JP2001002693A - デアミノノイラミン酸誘導体、デアミノノイラミニダーゼの精製方法及びデアミノノイラミン酸結合性物質の検出方法 - Google Patents
デアミノノイラミン酸誘導体、デアミノノイラミニダーゼの精製方法及びデアミノノイラミン酸結合性物質の検出方法Info
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Abstract
ラミン酸結合性物質のアフィニティクロマトグラフィー
に用いるのに好適な担体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるデアミノノイ
ラミン酸誘導体が結合した不溶性担体。 【化1】 (式中、Xは、S、CH2又はNHであり、Aは、置換
基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素の2価
基であり、Dは不溶性担体との結合に使用可能な官能基
を示す。)
Description
ン酸誘導体、デアミノノイラミニダーゼの精製方法及び
デアミノノイラミン酸結合性物質の検出方法に関する。
ero-D-galacto-nonulosonic acid、あるいは2-keto-3-d
eoxy-D-glycero-D-galacto-nononic acid;以下、「K
DN」ともいう)は、シアル酸の5位の炭素に結合する
N−アシル基が水酸基に置き換わっている以外は、シア
ル酸と同一の構造をしている。これまでに、KDNはシ
アル酸と同様、複合糖質の構成成分として生物界に広く
分布し、多様な存在様式をもつことが判明している。ま
た、KDNはシアル酸と異なるユニークな性質をもち、
KDN含有複合糖質が受精時の卵−精子相互作用におい
て重要な役割を果たすことなどが明らかにされてきてお
り、KDN含有糖タンパク質や糖脂質の構造や機能の解
明には大きな興味がよせられている。
ケトシド結合を切断する酵素(デアミノノイラミニダー
ゼ;以下「KDNase」ともいう)については、いく
つかの報告がある。例えば、国際公開パンフレット第W
O96/00781号には、N−アシルノイラミニル結
合を切断しない、すなわち、KDNケトシド結合を特異
的に切断する酵素と考えられるKDNaseが記載され
ている。このKDNaseの厳格な基質特異性はKDN
含有複合糖質の構造や機能を解明するのに有用である。
ニティクロマトグラフィーを利用した方法が報告されて
いる。例えば、KDN含有糖タンパク質をプロナーゼで
分解して得たKDN含有糖ペプチド画分を結合させた担
体を用いる方法(J. Biol. Chem., 269, 21415-21419
(1994))が知られている。またノイラミニダーゼの精製
方法としては、α−チオシアロシド(2-S-(2-aminoethy
l) 5-acetamido-3,5-dideoxy-2-thio-D-glycero-α-D-g
alacto-2-nonulopyranosidonic acid)を結合させた担体
を用いる方法(Glycoconjugate Journal, 15, 663-669
(1998))等が知られている。
e等のデアミノノイラミン酸結合性物質のアフィニティ
クロマトグラフィーに用いるのに好適なアフィニティー
担体を提供することを目的とする。
ase等のデアミノノイラミン酸結合性物質の精製方法
および検出方法を提供すること目的とする。
DN−チオグリコシド等のKDN誘導体を結合させた担
体を用いることによって、KDNaseの簡便、迅速か
つ高純度な調製が可能になることを見いだし本発明を完
成した。
ミノノイラミン酸誘導体(以下、本発明誘導体ともい
う)を提供する。
基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素、好ま
しくは飽和炭化水素または芳香族炭化水素の2価基であ
り、Dは不溶性担体との結合に使用可能な官能基を示
す。)
ミノ基である。本発明誘導体は、好ましくは、下記式
(2)で示される。
不溶性担体(以下、本発明不溶性担体ともいう)を提供
する。
いる、デアミノノイラミニダーゼの精製方法(以下、本
発明精製方法ともいう)、および、デアミノノイラミン
酸結合性物質の検出方法(以下、本発明検出方法ともい
う)を提供する。
少なくとも含む。 (A)デアミノノイラミニダーゼを含有する溶液と、本発
明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体にデアミノ
ノイラミニダーゼを特異的に結合させる工程。 (B)本発明不溶性担体に結合したデアミノノイラミニダ
ーゼを溶離する工程。
少なくとも含む。 (A)デアミノノイラミン酸結合性物質を含有する溶液
と、本発明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体に
デアミノノイラミン酸結合性物質を特異的に結合させる
工程。 (B)本発明不溶性担体に結合したデアミノノイラミン酸
結合性物質を検出する工程。
ラミン酸結合性物質は、好ましくは、デアミノノイラミ
ニダーゼである。
で示されるデアミノノイラミン酸誘導体である。
NHであり、好ましくはSである。
〜10の炭化水素、好ましくは飽和炭化水素(アルカ
ン、シクロアルカン等)または芳香族炭化水素(アレー
ン、アルキルアレーン等)の2価基である。飽和炭化水
素の2価基はアルキレン基およびシクロアルキレン基を
包含する。飽和炭化水素の2価基の例としては、メチレ
ン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。芳香族炭化
水素は、飽和炭化水素の側鎖を1以上有する芳香族炭化
水素を包含し、側鎖を有する芳香族炭化水素の2価基に
おいては、遊離原子価は、共に環と側鎖の一方にあって
も、環と側鎖の両方にあってもよい。芳香族炭化水素の
2価基の例としては、(o−、m−またはp−)フェニ
レン、メチルフェニレン、ベンジリデン、
は飽和炭化水素または芳香族炭化水素の置換基として
は、アルキル基(通常には炭素数1〜5)、アシル基
(通常には炭素数1〜4)、水酸基、ニトリル基、ニト
ロ基等が挙げられる。置換基は複数存在してもよい。
価が環にあるもの例えばフェニレン基)が好ましい。
基を示す。Dの例としては、アミノ基、カルボキシル
基、スルフヒドリル基、イミダゾール基が挙げられ、不
溶性担体の官能基と結合させることのできるものであれ
ばよい。なお、リガンドの不溶性担体への結合方法とし
て、隣接する水酸基をもつ担体(アガロースやセファロ
ースなど)をBrCNで活性化させ、アミノ基と結合さ
せる方法や、エポキシ活性化された担体のエポキシ基と
アミノ基とを結合させる方法が一般的であり、アミノ基
と結合させる不溶性担体の入手が容易であることから、
Dはアミノ基であることが好ましい。
で示される。
する。一般式(1)においてXがSであり、Dがアミノ基
である本発明誘導体は、次のようにして製造することが
できる。
式(4)で示される化合物を反応させて、一般式(5)で示さ
れる化合物を得る。
ば、アシル基、アラルキル基、シリル基、アルキルオキ
シメチル基、アセタール型またはケタール型保護基であ
る。
アセチル、ジクロロアセチル、トリフルオロアセチル、
メトキシアセチル、プロピオニル、n−ブチリル、
(E)−2−メチルブテノイル、ペンタノイル、ベンゾ
イル、o−(メトキシカルボニル)ベンゾイル、p−フ
ェニルベンゾイル、p−トルオイル、p−アニソイル、
p−クロロベンゾイル、p−ニトロベンゾイルなどの基
が挙げられる。
ェネチル、3−フェニルプロピル、p−メトキシベンジ
ル、p−ニトロベンジル、o−ニトロベンジル、p−ハ
ロベンジル、p−シアノベンジルなどの基が挙げられ
る。
ル、トリエチルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、
イソプロピルジメチルシリル、メチルジ−t−ブチルシ
リル、t−ブチルジメチルシリルなどの基が挙げられ
る。
トキシメチル、エトキシメチルなどの基が挙げられる。
としては、イソプロピリデン、エチリデン、プロピリデ
ン、ベンジリデン、メトキシメチリデンなどの基が挙げ
られる。
基およびベンジル基であるが、アセチル基がより好まし
い。
く、異なっている場合には2種以上をどのように組み合
わせてもよい。なお、R1は、互いに同一であることが
好ましい。最も好ましいのは、R1が互いに同一であ
り、かつR1がアセチル基であるものである。
えばアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基など)やベンジル基である。
合している炭素原子とイオウ原子との結合を形成する基
であり、例えば、Lとしてハロゲン原子と、Mとしてア
ルカリ金属原子または有機塩基との組合せである。ハロ
ゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子が挙げられる。アルカリ金属原子の例としては、リチ
ウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子が挙げられ
る。有機塩基の例としては、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミンが挙げられる。
2価基である。Aの例は、上記一般式(1)について挙げ
たものが挙げられる。Aは、好ましくは、X(ここでは
S)と結合する遊離原子価が環にあるもの(例えばフェ
ニレン基)が好ましい。このような好ましい基を用いる
と、本発明誘導体の製造において、(a)反応工程の手順
が少なくなる、(b)反応が容易になる、(c)安価に製造で
きる、(d)反応生成物の収率が高くなる、等の利点が得
られる。
えば、ニトロ基、アジド基、保護されたアミノ基(例え
ば、ベンジルオキシカルボニルアミノ(−NH−CB
z)、t−ブトキシカルボニルアミノ(−NH−Bo
c))である。
示される化合物との反応は、通常には、有機溶媒(例え
ば、アセトニトリルなど)中、0〜40℃で0.5〜2
4時間の条件で行うことができる。一般式(5)で示され
る化合物の他に副産物が生じる場合もあるが、その場合
には、必要により、シリカゲルクロマトグラフィーなど
の常法によって一般式(5)で示される化合物を精製する
ことができる。
示される化合物と一般式(4)で示される化合物との反応
の条件で反応しないものが選択される。
基およびカルボキシル基の保護基を除去し、一般式(6)
で示される化合物を得る。水酸基およびカルボキシル基
の保護基の除去は、ナトリウムアルコキシド、アルカ
リ、酸等を用いる公知の方法によって行うことができ
る。
に誘導することにより、一般式(7)で示される化合物
(一般式(1)においてXがSであり、Dがアミノ基であ
る本発明誘導体)を得る。R3のアミノ基への誘導は、
公知の方法によって行うことができる。例えば、ニトロ
基である場合には、パラジウム−炭素(Pd−C)等の
触媒の存在下、水素により還元することでアミノ基に誘
導できる。また、保護されたアミノ基である場合には、
保護基を除去することでアミノ基に誘導できる。
の誘導の後に水酸基の保護基の除去を行ってもよいし、
また、アミノ基への誘導と水酸基の保護基の除去を同時
に行ってもよい。
は、一般式(4)で示される化合物として、R3−A−CH
2−Sn−(C4H9)3(例えば、トリブチル−4−ニト
ロベンジルスズ)を用いて、Tetrahedron Lett., 32, 3
953(1991)に記載の方法に従って一般式(3)で示される化
合物と反応させることができる。あるいは、一般式(4)
で示される化合物として、R3−A−CH2−Si−(C
H3)3(例えば、トリメチル−4−ニトロベンジルシラ
ン)を用いて、Chemistry Lett., 1529(1984)に記載の
方法に従って一般式(3)で示される化合物と反応させる
ことができる。
は、一般式(4)で示される化合物として、R3−A−NH
2(例えば、p−ニトロアニリン)を用いて、上記のX
がSである場合と同様の方法により一般式(3)で示され
る化合物と反応させることができる。あるいは、一般式
(4)で示される化合物としてNH2−A−NHBocを用
いて、Glycoconjugate Journal, 15, 663-669(1998)に
記載の方法に従って、一般式(3)で示される化合物と反
応させることができる。
ことができ、これにより本発明不溶性担体を得ることが
できる。
した不溶性担体である。本明細書において「不溶性」と
は、不溶性担体が使用される条件において、不溶性担体
が、それに接触する液体から、濾過等の固液分離手段に
より分離可能であることを意味する。
物質の精製や分析に通常に使用される不溶性担体でよ
く、天然物質からなる担体及び合成物質からなる担体の
いずれでもよい。具体例としては、セルロース(例え
ば、セルロファイン(商品名)、アガロース、架橋アガ
ロース(例えば、セファロース(商品名))、架橋デキ
ストラン(例えば、セファデックス(商品名))、親水
性ビニルポリマー(例えば、トヨパール(商品名))な
どが挙げられる。
維、微顆粒、ビーズ等のいずれでもよい。
ず、一般式(1)におけるDに結合可能な官能基を有する
不溶性担体を準備し、次いで本発明誘導体と官能基を有
する不溶性担体を結合させることによって行うことがで
きる。不溶性担体への官能基の導入及び本発明誘導体と
官能基を有する不溶性担体との結合は、公知のアフィニ
ティクロマトグラフィー用の担体の調製方法に準じた条
件で行うことができる。
を介して結合したものであってもよい。
ル基、イミダゾール基等に結合可能な官能基を導入した
不溶性担体は、市販品としても得ることができる。
場合には、アガロースなどの隣接する水酸基を有する担
体をBrCNで活性化させ、それにアミノ基を結合させ
ることができる。
ダーゼの精製やデアミノノイラミン酸結合物質の検出に
使用することができる。また、デアミノノイラミニダー
ゼの拮抗阻害剤として使用することができる。
少なくとも含む。 (A)デアミノノイラミニダーゼを含有する溶液と、本発
明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体にデアミノ
ノイラミニダーゼを特異的に結合させる工程。 (B)本発明不溶性担体に結合したデアミノノイラミニダ
ーゼを溶離する工程。
の工程を含むことが好ましい。
れず、例としては、スフィンゴバクテリウム・マルチボ
ラム由来のもの(以下、「KDNaseSm」ともい
う)が挙げられる。
ム・マルチボラムにおいて誘導可能な酵素であり、本発
明者らは、KDNaseSmをラージスケールで調製す
るため、合成KDN−グリコシドを誘導剤として用いる
酵素誘導の最適条件を確立している(Biochem. Biophy
s. Res. Commun. 248, 505-510(1998))。
Smである場合には、KDNaseSmの精製効率が高
いため、Aは、Xと結合する遊離原子価が環にあるもの
(例えばフェニレン基)であることが好ましい。
は、特に制限されず、例としては、デアミノノイラミニ
ダーゼを産生する細菌の菌体から、超音波処理などによ
る破砕、もしくは浸透圧ショック等の適当な方法によっ
て放出された酵素を含む溶液、または、この溶液から、
塩析、イオン交換クロマトグラフィーなどの公知の酵素
精製法により精製した酵素の溶液が挙げられる。
と、本発明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体に
デアミノノイラミニダーゼを特異的に結合させる方法と
しては、不溶性担体としてビーズ等の形態のもの(例え
ば、クロマト担体)を用いた場合、デアミノノイラミニ
ダーゼが本発明不溶性担体に結合する条件下において、
本発明不溶性担体を充填したカラムにデアミノノイラミ
ニダーゼ含有溶液を通過させ、次いで非特異的結合物質
を除去するためにカラムを洗浄液で洗浄する方法(カラ
ム法)、デアミノノイラミニダーゼ含有溶液に本発明不
溶性担体を加えて攪拌した後本発明不溶性担体を溶液か
ら分離し、次いで、非特異的結合物質を除去するために
本発明不溶性担体を洗浄液で洗浄する方法(バッチ法)
などが挙げられる。
担体に結合する条件は、デアミノノイラミニダーゼの種
類により適宜選択されるが、通常には、その酵素活性が
発揮される条件である。例えばKDNaseSmの場合
には、pH6〜8、塩濃度0.05〜0.2M(NaC
lの場合)という条件が挙げられる。このような条件
は、例えば、本発明不溶性担体(又はそのカラム)を適
切な緩衝液(例えば、0.1MNaClを含む0.1M
Tris−HCl緩衝液(pH7.1))で平衡化し、
また、必要により、デアミノノイラミニダーゼを含有す
る溶液を同緩衝液で希釈したり、同緩衝液に対して透析
したりすることで得られる。洗浄も、デアミノノイラミ
ニダーゼが本発明不溶性担体に結合する条件下で行われ
る。例えばKDNaseSmの場合には、洗浄液として
は、上記の緩衝液が挙げられる。
ラミニダーゼの溶離は、デアミノノイラミニダーゼの種
類に依存するが、通常には、デアミノノイラミニダーゼ
が本発明不溶性担体に結合する条件において、塩濃度を
高めることによって行うことができる。(A)の工程とし
て上記に例示した本発明不溶性担体を充填したカラムに
デアミノノイラミニダーゼ含有溶液を通過させ、次いで
カラムを洗浄液で洗浄する方法を用いた場合には、塩濃
度を高めた洗浄液をカラムに流すことによってデアミノ
ノイラミニダーゼを溶離できる。例えばKDNaseS
mの場合には、pH6〜8、塩濃度0.5〜1M(Na
Clの場合)という条件が挙げられる。
の前後のいずれかまたは両方に、硫酸アンモニウム(硫
安)、硫酸ナトリウム等による塩析、透析、限外濾過
法、吸着クロマトグラフィー、陰イオン及び陽イオン交
換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲ
ル濾過法、電気泳動法などの公知の酵素精製工程の一つ
以上の工程を含んでいてもよい。
少なくとも含む。 (A)デアミノノイラミン酸結合性物質を含有する溶液
と、本発明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体に
デアミノノイラミン酸結合性物質(以下、KDN結合性
物質ともいう)を特異的に結合させる工程。 (B)本発明不溶性担体に結合したKDN結合性物質を検
出する工程。
の工程を含むことが好ましい。
酸に結合可能なものである限り特に制限されず、公知の
物質でも未知の物質でもよい。例としては、デアミノノ
イラミニダーゼなどが挙げられ、好ましくは、デアミノ
ノイラミニダーゼである。
N結合性物質を含有する、または含有する可能性がある
溶液である限り、特に限定されない。また、この溶液は
予め精製されている必要はない。例えば、細胞、微生
物、生体組織等の抽出液をそのまま用いることもでき
る。
外の物質が含有されていても、本発明検出方法では、検
出対象であるKDN結合性物質を特異的に検出すること
ができる。
発明精製方法の(A)の工程と同様にして行うことができ
る。すなわち、KDN結合性物質を含有する溶液と、本
発明不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体にKDN
結合性物質を特異的に結合させる方法としては、不溶性
担体としてビーズ等の形態のもの(例えば、クロマト担
体)を用いた場合、KDN結合性物質が本発明不溶性担
体に結合する条件下において、本発明不溶性担体を充填
したカラムにKDN結合性物質含有溶液を通過させ、次
いで非特異的結合物質を除去するためにカラムを洗浄液
で洗浄する方法(カラム法)、KDN結合性物質含有溶
液に本発明不溶性担体を加えて攪拌した後本発明不溶性
担体を溶液から分離し、次いで、非特異的結合物質を除
去するために本発明不溶性担体を洗浄液で洗浄する方法
(バッチ法)などが挙げられる。
合する条件は、KDN結合性物質の種類等により適宜選
択される。
物質を検出する方法は、定性的な方法でも定量的な方法
でもよい。
質を本発明不溶性担体から分離した後に、ドデシル硫酸
ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE)に付し、クマシーブリリアントブルー(C
BB)染色や銀染色などのタンパク質染色法により染色
する方法が挙げられる。また、必要に応じ、KDN結合
性物質の種類を同定するために、例えば同定の目的とす
るKDN結合性物質に対して特異的な抗体等を用い、例
えばウェスタンブロッティング等を行ってもよい。
不溶性担体に結合させたまま、KDN結合性物質に対す
る抗体を用いる通常の免疫学的検出法により行うことも
できる。
ローナルおよびモノクローナルのいずれでもよい。この
抗体は、KDN結合性物質もしくはその部分またはこれ
らと他の物質との複合体を抗原として、常法に従って例
えば以下のように作成することが可能である。
ット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等の被免疫動
物を上記抗原で免疫し、これらの動物から血清を採取す
ることによって得ることができる。被免疫動物を免疫す
る際に、補助剤(アジュバント)を併用することは、抗
体産生細胞を賦活するので望ましい。得られた抗血清か
ら、常法によってイムノグロブリン分画を精製してもよ
い。
して得られる。すなわち、上記抗原をマウス、ラット、
モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ等の被免疫動物の腹
腔内、皮下、足蹠(footpad)に投与した後に脾臓又は膝
窩リンパ節を摘出し、これらから採取した細胞と腫瘍細
胞株であるミエローマ細胞とを細胞融合させてハイブリ
ドーマを樹立し、得られたハイブリドーマを連続増殖さ
せ、さらに得られたハイブリドーマからKDN結合性物
質に対する特異抗体を継続的に産生する細胞株を選別す
る。こうして選別された株を好適な培地で培養すること
によって、培地中にモノクローナルな抗体が得られる。
あるいは、マウスの腹腔などの生体内にて前記ハイブリ
ドーマを培養することによって、モノクローナルな抗体
を大量に製造することができる。細胞融合に用いる細胞
としては、脾細胞以外にリンパ節細胞および末梢血中の
リンパ細胞等を用いることができる。また、ミエローマ
細胞株は、異種細胞種由来のものに比べ同種細胞種由来
のものが望ましく、安定な抗体産生ハイブリドーマを得
ることができる。
ローナル抗体の精製法としては、硫酸ナトリウム、硫酸
アンモニウム等による塩析、低温アルコール沈殿および
ポリエチレングリコールまたは等電点による選択的沈殿
分別法、電気泳動法、DEAE(ジエチルアミノエチ
ル)−誘導体、CM(カルボキシメチル)−誘導体等の
イオン交換体を用いたイオン交換クロマトグラフィー、
プロテインAまたはプロテインGを用いたアフィニティ
ークロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマ
トグラフィー、抗原を固定化した免疫吸着クロマトグラ
フィー、ゲル濾過法および超遠心法等を挙げることがで
きる。なおこの抗体を、抗原結合部位(Fab)を分解
しないプロテアーゼ(例えばプラスミン、ペプシン、パ
パイン等)で処理して得られるFabを含むフラグメン
トとしても良い。
物質の検出方法は、通常の免疫学的方法で採用されるも
のでよい。
質の本発明不溶性担体からの分離は必須ではない。すな
わち、本発明不溶性担体に結合したままのKDN結合性
物質を定性的または定量的に検出してもよい。このよう
な検出方法としては、本発明不溶性担体に結合したKD
N結合性物質を認識できる抗体を用いる免疫学的測定法
が挙げられる。例えば、本発明不溶性担体に結合したま
まのKDN結合物質に結合できる、KDN結合性物質に
対する標識した抗体、または、本発明不溶性担体に結合
したままのKDN結合性物質に結合できる、KDN結合
性物質に対する抗体およびこの抗体に対する標識した抗
体を用いて、本発明不溶性担体−KDN結合性物質−標
識した抗KDN結合性物質抗体の複合体、または、本発
明不溶性担体−KDN結合性物質−抗KDN結合性物質
抗体−標識した抗(抗KDN結合性物質抗体)抗体の複
合体を形成させ、複合体の標識を測定することにより、
測定することができる。
り、医薬品等への利用も期待される。KDNに結合する
物質は、KDNの生理活性を増加、減少又は変化等させ
る可能性も考えられることから、医薬品等としてもの利
用可能性も期待される。本発明検出方法は、このような
KDN結合性物質の探索等にも有用である。
する。しかしながら、これらにより本発明の技術的範囲
が限定されるべきものではない。
オ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン酸
(KDNα2-S-4AP)の合成 合成の各ステップにおける生成物の物性は以下の方法に
より測定した。
(前田理科器株式会社)を用いて測定し、補正は行わなか
った。質量スペクトル(MS)は、高速原子衝撃法(FAB, マ
トリックスとして3-ニトロベンジルアルコール(NBA)を
用いた)により、JEOL JMS-DX300及びJMS-AX505HA装置
(日本電子株式会社)を用いて測定した。赤外線吸収(IR)
スペクトルは、JASCO A-102装置(日本分光工業株式会
社)を用いて、KBr錠剤法で測定した。比旋光度([α]D)
は、JASCO DIP-370装置(日本分光工業株式会社)を用い2
0℃で測定した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian
VXR-300装置(バリアンジャパンリミテッド)を用い、測
定溶媒の内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)及び3
-(トリメチルシリル)-1-プロパンスルホン酸ナトリウム
(DSS)を用いて測定した。シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーは、Silica gel 60(メルク社製、70-230 mesh)
を用いた。
アセチル-2,3-ジデオキシ-2-チオ-D-glycero-α-D-gala
cto-2-ノヌロピラノシド)オネート(Methyl (p-nitroph
enyl 4,5,7,8,9-penta-O-acetyl-2,3-dideoxy-2-thio-D
-glycero-α-D-galacto-2-nonulopyranosid)onate)(化
合物3)の合成 メチル 4,5,7,8,9-ペンタ-O-アセチル-2-クロロ-2,3-ジ
デオキシ-D-glycero-β-D-galacto-2-ノヌロピラノソネ
ート(Chem. Pharm. Bull., 39(12), 3140-3144(1991))
(化合物1, 1.02 g, 2 mmol)をアセトニトリル(30 ml)
に溶解し、4-ニトロチオフェノールNa塩(化合物2, 0.7
1 g, 4 mmol)を加えて室温で3時間攪拌した後、反応液
をろ過し、ろ液を減圧留去した。残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン−酢酸エチル=
1:1)で分離、精製することにより、目的化合物3(0.
88 g, 70%)と、副生成物として既知化合物(Chem. Phar
m. Bull., 43(19), 1654-1658(1995))であるデオキシ誘
導体4(76 mg, 8%)及び5(41 mg, 5%)を得た。化合物3
の粗生成物をエチルアルコールからの再結晶に付し、化
合物3(0.5 g)を薄い淡黄色のプリズム晶として得た。
eOH) 元素分析 Calcd for C26H31NO15S: C, 49.60; H, 4.96;
N, 2.22. Found: C,49.58; H: 4.99; N, 2.25. FAB-MS m/z: 630(M++1), 652(M++Na) IRνmax(cm-1): 1740, 1600, 1590, 1500.1 H-NMR(CDCl3)δ: 2.06 (dd, 1H, J = 11.0, 13.0 Hz,
3-Hax), 2.93 (dd, 1H, J = 4.5, 13.0 Hz, 3-Heq), 4.
04 (dd, 1H, J = 1.0, 10.0 Hz, 6-H), 4.13 (dd, 1H,
J = 2.5, 12.5 Hz, 9-H), 4.29 (dd, 1H, J = 1.5, 12.
5 Hz, 9-H'), 4.84 (dd, 1H, J = 9.5, 10.0 Hz, 5-H),
4.89 (ddd, 1H, J = 4.5, 9.5, 11.0 Hz, 4-H), 5.31
(br.s, 2H, 7及び8-H), 2.01 (s, 6H, OAc×2), 2.05
(s, 3H, OAc), 2.06 (s, 3H, OAc), 2.12 (s, 3H, OA
c), 3.61 (s, 3H, CO2Me), 7.63 (d,2H, J = 8.8 Hz, 4
-ニトロフェニル基), 8.81 (d, 2H, J = 8.8 Hz, 4-ニ
トロフェニル基).
2-チオ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン
酸(4-Nitrophenyl 2,3-dideoxy-2-thio-D-glycero-α-
D-galacto-2-nonulopyranosidonic acid)(化合物6)の
合成 化合物3(0.94 g, 1.5 mmol)をメタノール(30 ml)に溶
解し、28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液(1
ml)を加えて室温で2時間撹拌した後、反応液を減圧
下、20℃で乾固し、これに水(10 ml)を加え室温で3
時間放置した。反応液に水(20 ml)を加え薄めた後、Dow
ex-50(H+)(ダウケミカル社)を加えて弱酸性にし、樹脂
をろ去し、更に水で洗った。ろ液及び洗液を合わせて凍
結乾燥して、化合物6(0.60 g, 98%)を淡黄色の粉末と
して得た。
2; N, 3.46. Found: C, 44.65; H, 4.84; N, 3.37. FAB-MS m/z: 406(M++1), 428(M++Na) IRνmax(cm-1): 3400, 1705, 1600, 1590, 1510.1 H-NMR(D2O)δ: 1.92 (dd, 1H, J = 11.0, 12.5 Hz, 3-
Hax), 2.86 (dd, 1H,J = 4.5, 12.5 Hz, 3-Heq), 3.50
(dd, 1H, J = 1.5, 9.5 Hz, 6-H), 3.59 (dd,1H, J =
8.5, 9.5 Hz, 5-H), 3.63 (dd, 1H, J = 6.0, 11.5 Hz,
9-H), 3.64 (ddd, 1H, J = 4.5, 8.5, 11.0 Hz, 4-H),
3.75 (ddd, 1H, J = 2.5, 6.0, 9.0 Hz, 8-H), 3.82
(dd, 1H, J = 1.5, 9.0 Hz, 7-H), 3.85 (dd, 1H, J =
2.5, 11.5 Hz, 9-H'), 7.79 (d, 2H, J = 9.0 Hz, 4-ニ
トロフェニル基), 8.22 (d, 2H,J = 9.0 Hz, 4-ニトロ
フェニル基).
2-チオ-D-glycero-α-D-galacto-2-ノヌロピラノシドン
酸(4-Aminophenyl 2,3-dideoxy-2-thio-D-glycero-α-
D-galacto-2-nonulopyranosidonic acid)(化合物7)の
合成 化合物6(0.41 g, 1 mmol)をメタノール(50 ml)に溶解
し、5%パラジウム−炭素(Pd-C)(1 g)を加えて、水素
気流中で室温にて6時間攪拌した後、反応液をろ過し、
残渣をメタノールで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ減
圧下で濃縮乾固し粉末を得た。得られた粉末をLH−2
0ゲル(ファルマシアバイオテク)(溶媒:MeOH)を用いて
精製し、淡橙色の粉末として化合物7(0.34 g, 90%)を
得た。
N, 3.73. Found: C,47.67; H, 5.84; N, 3.67. FAB-MS m/z: 376(M++1), 398(M++Na) IRνmax(cm-1): 3300, 1605, 1595, 1500.1 H-NMR(D2O)δ: 1.9 (dd, 1H, J = 13.0, 11.5 Hz, 3-H
ax), 2.82 (dd, 1H, J= 4.5, 13.0 Hz, 3-Heq), 3.41
(dd, 1H, J = 2.0, 9.5 Hz, 6-H), 3.57 (dd,1H, J =
9.0, 9.5 Hz, 5-H), 3.57 (dd, 1H, J = 6.5, 11.5 Hz,
9-H), 3.62 (ddd, 1H, J = 4.5, 9.0, 11.5 Hz, 4-H),
3.69 (ddd, 1H, J = 2.5, 6.5, 8.5 Hz, 8-H), 3.78
(dd, 1H, J = 2.0, 8.5 Hz, 7-H), 3.81 (dd, 1H, J =
2.5, 11.5Hz, 9-H'), 7.42 (d, 2H, J = 8.5 Hz, 4-ニ
トロフェニル基), 7.69 (d, 2H, J= 8.5 Hz, 4-ニトロ
フェニル基).13 C-NMR(D2O)δ: 41.90 (C-3), 65.36 (C-9), 70.39 (C
-7), 72.02 (C-5), 72.70 (C-4), 74.95 (C-8), 78.98
(C-6), 89.24 (C-2), 174.33 (C-1), 126.25 (C-2',
6'), 140.63 (C-3',5'), 132.44 (C-1'), 134.49 (C-
4').
作成及びKDNα2-S-4APを結合させた不溶性担体を用いた
アフィニティークロマトグラフィーによるKDNase Smの
精製 (1)アフィニティーカラムの作成 エポキシ活性化セファロース6B(Pharmacia Biotech)
の凍結乾燥粉末1.0 gを脱イオン水で膨潤させ、その
後、ガラスフィルターを用い、脱イオン水200 ml以上で
洗浄した。凍結乾燥粉末1.0 gは、膨潤するとおよそ3.5
mlのゲルになる。2.0 mlアシストチューブにリガンド
としてKDNα2-S-4AP 210 μmolを測りとり、0.6 M NaHC
O3 1.2 mlに溶解した。ここに膨潤したゲル0.6 mlを添
加し、25℃(20℃〜45℃)で17.5時間(一夜)よく撹拌し
た。撹拌後、2.5 mlシリンジ(TERUMO)に詰め、0.4 M Na
HCO3で洗浄して余分なリガンドを除去した。活性基のブ
ロッキングのため溶媒を1 Mエタノールアミン(pH 8.0)
に置換し、37℃で16時間静置した。次いで、0.5 M NaCl
/0.1 M酢酸緩衝液(pH 4.0)と0.5 M NaCl/0.1 M Tris-HC
l緩衝液(pH 8.0)とを交互に3回繰り返して流し、洗浄
した。これにより、KDNα2-S-4APを結合させた不溶性担
体を充填したアフィニティーカラム(0.9×1.2 cm)が作
成された。
Smの結合と溶離 S. multivorumの菌体から浸透圧ショック法により抽出
し、KDNase粗画分を得た。具体的には、S. multivorum
の菌体(湿重量8g)を氷冷した0.03 M NaCl/0.01 M T
ris-HCl緩衝液(pH 7.1)に懸濁し、遠心(13,000×g, 20
分)を行って洗浄した。この菌体の沈渣に菌体重量の10
倍容(この場合、80 ml)の0.033 M Tris-HCl緩衝液(pH
7.1)を加えて懸濁させた後、よく撹拌しながら菌体重
量の10倍容の40%ショ糖/0.033 M Tris-HCl緩衝液(pH 7.
1)および0.0001倍容の0.1 M EDTA二ナトリウム塩を加え
て、室温で10分間振盪した。遠心(13,000×g, 10分)
して菌体を集め、そこに最初の菌体重量の20倍容の氷冷
した1 mM酢酸マグネシウム(pH 7.1に調整)を加えて、
10分間ゆっくりと攪拌した。さらに、2倍容の氷冷1 M
NaCl/1 M Tris-HCl緩衝液(pH 7.1)を加え、遠心(13,00
0×g, 30分)して上清を得、これをKDNase粗画分とし
た。
2(上記(1))で作成したアフィニティーカラムにか
け、1 mM Mg(CH3COO)2/0.1 M NaCl/0.1 M Tris-HCl緩衝
液(pH 7.1)で洗浄した後、1 mM Mg(CH3COO)2/0.5 M NaC
l/0.1 M Tris-HCl緩衝液(pH 7.1)で溶離し、各500 μl
ずつ4本(各緩衝液について計2.0 ml)分取した。分取
した各フラクションの20μlを用い、国際公開パンフレ
ット第WO96/00781号に記載の4−メチルウン
ベリフェリルKDNを用いる方法によりKDNase活性を測
定した。さらに、このフラクションの400 μlをmicroco
n 10(Amicon Inc.)で20μlに濃縮し、SDS-PAGEに付し
た。これをCBB染色することによって、タンパク質を検
出した。
浄液から溶出液に変えた。0.5 M NaClで溶出したフラク
ション(画分番号5および6)に、KDNase活性が確認さ
れた。画分番号5および6には、CBB染色によって、KDN
ase Smの推定分子量約50KDaのバンドが見られ、またそ
の他のタンパク質のバンドは数本しか確認されなかった
ことから、KDNを特異的に認識する物質を効率よく保持
するカラムであると考えられる。
には、KDN-OS(KDNオリゴ糖アルコール)を含む糖ペ
プチドをアフィニティーリガンドとしたアフィニティー
クロマトグラフィーを含む、KDNase Smの精製に関する
結果が報告されている。この報告では、更に精製を進め
た段階でアフィニティークロマトグラフィーを用いてお
り、比活性の上昇は、このアフィニティークロマトグラ
フィーステップで60倍で、全体として173倍であった。
このステップ後の比活性は127 units/mgタンパク質であ
った。本実施例では、より粗精製である浸透圧ショック
後の画分から始めて、一度の精製で1,450 units/mgタン
パク質まで比活性が上昇し、この方法の有効性は明らか
である。
返し使用しても同様の結果を与え、繰り返しの使用に対
して安定であった。
いたアフィニティークロマトグラフィーと、他のクロマ
トグラフィーとの組合せによるKDNase Smの精製 (a) KDNaseの粗画分の調製
けて(Nishino et al., J. Biol. Chem. 271, 2909, 19
96)得られた菌体を洗浄後、0.1 M NaCl/0.1 M Tris-HC
l緩衝液(pH 7.1)を加えて、5 g/30 mlの懸濁液とした。
次に、超音波発生装置(INSONATOR 201型、久保田商
事)を用いて、氷冷下で超音波処理(100 W, 3〜5分)
した。この処理液を13,000×gで60分遠心して、上清を
採取した。この上清を限外濾過で濃縮して、液量を60 m
lとした。
ィー (a)で得られた粗画分(60 ml、4,500 units)をDEAE-To
yopearlカラム(2.4×24 cm, 109 ml,東ソー製; 0.1 M
NaCl-0.25%スクロース-20 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.0)
で平衡化)にかけて、カラムに保持されないで素通りす
る画分を採取して、0.1 M NaCl-0.25%スクロース-20 mM
Tris-アセテート緩衝液(pH 6.0)に対して透析した。収
量は、3,500 units(17 ml)であった。
ー (b)で得られた画分をCM-Toyopearl 650Mカラム(2.4×2
3.8 cm, 108 ml,東ソー製; 0.1 M NaCl-0.25%スクロー
ス-20 mM Tris-アセテート緩衝液(pH 6.0)で平衡化)に
かけた後、0.1 M NaCl-0.25%スクロース-20 mM Tris-ア
セテート緩衝液(pH 6.0)中で0〜1 M NaClの塩濃度勾配
によって溶出した。溶出画分の活性測定を行い、活性の
ある画分をプールして、限外濾過によって濃縮した。収
量は、3,500 units(17 ml)であった。
グラフィー (c)で得られた濃縮KDNase活性画分を3 M NaCl/50 mM Tr
is-HCl緩衝液(pH 7.1)に対して透析したものを、フェニ
ルセファロースカラム(1.6×20.3 cm, 41 ml,ファルマ
シア製)にかけて、400 mlの50 mM Tris-HCl緩衝液(pH
7.1)中で3 M〜0 M NaClの直線塩濃度勾配によって溶出
した。溶出液を分画して活性測定を行い、活性をもつ画
分を集めて、限外濾過で濃縮した。溶媒を限外濾過によ
って0.1M NaCl/0.1 M Tris-HCl緩衝液(pH 7.1)に置換し
て、2 mlにした。収量は2,530 unitsであった。
アフィニティーカラムの作成及びそれを用いたアフィニ
ティークロマトグラフィー KDNα2-S-4AP 800 μmol (4 ml)に、エポキシ活性化セ
ファロース6Bゲル4.5 mlを加えて、室温で20時間撹拌し
た。その3 mlのゲルをカラムに詰めて、0.4 M NaHCO3で
洗浄した後、溶媒を1 Mエタノールアミン(pH 8.0)に置
換して、室温で16時間静置した。0.5 M NaCl/0.1 M酢酸
ナトリウム緩衝液(pH 4.0)と0.5 M NaCl/0.1 M Tris-HC
l緩衝液(pH 8.0)とを交互に3回繰り返し流すことによ
ってカラムを洗浄した。
s(60 μl)をカラムに載せて、まず、0.1 M NaCl/1 mM M
g(CH3COO)2/0.1 M Tris-HCl(pH 7.1)を21 ml流して洗浄
した後、0.5 M NaCl/1 mM Mg(CH3COO)2/0.1 M Tris-HCl
(pH 7.1)を12 ml流して溶離した。洗浄液および溶離液
を3 mlずつ分取した。各画分について、国際公開パンフ
レット第WO96/00781号に記載の4−メチルウ
ンベリフェリルKDNを用いる方法によりKDNase活性を
測定した。結果を図3に示す。21 unitsが8〜10画分に
回収され、これはカラムに載せた量の81%であった。こ
のことから、カラムのKDNase結合の容量は、21 units/3
mlであるから、7 units/mlと計算された。また、溶出
画分のSDS-PAGE/銀染色の解析から、カラムに載せる前
に観察されていた約134K、約108K、約60Kおよび約42Kの
バンドの中、約60Kのバンドのみが溶離された活性画分
に見い出された。このバンドは、SDS-PAGE/銀染色で単
一バンドとして検出され、精製KDNaseであると判断され
た。
ノノイラミン酸結合性物質の精製や検出に有用な不溶性
担体を製造するのに有用なデアミノノイラミン酸誘導体
が提供される。また、このデアミノノイラミン酸誘導体
が結合した不溶性担体、並びに、この不溶性担体を用い
るデアミノノイラミン酸結合物質の精製方法および検出
方法が提供される。
ラフィーにより得られた溶出画分のKDNase活性を示す。
Voは排除体積、Vtはベッド容量を示す。
ラフィーにより得られた溶出画分のSDS-PAGE分析の結果
を示す。
ラフィーにより得られた溶出画分のKDNase活性を示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるデアミノノイ
ラミン酸誘導体。 【化1】 (式中、Xは、S、CH2又はNHであり、Aは、置換
基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素の2価
基であり、Dは不溶性担体との結合に使用可能な官能基
を示す。) - 【請求項2】 Dがアミノ基である請求項1記載のデア
ミノノイラミン酸誘導体。 - 【請求項3】 下記式(2)で示される、請求項2記載の
デアミノノイラミン酸誘導体。 【化2】 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のデ
アミノノイラミン酸誘導体が結合した不溶性担体。 - 【請求項5】 下記工程(A)及び(B)を少なくとも含む、
デアミノノイラミニダーゼの精製方法。 (A)デアミノノイラミニダーゼを含有する溶液と、請求
項4記載の不溶性担体とを接触させて、該不溶性担体に
デアミノノイラミニダーゼを特異的に結合させる工程。 (B)請求項4記載の不溶性担体に結合したデアミノノイ
ラミニダーゼを溶離する工程。 - 【請求項6】 下記工程(A)及び(B)を少なくとも含む、
デアミノノイラミン酸結合性物質の検出方法。 (A)デアミノノイラミン酸結合性物質を含有する溶液
と、請求項4記載の不溶性担体とを接触させて、該不溶
性担体にデアミノノイラミン酸結合性物質を特異的に結
合させる工程。 (B)請求項4記載の不溶性担体に結合したデアミノノイ
ラミン酸結合性物質を検出する工程。 - 【請求項7】 デアミノノイラミン酸結合性物質がデア
ミノノイラミニダーゼである、請求項6記載の検出方
法。
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- 1999-06-21 JP JP17397599A patent/JP4544663B2/ja not_active Expired - Fee Related
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