JP2001010048A - インクジェットヘッド、その製造方法及び記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、その製造方法及び記録装置

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JP2001010048A JP11188078A JP18807899A JP2001010048A JP 2001010048 A JP2001010048 A JP 2001010048A JP 11188078 A JP11188078 A JP 11188078A JP 18807899 A JP18807899 A JP 18807899A JP 2001010048 A JP2001010048 A JP 2001010048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、インク漏れを防止しつつ高品位画
像を形成することが可能なインクジェットヘッド、その
製造方法及び記録装置を提供することを例示的目的とす
る。 【解決手段】 インクジェットへッドの圧力室板の接着
剤との接合面に切り込みを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、記録装置
に係わり、特に、インクジェットプリンタに使用される
印字ヘッド(インクジェットヘッド)に関する。インク
ジェットプリンタとは、一般に、インクジェットヘッド
のノズルからインク滴を印刷用紙に吹き付けることによ
り印字するノンインパクトプリンタ(インクリボンを使
用しないプリンタ)をいう。本発明は、ピエゾ型やバブ
ル型のインクジェットヘッドに好適であり、単体のプリ
ンタの他、印刷機能を有する複写機やファクシミリ、コ
ンピュータシステムあるいはワードプロセッサ若しくは
これらの複合機などに広く適用することができる。ここ
で、ピエゾ型のインクジェットヘッドは圧電素子を使用
してインクを押し出す仕組みになっており、バブル型の
インクジェットヘッドは熱を加えてインクを押し出す仕
組みになっている。
【0002】
【従来の技術】近年、高品位画像を高速で形成し、ま
た、カラー印刷にも対応可能な記録装置の需要がますま
す高まっていることから、インクジェットプリンタはま
すます注目されるようになってきている。インクジェッ
トヘッドの中で、例えば、圧電素子を使用するピエゾ型
インクジェットヘッドはエネルギー効率が優れているな
どの理由から近年ますます注目されてきている。この種
のインクジェットヘッドは典型的に、圧力室板、薄膜、
圧電素子をこの順番に接着剤で接合した三層体に、ノズ
ル孔を有するノズル板を接合することによって構成され
る。圧力室板には、ガラス等の剛性部材などに溝を設け
ることによって、複数の圧力室と、これに対応するイン
ク供給路と、共通インク室が形成されている。ノズル板
は、そのノズル孔はそれぞれ対応する圧力室の開口部の
ほぼ中央に整列するように配置されるように三層体に接
合される。
【0003】圧電素子は内部電極と外部電極を有し、外
部電極から内部電極に電圧が印加されると、すなわち、
圧電素子が通電されると、薄膜を介して圧力室を加圧す
るように変形し、電圧が除去されれば、すなわち放電に
より、元の状態に復帰する。薄膜は圧電素子の変形を圧
力室に伝達する。従って、外部電極から内部電極へ電圧
が印加されると圧電素子は変形して薄膜を介して圧力室
を加圧し、これにより圧力室からインクがノズル孔より
吐出されることになる。本出願人も、ノズル孔の隣接ピ
ッチを狭めて高解像度画像を形成するために、積層構造
を有し、かつ、溝により複数の部分に分割された圧電素
子を採用するインクジェットヘッドを既に幾つか提案し
ている。
【0004】このように積層構造を有するインクジェッ
トヘッドは、通常、薄膜には比較的厚い熱硬化型接着層
が形成される。かかる接着層と圧力室板とを加圧及び加
熱して接着剤を硬化させることによって薄膜は圧力室板
と接合される。このように比較的厚い接着層は、薄膜と
圧力室板とを単に強固に接着するのみならず、圧力室、
インク供給路、及び共通インク室からインクが漏れ出る
ことを防止し、また、ヘッドの汚れや漏れ出たインクが
圧電素子に侵入してこれを短絡させることを防止してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような接
着方法は、接着層の厚みが厚いために薄膜と圧力室板を
接着する際に圧力室やインク供給路などに接着剤が流れ
込むという問題を有している。接着剤は圧力室及びイン
ク供給路の体積を減少させ、場合によっては、インク供
給路を塞いで圧力室へインクを供給を妨げることにな
る。また、複数の圧力室やインク供給路に流れ込んだ接
着剤はそれぞれが不均一に盛りあがり、接着層の厚さに
むらが生じることになる。このため、圧力室板が傾斜
し、ノズル孔がそれぞれ対応する圧力室の開口部のほぼ
中央に整列することが困難になる。この結果、圧力室内
のインク量や内部圧力値が変化してインクの飛翔特性
(液滴の量や速度など)がノズル間でばらつき、高品位
画像が得られないという問題があった。
【0006】この一方、薄膜と圧力室板との接着層の厚
さを薄くすることも考えられるが圧力室などからのイン
ク漏れを十分に防止できなくなるため、接着剤の量を著
しく減少させる方法は好ましくない。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、この
ような従来の課題を解決する新規かつ有用なインクジェ
ットヘッド、その製造方法及び記録装置を提供すること
を例示的な概括的目的とする。
【0008】より特定的には、インク漏れを防止しつつ
高品位画像を形成することが可能なインクジェットヘッ
ド、その製造方法及び記録装置を提供することを本発明
の例示的目的とする。
【0009】上記目的を達成するために、本発明の例示
的一態様としてのインクジェットヘッドは、インクを収
納する圧力室を有する圧力室板と、当該圧力室板に接続
される弾性部材と、前記圧力室板の前記圧力室を前記弾
性部材を介して加圧することができる圧電素子と、前記
弾性部材と前記圧力室板とを接着する接着剤とを有し、
前記圧力室板は前記接着剤の退避用切り込みを有する。
かかるインクジェットヘッドによれば、接着剤は弾性部
材を圧力室板に接着する際に圧力室板に設けられた切り
込みに退避することができる。
【0010】また、本発明の別の例示的一態様としての
インクジェットヘッドは、インクを収納する圧力室を形
成する圧力室板と、前記圧力室板に接続される補助部材
と、前記圧力室を加圧して当該圧力室内の前記インクを
噴射することができる圧力印加部材と、前記補助部材と
前記圧力室板とを接着する接着剤とを有し、前記圧力室
板は前記接着剤の退避用切り込みを有する。かかるイン
クジェットヘッドも、接着剤は弾性部材を圧力室板に接
着する際に圧力室板に設けられた切り込みに退避するこ
とができる。本インクジェットヘッドは、ピエゾ型とバ
ブル型を問わず広くインクジェットヘッドに適用するこ
とができる。
【0011】本発明の例示的一態様としての記録装置
は、インクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッ
ドを駆動する駆動装置を有し、前記インクジェットヘッ
ドは、インクを収納する圧力室を形成する圧力室板と、
前記圧力室板に接続される補助部材と、前記圧力室を加
圧して当該圧力室内の前記インクを噴射することができ
る圧力印加部材と、前記補助部材と前記圧力室板とを接
着する接着剤とを有し、前記圧力室板は前記接着剤の退
避用切り込みを有する。かかるインクジェット記録装置
も上述したインクジェットヘッドの作用を有する。
【0012】本発明の例示的一態様としてのインクジェ
ットヘッドの製造方法は、インクを収納する圧力室を有
する圧力室板に切り込みを形成する工程と、前記切り込
みに接着剤が流れ込むことを許容しながら前記圧力室板
に前記接着剤を介して弾性部材を接続する工程と、前記
圧力室板の前記圧力室を前記弾性部材を介して加圧する
ことができる圧電素子を前記弾性部材に接続する工程と
を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の例示的一態様としてのインクジェットヘッド100
とその製造方法を説明する。なお、各図において同一の
参照番号は同一の部材を表し、重複説明は省略する。ま
た、同一の参照番号にアルファベットの大文字を付した
ものは対応する部材の変形例を表し、特に断らない限
り、アルファベットのない参照番号は全ての変形例を総
括するものとする。
【0014】まず、図1を参照するに、インクジェット
ヘッド100は、圧力室板10と、圧電素子20と、ノ
ズル板30と、樹脂フィルム40と、保護層50とを有
している。ここで、図1はインクジェットヘッド100
の分解斜視図である。圧力室板10と樹脂フィルム40
と保護層50は、ノズル板30の面30aが接合される
面であるノズル接合面60において整列している。
【0015】圧力室板10は、略直方体の形状を有し
て、所望の数(図1では便宜上4つ)の圧力室12とイ
ンク供給路14、並びに、共通インク室16を有する。
圧力室板10は、プラスチック、感光性ガラス、金属材
料によって構成することができる。また、後述されるよ
うに、圧力室板10の底面10cには切り込み18が形
成されている。圧力室板10はその底面10cにおいて
樹脂フィルム40(に形成された接着層70)に接合さ
れる。
【0016】圧力室12は、インクを供給されてこれを
収納すると共に内部圧力が高まるとインクを開口12a
に連通されたノズル孔32から噴射する。内部圧力は、
後述するように、直下の圧電体ブロック21が変形に伴
って変化する。圧力室12は、圧力室板10上に形成さ
れた凹状の溝と弾性変形可能な樹脂フィルム40により
略直方体の空間として形成されている。
【0017】共通インク室16は、各圧力室12にイン
ク供給路14を介してインクを供給する。共通インク室
16は、圧力室12の急激な内部圧力変動を吸収するよ
うに底面は樹脂フィルム40で画定されており、圧力室
板10の側面10bにおいて図示しないインク供給装置
に接続されている。共通インク室16は、圧力室12が
収縮加圧されてインクを吐出した後、復帰する際に、イ
ンク供給路14を介して、圧力室12に必要量のインク
を供給する。図1に示すようにインク供給路14は圧力
室12及び共通インク室16よりも寸法が小さいため
に、安定したインク供給のためにはその断面積を維持す
ることが重要となることが理解されるであろう。
【0018】樹脂フィルム又は振動板40は、圧力室1
2、共通インク室16、インク供給路14の一面を構成
し、後述の圧電体ブロック21の変形を圧力室12に伝
達すると共に圧力室12内のインクが圧電素子20の溝
23に侵入するのを防止する機能を果たす。樹脂フィル
ム40の厚さは例えば16ミクロン程度であり、単層か
ら構成されてもよいし複数の層から構成されてもよい。
樹脂フィルム40は圧力室12の一面を形成する部材で
あるが、弾性変形の可能な金属薄膜により構成されても
よい。樹脂フィルム40には後述するように接着層70
及び72が形成されている。
【0019】圧電素子20は、積層構造を有して、前面
20aから後面20bに延びる平行な溝23によって分
割された複数(図1では便宜上4つ)の圧電体ブロック
21を有する。各圧電体ブロック21の積層内には内部
電極22、24が設けられ、内部電極22は外部電極2
6と、内部電極24は外部電極28と接続されている。
なお、図1は、作図の便宜上、一の外部電極28のみを
示す。内部電極22と24とがA方向に重なっている部
分が活性部25であり、この活性部25において、各圧
電体ブロック21は変形する。活性部25の長さは圧力
室12に加えられるべき圧力に応じて調節される。
【0020】外部電極26は、圧電素子20の前面20
aの全面に蒸着された電極層であり、全ての圧電体ブロ
ック21に共通する外部電極である。外部電極26はア
ースされている。これに対して、外部電極28は、圧電
素子20の後面20bの上にあるが、後面20bの全面
に蒸着されてはおらず、各圧電体ブロック21に対応し
た位置にのみ個別的に設けられた電極層である。外部電
極28は、通電されなければ電位はゼロであるが、通電
されれば正の電圧を内部電極24に印可することができ
る。
【0021】かかる構造より、圧電素子20の各圧電体
ブロック21は、外部電極28に電圧が印可されないと
内部電極22、24の電位が共にゼロのため変形しな
い。しかし、外部電極28から電圧が印可されると、各
圧電体ブロック21は他の圧電体ブロック21とは独立
して、図1のA方向(縦方向)に変形可能ある。換言す
れば、A方向が圧電体ブロック21の分極方向になる。
外部電極28からの通電が停止すると、すなわち、圧電
素子20に充電された電荷が放電されることにより、対
応する圧電体ブロック21は元の状態に復帰する。
【0022】次に、図2乃至図5を参照して、本発明の
インクジェットヘッド100の圧力室板10と樹脂フィ
ルム40の接着について説明する。ここで、図2は圧力
室板10と樹脂フィルム40とが接着される前の両者の
一部拡大断面図であり、図3は両者が接着された後の両
者の一部拡大断面図である。また、図4は図2に示す圧
力室板と樹脂フィルムの一部拡大断面図であり、図5は
図3に示す圧力室板と樹脂フィルムの一部拡大断面図で
ある。
【0023】図2及び図3に拡大して示されているよう
に、樹脂フィルム40と圧電素子20は接着層72によ
り接着されており、圧力室板10と樹脂フィルム40は
接着層70により接着されている。接着層(接着剤)7
0及び72は、例えば、パナック社製ウレタン系熱硬化
型接着剤(フィルム状)を使用することができる。以
下、接着層70に注目すると、接着層70は圧力室板1
0と樹脂フィルム40とが接着される前は(即ち、図2
及び図4に示す状態においては)、接着層70は約3μ
mの厚さを有している。
【0024】図2乃至図5に示されているように、圧力
室板10は底面10cに複数の凹状の切り込み又は溝1
8を有している。但し、切り込み18の形状は凹形に限
定されるものではなく、複数の切り込み18は異なる大
きさ、形状、隣接間隔などを有していてもよい。図2及
び図4に示すように、圧力室板10と樹脂フィルム40
を配置した後に、図3及び図5に示されるように、両者
を加圧すると、切り込み18に接着剤70が流れ込み、
はみ出し70aが開口12aを塞ぐ割合が切り込み18
を有しないインクジェットヘッドよりも少なくなること
が理解されるであろう。また、図3及び図5に示すよう
に、接着後は例えば接着層70は約1乃至2μmの厚さ
を有している。かかる厚さの接着層70は圧力室12、
インク供給路14及び共通インク室16からインクが漏
れることを効果的に防止することができると共に各構成
要素を強固に接合しているのでインクジェットヘッド1
00の安定した構造を達成している。
【0025】次に、図6乃至図8を参照して、図1に示
すインクジェットヘッド100の圧力室板10の例示的
一態様としての製造方法を説明する。ここで、図6は、
切り込み18を有する圧力室板10の底面10cから見
た平面図である。図7は、図6に示す圧力室板10の底
面10cを上にした部分拡大斜視図である。図8は、図
6及び図7に示す圧力室板10の例示的な製造方法のフ
ローチャートである。
【0026】本実施例では、圧力室板10は、例えば感
光性ガラスから構成され、周知のリソグラフィ技術を利
用して圧力室12、インク供給路14、共通インク室1
6及び切り込み18のマスクパターンを形成する(ステ
ップ201)。本実施例では、複数の切り込み18を幅
5μm、深さ5μ、ピッチl0μmのストライプ状に、
圧力室12の長手方向に平行になるように配置した。切
り込み18は、隣接する圧力室12及びインク供給路1
4の少なくとも一方から離間されるように形成されてい
る。切り込み18には常に接着剤70が充満されるわけ
ではないので隣接する圧力室12を切り込み18によっ
て接続すれば、一方の圧力室12の内部圧力が隣の圧力
室12に伝搬して隣の圧力室12から意図せずにインク
が噴出したり、加圧されるべき圧力室12の内部圧力が
下がり、噴射されるインク滴の量や速度が変化したりす
るからである。
【0027】次に、かかるマスクを利用して圧力室板1
0の底面10aを露光する(ステップ203)。次に、
圧力室板10をエッチングして(ステップ205)、図
6に示す圧力室板10を完成させる。エッチング深さ及
び長さの制御など、エッチングに必要な装置及び方法は
当業者には周知のいかなるものをも使用することができ
るので、ここでは詳しい説明は省略する。本実施例の切
り込み18は、特に、圧力室12よりも小さいインク供
給路14の断面積を確保しており、これによって、安定
した圧力室12へのインク供給を達成している。もちろ
ん、切り込み18は圧力室12の断面積を維持すること
を確保しているので、圧力室12のインク量が著しく減
少することはない。また、切り込み18は圧力室板10
の設置平面度を維持して圧力室12の開口12aのほぼ
中央に対応するノズル孔32が配置されることを可能に
し、ノズル孔32からインク滴が安定して発射されるこ
とを可能にしている。特に、隣接ノズル間隔がますます
狭くなっていくことが求められるインクジェットヘッド
においては切り込み18は簡単かつ安価にノズル間のク
ロストークを防止していることが理解されるであろう。
【0028】切り込み18を形成する方法としては上述
したエッチングに限定されないことはいうまでもない。
例えば、切り込み18は、底面10cを化学溶液に浸漬
して形成したり、電鋳、精密機械加工により形成した
り、予め圧力室12、インク供給路14、共通インク室
16及び切り込み18が形成された型に圧力室板10の
材料を流し込んで成形することができる。以下、図9乃
至図14を参照して、圧力室板10の底面10cを研磨
によって切り込み18Aを形成する方法について説明す
る。
【0029】図9乃至図10は、研磨した底面10cを
有する圧力室板10と樹脂フィルム40の接着部分の一
部拡大断面図であり、図9は接着前の状態であり、図1
0は接着後の状態である。図9に示されるように、圧力
室板10の底面10cには研磨によって切り込み18A
が形成されている。図10に示されるように、圧力室板
10と樹脂フィルム40を接合すると、切り込み18A
に接着剤70が流れ込み、はみ出し70aが開口12a
を塞ぐ割合が切り込み18Aを有しないインクジェット
ヘッドよりも少なくなることが理解されるであろう。
【0030】次に、図11乃至図14を参照して、切り
込み18Aを形成する例示的な研磨方法について説明す
る。ここで、図11は圧力室板10の成形を説明するた
めの概略断面図である。図12は図11に示す圧力室板
10の研磨方法について説明するための概略断面図であ
る。図13は完成した圧力室板10の概略断面図であ
る。図14は切り込み18Aを形成する例示的な研磨方
法のフローチャートである。
【0031】図11のように圧力室12、インク供給路
14及び共通インク室16のパターンが予め形成されて
いる型80に圧力室板10のガラス材料を流し込んで切
り込み18Aが形成される前の圧力室板10形成する
(ステップ251)。次に、この圧力室板10を、図1
2に示すように、その底面10cを介して定盤82の回
転テーブル83に載置する(ステップ253)。定盤8
2は、例えば、日本エンギス(株)社製自動精密鏡面ラ
ッピングマシーン「ハイプレス」を使用することができ
るが、これに限定されるものではない。回転テーブル8
3にはスラリー噴射器86によりスラリー、例えば、ダ
イヤモンドスラリーを噴き付けられている。圧力室板1
0は重り84によって定盤82に抗して所定の圧力が印
加されるが、回転テーブル83とは相対的に固定されて
いるか、相対的に運動することが可能である。なお、圧
力室板10から定盤82に所定の圧力が印加される限
り、重り84は必ずしも必要ではないことはいうまでも
ない。これにより、圧力室板10の底面10cは研磨さ
れることになる。図13に示すように圧力室板10は完
成する(ステップ255)。
【0032】本実施例では、圧力室板10は回転テーブ
ル83の径方向に圧力室12の長手方向が整列されて回
転テーブル83に載置される。これにより、圧力室12
及びインク供給路14のそれぞれの長手方向に沿って切
り込み18Aが形成されることが理解されるであろう。
もっとも切り込み18Aの断面形状は、図9及び図10
に示すように、完全な二等辺三角形の整列にはならない
ことに留意しなければならない。即ち、図9及び図10
に示す切り込み18Aの形状は単なる例示である。切り
込み18Aの深さ、粗さ、形状などは、スラリーの材質
や粒径、重り83の重さ、研磨時間によって制御するこ
とができる。本実施例では、平均粗さRaが±3μmに
なるように処理を施した。
【0033】なお、上述した研磨方法に代替的に、圧力
室板10の底面10cをサンドブラスト等を利用して研
磨してもよいことは理解されるであろう。もっとも、上
述したように、隣接する圧力室12やインク供給路14
が切り込み18によって接続されないことが好ましいの
で、サンドブラストは圧力室12の長手方向に沿って行
われることが好ましい。
【0034】次に、図1、図15乃至図18を参照し
て、本発明のインクジェットヘッド100の製造方法に
ついて説明する。ここで、図15は、本発明のインクジ
ェットヘッド100の例示的な製造方法のフローチャー
トである。図16は、図15に示す製造方法の一工程を
説明するための概略断面図である。図17は、図15に
示す製造方法の別の一工程を説明するための概略断面図
である。まず、上記のいずれかの方法又は更に代替的な
方法に基づいて、切り込み18、圧力室12、インク供
給路14及び共通インク室16を有する圧力室板10を
形成する(ステップ301)。
【0035】次に、圧電素子20を形成する(ステップ
302)。このステップ302はステップ301に先立
って行われてもよいし、平行して行われてもよい。ステ
ップ302においては、まず、複数枚のグリーンシート
が用意される。各グリーンシートはセラミックの粉末な
どの溶剤にまぜて混練してペースト状にし、ドクターブ
レードにより50ミクロン程度に薄膜形成する。グリー
ンシートのうち、3枚のグリーンシートの片方の表面に
は、それぞれ内部電極22のパターンが印刷・形成さ
れ、3枚のグリーンシートの片方の表面には、それぞれ
内部電極24が印刷・形成され、残りには何も内部電極
は形成されない。内部電極22と24の印刷は、銀とパ
ラジウムの合金を粉状にしたものに溶剤をまぜてペース
ト状にしたものを塗布して、パターン形成することによ
りなされる。次に、内部電極22が形成された3枚と内
部電極24が形成された3枚を交互に張り合わせ、残り
の6枚もその後張り合わせる。これにより、圧電素子2
0の積層構造を形成する。圧電素子20のうち内部電極
22、24を含まない下のグリーンシートは基盤部とな
る。
【0036】さて、これらのグリーンシートを積層した
状態で焼成する。続いて、ダイヤモンドカッターによっ
て前面20aから後面20bに少なくとも最初の6枚の
グリーンシートを部分的に切断する。これによって、溝
23によって分割された複数の圧電体ブロック21を形
成する。最後に、前面20aと後面20bに外部電極2
6、28をそれぞれ蒸着により形成する。なお、焼成前
に溝23を形成しておくことも可能である。完成した圧
電素子20は、外部電極26、28に電圧を印可するこ
とによって特性検査がなされ、動作不良のものは排除さ
れる。
【0037】次に、ノズル板30をステンレスなどの金
属により形成する(ステップ303)。各ノズル孔32
は、ピンを使用したパンチなどにより、好ましくは、ノ
ズル板30の前面30bから後面30aに向かって広が
る円錐状(断面的にテーパ状)に加工する。圧力室板1
0とノズル板30を一体的に構成せずに圧力室板10に
ノズル板30を接着する理由の一つは、かかる円錐状の
ノズル孔32を得るためである。本実施例では、後面3
0aにおけるノズル孔32の大きさは80ミクロン程
度、前面30bにおけるノズル孔32の大きさは25〜
35ミクロン程度としている。なお、このステップ30
3はステップ301、ステップ302に先立って行われ
てもよいし、平行して行われてもよい。
【0038】次に、図16に示すように、動作が確認さ
れた圧電素子20から500ミクロン程度ノズル板30
に向かって突出するように樹脂フィルム40を接着する
(ステップ304)。このように配置する理由は、将
来、圧電素子20を保護するように、保護層50を塗布
するための段差29を形成するためである。
【0039】次いで、図17に示すように、圧力室板1
0を、樹脂フィルム40から300ミクロン程度ノズル
板30に向かって引っ込むように、かつ、圧電素子20
からノズル板30に向かって200ミクロン程度突出す
るように、圧電素子20に対抗する側に、配置して接着
する(ステップ305)。圧力室板10が樹脂フィルム
40に接着される前には、各圧電体ブロック21と圧力
室12が対応するように位置合わせが行われる。本実施
例では、圧電素子20と樹脂フィルム40の接着を樹脂
フィルム40と圧力室板10の接着よりも先行させてい
る。しかし、本発明が、ステップ305をステップ30
4に先行させた場合を含むことは明らかである。
【0040】ステップ305においては、上述したよう
に、切り込み18に接着剤70が流れ込むために、はみ
出し70aが圧力室12及びインク供給路14に占める
割合は切り込み18を有しない圧力室板よりも少なくな
る。その一方、接合後の接着層70は圧力室12、イン
ク供給路14及び共通インク室16からのインク漏れを
防止すると共に各構成要素を強固に接合しているのでイ
ンクジェットヘッド100の安定した構造を達成してい
る。
【0041】本実施例では、圧力室板10を樹脂フィル
ム40よりもノズル板30に向かって引っ込むように配
置される。これは、後述するように、この後に保護層5
0を段差29に塗布する時に、保護層50が開口12a
から圧力室12の内部に侵入して圧力室12の開口12
aを塞ぐのを極力防ぐためである。もっとも本発明は、
保護層50を塗布する前に、樹脂フィルム40から突出
した圧力室板10(特に、樹脂フィルム40に対抗する
面)に適当なマスクを配置することによって保護層50
が圧力室12の内部に侵入することを防止できるため、
この場合には、圧力室板10が樹脂フィルム40よりも
ノズル板30に向かって突出していても問題はない。ま
た、圧力室板10は圧電素子20からノズル板30に向
かって突出するように配置される。これは、後述する研
磨工程において、圧電素子20が研磨されることを防止
するためである。
【0042】図17に示す圧力室板10と樹脂フィルム
40と圧電素子20からなる三層体を作る時は、A方向
を重力の方向に向けることによって、その作成が容易と
なる。図4では、樹脂フィルム40は、三層体中で突出
した状態になっているために、圧力室板10に向かって
重力の作用で曲がることが予想されるが、圧力室板10
樹脂フィルム40の表面張力を利用することにより図1
7に示す三層構造を保つことができる。なお、重力の方
向は必ずしもA方向に一致する必要はないことはいうま
でもない。
【0043】その後、保護層50を樹脂フィルム40と
圧電素子20との段差29に形成する(ステップ30
6)。本実施例では、保護層50に熱硬化型エポキシ系
接着剤を使用しているため、保護層50は塗布された後
に熱硬化される。保護層50は粘性が比較的低いので段
差29に塗布される際に、圧電素子20の溝23からそ
の内部に一部侵入する。そして、熱硬化されると、保護
層50は、溝23を一部封止した状態で硬化する。な
お、ステップ306とステップ305を交換して、先に
保護層50を塗布した後に、圧力室板10を接着するこ
とも可能である。
【0044】次いで、圧力室板10と樹脂フィルム40
と保護層50の端部が研磨されて平滑なノズル接合面6
0を形成する(ステップ307)。この研磨工程は、ノ
ズル板30のノズル32を精度良く圧力室12に連通す
るように、かつ、ノズル板30をしっかりと圧力室板1
0などに固定するために必要な工程である。研磨が終了
すると、保護層が20乃至50μm程度ノズル接合面6
0に塗布され(ステップ308)、ノズル板30が、ノ
ズル孔32が圧力室12に対応するように、ノズル接合
面60に接着される(ステップ309)。切り込み18
が圧力室板10の平面度を維持しているのでノズル孔3
2は圧力室12の開口12aのほぼ中央に整列されるこ
とが可能になる。
【0045】次に、図18を参照して、図1に示すイン
クジェットヘッド100を適用可能なカラーインクジェ
ットプリンタ(記録装置)1について説明する。ここ
で、図18は、記録装置1の概略全体斜視図である。
【0046】記録装置1のハウジング110内にはプラ
テン112が回転自在に設けられている。記録動作中、
プラテン112は駆動モータ114によって間欠的に回
転駆動させられ、これにより記録紙Pが所定の送りピッ
チで矢印W方向に間欠的に送られる。また、記録装置1
のハウジング110内にはプラテン112に対して平行
にその上方側に案内ロッド16が設けられており、この
案内ロッド116上にはキャリッジ118が摺動自在に
取り付けられている。
【0047】キャリッジ118は無端駆動ベルト120
に取り付けられており、無端駆動ベルト120は駆動モ
ータ122によって駆動され、これによりキャリッジ1
18はプラテン112に沿って往復運動(走査)させら
れる。キャリッジ118には黒色用の記録ヘッド124
及びカラー用の記録ヘッド126が搭載されている。カ
ラー用の記録ヘッド126は3つの部分から構成され得
る。黒色用の記録ヘッド124には黒色インクカートリ
ッジ128が着脱自在に装着され、カラー用の記録ヘッ
ド126にはカラーインクカートリッジ130、132
及び134が着脱自在に装着される。
【0048】黒色インクカートリッジ128には本発明
のインクのうち黒色インクが収容され、カラーインクカ
ートリッジ130、132及び134にはそれぞれ本発
明のインクのうちイエローインク、シアンインク及びマ
ゼンタインクが収容される。カートリッジは対応するヘ
ッドに接続された図示しない孔(インク供給部)を底面
に有し、カートリッジ内にはインクが染み込んだスポン
ジやインクを入れたアルミパックが入っている。キャリ
ッジ118がプラテン112に沿って往復運動される
間、黒色用の記録ヘッド124及びカラー用の記録ヘッ
ド126がワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ
等から得られる画像データに基づいて駆動され、これに
より記録紙P上に所定の文字、画像などが記録される。
記録動作停止時には、キャリッジ118はホームポジシ
ョンに戻され、このホームポジションにはノズル保守機
構(バックアップユニット)136が設けられている。
【0049】ノズル保守機構136には可動吸引キャッ
プ(図示せず)と、この可動吸引キャップに接続された
吸引ポンプ(図示せず)が設けられている。記録ヘッド
124及び126がホームポジションに位置付けされる
と、各記録ヘッドのノズル板に吸引キャップが吸着さ
れ、吸引ポンプを駆動することにより、ノズル板のノズ
ルが吸引される。このようにして、ノズルの目詰まりが
未然に防止される。
【0050】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。本発明の例示的一態様としてのインクジェットヘッ
ドはインクを収納する圧力室を有する圧力室板と、当該
圧力室板に接続される弾性部材と、前記圧力室板の前記
圧力室を前記弾性部材を介して加圧することができる圧
電素子と、前記弾性部材と前記圧力室板とを接着する接
着剤とを有し、前記圧力室板は前記接着剤の退避用切り
込みを有する。
【0051】前記圧力室板は前記圧力室を複数有し、前
記切り込みを隣接する前記圧力室の間に有してもよい。
前記切り込みは前記隣接する前記圧力室の少なくともい
ずれか一方から離間して形成されてもよい。前記圧力室
板は、前記圧力室を複数有すると共に当該圧力室に前記
インクを供給する複数のインク供給路を更に有し、前記
切り込みを隣接する前記インク供給路の間に有すること
ができる。前記切り込みは前記隣接する前記インク供給
路の少なくともいずれか一方から離間して形成されてい
るものとする。前記圧力室板は前記切り込みを前記弾性
部材と接続する接続面において平均粗さが±2μm以上
として有することができる。
【0052】本発明の別の例示的一態様としてのインク
ジェットヘッド、はインクを収納する圧力室を形成する
圧力室板と、前記圧力室板に接続される補助部材と、前
記圧力室を加圧して当該圧力室内の前記インクを噴射す
ることができる圧力印加部材と、前記補助部材と前記圧
力室板とを接着する接着剤とを有し、前記圧力室板は前
記接着剤の退避用切り込みを有する。
【0053】本発明の例示的一態様としての記録装置
は、インクジェットヘッドと、当該インクジェットヘッ
ドを駆動する駆動装置を有し、前記インクジェットヘッ
ドは、インクを収納する圧力室を形成する圧力室板と、
前記圧力室板に接続される補助部材と、前記圧力室を加
圧して当該圧力室内の前記インクを噴射することができ
る圧力印加部材と、前記補助部材と前記圧力室板とを接
着する接着剤とを有し、前記圧力室板は前記接着剤の退
避用切り込みを有する。
【0054】本発明の例示的一態様としてのインクジェ
ットヘッドの製造方法は、インクを収納する圧力室を有
する圧力室板に切り込みを形成する工程と、前記切り込
みに接着剤が流れ込むことを許容しながら前記圧力室板
に前記接着剤を介して弾性部材を接続する工程と、前記
圧力室板の前記圧力室を前記弾性部材を介して加圧する
ことができる圧電素子を前記弾性部材に接続する工程と
を有する。
【0055】前記切り込み形成工程は、前記切り込みの
パターンを有する金型を利用した成形によって前記切り
込みを形成することができる。代替的に、前記切り込み
形成工程は、前記圧力室板を研磨して前記切り込みとを
形成することができる。更に代替的に、前記切り込み形
成工程は、前記圧力室板にリソグラフィにより前記切り
込みに対応するパターンを形成する工程と、前記パター
ンをエッチングする工程とを有することができる。
【0056】
【発明の効果】圧力室板と、圧電素子板とを、フィルム
材を挟んで貼り合わせる際に、圧力室板の切り込みに接
着剤が流れ込み、接着剤はみ出しが本発明を適用してい
ないインクジェットヘッドよりも少なくなった。よって
圧力室及びインク供給路の体積が減少したり、インク供
給口である圧力室の開口やインク供給路が塞がることが
なくなった。また、接着剤層の厚さにむらが生じること
もなくなった。
【0057】さらに、インク供給口寸法及び圧力室寸法
がほぼ設計値通りに得られ、インク飛翔特性及びノズル
間バラツキが改善された。また、接着面表面積が増えた
こととアンカー効果により接合強度が向上した。
【0058】これらのことにより、簡単な構造で安価に
高品質な印字をすることができ、さらに故障の少ないイ
ンクジェットヘッドを実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的一態様としてのインクジェ
ットヘッドの概略分解斜視図である。
【図2】 図1に示すインクジェットヘッドの圧力室板
と樹脂フィルムが接続される前の両者の例示的な一部拡
大断面図である。
【図3】 図2に示す圧力室板と樹脂フィルム接合され
た後の両者の一部拡大断面図である。
【図4】 図2に示す圧力室板と樹脂フィルムの一部拡
大断面図である。
【図5】 図3に示す圧力室板と樹脂フィルムの一部拡
大断面図である。
【図6】 切り込みを有する圧力室板の底面の例示的な
平面図である。
【図7】 図6に示す圧力室板の底面を上にした部分拡
大斜視図である。
【図8】 図6及び図7に示す圧力室板の例示的な製造
方法のフローチャートである。
【図9】 図1に示すインクジェットヘッドの圧力室板
と樹脂フィルムが接続される前の両者の別の例示的な一
部拡大断面図である。
【図10】 図9に示す圧力室板と樹脂フィルム接合さ
れた後の両者の一部拡大断面図である。
【図11】 図9及び図10に示す圧力室板の例示的な
製造方法の一工程を説明するための断面図である。
【図12】 図9及び図10に示す圧力室板の例示的な
製造方法の別の一工程を説明するための断面図である。
【図13】 図9及び図10に示す圧力室板の例示的な
製造方法の更に別の一工程を説明するための断面図であ
る。
【図14】 図9及び図10に示す圧力室板の例示的な
製造方法のフローチャートである。
【図15】 図1に示すインクジェットヘッドの例示的
な製造方法のフローチャートである。
【図16】 図15に示す製造方法の一工程を説明する
ための概略断面図である。
【図17】 図15に示す製造方法の別の一工程を説明
するための概略断面図である。
【図18】 図1に示すインクジェットヘッドを適用可
能なインクジェットプリンタの概略全体斜視図である。
【符号の説明】
1 記録装置 10 圧力室板 10c 底面 12 圧力室 12a 圧力室開口 14 インク供給路 16 共通インク室 18 切り込み 18A 切り込み 20 圧電素子 21 圧電体ブロック 22 内部電極 24 内部電極 26 外部電極 30 ノズル板 32 ノズル孔 40 樹脂フィルム 50 保護層 70 接着層(接着剤) 70a はみ出し 72 接着層(接着剤) 82 定盤 83 回転テーブル 84 重り 86 スラリー 100 インクジェットヘッド
フロントページの続き (72)発明者 三瓶 浩一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 渡辺 睦郎 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AF69 AF93 AG12 AG92 AG93 AP02 AP25 BA03 BA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
    る。インクを収納する圧力室を有する圧力室板と、 当該圧力室板に接続される弾性部材と、 前記圧力室板の前記圧力室を前記弾性部材を介して加圧
    することができる圧電素子と、 前記弾性部材と前記圧力室板とを接着する接着剤とを有
    するインクジェットヘッドであって、前記圧力室板は前
    記接着剤の退避用切り込みを有するインクジェットヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 インクを収納する圧力室を形成する圧力
    室板と、 前記圧力室板に接続される補助部材と、 前記圧力室を加圧して当該圧力室内の前記インクを噴射
    することができる圧力印加部材と、 前記補助部材と前記圧力室板とを接着する接着剤とを有
    するインクジェットヘッドであって、前記圧力室板は前
    記接着剤の退避用切り込みを有するインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 インクジェットヘッドと、 当該インクジェットヘッドを駆動する駆動装置を有する
    記録装置であって、 前記インクジェットヘッドは、 インクを収納する圧力室を形成する圧力室板と、 前記圧力室板に接続される補助部材と、 前記圧力室を加圧して当該圧力室内の前記インクを噴射
    することができる圧力印加部材と、 前記補助部材と前記圧力室板とを接着する接着剤とを有
    し、前記圧力室板は前記接着剤の退避用切り込みを有す
    る記録装置。
  4. 【請求項4】 インクを収納する圧力室を有する圧力室
    板に切り込みを形成する工程と、 前記切り込みに接着剤が流れ込むことを許容しながら前
    記圧力室板に前記接着剤を介して弾性部材を接続する工
    程と、 前記圧力室板の前記圧力室を前記弾性部材を介して加圧
    することができる圧電素子を前記弾性部材に接続する工
    程とを有するインクジェットヘッドの製造方法。
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