JP2003122154A - 定着装置用部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置用部材、定着装置及び画像形成装置

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JP2003122154A
JP2003122154A JP2001317508A JP2001317508A JP2003122154A JP 2003122154 A JP2003122154 A JP 2003122154A JP 2001317508 A JP2001317508 A JP 2001317508A JP 2001317508 A JP2001317508 A JP 2001317508A JP 2003122154 A JP2003122154 A JP 2003122154A
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JP
Japan
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fluorine
device member
hardness
polymer
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Application number
JP2001317508A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Takeshi Shimono
武司 下野
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成に用いられ、耐久性、耐熱性、離型
性及び柔軟性を兼ね備えた定着装置用部材であって、プ
リンター、複写機等のカラー化、高速化及び高画質化に
対応することができるものを提供する。 【解決手段】 基材、ゴム弾性層及び離型層を有する定
着装置用部材であって、上記定着装置用部材は、画像形
成に用いられるものであり、上記ゴム弾性層及び上記離
型層は、上記基材に積層されたものであり、上記ゴム弾
性層は、デュロメータータイプA硬度が1〜30°であ
るゴム弾性材料からなるものであり、上記離型層は、デ
ュロメータータイプA硬度が60〜90°であり、デュ
ロメータータイプD硬度が15〜55°である離型材料
からなるものであることを特徴とする定着装置用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性含フッ素材
料からなる定着装置用部材に関し、詳しくは、複写機、
プリンター、FAX等の画像形成装置に用いられる定着
装置の定着用ロール、加圧用ロール、定着用ベルト及び
加圧用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】OA機器分野における印刷機、複写機等
の画像形成装置は、トナーを紙等の転写材に定着させ画
像を形成するための定着装置を有している。定着装置
は、通常、転写材を挟持する定着用ロール及び加圧用ロ
ールからなる定着装置用部材を含むものである。
【0003】定着装置用部材は、従来、転写材との接触
性を高め、摺動性を高める等の点から、弾性を有するこ
とが求められてきた。例えば、印刷機用ロール、プラテ
ンロール等には、ウレタンゴム、EPゴム、シリコーン
ゴム等が使用され、電子写真複写機の定着用ロール及び
加圧用ロールには、シリコーンゴムロールやフッ素ゴム
ロール等が使用されてきた。
【0004】しかしながら、これらの従来の定着装置用
部材は、離型性トナーを使用した場合であっても、トナ
ー非粘着性や離型性が不充分であり、トナーや紙粉の付
着による印刷物の汚染、紙等の転写材の搬送時における
転写材のロールへの巻き付き等のトラブルが発生すると
いう問題があった。
【0005】近年、定着用ロールに代わり、耐熱性樹脂
製又は金属製の定着用ベルト又は定着用フィルムが提案
されている。これらにおいても離型性を付与することが
求められる。
【0006】離型性を付与するため、含フッ素樹脂、含
フッ素ゴム等の非粘着性、耐摩耗性、耐熱性等に優れた
含フッ素材料を利用することが考えられ、様々な構成が
提案されてきた。
【0007】例えば、特公平1−36622号公報に
は、含フッ素樹脂を被覆した非弾性ロールや非弾性ベル
ト、又は、弾性ロール表面に含フッ素ゴムと含フッ素樹
脂の混合物を塗布、焼成し、表面にフッ素樹脂層を形成
したものが開示されている。特公平6−100876号
公報には、含フッ素ゴムと含フッ素樹脂とを塗布し焼成
した後、更に含フッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂層を形
成したものが開示されている。
【0008】定着用ベルト又は定着用フィルムに離型性
を付与するものとして、特開平5−204255号公
報、特開平10−282818号公報等には、表面に含
フッ素樹脂を積層したベルトが提案されている。
【0009】電子写真複写機における定着操作に際し
て、定着用ロールの離型性を改善するために離型油を塗
布することがあり、一般にはシリコーン油が用いられ
る。この場合、シリコーン油が内部に浸透して定着用ロ
ールが膨潤することを防止するために、特開平1−20
5188号公報等では、芯金上にシリコーンゴム層、フ
ッ素ゴム層若しくはフルオロシリコーンゴム層、シリコ
ーンゴム層を順次設けた定着用ロール、又は、弾性ロー
ル表面に含フッ素樹脂収縮チューブ等を被覆したものが
提案されている。
【0010】このうち、フッ素ゴム層又はフルオロシリ
コーンゴム層の上にシリコーンゴム層を形成したもの
は、表面のシリコーンゴム層の強度が不充分であり、強
度を高めるために充填材量を増加させると、離型性が低
下するという問題があった。
【0011】また、フッ素ゴム層又はフルオロシリコー
ンゴム層と、シリコーンゴム層との接着強度が不充分な
のでシリコーン油を反復塗布して定着操作を繰り返す
と、シリコーンゴム層にクラックが発生し、場合によっ
ては剥離が生じるという問題があった。シリコーンゴム
層とフルオロシリコーンゴム層は、それ自体耐熱性が不
充分であり、150〜200℃のような高温下で用いら
れる定着用ロールとしては、劣化したり、強度低下によ
り摩耗するという問題もあった。
【0012】ポリテトラフルオロエチレン〔PTF
E〕、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FE
P〕等の従来の含フッ素樹脂を被覆した非弾性ロール
は、弾性がないという欠点があった。
【0013】弾性ロール表面に含フッ素樹脂収縮チュー
ブ等を被覆したものは、PFA、FEP、PTFE等の
従来の含フッ素樹脂を用いた場合、この含フッ素樹脂が
硬く伸びが小さいので、依然として表面弾性に乏しいと
いう問題があった。
【0014】弾性ロール表面にPFA塗料等を用いて含
フッ素樹脂層を形成したものは、初期においては弾性、
離型性ともに良好であるものの、表面の含フッ素樹脂層
が摩耗しやすいので、離型性が持続せず、150〜20
0℃のような高温に達する定着用ロールとしては、弾性
層の耐熱性が不充分であり、劣化や強度低下によりロー
ルの耐久性が低下するという問題があった。
【0015】近年、レーザープリンターや電子写真複写
機は、カラー化、高画質化、高速化が進んでおり、各色
多層に積層された未定着トナーを均一に転写材上に固定
化させるため、転写材上のトナーへの熱伝導を効率的に
行うことが望ましい。
【0016】効率的な熱伝導のためには、定着用ロール
等と加圧用ロールとの間の接触部分であるニップ幅を、
低硬度化により広くするとよい。定着装置用部材の低硬
度化は、転写材上のトナー粒子を押し潰しにくいことに
もなるので、カラー画像等の発色性や画質を向上させる
ためにも好ましい。
【0017】定着装置用部材を低硬度化するため、弾性
層を肉厚化することが考えられるが、熱源から転写材上
のトナーまでの距離が拡大し、効率的な熱伝導が困難と
なる。その結果、転写材の高速連続搬送時にトナーの定
着性が悪化したり、近年求められているウォームアップ
時間の短縮化が制限されるという問題がある。
【0018】熱源から転写材上までの距離を短くするた
め、被覆層を薄層化すると、高速化に伴って要求されて
きた高度の耐久性を有することができない。また、従来
一般的に、低硬度化すると、耐久性が低下していた。耐
久性が低下すると、定着装置用部材表面の含フッ素樹脂
層が使用により摩耗し、非粘着性、耐熱性等を持続させ
にくいという問題があった。
【0019】柔軟性を有する非粘着性材料として、WO
99/33891号公報には、エラストマー性含フッ素
ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリ
マー鎖セグメントを有する含フッ素多元セグメント化ポ
リマーを含む柔軟性含フッ素材料が開示されている。
【0020】これに成形加工性を付与したものとして、
WO01/00697号公報には、更にフッ素樹脂を混
合させた柔軟性含フッ素材料が開示されている。しかし
ながら、これらの柔軟性含フッ素材料の硬度については
記載されていない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、画像形成に用いられ、耐久性、耐熱性、離型性
及び柔軟性を兼ね備えた定着装置用部材であって、プリ
ンター、複写機等のカラー化、高速化及び高画質化に対
応することができるものを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材、ゴム弾
性層及び離型層を有する定着装置用部材であって、上記
定着装置用部材は、画像形成に用いられるものであり、
上記ゴム弾性層及び上記離型層は、上記基材に積層され
たものであり、上記ゴム弾性層は、デュロメータータイ
プA硬度が1〜30°であるゴム弾性材料からなるもの
であり、上記離型層は、デュロメータータイプA硬度が
60〜90°であり、デュロメータータイプD硬度が1
5〜55°である離型材料からなるものであることを特
徴とする定着装置用部材である。
【0023】上記離型材料は、柔軟性含フッ素材料を含
有するものであることが好ましい。上記柔軟性含フッ素
材料は、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
及び非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを
有する含フッ素多元セグメント化ポリマー(a)を含有
するものであることが好ましい。上記柔軟性含フッ素材
料は、更に、フッ素樹脂(b)を混合したものであるこ
とがより好ましい。
【0024】上記柔軟性含フッ素材料は、単量体成分と
してパーフルオロオレフィン及び/又はパーフルオロビ
ニルエーテルを含有し、重合することにより得られる重
合体からなるものであることが更に好ましい。上記エラ
ストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントは、単量体成
分としてパーハロオレフィン及び/又はパーハロビニル
エーテルを含有し、重合することにより得られるポリマ
ー鎖であって、上記パーハロオレフィン及び/又は上記
パーハロビニルエーテルが上記単量体成分の全量の90
モル%以上であるものであることが好ましい。
【0025】上記非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントは、単量体成分として、テトラフルオロエチ
レンを85モル%を超え100モル%以下である含有率
で含有するとともに、下記式(1): CF=CF−Rf (1) (式中、RfはCF又はORf(Rfは炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基)を示す)で表される
パーフルオロオレフィン又はパーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)を0〜15モル%の含有率で含有し、重
合することにより得られるポリマー鎖であることが好ま
しい。
【0026】上記フッ素樹脂(b)は、単量体成分とし
てパーフルオロオレフィン及び/又はパーフルオロビニ
ルエーテルを含有し、重合することにより得られる重合
体からなるものであることが好ましい。上記フッ素樹脂
(b)は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、及び/又は、テトラフルオロエチレ
ン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)共重合体であることがより好まし
い。
【0027】上記基材は、芯金、フィルム又はベルトで
あることが好ましい。上記定着装置用部材は、定着用ロ
ール、加圧用ロール、定着用ベルト又は加圧用ベルトで
あることが好ましい。以下に本発明を詳細に説明する。
【0028】本発明は、基材、ゴム弾性層及び離型層を
有する定着装置用部材に係る。上記定着装置用部材は、
画像形成に用いられるものである。
【0029】本明細書において、上記「画像形成」と
は、紙等の転写材の上に画像を形成させることを意味す
る。上記画像形成は、一般的に画像形成装置を用いて行
われ、通常、文字、図表、絵柄等を含む画像に従って帯
電したトナー粒子を転写材上に載せ、この未定着のトナ
ー粒子を上記転写材上に定着させることにより行うもの
である。上記画像形成装置としては特に限定されず、例
えば、プリンター、複写機、印刷機等が挙げられる。
【0030】本明細書において、上記「定着装置」と
は、上記画像形成において、転写材上に載った未定着の
トナーを上記転写材上に定着させるための装置を意味す
る。本明細書において、上記「定着装置用部材」とは、
上記定着装置に用いられる部材を意味する。上記定着装
置用部材としては、例えば、定着用ロール、加圧用ロー
ル、定着用ベルト及び/又は加圧用ベルト等が挙げられ
る。定着用ベルト及び加圧用ベルトは、それぞれ定着用
フィルム及び加圧用フィルムと称されることがある。
【0031】本明細書において、定着用ロールと定着用
ベルトとを総称して「定着部材」ということがある。本
明細書において、加圧用ロールと加圧用ベルトとを総称
して「加圧部材」ということがある。
【0032】上記定着装置用部材は、通常、未定着トナ
ーを載せた転写材を加圧部材と定着部材との間に挟持さ
せ、上記加圧部材により上記転写材を上記定着部材に圧
接させ、加熱した定着部材からの熱伝導により上記未定
着トナーを溶かして転写材上に定着させるものである。
【0033】上記定着装置用部材は、基材、ゴム弾性層
及び離型層を有する。上記ゴム弾性層及び上記離型層
は、上記基材に積層されたものである。上記定着装置用
部材は、転写材上のトナーに対する非粘着性や離型性、
搬送される転写材に対する摺動性等の点から、通常、上
記離型層が転写材に接触するように構成される。従っ
て、上記定着装置用部材は、一般的に、上記基材、上記
ゴム弾性層及び上記離型層が、この順で積層されてい
る。
【0034】上記基材としては、通常、芯金、フィルム
又はベルトが用いられる。上記基材は、芯金である場
合、円筒形状又は円柱形状である。定着装置用部材は、
上記基材が芯金である場合、定着用ロール又は加圧用ロ
ールである。定着用ロールは、上記基材の内部にヒータ
ー等の発熱体を有しており、この発熱体から離型層表面
へ、更に、接触する未定着のトナー粒子へと熱伝導さ
せ、トナー粒子を溶かして転写材上に定着させる。
【0035】定着装置用部材は、上記基材がフィルム又
はベルトである場合、定着用ベルト又は加圧用ベルトで
ある。定着用ベルトは、転写材を挟んで加圧部材と向き
合う回転ロールと、加熱装置を有する加熱用ロールとの
双方に渡しかけ、加熱用ロール上において離型層表面へ
と熱伝導させ、定着用ベルトの加熱された部分を回転ロ
ールにより転写材上に搬送し、転写材上の未定着のトナ
ー粒子を熱伝導により溶かして転写材上に定着させる。
【0036】定着用ベルトの加熱のために用いられる加
熱装置としては、基材が金属である場合、励磁コイル等
の磁界発生装置であってよく、基材が金属以外の場合、
例えばポリアミド樹脂等の耐熱性樹脂である場合、ヒー
ター等の発熱体である。
【0037】本発明の定着装置用部材における上記ゴム
弾性層は、デュロメータータイプA硬度が1〜30°で
あるゴム弾性材料からなるものである。本明細書におい
て、上記ゴム弾性材料についての「デュロメータータイ
プA硬度」とは、ASTM 2240−97に準拠して
得られる値であって、上記ゴム弾性材料から得られる厚
さ4mmのゴム弾性体を被験物とするものを意味する。
【0038】なお、高弾性体の硬度を測定するために用
いられるものとして、アスカーC硬度がある。アスカー
C硬度は、ゴム業界の規格として用いられており、ロー
ル上の積層物の硬度を測定することに適するが、ロール
の直径等の曲面の曲がり具合や各層の硬度や厚み等によ
って値が変動し得るので、本発明においては採用してい
ない。
【0039】上記ゴム弾性層としては、上記範囲内のデ
ュロメータータイプA硬度を有するゴム弾性材料からな
るものであれば特に限定されず、例えば、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、フルオロシ
リコーンゴム等からなるものが挙げられ、スポンジ状の
弾性体であってもよい。
【0040】本明細書において、上記「ゴム弾性材料」
とは、上記ゴム弾性層を得るための組成物を意味する。
上記ゴム弾性材料は、ラテックス等であってよく、未加
硫でゴム弾性を示さない状態のものを含むものである。
【0041】上記ゴム弾性材料としては、上記範囲内の
デュロメータータイプA硬度を有することに加え、特に
定着部材においては、加熱されるので耐熱性であること
が好ましい。上記ゴム弾性層としては、耐熱性である点
からも、シリコーンゴムからなるもの及びフルオロシリ
コーンゴムからなるものが好ましい。
【0042】本発明の定着装置用部材における上記離型
層は、デュロメータータイプA硬度が60〜90°であ
り、デュロメータータイプD硬度が15〜55°である
離型材料からなるものである。本発明の定着装置用部材
は、このような離型層と上述のゴム弾性層とを有するこ
とにより、低硬度化が可能となり、ニップ幅を広幅化さ
せ、熱伝導の効率化、トナーの定着性や発色性の向上、
転写材の搬送性向上等を可能にすることができる。
【0043】本明細書において、上記離型材料について
の「デュロメータータイプA硬度」とは、ASTM 2
240−97に準拠して得られる値であって、上記離型
材料を成形して得られる厚さ4mmの成形体を被験物と
するものを意味する。
【0044】本明細書において、上記離型材料について
の「デュロメータータイプD硬度」とは、ASTM 2
240−97に準拠して得られる値であって、上記離型
材料を成形して得られる厚さ4mmの成形体を被験物と
するものを意味する。
【0045】本明細書において、上記「離型材料」と
は、上記離型層を得るための組成物を意味する。上記離
型材料は、樹脂組成物であってよく、後述するディスパ
ージョン、塗料組成物等を含むものである。上記離型材
料としては上記範囲内のデュロメータータイプA硬度及
び上記範囲内のデュロメータータイプD硬度を有するも
のであれば特に限定されないが、柔軟性含フッ素材料を
含有するものであることが好ましい。
【0046】本明細書において、上記「柔軟性含フッ素
材料」とは、上記範囲内のデュロメータータイプA硬度
及び上記範囲内のデュロメータータイプD硬度を有する
ものであって、分子鎖の炭素に直接結合しているフッ素
を有するポリマーからなるものを意味する。
【0047】本発明の定着装置用部材は、このような柔
軟性含フッ素材料を含有する離型材料からなる離型層を
有することにより、低硬度化が可能になることに加え、
トナー粒子に対する非粘着性、耐熱性をも有することが
できる。
【0048】上記柔軟性含フッ素材料としては、上記範
囲内のデュロメータータイプA硬度及び上記範囲内のデ
ュロメータータイプD硬度を有するフッ素ポリマーから
なる材料等が挙げられる。
【0049】このようなフッ素ポリマーとしては特に限
定されないが、単量体成分としてパーフルオロオレフィ
ン及び/又はパーフルオロビニルエーテルを含有し、重
合することにより得られる重合体からなるものであるこ
とが好ましい。本発明の上記定着装置用部材は、このよ
うなフッ素ポリマーを用いることにより、トナーによる
汚れを防止することができ、また、優れた耐摩耗性、非
粘着性、耐熱性を有することができる。上記柔軟性含フ
ッ素材料は、このようなフッ素ポリマーを、後述する含
フッ素多元セグメント化ポリマー(a)、又は、含フッ
素多元セグメント化ポリマー(a)及びフッ素樹脂
(b)を構成するポリマーとして有するものであってよ
い。
【0050】上記柔軟性含フッ素材料としては、エラス
トマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント及び非エラスト
マー性含フッ素ポリマー鎖セグメントを有する含フッ素
多元セグメント化ポリマー(a)を含有するものが好ま
しい。
【0051】上記含フッ素多元化セグメントポリマー
(a)は、WO99/33891号公報に開示された含
フッ素多元化セグメントポリマーである。上記含フッ素
多元セグメント化ポリマーは1分子中にエラストマー性
含フッ素ポリマー鎖セグメント(以下、「エラストマー
性セグメントA」という)と非エラストマー性含フッ素
ポリマー鎖セグメント(以下、「非エラストマー性セグ
メントB」という)がブロック及び/又はグラフトの形
態で結合した含フッ素多元セグメント化ポリマーであ
る。
【0052】上記エラストマー性セグメントAは、ガラ
ス転移点が25℃以下であることが好ましい。このよう
な上記エラストマー性セグメントAは、一般的に、非晶
性である。本発明の定着装置用部材を充分に低硬度化し
得る点から、好ましくは、10℃以下である。
【0053】上記エラストマー性セグメントAは、単量
体成分としてパーハロオレフィン及び/又はパーハロビ
ニルエーテルを含有し、重合することにより得られるポ
リマー鎖であって、上記パーハロオレフィン及び/又は
上記パーハロビニルエーテルが上記単量体成分の全量の
90モル%以上であるものが好ましい。
【0054】上記パーハロオロオレフィンとしては特に
限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン〔TF
E〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフ
ルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CT
FE〕等が挙げられる。上記パーハロビニルエーテルと
しては特に限定されず、例えば、アルキル基の炭素数が
1〜5であるパーハロ(アルキルビニルエーテル)〔P
AVE〕、下記一般式 CF=CF(OCFCFYO)n1(CFCF
CFO)n2Rf (式中、YはF又はCF、Rfは炭素数1〜5の
パーフルオロアルキル基、n1は0〜5の整数、n2は
0〜5の整数、ただしn1+n2≧1)で表されるパー
フルオロビニルエーテル等が挙げられる。上記エラスト
マー性セグメントAの単量体成分としては、これらのう
ちからエラストマー性をもつ組合せと組成のものを使用
することができる。
【0055】上記エラストマー性セグメントAは、単量
体成分として、これらに加え、パーオキサイド加硫やポ
リオール加硫、ポリアミン加硫やその他の硬化反応のた
めに硬化部位を与える単量体、及び/又は、他材との接
着性等の機能付与のための官能基含有単量体を、10モ
ル%以下含有し、重合したものであってもよい。
【0056】エラストマー性セグメントAとしては、好
ましくは、TFE/PAVE/上記硬化や接着機能を与
える単量体の共重合体であり、その好ましい組成は50
〜85/15〜50/0〜10モル%、特に50〜80
/20〜50/0〜5モル%である。
【0057】上記硬化部位を与える単量体としては、例
えばフッ化ビニリデン、下記一般式 CZ =CZ−RfCHRI (式中、Zは同一又は異なって、H、F又はCH
示し、Rfは1個以上のエーテル型酸素原子を有して
いてもよい直鎖状又は分岐鎖状のフルオロアルキレン基
若しくはパーフルオロアルキレン基、フルオロオキシア
ルキレン基若しくはパーフルオロオキシアルキレン基、
又は、フルオロポリオキシアルキレン基若しくはパーフ
ルオロポリオキシアルキレン基を示し、RはH又はC
を示す)で表されるヨウ素含有単量体、下記式
【0058】
【化1】
【0059】(式中、Zは−CN、−COOH又は−
COOR(Rは炭素数1〜10のフッ素原子を含ん
でいてもよいアルキル基)を示す)で表されるニトリル
基含有単量体、ヨウ素含有単量体、カルボキシル基含有
単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体等が挙げら
れ、通常、ヨウ素含有単量体、ニトリル基含有単量体、
カルボキシル基含有単量体等が好適である。
【0060】ヨウ素含有単量体としては、パーフルオロ
ビニルエーテル化合物がその共重合性から好適である。
例えば、パーフルオロ(6,6ジヒドロ−6−ヨード−
3−オキサ−1−ヘキセン)、パーフルオロ(5−ヨー
ド−3−オキサ−1−ペンテン)等が好適である。
【0061】そのほか特公平5−63482号公報に記
載されている一般式: ICHCFCF(OCFYCFn10OC
F=CF (式中、Yはトリフルオロメチル基、n10は0〜2
の整数を示す)で表されるフルオロビニルエーテル等が
挙げられる。
【0062】他材との接着性等の機能を与えうる単量体
としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン
酸誘導体、スルホン酸、スルホン酸誘導体、エポキシ
基、アセチル基等を有する含フッ素単量体、フッ素不含
単量体等が挙げられる。上記他材としては特に限定され
ず、例えば、アルミニウム、ステンレススチール等の金
属;シリコーンゴム、ポリイミド等の有機材料等が挙げ
られる。
【0063】上記エラストマー性セグメントAの数平均
分子量としては、得られる含フッ素多元セグメント化ポ
リマー(a)全体への柔軟性の付与、弾性の付与、機械
的物性の付与の点から、5000〜750000が好ま
しく、20000〜400000がより好ましい。
【0064】上記エラストマー性セグメントAは、フッ
素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法により製
造することができる。上記ヨウ素移動重合法は、特公昭
58−4728号公報、特開昭62−12734号公報
等に開示されている。
【0065】上記ヨウ素移動重合法としては、例えば実
質的に無酸素下で、水媒体中において、ヨウ素化合物、
好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、上記パーフルオ
ロオレフィンと、必要に応じ、上述の硬化部位を与える
単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下
に乳化重合を行う方法等が挙げられる。
【0066】このようにして得られるエラストマー性セ
グメントAのポリマー鎖末端部分は、パーハロ型となっ
ており、非エラストマー性セグメントBのブロック共重
合の開始点となるヨウ素原子を有している。
【0067】非エラストマー性セグメントBとしては、
フッ素原子を有し、上記エラストマー性セグメントAに
おけるエラストマー性を有していないものであれば特に
限定されず、非エラストマー性セグメントBをブロック
共重合することにより得ようとする特性・機能に合わせ
て選択すればよい。
【0068】上記非エラストマー性セグメントBは、単
量体成分として、含フッ素単量体を含有し、重合するこ
とにより得られるものである。上記含フッ素単量体とし
ては特に限定されず、例えば、TFE、HFP、CTF
E、下記一般式 CF=CF(CFn11 (式中、n11は1〜10の整数を示し、ZはF又は
Clを示す)で表されるパーハロ−1−オレフィン、パ
ーフルオロ−2−ブテン等のパーハロオレフィン類;P
AVE等のパーフルオロビニルエーテル;フッ化ビニリ
デン〔VdF〕、フッ化ビニル、トリフルオロエチレ
ン、下記一般式 CH=CZ(CFn12 (Z及びZはH又はF、n12は1〜10の整数を
示す)、CH=C(CF等の部分フッ素化オレ
フィン類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用
いることができる。
【0069】上記非エラストマー性セグメントBの単量
体成分としては、更に、上記含フッ素単量体と共重合可
能な単量体、例えばエチレン、プロピレン、塩化ビニ
ル、ビニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、
アクリル類の1種又は2種以上を用いることができる。
【0070】上記非エラストマー性セグメントBの単量
体成分としては、なかでも、耐薬品性、耐熱性の点か
ら、主成分に用いる単量体として、含フッ素オレフィン
単独又は含フッ素オレフィン同士の組合せ、エチレンと
TFEの組合せ、エチレンとCTFEの組合せが好まし
く、特にパーハロオレフィンの単独又はパーハロオレフ
ィン同士の組合せが好ましい。
【0071】上記非エラストマー性セグメントBの単量
体成分の種類と含有率としては、例えば、 (1)VdF/TFE(0〜100/100〜0)、特
にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、PTFE
又はPVdF: (2)エチレン/TFE/HFP(6〜43/40〜8
1/10〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレ
ン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフ
ルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜
40): (3)TFE/CF=CF−Rf(非エラストマー
性を示す組成範囲、即ち、CF=CF−Rfが15
モル%未満、RfはCF又はORf(Rf は炭
素数1〜5のパーフルオロアルキル基)); (4)VdF/TFE/CTFE(50〜99/30〜
0/20〜1); (5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0
/10〜1); (6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40); (7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E); (8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40) 等が挙げられる。
【0072】上記非エラストマー性セグメントBは、本
発明の定着装置用部材に耐摩耗性を充分に付与する点か
ら、結晶融点が150℃以上であることが好ましく、ま
た特に高速機の複写機やプリンター用の上記定着装置用
部材に適用するためには、特に結晶融点が250℃以上
であることが好ましい。なかでも、特に耐熱性、非粘
着、耐摩耗性の良好な点で、単量体成分としてパーハロ
オレフィンを含有し、重合することにより得られた非エ
ラストマー性セグメントBとすることが好ましい。
【0073】上記非エラストマー性セグメントBとして
は、単量体成分として、TFEを85モル%を超え10
0モル%以下の含有率で含有するとともに、下記式
(1): CF=CF−Rf (1) (式中、RfはCF又はORf(Rfは炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基)を示す)で表される
パーフルオロオレフィン又はパーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)を0〜15モル%の含有率で含有し、重
合することにより得られるポリマー鎖が特に好ましい。
このものは、本発明の定着装置用部材に用いた場合、優
れた耐熱性、耐摩耗性とともに、トナー等の非粘着性に
も優れた性能を示す。
【0074】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)の分子末端のヨウ素原子は種々の方法により別の
原子、有機基等に変換することができる。
【0075】例えば、上記含フッ素多元セグメント化ポ
リマー(a)をフッ素ガスにより処理することによって
分子末端をフッ素化し、−CF基とすることができ
る。それによって、上記含フッ素多元セグメント化ポリ
マー(a)の非粘着性、耐油性、耐薬品性を更に向上さ
せることができる。
【0076】上記非エラストマー性セグメントBのブロ
ック共重合は、エラストマー性セグメントAの乳化重合
に引き続き、単量体を上記非エラストマー性セグメント
B用に変えることにより行うことができる。
【0077】上記非エラストマー性セグメントBの数平
均分子量としては、1000〜1200000が好まし
く、3000〜600000がより好ましく、上記範囲
内で幅広く調整することができる。
【0078】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)は、エラストマー性セグメントAの両側に非エラ
ストマー性セグメントBが結合したポリマー分子(B−
A−B)、エラストマー性セグメントAの片側に非エラ
ストマー性セグメントBが結合したポリマー分子(A−
B)を主体とするものである。
【0079】非エラストマー性セグメントBが結合して
いないエラストマー性セグメントAのみのポリマー分子
(C)は、本発明の定着装置用部材の機械的物性や耐摩
耗性が低下を防止する点から、含フッ素多元セグメント
化ポリマー(a)中のエラストマー性セグメントAとポ
リマー分子(C)との合計量に対し20重量%以下が好
ましく、10重量%以下がより好ましい。
【0080】上記ポリマー分子(C)が20重量%を超
えて存在するものを後述するフッ素樹脂(b)と混合す
ると、これを用いた定着装置用部材の機械的物性、耐摩
耗性が低下する場合がある。特に150℃以上という高
温化する定着装置用部材に用いる場合、特に高温での耐
摩耗性が低下する。
【0081】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)中における上記エラストマー性セグメントAと上
記非エラストマー性セグメントBとの存在比率は、本発
明の定着装置用部材の用途、要求特性等により適宜選択
され、各セグメントの組成によっても異なるが、上記エ
ラストマー性セグメントA:上記非エラストマー性セグ
メントBが5:95〜99:1(重量%)であることが
好ましい。なかでも、本発明の定着装置用部材の防汚
性、耐摩耗性、非粘着性を充分なものにする点から、上
記エラストマー性セグメントA:上記非エラストマー性
セグメントBが20:80〜98:2(重量%)である
ことがより好ましく、50:50〜98:2(重量%)
であることが更に好ましい。
【0082】上記エラストマー性セグメントAの存在比
率が少なすぎると、低硬度化が不充分となりやすく、定
着性、発色性が不足することがある。上記非エラストマ
ー性セグメントBの存在比率が少なすぎると、耐熱性、
機械的物性、耐摩耗性が不足する傾向がある。
【0083】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)中における非エラストマー性セグメントBの存在
比率は、成形加工性、特に溶融成形性、溶融押出成形
性、射出成形性の点に優れた含フッ素多元セグメント化
ポリマー(a)を得ることができる点から、30重量%
以下が好ましい。なかでも、溶融押出成形性に優れた含
フッ素多元セグメント化ポリマー(a)を得ることがで
きるので、厚さ10〜500μm程度の薄い膜厚で平滑
な表面を有するチューブやフィルムを製造することが可
能となる。このようなチューブやフィルムを製造する場
合、上記エラストマー性セグメントA:上記非エラスト
マー性セグメントBが70:30〜99:1(重量%)
であることがより好ましい。
【0084】上記エラストマー性セグメントAに硬化部
分を導入して架橋点を設けた場合、加硫(架橋)を公知
の有機過酸化物によるパーオキサイド加硫や公知の多価
アルコール類によるポリオール加硫、公知の多価アミン
化合物によるポリアミン加硫等により行うことができ
る。
【0085】上記エラストマー性セグメントAと上記非
エラストマー性セグメントBとをブロックやグラフト等
の形態でつなぎ、上記含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー(a)とする方法については、公知の種々の方法が採
用できるが、なかでも特公昭58−4728号公報等に
示されたブロック型の含フッ素多元セグメント化ポリマ
ーの製法や、特開昭62−34324号公報に示された
グラフト型の含フッ素多元セグメント化ポリマーの製法
等が好ましく採用できる。
【0086】なかでも、セグメント化率(ブロック化
率)も高く、均質で規則的なセグメント化ポリマーが得
られることから、特公昭58−4728号公報、高分子
論文集(Vol.49、No.10、1992)記載の
いわゆるヨウ素移動重合法で合成されたブロック型の含
フッ素多元セグメント化ポリマー(a)が好ましい。
【0087】上記柔軟性含フッ素材料としては、上記含
フッ素多元セグメント化ポリマー(a)とフッ素樹脂
(b)との混合物からなるものがより好ましい。上記フ
ッ素樹脂(b)に属する樹脂を構成するポリマーは、上
記含フッ素多元セグメント化ポリマー(a)に属するポ
リマーとは異なるものである。
【0088】本明細書において、上記「フッ素樹脂
(b)」とは、結晶融点又はガラス転移点が150℃以
上であるフッ素樹脂を意味する。上記フッ素樹脂(b)
は、上記含フッ素多元セグメント化ポリマー(a)の優
れた非粘着性、機械的特性を低下させないで、さらに耐
熱性や機械的特性を改善する能力を有するものである。
上記フッ素樹脂(b)の結晶融点又はガラス転移点は、
好ましくは250℃以上である。
【0089】上記フッ素樹脂(b)としては、優れた耐
熱性、非粘着性、耐薬品性、低摩擦性を有し、上述の柔
軟性含フッ素材料にも同様の性質を付与し得る点から、
パーフルオロ系フッ素樹脂が好ましい。本明細書におい
て、上記「パーフルオロ系フッ素樹脂」とは、単量体成
分としてパーフルオロオレフィン及び/又はパーフルオ
ロビニルエーテルを含有し、重合することにより得られ
る重合体からなるものを意味する。
【0090】上記パーフルオロ系フッ素樹脂としては特
に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン〔PT
FE〕;テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔F
EP〕、及び/又は、テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン/パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)共重合体等のテトラフルオロエチレン系共重合
体が好ましい。これらは1種又は2種以上を用いること
ができる。
【0091】本明細書において、上記「テトラフルオロ
エチレン系共重合体」とは、単量体成分としてTFEを
含有し、重合することにより得られる共重合体を意味す
る。
【0092】上記柔軟性含フッ素材料において、上記含
フッ素多元セグメント化ポリマー(a)と上記フッ素樹
脂(b)との好ましい重量比は、(a):(b)が1:
99〜99:1が好ましく、上記範囲内で、本発明の定
着装置用部材に求められる性質に応じて任意に選定する
ことができる。
【0093】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)と上記フッ素樹脂(b)との組合せは任意である
が、上記含フッ素多元セグメント化ポリマー(a)中の
非エラストマー性セグメントBと同種又は類似の組成を
有するフッ素樹脂(b)を選択することが、両成分の相
溶性が優れる点で、好ましい。
【0094】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)と上記フッ素樹脂(b)との組合せとしては、例
えば次の組合せが好ましい。 (a)含フッ素多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE/PAVE(PAVE 30〜5
0モル%)共重合ユニット セグメントB:TFE/PAVE(PAVE 0.5〜
5モル%)共重合ユニット (b)フッ素樹脂 PFA からなる組成物。 (a)含フッ素多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE/PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE/HFP共重合ユニット (b)フッ素樹脂 FEP からなる組成物。 (a)含フッ素多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE/PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE単独重合ユニット (b)フッ素樹脂 PTFE、PFA、FEP、EPAから選ばれるもの からなる組成物。 (a)含フッ素多元セグメント化ポリマー セグメントA:TFE/PAVE共重合ユニット セグメントB:TFE/HFP/PAVE共重合ユニッ
ト (b)フッ素樹脂 EPA、PFA、FEPから選ばれるもの からなる組成物。
【0095】上記含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)と上記フッ素樹脂(b)とを含有する柔軟性含フ
ッ素材料は、例えば溶融加工できない含フッ素多元セグ
メント化ポリマー(a)やフッ素樹脂(b)を主成分と
する組成物の場合には、充填材入りPTFEの通常の混
合方法で得ることができる。溶融加工できないフッ素樹
脂(b)としては、例えばPTFE、テトラフルオロエ
チレン系共重合体等が挙げられる。上記通常の混合方法
としては、例えば、タンブラーミキサー、ヘンシェルミ
キサー等の混合機によって混合する方法等が挙げられ
る。
【0096】主成分として用いる上記含フッ素多元セグ
メント化ポリマー(a)と上記フッ素樹脂(b)が溶融
加工可能なものである場合、溶融混合して調製すること
が望ましい。溶融加工可能な上記フッ素樹脂(b)とし
ては、例えば、PFA、FEP、テトラフルオロエチレ
ン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
【0097】上記溶融混合のための装置としては、混合
ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、
押出機等が挙げられるが、なかでも、混練力がより大き
く含フッ素多元セグメント化ポリマー(a)とフッ素樹
脂(b)との混合時に充分な分散性が期待できる点で、
また、材料製造時の生産性が良好である点で、押出機が
好ましい。押出機としては、単軸又は二軸以上のスクリ
ューを有するもの等が使用できるが、大きな混練力を有
しており分散性の良好な組成物が得られる点で、また混
練力を自由に制御できる点で、特に二軸押出機が好まし
い。
【0098】これらの溶融混合によって、組成物は一般
にペレットの形態とされたうえ、チューブ押出し、フィ
ルム押出し等の溶融押出成形又は射出成形の成形材料と
して用いられる。
【0099】本発明の定着装置用部材は、上述のよう
に、基材、ゴム弾性層及び離型層を有する。上記ゴム弾
性層及び上記離型層は、上記基材に積層されたものであ
る。上記ゴム弾性層は、上述のゴム弾性材料からなるも
のであり、上記離型層は、上述の離型材料からなるもの
である。このような本発明の定着装置用部材を製造する
方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法
等が挙げられる。
【0100】上記基材としては、通常、芯金、フィルム
又はベルトが用いられる。上記芯金としては特に限定さ
れず、例えば、アルミニウム、ステンレススチール等の
金属からなるものが挙げられる。上記フィルム又はベル
トとしては、金属;ポリアミド樹脂等の耐熱性樹脂等が
挙げられる。
【0101】上記ゴム弾性層は、上記基材の上に積層さ
せるものである。上記ゴム弾性層は、通常、上記基材と
上記離型層との間に設ける。本発明の定着装置用部材
は、上記ゴム弾性層を有するので、低硬度化を促進する
ことができ、画像形成装置における高画質化、カラー
化、高速化に充分に対応することができる。
【0102】上記ゴム弾性層としては、ゴム硬度が10
〜40度程度の弾性層、又は、ゴム硬度が10度以下の
弾性層が好ましい。後者の場合、上記ゴム弾性層として
は、スポンジ状の弾性体であってもよい。上記ゴム弾性
層は、上記基材との密着性、接着性を向上させるため、
上記基材との間に接着剤、プライマー等を用いてもよ
い。
【0103】上記離型層は、上記離型材料から予め作製
した成形体を接着させること、又は、上記離型材料を塗
料組成物として調製し、上記基材等に塗装することによ
り、本発明の定着装置用部材に設けることができる。
【0104】上記離型層には必要に応じて、導電性を付
与する充填材を混合してもよい。上記充填材は、通常、
溶融押出により成形される際のペレット状又は粉末状等
の原料に、混練、ドライブレンド等により予め混合する
ことができる。
【0105】上記離型層は、成形体を用いる場合、上記
基材が芯金であれば、一般的に、上記離型材料から通常
の溶融押出法等によりチューブ状に製膜してチューブを
作製し、ロールの芯金を被覆させることにより形成させ
る。本明細書において、上記「チューブ」とは、チュー
ブ状に形成した筒状体を意味する。
【0106】上記チューブのサイズは、本発明の定着装
置用部材の用途等によって異なり、限定されないが、通
常、内径約5〜50mm、厚さ1mm以下のものが用い
られ、内径10〜40mm、厚さ0.01〜0.15μ
mであることが好ましい。
【0107】上記芯金と上記チューブとの間に、上記ゴ
ム弾性層を設けたロールを作製する方法としては特に限
定されず、例えば、まず筒状成形体の内部に上記芯金と
上記チューブとを間隔を置いて配置し、かつ筒状成形体
の内表面と上記チューブの外表面とが接触するように配
置しておき、上記した間隔に生ゴム、ラテックス、エラ
ストマー等を流し込み、必要に応じて加硫することによ
り定着用ロール又は加圧用ロールを得ることができる。
適切な時に、筒状成形体からチューブを被覆したロール
部分を取り出しておく。また、予めゴムロールを作製し
ておき、その表面に上記チューブを被覆してもよい。こ
の際は、チューブとしては熱収縮性を有するものを使用
する方がよい。
【0108】上記離型層は、成形体を用いる場合、上記
基材がフィルム又はベルトであれば、一般的に、上記離
型材料から通常の溶融押出法等によりフィルム状成形体
を作製し、上記基材に加熱圧着することにより被覆する
方法により形成させる。上記フィルム状成形体は、所望
により比較的膜厚に成形し、シート状成形体としたもの
を含むものである。上記基材に加熱圧着する方法として
は特に限定されず、例えば、従来公知の方法を用いるこ
とができる。
【0109】上記チューブ及びフィルム状成形体は、必
要に応じて、1軸又は2軸の延伸機を用いて延伸しても
よいし、熱収縮性を有していてもよい。
【0110】上記離型材料から得たチューブ又はフィル
ム状成形体を上記基材としての芯金、フィルム又はベル
トに装着する場合、それらのチューブ又はフィルム状成
形体における芯金又はベルトの幅方向に垂直方向の25
℃での引張り強度CDが4MPaであることが好まし
い。このような強度の関係を満たすことにより、本発明
の定着装置用部材の耐久性が向上する。
【0111】上記離型層は、成形体を用いる場合、必要
に応じ、被覆される物との接着性を向上させるため、内
面処理を行ったものであることが好ましい。上記内面処
理としては接着性を向上し得るものであれば特に限定さ
れず、例えば、化学的エッチング処理等が好ましく、ナ
トリウム系エッチング剤が好んで用いられる。上記離型
層は、上記内面処理を行った後又は上記内面処理行うこ
となく、プライマー、接着剤等を塗布することにより、
被覆される物品との接着性を更に向上させてもよい。
【0112】上記離型層は、上記離型材料を塗料組成物
として調製し、上記基材等に塗装することにより設ける
ものである場合、上記塗料組成物としては特に限定され
ず、例えば、上記離型材料の調製時に得たペレットを更
に粉砕することにより粉体塗料用の材料として用いても
よい。
【0113】上記離型材料の塗料組成物としては、ま
た、水性分散体、有機溶剤分散体、オルガノゾル、オル
ガノゾルの水中エマルジョン等であってもよい。液状塗
料組成物としては、環境上、安全上の点で水性分散体の
形態が好ましい。上記水性分散体としては、含フッ素多
元セグメント化ポリマー(a)として平均粒径が1〜1
000nm、好ましくは50〜500nmであるもの、
フッ素樹脂(b)として平均粒径が5〜1000μm、
好ましくは5〜300μmである含フッ素溶融樹脂、
水、水溶性溶媒及び界面活性剤を配合してなる組成物
が、塗料組成物としての安定性、造膜性の点で好まし
い。
【0114】このような塗料組成物の塗装方法は、離型
材料の種類や塗料の形態、目的や用途により適宜選択さ
れる。例えば水性分散体や有機溶剤分散体等の場合、一
般にスプレー塗装、ディップ塗装、スピンコーティン
グ、ロールコート、はけ塗り等が行われ、塗布後、乾燥
や焼成により皮膜を得ることができる。
【0115】このようにして得られる本発明の定着装置
用部材は、必要に応じて表面を平滑にする工程を行った
ものであってもよい。このような工程としては、例え
ば、得られる定着装置用部材の表面を研磨する方法等が
挙げられる。
【0116】本発明の定着装置用部材は、上記離型材料
のデュロメータータイプA硬度及びデュロメータータイ
プD硬度が比較的低く、上記離型層を比較的厚くする場
合、上記基材に上記離型層を直接被覆したものであって
も低硬度化を図ることができる。上記離型層を上記基材
上に直接施した定着装置用部材を作製する方法として
は、公知の方法が適宜採用できる。
【0117】本発明の定着装置用部材は、デュロメータ
ータイプA硬度が60〜90°であり、デュロメーター
タイプD硬度が15〜60°である離型材料からなる離
型層と、デュロメータータイプA硬度が1〜30°であ
るゴム弾性層材料からなるゴム弾性層を有するものであ
ることから、充分に低硬度化され、耐熱性、耐久性、離
型性をも兼ね備えるので、トナー非粘着性、優れた定着
性と発色性を有することができる。
【0118】上記定着装置用部材を有するものであるこ
とを特徴とする定着装置も、本発明の一つである。上記
定着装置を有するものであることを特徴とする画像形成
装置もまた、本発明の一つである。
【0119】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 製造例1(含フッ素多元セグメント化ポリマーの製造)エラストマー性セグメントAの合成 着火源をもたない内容積47リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、純水30リットル及び乳化剤としてC
15COONH 300g、pH調整剤としてリ
ン酸水素二ナトリウム・12水塩2.7gを仕込み、系
内を窒素ガスで充分に置換したのち、200rpmで攪
拌しながら、50℃に昇温し、TFE/パーフルオロ
(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕(32/68モ
ル比)の混合ガスを、内圧が0.8MPa・G(8.0
kgf/cmG)になるように仕込んだ(混合モノマ
ー780g)。ついで、過硫酸アンモニウム〔APS〕
の37.2mg/mlの濃度の水溶液100mlを窒素
圧で圧入して反応を開始した。
【0120】重合の進行により内圧が、0.7MPa・
G(7.0kgf/cmG)まで降下した時点で、ジ
ヨウ素化合物I(CFIを18.21gとC
15COONHの10重量%水溶液234gとを窒素
圧にて圧入した。ついで圧力が0.8MPa・G(8.
0kgf/cmG)になるように、TFEを自圧にて
60g、PMVE58g(TFE/PMVE=63/3
7モル比)をプランジャーポンプにて圧入した。以後、
反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入
し、0.7〜0.8MPa・G(7〜8kgf/cm
G)のあいだで、昇圧、降圧を繰り返した。
【0121】重合反応の開始から12時間後、TFE及
びPMVEの合計仕込み量が、5900gになった時点
で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出し
て固形分濃度16.0重量%の水性分散体を得た。
【0122】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してゴム
状重合体を得た。この重合体のムーニー粘度ML
1+10(140℃)は、58であった。
【0123】19F−NMR分析の結果、この重合体の
モノマー単位組成は、TFE/PMVE=61/39モ
ル%であり、DSC分析により測定したTg(中央値)
は、2℃であった。
【0124】非エラストマー性セグメントBとのブロッ
ク共重合 上記と同じ内容積47リットルのステンレス製オートク
レーブに、上記で得られた水性分散体3200gと、パ
ーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕1
42g及び純水400gを仕込み、系内を窒素ガスで充
分に置換したのち、系内の温度を50℃に保った。12
0rpmで撹拌を行ないながら、テトラフルオロエチレ
ンを内圧0.55MPa・G(5.5kgf/cm
G)となるよう圧入した(テトラフルオロエチレン量
400g)。
【0125】ついで過硫酸アンモニウム0.4gを水5
0mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開
始した。
【0126】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.5MPa・G(5.0kgf/cmG)
まで低下した時点でテトラフルオロエチレンガスで0.
55MPa・G(5.5kgf/cmG)まで再加圧
し、降圧、昇圧を繰り返した。
【0127】重合開始よりテトラフルオロエチレンが9
50g消費された時点で供給を止め、オートクレーブを
冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散体
6000gを得た。
【0128】得られた水性分散体中のポリマー濃度は1
8.3重量%であり、動的光散乱法で測定した粒子径は
58nmであった。
【0129】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖
セグメントBの比率、すなわち、{(後重合で得られた
ポリマー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合
で得られたポリマー得量)×100は17重量%であっ
た。
【0130】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0131】この白色固体粉末を230℃に保った電気
炉中に入れ、炉内を窒素ガスで置換したのち20容量%
のフッ素ガス(窒素ガス80容量%)を0.5リットル
/分の流速で5時間流通させた。その後充分に窒素ガス
で置換し冷却し、フッ素化した含フッ素多元セグメント
化ポリマー(白色粉末)を得た。
【0132】得られた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメント
Bの組成は19F−NMR分析により、TFE/PPV
E=98/2モル%であった。また、DSC分析によ
り、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖のガラス転移点
は2℃であり、非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
グメントの結晶融点は282℃と検知された。また、高
化式フローテスターを用いて直径2mm、長さ8mmの
ノズルを用い、372℃で予熱5分間、荷重0.5MP
a(5kgf/cm)でのメルトフローレートを測定
したところ、4.9g/10分であった。
【0133】実施例1 (離型材料の調製)製造例1で製造した含フッ素多元セ
グメント化ポリマーと、PFAとしてネオフロンPFA
AP220(商品名、ダイキン工業社製)を重量比2
5:85にてドライブレンドした後、2軸押出し機(東
洋精機ラボプラストミル、東洋精機社製)により350
℃で混練押出しを行い、デュロメータータイプA硬度が
85°であり、デュロメータータイプD硬度が40°で
あるペレット状の柔軟性含フッ素材料を得た。
【0134】(積層板の作成)この柔軟性含フッ素材料
をフィルム成形機を用いて厚さ50μmの表面離型層用
の薄層フィルムとしたものを、厚さ2mmのアルミニウ
ム板の上に、弾性層としてデュロメータータイプA硬度
が11°であり厚さ2mmのシリコーンゴムを載置した
上に積層した。離型層の内面は、テトラH(商品名、潤
工社製)を用いてナトリウムによるケミカルエッチング
を行い、弾性層との接着にはプライマーとしてケムロッ
ク607(商品名、ロード・ファー・イースト社製)を
塗布して、100℃で加熱接着し、ローラを模した積層
板のデュロメータータイプA硬度37°のローラサンプ
ル板を得た。
【0135】(評価)下記の方法により評価した。結果
は表1に示す。 1.デュロメータータイプA硬度及びデュロメータータ
イプD硬度 それぞれ厚さ4mmの測定用サンプルを用い、ASTM
2240−97に準拠して測定した。 2.アスカーC硬度 上記厚さ2mmのアルミニウム板の上にデュロメーター
タイプA硬度が11°であり厚さ2mmのシリコーンゴ
ムを積層したサンプル板について、高分子計器製アスカ
ーC型硬度計を用いて測定した。
【0136】3.画像ムラ 市販のプリンターを用いて紙上に均一に形成したトナー
のベタ塗り未定着画像(30mm×30mm)を6つ用
意し、これに、上記により得たローラサンプル板を18
0℃、0.049MPa(0.5kg/cm)の条件
で圧接し、トナーを紙上に定着させた時の溶融ムラを目
視観察し、下記の基準に従って評価した。 ○:トナーが均一に溶けた ×:トナーの溶け残りがあった
【0137】4.耐久性 上記により得たローラサンプル板上の厚さ50μmの薄
層フィルム表面を200℃に加熱し、テーバー摩耗試験
機を用いて荷重1kg、回転速度60rpm、1時間の
条件下でコピー用紙(再生PPC用紙、富士ゼロックス
社製)を用いて試験した。試験後の薄層フィルムの厚さ
を測定し、上記摩耗試験前の厚さに対して減少した割合
を摩耗深さ(単位:%)として表すことにより、摩耗の
有無を下記の基準に従って評価した。 ○:摩耗深さ10%未満(摩耗後の薄層フィルム厚さが
45μmを超えた) △:摩耗深さ10〜50%(摩耗後の薄層フィルム厚さ
が25〜45μm) ×:摩耗深さ50%を超える(摩耗後の薄層フィルム厚
さが25μm未満)
【0138】実施例2 含フッ素多元セグメント化ポリマーとPFAの重量比を
30:70とすること以外は実施例1と同様にして50
μmチューブを表面離型層としたサンプル板作成した。
【0139】実施例3 含フッ素多元セグメント化ポリマーとPFAの重量比を
10:90とすること以外は実施例1と同様にして50
μmチューブを表面離型層としたサンプル板作成した。
【0140】実施例4 含フッ素多元化セグメントポリマーのみ、即ち、含フッ
素多元化セグメントポリマーとPFAの重量比を10
0:0とすること以外は実施例1と同様にして50μm
チューブを表面離型層としたサンプル板作成した。
【0141】実施例5 アルミニウム板の代わりに100μm厚さのポリイミド
樹脂からなる成形体を用い、ゴム弾性層厚さを200μ
mとした以外は実施例2と同様にして50μmチューブ
を表面離型層としたサンプル板作成した。なお、アスカ
ー硬度C(表1中※)は、ベルト上に積層した構成であ
り、弾性層が薄層のため、参考値として供する。
【0142】比較例1 PFA(AP220)のみ、即ち、含フッ素多元化セグ
メントポリマーとPFAの重量比を0:100とするこ
と以外は実施例1と同様にして50μmチューブを表面
離型層としたサンプル板作成した。
【0143】
【表1】
【0144】表1から、表層にPFAを配した比較例1
に比べ、表層に含フッ素多元化セグメントポリマーを有
する離型層を被覆した実施例1〜5は、画像ムラが解消
され、実施例1〜4で低硬度ロールを得ることができ
た。また、離型層に含フッ素多元セグメント化ポリマー
(a)とフッ素樹脂(b)とを混合した柔軟性含フッ素
材料を用いた実施例1〜3は、離型層にフッ素樹脂
(b)を用いない実施例4よりも耐久性に優れることが
わかった。
【0145】
【発明の効果】本発明の定着装置用部材は、上述の構成
よりなるので、低硬度化することができるとともに、耐
久性、耐熱性及び離型性をも有することができ、プリン
ター、複写機等のカラー化、高速化及び高画質化に好適
に対応することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA09 AA23 BA12 BB05 BB29 BE03 2H071 BA42 BA43 DA12 3J103 AA02 AA13 AA32 BA41 FA07 FA12 GA02 GA57 GA58 GA60 HA04 HA43 HA54 4F100 AB01A AB10 AK17C AK17J AK18C AK18J AK49 AK52 AL01C AL09B AL09C AN00B AN02 AR00C AT00A BA03 BA04 BA10A BA10C DA11 GB41 JJ03 JK07B JK12 JK12B JK12C JK13 JK13C JK17 JK17C JL00 JL14 JL14C YY00B YY00C

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材、ゴム弾性層及び離型層を有する定
    着装置用部材であって、前記定着装置用部材は、画像形
    成に用いられるものであり、前記ゴム弾性層及び前記離
    型層は、前記基材に積層されたものであり、前記ゴム弾
    性層は、デュロメータータイプA硬度が1〜30°であ
    るゴム弾性材料からなるものであり、前記離型層は、デ
    ュロメータータイプA硬度が60〜90°であり、デュ
    ロメータータイプD硬度が15〜55°である離型材料
    からなるものであることを特徴とする定着装置用部材。
  2. 【請求項2】 離型材料は、柔軟性含フッ素材料を含有
    するものである請求項1記載の定着装置用部材。
  3. 【請求項3】 柔軟性含フッ素材料は、エラストマー性
    含フッ素ポリマー鎖セグメント及び非エラストマー性含
    フッ素ポリマー鎖セグメントを有する含フッ素多元セグ
    メント化ポリマー(a)を含有するものである請求項2
    記載の定着装置用部材。
  4. 【請求項4】 柔軟性含フッ素材料は、更に、フッ素樹
    脂(b)を混合したものである請求項3記載の定着装置
    用部材。
  5. 【請求項5】 柔軟性含フッ素材料は、単量体成分とし
    てパーフルオロオレフィン及び/又はパーフルオロビニ
    ルエーテルを含有し、重合することにより得られる重合
    体からなるものである請求項2、3又は4記載の定着装
    置用部材。
  6. 【請求項6】 エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグ
    メントは、単量体成分としてパーハロオレフィン及び/
    又はパーハロビニルエーテルを含有し、重合することに
    より得られるポリマー鎖であって、前記パーハロオレフ
    ィン及び/又は前記パーハロビニルエーテルが前記単量
    体成分の全量の90モル%以上であるものである請求項
    3、4又は5記載の定着装置用部材。
  7. 【請求項7】 非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セ
    グメントは、単量体成分として、テトラフルオロエチレ
    ンを85モル%を超え100モル%以下である含有率で
    含有するとともに、下記式(1): CF=CF−Rf (1) (式中、RfはCF又はORf(Rfは炭素数
    1〜5のパーフルオロアルキル基)を示す)で表される
    パーフルオロオレフィン又はパーフルオロ(アルキルビ
    ニルエーテル)を0〜15モル%の含有率で含有し、重
    合することにより得られるポリマー鎖である請求項3、
    4、5又は6記載の定着装置用部材。
  8. 【請求項8】 フッ素樹脂(b)は、単量体成分として
    パーフルオロオレフィン及び/又はパーフルオロビニル
    エーテルを含有し、重合することにより得られる重合体
    からなるものである請求項4、5、6又は7記載の定着
    装置用部材。
  9. 【請求項9】 フッ素樹脂(b)は、ポリテトラフルオ
    ロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ
    (アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロ
    エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及び/
    又は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピ
    レン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合
    体である請求項4、5、6、7又は8記載の定着装置用
    部材。
  10. 【請求項10】 基材は、芯金、フィルム又はベルトで
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載
    の定着装置用部材。
  11. 【請求項11】 定着用ロール、加圧用ロール、定着用
    ベルト又は加圧用ベルトである請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9又は10記載の定着装置用部材。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10又は11記載の定着装置用部材を有するも
    のであることを特徴とする定着装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の定着装置を有するも
    のであることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011008097A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Fuji Xerox Co Ltd 加圧部材、定着装置及び画像形成装置
JP2014231153A (ja) * 2013-05-28 2014-12-11 グンゼ株式会社 画像形成装置用多層無端管状ベルト

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