JP2001005142A - 熱現像画像記録材料 - Google Patents

熱現像画像記録材料

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JP2001005142A JP11176488A JP17648899A JP2001005142A JP 2001005142 A JP2001005142 A JP 2001005142A JP 11176488 A JP11176488 A JP 11176488A JP 17648899 A JP17648899 A JP 17648899A JP 2001005142 A JP2001005142 A JP 2001005142A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布液調製時の濾過性に優れ、均一で良好な
面質を与え、かつ長時間にわたる画像記録材料の製造に
おいても写真感度などの変動のない塗布液を用いて熱現
像画像記録材料を製造する。 【解決手段】 (a)還元可能な銀塩、(b)還元剤、(c)バ
インダー、及び(d)ポリビニルアルコールなどの親水性
高分子化合物及びアニオン性界面活性剤などの界面活性
剤を含む6−イソプロピルフタラジンなどのフタラジン
誘導体の水性可溶化物を含む混合物を支持体の少なくと
も一方の同一面上に塗布し、乾燥して得られる熱現像画
像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像画像記録材料
に関するものである。より具体的には、製造安定性がよ
く、かつ写真性能安定性に優れた熱現像感光材料及び印
刷製版用に適した熱現像超硬調感光材料などの熱現像画
像記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】支持体上に画像形成層を有し、画像露光
することで画像形成を行う感光材料は、数多く知られて
いる。それらの中でも、環境保全や画像形成手段が簡易
化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する
技術が注目されている。
【0003】近年医療分野及び写真製版分野において環
境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望
まれている。そこで、レーザー・スキャナーまたはレー
ザー・イメージセッターにより効率的に露光させること
ができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像
を形成することができる写真製版用途の感光性熱現像材
料に関する技術が必要とされている。これら感光性熱現
像材料では、溶液系処理による化学薬品の使用をなく
し、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを
顧客に対して供給することができる。
【0004】熱現像により画像を形成する方法は、例え
ば米国特許第3,152,904号明細書、同3,457,075号明細
書、およびD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Sh
ely)による「熱によって処理される銀システム(Therm
ally Processed Silver Systems)A」(イメージング・
プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Proce
sses and Materials) Neblette第8版、スタージ(Stur
ge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ
(Shepp)編集、第2頁、1969年)に記載されている。こ
のような感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例え
ば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化
銀)、および銀の還元剤を通常有機バインダーマトリッ
クス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温
で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加
熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能す
る)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成す
る。この酸化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用
によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反
応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露
光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0005】上記の熱現像感光材料においては、一般に
「色調剤」として知られる添加剤が最高濃度の高い画像
を得たり、現像された銀の色調を改良したり、現像性を
改良する目的で必要により用いられる。有機銀塩を利用
した熱現像感光材料においては、広範囲の色調剤が特開
昭46-6077号公報、同47-10282号公報、同49-5019号公
報、同49-5020号公報、同49-91215号公報、同49-91215
号公報、同50-2524 号公報、同50-32927号公報、同50-6
7132号公報、同50-67641号公報、同50-114217号公報、
同51-3223号公報、同51-27923号公報、同52-14788号公
報、同52-99813号公報、同53-1020号公報、同53-76020
号公報、同54-156524号公報、同54-156525号公報、同61
-183642号公報、特開平4-56848号公報、特公昭49-10727
号公報、同54-20333号公報、米国特許第3,080,254号明
細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明細
書、同第4,123,282号明細書、同第4,510,236号明細書、
英国特許第1380795号明細書、ベルギー特許第841910号
明細書などに開示されている。
【0006】公知の色調剤の例としては、フタラジノン
類(例えば、フタラジノン、4-(1-ナフチル)フタラジノ
ン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノ
ン、及び2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなど)、
フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-
メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸、及びテトラクロロ
無水フタル酸など)との組合せ、フタラジン類(例え
ば、フタラジン、5-メチルフタラジン、6-メチルフタラ
ジン、5,7-ジメチルフタラジン、6-エチルフタラジン、
6-イソプロピルフタラジン、6-イソブチルフタラジン、
6-t-ブチルフタラジン、4-(1-ナフチル)フタラジン、6-
アセチルフタラジン、6-クロロフタラジン、5,7-ジメト
キシフタラジン、及び2,3-ジヒドロフタラジンなど)、
フタラジンとフタル酸誘導体との組合せ、環状イミド
(例えば、フタルイミド、N-ヒドロキシフタルイミド、
スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、並びにキナゾリ
ノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フェニルウ
ラゾール、キナゾリン、及び2,4-チアゾリジンジオン、
ナフタルイミド、N-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミドな
ど)、N-(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド
(例えば、(N,N-ジメチルアミノメチル)フタルイミド及
びN,N-(ジメチルアミノメチル)-ナフタレン-2,3- ジカ
ルボキシイミドなど)、キナゾリンジオン、ベンゾオキ
サジン又はナフトオキサジン誘導体、コバルト錯体(例
えば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテートな
ど)、メルカプタン類(例えば、3-メルカプト-1,2,4-ト
リアゾール、2,4-ジメルカプトピリミジン、3-メルカプ
ト-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリアゾール、及び2,5-ジメ
ルカプト-1,3,4- チアジアゾールなど)、ブロック化ピ
ラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種の光退
色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カルバモイ
ル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジアザオクタ
ン) ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテー
ト)、及び2-(トリブロモメチルスルホニル)ベンゾチア
ゾール、3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチアゾリニリ
デン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4- オキサゾリジ
ンジオンなど)、色調調節剤としてだけでなくその場ハ
ロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源としても機
能するロジウム錯体(例えばヘキサクロロロジウム(II
I) 酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウム、及
びヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムなど)、無機
過酸化物、過硫酸塩(例えば、過酸化二硫化アンモニウ
ムなど)、過酸化水素、ベンズオキサジン-2,4-ジオン
類(例えば、1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン、8-メ
チル-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン、及び6-ニトロ
-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンなど)、ピリミジン
および不斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロキシピリ
ミジン、2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンなど)、アザ
ウラシル、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、
3,6-ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テ
トラアザペンタレン、及び1,4-ジ(o-クロロフェニル)-
3,6-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタ
レン)などを挙げることができる。
【0007】これらの色調剤には良好な銀色調を与える
ことだけではなく、十分な画像濃度、適切な現像温度特
性、現像進行性、保存時の安定性など様々な性能が要求
される。色調剤の好ましい例としては、フタラジノンと
フタル酸誘導体との組み合わせ、フタラジンとフタル酸
誘導体との組み合わせが従来選択されてきた。
【0008】一方、従来、熱現像写真材料の多くはトル
エン、メチルエチルケトン、メタノールなどの有機溶剤
を溶媒とする塗布液を塗布することにより画像形成層を
形成していた。有機溶剤を溶媒として用いることは、製
造工程での人体への悪影響だけでなく溶剤の回収その他
のためコスト上も不利である場合がある。そこで、この
ような心配のない水溶媒の塗布液を用いて画像形成層を
形成する方法が考えられている。例えば、欧州特許公開
第803764A1には、水系溶媒に可溶または分散可能なポリ
マーラテックスをバインダーとする例が、特開昭49-526
26号公報、特開昭53-116144号公報などにはゼラチンを
バインダーとする例が、特開昭50-151138号公報にはポ
リビニルアルコールをバインダーとする例が、また特開
昭60-61747号公報にはゼラチンとポリビニルアルコール
を併用した例がそれぞれ記載されている。これら以外の
例として、特開昭58-28737号公報には水溶性ポリビニル
アセタールをバインダーとする画像形成層の例が記載さ
れている。
【0009】このようなバインダーを用いると水溶媒の
塗布液を用いて画像形成層を形成することができ、環境
面及びコスト面のメリットは大きい。しかしながら、上
述の色調剤の組み合わせを用いる場合、有機溶剤を溶媒
とする塗布液により画像形成層を形成した際に比べて、
1)塗布液調製時にフタラジン類を水混和性有機溶媒に
溶解して添加すると塗布液の濾過性を悪化させたり、塗
布膜の面質悪化を引き起こすこと、2)水混和性有機溶
媒に色調剤を溶解して添加すると経時的に写真感度の変
動などを引き起こすことなどの問題が発生する場合があ
り、その改善が課題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、熱現像画像記録材料の画像記録面を形成するにあた
り、(1)塗布液調製時の濾過性を悪化させることなく、
均一で良好な塗布膜面質の熱現像画像記録材料を製造で
き、長時間にわたる画像記録材料の製造においても写真
感度などの変動のない色調剤を提供すること、及び(2)
良好な塗布膜面質を有し、安定した画像記録性能を有す
る熱現像画像記録材料を提供することにある。また、
(3)画像部と非画像部のデイスクリミュネーションに優
れた医療診断用の熱現像画像記録材料、及び超硬調化剤
を含有し超硬調な特性を有する印刷製版用の熱現像画像
記録材料を提供することも本発明の課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行い、下記の手段により上記課
題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すな
わち、本発明は、(a)還元可能な銀塩、(b)還元
剤、(c)バインダー、及び(d)親水性高分子化合物
及び界面活性剤を含むフタラジン誘導体の水性可溶化物
を含む混合物を支持体の少なくとも一方の同一面上に塗
布し、乾燥することを特徴とする熱現像画像記録材料の
製造方法、及び該製造法法により得られる熱現像画像記
録材料を提供するものである。
【0012】この発明の好ましい態様によれば、感光性
ハロゲン化銀を含有する上記の熱現像画像記録材料;超
硬調化剤を含有する上記の熱現像画像記録材料;親水性
高分子化合物がポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール、親水性ポリビニルアセタール、及びセルロ
ース類からなる群から選ばれる親水性高分子化合物であ
る上記の熱現像画像記録材料;及び界面活性剤がアニオ
ン性界面活性剤である上記の熱現像画像記録材料が提供
される。
【0013】また、フタラジン誘導体が下記の一般式
(1):
【化2】 (式中、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16はそ
れぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、これら
の置換基は互いに結合して環を形成してもよい。ただ
し、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16が同時に
水素原子であることはない)で表わされるフタラジン誘
導体である上記の熱現像画像記録材料が提供される。フ
タラジン誘導体の可溶化物を調製するにあたり、1重量
部に対して0.1から0.5重量部の水を含む上記フタ
ラジン誘導体の水性調製物を用いることが好ましい。フ
タラジン誘導体としては6−イソプロピルフタラジンが
特に好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の熱現像画像記録材料は、
(a)還元可能な銀塩、(b)還元剤、(c)バインダ
ー、及び(d)親水性高分子化合物及び界面活性剤を含
むフタラジン誘導体の水性可溶化物を含む混合物を用い
て製造されたことを特徴としている。フタラジン誘導体
の水性可溶化物を含む塗布液を用いることにより、フタ
ラジン誘導体を従来の塗布液として用いた場合の問題点
(塗布液の感度が経時的に変化したり、塗布液中で凝集
物を作り液の濾過性が悪化し、塗布膜の面質が悪化する
など)を回避し、安定した画像形成能を有する熱現像画
像記録材料を提供できる。また、超硬調化剤を含有させ
ることにより、印刷製版用に適した熱現像超硬調画像記
録材料を提供できる。フタラジン誘導体としては、従来
色調剤として用いられているフタラジン誘導体はいずれ
も使用可能であるが、上記式(1)で表わされるフタラ
ジン誘導体は本発明の熱現像画像記録材料に好適に用い
られる。
【0015】一般式(1)において、R11、R12
13、R14、R15、及びR16が示す1価の置換基として
は、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、さ
らに好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数
1〜8であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル
基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オク
チル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが
挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜2
0、さらに好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは
炭素数2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−
ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、ア
ルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、さらに好まし
くは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプ
ロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、さらに好まし
くは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12で
あり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフ
チル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは
炭素数7〜30、さらに好ましくは炭素数7〜20、特
に好ましくは炭素数7〜13であり、例えばベンジル基
などが挙げられる)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜
20、さらに好ましくは炭素数0〜10、特に好ましく
は炭素数0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジル
アミノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(好ましく
は炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数1〜12、
特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが
挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6
〜20、さらに好ましくは炭素数6〜16、特に好まし
くは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、
2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基
(好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数
1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル
基等が挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好まし
くは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜1
6、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げら
れる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素
数7〜20、さらに好ましくは炭素数7〜16、特に好
ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシ
カルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好
ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜
16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばア
セトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、さらに好
ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜1
0であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ
基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数
2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる)、アリ
ールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜
20、さらに好ましくは炭素数7〜16、特に好ましく
は炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボ
ニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数
1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミ
ノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましく
は炭素数0〜20、さらに好ましくは炭素数0〜16、
特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファ
モイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファ
モイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられ
る)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、さ
らに好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバ
モイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモ
イル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(好ましく
は炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数1〜16、
特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチ
オ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ
基(好ましくは炭素数6〜20、さらに好ましくは炭素
数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例
えばフェニルチオなどが挙げられる)、スルホニル基
(好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数
1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばメシル基、トシル基、などが挙げられる)、スルフィ
ニル基(好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニ
ル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素
数1〜20、さらに好ましくは炭素数1〜16、特に好
ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メ
チルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられ
る)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、さ
らに好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェ
ニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ
基、メルカプト基、ハロゲン原子(本明細書においてハ
ロゲン原子という場合には、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい)、シアノ
基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサ
ム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例
えばイミダゾリル基、ピリジル基、フリル基、ピペリジ
ル基、モルホリノ基、チエニル基などが挙げられる)な
どが挙げられる。これらの置換基はさらに1個又は2個
以上の置換基を有していてもよい。塩形成可能な置換基
は塩を形成していてもよい。R11〜R16が結合して形成
する環、好ましくはこれらのうちの隣接する2つの基が
結合して形成される環としては、ジオキソレン環又はベ
ンゼン環等が挙げられ、2個以上の環が形成されていて
もよい。
【0016】一般式(1)で表わされる化合物のR11
12、R13、R14、R15、及びR16として、好ましく
は、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン原子、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、
シアノ基であり、さらに好ましくは、水素原子、アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン原子、アシル基、ヒドロキ
シ基、アルコキシ基であり、特に好ましくは、水素原
子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アシル
基、アルコキシ基である。一般式(1)で表される化合
物は、例えば、R.G. ElderField, "Heterocyclic Compo
unds", John Wiley and Sons, Vol.1〜9, (1950-1967)
やA.R. Katritzky, "Comprehensive Heterocyclic Chem
istry", Pergamon Press, (1984)などに記載されている
既知の方法によって、当業者であれば容易に合成するこ
とができる。
【0017】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明の熱現像画像記録材料に使用可
能なフタラジン誘導体はこれらに限定されるものではな
い。
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】一般式(1)で表される化合物は、熱現像
画像形成材料の画像形成層側において、画像形成層とな
りうる画像形成層及び/又は保護層などの非画像形成層
に添加することができる。一般式(1)で表される化合
物は一層中に添加してもよいが、層を分割して添加して
もよく、各層毎に配合量を変化させて添加することもで
きる。また、一般式(1)で表される化合物を2種以上
併用して添加してもよい。一般式(1)で表される化合
物の添加量は所望の目的により異なるが、銀1モル当た
り1×10-4〜1モル、好ましくは5×10-3〜5×1
-1モル、さらに好ましくは2×10-3〜2×10-1
ル添加することができる。2種以上併用する場合は、そ
れらの総量が上記の範囲の添加量となるように任意の比
率で混合して用いることができる。
【0026】本発明の熱現像画像記録材料では、フタラ
ジン誘導体の可溶化物を用いる。本明細書において用い
られる「可溶化」という用語は、溶液を形成する場合の
ほか、ミセル形成などによる均一な分散状態を含めて解
釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解
釈してはならない。フタラジン誘導体を可溶化するため
の分散剤は特に限定されず、フタラジン誘導体を均一に
分散できる分散剤であればいかなる種類のものを用いて
もよいが、親水性高分子化合物及び界面活性剤を組み合
わせて用いることが好ましい。フタラジン誘導体として
上記式(1)で表わされる化合物を用いる場合には上記
の組み合わせが特に好適である。
【0027】親水性高分子化合物としては、例えば、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、親水
性ポリビニルアセタール、又はセルロース類などが挙げ
られる。ポリビニルアルコール系高分子化合物として
は、例えば、ビニルアルコールと酢酸ビニルの共重合体
(通常、「ポリビニルアルコール(PVA)」と称され
る)、分子の末端や分子鎖に置換基を導入した変性ポバ
ール、ビニルアルコールとアクリレート類(例えば、ア
クリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチル
メタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなど
やこれらの組み合わせ)の共重合体、ビニルアルコール
とアクリルアミド類(例えば、メチルアクリルアミド、
ブチルアクリルアミドなど)の共重合体などを用いるこ
とが好ましい。
【0028】ポリビニルアルコール類の品質は、可溶化
するフタラジン誘導体の特性に合わせ適宜選択すれこと
が可能であるが、鹸化度は70%〜90%が好ましい。
鹸化度が70%未満になると、ポリビニルアルコールの
水への溶解性が低くなり、ポリビニルアルコールを均一
に分散できなくなることがある。鹸化度が90%以上に
なると、分散するフタラジン誘導体との親和性が不足し
て均一にミセルを形成できない場合がある。
【0029】ポリビニルアルコール及び変性ポリビニル
アルコールは、一般に市販されているものを用いること
ができる。ポリビニルアルコールの代表的な市販品とし
ては、クラレ社製のPVA−203、PVA−204、
PVA−205、PVA−210、PVA−217、P
VA−220、PVA−224、PVA−228、PV
A−235、PVA−403、PVA−405、PVA
−420など、日本合成化学社製のゴーセノールGL−
03、GL−05、AL−02、NK−05など、電気
化学工業社製のデンカポバールK−02、B−03な
ど、変性ポリビニルアルコールの代表的な市販品として
は、クラレ社製のMP−202、MP−203などが挙
げられる。
【0030】親水性ポリビニルアセタール高分子化合物
としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ヘキシラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチ
ラールなどが挙げられる。これらのアセタール化度の範
囲はポリマー毎に異なるが、ポリビニルホルマールでは
4〜30モル%、ポリビニルアセタールでは3〜25モ
ル%、ポリビニルブチラールでは2〜20モル%、ポリ
ビニルヘキシラールでは2〜15モル%の範囲が好まし
い。セルロース系高分子化合物としては、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどを挙げることができ、その
他にフタラジン誘導体の分散性に合わせ任意の置換基を
導入したものが用いられる。
【0031】フタラジン誘導体の可溶化分散には、上記
の水溶性高分子化合物と界面活性剤とを組み合わせて用
いることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン
系、カチオン系、又はノニオン系の界面活性剤が挙げら
れる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて用いてもよ
い。アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸系、ス
ルホン酸系、硫酸エステル系、又は燐酸エステル系など
を挙げることができ、分散するフタラジン誘導体の特性
に合わせて適宜選択することが可能である。それぞれ、
単量体、2量体、3量体、及び多量体分子を形成してい
るものでもよい。カウンターイオンとしては、例えば、
水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、4級アンモニ
ウム、ピリジニュームなどの陽イオンが挙げられる。カ
チオン系界面活性剤としては、4級アンモニウム系、ピ
リジニューム系、ホスホニューム系などを挙げることが
でき、カウンターアニオンとしては、塩素、臭素,沃
素、トルエンスルホン酸、次亜塩素酸などの陰イオンが
挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレン系などが挙げられる。
【0032】水溶性高分子物質の溶解温度及び溶解時間
は、使用する高分子物質の種類、調製濃度、調製量、及
び攪拌装置形態や速度などにより適宜選択できるが、一
般には溶解温度を40〜90℃の範囲、溶解時間を30
分〜10時間の範囲から任意に設定可能である。また、
塗布液中に含まれるフタラジン誘導体、水溶性高分子物
質及び界面活性剤の量は、フタラジン誘導体の分散性、
塗布液のろ過性、塗布性、及び画像形成性に支障をきた
さない任意の範囲で設定できる。例えば、塗布液中にフ
タラジン誘導体を1〜30%、水溶性高分子物質を1〜
15%、界面活性剤を0.1〜10%の任意の範囲で配
合することができるが、必要に応じてこの範囲外の配合
比で用いることもできる。なお、フタラジン誘導体の可
溶化物調製にあたり、フタラジン誘導体を含む水性調製
物を用いることが望ましい。例えば、一般式(1)で表
わされる化合物の1重量部に対して0.1から0.5重
量部の水を含む水性調製物を用いて可溶化物を調製する
ことが好ましい。フタラジン誘導体を含む水性調製物
は、例えば、溶液状態のほか、固体又はオイルの懸濁物
の状態であってもよい。
【0033】本発明の熱現像画像記録材料には、超硬調
化剤として下記一般式(2)から(4)で表される化合物を
配合することが好ましい。
【化10】
【0034】一般式(2)において、R1、R2、及びR3
はそれぞれ独立に水素原子又は一価の置換基を示し、Z
は電子吸引性基又はシリル基を示す。R1とZ、R2とR
3、R1とR2、及び/又はR3とZは、互いに結合して環
状構造を形成していてもよい。一般式(3)において、R
4は一価の置換基を示す。一般式(4)において、X及び
Yはそれぞれ独立に水素原子又は一価の置換基を示し、
A及びBはそれぞれ独立にアルコキシ基、アルキルチオ
基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチ
オ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ
基、又はヘテロ環アミノ基を示す。XとY、及び/又は
AとBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよ
い。
【0035】R1、R2、R3が示す一価の置換基として
は、例えばハロゲン原子、アルキル基(アラルキル基、
シクロアルキル基、活性メチン基などを含む)、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(環構
成窒素原子上に置換基を有する含窒素ヘテロ環基を含
む)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば
ピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボ
キシ基またはその塩、イミノ基、窒素原子で置換したイ
ミノ基、チオカルボニル基、スルホニルカルバモイル
基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイ
ル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル
基、シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基また
はその塩、アルコキシ基(エチレンオキシ基又はプロピ
レンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリール
オキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アル
コキシ又はアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カル
バモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、置
換アミノ基(アルキル置換、アリール置換、又はヘテロ
環置換アミノ基など)、アシルアミノ基、スルホンアミ
ド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アル
コキシ又はアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スル
ファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカル
バジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、オキサ
モイルアミノ基、(アルキル又はアリール)スルホニル
ウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイル
アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、置換チオ基(アル
キル置換、アリール置換、又はヘテロ環置換チオ基な
ど)、アシルチオ基、(アルキル又はアリール)スルホ
ニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、ス
ルホ基又はその塩、スルファモイル基、アシルスルファ
モイル基、スルホニルスルファモイル基又はその塩、ホ
スホリル基、リン酸アミド又はリン酸エステル構造を含
む基、シリル基、スタニル基などが挙げられる。これら
の置換基は、さらに上記に例示した置換基を1又は2個
以上有していてもよい。
【0036】Zが示す電子吸引性基は、例えば、ハメッ
トの置換基定数σpが正の値を取りうる置換基のことを
意味しており、具体的には、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、チオカル
ボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、パー
フルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド基、
スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル
基、カルボキシ基(又はその塩)、スルホ基(又はその
塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシ
ルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基のほ
か、これらの電子吸引性基で置換されたアリール基など
を挙げることができる。ヘテロ環基としては、飽和又は
不飽和のヘテロ環基を用いることができ、例えばピリジ
ル基、キノリル基、キノキサリニル基、ピラジニル基、
ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダ
ゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、スクシンイミド
基、フタルイミド基等がその例として挙げられる。上記
に例示した電子吸引性基はさらに1又は2個以上の置換
基を有していてもよく、その置換基としては、R1
2、R3について説明した一価の置換基を用いることが
できる。R1とZ、R2とR3、R1とR2、及び/又はR3
とZが互いに結合して形成される環状構造としては、非
芳香族の炭素環又は非芳香族のヘテロ環を挙げることが
できる。好ましくは5員〜7員の環状構造であり、置換
基を含めたその総炭素数は1〜40、さらには3〜30
が好ましい。R1とZ、又はR2とR3が環状構造を形成
する場合がより好ましい。
【0037】Zが示すシリル基としては、好ましくは、
トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フ
ェニルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイ
ソプロピルシリル基、トリメチルシリルジメチルシリル
基などを挙げることができる。Zが示す電子吸引性基と
しては、好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、す
なわち、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニル
基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、スルファ
モイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホ
ルミル基、ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ
基、又は任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基な
どを挙げることができ、さらに好ましくは、シアノ基、
アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、
スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールス
ルホニル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、ト
リフルオロメチル基、又は任意の電子吸引性基で置換さ
れたフェニル基などを挙げることができ、特に好ましく
はシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、イミノ基、又はカルバモイル基を挙げることが
できる。Zで表される基は、電子吸引性基であることが
より好ましい。
【0038】R1、R2、及びR3が示す一価の置換基と
して、好ましくは、総炭素数0〜30の基で、上記Zに
おける電子吸引性基で例示した基のほか、アルキル基、
ヒドロキシ基(又はその塩)、メルカプト基(又はその
塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、
ヘテロ環アミノ基、ウレイド基、アシルアミノ基、スル
ホンアミド基、置換又は無置換のアリール基などが挙げ
られる。
【0039】R1は好ましくは電子吸引性基、アリール
基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、
水素原子、又はシリル基である。R1が電子吸引性基を
示す場合、電子吸引性基として、好ましくは総炭素数0
〜30の以下の基、すなわち、シアノ基、ニトロ基、ア
シル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、チオカルボニル基、イミノ基、
窒素原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイ
ル基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、カルボキ
シ基(又はその塩)、飽和又は不飽和のヘテロ環基など
を挙げることができ、より好ましくはシアノ基、アシル
基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、スルフ
ァモイル基、カルボキシ基(又はその塩)、飽和又は不
飽和のヘテロ環基を挙げることができる。特に好ましく
はシアノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、又は飽和若しくは不飽和のヘ
テロ環基である。
【0040】R1がアリール基を示す場合、アリール基
として、好ましくは総炭素数6〜30の置換又は無置換
のフェニル基を挙げることができる。フェニル基上の置
換基としては任意の置換基を用いることができるが、電
子吸引性の置換基、例えば上記に例示した電子吸引性基
が好ましい。R1はより好ましくは電子吸引性基又はア
リール基である。
【0041】R2及びR3が示す置換基として、好ましく
は、Zが示す電子吸引性基において例示した基のほか、
アルキル基、ヒドロキシ基(又はその塩)、メルカプト基
(又はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、置換又は無置
換のフェニル基などを挙げることができる。R2及びR3
のどちらか一方が水素原子であり、他方が一価の置換基
であることがより好ましい。この場合、置換基として
は、好ましくは、アルキル基、ヒドロキシ基(又はその
塩)、メルカプト基(又はその塩)、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ
基(特にパーフルオロアルカンアミド基など)、スルホン
アミド基、置換又は無置換のフェニル基、ヘテロ環基な
どを挙げることができ、さらに好ましくはヒドロキシ基
(又はその塩)、メルカプト基(又はその塩)、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヘテロ環基で
あり、特に好ましくはヒドロキシ基(又はその塩)、アル
コキシ基、ヘテロ環基である。
【0042】一般式(2)で表される化合物の中で、より
好ましいものの1つは、Zがシアノ基、ホルミル基、ア
シル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基、又はカル
バモイル基であり、R1が電子吸引性基又はアリール基
であり、R2又はR3のどちらか一方が水素原子であり、
他方がヒドロキシ基(又はその塩)、メルカプト基(又は
その塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環
オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環
チオ基、又はヘテロ環基である化合物である。
【0043】また、一般式(2)で表される化合物の中で
特に好ましいものの1つは、ZとR1とが非芳香族の5
員〜7員の環状構造を形成し、R2又はR3のどちらか一
方が水素原子であり、他方がヒドロキシ基(又はその
塩)、メルカプト基(又はその塩)、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、ヘテロ環チオ基、又はヘテロ環基である
化合物である。この時、R1と共に非芳香族の環状構造
を形成するZとしては、アシル基、カルバモイル基、オ
キシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基な
どが好ましく、R1としては、アシル基、カルバモイル
基、オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニ
ル基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、アシル
アミノ基、カルボニルチオ基等が好ましい。
【0044】一般式(3)において、R4で表される置換
基としては、一般式(2)のR1〜R3において説明した一
価の置換基を用いることができる。R4で表される置換
基は、好ましくは電子吸引性基又はアリール基である。
4が電子吸引性基である場合、電子吸引性基として
は、好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、すなわ
ち、シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、ホ
スホリル基、イミノ基、又は飽和若しくは不飽和のヘテ
ロ環基を挙げることができ、さらに好ましくはシアノ
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基を挙げること
ができる。特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、又は
ヘテロ環基である。
【0045】R4がアリール基である場合には、好まし
くは総炭素数0〜30の置換又は無置換のフェニル基を
用いることができる。フェニル基上の置換基としては、
一般式(2)のR1、R2、R3について説明した一価の置
換基を用いることができる。R4は、特に好ましくはシ
アノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ヘ
テロ環基、又は置換若しくは無置換のフェニル基であ
り、最も好ましくはシアノ基、ヘテロ環基、又はアルコ
キシカルボニル基である。
【0046】一般式(4)において、X及びYが示す置換
基としては、一般式(2)のR1、R2、R3について説明
した一価の置換基を用いることができる。具体的には、
アルキル基(パーフルオロアルキル基、トリクロロメチ
ル基などを含む)、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン
原子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、イミノ基、窒素原子で置
換したイミノ基、カルバモイル基、チオカルボニル基、
アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモ
イル基、ホスホリル基、カルボキシ基(又はその塩)、
スルホ基(又はその塩)、ヒドロキシ基(又はその
塩)、メルカプト基(又はその塩)、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキル
アミノ基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、シリル基な
どが挙げられる。これらの基はさらに置換基を有してい
てもよい。またXとYは、互いに結合して環状構造を形
成していてもよい。形成される環状構造としては、非芳
香族の炭素環又は非芳香族のヘテロ環であってもよい。
【0047】X及びYが示す置換基としては、好ましく
は総炭素数1〜40の、より好ましくは総炭素数1〜3
0の基であり、より具体的には、シアノ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロア
ルキル基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシ
ルアミノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環
基、アルキルチオ基、アルコキシ基、又はアリール基な
どを用いることができる。さらに好ましいX及びYとし
ては、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ
基、アシルアミノ基、チオカルボニル基、スルファモイ
ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
イミノ基、窒素原子で置換したイミノ基、ホスホリル
基、トリフルオロメチル基、ヘテロ環基、又は置換され
たフェニル基などを挙げることができ、特に好ましくは
シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、アシルチオ基、アシルアミノ基、チオカルボニル
基、ホルミル基、イミノ基、窒素原子で置換したイミノ
基、ヘテロ環基、又は任意の電子吸引性基で置換された
フェニル基などを挙げることができる。
【0048】XとYが互いに結合して非芳香族の炭素環
又は非芳香族のヘテロ環を形成する場合も好ましい。形
成される環状構造は5員〜7員環が好ましく、その総炭
素数は1〜40、さらには3〜30が好ましい。環状構
造を形成するX及びYとしては、好ましくは、アシル
基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、スルホニル基、イミノ基、窒素原子で置換した
イミノ基、アシルアミノ基、カルボニルチオ基等を挙げ
ることができる。
【0049】A及びBが示す基は、好ましくは総炭素数
1〜40であり、より好ましくは総炭素数1〜30であ
り、さらに置換基を有していてもよい。A及びBは互い
に結合して環状構造を形成している場合がより好まし
い。形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香族のヘ
テロ環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには
3〜30が好ましい。A及びBが結合した例(−A−B
−)としては、例えば、−O−(CH22−O−,−O
−(CH23−O−,−S−(CH22−S−,−S−
(CH23−S−,−S−ph−S−,−N(CH3
−(CH22−O−,−N(CH3)−(CH22−S
−,−O−(CH22−S−,−O−(CH2 3−S
−,−N(CH3)−ph−O−,−N(CH3)−ph
−S−,−N(ph)−(CH22−S−などを挙げる
ことができる。
【0050】上記一般式(2)〜(4)で表される化合物
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。こうした吸着基としては、アルキル
チオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、
メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号明細書、同4,459,347号明細書、特開昭59-1
95233号公報、同59-200231号公報、同59-201045号公
報、同59-201046号公報、同59-201047号公報、同59-201
048号公報、同59-201049号公報、特開昭61-170733号公
報、同61-270744号公報、同62-948号公報、同63-234244
号公報、同63-234245号公報、同63-234246号公報に記載
された基が挙げられる。またこれらハロゲン化銀への吸
着基は、プレカーサー化されていてもよい。その様なプ
レカーサーとしては、特開平2-285344号公報に記載され
た基が挙げられる。
【0051】一般式(2)〜一般式(4)で表される化合物
は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において
常用されているバラスト基又はポリマーが組み込まれて
いるものでもよい。特にバラスト基が組み込まれている
ものは好ましい例の1つである。バラスト基は8以上の
炭素数を有する画像形成性に関して比較的不活性な基で
あり、例えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ
基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、
アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことができる。
またポリマーとしては、例えば特開平1-100530号公報に
記載のものが挙げられる。
【0052】一般式(2)〜(4)で表される化合物は、そ
の中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基
を含む基、又は4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテ
ロ環基等)、エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキ
シ基の繰り返し単位を含む基、置換チオ基(アルキル置
換、アリール置換、又はヘテロ環置換チオ基など)、又
は塩基により解離しうる解離性基(カルボキシ基、スル
ホ基、アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファ
モイル基など)が含まれていてもよい。特にエチレンオ
キシ基若しくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を含
む基、又は置換チオ基(アルキル置換、アリール置換、
又はヘテロ環置換チオ基など)が含まれているものは、
好ましい例の1つである。これらの基の具体例として
は、例えば特開平7-234471号公報、特開平5-333466号方
法、特開平6-19032号公報、特開平6-19031号公報、特開
平5-45761号公報、米国特許第4,994,365号明細書、米国
特許第4,988,604号明細書、特開平3-259240号公報、特
開平7-5610号公報、特開平7-244348号公報、独国特許第
4,006,032号明細書などに記載の化合物が挙げられる。
【0053】一般式(2)〜(4)で表わされる化合物の具
体例を以下に示すが、本発明の熱現像画像記録材料に用
いられる化合物は下記の具体例に限定されることはな
い。
【0054】
【化11】
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】一般式(2)〜(4)で表される化合物は、水
又は適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。好ましく
は水に溶解して用いることができる。また、既によく知
られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、
トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテー
ト又はジエチルフタレートなどのオイルや、酢酸エチル
又はシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、
機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あ
るいは固体分散法として知られている方法によって、一
般式(2)〜(4)で表される化合物の粉末を水等の適当
な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波
によって分散して用いてもよい。一般式(2)〜(4)で
表される化合物を本発明の熱現像画像記録材料へ添加す
る方法は特に限定されないが、一般的には乳化分散又は
固体分散して用いるのが好ましい。
【0059】一般式(2)〜(4)で表される化合物は、支
持体上の画像形成層側の任意の層、例えば画像形成層及
び/又はその他の層に添加してもよいが、画像形成層及
び/又はそれに隣接する層に添加することが好ましい。
一般式(2)〜(4)で表される化合物の添加量は、銀1モ
ルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1×10-5
5×10-1モルがより好ましく、2×10-5〜2×10
-1モルが最も好ましい。一般式(2)〜(4)で表される化
合物は公知の方法により容易に合成することができる
が、例えば、米国特許第5,5545,515号明細書、米国特許
第5,635,339号明細書、米国特許第5,654,130号明細書、
国際公開WO97/34196号、特願平9-354107号明細書、特願
平9-309813号明細書、特願平9-272002号明細書に記載の
方法を参考に合成することができる。
【0060】一般式(2)〜(4)で表される化合物は単独
で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。また上
記のものの他に、米国特許第5,5545,515号明細書、米国
特許第5,635,339号明細書、米国特許第5,654,130号明細
書、国際公開WO97/34196号、米国特許第5,686,228号に
記載の化合物、特願平9-228881号明細書、特願平9-2739
35号明細書、特願平9-354107号明細書、特願平9-309813
号明細書、特願平9-296174号明細書、特願平9-282564号
明細書、特願平9-272002号明細書、特願平9-272003号明
細書、特願平9-332388号明細書に記載された化合物を併
用して用いても良い。
【0061】さらに本発明の熱現像画像記録材料では、
特願平9-166628号明細書、特願平8-279957号明細書、特
願平9-240511号明細書に記載のヒドラジン誘導体を組み
合わせて用いることもできる。さらに下記のヒドラジン
誘導体:特公平6-77128号公報に記載の(化1)で表さ
れる化合物(具体的には同公報3頁及び4頁に記載の化
合物);特公平6-93082号公報に記載の一般式(I)で
表される化合物(具体的には同公報8頁〜18頁に記載
の1〜38の化合物);特開平6-230497号公報に記載の
一般式(4)、一般式(5)、及び一般式(6)で表さ
れる化合物(具体的には同公報25頁、26頁に記載の
化合物4−1〜化合物4−10、28頁〜36頁に記載
の化合物5−1〜5−42、及び39頁、40頁に記載
の化合物6−1〜化合物6−7);特開平6-289520号公
報に記載の一般式(1)及び一般式(2)で表される化
合物(具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−
1)〜1−17)、及び2−1));特開平6-313936号
公報に記載の(化2)及び(化3)で表される化合物
(具体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物);特
開平6-313951号に記載の(化1)で表される化合物(具
体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物);特開平7-
5610号公報に記載の一般式(I)で表される化合物(具
体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜I
−38);特開平7-77783号公報に記載の一般式(II)
で表される化合物(具体的には同公報10頁〜27頁に
記載の化合物II−1〜II−102);特開平7-104426号
公報に記載の一般式(H)及び一般式(Ha)で表され
る化合物(具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合
物H−1〜H−44);欧州特許公開713131Aに記載の
ヒドラジン基の近傍にアニオン性基又はヒドラジンの水
素原子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有す
ることを特徴とする化合物、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物(具体的には同公報に記
載の化合物N−1〜N−30);欧州特許公開713131A
に記載の一般式(1)で表される化合物(具体的には同
公報に記載の化合物D−1〜D−55);1991年3月22
日発行の「公知技術(1〜207頁)」(アズテック社刊)の25
頁から34頁に記載の種々のヒドラジン誘導体;特開昭
62-86354号公報(6頁〜7頁)の化合物D−2およびD
−39などを組み合わせて用いることもできる。
【0062】上記ヒドラジン誘導体は、水または適当な
有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノー
ル、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに
溶解して用いることができる。また、既によく知られて
いる乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリク
レジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート又は
ジエチルフタレートなどのオイルや、酢酸エチル又はシ
クロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的
に乳化分散物を作製して用いることができる。固体分散
法として知られている方法によってヒドラジン誘導体の
粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、又は超音波
によって分散して用いてもよい。これらヒドラジン誘導
体の感材への添加方法としては、乳化分散或いは固体分
散して用いるのが好ましい。
【0063】上記ヒドラジン誘導体は、支持体上の画像
形成層側の任意の層、例えば画像形成層及び/又はその
他の層側に添加してもよいが、画像形成層及び/又はそ
れに隣接する層に添加することが好ましい。上記ヒドラ
ジン誘導体の添加量は銀1モルに対し1×10-6〜1モ
ルが好ましく、1×10-5〜5×10-1モルがより好ま
しく、2×10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。
【0064】また、米国特許第5,545,515号明細書に記
載のアクリロニトリル類、具体的にはCN-1〜CN-13
等を超硬調化剤として用いることができる。また、本発
明の熱現像画像記録材料には、超硬調画像形成のため
に、前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用する
ことができる。例えば、米国特許第5,545,505号明細書
に記載のアミン化合物(具体的にはAM-1〜AM-5);
同5,545,507号明細書に記載のヒドロキサム酸類(具体
的にはHA-1〜HA-11);同5,558,983号明細書に記載
のヒドラジン化合物(具体的にはCA-1〜CA-6);特
願平8-132836号明細書に記載のオニュ−ム塩類(具体的
にはA-1〜A-42、B-1〜B-27、C-1〜C-14)などを
用いることができる。前記の超硬調化剤及び硬調化促進
剤の合成方法、添加方法、添加量等は特に限定されない
が、それぞれの引用文献に記載された方法を参考にする
ことが望ましい。
【0065】本発明の熱現像画像記録材料は有機銀塩の
ための還元剤を含むが、有機銀塩のための還元剤として
は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ましく
は有機物質を用いることができる。例えば、フェニド
ン、ハイドロキノン、及びカテコールなどの従来の写真
現像剤も有用であるが、ヒンダードフェノール還元剤が
好ましい。還元剤は、画像形成層を有する面の銀1モル
に対して5〜50モル%含まれることが好ましく、10
〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。還元剤
は、支持体上の画像形成層側の任意の層に配合すること
ができる。画像形成層以外の層に添加する場合には、銀
1モルに対して10〜50モル%程度を使用することが
好ましい。また、還元剤は現像時のみ有効に機能を持つ
ように誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよ
い。
【0066】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいて利用可能な広範囲の還元剤が、例えば、特開昭46
-6074号公報、同47-1238号公報、同47-33621号公報、同
49-46427号公報、同49-115540号公報、同50-14334号公
報、同50-36110号公報、同50-147711号公報、同51-3263
2号公報、同51-1023721号公報、同51-32324号公報、同5
1-51933号公報、同52-84727号公報、同55-108654号公
報、同56-146133号公報、同57-82828号公報、同57-8282
9号公報、特開平6-3793号公報、米国特許第3,667,9586
号明細書、同3,679,426号明細書、同3,751,252号明細
書、同3,751,255号明細書、同3,761,270号明細書、同3,
782,949号明細書、同3,839,048 号明細書、同3,928,686
号明細書、同5,464,738号明細書、独国特許2321328号明
細書、欧州特許第692732号明細書などに開示されてい
る。
【0067】還元剤として、例えば、フェニルアミドオ
キシム、2-チエニルアミドオキシム、及びp-フェノキシ
フェニルアミドオキシムなどのアミドオキシム;例えば
4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒドアジン
などのアジン;2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオ
ニル-β-フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との組合
せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアス
コルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒ
ドロキシルアミン、レダクトン及び/又はヒドラジンと
の組合せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エトキシエチ
ル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダク
トン、又はホルミル-4-メチルフェニルヒドラジンとの
組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p-ヒドロキシ
フェニルヒドロキサム酸、及びβ-アリニンヒドロキサ
ム酸などのヒドロキサム酸;アジンとスルホンアミドフ
ェノールとの組合せ(例えば、フェノチアジンと2,6-ジ
クロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノールとの組み
合わせなど);エチル-α-シアノ-2-メチルフェニルアセ
テート、エチル-α-シアノフェニルアセテートなどのα
-シアノフェニル酢酸誘導体;2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-
ビナフチル、6,6'-ジブロモ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-
ビナフチル、及びビス(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタ
ンに例示されるようなビス-β-ナフトール;ビス-β-ナ
フトールと1,3-ジヒドロキシベンゼン誘導体(例えば、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン又は2',4'-ジヒドロキ
シアセトフェノンなど)の組合せ;3-メチル-1-フェニル
-5-ピラゾロンなどの5-ピラゾロン誘導体;ジメチルア
ミノヘキソースレダクトン、アンヒドロジヒドロアミノ
ヘキソースレダクトン、及びアンヒドロジヒドロピペリ
ドンヘキソースレダクトンに例示されるようなレダクト
ン類;2,6-ジクロロ-4-ベンゼンスルホンアミドフェノ
ール及びp-ベンゼンスルホンアミドフェノールなどのス
ルホンアミドフェノール還元剤;2-フェニルインダン-
1,3-ジオンなど;2,2-ジメチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキ
シクロマンなどのクロマン;2,6-ジメトキシ-3,5-ジカ
ルボエトキシ-1,4-ジヒドロピリジンなどの1,4-ジヒド
ロピリジン;ビスフェノール(例えば、ビス(2-ヒドロキ
シ-3-t-ブチル-5-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、4,4-エチリデ
ン-ビス(2-t-ブチル-6-メチルフェノール)、1,1-ビス(2
-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチル
ヘキサン、及び2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパンなど);アスコルビン酸誘導体(例え
ば、パルミチン酸1-アスコルビル、ステアリン酸アスコ
ルビルなど);並びにベンジルおよびビアセチルなどの
アルデヒド及びケトン類;3-ピラゾリドンおよびある種
のインダン-1,3-ジオン;クロマノール(トコフェロール
など)などを挙げることができる。
【0068】上記還元剤は、溶液、粉末、固体微粒子分
散物などいかなる方法で本発明の熱現像画像形成材料に
添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段
(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、
コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行
われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用い
てもよい。
【0069】本発明の熱現像画像記録材料に用いられる
感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成は特に制限されず、
塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀
を用いることができる。粒子内におけるハロゲン組成の
分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状
に変化したものでもよく、あるいは連続的に変化したも
のでもよい。コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒
子を好ましく用いることができる。構造としては好まし
くは2〜5重構造、より好ましくは2〜4重構造のコア
/シェル粒子を用いることができる。また、塩化銀又は
塩臭化銀粒子の表面に臭化銀を局在させる技術も好まし
く用いることができる。
【0070】感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界で
はよく知られており、例えば、リサーチディスクロージ
ャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458
号明細書に記載されている方法を用いることができる。
具体的には、調製された有機銀塩中にハロゲン含有化合
物を添加することにより有機銀塩の銀の一部を感光性ハ
ロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンあるいは他のポリ
マー溶液の中に銀供給化合物およびハロゲン供給化合物
を添加することにより感光性ハロゲン化銀粒子を調製し
有機銀塩と混合する方法などを用いることができる。本
発明の熱現像画像記録材料の製造においては、好ましく
は後者の方法を用いることができる。感光性ハロゲン化
銀の粒子サイズは、画像形成後の白濁を低く抑える目的
のために小さいことが好ましく、具体的には0.20μm以
下、より好ましくは0.01μm以上0.15μm以下、さらに好
ましくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう
粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八
面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化銀粒子
の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒
子である場合には、主表面の投影面積と同面積の円像に
換算したときの直径をいう。その他、正常晶でない場
合、例えば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン
化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0071】ハロゲン化銀粒子の形状としては、立方
体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガ
イモ状粒子等を挙げることができるが、本発明の熱現像
画像記録材料の製造には特に立方体状粒子、平板状粒子
が好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は、好ましくは100:1〜2:1、より好まし
くは50:1〜3:1がよい。さらに、ハロゲン化銀粒子のコ
ーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。
感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指
数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着
した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が
高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ま
しく、65%以上がより好ましく、80%以上がさらに好まし
い。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着におけ
る[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT. Tani;
J. Imaging Sci., 29, 165(1985年)に記載の方法によ
り求めることができる。
【0072】感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表の第
VII族あるいは第VIII族(第7族〜第10族)の金属ま
たは金属錯体を含有することが好ましい。周期律表の第
VII族、あるいは第VIII族の金属または金属錯体の中心
金属として好ましくはロジウム、レニウム、ルテニウ
ム、オスミウム、イリジウムを用いることができる。こ
れら金属錯体は単独で用いてもよいが、同種金属又は異
種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有
率は銀1モルに対し10-9モルから10-2モルの範囲が
であり、10-8モルから10-4モルの範囲がより好まし
い。具体的な金属錯体の構造としては特開平7-225449号
公報等に記載された構造の金属錯体を用いることができ
る。
【0073】好適なロジウム化合物として、水溶性ロジ
ウム化合物を用いることができる。例えば、ハロゲン化
ロジウム(III)化合物、またはロジウム錯塩で配位子
としてハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つもの、
例えば、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタク
ロロアコロジウム(III)錯塩、テトラクロロジアコロ
ジウム(III)錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯
塩、ヘキサアンミンロジウム(III)錯塩、トリザラト
ロジウム(III)錯塩等が挙げられる。これらのロジウ
ム化合物は、水又は適当な溶媒に溶解して用いられる
が、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般に
よく行われる方法、例えばハロゲン化水素水溶液(例え
ば塩酸、臭酸、フッ化水素酸等)、又はハロゲン化アル
カリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法
を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わり
にハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープ
してある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させるこ
とも可能である。ロジウム化合物の添加量はハロゲン化
銀1モル当たり1×10-8モル〜5×10-6モルの範囲
が好ましく、特に好ましくは5×10-8モル〜1×10
-6モルである。これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀
乳剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階にお
いて適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加
し、ハロゲン化銀粒子中に組み込むことが好ましい。
【0074】好ましく用いられるレニウム、ルテニウ
ム、オスミウムは、特開昭63-2042号公報、特開平1-2859
41号公報、同2-20852号公報、同2-20855号公報等に記載さ
れた水溶性錯塩の形で添加される。特に好ましいものと
して、以下の式:[ML6n -(式中、MはRu、R
e、またはOsを表し、Lは配位子を表し、nは0、
1、2、3または4を示す)で表わされる六配位錯体が
挙げられる。この場合、対イオンは重要性を持たず、例
えば、アンモニウム又はアルカリ金属イオンなどが用い
られる。好ましい配位子としては、ハロゲン化物配位
子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシ
ル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。
【0075】本発明の熱現像画像記録材料の製造用いら
れる錯体として、例えば、[ReCl6]3 -、[ReBr6]3 -、[ReC
l5(NO)]2 -、[Re(NS)Br5]2 -、[Re(NO)(CN)5]2 -、[Re(O)2
(CN)4]3 -、[RuCl6]3 -、[RuCl4(H2O)2]-、[RuCl5(H2O)]2
-、[RuCl5(NO)]2 -、[RuBr5(NS)]2 -、[Ru(CO)3Cl3]2 -
[Ru(CO)Cl5]2 -、[Ru(CO)Br5]2 -、[OsCl6]3 -、[OsCl5(N
O)]2 -、[Os(NO)(CN)5]2 -、[Os(NS)Br5]2 -、[Os(O)2(CN)
4]4 -などを挙げることができるが、利用可能な錯体はこ
れらに限定されることはない。これらの化合物の添加量
はハロゲン化銀1モル当たり1×10-9モル〜1×10
-5モルの範囲が好ましく、特に好ましくは1×10-8
ル〜1×10-6モルである。これらの化合物の添加は、
ハロゲン化銀乳剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前
の各段階において適宜行うことができるが、特に乳剤形
成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込むことが好
ましい。
【0076】これらの化合物をハロゲン化銀の粒子形成
中に添加してハロゲン化銀粒子中に組み込む方法として
は、金属錯体の粉末又はNaCl、KClと一緒に溶解した水
溶液を、粒子形成中の水溶性塩または水溶性ハライド溶
液中に添加しておく方法、銀塩とハライド溶液を混合す
るときに第3の溶液として添加し、3液同時混合の方法
でハロゲン化銀粒子を調製する方法、あるいは粒子形成
中に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入する方
法などが利用可能である。特に、粉末又はNaCl、KClと
一緒に溶解した水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加す
る方法が好ましい。粒子表面に添加するには、粒子形成
直後、物理熟成時途中若しくは終了時、又は化学熟成時
に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入すればよ
い。
【0077】イリジウム化合物としては種々のものを使
用できるが、例えばヘキサクロロイリジウム、ヘキサア
ンミンイリジウム、トリオキザラトイリジウム、ヘキサ
シアノイリジウム、ペンタクロロニトロシルイリジウム
などを挙げることができる。上記イリジウム化合物は、
水又は適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリジウム
化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる
方法、例えば、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭
酸、フッ酸等)、又はハロゲン化アルカリ(例えばKC
l、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることが
できる。水溶性イリジウムを用いる代わりに、ハロゲン
化銀調製時にあらかじめイリジウムをドープしてある別
のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能で
ある。
【0078】さらに、本発明の熱現像画像形成材料の製
造に用いられるハロゲン化銀粒子は、コバルト、鉄、ニ
ッケル、クロム、パラジウム、白金、金、タリウム、
銅、鉛、等の金属原子を含有してもよい。コバルト、
鉄、クロム、さらにルテニウムの化合物については六シ
アノ金属錯体を好ましく用いることができる。具体例と
しては、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオ
ン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、ヘキサシアノクロ
ム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム酸イオンなどが挙
げられるが、これらに限定されることはない。ハロゲン
化銀中の金属錯体は均一に含有させても、コア部に高濃
度に含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含
有させてもよい。上記金属の含有量は、ハロゲン化銀1
モル当たり1×10-9〜1×10-4モルが好ましい。ま
た、上記金属は、単塩、複塩、または錯塩の形の金属塩
にしてハロゲン化銀粒子の調製時に添加することができ
る。
【0079】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法などの当業界で知られている方法に
従って、水洗により脱塩することができるが、本発明の
熱現像画像形成材料の製造においては脱塩していない感
光性ハロゲン化銀粒子を用いてもよい。
【0080】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されることが
好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感法、セレ
ン増感法、テルル増感法、貴金属増感法などの公知の方
法を用いることができ、これらの方法を単独又は適宜組
み合わせて用いることができる。組み合わせて使用する
場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法
とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法
と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法とテルル増感法
と金増感法などの組み合わせが好ましい。
【0081】硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加し
て、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することに
より行われる。硫黄増感剤としては公知の化合物を使用
することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化
合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチオ硫酸塩、チ
オ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いること
ができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿
素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時の
pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条
件の下で変化するが、ハロゲン化銀1モルあたり10-7
〜10-2モルであり、より好ましくは10-5〜10-3
ルである。
【0082】セレン増感剤としては、公知のセレン化合
物を用いることができる。通常、不安定型及び/又は非
不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳
剤を一定時間攪拌することにより行われる。不安定型セ
レン化合物としては、例えば、特公昭44-15748号公報、
同43-13489号公報、特開平4-25832号公報、同4-109240号
公報、同4-324855号公報などに記載の化合物を用いるこ
とができる。特に特開平4-324855号公報中の一般式(VII
I) 及び(IX)で示される化合物を用いることが好まし
い。
【0083】テルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面又
は内部に増感核になると推定されるテルル化銀を生成さ
せる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生
成速度については特開平5-313284号公報に記載の方法で
試験することができる。テルル増感剤としては、例え
ば、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テル
リド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテル
リド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス
(カルバモイル)ジテルリド類、P-Te結合を有する化合
物、テルロカルボン酸塩類、Te-オルガニルテルロカル
ボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、
テルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナー
ト類、P-Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、テル
ロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド状テ
ルルなどを用いることができる。具体的には、米国特許
第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,77
2,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,
496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号
明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4-204640
号公報、特願平3-53693号公報、同3-131598号公報、同4-12
9787号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテ
ィー・ケミカル・コミュニケーション(J. Chem. Soc.
Chem. Commun.) 635(1980)、ibid 1102(1979)、ibid 6
45(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ
ー・パーキン・トランザクション(J. Chem.Soc. Perki
n. Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai) 編、ザ
・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・ア
ンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of O
rganic Serenium and Tellunium Compounds),Vol.1(198
6)、同Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができ
る。特に特開平5-313284号公報中の一般式(II)、(II
I)、及び(IV)で示される化合物が好ましい。
【0084】セレンおよびテルル増感剤の使用量は、使
用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって適宜
選択できるが、一般にハロゲン化銀1モルあたり10-8
〜10 -2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用
いることができる。化学増感の条件としては特に制限は
ないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜1
1、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜9
5℃、好ましくは45〜85℃である。
【0085】貴金属増感剤としては、金、白金、パラジ
ウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金増感が好ま
しい。金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリ
ウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネー
ト、硫化金などが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり
10-7〜10-2モル程度を用いることができる。ハロゲ
ン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成
の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウ
ム塩などを共存させてもよい。
【0086】増感法として還元増感を用いてもよい。還
元増感法に用いる具体的な化合物としては、例えば、ア
スコルビン酸、二酸化チオ尿素などのほか、例えば、塩
化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラ
ジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン
化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを7以
上またはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより還
元増感することができる。粒子形成中に銀イオンのシン
グルアディション部分を導入することにより還元増感す
ることもできる。さらに、ハロゲン化銀乳剤には、欧州
特許公開293,917号に示される方法により、チオスルホ
ン酸化合物を添加してもよい。
【0087】本発明の熱現像画像記録材料中のハロゲン
化銀乳剤は一種だけでもよいが、二種以上(例えば、平
均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるも
の、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるものな
ど)を併用してもよい。感光性ハロゲン化銀の使用量と
しては、有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.0
1モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3モ
ル以下がより好ましく、0.03モル以上0.25モル以下が特
に好ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機
銀塩の混合方法および混合条件は特に限定されないが、
例えば、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子と有機
銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイド
ミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法、あ
るいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製
終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製
する方法などを採用することができる。
【0088】還元可能な銀塩として用いることのできる
有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光され
た光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤
の存在下で、80℃あるいはそれ以上に加熱された場合に
銀画像を形成する性質を有している。有機銀塩は銀イオ
ンを還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。
有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜2
8の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.
0〜10.0の範囲の錯安定度定数を有する有機又は無機銀
塩の錯体も好ましい。銀供給物質は、好ましくは画像形
成層の約5〜70重量%を構成することができる。好まし
い有機銀塩はカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩
を含んでおり、例えば脂肪族カルボン酸の銀塩および芳
香族カルボン酸の銀塩を含むが、有機化合物の種類はこ
れらに限定されることはない。脂肪族カルボン酸の銀塩
の好ましい例としては、例えば、ベヘン酸銀、アラキジ
ン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸
銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、
マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、
酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物などを挙げるこ
とができる。
【0089】メルカプト基またはチオン基を含む化合物
の銀塩及びこれらの誘導体を使用することもできる。こ
れらの化合物の好ましい例としては、例えば、3-メルカ
プト-4-フェニル-1,2,4-トリアゾールの銀塩、2-メルカ
プトベンズイミダゾールの銀塩、2-メルカプト-5-アミ
ノチアジアゾールの銀塩、2-(エチルグリコールアミド)
ベンゾチアゾールの銀塩、S-アルキルチオグリコール酸
(ここでアルキル基の炭素数は12〜22である)の銀塩など
のチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩などのジ
チオカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5-カルボキ
シル-1-メチル-2-フェニル-4-チオピリジンの銀塩、メ
ルカプトトリアジンの銀塩、2-メルカプトベンズオキサ
ゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明細書に記載の
銀塩、例えば3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-チアゾー
ルの銀塩などの1,2,4-メルカプトチアゾール誘導体の銀
塩、米国特許第3,301,678号明細書に記載の3-(3-カルボ
キシエチル)-4-メチル-4-チアゾリン-2-チオンの銀塩な
どのチオン化合物の銀塩などを挙げることができる。さ
らに、イミノ基を含む化合物も使用することができる。
これらの化合物の好ましい例としては、ベンゾトリアゾ
ールの銀塩及びそれらの誘導体、例えばメチルベンゾト
リアゾール銀などのベンゾトリアゾールの銀塩、5-クロ
ロベンゾトリアゾール銀などのハロゲン置換ベンゾトリ
アゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号明細書に記載
されているような1,2,4-トリアゾール又は1-H-テトラゾ
ールの銀塩、イミダゾール、及びイミダゾール誘導体の
銀塩などを挙げることができる。例えば、米国特許第4,
761,361号明細書及び同第4,775,613号明細書に記載され
ているような種々の銀アセチリド化合物をも使用するこ
ともできる。
【0090】有機銀塩の形状としては特に制限はない
が、短軸と長軸を有する針状結晶が好ましい。例えば、
短軸0.01μm以上0.20μm以下、長軸0.10μm以上5.0μm
以下が好ましく、短軸0.01μm以上0.15μm以下、長軸0.
10μm以上4.0μm以下がより好ましい。有機銀塩の粒子
サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散と
は、短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸
それぞれで割った値の百分率が好ましくは100%以下、よ
り好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以下である
ことを意味している。有機銀塩の形状は、有機銀塩分散
物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分
散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平
均直径の標準偏差を求める方法があるが、体積加重平均
直径で割った値の百分率(変動係数)は、好ましくは100%
以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以
下である。例えば、液中に分散した有機銀塩にレーザー
光を照射し、その散乱光のゆらぎの時間変化に対する自
己相関関数を求めることにより得られた粒子サイズ(体
積加重平均直径)を基にして分散性を求めることができ
る。有機銀塩は、好ましくは脱塩をすることができる。
脱塩を行う方法は特に制限されず、公知の方法を用いる
ことができるが、例えば、遠心濾過、吸引濾過、限外濾
過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾過方法
を用いることが好ましい。
【0091】高S/Nで、粒子サイズが小さく、凝集のな
い有機銀塩固体分散物を得る目的で、画像形成媒体であ
る有機銀塩を含み、かつ感光性ハロゲン化銀塩を実質的
に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降下さ
せる分散法を用いることが好ましい。そして、このよう
な工程を経た後に、感光性ハロゲン化銀塩水溶液と混合
して画像形成層を形成するための塗布液を製造する。こ
のような塗布液を用いて熱現像画像記録材料を作製する
とヘイズが低く、低カブリで高感度の熱現像画像記録材
料が得られる。これに対し、高圧、高速流下に変換して
分散する時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上
昇し、感度が著しく低下しやすくなる場合がある。ま
た、分散媒として水ではなく、有機溶剤を用いると、ヘ
イズが高くなり、カブリが上昇し、感度が低下しやすく
なる。一方、感光性銀塩水溶液を混合する方法にかえ
て、分散液中の有機銀塩の一部を感光性銀塩に変換する
コンバージョン法を用いると感度が低下しやすくなる。
高圧、高速下に変換して分散される水分散液は、実質的
に感光性銀塩を含まず、もし含んだとしてもその含有量
は非感光性の有機銀塩に対して0.1モル%以下であり、積
極的な感光性銀塩の添加は必要ない。
【0092】上記のような分散法を実施するために用い
られる固体分散装置及びその技術については、例えば
『分散系レオロジーと分散化技術』(梶内俊夫、薄井洋
基著、1991、信山社出版(株)、p357〜p403)、『化学
工学の進歩 第24集』(社団法人化学工学会東海支部
編、1990、槙書店、p184〜p185等に詳しいが、分散法
としては、少なくとも有機銀塩を含む水分散物を高圧ポ
ンプ等で加圧して配管内に送入した後、配管内に設けら
れた細いスリットを通過させ、この後に分散液に急激な
圧力低下を生じさせることにより微細な分散を行うこと
が好ましい。
【0093】高圧ホモジナイザーについては、一般に
は、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で通過する際に生
じる『剪断力』、(b)分散質が高圧下から常圧に解放さ
れる際に生じる『キャビテーション力』等の分散力によ
って微細な粒子への分散が行われると考えられている。
この種の分散装置としては、古くはゴーリンホモジナイ
ザーが挙げられるが、この装置では高圧で送られた被分
散液が円柱面上の狭い間隙で、高速流に変換され、その
勢いで周囲の壁面に衝突し、その衝撃力で乳化・分散が
行われる。使用圧力は一般には100〜600kg/cm2、流速は
数m〜30m/秒の範囲であり、分散効率を上げるために高
流速部を鋸刃状にして衝突回数を増やすなどの工夫を施
したものも考案されている。これに対して、近年さらに
高圧、高流速での分散が可能となる装置が開発されてき
ており、その代表例としてはマイクロフルイダイザー
(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コー
ポレーション社)、ナノマイザー(特殊機化工業
(株))などが挙げられる。
【0094】好適な分散装置としては、マイクロフルイ
デックス・インターナショナル・コーポレーション社製
マイクロフルイダイザーM−110S−EH(G10Z
インターラクションチャンバー付き)、M−110Y
(H10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
140K(G10Zインターラクションチャンバー付
き)、HC−5000(L30ZまたはH230Zイン
ターラクションチャンバー付き),HC−8000(E
230ZまたはL30Zインターラクションチャンバー
付き)等が挙げられる。これらの装置を用い、少なくと
も有機銀塩を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配
管内に送入した後、配管内に設けられた細いスリットを
通過させることにより所望の圧力を印加し、この後に配
管内の圧力を大気圧に急速に戻す等の方法で分散液に急
激な圧力降下を生じさせることにより最適な有機銀塩分
散物を得ることが可能である。
【0095】有機銀塩分散においては、流速、圧力降下
時の差圧と処理回数の調節によって所望の粒子サイズに
分散することが可能であるが、写真特性と粒子サイズの
点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が
900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、流速が300m/秒〜60
0m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2の範囲で
あることがさらに好ましい。分散処理回数は必要に応じ
て選択でき、通常は1回〜10回の処理回数が選ばれる
が、生産性の点からは1回〜3回程度の処理回数が選ばれ
る。高圧下でこのような水分散液を高温にすることは、
分散性、画像形成特性の点から好ましくなく、90℃を越
えるような高温では粒子サイズが大きくなりやすくなる
と共に、カブリが高くなる傾向がある。従って、前記の
高圧、高流速に変換する前の工程、又は圧力降下させた
後の工程、あるいはこれらの両工程において冷却工程を
含み、このような水分散の温度が冷却工程により5〜90
℃の範囲に保たれていることが好ましく、さらに好まし
くは5〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範囲に保たれている
ことが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2の範囲の高圧
の分散時には前記の冷却工程を設置することが有効であ
る。冷却器は、その所要熱交換量に応じて、二重管や二
重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管式熱交
換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することができる。
また、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を考慮し
て、管の太さ、肉厚や材質など好適なものを選べばよ
い。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃の井
水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また必要に応じ
て-30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用するこ
ともできる。
【0096】分散操作では、水性溶媒可溶な分散剤(分
散助剤)の存在下で有機銀塩を分散することが好まし
い。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル酸、アク
リル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モ
ノエステル共重合体、アクリロメチルプロパンスルホン
酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カルボキシメ
チルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合
成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのア
ニオン性ポリマー、特開平7-350753号公報に記載の化合
物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン
性界面活性剤やその他のポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース等の公知のポリマー、あるいはゼラチン等の自
然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いること
ができるが、ポリビニルアルコール類、水溶性のセルロ
ース誘導体が特に好ましい。
【0097】分散助剤を分散前に有機銀塩の粉末または
ウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーとし
て分散機に送り込むのが一般的な方法であるが、予め有
機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理を
施して有機銀塩粉末又はウェットケーキとしてもよい。
分散前後又は分散中に適当なpH調整剤によりpHコントロ
ールしてもよい。機械的に分散する以外に、pHコントロ
ールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の
存在下でpHを変化させて微粒子化させることもできる。
この場合、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用し
てもよいが、有機溶媒を微粒子化終了後に除去すること
が好ましい。
【0098】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で撹拌しながら保存するか、あるいは親
水性コロイドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチン
を使用してゼリー状にした状態)で保存することができ
る。また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防
腐剤を添加することもできる。有機銀塩は所望の量で使
用できるが、画像形成材料1m2当たりの塗布量として、
銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1
〜3g/ m2である。
【0099】画像を向上させる「色調剤」として、フタ
ラジン誘導体、好ましくは上記の式(1)で表わされる
フタラジン誘導体以外にも、当業界で用いられる色調剤
を添加してもよい。色調剤を用いることにより光学濃度
が高くなることがあり、黒色銀画像を形成させる上でも
有利になることがある。フタラジン誘導体以外の色調剤
は、分散性、塗布液のろ過性、塗布性、及び画像形成性
に支障をきたさないように選択することが必要である。
色調剤は、画像形成層を有する面に銀1モル当たり0.1
〜50%(モル)の量含まれることが好ましく、0.5〜20%
(モル)含まれることがさらに好ましい。2種以上を組
み合わせて用いる場合には、総量が上記の範囲となるこ
とが望ましい。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を
持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーであって
もよい。フタラジン誘導体と共に用いる色調剤は、前記
の手段により可溶化されている必要がある。
【0100】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいて利用可能な広範囲の色調剤が知られている。例え
ば、特開昭46-6077号公報、同47-10282号公報、同49-50
19号公報、同49-5020号公報、同49-91215号公報、同49-
91215号公報、同50-2524号公報、同50-32927号公報、同
50-67132号公報、同50-67641号公報、同50-114217号公
報、同51-3223号公報、同51-27923号公報、同52-14788
号公報、同52-99813号公報、同53-1020号公報、同53-76
020号公報、同54-156524号公報、同54-156525号公報、
同61-183642号公報、特開平4-56848号公報、特公昭49-1
0727号公報、同54-20333号公報、米国特許第3,080,254
号明細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明
細書、同第4,123,282号明細書、同第4,510,236号明細
書、英国特許第1380795号明細書、ベルギー特許第84191
0号明細書などに開示されている。
【0101】フタラジン誘導体以外に利用可能な色調剤
の例としては、フタルイミド及びN-ヒドロキシフタルイ
ミド;スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、並びにキ
ナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フェ
ニルウラゾール、キナゾリン、及び2,4-チアゾリジンジ
オンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N-
ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミドなど);コバルト錯体
(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート
など);3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジメル
カプトピリミジン、3-メルカプト-4,5--ジフェニル-1,
2,4-トリアゾール、及び2,5-ジメルカプト-1,3,4-チア
ジアゾールに例示されるメルカプタン;N-(アミノメチ
ル) アリールジカルボキシイミド(例えば、(N,N-ジメチ
ルアミノメチル)フタルイミド及びN,N-(ジメチルアミノ
メチル)-ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミドなど);ブ
ロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体及びある
種の光退色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カ
ルバモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジア
ザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテ
ート)、及び2-トリブロモメチルスルホニル)-(ベンゾチ
アゾール)など);3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチア
ゾリニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オキ
サゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導体
若しくは金属塩、又は4-(1-ナフチル)フタラジノン、6-
クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノン、2,
3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘導体;フタ
ラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチ
ルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水
フタル酸など)との組合せ;フタラジン又はその誘導体
とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4-メチルフタル
酸、4-ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタル酸
など)との組合せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジ
ン又はナフトオキサジン誘導体;色調調節剤としてだけ
でなくその場でハロゲン化銀生成のためのハライドイオ
ンの源としても機能するロジウム錯体、例えばヘキサク
ロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝
酸ロジウム、及びヘキサクロロロジウム(III)酸カリウ
ムなど;無機過酸化物及び過硫酸塩、例えば、過酸化二
硫化アンモニウム、及び過酸化水素;1,3-ベンズオキサ
ジン-2,4-ジオン、8-メチル-1,3-ベンズオキサジン-2,
4-ジオン、及び6-ニトロ-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジ
オンなどのベンズオキサジン-2,4-ジオン;ピリミジン
及び不斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロキシピリミ
ジン、2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンなど)、アザウ
ラシル、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6
-ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テト
ラアザペンタレン、及び1,4-ジ(o-クロロフェニル)-3,6
-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレ
ン)などがある。
【0102】画像形成層(感光性層、乳剤層)のバイン
ダーとしては、周知の天然又は合成樹脂、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルアセタール、ポリビニルクロリド、ポ
リビニルアセテート、セルロースアセテート、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニ
トリル、ポリカーボネートなどから任意のものを選択す
ることができる。バインダーとしてコポリマー又はター
ポリマーを用いてもよい。好ましいポリマーは、ポリビ
ニルブチラール、ブチルエチルセルロース、メタクリレ
ートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、
ポリスチレン、及びブタジエン-スチレンコポリマーで
ある。必要に応じて、これらのポリマーを2種又はそれ
以上組合せて使用することができる。バインダーは成分
をその中に保持するのに十分な量で使用されるが、効果
的な範囲は当業者が適宜決定することができる。少なく
とも有機銀塩を保持する場合の目安として、バインダー
対有機銀塩の割合は、15:1〜1:2、特に8:1〜1:1 の
範囲であることが好ましい。
【0103】画像形成層のうち少なくとも1層は、以下
に述べるポリマーラテックスを全バインダーの50wt%以
上含有する画像形成層であることが好ましい。また、ポ
リマーラテックスは画像形成層だけではなく、保護層や
バック層に用いてもよく、特に寸法変化が問題となる印
刷用途に本発明の熱現像画像記録材料を用いる場合に
は、保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いる
ことが望ましい。「ポリマーラテックス」とは、水不溶
な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中
に分散したものを意味しており、分散状態としてはポリ
マーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合された
もの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中
に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散
したものなどいずれでもよい。ポリマーラテックスにつ
いては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、
高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用
(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分
子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井
宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などに記載されて
いる。分散粒子の平均粒径は1〜50,000 nm、より好まし
くは5〜1,000 nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒
径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つ
ものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0104】ポリマーラテックスとしては通常の均一構
造のポリマーラテックス以外に、いわゆるコア/シェル
型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラ
ス転移温度を変えると好ましい場合がある。バインダー
に用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移温
度(Tg)は、保護層、バック層と画像形成層とでは一
般的に好ましい範囲が異なる。画像形成層では、熱現像
時に写真有用素材の拡散を促すために40℃以下であり、
-30〜40℃が好ましい。保護層やバック層では、種々の
機器と接触するために25〜70℃のガラス転移温度が好ま
しい。ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は-30℃
〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。最
低造膜温度をコントロールするために造膜助剤を添加し
てもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれ、ポリマーラテ
ックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有
機溶剤)である。例えば、前述の「合成ラテックスの化
学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載され
ている。
【0105】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、また
はこれらの共重合体などを挙げることができる。ポリマ
ーとしては、直鎖のポリマー又は枝分かれしたポリマー
のほか、架橋されたポリマーでもよい。また、ポリマー
としては、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリ
マーでもよく、2種以上のモノマーが重合したコポリマ
ーでもよい。コポリマーの場合には、ランダムコポリマ
ー又はブロックコポリマーのいずれでもよい。ポリマー
の分子量は、数平均分子量で5,000〜1,000,000、好まし
くは10,000〜100,000程度が好ましい。分子量が小さす
ぎると画像形成層の力学強度が不十分になる場合があ
り、分子量が大きすぎると製膜性が悪くなることがあ
る。
【0106】熱現像画像記録材料の画像形成層のバイン
ダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例とし
ては、例えば、メチルメタクリレート/エチルアクリレ
ート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメ
タクリレート/2エチルヘキシルアクリレート/スチレ
ン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレン/ブ
タジエン/アクリル酸コポリマーのラテックス、スチレ
ン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート/塩化ビニ
ル/アクリル酸コポリマーのラテックス、塩化ビニリデ
ン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリ
ル酸コポリマーのラテックスなどを挙げることができ
る。このようなポリマーは市販されており、容易に入手
可能である。
【0107】例えば、アクリル樹脂の例としては、セビ
アンA-4635、46583、4601(ダイセル化学工業(株)
製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(日本ゼオン
(株)製)などを挙げることができ、ポリエステル樹脂
としては、FINETEX ES650、611、675、850(大日本イン
キ化学(株)製)、WD-size、WMS(イーストマンケミカル
製)などを挙げることができ、ポリウレタン樹脂として
は、HYDRAN AP10、20、30、40(大日本インキ化学(株)
製)などを挙げることができる。ゴム系樹脂としては、L
ACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(大日本インキ化学
(株)製)、 Nipol Lx416、410、438C、2507(以上、日
本ゼオン(株)製)などがあり、塩化ビニル樹脂として
は、G351、G576(日本ゼオン(株)製)などがあり、塩化
ビニリデン樹脂としては、L502、L513(旭化成工業
(株)製)、アロンD7020、D504、D5071(三井化学(株)
製)などがあり、オレフィン樹脂としてはケミパールS12
0、SA100(三井化学(株)製)などがある。これらのポリ
マーは単独で用いてもよいが、必要に応じて2種以上を
ブレンドして用いてもよい。画像形成層には、全バイン
ダーの50重量%以上の割合で上記ポリマーラテックスを
用いることが好ましいが、70重量%以上の割合で上記ポ
リマーラテックスを用いることがより好ましい。
【0108】画像形成層には、必要に応じて全バインダ
ーの50重量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよ
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30重量%以下、さらには15重量%以下が好ま
しい。画像形成層の全バインダー量は0.2〜30g/m2、よ
り好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。画像形成層
には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性
剤などを添加してもよい。
【0109】画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥し
て調製することが好ましい。「水系」とは、塗布液の溶
媒(分散媒)の70重量%以上が水であることを意味してい
る。塗布液の水以外の溶媒成分としては、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチル
ホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を
用いることができる。具体的な溶媒組成の例としては、
水のほか、以下のようなものがある。水/メタノール=9
0/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=90/1
0、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホルム
アミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド
=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=9
0/5/5(ただし数字は重量%を表す)。より好ましくは、
水に対する溶媒の比率が10重量%以下、さらに好ましく
は5重量%以下である。
【0110】増感色素としては、ハロゲン化銀粒子に吸
着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増
感できるものであればいかなるものを用いてもよい。増
感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、コ
ンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニ
ン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘ
ミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール
色素等を用いることができる。熱現像画像記録材料の製
造に有用な増感色素は、例えばRESEARCH DISCLOSURE It
em17643IV-A項(1978年12月、p.23)、同Item1831X項(197
9年8月、p.437)に記載されており、又は引用された文献
に記載されている。特に各種レーザーイメージャー、ス
キャナー、イメージセッターや製版カメラの光源の分光
特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択す
ることができる。
【0111】赤色光への分光増感の例としては、He-Ne
レーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわゆる赤
色光源に対しては、特開昭54-18726号公報に記載のI-1
からI-38 の化合物、特開平6-75322号公報に記載のI-
1からI-35の化合物、特開平7-287338号公報に記載のI
-1からI-34の化合物、特公昭55-39818号公報に記載の
色素1から20、特開昭62-284343号公報に記載のI-1から
I-37の化合物、及び特開平7-287338号公報に記載のI-
1からI-34の化合物などが有利に選択される。
【0112】750〜1,400nmの波長領域の半導体レーザー
光源に対しては、シアニン、メロシアニン、スチリル、
ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノール、及び
キサンテン色素を含む種々の既知の色素により、スペク
トル的に有利に増感させることができる。有用なシアニ
ン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピ
ロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核、及びイミダゾール核などの塩基性
核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染
料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒ
ダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン
核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリ
ノン核、マロノニトリル核、及びピラゾロン核などの酸
性核も含む。上記のシアニン及びメロシアニン色素にお
いて、イミノ基またはカルボキシル基を有するものが特
に効果的である。例えば、米国特許第3,761,279号明細
書、同3,719,495号明細書、同3,877,943号明細書、英国
特許1,466,201号明細書、同1,469,117号明細書、同1,42
2,057号明細書、特公平3-10391号公報、同6-52387号公
報、特開平5-341432号公報、同6-194781号公報、同6-30
1141号公報に記載されたような既知の色素から適宜選択
することができる。
【0113】色素として特に好ましいものは、チオエー
テル結合含有置換基を有するシアニン色素(例えば、特
開昭62-58239号公報、同3-138638号公報、同3-138642号
公報、同4-255840号公報、同5-72659号公報、同5-72661
号公報、同6-222491号公報、同2-230506号公報、同6-25
8757号公報、同6-317868号公報、同6-324425号公報、特
表平7-500926号公報、米国特許第5,541,054号明細書に
記載された色素など)、カルボン酸基を有する色素(例え
ば、特開平3-163440号公報、同6-301141号公報、米国特
許第5,441,899号明細書に記載された色素など)、メロシ
アニン色素、多核メロシアニン色素、又は多核シアニン
色素(特開昭47-6329号公報、同49-105524号公報、同51-
127719号公報、同52-80829号公報、同54-61517号公報、
同59-214846 号公報、同60-6750号公報、同63-159841号
公報、特開平6-35109号公報、同6-59381号公報、同7-14
6537号公報、同7-146537号公報、特表平55-50111号公
報、英国特許1,467,638号明細書、米国特許第5,281,515
号明細書に記載された色素など)が挙げられる。また、J
-bandを形成する色素として、例えば、米国特許第5,51
0,236号明細書、同3,871,887号明細書の実施例5に記載
の色素、特開平2-96131号公報、特開昭59-48753号公報
に記載された色素などを好ましく用いることができる。
【0114】これらの増感色素は単独で用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは、
特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素又は可視
光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す
物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強色増
感を示す色素の組合せ及び強色増感を示す物質は、例え
ば、Research Disclosure、176巻、17643(1978年12月発
行)第23頁IVのJ項、又は特公昭49-25500号公報、同43-4
933号公報、特開昭59-19032号公報、同59-192242号公報
などに記載されている。
【0115】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
方法は特に限定されず、例えば、増感色素を直接乳剤中
に分散する方法、又は水、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2-トリフルオロエタノ
ール、3-メトキシ-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタ
ノール、1-メトキシ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、又はこれらの混合物などの溶媒に溶解して
乳剤に添加する方法のいずれを採用してもよい。また、
米国特許第3,469,987号明細書などに開示されているよ
うに、色素を揮発性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水
又は親水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ
添加する方法、特公昭44-23389号公報、同44-27555号公
報、同57-22091号公報などに開示されているように、色
素を酸に溶解し、この溶液を乳剤中に添加するか、ある
いは酸又は塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添加
する方法、米国特許第3,822,135号明細書、同4,006,025
号明細書などに開示されているように界面活性剤を共存
させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤
中に添加する方法、特開昭53-102733号公報、同58-1051
41号公報に開示されているように親水性コロイド中に色
素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方
法、特開昭51-74624号公報に開示されているように、レ
ッドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、この溶
液を乳剤中へ添加する方法を採用することもできる。ま
た、溶解に超音波を用いることもできる。
【0116】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する
時期は、これまで有用であることが認められている乳剤
調製のいかなる工程中であってもよい。例えば米国特許
第2,735,766号明細書、同3,628,960号明細書、同4,183,
756号明細書、同4,225,666号明細書、特開昭58-184142
号公報、同60-196749号公報などの刊行物に開示されて
いるように、ハロゲン化銀の粒子形成工程及び/又は脱
塩前の時期、脱塩工程中及び/又は脱塩後から化学熟成
の開始前までの時期、特開昭58-113920号公報などに開
示されているように、化学熟成の直前又は工程中の時
期、化学熟成後、塗布までの時期など、乳剤が塗布され
る前であればいかなる時期又は工程において増感色素を
添加してもよい。また、米国特許第4,225,666号明細
書、特開昭58-7629号公報などの刊行物に開示されてい
るように、同一化合物を単独で、又は異種構造の化合物
と組み合わせて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程
中又は化学熟成完了後とに分け、あるいは化学熟成の前
又は工程中と完了後とに分けて分割添加してもよい。分
割して添加する化合物及び化合物の組み合わせの種類を
変えて添加してもよい。感色素の使用量は感度やカブリ
などの性能に応じて適宜選択できるが、画像形成層のハ
ロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、10-4
10-1モルがさらに好ましい。
【0117】現像を抑制又は促進するなどの現像制御の
ため、分光増感効率の向上のため、あるいは現像前後の
保存性の向上のために、本発明の熱現像画像記録材料に
はメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合
物を含有することができる。
【0118】メルカプト化合物の構造は特に限定されな
いが、例えば、Ar-SM0、Ar-S-S-Ar(式中、M0は水素原
子又はアルカリ金属原子を示し、Arは1個以上の窒素、
イオウ、酸素、セレニウム、又はテルリウム原子を有す
る芳香環基又は縮合芳香環基を示す)で表されるメルカ
プト化合物が好ましい。Arが示す複素芳香環としては、
ベンズイミダゾール、ナフスイミダゾール、ベンゾチア
ゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、ナフ
スオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾ
ール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、トリ
アゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プ
リン、キノリン、又はキナゾリノンなどを挙げることが
できる。複素芳香環は、例えば、ハロゲン原子(例え
ば、臭素原子又は塩素原子など)、ヒドロキシ基、アミ
ノ基、カルボキシ基、アルキル基(例えば、1個以上の
炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するも
の)、アルコキシ基(例えば、1個以上の炭素原子、好ま
しくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、及びアリー
ル基(置換基を有していてもよい)からなる置換基群か
ら選択されるものを有してもよい。
【0119】メルカプト置換複素芳香族化合物をとして
は、例えば、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メル
カプトベンズオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾ
ール、2-メルカプト-5-メチルベンズイミダゾール、6-
エトキシ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2,2'-ジチオ
ビス-ベンゾチアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾ
ール、4,5-ジフェニル-2-イミダゾールチオール、2-メ
ルカプトイミダゾール、1-エチル-2-メルカプトベンズ
イミダゾール、2-メルカプトキノリン、8-メルカプトプ
リン、2-メルカプト-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフル
オロメチル-4-キノリンチオール、2,3,5,6-テトラクロ
ロ-4-ピリジンチオール、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メ
ルカプトピリミジンモノヒドレート、2-アミノ-5-メル
カプト-1,3,4-チアジアゾール、3-アミノ-5-メルカプト
-1,2,4-トリアゾール、4-ヒドキロシ-2-メルカプトピリ
ミジン、2-メルカプトピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メ
ルカプトピリミジン、2-メルカプト-4-メチルピリミジ
ンヒドロクロリド、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-ト
リアゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、3
-(5-メルカプトテトラゾール)-ベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム、N-メチル-N'-[3-(5-メルカプトテトラゾリ
ル)フェニル]ウレア、2-メルカプト-4-フェニルオキサ
ゾールなどが挙げられる。メルカプト化合物の添加量と
しては乳剤層(画像形成層)中に銀1モル当たり0.0001
〜1モルの範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1
モル当たり0.001〜0.3モルの量である。
【0120】画像形成層(感光性層)には、可塑剤およ
び潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第2,9
60,404号明細書に記載された種類のグリセリンおよびジ
オール)、米国特許第2,588,765号明細書および同第3,12
1,060号明細書に記載の脂肪酸またはエステル、英国特
許第955,061号明細書に記載のシリコーン樹脂などを用
いることができる。
【0121】熱現像画像記録材料には、画像形成層の付
着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。
表面保護層のバインダーとしてはいかなるポリマーを用
いてもよいが、カルボン酸残基を有するポリマーを100m
g/m2以上5g/m2以下含むことが好ましい。カルボキシル
残基を有するポリマーとしては、天然高分子(ゼラチ
ン、アルギン酸など)、変性天然高分子(カルボキシメチ
ルセルロース、フタル化ゼラチンなど)、合成高分子(ポ
リメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアルキルメ
タクリレート/アクリレート共重合体、ポリスチレン/ポ
リメタクリレート共重合体など)などが挙げられる。こ
のようなポリマーのカルボキシ残基の含有量としては、
ポリマー100 g当たり10 mmol以上1.4 mol以下であるこ
とが好ましい。また、カルボン酸残基はアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩
を形成してもよい。
【0122】表面保護層としてはいかなる付着防止材料
を使用してもよい。付着防止材料の例としては、ワック
ス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー性ブロック
コポリマー(例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン、
スチレン-イソプレン-スチレン)、酢酸セルロース、セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネ
ートやこれらの混合物などを挙げることができる。ま
た、表面保護層には、架橋のための架橋剤、塗布性改良
のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0123】画像形成層又は画像形成層の保護層には、
米国特許第3,253,921号明細書、同第2,274,782号明細
書、同第2,527,583号明細書、及び同第2,956,879号明細
書に記載されているような光吸収物質およびフィルター
染料を使用することができる。また、例えば米国特許第
3,282,699号明細書に記載されたように染料を媒染する
ことができる。フィルター染料の使用量としては露光波
長での吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ま
しい。
【0124】画像形成層には、色調改良、イラジエーシ
ョン防止の観点から各種染料や顔料を用いることができ
る。画像形成層に用いる染料又は顔料はいかなるもので
もよいが、例えば、カラーインデックス記載の顔料や染
料を用いることができ、具体的にはピラゾロアゾール染
料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、
オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染
料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、イ
ンドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする有
機顔料、無機顔料などを用いることができる。好ましい
染料としてはアントラキノン染料(例えば特開平5-34144
1号公報記載の化合物1〜9、特開平5-165147号公報記載
の化合物3-6〜18及び3-23〜38など)、アゾメチン染料
(特開平5-341441号公報記載の化合物17〜47など)、イン
ドアニリン染料(例えば特開平5-289227号公報記載の化
合物11〜19、特開平5-341441号公報記載の化合物47、特
開平5-165147号公報記載の化合物2-10〜11など)、及び
アゾ染料(特開平5-341441号公報記載の化合物10〜16)
が挙げられる。これらの染料の添加法としては、溶液、
乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された
状態などいかなる方法でもよい。これらの化合物の使用
量は目的の吸収量によって適宜決定できるが、一般的に
画像形成材料1m2あたり1μg以上1g以下の範囲で用いる
ことが好ましい。
【0125】熱現像画像記録材料は、支持体の一方の側
に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む画像形成層
を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面画
像記録材料であることが好ましい。バック層は、所望の
範囲での最大吸収が約0.3以上2.0以下であることが好ま
しい。所望の範囲が750〜1400 nmである場合には、750
〜360 nmにおいての光学濃度が0.005以上0.5未満である
ことが好ましく、さらに好ましくは0.001以上0.3未満の
光学濃度を有するハレーション防止層であることが好ま
しい。所望の範囲が750 nm以下である場合には、画像形
成前の所望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以下であり、さ
らに画像形成後の360〜750 nmの光学濃度が0.005以上0.
3 未満になるようなハレーション防止層であることが好
ましい。画像形成後の光学濃度を上記の範囲に下げる方
法は特に限定されないが、例えば、ベルギー特許第733,
706号明細書に記載されたように染料による濃度を加熱
による消色で低下させる方法、特開昭54-17833号公報に
記載の光照射による消色で濃度を低下させる方法等を採
用することができる。
【0126】ハレーション防止染料を使用する場合、染
料としては、所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後に
可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好まし
い吸光度スペクトルの形状が得られるものであれば、い
かなる染料を用いてもよい。例えば、単独の染料として
は、特開昭59-56458号公報、特開平2-216140号公報、同
7-13295号公報、同7-11432号公報、米国特許第5,380,63
5号明細書、特開平2-68539号公報(第13頁左下欄1行目
から同第14頁左下欄9行目)、同3-24539号公報(第14頁
左下欄から同第16頁右下欄)に記載の化合物を挙げるこ
とができ、処理で消色する染料としては、特開昭52-139
136号公報、同53-132334号公報、同56-501480号公報、
同57-16060号公報、同57-68831号公報、同57-101835号
公報、同59-182436 号公報、特開平7-36145号公報、同7
-199409号公報、特公昭48-33692号公報、同50-16648号
公報、特公平2-41734号公報、米国特許第4,088,497号明
細書、同4,283,487号明細書、同4,548,896号明細書、同
5,187,049号明細書などを挙げることができる。
【0127】バック層に好適に使用されるバインダーは
透明又は半透明で、一般に無色である。例えば、天然ポ
リマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィ
ルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴ
ム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロ
ース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポ
リ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレ
ン-無水マレイン酸)、コポリ(スチレン-アクリロニトリ
ル)、コポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(ビニルアセ
タール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ
(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタ
ン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ
(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニル
アセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類
がある。バインダーは水、有機溶媒、又はエマルジョン
から被覆形成してもよい。
【0128】片面画像記録材料は、搬送性改良のために
画像形成層(感光性乳剤層)の表面保護層及び/又はバ
ック層、あるいはバック層の表面保護層にマット剤を添
加しても良い。マット剤は、一般に水に不溶性の有機ま
たは無機化合物の微粒子である。マット剤としては任意
のものを使用でき、例えば米国特許第1,939,213号明細
書、同2,701,245号明細書、同2,322,037号明細書、同3,
262,782号明細書、同3,539,344号明細書、同3,767,448
号明細書等の各明細書に記載の有機マット剤、同1,260,
772号明細書、同2,192,241号明細書、同3,257,206号明
細書、同3,370,951号明細書、同3,523,022号明細書、同
3,769,020号明細書等の各明細書に記載の無機マット剤
など当業界で汎用のものを用いることができる。
【0129】例えば、マット剤として用いることのでき
る有機化合物の例としては、水分散性ビニル重合体の例
としてポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-α-メ
チルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン-ジビ
ニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエ
チレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンな
ど、セルロース誘導体の例としてはメチルセルロース、
セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオ
ネートなど、澱粉誘導体の例としてカルボキシ澱粉、カ
ルボキシニトロフェニル澱粉、尿素-ホルムアルデヒド-
澱粉反応物など、公知の硬化剤で硬化したゼラチン及び
コアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬
化ゼラチンなどを挙げることができる。無機化合物の例
としては、二酸化珪素、二酸化チタン、二酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、公知の方法で減感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラ
ス、珪藻土などを挙げることができる。マット剤として
は、必要に応じて異なる種類の物質を混合して用いるこ
とができる。マット剤の大きさ、形状は特に限定され
ず、任意の粒径又は形状のものを用いることができる。
マット剤としては、0.1μm〜30μm の粒径のものを用い
るのが好ましい。マット剤の粒径分布は狭くても広くて
もよい。一方、マット剤は、感材のヘイズや表面光沢に
大きく影響することから、マット剤作製時あるいは複数
のマット剤の混合により、粒径、形状、及び粒径分布を
適宜選択することが望ましい。
【0130】バック層にマット剤を添加するのは好まし
い態様であり、バック層のマット度としてはベック平滑
度が1200秒以下10秒以上が好ましく、さらに好ましくは
700秒以下50秒以上である。また、マット剤は画像記録
材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する
層、あるいは外表面に近い層に添加することが好まし
く、いわゆる保護層として作用する層に添加することも
好ましい。乳剤面保護層のマット度は星屑故障が生じな
ない範囲で適宜選択できるが、ベック平滑度が500秒以
上10,000秒以下が好ましく、特に500秒以上2,000秒以下
が好ましい。
【0131】本発明の熱現像画像記録材料では、 (a)還
元可能な銀塩、(b)還元剤、(c)バインダー、及び(d)フ
タラジン誘導体の水性可溶化物を含有する塗布液を用い
て、支持体上の少なくとも一方の同一面上に一又はそれ
以上の層を構成する。典型的には、一層の構成は、有機
銀塩、ハロゲン化銀、現像剤、及びバインダー、並びに
フタラジン誘導体の水性可溶化物からなる色調剤、被覆
助剤、及び他の補助剤などの所望による追加の材料を含
んでいる。典型的な二層の構成は、第1乳剤層(通常は
支持体に隣接した層)中に有機銀塩、ハロゲン化銀、還
元剤、バインダー、及びフタラジン誘導体の水性可溶化
物を含み、第2層又は両層中、又は第1層と第2層に振
り分けて他の成分を含んでいる。全ての成分を含む単一
乳剤層及び保護トップコートを含んでなる二層の構成と
してもよい。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色
についてこれらの二層の組合せを含んでいてもよく、ま
た、米国特許第4,708,928号明細書に記載されているよ
うに、単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染
料多色感光性熱現像写真材料の場合には、各乳剤層は、
一般に米国特許第4,460,681号明細書に記載されている
ように、各乳剤層(画像形成層)の間に官能性もしくは
非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区
別されて保持される。
【0132】画像形成層、保護層、バック層などの各層
には硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤の例としては、米国
特許第4,281,060号明細書、特開平6-208193号公報など
に記載されているポリイソシアネート類、米国特許第4,
791,042号明細書などに記載されているエポキシ化合物
類、特開昭62-89048号公報などに記載されているビニル
スルホン系化合物類などが用いられる。
【0133】画像記録材料には、塗布性、帯電改良など
を目的として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤と
しては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素
系などいかなる種類のものを使用してもよい。具体的に
は、特開昭62-170950号公報、米国特許第5,380,644号明
細書などに記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60
-244945号公報、特開昭63-188135号公報などに記載のフ
ッ素系界面活性剤、米国特許第3,885,965号明細書など
に記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6-301140
号公報などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオ
ン系界面活性剤などが挙げられる。
【0134】熱現像画像記録材料は、種々の支持体上に
被覆させることができる。典型的な支持体としては、ポ
リエステルフィルム、下塗りポリエステルフィルム、ポ
リ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレン
ナフタレートフィルム、硝酸セルロースフィルム、セル
ロースエステルフィルム、ポリ(ビニルアセタール)フ
ィルム、ポリカーボネートフィルム及び関連する、又は
樹脂状の材料、並びにガラス、紙、金属などを挙げるこ
とができる。可撓性基材、特に、バライタ及び/又は部
分的にアセチル化されたα-オレフィンポリマー、特に
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブテンコポ
リマーなどの炭素数2〜10のα-オレフィンのポリマーに
よりコートされた紙支持体が典型的に用いられる。この
ような支持体は透明又は不透明のいずれでもよいが、透
明であることが好ましい。これらのうちでも75〜200μ
m程度の2軸延伸したポリエチレンテレフタレート(P
ET)が特に好ましい。
【0135】一方、プラスチックフィルムを80℃以上の
処理の熱現像機に通すと一般にフィルムの寸法が伸縮す
る。処理後の材料を印刷製版用途として使用する場合、
この伸縮は精密多色印刷を行う時に重大な問題となる場
合がある。二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪み
を緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みをなくすた
めに、寸法変化の小さいフィルムを用いることが好まし
い。例えば、熱現像用画像形成用乳剤を塗布する前に10
0℃〜210℃の範囲で熱処理したポリエチレンテレフタレ
ートなどが好ましく用いられる。ガラス転移温度の高い
ものも好ましく、ポリエーテルエチルケトン、ポリスチ
レン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
アリレート、ポリカーボネート等が使用できる。
【0136】熱現像画像記録材料には、帯電防止の目的
で、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、
蒸着金属層、米国特許第2,861,056号明細書及び同第3,2
06,312号明細書に記載のようなイオン性ポリマー、又は
米国特許第3,428,451号明細書に記載のような不溶性無
機塩、特開昭60-252349号公報、同57-104931号公報に記
載されている酸化スズ微粒子などを含む層を設けてもよ
い。
【0137】本発明の熱現像画像記録材料を用いてカラ
ー画像を得る方法としては、特開平7-13295号公報(第1
0頁左欄43行目から11左欄40行目)に記載の方法があ
る。また、カラー染料画像の安定剤としては、例えば、
英国特許第1,326,889号明細書、米国特許第3,432,300号
明細書、同第3,698,909号明細書、同第3,574,627号明細
書、同第3,573,050号明細書、同第3,764,337号明細書、
及び同第4,042,394号明細書に例示されている。
【0138】本発明の熱現像画像記録材料において支持
体上に設けられる層は、浸漬コーティング、エアナイフ
コーティング、フローコーティング、又は米国特許第2,
681,294号明細書に記載の種類のホッパーを用いる押出
コーティングを含む種々のコーティング操作により被覆
することができる。所望により、米国特許第2,761,791
号明細書および英国特許第837,095号明細書に記載の方
法により2層又はそれ以上の層を同時に被覆することが
できる。
【0139】本発明の熱現像画像記録材料の中に追加の
層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容層、
反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップコー
ト層、及び光熱写真技術において既知のプライマー層な
どを含むことができる。本発明の熱現像画像記録材料
は、その記録材料一枚のみで画像形成できることが好ま
しく、受像層等の画像形成に必要な機能性層が別の材料
とならないことが好ましい。
【0140】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で現像されてもよいが、通常、イメージワイズに露光
した画像記録材料を昇温して現像される。用いられる熱
現像機の好ましい態様としては、熱現像画像記録材料を
ヒートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させる
タイプとして特公平5-56499号公報、特許公報第684453
号、特開平9-292695号公報、特開平9-297385号公報、及
び国際公開WO95/30934号に記載の熱現像機、非接触型の
タイプとして特開平7-13294号公報、国際公開WO97/2848
9号、同97/28488号、及び同97/28487号に記載の熱現像
機がある。特に好ましいのは非接触型の熱現像機であ
る。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、さら
に好ましくは100〜140℃である。現像時間としては1〜1
80秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。熱現像時
の寸法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃
以上115℃未満(好ましくは113℃以下)の温度で画像が
出ないようにして5秒以上加熱した後、110℃以上(好ま
しくは130℃以下)で熱現像して画像形成させる方法
(いわゆる多段階加熱方法)が有効である。
【0141】本発明の熱現像画像記録材料はいかなる方
法で露光されてもよいが、露光光源としてレーザー光が
好ましい。レーザー光としては、ガスレーザー、YAGレ
ーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好まし
い。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを
用いることもできる。熱現像画像記録材料の露光時のヘ
イズが低く、干渉縞が発生しやすい場合には、干渉縞発
生防止技術として、特開平5-113548号公報などに開示さ
れているレーザー光を画像記録材料に対して斜めに入光
させる技術や、国際公開WO95/31754号などに開示されて
いるマルチモードレーザーを利用する方法を採用するこ
とが好ましい。また、画像記録材料を露光するには、SP
IE vol.169 Laser Printing 116-128頁(1979)、特開平4
-51043号公報、国際公開WO95/31754号などに開示されて
いるようにレーザー光が重なるように露光し、走査線が
見えないようにすることが好ましい。
【0142】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
に用いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は
熱現像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機
は熱現像画像記録材料10を平面状に矯正及び予備加熱
しながら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(下部ロ
ーラーがヒートローラー)と熱現像後の熱現像後の熱現
像画像記録材料10を平面状に矯正しながら加熱部から
搬出する搬出ローラー対12を有する。熱現像画像記録
材料10は搬入ローラー対11から搬出ローラー対12
へと搬送される間に熱現像される。この熱現像中の熱現
像画像記録材料10を搬送する搬送手段は画像形成層を
有する面が接触する側に複数のローラー13が設置さ
れ、その反対側のバック面が接触する側には不織布(た
とえばポリフェニレンサルファイトやテフロンから成
る)等が貼り合わされた平滑面14が設置される。熱現
像画像記録材料10は画像形成層を有する面に接触する
複数のローラー13の駆動により、バック面は平滑面1
4の上を滑って搬送される。加熱手段はローラー13の
上部及び平滑面14の下部に熱現像画像記録材料10の
両面から加熱されるように加熱ヒーター15が設置され
る。この場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙げ
られる。ローラー13と平滑面14とのクリアランスは
平滑面の部材により異なるが、熱現像画像記録材料10
が搬送できるクリアランスに適宜調整される。好ましく
は0〜1mmである。
【0143】ローラー13の表面の材質、及び平滑面1
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像画像記録材料1
0の搬送に支障がなければいかなるものでもよいが、ロ
ーラー表面の材質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香
族ポリアミド又はテフロン(PTFE)製の不織布が好
ましい。加熱手段としては複数のヒーターを用い、それ
ぞれ加熱温度を自由に設定することが好ましい。なお、
熱現像処理部の上流の予備加熱部は、熱現像温度よりも
低く(例えば10〜30℃締度低く)、熱現像画像記録
材料中の水分を蒸発させるのに十分な温度及び時間に設
定することが望ましく、熱現像画像記録材料10の支持
体のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で、現像ム
ラが出ないように設定することが好ましい。
【0144】熱現像処理部の下流にはガイド板16が設
置され、さらに、徐冷部が設置される。ガイド板は熱伝
導率の低い素材が好ましく、熱現像画像記録材料に変形
が起こらないようにするために冷却は徐々に行うのが好
ましい。本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理を行
うための熱現像機の一例を説明したが、熱現像機の構成
は上記のものに限定されず、例えば特開平7-13294号公
報に記載のものなど、種々の構成のものであってもよ
い。また、多段加熱方法の場合は、上述のような装置に
おいて、加熱温度の異なる熱源を2個以上設置し、連続
的に異なる温度で加熱するようにすればよい。
【0145】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。
【0146】 (1)素材の略称 略称 化学名称、(メーカー、市販名称など) MP-203:変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203) PVA-205:ポリビニルアルコール (クラレ(株)製、ポバールPVA-205) PVA-405:ポリビニルアルコール (クラレ(株)製、ポバールPVA-405) GL-05:ポリビニルアルコール (日本合成化学(株)製、ゴーセノールGL-05) NK-05:ポリビニルアルコール (日本合成化学(株)製、ゴーセノールNK-05) 60SH03:水溶性セルロースエーテル(信越化学(株)製、メトロース60SH03) TPNSN(20):トリピロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20%水溶液 DBSN(5):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液
【0147】(2)フタラジン類のメタノール溶液調製処
方及び調製方法(比較例) 比較溶液S−1:フタラジンを20gに対してメタノール
80gの割合で両者を混合攪拌し均一溶液とした。 比較溶液S−2:前記例示化合物I−7を20gに対して
メタノール80gの割合で両者を混合攪拌し均一溶液とし
た。
【0148】(3)フタラジン誘導体の可溶化物M−1の
調製処方(完成分散物100g当りの割合)及び調製手
順 可溶化物M−1: 純水 89.4 g MP−203 4.0 g TPNSN(20) 1.6 g 例示化合物I−7 5.0 g 可溶化物の調製は、下記の工程で行った。室温(15〜
25℃)で純水を攪拌しながらMP−203が塊状にな
らない様に添加しそのまま10分間攪拌混合した。この
液の容器を外から加熱し、内温が65℃になるまで昇温
した後、1時間攪拌し均一に溶解した。攪拌したまま内
温を40℃以下まで降温した後にTPNSN(20)及び化合物I-7
を添加し、さらに1時間攪拌分散し透明な可溶化分散物
を得た。得られた可溶化物は、孔径3.0μmのポリプロピ
レン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去
して収納した。
【0149】(4)可溶化物M−2〜M−15の調製処方
(完成分散物100g当りの割合) 可溶化物の調製工程は、上記M−1の調製方法と同様に
して行った。 可溶化分散物M−2: 純水 62.97 g MP−203 6.0 g TPNSN(20) 9.6 g 例示化合物I−7(70%水溶液) 21.43 g
【0150】 可溶化分散物M−3: 純水 84.6 g MP−203 4.0 g DBSN(5) 6.4 g 例示化合物I−7(70%水溶液) 7.14 g
【0151】分散物M−4〜M−15は、前記分散物M
−1から下記の点を変更した他はM−1と同様な組成物
濃度及び工程で調製した。 可溶化分散物M−4:例示化合物I−7をI−5に等モ
ル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−5:例示化合物I−7をI−10に等
モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−6:例示化合物I−7をI−13に等
モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−7:例示化合物I−7をI−42に等
モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−8:例示化合物I−7をI−43に等
モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−9:例示化合物I−7をI−46に等
モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−10:例示化合物I−7をフタラジン
に等モル量に入れ替えた。 可溶化分散物M−11:MP−203をPVA−205
に等重量で入れ替えた。 可溶化分散物M−12:MP−203をPVA−405
に等重量で入れ替えた。 可溶化分散物M−13:MP−203を60SH03に
等重量で入れ替え、TPNSN(20)を2倍に増やした。 可溶化分散物M−14:MP−203をGL−05に等
重量で入れ替えた。 可溶化分散物M−15:MP−203をNK−05に等
重量で入れ替えた。
【0152】実施例1 (PET支持体の作成)テレフタル酸とエチレングリコ−
ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テ
トラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPET
を得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、
300℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後
の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作
成した。このフィルムを用いて、周速の異なるロ−ルを
用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を
実施した。この時の温度はそれぞれ110℃及び130℃であ
った。この後、240℃で20秒間熱固定後、これと同じ温
度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部
をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2
で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0153】(表面コロナ処理)ピラー社製ソリッドス
テートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を
室温下において20m/分で処理した。この時の電流及び電
圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処
理がなされていることがわかった。この時の処理周波数
は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランス
は1.6mmであった。
【0154】 (下塗り支持体の作成) (1)下塗層塗布液の作成 処方(感光層側下塗り層用) 高松油脂(株)製ペスレジンA-515GB (30wt%溶液) 234 g ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル (平均エチレンオキシド数=8.5) 10wt%溶液 21.5 g 綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91 g 蒸留水 744 ml
【0155】 処方(バック面第1層用) ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス 158 g (固形分40wt% 、ブタジエン/スチレン重量比=32/68) 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S− トリアジンナトリウム塩 8wt%水溶液 20 g ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1wt% 水溶液 10 ml 蒸留水 854 ml
【0156】 処方(バック面側第2層用) SnO2/SbO (9/1重量比、平均粒径0.038μm、17wt%分散物) 84 g ゼラチン(10%水溶液) 89.2 g 信越化学(株)製 メトローズTC-5(2%水溶液) 8.6 g 綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子) 0.01 g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1wt% 水溶液 10 ml NaOH(1%) 6 ml プロキセル(ICI社製) 1 ml 蒸留水 805 ml
【0157】(下塗り支持体の作成)上記厚さ175μmの2
軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞ
れに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(画像形成
層面)に下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット
塗布量が6.6 ml/m2(片面当たり)になるように塗布し
て180 ℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)
に下塗り塗布液処方をワイヤーバーでウエット塗布量
が5.7 ml/m2になるように塗布して180 ℃で5分間乾燥
し、さらに裏面(バック面)に下塗り塗布液処方をワ
イヤーバーでウエット塗布量が7.7 ml/m2になるように
塗布して180 ℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作成し
た。
【0158】(バック面塗布液の調製) (塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)塩
基プレカーサー化合物11を64 g、ジフェニルスルフォン
を28 gおよび花王(株)製界面活性剤デモールN 10 gを
蒸留水220 mlと混合し、混合液をサンドミル(1/4 Gall
onサンドグラインダーミル、アイメックス(株)製)を
用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの、塩基プレカ
ーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
【0159】(染料固体微粒子分散液の調製)シアニン
染料化合物13を9.6 gおよびP-ドデシルベンゼンスルフ
ォン酸ナトリウム5.8 gを蒸留水305 mlと混合し、混合
液をサンドミル(1/4 Gallonサンドグラインダーミル、
アイメックス(株)製)を用いてビーズ分散して平均粒
子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
【0160】(ハレーション防止層塗布液の調製)ゼラ
チン17 g、ポリアクリルアミド9.6 g、上記塩基プレカ
ーサーの固体微粒子分散液(a)70 g、上記染料固体微粒
子分散液56 g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均
粒子サイズ6.5μm)1.5 g、ベンゾイソチアゾリノン0.03
g、ポリエチレンスルフォン酸ナトリウム2.2 g、青色
染料化合物14を0.2 g、水を844 ml混合し、ハレーショ
ン防止層塗布液を調製した。
【0161】(バック面保護層塗布液の調製)容器を40
℃に保温し、ゼラチン50 g、ポリスチレンスルフォン酸
ナトリウム0.2g、N,N-エチレンビス(ビニルスルフォン
アセトアミド) 2.4 g、t-オクチルフェノキシエトキシ
エタンスルフォン酸ナトリウム1 g、ベンゾイソチアゾ
リノン30mg、N-パーフルオロオクチルスルフォニル-N-
プロピルアラニンカリウム塩37 mg、ポリエチレングリ
コールモノ(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-プ
ロピル-2-アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド
平均重合度15]0.15 g、C8F17SO3K 32 mg、C8F17SO2N(C3
H7)(CH2CH2O)4(CH2)4-SO3Na 64 mg、アクリル酸/エチ
ルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)8.8 g、
エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6
g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8
g、水を950 ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0162】(ハロゲン化銀乳剤1の調製)蒸留水1421
ccに1wt%臭化カリウム溶液8.0 ccを加え、さらに1N硝
酸を8.2 cc、フタル化ゼラチン20 gを添加した液をチタ
ンコートしたステンレス製反応壺中で攪拌しながら、37
℃に液温を保ち、硝酸銀37.04 gに蒸留水を加え159 ccに
希釈した溶液Aと臭化カリウム32.6 gを蒸留水にて容量
200 ccに希釈した溶液Bを準備し、コントロールダブル
ジェット法でpAgを8.1に維持しながら、溶液Aの全量を
一定流量で1分間かけて添加した。溶液Bは、コントロー
ルドダブルジェット法にて添加した。その後3.5wt%の過
酸化水素水溶液を30 cc添加し、さらにベンツイミダゾ
ールの3wt%水溶液を36 cc添加した。その後、再び溶液A
を蒸留水で希釈して317.5 ccにした溶液A2と、溶液Bに
対して最終的に銀1モル当たり1×10-4モルになるよう6
塩化イリジウム酸3カリウム塩を溶解し、液量を溶液B
の2倍の400ccまで蒸留水で希釈した溶液B2を用いて、や
はりコントロールドダブルジェット法にて、pAg を8.1
に維持しながら、一定流量で溶液A2を10分間かけて全量
添加した。溶液B2は、コントロールドダブルジェット法
で添加した。その後、5-メチル-2-メルカプトベンズイ
ミダゾールの0.5wt%メタノール溶液を50 cc添加し、さ
らに硝酸銀でpAgを7.5に上げてから1N硫酸を用いてpHを
3.8に調製し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程を行
い、脱イオンゼラチン3.5 gを加えて1Nの水酸化ナトリ
ウムを添加して、pH 6.0、pAg 8.2に調製してハロゲン化
銀分散物を作成した。
【0163】できあがったハロゲン化銀乳剤中の粒子
は、平均球相当径0.053μm、球相当径の変動係数18%の
純臭化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を
用い1000個の粒子の平均から求めた。この粒子の[100]
面比率は、クベルカムンク法を用いて85%と求められ
た。
【0164】上記乳剤を38℃に攪拌しながら維持して、
ベンゾイソチアゾリノンを0.035 g(3.5wt%メタノール
溶液で添加)加え、40分後に分光増感色素Aの固体分散
物(ゼラチン水溶液)を銀1モル当たり5×10-3モル加え、
1分後に47℃に昇温し、20分後にベンゼンチオスルフォ
ン酸ナトリウムを銀1モルに対して3×10-5モル加え、さ
らに2分後にテルル増感剤Bを銀1モル当たり5×10-5モル
加えて90分間熟成した。熟成終了間際に、N,N'-ジヒド
ロキシ-N"-ジエチルメラミンの0.5wt%メタノール溶液を
5 ccを加え、温度を31℃に下げ、フェノキシエタノール
の3.5wt%メタノール溶液5 cc、5-メチル-2-メルカプト
ベンヅイミダゾールを銀1モル当たり7×10- 3モル及び1-
フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾー
ルを銀1モルに対して6.4×10-3モルを添加して、ハロ
ゲン化銀乳剤1を作成した。
【0165】(ハロゲン化銀乳剤2の調製)ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温37℃を50℃
に変更する以外は同様にして平均球相当径0.08μm、球
相当径の変動係数15%の純臭化銀立方体粒子乳剤の調製
した。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/
分散を行った。さらに分光増感色素Aの添加量を銀1モル
当たり4.5×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にし
て分光増感、化学増感及び5-メチル-2-メルカプトベン
ヅイミダゾール、1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト
-1,3,4-トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤
2を得た。
【0166】(ハロゲン化銀乳剤3の調製)ハロゲン化
銀乳剤1の調製において、粒子形成時の液温37℃を27℃
に変更する以外は同様にして平均球相当径0.038μm、球
相当径の変動係数20%の純臭化銀立方体粒子乳剤の調製
した。ハロゲン化銀乳剤1と同様に沈殿/脱塩/水洗/
分散を行った。さらに分光増感色素Aの添加量を銀1モル
当たり6×10-3モルに変えた以外は乳剤1と同様にして
分光増感、化学増感及び5-メチル-2-メルカプトベンヅ
イミダゾール、1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-
1,3,4-トリアゾールの添加を行い、ハロゲン化銀乳剤3
を得た。
【0167】(塗布液用混合乳剤Aの調製)ハロゲン化
銀乳剤1を70重量%、ハロゲン化銀乳剤2を15重量%、
ハロゲン化銀乳剤3を15重量%溶解し、ベンゾチアゾリ
ウムヨーダイドを1wt%水溶液にて銀1モル当たり7×10
-3モル添加した。
【0168】(りん片状脂肪酸銀塩の調製)ヘンケル社
製ベヘン酸(製品名EdenorC22-85R)87.6 g、蒸
留水423 ml、5N-NaOH水溶液49.2 ml、tert-ブタノール1
20 mlを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン
酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4 gの水溶液
206.2ml(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635
mlの蒸留水と30 mlのtert−ブタノールを入れた反応容
器を30℃に保温し、撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウ
ム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞ
れ62分10秒と60分かけて添加した。このとき、硝酸銀水
溶液添加開始後7分20秒間は硝酸銀水溶液のみが添加さ
れるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加
開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後9分30秒間はベヘン
酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このと
き、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になる
ように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウ
ム溶液の添加系の配管は、スチームトレースにより保温
し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるように
スチーム開度を調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系
の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより
保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀
水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置と
し、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0169】ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そ
のままの温度で20分間撹拌放置し、25℃に降温した。そ
の後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝
導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀
塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエット
ケーキとして保管した。得られたベヘン酸銀粒子の形態
を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.
14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2、平
均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片
状の結晶であった。(a,b,cは本文の規定)
【0170】乾燥固形分100 g相当のウエットケーキに
対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217)7.4 g
および水を添加し、全体量を385 gとしてからホモミキ
サーにて予備分散した。次に予備分散済みの原液を分散
機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110S−E
H、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コ
ーポレーション製、G10Zインタラクションチャンバ
ー使用)の圧力を1750 kg/cm2に調節して、3回処理
し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換
器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、
冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定し
た。
【0171】(還元剤の25wt%分散物の調製)1,1-ビス
(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチ
ルヘキサン10 kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の20wt%水溶液10 kgに、水16
kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラ
リーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5 mmの
ジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:
アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、
ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2 gと水を加え
て還元剤の濃度が25wt%になるように調製し、還元剤分
散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元
剤粒子はメジアン径0.42μm、最大粒子径2.0μm以下で
あった。得られた還元剤分散物は孔径10.0μmのポリプ
ロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を
除去して収納した。
【0172】(メルカプト化合物の10wt%分散物の調
製)1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリ
アゾールを5 kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製ポバールMP203)の20wt%水溶液5 kgに、水8.3 kg
を添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリ
ーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5 mmのジ
ルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:ア
イメックス(株)製)にて6時間分散したのち、水を加
えてメルカプト化合物の濃度が10wt%になるように調製
し、メルカプト分散物を得た。こうして得たメルカプト
化合物分散物に含まれるメルカプト化合物粒子はメジア
ン径0.40μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られ
たメルカプト化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピ
レン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去
して収納した。また、使用直前に再度孔径10μmのポリ
プロピレン製フィルターにてろ過した。
【0173】(有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物
−1の調製)トリブロモメチルナフチルスルホン5 kgと
変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP20
3)の20wt%水溶液2.5 kgと、トリイソプロピルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムの20wt%水溶液213 gと、水10 k
gを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラ
リーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5 mmの
ジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:
アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾ
イソチアゾリノンナトリウム塩0.2 gと水を加えて有機
ポリハロゲン化合物の濃度が20wt%になるように調製
し、有機ポリハロゲン化合物分散物を得た。こうして得
たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲ
ン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm
以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物
は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を
行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0174】(有機ポリハロゲン化合物の25wt%分散物
−2の調製)有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物−
1と同様にして、ただしトリブロモメチルナフチルスル
ホン5 kgの代わりにトリブロモメチル(4−(2,4,
6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホ
ン5 kgを用いて分散し、この有機ポリハロゲン化合物が
25wt%となるように希釈してろ過を行った。こうして得
た有機ポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハ
ロゲン化合物粒子はメジアン径0.34μm、最大粒子径2.0
μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分
散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ
過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0175】(有機ポリハロゲン化合物の30wt%分散物
−3の調製)有機ポリハロゲン化合物の20wt%分散物−
1と同様にして、ただしトリブロモメチルナフチルスル
ホン5 kgの代わりにトリブロモメチルフェニルスルホン
5 kgを用い、20wt%MP203水溶液を5 kgとして分散し、こ
の有機ポリハロゲン化合物が30wt%となるように希釈し
てろ過を行った。こうして得た有機ポリハロゲン化合物
分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジア
ン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られ
た有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプ
ロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を
除去して収納した。また、収納後、使用までは10℃以下
で保管した。
【0176】(顔料の20wt%分散物の調製)C.I.Pigment
Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4 gに水250 g
を添加し、よく混合してスラリーとした。平均直径0.5
mmのジルコニアビーズ800 gを用意してスラリーと一緒
にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダー
ミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し顔料分
散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒
子は平均粒径0.21μmであった。
【0177】(SBRラテックス40wt%の調製)限外濾過(U
F)精製したSBRラテックスは以下のように得た。下記のS
BRラテックスを蒸留水で10倍に希釈したものをUF-精製
用モジュールFS03-FC-FUY03A1(ダイセン・メンブレン・
システム(株))を用いてイオン伝導度が1.5mS/cmになる
まで希釈精製し、三洋化成(株)製サンデット-BLを0.2
2wt%になるよう添加した。さらにNaOHとNH4OHを用いてN
a+イオン:NH4 +イオン=1:2.3(モル比)になるように
添加し、pH 8.4に調整した。この時のラテックス濃度は
40wt%であった。(SBRラテックス:-St(68)-Bu(29)-AA
(3)-のラテックス)平均粒径0.1μm、濃度45%、25℃60%R
Hにおける平衡含水率0.6wt%、イオン伝導度4.2mS/cm(イ
オン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM-30S
を使用しラテックス原液(40%)を25℃にて測定)、pH 8.2
【0178】(乳剤層(画像形成層)塗布液の調製)上
記で得た顔料の20wt%水分散物を1.1 g、有機酸銀分散物
103 g、ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)の
20wt%水溶液5 g、上記25wt%還元剤分散物25 g、有機ポ
リハロゲン化合物分散物-1,-2,-3を5:1:3(重量比)で
総量16.3 g、メルカプト化合物10%分散物6.2 g、限外濾
過(UF)精製しpH調整したSBRラテックス40wt%を106
g、フタラジン誘導体のメタノール溶液又は可溶化物
(種類と添加量は表1に記載)、ハロゲン化銀混合乳剤
Aの10 gを良く混合し、乳剤層塗布液を調製し、そのま
まコーティングダイへ70ml/m2となるように送液し塗布
した。上記乳剤層塗布液の粘度を東京計器のB型粘度計
で測定したところ、40℃(No.1ローター、60 rpm)で80
〜90[mPa・s]であった。また、レオメトリックスファー
イースト株式会社製RFSフルードスペクトロメーター
を使用した25℃での塗布液の粘度は、剪断速度が0.1、
1、10、100、1000[1/秒] においてそれぞれ1500、220、
70、40、20 [mPa・s]の±10%の範囲であった。
【0179】(乳剤面中間層塗布液の調製)ポリビニル
アルコールPVA-205(クラレ(株)製)の10wt%水溶液772g、
顔料の20wt%分散物5.3 g、メチルメタクリレート/スチ
レン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレ
ート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラ
テックス27.5wt%液 226 gにエアロゾールOT(アメリカン
サイアナミド社製)の5wt%水溶液を2 ml、フタル酸二ア
ンモニウム塩の20wt%水溶液を10.5 ml、総量880 gにな
るように水を加えて中間層塗布液とし、10 ml/m2になる
ようにコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB
型粘度計40℃(No.1ローター、60 rpm)で21[mPa・s]で
あった。
【0180】(乳剤面保護層第1層塗布液の調製)イナ
ートゼラチン64 gを水に溶解し、メチルメタクリレート
/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20
/5/2)ラテックス27.5wt%液80 g、フタル酸の10wt%メタ
ノール溶液を64 ml、4-メチルフタル酸の10wt%水溶液74
ml、1Nの硫酸を28 ml、エアロゾールOT(アメリカンサ
イアナミド社製)の5wt%水溶液を5 ml、フェノキシエタ
ノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1 gを加え、総
量750 gになるように水を加えて塗布液とし、4wt%のク
ロムみょうばん26 mlを塗布直前にスタチックミキサー
で混合したものを18.6 ml/m2になるようにコーティング
ダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1
ローター、60 rpm)で17[mPa・s]であった。
【0181】(乳剤面保護層第2層塗布液の調製)イナ
ートゼラチン80 gを水に溶解し、メチルメタクリレート
/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20
/5/2)ラテックス27.5wt%液102 g、N-パーフルオロオク
チルスルフォニル-N-プロピルアラニンカリウム塩の5wt
%溶液を3.2 ml、ポリエチレングリコールモノ(N-パーフ
ルオロオクチルスルホニル-N-プロピル-2-アミノエチ
ル)エーテル[エチレンオキシド平均重合度=15]の2wt%水
溶液を32 ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド
社製)の5wt%溶液を23 ml、ポリメチルメタクリレート微
粒子(平均粒径0.7μm) 4 g、ポリメチルメタクリレート
微粒子(平均粒径6.4μm)21 g、4-メチルフタル酸1.6
g、フタル酸8.1 g、1Nの硫酸を44 ml、ベンゾイソチア
ゾリノン10 mgに総量650 gとなるよう水を添加して、4w
t%のクロムみょうばんと0.67wt%のフタル酸を含有する
水溶液445 mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合し
たものを表面保護層塗布液とし、8.3 ml/m2になるよう
にコーティングダイへ送液した。塗布液の粘度はB型粘
度計40℃(No.1ローター,60 rpm)で9[mPa・s]であっ
た。
【0182】(熱現像画像記録材料の作成)上記下塗り
支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固
体微粒子染料の固形分塗布量が0.04 g/m2となるよう
に、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7
g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、ハレーショ
ン防止バック層を作成した。バック面と反対の面に下塗
り面から乳剤層(ハロゲン化銀の塗布銀量0.14 g/m2)、
中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライド
ビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像画像記録材
料の試料を作成した。また、乳剤層側塗布液のロングラ
ン適性を見るため、これらの液を12時間経時させた後に
再び塗布して経時前後での性能比較を行った。
【0183】塗布はスピード160 m/minで行い、コーテ
ィングダイ先端と支持体との間隔を0.14〜0.28 mmに、
また、塗布液の吐出スリット幅に対して塗布幅が左右と
もに各0.5 mm広がるように調節し、減圧室の圧力を大気
圧に対して392 Pa低く設定した。その際、支持体は帯電
しないようにハンドリング及び温湿度を制御し、さらに
塗布直前にイオン風で除電した。引き続くチリングゾー
ンでは、乾球温度が18℃、湿球温度が12℃の風を30秒間
吹き当てて塗布液を冷却した後、つるまき式の浮上方式
の乾燥ゾーンにて、乾球温度が30℃、湿球温度が18℃の
乾燥風を200 秒間吹き当て、さらに70℃の乾燥ゾーンを
20秒間通した後、90℃の乾燥ゾーンを10秒間通し、その
後25℃に冷却して、塗布液中の溶剤の揮発を行った。チ
リングゾーンおよび乾燥ゾーンでの塗布液膜面に吹き当
たる風の平均風速は7m/secであった。
【0184】(写真性能の評価)レーザー感光計(詳細は
下記)で写真材料を露光した後、写真材料を118℃で5
秒、続いて122℃で16秒間処理(熱現像)し、得られた画
像の評価を濃度計により行った。性能評価項目は、Dmi
n:最低濃度、感度(S1.0):最低濃度から1.0高い濃度
を与える露光量の逆数の比の相対値、Dmax:最高濃度
で評価した。試料No.101の塗布液経時されてない
時の感度を100としした。 レーザー感光計:35mW出力の660 nmダイオードレーザー2本を合波 シングルモード ガウシアンビームスポット1/e2が100μm 25μmピッチで副走査方向に送り、1画素を4回書き
【0185】
【表1】
【0186】(評価結果)比較試料のNo.101及び102で
は、経時による感度低下が大きかった。一方、本発明の
試料では、いずれも経時での感度変化が小さく安定して
いることが分かる。
【0187】実施例2 本実施例に用いた化合物を以下に示す。
【0188】
【化15】
【0189】
【化16】
【0190】(ハロゲン化銀乳剤の調製) (乳剤A)水700 mlにフタル化ゼラチン11 gおよび臭化
カリウム30 mg、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10
mgを溶解して温度55℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸
銀18.6 gを含む水溶液159 mlと臭化カリウムを1モル/リ
ットルで含む水溶液をpAg 7.7に保ちながらコントロー
ルダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。つい
で、硝酸銀55.5 gを含む水溶液476 mlと臭化カリウムを
1モル/リットルで含むハロゲン塩水溶液をpAg 7.7に保
ちながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間か
けて添加した。その後pHを下げて凝集沈降させて脱塩処
理をし、化合物Aを0.17 g、脱イオンゼラチン(カルシ
ウム含有量として20 ppm以下)を23.7 g加え、pH 5.9、
pAg 8.0に調整した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.1
1μm、投影面積変動係数8%、(100)面比率93%の立方体粒
子であった。
【0191】こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇
温して銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウ
ム76μモルを添加し、3分後にチオ硫酸ナトリウム154μ
モルを添加して、100分熟成した。その後、40℃に温度
を保ち、ハロゲン化銀1モルに対して2.7×10-3モルの増
感色素A、8.2×10-3モルの化合物Bを攪拌しながら添
加し、20分後に30℃に急冷してハロゲン化銀乳剤Aの調
製を終了した。
【0192】(有機酸銀分散物の調製) (有機酸銀A)アラキジン酸6.1 g、ベヘン酸37.6 g、
蒸留水700 ml、tert-ブタノール70 ml、1N-NaOH水溶液1
23 mlを混合し、75℃で1時間撹拌し反応させ、65℃に降
温した。次いで、硝酸銀22 gの水溶液112.5 mlを45秒か
けて添加し、そのまま5分間放置し、30℃に降温した。
その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝
導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた
固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして取り扱
い、乾燥固形分100 g相当のウエットケーキに対し、ポ
リビニルアルコール(商品名:PVA-217)2.0 gおよび水を
添加し、全体量を500 gとしてからホモミキサーにて予
備分散した。
【0193】次に予備分散済みの原液を分散機(商品
名:マイクロフルイダイザーM−110S−EH、マイ
クロフルイデックス・インターナショナル・コーポレー
ション製、G10Zインタラクションチャンバー使用)
の圧力を1750 kg/cm2に調節して、3回処理し、有機酸
銀分散物Aを得た。こうして得た有機酸銀分散物に含ま
れる有機酸銀粒子は平均短径0.04μm、平均長径0.8μ
m、変動係数30%の針状粒子であった。粒子サイズの測定
は、Malvern Instruments Ltd.製MasterSizerXにて行っ
た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャ
ンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節すること
で所望の分散温度に設定した。こうして、ベヘン酸銀含
有率85モル%の有機酸銀Aを調製した。
【0194】(還元剤の25wt%分散物の調製)1,1-ビス
(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチ
ルヘキサン10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ
(株)製、ポバールMP203)の20wt%水溶液10kgに、水16 k
gを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラ
リーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5 mmの
ジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:
アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、
ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2 gと水を加え
て還元剤の濃度が25wt%になるように調製し、還元剤分
散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元
剤粒子はメジアン径0.44μm、最大粒子径2.0μm以下で
あった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロ
ピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除
去して収納した。
【0195】(有機ポリハロゲン化合物−H1の固体微
粒子分散物の調製) 化合物−H1:トリブロモメチル(4−(2,4,6−
トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホン10
kgと、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバ
ールMP203)の20wt%水溶液10 kgと、トリイソプロピル
ナフタレンスルホン酸ナトリウムの20wt%水溶液639 g
と、サーフィノール104E(日信化学(株)製)400
gと、メタノール640 gと水16 kgを添加して、よく混合
してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポン
プで送液し、平均直径0.5 mmのジルコニアビーズを充填
した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)に
て5時間分散したのち水を加えて有機ポリハロゲン化合
物の濃度が25wt%になるように調製し、固体分散物を得
た。こうして得た分散物に含まれる有機ポリハロゲン化
合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm以下
であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピ
レン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去
して収納した。
【0196】(有機ポリハロゲン化合物−H2の固体微
粒子分散物の調製) 化合物−H2:トリブロモメチルナフチルスルホン5 kg
と変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP
203)の20wt%水溶液2.5 kgと、トリイソプロピルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムの20wt%水溶液213 gと、水10
kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このス
ラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5 mm
のジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−
2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベ
ンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2 gと水を加えて
化合物−H2の濃度が20wt%になるように調製し、分散
物を得た。こうして得た固体微粒子分散物に含まれる粒
子はメジアン径0.38μm、最大粒子径2.0μm以下であっ
た。得られた分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フ
ィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納
した。
【0197】(化合物−Zの固体微粒子分散物の調製)
前記化合物−Zを7.5 kgに対してクラレ(株)製MPポリ
マーのMP-203を 3 kgと水50 kgを添加してよく撹拌し
た。その後、有機ポリハロゲン化合物−H1の固体微粒
子分散物の調製と同様にして分散して化合物−Zの濃度
が10wt%になるように希釈し濾過した。こうして得た分
散物に含まれる化合物−Zの粒子はメジアン径0.35μ
m、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた分散物
は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過
を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0198】(硬調化剤の固体微粒子分散物の調製)例
示化合物62を4 kgに対してクラレ(株)製ポバールPVA-
217を1 kgと水30 kgとを添加してよく撹拌してスラリー
とし、その後、有機ポリハロゲン化合物−H1の固体微
粒子分散物の調製と同様にして分散して例示化合物62
の濃度が10wt%になるように希釈し濾過した。こうして
得た分散物に含まれる例示化合物62の粒子はメジアン
径0.31μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた
分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターに
てろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0199】(乳剤層塗布液の調製)上記で作成した有
機酸銀微結晶分散物の銀1モルに対して、以下のバイン
ダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、水
を加えて、乳剤層塗布液とした。 バインダー;ラックスター3307B 固形分として 470 g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 還元剤の25wt%分散物 還元剤の固形分として 166 g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA-235) 12.1 g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 0.15 g 6-メチルベンゾトリアゾール 1.36 g 化合物−Zの固体分散物 化合物−Zとして 10.5 g ポリハロゲン化合物−H1の固体分散物 化合物−H1として 39.5 g ポリハロゲン化合物−H2の固体分散物 化合物−H2として 12.5 g 燐酸2水素ナトリウム 0.36 g フタラジン誘導体の可溶化物など 表2に記載の種類と量 染料A 0.50 g ハロゲン化銀乳剤A Ag量として 0.05 mol 硬調化剤例示化合物62の固体分散物 化合物62として 17.1 g
【0200】(乳剤面保護層塗布液の調製)固形分27.5
wt%のポリマーラテックス(メチルメタクリレート/ス
チレン/2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート/アクリル酸=59/9/26/5/1
の共重合体でガラス転移温度55℃)109 gにH2O 3.75 g
を加え、造膜助剤としてベンジルアルコール4.5 g、化
合物Dを0.45 g、化合物Eを0.125g、4-メチルフタル酸
を1.70 g、化合物Fを0.59 gおよびポリビニルアルコー
ル(クラレ(株)製,PVA-235)0.285 gを加え、さらにH2
Oを加えて、150 gとし、塗布液とした。
【0201】<バック/下塗り層のついたPET支持体の
作成> (1)支持体 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、IV(固有粘度)=0.66(フェノール/テトラクロル
エタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得
た。これをペレット化した後、130℃で4時間乾燥し、3
00℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後
の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フィルムを
作成した。このフィルムを用いて、周速の異なるロール
で3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実
施した。このときの温度はそれぞれ、110℃、130℃であ
った。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度
で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部
をスリットした後、両端にナール加工を行い、4.8 kg/c
m2で巻きとった。このようにして、幅2.4 m、長さ3500
m、厚み120μmのロールを得た。
【0202】 (2)下塗り層(a) ポリマーラテックス− スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビニルベンゼン =67/30/2.5/0.5(重量%) 160 mg/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン 4 mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 3 mg/m2
【0203】 (3)下塗り層(b) アルカリ処理ゼラチン (Ca2+含量30 ppm、ゼリー強度230 g) 50 mg/m2 染料A 780 nmの光学濃度が0.6になる塗布量
【0204】 (4)導電層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製) 96 mg/m2 ゼラチン 50 mg/m2 化合物A 0.2 mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10 mg/m2 スミテックスレジンM-3 18 mg/m2 (水溶性メラミン化合物 住友化学工業(株)製) 染料A 780nmの光学濃度が0.6になる塗布量 SnO2/Sb(9/1重量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30;石原産業(株)製) 120 mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7 mg/m2
【0205】 (5)保護層 ポリマーラテックス− メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸 =59/9/26/5/1(重量%の共重合体) 1000 mg/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 2.6 mg/m2 セロゾール524(中央油脂(株)製) 30 mg/m2 スミテックスレジンM-3 218 mg/m2 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製)
【0206】支持体の片面に下塗り層(a)と下塗り層(b)
を順次塗布し、それぞれ180℃、4分間乾燥した。つい
で、下塗り層(a)と下塗り層(b)を塗布した反対側の面に
導電層と保護層を順次塗布し、それぞれ180℃、30秒間
乾燥してバック/下塗り層のついたPET支持体を作成し
た。このようにして作成したバック/下塗り層のついた
PET支持体を150℃に設定した全長30 mの熱処理ゾーンに
入れ、張力14 g/cm2、搬送速度20m/分で自重搬送し
た。その後、40℃のゾーンに15秒間通し、10 kg/cm2
巻き取り張力で巻き取った。
【0207】(熱現像画像記録材料の調製)前記バック
/下塗り層のついたPET支持体の下塗り層の上に前記の
乳剤層塗布液を塗布銀量1.7 g/m2になるように塗布し
た。さらにその上に、前記乳剤面保護層塗布液をポリマ
ーラテックスの固形分の塗布量が2.0 g/m2になるように
塗布した。また、乳剤層塗布液のロングラン適性を見る
ために12時間経時させてから同様にして塗布を行った。
【0208】(乳剤層塗布液の濾過性評価)前記で調製
した乳剤層塗布液の一部を採取し、孔径10μmのポリプ
ロピレン製フィルターにて濾過(濾過面積:0.79 cm2
送液速度:20 ml/min、濾過総量:500ml)を行い、フィ
ルター直前の液内圧を測定することで濾過性を評価し
た。濾過圧の上昇度合いにより5段階評価した。 ランク: ◎ : 内圧上昇が0〜0.02 kgf/cm2以内であり、良好に送液で きる。 ○ : 内圧上昇が0.02〜0.05 kgf/cm2以内で送液できる。 △ : 内圧上昇が0.05〜0.10 kgf/cm2で許容限界レベル。 × : 内圧上昇が0.10〜0.20 kgf/cm2で所定量を安定に送液で きない。 ×× : 内圧上昇が0.20 kgf/cm2以上で送液できない。
【0209】(写真性能の評価) (露光処理)得られた熱現像画像記録材料を、ビーム径
(ビーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出
力50 mW、出力波長783 nmの半導体レーザーを搭載した
単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用
し、ミラーの回転数を変化させることにより露光時間
を、出力値を変えることにより露光量を調整し、2×10
-8秒で露光した。この時のオーバーラップ係数0.449に
した。
【0210】(熱現像処理)露光済みの熱現像画像記録材
料を図1の熱現像機の予備加熱部Aの金属ローラー/シ
リコンゴムローラーを3対から6対にした熱現像機を用
いて、熱現像処理を行った。熱現像処理部のローラー表
面材質はシリコンゴム、平滑面はテフロン不織布にし
て、搬送の線速度20 mm/秒で予備加熱部18秒(予備加熱
部と熱現像処理部の駆動系は独立しており、熱現像部と
の速度差は-0.5%〜-1%に設定、各予熱部の金属ローラー
の温度設定、時間は第1ローラー温度65℃、3秒、第2
ローラー温度78℃、3秒、第3ローラー温度95℃、3秒、
第4ローラー温度温度109℃、3秒、第5ローラー温度11
5℃、3秒、第6ローラー温度119℃、3秒にした)、熱現
像処理部119℃(熱現像画像記録材料面温度)で17秒、
徐冷部 20秒(119℃から70℃に連続的に20秒かけて低下
させ、冷却速度としては-2.45℃/秒であった)で熱現像
処理を行った。なお、幅方向の温度精度は±1℃であっ
た。各ローラー温度の設定は熱現像画像記録材料の幅
(例えば幅61cm)よりも両側をそれぞれ5 cm長くして、
その部分にも温度をかけて温度精度が出るようにした。
なお、各ローラーの両端部分は温度低下が激しいので、
ローラー中央部よりも1〜3℃温度が高くなるように設定
し、熱現像画像記録材料(例えば幅61 cmの中で)の画
像濃度が均質な仕上がりになるように留意した。
【0211】(写真性能の評価)得られた画像の評価を濃
度計により行った。測定の結果は、Dmax、カブリ(Dmi
n)、感度(Dminより1.5高い濃度を与える露光量の逆数の
比の相対値であり数値が大きいほど感度が高いことを現
す)、γ(コントラスト:露光量の対数を横軸として濃
度0.3と3.0の点を結ぶ直線の傾きで表わした値)で評価
した。感度(S1.5)についてはサンプルNo.202の感度
を100とした。
【0212】
【表2】
【0213】(結果)試料No.201では、乳剤塗布液の濾
過性は良好であるが現像が殆ど起こらない。試料No.202
及び203では、濾過性が悪く乳剤塗布液経時での感度低
下が大きく不安定である。一方、本発明試料No.204から
215では、濾過性が良好で乳剤塗布液経時での感度変化
も非常に改良されていることが分かる。本発明試料は、
いずれも塗布面質が良好であった。
【0214】
【発明の効果】本発明によれば、塗布液の製造適性及び
画像記録材料製造のロングラン適性に優れ、デイスクリ
ミュネーションが良い医療診断用及び印刷製版用の熱現
像画像記録材料を提供することができる。
【0215】
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 熱現像画像記録材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)還元可能な銀塩、(b)還元剤、
    (c)バインダー、及び(d)親水性高分子化合物及び
    界面活性剤を含むフタラジン誘導体の水性可溶化物を含
    む混合物を支持体の少なくとも一方の同一面上に塗布
    し、乾燥して得られる熱現像画像記録材料。
  2. 【請求項2】 感光性ハロゲン化銀を含有する請求項1
    に記載の熱現像画像記録材料。
  3. 【請求項3】 超硬調化剤を含有する請求項1又は2に
    記載の熱現像画像記録材料。
  4. 【請求項4】 親水性高分子化合物がポリビニルアルコ
    ール、変性ポリビニルアルコール、親水性ポリビニルア
    セタール、及びセルロース類からなる群から選ばれる親
    水性高分子化合物である請求項1から3のいずれか1項
    に記載の熱現像画像記録材料。
  5. 【請求項5】 界面活性剤がアニオン性界面活性剤であ
    る請求項1から4のいずれか1項に記載の熱現像画像記
    録材料。
  6. 【請求項6】 フタラジン誘導体が下記の一般式
    (1): 【化1】 (式中、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16はそ
    れぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表し、これら
    の置換基は互いに結合して環を形成してもよい。ただ
    し、R11、R12、R13、R14、R15、及びR16が同時に
    水素原子であることはない)で表わされるフタラジン誘
    導体である請求項1から5のいずれか1項に記載の熱現
    像画像記録材料。
  7. 【請求項7】 フタラジン誘導体の可溶化物が、一般式
    (1)で表わされる化合物の1重量部に対して0.1か
    ら0.5重量部の水を含む水性調製物を用いて可溶化さ
    れたものである請求項6の熱現像画像記録材料。
  8. 【請求項8】 フタラジン誘導体が6−イソプロピルフ
    タラジンである請求項1から7のいずれか1項に記載の
    熱現像画像記録材料。
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