JP2001004521A - 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法

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JP2001004521A
JP2001004521A JP11173515A JP17351599A JP2001004521A JP 2001004521 A JP2001004521 A JP 2001004521A JP 11173515 A JP11173515 A JP 11173515A JP 17351599 A JP17351599 A JP 17351599A JP 2001004521 A JP2001004521 A JP 2001004521A
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cantilever
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lever
silicon nitride
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Michio Takayama
美知雄 高山
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レバー部に反りが発生しにくくレーザ光のけ
られが少なく、レバー変位検出が容易な走査型プローブ
顕微鏡用カンチレバーを提供する。 【解決手段】 シリコン製支持部110 より伸びた窒化シ
リコン膜製レバー部107の自由端近傍にシリコン製探針
部111 を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーに
おいて、探針部は探針突起部とレバー部と平行な平坦部
とで構成され、該探針突起部と平坦部の周囲はレバー部
を構成する窒化シリコン膜で囲まれ、平坦部の下面は露
出するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原子間力顕微鏡
(AFM)等の走査型プローブ顕微鏡に用いるカンチレ
バー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、AFM等の走査型プローブ顕微鏡
に用いるカンチレバーとしては、半導体IC製造プロセ
スを応用して作製されるカンチレバーが主流となってい
る。半導体IC製造プロセスを用いたAFMカンチレバ
ーとしては、探針部、レバー部及び支持部のすべてがシ
リコンで一体加工されたもの、あるいは探針部とレバー
部が窒化シリコン膜、支持部がガラスで形成されたもの
の二種類に大別され、それぞれレバー部の材質の特徴及
び特性を生かした用途に使い分けられている。今後のカ
ンチレバーとして例えば高速での生物試料観察用のカン
チレバーとしては、レバー部の共振周波数が高く、バネ
定数の小さいものが要求される。これらの要求に応える
ためには、レバー長を数十μmと短くすると共に、レバ
ー厚を数百nmに薄くする必要があり、レバー材質につ
いては、窒化シリコン膜が適している。
【0003】一方、支持部に関しては、ガラスを用いる
と、レバー長が短くなるにつれて変位検出用のレーザー
光がけられやすくなり、正確な変位検出ができなくな
る。この問題をガラス製のまま回避しようとすると、ガ
ラス加工が複雑になると共に、コストがかかってしま
う。したがって支持部材質としては、加工しやすく、最
適な形状に作製可能なシリコンが有利となる。
【0004】以上の観点からレバー部を窒化シリコン膜
で、支持部をシリコンで作製したカンチレバーが求めら
れ、そのような構成のカンチレバーの一例としては、シ
ンヤアカミネによって発明された四面体状のシリコン製
探針を持つものがある(特開平3−218998号,探
針付きカンチレバー及びその製造方法)。次に、図6を
参照しながら、この四面体状シリコン製探針を持つAF
Mカンチレバーの作製方法について説明する。まず、図
6の(A)に示すように、面方位(100)のSi 基板
1101の裏面に支持部となるパターンを形成し、これをマ
スクとしてKOH等を用いた湿式異方性エッチングを施
すことにより、基板1101に薄いシリコンメンブレンを形
成する。この後、基板両面に低応力化した窒化シリコン
膜1102を形成し、次いで基板表面にカンチレバー状のレ
ジストパターンを形成し、これをマスクとしてシリコン
メンブレンを貫通するまでRIE(Reactive Ion Etchi
ng)等を用いてエッチングする。次いで、図6の(B)
に示すように、基板1101を酸化処理することにより、カ
ンチレバーパターンの側壁にのみ酸化シリコン膜1103を
形成する。続いて、図6の(C)に示すように、基板表
面の窒化シリコン膜1102を選択的にエッチング除去し、
更に基板表面からKOH等の湿式異方性エッチングを施
してシリコンメンブレン裏面に形成した窒化シリコン膜
1102を露出させる。その結果、窒化シリコン膜からなる
カンチレバーパターン先端には四面体状のシリコン突起
1104が形成される。これは四面体状シリコン突起の底面
は窒化シリコン膜で、二つの側面は酸化シリコン膜にて
マスクされており、残る一面は(111)面が露出する
ことによりエッチングが停止するためである。次に、側
壁に残った酸化シリコン膜1103をエッチング除去し、更
に窒化シリコン製カンチレバー部1106の支持部側の面
に、金等の反射膜を蒸着あるいはスパッタ法等によって
形成することにより、図6の(D)に示すように、シリ
コン製の支持部1105に連なる窒化シリコン製カンチレバ
ー部1106と、その先端に四面体状のシリコン製探針1104
を持つAFMカンチレバー1107が完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案の窒化シリコン膜製のカンチレバーには、次のような
問題点がある。すなわち、窒化シリコン膜製のカンチレ
バーはカンチレバー変位検出用のレーザー光をほとんど
反射しないため、金属等の反射膜をカンチレバー部上に
形成しなければならない。カンチレバー部が非常に薄く
なると、カンチレバー材質の窒化シリコン膜と反射金属
膜との熱膨脹係数差によりカンチレバー部に反りが発生
し、AFM測定に不良をきたすことになる。したがっ
て、レバー部が非常に薄いカンチレバーを作る場合には
反射膜を必要最小限の大きさに止め、レバー先端部のみ
に形成することが望ましい。しかしながら、上記従来提
案の製造方法では、レバー部形成後に半導体製造でのパ
ターン形成に用いられるフォトリソグラフィの手法を用
いることは困難であるため、反射膜はレバー部全面に形
成されてしまい、レバー部に反りが発生しやすいという
問題がある。
【0006】一方、シリコン製探針部では、シリコンが
窒化シリコンなどに比べて硬度が低いため、探針先端が
磨耗しやすく使用寿命が短い。そこで探針部をより長寿
命とするために、窒化シリコンなどシリコン以外の材質
で形成する場合には、支持部とレバー部との接合が難し
いという問題がある。
【0007】本発明は、従来のカンチレバーにおける上
記問題点を解消するためになされたもので、レバー部に
反りが発生しにくく、レーザー光のけられが少なく、レ
バー変位検出が容易な走査型プローブ顕微鏡用カンチレ
バーを提供することを目的とし、各請求項毎の目的を述
べると、次の通りである。請求項1に係る発明は、反り
の発生が少なく、レーザー光による変位検出を容易にす
る構造の走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを提供す
ることを目的とする。請求項2に係る発明は、より安定
した変位検出が可能な走査型プローブ顕微鏡用カンチレ
バーを提供することを目的とする。請求項3に係る発明
は、支持部とレバー部とをより強固に接合できる走査型
プローブ顕微鏡用カンチレバーを提供することを目的と
する。請求項4に係る発明は、請求項1から3に係る走
査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの最適な製造方法を
提供することを目的とする。請求項5に係る発明は、変
位検出が容易にでき、探針部が摩耗しにくく長寿命であ
ると共に、加工面で有利な支持部とバネ定数の小さいレ
バー部を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを
提供することを目的とする。請求項6に係る発明は、請
求項5に係る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの最
適な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に係る発明は、単結晶シリコン製支持部よ
り伸びた窒化シリコン膜製レバー部の自由端近傍に単結
晶シリコン製探針部を備えた走査型プローブ顕微鏡用カ
ンチレバーにおいて、前記探針部の探針先端とは反対側
の基部面に単結晶シリコンが露出するように構成するも
のである。
【0009】このように、探針部の探針先端とは反対側
の基部面に単結晶シリコンを露出させることにより、こ
の露出した単結晶シリコン部を、カンチレバー変位検出
用レーザー光を当てる反射領域として使用することが可
能となる。したがって、レバー部に反射金属膜を形成す
る必要がなくなり、反りの発生を低減することが可能と
なる。
【0010】また請求項2に係る発明は、請求項1に係
る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーにおいて、前記
探針部は、該探針部の探針先端側及びその背面側の両面
に前記レバー部と平行な平坦領域が設けられていること
を特徴とするものである。
【0011】このように、探針部の背面側にレバー部と
平行な平坦領域を設けることにより、レーザー光反射領
域の面積を大きくすることが可能となり、レーザー光の
試料側への漏れの懸念がなくなり、AFM測定が安定す
る。また探針部の背面側にレバー部と平行な平坦領域を
設けることにより、窒化シリコン膜からなるレバー部と
探針部との接合強度を大きくすることが可能となるた
め、請求項1に係るカンチレバーを容易に製造すること
が可能となる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーにおいて、前
記探針部は探針突起部と平坦部で構成され、該探針突起
部及び平坦部の周囲をレバー部を構成する窒化シリコン
膜で囲むように構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0013】このように、レバー部を形成する窒化シリ
コン膜で探針部を囲むことにより、レバー部と探針部と
の接合強度を大きくすることが可能となるため、請求項
1に係るカンチレバーを容易に製造することが可能とな
る。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に係る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー
の製造方法において、第1及び第2のシリコン基板を酸
化シリコン膜を介して接合した貼り合わせSOI基板を
用いて、探針部のみを残して前記第2のシリコン基板を
エッチング除去する工程と、前記酸化シリコン膜を探針
部周辺下部まで含めてエッチングする工程と、前記第1
のシリコン基板上にカンチレバー部を形成する窒化シリ
コン膜を堆積形成する工程とを少なくとも含むことを特
徴とするものである。
【0015】このような製造方法を用いることにより、
探針部の背面周辺部にレバー部を形成する窒化シリコン
膜が回り込み、その結果探針部を挟み込むことになる。
一方、探針部背面の周辺以外の部位には窒化シリコン膜
が形成されないため、最終的に探針部背面にシリコンを
露出させることが可能となり、請求項1〜3に係る走査
型プローブ顕微鏡用カンチレバーを容易に作製すること
が可能となる。
【0016】請求項5に係る発明は、単結晶シリコン製
支持部より伸びた窒化シリコン膜製レバー部の自由端近
傍に探針部を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバ
ーにおいて、前記探針部は窒化シリコンあるいは高融点
金属からなり、前記支持部は酸化シリコン膜を挟んだ多
層構造からなることを特徴とするものである。
【0017】このようにシリコン製支持部を多層構造と
することにより、シリコン基板に形成された溝を型と
し、これに任意材料を埋め込んでからパターン形成して
探針部を形成することが容易となる。したがって、シリ
コン以外の摩耗しにくい材質で探針部を形成できるた
め、寿命の長い走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを
容易に提供可能となる。
【0018】請求項6に係る発明は、請求項5に係る走
査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの製造方法におい
て、第1及び第2のシリコン基板を酸化シリコン膜を介
して接合した貼り合わせSOI基板を用いて、支持部第
1層となる領域を残し第2のシリコン基板をエッチング
除去する工程と、第1のシリコン基板に探針部の型とな
る溝を形成する工程と、前記第1のシリコン基板上にレ
バー部を形成する窒化シリコン膜を堆積形成しレバーパ
ターンを形成する工程と、前記支持部第1層の領域を含
む前記基板表面を酸化する工程と、前記支持部第1層の
シリコン上に第3のシリコン基板を接合する工程と、前
記第3のシリコン基板に支持部第2層を形成する工程と
を少なくとも含むように構成するものである。
【0019】このような製造方法を用いることにより、
請求項5に係る走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを
容易に製造することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)次に、実施
の形態について説明する。まず、本発明に係る走査型プ
ローブ顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法の第1の
実施の形態を、図1の(A)〜(E)及び図2の(A)
〜(D)に示す製造工程図に基づいて説明する。まず、
図1の(A)に示すように、スタート基板として、第1
の単結晶シリコン基板101 上に酸化シリコン膜102 を挟
んで第2の単結晶シリコン基板103 を貼り合わせた、貼
り合わせSOI(Silicon on Insulator)基板を用い
る。次に、第2のシリコン基板103 をRIE(Reactive
Ion Etching)法や湿式異方性エッチング法等を用いて
加工することにより、図1の(B)に示すように、探針
部となるシリコン突起104 及びそれに連なるシリコン平
坦部105 を形成する。
【0021】次に、弗化水素酸水溶液にて基板を処理す
ることにより、図1の(C)に示すように前述したシリ
コン突起104 及びシリコン平坦部105 の周囲にある酸化
シリコン膜102 を除去する。この際、弗化水素酸水溶液
による酸化シリコン膜のエッチングでは、エッチングが
等方的に進行するため、エッチング処理時間を十分長く
設定することにより、シリコン突起104 及びシリコン平
坦部105 の周囲から内側に数μmほど酸化シリコン膜を
除去することが可能となる。次に、図1の(D)に示す
ように、レバー部を形成するための窒化シリコン膜106
をLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposi
tion)法等により成膜する。このとき成膜する窒化シリ
コン膜は、カンチレバー形成後の反りを押さえるため、
膜応力が少ないシリコンを多量に含んだ膜質としてお
く。またステップカバレッジ性の良いLP−CVD法で
成膜することにより、前述したシリコン突起104 及びシ
リコン平坦部105 の周囲において、裏側の部分まで回り
込んで形成される。
【0022】次に、図1の(E)に示すように、窒化シ
リコン膜106 をレバーパターン状に加工しレバー部107
を形成する。この際、探針部として磨耗性の低い先端が
ほしい場合には、シリコン突起104 の先端を窒化シリコ
ン膜106 で保護した状態にしておく。一方、探針部とし
て分解能の高い尖鋭化された先端がほしい場合には、シ
リコン突起104 の先端を露出させる。但し、シリコン突
起104 の先端を露出させる場合においても、シリコン平
坦部105 の探針側平坦面の一部に窒化シリコン膜106 が
残るようにしておく。このように構成することにより、
シリコン突起104 及びシリコン平坦部105 の周囲におい
て、窒化シリコン膜106 が挟み込んでいる構造となる。
次に、図2の(A)に示すように、表面の露出したシリ
コン部を一旦、熱酸化処理により酸化シリコン膜108 で
保護しておく。このときの熱酸化処理温度 950℃以下が
望ましい。このように酸化シリコン膜のガラス転移点以
下の温度で熱酸化処理することにより、突起部の酸化膜
厚が薄膜化するため、結果的にシリコン突起104 の先端
を尖鋭化させることが可能となる。
【0023】次に、図2の(B)に示すように、第1の
シリコン基板101 裏面に支持部を形成するためのマスク
パターン109 を形成し、シリコン基板101 に湿式異方性
エッチング処理を施すことにより、図2の(C)に示す
ように、支持部110 を形成する。そして、最後に酸化シ
リコン膜108 及びシリコン突起104 及びシリコン平坦部
105 の裏面に残された酸化シリコン膜102 を、弗化水素
酸水溶液により除去することにより、図2の(D)に示
すように、本実施の形態に係る、探針部111 の探針先端
とは反対側の面に単結晶シリコンが露出している走査型
プローブ顕微鏡用カンチレバー112 が完成する。
【0024】このように探針部111 の裏側に十分な平坦
部を備えてシリコンを露出させておくことにより、レバ
ー変位を検出させるためのレーザー光を反射させること
が可能となる。したがって、カンチレバー形成後、新た
に反射金属膜をレバー背面に成膜する必要がないため、
レバー膜厚が薄くても反りの発生が少ない。また、この
ような構成のカンチレバーは、ウェハー内に多数連なっ
て形成され、AFM測定などに使用するとき、ウェハー
より1チップずつ切り離して用いるが、シリコン製の支
持部の場合、穴あけ加工により各チップのウェハーへの
持続強度を弱くしておくことができるため、チップ分割
が容易となる。
【0025】(第2の実施の形態)次に、第2の実施の
形態について説明する。第1の実施の形態では探針部11
1となるシリコン突起104 及びシリコン平坦部105 を窒
化シリコン膜のレバー部107 に保持させるにあたり、シ
リコン突起104 及びシリコン平坦部105 の周囲を窒化シ
リコン膜106 で挟み込む構造を示したが、本実施の形態
は、シリコン探針部と窒化シリコン製レバー部との接合
をより強固にさせる構造をもたせたものである。
【0026】第2の実施の形態にかかわるカンチレバー
の構成を図3に示す。図3に示すように、カンチレバー
部を構成する窒化シリコン膜201 を、探針部を構成する
シリコン平坦部203 の一部分に接合し、探針突起部204
の表面一部から露出された平坦部203 及び平坦部203 上
の窒化シリコン膜201 に亘ってオーバーラップするよう
に、窒化シリコン膜以外の膜からなる接合膜202 を形成
するものである。ここで接合膜202 としては、例えば多
結晶シリコン膜やタングステン等の高融点金属膜等が適
している。シリコン平坦部203 上の窒化シリコン膜201
パターン境界部においては、シリコンが露出している
と、後の熱酸化処理工程で窒化シリコン膜下のシリコン
が若干酸化される。そして、最終工程において弗化水素
酸水溶液で処理した際に、この酸化シリコン膜が除去さ
れると、窒化シリコン製レバー部とシリコン製探針部の
接合強度が弱くなる。しかし、本実施の形態に示すよう
にシリコン平坦部203 上の窒化シリコン膜201 パターン
境界部に接合膜202 を設けて、シリコンの露出をなくす
ことにより、窒化シリコン膜下が酸化されることがなく
なり、接合を強固にすることができる。なお、図3にお
いて、205 は支持部である。
【0027】また、このような接合膜202 のパターンを
所定の個所に設けるには、パターン形成を行う際に塗布
されるフォトレジストが均一に塗布される必要がある
し、露光時に不要な反射光が入らないようにする必要が
ある。しかしながら、本発明に係る走査型プローブ顕微
鏡用カンチレバーにおいては、シリコン平坦部が形成さ
れているため、このような加工が容易である。
【0028】(第3の実施の形態)次に、第3の実施の
形態について説明する。第1及び第2の発明の実施の形
態では、探針部をシリコンで形成する場合について説明
したが、シリコンは窒化シリコン膜に比べて硬度が低く
磨耗しやすいため、第3の実施の形態では探針部先端を
より長寿命化するため、探針部を窒化シリコン膜を使用
して構成するものであり、図4の(A)〜(F)及び図
5の(A)〜(D)に示す製造工程図に基づいて説明す
る。
【0029】まず、図4の(A)に示すように、スター
ト基板としては、第1のシリコン基板301 上に酸化シリ
コン膜302 を挟んで第2のシリコン基板303 を貼り合わ
せた、貼り合わせSOI(Silicon on Insulator)基板
を用いる。次に、第2のシリコン基板303 上に酸化シリ
コン膜等からなるエッチングマスクパターン304 を形成
し、シリコン基板303 をRIE(Reactive Ion Etchin
g)法や湿式異方性エッチング法等を用いて加工するこ
とにより、図4の(B)に示すように、支持部下層とな
るシリコン突起305 を形成する。そして次に、弗化水素
酸水溶液にて基板を処理することにより、図4の(C)
に示すように、前述したシリコン突起305の周囲にある
酸化シリコン膜302 及びエッチングマスクパターン304
を除去する。この際、弗化水素酸水溶液による酸化シリ
コン膜302 のエッチングでは、エッチングが等方的に進
行するため、エッチング処理時間を十分長く設定するこ
とにより、シリコン突起305 の周囲から内側に数μmほ
ど酸化シリコン膜302 を除去することが可能となる。
【0030】次に、図4の(D)に示すように、第1の
シリコン基板301 上の所定の個所に探針部を形成するた
めの型となる溝306 をRIE法や湿式異方性エッチング
法等を用いて形成する。次に、図4の(E)に示すよう
に、レバー部を形成するための窒化シリコン膜307 をL
P−CVD法等により成膜する。このとき成膜する窒化
シリコン膜307 は、カンチレバー形成後の反りを押さえ
るため、膜応力が少ないシリコンを多量に含んだ膜質と
しておく。またステップカバレッジ性の良いLP−CV
D法で成膜することにより、前述したシリコン突起305
の周囲において、裏側の部分まで回り込んで、シリコン
突起305 下部の酸化シリコン膜302 を囲むように窒化シ
リコン膜307 が形成される。
【0031】次に、図4の(F)に示すように、窒化シ
リコン膜307 をレバーパターン状に加工し、レバー部30
8 を形成する。このとき、シリコン突起305 の上面の窒
化シリコン膜も同時に除去しておく。更にまたこの際、
探針部として摩耗性の更に低い先端がほしい場合には、
溝306 付近にのみあらかじめ別部材として、例えば低応
力化していない窒化シリコン膜,DLC(Diamond Like
Carbon),Ti ,W等の高融点金属もしくはそれらのシ
リサイド等を形成しておいてもよい。
【0032】次に、図5の(A)に示すように、表面の
露出したシリコン部を一旦、熱酸化処理により酸化シリ
コン膜309 で保護し、更にレバー部308 の先端部付近に
Ti,Mo ,Wあるいはそれらのシリサイド等の高融点
金属膜からなる反射膜310 を形成する。次に、図5の
(B)に示すように、硫酸と過酸化水素水の混合液にて
基板を洗浄処理した後、第3のシリコン基板311 を重
ね、1000℃以上に加熱処理することにより接合する。な
お、この第3のシリコン基板311 の接合に関しては、上
述したような拡散接合法の他、陽極接合法、金共晶、ハ
ンダ、接着材等を用いる方法でもかまわない。
【0033】次に、第3のシリコン基板311 上に支持部
上層を形成するためのマスクパターン312 を形成する。
このマスクパターン形成においては、例えば、あらかじ
めシリコン基板301 の裏面に合わせマークを形成してお
き、それに合わせることにより、レバー部308 のパター
ンに合わせることが可能となる。また支持部となるシリ
コン突起305 の上面面積を支持部上層の下面面積よりも
大きく設計しておくことにより、多少の合わせずれが生
じても使用上問題なくなる。この後、湿式異方性エッチ
ング処理を施すことにより、図5の(C)に示すよう
に、支持部上層となるシリコン突起313 が形成されると
共に、探針部314 が表出する。そして、最後に酸化シリ
コン膜309 を弗化水素酸水溶液により除去することによ
り、図5の(D)に示すように、本実施の形態に係る支
持部315 が2層以上の接続層から形成されていて、各層
の接続界面には酸化シリコン膜が挟まれていることを特
徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー316 が完
成する。
【0034】窒化シリコン膜に直接シリコン基板を接合
することは難しいが、上述した構成においては、酸化シ
リコン膜上にシリコン基板を接合すればよいため、窒化
シリコン膜製レバー部でシリコン製の支持部を持った走
査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを容易に作製するこ
とが可能となる。また本実施の形態の構成においては、
探針部は第1のシリコン基板に形成した型となる溝に探
針形成材料を埋め込んで形成するようにしているので、
探針部がシリコンに限らないため、より摩耗しにくく、
長寿命な走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを容易に
作製することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、本発明によればチップ分割が容易でレバー変位検出
用レーザー光のけられが少ないシリコン製支持部を持
ち、レバー膜厚が薄くとも反りの発生が少なく、摩耗し
にくい探針部を持つ走査型プローブ顕微鏡用カンチレバ
ーを容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を説明するための製造工程を
説明する図である。
【図2】図1に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図3】第2の実施の形態を説明する断面図である。
【図4】第3の実施の形態を説明するための製造工程を
説明する図である。
【図5】図4に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図6】従来のカンチレバーの製造工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
101 第1のシリコン基板 102 酸化シリコン膜 103 第2のシリコン基板 104 探針部用シリコン突起 105 シリコン平坦部 106 窒化シリコン膜 107 レバー部 108 酸化シリコン膜 109 支持部形成用マスクパターン 110 支持部 111 探針部 112 カンチレバー 201 窒化シリコン膜 202 接合膜 203 シリコン平坦部 204 探針シリコン突起 205 支持部 301 第1のシリコン基板 302 酸化シリコン膜 303 第2のシリコン基板 304 エッチングマスクパターン 305 支持部下層シリコン突起 306 探針部を形成するための型となる溝 307 窒化シリコン膜 308 レバー部 309 酸化シリコン膜 310 反射膜 311 第3のシリコン基板 312 マスクパターン 313 支持部上層シリコン突起 314 探針部 315 支持部 316 カンチレバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶シリコン製支持部より伸びた窒化
    シリコン膜製レバー部の自由端近傍に単結晶シリコン製
    探針部を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーに
    おいて、前記探針部の探針先端とは反対側の基部面に単
    結晶シリコンが露出するように構成されていることを特
    徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記探針部は、該探針部の探針先端側及
    びその背面側の両面に前記レバー部と平行な平坦領域が
    設けられていることを特徴とする請求項1に係る走査型
    プローブ顕微鏡用カンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記探針部は探針突起部と平坦部で構成
    され、該探針突起部及び平坦部の周囲をレバー部を構成
    する窒化シリコン膜で囲むように構成されていることを
    特徴とする請求項1又は2に係る走査型プローブ顕微鏡
    用カンチレバー。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜3のいずれか1項に係る
    走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの製造方法におい
    て、第1及び第2のシリコン基板を酸化シリコン膜を介
    して接合した貼り合わせSOI基板を用いて、探針部の
    みを残して前記第2のシリコン基板をエッチング除去す
    る工程と、前記酸化シリコン膜を探針部周辺下部まで含
    めてエッチングする工程と、前記第1のシリコン基板上
    にカンチレバー部を形成する窒化シリコン膜を堆積形成
    する工程とを少なくとも含むことを特徴とする走査型プ
    ローブ顕微鏡用カンチレバーの製造方法。
  5. 【請求項5】 単結晶シリコン製支持部より伸びた窒化
    シリコン膜製レバー部の自由端近傍に探針部を備えた走
    査型プローブ顕微鏡用カンチレバーにおいて、前記探針
    部は窒化シリコンあるいは高融点金属からなり、前記支
    持部は酸化シリコン膜を挟んだ多層構造からなることを
    特徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー。
  6. 【請求項6】 前記請求項5に係る走査型プローブ顕微
    鏡用カンチレバーの製造方法において、第1及び第2の
    シリコン基板を酸化シリコン膜を介して接合した貼り合
    わせSOI基板を用いて、支持部第1層となる領域を残
    し第2のシリコン基板をエッチング除去する工程と、第
    1のシリコン基板に探針部の型となる溝を形成する工程
    と、前記第1のシリコン基板上にレバー部を形成する窒
    化シリコン膜を堆積形成しレバーパターンを形成する工
    程と、前記支持部第1層の領域を含む前記基板表面を酸
    化する工程と、前記支持部第1層のシリコン上に第3の
    シリコン基板を接合する工程と、前記第3のシリコン基
    板に支持部第2層を形成する工程とを少なくとも含むこ
    とを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006263888A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Osaka Industrial Promotion Organization デバイスの製造方法
CN100562484C (zh) * 2007-06-12 2009-11-25 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种悬臂梁结构、制作方法及应用

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