JP2001003992A - 伝動ベルト及びベルト用背面布の製造方法 - Google Patents

伝動ベルト及びベルト用背面布の製造方法

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JP2001003992A
JP2001003992A JP2000119152A JP2000119152A JP2001003992A JP 2001003992 A JP2001003992 A JP 2001003992A JP 2000119152 A JP2000119152 A JP 2000119152A JP 2000119152 A JP2000119152 A JP 2000119152A JP 2001003992 A JP2001003992 A JP 2001003992A
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belt
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transmission belt
bias
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Yoshitaka Tajima
義隆 田島
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 VリブドベルトBの背面布5のジョイント部
がベルト幅方向に沿って延びる直角ジョイント部となる
のをなくし、ベルトBの亀裂や材料ロスの発生を解消す
る。 【解決手段】 背面布5のミシン縫合による突合わせ状
態のジョイント部6,7をベルト長さ方向全体に亘り複
数設け、それらを、ベルト幅方向と所定角度θ1,θ2
(=45°)をなすように斜め方向に延びかつ互いに交
差しない斜めジョイント部のみで構成することにより、
ベルトBの屈曲時に背面布5のジョイント部6,7での
曲げ応力をベルト長さ方向に分散し、そのジョイント部
6,7での亀裂の発生を抑える。また、互いに交差しな
い複数の斜めジョイント部6,7によりベルトBの外観
見映えを高め、除去の必要なベルト部分をなくして材料
の利用効率の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝動ベルト及びそ
の背面布の製造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴムが塗布されたベルト用ゴ
ム引き布をジョイントしてベルト表面用布を製造する場
合、そのジョイント部を重合わせ状態にすることが一般
になされているが、近年、ベルトの高級化及び高品質化
に伴い、布のジョイント部をミシン縫合によって突合わ
せ状態とすることが行われている。この突合わせ状態の
ジョイント部によれば、重合わせ状態のようなベルトの
厚さの不均一化や芯線位置の変動を解消でき、自動車用
ベルトとして振動や騒音の防止に有効な効果を発揮させ
ることができる。
【0003】上記布のジョイント部を突合わせ状態でミ
シンにより縫合する場合、未加硫の粘着性のあるゴムが
付着したゴム引き布を縫合する必要がある。このゴム引
き布の突合わせをハンドリングよくかつ精度よく行うた
めに、従来、例えば特開平10―295967号公報に
示されるように、2枚の布を重ねてオーバーロックミシ
ンにより縫い、その縫い部分を開く方法が提案されてい
る。
【0004】また、この他、特開平10―292852
号公報に示されるように、2枚の布の端部同士を突き合
わせて千鳥縫いミシンで千鳥縫い目により縫合すること
も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ジョイント方法を利用して、縦糸及び横糸がベルト長さ
方向に対し45°に傾斜したバイアス布からなる背面布
を製造するとき、以下に説明する問題があった。すなわ
ち、上記背面布の製造工程では、まず、図6(a)に示
すように、縦糸40a,40a,…及び横糸40b,4
0b,…が交差したゴム引き布40を幅方向と45°の
角度で斜めにカットしてバイアス布41を作り、図6
(b)に示す如く、その2枚のバイアス布41,41を
各々のカット側端部41a,41aが直角になるように
重ねた状態で非カット側端部41b,41b同士をオー
バロックミシンで縫合した後に開くことで、縦糸40a
及び横糸40bが長さ方向(ベルト長さ方向)に対し4
5°傾斜した長尺バイアス布42を形成する。そして、
図6(c)に示す如く、この長尺バイアス布42をその
幅方向に沿ってベルト長さに対応する長さ(ベルト成形
に必要な長さ)に切断して定寸布43とし、図7(a)
及び(b)又は図8(a)及び(b)に示す如く、この
定寸布43を2つ折りして両切断部43a,43a同士
を揃え、その両切断部43a,43aをオーバーロック
ミシンにより縫合して開くことにより、筒状のベルト用
背面布44を形成している。
【0006】したがって、このような製造工程に伴い、
上記円筒状のベルト用背面布44の周面には、その背面
布44のサイズ(ベルト長さ)が短くてバイアス布4
1,41同士の縫合部を含まないように切断されたもの
にあっては上記定寸布43の切断部43a,43a同士
の縫合による幅方向(ベルト幅方向)に延びる1つの直
角ジョイント部37が、また図7(a)及び(b)に示
すように、サイズが大きくてバイアス布41,41同士
の縫合部を含むように切断されたもの(図6(c)にお
けるL3の範囲)にあっては上記直角ジョイント部37
に加え、上記バイアス布41,41同士の縫合部によ
る、幅方向(ベルト幅方向)に対し斜めに延びる斜めジ
ョイント部36がそれぞれ生じる。また、上記定寸布4
3の切断の際にバイアス布41,41同士の縫合部で切
断されたとき(図6(c)におけるL4の範囲)には、
図8(a)及び(b)に示すように、円筒状のベルト用
背面布44の周面に上記直角ジョイント部37と斜めジ
ョイント部36とが交差して双方が重なる部分OLが生
じる。
【0007】つまり、円筒状のベルト用背面布44の周
面には少なくとも直角ジョイント部37が必ず現れるこ
ととなり、図5に示すように、この背面布44をVリブ
ドベルト47の背面に配置したとき、ベルト長さ方向全
体においてベルト幅方向に延びる直角ジョイント部37
が生じるのは避けられない。この背面布44の直角ジョ
イント部37はベルト47の屈曲時に曲げ応力が集中し
易い部分となり、亀裂の発生を招く虞れがあった。
【0008】また、上記図8(b)に示す如き、ベルト
用背面布44の直角ジョイント部37と斜めジョイント
部36との交差部OLはVリブドベルト47の背面に貼
り付けられたときの外観が低下するので、ベルトの加硫
成形後に上記両ジョイント部37,36の交差部OLを
含むベルト部分を除去する必要があり、その分、材料ロ
スが発生するという問題がある。
【0009】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記の如きVリブド
ベルト等の伝動ベルトの背面布のジョイント部の構造、
及びその背面布の製造方法を改良することで、ベルトの
背面布の直角ジョイント部をなくし、ベルトの亀裂や材
料ロスの発生を解消することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、バイアス布から定寸布を切断する
ときに、バイアス布をその幅方向と交差する斜め方向に
沿って切断して定寸布を作ることにより、ベルトにおけ
る背面布のジョイント部がベルト幅方向に対し斜め方向
に延びる斜めジョイント部のみになるようにした。
【0011】具体的には、請求項1の発明では、ミシン
縫合による突合わせ状態のジョイント部を有する背面布
が設けられた伝動ベルトにおいて、上記背面布のジョイ
ント部がベルト長さ方向全体に亘り1つ設けられてお
り、上記ジョイント部は、ベルト幅方向と所定角度をな
すように斜め方向に延びる斜めジョイント部のみで構成
されていることを特徴としている。
【0012】また、請求項2の発明では、上記請求項1
の発明と同様の、ミシン縫合による突合わせ状態のジョ
イント部を有する背面布が設けられた伝動ベルトにおい
て、上記背面布のジョイント部がベルト長さ方向全体に
亘り複数設けられ、これら複数のジョイント部は、ベル
ト幅方向と所定角度をなすように斜め方向に延びかつ互
いに交差しない斜めジョイント部のみで構成されている
ことを特徴とする。
【0013】上記の構成により、これらの発明では、ベ
ルトの背面布における1つ又は複数のミシン縫合による
突合わせ状態のジョイント部は、いずれもベルト幅方向
と所定角度をなすように斜め方向に延びる斜めジョイン
ト部のみで構成されているので、ベルトの屈曲時に背面
布のジョイント部での曲げ応力はベルト長さ方向に分散
されることとなり、その分、ジョイント部での亀裂の発
生を抑えてベルトの品質を高めることができる。
【0014】しかも、請求項2の発明の場合、上記複数
の斜めジョイント部であってもそれらが互いに交差しな
いので、ベルトの外観見映えは低下せず、除去の必要な
ベルト部分をなくして材料の利用効率を高めることがで
きる。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、背面布の複数の斜めジョイント部は、互いに
平行に配置されているものとする。こうすると、上記背
面布のジョイント部での亀裂発生防止の効果がさらに有
効に得られる。
【0016】請求項4の発明では、上記伝動ベルトにお
ける背面布の斜めジョイント部は、オーバーロックの縫
い目で縫合されている構成とする。また、請求項5の発
明では、背面布の斜めジョイント部は、千鳥縫いの縫い
目で縫合されている構成とする。さらに、請求項6の発
明では、背面布に複数の斜めジョイント部があるとき、
その一部がオーバーロックの縫い目で、また残りが千鳥
縫いの縫い目でそれぞれ縫合されている構成とする。こ
れら発明の構成によれば、背面布の斜めジョイント部の
縫合構造が具体的に得られる。
【0017】請求項7の発明では、伝動ベルトはVリブ
ドベルトとする。このことで、上記効果が有効に発揮さ
れる最適な伝動ベルトが得られる。
【0018】請求項8〜12の発明は、伝動ベルトの背
面に設けられる背面布を製造する方法であり、請求項8
の発明では、バイアス状にカットされた複数枚のバイア
ス布の非カット側端部同士を順に縫合して長尺バイアス
布を作る。次いで、この長尺バイアス布をその幅方向と
所定角度をなすように斜め方向に沿って切断してベルト
長さに対応する長さの定寸布を作り、この定寸布の両切
断部同士を縫合して筒状のベルト用背面布を形成する。
このように、長尺バイアス布をその幅方向に対し斜め方
向に沿って切断して定寸布を作るので、その定寸布の両
切断部同士を縫合して形成される筒状のベルト用背面布
は、定寸布の切断部同士の縫合部と、バイアス布の非カ
ット側端部同士の縫合部とのいずれもが斜め方向とな
り、よって上記請求項1又は2の発明のベルト用の背面
布を容易に製造することができる。
【0019】請求項9の発明では、上記バイアス布の非
カット側端部同士の縫合、及び定寸布の両切断部同士の
縫合をミシンにより行う。
【0020】そして、請求項10の発明では、上記定寸
布の両切断部同士を重ね合わせてオーバーロックの縫い
目により縫合する。そのとき、請求項11の発明では、
定寸布の長さを幅の2.1倍以上とする。一方、請求項
12の発明では、定寸布の両切断部同士を突き合わせて
千鳥縫いの縫い目により縫合する。これらの発明によれ
ぱ、定寸布の両切断部同士の縫合方法が具体的に得られ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る
VリブドベルトBを示し、このベルトBは芯線2が埋設
されたベルト本体1を備え、このベルト本体1の底面に
はベルト長さ方向に延びる複数(図示例では3つ)のリ
ブ部3,3,…がベルト幅方向に並んで突設されてい
る。
【0022】上記ベルト本体1の背面には背面布5が一
体に設けられ、この背面布5はベルト長さ方向全体に亘
り複数(図示例では2つ)のミシン縫合による突合わせ
状態のジョイント部6,7を有し、これらジョイント部
6,7はそれぞれいずれもベルト幅方向と所定角度θ
1,θ2をなすように斜め方向に延びる斜めジョイント
部のみで構成されている。そして、一部のジョイント部
6のベルト幅方向となす角度θ1と、残りのジョイント
部7のベルト幅方向となす角度θ2とは同じでθ1=θ
2=45°とされており、このことで複数のジョイント
部6,7は、互いに平行に配置されて交差しない斜めジ
ョイント部のみで構成されている。
【0023】また、これら複数の斜めジョイント部6,
7は全てがオーバーロックの縫い目のみで縫合される
か、或いは図示の如く、一部のジョイント部6がオーバ
ーロックの縫い目で、また残りのジョイント部7が千鳥
縫いの縫い目でそれぞれ縫合されている。上記オーバー
ロックの縫い目は、後述する如く、布の端部同士を重ね
合わせてオーバーロックミシンで縫合した後に開くこと
により得られるもので、その縫い糸が布の両端部間に亘
り該端部と直交する方向に並んで現れる(図1下側の縫
い目参照)。一方、千鳥縫い目は、布の端部同士を突き
合わせて千鳥縫いミシンで縫合することにより得られる
もので、その縫い糸は布の両端部間に亘りジグザグに連
続するように現れる(図1上側の縫い目参照)。
【0024】次に、上記VリブドベルトBの背面に設け
られる背面布5の製造方法について図2〜図4により説
明する。まず、図2(a)に示すように、縦糸10a,
10a,…及び横糸10b,10b,…が90°の交差
角度で織られた平織りのゴム引き布10を用意し、図外
のバイアスカッタを用いて、そのゴム引き布10を幅方
向とのなす角度が所定角度θ1(=45°)となるよう
に斜めにバイアス状にカットしてバイアス布11,1
1,…を作る。
【0025】次いで、図2(b)に示すように、これら
複数枚のバイアス布11,11,…を各々のカット側端
部11a,11aが直角になるように重ね、各々の非カ
ット側端部11b,11b(ゴム引き布10の幅方向端
部)同士を順に突合わせ状態でオーバーロックミシン
(図示せず)によりオーバーロックの縫い目で縫合して
開き、長尺バイアス布12を作る。
【0026】そして、図2(c)に示す如く、このよう
にして作られた長尺バイアス布12を、バイアスカッタ
によりその幅方向と所定角度θ2(=45°)をなすよ
うに斜め方向に沿って切断してベルト長さに対応する長
さの定寸布13を作る。このとき、上記バイアス布1
1,11同士の縫合部が定寸布13内に含まれるように
図2(c)のL1の範囲で上記長尺バイアス布12を切
断すると、その定寸布13内の縫合部も背面布5のジョ
イント部6となるので、背面布5全体のジョイント部
6,7の数は上記定寸布13内の縫合部の数に定寸布1
3の切断部13a,13a同士の縫合部(1つ)を加え
た数になる。一方、ベルト長さが短い場合、上記バイア
ス布11,11同士の縫合部が定寸布13内に含まれな
いように長尺バイアス布12を切断すると(図2(c)
のL2の範囲)、その場合には、背面布5全体の斜めジ
ョイント部7の数は定寸布13の切断部13a,13a
同士の縫合部のみの1つとなる。
【0027】しかる後に、上記定寸布13の両切断部1
3a,13a同士をミシン縫合して筒状のベルト用背面
布5′を形成する。この定寸布13の両切断部13a,
13a同士の縫合方法は2通りあり、その1つは、図3
(a)に示すように、定寸布13を折り曲げてその両切
断部13a,13aを重ね合わせ、その状態で両切断部
13a,13a同士をオーバーロックミシン(図示せ
ず)によりオーバーロックの縫い目により縫合し、その
後に開く方法である。この方法は、互いに平行に斜めに
切断されている両切断部13a,13a同士(定寸布1
3の端部同士)を重ね合わせるために定寸布13を折り
曲げる必要があるので、ベルト長さが長く、定寸布13
の長さが幅の2.1倍以上(定寸布13の両切断部13
a,13aがθ2=45°傾斜していて両者の縫合部分
が45°ジョイントの場合)であると有効である。こう
して定寸布13の切断部13a,13a同士がオーバー
ロックの縫い目により縫合されると、図3(b)に示す
如く、背面布5全体の斜めジョイント部6,7は全てオ
ーバーロックの縫い目のみになる。
【0028】一方、もう1つの方法は、図4(a)に示
す如く、定寸布13の両切断部13a,13a同士を突
き合わせた状態で千鳥縫いミシン15で千鳥縫いの縫い
目により縫合する方法である。この方法は定寸布13の
両切断部13a,13a同士を突き合わせるだけでよい
ので、ベルト長さが短くても容易にジョイントすること
ができる。こうして定寸布13の切断部13a,13a
同士が千鳥縫いの縫い目により縫合された場合、図4
(b)に示す如く、背面布5全体の斜めジョイント部
6,7は1つの千鳥縫いの縫い目の斜めジョイント部7
と、残りのオーバーロックの縫い目の斜めジョイント部
6との2種類になる。
【0029】尚、以上のように製造されたベルト用背面
布5′を用いて公知の方法、つまり成形型でベルト材料
と加硫成形して円筒状のベルト成形体を形成し、それに
リブ部を研削した後に切断してVリブドベルトBを製造
すればよい。
【0030】したがって、この実施形態においては、V
リブドベルトBにおける背面布5の複数のジョイント部
6,7は、いずれもベルト幅方向と所定角度θ1=θ2
(=45°)をなすように斜め方向に延びる斜めジョイ
ント部のみで構成されているので、ベルトBの屈曲時に
背面布5のジョイント部6,7での曲げ応力がベルト長
さ方向に分散され、そのジョイント部6,7での亀裂の
発生を抑えてベルトBの品質を高めることができる。
【0031】また、上記複数の斜めジョイント部6,7
の各々が互いに平行であって交差しないので、ベルトB
の外観見映えは低下せず、ベルト成形体の成形後にジョ
イント部の交差部分を含むベルトBを除去する必要はな
くなり、よってベルト材料の利用効率を高めることがで
きる。
【0032】尚、上記実施形態では、背面布5の斜めジ
ョイント部6,7のベルト幅方向とのなす角度θ1,θ
2がいずれも同じでθ1=θ2=45°であるが、この
角度θ1,θ2を45°以外の種々の角度(例えばθ1
=θ2=60°又は72°)に変えてもよい。また、複
数の斜めジョイント部6,7は必ずしも互いに平行でな
くてよく、ベルトBの背面で互いに交差しないように配
置されていればよい。これは、上記長尺バイアス布12
から定寸布13を切断するときの角度θ2と、ゴム引き
布10からバイアス布11をカットする角度θ1とを異
ならせることにより実現できる。
【0033】また、上記実施形態では、バイアス布11
の非カット側端部11b,11b同士及び定寸布13の
両切断部13a,13a同士をいずれもオーバーロック
の縫い目により縫合したとき、背面布5の斜めジョイン
ト部6,7が共にオーバーロックの縫い目により縫合さ
れたジョイント部となるようにしている(図3(b)参
照)が、そのバイアス布11の端部11b,11b同士
及び定寸布13の両切断部13a,13a同士をいずれ
も千鳥縫いの縫い目によりミシン縫合すれば、背面布5
の斜めジョイント部6,7は共に千鳥縫いの縫い目でミ
シン縫合された斜めジョイント部となる。
【0034】また、上記実施形態では、バイアス布11
の非カット側端部11b,11b同士をオーバーロック
の縫い目により縫合する一方、定寸布13の両切断部1
3a,13a同士を千鳥縫いの縫い目により縫合したと
きに、背面布5の斜めジョイント部6,7の一部がオー
バーロックの縫い目で、また残りが千鳥縫いの縫い目で
それぞれ縫合されたジョイント部となるようにしている
が、逆に、バイアス布11の非カット側端部11b,1
1b同士を千鳥縫いの縫い目によりミシン縫合する一
方、定寸布13の両切断部13a,13a同士をオーバ
ーロックの縫い目によりミシン縫合しても、同様に、背
面布5の斜めジョイント部6,7がオーバーロック及び
千鳥縫いの縫い目でミシン縫合されたジョイント部とな
る。
【0035】また、上記したように、長尺バイアス布1
2をバイアス布11,11同士の縫合部が定寸布13内
に含まれないように図2(c)のL2の範囲に切断する
ことにより、背面布5のジョイント部7をベルト長さ方
向全体に亘り1つ設けて、それを斜めジョイント部のみ
としてもよく、その場合の背面布5の斜めジョイント部
7は定寸布13の両切断部13a,13a同士の縫合に
応じてオーバーロックの縫い目のみ又は千鳥縫いの縫い
目のみでミシン縫合される。
【0036】さらに、上記実施形態はVリブドベルトB
に適用したものであるが、本発明はVリブドベルトB以
外の他の伝動ベルトの背面布に対しても適用することが
できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1の発明で
は、伝動ベルトの背面布のミシン縫合による突合わせ状
態のジョイント部をベルト長さ方向全体に亘り1つ設け
て、それをベルト幅方向と所定角度をなすように斜め方
向に延びる斜めジョイント部のみで構成した。また、請
求項2の発明では、伝動ベルトの背面布のミシン縫合に
よる突合わせ状態のジョイント部をベルト長さ方向全体
に亘り複数設けて、それらのジョイント部を、ベルト幅
方向と所定角度をなすように斜め方向に延びかつ互いに
交差しない斜めジョイント部のみで構成した。従って、
これらの発明によると、ベルトの屈曲時に背面布の斜め
ジョイント部での曲げ応力がベルト長さ方向に分散され
ることとなり、そのジョイント部での亀裂の発生を抑え
てベルト品質の向上を図ることができる。特に、請求項
2の発明では、複数の斜めジョイント部が互いに交差し
ないので、ベルトの外観見映えは低下せず、除去の必要
なベルト部分をなくして材料の利用効率の向上を図るこ
とができる。
【0038】請求項3の発明によると、上記背面布の複
数の斜めジョイント部を互いに平行に配置されたものと
したことにより、背面布のジョイント部での亀裂発生防
止の効果がさらに有効に得られる。
【0039】請求項4の発明では、上記背面布の斜めジ
ョイント部はオーバーロックの縫い目で、また請求項5
の発明では、背面布の斜めジョイント部は千鳥縫いの縫
い目でそれぞれ縫合されている構成とした。さらに、請
求項6の発明では、背面布の複数の斜めジョイント部の
一部がオーバーロックの縫い目で、また残りが千鳥縫い
の縫い目でそれぞれ縫合されている構成とした。従っ
て、これら発明によれば、背面布の斜めジョイント部の
縫合構造が具体的に得られる。
【0040】請求項7の発明によれば、伝動ベルトはV
リブドベルトとしたことにより、本発明の効果が有効に
発揮される最適な伝動ベルトが得られる。
【0041】請求項8の発明によると、バイアス状にカ
ットされた複数枚のバイアス布の非カット側端部同士を
順に縫合して長尺バイアス布を作り、この長尺バイアス
布をその幅方向と所定角度をなすように斜め方向に沿っ
て切断してベルト長さに対応する長さの定寸布を作った
後、この定寸布の両切断部同士を縫合して筒状のベルト
用背面布を形成したことにより、上記請求項1又は2の
発明のベルト用の背面布を容易に製造することができ
る。
【0042】請求項9の発明では、上記バイアス布の非
カット側端部同士の縫合、及び定寸布の両切断部同士の
縫合をミシンにより行うこととした。請求項10の発明
では、その定寸布の両切断部同士を重ね合わた状態でオ
ーバーロックの縫い目により縫合することとした。その
とき、請求項11の発明では、定寸布の長さを幅の2.
1倍以上とした。一方、請求項12の発明では、定寸布
の両切断部同士を突き合わせた状態で千鳥縫いの縫い目
により縫合することとした。これらの発明によれぱ、定
寸布の両切断部同士の縫合方法が具体的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るVリブドベルトを背面
布のジョイント部にて示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るVリブドベルト用背面
布の製造方法の前半工程を示す工程図である。
【図3】背面布の製造方法の後半工程において定寸布の
両切断部同士をオーバーロックの縫い目により縫合する
工程を示す工程図である。
【図4】背面布の製造方法の後半工程において定寸布の
両切断部同士を千鳥縫いの縫い目により縫合する工程を
示す図3相当図である。
【図5】従来のVリブドベルトの背面布のジョイント部
を示す図1相当図である。
【図6】従来のVリブドベルト用背面布の製造方法の前
半工程を示す工程図である。
【図7】従来の背面布の製造方法の後半工程においてバ
イアス布同士の縫合部を含むように切断された定寸布か
ら背面布を縫合する工程を示す工程図である。
【図8】従来の背面布の製造方法の後半工程においてバ
イアス布同士の縫合部で切断された定寸布から背面布を
縫合する工程を示す図7相当図である。
【符号の説明】
B Vリブドベルト 1 ベルト本体 5,5′ 背面布 6 斜めジョイント部(バイアス布の非カット側端部同
士の縫合によるもの) 7 斜めジョイント部(定寸布の切断部同士の縫合によ
るもの) θ1,θ2 斜めジョイント部のベルト幅方向のなす角
度 10 ゴム引き布 11 バイアス布 11b 非カット側端部 12 長尺バイアス布 13 定寸布 13a 切断部 15 千鳥縫いミシン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン縫合による突合わせ状態のジョイ
    ント部を有する背面布が設けられた伝動ベルトにおい
    て、 上記背面布のジョイント部がベルト長さ方向全体に亘り
    1つ設けられており、 上記ジョイント部は、ベルト幅方向と所定角度をなすよ
    うに斜め方向に延びる斜めジョイント部のみで構成され
    ていることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 ミシン縫合による突合わせ状態のジョイ
    ント部を有する背面布が設けられた伝動ベルトにおい
    て、 上記背面布のジョイント部がベルト長さ方向全体に亘り
    複数設けられ、 上記複数のジョイント部は、ベルト幅方向と所定角度を
    なすように斜め方向に延びかつ互いに交差しない斜めジ
    ョイント部のみで構成されていることを特徴とする伝動
    ベルト。
  3. 【請求項3】 請求項2の伝動ベルトにおいて、 背面布の複数の斜めジョイント部は、互いに平行に配置
    されていることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの伝動ベル
    トにおいて、 背面布の斜めジョイント部は、オーバーロックの縫い目
    で縫合されていることを特徴とする伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つの伝動ベル
    トにおいて、 背面布の斜めジョイント部は、千鳥縫いの縫い目で縫合
    されていることを特徴とする伝動ベルト。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3の伝動ベルトにおいて、 背面布の複数の斜めジョイント部の一部がオーバーロッ
    クの縫い目で、また残りが千鳥縫いの縫い目でそれぞれ
    縫合されていることを特徴とする伝動ベルト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの伝動ベル
    トにおいて、 伝動ベルトはVリブドベルトであることを特徴とする伝
    動ベルト。
  8. 【請求項8】 伝動ベルトの背面に設けられる背面布を
    製造する方法であって、 バイアス状にカットされた複数枚のバイアス布の非カッ
    ト側端部同士を順に縫合して長尺バイアス布を作り、 上記長尺バイアス布をその幅方向と所定角度をなすよう
    に斜め方向に沿って切断してベルト長さに対応する長さ
    の定寸布を作り、 上記定寸布の両切断部同士を縫合して筒状のベルト用背
    面布を形成することを特徴とするベルト用背面布の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項8のベルト用背面布の製造方法に
    おいて、 バイアス布の非カット側端部同士の縫合、及び定寸布の
    両切断部同士の縫合をミシンにより行うことを特徴とす
    るベルト用背面布の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9のベルト用背面布の製造方法
    において、 定寸布の両切断部同士を重ね合わせてオーバーロックの
    縫い目により縫合することを特徴とするベルト用背面布
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10のベルト用背面布の製造方
    法において、 定寸布の長さが幅の2.1倍以上であることを特徴とす
    るベルト用背面布の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9のベルト用背面布の製造方法
    において、 定寸布の両切断部同士を突き合わせて千鳥縫いの縫い目
    により縫合することを特徴とするベルト用背面布の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347018A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Bando Chem Ind Ltd 伝動ベルトの製造方法
CN102296454A (zh) * 2011-07-20 2011-12-28 张昌茂 油毡瓦生产中的胎基布快速接头法

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