JP2003340369A - 含フッ素樹脂層形成方法、含フッ素樹脂層及び物品 - Google Patents

含フッ素樹脂層形成方法、含フッ素樹脂層及び物品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含フッ素樹脂塗料組成物から耐摩耗性や非粘
着性に優れる層を形成する物品の被覆方法、および、そ
の被覆方法により製造された被覆物品を提供する。 【解決手段】 含フッ素樹脂からなる含フッ素樹脂塗料
組成物を被塗装物に塗布し、次いで焼成したのち、冷却
処理をして含フッ素樹脂層を形成することよりなる含フ
ッ素樹脂層形成方法であって、上記含フッ素樹脂は、3
40℃において荷重を5kgfとして測定したメルトフ
ローレートが5〜50g/10分であるものであり、上
記含フッ素樹脂層は、200℃における引張強度が10
MPa以上であり、200℃における引張伸びが450
%以上であるものであることを特徴とする含フッ素樹脂
層形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素樹脂塗料
組成物から耐摩耗性、非粘着性及び引張伸びに優れた含
フッ素樹脂層を形成し得る含フッ素樹脂層形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】OA機器分野における印刷機、複写機等
の画像形成装置は、トナーを紙等の転写材に定着させ画
像を形成するための定着装置を有している。定着装置
は、通常、転写材を挟持するロール、ベルト等の定着部
材を含むものであり、定着部材は、ドラム状、ベルト状
等の定着部材の形状を形作る基体からなるものである。
【0003】定着部材は、従来、耐熱性であるととも
に、表層に耐摩耗性と非粘着性とを有することが求めら
れてきた。このため、定着部材としては、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
共重合体〔PFA〕等の含フッ素樹脂からなる含フッ素
樹脂層を表面に形成させたものが用いられている。
【0004】定着部材表面の含フッ素樹脂層としては、
従来、コーティング又はチューブが適用されてきた。コ
ーティングは、塗料組成物から得られる被覆材であり、
チューブと比較して、薄膜の形成が容易であること、折
り目がないこと、適度な除電性を有すること等の点で優
れるので、適用することが好ましい。
【0005】しかしながら、コーティングは、用いる材
料の分子量に関わりなく押出チューブ加工機等を使用し
て物理的に平滑面を形成することができるチューブとは
異なり、材料自体の溶融流動性のみにより平滑面を形成
する必要があることから、チューブ材料よりも低分子量
の材料を用いざるを得なかった。その結果、コーティン
グは、チューブよりも耐摩耗性に劣る問題があった。
【0006】コーティングは、また、比較的低分子量の
材料を用いることに起因して、トナーが高温下で溶融す
る際に定着部材表層に付着する最低の温度であるホット
オフセット温度が低いこと等により、非粘着性に劣る問
題があった。
【0007】耐磨耗性と非粘着性とを向上させるために
コーティング材料の分子量を高くすることが考えられる
が、コーティングは、基体材料の耐熱温度以下の温度で
塗布し焼成を行う必要があり、この限られた温度で含フ
ッ素樹脂を充分に溶融させて層中に欠陥がなく平滑な面
を有する含フッ素樹脂層とするためには、含フッ素樹脂
の分子量をあまり高くすることはできない。
【0008】このように、従来、定着部材のコーティン
グ材料として用い得る分子量の含フッ素樹脂からなる含
フッ素樹脂塗料組成物から、耐摩耗性と非粘着性とに優
れた含フッ素樹脂層を形成することは不可能であった。
【0009】コーティングは、また、トナー粒子の大き
さや、紙の厚みを吸収しても破断しないだけの伸びが求
められるので、引張伸びに優れていることが必要であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の現状に鑑み、含フッ素樹脂塗料組成物から耐摩耗性、
非粘着性及び引張伸びに優れた層を形成し得る含フッ素
樹脂層形成方法並びに含フッ素樹脂層及び物品を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、含フッ素樹脂
からなる含フッ素樹脂塗料組成物を被塗装物に塗布し、
次いで焼成したのち、冷却処理をして含フッ素樹脂層を
形成することよりなる含フッ素樹脂層形成方法であっ
て、上記含フッ素樹脂は、340℃において荷重を5k
gfとして測定したメルトフローレートが5〜50g/
10分であるものであり、上記含フッ素樹脂層は、20
0℃における引張強度が10MPa以上であり、200
℃における引張伸びが450%以上であるものであるこ
とを特徴とする含フッ素樹脂層形成方法である。以下に
本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、含フ
ッ素樹脂塗料組成物を被塗装物に塗布し、次いで焼成し
たのち、冷却処理をして含フッ素樹脂層を形成すること
よりなるものである。
【0013】上記含フッ素樹脂塗料組成物は、含フッ素
樹脂からなるものである。上記含フッ素樹脂は、340
℃において荷重を5kgfとして測定したメルトフロー
レート〔MFR〕が5〜50g/10分であるものであ
る。50g/10分を超えると、加工方法を制御しても
所望の引張強度及び引張伸びが得られない場合があり、
5g/10分未満であると、上記含フッ素樹脂層中に欠
陥が生じたり平滑な面を有する含フッ素樹脂層を形成し
なかったりする場合がある。好ましい下限は、10g/
10分であり、好ましい上限は、30g/10分であ
る。
【0014】上記MFRは、上記範囲内にあれば、得ら
れる含フッ素樹脂層の表面が平滑となることから、非粘
着性に優れた層を形成することができ、さらに含フッ素
樹脂層の表面が平滑で欠陥がないことから、耐摩耗性に
優れた層を形成することができる。
【0015】上記MFRは、一定温度及び一定加重の条
件下、規定の直径及び長さの筒から押し出される上記含
フッ素樹脂の流出速度であり、ASTM D 3159
に準拠して測定して得られる値である。上記MFRの値
は、上記含フッ素樹脂の分子量の大きさを反映する。上
記MFRは、通常、分子量が小さいほど大きい値とな
り、分子量が大きいほど小さい値となる。
【0016】上記含フッ素樹脂は、上記含フッ素樹脂塗
料組成物を塗布して得られる皮膜に、耐久性、特に高温
での耐久性と、非粘着性とを付与するために用いられ
る。上記含フッ素樹脂は、後述の焼成時及び用途により
使用時に耐熱性を求められることから、150〜330
℃の融点を有するものが好ましい。上記含フッ素樹脂と
しては、更に、上記含フッ素樹脂塗料組成物を塗布した
後、後述の焼成の工程において、皮膜中で均一に分散す
ることが求められることから、融点より50℃高い温度
での溶融粘度が106kgm-1-1以下のものが好まし
い。
【0017】上記含フッ素樹脂は、パーフルオロ樹脂で
あることが好ましい。パーフルオロ樹脂であると、焼成
時及び使用時に求められる充分な耐熱性、並びに、非粘
着性が得られやすい。上記パーフルオロ樹脂としてはM
FRが上記範囲内にあるものであれば特に限定されず、
例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アル
キルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔F
EP〕、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロ
ピレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重
合体〔EPA〕等が挙げられる。
【0018】上記パーフルオロ樹脂は、テトラフルオロ
エチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共
重合体であることが好ましい。上記テトラフルオロエチ
レン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合
体であると、非粘着性及び耐熱性に優れた含フッ素樹脂
層を形成することができる。
【0019】上記含フッ素樹脂の見掛け密度は、通常、
0.3〜1.5g/mlであることが好ましい。見掛け
密度が小さすぎると、上記含フッ素樹脂塗料組成物中に
おける含フッ素樹脂の分散性が低下して泡の抱き込みや
レベリング性不良が起こることがある。見掛け密度が大
きすぎると、上記含フッ素樹脂が沈降しやすく上記含フ
ッ素樹脂塗料組成物の分散安定性が低下することがあ
る。より好ましい下限は、0.5g/mlであり、より
好ましい上限は、1.0g/mlである。本明細書にお
いて、上記「見掛け密度」とは、JIS K 6391
−5.3に準じて測定することにより得られる値を意味
する。
【0020】上記含フッ素樹脂の平均粒径としては、通
常、1〜1000μmであることが好ましい。平均粒径
が小さすぎると、後述の焼成時に皮膜にクラックが発生
しやすくなり、充分な膜厚を有する含フッ素樹脂層が得
られなくなる。平均粒径が大きすぎると、後述の含フッ
素樹脂塗料組成物中で含フッ素樹脂が沈降しやすくなっ
て分散状態が安定せず、均一な塗布が困難になることが
ある。より好ましい上限は、300μmであり、更に好
ましい上限は、50μmである。
【0021】上記含フッ素樹脂からなる上記含フッ素樹
脂塗料組成物は、粉体塗料、液状塗料の何れであっても
よいが、表面が平滑な含フッ素樹脂層を得るために液状
塗料が好ましい。上記粉体塗料としては特に限定され
ず、例えば、上記含フッ素樹脂を一旦ペレットの形態に
したのち、上記ペレットを粉砕してなるものが挙げられ
る。このような粉砕品の平均粒径は、5〜1000μm
が好ましい。より好ましい上限は、300μmである。
【0022】上記液状塗料としては特に限定されず、例
えば、上記含フッ素樹脂を分散媒に分散させてなるもの
が挙げられる。上記分散媒としては、水、有機溶媒の何
れであってもよいが、水と水溶性溶媒を含むものである
ことが好ましい。上記水溶性溶媒の分子は、上記含フッ
素樹脂の微粒子に付着し、上記含フッ素樹脂の微粒子の
表面エネルギーを下げることにより、上記含フッ素樹脂
の微粒子を上記含フッ素樹脂塗料組成物中で均一に分散
させることに寄与する。上記水溶性溶媒のなかでも、後
述の高沸点有機溶媒は、上記含フッ素樹脂塗料組成物を
塗布して得られる皮膜を乾燥する際に上記含フッ素樹脂
の微粒子どうしをつなぎ、クラックの発生を防止する乾
燥遅延剤として作用する。
【0023】上記水溶性溶媒としては特に限定されず、
例えば、沸点が100℃未満の低沸点有機溶媒としてメ
タノール、エタノール、イソプロパノール、sec−ブ
タノール、t−ブタノール、アセトン、メチルエチルケ
トン等;沸点が100〜150℃の中沸点有機溶媒とし
てトルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、メチルイソブチルケトン、n−ブタノール等;
沸点が150℃を超える高沸点有機溶媒としてN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ケトシン、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジメチ
ルカルビトール、ブチルジカルビトール、ブチルセロソ
ルブ、シクロヘキサノール、ジイソブチルケトン、1,
4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール等が挙げられる。
【0024】上記水溶性溶媒は、配合する場合、上記含
フッ素樹脂塗料組成物にしめる水と水溶性溶媒との合計
重量のうち、0.5〜50重量%が好ましい。より好ま
しい下限は、1重量%であり、より好ましい上限は、4
5重量%である。
【0025】上記液状塗料は、特に上記水溶性溶媒を含
む場合、界面活性剤を配合することが好ましい。上記界
面活性剤としては上記液状塗料中に上記含フッ素樹脂を
均一に分散できるものであれば特に限定されず、例え
ば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非
イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用で
き、これらを単独又は組み合わせて用いてもよいし、そ
れぞれを1種又は2種以上用いてもよい。なかでも、ア
ニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好まし
く、熱分解残量の少ないオキシエチレン鎖を有する非イ
オン性界面活性剤がより好ましい。
【0026】上記界面活性剤は、配合する場合、固形分
比で通常上記含フッ素樹脂の0.01〜50%であるこ
とが好ましい。0.01重量%未満であると、含フッ素
樹脂が均一に分散せず、含フッ素樹脂の微粒子が一部浮
上する場合がある。50重量%を超えると、皮膜に界面
活性剤の分解残渣が多く残留して着色するほか、皮膜の
耐熱性や非粘着性等の特性が低下する場合がある。より
好ましい下限は、0.1重量%、より好ましい上限は、
40重量%であり、更に好ましい下限は、0.2重量
%、更に好ましい上限は、35重量%である。
【0027】上記含フッ素樹脂は、上記含フッ素樹脂塗
料組成物100重量部に対し、固形分で15〜80重量
部であることが好ましい。上記含フッ素樹脂塗料組成物
として上記液状塗料を用いる場合、上記含フッ素樹脂の
配合量が少なすぎると、上記含フッ素樹脂塗料組成物の
粘度が低くなり、後述の被塗装物に塗布しても液垂れし
やすく、充分な膜厚を有する皮膜が得られない場合があ
り、上記含フッ素樹脂の配合量が多すぎると、上記含フ
ッ素樹脂塗料組成物の流動性が低下して、塗装できなく
なる場合がある。上記含フッ素樹脂の配合量としては、
塗装法や膜厚の調製等を考慮して上記範囲内で適宜選定
すればよいが、スプレー塗装やディップ塗装等の場合は
比較的低濃度とし、押し付け塗装等の場合はペースト状
となる50重量部以上とすることがよい。より好ましい
下限は20重量部、より好ましい上限は75重量部であ
る。
【0028】上記含フッ素樹脂塗料組成物を塗布する方
法としては特に限定されず、例えば、スプレー塗装、ロ
ール塗装、ドクターブレードによる塗装、ディップ(浸
漬)塗装、含浸塗装、スピンフローコート、カーテンフ
ローコート等が挙げられる。なかでも、スプレー塗装が
好ましい。
【0029】本発明の含フッ素樹脂層形成方法におい
て、上記含フッ素樹脂塗料組成物は、被塗装物に塗布す
る。本明細書において、上記「被塗装物」とは、上記含
フッ素樹脂塗料組成物を塗布する対象を意味する。本明
細書において、上記被塗装物は、上記含フッ素樹脂塗料
組成物から得られる含フッ素樹脂層を有さず、上記含フ
ッ素樹脂塗料組成物以外の塗料組成物から得られる層又
は後述のプライマーから得られるプライマー層を有さな
いものである。
【0030】上記被塗装物としては、上記含フッ素樹脂
塗料組成物を塗布される物として用い得るものであれば
特に限定されず、例えば、シリコーンゴム、耐熱性樹
脂、金属等からなるものが挙げられる。上記被塗装物と
しては、被塗装物全体がシリコーンゴム、耐熱性樹脂又
は金属でできているものであってよいし、上記含フッ素
樹脂塗料組成物を塗布する面、又は、後述するプライマ
ーを塗布する面がシリコーンゴム、耐熱性樹脂若しくは
金属からなり、上記含フッ素樹脂塗料組成物を塗布しな
い部分又は後述するプライマーを塗布しない部分はその
他の材料からなるものであってもよい。このような被塗
装物としては、例えば、シリコーンゴム、耐熱性樹脂及
び/又は金属が2層以上の多層をなしているもの等が挙
げられる。
【0031】上記耐熱性樹脂としては特に限定されず、
例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエ
ーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチ
レンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリパラバン酸、ポリパラベンゾビス
イミダゾール、ポリパラベンゾビスオキサゾール、ポリ
パラベンゾビスチアゾール等が挙げられ、耐熱性樹脂を
2種以上積層させてなる複層品であってもよい。上記金
属としては特に限定されず、例えば、ニッケル、アルミ
ニウム、ステンレス鋼(SUS)等が挙げられる。
【0032】上記被塗装物は、所望により弾性層を形成
してなるものであってもよい。上記弾性層は、通常ゴム
弾性層である。上記ゴム弾性層は、耐熱性及び上記含フ
ッ素樹脂層との接着性の点で、フッ素ゴムからなるもの
であることが好ましい。
【0033】上記被塗装物は、後述の含フッ素樹脂層を
形成する際、焼成を行うことから、焼成温度以上の耐熱
温度を有することが求められる。後述のように焼成は、
上記含フッ素樹脂の融点以上の温度で行うものであるこ
とから、上記被塗装物の耐熱温度は、通常、350℃以
上であることが好ましい。
【0034】本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、上述
の含フッ素樹脂塗料組成物を上記被塗装物に塗布するも
のである。本明細書において、上記被塗装物に上記含フ
ッ素樹脂塗料組成物を塗布することにより上記被塗装物
に形成された層であって、後述の焼成を行っていないも
のを、「含フッ素樹脂塗布膜」ということがある。上記
含フッ素樹脂塗布膜は、後述の焼成の前に所望により乾
燥を行ってもよい。上記乾燥は、上記含フッ素樹脂の融
点未満の温度で行うものであり、通常、室温〜120℃
で5〜60分間程度行うものである。
【0035】本発明の含フッ素樹脂層形成方法におい
て、上記含フッ素樹脂塗布膜は、次いで焼成する。上記
焼成は、通常、含フッ素樹脂の融点以上、上記被塗装物
の耐熱温度以下である温度で行うものである。上記被塗
装物の耐熱温度は、上述のように通常、350℃以上で
ある。即ち、上記焼成は、含フッ素樹脂の融点以上、3
50℃未満である温度で行うものであることが好まし
い。
【0036】本明細書において、このように被塗装物に
上記含フッ素樹脂塗料組成物を塗布したのち、所望によ
り乾燥を行った後に行う焼成を「塗布後の焼成」という
ことがある。上記塗布後の焼成は、上記被塗装物に塗布
した上記含フッ素樹脂塗料組成物を初めて焼成するも
の、即ち、通常、上記含フッ素樹脂の融点以上の温度に
初めておくものである。上記塗布後の焼成は、このよう
に初めて焼成するものである点で、後述の冷却方法(I
I)において初めて焼成したのち再度加熱することによ
る焼成を含まない概念である。なお、本明細書におい
て、以下、単に「焼成」というときは、上記初めての焼
成、即ち、上記塗布後の焼成と、上記冷却方法(II)
において再度加熱することによる焼成とを含む概念であ
る。
【0037】本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、上記
塗布後の焼成ののち、冷却処理をすることを特徴とする
ものである。上記冷却処理は、上記含フッ素樹脂塗料組
成物からなる層の表面の温度についての降温速度が50
℃/分以下となるように行うものであることが好まし
い。
【0038】本明細書において、上記冷却処理について
の「含フッ素樹脂塗料組成物からなる層」とは、上述の
ように被塗装物に含フッ素樹脂塗料組成物を塗布するこ
とにより上記被塗装物に形成された層であって、上記塗
布後の焼成の後、上記冷却処理を終了する前におけるも
のを意味する。上記含フッ素樹脂塗料組成物からなる層
は、上記冷却処理を行っている最中におけるもの、及
び、後述の冷却方法(II)において上記塗布後の焼成
の後、冷却処理を開始する前におけるものを含む概念で
ある。
【0039】上記冷却処理は、上記範囲内の降温速度を
常に維持するように漸次行う方法を用いてもよいし、上
記範囲内の降温速度である温度にまで下げ、その温度で
一定時間、例えば、2〜20分間程度保持したのち、再
度降温を開始する方法を用いてもよい。後者の方法にお
ける一定時間保持する温度としては特に限定されない
が、例えば、90〜110℃程度であってよく、100
℃付近が好ましい。
【0040】上記冷却処理は、上記含フッ素樹脂塗料組
成物からなる層の表面の温度が焼成の温度から100℃
に降温するまで5分以上かかるように行うものであって
もよい。上記表面は、上記含フッ素樹脂塗料組成物から
なる層の内部、及び、上記含フッ素樹脂塗料組成物から
なる層と上記被塗装物との接触面とは概念上異なるもの
である。上記含フッ素樹脂塗料組成物からなる層が、熱
容量の大きい被塗装物の上に形成されている場合、上記
含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面は、含フッ素
樹脂塗料組成物からなる層の内部に比べてやや温度が低
いと考えられる。
【0041】上記冷却処理は、上述の塗布後の焼成に引
き続いて行う方法(以下、「冷却方法(I)」とい
う。)により行うことが、工程の簡便化等の点から好ま
しい。上記冷却処理は、通常、上記冷却方法(I)によ
り行う。
【0042】上記冷却処理は、上記冷却方法(I)の代
わりに、上述の塗布後の焼成ののち、含フッ素樹脂塗料
組成物からなる層の表面の温度を一旦降温させたのち、
再度加熱してから行う方法(以下、「冷却方法(I
I)」という。)により行うこともできる。
【0043】上記冷却方法(II)は、上述の塗布後の
焼成ののち、上記含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の
表面の温度を含フッ素樹脂の結晶化が開始する温度以下
の温度(以下、「温度A」という。)にまで下げたの
ち、含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面の温度を
含フッ素樹脂の結晶化度が変化し得る温度以上の温度
(以下、「温度B」という。)になるように加熱してか
ら上述の冷却処理を行うものであることが好ましい。
【0044】上記温度Aは、通常、上記含フッ素樹脂の
融点未満の温度である。このような温度としては、例え
ば、上記含フッ素樹脂の融点よりも50℃以上低い温度
であってもよく、通常、室温程度である。
【0045】上述の塗布後の焼成を行った温度から上記
温度Aにまで下げる降温の方法としては特に限定され
ず、例えば、本発明における冷却処理と同様に行っても
よいが、上記冷却方法(II)においては、通常、本発
明における冷却処理によらない従来の冷却方法によるも
のであってよい。このような従来の冷却方法としては、
例えば上記冷却処理における降温速度よりも速い速度で
行う冷却等が挙げられ、風乾等により行われてきた通常
の急冷であってもよい。
【0046】上記温度Bは、通常、上記含フッ素樹脂の
融点よりも50℃低い温度以上の温度である。上記温度
Bは、上記含フッ素樹脂の融点以上の温度であってもよ
いが、上記含フッ素樹脂の結晶化度が変化し得るのであ
れば上記含フッ素樹脂の融点ににまで昇温させる必要は
ない。上記結晶化度は、上述の冷却処理後における含フ
ッ素樹脂層全体に占める結晶部の割合である。上記結晶
部は、非晶部でない部分であり、結晶領域と称されるこ
ともある。一般に、含フッ素樹脂が充分に結晶化するほ
ど、上記含フッ素樹脂からなる層の力学的性質は向上す
る。上記力学的性質の向上の例としては、耐摩耗性の向
上、引張強度の増加、引張伸びの増加等が挙げられる。
【0047】上記温度Aと上記温度Bとは、それぞれ上
述の範囲内の温度であれば同じ温度である必要はない。
上記温度Aは、含フッ素樹脂の融点よりも50℃以上低
い温度であり、かつ、上記温度Bは、上記含フッ素樹脂
の融点よりも50℃低い温度以上の温度であることが好
ましい。
【0048】上記温度Bを上記含フッ素樹脂の融点以上
の温度にする場合、上述の塗布後の焼成ののち、第2の
焼成を行うことと同等のこととなる。この場合、上記温
度Bからの降温は、上述のように本発明における冷却処
理により行うものであり、上述の含フッ素樹脂塗料組成
物からなる層の表面の温度についての降温速度が50℃
/分以下となるように行うものであってもよいし、上述
の含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面の温度が上
記第2の焼成の温度から100℃に降温するまで5分以
上かかるように行うものであってもよい。
【0049】上記冷却方法(II)は、上述のように、
含フッ素樹脂塗料組成物を用いて本発明における冷却処
理によらない通常の冷却を経て形成した層であっても、
再度加熱して上記冷却処理を行うことにより、後述の範
囲内の引張強度と引張伸びとを有する含フッ素樹脂層を
得ることができるものであるので、本発明の含フッ素樹
脂層形成方法を幅広く適用できる点から好ましい。
【0050】本発明の含フッ素樹脂層形成方法におい
て、上記冷却処理をすることにより含フッ素樹脂層を形
成する。本明細書において、上記「含フッ素樹脂層」
は、含フッ素樹脂塗料組成物を上記被塗装物に塗布する
ことにより形成された層であって、上記冷却処理を経て
得られるものを意味する。上記含フッ素樹脂層は、この
ように上記冷却処理を終了したものである点で、上述の
被塗装物に形成された層であって上述の焼成を行ってい
ない層である上述の含フッ素樹脂塗布膜、及び、上述の
塗布後の焼成の後、上記冷却処理を終了する前のもので
ある上述の含フッ素樹脂塗料組成物からなる層とは概念
上異なるものである。
【0051】上記含フッ素樹脂層は、200℃における
引張強度が10MPa以上であるものである。Lanc
aster,J.K.は、Wear,14,223(1
969)において、引張強度と耐摩耗性との間に相関が
あることを示唆しており、引張強度が10MPa未満で
あると、耐摩耗性に劣る場合がある。好ましい下限は、
14MPaである。
【0052】上記含フッ素樹脂層は、上述のように20
0℃における引張強度が10MPa以上であるととも
に、200℃における引張伸びが450%以上であるも
のである。450%未満であると、トナー粒子の大きさ
や、紙の厚みを吸収しきれずに破断する場合がある。好
ましい下限は、550%である。上記引張強度及び上記
引張伸びは、JIS K 6251(1993年)に準
拠して測定することにより得られる値である。
【0053】上記含フッ素樹脂層は、厚みが1〜50μ
mであることが好ましい。1μm未満であると、含フッ
素樹脂層の耐摩耗性、表面平滑性ひいては非粘着性が低
下する場合があり、50μmを超えると、クラックが生
じる場合がある。より好ましい下限は、3μmであり、
より好ましい上限は、45μmである。
【0054】本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、上述
の冷却処理を行うものであるので、上述のように優れた
引張強度と引張伸びとを有する含フッ素樹脂層を得るこ
とができる。本発明の含フッ素樹脂層形成方法がこのよ
うに優れた効果を奏する機構としては明確ではないが、
次のように考えられる。即ち、上述の含フッ素樹脂塗布
膜の焼成時に溶融状態にある含フッ素樹脂は、冷却され
る際に、分子鎖がエネルギー的に安定な形態をとろうと
して結晶化が進む。従来の皮膜形成方法において冷却工
程は、焼成を行った温度から直ちに常温へ冷却する方法
が一般的であったが、この場合、分子鎖が充分に安定な
形態をとる前に、急激な温度低下により分子鎖の動きが
制限され、結晶化が不充分になりやすかったのに対し、
本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、冷却工程として徐
冷するものである上記冷却処理を採用しているので、分
子鎖がより安定な形態をとれるだけの時間的余裕があり
充分に結晶化することが可能となる。従って、含フッ素
樹脂層は、少なくとも表面が充分に結晶化し、この結晶
化が耐摩耗性等の力学的性質の向上に寄与しているもの
と考えられる。
【0055】含フッ素樹脂層の少なくとも表面が充分に
結晶化しているということは、非粘着性の向上にも寄与
する。即ち、結晶化した含フッ素樹脂ほど、融点以上の
温度にする際に大きな吸収熱が必要となり、含フッ素樹
脂層が用いられる高温条件下においても、含フッ素樹脂
層の表面は溶融しにくく高い表面張力を有し、他の物質
と接着しにくい性質を有することになる。充分に結晶化
した含フッ素樹脂層を、例えば、オフィスオートメーシ
ョン機器〔OA機器〕の定着部材表層等に用いる場合、
ホットオフセット温度が高くなりトナー等に対する非粘
着性を向上することができる。
【0056】上述の含フッ素樹脂塗料組成物は、上記含
フッ素樹脂層と上記被塗装物との接着性を向上するた
め、上記被塗装物上にプライマーを塗布してから塗布す
ることが好ましい。本明細書において、上記「被塗装物
上に塗布する」とは、上記被塗装物に直接接触するよう
に塗布することを意味する。
【0057】上記プライマーとしては、上記被塗装物が
シリコーンゴムからなるものである場合、例えば、アル
コキシシランモノマー重合体を含む組成物、含フッ素重
合体を含む組成物、官能基含有含フッ素エチレン性重合
体粒子の分散組成物等が挙げられる。なかでも、官能基
含有含フッ素エチレン性重合体粒子の分散組成物が好ま
しい。上記アルコキシシランモノマー重合体は、アルコ
キシシランモノマーの重縮合体であり、例えば、特開昭
51−36226号公報、特公平1−37737号公
報、特公平5−1313号公報等に開示されているもの
を用いることができる。
【0058】上記プライマーとしては、上記被塗装物が
耐熱性樹脂又は金属からなるものである場合、例えば、
耐熱ポリマー及び含フッ素重合体からなる組成物、シラ
ン化合物若しくは官能基含有含フッ素エチレン性重合体
粒子の分散組成物等が挙げられる。なかでも、官能基含
有含フッ素エチレン性重合体粒子の分散組成物が好まし
い。
【0059】本明細書において、上記「含フッ素重合
体」とは、主鎖を構成する炭素原子に直接結合している
フッ素原子を有する重合体であって、上記プライマーに
配合されるものを意味する。上記含フッ素重合体として
は、上述の含フッ素樹脂と同じものであっても異なるも
のであってもよいが、上述の含フッ素樹脂層との相溶性
と接着性とを高めるため、上述の含フッ素樹脂と同一又
は類似の組成をもつものが好ましい。また、上記耐熱ポ
リマーは、主に上記被塗装物との接着性を向上する目的
で用いられ、上述の耐熱性樹脂と同一又は類似の組成を
もつものが好ましい。
【0060】本明細書において、上記「官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体」とは、官能基として、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、塩を形成しているカルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基及び/又はエポキシ基を
有する重合体であって、炭素原子に直接結合するフッ素
原子を有するエチレン性不飽和化合物を重合して得られ
るものを意味する。本明細書において、上記官能基含有
含フッ素エチレン性重合体が有する官能基をプライマー
官能基ということがある。上記プライマー官能基は、上
記被塗装物との接着性を高める効果を有する。上記プラ
イマー官能基の種類や組合せは、上記被塗装物の材料の
種類、目的や用途により適宜選択されるが、耐熱性の点
でヒドロキシル基を有するものが好ましい。
【0061】上記塩を形成しているカルボキシル基は、
1価又は2価以上の陽イオンを形成することができる原
子又は原子団がカルボキシル基の水素の代わりに結合し
たものである。上記塩を形成しているカルボキシル基
は、上述のプライマーの分散媒が水を含む場合、上記分
散媒中でイオン化するものであってもよい。上記陽イオ
ンを形成することができる原子又は原子団としては特に
限定されず、例えば、K、Na、Ca、Fe、NH4
が挙げられる。
【0062】上記エポキシ基は、通常、炭素鎖によって
結合している2原子の炭素と1原子の酸素が架橋して結
合したものである。上記エポキシ基としては、反応性が
高く、上記被塗装物、更に上述の含フッ素樹脂層との化
学的結合に寄与しやすい点から、1,2−エポキシ基、
1,3−エポキシ基が好ましく、1,2−エポキシ基が
より好ましい。
【0063】上記官能基含有含フッ素エチレン性重合体
は、上記プライマー官能基を有する官能基含有含フッ素
エチレン性単量体及び上記プライマー官能基を含有しな
い官能基非含有含フッ素エチレン性単量体を重合するこ
とにより得られるものであり、例えば、WO98/50
229号公報で開示されたものを用いることができる。
【0064】上記官能基含有含フッ素エチレン性単量体
の含有率は、上記官能基含有含フッ素エチレン性重合体
中の単量体成分の全量の0.05〜30モル%であるこ
とが好ましい。
【0065】上記プライマーを塗布する方法としては、
上述の含フッ素樹脂塗料組成物を塗布する方法と同様の
方法が挙げられる。上記被塗装物上に上記プライマーを
塗布して形成された層(以下、「プライマー層」とい
う。)は、所望により乾燥を行ったものであってよい。
上記プライマー層に対して行う乾燥に要する温度及び時
間の目安は、100℃で20分程度である。上記プライ
マー層の厚みは、1〜20μmであることが好ましい。
【0066】上記含フッ素樹脂層形成方法により形成さ
れたものであることを特徴とする含フッ素樹脂層もま
た、本発明の一つである。上記含フッ素樹脂層を有する
ことを特徴とする物品もまた、本発明の一つである。本
発明の物品は、上記被塗装物の表面の少なくとも一部が
含フッ素樹脂層に被覆されてなるものであり、上記被塗
装物の表面の全部が上記含フッ素樹脂層に被覆されてな
るものであってもよい。上記物品は、オフィスオートメ
ーション機器用ベルト、オフィスオートメーション機器
用フィルム、オフィスオートメーション機器用ロールで
あることが好ましい。
【0067】上記物品がOA機器用ベルト又はOA機器
用ロールである場合、例えば、図1の模式的断面図に示
すように基材1、プライマー層2、含フッ素樹脂層3か
らなるもの等が挙げられる。基材1は、通常、耐熱性樹
脂又は金属製のベルトである。ベルトは、フィルムと表
現されることもあり、この場合、上記OA機器用ベルト
はOA機器用フィルムと称されることがある。また、基
材1は金属製の芯金上にシリコーンゴム層が配置された
ロールであってもよい。このようなベルト又はロールか
らなる基材1上にプライマー層2が形成され、さらにそ
の上部に含フッ素樹脂層3が形成された積層構造を有し
ている。プライマー層2及び/又は含フッ素樹脂層3
は、それぞれ単層であってもよいし、2層以上の多層で
あってもよい。
【0068】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 製造例1 官能基含有含フッ素エチレン性重合体粒子の
分散組成物の調製 攪拌機、バルブ、圧力ゲージ、温度計を備えた3リット
ルガラスライニング製オートクレーブに純水1500m
l、パーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを入
れ窒素ガスで置換した後、真空にし、エタンガス20m
lを仕込んだ。次いで、ヒドロキシル基を有する含フッ
素エチレン性単量体として、下記式(1) CH2=CFCF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH (1) で表されるパーフルオロ(1,1,9,9−テトラハイ
ドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオ
キサ−8−ノネン−1−オール)3.8g、パーフルオ
ロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]18gを窒
素ガスを用いて圧入し、系内の温度を70℃に保った。
攪拌を行いながらテトラフルオロエチレン[TFE]を
内圧が8.5kgf/cm2Gとなるように圧入した。
次いで、過硫酸アンモニウム0.15gを水5.0gに
溶かした溶液を窒素を用いて圧入して反応を開始した。
【0069】重合反応の進行に伴って圧力が低下するの
で、7.5kgf/cm2Gまで低下した時点でTFE
で8.5kgf/cm2Gまで再加圧し、降圧、昇圧を
繰り返した。
【0070】TFEの供給を続けながら、重合開始から
TFEが約40g消費されるごとに、上記式(1)で表
されるヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量
体1.9gを計3回(計5.7g)圧入して重合を継続
し、重合開始よりTFEが約160g消費された時点で
供給を止めてオートクレーブを冷却し、未反応モノマー
を放出し、青みがかった半透明の水性分散体1702g
を得た。
【0071】得られた水性分散体中のポリマーの濃度は
10.9%、動的光散乱法で測定した粒子径は70.7
nmであった。得られた水性分散体の一部を取って凍結
凝析を行い、析出したポリマーを洗浄、乾燥して白色の
固体を単離した。得られた含フッ素エチレン性重合体の
組成は19F−NMR分析およびIR分析により、モル比
として、TFE:PPVE:(上記式(1)で表される
ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体)=
97.7:1.2:1.1であった。IRスペクトルは
3620〜3400cm-1に−OHの特性吸収が観測さ
れた。DSC分析により、上記官能基含有含フッ素エチ
レン性重合体の融点[Tm]は310℃と検知された。
【0072】調製例1 含フッ素樹脂塗料組成物の調製 イソプロピルアルコール4重量部、フッ素系界面活性剤
DS−401(ダイキン工業社製)8重量部、トリエチ
レングリコール6重量部、エチレングリコール4重量
部、純水20重量部、PFA樹脂粉末(ダイキン工業社
製、340℃荷重5kgfでのMFR=14.4g/1
0分、平均粒径25μm、見掛け密度0.8g/ml)
26重量部を混合、分散して均一な分散組成物を調製し
た。これを含フッ素樹脂塗料組成物という。
【0073】調製例2 比較用塗料組成物の調製 イソプロピルアルコール4重量部、DS−401(ダイ
キン工業社製)8重量部、トリエチレングリコール6重
量部、エチレングリコール4重量部、純水20重量部、
PFA樹脂粉末(ダイキン工業社製、340℃荷重5k
gfでのMFR=4.3g/10分、平均粒径25μ
m、見掛け密度0.8g/ml)26重量部を混合、分
散して均一な分散組成物を調製した。これを比較用塗料
組成物という。
【0074】実施例1 アルミ箔上に調製例1で得た含フッ素樹脂塗料組成物を
スプレー塗装し、80〜100℃で15分間乾燥した後
に焼成炉に入れ340℃で30分間焼成した。そして、
焼成炉から取り出し、100℃の恒温槽中で5分間静置
した後に、常温で静置して冷却し、膜厚約40μmの含
フッ素樹脂層被覆アルミ箔を得た。この冷却を以下、徐
冷という。アルミ箔を塩酸で溶かし、得られた含フッ素
樹脂層をASTM5号ダンベル形状に打ち抜き、引っ張
り試験機(商品名:テンシロン、オリエンテック社製)
を用いて、JIS K 6251(1993年)に準拠
して200℃において、引張速度500mm/分にて引
張試験を行った。
【0075】比較例1 アルミ箔上に調製例1で得た含フッ素樹脂塗料組成物を
スプレー塗装し、80〜100℃で15分間乾燥した後
に焼成炉に入れ340℃で30分間焼成した。そして、
直ちに焼成炉から取り出し常温で風乾し、膜厚約40μ
mの含フッ素材料被覆アルミ箔を得た。この冷却を以
下、急冷という。得られたアルミ箔を実施例1と同様の
方法で処理し、引張試験を行った。
【0076】比較例2 含フッ素樹脂塗料組成物に代えて調製例2で得た比較用
塗料組成物を用いた以外は、実施例1の手順を繰り返し
た。
【0077】比較例3 含フッ素樹脂塗料組成物に代えて調製例2で得た比較用
塗料組成物を用いた以外は、比較例1の手順を繰り返し
た。
【0078】実施例2 アルミニウム板上に、製造例1で得た官能基含有含フッ
素エチレン性重合体粒子の分散組成物をスプレー塗装
し、80〜100℃で15分間乾燥した。得られたプラ
イマー層上に調製例1で得た含フッ素樹脂塗料組成物を
スプレー塗装し、80〜100℃で15分間乾燥した後
に焼成炉に入れ340℃で30分間焼成した。そして、
100℃の恒温槽中で5分間静置した後に、常温で静置
して冷却し、約40μmの膜厚を有する含フッ素樹脂層
被覆アルミニウム板(以下、単に「被覆板」という。)
を得た。この冷却を以下、徐冷という。
【0079】被覆板の摩耗性をテーバー摩耗試験機(商
品名:No.101特型テーバー式アブレーションテス
ター、安田精機製作所社製)を用いて以下のように評価
した。初めに、200℃に加熱した被覆板表面を、荷重
1kg、回転速度60rpmにおいてテーバー摩耗輪C
S−17で1000回転摩耗させることにより被覆板表
面を平滑化し、この時の被覆板の重量を測定した。その
後、同様にして1000回転摩耗させるごとに被覆板の
重量を測定し、摩耗による重量減少を評価した。この操
作を10回繰り返しその平均値を求め、平均摩耗量とし
た。なお、含フッ素樹脂層の引張強度及び引張伸びは、
含フッ素樹脂層の形成条件が実施例1と同じであること
から、実施例1と同じ値を示すものと考えられる。
【0080】比較例4 アルミニウム板上に、官能基含有含フッ素エチレン性重
合体粒子の分散組成物をスプレー塗装し、80〜100
℃で15分間乾燥した。得られたプライマー層上に調製
例1で含フッ素樹脂塗料組成物をスプレー塗装し、80
〜100℃で15分間乾燥した後に焼成炉に入れ340
℃で30分間焼成した。そして、直ちに焼成炉から取り
出し常温で風乾し、約40μmの膜厚を有する比較用被
覆アルミニウム板を得た。この冷却を以下、急冷とい
う。得られた比較用被覆アルミニウム板の摩耗性を、実
施例2と同様にして評価した。なお、引張強度及び引張
伸びは、比較用塗料組成物からなる層の形成条件が比較
例1と同じであることから、比較例1と同じ値を示すも
のと考えられる。
【0081】比較例5 含フッ素樹脂塗料組成物に代えて調製例2で得た比較用
塗料組成物を用いた以外は、実施例2の手順を繰り返し
た。なお、引張強度及び引張伸びは、比較用塗料組成物
からなる層の形成条件が比較例2と同じであることか
ら、比較例2と同じ値を示すものと考えられる。
【0082】比較例6 含フッ素樹脂塗料組成物に代えて調製例2で得た比較用
塗料組成物を用いた以外は、比較例4の手順を繰り返し
た。なお、引張強度及び引張伸びは、比較用塗料組成物
からなる層の形成条件が比較例3と同じであることか
ら、比較例3と同じ値を示すものと考えられる。結果を
表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】表1から、含フッ素樹脂のMFRが14.
4g/10分であり、徐冷を行った実施例1及び実施例
2は、急冷を行った比較例1、比較例3、比較例4及び
比較例6よりも、これらの比較例のMFRが14.4g
/10分、4.3g/10分の何れであっても、引張り
強度及び引張伸びが高く、平均摩耗量が少ないことがわ
かった。また、何れも徐冷を行ったものである実施例
1、実施例2、比較例2及び比較例5から、MFRが1
4.4g/10分であると、MFRが4.3g/10分
であるものに比べて平均摩耗量は若干多いものの引張り
強度と引張伸びが高いことがわかった。
【0085】含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面
の温度の測定
【0086】実施例1及び比較例1の冷却過程における
含フッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面の温度の経時
変化を測定した。結果を図2に示す。
【0087】
【発明の効果】本発明の含フッ素樹脂層形成方法は、上
述の構成を有するので、含フッ素樹脂塗料組成物から耐
摩耗性、非粘着性及び引張伸びに優れた含フッ素樹脂層
を形成することができる。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、OA機器用ロール又はOA機器用ベル
トの積層構造の模式的断面図である。
【図2】図2は、実施例1と比較例1の冷却に伴う含フ
ッ素樹脂塗料組成物からなる層の表面温度の変化を表す
グラフである。
【符号の説明】
1 基材 2 プライマー層 3 含フッ素樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻田 耕一郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4D075 BB28Z BB79Z BB92Z BB93Z CA02 CA03 CA06 CA18 DB01 DB04 DB07 DB31 DB53 DB54 DC16 EA10 EB18 EB52 EB53 EB57 4F100 AK17B AK17K AK18B AL01B AR00A AT00A BA02 CC00B EH462 EJ422 GB41 JA06B JJ03A JK02B JK08 JK09 JL13 YY00A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含フッ素樹脂からなる含フッ素樹脂塗料
    組成物を被塗装物に塗布し、次いで焼成したのち、冷却
    処理をして含フッ素樹脂層を形成することよりなる含フ
    ッ素樹脂層形成方法であって、前記含フッ素樹脂は、3
    40℃において荷重を5kgfとして測定したメルトフ
    ローレートが5〜50g/10分であるものであり、前
    記含フッ素樹脂層は、200℃における引張強度が10
    MPa以上であり、200℃における引張伸びが450
    %以上であるものであることを特徴とする含フッ素樹脂
    層形成方法。
  2. 【請求項2】 焼成は、含フッ素樹脂の融点以上、被塗
    装物の耐熱温度以下である温度で行うものである請求項
    1記載の含フッ素樹脂層形成方法。
  3. 【請求項3】 被塗装物の耐熱温度は、350℃以上で
    ある請求項2記載の含フッ素樹脂層形成方法。
  4. 【請求項4】 冷却処理は、含フッ素樹脂塗料組成物か
    らなる層の表面の温度についての降温速度が50℃/分
    以下となるように行うものである請求項1、2又は3記
    載の含フッ素樹脂層形成方法。
  5. 【請求項5】 冷却処理は、含フッ素樹脂塗料組成物か
    らなる層の表面の温度が焼成の温度から100℃に降温
    するまで5分以上かかるように行うものである請求項
    1、2、3又は4記載の含フッ素樹脂層形成方法。
  6. 【請求項6】 含フッ素樹脂は、パーフルオロ樹脂であ
    る請求項1、2、3、4又は5記載の含フッ素樹脂層形
    成方法。
  7. 【請求項7】 パーフルオロ樹脂は、テトラフルオロエ
    チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
    である請求項6記載の含フッ素樹脂層形成方法。
  8. 【請求項8】 含フッ素樹脂層は、厚みが1〜50μm
    である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の含フ
    ッ素樹脂層形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の含フッ素樹脂層形成方法により形成されたもの
    であることを特徴とする含フッ素樹脂層。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の含フッ素樹脂層を有す
    ることを特徴とする物品。
  11. 【請求項11】 オフィスオートメーション機器用ベル
    ト、オフィスオートメーション機器用フィルム又はオフ
    ィスオートメーション機器用ロールである請求項10記
    載の物品。
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