JP2001003697A - 鋼製セグメントおよび合成セグメント - Google Patents

鋼製セグメントおよび合成セグメント

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JP2001003697A JP11172960A JP17296099A JP2001003697A JP 2001003697 A JP2001003697 A JP 2001003697A JP 11172960 A JP11172960 A JP 11172960A JP 17296099 A JP17296099 A JP 17296099A JP 2001003697 A JP2001003697 A JP 2001003697A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼製セグメントの主桁の両端部に予め補強鋼
材を隅肉溶接接合することにより、引張力に対して高い
強度を有し、かつ、寸法精度のよい鋼製セグメントを提
供する。 【解決手段】 少なくとも主桁と継手板とを有する鋼製
セグメントにおいて、主桁3と継手板5との接続部に内
側から当接されたL字型補強部材12を有し、かつ該L
字型補強部材12は隅肉溶接17により主桁3に接合さ
れていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールドトンネル
に使用される鋼製セグメントまたは合成セグメントに関
するものであり、特にシールドトンネルに内圧が作用す
る場合や、シールドトンネルの断面形状が従来の円形形
状ではなく、矩形や楕円形状などの異形断面となってセ
グメントに引張力が卓越して作用する場合に好適な鋼製
セグメントおよび合成セグメントに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、シールドトンネルは地下鉄や電気洞
道および上下水道として用いられてきた。このシールド
トンネルの内壁は、円筒を軸方向および周方向に分割し
た形状のセグメントを多数連結して構成されており、こ
れらのセグメントとして、鋼製、ダクタイル鋳鉄製、コ
ンクリート製、鋼コンクリート合成構造製のものなど種
々のものが用いられている。これまで円形断面のシール
ドトンネルが主として都市部の地下空間の構築のために
施工されているが、シールドトンネルには土圧、水圧が
作用し、内壁を構成するセグメントにはこの土圧および
水圧に起因する圧縮力が主として作用するため、シール
ドトンネル用セグメントはこの圧縮力に対して効果的に
抵抗するように設計、製作がなされてきた。
【0003】セグメントには、土圧、水圧に起因する円
形断面の周方向の圧縮力と、掘進を行うためのシールド
マシンのジャッキ推力に起因する円形断面直角方向(ト
ンネル軸方向)の圧縮力が作用する。鋼製セグメントの
場合、周方向の圧縮力に対して主桁断面を、シールドマ
シンのジャッキ推力によるトンネル軸方向の圧縮力に対
して縦リブおよび継手板の断面を設計し、図17にその
斜視図および断面図として示すように、主桁3、縦リブ
4、継手板5、スキンプレート6を隅肉溶接により所要
の寸法精度に組み立ててセグメントを製作している。鋼
製セグメントは隣接するセグメントと継手板5を介し
て、そのボルト挿通孔10に挿通するボルト8を用いて
連結することにより、円筒状のトンネル内壁に組み上げ
られるが、圧縮力の伝達は主として隣接する継手板5同
士および主桁3同士のメタルタッチにより行われてい
る。
【0004】ところで、上下水道用のシールドトンネル
ではトンネルの外側から土圧、水圧に加えてトンネル内
を流れる水によりトンネル内側にも水圧が作用するが、
通常、セグメントの内側に鉄筋コンクリート製の二次覆
工が施されるため、セグメントにはこの内水圧による引
張力は作用しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、都市部の河川の
氾濫を抑制するため、シールドトンネルによる地下河川
の建設や、トンネル断面を有効に活用するために円形断
面以外の矩形断面や楕円形断面のシールドトンネルの建
設などが行われあるいは計画されている。
【0006】さらに、シールドトンネルによる地下河川
の建設の場合は、トンネル断面積を小さくして建設費用
を削減するために、上述したような上下水道用のトンネ
ルの内側に構築される二次覆工を省略することが検討さ
れている。このような場合には、上述のように地下河川
内を流下する水によりセグメントには内水圧に起因する
引張力が作用するため、セグメント本体およびセグメン
ト間の継手はこの引張力に効果的に抵抗できることが必
要である。
【0007】また、円形断面のシールドトンネルでは、
先に述べたようにトンネルの外側から土圧、水圧が作用
しても、セグメントには主として円周方向の圧縮力が作
用することとなるが、トンネル断面が矩形断面あるいは
楕円形断面などの場合は、トンネル断面には土圧、水圧
に起因する曲げモーメントが主として作用するため、セ
グメントに引張力が発生するためセグメント本体のみば
かりでなく継手部においてもこの引張力に効果的に抵抗
することが必要である。
【0008】従来の鋼製セグメントまたは合成セグメン
トは、先に述べたように各部材がすべて隅肉溶接により
接合されて組み立てられているため、引張力が作用する
と、特に、主桁3と継手板5との隅肉溶接部分が破断し
やすく大きな引張力には抵抗できないという問題があ
る。
【0009】これを防止する手段として、主桁と継手板
とを溶け込み溶接によって接合する方法が考えられる
が、鋼製または合成セグメントにおいて主桁と継手板と
を溶け込み溶接によって接合してセグメントを組み立て
ようとすると、溶接による入熱量が大きくならざるを得
ないため、溶接の過程において主桁及び継手板が溶接熱
により変形し、所要の寸法精度のセグメントを組み立て
ることは困難である。
【0010】また、従来用いられている隅肉溶接部分の
脚長を大きくして抵抗力を大きくしようとしても、やは
り入熱量が大きくなるため、溶接熱による変形が発生す
るという同様の問題が残る。
【0011】本発明は、所要の寸法精度と効果的な引張
性能を有し、かつ施工現場においては、従来の鋼製セグ
メントと同等の作業性を有する鋼製セグメントおよび合
成セグメントを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明においては、鋼製セグメントを以下の構成と
するものである。すなわち (1) 少なくとも主桁と継手板とを有する鋼製セグメ
ントにおいて、主桁と継手板との接続部に内側から当接
されたL字型補強部材を有し、かつ該L字型補強部材は
隅肉溶接により主桁に接合されていることを特徴とする
鋼製セグメント。 (2)継手板のL字型補強部材が当接された部分に該継
手板と該L字型補強部材の両者を貫通するボルト挿通孔
を有することを特徴とする請求項1記載の鋼製セグメン
ト。 (3) 継手板を共有する2つのL字型補強部材の主桁
に接する部分の対向する面間に、前記継手板に平行にさ
し渡し、かつL字型補強部材に溶接固定した補強部材を
有することを特徴とする請求項1または2記載の鋼製セ
グメント。 (4) 外側主桁のL字型補強部材が当接された部分
に、リング間連結用のボルト挿通孔を有することを特徴
とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鋼製セグメ
ント。 (5) 請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼製セグ
メントにコンクリートを充填してなる合成セグメント。 (6) セグメント間を連結するボルトのボルトボック
スの長さが、L字型補強部材の主桁に当接する部分の長
さよりも短いことを特徴とする請求項5に記載の合成セ
グメント。
【作用】
【0013】本発明においては、少なくとも主桁と継手
板とを有する鋼製セグメントにおいて、主桁と継手板と
の接続部に内側から当接されたL字型補強部材を隅肉溶
接により主桁に接合されて製作される。この隅肉溶接は
主桁の引張力を該L字型補強部材に、伝達可能な溶接量
であればよいが、主桁の引張力を該L字型補強部材に効
率的に伝達するには主桁の長手方向に沿って行うのが好
ましい。
【0014】また、継手板のL字型補強部材が当接され
た部分に、該L字型補強部材と隣接するセグメントの該
L字型補強部材とを連結する継手構造が設けられてい
る。すなわち、主桁の端部に、L字型補強部材を隅肉溶
接接合して形成されており、該L字型補強部材と隣接す
るセグメントの該L字型補強部材とを直接連結する継手
で接合され、主桁の荷重はL字型補強部材に主桁とL字
型補強部材との隅肉溶接部分を介して十分に伝えられる
と共に、このL字型補強部材から該該L字型補強部材と
隣接するセグメントの該L字型補強部材とを直接連結す
る継手を介して隣り合うセグメントのL字型補強部材に
伝達される。
【0015】本発明の構造では、継手部における力の伝
達は、主桁に接合されたL字型補強部材から該L字型補
強部材と隣接するセグメントの該L字型補強部材とを直
接連結する継手を介して直接隣接するセグメントのL字
型補強部材に伝達されるため、継手板には力の伝達がな
されない。すなわち、継手板は止水目的の役割を担うだ
けでよいため、主桁と継手板は溶け込み溶接によって接
合されなくてもよく、止水目的のための簡易な溶接によ
り接合されるだけでよい。したがって、主桁と継手板と
は溶け込み溶接接合した場合の溶接熱による変形を排除
するとともに、引張力に対して十分な抵抗力を有するこ
ととなり、前述のように内水圧による引張力が作用する
ような状況においても有利となる。
【0016】L字型補強部材はL字型の部材形鋼でもよ
いし、2つの鋼板の溶け込み溶接により形成してもよ
い。これを主桁と継手板との接合部に内側から当接し主
桁に隅肉溶接することによって、強固な継手構造を容易
に形成することができる。
【0017】前記該L字型補強部材と、隣接するセグメ
ントの該L字型補強部材とを直接連結する継手の構造
は、L字型補強部材を直接連結する構造であればよく、
コッター式や雄ピンを雌孔にはめ込む形式等の機械式の
継手構造でもよいし、図17に示す引張ボルト式の継手
構造でもでもよい。
【0018】また、継手の強度・剛性を高めるために、
前記L字型補強材に補強を施すことも好ましい。すなわ
ち、継手板を共有する2つのL字型補強部材の主桁に接
する部分の対向する面間に、前記継手板に平行にさし渡
し、かつ補強部材の両端部をそれぞれL字型補強部材に
溶接固定するものである。この補強部材には鋼板、型鋼
あるいは鉄筋等を用いることができる。
【0019】また、継手を補強する他の方法として、外
側主桁のL字型補強部材が当接された部分に、L字型補
強部材の主桁に当接された部分と隣接するリングとを直
接連結するリング間連結用の継手構造を設けることも有
用である。
【0020】前記リング間連結用の継手構造は、トンネ
ル軸方向に引張力を伝達可能な構造であればよく、コッ
ター式や雄ピンを雌孔にはめ込む形式等の機械式の継手
構造でもよいし、引張ボルト式の継手構造でもよい。
【0021】外側主桁のL字型補強部材の主桁に当接さ
れた部分と、隣接するリングとをボルトで連結する、す
なわち引張ボルト接合する場合には、外側主桁のL字型
補強部材が当接された部分に、リング間連結用のボルト
挿通孔を設ければよい。
【0022】本発明の鋼製セグメントにコンクリートを
充填することによって、合成セグメントとしても引張力
に対する優れた抵抗力を発揮し、非常に有用である。
【0023】特に、セグメントをボルトによって連結す
る場合には、セグメント間を連結するボルトのボルトボ
ックスの長さを、L字型補強部材の主桁に当接する部分
の長さよりも短くし、コンクリートを充填することによ
り、コンクリートが前記の補強鋼材や、リング間を連結
するボルトと同様の作用を果たすため、引張力に対して
さらに優れた抵抗力を発揮し、極めて有用である。ま
た、ボルトボックスを設けない構造でも同様の効果が発
揮できるのは言うまでもない。
【0024】前記のL字型補強部材、補強部材、前記リ
ング間連結用の継手構造、及びコンクリートの各部の寸
法及び材質は、L字型補強部材と隣接するセグメントの
L字型補強部材とを連結する継手構造と、主桁軸心との
偏心によって隅角部に発生する偶力に耐え得るものであ
ればよい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図を参照して
説明する。図1は本発明のセグメントの第1の実施形態
を示す斜視図である。鋼製セグメントは、主桁3(以下
では外主桁3aという)、継手板5、L字型補強部材1
2および縦リブ4、スキンプレート6とからなってい
る。図11(a),(b)は、本発明の鋼製セグメントの
L字型補強部材12の外主桁3aへの取り付け状況を示
す斜視図である。図11(a)において、外主桁3aの両
端部には、L字型補強部材12aがその一辺が主桁3a
に直交する継手板5に当接され、他辺が主桁3aに当接
されて設置されており、L字型補強部材12aは主桁に
当接された辺が主桁3aの軸方向に隅肉溶接17で接合さ
れている。また、図11(b)は、L字型補強部材12を
鋼板12bと鋼板12cとの溶け込み溶接19により製
造した例である。鋼板12bと12cとの溶け込み溶接
は、主桁3aの荷重を伝達するに必要な断面積で行えば
よい。このようにL字型補強部材12は、山型鋼等の形
鋼や熱押し部材を適当な長さに切断したものでもよい
し、鋼板の溶接により製造したものでもよい。
【0026】また、主桁3aとL字型補強部材12との
隅肉溶接17は、主桁3aの荷重を伝達するのに必要な
断面積で行えばよい。外主桁3aとL字型補強部材12
との隅肉溶接17は、外主桁3aの軸方向に行わなければ
ならないが、主桁3aの軸直角方向にも行ってもよいのは
言うまでもない。このL字型補強部材12には、継手板
のボルト挿通孔10(10a)の位置と対応する位置に
セグメントを連結するためのボルト結合用ボルト挿通孔
10(10b)が設けられている。
【0027】このようにL字型補強部材12と外主桁3
aと継手板5、縦リブ4、スキンプレート6は、従来の
セグメントと同様に隅肉溶接により所要寸法の鋼製セグ
メントに組み立てられる。このようにして製作されたセ
グメントは、図16に示すように施工現場においてL字型
補強部材12および継手板5を挿通するボルトにより隣
接するセグメントと接続される。
【0028】本発明の鋼製セグメントは、L字型補強部
材12が外主桁3aの端部に隅肉溶接によって接合され
るため、溶接熱による変形が少なく、所要の寸法精度で
セグメントを組み立てることが出来るとともに、主桁の
荷重を伝達するのに必要な断面積で隅肉溶接されたL字
型補強部材12を有しており、これを介して外主桁3a
の荷重が隣接するセグメントに伝達されるため、引張力
に対して十分な抵抗力を持つこととなり、内水圧による
引張力が作用するような状況においても対応できる。ま
た、必要に応じてこれにコンクリートを充填すれば合成
セグメントとすることも可能である。
【0029】図2は、本発明のセグメントの第2の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、実
施形態1におけるL字型補強部材12をセグメントの高
さ方向に2段に配置したものである。すなわち、リング
間を連結するためのボルト7(図14に示す)がセグメ
ントの高さ方向に2段配置する場合に、外主桁3aとL
字型補強部材12との隅肉溶接17の溶接脚長を増やさ
ずに外主桁3aとL字型補強部材12の溶接長を確保す
ることが出来る。このようにL字型補強部材12は必要
に応じてセグメント高さ方向に多段配置することが出来
【0030】図3は、本発明のセグメントの第3の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
2に示す実施形態2の外主桁3aに加えて、中主桁3b
が設けられている。中主桁3bの長手方向端部にはL字
型補強部材12が中主桁2bの左右に隅肉溶接17によ
り接合されている。
【0031】図4は本発明のセグメントの第4の実施形
態を示す斜視図である。この実施形態においては実施形
態1と同様に、主桁3aの長手方向端部においてL字型補
強部材12を隅肉溶接17により主桁3aに接合してい
るが、さらにこのL字型補強部材12に補強鋼材16を
設けたものである。すなわち、図2に示すように補強鋼
材16が継手板5を共有する2つのL字型補強部材12
の主桁3aに接する部分の対向する面間に、前記継手板
5に平行にさし渡し、かつL字型補強部材12に溶接1
5により固定されている。
【0032】この補強鋼材16の材質・形状は、外主桁3
aに作用する引張力をセグメント間を連結するボルト8
に伝達する機構において、ボルト8と外主桁3aの軸心
との偏心によって、隅角部に発生する偶力によって作用
する軸力に耐えうるものであればよい。
【0033】補強鋼材16を設けることにより図13に示
すように、ボルト8と外主桁3aの軸心との偏心によっ
て隅角部に発生する偶力に対して、補強鋼材16に作用
する軸力P3と外主桁3aと継手板5が接合される隅角部
に隣接するセグメントから作用する力P4により抵抗す
るため、継手の剛性・強度を高めることが出来る。
【0034】補強鋼材16とL字型補強部材12の溶接
15は隅肉溶接でもよいし、溶け込み溶接でもよい。ま
た、補強鋼材16には鋼板、型鋼あるいは鉄筋などを用
いることが出来る。
【0035】図5は、本発明のセグメントの第5の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
4に示す実施形態4の外主桁3aに加えて、中主桁3b
が設けられている。中主桁3bの長手方向端部には、L
字型補強部材12が前記中主桁3bの左右にそれぞれセ
グメント高さ方向に2段設けられ、中主桁3bにL字型
補強部材12が隅肉溶接17接合されている。補強鋼材
16が継手板5を共有する2つのL字型補強部材12の
外主桁3aおよび中主桁3bに接する部分の対向する面
間に、セグメント高さ方向に2段に配置され、前記継手
板5に平行にさし渡され、かつL字型補強部材12に溶
接15により固定されている。
【0036】図6は、本発明のセグメントの第6の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
1に示す実施形態1の外主桁3aのL字型補強部材12
が当接された部分に、リング間を連結するボルト挿通孔
9が設けられている。すなわち、セグメント1はこのボ
ルト挿通孔9にリング間を連結するボルト7を挿通して
隣接するリング18と連結される(図14に示す)。
【0037】リング間を連結するボルト7を設けること
により図14に示すように、セグメント間を連結するボ
ルト8と外主桁3a(図13に示す)の軸心との偏心に
よって隅角部に発生する偶力に対して、リング間を連結
するボルト7に作用する軸力P3’と、隣接するセグメ
ントから外主桁3aと継手板5が接合される隅角部に作
用する力P4’により抵抗するため、継手の剛性・強度
を一層高めることが出来る。
【0038】また、ボルト7の材質・形状は、図14の
セグメント間連結用のボルト8と外主桁3aの軸心との
偏心によって隅角部に発生する偶力に対して発生する、
リング間を連結するボルト7に作用する軸力P3’に耐
え得るものであればよい。
【0039】図7は、本発明のセグメントの第7の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
6の実施形態6におけるL字型補強部材12をセグメン
トの高さ方向に2段に配置したものである。リング間を
連結するボルト7の挿通孔9は、セグメントの高さ方向
に2段に配置されたL字型補強部材12にそれぞれ設け
られている。
【0040】図8は、本発明のセグメントの第8の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
7に示す実施形態7の外主桁3aに加えて、中主桁3b
が設けられている。中主桁3bの長手方向端部には、L
字型補強部材12が中主桁3bの左右にセグメントの高
さ方向に2段に隅肉溶接17により接合されている。言
うまでもなくL字型補強部材12において、中主桁3b
に隅肉溶接17接合された一側にはボルト挿通孔は設け
なくてよい。
【0041】図9は、本発明のセグメントの第9の実施
形態を示す斜視図である。この実施形態においては、図
1に示す実施形態1の鋼製セグメント内部にコンクリー
ト14を充填して、合成セグメントとしたものである。
コンクリート14が充填される鋼製セグメント内部に
は、セグメント間を連結するボルト8を現場で施工する
ために設けられているボルトボックス13が設けられる
が、ボルトボックス13の長さL2は、L字型補強部材
12の外主桁3aの長手方向に伸びた部分の長さL1よ
りも短くしている。すなわち、L字型補強部材12は外
主桁3aの長手方向に伸びた部分の先端部分においてL
3=L1−L2分だけは、セグメントのトンネル軸方向
の全幅にわたってコンクリート14が充填されている。
【0042】このように成形されたセグメント内にコン
クリート14を充填することにより、図15(a),
(b)に示すように、ボルト8と主桁3aの軸心との偏
心によって隅角部に発生する偶力に対して、コンクリー
ト14に作用する軸力P3”と隣接するセグメントか
ら、外主桁3aと継手板5が接合される隅角部に作用す
る力P4”により抵抗するため、継手の剛性・強度を一
層高めることが出来る。
【0043】なお、ボルトボックス13は現場でボルト
8を挿通するために最低限必要な長さが好ましく、L字
型補強部材12が主桁3aの長手方向に伸びた部分の先
端部分において、コンクリートに埋まる部分の長さL
3、およびコンクリートの強度はコンクリートに作用す
る軸力P3”に耐えられるだけあればよいが、通常、L
字型補強部材12が主桁3aの長手方向に伸びた部分の
先端部分においてコンクリートに埋まる部分の長さL3
はL1の1/4以上が好ましい。
【0044】また、第4の実施形態の補鋼部材16(図
13に示す)や、第6実施形態のリング間を連結するボ
ルト7(図14に示す)による補強を併用して実施する
ことも出来る。
【0045】図10は、本発明のセグメントの第10の
実施形態を示す斜視図である。この実施形態において
は、図9に示す実施形態9の合成セグメントに中主桁3
bを加えたものである。
【0046】
【発明の効果】本発明による鋼製セグメントおよび合成
セグメントは、従来のセグメントに比較して高い引張耐
力及び剛性を得ることができ、しかも、高い加工精度で
セグメントを製造することができる。そのため、地下河
川あるいは上下水道に使用されるシールドトンネルの二
次覆工を省略することができ、地下河川あるいは上下水
道などのシールドトンネルを経済的に建設できる。さら
に、異形断面のシールドトンネルに本発明の鋼製セグメ
ントあるいは合成セグメントを使用することにより、曲
げモーメントに起因する引張力に効果的に抵抗でき、セ
グメント同士を従来と同様のボルト接合を行うことによ
ってより高強度かつ高剛性のシールドトンネルを実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図2】本発明の第2実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図3】本発明の第3実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図4】本発明の第4実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図5】本発明の第5実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図6】本発明の第6実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図7】本発明の第7実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図8】本発明の第8実施形態の鋼製セグメントの斜視
図である。
【図9】本発明の第9実施形態の合成セグメントの斜視
図である。
【図10】本発明の第10実施形態の合成セグメントの
斜視図である。
【図11】本発明の本発明の鋼製セグメントにおけるL
字型補強部材の形成状況および、L字型補強部材のセグ
メントへの取り付け状況を示す斜視図であり、(a)は
L字型補強部材が一体成形されている例、(b)はL字
型補強部材が溶け込み溶接によって製造された例を示
す。
【図12】本発明の鋼製セグメントにおけるL字型補強
部材への補強部材の取り付け状況を示す斜視図である。
【図13】本発明の鋼製セグメントにおけるL字型補強
部材への補強部材の取り付けた場合のL字型補強部材近
傍を拡大した平面図であり、セグメント間を連結するボ
ルトと主桁の軸心との偏芯による偶力に対する抵抗メカ
ニズムを示している。
【図14】本発明の鋼製セグメントにおけるL字型補強
部材にリング間を接続するボルトを挿通した場合のL字
型補強部材近傍を拡大した平面図であり、セグメント間
を連結するボルトと主桁との偏芯による偶力に対する抵
抗メカニズムを示しいる。
【図15】本発明の合成セグメントにおけるコンクリー
トを打設した場合のL字型補強部材近傍を拡大した平面
図であり、セグメント間を連結するボルトと主桁との偏
芯による偶力に対する抵抗メカニズムを示している。
【図16】本発明の鋼製セグメントと隣接する鋼製セグ
メントとの接続状況を示し、L字型補強部材近傍を拡大
した平面図である。
【図17】(a)は従来のセグメントの構成を示す斜視
図、(b)は同図(a)のX―Xの断面図である。
【符号の説明】
1 鋼製セグメント 2 合成セグメント 3 主 桁 3a 外主桁 3b 中主桁 4 縦リブ 5 継手板 6 スキンブレート 7 リング間を接続するボルト 8 同一リングのセグメント間を接続するボルト 9 リング間を接続するボルトの挿通孔 10 同一リングのセグメント間を接続するボルトの挿
通孔 12 L字型補強部材 12a L字型の部材形鋼 12b、c L字型補強部材を構成する鋼板 13 ボルトボックス 14 コンクリート 15 溶接 16 補強部材 17 隅肉溶接 18 隣接リング 19 溶け込み溶接
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広沢 規行 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 鰰田 実 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 佐野 陽一 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内 Fターム(参考) 2D055 BA01 BB01 BB03 BB04 EB01 KB04 KB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも主桁と継手板とを有する鋼
    製セグメントにおいて、主桁と継手板との接続部に内側
    から当接されたL字型補強部材を有し、前記L字型補強
    部材は隅肉溶接により主桁に接合されていることを特徴
    とする鋼製セグメント。
  2. 【請求項2】 継手板のL字型補強部材が当接された部
    分に、前記継手板と前記L字型補強部材の両者を貫通す
    るボルト挿通孔を有することを特徴とする請求項1記載
    の鋼製セグメント。
  3. 【請求項3】 継手板を共有する2つのL字型補強部材
    の主桁に接する部分の対向する面間に、前記継手板に平
    行にさし渡し、前記L字型補強部材に溶接固定した補強
    部材を有することを特徴とする請求項1または2記載の
    鋼製セグメント。
  4. 【請求項4】 外側主桁のL字型補強部材が当接された
    部分に、リング間連結用のボルト挿通孔を有することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鋼製セ
    グメント。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の鋼
    製セグメントにコンクリートを充填してなる合成セグメ
    ント。
  6. 【請求項6】 セグメント間を連結するボルトのボルト
    ボックスの長さが、前記L字型補強部材の主桁に当接す
    る部分の長さよりも短いことを特徴とする請求項5に記
    載の合成セグメント。
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