示のように直接芯金に施しても充分な柔軟
性を得られるが、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタ
ンゴム、EPDMなどの弾性層を芯金との中間層として
施すことによりロール表面により柔軟性を与えることが
でき、より高画質化、高速時の紙搬送性に効果的に作用
する。なかでも弾性層として、ゴム硬度で10〜40度
のもの、または10度以下(スポンジ状のものも含む)
のものが選ばれる。
【0093】構成例3 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)シリコーンゴム。 (iii)構成例1の(ii)(外層)に示したパーフルオ
ロ系フッ素ポリマー(I)。(i)の芯金にシリコーン
ゴム層(ii)を積層し、その上に(iii)を最外層に積
層したロール。
【0094】構成例4 (i)アルミニウムやステンレススチールなどの金属か
らなる芯金。 (ii)シリコーンゴム。 (iii)構成例1の(ii)(外層)に示したパーフルオ
ロ系フッ素ポリマー(I)に導電性を付与できる充填剤
を混合した組成物。(i)にシリコーンゴム層(ii)を
積層し、その上に(iii)を最外層に積層したロール。
【0095】なお構成例1〜4の各積層ロールの各層間
には密着性、接着性を改善するための接着剤、プライマ
ーなどを使用してもよい。
【0096】構成例3、4が好ましい例示である。
【0097】本発明で使用するパーフルオロ系フッ素ポ
リマー(I)は、成形用材料としてシート状やフィルム
状、チューブ状に成形でき、OA機器用部材、特にロー
ルまたはベルトなどに使用される。その場合の成形方法
は、一般に公知の成形方法が適用でき、パーフルオロ系
フッ素ポリマー(I)または、充填剤をブレンドしたパ
ーフルオロ系フッ素ポリマーの組成物を押出成形、射出
成形、圧縮成形などにより、必要な形状に成形できる。
【0098】また、OA機器用ロールの他の製造法とし
てパーフルオロ系フッ素ポリマー(I)からチューブを
作製し、ロールの芯金を被覆する方法がある。なお、こ
こで言うチューブとはパーフルオロ系フッ素ポリマー
(I)をチューブ状に形成した筒状体のことであり、前
述のパーフルオロ系フッ素ポリマー(I)で例示した好
ましい具体例が同様に好ましく用いられる。
【0099】チューブのサイズは、目的、用途、使用方
法によって異なり、限定されないが、通常内径約5〜5
0mm、厚さ1mm以下のものが用いられ、OA機器用
のロール用途には内径10〜40mm、厚さ0.01〜
0.15μmであることが好ましい。
【0100】このチューブは、通常の溶融押出法により
チューブ状に製膜される。必要に応じて、延伸(1軸ま
たは2軸)してもよいし、熱収縮性を有していてもよ
い。
【0101】パーフルオロ系フッ素ポリマー(I)のチ
ューブまたはフィルムをロールまたはベルトに装着する
場合、それらのチューブまたはフィルムにおけるロール
(ベルト)の幅方向に垂直方向の25℃での引張り強度
CDとロール(ベルト)の幅方向に平行方向の25℃で
の引張り強度MDが、MD>CDであり、かつCD>4
MPaであることが好ましい。このような強度の関係を
満たすことにより、ロールまたはベルトの耐久性が向上
する。
【0102】チューブには必要に応じて、前述の導電性
を付与する充填剤を混合してもよく、通常溶融押出によ
りチューブ成形される際の原料(ペレット状または粉末
状)に、混練、ドライブレンドなどで導電性付与剤をあ
らかじめ混合したものを用いることで作製できる。
【0103】成形方法にもとくに制限はないが、一般に
は前記するように環状ダイスからの溶融押出成形が例示
できる。すなわち1軸または多軸のスクリュー付き押出
機によって、環状ダイスを通して、溶融押出されたフィ
ルム筒状体をそのまま適当な冷却手段によって冷却しな
がら引き取るか、該環状ダイスの後にサイジング治具を
使って、インサイドまたはアウトサイドに寸法・形状を
さらに規制しつつ、常温または空気、水などの冷媒によ
って冷却して引き取ることが行なわれる。ここで筒状体
内に空気を送るとか、引き取る場合に若干延伸を行なう
とか、冷却を徐冷または急冷するなどの諸条件を取り入
れることには何ら制約はない。
【0104】なお、チューブは、通常は1層で構成され
るが、2層以上の多層であってもよい。かかる場合、各
層のポリマーは、相互の相溶性とか、後述の特定条件下
での加熱温度について充分検討し、選択することが必要
である。なぜなら、各層で加熱処理温度が異なるからで
ある。なお、成形は共押出法によるが、一層の場合と同
様に特別な制約はない。
【0105】このチューブには必要ならば被覆される物
品との接着性を向上させるために適宜の内面処理が行な
われる。好ましい内面処理としては化学的エッチング処
理を例示でき、たとえばナトリウム系エッチング剤が好
んで用いられる。こうした内面処理は化学的エッチング
のほかに接着性の向上が期待されるものならば何でもよ
い。さらに内面を化学的エッチングした後にプライマー
処理を行ない、さらに下地との接着性を向上させてもよ
い。
【0106】パーフルオロ系フッ素ポリマー(I)を用
いて作製したチューブはOA機器用のロールまたはベル
ト(とくに用紙搬送用ロールまたはベルト)に用いら
れ、ロール自体に優れた強度を与えうるし、このチュー
ブをロール最外表面に施すことによって前記性能に加え
て良好な防汚性と非粘着性および適度な摩擦抵抗をも付
与できる。
【0107】前記チューブを施してなるロールは、前述
したとおりチューブを芯金に直接被覆したものであって
もよいし、芯金とチューブの間にシリコーンゴム、フッ
素ゴム、ウレタンゴム、EPDMなどの弾性層を設けた
ものであってもよい。
【0108】このチューブは芯金に直接被覆してもロー
ル表面に充分な柔軟性を与えうるが、弾性層を間に設け
ることによってより一層の柔軟性をロール表面に与える
ことができ、OA機器用の用紙搬送用ロールまたはベル
トに用いた場合、高画質化、高速時の紙搬送性の向上が
達成できる。この場合、ゴム硬度10〜30度程度の弾
性層、または10度以下(スポンジ状も含む)の弾性層
が好ましい。
【0109】またチューブとそれと接触する下地(芯金
または弾性層)との接着性を付与するため、必要に応じ
て接着剤やプライマー処理が施される。その場合、前述
のエッチングによる内面処理したチューブを用いること
がより強度な接着力が得られる点で好ましい。
【0110】前記チューブを金属の芯金に直接施したロ
ールを作製する方法は、公知の方法が適宜採用できる
が、チューブ内面エッチング処理を行なった熱収縮性を
有するチューブを用い、プライマー処理などを施した芯
金にかぶせ、融点以下(たとえば150〜200℃)で
収縮させ固定した後、融点以上(たとえば320〜40
0℃)で焼成し融着させるのが好ましい。
【0111】また、チューブと芯金の間に弾性層を設け
たロールを作製する方法として、まず筒状成形体の内部
に芯金と本発明のチューブとを間隔を置いて配置し、か
つ筒状成形体の内表面とチューブの外表面とが接触する
ように配置しておき、前記した間隔に生ゴム、ラテック
ス、エラストマーなどを流し込み、必要ならば加硫する
ことによりロールを得ることができる。もちろん、必要
なときに筒状成形体から被覆されたチューブを含むロー
ル部分を取り出しておかねばならない。この際、チュー
ブの内表面にゴム部分と接触しやすいように予めエッチ
ング処理、プライマー処理などを施こしておいてもよ
い。また、あらかじめゴムロールを作製しておき、その
表面に前記チューブを被覆してもよい。この際は、チュ
ーブとしては熱収縮性を有するものを使用する方がよ
い。このようにロールの製造法についてはとくに制限は
ない。
【0112】また、本発明の表面層はそのままでもかな
り平滑であり、表面粗さRaが1μm以下にすることが
できるが、必要に応じて表面を平滑にする工程、たとえ
ば、得られたロールの表面を研磨することなどにより、
平面粗さRaをさらに低下させることができる。平滑化
処理後の好ましいRaは0.5μm以下、より好ましく
は0.4μm以下である。
【0113】
【実施例】つぎに本発明を製造例および実施例に基づい
て説明するが、本発明はかかる製造例および実施例のみ
に限定されるものではない。
【0114】製造例1(パーフルオロ系多元セグメント
化ポリマーの製造)エラストマー性セグメントAの合成 着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、純水30リットルおよび乳化剤として
715COONH4 300g、pH調整剤としてリン
酸水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系内
を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで攪拌
しながら、50℃に昇温し、TFE/パーフルオロ(メ
チルビニルエーテル)(PMVE)(32/68モル
比)の混合ガスを、内圧が0.8MPa・G(8.0k
gf/cm2G)になるように仕込んだ(混合モノマー
780g)。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の
37.2mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素圧
で圧入して反応を開始した。
【0115】重合の進行により内圧が、0.7MPa・
G(7.0kgf/cm2G)まで降下した時点で、ジ
ヨウ素化合物I(CF24Iを18.21gとC715
COONH4の10重量%水溶液234gとを窒素圧に
て圧入した。ついで圧力が0.8MPa・G(8.0k
gf/cm2G)になるように、TFEを自圧にて60
g、PMVE58g(TFE/PMVE=63/37モ
ル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、反応
の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、
0.7〜0.8MPa・G(7〜8kgf/cm2G)
のあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
【0116】重合反応の開始から12時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、5900gになった時
点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度16.0重量%の水性分散体を得た。
【0117】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム
状重合体を得た。この重合体のムーニー粘度ML
1+10(140℃)は、58であった。
【0118】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成は、TFE/PMVE=61/39モル
%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)
は、2℃であった。
【0119】非エラストマー性セグメントBとのブロッ
ク共重合 上記と同じ内容積47リットルのステンレス製オートク
レーブに、上記で得られた水性分散体3200gと、パ
ーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)1
42gおよび純水400gを仕込み、系内を窒素ガスで
充分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。1
20rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチ
レンを内圧0.55MPa・G(5.5kgf/cm2
G)となるよう圧入した(テトラフルオロエチレン量4
00g)。
【0120】ついで過硫酸アンモニウム0.4gを水5
0mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
【0121】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.5MPa・G(5.0kgf/cm2G)
まで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで0.
55MPa・G(5.5kgf/cm2G)まで再加圧
し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0122】重合開始よりテトラフルオロエチレンが9
50g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを
冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体
6000gを得た。
【0123】得られた水性分散体中のポリマー濃度は1
8.3重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は
58nmであった。
【0124】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントBの比率、すなわち、{(後重合で得られた
ポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合
で得られたポリマー得量)×100は17重量%であっ
た。
【0125】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0126】この白色固体粉末を230℃に保った電気
炉中に入れ、炉内を窒素ガスで置換したのち20容量%
のフッ素ガス(窒素ガス80容量%)を0.5リットル
/分の流速で5時間流通させた。その後充分に窒素ガス
で置換し冷却し、フッ素化したパーフルオロ系多元セグ
メント化ポリマー(白色粉末)を得た。
【0127】得られたパーフルオロ系多元セグメント化
ポリマー中の非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
メントBの組成は19F−NMR分析により、TFE/P
PVE=98/2モル%であった。また、DSC分析に
より、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖のガラス転移
点は2℃であり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントの結晶融点は282℃と検知された。また、
高化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mm
のノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重0.5M
Pa(5kgf/cm2)でのメルトフローレートを測
定したところ、4.9g/10分であった。
【0128】製造例2〜4 製造例1においてエラストマー性セグメントをTFEと
PMVEとの共重合割合を変えることにより、TFE/
PMVE(モル比)が55/45(製造例2)、70/
30(製造例3)および60/40(製造例4)のエラ
ストマー性セグメントとしたほかは同様にして、パーフ
ルオロ系多元セグメント化ポリマーを製造した。
【0129】実施例1 製造例1で製造したパーフルオロ系多元セグメント化ポ
リマーの白色固体とPFA(ダイキン工業(株)製ネオ
フロンPFA AP220。結晶融点302℃)とを重
量比で10/90にてドライブレンドしたのち二軸押出
機(東洋精機(株)製のラボプラストミル)により35
0℃で混練、押出しを行ない、ペレット状のパーフルオ
ロ系フッ素ポリマーを調製した。
【0130】得られたペレットを直径30mmのサイジ
ングダイを設けた単軸押出チューブ加工機(田辺プラス
チック機械(株)製)を用いて肉厚50μmの薄膜チュ
ーブを製造した。
【0131】このチューブについてつぎの物性を調べ
た。結果を表1に示す。
【0132】(動摩擦係数)チューブから70mm×1
50mmのサンプル(厚さ50μm)を切り出す。この
サンプルフィルムを摩擦抵抗試験機(新東科学(株)製
のHEIDON−14型。平面子に静電複写用紙を巻き
付けている)の移動台座上にアセトンで伸ばしながら固
定する。検出器は、測定レンジ6V、バッファーメモリ
500、フォース(force)400、サンプルレート1
ms、トリガレベル2%にセットする。平面子に荷重1
000gを掛け、サンプルフィルム(試験機の移動台
座)の移動速度を6000mm/分にセットして24℃
(常温)にて動摩擦抵抗測定試験を行ない、24℃(常
温)における動摩擦係数のデータを取得する。評価とし
ては200〜400ms平均値を用いる。
【0133】(機械的特性)引張強度:チューブをAS
TM−1467記載のダンベル状に切りとり、オリエン
テック(株)製のテンシロン万能試験機を用い、クロス
ヘッドスピード500mm/分にて25℃および200
℃にて測定する。
【0134】(対水接触角)接触角計(協和界面科学
(株)製のCA−A)を用い、室温にてサンプルフィル
ム表面の対水接触角を測定する。
【0135】(防汚性)サンプルフィルムに市販の油性
インキ(黒)にて長さ3cmの線を5本描き、60秒間
風乾後、重さ500gの金属性の円盤(直径50mm)
の平らな底面に市販のガーゼを貼り付けたものを描画さ
れた線上を10往復させて擦る。評価は、10往復後に
線が残っていれば×、残っていなければ○とする。
【0136】(表面平滑性)表面粗さ計(MITUTOYO製の
Suftest SV-600)を用い、JIS B0601に準じ
てサンプルの表面の算術平均粗さ(Ra)および10点
平均粗さ(Rz)を測定する。
【0137】(実機評価)静電複写機(セイコーエプソ
ン(株)製のLP1900)の定着ロールに上記チュー
ブを被覆し、実際に静電複写を行ない、つぎの項目につ
いて調べた。
【0138】文字ズレ:静電複写機で1000枚複写し
(以下、「1000枚通紙テスト」という)、用紙ズレ
に原因があると考えられる画像不良が生じたものを×と
し、生じなかったものを○とする。
【0139】実施例2〜4 パーフルオロ系多元セグメント化ポリマー(a)として
製造例2〜4で製造したパーフルオロ系フッ素ポリマー
を使用し、このパーフルオロ系多元セグメント化ポリマ
ーとPFAの混合比を表1に示す重量比としたほかは実
施例1と同様にしてパーフルオロ系フッ素ポリマー
(I)を調製し、さらにチューブを製造して、各物性を
測定した。結果を表1に示す。
【0140】比較例1 実施例1で使用したPFAを単独で用いて実施例1と同
様にしてチューブを製造し、各物性を測定した。結果を
表1に示す。
【0141】比較例2 実施例1で使用したPFAと熱可塑性エラストマー(ダ
イエルサーモT−530。ダイキン工業(株)製のダイ
エルサーモ)を90/10(重量比)で混合した材料を
用いて実施例1と同様にしてチューブを製造し、各物性
を測定した。結果を表1に示す。
【0142】
【表1】
【0143】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明で使用
するパーフルオロ系フッ素ポリマー(I)の条件(20
0℃における引張り強度が9MPa未満で24℃におけ
る動摩擦係数が0.4以上)を満たさないPFA単独
(比較例1)では強度は充分であるが表面の動摩擦係数
が小さく平滑性が高くなりすぎて用紙スベリによる文字
ズレを起こしてしまう。
【0144】これに対し、本発明の条件を満たす実施例
1〜4の材料では、文字ズレも起こさず、防汚性に優
れ、耐久性のあるロールを提供できている。
【0145】以上のとおり、本発明によれば、防汚性お
よび非粘着性を保持しながら用紙の搬送に適した動摩擦
係数を有するOA機器用部材、特にロールまたはベルト
が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 102 G03G 15/20 102 21/00 350 21/00 350 (72)発明者 下野 武司 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 2H033 AA13 AA14 AA16 AA23 BA12 BB05 BB29 2H035 CA05 CA07 CB02 CB06 CZ00 3F049 AA03 BA12 CA12 LA02 LA05 LA07 LB02 LB03 3J103 AA01 FA05 GA33 GA57 HA04 HA43 4F100 AK18B AK18K AL01B AL05B AL09B AT00A BA02 DA11 DD07B EH17 GB51 GB90 JA04B JA05B JB06 JB06B JK02 JK02B JK15 JK16 JK16B JL00 JL06 YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃における引張り強度が9MPa
    未満で24℃における動摩擦係数が0.4以上であるパ
    ーフルオロ系フッ素ポリマー(I)の層を表面層として
    有するOA機器用部材。
  2. 【請求項2】 前記表面層の対水接触角が100度以上
    である請求項1記載のOA機器用部材。
  3. 【請求項3】 前記表面層の表面粗さRaが1μm以下
    である請求項1または2記載のOA機器用部材。
  4. 【請求項4】 前記表面層の25℃における引張り強度
    が4MPa以上である請求項1〜3のいずれかに記載の
    OA機器用部材。
  5. 【請求項5】 前記パーフルオロ系フッ素ポリマー
    (I)が、(a)エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
    グメントAと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントBを有するパーフルオロ系多元セグメント化ポリ
    マーおよび(b)結晶融点またはガラス転移点が150
    ℃以上であるパーフルオロ系フッ素樹脂のブレンド物で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載のOA機器用部材。
  6. 【請求項6】 前記パーフルオロ系フッ素樹脂(b)
    が、結晶融点またはガラス転移点が250℃以上のパー
    フルオロ系フッ素樹脂である請求項1〜5のいずれかに
    記載のOA機器用部材。
  7. 【請求項7】 前記パーフルオロ系多元セグメント化ポ
    リマー(a)中に含まれるエラストマー性含フッ素ポリ
    マー鎖セグメントAが、テトラフルオロエチレン50〜
    85モル%とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
    および/またはヘキサフルオロプロピレン15〜50モ
    ル%とからなるポリマー鎖である請求項5または6記載
    のOA機器用部材。
  8. 【請求項8】 前記パーフルオロ系多元セグメント化ポ
    リマー(a)中に含まれる非エラストマー性含フッ素ポ
    リマー鎖セグメントBが、テトラフルオロエチレン85
    モル%を超え100モル%以下および式(1): CF2=CF−Rf 1 (1) (式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
    5のパーフルオロアルキル基))0〜15モル%未満か
    らなるポリマー鎖である請求項5〜7のいずれかに記載
    のOA機器用部材。
  9. 【請求項9】 前記パーフルオロ系フッ素樹脂(b)
    が、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
    ビニルエーテル)共重合体またはテトラフルオロエチレ
    ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求項1
    〜8のいずれかに記載のOA機器用部材。
  10. 【請求項10】 OA機器用部材が用紙搬送用のロール
    またはベルトである請求項1〜9のいずれかに記載のO
    A機器用部材。
  11. 【請求項11】 基材に直接または基材を被覆している
    弾性層上に前記パーフルオロ系フッ素ポリマー(I)の
    チューブまたはフィルムを被覆してなる請求項1〜10
    のいずれかに記載のOA機器用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008239887A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Du Pont Toray Co Ltd ポリイミドフィルム及びその製造方法
JP2009058631A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Stella Chemifa Corp 電子写真装置用ローラ、及びその製造方法
JP2010151214A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Ntn Corp 導電性転がり軸受

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