JP2000298327A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2000298327A
JP2000298327A JP11106841A JP10684199A JP2000298327A JP 2000298327 A JP2000298327 A JP 2000298327A JP 11106841 A JP11106841 A JP 11106841A JP 10684199 A JP10684199 A JP 10684199A JP 2000298327 A JP2000298327 A JP 2000298327A
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Tadashi Ito
忠 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低カブリで、高Dmax、高感度で硬調性に
優れ、UV域でのカブリが低い熱現像感光材料を提供す
る。 【解決手段】 AgCl含有率60mol%以上の感光性ハ
ロゲン化銀を含有する画像形成層を有し、この層側に造
核剤と、ヒドロキシ基のオルト位またはパラ位にアミノ
基またはその誘導基を有する特定構造のフェノール誘導
体とを含有させた熱現像感光材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
するものであり、特に写真製版用に適したスキャナー、
イメージセッター用熱現像感光材料に関し、さらに詳し
くは、カブリが低く、高感度でかつ硬調で、高い黒化濃
度(Dmax)有し、UV域でのDmin(カブリ)の
低い写真性能を得ることが可能な写真製版用熱現像感光
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】支持体上に感光性層を有し、画像露光す
ることで画像形成を行う感光材料は、数多く知られてい
る。それらの中でも、環境保全や画像形成手段が簡易化
できるシステムとして、熱現像により画像を形成する技
術が挙げられる。
【0003】近年写真製版分野において環境保全、省ス
ペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。
そこで、レーザー・スキャナーまたはレーザー・イメー
ジセッターにより効率的に露光させることができ、高解
像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成するこ
とができる写真製版用途の熱現像感光材料に関する技術
が必要とされている。これら熱現像感光材料では、溶液
系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損な
わない熱現像処理システムを顧客に対して供給すること
ができる。
【0004】熱現像により画像を形成する方法は、例え
ば米国特許第3,152,904号、同3,457,075号、およびD.
モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による
「熱によって処理される銀システム(Thermally Proces
sed Silver Systems)A」(イメージング・プロセッシ
ーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and M
aterials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.
ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ(Shepp)
編集、第2頁、1969年)に記載されている。このような
感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀
塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、お
よび銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に
分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定で
あるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場
合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元
剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸
化還元反応は露光で発生した潜像の触媒作用によって促
進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって
生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対
照をなし、画像の形成がなされる。
【0005】また、従来から前記熱現像感光材料は知ら
れているが、これらの多くはトルエン、メチルエチルケ
トン(MEK)、メタノールなどの有機溶剤を溶媒とす
る塗布液を塗布することにより感光層を形成している。
有機溶剤を溶媒として用いることは、製造工程での人体
への悪影響だけでなく溶剤の回収その他のためコスト上
も不利である。
【0006】そこでこのような心配のない水溶媒の塗布
液を用いて画像形成層(以降「水系画像形成層」ともい
う。)を形成する方法が考えられている。例えば特開昭
49-52626号、特開昭53-116144号などにはゼラチンをバ
インダーとする例が記載されている。また特開昭50-151
138号にはポリビニルアルコールをバインダーとする例
が記載されている。
【0007】さらに特開昭60-61747号にはゼラチンとポ
リビニルアルコールを併用した例が記載されている。こ
れ以外の例として特開昭58-28737号には水溶性ポリビニ
ルアセタールをバインダーとする画像形成層の例が記載
されている。
【0008】確かにこのようなバインダーを用いると水
溶媒の塗布液を用いて画像形成層を形成することができ
て環境面、コスト面のメリットは大きい。
【0009】しかしながら、ゼラチン、ポリビニルアル
コール、水溶性ポリアセタールなどのポリマーをバイン
ダーとして用いると、有機銀塩との相溶性が悪く、塗布
面質上実用に耐える塗布物が得られないばかりでなく、
現像部の銀色調が本来好ましいとされる黒色からかけ離
れた茶色や黄色になったり、露光部の黒化濃度が低く未
露光部の濃度が高い等商品価値の著しく損なわれたもの
しか得られなかった。
【0010】欧州特許762,196号、特開平9-90550号公報
等に熱現像感光材料に用いる感光性ハロゲン化銀粒子に
周期律表第VII族またはVIII族(7〜10族)の金属イ
オンまたは金属錯体イオンを含有させること、および感
光材料中にヒドラジン誘導体を含有させて高コントラス
トな写真特性を得ることができることが開示されてい
る。しかし、前述の水溶媒の塗布液で用いるバインダー
とヒドラジン誘導体のような造核剤を併用すると、高コ
ントラストな画像を得ることができるが、同時に高感度
で高い黒化濃度を実現しようとするとカブリが生じやす
く、実用に耐えないという問題があった。また、これら
はいずれも感光性ハロゲン化銀として、臭化銀を用いて
おり、製版用に用いるためには刷版に焼き付ける際の光
源の波長であるUV域でのDminが高いという問題が
あった。一方、高塩化銀化することでUV域のDmin
を低減できるが、さらにカブリやすく、高感度で硬調な
画像が得られないなどの問題があった。
【0011】そこで、カブリが低く、高感度かつ硬調
で、高い黒化濃度(Dmax)、UV域での低いDmi
nの写真性能を得ることが可能で、環境面・コスト面で
有利な熱現像感光材料を提供する技術が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の解決
しようとする第一の課題は、特に写真製版用、特にスキ
ャナー、イメージセッター用として、カブリが低く、高
感度かつ硬調で、高い黒化濃度(Dmax)、特にUV
域でのDminが低い写真特性の得られる熱現像感光材
料を提供することである。
【0013】さらに、本発明の解決しようとする第二の
課題は環境面・コスト面で有利な水系塗布可能な熱現像
感光材料を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題は下記手段によ
って達成された。すなわち、本発明は下記のとおりであ
る。 (1) 支持体上に非感光性銀塩、感光性ハロゲン化銀
およびバインダーを有する熱現像感光材料において、塩
化銀含有率60mol%以上の感光性ハロゲン化銀を含有する
画像形成層を有し、この画像形成層を有する側に造核剤
および下記式(A)で表される化合物をそれぞれ少なくと
も一種含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0015】
【化3】
【0016】[式(A)において、R1、R2およびR3
はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素
原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子
でベンゼン環に結合する置換基を表す。X1およびX2
それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原
子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子で
ベンゼン環に結合する置換基を表す。ただしX1および
2の少なくとも一方は−NR45で表される基であ
る。R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または
−C(=O)−R6、−C(=O)−C(=O)−R6
−SO2−R6、−SO−R6、もしくは−P(=O)
(−R6)−R7で表される基である。R6およびR7はそ
れぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基およびアリールオキシ基から選
ばれる基である。これらの置換基はそれぞれ隣接する基
同士が結合して環を形成してもよい。] (2) 造核剤が下記式(1)で表される置換アルケン誘
導体、下記式(2)で表される置換イソオキサゾール誘導
体、および下記式(3)で表される特定のアセタール化合
物から選ばれる化合物である上記(1)に記載の熱現像
感光材料。
【0017】
【化4】
【0018】[式(1)において、R11、R12およびR13
は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは
電子吸引性基またはシリル基を表す。式(1)において、
11とZ、R12とR13、R11とR12、およびR13とZ
は、それぞれ互いに結合して環状構造を形成していても
よい。式(2)において、R14は置換基を表す。式(3)に
おいて、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子または置
換基を表し、AおよびBはそれぞれ独立にアルコキシ
基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールオキ
シ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ
基、ヘテロ環チオ基またはヘテロ環アミノ基を表す。式
(3)において、XとY、およびAとBは、それぞれ互い
に結合して環状構造を形成していてもよい。] (3) 前記感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層
のバインダーの50重量%以上としてガラス転移温度−
30℃以上40℃以下のポリマーのラテックスが用いら
れる上記(1)または(2)に記載の熱現像感光材料。 (4) 塩化銀含有率60mol%以上の感光性ハロゲン化銀
において、少なくとも一種類の周期律表の第VIII族金属
またはその金属錯体を含有する上記(1)、(2)また
は(3)に記載の熱現像感光材料。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱現像感光材料は、支持体上に非感光性銀塩と
して有機銀塩、感光性ハロゲン化銀およびバインダーを
含有する画像形成層(すなわち感光性層)を有する。こ
の場合、画像形成層に含有される感光性ハロゲン化銀は
塩化銀含有率が60mol%以上であり、画像形成層と同じ
側の層に造核剤および式(A)で表される化合物を含有
する。これにより、低カブリで高感度、高Dmaxであ
り、UV域で低カブリである熱現像感光材料が得られ
る。これに対し、塩化銀含有率が60mol%未満となると
UV域での低カブリが実現できず製版用に適さない。ま
た、造核剤を含有させないと、硬調性が得られず、式
(A)で表される化合物を含有させないと、感度が低下
し、硬調性が十分でない。
【0020】造核剤としては式(1)〜式(3)で表さ
れる化合物を用いることが好ましく、感光性ハロゲン化
銀は、後述のように、周期律表の第VIII族(8〜10
族)金属およびその金属錯体から選ばれる一種類を含有
することが好ましい。これにより、本発明の効果が向上
する。
【0021】本発明の熱現像感光材料に用いられる感光
性ハロゲン化銀は、塩化銀含有率60mol%以上、好ましく
は塩化銀含有率70mol%以上100mol%以下の塩臭化銀、塩
沃臭化銀、塩化銀である。本発明に用いる塩沃臭化銀の
ヨウ度含有量としては、UV域の吸収を低減させる目的
から2mol%以下が好ましく、さらには1mol%以下が好まし
い。本発明に用いる塩化銀含有率60mol%以上、特に80mo
l%以上の高塩化銀粒子の場合は、粒子表面に臭化銀含有
率が基質に比べて相対的に高い臭化銀局在相を有するこ
とが好ましい。局在構造の好ましい例としては、薄い殻
状構造でもよいが、粒子の結晶表面のエッジ部やコーナ
ー部、あるいは結晶面に突起状に局在相を有するもので
あってもよい。局在相中のハロゲン組成は臭化銀含有率
において、10mol%以上95mol%以下であればよく、15mol%
以上90mol%以下であることが好ましい。さらには20mol%
以上60mol%以下であることが好ましい。
【0022】これらの局在相は全ハロゲン化銀粒子を構
成するハロゲン化銀のうちの0.03mol%以上20mol%以下を
占めることが好ましく、さらには0.1mol%以上15mol%以
下を占めることが好ましい。局在相は単一のハロゲン組
成から成る必要はなく、明確に臭化銀含有率の異なる二
つ以上の局在相を有していてもよく、また局在相以外の
他の相との界面がハロゲン組成において連続的に変化し
ながら形成されているようなものでもよい。
【0023】上述のような臭化銀局在相を形成するに
は、すでに形成されている塩化銀または高塩化銀粒子を
含む乳剤に水溶性銀塩と水溶性臭化物を含む水溶性ハロ
ゲン塩を同時混合法で反応させて沈積させたり、同じく
すでに形成されている塩化銀または高塩化銀粒子の一部
のいわゆるハロゲン変換法を用いて臭化銀富有相に変換
したり、あるいは塩化銀または高塩化銀粒子よりも粒子
サイズにおいて同等以下の微粒子の臭化銀または高臭化
銀粒子、その他難溶性銀塩を添加して塩化銀または高塩
化銀粒子表面に再結晶化させることで形成させることも
できる。
【0024】このような製造法については、例えば欧州
特許第273,430号にも記載されている。
【0025】局在相の臭化銀含有率は、X線回折法(例
えば「日本化学会編、新実験化学講座6、構造解析」丸
善、に記載)あるいはX線光電子分光(XPS)法(例
えば「表面分析、−IMA、オージェ電子・光電子分光
の応用−」講談社、に記載)等を用いて分析することが
できる。また、臭化銀局在相を電子顕微鏡や前述の欧州
特許第273,430号に記載の方法によって知ることもでき
る。
【0026】このような方法の中で、本発明において特
に有用な臭化銀局在相の形成方法は粒子中または化学熟
成する際に高塩化銀粒子の表面に臭化銀をを形成する方
法であり、具体的には、高塩化銀粒子よりも溶解度の高
い微粒子臭化銀または塩臭化銀を添加させて、高塩化銀
粒子上に臭化銀または塩臭化銀の局在相を形成させるこ
とが、高感度で低カブリの点で好ましい。
【0027】感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界で
はよく知られており、例えばリサーチディスクロージャ
ー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458
号に記載されている方法を用いることができるが、具体
的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化
合物およびハロゲン供給化合物を添加することにより感
光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合す
る方法を用いる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、
画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいこと
が好ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.
01μm以上0.15μm以下、更に好ましくは0.02μm以上0.
12μm以下がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲ
ン化銀粒子が立方体あるいは八面体のいわゆる正常晶で
ある場合にはハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。ま
た、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には主表
面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径をい
う。その他正常晶でない場合、例えば球状粒子、棒状粒
子等の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を
考えたときの直径をいう。
【0028】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:1がよい。更
に、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ま
しく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外
表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はない
が、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い
[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合
としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、
80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増
感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性
を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記
載の方法により求めることができる。
【0029】本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期
律表の第VIII族(8〜10族)の金属または金属錯体を
含有することが好ましい。周期律表の第VIII族の金属ま
たは金属錯体の中心金属として好ましくはロジウム、ル
テニウム、オスミウム、イリジウムである。これら金属
錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属の錯
体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モ
ルに対し1×10-9モルから1×10-3モルの範囲が好
ましく、1×10-8モルから1×10-4モルの範囲がよ
り好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7-
225449号等に記載された構造の金属錯体を用いることが
できる。
【0030】本発明に用いられるロジウム化合物として
は、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。例え
ば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジウ
ム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト
等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム(III)
錯塩、ペンタクロロアコロジウム(III)錯塩、テトラ
クロロジアコロジウム(III)錯塩、ヘキサブロモロジ
ウム(III)錯塩、ヘキサアンミンロジウム(III)錯
塩、トリオキザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられ
る。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒
に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定
化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハ
ロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、
あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、
NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性
ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あら
かじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子
を添加して溶解させることも可能である。
【0031】これらのロジウム化合物の添加量はハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-8モル〜5×10-4モルの
範囲が好ましく、特に好ましくは5×10-8モル〜1×
10 -5モルである。
【0032】これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳
剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階におい
て適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、
ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0033】本発明に用いられるルテニウム、オスミウ
ムは特開昭63-2042号、特開平1-285941号、同2-20852号、
同2-20855号等に記載された水溶性錯塩の形で添加され
る。特に好ましいものとして、以下の式で示される六配
位錯体が挙げられる。 [ML6n- ここでMはRuまたはOsを表し、Lは配位子を表し、
nは0、1、2、3または4を表す。
【0034】この場合、対イオンは重要性を持たず、ア
ンモニウムもしくはアルカリ金属イオンが用いられる。
【0035】また好ましい配位子としてはハロゲン化物
配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニト
ロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。
以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0036】 [RuCl6]3- [RuCl4(H2O)2]- [RuCl5(H2O)]2- [RuCl5(NO)]2- [RuBr5(NS)]2- [Ru(CO)3Cl3]2- [Ru(CO)Cl5]2- [Ru(CO)Br5]2- [OsCl6]3- [OsCl5(NO)]2- [Os(NO)(CN)5]2- [Os(NS)Br5]2- [Os(O)2(CN)4]4-
【0037】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-9モル〜1×10-4モルの範囲が好
ましく、特に好ましくは1×10-8モル〜1×10-5
ルである。
【0038】これらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳
剤粒子の製造時および乳剤を塗布する前の各段階におい
て適宜行うことができるが、特に乳剤形成時に添加し、
ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましい。
【0039】これらの化合物をハロゲン化銀の粒子形成
中に添加してハロゲン化銀粒子中に組み込むには、金属
錯体の粉末もしくはNaCl、KClと一緒に溶解した水溶液
を、粒子形成中の水溶性塩または水溶性ハライド溶液中
に添加しておく方法、あるいは銀塩とハライド溶液が同
時に混合されるとき第3の溶液として添加し、3液同時
混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、あるい
は粒子形成中に必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に
投入する方法などがある。特に粉末もしくはNaCl、KCl
と一緒に溶解した水溶液を、水溶性ハライド溶液に添加
する方法が好ましい。
【0040】粒子表面に添加するには、粒子形成直後ま
たは物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時に
必要量の金属錯体の水溶液を反応容器に投入することも
できる。
【0041】本発明で用いられるイリジウム化合物とし
ては種々のものを使用できるが、例えばヘキサクロロイ
リジウム、ヘキサアンミンイリジウム、トリオキザラト
イリジウム、ヘキサシアノイリジウム、ペンタクロロニ
トロシルイリジウム等が挙げられる。これらのイリジウ
ム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられ
るが、イリジウム化合物の溶液を安定化させるために一
般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶
液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン
化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加す
る方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用い
る代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめイリジウ
ムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶
解させることも可能である。
【0042】さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒
子に、コバルト、鉄、レニウム、ニッケル、クロム、パ
ラジウム、白金、金、タリウム、銅、鉛、等の金属原子
を含有してもよい。コバルト、鉄、クロムの化合物につ
いては六シアノ金属錯体を好ましく用いることができ
る。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシ
アン酸イオン、ヘキサシアノコバルト酸イオン、ヘキサ
シアノクロム酸イオン、ヘキサシアノルテニウム酸イオ
ンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。ハロゲン化銀中の金属錯体は均一に含有させても、
コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェル部
に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。
【0043】上記金属はハロゲン化銀1モル当たり1×
10-9〜1×10-4モルが好ましい。また、上記金属を
含有させるには単塩、複塩、または錯塩の形の金属塩に
して粒子調製時に添加することができる。
【0044】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが本発明においては脱塩
してもしなくてもよい。
【0045】本発明のハロゲン化銀乳剤に金増感を施す
場合に用いられる金増感剤としては、金の酸化数が+1価
でも+3価でもよく、金増感剤として通常用いられる金化
合物を用いることができる。代表的な例としては塩化金
酸、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロラ
イド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨ
ードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アン
モニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴ
ールドなどが挙げられる。
【0046】金増感剤の添加量は種々の条件により異な
るが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10-7
ル以上10-3モル以下、より好ましくは10-6モル以上
5×10-4モル以下である。
【0047】本発明のハロゲン化銀乳剤は金増感と他の
化学増感とを併用することが好ましい。他の化学増感の
方法としては、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感
法、貴金属増感法などの知られている方法を用いること
ができる。金増感法と組み合わせて使用する場合には、
例えば、硫黄増感法と金増感法、セレン増感法と金増感
法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法
とテルル増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法
とテルル増感法と金増感法などが好ましい。
【0048】本発明に好ましく用いられる硫黄増感は、
通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤
を一定時間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤と
しては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼ
ラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合
物、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ロ
ーダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合
物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤
の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒
子の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲ
ン化銀1モル当たり10-7〜10-2モルであり、より好
ましくは10-5〜10-3モルである。
【0049】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44-15748号、同43-13489号、特開平4-25832号、同
4-109240号、同4-324855号等に記載の化合物を用いるこ
とができる。特に特開平4-324855号中の一般式(VIII)お
よび(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
【0050】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成させる化合物である。ハロゲン化
銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5-3132
84号に記載の方法で試験することができる。テルル増感
剤としては例えばジアシルテルリド類、ビス(オキシカ
ルボニル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド
類、ジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテ
ルリド類、ビス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合
を有する化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガ
ニルテルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド
類、テルリド類、テルロール類、テルロアセタール類、
テルロスルホナート類、P-Te結合を有する化合物、含T
eヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化
合物、コロイド状テルルなどを用いることができる。具
体的には、米国特許第1,623,499号、同第3,320,069号、同
第3,772,031号、英国特許第235,211号、同第1,121,496号、
同第1,295,462号、同第1,396,696号、カナダ特許第800,9
58号、特開平4-204640号、特願平3-53693号、同3-131598
号、同4-129787号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
イアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.S
oc.Chem.Commun.) 635(1980),ibid 1102(1979),ibid 6
45(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ
ー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.
Trans.) 1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケ
ミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド
・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organ
ic Serenium and Tellunium Compounds),Vol.1(1986)、
同 Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができる。
特に特開平5-313284号中の一般式(II),(III),(IV)で
示される化合物が好ましい。
【0051】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当
たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3
ル程度を用いる。本発明における化学増感の条件として
は特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとし
ては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度として
は40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
【0052】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロ
ゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカド
ミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させ
てもよい。
【0053】本発明においては、還元増感を用いること
ができる。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコ
ルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一ス
ズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導
体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等
を用いることができる。また、乳剤のpHを7以上またはp
Agを8.3以下に保持して熟成することにより還元増感す
ることができる。また、粒子形成中に銀イオンのシング
ルアディション部分を導入することにより還元増感する
ことができる。
【0054】本発明のハロゲン化銀乳剤は、欧州特許公
開293,917号に示される方法により、チオスルホン酸化
合物を添加してもよい。
【0055】本発明に用いられる感光材料中のハロゲン
化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、
平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるも
の、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)
併用してもよい。
【0056】本発明の感光性ハロゲン化銀の使用量とし
ては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01モ
ル以上0.5モル以下が好ましく、0.02モル以上0.3モル以
下がより好ましく、0.03モル以上0.25モル以下が特に好
ましい。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩
の混合方法および混合条件については、それぞれ調製終
了したハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジ
ナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製
中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲ
ン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、
本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限は
ない。
【0057】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感
光性ハロゲン化銀の潜像など)および還元剤の存在下
で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形
成する銀塩である。有機銀塩は銀イオンを還元できる源
を含む任意の有機物質であってよい。有機酸の銀塩、特
に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪カル
ボン酸の銀塩が好ましい。配位子が4.0〜10.0の範囲の
錯安定度定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ま
しい。銀供給物質は、好ましくは画像形成層の約5〜70
重量%を構成することができる。好ましい有機銀塩はカ
ルボキシル基を有する有機化合物の銀塩を含む。これら
の例は、脂肪族カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン
酸の銀塩を含むがこれらに限定されることはない。脂肪
族カルボン酸の銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸
銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、
ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミ
チン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノ
ール酸銀、酪酸銀および樟脳酸銀、これらの混合物など
を含む。
【0058】本発明においては、上記に挙げられる有機
酸銀ないしは有機酸銀の混合物の中でも、ベヘン酸銀含
有率75モル%以上の有機酸銀を用いることが好まし
く、85モル%以上がさらに好ましい。ここでベヘン酸
銀含有率とは、使用する有機酸銀に対するベヘン酸銀の
モル分率を示す。本発明に用いる有機酸銀中に含まれる
ベヘン酸銀以外の有機酸銀としては上記に挙げた物を好
ましく用いることができる。
【0059】本発明に好ましく用いられる有機酸銀は、
上記に示した有機酸のアルカリ金属塩(Na塩,K塩,
Li塩等が挙げられる)溶液または懸濁液と硝酸銀を反
応させることで調製される。本発明の有機酸アルカリ金
属塩は、上記有機酸をアルカリ処理することによって得
られる。本発明の有機酸銀は任意の好適な容器中で回分
式でまたは連続式で行うことができる。反応容器中の攪
拌は粒子の要求される特性によって任意の攪拌方法で攪
拌することができる。有機酸銀の調製法としては、有機
酸アルカリ金属塩溶液あるいは懸濁液の入った反応容器
に硝酸銀水溶液を徐々にあるいは急激に添加する方法、
硝酸銀水溶液の入った反応容器に予め調製した有機酸ア
ルカリ金属塩溶液あるいは懸濁液を徐々にあるいは急激
に添加する方法、予め調製した硝酸銀水溶液および有機
酸アルカリ金属塩溶液または懸濁液を反応容器中に同時
に添加する方法のいずれもが好ましく用いることができ
る。
【0060】硝酸銀水溶液および有機酸アルカリ金属塩
溶液または懸濁液は調製する有機酸銀の粒子サイズの制
御のために任意の濃度の物を用いることができ、また任
意の添加速度で添加することができる。硝酸銀水溶液お
よび有機酸アルカリ金属塩溶液または懸濁液の添加方法
としては、添加速度一定で添加する方法、任意の時間関
数による加速添加法あるいは減速添加法にて添加するこ
とができる。また反応液に対し、液面に添加してもよ
く、また液中に添加してもよい。予め調製した硝酸銀水
溶液および有機酸アルカリ金属塩溶液または懸濁液を反
応容器中に同時に添加する方法の場合には、硝酸銀水溶
液あるいは有機酸アルカリ金属塩溶液または懸濁液のい
ずれかを先行させて添加することもできるが、硝酸銀水
溶液を先行させて添加することが好ましい。先行度とし
ては総添加量の0から50vol%が好ましく、0から2
5vol%が特に好ましい。また特開平9-127643号公報等
に記載のように反応中の反応液のpHないしは銀電位を
制御しながら添加する方法も好ましく用いることができ
る。
【0061】添加される硝酸銀水溶液や有機酸アルカリ
金属塩溶液または懸濁液は粒子の要求される特性により
pHを調整することができる。pH調整のために任意の
酸やアルカリを添加することができる。また、粒子の要
求される特性により、例えば調整する有機酸銀の粒子サ
イズの制御のため反応容器中の温度を任意に設定するこ
とができるが、添加される硝酸銀水溶液や有機酸アルカ
リ金属塩溶液または懸濁液も任意の温度に調整すること
ができる。有機酸アルカリ金属塩溶液または懸濁液は液
の流動性を確保するために、50℃以上に加熱保温する
ことが好ましい。
【0062】本発明に用いる有機酸銀は第3アルコール
の存在下で調製されることが好ましい。第3アルコール
としては好ましくは総炭素数15以下の物が好ましく、
10以下が特に好ましい。好ましい第3アルコールの例
としては、tert-ブタノール等が挙げられるが、本発明
はこれに限定されない。
【0063】本発明に用いられる第3アルコールの添加
時期は有機酸銀調製時のいずれのタイミングでも良い
が、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、有機酸
アルカリ金属塩を溶解して用いることが好ましい。ま
た、本発明の第3アルコールの使用量は有機酸銀調製時
の溶媒としてのH2Oに対して重量比で0.01〜10の範囲
で任意に使用することができるが、0.03〜1の範囲が好
ましい。
【0064】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状としては特に制限はないが、短軸と長軸を有する針状
結晶が好ましい。本発明においては短軸0.01μm以上0.2
0μm以下、長軸0.10μm以上5.0μm以下が好ましく、短
軸0.01μm以上0.15μm以下、長軸0.10μm以上4.0μm以
下がより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散
であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれ
の長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の10
0分率が好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、
更に好ましくは30%以下である。有機銀塩の形状の測定
方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より
求めることができる。単分散性を測定する別の方法とし
て、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方
法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動
係数)が好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下、
更に好ましくは30%以下である。測定方法としては例え
ば液中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その
散乱光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求め
ることにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)か
ら求めることができる。この測定法での平均粒子サイズ
としては0.05μm以上10.0μm以下の固体微粒子分散物
が好ましい。より好ましくは平均粒子サイズ0.1μm以
上5.0μm以下、更に好ましくは平均粒子サイズ0.1μm
以上2.0μm以下である。
【0065】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
好ましくは脱塩をすることができる。脱塩を行う方法と
しては特に制限はなく公知の方法を用いることができる
が、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロ
ック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いること
ができる。
【0066】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小さ
く、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画像
形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実質
的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降下
させる分散法を用いることが好ましい。
【0067】そして、このような工程を経た後に、感光
性銀塩水溶液と混合して感光性画像形成媒体塗布液を製
造する。このような塗布液を用いて熱現像感光材料を作
製するとヘイズが低く、低カブリで高感度の熱現像感光
材料が得られる。これに対し、高圧、高速流に変換して
分散する時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上
昇し、感度が著しく低下する。また、分散媒として水で
はなく、有機溶剤を用いると、ヘイズが高くなり、カブ
リが上昇し、感度が低下しやすくなる。一方、感光性銀
塩水溶液を混合する方法にかえて、分散液中の有機銀塩
の一部を感光性銀塩に変換するコンバージョン法を用い
ると感度が低下する。
【0068】上記において、高圧、高速化に変換して分
散される水分散液は、実質的に感光性銀塩を含まないも
のであり、その含有量は非感光性の有機銀塩に対して0.
1モル%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わな
いものである。
【0069】本発明において、上記のような分散法を実
施するのに用いられる固体分散装置およびその技術につ
いては、例えば『分散系レオロジーと分散化技術』(梶
内俊夫、薄井洋基 著、1991、信山社出版(株)、p357
〜p403)、『化学工学の進歩第24集』(社団法人 化学
工学会東海支部 編、1990、槙書店、p184〜p185)、
等に詳しいが、本発明での分散法は、少なくとも有機銀
塩を含む水分散物を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送
入した後、配管内に設けられた細いスリットを通過さ
せ、この後に分散液に急激な圧力低下を生じさせること
により微細な分散を行う方法である。
【0070】本発明が関連する高圧ホモジナイザーにつ
いては、一般には、(a)分散質が狭間隙を高圧、高速で
通過する際に生じる『剪断力』、(b)分散質が高圧下か
ら常圧に解放される際に生じる『キャビテーション
力』、等の分散力によって微細な粒子への分散が行われ
ると考えられている。この種の分散装置としては、古く
はゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置で
は高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で、高
速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その
衝撃力で乳化・分散が行われる。使用圧力は一般には10
0〜600kg/cm2、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散
効率を上げるために高流速部を鋸刃状にして衝突回数を
増やすなどの工夫を施したものも考案されている。これ
に対して、近年更に高圧、高流速での分散が可能となる
装置が開発されてきており、その代表例としてはマイク
ロフルイダイザー(マイクロフルイデックス・インター
ナショナル・コーポレーション社)、ナノマイザー(特
殊機化工業(株))などが挙げられる。
【0071】本発明に適した分散装置としては、マイク
ロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーシ
ョン社製マイクロフルイダイザーM−110S−EH
(G10Zインターラクションチャンバー付き)、M−
110Y(H10Zインターラクションチャンバー付
き)、M−140K(G10Zインターラクションチャ
ンバー付き)、HC−5000(L30ZまたはH23
0Zインターラクションチャンバー付き),HC−80
00(E230ZまたはL30Zインターラクションチ
ャンバー付き)等が挙げられる。
【0072】これらの装置を用い、少なくとも有機銀塩
を含む水分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入
した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させる
ことにより所望の圧力を印加し、この後に配管内の圧力
を大気圧に急速に戻す等の方法で分散液に急激な圧力降
下を生じさせることにより本発明に最適な有機銀塩分散
物を得ることが可能である。
【0073】分散操作に先だって、原料液を予備分散す
ることが好ましい。予備分散する手段としては公知の分
散手段(例えば、高速ミキサー、ホモジナイザー、高速
衝撃ミル、バンバリーミキサー、ホモミキサー、ニーダ
ー、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ア
トライター、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストー
ンミル)を用いることができる。機械的に分散する以外
にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、そ
の後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化させ
ても良い。このとき、粗分散に用いる溶媒として有機溶
媒を使用しても良く、通常有機溶媒は微粒子化終了後除
去される。
【0074】本発明の有機銀塩分散においては、流速、
圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって所望の粒子
サイズに分散することが可能であるが、写真特性と粒子
サイズの点から、流速が200m/秒〜600m/秒、圧力降下時
の差圧が900〜3000kg/cm2の範囲が好ましく、流速が300
m/秒〜600m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2
の範囲であることが更に好ましい。分散処理回数は必要
に応じて選択でき、通常は1回〜10回の処理回数が選ば
れるが、生産性の点からは1回〜3回程度の処理回数が選
ばれる。高圧下でこのような水分散液を高温にすること
は、分散性、写真特性の点から好ましくなく、90℃を越
えるような高温では粒子サイズが大きくなりやすくなる
と共に、カブリが高くなる傾向がある。従って、本発明
では前記の高圧、高流速に変換する前の工程もしくは、
圧力降下させた後の工程、あるいはこれらの両工程に冷
却工程を含み、このような水分散の温度が冷却工程によ
り5〜90℃の範囲に保たれていることが好ましく、更に
好ましくは5〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範囲に保たれ
ていることが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2の範囲
の高圧の分散時には前記の冷却工程を設置することが有
効である。冷却器は、その所要熱交換量に応じて、二重
管や二重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管
式熱交換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することがで
きる。また、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を
考慮して、管の太さ、肉厚や材質など好適なものを選べ
ばよい。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃
の井水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また必要に
応じて-30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用す
ることもできる。
【0075】本発明の分散操作では、水性溶媒可溶な分
散剤(分散助剤)の存在下で有機銀塩を分散することが
好ましい。分散助剤としては、例えば、ポリアクリル
酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレ
イン酸モノエステル共重合体、アクリロメチルプロパン
スルホン酸共重合体などの合成アニオンポリマー、カル
ボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースな
どの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸
などのアニオン性ポリマー、特開平7-350753号に記載の
化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチ
オン性界面活性剤やその他のポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の
自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いるこ
とができるが、ポリビニルアルコール類、水溶性のセル
ロース誘導体が特に好ましい。
【0076】分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末また
はウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーと
して分散機に送り込むのは一般的な方法であるが、予め
有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理
を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしても良
い。分散前後または分散中に適当なpH調整剤によりpHコ
ントロールしても良い。
【0077】機械的に分散する以外にも、pHコントロー
ルすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の存
在下でpHを変化させて微粒子化させても良い。このと
き、粗分散に用いる溶媒として有機溶媒を使用しても良
く、通常有機溶媒は微粒子化終了後除去される。
【0078】調製された分散物は、保存時の微粒子の沈
降を抑える目的で撹拌しながら保存したり、親水性コロ
イドにより粘性の高い状態(例えば、ゼラチンを使用し
ゼリー状にした状態)で保存したりすることもできる。
また、保存時の雑菌などの繁殖を防止する目的で防腐剤
を添加することもできる。
【0079】本発明に用いる有機銀塩固体微粒子分散物
は、少なくとも有機銀塩と水から成るものである。有機
銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、有
機銀塩の全体に占める割合は5〜50重量%であること
が好ましく、特に10〜30重量%の範囲が好ましい。
前述の分散助剤を用いることは好ましいが、粒子サイズ
を最小にするのに適した範囲で最少量使用するのが好ま
しく、有機銀塩に対して0.5〜30重量%、特に1〜
15重量%の範囲が好ましい。
【0080】本発明では有機銀塩水分散液と感光性銀塩
水分散液を混合して感光材料を製造することが可能であ
るが、有機銀塩と感光性銀塩の混合比率は目的に応じて
選べるが、有機銀塩に対する感光性銀塩の割合は1〜3
0モル%の範囲が好ましく、更に3〜20モル%、特に5
〜15モル%の範囲が好ましい。混合する際に2種以上
の有機銀塩水分散液と2種以上の感光性銀塩水分散液を
混合することは、写真特性の調節のために好ましく用い
られる方法である。
【0081】本発明の有機銀塩は所望の量で使用できる
が、感材1m2当たりの塗布量で示すと、銀量として0.1
〜5g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜3g/m2であ
る。
【0082】本発明にはCa、Mg、ZnおよびAgか
ら選ばれる金属イオンを非感光性有機銀塩へ添加するこ
とが好ましい。Ca、Mg、ZnおよびAgから選ばれ
る金属イオンの非感光性有機銀塩への添加については、
ハロゲン化物でない、水溶性の金属塩の形で添加するこ
とが好ましく、具体的には硝酸塩や硫酸塩などの形で添
加することが好ましい。ハロゲン化物での添加は処理後
の感光材料の光(室内光や太陽光など)による画像保存
性、いわゆるプリントアウト性を悪化させるので好まし
くない。このため、本発明では前述のハロゲン化物でな
い、水溶性の金属塩の形で添加することが好ましい。
【0083】本発明に好ましく用いるCa、Mg、Zn
およびAgから選ばれる金属イオンの添加時期として
は、非感光性有機銀塩の粒子形成後の、粒子形成直後、
分散前、分散後および塗布液調製前後など塗布直前まで
であればいずれの時期でもよく、好ましくは分散後、塗
布液調製前後である。
【0084】本発明におけるCa、Mg、ZnおよびA
gから選ばれる金属イオンの添加量としては、非感光性
有機銀1モル当たり10-3〜10-1モルが好ましく、特に5×
10-3〜5×10-2モルが好ましい。
【0085】次に式(A)で表される化合物について詳
細に説明する。式(A)の化合物を以下に示す。
【0086】
【化5】
【0087】R1、R2、R3は水素原子、ハロゲン原
子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、
リン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。水素原
子、ハロゲン原子以外のものでは、炭素原子で結合して
いるものの例では、直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘ
テロ環基、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモ
イル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル
基、オキサリル基、オキサモイル基、チオカルバモイル
基等がある。酸素原子で結合している置換基としてはヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ
環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはア
リールオキシ)カルボニルオキシ基カルバモイルオキシ
基、スルホニルオキシ基などである。窒素原子で結合し
ている置換基としては、アミノ基、ニトロ基、ヒドラジ
ノ基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、(アルコキシもし
くはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルホンア
ミド基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、
チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニ
オ基、オキサモイルアミノ基、ウレイド基、チオウレイ
ド基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイ
ド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ
基、ホスホリルアミノ基、イミド基等である。硫黄原子
で結合している置換基としてはメルカプト基、ジスルフ
ィド基、スルホ基、スルフィノ基、スルホニルチオ基、
チオスルホニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
スルホニル基、スルフィニル基、スルファモイル基、ア
シルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基、
スルホ基、ヘテロ環チオ基等がある。リン原子で結合し
ている置換基としては、ホスホニル基、ホスフィニル基
などである。これら置換基は、これら置換基で更に置換
されていてもよい。
【0088】X1、X2はそれぞれ独立に水素原子、ハロ
ゲン原子、または炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄
原子、もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基
を表す。X1、X2が水素原子、ハロゲン原子以外の置換
基を表すとき、その具体例はR1、R2、R3が置換基を
表すときと同じ範囲内より選ばれる。ただしX1、X2
少なくとも一方は−NR45で表される基である。
4、R5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、または−C(=
O)−R6、−C(=O)−C(=O)−R6、−SO2
−R6、−SO−R6、もしくは−P(=O)(−R6
−R7で表される基である。R6、R7は水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基から選ばれる基である。これらの置換基
はそれぞれ隣接する基同士が結合して環を形成してもよ
い。
【0089】次に式(A)で表される化合物の好ましい
範囲について述べる。R1、R2、R3で好ましいものは
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐
または環状の、置換もしくは無置換のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、tert-
ブチル、n-オクチル、tert-アミル、1,3-テトラメチル
ブチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ジフル
オロメチル)、炭素数1〜20のアルケニル基(例え
ば、ビニル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル)、炭
素数1〜20のアルキニル基(例えば、プロパルギル、
3-ペンチニル)、炭素数6〜30のアリール基(例え
ば、フェニル、p-メチルフェニル、ナフチル)、炭素数
1〜20のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、
ホルミル、ピバロイル)、炭素数2〜20のアルコキシ
カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、ドデシルオキシカルボニル)、炭素数7〜
20のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキ
シカルボニル)、炭素数1〜20のカルバモイル基(例
えば、カルバモイル、iso-ブチルカルバモイル、ジエチ
ルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、シアノ基、
カルボキシル基、炭素数1〜20のヘテロ環基(例え
ば、1-イミダゾリル、モリホリル、3-ピラゾリル)、ヒ
ドロキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、
メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、炭素数6〜20のア
リールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、2-ナフチル
オキシ)、炭素数1〜20のヘテロ環オキシ基(例え
ば、4-ピリジルオキシ)、炭素数2〜20のアシルオキ
シ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素
数0〜20のアミノ基(例えば、アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミ
ノ)、ニトロ基、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例
えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイ
ルアミノ)、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルア
ミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、炭素数
7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基(例え
ば、フェニルオキシカルボニルアミノ)、炭素数1〜2
0のスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド)、炭素数1〜20のスル
ファモイルアミノ基、炭素数0〜20のスルファモイル
基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、
ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、
炭素数0〜20のウレイド基(例えば、ウレイド、メチ
ルウレイド、フェニルウレイド)、炭素数2〜20のイ
ミド基(例えば、スクシンイミド、フタルイミド、トリ
フルオロメタンスルホンイミド)、メルカプト基、炭素
数1〜20のジスルフィド基、スルホ基、スルフィノ
基、炭素数1〜20のアルキルチオ基(例えば、メチル
チオ、エチルチオ)、炭素数6〜20のアリールチオ基
(例えば、フェニルチオ)、炭素数1〜20のスルホニ
ル基(例えば、メシル、トシル、フェニルスルホニ
ル)、炭素数1〜20のスルフィニル基(例えば、メタ
ンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル)、炭素数1〜
20のヘテロ環チオ基(例えば、2-イミダゾリルチ
オ)、炭素数1〜20のホスフィニル基(例えば、ジエ
トキシホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル)、炭
素数1〜20のホスホリルアミノ基(例えば、ジエチル
ホスホリルアミノ)等がある。
【0090】R1、R2、R3でより好ましいものは水素
原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状の、置換も
しくは無置換のアルキル基、アリール基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヘテロ環
基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホンアミド基、イミド基、メル
カプト基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、スルファモイル基である。
【0091】R1、R2、R3でさらに好ましいものは水
素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状の、置換
もしくは無置換のアルキル基、アリール基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、ニトロ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、メルカプト基、スルホ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、スルホニル基、スルファモイル基である。
【0092】−NR45で表される基以外のX1、X2
好ましいものはR1、R2、R3の好ましいものと同じ範
囲内より選ばれ、より好ましいものもまた同様の範囲よ
り選ばれる。
【0093】−NR45で表される基において、−C
(=O)−R6、−C(=O)−C(=O)−R6、−S
2−R6、−SO−R6、−P(=O)(−R6)−R7
で表される基以外のR4、R5で好ましいものは水素原
子、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状の、置換も
しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、iso-プロピル、tert-ブチル、n-オクチル、t
ert-アミル、1,3-テトラメチルブチル、シクロヘキシ
ル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル)、炭素数
1〜20のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2-
ブテニル、3-ペンテニル)、炭素数1〜20のアルキニ
ル基(例えば、プロパルギル、3-ペンチニル)、炭素数
6〜20のアリール基(例えば、フェニル、p-メチルフ
ェニル、ナフチル)であり、更に好ましくは水素原子、
炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状の、置換もしく
は無置換のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル
基、炭素数1〜10のアルキニル基、炭素数6〜12の
アリール基である。
【0094】−C(=O)−R6、−C(=O)−C
(=O)−R6、−SO2−R6、−SO−R6、−P(=
O)(−R6)−R7で表される基において、R6、R7
好ましいものは水素原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐
または環状の、置換もしくは無置換のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、tert-
ブチル、n-オクチル、tert-アミル、1,3-テトラメチル
ブチル、デシル、シクロヘキシル、トリフルオロメチ
ル、ジフルオロメチル、2-カルボキシテトラフルオロエ
チル、シアノメチル、トリクロロメチイル、パーフルオ
ロプロピル)、炭素数1〜20のアルケニル基(例え
ば、ビニル、アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル)、炭
素数1〜20のアルキニル基(例えば、プロパルギル、
3-ペンチニル)、炭素数6〜30のアリール基(例え
ば、フェニル、p-メチルフェニル、p-メトキシフェニ
ル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、3,5-ジ(メトキ
シカルボニル)フェニル、2,6-ジクロロフェニル、(メ
ルカプトテトラゾリル)フェニル、3,5-ジクロロ-4-ヒ
ドロキシフェニル、3-(3,5-ジクロロ-6-ヒドロキシフェ
ニルスルファモイル)フェニル、2-オクチルオキシ-5-オ
クチルフェニル、ナフチル)、ヒドロキシ基、炭素数1
〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
ブトキシ)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例え
ば、フェニルオキシ、2-ナフチルオキシ)、炭素数1〜
20のヘテロ環オキシ基(例えば、4-ピリジルオキ
シ)、炭素数1〜20のアミノ基(例えば、アミノ、メ
チルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベン
ジルアミノ、フェニルアミノ)、炭素数1〜20のヘテ
ロ環基(例えば、1-イミダゾリル、モリホリル、3-ピラ
ゾリル、2-チエニル、ベンゾトリアゾリル)である。よ
り好ましくは水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐ま
たは環状の、置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数
1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル
基、炭素数6〜30のアリール基、ヒドロキシ基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール
オキシ基、炭素数1〜10のヘテロ環オキシ基、炭素数
1〜10のアミノ基、炭素数1〜10のヘテロ環基であ
る。更に好ましくは水素原子、炭素数1〜10の直鎖、
分岐または環状の、置換もしくは無置換のアルキル基、
炭素数6〜30のアリール基、ヒドロキシ基、炭素数1
〜10のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリールオキ
シ基、炭素数1〜10のアミノ基、炭素数1〜10のヘ
テロ環基である。
【0095】式(A)で表される化合物でより好ましく
はR1、R2、R3が水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分
岐または環状の、置換もしくは無置換のアルキル基、ア
リール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、カ
ルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アシルオキシ基、ニトロ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、メルカプト基、スルホ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルファ
モイル基であり、X1、X2のどちらか一方が水素原子、
ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状の、置換もしくは
無置換のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ
基、カルボキシル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、メルカプ
ト基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホニル基、スルファモイル基であり、もう一方が−N
45を表し、かつR4、R5のうち少なくとも一方が−
C(=O)−R6、−C(=O)−C(=O)−R6、−
SO2−R6、−SO−R6、−P(=O)(−R6)−R
7で表される基の時である。
【0096】式(A)で表される化合物で特に好ましく
はR1、R2、R3が水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分
岐または環状の、置換もしくは無置換のアルキル基、ア
リール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、ヒ
ドロキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スル
ホニル基、スルファモイル基であり、X1、X2のどちら
か一方が水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環
状の、置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基、
アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、シアノ基、カルバモイル基、ヒドロキシ
基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル
基、スルファモイル基であり、もう一方が−NR45
表し、かつR 4、R5のうち一方が水素原子で他方が−C
(=O)−R6、−SO2−R6、−P(=O)(−R6
−R7で表される基の時である。
【0097】これらの置換基はさらに上記に記したよう
な置換基で置換されていても良い。またこれらの置換基
が酸性度の高い水素原子を持つものであれば、そのプロ
トンが解離して塩を形成していても良い。その対カチオ
ンとしては、金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホ
ニウムイオンが用いられる。このように活性水素を解離
させた状態は、化合物の現像時における揮散性が問題と
なるケースには有効な対処法となりうる。
【0098】式(A)で表される化合物の一つの分子に
示されるようなフェノール構造を一つだけ持つ場合に
は、置換基の総炭素数は好ましくは1から200個、より好
ましくは1から150個、さらに好ましくは1から100個であ
る。ただし複数のフェノール構造が高分子鎖に結合して
いる場合にはこの限りではなく、高分子全体の数平均分
子量としては500000以下のものが用いられる。また炭素
数1から100個までの連結基で結合されたビス体、トリス
体などの化合物も有効である。これらのように分子量を
大きくすることは、化合物の現像時における揮散性が問
題となるケースには有効な対処法となりうる。
【0099】本発明に用いられる式(A)で表される化
合物は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組
み込まれていてもよい。こうした吸着基としては、アル
キルチオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド
基、メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特
許第4,385,108号、同4,459,347号、
特開昭59−195233号、同59−200231
号、同59−201045号、同59−201046
号、同59−201047号、同59−201048
号、同59−201049号、特開昭61−17073
3号、同61−270744号、同62−948号、同
63−234244号、同63−234245号、同6
3−234246号に記載された基が挙げられる。また
これらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化され
ていてもよい。その様なプレカーサーとしては、特開平
2−285344号に記載された基が挙げられる。
【0100】本発明に用いられる式(A)で表される化
合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤にお
いて常用されているバラスト基またはポリマーが組み込
まれているものでもよい。バラスト基は8以上の炭素数
を有する、写真性に対して比較的不活性な基であり、例
えばアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、フェニ
ル基、アルキルフェニル基、フェノキシ基、アルキルフ
ェノキシ基などの中から選ぶことができる。またポリマ
ーとしては、例えば特開平1−100530号に記載の
ものが挙げられる。
【0101】本発明に用いられる式(A)で表される化
合物は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のア
ンモニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含
む含窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプ
ロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキ
ル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基
により解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、
アシルスルファモイル基、カルバモイルスルファモイル
基等)が含まれていてもよい。これらの基の具体例とし
ては、例えば特開平7−234471号、特開平5−3
33466号、特開平6−19032号、特開平6−1
9031号、特開平5−45761号、米国特許499
4365号、米国特許4988604号、特開平3−2
59240号、特開平7−5610号、特開平7−24
4348号、独国特許4006032号等に記載の化合
物が挙げられる。
【0102】次に式(A)で表わされる化合物の好まし
い具体例を以下に示す。ただし本発明の化合物は以下の
化合物に限定されるものではない。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】式(A)で表される化合物は公知の方法に
より容易に合成することができるが、例えば、特開昭49
-80386号、特開平5-257227号、特開平10-221806号に記
載の方法を参考に合成することができる。
【0107】式(A)で表される化合物の使用量は、使
用する有機銀塩1モルに対して1×10-6モルから2×10-1
モル、好ましくは1×10-5モルから1×10-1モル、より好
ましくは5×10-4モルから5×10-2モルである。
【0108】本発明の式(A)で表わされる化合物は、
水あるいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタ
ノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。
【0109】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、粉末を水の中にボールミ
ル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントン
ゴーリン、マイクロフルイダイザーあるいは超音波によ
って分散し用いることができる。
【0110】本発明の式(A)で表わされる化合物は、
支持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層ある
いはこの層側の他のどの層に添加してもよいが、画像形
成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好まし
い。
【0111】本発明の式(A)で表わされる化合物は後
述する有機銀塩を還元するための還元剤と併用すること
が好ましい。併用する還元剤としては、フェノール化合
物でそのベンゼン環上に一つだけ水酸基を持ち、水酸基
のオルト位に少なくとも一つの置換基を有する化合物
(いわゆるヒンダードフェノール化合物)が好ましく用
いられる。具体例としては米国特許5496695号、特開平9
-274274、特開平9-304876等に記載されている化合物群
が挙げられる。
【0112】本発明に用いられる造核剤について説明す
る。本発明に用いられる造核剤としては、置換アルケン
誘導体、置換イソオキサゾール誘導体および特定のアセ
タール化合物が好ましく用いられる。式(1)〜(3)
で表わされる化合物が好ましい。
【0113】本発明で用いられる式(1)で表わされる
置換アルケン誘導体、式(2)で表わされる置換イソオ
キサゾール誘導体、および式(3)で表わされる特定の
アセタール化合物について説明する。
【0114】
【化6】
【0115】式(1)においてR11、R12、R13は、それ
ぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引
性基またはシリル基を表す。式(1)においてR11とZ、
12とR13、R11とR12、或いはR13とZは、互いに結
合して環状構造を形成していてもよい。式(2)において
14は、置換基を表す。式(3)においてX、Yはそれぞ
れ独立に水素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞ
れ独立に、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルア
ミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ
基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ
環アミノ基を表す。式(3)においてXとY、あるいはA
とBは、互いに結合して環状構造を形成していてもよ
い。
【0116】式(1)で表される化合物について詳しく説
明する。式(1)においてR11、R12、R13は、それぞれ
独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基
またはシリル基を表す。式(1)においてR11とZ、R12
とR13、R11とR12、或いはR13とZは、互いに結合し
て環状構造を形成していてもよい。
【0117】R11、R12、R13が置換基を表す時、置換
基の例としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、ク
ロル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基
(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を
含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ
テロ環基(N−置換の含窒素ヘテロ環基を含む)、4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ
基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基また
はその塩、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオ
カルボニル基、スルホニルカルバモイル基、アシルカル
バモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾ
イル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、チ
オカルバモイル基、ヒドロキシ基またはその塩、アルコ
キシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘ
テロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしく
はアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキ
ル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド
基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル
もしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレ
イド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メ
ルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)
チオ基、アシルチオ基、(アルキルまたはアリール)ス
ルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル
基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシル
スルファモイル基、スルホニルスルファモイル基または
その塩、ホスホリル基、リン酸アミドもしくはリン酸エ
ステル構造を含む基、シリル基、スタニル基等が挙げら
れる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換され
ていてもよい。
【0118】式(1)においてZで表される電子吸引性基
とは、ハメットの置換基定数σpが正の値を取りうる置
換基のことであり、具体的には、シアノ基、アルコキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモ
イル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカ
ルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、
パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド
基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホ
リル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(ま
たはその塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル
基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ
基、またはこれら電子吸引性基で置換されたアリール基
等である。ここにヘテロ環基としては、飽和もしくは不
飽和のヘテロ環基で、例えばピリジル基、キノリル基、
ピラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾトリアゾリル
基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダント
イン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基
等がその例として挙げられる。
【0119】式(1)においてZで表される電子吸引性基
は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基とし
ては、式(1)のR11、R12、R13が置換基を表す時に有
していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
【0120】式(1)においてR11とZ、R12とR13、R
11とR12、あるいはR13とZは、互いに結合して環状構
造を形成していてもよいが、この時形成される環状構造
とは、非芳香族の炭素環もしくは非芳香族のヘテロ環で
ある。
【0121】次に式(1)で表される化合物の好ましい範
囲について述べる。式(1)においてZで表されるシリル
基として好ましくは、具体的にトリメチルシリル基、t
−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル
基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリメチルシリルジメチルシリル基等である。
【0122】式(1)においてZで表される電子吸引性基
として好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、即
ち、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、チオカルボニル基、
イミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニ
トロ基、パーフルオロアルキル基、アシル基、ホルミル
基、ホスホリル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ま
たは任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等であ
り、さらに好ましくは、シアノ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、イミノ基、スルファモイル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル
基、ホルミル基、ホスホリル基、トリフルオロメチル
基、または任意の電子吸引性基で置換されたフェニル基
等であり、特に好ましくはシアノ基、ホルミル基、アシ
ル基、アルコキシカルボニル基、イミノ基またはカルバ
モイル基である。
【0123】式(1)においてZで表される基は、電子吸
引性基がより好ましい。
【0124】式(1)においてR11、R12、およびR13
表される置換基として好ましくは、総炭素数0〜30の
基で、具体的には上述の式(1)のZで表される電子吸引
性基と同義の基、およびアルキル基、ヒドロキシ基(ま
たはその塩)、メルカプト基(またはその塩)、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ
基、ウレイド基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
または置換もしくは無置換のアリール基等が挙げられ
る。
【0125】さらに式(1)においてR11は、好ましくは
電子吸引性基、アリール基、アルキルチオ基、アルコキ
シ基、アシルアミノ基、水素原子、またはシリル基であ
る。
【0126】R11が電子吸引性基を表す時、好ましくは
総炭素数0〜30の以下の基、即ち、シアノ基、ニトロ
基、アシル基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、チオカルボニル基、イミ
ノ基、N原子で置換したイミノ基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、スルファ
モイル基、トリフルオロメチル基、ホスホリル基、カル
ボキシ基(またはその塩)、または飽和もしくは不飽和
のヘテロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホル
ミル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イ
ミノ基、N原子で置換したイミノ基、スルファモイル
基、カルボキシ基(またはその塩)、または飽和もしく
は不飽和のヘテロ環基が好ましい。特に好ましくはシア
ノ基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、または飽和もしくは不飽和のヘテ
ロ環基である。
【0127】R11がアリール基を表す時、好ましくは総
炭素数6〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基で
あり、置換基としては、任意の置換基が挙げられるが、
中でも電子吸引性の置換基が好ましい。
【0128】式(1)においてR11は、より好ましくは、
電子吸引性基またはアリール基を表す時である。
【0129】式(1)においてR12およびR13で表される
置換基として好ましくは、具体的に、上述の式(1)のZ
で表される電子吸引性基と同義の基、アルキル基、ヒド
ロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(またはその
塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキ
シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ヘテロ
環アミノ基、アシルアミノ基、置換もしくは無置換のフ
ェニル基等である。
【0130】式(1)においてR12およびR13は、さらに
好ましくは、どちらか一方が水素原子で、他方が置換基
を表す時である。その置換基として好ましくは、アルキ
ル基、ヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(ま
たはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ
基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基(特にパーフル
オロアルカンアミド基)、スルホンアミド基、置換もし
くは無置換のフェニル基、またはヘテロ環基等であり、
さらに好ましくはヒドロキシ基(またはその塩)、メルカ
プト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基であり、特に好
ましくはヒドロキシ基(またはその塩)、アルコキシ基、
またはヘテロ環基である。
【0131】式(1)においてZとR11、或いはまたR12
とR13とが環状構造を形成する場合もまた好ましい。こ
の場合に形成される環状構造は、非芳香族の炭素環もし
くは非芳香族のヘテロ環であり、好ましくは5員〜7員
の環状構造で、置換基を含めたその総炭素数は1〜4
0、さらには3〜30が好ましい。
【0132】式(1)で表される化合物の中で、より好ま
しいものの1つは、Zがシアノ基、ホルミル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、イミノ基、またはカルバ
モイル基を表し、R11が電子吸引性基またはアリール基
を表し、R12またはR13のどちらか一方が水素原子で、
他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メルカプト基(ま
たはその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテ
ロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテ
ロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物である。さ
らにまた式(1)で表される化合物の中で特に好ましいも
のの1つは、ZとR11とが非芳香族の5員〜7員の環状
構造を形成していて、R12またはR13のどちらか一方が
水素原子で、他方がヒドロキシ基(またはその塩)、メル
カプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、ヘテロ環チオ基、またはヘテロ環基を表す化合物
である。この時、R11と共に非芳香族の環状構造を形成
するZとしては、アシル基、カルバモイル基、オキシカ
ルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基等が好ま
しく、またR11としては、アシル基、カルバモイル基、
オキシカルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル
基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、アシルアミ
ノ基、カルボニルチオ基等が好ましい。
【0133】次に式(2)で表される化合物について説明
する。式(2)においてR14は置換基を表す。R14で表さ
れる置換基としては、式(1)のR11〜R13の置換基につ
いて説明したものと同じものが挙げられる。
【0134】R14で表される置換基は、好ましくは電子
吸引性基またはアリール基である。R14が電子吸引性基
を表す時、好ましくは、総炭素数0〜30の以下の基、
即ち、シアノ基、ニトロ基、アシル基、ホルミル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、
ホスホリル基、イミノ基、または飽和もしくは不飽和の
ヘテロ環基であり、さらにシアノ基、アシル基、ホルミ
ル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、ヘテロ環基が好ましい。特に好ましくはシアノ
基、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、
カルバモイル基、またはヘテロ環基である。
【0135】R14がアリール基を表す時、好ましくは総
炭素数0〜30の、置換もしくは無置換のフェニル基で
あり、置換基としては、式(1)のR11,R12,R13が置
換基を表す時にその置換基として説明したものと同じも
のが挙げられる。
【0136】R14は、特に好ましくはシアノ基、アルコ
キシカルボニル基、カルバモイル基、ヘテロ環基、また
は置換もしくは無置換のフェニル基であり、最も好まし
くはシアノ基、ヘテロ環基、またはアルコキシカルボニ
ル基である。
【0137】次に式(3)で表される化合物について詳し
く説明する。式(3)においてX、Yはそれぞれ独立に水
素原子または置換基を表し、A、Bはそれぞれ独立に、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ
環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基
を表す。XとY、あるいはAとBは、互いに結合して環
状構造を形成していてもよい。
【0138】式(3)においてX、Yで表される置換基と
しては、式(1)のR11〜R13の置換基について説明した
ものと同じものが挙げられる。具体的には、アルキル基
(パーフルオロアルキル基、トリクロロメチル基等を含
む)、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル基、アシル
基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ
基、カルバモイル基、チオカルボニル基、アシルオキシ
基、アシルチオ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、ホス
ホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基
(またはその塩)、ヒドロキシ基(またはその塩)、メ
ルカプト基(またはその塩)、アルコキシ基、アリール
オキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロ環チオ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アニリノ基、ヘテロ環アミノ基、シリル基等が挙げ
られる。
【0139】これらの基はさらに置換基を有していても
よい。またXとYは、互いに結合して環状構造を形成し
ていてもよく、この場合に形成される環状構造として
は、非芳香族の炭素環でも、非芳香族のヘテロ環であっ
てもよい。
【0140】式(3)においてX、Yで表される置換基
は、好ましくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総
炭素数1〜30の基であり、シアノ基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボ
ニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、ニトロ基、パーフルオロアルキル
基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、アシルアミ
ノ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、ヘテロ環基、ア
ルキルチオ基、アルコキシ基、またはアリール基等が挙
げられる。
【0141】式(3)においてX、Yは、より好ましくは
シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基、アシル基、ホルミル基、アシルチオ基、アシ
ルアミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、ホスホリル基、トリフ
ルオロメチル基、ヘテロ環基、または置換されたフェニ
ル基等であり、特に好ましくはシアノ基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アシル基、アシルチオ基、アシ
ルアミノ基、チオカルボニル基、ホルミル基、イミノ
基、N原子で置換したイミノ基、ヘテロ環基、または任
意の電子吸引性基で置換されたフェニル基等である。
【0142】XとYが、互いに結合して非芳香族の炭素
環、または非芳香族のヘテロ環を形成している場合もま
た好ましい。この時、形成される環状構造は5員〜7員
環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらには3〜
30が好ましい。環状構造を形成するXおよびYとして
は、アシル基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、
チオカルボニル基、スルホニル基、イミノ基、N原子で
置換したイミノ基、アシルアミノ基、カルボニルチオ基
等が好ましい。
【0143】式(3)においてA、Bはそれぞれ独立に、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ア
リールオキシ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ
環チオ基、ヘテロ環オキシ基、またはヘテロ環アミノ基
を表し、これらは互いに結合して環状構造を形成してい
てもよい。式(3)においてA、Bで表される基は、好ま
しくは総炭素数1〜40の、より好ましくは総炭素数1
〜30の基であり、さらに置換基を有していてもよい。
【0144】式(3)においてA、Bは、これらが互いに
結合して環状構造を形成している場合がより好ましい。
この時形成される環状構造は5員〜7員環の非芳香族の
ヘテロ環が好ましく、その総炭素数は1〜40、さらに
は3〜30が好ましい。この場合に、A,Bが連結した
例(−A−B−)を挙げれば、例えば-O-(CH2)2-O-、-O-
(CH2)3-O-、-S-(CH2)2-S-、-S-(CH2)3-S-、-S-ph-S-、-
N(CH3)-(CH2)2-O-、-N(CH3)-(CH2)2-S-、-O-(CH2)2-S
-、-O-(CH2)3-S-、-N(CH3)-ph-O-、-N(CH3)-ph-S-、-N
(ph)-(CH2)2-S-等である。
【0145】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。こうした吸着基としては、アルキル
チオ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、
メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号、同4,459,347号、特開
昭59−195233号、同59−200231号、同
59−201045号、同59−201046号、同5
9−201047号、同59−201048号、同59
−201049号、特開昭61−170733号、同6
1−270744号、同62−948号、同63−23
4244号、同63−234245号、同63−234
246号に記載された基が挙げられる。またこれらハロ
ゲン化銀への吸着基は、プレカーサー化されていてもよ
い。その様なプレカーサーとしては、特開平2−285
344号に記載された基が挙げられる。
【0146】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において
常用されているバラスト基またはポリマーが組み込まれ
ているものでもよい。特にバラスト基が組み込まれてい
るものは本発明の好ましい例の1つである。バラスト基
は8以上の炭素数を有する、写真性に対して比較的不活
性な基であり、例えばアルキル基、アラルキル基、アル
コキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェノキ
シ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶことがで
きる。またポリマーとしては、例えば特開平1−100
530号に記載のものが挙げられる。
【0147】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、その中にカチオン性基(具体的には、4級のアンモ
ニオ基を含む基、または4級化された窒素原子を含む含
窒素ヘテロ環基等)、エチレンオキシ基もしくはプロピ
レンオキシ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル,ア
リール,またはヘテロ環)チオ基、あるいは塩基により
解離しうる解離性基(カルボキシ基、スルホ基、アシル
スルファモイル基、カルバモイルスルファモイル基等)
が含まれていてもよい。特にエチレンオキシ基もしくは
プロピレンオキシ基の繰り返し単位を含む基、あるいは
(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基が含ま
れているものは、本発明の好ましい例の1つである。こ
れらの基の具体例としては、例えば特開平7−2344
71号、特開平5−333466号、特開平6−190
32号、特開平6−19031号、特開平5−4576
1号、米国特許4994365号、米国特許49886
04号、特開平3−259240号、特開平7−561
0号、特開平7−244348号、独国特許40060
32号等に記載の化合物が挙げられる。
【0148】次に本発明の式(1)〜式(3)で表される化
合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は以下の化
合物に限定されるものではない。
【0149】
【化7】
【0150】
【化8】
【0151】
【化9】
【0152】
【化10】
【0153】
【化11】
【0154】
【化12】
【0155】
【化13】
【0156】
【化14】
【0157】
【化15】
【0158】
【化16】
【0159】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メ
タノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコ
ール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチル
セルソルブなどに溶解して用いることができる。
【0160】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、化合物の粉末を水等の適当
な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波
によって分散し用いることができる。
【0161】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、支持体に対して画像記録層側の層、即ち画像形成層
あるいはこの層側の他のどの層に添加してもよいが、画
像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好
ましい。
【0162】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ま
しく、1×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2
×10-5〜2×10-1モルが最も好ましい。
【0163】式(1)〜式(3)で表される化合物は公知の
方法により容易に合成することができるが、例えば、米
国特許5545515号、米国特許5635339号、
米国特許5654130号、国際特許WO−97/34
196号、或いは特願平9−309813号、特願平9
−272002号に記載の方法を参考に合成することが
できる。
【0164】本発明の式(1)〜式(3)で表される化合物
は、1種のみ用いても、2種以上を併用しても良い。ま
た上記のものの他に、米国特許5545515号、米国
特許5635339号、米国特許5654130号、国
際特許WO−97/34196号、米国特許56862
28号に記載の化合物、或いはまた特願平8−2799
62号、特願平9−228881号、特願平9−273
935号、特願平9−309813号、特願平9−29
6174号、特願平9−282564号、特願平9−2
72002号、特願平9−272003号、特願平9−
332388号に記載された化合物を併用して用いても
良い。
【0165】本発明の造核剤としてヒドラジン誘導体を
用いてもよい。その場合には下記のヒドラジン誘導体が
好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられるヒド
ラジン誘導体はまた、下記の特許に記載された種々の方
法により、合成することができる。
【0166】特公平6-77138号に記載の(化1)で表され
る化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載の化合
物。特公平6-93082号に記載の一般式(I)で表される
化合物で、具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の
化合物。特開平6-230497号に記載の一般式(4)、一般
式(5)および一般式(6)で表される化合物で、具体的
には同公報25頁、26頁に記載の化合物4-1〜化合物4-1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5-1〜5-42、および39頁、
40頁に記載の化合物6-1〜化合物6-7。特開平6-289520号
に記載の一般式(1)および一般式(2)で表される化合
物で、具体的には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1-1)
〜1-17)および2-1)。特開平6-313936号に記載の(化
2)および(化3)で表される化合物で、具体的には同公
報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6-313951号に記載
の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁〜
5頁に記載の化合物。特開平7-5610号に記載の一般式
(I)で表される化合物で、具体的には同公報5頁〜10
頁に記載の化合物I-1〜I-38。特開平7-77783号に記載
の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同公報
10頁〜27頁に記載の化合物II-1〜II-102。特開平7-1044
26号に記載の一般式(H)および一般式(Ha)で表さ
れる化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化
合物H-1〜H-44。特願平7-191007号に記載の,ヒドラ
ジン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原
子と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有するこ
とを特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物で,具体的には同公報に
記載の化合物N-1〜N-30。特願平7-191007号に記載の一
般式(1)で表される化合物で、具体的には同公報に記
載の化合物D-1〜D-55。
【0167】さらに1991年3月22日発行の「公知技術(1〜
207頁)」(アズテック社刊)の25頁から34頁に記載の種々
のヒドラジン誘導体。特開昭62-86354号(6頁〜7頁)の
化合物D-2およびD-39。
【0168】本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘
導体は、適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノ
ール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。
【0169】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、ヒドラジン誘導体の粉末を
水の中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波に
よって分散し用いることができる。
【0170】本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘
導体は、支持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形
成層あるいはこの層側の他のバインダー層のどの層に添
加してもよいが、画像形成層あるいはそれに隣接するバ
インダー層に添加することが好ましい。
【0171】本発明に好ましく用いられるヒドラジン誘
導体の添加量は、銀1モルに対し1×10-6〜1×10-2モル
が好ましく、1×10-5〜5×10-3モルがより好ましく、2
×10-5〜5×10-3モルが最も好ましい。
【0172】また、本発明は超硬調画像形成のために、
前記の造核剤とともに硬調化促進剤を併用することがで
きる。例えば、米国特許第5,545,505号に記載のアミン
化合物、具体的にはAM-1〜AM-5、同5,545,507に記
載のヒドロキサム酸類、具体的にはHA-1〜HA-11、
同5,545,507に記載のアクリロニトリル類、具体的には
CN-1〜CN-13、同5,558,983に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA-1〜CA-6、特願平8-132836に記載
のオニュ−ム塩類、具体的にはA-1〜A-42、B-1〜B-
27、C-1〜C-14などを用いることができる。
【0173】これらの硬調化促進剤の合成方法、添加方
法、添加量等は、それぞれの前記引用特許に記載されて
いるように行うことができる。
【0174】本発明には五酸化二リンが水和してできる
酸またはその塩を造核剤と併用して用いることが好まし
い。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩とし
ては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリ
ン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサ
メタリン酸(塩)などである。特に好ましく用いられる
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては
オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)であり、
具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリ
ン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
【0175】本発明に好ましく用いることができる五酸
化二リンが水和してできる酸またはその塩は、少量で所
望の効果を発現するという点から画像形成層あるいはそ
れに隣接するバインダー層に添加する。
【0176】本発明に用いる五酸化二リンが水和してで
きる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2当たりの塗
布量)としては感度やカブリなどの性能に合わせて所望
の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100
mg/m2がより好ましい。
【0177】本発明の熱現像感光材料には有機銀塩のた
めの還元剤を含むことが好ましい。有機銀塩のための還
元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好ま
しくは有機物質であってよい。フェニドン、ハイドロキ
ノンおよびカテコールなどの従来の写真現像剤は有用で
あるが、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。還元
剤は、画像形成層を有する面の銀1モルに対して5〜50モ
ル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれるこ
とがさらに好ましい。還元剤の添加層は画像形成層を有
する面のいかなる層でも良い。画像形成層以外の層に添
加する場合は銀1モルに対して10〜50モル%と多めに使用
することが好ましい。また、還元剤は現像時のみ有効に
機能を持つように誘導化されたいわゆるプレカーサーで
あってもよい。
【0178】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の還元剤が特開昭46-6074号、同47-1238号、
同47-33621号、同49-46427号、同49-115540号、同50-14
334号、同50-36110号、同50-147711号、同51-32632号、
同51-1023721号、同51-32324号、同51-51933号、同52-8
4727号、同55-108654号、同56-146133号、同57-82828
号、同57-82829号、特開平6-3793号、米国特許3,679,42
6号、同3,751,252号、同3,751,255号、同3,761,270号、
同3,782,949号、同3,839,048号、同3,928,686号、同5,4
64,738号、独国特許2321328号、欧州特許692732号など
に開示されている。例えば、フェニルアミドオキシム、
2-チエニルアミドオキシムおよびp-フェノキシフェニル
アミドオキシムなどのアミドオキシム;例えば4-ヒドロ
キシ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒドアジンなどのア
ジン;2,2'-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオニル-β-
フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との組合せのよう
な脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドとアスコルビン
酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼンと、ヒドロキシ
ルアミン、レダクトンおよび/またはヒドラジンの組合
せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エトキシエチル)ヒ
ドロキシルアミン、ピペリジノヘキソースレダクトンま
たはホルミル-4-メチルフェニルヒドラジンの組合せな
ど);フェニルヒドロキサム酸、p-ヒドロキシフェニル
ヒドロキサム酸およびβ-アリニンヒドロキサム酸など
のヒドロキサム酸;アジンとスルホンアミドフェノール
との組合せ(例えば、フェノチアジンと2,6-ジクロロ-4-
ベンゼンスルホンアミドフェノールなど);エチル-α-
シアノ-2-メチルフェニルアセテート、エチル-α-シア
ノフェニルアセテートなどのα-シアノフェニル酢酸誘
導体;2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチル、6,6'-ジブ
ロモ-2,2'-ジヒドロキシ-1,1'-ビナフチルおよびビス(2
-ヒドロキシ-1-ナフチル)メタンに例示されるようなビ
ス-β-ナフトール;ビス-β-ナフトールと1,3-ジヒドロ
キシベンゼン誘導体(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾ
フェノンまたは2',4'-ジヒドロキシアセトフェノンな
ど)の組合せ;3-メチル-1-フェニル-5-ピラゾロンなど
の、5-ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクト
ン、アンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンお
よびアンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクト
ンに例示されるようなレダクトン;2,6-ジクロロ-4-ベ
ンゼンスルホンアミドフェノールおよびp-ベンゼンスル
ホンアミドフェノールなどのスルホンアミドフェノール
還元剤;2-フェニルインダン-1,3-ジオンなど; 2,2-ジ
メチル-7-t-ブチル-6-ヒドロキシクロマンなどのクロマ
ン;2,6-ジメトキシ-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-ジヒド
ロピリジンなどの1,4-ジヒドロピリジン;ビスフェノー
ル(例えば、ビス(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェ
ニル)プロパン、4,4-エチリデン-ビス(2-t-ブチル-6-メ
チルフェノール) 、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチ
ルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサンおよび2,2-ビス
(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンなど);
アスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸1-アスコ
ルビル、ステアリン酸アスコルビルなど);ならびにベ
ンジルおよびビアセチルなどのアルデヒドおよびケト
ン;3-ピラゾリドンおよびある種のインダン-1,3-ジオ
ン;クロマノール(トコフェロールなど)などがある。特
に好ましい還元剤としては、ビスフェノール、クロマノ
ールである。
【0179】本発明の還元剤は、溶液、粉末、固体微粒
子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒
子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミ
ル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子
分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0180】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させる上でも有利になる
ことがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モル
当たりの0.1〜50%(モル)の量含まれることが好ましく、
0.5〜20%(モル)含まれることがさらに好ましい。また、
色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように誘導化され
たいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0181】有機銀塩を利用した熱現像感光材料におい
ては広範囲の色調剤が特開昭46-6077号、同47-10282
号、同49-5019号、同49-5020号、同49-91215号、同49-9
1215号、同50-2524号、同50-32927号、同50-67132号、
同50-67641号、同50-114217号、同51-3223号、同51-279
23号、同52-14788号、同52-99813号、同53-1020号、同5
3-76020号、同54-156524号、同54-156525号、同61-1836
42号、特開平4-56848号、特公昭49-10727号、同54-2033
3号、米国特許3,080,254号、同3,446,648号、同3,782,9
41号、同4,123,282号、同4,510,236号、英国特許138079
5号、ベルギー特許841910号などに開示されている。色
調剤の例は、フタルイミドおよびN-ヒドロキシフタルイ
ミド;スクシンイミド、ピラゾリン-5-オン、ならびに
キナゾリノン、3-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン、1-フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4-チアゾリジン
ジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例えば、N
-ヒドロキシ-1,8-ナフタルイミド);コバルト錯体(例え
ば、コバルトヘキサミントリフルオロアセテート);3-
メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジメルカプトピ
リミジン、3-メルカプト-4,5-ジフェニル-1,2,4-トリア
ゾールおよび2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール
に例示されるメルカプタン;N-(アミノメチル)アリール
ジカルボキシイミド、(例えば、(N,N-ジメチルアミノメ
チル)フタルイミドおよびN,N-(ジメチルアミノメチル)-
ナフタレン-2,3-ジカルボキシイミド);ならびにブロッ
ク化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびある種
の光退色剤(例えば、N,N'-ヘキサメチレンビス(1-カル
バモイル-3,5-ジメチルピラゾール)、1,8-(3,6-ジアザ
オクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテー
ト)および2-トリブロモメチルスルホニル)-(ベンゾチア
ゾール));ならびに3-エチル-5[(3-エチル-2-ベンゾチ
アゾリニリデン)-1-メチルエチリデン]-2-チオ-2,4-オ
キサゾリジンジオン;フタラジノン、フタラジノン誘導
体もしくは金属塩、または4-(1-ナフチル)フタラジノ
ン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノ
ンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオンなどの誘
導体;フタラジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル
酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸およびテトラ
クロロ無水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フ
タラジン誘導体(例えば、4-(1-ナフチル)フタラジン、6
-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジン、6-iso
-ブチルフタラジン、6-iso-プロピルフタラジン、6-ter
t-ブチルフタラジン、5,7-ジメチルフタラジン、および
2,3-ジヒドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属
塩、;フタラジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体
(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタ
ル酸およびテトラクロロ無水フタル酸など)との組合
せ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジンまたはナフト
オキサジン誘導体;色調調節剤としてだけでなくその場
でハロゲン化銀生成のためのハライドイオンの源として
も機能するロジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム
(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムお
よびヘキサクロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機
過酸化物および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモ
ニウムおよび過酸化水素;1,3-ベンズオキサジン-2,4-
ジオン、8-メチル-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン
および6-ニトロ-1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオンなど
のベンズオキサジン-2,4-ジオン;ピリミジンおよび不
斉-トリアジン(例えば、2,4-ジヒドロキシピリミジン、
2-ヒドロキシ-4-アミノピリミジンなど)、アザウラシ
ル、およびテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6-
ジメルカプト-1,4-ジフェニル-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラ
アザペンタレン、および1,4-ジ(o-クロロフェニル)-3,6
-ジメルカプト-1H,4H-2,3a,5,6a-テトラアザペンタレ
ン)などがある。
【0182】本発明の色調剤は、溶液、粉末、固体微粒
子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒
子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動
ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミ
ル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子
分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0183】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理前の
膜面pHは6以下であることが保存時のカブリを低減さ
せる上で好ましく、特に5.5以下、さらに好ましくは
5.3以下である。その下限には特に制限はないが、3
程度である。
【0184】膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有
機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発
性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという
観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗
布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜
面pHを達成する上で好ましい。
【0185】なお、本発明の熱現像感光材料の膜面pH
を測定する場合には、熱現像処理前の熱現像感光材料
2.5cm×2.5cmを舟形に折り、その画像形成層
側に300μlの蒸留水を滴下し、30分静置した後
に、その滴下液をpH BOY−P2(新電元工業株式
会社製、半導体方式のpH計)にて1分間測定すること
が好ましい。
【0186】本発明のバインダーとしては以下に述べる
ポリマーラテックスを用いることが好ましい。
【0187】本発明の熱現像感光材料の感光性ハロゲン
化銀を含有する画像形成層のうち少なくとも1層は以下
に述べるポリマーラテックスを全バインダーの50重量%
以上として用いた画像形成層であることが好ましい。
(以降この画像形成層を「本発明の画像形成層」、バイ
ンダーに用いるポリマーラテックスを「本発明のポリマ
ーラテックス」と表す。)また、ポリマーラテックスは
画像形成層だけではなく、保護層やバック層に用いても
よく、特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱
現像感光材料を用いる場合には、保護層やバック層にも
ポリマーラテックスを用いることが好ましい。ただしこ
こで言う「ポリマーラテックス」とは水不溶な疎水性ポ
リマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散した
ものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳
化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散さ
れたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な
構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれ
でもよい。なお本発明のポリマーラテックスについては
「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子
刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝
明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会
発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、
高分子刊行会発行(1970))」などに記載されている。分
散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜100
0nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関し
ては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分
散の粒径分布を持つものでもよい。
【0188】本発明のポリマーラテックスとしては通常
の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/
シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェル
はガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。
【0189】本発明のバインダーに好ましく用いるポリ
マーラテックスのガラス転移温度(Tg)は保護層、バ
ック層と画像形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像
形成層にあっては熱現像時に写真有用素材の拡散を促す
ため、-30〜40℃であることが好ましい。保護層やバッ
ク層に用いる場合には種々の機器と接触するために25〜
70℃のガラス転移温度が好ましい。
【0190】本発明のポリマーラテックスの最低造膜温
度(MFT)は-30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度
が好ましい。最低造膜温度をコントロールするために造
膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよばれ
ポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化
合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテックス
の化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」に記載
されている。
【0191】本発明のポリマーラテックスに用いられる
ポリマー種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化
ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、またはこれらの共重合体などがある。ポリマーとし
ては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、ま
た架橋されたポリマーでも良い。またポリマーとしては
単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでも良
いし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーでも良
い。コポリマーの場合はランダムコポリマーでもブロッ
クコポリマーでも良い。ポリマーの分子量は数平均分子
量で5000〜1000000、好ましくは10000〜100000程度が好
ましい。分子量が小さすぎるものは画像形成層の力学強
度が不十分であり、大きすぎるものは製膜性が悪く好ま
しくない。
【0192】本発明の熱現像感光材料の画像形成層のバ
インダーとして用いられるポリマーラテックスの具体例
としては以下のようなものがある。メチルメタクリレー
ト/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラ
テックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルア
クリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロ
ニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなど。
また、このようなポリマーは市販もされていて、以下の
ようなポリマーが利用できる。例えばアクリル樹脂の例
として、セビアンA-4635,46583、4601(以上ダイセル化
学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857
(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂とし
ては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本イン
キ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマンケミ
カル製)など、ポリウレタン樹脂としてはHYDRAN AP10、
20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム
系樹脂としてはLACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C
(以上大日本インキ化学(株)製)、 Nipol Lx416、41
0、438C、2507、(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化
ビニル樹脂としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)
製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L513(以上
旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504、D5071(以上
三井東圧(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパ
ールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙
げることができる。これらのポリマーは単独で用いても
よいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良
い。
【0193】本発明の画像形成層は全バインダーの50重
量%以上として上記ポリマーラテックスが好ましく用い
られるが、70重量%以上として上記ポリマーラテックス
が用いられることがさらに好ましい。
【0194】本発明の画像形成層には必要に応じて全バ
インダーの50重量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニル
アルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加し
ても良い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成
層の全バインダーの30重量%以下、さらには15重量%以下
が好ましい。
【0195】本発明の画像形成層は水系の塗布液を塗布
後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言
う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60重量%以上が
水であることをいう。塗布液の水以外の成分はメチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホ
ルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用
いることができる。具体的な溶媒組成の例としては、水
のほか、以下のようなものがある。水/メタノール=90
/10、水/メタノール=70/30、水/エタノール=90/1
0、水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホルム
アミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド
=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホルムアミド=9
0/5/5。(ただし数字は重量%を表す。)
【0196】本発明の画像形成層の全バインダー量は0.
2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好まし
い。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布
性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0197】本発明における増感色素としてはハロゲン
化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀
粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでも良
い。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソ
ノール色素等を用いることができる。本発明に使用され
る有用な増感色素は例えばRESEARCH DISCLOSURE Item17
643IV-A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1979年8月
p.437)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。特に各種レーザーイメージャー、スキャナー、イメ
ージセッターや製版カメラの光源の分光特性に適した分
光感度を有する増感色素を有利に選択することができ
る。
【0198】赤色光への分光増感の例としては、He-Ne
レーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわゆる赤
色光源に対しては、特開昭54-18726号に記載のI-1から
I-38の化合物、特開平6-75322号に記載のI-1からI-3
5の化合物および特開平7-287338号に記載のI-1からI-
34の化合物、特公昭55-39818号に記載の色素1から20、
特開昭62-284343号に記載のI-1からI-37の化合物およ
び特開平7-287338号に記載のI-1からI-34の化合物な
どが有利に選択される。
【0199】750〜1400nmの波長領域の半導体レーザー
光源に対しては、シアニン、メロシアニン、スチリル、
ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノールおよび
キサンテン色素を含む種々の既知の色素により、スペク
トル的に有利に増感させることができる。有用なシアニ
ン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾリン核、ピ
ロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チアゾール
核、セレナゾール核およびイミダゾール核などの塩基性
核を有するシアニン色素である。有用なメロシアニン染
料で好ましいものは、上記の塩基性核に加えて、チオヒ
ダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジンジオン
核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、チアゾリ
ノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核などの酸
性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニン色素に
おいて、イミノ基またはカルボキシル基を有するものが
特に効果的である。例えば、米国特許3,761,279号、同
3,719,495号、同3,877,943号、英国特許1,466,201号、
同1,469,117号、同1,422,057号、特公平3-10391号、同6
-52387号、特開平5-341432号、同6-194781号、同6-3011
41号に記載されたような既知の色素から適当に選択して
よい。
【0200】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62-58239号、同3-13863
8号、同3-138642号、同4-255840号、同5-72659号、同5-
72661号、同6-222491号、同2-230506号、同6-258757
号、同6-317868号、同6-324425号、特表平7-500926号、
米国特許5,541,054号に記載された色素) 、カルボン酸
基を有する色素(例としては特開平3-163440号、6-30114
1号、米国特許5,441,899号に記載された色素)、メロシ
アニン色素、多核メロシアニン色素や多核シアニン色素
(特開昭47-6329号、同49-105524号、同51-127719号、同
52-80829号、同54-61517号、同59-214846号、同60-6750
号、同63-159841号、特開平6-35109号、同6-59381号、
同7-146537号、同7-146537号、特表平55-50111号、英国
特許1,467,638号、米国特許5,281,515号に記載された色
素)が挙げられる。
【0201】また、J-bandを形成する色素として、米国
特許5,510,236号、同3,871,887号の実施例5に記載の色
素、特開平2-96131号、特開昭59-48753号に開示されて
いる色素があり、これらの色素を本発明に好ましく用い
ることができる。
【0202】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure176巻17643(1978年12月発行)第23
頁IVのJ項、あるいは特公昭49-25500号、同43-4933号、
特開昭59-19032号、同59-192242号等に記載されてい
る。
【0203】増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加させ
るには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、ある
いは水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセ
トン、メチルセルソルブ、2,2,3,3-テトラフルオロプロ
パノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、3-メトキシ
-1-プロパノール、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキ
シ-2-プロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶
媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加しても
よい。
【0204】また、米国特許3,469,987号明細書等に開
示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解
し、この溶液を水または親水性コロイド中に分散し、こ
の分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44-23389号、
同44-27555号、同57-22091号等に開示されているよう
に、色素を酸に溶解し、この溶液を乳剤中に添加した
り、酸または塩基を共存させて水溶液として乳剤中へ添
加する方法、米国特許3,822,135号、同4,006,025号明細
書等に開示されているように界面活性剤を共存させて水
溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加
する方法、特開昭53-102733号、同58-105141号に開示さ
れているように親水性コロイド中に色素を直接分散さ
せ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51-746
24号に開示されているように、レッドシフトさせる化合
物を用いて色素を溶解し、この溶液を乳剤中へ添加する
方法を用いることもできる。また、溶解に超音波を用い
ることもできる。
【0205】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であるこ
とが認められている乳剤調製のいかなる工程中であって
もよい。例えば米国特許2,735,766号、同3,628,960号、
同4,183,756号、同4,225,666号、特開昭58-184142号、
同60-196749号等の明細書に開示されているように、ハ
ロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時
期、脱塩工程中および/または脱塩後から化学熟成の開
始前までの時期、特開昭58-113920号等の明細書に開示
されているように、化学熟成の直前または工程中の時
期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前
ならばいかなる時期、工程において添加されてもよい。
また、米国特許4,225,666号、特開昭58-7629号等の明細
書に開示されているように、同一化合物を単独で、また
は異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工
程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けた
り、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなど
して分割して添加してもよく、分割して添加する化合物
および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよ
い。
【0206】本発明における増感色素の使用量としては
感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好
ましく、10-4〜10-1モルがさらに好ましい。
【0207】本発明におけるハロゲン化銀乳剤または/
および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体によって、付加的なカブリの生成に対して更に保
護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定化
することができる。単独または組合せて使用することが
できる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体
は、米国特許第2,131,038号および同第2,694,716号に記
載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437号および同
第2,444,605号に記載のアザインデン、米国特許第2,72
8,663号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号に記載
のウラゾール、米国特許第3,235,652号に記載のスルホ
カテコール、英国特許第623,448号に記載のオキシム、
ニトロン、ニトロインダゾール、米国特許第2,839,405
号に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839号に記載
のチウロニウム塩、ならびに米国特許第2,566,263号お
よび同第2,597,915号に記載のパラジウム、白金および
金塩、米国特許第4,108,665号および同第4,442,202号に
記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,128,557
号および同第4,137,079号、第4,138,365号および同第4,
459,350号に記載のトリアジンならびに米国特許第4,41
1,985号に記載のリン化合物などがある。
【0208】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
としては有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50-1
19624号、同50-120328号、同51-121332号、同54-58022
号、同56-70543号、同56-99335号、同59-90842号、同61
-129642号、同62-129845号、特開平6-208191号、同7-56
21号、同7-2781号、同8-15809号、米国特許第5,340,712
号、同5,369,000号、同5,464,737号に開示されているよ
うな化合物が挙げられる。
【0209】本発明のカブリ防止剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0210】本発明を実施するために必要ではないが、
画像形成層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加えるこ
とが有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩
は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使用する
水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当たり好ま
しくは1×10-9モル〜1×10-3モル、さらに好ましくは1
×10-8モル〜1×10-4モルの範囲である。
【0211】本発明における熱現像感光材料は高感度化
やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有しても良
い。本発明の安息香酸類はいかなる安息香酸誘導体でも
よいが、好ましい構造の例としては、米国特許4,784,93
9号、同4,152,160号、特願平8-151242号、同8-151241
号、同8-98051号などに記載の化合物が挙げられる。本
発明の安息香酸類は熱現像感光材料のいかなる部位に添
加しても良いが、添加層としては画像形成層を有する面
の層に添加することが好ましく、有機銀塩を含有する層
に添加することがさらに好ましい。本発明の安息香酸類
の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行って
も良く、有機銀塩を含有する層に添加する場合は有機銀
塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有
機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。本発明の安息香
酸類の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などい
かなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、
色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても
良い。本発明の安息香酸類の添加量としてはいかなる量
でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下
が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ま
しい。
【0212】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。
【0213】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar-SM 、Ar-S-S-A
rで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子または
アルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、イオ
ウ、酸素、セレニウムもしくはテルリウム原子を有する
芳香環基または縮合芳香環基である。好ましくは、これ
らの基中の複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイ
ミダゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベ
ンズオキサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナ
ゾール、ベンゾテルラゾール、カルバゾール、イミダゾ
ール、オキサゾール、ピラゾール、トリアゾール、チア
ジアゾール、テトラゾール、トリアジン、ピリミジン、
ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プリン、キノリンま
たはキナゾリノンである。この複素芳香環は、例えば、
ハロゲン(例えば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、
カルボキシ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好
ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭
素原子を有するもの)およびアリール(置換基を有して
いてもよい)からなる置換基群から選択されるものを有
してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合物をとして
は、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプトベ
ンズオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-
メルカプト-5-メチルベンズイミダゾール、6-エトキシ-
2-メルカプトベンゾチアゾール、2,2'-ジチオビス-(ベ
ンゾチアゾール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、
4,5-ジフェニル-2-イミダゾールチオール、2-メルカプ
トイミダゾール、1-エチル-2-メルカプトベンズイミダ
ゾール、2-メルカプトキノリン、8-メルカプトプリン、
2-メルカプト-4(3H)-キナゾリノン、7-トリフルオロメ
チル-4-キノリンチオール、2,3,5,6-テトラクロロ-4-ピ
リジンチオール、4-アミノ-6-ヒドロキシ-2-メルカプト
ピリミジンモノヒドレート、2-アミノ-5-メルカプト-1,
3,4-チアジアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-ト
リアゾール、4-ヒドキロシ-2-メルカプトピリミジン、2
-メルカプトピリミジン、4,6-ジアミノ-2-メルカプトピ
リミジン、2-メルカプト-4-メチルピリミジンヒドロク
ロリド、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾー
ル、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、3-(5-メル
カプトテトラゾール)-ベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、N-メチル-N'-[3-(5-メルカプトテトラゾリル)フェ
ニル]ウレア、2-メルカプト-4-フェニルオキサゾール、
N-[3-(メルカプトアセチルアミノ)プロピル]カルバゾー
ルなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0214】これらのメルカプト化合物の添加量として
は乳剤層中に銀1モル当たり0.0001〜1.0モルの範囲が好
ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり0.001〜0.
3モルの量である。
【0215】本発明における画像形成層には、可塑剤お
よび潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第
2,960,404号に記載された種類のグリセリンおよびジオ
ール)、米国特許第2,588,765号および同第3,121,060号
に記載の脂肪酸またはエステル、英国特許第955,061号
に記載のシリコーン樹脂などを用いることができる。
【0216】本発明においては、画像形成層の上に保護
層を設けることが好ましく、保護層のバインダーとして
は、前述のように、ガラス転移温度が25℃以上70℃以下
のポリマーのラテックスを用いることが好ましい。この
場合保護層の全バインダーの50重量%以上、好ましくは
70重量%以上として前述のポリマーラテックスを用いる
ことが好ましい。本発明ではこのような保護層を少なく
とも1層設けることが好ましい。このような保護層のバ
インダー構成や塗設方法等については画像形成層と同様
である。保護層用のポリマーラテックスとしてはアクリ
ル系、スチレン系、アクリル/スチレン系、塩化ビニル
系、塩化ビニリデン系のポリマーラテックスが好ましく
用いられ、具体的にはアクリル樹脂系のVONCORT R337
0、4280、Nipol Lx857、メチル(メタ)アクリレート
/2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート/ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)ア
クリル酸コポリマー、塩化ビニル樹脂のNipol G576、
塩化ビニリデン樹脂のアロンD5071が好ましく用いられ
る。
【0217】本発明に用いられる保護層用の全バインダ
ー量は0.2〜5.0g/m2、より好ましくは0.5〜4.0g/m2
の範囲である。
【0218】本発明の表面保護層としては、いかなる付
着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例として
は、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラストマー
性ブロックコポリマー(例えば、スチレン-ブタジエン-
スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン)、酢酸セル
ロース、セルロースアセテートブチレート、セルロース
プロピオネートやこれらの混合物などがある。また、表
面保護層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための
界面活性剤などを添加してもよい。
【0219】本発明における画像形成層もしくは画像形
成層の保護層には、米国特許第3,253,921号、同第2,27
4,782号、同第2,527,583号および同第2,956,879号に記
載されているような光吸収物質およびフィルター染料を
使用することができる。また、例えば米国特許第3,282,
699号に記載のように染料を媒染することができる。フ
ィルター染料の使用量としては露光波長での吸光度が0.
1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好ましい。
【0220】本発明の画像形成層には色調改良、イラジ
エーション防止の観点から各種染料や顔料を用いること
ができる。本発明の画像形成層に用いる染料および顔料
はいかなるものでもよいが、例えばカラーインデックス
記載の顔料や染料があり、具体的にはピラゾロアゾール
染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染
料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル
染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、
インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする
有機顔料、無機顔料などが挙げられる。本発明に用いら
れる好ましい染料としてはアントラキノン染料(例えば
特開平5-341441号記載の化合物1〜9、特開平5-165147号
記載の化合物3-6〜18および3-23〜38など)、アゾメチン
染料(特開平5-341441号記載の化合物17〜47など)、イン
ドアニリン染料(例えば特開平5-289227号記載の化合物1
1〜19、特開平5-341441号記載の化合物47、特開平5-165
147号記載の化合物2-10〜11など)およびアゾ染料(特開
平5-341441号記載の化合物10〜16)が挙げられる。これ
らの染料の添加法としては、溶液、乳化物、固体微粒子
分散物、高分子媒染剤に媒染された状態などいかなる方
法でも良い。これらの化合物の使用量は目的の吸収量に
よって決められるが、一般的に感材1m2当たり1×10-6g
以上1g以下の範囲で用いることが好ましい。
【0221】本発明における熱現像感光材料は、支持体
の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む
画像形成層を有し、他方の側にバック層を有する、いわ
ゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0222】本発明においてバック層は、所望の範囲で
の最大吸収が約0.3以上2.0以下であることが好ましい。
所望の範囲が750〜1400nmである場合には、750〜360nm
においての光学濃度が0.005以上0.5未満であることが好
ましく、さらに好ましくは0.001以上0.3未満の光学濃度
を有するハレーション防止層であることが好ましい。所
望の範囲が750nm以下である場合には、画像形成前の所
望範囲の最大吸収が0.3以上2.0以下であり、さらに画像
形成後の360〜750nmの光学濃度が0.005以上0.3未満にな
るようなハレーション防止層であることが好ましい。画
像形成後の光学濃度を上記の範囲に下げる方法としては
特に制限はないが、例えばベルギー特許第733,706号に
記載されたように染料による濃度を加熱による消色で低
下させる方法、特開昭54-17833号に記載の光照射による
消色で濃度を低下させる方法等が挙げられる。
【0223】本発明でハレーション防止染料を使用する
場合、こうした染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、
処理後に可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層
の好ましい吸光度スペクトルの形状が得られればいかな
る化合物でも良い。例えば以下に挙げるものが開示され
ているが本発明はこれに限定されるものではない。単独
の染料としては特開昭59-56458号、特開平2-216140号、
同7-13295号、同7-11432号、米国特許5,380,635号記
載、特開平2-68539号公報第13頁左下欄1行目から同第14
頁左下欄9行目、同3-24539号公報第14頁左下欄から同第
16頁右下欄記載の化合物があり、処理で消色する染料と
しては特開昭52-139136号、同53-132334号、同56-50148
0号、同57-16060号、同57-68831号、同57-101835号、同
59-182436号、特開平7-36145号、同7-199409号、特公昭
48-33692号、同50-16648号、特公平2-41734号、米国特
許4,088,497号、同4,283,487号、同4,548,896号、同5,1
87,049号がある。
【0224】本発明においてバック層の好適なバインダ
ーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー、合成樹脂やポリマーおよびコポリマー、その他フ
ィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴ
ム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロ
ース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブ
チレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポ
リ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレ
ン-無水マレイン酸)、コポリ(スチレン-アクリロニトリ
ル)、コポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(ビニルアセ
タール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)およびポリ
(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタ
ン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ
(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニル
アセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類
がある。バインダーは水または有機溶媒またはエマルジ
ョンから被覆形成してもよい。
【0225】本発明における片面感光材料は、搬送性改
良のために画像形成層の表面保護層および/またはバッ
ク層またはバック層の表面保護層にマット剤を添加して
も良い。マット剤は、一般に水に不溶性の有機または無
機化合物の微粒子である。マット剤としては任意のもの
を使用でき、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,2
45号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344
号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット
剤、同1,260,772号、同2,192,241号、同3,257,206号、
同3,370,951号、同3,523,022号、同3,769,020号等の各
明細書に記載の無機マット剤など当業界で良く知られた
ものを用いることができる。例えば具体的にはマット剤
として用いることのできる有機化合物の例としては、水
分散性ビニル重合体の例としてポリメチルアクリレー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリル-α-メチルスチレン共重合体、ポ
リスチレン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、ポ
リビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリ
テトラフルオロエチレンなど、セルロース誘導体の例と
してはメチルセルロース、セルロースアセテート、セル
ロースアセテートプロピオネートなど、澱粉誘導体の例
としてカルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱
粉、尿素-ホルムアルデヒド-澱粉反応物など、公知の硬
化剤で硬化したゼラチンおよびコアセルベート硬化して
微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチンなど好ましく
用いることができる。無機化合物の例としては二酸化珪
素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減
感した塩化銀、同じく臭化銀、ガラス、珪藻土などを好
ましく用いることができる。上記のマット剤は必要に応
じて異なる種類の物質を混合して用いることができる。
マット剤の大きさ、形状に特に限定はなく、任意の粒径
のものを用いることができる。本発明の実施に際しては
0.1μm〜30μmの粒径のものを用いるのが好ましい。ま
た、マット剤の粒径分布は狭くても広くても良い。一
方、マット剤は感材のヘイズ、表面光沢に大きく影響す
ることから、マット剤作製時あるいは複数のマット剤の
混合により、粒径、形状および粒径分布を必要に応じた
状態にすることが好ましい。
【0226】本発明においてバック層にマット剤を添加
するのは好ましい態様であり、バック層のマット度とし
てはベック平滑度が1200秒以下50秒以上が好ましく、さ
らに好ましくは700秒以下100秒以上である。
【0227】本発明において、マット剤は熱現像感光材
料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、
あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、ま
たいわゆる保護層として作用する層に含有されることが
好ましい。また、乳剤面保護層のマット度は星屑故障が
生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が300
秒以上5,000秒以下が好ましく、特に500秒以上2,000秒
以下が好ましい。
【0228】ある。
【0229】本発明に用いる画像形成層は、支持体上に
一層またはそれ以上の層で構成される。一層の構成は有
機銀塩、ハロゲン化銀、現像剤およびバインダー、なら
びに色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望によ
る追加の材料を含まなければならない。二層の構成は、
第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀
塩およびハロゲン化銀を含み、第2層または両層中にい
くつかの他の成分を含まなければならない。しかし、全
ての成分を含む単一乳剤層および保護トップコートを含
んでなる二層の構成も考えられる。多色感光性熱現像写
真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを
含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載され
ているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよ
い。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層
は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されている
ように、各乳剤層(感光性層)の間に官能性もしくは非
官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別
されて保持される。
【0230】米国特許第4,460,681号および同第4,374,9
21号に示されるような裏面抵抗性加熱層(backside resi
stive heating layer)を感光性熱現像写真画像系に使用
することもできる。
【0231】本発明の画像形成層、保護層、バック層な
ど各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例として
は、米国特許4,281,060号、特開平6-208193号などに記
載されているポリイソシアネート類、米国特許4,791,04
2号などに記載されているエポキシ化合物類、特開昭62-
89048号などに記載されているビニルスルホン系化合物
類などが用いられる。
【0232】本発明には塗布性、帯電改良などを目的と
して界面活性剤を用いても良い。界面活性剤の例として
は、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、フッ素系な
どいかなるものも適宜用いられる。具体的には、特開昭
62-170950号、米国特許5,380,644号などに記載のフッ素
系高分子界面活性剤、特開昭60-244945号、特開昭63-18
8135号などに記載のフッ素系界面活性剤、米国特許3,88
5,965号などに記載のポリシロキサン系界面活性剤、特
開平6-301140号などに記載のポリアルキレンオキサイド
やアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0233】本発明における画像形成層およびその他の
層は、一般的には種々の支持体上に被覆させることがで
きる。典型的な支持体は、ポリエステルフィルム、下塗
りポリエステルフィルム、ポリ(エチレンテレフタレー
ト)フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、硝
酸セルロースフィルム、セルロースエステルフィルム、
ポリ(ビニルアセタール)フィルム、ポリカーボネート
フィルムおよび関連するまたは樹脂状の材料、ならびに
ガラス、紙、金属などを含む。可撓性基材、特に、バラ
イタおよび/または部分的にアセチル化されたα-オレ
フィンポリマー、特にポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−ブテンコポリマーなどの炭素数2〜10のα-オ
レフィンのポリマーによりコートされた紙支持体が、典
型的に用いられる。このような支持体は透明であっても
不透明であってもよいが、透明であることが好ましい。
これらのうちでも75〜200μm程度の2軸延伸したポリエ
チレンテレフタレート(PET)が特に好ましい。
【0234】一方、プラスチックフィルムを80℃以上の
処理の熱現像機に通すと一般にフィルムの寸法が伸縮す
る。処理後の材料を印刷製版用途として使用する場合、
この伸縮は精密多色印刷を行う時に重大な問題となる。
よって、本発明では二軸延伸時にフィルム中に残存する
内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みを
なくす工夫をした、寸法変化の小さいフィルムを用いる
ことが好ましい。例えば、画像形成層を塗布する前に10
0℃〜210℃の範囲で熱処理したポリエチレンテレフタレ
ートなどが好ましく用いられる。ガラス転移温度の高い
ものも好ましく、ポリエーテルエチルケトン、ポリスチ
レン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリ
アリレート、ポリカーボネート等が使用できる。
【0235】本発明における熱現像感光材料は、帯電防
止のため、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩な
ど)、蒸着金属層、米国特許第2,861,056号および同第3,
206,312号に記載のようなイオン性ポリマーまたは米国
特許第3,428,451号に記載のような不溶性無機塩、特開
昭60-252349号、同57-104931号に記載されている酸化ス
ズ微粒子などを含む層を有してもよい。
【0236】本発明における熱現像感光材料を用いてカ
ラー画像を得る方法としては特開平7-13295号10頁左欄4
3行目から11左欄40行目に記載の方法がある。また、カ
ラー染料画像の安定剤としては英国特許第1,326,889
号、米国特許第3,432,300号、同第3,698,909号、同第3,
574,627号、同第3,573,050号、同第3,764,337号および
同第4,042,394号に例示されている。
【0237】本発明における画像形成層およびその他の
層は、浸漬コーティング、エアナイフコーティング、フ
ローコーティングまたは、米国特許第2,681,294号に記
載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを含む種
々のコーティング操作により被覆することができる。所
望により、米国特許第2,761,791号および英国特許第83
7,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を
同時に被覆することができる。
【0238】本発明における熱現像感光材料の中に追加
の層、例えば移動染料画像を受容するための染料受容
層、反射印刷が望まれる場合の不透明化層、保護トップ
コート層および光熱写真技術において既知のプライマー
層などを含むことができる。本発明の感材はその感材一
枚のみで画像形成できることが好ましく、受像層等の画
像形成に必要な機能性層が別の感材とならないことが好
ましい。
【0239】本発明において、像様露光に用いられる露
光装置は露光時間が10-7秒未満の露光が可能な装置で
あればいずれでもよいが、一般的にはLaser Diode(L
D)、Light Emitting Diode(LED)を光源に使用
した露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出
力、高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的
波長範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができ
るものであればいずれでもよい。例えばLDであれば、
色素レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レ
ーザーなどを用いることができる。
【0240】本発明の露光は光源の光ビームをオーバー
ラップさせて露光し、オーバーラップとは副走査ピッチ
幅がビーム径より小さいことをいう。オーバーラップと
は例えば、ビーム径をビーム強度の半値幅(FWHM)
で表わしたときFWHM/副走査ピッチ幅(オーバーラ
ップ係数)で定量的に表現することができる。本発明で
はこのオーバラップ係数が0.2以上であることが好ま
しい。
【0241】本発明に使用する露光装置の光源の走査方
式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査
方式、平面走査方式などを用いることができる。また、
光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネル
でもよいが、円筒外面方式の場合にはマルチチャンネル
が好ましく用いられる。
【0242】本発明の熱現像感光材料は露光時のヘイズ
が低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞
発生防止技術としては、特開平5-113548号などに開示さ
れているレーザー光を感光材料に対して斜めに入光させ
る技術や、国際特許WO95/31754号などに開示されてい
るマルチモードレーザーを利用する方法が知られてお
り、これらの技術を用いることが好ましい。
【0243】本発明の画像形成方法の加熱現像工程はい
かなる方法であっても良いが、通常イメージワイズに露
光した感光材料を昇温して現像される。用いられる熱現
像機の好ましい態様としては、熱現像感光材料をヒート
ローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプ
として特公平5-56499号、特許公報第684453号、特開平9
-292695号、特開平9-297385号および国際特許WO95/30
934号に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開
平7-13294号、国際特許WO97/28489号、同97/28488号
および同97/28487号に記載の熱現像機がある。特に好ま
しい態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい
現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは1
00〜140℃である。現像時間としては1〜180秒が好まし
く、10〜90秒がさらに好ましい。
【0244】本発明の熱現像感光材料の熱現像時の寸法
変化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上11
5℃未満(好ましくは113℃以下)の温度で画像が出ない
ようにして5秒以上加熱した後、110℃以上140℃以下で
熱現像して画像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方
法)が有効である。
【0245】本発明の熱現像感光材料を熱現像処理する
とき、110℃以上の高温にさらされるため、熱現像感
光材料中に含まれている成分の一部、あるいは熱現像に
よる分解成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分
は現像ムラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐
食させたり、温度の低い場所で析出し異物として画面の
変形を引起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の
悪い影響があることが知られている。これらの影響を除
くために、熱現像機にフィルターを設置し、また熱現像
機内の空気の流れを最適に調整することが知られてい
る。これらを有効に組合わせて利用することができる。
【0246】WO95/30933号、同97/211
50号、特表平10−500496号には、結合吸収粒
子を有し揮発分を導入する第一の開口部と排出する第二
の開口部とを有するフィルターカートリッジを、フィル
ム(感光材料)と接触して加熱する加熱装置に用いるこ
とが記載されている。WO96/12213号、特表平
10−507403号には、熱伝導性の凝縮捕集器とガ
ス吸収性微粒子フィルターを組合わせたフィルターが記
載されている。
【0247】また、米国特許4518845号、特公平
3−54331号には、フィルムからの蒸気を除去する
装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する加圧装置と伝熱部
材を加熱する装置とを有する構成が記載されている。W
O98/27458号には、フィルムから揮発するカブ
リを増加させる成分をフィルム表面から取り除くことが
記載されている。
【0248】本発明の熱現像感光材料の熱現像処理に用
いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は熱現
像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機は熱
現像感光材料10を平面状に矯正および予備加熱しなが
ら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(下部ローラー
がヒートローラー)と熱現像後の熱現像感光材料10を
平面状に矯正しながら加熱部から搬出する搬出ローラー
対12を有する。熱現像感光材料10は搬入ローラー対
11から搬出ローラー対12へと搬送される間に熱現像
される。この熱現像中の熱現像感光材料10を搬送する
搬送手段は画像形成層を有する面が接触する側に複数の
ローラー13が設置され、その反対側のバック面が接触
する側には不織布(例えば芳香族ポリアミドやテフロン
から成る)等が貼り合わされた平滑面14が設置され
る。熱現像感光材料10は画像形成層を有する面に接触
する複数のローラー13の駆動により、バック面は平滑
面14の上を滑って搬送される。加熱手段はローラー1
3の上部および平滑面14の下部に熱現像感光材料10
の両面から加熱されるように加熱ヒーター15が設置さ
れる。この場合の加熱手段としては板状ヒーター等が挙
げられる。ローラー13と平滑面14とのクリアランス
は平滑面の部材により異なるが、熱現像感光材料10が
搬送できるクリアランスに適宜調整される。好ましくは
0〜1mmである。
【0249】ローラー13の表面の材質および平滑面1
4の部材は、高温耐久性があり、熱現像感光材料10の
搬送に支障がなければ何でも良いが、ローラー表面の材
質はシリコンゴム、平滑面の部材は芳香族ポリアミドま
たはテフロン(PTFE)製の不織布が好ましい。加熱
手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ加熱温度
を自由に設定することが好ましい。
【0250】なお、加熱部は、搬入ローラー対11を有
する予備加熱部Aと、加熱ヒーター15を備えた熱現像
処理部Bとで構成されるが、熱現像処理部Bの上流の予
備加熱部Aは、熱現像温度よりも低く(例えば10〜3
0℃程度低く)、熱現像感光材料10中の水分量を蒸発
させるのに十分な温度および時間に設定することが望ま
しく、熱現像感光材料10の支持体のガラス転移温度
(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないように設
定することが好ましい。
【0251】また、熱現像処理部Bの下流にはガイド板
16が設置され、搬出ローラー対12とガイド板16と
を有する徐冷部Cが設置される。
【0252】ガイド板16は熱伝導率の低い素材が好ま
しく、熱現像感光材料10に変形が起こらないようにす
るために冷却は徐々に行うのが好ましい。
【0253】以上、図示例に従って説明したが、これに
限らず、例えば特開平7-13294号に記載のものなど、本
発明に用いられる熱現像機は種々の構成のものであって
もよい。また、本発明において好ましく用いられる多段
加熱方法の場合は、上述のような装置において、加熱温
度の異なる熱源を2個以上設置し、連続的に異なる温度
で加熱するようにすればよい。
【0254】
【実施例】以下に実施例をもって本発明の効果を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 <実施例1> 《ハロゲン化銀乳剤の調製》 <乳剤A>水700mlにアルカリ処理ゼラチン(カルシウ
ム含有量として2700ppm以下)11g、臭化カリウム30mgお
よびベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム10mgを溶解し
て、温度35℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを
含む水溶液159mlと臭化カリウム1モル/リットルとK3IrC
l6 2×10-5モル/リットル含む水溶液をpAg7.7に保ちな
がらコントロールダブルジェット法で6分30秒間かけて
添加した。次いで、硝酸銀55.4gを含む水溶液476mlと臭
化カリウム1モル/リットルとK3IrCl6 2×10-5モル/リ
ットル含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロールダ
ブルジェット法で28分30秒間かけて添加した。その後、
pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理をし、化合物A 0.17
g、平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン(カルシウム
含有量として20ppm以下)を加え、pH5.9、pAg8.0に調整
した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.07μm、投影面
積直径の変動係数9%、(100)面比率86%の立方体粒子であ
った。
【0255】このようにして得られた粒子に対し、温度
を60℃に昇温して、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンを5×10-4モル加えた
後、40℃に降温させた。
【0256】その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀
1モルに対して12.8×10-4モルの下記増感色素A、6.4×
10-3モルの化合物Bを攪拌しながら添加し、20分後に30
℃に急冷してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0257】<乳剤B>ハロゲン化銀粒子Aで用いてい
る臭化カリウムの一部を塩化ナトリウムに変え、さらに
pAg、温度を適当に調節して、粒子のハロゲン組成を塩
化銀含有率30mol%にした以外は、ハロゲン化銀粒子Aと
まったく同じにしたハロゲン化銀粒子Bを調製した。
【0258】<乳剤C>水900mlにアルカリ処理ゼラチ
ン(カルシウム含有量として2700ppm以下)15g、塩化ナ
トリウム1.35gおよびベンゼンチオスルフォン酸ナトリ
ウム6.5mgを溶解して、温度32℃にてpHを5.0に合わせた
後、硝酸銀60gを含む水溶液120mlと塩化ナトリウム21.6
gとK3IrCl6 2×10-5モル/硝酸銀モルを含む水溶液120m
lをダブルジェット法で2分48秒間かけて添加した。次い
で、硝酸銀15gを含む水溶液30mlと塩化ナトリウム4.32
g、臭化カリウム2.19gとK3IrCl6 2×10-5モル/硝酸銀
モルを含む水溶液30mlをダブルジェット法で48秒かけて
添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンを2g添加し、3分後にp
Hを下げて凝集沈降させて脱塩処理し、化合物A 0.17
g、平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン(カルシウム
含有量として20ppm以下)を加え、pH5.9、pAg7.5に調整
した。得られた粒子は平均粒子サイズ0.06μm、投影面
積直径の変動係数11%、(100)面比率95%で、塩化銀含有
率96mol%の塩臭化銀立方体粒子であった。
【0259】このようにして得られた粒子に対し、温度
を60℃に昇温して、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンを7.25×10-4モル添加
し、その2分後に40℃に降温させた。その後、40℃に温
度を保ち、ハロゲン化銀1モルに対して12.8×10-4モル
の下記増感色素A、6.4×10-3モルの化合物Bを攪拌し
ながら添加し、20分後に30℃に急冷してハロゲン化銀乳
剤Cの調製を終了した。
【0260】<乳剤D〜E>ハロゲン化銀粒子Cで用い
ている粒子のハロゲン組成が均一となるように塩化ナト
リウムの一部を臭化カリウムに変え、さらにpAg、温度
を適当に調節して、粒子のハロゲン組成を塩化銀含有率
80mol%、60mol%にした以外は、ハロゲン化銀粒子Cとま
ったく同じにしたハロゲン化銀乳剤D〜Eを調製した。
【0261】
【化17】
【0262】《有機酸銀分散物の調製》 <有機酸銀A>ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Eden
orC22-85R)87.6g、蒸留水423ml、5N−NaOH水溶液49.
2ml、tert−ブチルアルコール120mlを混合し、75℃にて
1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得
た。別に、硝酸銀40.4gの水溶液206.2mlを用意し、10℃
にて保温した。635mlの蒸留水と30mlのtert-ブチルアル
コールを入れた反応容器を30℃に保温し、攪拌しながら
先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全
量を流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて添加し
た。この時、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒間は硝酸
銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸
ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液添加終了後
9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加される
ようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、
液温度が上がらないようにコントロールした。また、ベ
ヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、スチームトレ
ースにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75
℃になるようにスチーム量をコントロールした。また、
硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を
循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶
液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は攪拌軸を中心
として対称的な配置とし、また反応液に接触しないよう
な高さに調節した。
【0263】ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そ
のままの温度で20分間攪拌放置し、25℃に降温した。そ
の後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水の伝導
度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして得られた固
形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管し
た。
【0264】得られたベヘン酸銀の粒子の形態を電子顕
微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積径0.52μ
m、平均粒子厚み0.14μm、平均球相当径の変動係数15
%の鱗片状の結晶であった。
【0265】つぎに、以下の方法でベヘン酸銀の分散物
を作成した。乾燥固形分100g相当のウエットケーキに
対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217,平均重
合度:約1700)7.4gおよび水を添加し、全体量を385g
としてからホモミキサーにて予備分散した。次に予備分
散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザ
ーM−110S−EH、マイクロフルイデックス・イン
ターナショナル・コーポレーション製、G10Zインタ
ラクションチャンバー使用)の圧力を1750kg/cm2
調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却
操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの
前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで所望の
分散温度に設定した。
【0266】こうして得たベヘン酸銀分散物に含まれる
ベヘン酸銀粒子は体積加重平均直径0.52μm、、変動係
数15%の粒子であった。粒子サイズの測定は、Malvern I
nstruments Ltd.製MasterSizerXにて行った。また電子
顕微鏡撮影により評価すると、長辺と短辺の比が1.5、
粒子厚み0.14μm、平均アスペクト比(粒子の投影面積
の円相当径と粒子厚みの比)が5.1であった。
【0267】《1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフ
ェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン:還元剤固体微粒子
分散物の調製》1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフ
ェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン25gに対してクラレ
(株)製MPポリマーのMP-203の20wt%水溶液を25g、日信
化学(株)製サフィノール104Eを0.1g、メタノール2gと
水48ml添加してよく撹拌して、スラリーとして3時間放
置した。その後、1mmのジルコニアビーズを360g用意し
てスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサ
ンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて3時
間分散し還元剤固体微粒子分散物を調製した。粒子径
は、粒子の80wt%が0.3μm以上1.0μm以下であった。
【0268】《ポリハロゲン化合物の固体微粒子分散物
の調製》ポリハロゲン化合物−Aの30gに対してクラレ
(株)製MPポリマーのMP-203を4g、化合物C0.25g
と、水66gを添加し良く撹拌し、その後0.5mmのジルコニ
アシリケートビーズを200g用意してスラリーと一緒にベ
ッセルに入れ、分散機(1/16Gサンドグラインダーミ
ル:アイメックス(株)製)にて5時間分散し、固体微
粒子分散物を調製した。粒子径は、粒子の80wt%が0.3μ
m以上1.0μm以下であった。
【0269】ポリハロゲン化合物−Bについてもポリハ
ロゲン化合物−Aと同様に固体微粒子分散物を調製し、
同様な粒子径となった。
【0270】《造核剤の固体微粒子分散物の調製》表4
に記載の造核剤10gに対して、ポリビニルアルコール
(クラレ製PVA-217)2.5g、水87.5gを添加し良く攪拌し
てスラリーとして3時間放置した。その後、0.5mmのジル
コニアビーズを240g用意してスラリーと一緒にベッセル
に入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメ
ックス(株)製)にて10時間分散し、固体微粒子分散物
を調製した。粒子径は、粒子の80wt%が0.1μm以上1.0
μm以下で、平均粒径0.5μmであった。
【0271】《化合物Zの固体微粒子分散物の調製》化
合物Zの30gに対して、クラレ(株)製MPポリマーのM
P-203を3gと水87ml添加してよく攪拌して、スラリーと
して3時間放置した。その後、上記還元剤固体微粒子分
散物の調製と同様にして、化合物Zの固体微粒子分散物
を調製した。粒子径は、粒子の80wt%が0.3μm以上1.0
μm以下であった。
【0272】《乳剤層塗布液の調製》上記で作成した有
機酸銀微結晶分散物の銀1モルに対して、以下のバイン
ダー、素材、およびハロゲン化銀乳剤を添加して、水を
加えて、乳剤層塗布液とした。
【0273】 バインダー;ラックスター3307B 固形分として 397g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,5,5-トリメチルヘキサン 固形分として 149g ポリハロゲン化合物-A 固形分として 0.06モル ポリハロゲン化合物-B 固形分として 0.02モル 造核剤 表4に記載の種類および量(モル) 式(A)の化合物 表4に記載の種類および量(モル) エチルチオスルホン酸ナトリウム 0.30g ベンゾトリアゾール 1.04g ポリビニルアルコール(クラレ(株)製PVA-235) 10.8g 6-iso-プロピルフタラジン 15.0g オルトりん酸二水素ナトリウム・2水和物 0.37g 化合物Z 固形分として 9.7g 染料A 783nmの光学濃度が0.3になる塗布量(目安として0.37g) ハロゲン化銀乳剤A〜E Ag量として0.06モル
【0274】
【化18】
【0275】《乳剤面下層保護層塗布液の調製》メチル
メタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレ
ート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸
=58.9/8.6/25.4/5.1/2(wt%)の粒子径120nmのポ
リマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度57
℃、固形分濃度として21.5wt%、造膜助剤として化合物
Dをラテックスの固形分に対して15wt%含有)956gにH2O
を加え、化合物E 1.62g、マット剤(ポリスチレン粒
子、平均粒径7μm)1.98gおよびポリビニルアルコール
(クラレ(株)製,PVA-235)23.6gを加え、さらにH2Oを
加えて、塗布液を調製した。
【0276】《乳剤面上層保護層塗布液の調製》メチル
メタクリレート/スチレン/2-エチルヘキシルアクリレ
ート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸
=58.9/8.6/25.4/5.1/2(wt%)の粒子径70nmのポ
リマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度54
℃、固形分濃度として21.5wt%、造膜助剤として化合物
Dをラテックスの固形分に対して15wt%含有)630gにH2O
を加え、カルナヴァワックス(中京油脂(株)製、セ
ロゾール524)30wt%溶液6.30g、化合物E 0.72g、化合
物F 7.95g、化合物G 0.01モル、マット剤(ポリス
チレン粒子、平均粒径7μm)1.18gおよびポリビニルア
ルコール(クラレ(株)製,PVA-235)8.30gを加え、さら
にH2Oを加えて、塗布液を調製した。
【0277】
【化19】
【0278】《バック/下塗り層のついたPET支持体の
作製》 (1)支持体 テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従
い、IV(固有粘度)=0.66(フェノール/テトラクロル
エタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得
た。これをペレット化した後、130℃で4時間乾燥し、3
00℃で溶融後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後
の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フイルムを
作製した。
【0279】これを周速の異なるロールを用い、3.3倍
に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施し
た。このときの温度はそれぞれ、110℃、130℃であっ
た。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で
横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部を
スリットした後、両端にナール加工を行い、4.8kg/cm2
で巻きとった。このようにして、幅2.4m、長さ3500m、
厚み120μmのロールを得た。
【0280】 (2)下塗り層(a) ポリマーラテックス-(コア部90wt%、シェル部10wt%のコアシェルタイプの ラテックスで、コア部:塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリ レート/アクリロニトリル/アクリル酸=93/3/3/0.9/0.1(wt%)、シェル部: 塩化ビニリデン/メチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリロニトリ ル/アクリル酸=88/3/3/3/3(wt%)から成る重量平均分子量38000のポリマーラ テックス) 固形分量として 3.0g/m2 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン 23mg/m2 マット剤(ポリスチレン、平均粒子径2.4μm) 1.5mg/m2
【0281】 (3)下塗り層(b) 脱イオン処理ゼラチン (Ca2+含量0.6ppm、ゼリー強度230g) 50mg/m2
【0282】 (4)導電層 ジュリマーET-410(日本純薬(株)製) 96mg/m2 アルカリ処理ゼラチン(分子量約10000、Ca2+含量30ppm ) 42mg/m2 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm) 8mg/m2 化合物A 0.2mg/m2 ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10mg/m2 スミテックスレジンM-3 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) 18mg/m2 染料A 783nmの光学濃度が1.2になる塗布量 SnO2/Sb(9/1重量比、針状微粒子、長軸/短軸=20〜30、 石原産業(株)製) 160mg/m2 マット剤(ポリメチルメタクリレート、平均粒子径5μm) 7mg/m2
【0283】 (5)保護層 ポリマーラテックス− (メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ 2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸 =59/9/26/5/1(重量%の共重合体)) 固形分量として 1000mg/m2 ポリスチレンスルホン酸塩(分子量1000〜5000) 2.6mg/m2 セロゾール524(中京油脂(株)) 25mg/m2 スミテックスレジンM-3 (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) 218mg/m2
【0284】(6)バック/下塗り層のついたPET支
持体の作製 支持体(ベース)の両面に下塗り層(a)と下塗り層(b)を
順次塗布し、それぞれ180℃、4分間乾燥した。つい
で、下塗り層(a)と下塗り層(b)を塗布した上の一方の側
の面に導電層と保護層を順次塗布し、それぞれ180℃、4
分間乾燥して、バック/下塗り層のついたPET支持体を
作製した。下塗り層(a)の乾燥厚みは2.0μmであっ
た。
【0285】(7)搬送熱処理 (7-1)熱処理 このようにして作製したバック/下塗り層のついたPET
支持体を160℃設定した全長200m熱処理ゾーンに入れ、
張力3kg/cm2、搬送速度20m/分で搬送した。 (7-2)後熱処理 上記熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通して後
熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力は10
kg/cm2であった。
【0286】
【化20】
【0287】《熱現像感光材料の作製》前記下塗り層
(a)と下塗り層(b)を塗布した側のPET支持体の下塗り層
の上に前記の乳剤層塗布液を塗布銀量1.6g/m2になるよ
うに塗布した。さらにその上に、前記乳剤面下層保護層
塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.31g/m2
になるように乳剤塗布液と共に同時重層塗布した。その
後でその上に前記乳剤面上層保護層塗布液をポリマーラ
テックスの固形分塗布量が3.02g/m2になるように塗布
し、熱現像感光材料を作製した。得られた熱現像感光材
料の画像形成層側の膜面pHは4.9、ベック平滑度が660
秒であり、反対側の膜面pHは5.9、ベック平滑度は560
秒であった。
【0288】《写真性能の評価》 (露光処理)得られた熱現像感光材料を、ビーム径(ビー
ム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出力50m
W、出力波長783nmの半導体レーザーを搭載した単チャン
ネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用し、ミラー
の回転数を変化させることにより露光時間を、出力値を
変えることにより露光量を調整し、2×10-8秒で露光し
た。この時のオーバーラップ係数0.449にした。
【0289】(熱現像処理)露光済みの熱現像感光材料を
図1の熱現像機の予備加熱部Aの金属ローラー/シリコ
ンゴムローラーを3対から6対にした熱現像機を用い
て、熱現像処理を行った。熱現像処理部のローラー表面
材質はシリコンゴム、平滑面はテフロン不織布にして、
搬送の線速度16mm/秒で予備加熱部14.4秒(予備加熱部
と熱現像処理部の駆動系は独立しており、熱現像処理部
との速度差は-0.5%〜-1%に設定、各予熱加熱部の金属ロ
ーラーの温度設定、時間は第1ローラー温度65℃、2.4
秒、第2ローラー温度78℃、2.4秒、第3ローラー温度9
5℃、2.4秒、第4ローラー温度温度109℃、2.4秒、第5
ローラー温度115℃、2.4秒、第6ローラー温度120℃、
2.4秒にした)、熱現像処理部120℃(熱現像感光材料面
温度)で13.6秒、徐冷部16秒(120℃から70℃に連続的に
16秒かけて低下させ、冷却速度としては-2.45℃/秒であ
った)で熱現像処理を行った。なお、幅方向の温度精度
は±1℃であった。各ローラー温度の設定は熱現像感光
材料の幅(例えば幅61cm)よりも両側それぞれ5cm長く
して、その部分にも温度をかけて、温度精度が出るよう
にした。なお、各ローラーの両端部分は温度低下が激し
いので、熱現像感光材料の幅よりも5cm長くした部分は
ローラー中央部よりも1〜3℃温度が高くなるように設定
し、熱現像感光材料(例えば幅61cmの中で)の画像濃度
が均質な仕上がりになるように留意した。
【0290】(写真性能の評価)上記露光と熱現像処理を
25℃、50%RHの環境下で行った。なお、熱現像感光材
料はその環境下で16時間以上経時して、熱現像感光材料
の含水量がその環境下で一定になるようにした後、上記
露光と熱現像処理を行った。
【0291】得られた画像の評価をマクベスTD904濃度
計により可視濃度(約560nm)とUV濃度(約360nm)に
より行った。測定の結果は、Dmin(可視濃度、UV濃
度)、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露光量の比
の逆数の相対値で評価し、表4に記載の熱現像感光材料1
を100とした)、Dmax(可視の最高濃度)、γ(コント
ラスト:露光量の対数を横軸として濃度0.2と2.5の点を
結ぶ直線の傾きで表わした値)で評価した。
【0292】各熱現像感光材料について上記評価を実施
した結果を表4に示す。
【0293】
【表4】
【0294】表4より、本発明の熱現像感光材料は、U
V濃度のDminが低く、かつ高感度でDmax(最高
濃度)が高く、高γになることがわかる。特に、UV濃
度のDminが0.16をこえると、本発明の構成に従う熱
現像感光材料をマスク材料として製版材料に焼き付ける
時に露光量が多量に必要になり、問題が発生することが
知られており、実用上は0.16以下である必要がある。こ
の観点からは塩化銀含有率としては60mol%以上である必
要がある。また、造核剤を用いないと高いDmaxとγ
(コントラスト)が得られないことがわかる。特に低い
Dminを実現するためには、造核剤としてホルミルヒ
ドラジン系化合物よりも本発明に好ましく用いられる式
(1)〜(3)の化合物を用いた方が好ましいこともわ
かる。以上より、本発明の効果は明らかである。
【0295】
【発明の効果】本発明によれば、UV域も含めて低カブ
リで、かつ高感度、高Dmaxであり、硬調性に優れ、
製版用に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】
10 熱現像感光材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に非感光性銀塩、感光性ハロゲ
    ン化銀およびバインダーを有する熱現像感光材料におい
    て、塩化銀含有率60mol%以上の感光性ハロゲン化銀を含
    有する画像形成層を有し、この画像形成層を有する側に
    造核剤および下記式(A)で表される化合物をそれぞれ少
    なくとも一種含有することを特徴とする熱現像感光材
    料。 【化1】 [式(A)において、R1、R2およびR3はそれぞれ独
    立に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原
    子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環
    に結合する置換基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立
    に水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、酸素原
    子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環
    に結合する置換基を表す。ただしX1およびX2の少なく
    とも一方は−NR45で表される基である。R4および
    5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、アルキニル基、アリール基、または−C(=O)
    −R6、−C(=O)−C(=O)−R6、−SO2
    6、−SO−R6、もしくは−P(=O)(−R6)−
    7で表される基である。R6およびR7はそれぞれ独立
    に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
    基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、ヒドロキシ
    基、アルコキシ基およびアリールオキシ基から選ばれる
    基である。これらの置換基はそれぞれ隣接する基同士が
    結合して環を形成してもよい。]
  2. 【請求項2】 造核剤が下記式(1)で表される置換アル
    ケン誘導体、下記式(2)で表される置換イソオキサゾー
    ル誘導体、および下記式(3)で表される特定のアセター
    ル化合物から選ばれる化合物である請求項1に記載の熱
    現像感光材料。 【化2】 [式(1)において、R11、R12およびR13は、それぞれ
    独立に水素原子または置換基を表し、Zは電子吸引性基
    またはシリル基を表す。式(1)において、R11とZ、R
    12とR13、R11とR12、およびR13とZは、それぞれ互
    いに結合して環状構造を形成していてもよい。式(2)に
    おいて、R14は置換基を表す。式(3)において、Xおよ
    びYはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、A
    およびBはそれぞれ独立にアルコキシ基、アルキルチオ
    基、アルキルアミノ基、アリールオキシ基、アリールチ
    オ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基
    またはヘテロ環アミノ基を表す。式(3)において、Xと
    Y、およびAとBは、それぞれ互いに結合して環状構造
    を形成していてもよい。]
  3. 【請求項3】 前記感光性ハロゲン化銀を含有する画像
    形成層のバインダーの50重量%以上としてガラス転移
    温度−30℃以上40℃以下のポリマーのラテックスが
    用いられる請求項1または2に記載の熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 塩化銀含有率60mol%以上の感光性ハロゲ
    ン化銀において、少なくとも一種類の周期律表の第VIII
    族金属またはその金属錯体を含有する請求項1、2また
    は3に記載の熱現像感光材料。
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