JP2001008899A - 眼底撮影装置 - Google Patents

眼底撮影装置

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JP2001008899A
JP2001008899A JP11188698A JP18869899A JP2001008899A JP 2001008899 A JP2001008899 A JP 2001008899A JP 11188698 A JP11188698 A JP 11188698A JP 18869899 A JP18869899 A JP 18869899A JP 2001008899 A JP2001008899 A JP 2001008899A
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light
optical system
photographing
fundus
observation
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JP11188698A
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English (en)
Inventor
Kuniomi Abe
國臣 阿部
Tatsuya Kasahara
達也 笠原
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KONAN KOMON KK
Original Assignee
KONAN KOMON KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる波長の光によって同時に眼底を撮影す
ることができ、それによって眼底の状態の時間的な変化
に影響されずに眼底の明瞭なデータを得ることが可能な
眼底撮影装置の提供。 【解決手段】 照明光学系13と撮影光学系17とを備
えており、撮影光学系17が眼底反射光を複数の異なる
波長域の光路に分離するダイクロイックミラー21a、
22aと、反射光を受光するエリアセンサ18と、上記
複数光路を互いに近接した分離状態で統合してエリアセ
ンサ18に至らせるダイクロイックミラー21b、22
bとを有しており、各光路にバンドパスフィルタ23、
24、25が配設されており、照明光学系に、可視光を
透過する窓部16を有する赤外光透過マスク8が配設さ
れており、撮影光学系にその光軸回りに回転駆動し得る
ダブプリズム29が配設されており、ダブプリズムの回
転と連動して上記マスクが窓部の中心回りに回転可能で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は眼底撮影装置に関す
る。さらに詳しくは、被検眼の眼底を異なる波長の照明
光によってそれぞれ照明、撮影しうる眼底撮影装置に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】眼底
の撮影は、眼科目的以外にも動脈硬化や高血圧症などに
関する多くの有用な内科的所見を得るために広く行われ
ている。
【0003】かかる目的に用いられる眼底撮影装置とし
て特開平8−154924号公報に開示されたものがあ
る。この眼底撮影装置は、テレビカメラによる眼底画像
から動脈の任意箇所を選択して当該位置の動脈血の酸素
含有率を測定しようというものである。
【0004】その構成は、ヘモグロビンと酸化ヘモグロ
ビンとの含有率をそれぞれ計測する目的から第一フィル
タと第二フィルタとを備えている。そして、第一フィル
タを透過した照明光による眼底像と第二フィルタを透過
した照明光による眼底像とをそれぞれフレームメモリに
記憶し、両眼底像における同一位置の画素のメモリ値を
比較演算して当該位置の酸素含有率を求めるものであ
る。
【0005】しかしながら、この眼底撮影装置では、第
一フィルタを透過した光による眼底像と第二フィルタを
透過した光による眼底像とが、僅かであるが時間差をも
って撮影されるものである。そうすれば、もともと眼底
の血管中の血液も脈流しているので、撮影時点が異なれ
ばとくに動脈血管中の血液流量が異なるため、光分析に
おいてその差異がフィルタによるものなのか血液量によ
るものなのかが不明確になるなどの不具合が生じる。
【0006】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、異なった波長の光によって同時に眼底
を撮影することができ、それによって眼底の状態の時間
的な変化に影響されずに眼底の任意箇所の酸素含有状況
を測定することが可能な眼底撮影装置を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の眼底撮影装置
は、撮影用照明光学系を有する照明光学系と、撮影用照
明光学系の照明によって眼底を撮影する撮影光学系とを
備えており、該撮影光学系が、眼底からの反射光を複数
の異なる波長域の光路に分離する光分離手段と、上記反
射光を受光する単一の受光手段と、上記複数の光路を互
いに近接した分離状態で統合して上記受光手段に至らせ
る光統合手段とを有しており、上記分離された各光路
に、特定波長域の光を透過する波長選択手段が配設され
ている。
【0008】したがって、眼底からの反射光が複数の異
なる波長域の光に分離され、それぞれが受光されて結像
する。したがって、異なった波長の光によって同時に撮
影した複数の画像から、上記波長域の光を反射または吸
収する眼底上の物質を別々に識別しやすくなり、正確且
つ詳細な診断データを得ることができる。たとえば、ヘ
モグロビンおよび酸化ヘモグロビンの含有状況が別々に
識別しやすくなる。かかるデータに対して時間的な変動
を考慮、補正する必要がない。また、波長選択手段によ
り、異なる波長域に分離された反射光それぞれからさら
に狭帯域の光が選択されるので、得るべき光情報に不必
要な光が混入することが防止される。
【0009】そして、上記撮影光学系における、光路を
二つに分離する光分離手段と、この分離された二つの光
路を近接した分離状態で統合する光統合手段とを、同一
仕様の手段から構成することにより、所望の性能を得る
ために高精度の調整を要する光分離手段および光統合手
段の種類を低減することができるので、大幅なコストダ
ウンを図ることができる。
【0010】また、上記照明光学系に観察用照明光学系
を配設し、さらに、照明光学系に、上記観察用照明光学
系からの観察用照明光を透過する観察撮影用マスクを備
え、該観察撮影用マスクの一部に観察用照明光および撮
影用照明光を透過しうる窓部を形成することにより、こ
のマスクを透過した観察用照明光の照明下で眼底を観察
することができるので、撮影すべき部位を選択し、その
部位を窓部の像の範囲内へ誘導して撮影することができ
る。
【0011】照明光学系と撮影光学系との共通の光軸上
に対物レンズが配設し、上記観察撮影用マスクを、照明
光学系の光軸から上記窓部が外れるように配設し、上記
撮影光学系の光軸が、上記窓部の中心の、上記対物レン
ズに対する共役位置にほぼ一致するように構成すること
により、対物レンズにおける照明光学系の光軸上に生じ
る輝点(いわゆるプルキンエ像)が撮影像に含まれてし
まうことが防止されるので、輝点の影響がなく、眼底に
関する明確なデータを得ることができる。
【0012】また、上記撮影光学系に、その光軸回りに
眼底反射光による像を回転するために回転駆動し得る像
回転手段を備えることにより、被検眼の血管位置などの
特性に拘わらず、被検眼の撮影部位を好適な方向および
位置に設定することができる。併せて、上記観察撮影用
マスクを、上記像回転手段の回転と連動して、その窓部
の中心を回転中心として回転駆動可能に構成することに
より、広い範囲の眼底における所望の撮影部位のみを選
定することができ、さらに、撮影範囲を規定する枠を常
に撮影に適した方向に設定したうえで眼底画像のみを回
転させて所望の方向および位置に設定することができ
る。
【0013】加えて、上記撮影光学系における、分離さ
れた複数の光路のうち最長波長の光の光路に配設された
波長選択手段と交互に切り換え可能な偏角プリズムを配
設することにより、表示画面を効率よく使用して観察対
象である眼底の広い範囲の画像を表示することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。
【0015】図1には本発明の一実施形態にかかる眼底
撮影装置1が示されている。
【0016】この眼底撮影装置1は、観察用照明光源2
および撮影用照明光源3からの照明光によって被検眼E
の眼底の観察部位および撮影部位を照明するための照明
光学系13を備えている。照明光学系13は集光レンズ
4、リングスリット5、ミラー6、照明レンズ7、照明
レンズ7間に配設された観察撮影用マスク8およびスポ
ット板9、孔明きミラー10並びに対物レンズ11を備
え、これらを透して上記照明光を被検眼Eの眼底へ導
く。スポット板9は照明光が対物レンズ11の表面で反
射されることを防止するために、対物レンズ11の表面
に結像する小黒点を形成した透明板である。
【0017】また、この照明光学系13は、観察用照明
光源2および可視光カットフィルタ12を備えた観察用
照明光学系13aと、撮影用照明光源3を備えた撮影用
照明光学系13bとを有している。したがって、観察用
照明光学系13aからは赤外光(近赤外光を含むことも
ある)が発せられ、撮影用照明光学系13bからは可視
光が発せられる。なお、撮影時のノイズを低減するため
に撮影用照明光源3の前に図示しない赤外光カットフィ
ルタを介装しておいてもよい。両光学系13a、13b
は、いわゆるホットミラー15を図示の形態で挿入する
ことにより光路を一体にしている。ホットミラー15は
赤外光を反射して可視光を透過するものである。
【0018】上記観察撮影用マスク8は後で詳述するよ
うに、その中央から横方向に若干ずれた位置に形成され
た短冊状の窓部16を除き、可視光を遮って赤外光を透
過するフィルタから構成されている(図4)。窓部16
は赤外光とともに可視光をも透過するように構成されて
いる。
【0019】一方、各照明光学系13a、13bによる
照明によって眼底を観察および撮影するための撮影光学
系17が配設されている。撮影光学系17は撮影用照明
光学系13bからの照明光に基づいて眼底の一部を撮影
するための受光手段たるエリアセンサ18を備えてい
る。
【0020】撮影光学系17は、光分析から眼底各部の
酸素含有率などの演算を行うための図示しない制御部、
および眼底画像を表示するモニタ画面D(図2、図3)
を有している。撮影光学系17は、上記照明光の眼底に
おける反射光を上記孔明きミラー10を通し、ミラー1
9で反射させてエリアセンサ18に導く。孔明きミラー
10とミラー19との間には撮影光学系17の眼底への
合焦を行うための可動のフォーカスレンズ20が配設さ
れている。
【0021】上記撮影光学系17は、以下のごとく、眼
底からの反射光を互いに異なる三種の波長域の光路に分
離したうえで若干ずらせてエリアセンサ18に至るよう
に構成されている。撮影光学系17に配設されたダイク
ロイックミラー21aによって光路を短波長側の光と長
波長側の光との異なる二光路17a、17cに分離し、
一方の光路17aをさらにダイクロイックミラー22a
によって短波長側の光と長波長側の光との異なる二光路
17a、17bに分離している。この二光路17a、1
7bはダイクロイックミラー22bによって若干ずらさ
れた状態にされ、さらに、他のダイクロイックミラー2
1bによって上記光路17cが上記二光路17a、17
bに対して若干ずらされた状態にされたうえでエリアセ
ンサ18に至るようにされている。ダイクロイックミラ
ーとは、特定の波長を境にしてそれより短波長(長波
長)側の光を透過し、長波長(短波長)側の光を反射す
るものである。本実施形態では光路17aが最長波長域
の光路であり、光路17cが最短波長域の光路であり、
光路17bが中間の波長域の光路である。そして、分離
された三光路17a、17b、17cにはそれぞれ、特
定波長をピークとした波長域(狭帯域であり、半値幅の
範囲)の光のみを透過する波長選択フィルタ(バンドパ
スフィルタ)23、24、25が配設されている。
【0022】本実施形態では第一の光路17aのバンド
パスフィルタ23は600nm波長をピークとする波長
域の光(以下、600nm光という)を透過するもので
あり、第二の光路17bのバンドパスフィルタ24は5
69nm波長をピークとする波長域の光(以下、569
nm光という)を透過するものであり、第三の光路17
cのバンドパスフィルタ25は470nm波長をピーク
とする波長域の光(以下、470nm光という)を透過
するものである。その結果、エリアセンサ18において
は600nm光による眼底像と569nm光による眼底
像と470nm光による眼底像とが受光される。ここ
で、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの吸収スペ
クトル曲線を重ねて描くと、600nm波長の光および
470nm波長の光については酸化ヘモグロビンと還元
ヘモグロビンとの値に差があり、569nm波長の光に
ついてはほぼ同一値となるのである。このように、。酸
化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの値に差がある波
長とほぼ同一値である波長との組合せとするのが望まし
い。
【0023】もちろん、本発明では上記600nmと5
69nmと470nmとの波長域の組合せに限定される
ことはない。上記バンドパスフィルタ23、24、25
について、それぞれ異なる波長域の光を透過するフィル
タの組合せを複数組用意しておき、調査項目に応じて適
宜切り換えるようにすることもできる。また、たとえば
脈絡膜からの反射量が多い被検眼(近視眼に多い)や、
水晶体での散乱が多い被検眼(白内障眼)などに応じて
適切な波長域のフィルタの組合せを選択することによっ
て三種類のデータが得られ、正確な眼底調査が可能とな
る。このように、被検眼の特性によってノイズ要因とな
る波長域を避けて使用波長の組合せを選ぶことができ
る。同様な選択基準から、たとえば各フィルタ23、2
4、25の組合せを600nmと586nmと569n
mとの組合せ、または、586nmと558nmと47
0nmとの組合せなどにしてもよい。
【0024】また、ダイクロイックミラーの仕様は、波
長域の分離後にそれぞれバンドパスフィルタによって選
択される狭帯域同士のちょうど中間の波長で長短側に分
離するようにするのが望ましい。
【0025】かかる構成により、異なる三種の波長域の
光によって同時に撮影された三種の眼底像P1、P2、
P3(下記撮影視野内の像)が図2に示すようにモニタ
画面Dに分離されて同時に一画面に表示される。図中の
三つの像の各枠線は後述する観察撮影用マスク8の窓部
16(撮影視野という)の像16aである。そして、画
像上の任意の部位を選択して光分析を行うことにより、
たとえば還元ヘモグロビンおよび酸化ヘモグロビンの含
有状況やその変化を判断しやすくなる。
【0026】三つの画像P1、P2、P3を分離し且つ
近接して得るためには、図1中の光軸に対するミラー2
6、27の傾斜角度を調節すればよい。また、図中の一
対のダイクロイックミラー21a、21bはともに同一
仕様のものを採用することができ、他の一対のダイクロ
イックミラー22a、22bもともに同一仕様のものを
採用することができる。
【0027】本発明では光分離手段および光統合手段と
して、ダイクロイックミラーに代えてダイクロイックプ
リズムを用いてもよい。ダイクロイックミラーはそれを
透過する光が平行光であることを前提として採用する
が、ダイクロイックプリズムはそれを透過する光が平行
光はもとより、発散光であっても収束光であってもよ
い。また、ダイクロイックミラー(ダイクロイックプリ
ズム)は所望の性能を得るために高精度なコーティング
厚さなどの調整を要するが、上記のごとく光路を長短の
波長域に分離しこれらを統合するダイクロイックミラー
(ダイクロイックプリズム)を同一仕様とすることがで
きるので、大幅なコストダウンを図ることができる。ま
た、光分離手段および光統合手段としてダイクロイック
ミラーやダイクロイックプリズムを使用すれば、たとえ
ばハーフミラーを組み合わせて使用する場合に較べて、
反射光の分離に際して眼底からの反射光を減光してしま
うことがなく、本来少ない狭帯域光を最大限利用するこ
とができる。
【0028】上記例では、異なるバンドパスフィルタを
有する三系統の撮影光学系を備えているが、とくに三系
統に限定されることはなく、二系等の撮影光学系を備え
て(図5参照)二種の眼底像を得るようにしてもよく、
四系統以上の撮影光学系を備えて四種以上の眼底像を得
るようにしてもよい。これは、波長分離光路を増減する
ことによって構成することが可能である。
【0029】上記実施形態における撮影光学系17によ
れば、撮影のためのエリアセンサ18を利用して、眼底
の撮影範囲よりも広い範囲を赤外光によって観察するこ
ともできる。これは、前述の観察用照明光源2を点灯し
て赤外光を発し、さらに上記最長波長域の光路17aの
バンドパスフィルタ23を光路17aから抜き取ること
によって赤外光をもエリアセンサ18まで送ることによ
り可能となる。赤外光は観察撮影用マスク8をその窓部
16に制限されずに透過し、光路17aに沿ってエリア
センサ18に至るので、図3に示すように眼底の広い範
囲がモニタ画面Dに表示されて観察可能となる。したが
って、従来のように観察のためのテレビカメラを別途用
意する必要はない。
【0030】他の光路17b、17cに対してはダイク
ロイックミラー21aの作用によって赤外光が遮られ
る。前述のとおり、赤外光が通る光路17aはエリアセ
ンサ18に至る三本の光路17a、17b、17cのう
ちの真ん中に設定されているため、照明された眼底の範
囲のほぼ中心がモニタ画面Dにおいても中心となり、画
面を有効に使用することができる。そして、広い範囲の
眼底を観察しながら撮影対象部位を選定し、この部位を
固視灯によって撮影範囲(窓部16内)に誘導すればよ
い。なお、バンドパスフィルタ23が厚い場合にはそれ
を抜き取ると撮影用可視光と観察用赤外光とでは実質光
路長が変化するので、光路長の調整のためのガラス板を
挿入すればよい。
【0031】照明光学系13における前述の観察撮影用
マスク8は、図4に示すように、その中央部から若干横
方向にずれた位置に可視光をも透過する窓部16が形成
された可視光カットフィルタから形成されている。そし
て観察撮影用マスク8は、照明光学系13の光軸が観察
撮影用マスク8のほぼ中心であって窓部16から外れた
位置を通るように設置されている。すなわち、窓部16
は照明光学系13の光軸と直交する方向にずらされてい
る。観察撮影用マスク8は、その像が被検眼Eの眼底に
結像し得るように光路に沿って可動にされている。そし
て、窓部16の像は、すなわち撮影視野は、ちょうど眼
底における撮影をすべき適正な範囲を撮影しうる大きさ
で、前述のように血管Vの方向に沿って撮影し得るよう
に短冊状に形成されている。また、この観察撮影用マス
ク8はその中心が照明光学系13の光軸に一致させられ
ており、さらに、上記窓部16の中心を回転中心として
回転駆動可能とされている。
【0032】上記のごとく窓部16を観察撮影用マスク
8の中心(照明光学系13の光軸)からずらせて形成し
たのは、対物レンズ11の表面で反射した照明光によっ
て生ずるいわゆるプルキンエ像が撮影画像に影響を及ぼ
すことを防止するためである。照明光を照射したとき、
プルキンエ像は対物レンズ11の位置する光軸上に生ず
るので、撮影視野をこの光軸から外しているのである。
そのうえで撮影すべき撮影視野内の画像をエリアセンサ
18によって効果的に受像するために、つまり、像の中
心をできる限りエリアセンサ18の中心に位置させるた
めに、平行化レンズ30からエリアセンサ18に至る撮
影光学系17の光軸を、照明光学系13光軸からの窓部
16中心のずれに対応するように、被検眼Eから平行化
レンズ30に至るまでの光軸から平行状態でずらしてい
る。詳細に言えば、フォーカスレンズ20によって眼底
像がフォーカスレンズ20と平行化レンズ30とあいだ
の一定位置に結像されるが、この結像面からエリアセン
サ18に至るまでの光軸をずらすのである。すなわち、
平行化レンズ30からエリアセンサ18に至る撮影光学
系17の光軸を、眼底において反射する窓部16の像の
中心に対応させている。
【0033】なお、上記プルキンエ像の影響を無視する
場合または無視し得る場合には、窓部16を観察撮影用
マスク8の中心に形成し、且つ、被検眼Eからエリアセ
ンサ18に至る撮影光学系17の光軸の一部をずらす必
要はない。
【0034】かかる観察撮影用マスク8が照明光学系1
3に配設されることにより、観察用照明光学系13aの
観察用照明光源2からの赤外光(近赤外光を含むことも
ある)は制限無く眼底を照明するが、撮影用照明光学系
13bの撮影用照明光源3からの可視光は狭い窓部16
の像の範囲のみを照明することになる。したがって、エ
リアセンサ18による眼底象の観察は窓部16の制限の
ない広い範囲でなされ、エリアセンサ18による眼底の
撮影は狭い窓部16の像の範囲のみについてなされる。
この場合、エリアセンサ18によって眼底象を観察する
ときに、図3に示すようにその像に撮影視野を示す枠F
が明確に示されるようにしておくのが好ましい。そのた
めには、観察撮影用マスク8を構成する可視光カットフ
ィルタから窓部16を構成する範囲を切り抜いておけば
よい。そうすれば、この切断緑が画像に明確に表れるこ
とになる。または、窓部16が透明シートから形成され
ているときには窓部16の外形を示す線をマスク8に記
載しておけばよい。
【0035】本実施形態では観察撮影用マスク8は照明
光学系13の光路上に配設されている。したがって、被
検眼Eの眼底の撮影部位は前述のとおり固視灯によって
選定することになる。固視灯は装置の外部に設置してお
いてもよい。しかし、本実施形態では装置内部に固視灯
が配設されており、固視灯の像が眼底における観察撮影
用マスク8の像の範囲であって窓部16の像の範囲を除
く範囲(観察視野という)を移動し得るように上下左右
に可動にされている。かかる構成により、被検者に固視
灯を追尾させれば、一般に被検眼Eはその中心窩に固視
灯の像を一致させようとする。
【0036】一般に目は眼底における中心窩によって視
認するからである。一方、目には乳頭と呼ばれる部分が
存在するが、この乳頭N付近は眼底各部への血管Vが集
中し、また、乳頭N付近の血管Vは比較的太いので測定
に都合がよく、有用なデータが得られる部分である。し
たがって、図3に示すように乳頭Nが上記窓部16の像
16a内(撮影視野内)に入るように固視灯を移動させ
ればよい。検査者は前述のようにモニタ画面Dによって
赤外光で照明された眼底の範囲をも観察できるので、そ
の範囲で固視灯の像を移動させることによって乳頭Nが
上記撮影視野内に入るように被検眼Eを移動させること
ができる。そして、乳頭Nが撮影視野範囲内に入ったと
きに長波長域の光路17aにバンドパスフィルタ23を
挿入し、撮影用照明光源3を発光させて撮影する。
【0037】前述のとおり、固視灯の像は撮影視野内に
は入らないようにされているため、被検眼の中心窩Sも
撮影視野内には入らない。すなわち、中心窩Sには赤外
光が照射されているだけで可視光は照射されないので被
検眼にとって眩しいと言うことはない。また、前述のよ
うに窓部16の形成位置を観察撮影用マスク8の中央部
としたのは、被検眼が右目であっても左目であっても固
視灯の移動によって中心窩を観察視野内のいずれかの位
置に導くことにより、乳頭Nを撮影視野内に誘導するこ
とができるからである。
【0038】かかる構成により、赤外光によって観察さ
れる眼底のうちの選択された、狭い任意の所望部位に対
してのみ撮影用の照明光を照射して撮影することができ
る。その結果、上記所望部位からの反射光に、撮影を意
図していない眼底の他の部分からの反射光や散乱光が混
じることはない。すなわち、眼底から得る必要な光信号
に対するそのS/N比を低下させる外乱の混入が防止さ
れ、正確な情報が得られる。
【0039】以上のように眼底を観察したとき、被検眼
Eの特性によって図3(a)に示すように撮影対象とし
たい血管Vの方向と上記窓部の像16a(撮影予定範
囲)とが一致しないことがある。この場合の撮影画像は
図2(a)に示すごとくなってデータを得たい血管部分
が少ない。そこで眼底像を回転させて窓部の像16aの
長手方向と血管Vの方向とを一致させてやるのが望まし
い。
【0040】この目的のために、図1に示すように、撮
影光学系17に像回転手段としてのダブプリズム(ペチ
ャンプリズムでもよい)29が平行化レンズ30ととも
に撮影光学系17の光軸回りに回転駆動可能に配設され
ている。平行化レンズ30はダブプリズム29の被検眼
側に配設されており、ダブプリズム29には平行光が透
過させられる。上記像回転手段は、プリズムに入射した
光が屈折・反射を行って入射光軸と一致、傾斜または平
行な出射光軸に沿って送られるものであり、透過する光
による像はプリズムの回転角の二倍の角度だけ回転す
る。したがって、図3(a)に破線で示すような傾斜状
態にあるときにダブプリズム29をその傾斜角の1/2
角度だけ回転させる。そうすると、モニタ画面D上の像
は窓部の像16aも含めて回転するので、窓部の像16
aの回転を相殺するために同時に上記観察撮影用マスク
8をその窓部16の中心を回転中心として回転させる。
そうすることにより、図3(b)に示すように撮影対象
血管Vの方向と窓部の像16aとが一致するので一層適
切な部位の撮影が可能となる。その結果、三光路からな
る撮影光学系17によって図2(b)に示す画像が撮影
され、一層明瞭なデータが得られる。
【0041】また、図4に示すように観察撮影用マスク
8の窓部16には光不透過の小面積部分(以下、黒点と
いう)28が形成されている。この黒点28は眼底にお
ける乳頭Nに照明光(可視光および赤外光)が照射され
ないようにするためのものである。その場合、可視光の
みを遮断してもよく、また、可視光および赤外光ともに
遮断してもよい。そして、モニタ画面Dによって眼底を
観察しながら上記黒点28の像に乳頭Nが一致するよう
に被検眼Eを誘導する。通常、乳頭Nは眼底の他の部分
よりも光を多く反射するので、乳頭Nによる反射光およ
びその散乱光の発生を防止し、それが得るべき光信号に
混入しないようにすることを目的にしたものである。か
かる構成によって必要な光信号のS/N比をさらに向上
させることができる。もちろん、前述の固視灯による誘
導によって乳頭Nを撮影視野外に位置させるとともに撮
影しようとする血管の部位を撮影視野内に位置させれば
上記黒点28を形成する必要はない。
【0042】図5には他の眼底撮影装置31が示されて
いる。この眼底撮影装置31の構成が図1の眼底撮影装
置1のそれと異なる点は、撮影光学系32の光路を波長
域の異なる二系統の光路32a、32bに分離している
点である。その他の構成は図1の眼底撮影装置1のもの
と同一であるため、同一部材には同一符号を付してその
説明を省略する。
【0043】撮影光学系32の光路は、ダイクロイック
ミラー33aによって波長 nmを境にして短波長
域光と長波長域光の異なる二光路32a、32bに分離
し、別のダイクロイックミラー33bによってわずかに
ずらせて統合されている。第一の光路32aには600
nm光を透過するバンドパスフィルタ34が配設されて
おり、第二の光路32bには569nm光を透過するバ
ンドパスフィルタ35が配設されている。このようにす
れば、撮影画像として波長域の異なる同一の像がモニタ
画面に二つ並んで表示される。そして、モニタ画面を有
効に使用するため、二つの画像はモニタ画面の中心を挟
んでその両側に表示されるように設定される。その場
合、長波長域の光路32aのバンドパスフィルタ34を
抜き取って赤外光による眼底の広い範囲の観察を行うと
き、眼底画像はモニタ画面の中心から一方側にずれて全
体が効果的に表示されない。そこで、長波長域の光路3
2aには上記バンドパスフィルタ34と交互に切り換え
可能な偏角プリズム36が配設されている。この偏角プ
リズム36は長波長域の光路32aを傾斜させてエリア
センサ18の中心に至らせる。そうすることにより、観
察時にバンドパスフィルタ34を抜き取れば偏角プリズ
ム36によって赤外光による広い範囲の眼底像がモニタ
画面の中央に表示され、画面が有効に使用される。
【0044】なお、図1に示す三光路を有する撮影光学
系17を備えた装置1では、三光路のうち最長波長光路
17aが真ん中になるように構成できるのでとくに偏角
プリズムを配設する必要はない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、異なった波長の光によ
って同時に眼底の同一部位を撮影することができる。そ
れによって眼底の状態の時間的な変化に影響されずに眼
底の任意箇所の酸素含有状況を測定することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる眼底撮影装置を示
す構成図である。
【図2】図2(a)および図2(b)ともに、図1の眼
底撮影装置による眼底撮影画像の一例を概略的に示す平
面図である。
【図3】図3(a)および図3(b)ともに、図1の眼
底撮影装置による眼底観察画像の一例を概略的に示す平
面図である。
【図4】図1の眼底撮影装置における観察撮影用マスク
の一例を示す平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態にかかる眼底撮影
装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1・・・・眼底撮影装置 2・・・・観察用照明光源 3・・・・撮影用照明光源 4・・・・集光レンズ 5・・・・リングスリット 6・・・・ミラー 7・・・・照明レンズ 8・・・・観察撮影用マスク 9・・・・スポット板 10・・・・孔明きミラー 11・・・・対物レンズ 12・・・・可視光カットフィルタ 13・・・・照明光学系 13a・・・観察用照明光学系 13b・・・撮影用照明光学系 15・・・・ホットミラー 16・・・・窓部 16a・・・窓部の像 17・・・・撮影光学系 17a、17b、17c・・・(撮影光学系の)光路 18・・・・エリアセンサ 19・・・・ミラー 20・・・・フォーカスレンズ 21a、21b・・・ダイクロイックミラー 22a、22b・・・ダイクロイックミラー 23、24、25・・・・バンドパスフィルタ 26、27・・・・ミラー 28・・・・黒点 29・・・・ダブプリズム 30・・・・平行化レンズ 31・・・・眼底撮影装置 32・・・・撮影光学系 32a、32b・・・(撮影光学系の)光路 33a、33b・・・ダイクロイックミラー 34,35・・・・バンドパスフィルタ 36・・・・偏角プリズム D・・・・モニタ画面 E・・・・被検眼 P1、P2、P3・・・・眼底画像 N・・・・乳頭 V・・・・血管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影用照明光学系を有する照明光学系
    と、 撮影用照明光学系の照明によって眼底を撮影する撮影光
    学系とを備えており、 該撮影光学系が、眼底からの反射光を複数の異なる波長
    域の光路に分離する光分離手段と、上記反射光を受光す
    る単一の受光手段と、上記複数の光路を互いに近接した
    分離状態で統合して上記受光手段に至らせる光統合手段
    とを有しており、 上記分離された各光路に、特定波長域の光を透過する波
    長選択手段が配設されてなる眼底撮影装置。
  2. 【請求項2】 上記撮影光学系における、光路を二つに
    分離する光分離手段と、この分離された二つの光路を近
    接した分離状態で統合する光統合手段とが、同一仕様の
    手段から構成されてなる請求項1記載の眼底撮影装置。
  3. 【請求項3】 上記照明光学系が観察用照明光学系をさ
    らに有しており、照明光学系に、観察用照明光学系から
    の観察用照明光を透過する観察撮影用マスクが配設され
    ており、該観察撮影用マスクの一部に観察用照明光およ
    び撮影用照明光を透過しうる窓部が形成されてなる請求
    項1または2記載の眼底撮影装置。
  4. 【請求項4】 照明光学系と撮影光学系との共通の光軸
    上に対物レンズが配設されており、上記観察撮影用マス
    クが、照明光学系の光軸から上記窓部が外れるように配
    設されており、上記撮影光学系の光軸が、上記窓部の中
    心の対物レンズに対する共役位置にほぼ一致するように
    構成されてなる請求項3記載の眼底撮影装置。
  5. 【請求項5】 上記撮影光学系が、その光軸回りに眼底
    反射光による像を回転するために回転駆動し得る像回転
    手段を備えてなる請求項1〜4のうちのいずれか一の項
    に記載の眼底撮影装置。
  6. 【請求項6】 照明光学系が観察用照明光学系をさらに
    有しており、照明光学系に、観察用照明光学系からの観
    察用照明光を透過する観察撮影用マスクが配設されてお
    り、該観察撮影用マスクの一部に観察用照明光および撮
    影用照明光を透過しうる窓部が形成されており、上記観
    察撮影用マスクが、上記像回転手段の回転と連動して、
    その窓部の中心を回転中心として回転駆動可能に構成さ
    れてなる請求項5記載の眼底撮影装置。
  7. 【請求項7】 上記撮影光学系における、分離された複
    数の光路のうち最長波長の光の光路に配設された波長選
    択手段と交互に切り換え可能な偏角プリズムが配設され
    てなる請求項1〜6のうちのいずれか一の項に記載の眼
    底撮影装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005500870A (ja) * 2001-04-09 2005-01-13 カー、パトリック 網膜機能カメラ
EP2338407A1 (en) * 2009-12-23 2011-06-29 OPTOPOL Technology Spolka Akcyjna Device for visually examining the ocular fundus of a patient
JP2017006407A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 キヤノン株式会社 眼科装置

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