JP3162133B2 - 介助用リフトの装備されたベッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はハンデキャップを負った
人がベッドからポータブルトイレ、車椅子等に移動する
際に介助道具として利用される介助用リフトの装備され
たベッドに係り、特に構造が簡単でかつ、障害者が自分
自身で操作でき、あるいは介助者の労力を軽減できる介
助用リフトの装備されたベッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】要介護老人、一般障害者等のハンデキャ
ップを負った人はベッドの生活が良いとされている。し
かし、彼らにとってベッドへの乗り降りは大変な苦痛で
ある。特に、要介護老人の場合には、本人はもとより介
助者の苦労も大変で、腰痛等に悩まされる人が多い。

【０００３】そこで、前述のハンデキャップを負った人
に対する介助用道具が必要であるが、従来この種の介助
用道具として大型の移動用リフトが用いられていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題点】しかし、上述の大型
移動リフトでは、この使用時、使用後の出し入れが大変
であるのみならず、狭い日本式の部屋では片づけも大変
であり、さらに、使いにくく、格納場所も必要となり、
また、コスト高である等、種々の欠点を有している。

【０００５】そこで、本発明の目的はハンデキャップを
負った人に対して上述の苦痛から開放すべく、従来の大
型リフトに比べて使い易さ、格納、コスト等々、種々の
従来技術に存する点を改良した介助用リフトの装備され
たベッドを提供することにある。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】前述の目的を達成する
ため、本発明によれば、ベッドのサイドフレームに介助
用リフトが備えられたベッドにおいて、前記介助用リフ
トが筒状垂直外支柱およびこの内壁に摺動自在に嵌合さ
れた筒状垂直中支柱から構成される伸縮自在な垂直支柱
と、前記外支柱先端に該支柱と直角に、例えばＬ字を形
成するように固定された横支柱と、前記中支柱の先端内
周壁に形成された筒状めねじと、前記横支柱を貫通して
前記外支柱内に挿入され、先端を前記筒状めねじに螺合
した、末端に回転ハンドルを有するおねじと、一端がベ
ッドのサイドフレームに固定され、他端に内壁が滑り軸
受によって形成される孔を有し、この孔に前記外支柱を
嵌合することにより前記伸縮自在な垂直支柱を垂直に支
持する固定金具とを備えてなることを特徴とする。

【０００７】以下、本発明を添付図面を用いて詳述す
る。図１は本発明にかかる介助用リフトが備えられベッ
ドの一具体例および操作の一工程を示した斜視図であ
り、図２は本発明にかかる介助用リフトの一具体例の断
面図であり、図３および図４はそれぞれ、本発明にかか
るベッドの操作の一工程を示した斜視図である。

【０００８】図１において、１はベッドであり、このサ
イドフレーム２には介助用リフト３が備えられている。
この介助用リフト３は図２に示されるように、垂直支柱
４、横支柱５、筒状めねじ６、おねじ７および固定金具
８から構成される。

【０００９】垂直支柱４は筒状垂直外支柱９と、この内
壁に摺動自在に嵌合された筒状垂直中支柱10とから構成
され、後述のとおり、外支柱９の上下移動によって伸縮
自在である。すなわち、垂直に起立した中支柱10に外支
柱９をかぶせた状態で嵌合され、外支柱９が上下に移動
自在となる。なお、中支柱10の基部には安定に垂直を維
持するために座板11が固定される。

【００１０】横支柱５は外支柱９の先端９ａに外支柱９
に対して直角に、例えば外支柱９とＬ字を形成するよう
に固定される。この横支柱５の外周面にはクッション材
12を覆ってもよい。13ａ、13ｂはそれぞれキャップであ
る。

【００１１】筒状めねじ６は中支柱10の先端10ａの内周
壁に形成され、後述のようにおねじ７の先端７ａと螺合
される。この筒状めねじ６は中支柱10と一体に形成され
てもよく、リング状のめねじ６部分を別体で中支柱10の
先端10ａに挿入し、固定して形成されてもよい。

【００１２】おねじ７は横支柱５の上部からこれを貫通
して外支柱９内に挿入され、先端７ａを筒状めねじ６に
螺合することにより固定される。しかも、おねじ７の末
端７ｂには回転ハンドル14が備えられ、この回転ハンド
ル14を回転すると、めねじ６とおねじ７のねじ作用によ
りおねじ７が上下に移動すると同時に、これに固定され
る横支柱５、さらには横支柱５に固定される外支柱９も
また上下に移動する。15は軸受、16はスラストベアリン
グであり、これらの作用によりおねじ７を垂直に維持す
るとともに、この回転をも可能にする。17は止めピンで
ある。

【００１３】固定金具８は一端がベッドのサイドフレー
ム２に固定され、他端には内壁が滑り軸受18によって形
成される孔19を有し、この孔19に外支柱９を嵌合するこ
とにより外支柱９が上下の移動ならびに回転を自在に保
持しながら垂直に支持される。この結果、垂直支柱４は
垂直に支持され、サイドフレーム２に固定される。上述
の固定金具８は基板20上に載置され、ビス21で固定され
る。

【００１４】さらに、横支柱５にはハンモック22を、例
えば両サイドから止め金具23を介しロープ24により懸吊
することもできる。

【００１５】

【作用】上述の本発明ベッドは以下のようにして使用さ
れる。まず、図１に示されるように、ベッド１上のハン
デキャップを負う人25は自分でハンドル14を回転して垂
直支柱４の高さを適宜に調整し、かつ横支柱５を自分の
胸の位置まで回転し、胸を横支柱５上にもたれかける。
これら高さ調整および回転はめねじ６およびおねじ７の
ねじ作用ならびに滑り軸受18の作用により達成される。

【００１６】次いで、図３に示されるように、人25は比
較的軽障害の場合には横支柱５にぶらさがるようにして
自力で横支柱５を回転し、ベッド１から移動して降り、
トイレ等の用を足す。

【００１７】また、片マヒや全身不自由な人の場合に
は、図４に示されるように人25は介助者26の力を借りて
ハンモック22上にすわり、上述と同様、回転ハンドル14
をまわしてハンモック22を適当な高さにつり上げてか
ら、軽い力で横支柱５を回転して移動し、車椅子27に移
動する。このとき、介助者26は障害者の人25の体重を感
じることなく、倒れを押さえる程度の力で安全に移行す
ることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上のとおり、本発明ベッドはハンデキ
ャップを負った人がベッドの乗降に際して、介助用リフ
トを容易に操作し得、使いやすく、ベッドの乗降の苦痛
から開放することができ、かつ従来のように格納、コス
ト高等の問題をもなく、実用上有用な発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる介助用リフトが備えられたベッ
ドの一具体例である。

【図２】本発明にかかる介助用リフトの一具体例の断面
図である。

【図３】本発明にかかるベッドの操作の一工程を示した
斜視図である。

【図４】本発明にかかるベッドの操作の一工程を示した
斜視図である。

【符号の説明】 １ ベッド ２ サイドフレーム ３ 介助用リフト ４ 垂直支柱 ５ 横支柱 ６ 筒状めねじ ７ おねじ ８ 固定金具 ９ 外支柱 10 中支柱 14 回転ハンドル 18 滑り軸受 19 孔 22 ハンモック 25 人 7a 先端 9a 先端 10a 先端

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッドのサイドフレームに介助用リフト
   が備えられたベッドにおいて、前記介助用リフトが筒状
   垂直外支柱およびこの内壁に摺動自在に嵌合された筒状
   垂直中支柱から構成される伸縮自在な垂直支柱と、前記
   外支柱先端に該支柱と直角に固定された横支柱と、前記
   中支柱の先端内周壁に形成された筒状めねじと、前記横
   支柱を貫通して前記外支柱内に挿入され、先端を前記筒
   状めねじに螺合した、末端に回転ハンドルを有するおね
   じと、一端がベッドのサイドフレームに固定され、他端
   に内壁が滑り軸受によって形成される孔を有し、この孔
   に前記外支柱を嵌合することにより前記伸縮自在な垂直
   支柱を垂直に支持する固定金具とを備えてなる介助用リ
   フトの装備されたベッド。
2. 【請求項２】 請求項１の横支柱が前記外支柱とＬ字を
   形成するように、前記外支柱先端に固定されてなる請求
   項１のベッド。
3. 【請求項３】 請求項１の横支柱にさらにハンモックを
   懸吊してなる請求項１のベッド。