JP2001000366A - 介護台 - Google Patents

介護台

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JP2001000366A
JP2001000366A JP11177519A JP17751999A JP2001000366A JP 2001000366 A JP2001000366 A JP 2001000366A JP 11177519 A JP11177519 A JP 11177519A JP 17751999 A JP17751999 A JP 17751999A JP 2001000366 A JP2001000366 A JP 2001000366A
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nursing
floor
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JP11177519A
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English (en)
Inventor
Hisashi Nogaki
久 野垣
Takanori Matsuno
孝則 松野
Eiji Nagashima
英司 長島
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】身障者向けのトイレ空間等に設置される場合
に、設置・撤去・交換工事が容易で、移乗面の設置高さ
の調節が可能で、使用者の通行・移動および安全で快適
な使用に好適な介護台を提供することを目的とする。 【解決手段】介護台のベースを床面上への突出を小さく
するよう床に固定し、ベースと支柱を分離可能に形成す
るとともに、支柱取付け高さの調節機構、移乗部取付高
さの調節機構、移乗部の開閉機構、移乗部の上下動機
構、移乗部上下動の同期機構を付加したので、本体の設
置、交換、撤去作業が容易な上、安全で快適に使用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身障者向けのトイ
レ空間等に設置され、高齢者や身障者等が移乗できる介
護台に係り、設置・撤去・交換工事の簡略化、移乗面の
設置高さ調節、使用者の通行・移動および安全で快適な
使用に好適な介護台の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に従来の介護台の側面断面図を示
す。
【0003】介護台は、主に移乗部10、支柱20、お
よびベース30から形成される。
【0004】移乗部10は、高齢者や身障者が上面に移
乗し横たわるために十分な面積を有する移乗面11を備
え、下方をアーム12に支持される。
【0005】アーム12は、支柱側への延伸部分に設け
た取付穴14とアームストッパー13によって、移乗面
11が略水平になるよう支柱20に対して取付けられ
る。
【0006】移乗面11の高さは、車いすからの移乗や
介護が可能な高さに固定されている。
【0007】略鉛直に形成される支柱20は、移乗部1
0への荷重に対し十分な剛性を得られるよう、下面をベ
ース30に接合されるとともに、下方とベース30前方
との間にすじかい状の補強部材32が斜めに接合され
て、所定の強度・剛性を確保している。
【0008】上記構造の介護台は、トイレ空間等の壁面
1または間仕切り等に背面を向けて設置され、床仕上面
3または壁面1にアンカーボルト等の固定手段5,7で
固定される。
【0009】しかし、壁面1は表面を化粧され、強度が
保証されない場合も多く、介護台への荷重を支えきれず
壁面固定部が破壊されることもある。
【0010】床仕上面3に固定される場合は、建造物の
建築完了後に設置することになるが、床仕上面3の強度
は必ずしも十分ではなく、所定の固定強度が得られない
こともある。
【0011】また、床仕上面3にはベース30、床固定
手段5、補強部材32等多くの部材が突出し、上方では
移乗部10が前方に突出するため、車いすの通行や移
動、歩行を妨害することになる。
【0012】そこで、強度の保証されている床基礎面2
に設置し、一部を床仕上面3下に埋設することが考えら
れるが、種々の問題があり、実施には至っていない。
【0013】すなわち、床仕上面3下に一部を埋設する
ことにより、床仕上面3上の突出寸法を低減することは
ある程度可能であるが、補強部材32や床固定手段5の
寸法が大きい場合には、床仕上面3上の突出部を通行の
妨害にならない程度に抑えることが困難である。
【0014】また、床仕上面3は同じ建造物でも場所に
よって例えば50mm〜150mm程度の様々な厚さであ
り、ベース30下面から移乗面11までの高さが一様で
あれば、結果的に床仕上面3から移乗面11までの高さ
が設置場所によって異なり、使用上適切な高さが保証さ
れない。
【0015】このとき、設置場所の床仕上面3の厚さに
応じた異なる高さの介護台を作成することも考えられる
が、床仕上面3の厚さの途中変更や、介護台の品質・コ
スト面から、どの設置場所に対しても同一の介護台にて
対応できることが望ましい。
【0016】さらに、床仕上面3下に設置する場合は、
建築途中の現場に寸法・質量の大きい介護台を設置する
ため、設置作業が容易であるとは言い難い上、設置後に
壁面1の仕上工事を行う工程では、支柱20の陰になる
部分の仕上工事等が困難となる。
【0017】その他、床仕上面3下に設置する場合は、
機材の老朽化による介護台の交換や、トイレ空間の改造
・改築等では介護台の撤去のために床の掘削等大掛りな
工事が必要となる。
【0018】移乗部10が常に略水平に固定されている
場合、前方への突出が大きく、限られたトイレ空間をさ
らに圧迫するという問題もある。
【0019】介護台は、例えば車いす使用者等が介護者
を伴って、車いすから移乗面11へ移乗し、オムツの交
換等を行った後、再び車いすに移乗する等の用途に使用
される。
【0020】移乗面11の高さは、車いすからの移乗
時、オムツ交換時、車いすへの移乗時のそれぞれで望ま
しい高さが異なるのに対し、移乗面11の高さが固定さ
れているため、使いやすいとは言い難い。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】第1の課題として、介
護台の固定に壁面1を利用しており、介護台への荷重を
壁面1で受けるので、壁面1の破壊が誘発されることが
挙げられる。
【0022】第2の課題として、床仕上面3上への突出
寸法が大きく、車いす等による通行・移動を妨害するお
それがあることが挙げられる。
【0023】第3の課題として、介護台を構成するベー
ス30と支柱20が一体となっているので、ベース30
の一部を床に埋設する場合に、床仕上面3の厚さによっ
て移乗面11の高さが著しく異なり、適切な高さに調整
して設置することが困難であることが挙げられる。
【0024】第4の課題として、介護台を構成するベー
ス30と支柱20が一体となっているので、建造物の壁
1の工事等が困難で、前記介護台が不要になったときの
撤去が困難であるとともに、前記介護台以外の補助具等
を付け替えるためには、壁1または床3の工事が不可欠
であり、特に床3はベース設置面まで掘削する必要が生
じることが挙げられる。
【0025】第5の課題として、移乗部10が前方に突
出しているので、車いすの通行や歩行の妨害となってい
ることが挙げられる。
【0026】第6の課題として、移乗面11の高さが固
定されており、車いすからの移乗、オムツ交換、車いす
への移乗等それぞれの好適な高さに対し、必ずしも対応
できないことが挙げられる。
【0027】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、設置・撤去・交換工事が
容易で、使用上適切な高さに設置可能で、使用者の通行
・移動を妨げることなく安全かつ快適に使用できる介護
台を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】上記
目的を達成するための、請求項1に該当する手段とし
て、介護台のベース30を床に固定し、壁面1への荷重
の伝達を防止する構造とした。
【0029】その結果、介護台にかかる荷重のすべてを
床で受けることができ、壁面1の破壊を誘発することが
ない。
【0030】請求項2に該当する手段として、強度の保
証された床基礎面2へ固定し、ベース30の一部が床仕
上面3下に埋設される構造とした。
【0031】その結果、介護台の固定強度が確保され、
安心して使用できる。
【0032】請求項3に該当する手段として、ベース3
0を床基礎面2に固定する床固定手段5は高さの小さい
もので構成し、床仕上面3上への突出をなくす構造とし
た。
【0033】その結果、車いすの通行や歩行を妨げるこ
となく安全に使用できる。
【0034】請求項4に該当する手段として、支柱20
とベース30を分離可能な構造とした。
【0035】その結果、建築途中の段階においては、介
護台全体の設置に先駆けて、支柱20のないベース30
のみを設置できるので、従来困難であった支柱20の背
面に当たる壁1の工事が容易になる。
【0036】また、介護台全体に比べて質量の小さいベ
ース30のみを設置するので、取り扱いが楽で、床仕上
面3の工事および介護台の設置工事が容易になる。
【0037】請求項5に該当する手段として、ベース3
0の支柱取付部41を床仕上面3から露出する構造とし
た。
【0038】その結果、床仕上面3を工事することな
く、ベース30への支柱20の取付けおよび取外しがで
き、介護台の交換や撤去が容易である。
【0039】請求項6に該当する手段として、ベース3
0の支柱取付部41を床仕上面3より上方に位置するよ
うな構造とした。
【0040】その結果、ベース30への支柱20の取付
けおよび取外しが楽な姿勢で作業できる。
【0041】請求項4〜6に記載するような、ベース3
0と支柱20とを分離した構造の場合、種々の利点があ
るが、従来のベース30と支柱20が一体に形成された
場合に比べ、ベース30と支柱20との連結部にガタ等
が生じ、使用者に安心を与えられない懸念がある。そこ
で、以下に示す請求項7〜12に記載の手段によって、
ベース30と支柱20とを分離した欠点を補うことが重
要である。
【0042】請求項7に該当する手段として、ベース3
0と支柱20とが相互の相対位置関係を固定される連結
構造とした。
【0043】その結果、ベース30と支柱20との間に
ガタがなく支柱20の揺動を抑えることができ、安心し
て使用することができる。
【0044】ベース30と支柱20との具体的な連結方
法として、以下に請求項8〜12に記載の手段を示す。
【0045】請求項8に該当する手段として、例えばベ
ース30の支柱取付部41および支柱20の一方を中空
とし、他方をその内側に嵌合可能な断面寸法に形成した
上、ボルト等締結要素を貫通させて抜け止めとする構造
が考えられる。
【0046】このとき、嵌合部の隙間をなくすような寸
法に設定すれば、ベース30に対する支柱20のガタを
抑制することができる。
【0047】ベース30および支柱20は所定の剛性を
確保するため金属材料で形成されるが、請求項9に該当
する手段として、嵌合部に例えば樹脂製の当て部材43
を介在させた。
【0048】その結果、ベース30の支柱取付部41お
よび支柱20の変形、摩耗、キズ等を防止し、長期間の
使用に耐えることができる。
【0049】その際、請求項11に該当する手段とし
て、当て部材43の角部を面取り形状にした。
【0050】その結果、ベース30の支柱取付部41と
支柱20とが容易に嵌合できる。
【0051】また、請求項10に該当する手段として、
当て部材43の材質を例えばポリアセタール(POM)
等の摩擦係数の小さい材料で形成した。
【0052】その結果、ベース30の支柱取付部41と
支柱20との嵌合がスムーズに行える。
【0053】ベース30の支柱取付部41と支柱20と
の連結構造については、請求項12に該当する手段とし
て、例えば両者にフランジ等を設け、フランジ部を締結
要素にて締結する構造等多様な連結方法が考えられる。
【0054】請求項13に該当する手段としては、支柱
20の取付高さが調節可能な構造とした。
【0055】その結果、床仕上面3の厚さが異なる場所
に設置した際にも、移乗部10を好適な高さに調節し、
設置することが可能となった。
【0056】請求項14に該当する手段としては、ベー
ス30のうち、支柱20との連結部分より前方に位置す
る部分の床仕上面3上への突出寸法の小さい構造とし
た。
【0057】すでに請求項3に記載の手段によって、ベ
ース30を床に固定する床固定手段5の高さを小さくし
たが、ベース30の突出寸法をも小さく抑えることによ
って、車いすの通行・行動範囲をより広く確保し、一層
安全に使用できる。
【0058】この場合、ベース30の支柱取付部41に
は支柱が取付けられ、車いすや歩行者は支柱より前方に
位置することになるので、実質的に車いすが通行する可
能性のある範囲において、床仕上面上への突出を抑えれ
ばよい。
【0059】このとき、請求項15に該当する手段とし
て、ベース30のうち、支柱20より前方に位置する部
分の床仕上面3上への突出寸法を50mm以下とした。
【0060】その結果、車いすのフットレストとの干渉
を防止できるので、車いすの旋回が極めて容易になり、
さらに安全に使用できる。
【0061】請求項16に該当する特徴的な構成として
は、支柱20を複数設けた。
【0062】その結果、支柱20を軸とする移乗部10
の回転運動が容易に抑制され、移乗部10の安定性が向
上する。
【0063】請求項17に該当する手段としては、移乗
部10を支柱20に対して片持ちに支持される構造とし
た。
【0064】その結果、請求項14に記載の手段と併
せ、介護台前方において、移乗部10の下方には障害物
のない空間が得られ、車いす等の通行が容易になる。
【0065】請求項18に該当する手段としては、支柱
20と移乗部10との連結部付近を軸として、移乗部1
0が回動可能な構造とした。
【0066】その結果、車いす等の通行時に、移乗部1
0の干渉部分をよけることができ、車いす等の通行可能
範囲を広くすることができる。
【0067】請求項19に該当する手段としては、回動
可能な範囲を、移乗面11が略水平となる開状態から、
移乗面11が略鉛直となる閉状態までとした。
【0068】その結果、介護台の非使用時において、移
乗部10の前方突出寸法を減じ、車いす通行時等に、限
られた空間を有効に使用することができる。
【0069】請求項20に該当する手段として、例えば
電動機等の駆動手段51によって移乗部10を回動させ
る構造とした。
【0070】その結果、移乗部10の開閉に人力を要さ
ず、使用者または介護者等の負担を低減できる。
【0071】請求項21に該当する手段としては、移乗
部10の支柱20に対する取付高さを調節できる構造と
した。
【0072】その結果、床仕上面3の厚さが異なる場所
に設置した際にも、移乗部10を好適な高さに調節し、
設置することが可能となった。
【0073】請求項13に記載の手段と併用することに
より、移乗部10の高さ調節範囲を広くでき、調節ピッ
チの設定によってはより緻密な高さ調節が可能となる。
【0074】請求項22に該当する手段としては、移乗
部10の上下動が可能な構造とした。
【0075】その結果、同一の介護台でありながら、個
々の使用者の状態や使用の各段階に合わせて、移乗部1
0を好適な高さに設定できる。
【0076】例えば、車いすからの移乗時には移乗部1
0を低い位置に下降させ、移乗後は介護しやすい高い位
置に上昇させてオムツの交換等を行う。その後車いすへ
の移乗時には再び移乗部10を低い位置に下降させる
等、使用の各段階における好適な高さに昇降することに
より、使用者および介護者の負担を軽減することができ
る。
【0077】移乗部10の上下動は手動でもよいが、請
求項23に該当する手段としては、駆動手段50を設
け、駆動手段50によって上下動する構造とした。
【0078】その結果、介護者等の負担をさらに軽減す
ることができる。
【0079】請求項24に該当する手段としては、上下
動する移乗面11高さの下限値を床仕上面3からの高さ
で500mm以下とした。
【0080】車いすの座面高さが床面から400mm程度
であるため、移乗面11の床仕上面からの高さが500
mm以下であれば、車いすと移乗面11との間を容易に移
乗できる。
【0081】請求項25に該当する手段としては、上下
動する移乗面11高さの上限値を床仕上面3からの高さ
で600mm以上とした。
【0082】介護者の身長等の条件にもよるが、移乗面
11の床仕上面3からの高さが600mm以上であれば、
オムツ交換等の介護作業が容易である。
【0083】移乗部10が上下動する構造の場合、移乗
部10への荷重位置は移乗面11の中心とは異なること
が多く、そのため、移乗面11を傾ける力として作用す
る。
【0084】車いす等からの移乗時に移乗面11が傾く
と、使用者は恐怖感を与えられるため、安心して使用す
ることができなくなる。
【0085】そこで、請求項26に該当する手段とし
て、移乗部10の各所を同時に上下動する同期機構を設
けた構造とした。
【0086】その結果、移乗時や昇降時等の偏荷重がか
かった場合にも、移乗面11が傾かず、安心して使用す
ることができる。
【0087】請求項27に該当する手段として、移乗部
周辺に把手16〜18を設けた。
【0088】把手16を移乗部10の側方に設置すれ
ば、車いすとの間の移乗時に把手16をつかみ、安全に
移乗できる。
【0089】把手17を移乗部10下方に設置すれば、
移乗部10の手動開閉の動作が容易となる。
【0090】把手18を移乗部10上方に設置すれば、
移乗部10に乗った状態でつかむことができ、使用者ま
たは介護中における非介護者の落下を防止することがで
きる。
【0091】請求項28に該当する手段としては、介護
台の構造体にカバー60を設けた。
【0092】その結果、カバー60で介護台の支柱20
や移乗部の取付け部、上下動機構等を覆い隠すことがで
き、使用者等が構造体の可動部等に指を挟む等の事故を
防止し、安全に使用することができる。
【0093】請求項29に該当する手段としては、前記
カバー60にクッション性を持たせた構造とした。
【0094】その結果、使用者の患部等を保護でき、使
用者に苦痛を与えることなく、使用感、触感が向上す
る。
【0095】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下に本発明の
実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0096】図1は本発明における介護台の全体構成
図、図2は本発明における介護台の移乗部10を取り去
った構成図である。
【0097】図3は本発明における介護台の側面図、図
4は移乗部の上下動機構の模式図である。
【0098】図5は本発明における介護台の側面断面図
である。
【0099】介護台は主にベース30と移乗部10と両
者を連結する支柱20とから構成される。
【0100】ベース30はベースプレート31の上面に
左右2本の支柱支持棒33の下面を強固に接合して構成
され、さらに両者の間にはすじかい状の補強部材32が
斜めに接合されて所定の強度・剛性を確保している。
【0101】ベース30は必ずしも上述の形状でなくと
もよく、所定の荷重に耐え得る形状・構造であればよ
い。
【0102】ベースプレート31は床への固定穴35を
備え、アンカー等の床固定手段5によって、床基礎面2
へ固定される。
【0103】床基礎面2はコンクリート強度が保証さ
れ、アンカー等の床固定手段5は床基礎面2からの引き
抜き強度が保証されているため、ベース全体30は建造
物の床に対し強固に固定されることになる。
【0104】ベース30と支柱20との間は、後に説明
する構造によって強固に連結されるので、結果的に介護
台全体は過重の大小に係らず、床基礎面2に対して所定
の位置関係に保持されることになる。
【0105】この場合、床への固定のみで移乗部10に
かかる荷重を支えることができるので、仮に壁固定手段
7を併用しても壁面1に伝達される荷重は小さく、壁面
1を破壊することはないばかりか、壁固定手段7そのも
のを図3のように省略可能である。
【0106】また、床固定手段5として、雌ネジを形成
したアンカー等を使用すれば、ベースプレート31上に
ボルトの頭が突出するだけの小さい高さ寸法で固定する
ことが可能である。
【0107】例えば、実現可能な寸法として、床仕上面
3の厚さが50mm、ベースプレート31の厚さを20
mm、ボルトの頭の高さを15mmとすると、設置面からボ
ルトの頭上面までの高さh3は35mmとなるが、これら
は床仕上面3の厚さより薄く、床の仕上後は床仕上面3
より下に完全に隠れ、車いすの通行や歩行の妨害とはな
らずに安全に使用できる。
【0108】補強部材32は支柱支持棒33への接合部
でのもっとも高い位置h1から斜めに接合されているの
で、支柱20から離れるに従って、床仕上面3からの突
出寸法は小さくなる。
【0109】一方、車いすの通行や旋回にとって、床仕
上面3からの突出物は全くないことが理想的であるが、
壁面1や柱状の根元付近では車輪が通過することは少な
く、フットレストとの干渉さえなければ、車いすの通行
や旋回の範囲を著しく狭めることはない。
【0110】すなわち、車いすのフットレストは下面の
高さが50mmと規定されており、その寸法以下の突出
物であれば、車いすの旋回の障害にはならないといえ
る。
【0111】また、補強部材32の鉛直上方にはすでに
移乗部10があり、後に述べるように移乗部10が開閉
できる場合にも、移乗部10は前方に突出することにな
るので、車いすの車輪が支柱20の直前を通過すること
はあり得ない。
【0112】したがって、ベース30のうち支柱支持棒
33より前方に位置する部分の最大高さを小さくするこ
とによって、車いすのフットレストとの干渉を緩和する
ことができる。
【0113】特に、補強部材32の支柱20への接合部
の高さを床仕上面3から50mm以下に形成すれば、車い
すの通行や旋回を妨害することなく、安全に使用でき
る。
【0114】床へのベース30埋設手順については、床
仕上面3の工事の際にベース30のみをまだ露出してい
る床基礎面2に設置し、通常の床仕上工事を行うことに
なる。
【0115】このとき、ベース30が支柱30と分離さ
れているので、ベース30のみの質量は小さく、取り扱
いが楽で、工事が容易である。
【0116】また、支柱支持棒33の上方に形成した支
柱取付部41は床仕上面3より露出しているため、支柱
20の取付け取外しが床工事を伴わずに何度でもでき、
例えば介護台の老朽化による交換や、他の補助具等への
取替えが容易である。
【0117】図3では支柱取付部41が床仕上面3より
上方に突出しているが、従来の介護台に比べれば突出寸
法は小さく、床や壁等の工事は大幅に容易となる。
【0118】また、支柱取付部41は、例えば床仕上面
3と同一高さあるいは床仕上面3より下に構成されて
も、作業可能な程度に床仕上面3から露出していればど
のような構造でも良いが、図3のように床仕上面3より
上方に位置していれば、支柱20の取付け、取外しが極
めて楽な姿勢で作業できる。
【0119】支柱支持棒33や支柱20等の棒状または
柱状の部材は、全体の軽量化と材料費の低減のため、中
空の鋼管または型鋼にて形成されることが常識といえ
る。
【0120】中でも所定寸法範囲でできるだけ剛性の大
きい材料として、角型鋼管またはH型鋼、すなわち断面
形状が四角形のパイプ状またはアルファベットのHの形
を成す構造部材が有利である。
【0121】支柱支持棒33がパイプ状の材料で構成さ
れた場合、トイレ空間等の清掃時に水がかかり、支柱支
持棒33内部に水が溜まることが想定される。
【0122】支柱支持棒33下部は床仕上面3下に埋設
されているので、内部に溜まった水は抜け出ることはな
く、腐敗して悪臭の元となったり、害虫の産卵場所とな
ったり、支柱支持棒33の腐食を誘発することとなる。
【0123】そこで、支柱支持棒33の床仕上面3に該
当する位置に水抜き穴47を設けた。
【0124】このとき、水抜き穴47を上下に長い形状
としたので、様々に異なる床仕上面3に対応することが
できる。
【0125】また、同じ目的で、高さ位置が互いに異な
る複数の水抜き穴47を設けてもよい。
【0126】床仕上面3の工事の際に、コンクリート等
は水抜き穴47から支柱支持棒33内部に流れ込むの
で、支柱支持棒33内部の床仕上面3と支柱支持棒33
周囲の床仕上面3とは同一の高さに形成される。
【0127】また、水抜き穴47は床仕上面3上面より
高い位置まで連続しているので、支柱支持棒33内部に
侵入した水は、水抜き穴47を通って容易に支柱支持棒
33外部へ流出する。
【0128】従って、支柱支持棒33内部に水が溜まる
ことはなく、悪臭の発生、害虫の繁殖、支柱支持棒33
の腐食等を防止することができる。
【0129】図6は支柱取付部41と支柱20との連結
部の正面詳細図である。
【0130】中空の2本の支柱は上方を梁27で連結さ
れて門型に形成され、下方内部に、支柱支持棒33の上
方に設けられた支柱取付部41が嵌合される。
【0131】この両者の嵌合によって、たとえ他の取付
け方法を併用しなくても、支柱20が容易に抜けること
はなく、支柱20の確実な保持が可能である。
【0132】支柱取付部41および支柱20は直接嵌合
されても良いが、両者の嵌合の隙間には当て部材43を
介在させれば、支柱20および支柱取付部41との接触
等による摩耗や挿入時のキズを防止することができる。
【0133】また、当て部材43のうち、支柱取付部4
1および支柱20に嵌合される角部を例えば面取りを施
した形状にすれば、支柱取付部41への当て部材43お
よび支柱20の嵌合が極めて容易に行われる。
【0134】さらに、当て部材43を例えばPOM(ポ
リアセタール)等の摩擦抵抗の小さい材質で形成すれ
ば、支柱取付部41と支柱20との嵌合が更に容易にな
る。
【0135】支柱20下部は複数組の取付穴25a〜d
を備え、支柱取付部41と当て部材43には1組の取付
穴42を備えている。
【0136】支柱20、当て部材43、支柱取付部41
の取付穴25a〜d、42に、例えばボルト44等を貫
通させ締結することで、支柱20と支柱取付部41とが
抜けないように固定される。
【0137】このとき、支柱20に設けた複数組の取付
穴25a〜dのいずれを取付に供するかによって、ベー
ス30に対する支柱20の取付高さ調節することができ
る。
【0138】したがって、床仕上面3の厚さが大きい場
合は支柱20を例えば取付穴25aにて高い位置に、床
仕上面3の厚さが小さい場合は支柱20を例えば取付穴
25dにて低い位置に取付けることによって、床仕上面
3から移乗面11までの高さを略一定の好適な高さに調
節することが可能である。
【0139】図3および図6では、支柱取付部41に1
組の取付穴42を、支柱20に複数組の取付穴25a〜
dを設けたが、支柱取付部41に複数組の取付穴を、支
柱20に1組の取付穴を設けても良いし、支柱取付部4
1と支柱20の両方に複数組の取付穴を設けても良い。
【0140】本実施例では、支柱20および支柱取付部
41が嵌合され、1組の締結要素によって抜け止めとす
る構造としているが、例えば互いに異なる中心線に沿っ
て複数組の締結要素で取付ける構造でも良く、支柱20
と支柱取付部41との間にガタツキがないように取付け
でき、通常使用によって容易に外れることのない構造で
あれば、使用中の移乗部10の揺れや脱落を防ぐことが
でき、安心して使用することができる。
【0141】また、抜け止め、取付け用として、ボルト
44・ナット45等の締結要素だけでなく、所定の剪断
強さを有するピン等を使用してもよい。
【0142】支柱は1本のみでもよいが、左右に離れた
位置に2本の支柱20を設けたので、支柱20のねじれ
や取付部のわずかな隙間に起因する、略鉛直方向を軸と
した移乗部10の回転運動を防止することができるの
で、さらに安心して使用することができる。
【0143】移乗部10は上面に使用者の移乗可能な移
乗面11を備え、下部をアーム12によって支持され、
結果的に移乗部全体は支柱20に対して片持ちに支持さ
れている。
【0144】アーム12は、後方にアームストッパー1
3を備え、さらに後方の延伸した部分に取付穴14を設
けた。
【0145】アーム12は、図3、図4に示すように、
スライド板24に複数組設けた取付穴21a〜dに対し
て回動可能に取付けられ、アームストッパー13が支柱
20に当接することで移乗面11が略水平となる開状態
に保持される。
【0146】移乗部10は使用しないときや車いす等で
の移動時に、移乗面11が略鉛直になる閉状態にするこ
とができる。
【0147】そのため、限られた空間を有効に使用する
ことができる。
【0148】移乗部の開閉は例えば図3のように、スラ
イド板24を下方に延伸した部分に設けた軸48と、左
右のストッパー13を連結する軸15との間に伸縮自在
の駆動手段51を設ける構造としてもよい。
【0149】駆動手段51のスイッチを例えば壁面等容
易に操作できる位置に設置し、使用時に移乗部10を開
閉できるようにすれば、介護者等の負担を軽減すること
ができる。
【0150】また、駆動手段51の非駆動時の保持力に
よって、非使用時には移乗部10を閉状態にて保持する
ことが可能である。
【0151】このとき、移乗部10の側部または下部に
把手16,17を設ければ、移乗部10の開閉を手動で
行うことも容易である。
【0152】移乗面11は開状態において略水平となる
が、それだけでは使用者の落下への懸念や、非介護者の
姿勢の転換に対して万全とは言えない。
【0153】そこで、例えば移乗部の側方等にに把手1
6を設ければ、移乗面11上への移乗時や介護時に把手
16をつかむことにより、移乗面11からの落下を防ぐ
ことができ、非介護者が容易に姿勢を変えることができ
る。
【0154】介護時だけに着目すれば、把手は移乗部1
0より上方に設置することが望ましく、例えば移乗部1
0の開閉時や使用者の移乗時には、前方に突出しないよ
うに折りたたみ、介護時に前方に引き出して使う、折り
たたみ可能な把手18を設置してもよい。
【0155】スライド板24に設けた複数組の取付穴2
1a〜dのいずれを取付に供するかによって、支柱20
に対する移乗部10の取付高さを変えることができる。
【0156】この場合、ベース30と支柱20とが分離
困難に形成されていても、設置場所によって異なる様々
な床仕上面3の厚さに対して、床仕上面3から移乗面1
1までの高さを好適な高さに調節しつつ、床基礎面2へ
の強固な固定が可能となる。
【0157】また、支柱取付高さの調節機構と併用する
ことにより、高さ調節範囲を広くし、しかも緻密な調節
が可能となる。
【0158】図4では、移乗部の上下動機構を、支柱2
0とスライド板24とを分離した状態で図示した。左右
のスライド板24は軸26によって連結され、図4に示
すスライド板24のローラー軸受け23bに、上下に配
置したローラー23の軸23aが回転可能に取付けたの
で、ローラー23が支柱20の側面に設けたガイド22
に沿って上下動することによって、結果的にスライド板
24は姿勢を保ちながら上下に平行移動する。
【0159】本実施例では支柱20の側面にガイド22
を設け、ローラー23が上下する構造としたが、支柱側
にローラー23を、スライド板24にガイドを設けた構
造としてもよいし、ガイド22が支柱20の背面や内側
面等のいずれでもよい。
【0160】また、ガイド22およびローラー23の組
み合わせでなくとも、所定の軌道上に上下動を誘導で
き、移乗部の姿勢を保持できる構造であればどのような
構造でもよい。
【0161】移乗部10が上下動する場合の使用方法を
以下に記す。
【0162】介護者または使用者は、まず、移乗面11
を車いすの座面と同じか座面よりわずかに低い位置まで
移乗面11を下げることができるので、非介護者または
使用者は容易に移乗面11に移乗することができる。
【0163】介護者がいる場合は、介護者が移乗面11
を介護しやすい高さまで上昇させる。
【0164】次に、介護者は非介護者のオムツ交換等を
行うが、移乗面11が上昇して高い位置にあるので、腰
をかがめるなどの無理な姿勢をすることなく作業がで
き、介護が容易である。
【0165】使用者が特に介護者を伴わない場合は、移
乗したそのままの高さで、例えばオムツ交換等を行えば
よい。
【0166】車いすへの移乗時は、移乗面11を車いす
の座面と同じか座面よりわずかに高い位置まで下降また
は上昇させることで、容易に車いすへ移乗することがで
きる。
【0167】移乗部11の上下動は、手動で行う上下動
構造やばね要素等の力を利用した上下動補助構造として
もよいが、本実施例では、軸26と軸29との間に伸縮
自在な駆動手段50が設けられ、例えば壁等容易に操作
できる位置に設けたスイッチによって、移乗部10を容
易に上下動できる構造とした。
【0168】従って、移乗部の上下動に必要な介護者や
使用者の負担を大幅に軽減することが可能である。
【0169】移乗部10の駆動手段としては、その他に
も例えば支柱に取付けたピニオンギヤ付き電動機とラッ
クとの組合せや、電動機によってワイヤを巻き上げる方
式や、支柱自体を伸縮自在に形成する構造等、様々な構
造が考えられる。
【0170】車いすの座面は床面から約400mm程度で
あることが想定されるので、上下動の下限値としては、
床仕上面3から移乗面11までの高さで最大でも500
mm以下、望ましくは400mm以下であれば、車いすと移
乗面11との間の移乗が容易である。
【0171】また、介護しやすい高さとしては、介護者
の身長や体格にもよるが、床仕上面3から600mm以
上、望ましくは一般の机の高さに近い700mm以上が特
に有利である。
【0172】介護台は上述のような、各部の高さ調節機
構、移乗部の開閉機構、移乗部の上下動機構、移乗部の
左右同期機構等、様々な機構を備えており、外観上は見
栄えが悪い上、機構部分が露出していては使用者や介護
者が危険にさらされることも想定される。
【0173】そこで、機構部を有する支柱部分等にカバ
ー60を設け、構造体が直接見えない構成とした。
【0174】その結果、外観上の見栄えがよく、安全に
使用することができる。
【0175】また、カバー60にはクッション性を持た
せることにより、使用者の患部等に接触しても苦痛を与
えることなく、使用感、触感を向上させることが望まし
い。
【0176】(実施の形態2)図7に本発明による実施
の形態の一例を示す。
【0177】実施の形態1と同様の構造は同じ符号を付
し、説明を省略する。
【0178】ベース30の支柱取付部41および支柱2
0の下方には、締結要素挿入用の穴または切り欠きを備
えたフランジを設け、例えば略鉛直方向にボルト・ナッ
トで取付ける構造とした。
【0179】支柱取付部41の最上面に支柱20下面を
当接する構造であって、支柱取付部41と支柱20とは
嵌合・挿入する深さがないので、取付が容易である。
【0180】また、支柱取付部41を更に低い位置に形
成することができるので、床仕上面3の厚さによって
は、支柱取付部41が床仕上面3から突出しない構造と
することも可能である。
【0181】この場合、支柱20の取付けに当たって、
支柱20を持ち上げる作業が不要となるので、介護台の
設置が容易である。
【0182】また、何らかの理由で介護台の撤去の必要
が生じても、支柱20を支柱取付部41から取外すだけ
でよく、床仕上面3上の突出物を残さず容易に撤去可能
である。
【0183】(実施の形態3)図8に本発明による実施
の形態の一例を示す。
【0184】実施の形態1〜2と同様の構造は同じ符号
を付し、説明を省略する。
【0185】移乗部10にかかる荷重は、移乗部10の
中心からずれた偏荷重となるので、移乗部10を傾けよ
うとする力として作用する。
【0186】移乗部10が上下しない場合は移乗部10
の取付部の反力によって、移乗部10の傾きを防止して
いるが、移乗部10が上下動する場合には機構によって
は移乗部10の取付部に反力が作用しないため、移乗部
10の傾きが発生することが予想される。
【0187】そこで、図8に示すような同期機構を設け
た。
【0188】すなわち、左右のスライド板24a、24
bを第1のワイヤ70、および第2のワイヤ80で結合
し、スライド板24a、24bの上方および下方に位置
するよう滑車73,74,75,83,84,85を支
柱20に固定した。
【0189】第1のワイヤ70は、一端を左スライド板
24aのワイヤ固定部71に固定され、滑車73,7
4,75を介して、他端を反対側の右スライド板24b
のワイヤ固定部72に固定される。
【0190】第2のワイヤ80は、一端を右スライド板
24bのワイヤ固定部81に固定され、滑車83,8
4,85を介して、他端を反対側の左スライド板24a
のワイヤ固定部82に固定される。
【0191】滑車73、83はスライド板より下方の位
置にて、介護台の左右中心線に対して互いに反対側とな
るよう支柱20に固定されている。
【0192】滑車74,75,84,85はスライド板
24a、24bより上方の位置にて、第1および第2の
ワイヤ70,80同士、またはワイヤ70,80と他の
構造体との接触を避けられるよう支柱20に固定されて
いる。
【0193】例えば介護台の移乗部10の左端のみに作
用する偏荷重が与えらると、左スライド板24aには下
向きの力が作用し、右スライド板24bには上向きの力
が作用する。
【0194】同期機構がない場合は、左右のスライド板
24a、24bに作用する力に対し反力を作用させる要
素がないため、左スライド板24aは下に下がり、右ス
ライド板24bは上に上がる。
【0195】その結果、移乗部10は左右に傾きを生
じ、使用者の落下等を誘発するので、安全な使用ができ
なくなる。
【0196】これに対し、上述のような同期機構を備え
た場合、左スライド板24aに作用する下向きの力はワ
イヤ固定点82において第2のワイヤ80に張力を与
え、第2のワイヤ80は滑車85,84,83を介して
右スライド板24bのワイヤ固定点81に下向きの力を
作用させる。
【0197】このとき、偏荷重によって左スライド板2
4aに作用する力とワイヤ固定点82に作用する力とが
釣り合い、同時に偏荷重によって右スライド板24bに
作用する力とワイヤ固定点81に作用する力とが釣り合
うため、左右のスライド板24a、24bは静止状態を
保ち、移乗部10は略水平状態を保持される。
【0198】第1のワイヤ70と第2のワイヤ80とは
左右対称の機構に形成されているので、移乗部10の右
端のみに偏荷重が作用した場合も、同様の力の釣合いが
保たれ、移乗部10の傾きを防止することができる。
【0199】従って、移乗部10への偏荷重時にも移乗
部10の左右の傾きを防止でき、安心して使用すること
ができる。
【0200】次に、移乗部10の上下動に伴うワイヤ7
0,80の働きを説明する。
【0201】移乗部10が上昇距離h3だけ上昇した場
合、左スライド板24aは第1のワイヤ70をワイヤ固
定点71の部分で上昇距離h3引き上げる。
【0202】ワイヤの全長は一定なので、ワイヤの固定
点71の上昇分と等しい距離h3だけ第1のワイヤ70
がワイヤ固定点72にて右スライド板24bを引き上げ
る。
【0203】また、同様に右スライド板24bはワイヤ
固定点81にて、第2のワイヤ80をh3だけ引き上げ
る結果、第2のワイヤ80はワイヤ固定点82にて左ス
ライド板24aをh3引き上げることになる。
【0204】従って、左右のスライド板24a,24b
は、移乗部10の上下動の際にも常に同一の高さを維持
し、左右のいずれか一方だけが上昇または下降するよう
なことはない。
【0205】その結果、移乗部10に偏荷重を受けなが
ら上下動する場合にも、移乗部10の左右の傾きを防止
でき、安心して使用することができる。
【0206】一例としてワイヤおよび滑車を利用した介
護台の移乗部の同期機構を説明したが、同期機構として
は、例えば、複数のリンクを利用した構造としてもよい
し、移乗部の左右の傾きを防止できる構造であればどの
ような構造でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態を示す介護台の全体
【図2】本発明における一実施形態を示す介護台の移乗
部を取り去った構成図
【図3】本発明における一実施形態を示す介護台の側面
【図4】本発明における一実施形態を示す介護台の移乗
部の上下動機構の模式図
【図5】本発明における一実施形態を示す介護台の側面
断面図
【図6】本発明における一実施例を示す介護台の支柱取
付部正面断面図
【図7】本発明における一実施例を示す介護台の側面図
【図8】本発明における一実施例を示す移乗部の同期機
構正面図
【図9】従来の介護台の側面図
【符号の説明】
1:壁面、2:床基礎面、3:床仕上面、4:床面穴、
5:床固定手段、6:壁面穴、7:壁固定手段、10:
移乗部、11:移乗面、12:アーム、13:アームス
トッパー、14:アームに形成した取付穴、15:軸、
16〜18:把手、19:スライド部、20:支柱、2
1a〜d:スライド板に形成した取付穴、22:ガイ
ド、23:ローラ、23a:ローラー軸、23b:ロー
ラー軸受け、24:スライド板、24a:左スライド
板、24b:右スライド板、25a〜d:支柱に形成し
た取付穴、26:軸、27:梁、28:軸取付板、2
9:軸、30:ベース、31:ベースプレート、32:
補強部材、33:支柱支持棒、35:床への固定穴、4
0:支柱とベースとの取付部、41:支柱取付部、4
2:ベースに形成した取付穴、43:当て部材、44:
ボルト、45:ナット、47:水抜き穴、48:軸、5
0:駆動手段、51:駆動手段、60:カバー、70:
ワイヤ、71:ワイヤ固定部、72:ワイヤ、73〜7
5:滑車、80:ワイヤ、81:ワイヤ固定部、82:
ワイヤ固定部、83〜85:滑車、h1:ベース補強部
材最大高さ、h2:床面固定手段最大突出高さ、h3:
スライド板上昇距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D037 EA00 3B053 NA05 4C040 AA08 HH01 JJ04

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】身障者向きのトイレ空間等に設置され、高
    齢者または身障者等身体的にハンデを負った人が単独ま
    たは他者の補助等を得て移乗できる介護台において、少
    なくとも一部が床面に当接または埋設されるベースとお
    よび人が移乗できる略水平上向きの移乗部と前記ベース
    および前記移乗部を連結する、略鉛直方向に形成される
    支柱とを備え、前記ベースを床に固定することを特徴と
    する介護台。
  2. 【請求項2】前記ベースの一部または全部が床仕上面よ
    り下に構成されることを特徴とする請求項1に記載の介
    護台。
  3. 【請求項3】前記ベースの床への固定手段が床仕上面よ
    り下に構成されることを特徴とする請求項1〜2に記載
    の介護台。
  4. 【請求項4】前記ベースと前記支柱とが分離可能である
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の介護台。
  5. 【請求項5】前記ベースと前記支柱との取付け部が床か
    ら露出していること特徴とする請求項4に記載の介護
    台。
  6. 【請求項6】前記取付け部が床仕上面より上に構成され
    ていること特徴とする請求項5に記載の介護台。
  7. 【請求項7】前記ベースと前記支柱とが相互の相対位置
    関係を固定されて連結されこと特徴とする請求項4〜6
    に記載の介護台。
  8. 【請求項8】前記ベースと前記支柱とが互いに嵌合され
    て連結されこと特徴とする請求項4〜7に記載の介護
    台。
  9. 【請求項9】前記ベースと前記支柱との嵌合の隙間に当
    て部材を設けたこと特徴とする請求項4〜8に記載の介
    護台。
  10. 【請求項10】前記当て部材が摩擦抵抗の小さい材料で
    形成されたことを特徴とする請求項9に記載の介護台。
  11. 【請求項11】前記当て部材の嵌合に供される角部が面
    取りされた形状に形成されたことを特徴とする請求項9
    〜10に記載の介護台。
  12. 【請求項12】前記ベースと前記支柱が締結要素によっ
    て連結されることを特徴とする請求項4〜11に記載の
    介護台。
  13. 【請求項13】前記ベースに対する前記支柱の取付高さ
    が調節可能なことを特徴とする請求項4〜12に記載の
    介護台。
  14. 【請求項14】前記ベースのうち、前記支柱との連結部
    より前方に位置する部分の床仕上面上への最大突出寸法
    が小さいことを特徴とする請求項4〜13に記載の介護
    台。
  15. 【請求項15】前記最大突出寸法が50mm以下である
    ことを特徴とする請求項14に記載の介護台。
  16. 【請求項16】前記支柱を複数備えたことを特徴とする
    請求項1〜15に記載の介護台。
  17. 【請求項17】前記支柱に前記移乗部が片持ちで取付け
    られることを特徴とする請求項1〜16に記載の介護
    台。
  18. 【請求項18】前記支柱に対して前記移乗部が回動可能
    に取付けられることを特徴とする請求項17に記載の介
    護台。
  19. 【請求項19】前記移乗部の上面が略水平状態と略鉛直
    状態との間を回動可能なことを特徴とする請求項18に
    記載の介護台。
  20. 【請求項20】前記移乗部を回動することのできる駆動
    手段を備え、前記移乗部の上面が略水平状態から略鉛直
    状態へと回動する閉動作と、前記移乗部の上面が略鉛直
    状態から略水平状態へと回動する開動作とを前記駆動手
    段にて駆動することを特徴とする請求項19に記載の介
    護台。
  21. 【請求項21】前記支柱に対する前記移乗部の取付高さ
    が調節可能なことを特徴とする請求項1〜20に記載の
    介護台。
  22. 【請求項22】前記移乗部が前記支柱に対して連結され
    たまま上下動可能であることを特徴とする請求項1〜2
    1に記載の介護台。
  23. 【請求項23】前記移乗部を上下動することのできる駆
    動手段を備え、前記移乗部の上下動を前記駆動手段にて
    駆動することを特徴とする請求項22に記載の介護台。
  24. 【請求項24】前記移乗部の上下動範囲の下限値が、前
    記床仕上面から前記移乗面の高さで500mm以下である
    ことを特徴とする請求項22〜23に記載の介護台。
  25. 【請求項25】前記移乗部の上下動範囲の上限値が、前
    記床仕上面から前記移乗面の高さで600mm以上である
    ことを特徴とする請求項22〜24に記載の介護台。
  26. 【請求項26】前記移乗部の傾きを一定に保つことので
    きる同期機構を備えたことを特徴とする請求項22〜2
    5に記載の介護台。
  27. 【請求項27】前記移乗部または前記移乗部の周辺に把
    手を備えたことを特徴とする請求項22〜26に記載の
    介護台。
  28. 【請求項28】前記介護台の構造体にカバーを備えたこ
    とを特徴とする請求項1〜27に記載の介護台。
  29. 【請求項29】前記カバーがクッション性を備えたこと
    を特徴とする請求項28に記載の介護台。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114698926A (zh) * 2022-03-17 2022-07-05 叶华 一种墙面办公桌
JP7468144B2 (ja) 2019-05-30 2024-04-16 Toto株式会社 介助装置

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