JP2000517245A - 波形形状とこれに対して横方向に配置されたミクロ組織を備えた金属シートを生成するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、第１の所定の高さ（Ａ）の金属波形シート（１）を生成するための装置に関し、シート（１）はコルゲーション構成に対して横方向にまたはある角度で、第１のものより実質的に低い第２のコルゲーション高さ（Ｂ）のミクロ組織（６、７）を有し、前記装置は、ミクロ組織（６、７）を生成するための装置（２ａ、２ｂ）と、ミクロ組織を生成するための装置（２ａ、２ｂ）の下流に配置された１対の互いに噛み合うコルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）とを含み、コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）は、外面にミクロ組織（６、７）を受けることができるような大きさおよび配置の窪み（８）を有し、よってこのミクロ組織（６、７）は、金属シート（１）を波形にする処理中、コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）によって変形されない。

Description

【発明の詳細な説明】 波形形状とこれに対して横方向に配置されたミクロ組織を備えた 金属シートを生成するための方法および装置 この発明は、第１の予め定められたコルゲーション（波形）の高さのコルゲー ション構成を持つ金属シートであって、このシートがコルゲーションに対して横 方向にあるいはある角度で、第２の実質上より小さいコルゲーションの高さを持 つミクロ組織を有する金属シートを生成するための方法および装置に関する。こ の種の金属シートは特に、自動車の排気ガスシステムに用いられるような触媒コ ンバータのハニカム本体を特に形成するために処理される。しかしながら、この 発明はこの使用例に限定されず、たとえば熱交換器に用いることも可能である。 このようなミクロ組織の形成および利点に関する詳細は、ＷＯ９０／０８２４ ９またはＷＯ９６／０９８９２に例が挙げられる。先行技術に既にあるように、 波形シートのミクロ組織とは、シートのコルゲーション構成よりも実質上小さい 高さの構造を示す。特に、ミクロ組織は片側または両側でシートから突出するこ とがあり、より具体的には、たとえば少なくとも１５μｍ、または金属シートの コルゲーションの高さの０．０１〜約０．３倍分突出し得る。 先行技術においては、波形金属シートは一般に、互いに噛み合い、かつ好まし くはインボリュート歯形または類似した設計の歯形を有するコルゲーションロー ラによって生成される。しかしながら、他のコルゲーション形状、たとえば台形 、ジグザグ形などもまた知られている。排気ガスが中を流れるハニカム本体、特 に触媒コンバータでは、流れ方向に対して横方向またはある角度で延在するミク ロ組織、いわゆる横式構造（ＴＳ設計と呼ばれる）は、排気ガスとハニカム本体 との間の熱伝達をよりよくし拡散工程を改良するが、これらは、ハニカム本体の 触媒効果に関して重要である。 したがって、先行技術は、流れ方向に連続した所与の間隔、特に２０ｍｍ以下 で、さらには１０ｍｍ以下の間隔でミクロ組織を配置することを提供する。 このミクロ組織は、ハニカム本体のシートの典型的な厚さに比べて比較的小さ かったので、従来は、さらに後の製造工程において実質上問題はないと考えられ ていたので、この通常のコルゲーションローラおよび、さらにはハニカム本体を 形成するための公知の製造ステップを用いて処理が行なわれていた。 しかしながら、既にミクロ組織を有するシートを波形にするとき、これらのミ クロ組織は部分的に再び平坦にプレスされてしまうことがわかってきた。さらに これはコルゲーションローラ相互の相対的クリアランスによって不規則に起こる こともわかっている。このような製造工程において、この影響を補うために、ミ クロ組織はまず初めに、最終段階で必要なものよりも大きいコルゲーションの高 さで製造されなければならなかった。かなり多数の出発材料を扱う場合、この状 況で起こる低温成形効果を損傷を起こさずに達成することは非常に困難であった 。この問題は、さらにより薄いシートおよびさらにより小さいコルゲーションの 高さを扱うときより深刻になる。同時に、１平方インチ当りのセル数（cpsi）が たとえば５００セル以上のハニカム本体が生成されるとすれば、この場合シート が３０μｍの厚さまで薄くされることがまた考えられ、製造工程においてさらに 重大な困難が生じる。 したがって、この発明の目的は、コルゲーションに対して横方向またはある角 度をもって延在するミクロ組織を持つ波形金属シートを、経済的でかつ受入れ難 い低温変形を伴わずに製造可能な製造方法および好適な装置を提供することであ る。 請求項１に記載の装置および請求項９に記載の方法はこの問題を解決するのに 役立つ。添付の請求の範囲のそれぞれに有利な構成が記載される。 第１の予め定められたコルゲーション高さのコルゲーション構成を持つ金属シ ートを生成するためのこの発明に従った装置は、シートがコルゲーション構成に 対して横方向またはある角度で第２の実質上より小さいコルゲーションの高さの ミクロ組織を有し、この装置は、ミクロ組織を生成するための装置と、ミクロ組 織を生成するための装置の下流に配置された１対の互いに噛み合うコルゲーショ ンローラとを含み、このコルゲーションローラは、金属シートを波形にするとき コルゲーションローラによってミクロ組織が変形されないようにミクロ組織を受 けるのに好適に配置されかつ／または十分に大きい窪みを外表面に有する。この ような１対のコルゲーションローラは、特に角度を持って延在するミクロ組織に ついては、製造が比較的高価ではあるが、にもかかわらず、ミクロ組織が実質上 の低温成形（この成形は後で波形形成工程によって再び部分的に平坦にプレスさ れる）を初めに行なうことなしに、正確に規定された同じ高さをずっと保って生 成され得るという重大な利点がある。したがって、このような装置は困難を伴わ ずに、たとえば２５〜５０μｍの厚さの波形シート金属層のミクロ組織の生成に も用いることができる。 典型的には、ある種のインボリュート歯形を備えるコルゲーションローラが用 いられるが、この発明はその種のローラに限定されない。一般的には、すべての 種類のコルゲーションローラは互いに対してある程度のクリアランスを有するの で、再生が困難なスペーシングが歯元および／または歯先で、あるいは歯と歯の 間のスペースで、製造工程中に発生し得る。この発明に従った窪みを有するコル ゲーションローラの場合は、クリアランスがミクロ組織の高さに影響を与えるこ とはない。 窪みを、幅および深さについて少なくともミクロ組織の幅および高さにそれぞ れ対応するような溝の形にすることは特に単純な方法である。しかしながらまた 、ミクロ組織を後に好適な形状の溝で再び形作ることも可能である。 この発明に従った装置に関してこれもまた重要なのは、ミクロ組織およびコル ケーションローラを生成するための装置が、生成されたミクロ組織が常にコルゲ ーションローラの窪みの中を通過するような方法で互いに対して調整可能である ということである。これを最も簡単に達成する方法は、非常に近接した間隔の配 置を採用することであるが、より大きなスペーシングを伴った場合は好適な調整 装置によっても達成することができる。 典型的には、ハニカム本体は滑らかなシートと波形のシートとの交互層あるい は異なる方法で波形にしたシートの交互層から形成され、それぞれの異なる設計 の構成は公知である。たとえば、スパイラル形状に巻かれたもの、ある形状にね じられたもの、インボリュートの方法でねじられたもののシート層が挙げられる 。 互いに重ね合せた関係で配置されるそのような種類のシート金属層が互いに溶 接あるいはろう付けされると、ミクロ組織は、それぞれの高さによって、いくつ かの状況下ではシート層の間で煩わしいスペーシングを生じることになり得る。 ミクロ組織によって生じる近接したシート層の間の間隙は、所与の大きさである ので、半田またはろう付け材料によって橋渡しするのが困難であり、これが原因 で波形シート層の両側のコルゲーション頂のミクロ組織は時として望ましくない ことがある。この状況に対処するために、この発明に従った装置のある特定の実 施例は、コルゲーションローラの下流に波形シートのコルゲーション頂のミクロ 組織を片側または両側で再び平坦にプレスできる少なくとも１つの均し装置が配 置されることを提供する。このような装置は、たとえば平坦なローラに対して走 行する窪みのあるコルゲーションローラであり得る。この工程はコルゲーション 頂のミクロ組織のみを平坦にプレスすることを提供し、これはいかなる場合も後 にハニカム本体を流れる流れに影響を及ぼさず、よって半田またはろう付け材料 による接着が実質上簡略化される。その他のミクロ組織は変化がないままであり 、製造工程でさらに問題を起こすことなしに意図した機能を実行することができ る。 代替的にまた可能であるのは、コルゲーションローラとその下流に配置された 均し装置との代わりに、コルゲーショントラフに窪みを有しないのでミクロ組織 がそこで平坦にプレスされ得るような特別なコルゲーションローラを用いること である。これは特にコルゲーションローラの互いに対向して配置されたコルゲー ショントラフとコルゲーション頂との間にほんのわずかなクリアランスしかない 場合十分に達成できる。 この発明に従ったコルゲーション構成およびミクロ組織を有する金属シートの 製造方法は次のステップを含む。 ａ） 最初に波形でない金属シートにミクロ組織を生成するステップと、 ｂ） ミクロ組織を受けるために、ミクロ組織に対して正確な位置に配置され た窪みを有する１対の互いに噛み合うコルゲーションローラに金属シートを供給 するステップと、 ｃ） ミクロ組織を平坦にプレスせずにシート片を波形にするステップとであ る。 既に上述したように、この方法は特徴的なミクロ組織を生じ、これは製造後も はや変形することなく、したがって非常によく特徴付けられかつ再生可能な様式 で形成され得る。互いに支え合いかつ互いに半田付けまたは溶接される金属シー ト層の間の間隙を避けるために、２つの側面のうち少なくとも１つのコルゲーシ ョン頂のミクロ組織はコルゲーションローラまたは次の均し装置で平坦にプレス され得る。 この発明の好ましい実施例および利点はこの後図面を参照してより詳細に述べ る。 図１はこの発明に従ったコルゲーション装置を図示する。 図２はこの発明に従った製造方法を図示する。 図１は、この発明の中心部、すなわち金属シートのコルゲーション装置を示す 。金属シート１は、下向きのミクロ組織６および上向きのミクロ組織７を有する ミクロ組織を生成するための装置に既に提供されており、これが１対のコルゲー ションローラ３ａ、３ｂに供給される。コルゲーションローラは表面に、具体的 には溝の形をした窪み８を有する。窪み８は図面には１つしが示されないが、前 に生成されたミクロ組織６、７を受けるので、シートを波形にするときコルゲー ション方法に影響されることはない。この結果、第１のコルゲーション高さＡで 波形にされ、かつ上側と下側にコルゲーション頂９、１０を有するシートを生じ る。ミクロ組織６、７はその高さＢにおいて波形金属シート１の第１のコルゲー ション高さＡより実質上小さい。 図２はミクロ組織を備えた波形シートを生成するための製造方法を図示する。 金属シート１は、先行技術から公知であるように、ミクロ組織を生成するために まず装置２ａ、２ｂを通過する。具体的には、これは、互いに一列に配置されか つ低温成形効果によってミクロ組織を金属シート１に付与する、個別の狭いディ スクまたは対応する表面構造を備えた円筒状のローラを含み得る。金属シート１ はその後、図１により詳細に示すように１対のコルゲーションローラ３ａ、３ｂ に供給される。波形金属シート１のコルゲーション頂９、１０にミクロ組織が不 必要な場合は、均し装置４ａ、４ｂおよび５ａ、５ｂによってそれぞれ均され得 る。このような均し装置はたとえば、滑らかな面をそれぞれ有する円筒状のロー ラ４ａおよび５ｂを含み、これはそれぞれコルゲーションローラ４ｂおよび５ａ に対して走行し、これらのコルゲーションローラは好ましくは、コルゲーション を生成するのに用いられるのと同じ窪みを有する。 この方法で生成され、ミクロ組織を備えて提供される波形金属シートは、特に 排気ガスシステムのハニカム本体に用いられ得る。これらはハニカム本体とそこ を流れる流体との間の熱伝達を増大させ、また触媒コンバータの有効性において 特に有利である拡散現象を促進する。 参照番号リスト １ 金属シート ２ａ、２ｂ ミクロ組織生成装置 ３ａ、３ｂ 対になったコルゲーションローラ ４ａ、４ｂ 均し装置、下部 ５ａ、５ｂ 均し装置、上部 ６ 下方向に突出するミクロ組織 ７ 上方向に突出するミクロ組織 ８ コルゲーションローラの窪み、溝 ９ コルゲーション頂、下方向 １０ コルゲーション頂、上方向 Ａ コルゲーションの幅

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１の予め定められたコルゲーション高さ（Ａ）のコルゲーション構成を備 えた金属シート（１）を生成する装置であって、前記シート（１）はコルゲーシ ョン構成に対して横方向にまたはある角度で、第２の実質上小さいコルゲーショ ン高さ（Ｂ）のミクロ組織（６、７）を有し、前記装置は、 ａ．ミクロ組織（６、７）を生成するための装置（２ａ、２ｂ）と、 ｂ．ミクロ組織を生成するために前記装置（２ａ、２ｂ）の下流に配置された １対の互いに噛み合うコルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）とを特徴とし、 ｃ．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）の外面に、好適に配置され、ミクロ 組織（６、７）を受けるのに十分大きく、ミクロ組織（６、７）が金属シート（ １）を波形にする動作中にコルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）によって変形さ れないようにした窪み（８）を有する、装置。 ２．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）がインボリュート歯形と類似した歯形 を有することを特徴とする、請求項１に記載の装置。 ３．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）が、窪みとして外周方向またはそれに 対してある角度で延在し、幅および深さに関して少なくともミクロ組織（６、７ ）のそれぞれ幅および高さに対応する、溝（８）を有することを特徴とする、請 求項１または請求項２に記載の装置。 ４．ミクロ組織およびコルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）を生成するための装 置（２ａ、２ｂ）が、生成されたミクロ組織（６、７）が常にコルゲーションロ ーラ（３ａ、３ｂ）の窪み（８）内を通過するような方法で互いに対して調整可 能であることを特徴とする、請求項１、請求項２、または請求項３に記載の装置 。 ５．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）の下流に、波形金属シート（１）のコ ルゲーション頂（９、１０）上のミクロ組織の片側または両側を再び平坦にプレ スできる少なくとも１つの均し装置（４ａ、４ｂ；５ａ、５ｂ）が配置されるこ とを特徴とする、請求項１〜４のうちの１つに記載の装置。 ６．前記均し装置が、窪みを備えたコルケーションローラ（４ｂ；５ａ）とそれ に対して走行する平坦面ローラ（４ａ；５ｂ）とを有することを特徴とする、請 求項５に記載の装置。 ７．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）がそのコルゲーショントラフにいかな る窪み（８）も有さないのでミクロ組織（６、７）がそこで平坦にプレスされ得 ることを特徴とする、請求項１〜４のうちの１つに記載の装置。 ８．コルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）が、互いに対向して配置するコルゲー ショントラフとコルゲーション頂との間にわずかなクリアランスを有することを 特徴とする、請求項７に記載の装置。 ９．第１の予め定められたコルゲーション高さ（Ａ）のコルゲーション構成を備 える金属シート（１）を生成する方法であって、前記金属シート（１）はコルゲ ーション構成に対して横方向またはある角度で第２の実質上より小さいコルゲー ション高さ（Ｂ）のミクロ組織（６、７）を有し、前記方法はさらに、 ａ．最初に波形でない金属シート（１）にミクロ組織（６、７）を生成するス テップと、 ｂ．前記金属シート（１）を、ミクロ組織（６、７）を受けるためにミクロ組 織（６、７）に対して正確な位置に配置された窪み（８）を有する１対の互いに 噛み合うコルゲーションローラ（３ａ、３ｂ）に供給するステップと、 ｃ．ミクロ組織（６、７）を平坦にプレスすることなしにシート片（１）を波 形にするステップとを含むことを特徴とする、方法。 １０．前記ミクロ組織（６、７）がその後、金属シート（１）の２つの側面のう ち少なくとも１つのコルゲーション頂（９、１０）で平坦にプレスされることを 特徴とする、請求項９に記載の方法。