JP2001004588A - ガス選択透過板の製造方法 - Google Patents

ガス選択透過板の製造方法

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JP2001004588A
JP2001004588A JP11172039A JP17203999A JP2001004588A JP 2001004588 A JP2001004588 A JP 2001004588A JP 11172039 A JP11172039 A JP 11172039A JP 17203999 A JP17203999 A JP 17203999A JP 2001004588 A JP2001004588 A JP 2001004588A
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sulfur dioxide
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selective permeable
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Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
Masao Maki
正雄 牧
Takashi Niwa
孝 丹羽
Takahiro Umeda
孝裕 梅田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化イオウの通過をブロックし一酸化炭素
や酸素は良好に通過させることができるガス選択透過板
を簡単な製造方法で提供することを課題とする。 【解決手段】 多孔質基板7は、平均粒径が0.3〜
0.5μmでありその組成が酸化イットリウム2〜9モ
ル%と酸化ジルコニウム98〜91モル%の溶融焼成物
粉末を所定形状に成形して乾燥した後、1000〜13
50℃の温度で焼成して得る。コーテイング材8は、ジ
ルコニアのゾルゲル液に多孔質基板7を浸して乾燥さ
せ、300〜1200℃で焼成して形成される。気孔率
が大きく平均細孔径が0.1μm弱のガス通過孔5のガ
ス選択透過板4が簡単に得られ、二酸化イオウの通過を
ブロックし一酸化炭素や酸素は良好に通過させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中や燃焼排ガ
ス中の一酸化炭素を検出する一酸化炭素センサなどに使
用するガス選択透過板の製造方法に関し、特にこの種の
ガスセンサへの被毒影響を持つ二酸化イオウガスの通過
をブロックするガス選択透過板を得る製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大気中や各種燃焼機器の排ガス中の一酸
化炭素を検出する一酸化炭素センサは種々のタイプがあ
るが、酸素イオン導電性固体電解質を利用した固体電解
質型一酸化炭素センサが最近注目を集めている。このセ
ンサは、平板状の酸素イオン導電性固体電解質に対とな
る白金電極を設け、酸素が酸素イオンとなって片側の白
金電極から酸素イオン導電性固体電解質を経由して他方
の白金電極に移動する性質を利用したセンサである。し
かしながら、白金電極が二酸化イオウガスで被毒される
ため耐久性の確保が重要課題であり、この対策のため二
酸化イオウの通過を規制するガス選択透過板が提案され
ている。
【0003】特開平10−288593号公報には、一
酸化炭素センサにおける二酸化イオウ被毒対策のための
ガス選択透過板として、二酸化イオウの通過を規制する
セラミック多孔体が記載されており、その構成は図2の
通りである。このセラミック多孔体1は、平均細孔径を
0.1μm以下の通気孔を有し、一酸化炭素や酸素など
のセンサの検出に必要な低分子量ガスは通過させ、亜硫
酸ガスなどの白金電極膜に悪影響を与える高分子量ガス
は通過させにくいようにしている。そして、具体的手段
として、0.1〜1μm程度の平均細孔径を有するアル
ミナもしくはジルコニアの多孔体基板2に、シリカ化合
物またはジルコニア化合物の少なくとも1種以上の被膜
3をゾルゲル法もしくはCVD法で形成し、平均細孔径
が0.1μm以下のセラミック多孔体1になる様に細孔
制御している。また特に、セラミック多孔体1の平均細
孔径を0.001μm以下にすると、被膜3として用い
るシリカ化合物またはジルコニア化合物が疎水性である
ため、細孔が凝縮水で閉塞されることがなく、しかも親
水性の亜硫酸ガスも完全に侵入を阻止できるとしてい
る。
【0004】一方、酸素イオン導電性固体電解質に対と
なる白金電極を設けた同種の構成として限界電流電流式
酸素センサがある。このセンサの拡散律速部材に、平均
細孔径を0.1μm以下としたガス選択透過板を使用す
ることが、特開昭62−179653号公報に記載され
ている。この拡散律速部材は、気孔率8〜16%で厚み
3〜30μmの部材と、部材の上に形成されたセラミッ
クのプラズマ溶射を用いた平均細孔径0.002〜0.
1μmの多孔質層とで構成されている。多孔質層は、平
均細孔径が0.002〜0.1μm、気孔率が4〜7
%、厚みが2〜50μmとしており、全開口面積の制御
で限界電流電流式酸素センサの拡散律速部材として作用
させるととともに、細孔径も狭めて二酸化イオウの通過
が阻害されるようにしている。なお、これと類似の記載
は、特開昭59−166854号公報や特開昭61−4
5962号公報にも見られる。
【0005】また、特開平10−158074号公報に
も、限界電流電流式酸素センサの拡散律速部材として、
ガス選択透過板を使用した多孔質セラミック膜とその製
造方法が記載されている。この多孔質セラミック膜は、
空孔率5〜15%で空孔径の80%以上が0.05〜
0.09μmに分布したセラミック膜であり、平均粒径
が0.1〜1μmのセラミック粉末を使用した成形品を
その緻密化温度の92〜97%の温度で焼成して製造し
ている。これも、拡散律速部材として作用させるととと
もに、空孔径を狭めて二酸化イオウの通過が阻害される
ようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガス選択透過板は、下記の2つの問題点がある。第1の
問題点は、平均細孔径が0.1μm以下の微細孔を安定
して製造するために、精度の高い品質管理と高度で複雑
な製造技術を必要とする問題点である。第2の問題点
は、この微細孔を有するガス選択透過板をそのまま固体
電解質型一酸化炭素センサに応用すると応答性が遅くな
る問題点である。
【0007】まず、精度の高い品質管理と高度で複雑な
製造技術を必要とする問題点について説明する。この問
題点は、多孔体基板の製造に関する問題点と、被膜の製
造に関する問題点がある。図2記載のセラミック多孔体
1は、具体例として、0.1〜1μm程度の平均細孔径
を有するアルミナもしくはジルコニアの多孔体基板2
に、シリカ化合物またはジルコニア化合物の少なくとも
1種以上の被膜3をゾルゲル法もしくはCVD法で形成
して、平均細孔径が0.1μm以下になる様に細孔制御
している。0.1〜1μm程度の微細な貫通孔が開けら
れた多孔体基板2を安定して製造するためには、原料粉
末の材質や粒径そして焼成温度に関する精度の高い品質
管理と高度な製造技術が必要である。また、表面処理で
被膜3を形成して貫通孔を狭めて0.1μm以下に細孔
制御することは、表面処理1回で狭められる量が僅かで
あるため表面処理を何回も繰り返す必要があり、この細
孔制御は複雑な製造工程を有する表面処理技術となって
いた。
【0008】このことは、セラミックのプラズマ溶射で
細孔径が0.002〜0.1μmの多孔質層を形成し
て、拡散律速部を製造する場合でも同じであり、セラミ
ックをプラズマ溶射してこの微小な孔を形成することは
高度な技術を必要とし、精度の高い品質管理と複雑な製
造工程を有するプラズマ溶射技術となっていた。また、
粉末成形品をその緻密化温度の92〜97%の温度で焼
成して多孔質セラミック膜を得る場合でも同じであり、
焼成温度が予め決めた規格値よりも僅かでも高くなると
成形品が緻密化するため、炉内の温度管理に高度な技術
を必要とし、精度の高い品質管理と高度な製造工程を有
する焼成技術となっていた。
【0009】次に、固体電解質型一酸化炭素センサに応
用すると応答性が遅くなる問題点について説明する。ガ
ス選択透過板の平均細孔径を0.1μm以下にしたから
として例えば0.001μmといった超微細孔にする
と、この超微細孔を通過しての一酸化炭素ガスと酸素ガ
スの流入が円滑に行われず、応答性が遅くなる。この超
微細孔にすることで応答性が遅くなる問題は、空孔径を
狭めて二酸化イオウの通過が阻害される様にすることで
起る問題であり、多孔体基板が超微細孔を有し、しかも
これにともない気孔率が小さくなる要因と、被膜の膜厚
が厚い要因に起因する。
【0010】本発明は、前記する従来の課題を解決し、
簡単な製法で、二酸化イオウガスの通過をブロックし、
一酸化炭素や酸素などのガスは良好に通過させ、平均細
孔径と気孔率が大きいガス選択透過体を提供することを
目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、組成が2〜9モル%の酸化イットリウムが
含有されるジルコニアであり平均粒径が0.3〜0.5
μmである原料粉末を所定形状に成形した後に1000
〜1350℃の温度で焼成した多孔質基板を、ジルコニ
アが主成分のゾルゲル液を用いたコーテイング材で被覆
し300〜1200℃の温度で焼成して、複数のガス通
過孔を有するガス選択透過板を製造する方法とした。
【0012】酸化イットリウムが2〜9モル%含有され
るジルコニウム系原料を使用して、平均粒径0.3〜
0.5μmの原料粉末の成形板を1000〜1350℃
の温度で焼成すると、平均細孔径が0.1μmで気孔率
が大きい高強度の多孔質基板を、簡単な製法で得ること
ができる。一方、ジルコニアは、塩基性化合物であり酸
性ガスである二酸化イオウとの親和性に非常に優れてい
る。そのため、ジルコニアのゾルゲル液を用いたコーテ
イング材で多孔質基板を被覆し300〜1200℃の温
度で焼成すると、コーテイング材は多孔質で活性な膜と
なり二酸化イオウとの親和性に非常に優れた膜が得られ
る。このため、ゾルゲル液の少ないコーテイング処理回
数で、二酸化イオウの通過を効果的に阻害するコーテイ
ング材が簡単に得られる。
【0013】以上のことより、平均細孔径が0.1μm
で気孔率が大きい多孔質基板を、少ない処理回数のジル
コニア系コーテイング材で被覆することにより、平均細
孔径が0.1μm弱と大きくしかも気孔率も大きいガス
選択透過板が簡単に得られ、このガス選択透過板は二酸
化イオウガスの通過をブロックし一酸化炭素や酸素など
のガスは良好に通過させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した発
明の形態で実施することができる。
【0015】すなわち、請求項1記載の発明は、組成が
2〜9モル%の酸化イットリウムが含有されるジルコニ
アであり平均粒径が0.3〜0.5μmである原料粉末
を所定形状に成形した後に1000〜1350℃の温度
で焼成した多孔質基板を、ジルコニアが主成分のゾルゲ
ル液を用いたコーテイング材で被覆し300〜1200
℃の温度で焼成して、複数のガス通過孔を有するガス選
択透過板を製造することで実施できる。
【0016】この製造方法により、平均細孔径が0.1
μmで気孔率が大きい多孔質基板を、少ない処理回数の
ジルコニア系コーテイング材で被覆することにより、平
均細孔径が0.1μm弱と大きくしかも気孔率も大きい
ガス選択透過板が簡単に得られ、このガス選択透過板は
二酸化イオウガスの通過をブロックし一酸化炭素や酸素
などのガスは良好に通過させることができる。
【0017】また、請求項2記載の発明は、ジルコニウ
ム系多孔質基板が、酸化イットリウムが2〜4モル%含
有されるとすることで実施することができる。この組成
のジルコニウム系多孔質基板は、強度に優れしかもジル
コニアのコーテイング材との密着性に優れている。その
ため、二酸化イオウ通過阻害性と耐久性の優れたガス選
択透過板を得ることができる。
【0018】また、請求項3記載の発明は、コーテイン
グ材は、ジルコニアが70〜90wt%含有され残部がシ
リカであるとすることで実施することができる。ジルコ
ニアの70〜90wt%に、塩基性であり基板への付着力
の強いシリカが混合されたコーテイング材であるため、
二酸化イオウとの親和性に優れしかも1回処理で狭めら
れる量が大きいコーテイング材が得られる。そのため、
一層簡単な製法で、二酸化イオウを通過させにくくした
ガス選択透過板を得ることができる。
【0019】また、請求項4記載の発明は、コーテイン
グ材が塩基性であることで実施することができる。塩基
性のジルコニア系コーテイング材であるため、二酸化イ
オウとの親和性が一層優れたコーテイング材が得られ
る。そのため、二酸化イオウを一層通過させにくくな
り、一層簡単な製法で耐久性の優れたガス選択透過板を
得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0021】(実施例1)図1は本発明の実施例である
ガス選択透過板の構造図である。ガス選択透過板4は、
ガス通過孔5を多数有する。このガス通過孔5は、複数
の貫通孔6を有するセラミック製の多孔質基板7を、ジ
ルコニアを主成分とするゾルゲル液を用いたコーテイン
グ材8で被覆し、貫通孔6の孔径を狭めたものである。
【0022】ガス選択透過板4の製造方法を述べる。多
孔質基板7は、酸化イットリウム2〜9モル%と酸化ジ
ルコニウム98〜91モル%の溶融焼成物の粉末(平均
粒径0.3〜0.5μm)を板状に成形して乾燥した
後、1000〜1350℃の温度で焼成して得た。この
製造方法により多孔質基板7は、0.1μmの貫通孔6
を多数有する様になり、その熱膨張係数は約10×10
-6(deg-1)であった。コーテイング材8は、ジルコニア
のゾルゲル液に前述の多孔質基板7を浸した後に乾燥さ
せ、300〜1200℃で焼成して形成した物である。
この製造方法により多孔質基板7の貫通孔6は、その孔
径が狭められたガス通過孔5を多数有するガス選択透過
板4が得られた。
【0023】ガス選択透過板を固体電解質型一酸化炭素
センサの構成部品として使用する事例を述べる。まず、
酸化イットリウム8モル%と酸化ジルコニウム92モル
%からなる酸素イオン導電性固体電解質焼結板の片側表
面に、白金をスパッタして対となる白金スパッタ電極膜
を形成した。その後、この酸素イオン導電性固体電解質
焼結板にガラス膜を2個の白金スパッタ電極膜の周囲を
囲むようにして印刷し、この上にガス選択透過板を積層
して焼成し、両方の板を固定した。そして、白金とパラ
ジウムを担持させたアルミナ粒子の触媒をペーストにし
てガス選択透過板の片側表面に塗布し、酸化触媒層を形
成した。最後に、白金スパッタ電極膜に白金リード線を
接合して完成である。以後、この構成でセンサ応用特性
を評価した。
【0024】本発明品を試作し、その効果を確認した結
果を表1に示す。ガス選択透過板は、粉末の平均粒径と
焼成の温度時間を異ならせて試作した貫通孔孔径が異な
る多孔質基板を、コーテイング材で処理して製造したも
のである。そして、このガス選択透過板を固体電解質型
一酸化炭素センサの構成部品として使用した際の、セン
サの90%応答時間(応答性と記す)と二酸化イオウに
対する感受性(S感受性と記す)を測定した。
【0025】試作番号1は、本発明品であり、平均粒径
0.3〜0.5μmの原料粉末を板状に成形して乾燥し
た後に1200℃で焼成して得た貫通孔孔径0.1μm
の多孔質基板(気孔率50%)を、コーテイング2回の
処理で製造した物である。
【0026】試作番号2および3は、従来品であり、粉
末の平均粒径と焼成の温度時間を異ならせて試作した貫
通孔孔径が異なる多孔質基板を、コーテイング材の処理
を多数行って製造した物である。試作番号2の多孔質基
板は気孔率60%であるが、試作番号3の多孔質基板は
気孔率8%でありこれ以上の気孔率の多孔質基板は緻密
化のため技術上困難であった。
【0027】試作番号4および5は、参考品であり、粉
末の平均粒径と焼成の温度時間を異ならせて試作した貫
通孔孔径が異なる多孔質基板だけであり、コーテイング
材の処理を行っていない製造履歴品である。試作番号4
の多孔質基板は気孔率8%でありこれ以上の気孔率の多
孔質基板は緻密化のため技術上困難である。試作番号5
の多孔質基板は気孔率45%である。
【0028】試作番号6は比較品であり、ガス選択透過
板を使用しないセンサの特性である。
【0029】多孔質基板は、酸化イットリウム3モル%
と酸化ジルコニウム97モル%の溶融焼成物の粉末を板
状に成形した後に焼成したものであり、特に定義しな限
り以後はこの材料を用いた。多孔質基板およびガス選択
透過板は、貫通孔およびガス通過孔の孔径分布を測定
し、最も多く存在する孔径値を孔径の代表値(平均細孔
径と称す)として活用した。この孔径値は、体積表示の
孔径分布においてその孔径値が50%以上存在する値で
あり、±0.02μmの測定誤差を含んでいる。
【0030】コーテイング材は、ジルコニアが80wt%
含有され残部がシリカであるゾルゲル液を、前述の多孔
質基板に浸した後に乾燥させ400℃で焼成して形成し
た物である。コーテイング回数は、前述のゾルゲル液浸
漬後に乾燥焼成する処理工程を1回とした際の繰り返し
処理回数であるが、前述の様にガス選択透過板を固体電
解質型一酸化炭素センサの構成部品として使用した際
に、センサが二酸化イオウに対する感受性がなくなる特
性が得られるまでのコーテイング回数で現わしている。
【0031】また、センサの応答性は、センサを450
℃で酸素濃度20%(窒素バランス)のガス雰囲気中に
放置し、一酸化炭素1000ppmを流入した際の応答
時間を測定して求めた。センサ応答性が早いことは、ガ
ス選択透過板のガス通過孔を介して、検出に必要な一酸
化炭素ガスと酸素ガスが円滑に流入出していることを意
味する。一方、二酸化イオウに対する感受性は、センサ
を450℃で酸素濃度20%(窒素バランス)で二酸化
イオウ濃度1000ppmの混合ガス雰囲気中に放置し
て、センサ出力を測定したものである。二酸化イオウが
存在するとこれを感受してセンサ出力が得られるが、通
過が阻害されとセンサ出力が得られなくなるので、セン
サ出力の大小で二酸化イオウに対する感受性を評価して
いる。二酸化イオウに対する感受性がないことは、ガス
選択透過板が二酸化イオウの通過を規制していることを
意味する。
【0032】
【表1】
【0033】本発明品の試作番号1は、コーテイング回
数が2回と少なく製造が簡単である利点と、優れたセン
サ応答性と二酸化イオウに対する感受性がない利点があ
る。優れたセンサ応答性を示す理由は、多孔質基板の貫
通孔孔径が0.1μmと大きくしかも気孔率も50%と
大きいことと、コーテイング回数が2回と少ないためガ
ス選択透過板は0.09μmと大きい孔径のガス通過孔
が得られるためである。また、二酸化イオウに対する感
受性がない理由は、コーテイング材が二酸化イオウを捕
捉しその通過を規制しているためである。
【0034】一方、従来品の試作番号2は、優れたセン
サ応答性と二酸化イオウに対する感受性なしの利点があ
るが、コーテイング処理が20回と複雑な製造工程とな
る課題があった。また、従来品の試作番号3は、コーテ
イング回数が2回と少なく製造が簡単である利点と、二
酸化イオウに対する感受性がない利点があるが、ガス通
過孔の孔径が小さくしかも気孔率も小さいためセンサ応
答性が遅いという課題があった。
【0035】また、参考品の試作番号4および5は、多
孔質基板にコーテイング処理していないため、二酸化イ
オウに対する感受性が有り、不適格であった。比較品の
試作番号6は、ガス選択透過板がないため、二酸化イオ
ウに対する感受性が有り、不適格であった。
【0036】次に、コーテイング材として用いるゾルゲ
ル液材料について検討した。各種のゾルゲル液を用いて
コーテイング処理した場合の処理回数と、センサ応用性
(応答性、二酸化イオウに対する感受性、耐湿性)を評
価した結果を表2に示す。
【0037】ガス選択透過板は、平均粒径0.3〜0.
5μmの原料粉末を板状に成形して乾燥した後に120
0℃で焼成して得た貫通孔孔径0.1μmの多孔質基板
(気孔率50%)を、各種のゾルゲル液に浸した後に乾
燥させ400℃で焼成して工程を多数行って製造した物
である。コーテイング回数は、ゾルゲル液浸漬後に乾燥
焼成する処理工程を1回とした際の繰り返し処理回数で
あるが、前述の様にガス選択透過板を固体電解質型一酸
化炭素センサの構成部品として使用した際に、センサが
二酸化イオウに対する感受性がなくなる特性が得られる
までのコーテイング回数で現わしている。センサ応用特
性における耐湿性は、ガス選択透過板を使用した固体電
解質型一酸化炭素センサを、水蒸気中に200時間放置
した際のコーテイング材の密着性をテープ剥離法で評価
した特性である。
【0038】
【表2】
【0039】本発明品であるジルコニア、ジルコニア8
0wt%ーシリカ20wt%(ジルコニアーシリカと記す)
は、コーテイング回数が4回〜2回であり製造が簡単で
ある利点と、優れたセンサ応答性と二酸化イオウに対す
る感受性と耐湿性に優れる利点がある。優れたセンサ応
答性を示す理由は、コーテイング回数が4回〜2回と少
ないためガス選択透過板は大きい孔径のガス通過孔が得
られるためである。また、二酸化イオウに対する感受性
がない理由は、コーテイング材が二酸化イオウを捕捉し
その通過を規制しているためである。耐湿性に優れる理
由は、ジルコニアが主成分のコーテイング材であるため
不溶性となるためである。
【0040】一方、アルミナは15回処理、シリカは7
回処理を必要とし製造工程が複雑となる課題と、これに
ともないガス選択透過板は小さい孔径のガス通過孔が得
られるためセンサ応答性が遅い課題があった。また、塩
基性材料である酸化カルシウムや酸化マグネシウムは、
6回処理が必要であり製造工程が複雑になる課題と、こ
れにともない小さい孔径のガス通過孔が得られるためセ
ンサ応答性が遅い課題と、コーテイング材が溶解性であ
るため耐湿性に劣る課題があった。
【0041】ジルコニアをゾルゲル液でコーテイング処
理したガス選択透過板を、応用した一酸化炭素センサの
特性を評価した。試作したセンサを、酸素濃度20%
(窒素バランス)で一酸化炭素センサ濃度1000pp
mの混合ガス雰囲気中に放置し、センサの動作温度を4
50℃に保持したところ、20mvのセンサ出力が得ら
れた。また、一酸化炭素センサは、前述の混合ガスに二
酸化イオウ100ppmをさらに混合した雰囲気中に1
00時間放置してもセンサ出力の低下はなく、優れた耐
久性を示した。
【0042】この検知メカニズムを説明する。酸化触媒
層を配置した側では、酸化触媒層の触媒作用で一酸化炭
素ガスは酸素ガスと反応して二酸化炭素ガスとなり消耗
して無くなるが、酸素濃度はその濃度が圧倒的に高いた
め略雰囲気濃度のままである。そして、大きな分子径を
有する二酸化イオウなどのガスはガス選択透過板4のガ
ス通過孔5で進入を阻害されるが、小さな分子径を有す
る酸素ガスはそのまま通過して第1の白金スパッタ電極
膜に到達する。一方、他方の第2の白金スパッタ電極膜
の側では、一酸化炭素ガスおよび酸素ガスはガス選択透
過板4のガス通気孔5をそのまま進入し、第2の白金ス
パッタ電極膜の触媒作用で一酸化炭素ガスと酸素ガスが
反応して二酸化炭素ガスとなり、酸素ガスの濃度が減少
する。このため、酸素濃度に着目すると、酸化触媒層を
配置した第1の白金スパッタ電極膜の方が、酸化触媒層
の無い第2の白金スパッタ電極膜の方より高濃度とな
り、酸素ガスが第1の白金スパッタ電極膜より第2の白
金スパッタ電極膜に向かって酸素イオン導電性固体電解
質焼結板の中を酸素イオンとなって移動し、この酸素移
動によって起電力が発生する。この起電力がセンサ出力
であり、一酸化炭素ガス濃度の対数値に略比例した値が
得られる。一方、二酸化イオウガスは、ガス選択透過板
4のガス通過孔5で進入を阻害されるため、白金スパッ
タ電極膜はこのガスで被毒されることなく優れた耐久性
をいつまでも維持する。
【0043】さて、(表1)の検討結果より優れたセン
サ応答性を得るためには、ガス選択透過板のガス通過孔
は0.09μm以上が必要であることがわかる。そこ
で、これを実現する多孔質基板を得るために、粉末の平
均粒径と多孔質基板の特性(貫通孔の孔径、気孔率、ガ
ス通過性、耐久強度)の関係について検討した。その関
係を表3に示す。検討は、酸化イットリウム3モル%と
酸化ジルコニウム97モル%の溶融焼成物の粉末を板状
に成形し、1100℃で1時間焼成して得た多孔質基板
で行った。粉末の平均粒径は走査型電子顕微鏡での観
察、貫通孔の孔径は水銀圧入法で測定した粒径分布にお
いてその粒径が50%以上存在する範囲を算出、気孔率
は嵩比重と真比重の測定から算出、ガス通過性は圧縮空
気を通過させた際の通気量の大小から判定、耐久強度は
300℃で200時間放置して耐久試験した際の強度を
初期値と比較しその変化率の大小で判定、で行ってい
る。
【0044】
【表3】
【0045】平均粒径0.3〜0.5μmの原料粉末を
使用すると、貫通孔の孔径や気孔率が大きいので、ガス
が良好に通過する高強度の多孔質基板が製造できる。一
方、平均粒径0.3μm未満の原料粉末だと、貫通孔の
孔径は小さいが焼成に緻密化して気孔率が小さくなって
ガスの通過が悪くなり、不適格であった。また、平均粒
径0.5μmを超えた原料粉末だと、原料粉末の粒子径
が大きいため300℃等の低温で長時間さらした際のい
わゆる熱エージング劣化現象が現われて、結晶構造の相
転移が起って曲げ強度が低下し、不適格であった。
【0046】さて、優れたセンサ応答性を得るために
は、ガス選択透過板のガス通過孔は大きいほどよくその
値は(表1)より0.09μm以上であり、そのために
は多孔質基板の貫通孔孔径は0.09μm以上が必要で
ある。(表3)よりこれを実現するための原料粉末は平
均粒径0.3〜0.5μm以上であるが、平均粒径0.
5μmを超えた原料粉末だと曲げ強度が低下する問題
や、これにともない多孔質基板の貫通孔孔径が大きくな
ると二酸化イオウガスの通過をブロックするためのコー
テイング処理が多くなり複雑な製造工程となる問題があ
る。そこで、ガスが良好に通過できしかも耐久強度が優
れる原料粉末として、平均粒径0.3〜0.5μmを選
定した。
【0047】次に、貫通孔の0.1μmを製造するため
の多孔質基板の焼成温度について検討した。その結果を
(表4)に示す。検討は、平均粒径0.3〜0.5μm
の原料粉末を使用して1時間で焼成したものであり、評
価方法は前述と同じである。
【0048】
【表4】
【0049】1350〜1000℃で焼成した多孔質基
板は、貫通孔の孔径が0.1μmでありガスが良好に通
過する成形品が製造でき、良好な焼成温度であった。一
方、1350℃を超える焼成は緻密化が起ってガスが通
過しにくくなり、1000℃未満の焼成は焼成不充分の
ため脆くて成形できない、の理由で不適格な焼成温度で
あった。
【0050】最後に、コーテイング材の焼成温度につい
て検討した。その結果を表5に示す。検討は、1100
℃で焼成した多孔質基板(気孔率50%)を、ジルコニ
アのゾルゲル液に浸漬して乾燥させたものを、焼成温度
を変えて1時間焼成したガス選択透過板を試作して行っ
たものである。密着性は、多孔質基板とコーテイング材
との密着性をテープ剥離法で評価したものであり、コー
テイング材がテープに付着したら剥離と判定し、付着し
なかったら良好と判定している。他の評価は前述と同じ
である。
【0051】
【表5】
【0052】300〜1200℃で焼成した多孔質基板
は、多孔質基板とコーテイング材との密着性が優れる、
一酸化炭素ガスを良好に通過させてセンサ出力が得られ
る、二酸化イオウの通過が阻害されてその感受性がな
い、の利点が有り焼成温度として良好であった。一方、
1200℃を超える焼成は、ジルコニアの持つ二酸化イ
オウ補足効果が低下するため、二酸化イオウガスが進入
して二酸化イオウ感受性を示して不適格な焼成温度であ
った。また、300℃未満の焼成は、多孔質基板とコー
テイング材との密着性が無いので剥離し、不適格な焼成
温度であった。
【0053】なお、上記検討は、多孔質基板として、酸
化イットリウム2〜3モル%系の部分安定化ジルコニア
を使用したが、酸化イットリウム3〜9モル%系の他ジ
ルコニア系でも同様の効果が有ることは言うまでもな
い。これは、これら材料は、ジルコニウム系酸素イオン
導電性固体電解質と同じ熱膨張係数を有すること、11
00℃前後での体積膨張が起らないようにしているため
である。そのため、この材料のガス選択透過板をこれら
センサの部品用として使用しても、熱膨張係数が同じで
あるため割れやクラック発生が生じない。また、効果判
定は、固体電解質型一酸化炭素センサに応用して行った
が、限界電流式酸素センサに応用しても同様な効果が有
ることは言うまでもない。
【0054】(実施例2)多孔質基板に用いるジルコニ
ア系原料の材料組成について検討した。
【0055】検討はまず、酸化イットリウムの混合量を
変化させたジルコニア系原料粉末(平均粒径0.3〜
0.5μm)を1300℃で1時間焼成して多孔質基板
を試作した。その後、ジルコニアのゾルゲル液に浸し乾
燥後に400℃30分焼成してコーテイング材を形成し
て、ガス選択透過板を得た。その特性を表6に示す。特
性は、多孔質基板の外観と初期強度、ジルコニアのコー
テイング材との密着性で、判定した。なお、これら多孔
質基板の平均細孔径は0.1μmである。
【0056】
【表6】
【0057】酸化イットリウムが2〜4モル%混合した
多孔質基板は、強度に優れて亀裂等のない優れた特性を
示し、しかもジルコニアのコーテイング材との密着性に
優れていた。そのため、最適な多孔質基板となってい
た。また、酸化イットリウムが4〜9モル%混合した多
孔質基板は、強度が良好で亀裂等のない特性を示し、し
かもジルコニアのコーテイング材との密着性は良好であ
った。
【0058】一方、酸化イットリウムを2モル%未満混
合した多孔質基板は、1300℃焼成で結晶形が変化し
て亀裂が入り強度が弱くなるとともに、ジルコニアのも
つ非粘着の作用でコーテイング材との密着性がなくテー
プ剥離を生じて、不適格な材料組成であった。さらに、
酸化イットリウムが9モル%以上混合した多孔質基板
は、初期強度が弱くて実用性に乏しいため検討より除外
した。
【0059】(実施例3)ガス選択透過板のコーテイン
グ材について検討した。
【0060】検討は、酸化イットリウム3モル%と酸化
ジルコニウム97モル%の溶融焼成物の粉末を1100
℃で1時間焼成した多孔質基板(気孔率50%)を試作
した後、各種のゾルゲル液に浸して乾燥後に400℃3
0分焼成してコーテイング材を形成したガス選択透過板
で行った。その結果を表7に示す。評価方法は前述の実
施例1と同じであり、処理回数は二酸化イオウに対する
感受性が無くなる処理回数を表示している。
【0061】
【表7】
【0062】ジルコニアが70〜90wt%含有され残部
がシリカであるゾルゲル液を用いたコーテイング材は、
2回処理で二酸化イオウに感受しなくなり、優れたコー
テイング材であった。これは、塩基性であり基板への付
着力の強いシリカを、ジルコニアに混合したコーテイン
グ材であるため、1回処理で狭められる量が一層大きい
ためである。そのため、二酸化イオウを一層通過させに
くくしたガス選択透過板を簡単な製法で製造でき、これ
をセンサに応用すると一層耐久性の優れたセンサを得る
ことができる。
【0063】また、この検討結果と、ジルコニアと他材
料との混合ゾルゲル液との同様の検討結果より、ジルコ
ニアが60%以上含有されたコーテイング材は、二酸化
イオウで被毒されないガス選択透過板を得ることがで
き、優れたコーテイング材であった。
【0064】(実施例4)コーテイング材の酸塩基性度
について検討した。
【0065】検討は、酸化イットリウム3モル%と酸化
ジルコニウム97モル%の溶融焼成物の粉末を1100
℃で1時間焼成した多孔質基板(気孔率50%)を試作
した後、その液性が異なるゾルゲル液(ジルコニア10
0%液)に浸して乾燥後に400℃30分焼成してコー
テイング材を形成したガス選択透過板で行った。その結
果を表8に示す。評価方法は前述の実施例1と同じであ
り、処理回数は二酸化イオウに対する感受性が無くなる
処理回数を表示している。
【0066】なお、コーテイング材の酸塩基性度は、コ
ーテイング材を純水に浸漬して得た水のPHより求めて
おり、ゾルゲル液に硝酸を多量混入させることで酸性、
硝酸の少量混入で中性、ナトリウムイオンの少量混入で
塩基性になるように制御した。
【0067】
【表8】
【0068】塩基性のコーテイング材は、2回処理で二
酸化イオウに感受しなくなり、優れたコーテイング材で
あった。これは、塩基性にしたことにより酸性ガスの二
酸化イオウとの親和力が高まり、二酸化イオウを一層通
過させにくくしたガス選択透過板が得られたためであ
る。そのため、これをセンサに応用すると一層耐久性の
優れたセンサを得ることができた。
【0069】以上の様に、本発明は、固体電解質型一酸
化炭素センサに応用すると、二酸化イオウガスの通過を
ブロックし一酸化炭素や酸素などのガスは良好に通過さ
せることができるため、早いセンサ応答性と優れた耐二
酸化イオウ被毒性を有することができる。また、本発明
は、固体電解質型一酸化炭素センサ以外に、酸素イオン
導電性固体電解質に対となる白金電極を設けた同種構成
の限界電流電流式酸素センサの拡散律速部材用や、白金
を用いた他方式のガスセンサ(具体的には、接触燃焼方
式、酸化スズに白金を担持させた半導体方式)の耐二酸
化イオン被毒対策用にも応用できることは言うまでもな
い。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のガス選択透過板の製造方法によれば、次の効果が得ら
れる。
【0071】請求項1記載の発明によれば、気孔率が大
きく平均細孔径が0.1μmと大きい多孔質基板を、少
ない処理回数のジルコニア系コーテイング材で被覆して
いる。そのため、気孔率が大きく平均細孔径が0.1μ
m弱と大きいガス選択透過板が簡単に得られ、このガス
選択透過板は二酸化イオウガスの通過をブロックし一酸
化炭素や酸素などのガスは良好に通過させることができ
る。しかも、多孔質基板は、固体電解質型一酸化炭素セ
ンサで用いられるジルコニウム系酸素イオン導電性固体
電解質と同じ熱膨張係数を有し、1100℃前後で起る
相転移を防止し相転移に伴う体積膨張が起らないように
している。そのため、このガス選択透過板をこれらセン
サの部品に使用しても、熱膨張係数が同じであるため割
れやクラック発生が生じることがなく、簡単な製法で早
いセンサ応答性と優れた耐二酸化イオウ被毒性のセンサ
を得ることができる。しかも、ジルコニアを主成分とす
るコーテイング材は、耐湿性に優れるため、燃焼排ガス
中などの高湿度雰囲気でも長期間使用できる。
【0072】請求項2記載の発明によれば、ジルコニウ
ム系多孔質基板は酸化イットリウムが2〜4モル%含有
されることで、強度が優れる特性を示し、しかもジルコ
ニアのコーテイング材との密着性に優れている。そのた
め、一層耐久性の優れたガス選択透過板を得ることがで
きる。
【0073】請求項3記載の発明によれば、コーテイン
グ材は基板への付着力の強いシリカが残部に混合されて
いるため、二酸化イオウとの親和性が一層優れしかも狭
められる量が一層大きいコーテイング材が得られ、二酸
化イオウをさらに通過させにくくして、より簡単な製法
で耐久性がさらに優れたガス選択透過板を得ることがで
きる。
【0074】請求項4記載の発明によれば、コーテイン
グ材が塩基性であるため二酸化イオウとの親和性が一層
優れて通過させにくくして、一層簡単な製法で耐久性の
優れたガス選択透過板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるガス選択透過板の断面図
【図2】従来のガス選択透過板の断面図
【符号の説明】
4 ガス選択透過板 5 ガス通過孔 6 貫通孔 7 多孔質基板 8 コーテイング材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 梅田 孝裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BE22 BF02 BF05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成が2〜9モル%の酸化イットリウムが
    含有されるジルコニアであり平均粒径が0.3〜0.5
    μmである原料粉末を所定形状に成形した後に1000
    〜1350℃の温度で焼成した多孔質基板を、ジルコニ
    アが主成分のゾルゲル液を用いたコーテイング材で被覆
    し300〜1200℃の温度で焼成して、複数のガス通
    過孔を有するガス選択透過板を製造するガス選択透過板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】多孔質基板の組成が、酸化イットリウムが
    2〜4モル%含有されるジルコニアである請求項1記載
    のガス選択透過板の製造方法。
  3. 【請求項3】コーテイング材が、ジルコニアが70〜9
    0wt%含有され残部がシリカである請求項1記載のガス
    選択透過板の製造方法。
  4. 【請求項4】コーテイング材が、塩基性である請求項1
    記載のガス選択透過板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005062184A (ja) * 2003-08-14 2005-03-10 Robert Bosch Gmbh 平らな層状に構成されたセンサー素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005062184A (ja) * 2003-08-14 2005-03-10 Robert Bosch Gmbh 平らな層状に構成されたセンサー素子
JP4732721B2 (ja) * 2003-08-14 2011-07-27 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 平らな層状に構成されたセンサー素子

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