JP2002524037A - 単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドレダクターゼのr1サブユニット又はそのn−末端部分を含んで成る抗−アポプトシス組成物;及びその使用 - Google Patents

単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドレダクターゼのr1サブユニット又はそのn−末端部分を含んで成る抗−アポプトシス組成物;及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 ウィルス再活性化の後、非常にすばやく発現される単純ヘルペスウィルス(HSV)リボヌクレオチドレダクターゼのR1サブユニットは、未知の機能の約350個のアミノ酸のN−末端ドメインを有する。アデノウィルス(Ad)誘発性システムを用いて、本発明者は、このドメインの完全な欠失が細胞毒性タンパク質を生成することを示した。本発明者は現在、この切断されたR1により誘発されるアポプトシス死が完全な長さのR1の同時発現により完全に妨げられ得ることを報告している。このR1抗アポプトシス活性はさらに、低レベルでのタンパク質の発現が、シクロヘキシミド(CHX)の存在下で誘発するTNF−受容体ファミリー又はAd組換え体によるFas−L同時発現のいずれかにより誘発されるアポプトシスを完全に阻止することができることを示すことによって実証された。両者の場合、保護は、テトラサイクリン類似体ドキシサイクリンによるITA機能の阻害がRI発現を妨げる場合、損なわれた。0.005%の合計を細胞タンパク質のレベルが、TNFα+CHXに対する半分の最大保護のために十分であった。不活性56−kDaプロフォーム及び活性18−kDa種を可視化する抗血清によるイムノブロット、又はカスパーゼ8特異的蛍光基質としてETD−AFCを用いるインビトロアッセイのいずれかによりカスパーゼ8活性化をモニターすることによって、本発明者は、TNF−α+CHX又はFas−L発現により誘発されるカスパーゼ8の強い活性化がR1タンパク質により妨げられることを見出した。最終的に、HSV−1R1欠失変異体、ICP6Δを用いて、本発明者は、サイトカイン−誘発されたアポプトシスに対するHSV−感染された細胞の保護においてHSV−R1の重要性についての直接的な証拠を得た。それらの結果は、ウィルス再活性化のために必要であるそのレダクターゼ機能の他に、HSV R1が免疫システムにより誘発されるアポプトシスを妨げることによって、ウィルス増殖に寄与することができたことを示す。N−末端ドメインは単独で、完全なR1タンパク質と同じ抗−アポプトシス性である。抗−アポプトシス剤及びそれから誘導される組成物が記載され、そして請求される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景: ニューロンにおける潜伏性単純ヘルペスウィルス感染の確立及び続く再活性化
のための機能は、ほとんど理解されていない。再活性化の間の遺伝子発現のパタ
ーンは、溶菌サイクルにおいて見出されるパターンに類似しない最近の研究が示
されており、すなわち初期(early)(E)遺伝子、特にリボヌクレオチドレダク
ターゼのサブユニット1(R1)のための遺伝子は、即時初期(immediate early
)(IE)遺伝子の検出できる発現の数時間前に開始する(1〜3)。
【0002】 HSVは、神経細胞アポプトシスを誘発することがまた知られている、NGF欠如、
高熱及びカドミウム(4)を包含する種々のストレス状態により再活性化され得
る。従って、それらの刺激により活性化されるアポプトシス経路を阻止すること
ができるタンパク質を、ウィルスがコードすることが好都合である。さらに、そ
のようなタンパク質は、それがニューロンから開放された後に複製する粘膜上皮
の細胞におけるウィルス散在を妨げる細胞毒性Tリンパ球(CTL)の作用を妨げる
ために重要である(5)。
【0003】 HSVリボヌクレオチドレダクターゼは、リボヌクレオシドニリン酸を、その対
応するデオキシリボヌクレオチドに転換し、そしてウィルスDNAの合成において
重要な役割を演じている(6)。2種のサブユニットR1及びR2(前者は活性部位
を含む)の結合は、ホロ酵素を形成する。HSV−1及びHSV−2のR1サブユニット
は、約350個のアミノ酸のNH2ドメインを含む。これは、他の種のR1、例えば他の
ヘルペスウィルスのR1に見出されないユニーク特徴である(7,8)。HSVリボ
ヌクレオチドレダクターゼの役割は、リボヌクレオチドレダクターゼヌル(null
)変異体により広範囲に研究されて来た。
【0004】 研究はまず、酵素が非分裂細胞における効果的な複製のために必要とされるこ
とを示した。続いて、動物モデルを用いての研究は、酵素が効果的な病原性のた
めに必要とされ、ニューロンからのウィルス再活性化のために必要であるが、し
かし潜伏性の確立のためには必要ではないことを示した(9〜16)。R1遺伝子の
レダクターゼドメイン(hrR3)の欠失を担持する変異体ウィルスが、NH2及びレ
ダクターゼドメイン(ICP6Δ)の両者を欠失するウィルスと同じ表現型を細胞培
養物又は動物モデルにおいて示した観察は、NH2ドメインがウィルス病原におい
て単なるマイナーな役割を演じることを示唆した(9,10,13)。
【0005】 しかしながら、R1 NH2ドメインのみの欠失を含むウィルス変異体は再活性化
するそれらの能力についてまた特徴づけられていないので、HSV再活性化におけ
るこのドメインの重要な役割は、潜在的に感染されたニューロンにおいてウィル
ス複製を単独で完全に妨げる2種の変異体のリボヌクレオチドレダクターゼ欠失
により隠されている。
【0006】 タンパク質キナーゼ活性又は少なくとも自己リン酸活性がR1のユニークNH2ド
メインに内在性である観点は、いくつかの研究により過去10年間にわたって支持
されて来た(17−24)。しかしながら、それは、R1が自己リン酸化活性を有さな
いが、むしろタンパク質キナーゼを同時精製するための良好な基質であることを
示す広範囲な研究により最近、異議を申し立てられて来た(25,26)。そのNH2
ドメイン、すなわちΔR1の完全な欠失を担持するHSV-2のための標準の組換えAd
を選択する本発明者の不成功な試みが、このタンパク質が細胞毒性である推定、
及び従って、テトラサイクリン−調節された発現カセットを用いるトランスファ
ーベクター(pAdTR5)の開発を誘導して来た。
【0007】 従って、ΔR1のテトラサイクリン−調節された発現を有する組換えAd、すなわ
ちAd5TR5−R1(Δ2−357)が容易に得られ、そしてΔR1タンパク質のプロ−アポ
プトシス可能性が、tet−調節されたトランス活性化因子(tTA)を発現する細胞
を感染することによって例示された(27)。従って、これは、R1タンパク質のN
−末端フラグメントが抗−アポプトシスタンパク質自体である強い示唆である。
広い抗−アポプトシス活性が、N−末端R1タンパク質を、単独で又は他の抗−ア
ポプトシス剤と組合わせて、抗−アポプトシス剤としての選択の候補にする。
【0008】 R1タンパク質N−末端ドメインの抗−アポプトシス活性は、それ自体利用でき
、そしてウィルス、又はほとんど毒性でないウィルスベクターの製造に利用でき
る。従って、“カセット”R1 N−末端は、そのようなウィルス又はウィルスベ
クター中に導入される。反対には、抗−アポプトシスドメインを有さないR1をコ
ードするヘルペスウィルスは、癌細胞のような所望しない細胞を破壊するために
使用され得る。両者の場合、遺伝子療法は、前者の又は後者のR1タンパク質を供
給し、そして興味ある他のタンパク質を同時供給することが認識される。
【0009】 発明の要約: 本発明は、HSVリボヌクレオチド(R1)レダクターゼのサブユニット1、機能
的な抗−アポプトシスN−末端ドメインを有するその変異体又は一部の抗−アポ
プトシス剤としての新規使用に関する。
【0010】 本発明はさらに、R1サブユニットのN−末端の357個のアミノ酸、その変異体は
又はその抗−アポプトシス部分を含んで成る抗−アポプトシス剤に関する。R1,
R1のN−末端部分、抗−アポプトシス活性を有するその変異体又は一部を含んで
成る抗−アポプトシス組成物を提供することが本発明のもう1つの目的である。
変異体は、抗−アポプトシス活性対に対して有害な効果を有さない、置換、欠失
又は付加による突然変異にゆだねられた分子として定義される。
【0011】 HSV−1及び−2のR1サブユニットの配列は、(7〜8)に開示される。50%
以上、好ましくは70%以上、さらにより好ましくは90%以上の類似性又は同一性
が機能的変異体を達成し、但し突然変異は活性のために必須のアミノ酸残基に向
けられない。コドン縮重により、より低い程度の保存性が、機能的変異体のため
に又はその変異体を供給するために使用される核酸のために必要とされる。
【0012】 そのような組成物はまた、他の抗−アポプトシス剤を含むことができる。その
ような剤は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:抗−カ
スパーゼ分子(例えば、酵素インヒビター、合成又は活性のインヒビター、抗体
又は他のリガンド)、抗―サイトカイン、例えば抗−TNFα分子(アンタゴニス
ト、変性活性化因子、又は合成もしくは分泌のインヒビター、抗体又は他のリガ
ンド)、bcl−2タンパク質、相同体又は擬似体、抗−Fas−L分子(アンタゴニ
スト、変性活性化因子、又は合成分泌のインヒビター)、及び疾病組織部位での
細胞毒性白血球細胞の補充、結合及び/又は活性を妨げる剤。
【0013】 本発明者は、HSV−β1のNH2ドメインがレダクターゼドメインのみの発現によ
り誘発される死に対して細胞を保護できる抗−アポプトシス機能を有することを
、両タンパク質の同時発現を得るための十分な長さのR1及びΔR1組換え体による
同時感染実験により示した。より重要なことには、その十分な長さのR1は、ΔR1
に対してのみならず、またTNF−α及びFas受容体誘因により誘発される死に対し
て細胞を保護できるので、広い抗−アポプトシス能力を有することが見出された
。最終的に、HSV−1 R1欠失変異体ICP6Δを用いて、本発明者は、サイトカイン
−誘発されたアポプトシスに対してHSV−感染された細胞を保護することにおい
てHSV−R1の重要性についての直接的な証拠を得た。
【0014】 材料及び方法: 細胞、組換えAd及びHSV ヒト293細胞、元の足場依存性293A系(29)又は293S、足場独立性クローンの
培養のための条件は記載される通りであった(29,30)。HeLa S3及びA549細胞
を、ATCCから得、そして293A細胞のための培地と同じ培地により培養した。tet
−調節された発現カセットを補充するために、tTA又はrtTAトランス活性化因子
を発現するクローンを、A549及びHeLa S3細胞から誘導した。tet−調節された
レポーター遺伝子を用いて、A549−tTA又はHeLa−rtTA細胞系を、最近記載され
ているようにして、高く且つ誘導性レベルの発現を保持するそれらの能力につい
てさらに選択した(27)。それらを、実験の前、1回の継代まで、30μg/mlのフ
レオマイシン又は30μg/mlヒグロマイシンをそれぞれ含む培地に維持した。
【0015】 HSV−2リボヌクレオチドレダクターゼのR1サブユニットの発現のための組換
え体Ad5TR5−R1及びAd5CMV5−R1、並びに切断されたR1を発現するAd組換え体Ad5
TR5−R1(Δ2−357)を、最近記載されているようにして構成した(27)。Ad5C
MV−Fas−L,すなわちCMV IEプロモーターの制御下でrat Fas−Lを発現する組換
え体の構成を、Janiなど. (1997)(31) に記載される標準のプロトコールを用い
て行った。
【0016】 1以上の複製−コンピテントAd/107PFUを含まなかった大規模ウィルスストッ
クを、最近記載されているようにして(32)、懸濁培養物に3×108個の293S細
胞を感染することによって調製し、そして293A細胞上でのプラークアッセイによ
り力価した。感染及び滴定のための吸着条件は、ウィルスの最適な侵入を確保す
るための(33)により記載されるプロトコールに基づかれた。手短に言及すれば
、最少量のウィルス懸濁液(例えば、60mmの皿において1.0ml)を、ロッカー上
で7〜16時間、連続して撹拌しながら、細胞と共にインキュベートした。
【0017】 HSV−1(株F)及びHSV−2(株HG−52)の高い力価のストックを、(34)に
記載のようにして、低い感染の多重度(MOI)を有する集密的BHK−21/C13細胞を
感染することによって調製した。Sandra Weller により提供されるリボヌクレオ
チドレダクターゼヌルHSV−1変異体ICP−6Δ(9)及びその親株KOSを増殖し
、そして副集密性Vero細胞上で力価した。pvhs−, すなわちKOS株(35)に由来
するウィルス宿主シャットオフ遺伝子のHSV−1欠失変異体のストックは、James
Smileyにより提供された。
【0018】 アポプトシスアッセイ 細胞を通常、1×106個の細胞/皿で、60mmのペトリ皿への感染の2日前、接種
した。培地1.0mlに懸濁された組換え体Ad5TR5−R1(Δ2−357)又はAd5CMV−Fa
s−Lを、細胞上に18時間、吸着した。Ad5TR5−R1又はAd5CMV5−R1による同時感
染実験のために、組換え体をまず、細胞上に7時間、吸着した。2%ウシ胎児血
清(2%FCS)を含む培地0.5mlに懸濁されたHSVを細胞上に1時間、吸着し;そ
の後、培地を新鮮な2%FCS培地2mlにより置換した。
【0019】 通常のA549−tTA細胞は平らの形態を示し、そしてペトリ皿に強く付着するの
で、それらは、膜小気泡、核濃縮及び細胞本体圧縮により特徴づけられるアポプ
トシス形態を示す細胞から容易に区別され得る。それらの球状化の後すぐに、ア
ポプトシス細胞は下層から分離し、そして培地に浮いているように見える。次の
2種の方法を用いて、アポプトシス細胞の百分率を決定した。
【0020】 1)凝集する強い傾向を有する分離された細胞をまず、培地をピペットで軽く
取ることによって懸濁し、そして少なくとも3個のランダム選択された視野に見
出される細胞を、Nikon Diaphot 反転光顕微鏡(200倍)を用いて、個々の皿に
おいて二重反復して計数した。アポプトシスの百分率を、アポプトシス形態を有
する細胞の数を、細胞の合計数により割り算することによって評価した。この最
初の方法は、それらのウィルスにより誘発される細胞球状形成からアポプトシス
を区別することが可能であるので、HSV感染によるすべての実験に使用された。
【0021】 2)培養培地及び皿の5mlのPBS洗浄液に含まれる分離した細胞を遠心分離し
、そして血球計による計数のために適切な体積のPBSに再懸濁した。分離した細
胞を、トリプトシン処理の後、同様にして計数した。二重反復の皿におけるアポ
プトシス細胞の%を、細胞(分離した細胞+結合した細胞)の合計数により分離
した細胞の数を割り算することによって評価した。タンパク質分析のために、そ
れらの計数の後すぐに、細胞を適切な緩衝液に再懸濁し、PBSにより洗浄し、そ
して抽出まで、−80℃で凍結した。
【0022】 アポプトシスがシクロヘキシミド(30μg/ml)、及びSigmaから得られたヒト
組換えTMFα(2.5ng/ml)又はUpstate Biotechnology から得られた抗−ヒトFas
mAb CH−11(50ng/ml)のいずれかにより誘発された実験に関しては、細胞を
通常、感染の前日にプレート化した。組換えタンパク質合成を阻害するために使
用される場合、ドキシサイクリンを、実験の持続期間を通して30ng/ml で、及び
タンパク質発現を誘発するためには3μg/mlで添加した。DNA及びタンパク質分
析のためには、細胞をゴム性ポリスマンにより培地から削り取り、PBSにより洗
浄し、それぞれ、50mMのトリス−HCl(pH8.0)、SDS2%、20mMのEDTAに、又は80
mMのトリス−HCl(pH6.8)、SDS2%、6Mのウレアに再懸濁し、そして抽出まで
−80℃で凍結した。
【0023】 アガロースゲル電気泳動によるDNAはしご状化(laddering)の分析 細胞DNAを、塩析方法により抽出した。電気泳動を、0.1%のSDS(w/v)を含む
トリス−硼酸塩緩衝液(pH8.0)中、1.2%のアガロースゲルにより、50ボルトで
一晩行った。DNAを、臭化エチジウムによる染色の後、UV照射下で可視化した。
【0024】 SDS−PAGE又はウェスターンブロット分析のためのタンパク質抽出 全タンパク質抽出物を、タンパク質抽出緩衝液において細胞を溶解し、続いて
DNAを剪断するために音波処理することによって調製した。標準としてBSAを用い
てのBio−Rad DC(Detergent Compatible)比色アッセイを用いてのタンパク質
濃度の決定の後、DTTを添加し、5%(v/v)の濃度にし、そしてサンプルを、(
36)に記載のようにして、SDS−PAGE及びウェスターンブロットを行う前、5分
間煮沸した。
【0025】 全タンパク質抽出における組換えタンパク質の百分率の定量化を、(36)に記
載のようにして、Imagerシステム(Canberra Packard)によるクーマシーブルー
染色されたゲルのレーンの密度計による走査により、又はウェスターンブロット
により行った。適切な一次抗体を共にインキュベートした後、ウェスターンブロ
ットされた膜を、ホースラディッシュペルオキシダーゼ−接合されたヤギ抗−ウ
サギ抗体(Amersham Corp., Arlington Heights, Ill.)又はホースラディッシ
ュペルオキシダーゼ−接合されたヤギ抗−ウサギ抗体、及びホースラディッシュ
ペルオキシダーゼ−接合されたヤギ抗−マウスIgG(Jackson ImmunoResearch La
boratories, Inc.)と共にインキュベートし、そして結合されたペルオキシダー
ゼを、ECL(Amersham)又はSuper Signal (Pierce) 検出試薬のいずれかにより
表した。
【0026】 HSV R1検出のためには、168R1、すなわちウサギポリクローナル抗−R1抗血清
を用い;HSV R2のためには、P9、すなわちHSV R2カルボキシ−末端に対して向け
られたポリクローナル抗血清(37)を用い;カスパーゼ8のためには、mAb C15,
すなわちMarcus Peterにより提供されるマウスモノクローナルAbを用い;ポリ(
ADP−リボース)ポリメラーゼのためには、PARP(Ab−2)、すなわち精製され
たウシ胸腺PARPによる免疫化により生成されるマウスモノクローナルAb(Caibio
chem)を用いた。
【0027】 インビトロカスパーゼアッセイ ApoAlert(商標)カスパーゼ8蛍光アッセイキット(Clontech)を用いて、カ
スパーゼ8活性を測定した。細胞質抽出物を、氷冷却された細胞溶解緩衝液にお
いて細胞を10分間インキュベートし、続いて微小遠心分離機により12,000rpmで
3分間、遠心分離することにより得た。酵素活性を、96−ウェルプレ−トを用い
て決定し、50μgのタンパク質及び反応緩衝液並びに50μMのIEDT−AFC接合され
た基質(100μl/反応)の混合物を38℃でインキュベートした。遊離AFCの開放の
初期速度を、450nmの励起フィルター及び530nmの発光フィルターを用いて、96−
ウェルプレート蛍光計によりモニターした。遊離AFCの定量化を、前記キットに
より提供されるAFC標準を用いて行った。
【0028】結果 : 十分な長さのR1は、R1(Δ2−357)のプロ−アポプロシス作用に対して細胞
を保護する。これまでの研究において、本発明者は、Ad5TR5−R1(Δ2−357)、
すなわちそのユニークアミノ−末端ドメインを欠いているHSVリボヌクレオチド
レダクターゼR1サブユニットを誘発的に発現するAd組換え体が細胞の死を誘発し
たことを観察した(27)。
【0029】 従って、本発明者は最近、Ad5TR5−R1(Δ2−357)により感染されたA549−t
TA又はHeLa−rtTA細胞の死がアポプトシスの顕著な特徴、すなわち細胞質小気泡
、細胞球状化及び分離、PARPの分解、カスパーゼ3活性化及びDNAはしご状化を
示したことを見出した。アポプトシス工程についての追加の証拠は、抗−アポプ
トシスE1B 19K Ad タンパク質(bcl−2相同体)を発現するAd組換え体による同
時感染がアポプトシスを完全に排除する観察から生じた。
【0030】 それらの観察により発生する1つの明白な可能性は、HSV−R1 NH2ドメインが
、レダクターゼドメインのみの発現により誘発される死に対して細胞を保護する
ことができる抗−アポプトシス機能を有することである。この仮説を試験するた
めに、細胞を十分な長さの及び切断されたR1(ΔR1)組換え体により同時感染せ
しめ、両タンパク質の同時発現を得た。
【0031】 図1に示されるように、A549−tTA細胞をまず、5MOIでAd5TR5−R1により感染
し、続いて7時間後、5PFUのAd5TR5−R1(Δ2−357)により次の感染を行う場
合、その十分な長さのタンパク質は、ΔR1により誘発された形態学的変化(A)
及びPARP変性(B)を効果的に妨げる。Ad5TR5−R1のMOIを変え、そしてアポプト
シス形態を示す細胞の百分率を定量化することによりアポプトシスの程度を評価
することによって、わずか1つのAd5TR5−R1組換えでビリオンによる感染がアポ
プトシス死(C)に対する保護を付与するのに十分であることを示すことが可能
である。
【0032】 実際、MOIの関数としての分離された細胞の百分率の低下を示す曲線は、Poiss
on 分布(示されていない)に従ってAd組換え体により感染される予定である細
胞の百分率の曲線と重なることができ、両タンパク質の正確な定量化は、十分な
長さのR1タンパク質の合成がΔR1タンパク質(C)の1つを変えず、すなわち保
護がΔR1合成の低下の結果である可能性を除外することを示した。さらに、ほぼ
最大の保護が、ΔR1の量よりも低いR1の量により達成され(1PFUでよりも8倍低
い)、このことは、保護が非アポプトシスへテロダイマーの形成のためではなか
ったことを示唆する。
【0033】 十分な長さのR1は、TNF−α−誘発されたアポプトシスを阻害する。十分な長
さのHSV−R1の保護役割をさらに調査するために、2種の関連するプロ−アポプ
トシス刺激を試験した。A549−tTAは、シクロヘキシミド(CHX)の存在下でTNF
−αに暴露される場合、アポプトシスを大規模に受け、細胞の90%以上が、処理
の18時間後、培地に浮遊することが見出された。対照的に、プロ−アポプトシス
刺激の適用の前、7時間、Ad5TR5−R1により感染された細胞のわずか5%が、ア
ポプトシスの形態学的外観を示した(図2A)。
【0034】 類似する結果が、それらがR1発現を誘発するためにデオキシサイクリンの存在
下で感染される場合、HeLa−rtTA細胞により得られた(データは示されていない
)。Ad5TR5−R1感染によりA549−tTA細胞に付与される保護が、TNF−α誘発され
たPARP切断が感染された細胞において完全に妨げられた観察により確かめられた
(図2B)。
【0035】 さらに、図2Cに示されるように、Ad5TR5−R1のMOIの関数としてのアポプトシ
ス細胞の百分率の低下を示す曲線がPoisson分布に従ってAd組換え体により感染
されることが測定される細胞の百分率の曲線とほぼ重なることができた。再び、
その結果は、わずか1つのAd組換えビリオンによる感染がTNF−αに対する保護を
付与するために十分であることを示唆する。
【0036】 R1発現が保護効果に必要である証拠は、30ng/mlのデオキシサイクリンの存在
下でのAd5TR5−R1による又はAd5TR5−GFPによる感染が保護を付与しなかった観
察から生じる。保護のために必要なR1の最少量を決定するために、A549−tTA細
胞を、上昇する濃度でのドキシサイクリンの存在下で、5.0PFU/細胞で感染せし
めた(図3)。標準(B)として精製されたR1を用いてのイムノブロットによるR
1濃度の定量化は、保護のレベルを単にわずかに低める、0.3ng/mlのドキシサイ
クリン濃度がR1濃度を0.006%TDP(A)まで低めたことを示した。この濃度は、H
SV−1感染された細胞において最大に蓄積する濃度によりも約150倍低く、そし
て感染後2時間ほどで検出され得る。
【0037】 上記実験において使用される低いMOIで、Ad遺伝子の発現レベルがAd複製の不
在のために非常に低い場合でさえ、(万一高い場合としても)保護効果における
Adタンパク質の関与は完全には排除され得なかった。この可能性を確かめるため
に、pAd5TR5−R1、すなわちAd組換え体を構成するために使用されるシャトルプ
ラスミド、及び負の対照としてのpAd5TR5を、Hela−rtTA細胞にトランスフェク
トした。R1発現プラスミドによるトランスフェクションのみがTNF+CHX−処理さ
れた細胞の生存率を高め、そしてこの保護がドキシサイクリンの不在下で破壊さ
れた(データは示されていない)ので、本発明者は、R1保護活性がいずれかのAd
タンパク質の同時発現を必要としないことを結論づけることができた。
【0038】 R1 NH2ドメインは、TNF−αに対する保護のために十分である R1タンパク質の抗−アポプトシス機能がレダクターゼドメインとのそのNH2ド
メインの会合を必要とするかどうかを決定するために、HSV−2 R1の最初の398
個のアミノ酸を、TNF−α+CHXによる細胞の処理の前、18時間、シャトルプラス
ミドpAdTR5−R1(Δ399−1144)−K7−GFPQから過渡的に発現した。NH2ドメイン
のみにより得られる保護はpAdTR5−R1−K7−GFPQ、すなわち十分な長さのR1を発
現する対照プラスミドによる同時トランスフェクションにおいて得られる保護と
同じほど良好であるので、本発明者は、このドメインがTNF−αに対して細胞を
保護するのに十分であると結論づけることができた(表1)。
【0039】 全長R1は、Fas受容体−誘発されたアポプトシスを阻害する CHXの存在下で抗−Fas抗体CH11を培養培地に添加することによって誘発される
Fas活性化は、HeLa−rtTA又は親HeLa細胞によるアポプトシスの介在においてTNF
−αほど効果的であるが、しかしA549−tTA細胞に関してはほとんど効果的でな
く、細胞のわずか35%が48時間でアポプトシスであることが評価された。HeLa−
rtTA及びA549−tTA細胞のAd5TR5−R1感染は、それがTNFα−処理された細胞にお
いて効果的であるのと同じほど、Fas受容体−誘発されたアポプトシスを効果的
に阻止した(データは示されていない)。
【0040】 十分な長さのR1の保護効果においてtTAタンパク質の可能な包含を除外するた
めに、HeLa細胞を、組換えAd5CMV5−R1、すなわち改良されたCMV−基材の発現ベ
クターを有する構成Adにより感染せしめた。図4Aに示される結果は、十分な保
護がまた、両プロ−アポプトシス刺激に対してそれらの細胞において得られたこ
とを示唆した。
【0041】 低いMOIでのAd5CMV5−R1がAd5TR5−R1(27)よりも低い発現レベルを生成する
本発明者のこれまでの観察から推定されるように、25の高いMOIが十分な保護の
ために必要であった。それらのAd5CMV5−R1により感染された細胞におけるR1の
量の定量化(0.005%)は、それがほぼ十分に保護されたtTA−発現細胞において
見出されるR1最少量(0.006%)に類似することを示した。この結果は、tTAタン
パク質の存在がR1抗−アポプトシス活性に必ずしも必要でないことを示す。
【0042】 最終的に、保護が、アポプトシスがより生理学的な条件(CHXを含まない)下
で誘発される条件下で観察されるかどうかを決定するために、Ad5CMV−Fas−L、
すなわち標準のCMVプロモーターの制御下でFas−Lを発現するAd組換え体を使用
した。この組換え体による感染後72時間で、アポプトシスは、A549−tTA細胞の9
0%以上で存在したが、しかしそれらがAd5TR5−R1により7時間プレ−感染され
たなら、それらは効果的に保護され、アポプトシスのレベルは、擬似−感染され
た対照に見られるレベルに等しい(図4B)。感染を通してのドキシサイクリン
の添加が保護を相当に低めた。全体的には、それらの結果は、HSV−R1が死受容
体の活性化により誘発されるアポプトシスに対して細胞を保護することができる
ことを示す。
【0043】 HSV R1は、TNF−α及びFas−Lにより誘発されたカスパーゼ8活性化を阻止す
TNF−受容体スーパーファミリーの活性化によるアポプトシス誘発は、カスパ
ーゼ(8及び10)の物理的相互作用、続くそれらの活性化を必要とするタンパク
質−シグナリング複合体の集合を包含した。HSV−2R1が受容体誘発されたアポプ
トシスに対して特異的な経路において使用することができる徴候は最初に、タン
パク質が、dATP+デオキシコホルマイシンによりリボヌクレオチドレダクターゼ
を阻害することによって、DNA複製ストーリングにより誘発されるアポプトシス
に対して細胞を保護することができなかった観察からであった(データは示され
ていない)。
【0044】 R1抗−アポプトシス活性に基づく分子機構を解明するための第1段階として、
本発明者は、TNF−α+CHX処理により、又はAd5TR5−R1による事前の感染を伴っ
て又は伴わないでA549−tTA細胞におけるFas−L発現により誘発されるカスパー
ゼ8の活性化を評価した。カスパーゼ8活性化を、不活性56−kDaプロフォーム
及び活性18−kDa種を可視化する抗血清によるイムノブロット分析により(図5A
)、及びカスパーゼ8特異的蛍光基質としてETD−AFCを用いてのインビトロアッ
セイにより(図5B)、モニターした。
【0045】 図5Aにおいては、8時間のTNF−α+CHX処理により誘発されたカスパーゼ8
活性化は、不活性56−kDaプロフォームの完全な消出及び18−kDaの活性種の存在
により明らかに証明される。IETD−AFC基質分解の時間経路研究(図5B)は、活
性化が処理後4〜6時間で最大に達し、そして16時間で、すなわち細胞のほとん
どがアポプトシス工程により破壊された時間で、もはや検出できなくなったこと
を示した。両アッセイは、TNF−α+CHX又はFas−L発現により誘発されるカスパ
ーゼ8の強い活性化がR1タンパク質発現により妨げられたことを示した。
【0046】 R1セグメント190−240は、いくつかのカスパーゼのための好ましい認識モチー
フと弱い類似性を示す配列を含む。また、HSV−1及びHSV−2R1の両者がHSV−2
位置240で、それらのモチーフの1つの後、分解されたことが観察された。それら
の事実は、成熟カスパーゼ8及び3に対しての精製されたR1の可能な阻害効果の
評価を導いた。本発明者のアッセイは、レダクターゼ−活性HSV−2R1がそれらの
酵素活性をインビトロで単独で阻害することができないことを示した。
【0047】 HSVはTNF−α誘発されたアポプトシスを阻害する 本発明者の次に、HSV感染の間、HSV−R1タンパク質が、TNF−αにより誘発さ
れたアポプトシスを妨げることができたかどうかを調べた。最初の一連の実験に
おいては、A549−tTA又はHeLa細胞を、TNF−及びCHXの添加の前、7時間、10のM
OIで、HSV−1株KOS及びF、又はHSV−2株HG−52のいずれかにより感染せしめた
。アポプトシスを、細胞の顕微鏡試験により、20時間後、評価した。
【0048】 3種のHSV株が擬似−感染された対照における95%から15〜20%まで、アポプ
トシスのレベルを低め、そのレベルはCHXによってのみ処理された、HSV−感染さ
れた細胞において得られたレベルに類似した(A549−tTA細胞に関しての図6を
参照のこと)。その保護効果は、それらのウィルスがTNF−α誘発されたPARP分
解を妨げた観察により確かめられた(KOS株についての図8Bを参照のこと、及び
データは示されていない)。HSV感染された細胞に保護効果の出現の時間経過を
決定するために、A549−tTA細胞を、致死性カクテルの添加の前、上昇する時間
の間、感染せしめた。
【0049】 図6に見られるように、2.5〜4時間で検出できるようになる保護は、HSV−2
株により約1〜2時間早く出現した。しかしながら、試験されたすべての3種の
株に関しては、最大の保護は、アポプトシスのレベルがCHXのみにより処理され
た、HSV−感染された細胞において得られるレベルに匹敵できるようになる場合
、6時間以内に達した。それらの結果は、保護効果が初期直後又は初期ウィルス
タンパク質の合成により仲介されることを示した。
【0050】 TNF−αに対する保護がpvhs-、すなわちvhs-欠失変異体により誘発された細胞 において低められる 保護出現の時間経路は、HSV−2株により一層明白であることが知られている
、ウィルスvhs遺伝子のダウン−レギュレート効果と適合するので、本発明者はv
hs-変異体により得られる保護のレベルを試験した。本発明者の次の明白な目的
はICP6Δ、すなわちHSV−1のKOS株から単離された、わずか1つの十分に特徴
づけられたR1ヌルウィルス変異体を研究することであるので、本発明者は、pvhs - 、すなわちKOS株(J. Smileyにより提供された)に由来するHSV−1欠失変異体
を選択する。
【0051】 3種の別々の実験において、変異体は、親KOS株(15%)よりも2倍高いレベ
ルのアポプトシス(35%)を示した(図7における代表的な実験を参照のこと)
。この結果は、感染の最初の7時間、vhsタンパク質が、TNF−αに対する保護に
寄与したことを示した。
【0052】 TNF−αに対する保護は、ICP6Δ、すなわちR1欠失変異体ウィルスにより感染
された細胞において低められる 次に、本発明者は、ICP6Δ又はそのWT親KOSのいずれかの上昇するMOIにより細
胞を感染することによって、HSV−1 R1遺伝子を欠失する効果を研究した。試験
される3種のMOIで、ICP6Δは大まかに2倍の高められた保護性を示した(図8A
)。類似する試験において、アポプトシスの程度をまた、PARP分解を試験するこ
とによって評価し、そしてさらに、7時間で蓄積されるR2サブユニットの量の測
定を、他のウィルスタンパク質の発現のレベルをモニターするために行った。
【0053】 図8Bに示されるようなそれらの実験は、TNF−誘発されたPARP変性がKOS−感
染された細胞において、但しわずかに部分的ではあるが、ICP6Δ−感染された細
胞において完全に損なわれたことを示した。R2サブユニットは両シリーズの感染
された細胞において類似するレベルで蓄積し、このことは、R1欠失が(9)にお
いて報告されたように、他のウィルスポリペプチドの合成に影響を及ぼされなか
ったことを示唆する。
【0054】 最終的に、4及び24時間でWT KOS又はICP6Δのいずれかにより感染されたA549
−tTA細胞におけるカスパーゼ8特異的基質の分解のモニターリングは、WTウィ
ルスにより感染された細胞において完全に損なわれたカスパーゼ8活性化がR1ヌ
ル変異体により感染された細胞において有意に生じたことを示し、その活性は、
擬似感染された対照においてよりも3倍高かった(図9)。
【0055】 すべてのそれらの結果は、HSV−1 R1がTNF−αに対する、HSV−感染された細
胞の保護において重要な役割を演じることを示す。それらはまた、他のウィルス
タンパク質が包含されることも示す。
【0056】 従って、いずれかの相補的抗−アポプトシス剤を含んで成る組成物は、本発明
の範囲内にある。そのような相補的剤は、次のものを包含するが、但しそれらだ
けには限定されない:剤、例えば抗−カスパーゼ分子(例えば、酵素インヒビタ
ー、合成又は活性化のインヒビター、抗体又は他のリガンド)、抗−サイトカイ
ン、例えば抗−TNFα分子(アンタゴニスト、合成又は分解活性化因子又はイン
ヒビター、抗体又はリガンド)、bcl−2タンパク質、相同体または擬似体、抗
−Fas−L分子(アンタゴニスト、分解活性化因子、又は合成又は分泌のインヒビ
ター)、及び疾病組織部位で細胞毒性白血球細胞の補充、結合及び/又は活性を
妨げる剤。
【0057】 もちろん、R1抗−アポプトシスタンパク質、その変異体又は一部が標的組織に
供給されるいずれかの手段は、本発明の範囲内である。抗−アポプトシス分子を
コードする核酸、及び前記分子を発現する組換え核酸は、そのような手段である
。核酸は好ましくは、アポプトシスの阻止が要求される宿主細胞と適合できるト
ランスフェクション発現ベクターにおいて挿入される。より好ましくは、核酸の
発現は誘発できる。
【0058】 ウィルスベクターは、中でも、哺乳類細胞をトランスフェクトするために好ま
しいそれらのベクターである。それらのベクターは、非感染性に成るよう遺伝子
的に構築され得る。それらはさらに、誘発剤に対して敏感な要素を添加すること
によって誘発できる。誘発剤は、同時−トランスフェクション(トランス活性化
)によって、もう1つのベクターにより発現され得る。発現ベクターはまた、R1
をコードするベクターが標的組織により特異的に捕獲されることを確保するため
に、標的リガンドをコードするよう修飾され得る。
【0059】 最終的に、組換えベクターは、細菌、酵母及び昆虫細胞のような宿主と適合で
きる。それらの組換え宿主は、本発明の抗−アポプトシス分子を生成するために
使用され得る。前記分子は、必要なら、既知の技法、例えば固体支持体上に固定
された抗−R1抗体のようなR1リガンドの助けを伴ってのイムノアフィニティーク
ロマトグラフィーにより精製され得る。 本発明はその好ましい態様により上記のように記載されて来たが、この態様は
本発明の精神及び性質それることなく、本発明の範囲内で修飾され得る。
【0060】
【表1】
【0061】 3ng/mlのドキシサイクリンを伴って、又はそれを伴わないで、リン酸カルシ
ウム技法を用いて、5μgのプラスミドDNAにより過渡的にトランスフェクトされ
た293−TETon細胞(Clontech)を、TNF+CHXによるトランスフェクションの18時
間後、処理した。%アポプトシスを、図2Aに記載のようにして、細胞の直接的
な顕微鏡観察により、25時間後、決定した。
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y an okigopeptide-induced antiserum directed against subunit H2. Journal
of Virology 60. No. 3: 1130-3.
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1A.十分な長さのR1は、R1 (Δ2−357)により誘発されたアポプトシスを
妨げる。A549−tTA細胞を、擬似−感染し(Mock)、Ad5TR5−R1(R1(Δ2−357
))により、又はAd5TR5−R1(R1)により5PFU/細胞のMOIで18時間感染し、又は
Ad5TR5−R1により最初の7時間及び次にAd5TR5−R1(Δ2−357)により感染し
た(R1+R1(Δ2−357))。
【図1B】 図1B.細胞溶解物を、Aに記載される細胞集団から調製し、そしてイムノブ
ロットによりPARP(116K)分解について分析した。
【図1C】 図1C.A549−tTA細胞をまず、Ad5TR5R1の上昇するMOIにより感染し、そして
7時間後、5PFUのMOIでΔd5TR5R1(Δ2−357)により再感染した。分離された
細胞の百分率を、材料及び方法に記載される方法2を用いて、最初の感染後24〜
26時間で評価した(◆)。R1(Δ2−357)(黒三角)及び十分な長さのR1(黒
四角)の蓄積を、クーマシーブルーゲル染色、及び標準として精製されたHSV−2
R1を用いてのイムノブロットによりそれぞれ定量化し、そしてその結果を合計の
細胞タンパク質(TCP)の%として表す。
【図2A】 図2A.十分な長さのR1は、TNFα−誘発されたアポプトシスを阻害する。細
胞の形態学的外観を、相対比顕微鏡を用いて写真を取った。A549−tTA細胞を、1
0のMOIでAd5TR5−R1(R1)により感染し、又は擬似−感染した(Mock)。細胞は
、7時間後、対照倍地(対照)又は30μg/mlの(CHX)又は30μg/mlのCHX+2.5n
g/mlのTNF−αを含む倍地(CHX+TNF)を受け、そして18時間後、写真を取った
【図2B】 図2B.細胞溶解物を、Aに記載される細胞集団から調製し、そしてイムノブ
ロットによりPARP(116K)分解について分析した。
【図2C】 図2C.A549−tTA細胞を、Ad5TR5−R1(黒四角、□)又はAd5TR5−GFP(△)
の上昇するMOIにより感染し、そして7時間後、CHX(□)又はCHX+TNF(黒四角)
;擬似−感染された未処理の対照(○)を受けた。アポプトシスの百分率を、顕
微鏡観察を用いて、アポプトシス及び非アポプトシス細胞を計数することによっ
て(材料及び方法における方法1)、最初の感染の後24〜26時間で評価した。点
線(右軸)は、Poisson分布に従って、Ad組換え体により感染されることが予測
される細胞の%を表す。
【図3A】 図3A.ドキシサイクリンはTNF−αに対するR1蓄積及びR1−保護を低める。A
549−tTA細胞を、低下する濃度のドキシサイクリン(黒三角)の存在下でSのMUI
でAd5TR5−R1により感染し、又は擬似−感染し(黒四角)、そして7時間後、CH
X+TNFを受けた。アポプトシスの百分率を、図2Cに示されるようにして、24hpi
で評価した。
【図3B】 図3B.収穫された細胞から抽出された上昇する量のタンパク質を、抗−R1血
清によりイムノブロット、そして代表的な実験を示す。定量化を、精製されたR1
標準との密度比較により行った。3種の独立したブロットから、0.1,0.3及び1.
0ng/mlのドキシサイクリンサンプルに関して、TCPの百分率で表される計算され
た平均値はそれぞれ、0.05%,0.006%及び>0.001%であった。
【図4A】 図4A.TNF−α及びFasに対する保護は、tTA又はrtTAタンパク質、及びCHXの
存在とは無関係である。HeLa細胞を、Ad5CMV5−R1の上昇するMOIにより感染し、
そして7時間後、対照培地(○)、又はCHX(△)、CHX+TNF(黒四角)又は抗
−Fas抗血清(◆)を含む培地を受け、そしてアポプトシスを24〜26hpiで評価し
た。
【図4B】 図4B.A549−tTA細胞をまず、ドキシサイクリンの不在下で(△,×)又は
存在下で(●)、10のMOIでAd5TT5−R1により感染し、又は擬似−感染した(黒
四角,□)。それらを、10のMOIでAd5CMV−Fas−Lにより7時間後、再感染し(
△,●,黒四角)、又は再感染しなかった。アポプトシスを、Ad5TR5−R1感染の
後、示される時間で、図2Cに記載のようにして評価した。
【図5A】 図5A.HSV−R1はカスパーゼ8活性化を低める。A549−tTA細胞を、擬似−感
染し(MOCK)、又はCHX(CHX)又はCHX+TNFα(CHX+TNF)の添加の前、7時間
、5のMOIで組換えAd5TR5−R1(R1)により再感染し、添加を伴わず(対照)、
又は25のMOIでAd5CMV−Fas−Lにより再感染した。時間経過実験における8時間
(8h)、16時間(16h)後、又は示される時間で、アポプトシスを図2Cに記
載のようにして評価し、細胞を収穫し、そして細胞質抽出物を、材料及び方法に
記載のようにして、カスパーゼ8決定のための調製した。カスパーゼ8活性化を
、カスパーゼ8抗血清により20μgのタンパク質抽出物をイムノブロットするこ
とによって図5Aにおいてモニターした。
【図5B】 図5B.図5Aにおいて、カスパーゼ8特異的基質としてのIETD−AFCと共に6
0μgのタンパク質抽出物をインキュベートすることによりカスパーゼ8活性を測
定することによって図5Bにおいてモニターした。
【図6】 図6.HSV感染は、TNF−α誘発されたアポプトシスに対してA549−tTA細胞を
保護する。A549−tTA細胞を、擬似−感染し(*,△,黒三角)、又はCHX(△,
□,○,◇),CHX+TNFα(黒三角,黒四角,●,◆)又は対照培地(*)の添
加の前、上昇する時間、10のMOIで、HSV−1株KOS(□,黒四角)及びF(○,●
)、又はHSV−2株HG−52(◇,◆)により感染した。アポプトシスを、致死性
カクテルの添加の後20時間で、図2Cに示されるように評価した。
【図7】 図7.vhs 変異体pvhs-は、TNF−αに対する低められた抗−アポプトシス能力
を有する。A549−tTA細胞を、擬似−感染し(MOCK)、10のMOIで親HSV−1 KOS
(KOS)又はヌル vhs変異体pvhs-(pvhs-)により感染し、又はCHX+TNFαの添加
の前7時間、5のMOIでAd5TR5−R1により感染した(Ad5TR5−R1)。アポプトシ
スを、図2Cに記載のようにして、致死性カクテルの添加の20時間後、評価した
【図8A】 図8A.R1変異体ICP6Δは、TNF−αに対する低められた抗−アポプトシス能
力を有する。A549−tTA細胞を、擬似−感染し(MOCK)、又は対照培地(対照)
、CHX(CHX)又はCHX+TNFα(CHX+TNF)の添加の前、7時間、親HSV−1 KOS
(KOS)又はR1ヌル変異体ICP6Δ(ICP6Δ)により、上昇するMOIで感染した。
【図8B】 図8B.PARP分解及びR2タンパク質を、20hpiで調製されたタンパク質抽出物
のイムノブロットにより検出した。
【図9】 図9.R1変異体ICP6Δは、TNF−誘発されたカスパーゼ8活性化の阻止を欠い
ている。A549−tTA細胞を、擬似−感染(MOCK)、又はCHX+TNFα(CHX+TNF)
の添加の前6時間、又は添加を伴わないで、親HSV−1 KOS(KOS)又はR1ヌル変
異体ICP6Δ(ICP6Δ)のいずれかにより、10のMOIで感染した。%アポプトシス
及びカスパーゼ8活性を、図5に記載のようにして、致死性カクテルの添加後、
4及び24時間で測定した。
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月28日(2001.9.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 43/00 105 4C087 A61P 31/12 C12N 1/15 43/00 105 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 9/02 1/21 15/00 A 5/06 5/00 A 5/10 E 9/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 マシー,ベルナール カナダ国,ケベック エイチ4ピー 2ア ール2,モントリオール,モント−ロイヤ ル アベニュ 6100 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA08 CA02 DA03 DA05 DA12 EA02 GA11 HA01 HA17 4B050 CC04 DD01 EE10 LL01 4B065 AA01X AA72X AA90X AA95X AB01 AC14 BA02 CA24 CA28 CA44 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 AA19 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 CA01 CA53 CA56 DC23 MA02 NA01 NA14 ZB212 ZB331 ZB332 ZC191 4C085 AA03 BA78 DD62 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 MA02 NA01 NA14 ZB21 ZB33 ZC19

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞又は組織におけるアポプトシスを妨げるための方法であ
    って、前記細胞又は組織に、単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドレダクター
    ゼ酸素のR1サブユニット、その変異体、N−末端の最初の357個のアミノ酸を含ん
    で成るそのドメイン、又は前記ドメインの抗−アポプトシス部分の抗−アポプト
    シス量を投与する段階を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドレダクターゼ酸素の
    N−末端の最初の357個のアミノ酸、又は抗−アポプトシス活性を有するその変異
    体又は一部を含んで成る抗−アポプトシス分子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の抗−アポプトシス分子をコードする核酸を含
    んで成る組換えベクター。
  4. 【請求項4】 発現ベクターである請求項3記載の組換えベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の組換えベクターにより形質転換された組換え
    宿主。
  6. 【請求項6】 細菌、酵母又は昆虫細胞である請求項5記載の組換え宿主。
  7. 【請求項7】 哺乳類ウィルスである請求項4記載の組換えベクター。
  8. 【請求項8】 アポプトシスの防止が求められる宿主細胞において複製する
    ことができる請求項7記載の組換えベクター。
  9. 【請求項9】 前記核酸の発現が誘導性である請求項7又は8記載の組換え
    ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の抗−アポプトシス分子をコードする核酸。
  11. 【請求項11】 細胞又は組織におけるアポプトシスを妨げるための方法で
    あって、請求項10記載の核酸、又は請求項3,4,7,8及び9のいずれか1
    項記載の組換えベクターにより、前記細胞又は組織をトランスフェクトする段階
    を含んで成る方法。
  12. 【請求項12】 細胞又は組織におけるアポプトシスを妨げるための方法で
    あって、前記細胞又は組織と、抗−アポプトシス量の請求項2記載の分子とを接
    触する段階を含んで成る方法。
  13. 【請求項13】 有効量の請求項2記載の抗−アポプトシス分子及び許容で
    きるキャリヤーを含んで成る抗−アポプトシス組成物。
  14. 【請求項14】 前記キャリヤーが医薬的に許容できるキャリヤーである請
    求項13記載の抗−アポプトシス組成物。
  15. 【請求項15】 他の抗−アポプトシス剤をさらに含んで成る請求項13又
    は14記載の抗−アポプトシス組成物。
  16. 【請求項16】 請求項3,4,7,8及び9のいずれか1項記載の組換え
    ベクター、又は請求項10記載の核酸、及び許容できるキャリヤーを含んで成る
    抗−アポプトシス組成物。
  17. 【請求項17】 前記キャリヤーが医薬的に許容できるキャリヤーである請
    求項16記載の抗−アポプトシス組成物。
  18. 【請求項18】 遺伝子治療のために、又はワクチンとして使用される請求
    項17記載の抗−アポプトシス組成物。
  19. 【請求項19】 他の抗−アポプトシス剤をコードする組換えベクターをさ
    らに含んで成る請求項16又は17記載の抗−アポプトシス組成物。
  20. 【請求項20】 単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドレダクターゼ酵素
    のR1サブユニットN−末端の最初の357個のアミノ酸、又は抗−アポプトシス活性
    を有するその変異体又は一部を含んで成る抗−アポプトシス分子の生成方法であ
    って、宿主の増殖及び前記核酸の発現を支持する培養培地において、請求項6記
    載の組換え宿主を培養し、そして前記宿主又は培養培地から前記分子を回収する
    段階を含んで成る方法。
  21. 【請求項21】 抗−アポプトシス活性をコードするN−末端ドメインを切
    除するために修飾された単純ヘルペスウィルスリボヌクレオチドリダクターゼの
    R1サブユニットの、組織又は細胞を破壊するための医薬製造への使用。
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