JP2001004879A - 光送信器 - Google Patents

光送信器

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JP2001004879A
JP2001004879A JP11177214A JP17721499A JP2001004879A JP 2001004879 A JP2001004879 A JP 2001004879A JP 11177214 A JP11177214 A JP 11177214A JP 17721499 A JP17721499 A JP 17721499A JP 2001004879 A JP2001004879 A JP 2001004879A
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弘樹 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DMDを削減し、CPRを改善する光送信器
を提供する。 【解決手段】 レーザ光源101を有し、マルチモード
光ファイバ110に接続されて光伝送を行う光送信器に
おいて、シングルモード光ファイバ170のコアを該光
ファイバの中心より10μm以上偏芯させ、このシング
ルモード光ファイバ170を前記レーザ光源101に結
合させて設け、このシングルモード光ファイバ170を
前記マルチモード光ファイバ110に互いの中心を合わ
せて接続することにより、このマルチモード光ファイバ
110の中心から10μm以上ずれた位置にレーザ光が
入射されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチモード光フ
ァイバで光伝送を行うための光送信器に係り、特に、D
MDを削減し、CPRを改善する光送信器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】マルチモード光ファイバ(以下、MMF
と記す)にて長距離伝送を行う際に、コアの中心に絞ら
れた光が結合されると、モード間の伝送遅延(Differen
tial Mode Delay 、以下、DMDと記す)という現象に
より、特性が劣化する場合がある。これはMMFのコア
の中心付近に適切でない屈折率分布が存在するためであ
り、コアの中心を避け、中心から任意の方向にずらせた
(偏芯させた)位置に光を入射すると、DMDは削減で
きる。
【0003】そのため、IEEEのギガビットイーサネ
ットの規格では、MMFを伝送媒体に用いる際、特殊な
短尺光ファイバ(Mode conditioning patchcode 、以
下、特殊パッチコードと記す)の使用が義務付けられて
いる。図5に、ギガビットイーサネットにおいて伝送媒
体にMMFを用いた伝送系を示す。特殊パッチコード
は、2つの2連コネクタ511,512の間を光ファイ
バコードで結んだ構成であり、途中にシングルモード光
ファイバ(以下、SMFと記す)520とMMF530
との接合部505を有する。なお、506は光コネク
タ、507は光コネクタ結合用アダプタ、508はコネ
クタ511,512を結ぶ1本のMMF、510は伝送
媒体のMMFである。
【0004】MMF510のコア径が62.5μmの場
合、接続部ではSMFのコアをMMFのコアの中心から
約20μmずらせて融着してある。このような構造をし
た特殊パッチコードのSMF520を光トランシーバ5
50の送信側2連コネクタ551に接続し、MMF53
0を伝送媒体のMMF510に接続することにより、M
MF510の中心近傍を避けて光を入射できる。
【0005】特殊パッチコードを用いずにDMDの問題
を解決する方法として、図6に示されるようなモードコ
ンディショナ付き光送信器が特許出願されている。これ
は、レーザ光源601を有し、MMF610に接続され
て光伝送を行う光送信器において、レーザ光源601の
光軸上に配置されて、MMF610を覆うフェルール6
02が出射側から途中まで挿入される割スリーブ603
と、割スリーブの入射側にMMF610と接触するよう
に挿入されたキャピラリ604と、キャピラリ604に
挿入され、コアがMMF610の中心からずれた偏芯コ
アシングルモード光ファイバ(以下、偏芯SMFと記
す)640とを備えたものである。偏芯SMF640
は、レーザ光源601に対して空間を隔てて臨んでお
り、レーザ光源601からの光をMMF610へと伝送
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の特殊パッチコー
ドでは、伝送媒体のMMFのコア径が62.5μmの場
合、SMFをMMFの中心からずらせて融着するという
方法により約20μmの偏芯量を得ているため、融着に
よるずれが生じ、高い精度で偏芯を得るためには非常な
手間がかかる。さらに、融着後の検査も通過損失等の簡
単な測定だけでは評価できず、検査作業による製造コス
トもかさむ。
【0007】また、図6の方法で、IEEEのギガビッ
トイーサネットのCPR(Coupled Power Ratio) の規格
を満たすためには、偏芯SMF640が挿入されたキャ
ピラリ604の長さを2cmより大きくしなくてはなら
ないことが測定によってわかっている。ここでCPRと
は図6の光送信器にMMF及びSMFが挿入された際に
得られる光出力の差であり、光が伝送媒体MMFの中心
を十分避けて入射されているかどうかの目安となる値で
ある。キャピラリ604の長さが2cm以下だと、偏芯
SMF640のクラッドに入射した光が減衰しきれずに
MMF610へ結合され、MMFの中心近傍に結合され
る。図6の形状の光送信器は、キャピラリ604の長さ
を2cm以上確保すると、光軸方向の長さが長くなる。
これに対し、ギガビットイーサネット用光トランシーバ
550の基板長は2〜3cm程度しかなく、この基板上
に図6の形状の光送信器を実装するのは困難である。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、DMDを削減し、CPRを改善する光送信器を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、レーザ光源を有し、マルチモード光ファイ
バに接続されて光伝送を行う光送信器において、シング
ルモード光ファイバのコアを該光ファイバの中心より1
0μm以上偏芯させ、このシングルモード光ファイバを
前記レーザ光源に結合させて設け、このシングルモード
光ファイバを前記マルチモード光ファイバに互いの中心
を合わせて接続することにより、このマルチモード光フ
ァイバの中心から10μm以上ずれた位置にレーザ光が
入射されるようにしたものである。
【0010】前記偏芯したシングルモード光ファイバを
キャピラリの中心に挿入し、前記マルチモード光ファイ
バをフェルールの中心に挿入し、これらキャピラリとフ
ェルールとを割スリーブ内で突き合わせることにより、
前記偏芯したシングルモード光ファイバと前記マルチモ
ード光ファイバとを互いの中心を合わせてもよい。
【0011】また、レーザ光源を有し、マルチモード光
ファイバに接続されて光伝送を行う光送信器において、
コアが偏芯されていないシングルモード光ファイバを前
記レーザ光源に結合させて設け、このシングルモード光
ファイバをキャピラリに偏芯させて挿入し、前記マルチ
モード光ファイバをフェルールの中心に挿入し、これら
キャピラリとフェルールとを割スリーブ内で突き合わせ
ることにより、このマルチモード光ファイバの中心から
10μm以上ずれた位置にレーザ光が入射されるように
したものである。
【0012】前記シングルモード光ファイバの長さが2
0mm以上であってもよい。
【0013】前記シングルモード光ファイバは、クラッ
ドの最外周における屈折率がコア周辺における屈折率よ
り高くてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0015】図1に示されるように、本発明に係る光送
信器は、レーザダイオード(LD)101からなるレー
ザ光源を有し、このレーザ光源から伝送用の光信号を出
すことができる。この光送信器を伝送用のマルチモード
光ファイバ(MMF)110に接続することにより、光
伝送を行うことができる。この光送信器には、TXホル
ダ106と呼ばれる両端開放の中空円筒が設けられ、こ
のTXホルダ106内に割スリーブ103が収容されて
いる。光送信器に接続するMMF110の端末が円柱状
で貫通穴が中心にあるフェルール102の該貫通穴に挿
入され、そのフェルール102付きのMMF110をT
Xホルダ106内の割スリーブ103に一方端から挿入
して接続を行うようになっている。TXホルダ106の
他方端はLD101に臨んで開口されている。このLD
101には、偏芯したシングルモード光ファイバ(SM
F)170の一端が接触させて結合されている。SMF
170の他端は、円柱状で貫通穴が中心にあるキャピラ
リ104の該貫通穴に挿入されている。このキャピラリ
104は、TXホルダ106内の割スリーブ103に挿
入されている。キャピラリ104とフェルール102と
が割スリーブ103内で突き合わされることにより、偏
芯SMF170とMMF110とが接続されるようにな
っている。
【0016】図2に、偏芯SMF170とMMF110
との接続部を拡大して示す。205は偏芯SMF170
のクラッドを、206は偏芯SMF170のコアを、2
07はMMF110のクラッドを、208はMMF11
0のコアをそれぞれ示している。図示されるように、偏
芯SMF170とMMF110とは、互いの中心を合わ
せて接続されている。偏芯SMF170のコア206
は、クラッド205の中心より10μm以上ずらせて配
置されているため、中心線Cより10μm以上ずれてい
る。一方、MMF110のコア208は、クラッド20
7の中心に配置されている。コア208の径がコア20
6の径より十分に大きいので、コア206はコア208
に接続されていることになる。
【0017】コア206を伝搬する光は、MMF110
の中心から10μm以上ずれた位置に入射する。また、
偏芯SMF170の長さは、LD101から割スリーブ
103中までの距離分(曲げを含む)あるので2cm以
上が確保されている。さらに、LD101からTXホル
ダ106の直前までの間で偏芯SMF170を曲げるこ
とができる。この曲げにより長さを増やすことができ
る。このように偏芯SMF170に十分な長さを持たせ
ることにより、LD101から偏芯SMF170のクラ
ッド205に入射された光のほとんどがMMF110に
結合される前に格段に減衰しきる。さらに、偏芯SMF
170のクラッド205において、図にAで示したよう
に最外周における屈折率がコア周辺における屈折率より
高くしてある。このため、クラッド205に入射し、中
心から離れる方向に角度を持った光は最外周の屈折率の
高い部分で反射されずに吸収される。従って、従来の偏
芯SMFに比べてクラッドを伝搬する光をよく減衰す
る。
【0018】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0019】図3に示した光送信器は、図1の形態とほ
ぼ同様の構造を有するが、偏芯キャピラリ(又はフェル
ール)による偏芯を行っている点が異なる。即ち、この
光送信器は、LD301、SMF360、TXホルダ3
06、キャピラリ304、割スリーブ303からなり、
フェルール302を装着したMMF310を割スリーブ
303に挿入して接続するようになっている。キャピラ
リ304は、円柱状に形成され、その中心から任意の径
方向に10μm以上ずれた位置に貫通穴の開いた偏芯キ
ャピラリであり、SMF360は、クラッドにおいて最
外周における屈折率がコア周辺における屈折率より高く
なっていて、かつ偏芯のないSMFである。
【0020】図4に、SMF360とMMF310との
接続部を拡大して示す。405はSMF360のクラッ
ドを、406はSMF360のコアを、407はMMF
310のクラッドを、408はMMF310のコアをそ
れぞれ示している。図示されるように、SMF360と
MMF310とは、互いの中心をずらせて接続されてい
る。SMF360のコア406及びMMF310のコア
408は、各々クラッド405、407の中心に配置さ
れているため、コア408は中心線C上に位置している
が、コア406は中心線Cより10μm以上ずれてい
る。また、図にAで示したように、クラッド405は、
最外周における屈折率がコア周辺における屈折率より高
くしてある。
【0021】この偏芯の形態は、図2の形態と異なる
が、MMF310の中心近傍を完全に避けて光を入射す
ることができるという点で同等である。即ち、MMF3
10のコアの中心近傍に光が結合されることがなく、従
って、屈折率が不適正なMMF310のコアの中心近傍
を伝搬する光はなくなり、DMDに起因する帯域劣化に
よる伝送特性劣化を回避することができる。
【0022】本発明では、レーザ光源とTXホルダ10
6,306とがSMF170,360でつながれている
ため、それぞれの位置(例えば、TXホルダに対するレ
ーザ光源の距離、角度)をある程度自由に変えることが
できる。このため、図6の従来技術のものよりも基板へ
の実装に自由度がある。
【0023】また、偏芯SMFの使用量は光送信器1台
あたり数cmであり、長尺の偏芯SMFを製造してしま
えば、極めて大量の光送信器に同じ精度で用いることが
できるため、光送信器1台あたりのコストは小さくでき
る。
【0024】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0025】(1)本発明により伝送媒体のMMFに対
して予め偏芯が与えてある偏芯光トランシーバを実現す
ることができる。この偏芯光トランシーバを用いれば、
特殊パッチコードを用いなくても、長距離MMF伝送時
におけるDMDを削減することができる。
【0026】(2)レーザ光源とTXホルダとの距離を
変えずに光の伝送距離を光ファイバを曲げて2cm以上
に伸ばせる。
【0027】(3)クラッドの最外周における屈折率を
コア周辺における屈折率より高くしたので、クラッドを
伝搬する光のほとんどを減衰しきることができ、CPR
を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す光送信器の断面図で
ある。
【図2】図1の光送信器の部分拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す光送信器の断面図
である。
【図4】図3の光送信器の部分拡大断面図である。
【図5】従来技術の特殊パッチコードを用いた伝送系の
構成図である。
【図6】従来の光送信器の断面図である。
【符号の説明】
101,301 レーザ光源(LD) 102,302 フェルール 103,303 割スリーブ 104 キャピラリ 106,306 TXホルダ 110,310 MMF 170 偏芯SMF 304 偏芯キャピラリ 360 SMF
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/13 10/12 Fターム(参考) 2H036 JA00 QA44 2H037 AA01 BA31 CA02 CA04 DA04 DA15 2H050 AC03 AC09 AC36 AC73 5K002 AA01 BA31 FA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源を有し、マルチモード光ファ
    イバに接続されて光伝送を行う光送信器において、シン
    グルモード光ファイバのコアを該光ファイバの中心より
    10μm以上偏芯させ、このシングルモード光ファイバ
    を前記レーザ光源に結合させて設け、このシングルモー
    ド光ファイバを前記マルチモード光ファイバに互いの中
    心を合わせて接続することにより、このマルチモード光
    ファイバの中心から10μm以上ずれた位置にレーザ光
    が入射されるようにしたことを特徴とする光送信器。
  2. 【請求項2】 前記偏芯したシングルモード光ファイバ
    をキャピラリの中心に挿入し、前記マルチモード光ファ
    イバをフェルールの中心に挿入し、これらキャピラリと
    フェルールとを割スリーブ内で突き合わせることによ
    り、前記偏芯したシングルモード光ファイバと前記マル
    チモード光ファイバとを互いの中心を合わせることを特
    徴とする請求項1記載の光送信器。
  3. 【請求項3】 レーザ光源を有し、マルチモード光ファ
    イバに接続されて光伝送を行う光送信器において、コア
    が偏芯されていないシングルモード光ファイバを前記レ
    ーザ光源に結合させて設け、このシングルモード光ファ
    イバをキャピラリに偏芯させて挿入し、前記マルチモー
    ド光ファイバをフェルールの中心に挿入し、これらキャ
    ピラリとフェルールとを割スリーブ内で突き合わせるこ
    とにより、このマルチモード光ファイバの中心から10
    μm以上ずれた位置にレーザ光が入射されるようにした
    ことを特徴とする光送信器。
  4. 【請求項4】 前記シングルモード光ファイバの長さが
    20mm以上であることを特徴とする請求項1〜3いず
    れか記載の光送信器。
  5. 【請求項5】 前記シングルモード光ファイバは、クラ
    ッドの最外周における屈折率がコア周辺における屈折率
    より高いことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の
    光送信器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001013375A (ja) * 1999-06-29 2001-01-19 Kyocera Corp 光ファイバコネクタ
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