JP2001002127A - 開封部材 - Google Patents

開封部材

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JP2001002127A
JP2001002127A JP11172466A JP17246699A JP2001002127A JP 2001002127 A JP2001002127 A JP 2001002127A JP 11172466 A JP11172466 A JP 11172466A JP 17246699 A JP17246699 A JP 17246699A JP 2001002127 A JP2001002127 A JP 2001002127A
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unsealing
separating
opening
separation
container
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JP11172466A
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Sukebumi Hishikawa
資文 菱川
Satoshi Chiba
聡 千葉
Atsushi Matsumoto
淳 松本
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分離後の切離部が排出されるのを防止すること
ができ、かつ開通した流路を確実に保持することができ
る開封部材を提供する。 【解決手段】開封部材1は、開封部2と、この開封部2
に対し破断分離可能に接合された切離部3と、この切離
部3を破断分離する操作を行う操作部4と、開封部2と
操作部4とを接続する変形可能な接続部5とで構成され
ている。操作部4の内周面42には、2つのリブ43が
形成されている。また、切離部3の外周面32には、前
記操作部4のリブ43と係合し得る2つのリブ33が形
成されている。開封部材1を接続部5において折り曲げ
ると、薄肉脆弱部6が破断し、切離部3が開封部2から
分離され、流路が開通する。破断分離された切離部3
は、リブ33および43で構成される切離部保持機構に
より、開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距
離離間した位置に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開封部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液容器等の樹脂
製の医療用容器がある。この医療用容器に収納(封入)
される輸液に配合される薬剤(薬液)には、予め混合し
ておくと経時的に不安定なものがある。このため、使用
する直前まで薬剤を安定的に保存し得るように、容器を
2室以上にして分け、それぞれに所定の薬剤を収納し、
使用する際に、前記各室を連通させ、前記薬剤を混合可
能にした開封部材を用いた医療用容器が提案されてい
る。
【0003】また、医療用容器の中には、腹膜透析液や
血液製剤等の薬剤が収納された容器本体に、予めチュー
ブが接続されたものがある。この医療用容器には、使用
する直前まで薬剤が容器本体の中に無菌的に保存され、
その薬剤をチューブを介して無菌的に体内に供給できる
ように、開封部材が、容器本体とチューブの接続部、ま
たはチューブの内部等に設けられている。この医療用容
器では、使用する際に、開封部材の流路を開通させる。
【0004】さらに、血液や尿の他、腹膜内に貯留した
体液を回収するための回収容器も提案されており、この
回収容器においても開封部材が、容器本体の内部、容器
本体とチューブの接続部、チューブの内部等に設けられ
ている。
【0005】しかしながら、従来の開封部材には、下記
のような欠点がある。
【0006】前記2室以上に分けられた医療用容器の場
合には、その開封部材を折り曲げて、開封部の中空部の
一端を封止していた切離部を破断分離し、これにより開
封部材の流路が開通しても、分離後の切離部が前記開封
部の近傍に留まり、中空部の一端を塞いでしまい、これ
により流路が十分に確保されず、流体が流れにくいとい
う欠点がある。
【0007】また、前記腹膜透析液等の薬剤が収納され
た容器本体に予めチューブが接続された医療用容器の場
合には、その開封部材を折り曲げて切離部を破断分離す
ると、分離後の切離部が容器本体内に浮遊してしまい、
その切離部を異物として誤認すること等がある。
【0008】また、前記尿等の体液の回収に用いる回収
容器の場合には、その開封部材を折り曲げて切離部を破
断分離すると、体液の回収中や回収終了後に、分離後の
切離部が回収容器内に浮遊してしまい、その切離部を異
物として誤認することがある。そして、回収した体液を
トイレ等に廃棄する際、回収容器内に浮遊している切離
部を流してしまわないように注意する必要がある。
【0009】このような、異物として誤認することや、
廃棄ミスを防止するために、特開平9−313597号
公報には、切離部をカバーで覆い、カバーから切離部が
流れ出ないようにする発明がなされているが、このよう
な構造では、切離部側から開封部側に向かって流体が流
れる場合、分離後の切離部が前記開封部の中空部の一端
を塞いでしまい、これにより通路が十分に確保されず、
流体が流れにくいという欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分離
後の切離部が排出されるのを防止することができ、かつ
開通した流路を確実に保持することができる開封部材を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の本発明により達成される。
【0012】(1) 中空部を有する開封部と、前記中
空部の一端を封止し、前記開封部に対し破断分離可能に
接合された切離部と、前記切離部を破断分離する操作を
行う操作部と、前記開封部と前記操作部とを接続する変
形可能な接続部とを備え、前記操作部を前記開封部に対
して相対的に変位させることにより前記切離部を破断分
離し、これにより流路を開通させる開封部材であって、
前記操作部による前記切離部の破断分離操作に伴って、
前記分離後の切離部を前記中空部の一端から所定距離離
間した位置に移動させる切離部移動機構と、前記切離部
を前記中空部の一端から所定距離離間した位置に保持す
る切離部保持機構とを設けたことを特徴とする開封部
材。
【0013】(2) 前記所定距離は、前記切離部の破
断分離によって生じる開口部分の半径の長さに対して
0.5〜3.5倍の長さである上記(1)に記載の開封
部材。
【0014】(3) 前記接続部より前記操作部の方が
剛性が高い上記(1)または(2)に記載の開封部材。
【0015】(4) 前記切離部保持機構は、前記切離
部に設けられた第1の係合部と、前記操作部に設けら
れ、該第1の係合部と係合する第2の係合部とを備える
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の開封部材。
【0016】(5) 前記第1の係合部および前記第2
の係合部は、これらを係合させるときの抵抗より、該係
合を外すときの抵抗の方が大きくなるように構成されて
いる上記(4)に記載の開封部材。
【0017】(6) 前記切離部保持機構は、前記切離
部および前記操作部の一方を他方に圧接させることによ
り前記切離部を保持する圧接手段を備える上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載の開封部材。
【0018】(7) 前記切離部が前記中空部の一端か
ら所定距離離間した位置に保持されているときの該切離
部の移動抵抗は、前記切離部が前記中空部の一端から所
定距離離間した位置より前記開封部側に位置していると
きの該切離部の移動抵抗より大きい上記(6)に記載の
開封部材。
【0019】(8) 前記開封部は、硬質の樹脂で形成
されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の
開封部材。
【0020】(9) 前記操作部は、硬質の樹脂で形成
されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の
開封部材。
【0021】(10) 前記接続部は、軟質の樹脂で形成
されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の
開封部材。
【0022】(11) 前記接続部は、曲げ方向に伸縮可
能な構造を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに
記載の開封部材。
【0023】(12) 前記接続部は、前記操作部に一体
的に形成された少なくとも1つの螺旋状の部材で構成さ
れている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の開
封部材。
【0024】(13) 前記接続部は、前記開封部と前記
操作部とを液密に接続する上記(1)ないし(10)のい
ずれかに記載の開封部材。
【0025】(14) 前記開封部と前記切離部とが破断
可能な薄肉脆弱部で接合されている上記(1)ないし
(13)のいずれかに記載の開封部材。
【0026】(15) 前記切離部移動機構は、前記切離
部に設けられ、外径が前記開封部から前記操作部に向っ
て漸増している部分を有し、その部分が、前記操作部に
よる前記切離部の破断分離操作に伴って、前記接続部に
接触するよう構成されている上記(1)ないし(14)の
いずれかに記載の開封部材。
【0027】(16) 前記切離部は、前記開封部と反対
側に開放した中空部と、、一端が該中空部に連通し、他
端が該切離部の側部に開放した少なくとも1つの側孔と
を有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の開
封部材。
【0028】(17) 前記開封部材は、軟質のチューブ
の内部または端部、軟質の容器の内部または端部、容器
と容器の接続部、あるいは容器とチューブの接続部に設
けられる上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の開
封部材。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の開封部材を添付図
面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の開封部材の第1実施例を
示す断面図、図2は、図1に示す開封部材の薄肉脆弱部
を破断する途中の状態を示す断面図、図3は、図1に示
す開封部材の薄肉脆弱部を破断した状態を示す断面図で
ある。なお、本明細書では、図1、図2、図3および図
4〜図11中の左右方向を「軸方向」、右側を「基
端」、左側を「先端」として説明する。
【0031】図1〜図3に示すように、開封部材(封止
部材)1は、開封部2と、この開封部2に対し破断分離
可能に接合された切離部3と、この切離部3を破断分離
する操作を行う操作部4と、開封部2と操作部4とを接
続する変形可能な接続部5とを有している。
【0032】開封部2は、基端に開放した中空部21を
有する筒状の部材である。この開封部2の先端には、切
離部3が破断分離可能に接合されており、この切離部3
により中空部21の先端が封止されている。すなわち、
開封部2と切離部3とは、破断可能な薄肉脆弱部(破断
部)6で接合されており、中空部21の先端は、切離部
3の基端部で封止されている。
【0033】開封部2の基端部には、所定の部材(例え
ば、チューブやバッグ(容器)等)を液密に接続し得る
接続部22が形成されている。
【0034】この接続部22、すなわち、開封部2の基
端側の端面には、溝23が形成されている。この溝23
は、開封部材1の中心軸(軸線)、すなわち、開封部2
の中心軸(軸線)を中心とする円に沿って形成されてい
る。なお、本発明では、接続部22の構造は、図示のも
のに限定されない。
【0035】切離部3は、封止部2と反対側の端面、す
なわち、先端に開放した中空部31を有する筒状の部材
である。
【0036】この切離部3の外周面32には、後述する
操作部4のリブ43と係合し得る2つのリブ33(第1
の係合部)が、それぞれ、切離部3の周方向に沿って形
成されている。
【0037】前記2つのリブ33は、開封部材1の軸方
向に沿って並設されている。すなわち、一方のリブ33
は、切離部3の先端部であって、後述する操作部4の2
つのリブ43の間に配置されている。そして、他方のリ
ブ33は、前記一方のリブ33から軸方向基端側に所定
距離離間した位置に配置されている。
【0038】また、リブ33の断面形状は、三角形であ
る。また、リブ33の基端側の面331と外周面32と
のなす角をθ1とすると、θ1は、90°以上であるの
が好ましく、90〜135°程度であるのがより好まし
い。
【0039】前記θ1を90°以上にすることにより、
リブ33とリブ43との係合がより外れにくくなる。な
お、本実施例では、θ1が90°程度に設定されてい
る。
【0040】また、リブ33の先端側の面332と外周
面32とのなす角をθ2とすると、θ2は、鋭角である
のが好ましく、15〜45°程度であるのがより好まし
い。
【0041】前記θ2を鋭角にすることにより、リブ3
3とリブ43とを係合させ易くすることができる。すな
わち、切離部3を分離破断する操作において、リブ43
がリブ33を乗り越え易くすることができる。
【0042】また、切離部3の側部には、2つの側孔3
4が180°間隔で形成されている。側孔34の一端
は、中空部31に連通し、他端は、外周面32に開放し
ている。
【0043】また、切離部3の基端部には、テーパ面3
5が形成されている。すなわち、切離部3の基端部の外
径r1は、開封部2から操作部4に向って(基端側から
先端側に向って)漸増している。
【0044】操作部4は、先端および基端のそれぞれに
開放した中空部41を有する筒状の部材である。この操
作部4の基端部は、接続部5を介して開封部2の先端部
に接続されている。
【0045】操作部4の内周面42には、2つのリブ4
3(第2の係合部)が、それぞれ、操作部4の周方向に
沿って形成されている。
【0046】前記2つのリブ43は、開封部材1の軸方
向に沿って並設されている。すなわち、一方のリブ43
は、操作部4の基端部であって、前記切離部3の2つの
リブ33の間に配置されている。そして、他方のリブ4
3は、前記2つのリブ33の先端側のリブ33より先端
側であって、前記一方のリブ43から軸方向先端側に所
定距離離間した位置に配置されている。
【0047】また、リブ43の断面形状は、三角形をな
している。また、リブ43の最小内径(頂点における内
径)は、前記切離部3のリブ33の最大外径(頂点にお
ける外径)とほぼ等しく設定されている。
【0048】また、リブ43の基端側の面431と内周
面42とのなす角をθ3とすると、θ3は、鋭角である
のが好ましく、15〜45°程度であるのがより好まし
い。
【0049】前記θ3を鋭角にすることにより、リブ3
3とリブ43とを係合させ易くすることができる。すな
わち、切離部3を分離破断する操作において、リブ43
がリブ33を乗り越え易くすることができる。
【0050】また、リブ43の先端側の面432と内周
面42とのなす角をθ4とすると、θ4は、90°以上
であるのが好ましく、90〜135°程度であるのがよ
り好ましい。
【0051】前記θ4を90°以上にすることにより、
リブ33とリブ43との係合がより外れにくくなる。な
お、本実施例では、θ4が90°程度に設定されてい
る。
【0052】また、操作部4の先端部の外周面には、リ
ング状のフランジ44が形成されている。
【0053】なお、この操作部4の2つのリブ43と、
前記切離部3の2つのリブ33とで、分離後の切離部3
を保持する切離部保持機構が構成される。
【0054】また、操作部4と、接続部5と、切離部3
の2つのリブ33とで、切離部3を開封部2の中空部2
1の先端(先端開口211)から所定距離離間した位置
に移動させる切離部移動機構が構成される。
【0055】接続部5は、曲げ方向に伸縮可能なように
(柔軟性を有するように)構成されている。
【0056】この場合、例えば、接続部5の構造(形
状)を曲げ方向に伸縮可能な構造としてもよく、また、
接続部5を軟質の樹脂で形成してもよく、また、接続部
5の構造を曲げ方向に伸縮可能な構造とし、かつその接
続部5を軟質の樹脂で形成してもよい。
【0057】前記のうちでは、接続部5の構造を曲げ方
向に伸縮可能な構造とするか、または、接続部5の構造
を曲げ方向に伸縮可能な構造とし、かつその接続部5を
軟質の樹脂で形成するのが好ましい。
【0058】接続部5の構造を曲げ方向に伸縮可能な構
造とすることにより、切離部3を破断分離する際の操作
に必要な力を比較的小さくすることができ、これによ
り、容易かつ確実に切離部3を破断分離することができ
る。
【0059】前記曲げ方向に伸縮可能な構造(形状)と
しては、例えば、蛇腹状、網目状、螺旋状等が挙げられ
るが、これらのうちでは、製造が容易なことから、螺旋
状が好ましい。
【0060】また、接続部5は、例えば、多数本の糸状
の部材または筒状の部材で構成されていてもよい。これ
らのうちでは、製造が容易なことから、接続部5を筒状
の部材で構成するのが好ましい。
【0061】接続部5を軟質の樹脂で形成する場合、そ
の構成材料としては、例えば、軟質塩化ビニルや、ポリ
プロピレン・αオレフィン共重合体あるいはエチレンα
オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポ
リスチレン−ポリエチレンブチレン−ポリスチレンブロ
ック共重合体(SEBS)等のスチレン系エラストマ
ー、ポリウレタン、ナイロン等のポリアミドおよびそれ
らのブレンド物や共重合体等が挙げられる。
【0062】また、接続部5を硬質の樹脂で形成する場
合、その構成材料としては、例えば、ポリプロピレンや
ポリエチレン、環状ポリオレフィン等のオレフィン系樹
脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリカーボネート、
ポリアクリレート、硬質塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステ
ル類、ポリテトラフロロエチレンなどのフッ素系樹脂あ
るいはこれらを含む共重合体、ブレンド樹脂等が挙げら
れる。
【0063】また、前記開封部2、切離部3および操作
部4は、それぞれ、接続部5より剛性の高い材料、特
に、硬質の樹脂で形成されるのが好ましい。この場合、
その構成材料としては、例えば、前記接続部5の場合と
同様のものが挙げられる。
【0064】操作部4を硬質の樹脂で形成することによ
り、切離部3を破断分離する操作(開封操作)およびこ
れに伴って切離部3を移動させる操作を容易に行うこと
ができる。例えば、接離部3を軟質の樹脂で形成した場
合でも、操作部4を硬質の樹脂で形成することにより、
操作部4と切離部3との摩擦抵抗(摩擦力)を比較的小
さくすることができるので、開封操作の際、切離部3を
操作部4に対して円滑に移動することができ、これによ
り、開封操作を容易に行うことができる。また、操作部
4が潰れて切離部3の移動を妨げてしまうのを防止する
ことができる。
【0065】開封部材1の製造方法は、特に限定されな
い。なお、開封部材1の各部は、それぞれ、例えば、射
出成形、ブロー成形、押出成形等で形成することができ
る。
【0066】このような開封部材1は、例えば、軟質の
(可撓性を有する)チューブの内部または端部、軟質の
(可撓性を有する)容器の内部または端部、容器と容器
の接続部、あるいは容器とチューブの接続部(いずれも
図示せず)に設けられる。
【0067】なお、開封部材1の開封部2の接続部22
および操作部4の先端部は、それぞれ、所定の部位(対
応する部位)に液密に接続される。
【0068】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、切離部3を破断分
離する操作を行う(操作部4を開封部2に対して相対的
に変位させる)。
【0069】この場合、開封部2と操作部4をそれぞれ
把持し、図2に示すように、開封部材1を接続部5にお
いて図2中下側に折り曲げる。すなわち、操作部4を開
封部2に対して図2中下側に折り曲げる。
【0070】これにより、操作部4の内周面42やリブ
43が切離部3の外周面32やリブ33に当接し、これ
により、切離部3が、薄肉脆弱部6の図2中下側の部分
を支点にして図2中下側に折れ曲がり(反時計回りに回
転し)、薄肉脆弱部6のうちの図2中下側の部分を除く
部分が少なくとも破断する。
【0071】一方、操作部4のリブ43が切離部3のリ
ブ33を乗り越え、操作部4の図2中下側の部分と開封
部2の図2中下側の部分とが接近する。これにより、接
続部5の図2中下側の部分が座屈により内側(図2中上
側)が凸となるように湾曲する。
【0072】次いで、開封部材1を接続部5において図
2中上側に折り曲げる。すなわち、操作部4を開封部2
に対して図2中上側に折り曲げる。
【0073】これにより、操作部4のリブ43が切離部
3のリブ33に係合し、これにより、切離部3が、薄肉
脆弱部6の図2中上側の部分を支点にして図2中上側に
折れ曲がり(時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6の図2
中下側の部分が破断する。
【0074】すなわち、薄肉脆弱部6全体が破断し、切
離部3が開封部2から分離され(開封部2が開封さ
れ)、流路が開通する。
【0075】そして、操作部4から手を離すと、図3に
示すように、接続部5の形状が元の形状に戻り、これに
伴って、前記切離部3は、開封部2の中空部21の先端
(先端開口211)から先端側に所定距離離間した位置
に移動する。
【0076】図3に示すように、破断分離された切離部
3は、リブ33および43で構成される切離部保持機構
により、開封部2の先端開口211から先端側に所定距
離離間した位置に保持される。
【0077】すなわち、切離部3の一方のリブ33の図
3中上側の部分と、他方のリブ33の図3中下側の部分
とが、それぞれ、操作部4の2つのリブ43の間に位置
し、切離部3が基端側または先端側に移動しようとする
場合には、リブ33とリブ43とが係合するとともに、
リブ33が操作部4の内周面42に当接し、また、リブ
43が切離部3の外周面32に当接し、これにより切離
部3の移動が阻止される。
【0078】前記所定距離(先端開口211からの切離
部3の離間距離)は、先端開口211の半径(先端開口
211の形状が非円形の場合は、開口中心からの平均距
離とする)の0.5〜3.5倍程度が好ましく、1.0
〜2.8倍程度がより好ましい。
【0079】この距離が前記上限を超えると、開封部材
1の全長が長くなり、また、この距離が前記下限未満で
あると、流路が不十分となる場合がある。
【0080】なお、切離部3を破断分離して開封部材1
の流路を開通させる場合、開封部材1を接続部5におい
て所定方向に折り曲げ、次いで、開封部材1の形状を元
の形状(直線状)に戻してもよい。
【0081】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、分離後の切離部3は、切離部保持機構により、開
封部2の先端開口211から先端側に所定距離離間した
位置に保持されるので、前記切離部3が開封部2の先端
開口211を塞いでしまうのを防止(切離部3が開封部
2の先端開口211の一部分を塞いで流路抵抗を上昇さ
せたり、また、切離部3が開封部2の先端開口211を
再度封止してしまうことを防止)することができるとと
もに、前記切離部3が開封部材1の先端から排出されて
しまうのを防止することができる。
【0082】また、液体がこの開封部材1の流路に沿っ
て流れる際、その液体は、切離部3と操作部4の隙間の
みならず、切離部3の中空部31および側孔34を介し
て流れることができるので、前記液体の流通が促進され
る。
【0083】また、切離部3は、その切離部3を破断分
離する操作に伴って、開封部2の先端開口211から先
端側に所定距離離間した位置、すなわち、保持される位
置まで移動するので、操作が簡易である。
【0084】次に、本発明の開封部材の第2実施例を説
明する。図4は、本発明の開封部材の第2実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第1実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0085】同図に示すように、この第2実施例の開封
部材1では、接続部5と操作部4とが筒状の部材(例え
ば、軟質のチューブ)で一体的に形成されている。
【0086】開封部2の先端部には、この接続部5の基
端部が液密に接続されている。すなわち、開封部2と操
作部4とが接続部5を介して液密に接続されている。
【0087】一方、開封部2の基端部には、軟質の(可
撓性を有する)チューブ81の先端部が液密に接続され
ている。
【0088】また、切離部3の外周面32には、溝(第
1の係合部)36が周方向に沿って形成されている。こ
の溝36は、切離部3の先端部に配置されている。
【0089】そして、操作部4には、前記切離部3の溝
36と係合可能であり、内側にリング状の凸部を形成す
る縮径部(第2の係合部)45が設けられている。この
縮径部45は、前記切離部3の溝36から先端側に所定
距離離間した位置に配置されている。
【0090】また、切離部3の先端部(先端から溝36
までの部分)には、テーパ面37が形成されている。す
なわち、切離部3の先端部の外径r2は、先端側から基
端側に向って漸増している。
【0091】このテーパ面37により、切離部3を破断
分離する操作において、より円滑かつ確実に縮径部45
と溝36とを係合させることができる。
【0092】また、前記切離部3の溝36内の側面36
1および362の傾斜角度は、それぞれ、このテーパ面
37の傾斜角度より大きい。すなわち、操作部4の縮径
部45と切離部3の溝36とを係合させるときの抵抗よ
り、その係合を外すときの抵抗の方が大きくなるように
構成されている。
【0093】これにより、切離部3を破断分離する操作
において縮径部45と溝36とを係合させ易くすること
ができるとともに、縮径部45と溝36との係合が外れ
にくくなる。
【0094】また、切離部3の側部には、2つの側孔3
4が180°間隔で形成されている。
【0095】なお、操作部4の縮径部45と、切離部3
の溝36とで、切離部保持機構が構成される。
【0096】また、操作部4と、接続部5と、切離部3
の溝36とで、切離部移動機構が構成される。
【0097】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、切離部3を破断分
離する操作を行う。
【0098】この場合、接続部5またはチューブ81を
介して開封部2を把持するとともに、操作部4を把持
し、開封部材1を薄肉脆弱部6の近傍で図4中下側に折
り曲げる。
【0099】これにより、切離部3が、薄肉脆弱部6の
図4中下側の部分を支点にして図4中下側に折れ曲がり
(反時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6のうちの図4中
下側の部分を除く部分が少なくとも破断する。
【0100】一方、操作部4の図4中下側の部分と開封
部2の図4中下側の部分とが接近し、これにより、接続
部5の図4中下側の部分が座屈により内側(図4中上
側)が凸となるように湾曲する。この際、操作部4の縮
径部45が切離部3のテーパ面37に沿って、切離部3
に対して相対的に基端側に移動し、溝36に挿入され
る。すなわち、縮径部45と溝36とが係合する。
【0101】次いで、開封部材1を薄肉脆弱部6の近傍
で図4中上側に折り曲げる。これにより、切離部3が、
薄肉脆弱部6の図4中上側の部分を支点にして図4中上
側に折れ曲がり(時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6の
図4中下側の部分が破断する。
【0102】すなわち、薄肉脆弱部6全体が破断し、切
離部3が開封部2から分離され、流路が開通する。
【0103】そして、操作部4から手を離すと、接続部
5の形状が元の形状に戻り、これに伴って、前記切離部
3は、開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距
離離間した位置に移動する。
【0104】破断分離された切離部3は、その溝36が
操作部4の縮径部45に係止されることで、開封部2の
中空部21の先端から先端側に所定距離離間した位置に
保持される。
【0105】なお、例えば、操作部4の厚さを接続部5
の厚さより厚くするか、または、操作部4に補強部材を
装着して、接続部5より操作部4の方が剛性が高くなる
ように構成してもよい。
【0106】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第1実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0107】次に、本発明の開封部材の第3実施例を説
明する。図5は、本発明の開封部材の第3実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第2実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0108】同図に示すように、この第3実施例の開封
部材1では、軟質のチューブ82の基端部が接続部5に
なっており、この接続部5により開封部2と操作部4と
が液密に接続されている。
【0109】具体的には、開封部2の先端部には、チュ
ーブ82の基端部、すなわち、接続部5の基端部が液密
に接続されている。また、チューブ82の内側には、操
作部4が固着されている。この操作部4は、前記開封部
2から先端側に所定距離離間した位置に配置されてい
る。
【0110】また、切離部3の先端部には、弾性変形可
能な板状の一対の圧接部38(圧接手段)が設けられて
いる。
【0111】各圧接部38は、それぞれ、その圧接部3
8を操作部4に向けて付勢する付勢部材(板バネ)で形
成されている。これらの圧接部38は、本実施例では1
80°間隔で配置されているが、後述する切離部3の移
動および保持が良好に行えるよう配置されていればよ
い。圧接部38は、好ましくは等間隔に2〜4個配置さ
れる。
【0112】また、各圧接部38の厚さは、放射方向
に、それぞれ、先端から基端に向かって漸増している。
すなわち、各圧接部38の基端部には、それぞれ、凸部
381が形成されている。
【0113】各圧接部38は、それぞれ、弾性変形し、
その凸部381が操作部4の内周面42に圧接した状態
にある。
【0114】なお、切離部3の各圧接部38の回りに
は、それぞれ、切離部3と圧接部38との連結部を除い
てスリット39が形成されている。
【0115】また、切離部3の基端部には、テーパ面3
5が形成されている。すなわち、切離部3の基端部の外
径r1は、開封部2から操作部4に向って(基端側から
先端側に向って)漸増している。
【0116】このテーパ面35により、切離部3を破断
分離する操作、すなわち、開封部材1を折り曲げる操作
において、切離部3の先端側への移動をより円滑かつ確
実に行うことができる。
【0117】なお、操作部4の内周面42と、切離部3
の一対の圧接部38とで、切離部保持機構が構成され
る。
【0118】また、接続部5と、切離部3のテーパ面3
5とで、切離部移動機構が構成される。
【0119】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、切離部3を破断分
離する操作を行う。
【0120】この場合、図5(b)に示すように、チュ
ーブ81を介して開封部2を把持するとともに、チュー
ブ82を介して操作部4を把持し、開封部材1を薄肉脆
弱部6の近傍で図5中下側に折り曲げる。
【0121】これにより、切離部3が、薄肉脆弱部6の
図5中下側の部分を支点にして図5中下側に折れ曲がり
(反時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6のうちの図5中
下側の部分を除く部分が破断する。
【0122】一方、操作部4の図5中下側の部分と開封
部2の図5中下側の部分とが接近し、これにより、接続
部5の図5中下側の部分が座屈により内側(図5中上
側)が凸となるように湾曲する。この際、操作部4が、
圧接部38の弾性力、すなわち、圧接部38の凸部38
1と操作部4の内周面42との摩擦力に抗して、切離部
3に対して相対的に基端側に移動する。
【0123】次いで、開封部材1を薄肉脆弱部6の近傍
で図5中上側に折り曲げる。これにより、切離部3が、
薄肉脆弱部6の図5中上側の部分を支点にして図5中上
側に折れ曲がり(時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6の
図5中下側の部分が破断する。すなわち、薄肉脆弱部6
全体が破断し、切離部3が開封部2から分離され、流路
が開通する。
【0124】一方、操作部4の図5中上側の部分と開封
部2の図5中上側の部分とが接近し、これにより、接続
部5の図5中上側の部分が座屈により内側(図5中下
側)が凸となるように湾曲する。この際、操作部4が、
圧接部38の弾性力、すなわち、圧接部38の凸部38
1と操作部4の内周面42との摩擦力に抗して、切離部
3に対して相対的に基端側に移動する。
【0125】そして、操作部4から手を離すと、接続部
5の形状が元の形状に戻るが、一方、前記切離部3は、
開封部2の中空部21の先端(先端開口211)から先
端側に所定距離離間した位置に移動し、その位置で保持
されている。
【0126】破断分離された切離部3は、切離部移動機
構によって移動した後、操作部4の内周面42および圧
接部38で構成される切離部保持機構、すなわち、圧接
部38の凸部381と操作部4の内周面42との摩擦力
により、開封部2の先端開口211から先端側に所定距
離離間した位置に保持される。
【0127】ここで、前記切離部3を操作部4に対し、
さらに先端側に移動させる場合には、前記開封部材1を
折り曲げる操作を再度行う。
【0128】開封部材1を開封部2と切離部3の間で図
5中下側に折り曲げると、接続部5の図5中下側の部分
であって開封部2と切離部3の間の部分が座屈により内
側(図5中上側)が凸となるように湾曲し、この接続部
5の湾曲部分が切離部3のテーパ面35に接触するとと
もに、接続部5の図5中上側の部分が切離部3のテーパ
面35に接触し、これにより、切離部3が先端側に付勢
され、操作部4に対し先端側に移動する(図5(b)参
照)。
【0129】逆に、開封部材1を開封部2と切離部3の
間で図5中上側に折り曲げると、接続部5の図5中上側
の部分であって開封部2と切離部3の間の部分が座屈に
より内側(図5中下側)が凸となるように湾曲し、この
接続部5の湾曲部分が切離部3のテーパ面35に接触す
るとともに、接続部5の図5中下側の部分が切離部3の
テーパ面35に接触し、これにより、切離部3が先端側
に付勢され、操作部4に対し先端側に移動する。
【0130】この操作を切離部3が操作部4に対し目的
の位置に移動するまで行う。そして、操作部4から手を
離すと、接続部5の形状が元の形状に戻り、これに伴っ
て、前記切離部3は、開封部2の先端開口211から先
端側に所定距離離間した位置に移動する。
【0131】また、前記切離部3は、前記切離部保持機
構により、開封部2の先端開口211から先端側に所定
距離離間した位置に保持される。
【0132】ここで、前記切離部保持機構により切離部
3が開封部2の先端開口211から先端側に所定距離離
間した位置に保持されているときに、操作部4のうち圧
接部38と接触している部分を保持部とすると、この保
持部における切離部3の移動抵抗(摩擦抵抗)が保持部
より基端側における切離部3の移動抵抗より大きくなる
ように構成してもよい。すなわち、切離部3が開封部2
の先端開口211から先端側に所定距離離間した位置に
保持されているときの切離部3の移動抵抗が、切離部3
が開封部2の先端開口211から先端側に所定距離離間
した位置より開封部2側に位置しているときの切離部3
の移動抵抗より大きくなるように構成してもよい。
【0133】前記のように移動抵抗に差を付けた場合で
も、保持部より基端側における切離部3の移動抵抗(切
離部3が開封部2の先端開口211から先端側に所定距
離離間した位置より開封部2側に位置しているときの切
離部3の移動抵抗)は、0ではないので、切離部移動機
構により切離部3が移動している間、すなわち、圧接部
38の凸部381が保持部に達するまでの間、前記移動
抵抗により、切離部3が進行方向に対して後退してしま
うのを防止することができる。
【0134】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第2実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0135】そして、この開封部材1によれば、開封部
材1を折り曲げる操作を行うことにより、切離部3を目
的の位置、すなわち、開封部2の先端開口211から先
端側に所定距離離間した位置に移動させることができ
る。
【0136】このため、仮に、切離部3が破断分離され
た時点では流路が十分に確保されていなかったとして
も、前記開封部材1を折り曲げる操作を行って切離部3
を目的の位置に移動させることにより、容易かつ確実に
流路を十分に確保することができる。
【0137】次に、本発明の開封部材の第4実施例を説
明する。図6は、本発明の開封部材の第4実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第3実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0138】同図に示すように、この第4実施例の開封
部材1では、操作部4の内周面42に、切離部3の圧接
部38の凸部(第1の係合部)381と係合し得る溝
(第2の係合部)46が周方向に沿って形成されてい
る。
【0139】この溝46は、前記圧接部38の凸部38
1から先端側に所定距離離間した位置に配置されてい
る。
【0140】なお、操作部4の溝46と、切離部3の一
対の圧接部38とで、切離部保持機構が構成される。
【0141】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、前述した第3実施
例の開封部材1と同様に、切離部3を破断分離する操作
を行う。
【0142】これにより、薄肉脆弱部6が破断し、切離
部3が開封部2から分離され、流路が開通するととも
に、圧接部38の凸部381と操作部4の溝46とが係
合する。
【0143】そして、破断分離された切離部3は、その
圧接部38の凸部381が操作部4の溝46に係止され
ることと、凸部381と溝46の内側面との摩擦力とに
より、開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距
離離間した位置に保持される。
【0144】なお、圧接部38の凸部381と操作部4
の溝46とが係合していない場合には、前述した第3実
施例の開封部材1と同様に、開封部材1を折り曲げる操
作を再度行って、切離部3を操作部4に対し先端側に移
動させ、凸部381と溝46とを係合させる。
【0145】この開封部材1では、操作部4の内周面4
2に溝46が形成されているので、切離部3の移動抵抗
は、この溝46において最大となる。
【0146】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第3実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0147】そして、この開封部材1によれば、圧接部
38の凸部381が操作部4の溝46に係止されること
と、凸部381と溝46の内側面との摩擦力とにより、
切離部3が保持されるので、より確実に、切離部3が移
動してしまうのを防止することができる。
【0148】次に、本発明の開封部材の第5実施例を説
明する。図7は、本発明の開封部材の第5実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第4実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0149】同図に示すように、この第5実施例の開封
部材1では、圧接部(圧接手段)が操作部4側に設けら
れている。
【0150】すなわち、操作部4の先端部には、弾性変
形可能な板状の一対の圧接部47(圧接手段)が設けら
れている。
【0151】各圧接部47は、それぞれ、その圧接部4
7を切離部3に向けて付勢する付勢部材(板バネ)で形
成されている。これらの圧接部47は、180°間隔で
配置されている。
【0152】各圧接部47は、それぞれ、弾性変形し、
その基端部(凸部)471が切離部3の外周面32に圧
接した状態にある。
【0153】なお、操作部4の各圧接部47の回りに
は、それぞれ、操作部4と圧接部47との連結部を除い
てスリット48が形成されている。
【0154】一方、切離部3の外周面32には、複数の
微小な溝71がそれぞれ周方向に沿って形成されてい
る。これらの溝71は、開封部材1の軸方向に沿って並
設されている。前記溝71により、より確実に切離部3
を保持することができる。
【0155】前記操作部4の一対の圧接部47と、切離
部3の複数の溝71とで、切離部保持機構が構成され
る。
【0156】なお、本発明では、前記複数の微小な溝7
1に代えて、複数の微小なリブ(凸条)を切離部3の外
周面32に設けてもよい。
【0157】また、本発明では、前記溝71が省略され
ていてもよい。溝71が省略されている場合には、操作
部4の一対の圧接部47と、切離部3の外周面32と
で、切離部保持機構が構成され、破断分離された切離部
3は、圧接部47の先端部471と切離部3の外周面3
2との摩擦力により保持される。
【0158】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、前述した第4実施
例の開封部材1と同様に、切離部3を破断分離する操作
を行う。
【0159】これにより、薄肉脆弱部6が破断し、切離
部3が開封部2から分離され、流路が開通するととも
に、操作部4の圧接部47の基端部471と切離部3の
所定の溝71とが係合する。
【0160】そして、破断分離された切離部3は、その
溝71が操作部4の圧接部47の基端部471に係止さ
れることと、溝71の内側面と圧接部47の基端部47
1との摩擦力とにより、開封部2の中空部21の先端か
ら先端側に所定距離離間した位置に保持される。
【0161】この開封部材1では、図7中において切離
部3のうち圧接部47と接触している部分は、平である
(溝71が形成されていない)ので、この部分よりも、
この部分より基端側の部分(溝71が形成されている部
分)の方が切離部3の移動抵抗が大きい。
【0162】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第4実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0163】次に、本発明の開封部材の第6実施例を説
明する。図8は、本発明の開封部材の第6実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第5実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0164】同図に示すように、この第6実施例の開封
部材1では、接続部5の構造(形状)は、螺旋状であ
る。すなわち、接続部5は、複数の螺旋状の接続部材5
1で構成されている。これにより、切離部3を破断分離
する際の操作に必要な力を比較的小さくすることがで
き、これにより、容易かつ確実に切離部3を破断分離す
ることができる。
【0165】また、この接続部5と操作部4とは、一体
的に形成されている。そして、この接続部5の基端、す
なわち、各接続部材51の基端は、チューブ81の先端
部に接続されている。
【0166】この開封部材1でも、前述した第5実施例
のように、切離部3の外周面32に、複数の微小な溝や
リブが形成されていてもよい。前記溝やリブを形成する
ことにより、より確実に切離部3を保持することができ
る。
【0167】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、前述した第5実施
例の開封部材1と同様に、切離部3を破断分離する操作
を行う。
【0168】これにより、薄肉脆弱部6が破断し、切離
部3が開封部2から分離され、流路が開通する。
【0169】そして、破断分離された切離部3は、操作
部4の圧接部47および切離部3の外周面32で構成さ
れる切離部保持機構、すなわち、圧接部47の先端部4
72と切離部3の外周面32との摩擦力により、開封部
2の先端開口211から先端側に所定距離離間した位置
に保持される。
【0170】また、切離部3が破断分離された後に、開
封部材1を開封部2と切離部3の間で図8中下側に折り
曲げると、接続部5の図8中上側の部分が切離部3のテ
ーパ面35に接触し、これにより、切離部3が先端側に
付勢され、操作部4に対し先端側に移動する。
【0171】逆に、開封部材1を開封部2と切離部3の
間で図8中上側に折り曲げると、接続部5の図8中下側
の部分が切離部3のテーパ面35に接触し、これによ
り、切離部3が先端側に付勢され、操作部4に対し先端
側に移動する。
【0172】このように、切離部3が破断分離された後
に、開封部材1を折り曲げる操作を行うことにより、切
離部3を目的の位置に移動させることができる。
【0173】ここで、前記切離部保持機構により切離部
3が開封部2の先端開口211から先端側に所定距離離
間した位置に保持されているときに、切離部3のうち圧
接部47と接触している部分を保持部とすると、この保
持部における切離部3の移動抵抗が保持部より先端側に
おける切離部3の移動抵抗より大きくなるように構成し
てもよい。すなわち、切離部3が開封部2の先端開口2
11から先端側に所定距離離間した位置に保持されてい
るときの切離部3の移動抵抗が、切離部3が開封部2の
先端開口211から先端側に所定距離離間した位置より
開封部2側に位置しているときの切離部3の移動抵抗よ
り大きくなるように構成してもよい。
【0174】前記のように移動抵抗に差を付けた場合で
も、保持部より先端側における切離部3の移動抵抗(切
離部3が開封部2の先端開口211から先端側に所定距
離離間した位置より開封部2側に位置しているときの切
離部3の移動抵抗)は、0ではないので、切離部移動機
構により切離部3が移動している間、すなわち、圧接部
47の凸部472が保持部に達するまでの間、前記移動
抵抗により、切離部3が進行方向に対して後退してしま
うのを防止することができる。
【0175】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第5実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0176】次に、本発明の開封部材の第7実施例を説
明する。図9は、本発明の開封部材の第7実施例を示す
断面斜視図である。なお、前述した第5実施例の開封部
材1との共通点については説明を省略し、主な相違点を
説明する。
【0177】同図に示すように、この第7実施例の開封
部材1では、操作部4に、後述する切離部3の所定のリ
ブ72と係合し、弾性変形可能な複数の係合爪91(第
2の係合部)が形成されている。各係合爪91は、それ
ぞれ、隣接する係合爪91と係合爪91とが所定距離離
間するように配置されている。
【0178】また、各係合爪91は、それぞれ、弾性変
形し、その端部911が切離部3の外周面32(隣接す
る2つのリブ72の間の部分)に圧接した状態にある。
【0179】なお、隣接する係合爪91と係合爪91と
の間の部分および操作部4の中空部41は、それぞれ、
切離部3が破断分離された際、この開封部材1の流路の
一部となる。
【0180】また、操作部4の内周面42には、切離部
3を軸方向に案内する複数のリブ92がそれぞれ軸方向
に沿って形成されている。
【0181】切離部3は、棒状の中実の部材であり、そ
の基端部の外周面32には、複数のリブ72(第1の係
合部)がそれぞれ周方向に沿って形成されている。これ
らのリブ72は、開封部材1の軸方向に沿って等間隔に
並設されている。
【0182】また、この切離部3の先端部の外径は、前
記操作部4のリブ92の部分の内径より若干小さく設定
される。
【0183】前記操作部4の複数の係合爪91と、切離
部3の複数のリブ72とで、切離部保持機構が構成され
る。
【0184】なお、本発明では、切離部3の複数のリブ
72が省略されていてもよい。前記リブ72が省略され
ている場合には、操作部4の複数の係合爪91と、切離
部3の外周面32とで、切離部保持機構が構成され、破
断分離された切離部3は、係合爪91の端部911と切
離部3の外周面32との摩擦力により保持される。
【0185】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、切離部3を破断分
離する操作を行う。
【0186】この場合、接続部5またはチューブ81を
介して開封部2を把持するとともに、接続部5またはチ
ューブ82を介して操作部4を把持し、開封部材1を薄
肉脆弱部6の近傍で図9中下側に折り曲げる。
【0187】これにより、切離部3が、薄肉脆弱部6の
図9中下側の部分を支点にして図9中下側に折れ曲がり
(反時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6のうちの図9中
下側の部分を除く部分が破断する。
【0188】一方、操作部4の図9中下側の部分と開封
部2の図9中下側の部分とが接近し、これにより、接続
部5の図9中下側の部分が座屈により内側(図9中上
側)が凸となるように湾曲する。
【0189】前記切離部3が薄肉脆弱部6の図9中下側
の部分を支点にして図9中下側に折れ曲がることと、前
記操作部4の図9中下側の部分と開封部2の図9中下側
の部分とが接近することにより、切離部3が操作部4の
リブ92に沿って操作部4に対して相対的に先端側に移
動する。この際、操作部4の各係合爪91は、それぞ
れ、切離部3のリブ72を乗り越え、所定のリブ72と
係合する。
【0190】次いで、開封部材1を薄肉脆弱部6の近傍
で図9中上側に折り曲げる。これにより、切離部3が、
薄肉脆弱部6の図9中上側の部分を支点にして図9中上
側に折れ曲がり(時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6の
図9中下側の部分が破断する。
【0191】すなわち、薄肉脆弱部6全体が破断し、切
離部3が開封部2から分離され、流路が開通する。
【0192】そして、操作部4から手を離すと、接続部
5の形状が元の形状に戻り、これに伴って、前記切離部
3は、開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距
離離間した位置に移動する。
【0193】破断分離された切離部3は、その所定のリ
ブ72が操作部4の各係合爪91に係止されることで、
開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距離離間
した位置に保持される。
【0194】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第5実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0195】次に、本発明の開封部材の第8実施例を説
明する。図10は、本発明の開封部材の第8実施例を示
す断面斜視図である。なお、前述した第2実施例の開封
部材1との共通点については説明を省略し、主な相違点
を説明する。
【0196】同図に示す第8実施例の開封部材1は、輸
液容器11に接続された少量容器12の開封部材であ
る。
【0197】少量容器12は、軟質のチューブで一体的
に形成された容器部121と、接続部5と、操作部4と
で構成されている。すなわち、少量容器12の先端部
が、操作部4および接続部5になっている。
【0198】この少量容器12は、比較的容量の大きい
軟質の輸液容器11の内部に挿入され、その輸液容器1
1に接続(固着)されている。輸液容器11内には、所
定の内容物が収納されている。
【0199】この輸液容器11内に収納される内容物と
しては、特に限定されず、例えば、生理食塩水、電解質
溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射
用水、その他、薬液等の液体が挙げられる。
【0200】また、少量容器12内、すなわち、容器部
121と、後述する開封部2と、切離部3とで囲まれた
空間(中空部)には、所定の内容物(例えば、薬液等の
液体や各種粉体)が収納されている。
【0201】この少量容器12に収納される内容物とし
ては、特に限定されず、例えば、抗生物質、ビタミン剤
(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血
栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注
麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホル
モン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫
賦活剤、輸液容器11内のpHを調整するpH調整用重
曹液のようなpH調整剤等が挙げられる。
【0202】開封部2は、前記少量容器12の内部に挿
入され、接続部5に接続(固着)されている。
【0203】接続部5には、複数の側孔52が形成され
ている。これにより、切離部3を破断分離した際、容易
に、少量容器12内に収納されている内容物をその少量
容器12内から排出させ、輸液容器11内に導入するこ
とや、輸液容器11内に収納されている内容物を少量容
器12内に導入することができる。
【0204】操作部4の先端部には、後述する切離部3
のリブ73、74に係合可能であり、内側にリング状の
凸部を形成する縮径部(第2の係合部)45が設けられ
ている。この縮径部45は、切離部3のリブ73の先端
側に位置している。
【0205】切離部3の外周面32には、2つのリブ7
3、74(第1の係合部)が、それぞれ、切離部3の周
方向に沿って形成されている。これらのリブ73、74
は、開封部材1の軸方向に沿って並設されている。な
お、リブ74は、リブ73から基端側に所定距離離間し
た位置に配置されている。
【0206】前記少量容器12は、単層の容器でもよ
く、また、多層の容器でもよい。例えば、少量容器12
は、一般的なポリオレフィン系樹脂の層で形成されてい
てもよく、また、薬剤吸着の少ない前記ポリエステル類
の層と、ガスバリヤー性に優れるエチレンビニルアルコ
ール共重合体の層との積層体で形成されていてもよい。
後者の場合には、収納された内容物をより安定的に保存
することができるとともに、開封部2および輸液容器1
1との接続を容易かつ確実に行うことができる。
【0207】また、操作部4の縮径部45は、例えば、
操作部4の先端部をシールする等、熱加工で形成するこ
とができる。
【0208】なお、操作部4の縮径部45と、切離部3
の2つのリブ73、74とで、切離部保持機構が構成さ
れる。
【0209】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、切離部3を破断分
離する操作を行う。
【0210】この場合、輸液容器11を介して開封部2
および操作部4をそれぞれ把持し、開封部材1を薄肉脆
弱部6の近傍で図10中下側に折り曲げる。
【0211】これにより、切離部3が、薄肉脆弱部6の
図10中下側の部分を支点にして図10中下側に折れ曲
がり(反時計回りに回転し)、薄肉脆弱部6のうちの図
10中下側の部分を除く部分が破断する。
【0212】一方、操作部4の図10中下側の部分と開
封部2の図10中下側の部分とが接近し、これにより、
接続部5の図10中下側の部分が座屈により内側(図1
0中上側)が凸となるように湾曲する。この際、切離部
3のリブ73により、操作部4の縮径部45が押し広げ
られ、縮径部45のうちの図10中上側の部分を除く部
分がリブ73を乗り越える。
【0213】次いで、開封部材1を薄肉脆弱部6の近傍
で図10中上側に折り曲げる。これにより、切離部3
が、薄肉脆弱部6の図10中上側の部分を支点にして図
10中上側に折れ曲がり(時計回りに回転し)、薄肉脆
弱部6の図10中下側の部分が破断する。すなわち、薄
肉脆弱部6全体が破断し、切離部3が開封部2から分離
され、流路が開通する。
【0214】一方、操作部4の図10中上側の部分と開
封部2の図10中上側の部分とが接近し、これにより、
接続部5の図10中上側の部分が座屈により内側(図1
0中下側)が凸となるように湾曲する。この際、切離部
3のリブ73により、操作部4の縮径部45が押し広げ
られ、縮径部45のうちの図10中上側の部分がリブ7
3を乗り越える。
【0215】このようにして、操作部4の縮径部45全
体が切離部3のリブ73とリブ74との間に移動する。
【0216】そして、操作部4から手を離すと、接続部
5の形状が元の形状に戻り、これに伴って、前記切離部
3は、開封部2の中空部21の先端から先端側に所定距
離離間した位置に移動する。
【0217】破断分離された切離部3は、操作部4の縮
径部45と切離部3のリブ73および74とで構成され
る切離部保持機構により、開封部2の中空部21の先端
から先端側に所定距離離間した位置に保持される。
【0218】すなわち、切離部3が基端側に移動しよう
とする場合には、操作部4の縮径部45によりそのリブ
73が係止され、これにより切離部3の基端側への移動
が阻止され、逆に、切離部3が先端側に移動しようとす
る場合には、操作部4の縮径部45によりそのリブ74
が係止され、これにより切離部3の先端側への移動が阻
止される。
【0219】少量容器12内に収納されている内容物が
液体の場合には、流路が開通した後、例えば、輸液容器
11を介して指で少量容器12を数回圧迫するか、また
は、少量容器12を振盪させる。これにより、少量容器
12内に収納されている液体は、前記流路を通って、輸
液容器11内に導入され、これにより、前記液体と輸液
容器11内に収納されている液体とを効率よく混合させ
ることができる。
【0220】この後、輸液容器11を振盪して薬液を均
一になるように攪拌する。これにより、薬液の調製が完
了する。
【0221】また、少量容器12内に収納されている内
容物が粉体の場合には、流路が開通すると、輸液容器1
1内の液体は、その流路を通って少量容器12内に迅速
に流入する。これにより、前記液体と前記粉体を効率よ
く混合・溶解させることができる。なお、このとき、液
体の流通や混合・溶解を促進させるために輸液容器11
を外側から圧迫したり振盪したりしてもよい。
【0222】粉体を完全に溶解した後、輸液容器11を
振盪して薬液を均一になるように攪拌する。これによ
り、薬液の調製が完了する。
【0223】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第2実施例の開封部材1と同様の効果が
得られる。
【0224】また、予め混合しておくと経時的に不安定
な内容物を輸液容器11と少量容器12とに分離して収
納しておき、使用直前に、開封部材1の流路を開通さ
せ、これらを混合することができるので、前記内容物を
安定的に保存することができる。
【0225】そして、破断分離された切離部3は、切離
部保持機構により開封部2の中空部21の先端から先端
側に所定距離離間した位置に保持されるので、開封部材
1の流路を開通させ、前記内容物を混合する際や、その
後において、前記切離部3が開封部2の中空部21の先
端を塞いでしまうのを防止(切離部3が開封部2の中空
部21の先端の一部分を塞いで流路抵抗を上昇させた
り、また、切離部3が開封部2の中空部21の先端を再
度封止してしまうことを防止)することができるととも
に、前記切離部3が操作部4の先端から輸液容器11内
に排出されてしまい、輸液容器11内に浮遊してしまう
のを防止することができる。
【0226】また、少量容器12、操作部4および接続
部5を一体で作ることができるため、少量容器12を含
む開封部材1を2部材で作製することができ、これによ
り、大量生産時のコストダウンにも寄与する。
【0227】次に、本発明の開封部材の第9実施例を説
明する。図11は、本発明の開封部材の第9実施例を示
す断面斜視図である。なお、前述した第5実施例の開封
部材1との共通点および第8実施例の開封部材1との共
通点については説明を省略し、主な相違点を説明する。
【0228】同図に示すように、この第9実施例の開封
部材1では、容器14は、硬質の容器本体141と、こ
の容器本体141の基端部に接続(固着)された硬質の
蓋142とで構成されている。
【0229】また、容器本体141は、一体的に形成さ
れた容器部143と、接続部5と、操作部4とで構成さ
れている。すなわち、容器本体141の先端部が、操作
部4および接続部5になっている。
【0230】容器14、すなわち、蓋142と、容器部
143と、開封部2と、切離部3とで囲まれた空間(中
空部)には、所定の内容物が収納されている。
【0231】この容器14は、比較的容量の大きい軟質
の容器13の内部に挿入され、その容器13に接続(固
着)されている。容器13内には、所定の内容物が収納
されている。
【0232】開封部2は、前記容器部143の内部に挿
入され、接続部5に接続(固着)されている。
【0233】接続部5の構造(形状)は、前述した第6
実施例の開封部材1と同様に、螺旋状である。すなわ
ち、接続部5は、複数の螺旋状の接続部材51で構成さ
れている。
【0234】これにより、切離部3を破断分離する際の
操作に必要な力を比較的小さくすることができ、これに
より、容易かつ確実に切離部3を破断分離することがで
きる。
【0235】また、隣接する2つの接続部材51の間に
所定の隙間があるので、切離部3を破断分離した際、容
易に、容器14に収納されている内容物をその容器14
から排出させ、容器13内に導入することや、容器13
に収納されている内容物を容器14内に導入することが
できる。
【0236】切離部3および操作部4は、例えば、硬質
の樹脂で形成される。前記切離部3および操作部4の構
造等は、それぞれ、前述した第5実施例の開封部材1の
それと同様であるので、説明を省略する。
【0237】前記開封部材1の構成材料や製造方法等
は、特に限定されないが、以下、その1例を説明する。
【0238】まず、封止部2を容器本体141(接続部
5)に熱融着で接続し、この後、所定の内容物を容器本
体141の基端開口からその内部に分注する。
【0239】次いで、蓋142を容器本体141の基端
部に超音波融着で固着して前記基端開口を封止し、この
後、容器14を容器13の図示しない挿入口からその内
部に挿入する。
【0240】次いで、熱融着により、前記挿入口を封止
するとともに、容器14を容器13に接続する。
【0241】次に、開封部材1の作用を説明する。開封
部材1の流路を開通させる場合には、前述した第5実施
例の開封部材1や第8実施例の開封部材1と同様に、切
離部3を破断分離する操作を行う。
【0242】これにより、薄肉脆弱部6が破断し、切離
部3が開封部2から分離され、流路が開通するととも
に、操作部4の圧接部47の基端部471と切離部3の
所定の溝71とが係合する。
【0243】そして、破断分離された切離部3は、その
溝71が操作部4の圧接部47の基端部471に係止さ
れることと、溝71の内側面と圧接部47の基端部47
1との摩擦力とにより、開封部2の中空部21の先端か
ら先端側に所定距離離間した位置に保持される。
【0244】以上説明したように、この開封部材1によ
れば、前述した第5実施例の開封部材1や第8実施例の
開封部材1と同様の効果が得られる。
【0245】また、容器14に内容物(例えば、少量の
薬剤)を収納(分注)した後、その容器14を容器13
に接続することができるので、完成した大型、大重量の
容器に薬剤を分注するものに比べ、薬剤の分注作業の手
間とその分注作業にかかるコストとを軽減することがで
きる。
【0246】以上、本発明の開封部材を、図示の各実施
例に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定される
ものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意
の構成のものに置換することができる。
【0247】例えば、本発明では、前記各実施例の所定
の構成(例えば、構造、物性、構成材料等の構成要件)
を適宜組み合わせてもよい。
【0248】また、本発明では、リブ(凸条)や溝に限
らず、例えば、凸部や凹部により切離部保持機構を構成
してもよい。すなわち、凸部と凹部で切離部保持機構を
構成してもよく、また、凸部と凸部で切離部保持機構を
構成してもよく、また、凸部と溝で切離部保持機構を構
成してもよく、また、凸部とリブ(凸条)で切離部保持
機構を構成してもよい。
【0249】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の開封部材
によれば、分離後の切離部は、切離部保持機構により、
開封部の中空部の一端(開口)から所定距離離間した位
置に保持されるので、前記切離部が開封部中空部の一端
(開口)を塞いでしまうのを防止することができるとと
もに、前記切離部が開封部材から排出されてしまうのを
防止することができる。
【0250】従って、本発明の開封部材を、例えば、使
用する際に薬液等の内容物を混合する医療用の容器に適
用した場合には、容易かつ迅速に混合操作を行うことが
でき、また、分離後の切離部を異物として誤認してしま
うのを防止することができる。
【0251】また、本発明の開封部材を、例えば、薬液
等の内容物が収納された容器本体に予めチューブが接続
された医療用の容器に適用した場合には、分離後の切離
部を異物として誤認してしまうのを防止することができ
る。
【0252】また、本発明の開封部材を、例えば、尿等
の体液を回収する回収容器に適用した場合には、分離後
の切離部を異物として誤認してしまうのを防止すること
ができ、また、体液回収後の廃棄処理の際、容易かつ確
実に、廃棄すべきもののみを廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開封部材の第1実施例を示す断面図で
ある。
【図2】図1に示す開封部材の薄肉脆弱部を破断する途
中の状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す開封部材の薄肉脆弱部を破断した状
態を示す断面図である。
【図4】本発明の開封部材の第2実施例を示す断面斜視
図である。
【図5】本発明の開封部材の第3実施例を示す断面斜視
図である。
【図6】本発明の開封部材の第4実施例を示す断面斜視
図である。
【図7】本発明の開封部材の第5実施例を示す断面斜視
図である。
【図8】本発明の開封部材の第6実施例を示す断面斜視
図である。
【図9】本発明の開封部材の第7実施例を示す断面斜視
図である。
【図10】本発明の開封部材の第8実施例を示す断面斜
視図である。
【図11】本発明の開封部材の第9実施例を示す断面斜
視図である。
【符号の説明】
1 開封部材 2 開封部 21 中空部 211 先端開口 22 接続部 23 溝 3 接離部 31 中空部 32 外周面 33 リブ 331、332 面 34 側孔 35 テーパ面 36 溝 361、362 側面 37 テーパ面 38 圧接部 381 凸部 39 スリット 4 操作部 41 中空部 42 内周面 43 リブ 431、432 面 44 フランジ 45 縮径部 46 溝 47 圧接部 471 基端部 472 先端部 48 スリット 5 接続部 51 接続部部材 52 側孔 6 薄肉脆弱部 71 溝 72〜74 リブ 81、82 チューブ 91 係合爪 911 端部 92 リブ 11 輸液容器 12 少量容器 121 容器部 13、14 容器 141 容器本体 142 蓋 143 容器部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 77/08 A61J 1/08 D (72)発明者 松本 淳 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AB81 AC06 BB14A BB15A BB16A EB15 4C077 AA06 AA11 AA19 DD24 DD25 EE04 KK17 KK25

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する開封部と、 前記中空部の一端を封止し、前記開封部に対し破断分離
    可能に接合された切離部と、 前記切離部を破断分離する操作を行う操作部と、 前記開封部と前記操作部とを接続する変形可能な接続部
    とを備え、 前記操作部を前記開封部に対して相対的に変位させるこ
    とにより前記切離部を破断分離し、これにより流路を開
    通させる開封部材であって、 前記操作部による前記切離部の破断分離操作に伴って、
    前記分離後の切離部を前記中空部の一端から所定距離離
    間した位置に移動させる切離部移動機構と、 前記切離部を前記中空部の一端から所定距離離間した位
    置に保持する切離部保持機構とを設けたことを特徴とす
    る開封部材。
  2. 【請求項2】 前記所定距離は、前記切離部の破断分離
    によって生じる開口部分の半径の長さに対して0.5〜
    3.5倍の長さである請求項1に記載の開封部材。
  3. 【請求項3】 前記接続部より前記操作部の方が剛性が
    高い請求項1または2に記載の開封部材。
  4. 【請求項4】 前記切離部保持機構は、前記切離部に設
    けられた第1の係合部と、前記操作部に設けられ、該第
    1の係合部と係合する第2の係合部とを備える請求項1
    ないし3のいずれかに記載の開封部材。
  5. 【請求項5】 前記第1の係合部および前記第2の係合
    部は、これらを係合させるときの抵抗より、該係合を外
    すときの抵抗の方が大きくなるように構成されている請
    求項4に記載の開封部材。
  6. 【請求項6】 前記切離部保持機構は、前記切離部およ
    び前記操作部の一方を他方に圧接させることにより前記
    切離部を保持する圧接手段を備える請求項1ないし5の
    いずれかに記載の開封部材。
  7. 【請求項7】 前記切離部が前記中空部の一端から所定
    距離離間した位置に保持されているときの該切離部の移
    動抵抗は、前記切離部が前記中空部の一端から所定距離
    離間した位置より前記開封部側に位置しているときの該
    切離部の移動抵抗より大きい請求項6に記載の開封部
    材。
  8. 【請求項8】 前記開封部は、硬質の樹脂で形成されて
    いる請求項1ないし7のいずれかに記載の開封部材。
  9. 【請求項9】 前記操作部は、硬質の樹脂で形成されて
    いる請求項1ないし8のいずれかに記載の開封部材。
  10. 【請求項10】 前記接続部は、軟質の樹脂で形成され
    ている請求項1ないし9のいずれかに記載の開封部材。
  11. 【請求項11】 前記接続部は、曲げ方向に伸縮可能な
    構造を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の開
    封部材。
  12. 【請求項12】 前記接続部は、前記操作部に一体的に
    形成された少なくとも1つの螺旋状の部材で構成されて
    いる請求項1ないし10のいずれかに記載の開封部材。
  13. 【請求項13】 前記接続部は、前記開封部と前記操作
    部とを液密に接続する請求項1ないし10のいずれかに
    記載の開封部材。
  14. 【請求項14】 前記開封部と前記切離部とが破断可能
    な薄肉脆弱部で接合されている請求項1ないし13のい
    ずれかに記載の開封部材。
  15. 【請求項15】 前記切離部移動機構は、前記切離部に
    設けられ、外径が前記開封部から前記操作部に向って漸
    増している部分を有し、その部分が、前記操作部による
    前記切離部の破断分離操作に伴って、前記接続部に接触
    するよう構成されている請求項1ないし14のいずれか
    に記載の開封部材。
  16. 【請求項16】 前記切離部は、前記開封部と反対側に
    開放した中空部と、、一端が該中空部に連通し、他端が
    該切離部の側部に開放した少なくとも1つの側孔とを有
    する請求項1ないし15のいずれかに記載の開封部材。
  17. 【請求項17】 前記開封部材は、軟質のチューブの内
    部または端部、軟質の容器の内部または端部、容器と容
    器の接続部、あるいは容器とチューブの接続部に設けら
    れる請求項1ないし16のいずれかに記載の開封部材。
JP11172466A 1999-06-18 1999-06-18 開封部材 Pending JP2001002127A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11504517B2 (en) 2015-12-11 2022-11-22 Nxstage Medical, Inc. Fluid line connector devices methods and systems

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