JP2000516461A - 単純ヘルペスウイルスのicp4はアポトーシスのインヒビターである - Google Patents

単純ヘルペスウイルスのicp4はアポトーシスのインヒビターである

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Abstract

(57)【要約】 単純ヘルペスウイルスのICP4タンパク質は、ウイルス遺伝子のトランス活性化において重要な役割を果たす。本発明は、ICP4がまた、アポトーシスを阻害する能力を有することを開示する。この機能は、上昇した温度で機能をトランス活性化する、ICP4の温度感受性変異体を用いる研究により示されたように、トランス活性化機能とは別の機能的ドメインに存在するようである。ICP4またはα4遺伝子のようなICP4コード遺伝子を用いる、アポトーシスの阻害のための方法、ICP4のアポトーシス阻害機能を阻害する方法、ならびに組換えタンパク質の産生方法およびHSV感染の処置方法もまた開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 単純ヘルペスウイルスのICP4はアポトーシスのインヒビターである 発明の背景 政府は、助成金番号AI124009(NIAID)およびCA47451(NCI)のもとに連邦政 府資金調達の理由に基づき、本出願に一定の権利を所有し得る。 I.発明の分野 本発明は、一般に分子および細胞生物学の分野に関する。より詳細には、本発 明は、真核生物細胞における増殖制御の機構と取り組む。特に、正常な細胞死を 阻害するウイルス遺伝子およびその使用方法が提供される。 II.関連技術 宿主細胞遺伝子発現の制御、およびしばしばDNA複製に関与する遺伝子の制御 は、ウイルスのライフサイクルの必須の部分である。しかし、最近の証拠は、ほ とんどの真核生物細胞が、プログラム細胞死(アポトーシス)を経ることにより 、通常の細胞生理のウイルス性の破壊に応答することを示唆する(White,1993 )。これを打ち消すために、多くのウイルスは、宿主細胞の死をブロックする機 構を進化させてきた(ClemおよびMiller,1994;WhiteおよびGooding,1994)。 いくつかの場合には、ウイルスゲノムは、その産物が、細胞の生存を調節する際 に中心的な役割を果たすタンパク質と相互作用する遺伝子を含むことが見出され ている。 プログラム細胞死は、いくつかの要因により誘発され、そして種々の形態をと り得る。例えば、二本鎖RNAの合成は、キナーゼを活性化し、これは、eIF-2のα サブユニットをリン酸化し、そしてタンパク質合成を完全にオフにする(Sarrel ,1989)。最終的に、代謝経路の活性化は、宿主に有害な炎症応答をもたらす細 胞の構成成分の漏出を伴わずに細胞死をもたらす、一種の形態学的、生化学的、 および分子的変化を生じる(Wyllieら)。 アポトーシス細胞死は、通常、胚形成および器官退化の間に、ならびに細胞の 生存期間の終わりに最終的に分化した細胞の自然死において観察される。タンパ ク質合成の停止またはアポトーシスのいずれかを誘導するほとんどのウイルスは また、宿主の応答をブロックし、そしてウイルスがそれらの宿主において複製す るのを可能にする機構を進化させた(ShenおよびShenk,1995)。アポトーシス をブロックするウイルス遺伝子産物の中でも最も良く知られた例は、アデノウイ ルスE1B Mr19,000タンパク質(Raoら,1992)、ワクシニアCrmAタンパク質(Ra yら)、シミアンウイルス40(SV40)T抗原(McCarthyら,1994)、ヒトパピロ ーマウイルス第16番(HPV 16)E6タンパク質(PanおよびGriep,1994)、エプス タイン-バールウイルスBHRF1タンパク質(Hendersonら,1993)、およびヒトサ イトメガロウイルスIE1およびIE2遺伝子産物(Zhuら,1995)である。単純ヘル ペスウイルス1(HSV-1)は、タンパク質γ134.5をコードする。タンパク質γ134. 5は、eIF-2αのリン酸化をブロックする(ChouおよびRoizman,1992)。 アポトーシスを阻害し得るタンパク質の有用性は、多様である。第1に、この ようなタンパク質、またはそれらの対応する遺伝子は、そうでなければ培養の間 に死ぬ細胞株を不死化するために使用され得る。このことは、これらの細胞の研 究だけでなく、細胞からタンパク質種を単離するために、これらの細胞を多数に 増殖させる選択肢を提示することも可能にする。第2に、アポトーシスのインヒ ビターおよびそれらの機能の同定は、これらのタンパク質が、正常なプログラム 細胞死、すなわちアポトーシスを妨害している場合、臨床設定における可能な介 入を可能にする。このことは、アポトーシスを妨害するタンパク質の発現を妨害 する、インヒビターまたはアンチセンス核酸を提供することにより達成され得る 。従って、これらの活性を有する新規なタンパク質の同定および使用は、これら の領域の研究者に重要な新規の手段を提供する。 発明の要旨 それゆえ、本発明の目的は、感染細胞タンパク質第4番、すなわちICP4、およ びそのコグネイト遺伝子α4のアポトーシスのインヒビターとしての使用のため の方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、HSV感染細胞における アポトーシスを誘導するためにICP4および/またはα4を阻害する薬剤の使用の ための方法を提供することである。本発明の目的はまた、ICP4のアポトーシス阻 害機能を阻害する薬剤の同定のための方法を提供することである。 これらの目的を満たして、細胞のアポトーシスをブロックするための方法が提 供される。この方法は、細胞にHSV ICP4ポリペプチドまたはHSV α4遺伝子を提 供する工程を含む。α4遺伝子は、発現ベクター中に含まれ得、さらに、真核生 物細胞において活性なプロモーターの制御下にあり得る。このようなプロモータ ーの1つは、テトラサイクリン制御プロモーターである。発現ベクターは、選択 マーカーをさらに含み、そして/または真核生物細胞において活性なプロモータ ーの転写制御下にある第2のポリペプチドをコードする遺伝子をさらに含む。 別の実施態様では、HSVで感染された細胞においてアポトーシスを誘導するた めの方法が提供される。この方法は、この細胞に、この細胞におけるHSV ICP4機 能を阻害する薬剤を投与する工程を含む。薬剤は、HSV α4遺伝子または転写産 物の転写または翻訳を阻害し得るか、またはHSV ICP4ポリペプチドに結合し得る 。試薬は、アンチセンスHSV α4構築物、HSV ICP4ポリペプチドに免疫学的に結 合する抗体であり得る。特定のアンチセンス構築物は、HSV α4遺伝子の5'非翻 訳領域またはHSV α4転写産物の翻訳開始部位にハイブリダイスするオリゴヌク レオチドである。特定の抗体は、ICP4に対するポリクローナル血清またはICP4に 対するモノクローナル抗体である。 なお別の実施態様では、HSV感染を有する被験体を処置するための方法が提供 される。この方法は、HSV ICP4機能を阻害する工程を含む。阻害は、被験体に、 HSV α4アンチセンス構築物またはHSV ICP4ポリペプチドに免疫学的に結合する モノクローナル抗体を含む第1の薬学的組成物を提供する工程を含み得る。第1 の薬学的組成物は、この患者におけるHSV感染細胞に局所的に適用され得る。こ の方法は、この被験体に、従来の抗HSV剤(例えば、アシクロビル)を含む第2 の薬学的組成物を提供する工程をさらに含み得る。アシクロビルは、局所、経口 、および静脈内からなる群から選択される経路を介して送達される。 なおさらに別の実施態様では、アポトーシスのHSV ICP4ポリペプチド誘導性阻 害に対して阻害活性を有する化合物についてのスクリーニング方法が提供される 。 この方法は、(a)HSV前初期プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第1の 細胞を提供する工程;(b)この第1の細胞を、機能的α4遺伝子を欠く単純ヘル ペスウイルスに感染させる工程;(c)この第1の細胞を試験化合物と接触させる 工程;(d)この第1の細胞を、ウイルス複製を可能にする条件下でインキュベー トする工程;および(e)インキュベーション後のこの第1の細胞の細胞病理を、 この単純ヘルペスウイルスでの感染後の、HSV α4遺伝子を欠く第2の細胞の細 胞病理、およびこの単純ヘルペスウイルスの感染後だが、この試験化合物の非存 在下の、HSV前初期プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第3の細胞の細 胞病理と比較する工程を含む。細胞病理は、クロマチン凝集、核膜の消失、液胞 化、細胞質の小泡形成(blebbing)、およびDNA断片化を含む。 スクリーニング方法は、α4プロモーターの制御下の組み込まれたコピーの野 生型HSV α4遺伝子を含む細胞株を用い得、そして機能的HSV α4遺伝子を欠く単 純ヘルペスウイルスは、ウイルスにコードされたα4遺伝子の両方のコピーに欠 失を有する。例えば、ヘルペスウイルスは、ウイルスにコードされたα4遺伝子 の両方のコピーに温度感受性変異を有し得;インキュベーションが39.5℃で行わ れる。 アポトーシスのHSV ICP4誘導性阻害に対して阻害活性を有する化合物について の別のスクリーニング方法は、(a)誘導性プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子 を含む第1の細胞を提供する工程;(b)このプロモーターから転写を誘導する工 程;(c)この第1の細胞を試験化合物と接触させる工程;(d)この第1の細胞を、 HSV ICP4ポリペプチドの発現条件下でインキュベートする工程;および(e)イン キュベーション後のこの第1の細胞の細胞病理を、誘導後の、HSV α4遺伝子を 有さない第2の細胞の細胞病理、および誘導後だがこの試験化合物の非存在下の 、誘導性プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第3の細胞の細胞病理と 比較する工程を含む。 アポトーシスのHSV ICP4ポリペプチド誘導性阻害に対して阻害活性を有する化 合物についてのなお別のスクリーニング方法は、(a)第1の細胞を提供する工程 ;(b)この第1の細胞を単純ヘルペスウイルスで感染させる工程;(c)この第1の 細胞を試験化合物と接触させる工程;(d)この第1の細胞を、ウイルス複製を 可能にする条件下でインキュベートする工程;および(e)インキュベーション後の この第1の細胞の細胞病理を、この試験化合物単独で処理した第2の細胞の細胞 病理、およびこの単純ヘルペスウイルスの感染後だが、この試験化合物の非存在 下の、第3の細胞の細胞病理と比較する工程を含む。 なお別のさらなる実施態様では、細胞中でポリペプチドを発現させるための方 法が提供される。この方法は、(a)細胞を、このポリペプチドをコードするヘル ペスウイルスベクターと接触させる工程;(b)この細胞を、ICP4のトランス活性 化機能をブロックするが、ICP4のアポトーシス阻害機能をブロックしない薬剤と 接触させる工程を含む。 本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになる 。しかし、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示し ているが、例示のみの目的で与えられていることが理解されるべきである。なぜ なら、本発明の精神および範囲の内側での種々の変化および改変が、この詳細な 説明から当業者に明らかになるからである。 図面の簡単な説明 以下の図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに 示すために含まれる。本発明は、これら図面の1つ以上を、本明細書に呈示され る特定の実施態様の詳細な説明と組み合わせて参照することによりより良く理解 され得る。 図1:それぞれ、ICP4およびICP8をコードする、α4およびUL29遺伝子の位置 を示すHSV-1ゲノムの図示である。独特の短い配列(US)および独特の長い配列 (UL)(細線)に隣接する反復配列(白四角)、ならびに遺伝子の位置および 方向が示される。α4遺伝子は、ULに隣接する逆方向反復配列内にマップされ るので、これは、ゲノムあたり2コピー存在する。四角の中の斜線は、d120変異 体から欠失した配列の位置を示す(DeLucaら,1985)。 図2A〜C:それぞれ、α4およびICP4のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。 発明の詳細な説明 I.単純ヘルペスウイルス 単純ヘルペスウイルス(サブタイプ1および2と称される)は、世界中で数百 万のヒト被験体が感染している、ヒトが遭遇する最も普通の感染性因子のうちで 包膜ウイルスである。これらのウイルスは、比較的取るに足らない程度から重度 、および生命を脅かす程度までの範囲に及ぶ、広範囲の疾患を生じる。ヘルペス 感染の臨床的な結果は、初期診断および迅速な抗ウイルス治療の開始に依存する 。HSV感染を処置する際のいくつかの好結果の努力にもかかわらず、真皮および 表皮の病変はしばしば再発し、そして新生児のHSV感染および脳の感染は高い罹 患率および死亡率に関連する。 大きくて複雑な二本鎖DNAゲノムは、何十個もの異なる遺伝子産物をコードす る。これらの遺伝子産物のいくつかは、スプライスされた転写産物に由来する。 ビリオンおよびエンベロープの構造成分に加えて、ウイルスは、プロテアーゼ、 リボヌクレオチドリダクターゼ、DNAポリメラーゼ、ssDNA結合タンパク質、ヘリ カーゼ/プライマーゼ、DNA依存性ATPase、dUTPaseなどを含む多数の他のタンパ ク質をコードする。 HSV遺伝子は、その発現が協調して調節され、そして連続してカスケード様式 で指図されるいくつかの群を形成する(HonessおよびRoizman,1974;Honessおよ びRoizman,1975;RoizmanおよびSears,1995)。感染後に発現される第1のセッ トの遺伝子であるα遺伝子の発現は、ビリオンタンパク質第16番、またはα-ト ランス誘導因子により増強される(Postら,1981;BattersonおよびRoizman,198 3;Campbellら,1983)。β遺伝子の発現は、機能的α遺伝子産物、最も著しくは α4遺伝子によりコードされるICP4を必要とする(DeLucaら,1985)。主として ビリオン構造タンパク質をコードする異質の群の遺伝子であるγ遺伝子は、最適 な発現のためにウイルスDNA合成の開始を必要とする(Hollandら,1980)。 ゲノムの複雑さと一致して、HSVのライフサイクルは、極めて複雑である。ウ イルス粒子の合成、および最終的には細胞死をもたらす溶解サイクルに加えて、 ウイルスは、現在未だ同定されていない何らかのシグナルが溶解サイクルの再発 を誘発するまで、ゲノムが神経節に維持される潜伏状態に入る能力を有する。 II.ICP4ポリペプチド 上記のように、β遺伝子の発現は、ICP4により主要な様式で調節され(DeLuca ら,1985)、それゆえこの遺伝子は、ウイルスDNA合成に明確な効果を有する。 主としてビリオン構造タンパク質をコードする異質の群の遺伝子であるγ遺伝子 は、最適な発現のためにウイルスDNA合成の開始を必要とする(HonessおよびRoi zman,1975;Hollandら,1980)。ICP4は、このプロセスにおいて鍵となる役割 を果たす−α4遺伝子に温度感受性変異を有するウイルスに感染し、そして非許 容温度で維持される細胞は主としてαタンパク質を発現する(DixonおよびShaff er,1980)。さらに、許容温度から非許容温度への感染細胞のシフトアップに関 連する研究は、ウイルス複製サイクルを通してICP4の鍵となる役割を確認した。 ICP4は、トランスアクチベーターおよびリプレッサーの両方として作用する(R oizmanおよびSears,1995)。ICP4のリプレッサー機能のための応答エレメント は、タンパク質により抑制される遺伝子の転写開始部位の近傍に位置する高親和 性結合部位である(KristieおよびRoizman,l986a,KristieおよびRoizman,198 6b,FaberおよびWilcox,1986,Muller,1987,MichaelおよびRoizman,1989,M ichaelおよびRoizman,1993)。抑制の強さは、TATAボックスとの距離および立 体軸的配置(stereoaxial alignment)の両方に依存している(Leopardiら,199 5,Kuddusら,1995)。ICP4の結合のための低親和性部位はまた、実証されてい るが、この部位の機能は、十分に理解されているとはいえない(KristieおよびR oizman,1986a,KristieおよびRoizman,l986b,Michaelら,1988)。ICP4によ るウイルス遺伝子のトランス活性化に作用すると考えられる応答エレメントは知 られていないが、ICP4における変異は、抑制および活性化に相互に独立して影響 を与え得る(ShepardおよびDeLuca,1991)。 本発明によれば、以前に明かされていないICP4の新規の機能的局面は、アポト ーシスを阻害するその能力である。アポトーシス、すなわちプログラム細胞死は 、核の凝集、DNA断片化、細胞膜の小泡形成、および最終的には不可逆的な細胞 死を含む特定の細胞事象により特徴付けられる。アポトーシスは、エネルギー依 存性事象である。本出願の目的のために、アポトーシスは、これらの事象の1つ 以 上を誘導すると定義される。従って、本出願における用語「ICP4」の使用は、IC P4の抗アポトーシス機能を有するポリペプチドを含む。これらは野生型ICP4であ る必要はない。 この機能的寄与は、例えば、他のウイルス遺伝子による細胞病理の改変により 誘発されるアポトーシスから細胞を防御するICP4の能力において明らかにされる 。この観察は、先行技術から予測され得なかった多数の方法におけるICP4の利用 を可能にする。例えば、本発明によれば、HSVベクターまたはHSVベクターからの 組換えタンパク質の産生は、ICP4のアポトーシス阻害機能を増大させることによ り増強され得る。細胞がHSVに感染される場合、未成熟細胞の死は、産生される ウイルスの力価または合成される組換えタンパク質の量を制限し得る。同様に、 ICP4は、遺伝子欠損を訂正するためにウイルスベクターにより細胞中に導入され たヒトまたは動物の遺伝子を発現する細胞の寿命を延長し得る。細胞がより長期 に維持され得るならば、ウイルスストックの力価およびタンパク質の量は増加す るはずである。 ICP4は、当業者に公知である種々の標準的な方法論に従って得られ得る。例え ば、ICP4に特異的な抗体は、感染細胞から、特に、感染細胞溶解産物からICP4を 単離するための免疫親和性プロトコルにおいて使用され得る。抗体は、支持体( 例えば、カラムまたはビーズ)に有利に結合し、そして固定化された抗体は、細 胞溶解産物からICP4標的を引き出すために使用され得る。 あるいは、ウイルス感染ではなく発現ベクターは、ICP4を作製するために使用 され得る。ウイルスベクターを含む広範な種々の発現ベクターが使用され得る。 これらのベクターの構造および使用は、以下でさらに議論される。このようなベ クターは、細胞中のICP4タンパク質の量を有意に増加させ得、そしてサイズ分画 (クロマトグラフィー、遠心分離)、イオン交換クロマトグラフ、またはアフィ ニティークロマトグラフ、およびさらにゲル精製のような、より選択性のない精 製方法を可能にし得る。あるいは、発現ベクターは、以下でさらに再度議論する ように、標的細胞に直接提供され得る。 本発明によるICP4は、さらなる構造分析もしくは機能分析における使用のため 、またはICP4関連ポリペプチドおよびICP4特異的抗体のような試薬の作製におけ る 使用のためのフラグメントに有利に切断され得る。これは、精製または未精製の ICP4を、エンドプロテイナーゼglu-C(Boehringer,Indianapolis,IN)のよう なペプチダーゼで処理することにより達成され得る。CNBrでの処理は、天然のIC P4からICP4フラグメントが産生され得る別の方法である。組換え技術はまた、IC P4の特異的フラグメントを産生するために使用され得る。ICP4のトランス活性化 およびアポトーシス阻害機能は別々のドメインに存在するようであるので、ドメ イン特異的試薬を作製する能力は、現在有意性を有する。例えば、ウイルス遺伝 子をトランス活性化しないアポトーシス阻害ICP4フラグメントを提供する能力は 、ウイルスベクターから代償遺伝子または治療遺伝子を発現するニューロンの寿 命を延長する際に効率的であることを証明し得る。 天然のICP4の構造および機能を有する分子を維持しながら、ICP4の配列に変更 が行われ得ることが予想される。例えば、特定のアミノ酸は、例えば、基質結合 領域のような構造との相互作用能力の感知され得る喪失を伴わずに、タンパク質 構造において、他のアミノ酸で置換され得る。これらの変更は、これらが出発分 子の構造、およびおそらく必要とされる機能の質を保存しているという意味で、 「保存的」と呼ばれる。ICP4改変体の重要性は、実施例に議論する、ウイルス遺 伝子をトランス活性化する能力は、上昇した温度(約39℃より上)で損なわれる が、このポリペプチドに関連したアポトーシス阻害機能を保持するICP4の温度感 受性(ts)変異体が存在するという観察により強調される。この意見の相違のさ らなる探求は、これらの機能が存在する領域についての有意な情報を明らかにす るはずである。この性質のさらなる改変体は、本実施例に提供される機能アッセ イのいずれかによりスクリーニングされ得る。 ICP4のトランス活性化ドメインがほぼ残基100と200との間に存在し、DNA結合 ドメインは、ほぼ残基300と500との間に存在し、核局在化ドメインは、ほぼ残基 700と750との間に存在し、そしてトランス活性化ドメインは、ほぼ残基750と129 8との間に存在することが示されている。 保存的アミノ酸置換は、一般に、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば 、それらの疎水性、親水性、荷電、サイズなどに基づく。アミノ酸側鎖置換基の サイズ、形状、およびタイプの分析は、アルギニン、リジン、およびヒスチジン が 全て正に荷電した残基であり;アラニン、グリシン、およびセリンが全て同様の サイズであり;そしてフェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンが全 てほぼ類似の形状を有することを明らかにする。それゆえ、これらの考察に基づ いて、アルギニン、リジン、およびヒスチジン;アラニン、グリシン、およびセ リン;ならびにフェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンが本明細書 においては等価であると定義される。 このような変更を行う際に、アミノ酸のヒドロパシー指数もまた考慮され得る 。各アミノ酸は、それらの疎水性および荷電特性に基づいて、ヒドロパシー指数 が割り当てられており、それらは以下の通りである:イソロイシン(+4.5); バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイ ン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン (−0.4);トレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9) ;チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン 酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン (−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。 タンパク質に相互作用的な生物学的機能を与えることにおけるヒドロパシーア ミノ酸指数の重要性は、一般に当該分野で理解される(KyteおよびDoolittle,1 982)。特定のアミノ酸が、類似のヒドロパシー指数またはスコアを有する他の アミノ酸で置換され得、そして依然として類似の生物学的活性を保持し得ること が知られている。ヒドロパシー指数に基づいて変更を行うとき、ヒドロパシー指 数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるアミノ酸の置換 が特に好ましく、そして±0.5以内のアミノ酸の置換がなおさらに特に好ましい 。 特に、本発明の場合においてのように、作製されるポリペプチドが、免疫学的 な実施態様で使用することが意図される場合には、類似のアミノ酸の置換が、親 水性に基づいて有効に行われ得ることもまた、当該分野では理解される。本明細 書中に参考として援用される米国特許第4,554,101号は、その隣接するアミノ酸 の親水性により決定されるような、タンパク質の最大の局所平均親水性が、その 免疫原性および抗原性、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関することを 述べている。 米国特許第4,554,101号において詳述されるように、以下の親水性値がアミノ 酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパ ラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アス パラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(−0. 4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);シス テイン(−0.1);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8) ;イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5); トリプトファン(−3.4)。 類似の親水性値に基づいて変更を行うとき、親水性値が±2以内であるアミノ 酸の置換が好ましく、±1以内であるアミノ酸の置換が特に好ましく、そして± 0.5以内のアミノ酸の置換がなおさらに特に好ましい。 多数の科学文献が、アミノ酸配列の分析からの二次構造の推定およびエピトー プの同定にあてられている(ChouおよびFasman,1974a,b;1978a,b;1979)。これ らの文献のいずれもが、所望により、米国特許第4,554,101号におけるHoppの教 示を補充するために使用され得る。さらに、タンパク質の抗原性部分およびエピ トープのコア領域を推定するのを補助するために、コンピュータプログラムが現 在使用可能である。例としては、Jameson-Wolf分析に基づくプログラム(Jame 0; Weinbergerら,1985)、およびタンパク質の三次元構造の推定のための他の 新規なプログラム(FetrowおよびBryant,1993)が挙げられる。 当該分野で通常行われるように、アミノ酸についての2つの名称が、本出願を 通して交換可能に使用される。アラニン=Ala(A);アルギニン=Arg(R); アスパラギン酸=Asp(D);アスパラギン=Asn(N);システイン=Cys(C );グルタミン酸=Glu(E);グルタミン=Gln(Q);グリシン=Gly(G) ;ヒスチジン=His(H);イソロイシン=Ile(I);ロイシン=Leu(L); リジン=Lys(K);メチオニン=Met(M);フェニルアラニン=Phe(F); プロリン=Pro(P);セリン=Ser(S);トレオニン=Thr(T);トリプト ファン=Trp(W);チロシン=Tyr(Y);バリン=Val(V)。 本明細書中に記載されるペプチジル化合物に加えて、本発明者らはまた、他の 立体的に類似の化合物が、ペプチド模倣物(peptidomimetics)と呼ばれる、ペプ チド構造の鍵となる部分を模倣するように処方され得ることを意図する。模倣物 は、タンパク質の二次構造のエレメントを模倣するペプチド含有分子である。例 えば、Johnsonら(1993)を参照のこと。ペプチド模倣物の使用の裏にある基礎 となる原理は、タンパク質のペプチド骨格が、レセプターとリガンドとの相互作 用のような、分子相互作用を容易にするような方法で、アミノ酸側鎖を方向付け るために主に存在することである。 ペプチド模倣物の概念の好結果の適用は、今まではタンパク質内のβ-ターン の模倣物に集中していた。同様に、ICP4内のβ-ターン構造は、コンピュータに 基づくアルゴリズムにより、上で議論したように推定され得る。一旦、ターンの 成分アミノ酸が決定されたら、模倣物が構築されて、Johnsonら、前出において 議論されたように、アミノ酸側鎖の必須のエレメントの類似の空間的方向付けを 達成し得る。 III.ICP4をコードする核酸 本発明により、ICP4をコードする核酸もまた意図される。ICP4についての遺伝 子は、α4の名称を与えられている。遺伝コードの縮重によって、多くの他の核 酸もまた、所定のICP4をコードし得る。例えば、4つの異なる3塩基コドンは、 アミノ酸アラニン、グリシン、プロリン、トレオニン、およびバリンをコードし 、一方、6つの異なるコドンはアルギニン、ロイシン、およびセリンをコードす る。メチオニンおよびトリプトファンだけは、単一のコドンによりコードされる 。アミノ酸および対応するコドンの表は、本明細書中でこのような実施態様にお ける使用のために提示される。 ICP4をコードする任意の核酸を作製するために、先述のコドン表を言及するこ とのみが必要である。同じアミノ酸をコードする任意のコドンでの天然のコドン の置換は、ICP4をコードする別の核酸をもたらす。実際問題として、このことは 、存在するα4遺伝子の部位特異的変異誘発または1つ以上の核酸のデノボ化学 合成により達成され得る。 コドン選択、部位特異的変異誘発、および化学的合成に関する先述の観察は、 ペプチドの節での置換変異の議論に同等の効果で適用される。通常、置換変異は 、コード配列の1つ以上のコドンを改変するように設計された核酸における部位 特異的な変更により作製される。 ICP4ポリペプチド、またはアンチセンスα4転写産物を発現するために、α4遺 伝子を発現ビヒクル中に提供することが必要である。適切な核酸は、標準的なサ ブクローニング技術により発現ベクター中に挿入され得る。例えば、E.coliまた はバキュロウイルス発現ベクターを用いて組換えポリペプチドをインビトロで産 生する。これらのベクターの操作は、当該分野で周知である。1つの実施態様で は、タンパク質は、β-galを有する融合タンパク質として発現され、タンパク質 の迅速なアフィニティー精製を可能にする。このような融合タンパク質発現系の 例は、グルタチオンS-トランスフェラーゼ系(Pharmacia,Piscataway,NJ)、 マルトース結合タンパク質系(NEB,Beverley,MA)、FLAG系(IBI,New Haven ,CT)、および6×His系(Qiagen,Chatsworth,CA)である。 これらの融合系のいくつかは、少数のさらなるアミノ酸のみを有する組換えタ ンパク質を産生する。さらなるアミノ酸は、組換えタンパク質の機能的能力に影 響を与えない様である。例えば、FLAG系および6×His系の両方は、短い配列の みを付加し、これらの配列の両方は、ほとんど抗原性でないことが知られており 、そしてこれらの系はその天然のコンホメーションへのタンパク質の折り畳みに 有害に作用しない。他の融合系は、タンパク質を生じる。ここで、所望のタンパ ク質からの融合パートナーを切り出すことが好ましい。別の実施態様では、融合 パートナーは、プロテアーゼについての特定の認識配列を含むペプチド配列によ り組換えタンパク質に連結される。適切な配列の例は、タバコエッチウイルス( Tobacco Etch Virus)プロテアーゼ(LifeTechnologies,Gaithersburg,MD)ま たは第Xa因子(New England Biolabs,Beverley,MA)により認識される配列 である。 組換え細菌細胞(例えば、E.coli)は、多数の適切な培地(例えば、LB)のい ずれかにおいて増殖され、そして組換えポリペプチドの発現は、培地へのIPTGの 添加またはより高い温度へのインキュベーションの切り替えにより誘導される。 細菌を2時間と24時間との間のさらなる期間培養した後、細胞を遠心分離により 収集し、そして洗浄して残りの培地を除去する。次いで、例えば、細胞ホモジナ イザーにおいて破壊することにより細菌細胞を溶解し、そして遠心分離して濃密 な封入体および細胞膜を可溶性細胞成分から分離する。この遠心分離は、緩衝液 中へのスクロースのような糖の取り込みおよび選択された速度での遠心分離によ り濃密な封入体が選択的に富化される条件下で行われ得る。 多くの例における場合のように、組換えタンパク質が封入体中に発現される場 合、組換えタンパク質は、いくつかの溶液のいずれかにおいて洗浄して混入して いる宿主タンパク質のいくらかを除去し、次いで高濃度の尿素(例えば、8M) またはカオトロピック剤(例えば、塩酸グアニジン)を含む溶液中で還元剤(例 えば、β-メルカプトエタノールまたはDTT(ジチオトレイトール))の存在下で 可溶化され得る。 いくつかの状況下では、ポリペプチドを、天然のタンパク質のコンホメーショ ンにさらに密接に似ているコンホメーションへタンパク質が再折り畳みプロセス を経るのに適切な条件下で数時間インキュベーションすることが有利であり得る 。このような条件は、一般に、500μg/ml未満の低タンパク質濃度、低レベルの 還元剤、2M未満の尿素の濃度、およびタンパク質分子内のジスルフィド結合の 交換を促進する、還元型および酸化型のグルタチオンの混合物のような試薬の存 在をしばしば含む。 再折り畳みプロセスは、例えば、SDS-PAGEにより、または天然の分子に特異的 である抗体(これは、寄生生物から単離した天然の分子でワクチン接種した動物 から入手され得る)を用いて、モニターされ得る。再折り畳みの後、次いで、タ ンパク質は、イオン交換樹脂、ゲル浸透樹脂、または種々の親和性カラムを含む いくつかの支持体のいずれかでのクロマトグラフィーにより、再折り畳み混合物 からさらに精製および分離され得る。 なお別の実施態様では、用いられる発現系は、バキュロウイルスポリヘドリン プロモーターにより駆動される発現系である。タンパク質をコードする遺伝子は 、バキュロウイルスベクター中へのクローニングを容易にするために、標準的な 技術により操作され得る。好ましいバキュロウイルスベクターは、pBlueBacベク ター(Invitrogen,Sorrento,CA)である。α4遺伝子を有するベクターは、標 準的なプロトコルによりSpodoptera frugiperda(Sf9)細胞中にトランスフェク トされ、そして細胞は培養され、そしてプロセシングされて組換えタンパク質を 生じる。 組換えICP4が産生され得る適切なビヒクルを提供する種々の真核生物ベクター もまた存在する。HSV自体は、多数の外因性遺伝子の発現のため、ならびにその 内在性遺伝子の高レベルの発現のために組織培養中に用いられている。例えば、 ニワトリオボアルブミン遺伝子は、αプロモーターを用いてHSVから発現されて いる。HerzおよびRoizman(1983)。lacZ遺伝子はまた、種々のHSVプロモーター の下で発現されている。 別の実施態様では、用いられたα4核酸は、細胞内条件下でα4核酸にハイブリ ダイズするアンチセンス構築物を実際にコードし得る。用語「アンチセンス構築 物」は、標的DNAまたはRNAの塩基配列に相補的である核酸、好ましくはオリゴヌ クレオチドを言及することを意図する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、標 的細胞に導入された場合、それらの標的核酸に特異的に結合し、そして転写、RN Aプロセシング、輸送、翻訳、および/または安定性を妨害する。 アンチセンス構築物は、遺伝子のプロモーターおよび他の制御領域、エキソン 、イントロン、またはさらにエキソン-イントロン境界に結合するように設計さ れ得る。アンチセンスRNA構築物またはこのようなアンチセンスRNAをコードする DNAは、宿主細胞内の遺伝子転写もしくは翻訳、または両方を、インビトロまた はインビボのいずれかで(例えば、ヒト被験体を含む宿主動物内で)阻害するた めに用いられ得る。「相補的なヌクレオチド」を含む核酸配列は、標準的なWats on-Crick相補性法則に従って塩基対合し得る核酸配列である。つまり、より大き なプリンがより小さなピリミジンと塩基対合して、シトシンと対合したグアニン (G:C)、およびチミジンと対合したアデニン(A:T)(DNAの場合)また はウラシルと対合したアデニン(A:U)(RNAの場合)のいずれかの組合せを 形成する。ハイブリダイズする配列に、イノシン、5-メチルシトシン、6-メチル アデニン、ヒポキサンチンなどのようなより普通でない塩基を含むことは、対合 を妨害しない。 本明細書中で用いる、用語「相補的な」は、核酸配列の全長にわたって実質的 に相補的であり、そして極わずかな塩基のミスマッチを有する核酸配列を意味す る。例えば、15塩基長の核酸配列は、これらが1つだけのミスマッチを有して13 または14の位置で相補的なヌクレオチドを有するならば、相補的であると呼ばれ 得る。天然では、「完全に相補的」である核酸配列は、その全長を通して完全に 相補的であり、塩基のミスマッチを有さない核酸配列である。 より低い程度の相同性を有する他の配列もまた意図される。例えば、高い相同 性の制限された領域を有するが、非相同領域もまた含むアンチセンス構築物(例 えば、リボザイム)が設計され得る。これらの分子は、50%未満の相同性を有す るが、適切な条件下で標的配列に結合する。 α4遺伝子配列の全てまたは一部はアンチセンス構築物の情況において用いら れ得るが、短いオリゴヌクレオチドは、作製することおよびインビボでの接近可 能性を増加させることがより容易である。しかし、アンチセンスオリゴヌクレオ チドのその相補的標的に対する結合親和性および配列特異性の両方は、長さが増 加するにつれて増加する。8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、 20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれより多くの塩 基対のアンチセンスオリゴヌクレオチドが用いられることが意図される。所定の アンチセンス核酸が、構築物をインビトロで単に試験して内因性遺伝子の機能が 影響を受けるか否か、または相補的配列を有する関連する遺伝子の発現が影響を 受けるか否かを決定することにより、対応する宿主細胞遺伝子の標的化に有効で あるか否かを容易に決定し得る。 特定の実施態様では、他のエレメント(例えば、C-5プロパイン(propyne)ピ リミジンを含むエレメント)を含むアンチセンス構築物を用いることを希望し得 る。ウリジンおよびシチジンのC-5プロパインアナログを含むオリゴヌクレオチ ドは、RNAと高親和性で結合すること、および遺伝子発現の強力なアンチセンス インヒビターであることが示されている(Wagnerら,1993)。 本出願の全体にわたって、用語「発現構築物」は、配列をコードする核酸の一 部または全てが転写され得る、遺伝子産物をコードする核酸を含有する任意の型 の遺伝的構築物を含むことを意味する。転写産物は、タンパク質に翻訳され得る が、その必要はない。従って、特定の実施態様では、発現は、遺伝子の転写およ び遺伝子産物へのRNAの翻訳の両方を含む。別の実施態様では、発現は核酸の転 写のみを含み、例えば、アンチセンス構築物を生じる。 好ましい実施態様では、核酸は、プロモーターの転写制御下にある。「プロモ ーター」とは、細胞の合成機構または導入された合成機構により認識されるDNA 配列をいい、これは、遺伝子の特異的な転写を開始するのに必要である。語句「 転写制御下」とは、プロモーターが、遺伝子のRNAポリメラーゼ開始および発現 を制御するために核酸に関して適切な位置および方向で存在することを意味する 。 用語「プロモーター」は、RNAポリメラーゼIIに対する開始部位付近でクラス ター化する転写制御モジュールの一群を言及するために本明細書で使用される。 いかにプロモーターが組織化されるかについての考えのほとんどは、いくつかの ウイルスプロモーター(これは、HSVチミジンキナーゼ(tk)およびSV40初期転 写単位についてのプロモーターを含む)の分析に由来する。より最近の研究によ って補強されるこれらの研究は、プロモーターが個別の機能的なモジュールから 構成され、各々は約7〜20bpのDNAからなり、そして転写アクチベーターまたは リプレッサータンパク質に対する1つ以上の認識部位を含むことを示している。 各プロモーターにおける少なくとも1つのモジュールは、RNA合成についての 開始部位の位置を決めるように機能する。この最も良く知られている例はTATAボ ックスであるが、いくつかのプロモーター(例えば、哺乳動物のターミナルデオ キシヌクレオチジルトランスフェラーゼ遺伝子についてのプロモーターおよびSV 40後期遺伝子についてのプロモーター)はTATAボックスを欠失していて、開始部 位自体の上に横たわる個別のエレメントは開始の位置を固定するために役立つ。 さらなるプロモーターエレメントは、転写開始の頻度を調節する。多くのプロ モーターが開始部位の下流にも機能的エレメントを含むことが、最近示されてい るが、代表的には、これらは開始部位の30〜110bp上流の領域に位置する。プロ モーターエレメント間の間隔は、しばしば、融通がきき、その結果プロモーター 機能は、エレメントが反転されるか、または互いに関して位置が変わる場合保存 される。tkプロモーターにおいて、プロモーターエレメント間の間隔は、活性が 低下し始める前に、50bpまで離れるように増大させ得る。プロモーターに依存し て、個々のエレメントは協同的または独立的のいずれかで機能して、転写を活性 化し得るようである。 核酸の発現を制御するために用いられる特定のプロモーターは、それが標的細 胞において核酸を発現し得る限り、重要であると考えられない。従って、ヒト細 胞が標的化される場合、核酸コード領域をヒト細胞で発現され得るプロモーター に隣接して、そしてそのプロモーターの制御下に置くことが好ましい。一般的に 言えば、このようなプロモーターはヒトプロモーターまたはウイルスプロモータ ーのいずれかを含み得る。好ましいプロモーターはHSVに由来するプロモーター (α4プロモーターを含む)を含む。別の好ましい実施態様は、テトラサイクリ ン制御プロモーターである。 種々の他の実施態様において、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)前初期遺伝 子プロモーター、SV40初期プロモーター、およびラウス肉腫ウイルスの長い末端 反復配列は、トランスジーンの高レベルでの発現を得るために使用され得る。発 現のレベルが所定の目的に十分ならば、トランスジーンの発現を達成するために 当該分野で周知である他のウイルスプロモーターまたは哺乳動物細胞性プロモー ターまたは細菌性ファージプロモーターの使用もまた意図される。表2および3 は、本発明の情況においてトランスジーンの発現を調節するために用いられ得る いくつかのエレメント/プロモーターを列挙する。この一覧表は、トランスジー ン発現の促進に必要とされる全ての可能性のあるエレメントの網羅的な一覧表で あることは意図されず、単にそれらの例示であることが意図される。 エンハンサーは、当初は、DNAの同じ分子上で離れた位置に位置する、プロモ ーターからの転写を増大させる遺伝的エレメントとして発見された。かなりの距 離を越えて働くこの能力は、原核生物の転写調節の古典的な研究ではほとんど先 例がなかった。後続の研究は、エンハンサー活性を有するDNAの領域がプロモー ターとほぼ同じように組織化されることを示した。すなわち、それらは多くの個 々のエレメントから構成され、その各々は1つ以上の転写タンパク質に結合する 。 エンハンサーとプロモーターとの間の基本的な違いは、操作上の違いである。 全体としてエンハンサー領域は、少し離れて転写を刺激し得なければならない; これはプロモーター領域またはその構成エレメントに当てはまる必要はない。一 方、プロモーターは、特定の部位でそして特定の方向でRNA合成の開始を指向す る1つ以上のエレメントを有さなければならないが、エンハンサーはこれらの特 異性を欠いている。プロモーターおよびエンハンサーは、しばしば、重複し、そ して連続する。しばしば、これらは極めて類似するモジューラー機構を有するよ うである。 さらに、任意のプロモーター/エンハンサーの組合せ(真核生物プロモーター データーベースEPDBにより)もまた、トランスジーンの発現を駆動するために使 用され得る。T3、T7、またはSP6細胞質発現系の使用は別の可能な実施態様であ る。真核生物細胞は、適切な細菌性ポリメラーゼが、送達複合体の一部としてま たはさらなる遺伝子発現構築物としてのいずれかで提供される場合、特定の細菌 性プロモーターからの細胞質転写を支持し得る。 バキュロウィルス系の使用は、強力なポリヘドロンプロモーターからの高レベル の発現を伴う。 代表的には、転写産物の適切なポリアデニル化を達成するためにポリアデニル 化シグナルを含ませる。ポリアデニル化シグナルの性質は、本発明の首尾良い実 施にとって重要ではないと考えられ、そして任意のこのような配列が用いられ得 る。好ましい実施態様は、簡便で、そして種々の標的細胞において良好に機能す ることが公知のSV40ポリアデニル化シグナルおよびウシ成長ホルモンポリアデニ ル化シグナルを含む。さらに、発現カセットのエレメントとして、ターミネータ ーが意図される。これらのエレメントはメッセージレベルを増強するためにそし てカセットから他の配列への読み通しを最少化するために作用し得る。 特定の開始シグナルはまた、コード配列の効率的な翻訳のために必要とされ得 る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接した配列を含む。ATG開始コ ドンを含む、外因性翻訳制御シグナルは、提供される必要があり得る。当業者は 、容易に、これを決定し、そして必要なシグナルを提供し得る。開始コドンは、 その全挿入物の翻訳を確実にするため、所望のコード配列のリーディングフレー ムと「イン-フレーム(in-frame)」でなくてはならないことは周知である。外因 性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然または合成のいずれかであり得る 。発現の効率性は、適切な転写エンハンサーエレメントを含むことによって増強 され得る(Blttnerら、1987)。 本発明の種々の実施態様において、発現構築物はウイルスまたはウイルスゲノ ム由来の操作された構築物を含み得る。レセプター媒介性エンドサイトーシスを 介して細胞に侵入し、そして宿主細胞ゲノム中に組み込み、そしてウイルス遺伝 子を安定にかつ効率的に発現する特定のウイルスの能力は、それらを哺乳動物細 胞への外来遺伝子の移入のための魅力的な候補にする(Ridgeway,1988;Nicolas およびRubenstein,1988;BaichwalおよびSugden,1986;Temin,1986)。ベクター として使用される最初のウイルスは、パポーバウイルス(シミアンウイルス40、 ウシパピローマウイルス、およびポリオーマ)を含むDNAウイルス(Ridgeway,19 88; BaichwalおよびSugden,1986)、およびアデノウイルス(Ridgeway,1988; Ba ichwalおよびSugden,1986)、およびアデノ随伴ウイルスであった。レトロウイ ルスはまた、ワクシニアウイルス(Ridgeway,1988)およびアデノ随伴ウイルス(R idgeway,1988)と同様に、魅力的な遺伝子移入ビヒクルである(NicolasおよびR ubenstein,1988; Temin,1986)。このようなベクターは、(i)目的のタンパク質 を発現する目的のためにインビトロで細胞株を形質転換するため、または(ii)遺 伝子治療シナリオにおいて治療的なポリペプチドを提供するため、インビト ロもしくはインビボで細胞を形質転換するために使用され得る。 好ましい実施態様において、ベクターはHSVである。HSVは向神経性であるため 、それは神経系障害を処置する際、かなりの利点を生じた。さらに、HSVの、宿 主細胞染色体に組み込むことも、さもなければ宿主細胞の代謝を変えることもな しで、潜伏の間に活性であるプロモーターの存在を伴なって、非分裂ニューロン 細胞において潜在性感 染を確立する能力。そして、多くの注意がHSVの向神経 性適用に集中したが、このベクターはまた、他の組織のために開発され得る。 HSVを魅力的なベクターにする別の要因は、ゲノムのサイズおよび組織である 。HSVは大きいため、複数の遺伝子または発現カセットの取り込みは、他のより 小さなウイルス系においてより問題が少ない。さらに、変動する性能(時間的、 強度など)を有する異なるウイルス制御配列の利用可能性は、他の系においてよ り大きな程度まで発現を制御することを可能にする。ウイルスが、比較的少ない スプライシングメッセージを有し、さらに遺伝子操作を容易にすることもまた、 利点である。 HSVはまた、操作することが比較的容易であり、そして高い力価にまで増殖さ れ得る。したがって、送達は、十分なMOIを達成するために必要とされる容量の 点において、および繰り返し投薬の減少した必要性においての両方で、問題がよ り少ない。遺伝子治療ベクターとしてのHSVの概説については、Gloriosoら、199 5を参照のこと。 IV.スクリーニングのための方法 A.ICP4抗アポトーシス活性のインヒビター 本発明の一つの実施態様において、ICP4の抗アポトーシス活性に対する活性に ついて化合物をスクリーニングする方法が提供される。これらのスクリーニング 方法は、試験化合物の存在下および非存在下の両方で、ICP4を発現する標的細胞 の細胞病理を決定する。少なくとも3つの異なるアッセイは、以下で考察される ように使用され得る。 第一に、サンプルをサイズ分画するための分離方法(例えば、クロマトグラフ ィーまたは電気泳動)を用いて、DNA断片化を調べ得る。実施例においてずっと 詳細に記載されるように、例示的なアッセイは、細胞からのDNAの単離、その後 のアガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロマイドでの染色を含む。アポト ーシスの特徴であるDNA断片化は、広範なフラグメントサイズを含む「ラダー」 として可視化される。 第二に、DNAの完全性を測定するため、ターミナルデオキシヌクレオチジルト ランスフェラーゼ媒介性dUTP-ビオチンニック末端標識化(TUNEL)アッセイを使用 し得る(Gorczyca,1993)。このアッセイは、酵素ターミナルトランスフェラーゼ によって切断されたDNA鎖中の標識したUTPの取り込みをモニターすることによっ て、DNAの断片化を測定する。取り込みは、電子顕微鏡によってか、または細胞 ソーティング方法論(例えば、FACS)によってモニターされ得る。 第三に、アポトーシスの細胞病理学的特徴の存在または非存在を評価するため 、標準的な光学顕微鏡または電子顕微鏡を用いて細胞を試験し得る。顕微鏡の標 準的な方法を適用する当業者は、細胞病理を評価し得る。 これらのアッセイの各々において、細胞は、アポトーシスの誘導および阻害の ための標的として使用される。一つの実施態様において、細胞は、それ自身のIC P4タンパク質を発現するHSVで感染される。第二の実施態様において、細胞は、 ウイルスプロモーターに連結されたα4遺伝子を有する。適切なウイルスでの感 染は、α4遺伝子の刺激およびICP4の発現を生じる。これらの最初の2つの実施 態様において、感染は、細胞においてアポトーシスを誘導するはずであり、そし てICP4の発現は、この効果を限定するはずである。第三の実施態様において、細 胞は、それ自身の遺伝物質の一部として誘導性バージョンのICP4遺伝子(すなわ ち、誘導性プロモーターに連結したα4)を含む。この状況において、低体温の ようないくつかの他の機構を介してアポトーシスを誘導し、そしてプロモーター を誘導することによってICP4を発現することが必要である。 細胞を、ICP4活性に対するその効果を評価するため、候補インヒビター物質と 接触させる。物質を、ICP4の供給の前、同時、またはその後に細胞と接触させ得 る。いくつかの場合において、候補インヒビター物質を、細胞と直接接触させ得 る。他の状況において、作用の性質および推定機構に依存して、候補インヒビタ ー物質は、改良された取り込みを提供するように再処方され得る。例えば、アン チセンスオリゴヌクレオチドが提供される場合、これらは、リポソーム中に、ま たはウイルスによりカプセル化された発現ビヒクルとして有利に処方され得る。 ポリペプチドが試験される場合、ポリペプチド自身ではなくこれらの分子をコー ドする発現ベクターを提供することは有利であり得る。本質的に、有効量の候補 インヒビター物質を適切な細胞内部位に送達するための最も合理的な機構が、選 択される。スクリーニングアッセイの目的のための「有効量」は、候補インヒビ ター物質なしでの細胞の同様の処理と比較して、検出可能な差異、そして好まし くは有意な差異を細胞の細胞病理において生じる量を意味することが意図される 。 一旦候補インヒビター物質がICP4を発現する細胞に提供されると、細胞病理の 評価が始められ得る。細胞病理を調べるために使用されるアッセイの型に依存し て、同時に、このプロセスを自動化し、そして数百個の候補を試験することが可 能である。例えば、いくつかのウェルがコントロールのためにとっておかれ、一 方で残りが試験物質を含み、通常各物質がいくつかの異なる量にて試験される96 ウェルトレイが使用され得る。 V.アポトーシスの阻害のための方法 本発明の一つの実施態様において、細胞におけるアポトーシスの阻害のための 方法が提供される。この方法は、細胞を不死化するか、または最小でも細胞の寿 命を増加させることを要求する場合、特に有用である。これは、延長した期間、 おそらく無期限に培養物中でその細胞を維持することを可能にする。不死化した 細胞は、目的のウイルスベクターまたはタンパク質の生成のための工場として主 に有用であるが、それらがずっと容易にインビトロで研究され得るように、細胞 を単に不死化することもまた重要であり得る。さらに、多くのウイルスは、遺伝 子治療ベクターとしての見込みを提供するが、これらのベクターは、それらが感 染する細胞におけるアポトーシスを誘発し得る。ウイルス誘導性アポトーシスを ブロックすることは、これらの治療的ベクターによって引き起こされる細胞死を 防止する。上記のように、アデノウイルス、パピローマウイルス、レトロウイル ス、アデノ随伴ウイルス、およびHSVは、例えばこの適用から恩恵を受け得る候 補遺伝子治療的ベクターである。 本発明に従ってアポトーシスを阻害する一般的なアプローチは、細胞にICP4ポ リペプチドを提供し、それによってICP4の阻害活性が効力を生じるのを可能にす ることである。タンパク質が直接送達され得ることが考えられ得るが、好ましい 実施態様は、ICP4ポリペプチドをコードする核酸(すなわち、α4遺伝子)を細 胞に提供することを含む。この供給後、ICP4ポリペプチドは、宿主細胞の転写お よび翻訳機構、ならびに発現構築物によって提供され得る任意の機構によって合 成される。α4遺伝子の発現を支持するために必要なシス作用性調節エレメント は、上記のように発現構築物の形態で提供される。HSV感染細胞の場合、ウイル スにコードされたα4の発現が刺激もしくは増強され得るか、または発現された ポリペプチドが安定化され得、それによって同じまたは同様の効果を達成するこ ともまた可能である。 α4遺伝子をコードする構築物の発現をもたらすために、発現構築物は細胞に 送達されなければならない。ウイルスベクターの考察における上記のように、送 達のための一つのメカニズムは、発現構築物が、複製または非複製のいずれかの 核酸を送達するウイルス粒子中にキャプシド化されるような、ウイルス感染を介 する。実質的に任意のベクターで十分であるが、好ましい実施態様はHSVベクタ ーである。同様に、ウイルスベクターが他の治療的遺伝子を送達するために使用 される場合、これらのベクターにα4遺伝子を含むことは、ウイルス誘導性アポ トーシスから細胞を有利に保護する。 培養された哺乳動物細胞への発現構築物の移入のためのいくつかの非ウイルス 的な方法はまた、本発明により意図される。これらはリン酸カルシウム沈殿(Gr ahamおよびVan Der Eb,1973;ChenおよびOkayama,1987:Rippeら、1990)、DEAE- デキストラン(Gopal,1985)、エレクトロポレーション(Tur-Kaspaら、1986;Pott erら、1984)、直接的マイクロインジェクション(HarlandおよびWeintraub,198 5)、DNA装填リポソーム(NicolauおよびSene,1982;Fraleyら、1979)およびリ ポフェクトアミン-DNA複合体、細胞超音波処理(Fechheimerら、1987)、高速マ イクロプロジェクタイルを使用する遺伝子ボンバードメント(Yangら、1990)、ポ リカチオン(Boussifら、1995)、およびレセプター媒介トランスフェクション (WuおよびWu,1987;WuおよびWu,1988)を含む。これらの技術のいくつかは、 以下に考察されるように、インビボまたはエクスビボでの使用のために首尾良く 適応され得る。 本発明の別の実施態様において、発現構築物は、単に裸の組換えDNAまたはプ ラスミドからなり得る。構築物の移入は、物理的または化学的に細胞膜を透過す る上記の任意の方法によって実施され得る。これは、インビトロでの移入につい て特に適用可能であるが、それは同様に、インビボでの使用に適用され得る。裸 のDNA発現構築物を細胞へ移入するための本発明の別の実施態様は、パーティク ルボンバードメントを含み得る。この方法は、細胞膜を貫通し、そして細胞を殺 すことなく細胞に侵入することを可能にするように、DNAでコートされたマイク ロプロジェクタイルを高速まで加速する能力に依存する(Kleinら、1987)。小 粒子を加速するためのいくつかのデバイスが開発されている。このようなデバイ スの1つは、電流を生じるための高電圧放電に依存し、これは次いで動力を提供 する(Yangら、1990)。使用されるマイクロプロジェクタイルは、タングステン または金ビーズのような生物学的に不活性な物質からなっていた。 本発明のさらなる実施態様では、発現構築物は、リポソーム中に封入され得る 。リポソームは、リン脂質二重層膜および内部水性媒体によって特徴づけられる 小胞構造体である。多重ラメラリポソームは、水性媒体により分離された多重脂 質層を有する。それらは、リン脂質が過剰の水溶液中に懸濁されたとき自然に形 成する。脂質成分は、閉鎖構造の形成前に自己再編成を受け、そして脂質二重層 間に水および溶解された溶質を封入する(GhoshおよびBachhawat、1991)。リポ フェクトアミン-DNA複合体もまた意図される。 外来DNAのインビトロでのリポソーム媒介核酸送達および発現は、非常に成功 している。Wongら(1980)は、培養ヒヨコ胚細胞、HeLa細胞および肝ガン細胞に おける外来DNAのリポソーム媒介送達および発現の実現性を示した。本発明の特 定の実施態様では、リポソームは、血球凝集ウイルス(HVJ)と複合体化され得 る。これは、細胞膜との融合を容易にし、そしてリポソームカプセル化DNAの細 胞侵入を促進することが示されている(Kanedaら、1989)。他の実施態様では、 リポソームは、核非ヒストン染色体タンパク質(HMG-1)と共に複合体化され得 るかまたは用いられ得る(Katoら、1991)。なおさらなる実施態様では、リポソ ームは、HVJおよびHMG-1と共に複合体化され得るかまたは用いられ得る。他の実 施態様において、送達ビヒクルは、リガンドおよびリポソームを含み得る。細菌 性プロモーターがDNA構築物において用いられる場合、適切な細菌性ポリメラー ゼをリポソーム内に含むこともまた望ましい。 細胞中にα4トランスジーンをコードする核酸を送達するために使用され得る 他の発現構築物は、レセプター媒介送達ビヒクルである。これらは、ほとんど全 ての真核生物細胞におけるレセプター媒介エンドサイトーシスによる巨大分子の 選択的取り込みを利用する。種々のレセプターの細胞型特異的分布のために、送 達は高度に特異的であり得る(WuおよびWu、1993)。 レセプター媒介遺伝子標的化ビヒクルは、一般に、2つの成分からなる:細胞 レセプター特異的リガンドおよびDNA結合剤。いくつかのリガンドが、レセプタ ー媒介遺伝子移入のために用いられている。最も十分に特徴づけられたリガンド は、アシアロオロソムコイド(ASOR)(WuおよびWu、1987)およびトランスフェ リン(Wagnerら、1990)である。近年では、合成新生糖タンパク質(neoglycopro tein)(これは、ASORと同一のレセプターを認識する)が、遺伝子送達ビヒクル として使用されている(Ferkolら、1993;Peralesら、1994)。マンノースは、肝 細胞におけるマンノースレセプターを標的化するために用いられ得る。また、CD 5(CLL)、CD22(リンパ腫)、CD25(T細胞白血病)およびMAA(黒色腫)に対 する抗体が、標的化部分として同様に用いられ得る。他の実施態様において、送 達ビヒクルは、リガンドおよびリポソームを含み得る。 初代哺乳動物細胞培養物を、種々の方法において調製し得る。インビトロでお よび発現構築物と接触しているが細胞を生存可能に維持するために、細胞を正し い比の酸素および二酸化炭素ならびに栄養分と接触させ続けるが、微生物の汚染 から防御することを確実にする必要がある。細胞培養技術は、十分に記載され、 そして本明細書中に参考として開示される(Freshner,1992)。 上記の1つの実施態様は、タンパク質の産生のために細胞を不死化するための 遺伝子移入の使用を含む。目的のタンパク質に対する遺伝子は、上記のように適 切な宿主細胞へ移入され得、次いで適切な条件下で細胞を培養し得る。実質的に 任意のポリペプチドに対する遺伝子は、この様式で使用され得る。組換え発現ベ クター(およびその中に含まれるエレメント)の作製は、上記に考察される。あ るいは、産生されるべきタンパク質は、問題の細胞によって通常合成される内在 性タンパク質であり得る。 有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、VeroおよびHeLa細胞、ならびにチャイニー ズハムスター卵巣細胞株、W138細胞、BHK細胞、COS-7細胞、293細胞、HepG2細胞 、3T3細胞、RIN細胞、およびMCK細胞である。さらに、挿入された配列の発現を 調節するか、または所望の様式で遺伝子産物を修飾およびプロセシングする宿主 細胞株が選択され得る。タンパク質産物のこのような修飾(例えば、グリコシル 化)およびプロセシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に重要であり得 る。異なる宿主細胞は、タンパク質の翻訳後プロセシングおよび修飾についての 特徴および特定の機構を有する。適切な細胞株または宿主系は、発現される外来 タンパク質の正確な修飾およびプロセシングを保証するために選択され得る。 それぞれ、tk細胞、hgprt細胞、またはaprt細胞中のHSVチミジンキナーゼ遺伝 子、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子、およ びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子を含むが、これらに限定さ れない多数の選択系が使用され得る。また、抗代謝産物耐性は、耐性を与える、 dhfr;ミコフェノール酸に耐性を与える、gpt;アミノグリコシドG418に耐性を 与える、neo;およびハイグロマイシンに耐性を与えるhygroについての選択にを 基礎として使用され得る。 動物細胞は、インビトロで2つの様態で増殖され得る:培養の大部分を通して 懸濁液において増殖する足場非依存性細胞としてか、またはその増殖のために固 体基体への接着を必要とする足場依存性細胞(すなわち、単層型の細胞増殖)。 連続的に樹立された細胞株由来の足場非依存性培養すなわち懸濁培養は、細胞 および細胞産物の大量産生の最も広範に使用される手段である。しかし、懸濁培 養された細胞は、腫瘍化の可能性および付着細胞より低いタンパク質産生のよう な制限を有する。 哺乳動物細胞の撹拌タンク内での大量懸濁培養は、組換えタンパク質の産生の ための一般的な方法である。2つの懸濁培養反応器設計が広く使用される−撹拌 反応器およびエアリフト反応器。撹拌設計は、インターフェロンの産生において 、 8000リットル容量で首尾良く使用されている(Phillipsら,1985;Mizrahi,1983) 。細胞は、1:1〜3:1の高さ−直径比を有するステンレス鋼タンク内で増殖 される。培養物は、通常、翼のついた円盤または海洋プロペラ型に基づく一つ以 上の撹拌器で混合される。翼より弱い剪断力を与える撹拌器系が記載されている 。撹拌は、直接的かまたは磁気駆動装置により間接的かのいずれかで駆動され得 る。間接的駆動装置は、撹拌器シャフトのシールを介した微生物汚染の危険を減 じる。 微生物発酵についてまた最初に記載され、そして後に哺乳動物培養について適 用されたエアリフト反応器は、培養物の混合および酸素添加の両方について気流 に頼る。気流は、反応器の立ち上がり(riser)部分へ入り、そして循環を駆動す る。気体は培養表面で解放され、気泡のないより濃密な液体が反応器の降下管部 分において下方向へ移動するのを生じる。この設計の主要な利点は、簡単さおよ び機械的撹拌の必要性の欠如である。代表的に、高さ−直径比は10:1である。 エアリフト反応器は、比較的容易に拡大し、気体の良好な大量輸送を有し、そし て比較的小さい剪断力を生じる。 VI.アポトーシスの誘導のための方法 本発明の別の実施態様において、HSV感染細胞におけるアポトーシスを誘導す る(すなわち、ICP4の機能を阻害する)方法が意図される。このようにして、感 染細胞の未成熟死を引き起こすことによってウイルス感染を縮小することが可能 であり得る。さらに、これは、より伝統的な化学療法(例えば、アシクロビルの 投与)と組み合わせてこの種の治療的介入を使用することが有効であることを証 明し得る。 本発明のこの局面がとる一般的な形態は、ICP4機能を阻害する薬剤の細胞への 供給である。4つのこのような薬剤が意図される。第1に、薬剤は、α4遺伝子 またはα4転写産物のいずれかにハイブリダイズし、それによってそれぞれ転写 または翻訳を妨害するアンチセンス核酸を使用し得る。アンチセンス構築物の設 計に関連する考慮は、上記に示されている。第2に、薬剤は、ICP4結合タンパク 質またはペプチド(例えば、ペプチド模倣物またはICP4に免疫学的に結合する抗 体)を利用し得、そのいずれかの結合はICP4の活性をブロックするかまたは減少 させる。ペプチド結合パートナーおよび抗体の作製および選択の方法は、当業者 に周知である。第3に、薬剤はICP4のアンタゴニスト(例えば、トランス活性化 標的配列)を単独または別の薬剤と組合せて細胞へ提供し得る。そして第4に、 薬剤はICP4結合で生じるのと、同じ機能的結果を有さずにICP4標的に結合する薬 剤を提供し得る。 α4遺伝子、ICP4結合タンパク質、またはICP4アンタゴニストの供給は、任意 の適切な薬学的経路による。このような組成物の処方および組織へのこれらの送 達は、下記に考察される。核酸、タンパク質、または化学薬品が移入される方法 は、好ましい送達経路とともに、処置されるべき特定の部位に基づいて選択され る。当業者は、関連する臨床的考慮に基づいて、最も適切な方法を決定し得る。 一般的にインビトロで適用される多くの遺伝子移入技術は、エクスビボまたは インビボでの使用に適合され得る。例えば、ラットおよびマウスの肝臓、皮膚、 および筋肉組織を含む選択された器官が、インビボでボンバードメントが行われ ている(Yangら、1990;Zeleninら、1991)。裸のDNAはまた、遺伝子治療を達成 するために臨床状況において使用されている。これらのアプローチは、腫瘍組織 の外科的露出、または直接腫瘍内注射を必要とし得る。Nicolauら(1987)は、静 脈内注射の後に、ラットにおいて、好結果なリポソーム媒介遺伝子移入を達成し た。 Dubenskyら(1984)は、ポリオーマウイルスDNAを、CaPO4沈澱物の形態で、成体 および新生仔のマウスの肝臓および脾臓に首尾良く注射し、活性なウイルス複製 および急性感染を示した。BenvenistyおよびNeshif(1986)はまた、CaPO4沈澱 プラスミドの直接的な腹腔内注射が、トランスフェクトされた遺伝子の発現を生 じることを示した。従って、アンチセンス構築物をコードするDNAもまた、イン ビボで同様の様式で移入され得ることが予期される。 実施態様がICP4ポリペプチドを認識する抗体の使用を含む場合、抗体が細胞の 細胞質へ導入される機構について考慮されなければならない。これは、例えば、 提供されるべき抗体の単鎖抗体異型をコードする発現構築物を提供することによ って達成され得る。α4遺伝子のアンチセンス型についての発現構築物に関連す る上記の考察のほとんどは、本発明のこの局面に適切である。あるいは、抗体の 一方の抗原結合アームがICP4ポリペプチドを認識し、もう一方の抗原結合アーム が、標的化されるべき細胞の表面上のレセプターを認識する、二機能性抗体を提 示することが可能である。適切なレセプターの例は、gB、gC、gD、またはgHのよ うなHSV糖タンパク質である。さらに、HSV gEと結合し、それによって細胞標的 化の目的で抗体の1つのアームを犠牲にする必要性を取り除く、Fc結合官能基を 開発することが可能であり得る。 有利に、このアプローチをより慣習的な化学療法的選択枝と組合せ得る。アシ クロビルは、HSV-1およびHSV-2に対する活性薬剤である。この薬物は、活発に複 製しているヘルペスウイルスを阻害するが、潜伏ウイルスに対しては活性ではな い。アシクロビルは3つの処方物において利用可能である。局所的使用について は、5%の軟膏は、粘膜皮膚の病巣において治療的薬物レベルを生じる。全身的 使用については、アシクロビルは、経口的または静脈内に投与され得る。正常な 腎機能を有する成体における通常の静脈内投薬は、5mg/kgが、1時間にわたって 一定の速度で注入され、そして8時間毎に与えられる;この投薬は約10g/mlのピ ーク血漿レベルを生じる。HSV脳炎については、この用量の2倍が使用される。 通常、成体の経口投薬は200mgで1日5回であり、これは静脈内投与で達成され るレベルと同じくらい高い、10%未満である血漿レベルを生じる;しかし、これ らのレベルでさえウイルスに対し阻害的である。アシクロビルは、帯状ヘルペス の処置のために800mgで1日5回の経口投薬で与えられるが、経口投与は、一般 的に重篤な病状の患者のために残しておかれる。3%の眼用(opthalmic)調製物 は、眼房水において阻害的薬物レベルを生じ、ヘルペス性角膜炎に有効である。 VII.インビポでのウイルス誘導性細胞死の阻害のための方法 本発明の別の実施態様において、ICP4ポリペプチドまたはα4遺伝子の供給を 含む何らかの原因によってインビボで誘導される細胞死の阻害のための方法が提 供される。本発明のこの局面においてまた意図されることは、ウイルスICP4発現 の刺激、またはウイルスにより発現されるICP4ポリペプチドの安定化である。ア ポトーシスの阻害は、一般的にウイルスに対する利点と考えられるが、ウイルス 感染を処置する方法の一部としてこの結果を達成することが所望され得る。例え ば、宿主細胞が生存可能なままである場合、ウイルスは複製し続け得る;あるい は、アポトーシスが生じる場合、ウイルスは神経節において「潜伏へ向かう」傾 向があり得、ここでは、化学療法的介入は役立たない。従って、細胞の初期の死 滅を防ぐことによって、ICP4は、ウイルスをそれがさもなくばのがれる処置に感 受性のままにし得る。 ICP4タンパク質および核酸の細胞へ送達する機構は、本明細書の別の場所で考 察され、そしてここで繰り返す必要はない。標準的化学療法の使用は、前述の章 に示されており、そしてこの章において援用される。 VIII.疾患の処置のための医薬品およびインビボの方法 本発明の水性薬学的組成物は、有効量のα4発現構築物、アンチセンスα4発 現構築物、α4とともに治療的遺伝子をコードする発現構築物、抗ICP4抗体のよ うなICP4機能を阻害するタンパク質、またはICP4ポリペプチドを有する。このよ うな組成物は、一般的に、薬学的受容可能なキャリアまたは水性媒体中に溶解ま たは分散される。治療の目的についての「有効量」は、被験体の状態において臨 床的に測定可能な差異を生じる量で規定される。この量は、物質、患者の状態、 処置の型、傷害の位置などに依存して変化する。 用語「薬学的にまたは薬理学的に受容可能」とは、動物またはヒトに適切に投 与した場合に、有害な、アレルギー性の、または他の所望でない反応を生じない 分子的存在および組成物に対していう。本明細書中で用いる「薬学的に受容可能 なキャリア」は、任意および全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤お よび抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性な物質の ためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来 の媒体または薬剤が活性成分と不適合性である場合を除いて、治療的組成物にお けるその使用が意図される。補助的な活性成分(例えば、他の抗ガン剤)はまた 、組成物中に取り込まれ得る。 非経口投与のために処方された化合物(例えば、静脈内注射または筋肉内注射 のための化合物)に加えて、他の薬学的に受容可能な形態は、例えば、錠剤また は経口投与のための他の固体;時間放出カプセル剤;および現在使用される任意 の他の形態(クリーム剤、ローション剤、うがい薬、吸入剤などを含む)を含む 。 本発明の活性な化合物は、しばしば、非経口投与のために処方され、例えば、 静脈内、筋肉内、皮下、またはさらに腹腔内の経路を介しての注射のために処方 される。グリコシルセラミド合成阻害化合物単独または活性な成分として化学療 法剤との組合せを含む水性組成物の調製は、本開示を考慮すれば当業者に理解さ れる。代表的には、このような組成物は、注射可能な物として、液体溶液または 懸濁液のいずれかとして調製され得;注射の前に、液体の添加により溶液または 懸濁液を調製するために使用するのに適切な固体形態もまた調製され得;そして 調製物はまた乳濁化され得る。 遊離の塩基または薬理学的に受容可能な塩としての活性な化合物の溶液は、界 面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)と適切に混合した水中に調 製され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およ びそれらの混合物中で、および油中で調製され得る。保存および使用の通常の条 件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含む。 注入可能な使用に適した薬学的形態は、無菌の水溶液または水性分散液;ゴマ 油、ピーナッツ油、または水性プロピレングリコールを含む処方物;および無菌 の注入可能な溶液または分散液の即席の調製のための無菌の粉末を含む。多くの 場合において、この形態は無菌でなければならず、そして容易に注入され得る程 度に流動性でなければならない。この形態は、製造および保存の条件下で安定で なければならず、そして細菌および真菌のような微生物の汚染作用から保護され なければならない。 活性化合物は、中性または塩の形態で組成物中に処方され得る。薬学的に受容 可能な塩は、酸付加塩を含み(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)、そし て、例えば、塩酸もしくはリン酸のような無機酸で形成されるか、または酢酸、 シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などのような有機酸で形成される。遊離のカルボ キシル基で形成される塩はまた、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、 水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化第二鉄のような無機塩基 、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなど の ような有機塩基から誘導され得る。 キャリアはまた、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロー ル、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それら の適切な混合物、および植物油を含む、溶媒または分散媒体であり得る。適度な 流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用、分散液の場合におい て要求される粒径の維持、および界面活性剤の使用により、維持され得る。微生 物の作用の防護は、種々の抗菌剤、抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノ ール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により達成され得る。多く の場合、等張化剤(例えば、ショ糖または塩化ナトリウム)を含有することが好 ましい。注入可能な組成物の長期の吸収は、例えば、一ステアリン酸アルミニウ ムおよびゼラチンのような吸収遅延剤の組成物中での使用により、達成され得る 。 無菌の注入可能な溶液は、必要に応じて上記に列挙した種々の他の成分ととも に適切な溶媒中に必要量の活性化合物を取り込み、続いて濾過滅菌することによ り調製される。一般に、分散液は、基本分散媒体および上記に列挙したものから の他の必要な成分を含有する無菌のビヒクル中に種々の無菌の活性成分を取り込 むことにより調製される。無菌の注入可能な溶液の調製のための無菌の粉末の場 合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥の技術である。これらの技術 により、それらの予め無菌濾過した溶液からの活性成分に加えて任意のさらなる 所望の成分の粉末を得る。 特定の場合、本発明の治療処方物はまた、クリームおよびローションのような 局所投与に適した形態で調製され得る。これらの形態は、種々の肉腫のような皮 膚関連疾患を処置するために使用され得る。他の特定の場合、処方物は、中枢神 経系(例えば、脳)に投与するために適応される。 処方の際、溶液は、投薬処方物に適合する様式で、そして治療的に有効である ような量で、投与される。処方物は、種々の投薬形態(例えば、上記の注射可能 な溶液のタイプ)で容易に投与され得、薬物放出カプセルなどでさえも用いられ 得る。 例えば水溶液での非経口投与のために、溶液は、必要に応じて適切に緩衝化さ れるべきであり、そして液体希釈剤はまず、充分な生理食塩水またはグルコース で等張化される。これらの特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与 、および腹腔内投与に特に適している。この関連で、使用され得る無菌の水性媒 体は、本開示を考慮すれば当業者には理解される。例えば、1投薬量は、1mLの 等張NaCl溶液に溶解され得、そして1000mLの皮下注入液に添加されるか、または 注入予定部位に注射されるかのいずれかである(例えば、「Remington's Pharm aceutical Sciences」、第15版、1035-1038および1570-1580頁を参照のこと)。 投薬量におけるいくつかの変更は、処置される被験体の状態によって必然的に生 じる。投与に責任のある人物は、どんな事象においても、個々の被験体に適した 用量を決定する。 IX.実施例 以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すために含まれる。以下の実 施例に開示される技術が、本発明の実施において良好に機能することが本発明者 らによって見出された技術を示し、従ってその実施の好ましい態様を構成すると 考えられ得ることは、当業者により理解されるべきである。しかし、当業者は、 本開示を考慮して、開示される特定の実施態様において多くの変更がなされ得、 そしてなお同じかまたは類似の結果が、本発明の精神および範囲を逸脱すること なく得られることを理解するべきである。 実施例1:材料および方法 細胞。Vero細胞を、初め、J.McClelandから得た。HSV-1(F)は、本研究におい て使用されるプロトタイプHSV-1株である(Ejercitoら、1968)。University of P ittsburghのN.DeLucaから得たE5は、それ自身のプロモーターの下でICP4を発現 するVero細胞株である(DeLucaら、1985)。ICP4の発現は、感染性ウイルスによっ てトランス活性化される。 ウイルス。本研究で使用されるプロトタイプHSV-1株であるHSV-1(F)は、限定 された細胞培養継代歴を有するほとんどの野生型単離株のように、ICP4中に温度 感受性変異を有する(Ejercitoら、1968)。非許容温度(39.5℃)で、この株は βおよびγ遺伝子の発現を欠く。HSV-1変異体d120(N.DeLucaから得た)は、IC P4遺伝子の両方のコピーに欠失を有し、そしてICP4を発現する細胞株においての み増殖し得る(DeLucaら、1985)。HSV-1 tsHAlは、温度感受性変異をICP8(ウイ ルスDNA複製に必須のタンパク質)中に有する(Conleyら、1981)。非許容温度(3 9.5℃)で、これはDNA合成を欠き、そしてその発現がウイルスDNA合成に依存す るγ2遺伝子を発現しない。HSV-1のゲノムの模式図を図1に示す。 電子顕微鏡写真法。HSV-1(F)またはd120で感染したVero細胞を37℃で20時間イ ンキュベートした。細胞をPBS中の2%グルタルアルデヒド中で60分間4℃で固 定し、その後1%四酸化オスミウムで固定し、酢酸ウラニル(5mg/ml)でひとま とめにして染色し、アセトンで脱水し、そしてEpon 812中に包埋した。薄い切片 を、染色していないかまたは酢酸ウラニルおよび水酸化鉛での染色後かのいずれ かで検査した。細胞をSiemens 101電子顕微鏡で6000×で写真に撮った。 光学顕微鏡写真法。細胞をビオチン化dUTPで標識した。示した時間に細胞を氷 冷メタノール中で-20℃で固定し、そして風乾し、次いでリン酸緩衝化生理食塩 水でリンスし、15分間室温で1×ターミナルトランスフェラーゼ緩衝液(Promeg a)、1mM CoCl2、0.05mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、0.5moleビオチン-16-dUT P(Boehringer Mannheim Biochemicals)、および3ユニットのターミナルトラン スフェラーゼ(TdT,Promega)を含有する40mlの溶液と反応させ、PBS中で十分に リンスし、30分間室温でTexasレッド結合アビジンを4×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl、0.015M Na-クエン酸である)、0.1% Triton X-100、5%(w/v)脱脂乾燥 ミルク中に含有する40mlの溶液と反応させ、PBSで十分にリンスし、グリセロー ル中の10%PBS中でマウントし、そしてZeiSS共焦点蛍光顕微鏡下で検査した。画 像を、Zeissにより提供されるソフトウェアを用いて同一の設定下で捕捉し、そ してTektronix 440フェイザー(phaser)プリンターでプリントした。細胞を、37 ℃で20時間偽感染させ;37℃で20時間d120ウイルスで感染させ;37℃で20時間HS V-1(F)で感染させ;37℃で30時間d120ウイルスで感染させ;39.5℃で30時間偽感 染させ;39.5℃で30時間d120ウイルスで感染させ;そして39.5℃で30時 間HSV-1(F)で感染させた。 DNA断片化アッセイ。Vero細胞またはE5細胞をHSV-1(F)、d120変異体、またはH SV-1 tsHAl変異体で感染させ、そして37℃または39.5℃でホスホノ酢酸(phosph onoacetic acid)の非存在下または存在下で維持した。感染の30時間後に、サン プルあたり2×106細胞を回収し、PBS中で洗浄し、10mM Tris-HCl、 pH8.0、10m M EDTA、および0.5%Triton X-100を含有する溶液中で溶解し、そして12,000rpm で25分間、Eppendorfミクロ遠心分離機中で遠心分離して染色体DNAをペレット化 した。上清液を、37℃で1時間0.1mg RNase A/mlで、50℃で2時間1mgプロテイナ ーゼK/mlで、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下で消化し、フェノール およびクロロホルムで抽出し、そして冷エタノール中で沈澱させ、そして5mgの エチジウムブロミド/mlを含有する水平な1.5%アガロースゲル上で電気泳動に供 した。DNAをUV光透視法により可視化した。写真を、コンピューター補助画像処 理機(Eagle Eye II,Stratagene)を用いて撮った。 実施例2:結果 ICP4の欠失したHSV-1変異体はアポトーシスを誘導する。最初の一連の研究に おいて、野生型またはd120変異体で感染させたVero細胞をアポトーシスの形態学 的証拠のために検査した。Vero細胞を野生型またはd120での感染後20〜24時間で 固定および回収し、包埋し、切片化し、そしてSiemens 101電子顕微鏡で検査し た。野生型ウイルスで感染させた細胞は、代表的な感染細胞形態(すなわち、縁 の付いたクロマチン、核の内膜および外膜の分離、およびウイルス粒子の蓄積) を、全てではないがいくつかの細胞において示した。d120欠失変異体で感染させ た細胞は、甚だしいクロマチン凝集、核膜の消失、ならびに細胞質の甚だしい液 胞化および小泡形成を示した。約40〜50%の感染細胞は、上記の形態学的変化の いくつかまたは全てを示すと評価した。 第二の一連の研究において、Vero細胞を偽感染したかまたは細胞あたり10PFU の野生型もしくはd120変異体ウイルスのいずれかで感染させた。37℃での20時間 のインキュベーションの後、細胞を固定し、ターミナルトランスフェラーゼの存 在下でビオチン化したdUTPで標識し、次いで蛍光アビジンと反応させた。偽感染 した細胞または野生型ウイルスで感染させた細胞は、ターミナルトランスフェラ ーゼによるビオチン化dUTPでの標識の徴候を示さなかったが、d120で感染させそ して同一の温度で維持した細胞は、DNAの切断により作製されたDNA末端に組み込 まれたビオチン化dUTPとの、蛍光アビジンの反応に起因する甚だしい蛍光を示し た。 第三の一連の研究において、複製Vero細胞培養物を、細胞あたり10PFUのHSV-1 (F)またはd120のいずれかで感染させ、そして37℃でインキュベートした。本研 究はまた、HSV-1(F)で感染させ、1mlあたり300μgのホスホノアセテートを含有 する培地を重層し、そして37℃でインキュベートしたVero細胞培養物、ならびに 10PFUのHSV-1 tsHA1で感染させ、そして37℃または39.5℃いずれかでインキュベ ートした1セットのVero細胞培養物を含んでいた。この濃度のホスホノアセテー トは、ウイルスDNA合成を完全に阻害し、そしてその発現がウイルス合成に依存 するγ2遺伝子の発現をブロックする。細胞を感染後30時間で回収し、溶解し、 そして遠心分離して染色体DNAをペレット化した。上清液を上記のように処理し 、そしてアガロースゲル中での電気泳動に供し、可溶性の断片化DNAの存在につ いて試験した。 結果は以下のようであった。d120欠失変異体で感染させた細胞は、高収量の断 片化DNAを生じ、このDNAはエチジウムブロミドで染色したアガロースゲル上で容 易に視覚的に観察可能であった。これらのラダーは、野生型感染細胞またはd120 で感染させたE5細胞の電気泳動的に分離した抽出物を含有するアガロースゲルに おいては観察されなかった。Vero細胞をホスホノアセテートを含有する培地にお いてインキュベートした場合、断片化DNAは、d120変異体で感染させた細胞から 検出されたが、野生型では検出されなかった。断片化DNAは、39.5℃でインキュ ベートした偽感染細胞の抽出物において視覚的に観察可能であったが、HSV-1 ts HA1で感染させ、そして同じ温度でインキュベートした細胞では観察不能であっ た。 この一連の研究から、以下のように結論する:(i)HSV-1は、アポトーシスに特 徴的な形態学的および生化学的変化を誘導し得、そしてこれらの変化は、ICP4 を欠失する変異体で感染させた細胞において顕著である;(ii)野生型ウイルス は、アポトーシスを誘導せず、このことは、ICP4またはその後発現されるタンパ ク質が、細胞をアポトーシスから保護し得ることを示している;(iii)防護的 、抗アポトーシス効果は、ウイルスのDNA合成の開始に依存しないウイルス機能 である;(iv)アポトーシスを代表するDNA分解は、39.5℃でのインキュベーシ ョンの際に偽感染において観察されたが、HSV-1tsHA1感染細胞においては観察さ れなかった、このことは、上昇した温度での長期のインキュベーションが、初期 に発現されるウイルス機能によってブロックされるアポトーシスを誘導し得るこ とを示唆する。 ICP4は、抗アポトーシス機能を発現する。第四の一連の研究において、Veroま たはE5細胞を、偽感染させるか、または10PFU/細胞のHSV-1(F)もしくはd120のい ずれかで感染させた。細胞を39.5℃で30時間インキュベーションした。これらの 研究の原理は、以下の通りであった。実施例1に記載されるように、HSV-1(F)は 、ts損傷をα4遺伝子に保有し、そして非許容温度(39.5℃)でα遺伝子のみを 発現する。E5細胞株に内在するα4遺伝子およびα4遺伝子を欠失するd120変異 体ウイルスは、ts表現型を示さないHSV-1(K0S)株に由来した。さらに、E5細胞株 に内在するα4遺伝子は、感染の後に誘導され、そして感染されていない細胞に おいて発現されない。第一の一連の研究において、細胞を回収し、溶解し、遠心 分離して染色体DNAを沈降させ、そして上清液を実施例1に記載されるように処 理し、そしてアガロースゲル中で電気泳動に供した。 結果は以下の通りであった。断片化DNAは、偽感染Vero細胞、d120変異体で感 染させたVero細胞、および偽感染させたE5細胞の電気泳動的に分離した抽出物を 含有するレーンに存在した。断片化DNAは、野生型ウイルスで感染させたVero細 胞でも、d120変異体ウイルスもしくはHSV-1(F)ウイルスのいずれで感染させたE5 細胞においても検出されなかった。 第二の一連の研究において、Vero細胞を、偽感染、またはd120もしくは野生型 ウイルスのいずれかで感染させた。39.5℃での30時間のインキュベーションの後 、細胞を固定し、そしてターミナルトランスフェラーゼによりビオチン化dUTPで 標 識し、そして蛍光アビジンと反応させた。蛍光は、偽感染したかまたはd120変異 体で感染させた細胞で検出されたが、野生型ウイルスで感染させた細胞において は検出されなかった。 これらの研究は、HSV-1(F)α4遺伝子が、DNAの分解に反映されるアポトーシ スをブロックする機能をコードすること、およびこの機能が、HSV-1(F)のα4遺 伝子の温度感受性損傷によって影響されるICP4のリプレッサー機能およびトラン スアクチベーター機能から分離可能であることを結論することを可能にした。 結果の要旨を、表4に提供する。(+)アポトーシスの誘導、または(-)アポトー シスからの保護は、VeroおよびE5細胞株におけるアポトーシスを誘導する条件( 感染ウイルスおよびインキュベーション温度)について示す。「ntは、試験され ていないことを示す。 X.参考文献 以下の参考文献は、本明細書中において示される詳細に補足的な、例示的な手 順の詳細または他の情報を提供するという程度にまで、参考として援用される:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/035 C12P 21/08 C12N 5/10 C12N 5/00 B 15/02 15/00 C C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞のアポトーシスをブロックするための方法であって、該細胞にHSV ICP4 ポリペプチドを提供する工程を包含する、方法。 2.前記提供する工程が、前記細胞を前記HSV ICP4ポリペプチドと接触させるこ とを包含する、請求項1に記載の方法。 3.前記提供する工程が、前記細胞をHSV α4遺伝子と接触させることを包含す る、請求項1に記載の方法。 4.前記遺伝子が、発現ベクター中に含まれている、請求項3に記載の方法。 5.前記遺伝子が、真核生物細胞において活性なプロモーターの転写制御下にあ る、請求項4に記載の方法。 6.前記プロモーターが、テトラサイクリン制御プロモーターである、請求項5 に記載の方法。 7.前記発現ベクターが、選択マーカーをさらに含む、請求項6に記載の方法。 8.前記発現ベクターが、真核生物細胞において活性なプロモーターの転写制御 下にある第2のポリペプチドをコードする遺伝子をさらに含む、請求項7に記載 の方法。 9.HSVに感染した細胞においてアポトーシスを誘導するための方法であって、 該細胞に、該細胞中のHSV ICP4機能を阻害する薬剤を投与する工程を包含する、 方法。 10.前記薬剤が、HSV α4遺伝子の転写を阻害する、請求項9に記載の方法。 11.前記薬剤が、HSV α4遺伝子転写産物の翻訳を阻害する、請求項9に記載 の方法。 12.前記薬剤が、HSV ICP4ポリペプチドに結合する、請求項9に記載の方法。 13.前記試薬が、アンチセンスHSV α4構築物である、請求項10に記載の方 法。 14.前記試薬が、アンチセンスHSV α4構築物である、請求項11に記載の方 法。 15.前記試薬が、HSV ICP4ポリペプチドに免疫学的に結合する抗体である、請 求項12に記載の方法。 16.前記構築物が、HSV α4遺伝子の5'非翻訳領域にハイブリダイズするオリ ゴヌクレオチドを含む、請求項13に記載の方法。 17.前記構築物が、HSV α4転写産物の翻訳開始部位にハイブリダイズするオ リゴヌクレオチドを含む、請求項14に記載の方法。 18.前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項15に記載の方法。 19.HSV感染を有する被験体を処置するための方法であって、HSV ICP4機能を 阻害する工程を包含する、方法。 20.前記阻害が、前記被験体に、HSV α4アンチセンス構築物を含む第1の薬 学的組成物を提供することを含む、請求項19に記載の方法。 21.前記阻害が、前記被験体に、HSV ICP4ポリペプチドに免疫学的に結合する モノクローナル抗体を含む第1の薬学的組成物を提供することを含む、請求項1 9に記載の方法。 22.前記第1の薬学的組成物が、前記患者におけるHSV感染細胞に局所的に適 用される、請求項20に記載の方法。 23.前記第1の薬学的組成物が、前記患者におけるHSV感染細胞に局所的に適 用される、請求項21に記載の方法。 24.前記被験体に、従来の抗HSV剤を含む第2の薬学的組成物を提供する工程 をさらに包含する、請求項19に記載の方法。 25.前記第2の薬学的組成物が、アシクロビルを含む、請求項24に記載の方 法。 26.前記アシクロビルが、局所、経口、および静脈内からなる群より選択され る経路を介して送達される、請求項25に記載の方法。 27.アポトーシスのHSV ICP4ポリペプチド誘導性阻害に対して阻害活性を有す る化合物についてのスクリーニング方法であって、以下の工程: (a)HSV前初期プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第1の細胞を提供 する工程; (b)該第1の細胞を、機能的α4遺伝子を欠く単純ヘルペスウイルスに感染さ せる工程; (c)該第1の細胞を試験化合物と接触させる工程; (d)該第1の細胞を、ウイルス複製を可能にする条件下でインキュベートする 工程;および (e)インキュベーション後の該第1の細胞の細胞病理を、(i)該単純ヘルペスウ イルスでの感染後の、HSV α4遺伝子を欠く第2の細胞の細胞病理、および(ii) 該単純ヘルペスウイルスの感染後だが、該試験化合物の非存在下の、HSV前初期 プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第3の細胞の細胞病理、と比較す る工程、 を包含する、方法。 28.前記細胞病理が、クロマチン凝集、核膜の消失、液胞化、細胞質の小泡形 成、およびDNA断片化を含む、請求項27に記載の方法。 29.前記細胞株が、α4プロモーターの制御下で組み込まれたコピーの野生型H SV α4遺伝子を含む、請求項27に記載の方法。 30.前記機能的HSV α4遺伝子を欠く単純ヘルペスウイルスが、ウイルスにコ ードされたα4遺伝子の両方のコピーに欠失を有する、請求項29に記載の方法 。 31.前記機能的HSV α4遺伝子を欠くヘルペスウイルスが、ウイルスにコード されたα4遺伝子の両方のコピーに温度感受性変異を有し、そして前記インキュ ベーションが39.5℃で行われる、請求項30に記載の方法。 32.アポトーシスのHSV ICP4誘導性阻害に対して阻害活性を有する化合物につ いてのスクリーニング方法であって、以下の工程: (a)誘導性プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第1の細胞を提供する 工程; (b)該プロモーターからの転写を誘導する工程; (c)該第1の細胞を試験化合物と接触させる工程; (d)該第1の細胞を、HSV ICP4ポリペプチドの発現条件下でインキュベートす る工程;および (e)インキュベーション後の該第1の細胞の細胞病理を、(i)誘導後の、HSV α 4遺伝子を有さない第2の細胞の細胞病理、および(ii)誘導後だが、該試験化合 物の非存在下の、誘導性プロモーターの制御下のHSV α4遺伝子を含む第3の細 胞の細胞病理、と比較する工程、 を包含する、方法。 33.アポトーシスのHSV ICP4ポリペプチド誘導性阻害に対して阻害活性を有す る化合物についてのスクリ−ニング方法であって、以下の工程: (a)第1の細胞を提供する工程; (b)該第1の細胞を単純ヘルペスウイルスに感染させる工程; (c)該第1の細胞を試験化合物と接触させる工程; (d)該第1の細胞を、ウイルス複製を可能にする条件下でインキュベートする 工程;および (e)インキュベーション後の該第1の細胞の細胞病理を、(i)該試験化合物単独 で処理した第2の細胞の細胞病理、および(ii)該単純ヘルペスウイルスの感染後 だが、該試験化合物の非存在下の、第3の細胞の細胞病理、と比較する工程、 を包含する、方法。 34.細胞中でポリペプチドを発現させるための方法であって、以下の工程: (a)細胞を、該ポリペプチドをコードするヘルペスウイルスベクターと接触さ せる工程; (b)該細胞を、ICP4のトランス活性化機能をブロックするが、ICP4のアポトー シス阻害機能をブロックしない薬剤と接触させる工程、 を包含する、方法。
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