JP2005503101A - 哺乳動物のdnaを結合する膜結合タンパク質をコードする遺伝子およびその使用 - Google Patents

哺乳動物のdnaを結合する膜結合タンパク質をコードする遺伝子およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規の哺乳動物DNA−Rタンパク質、およびこのようなタンパク質をコードする遺伝子に関する。本発明は、哺乳動物DNA−Rタンパク質の単離および特徴付けに関する。本発明は、特に、哺乳動物DNA−R遺伝子のラットホモログおよびヒトホモログに対応するmRNAの単離された相補的DNAコピーを提供する。また、形質転換される原核生物細胞および真核生物細胞の培養物において、本発明の哺乳動物DNA−R遺伝子を発現し得る組換え発現構造体、ならびにそこにコードされる哺乳動物カテコールアミンレセプタータンパク質を合成する形質転換細胞のこのような培養物が提供される。本発明はまた、本発明の哺乳動物DNA−Rタンパク質に結合し得る化合物のスクリーニング(インビトロ)についての方法、ならびに既知のDNA−Rアゴニストおよびアンタゴニストと比較した、このような化合物の結合性質のさらなる特徴付けについての方法を提供する。薬理学的スクリーニングの改善された方法が、これによって提供される。

Description

【0001】
本出願は、2000年8月1日に出願された、米国仮出願番号60/222,624による利益を主張し、この全体は、参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、哺乳動物種由来の細胞膜結合DNA結合タンパク質(本明細書中で、DNA−Rと称する)、およびこのようなレセプターに対応する遺伝子に関する。特に、本発明は、新規の哺乳動物DNA−R遺伝子をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)の相補的DNA(cDNA)コピーの単離、クローニングおよび配列決定に関する。本発明はまた、この新規のDNA−R遺伝子のcDNAを含む組換え発現構造体(recombinant expression construct)の構成に関し、この組換え発現構造体は、形質転換される原核生物細胞および真核生物細胞の培養物において、DNA−Rタンパク質を発現し得る。このような培養物におけるレセプタータンパク質の産生がまた提供され、ならびに生物学的活性を有するそのフラグメントの産生も提供される。本発明は、新規のDNA−Rタンパク質の相同組成物を産生するためのこのような形質転換細胞のこのような培養物の使用に関する。本発明はまた、新規かつ有用な薬物の特徴付けについて、このDNA−Rタンパク質を産生するこのような細胞の培養物を提供する。この新規のDNA−Rタンパク質に対する抗体、およびこの新規のDNA−Rタンパク質のエピトープがまた、本発明によって提供される。
【0003】
(2.発明の背景)
細胞外DNAは、インビボおよびインビトロで、広範な免疫応答を開始し得る強力な生物学的シグナルであり、これは、サイトカイン産生、好中球の流入、IgM分泌、B細胞増殖およびナチュラルキラー活性の増強を含む。細胞外DNAのこれらの性質は、裸のDNAが、いくつかの場合において、ワクチンとして使用されることを可能にする。さらに、細胞外DNAは、インビボおよびインビトロの両方で、細胞に新規の遺伝情報を導入するために使用されている。
【0004】
哺乳動物細胞への細胞外DNA移入の1つの重要な局面は、遺伝子治療である。遺伝子移入治療は、種々の疾患の処置についての可能性を提供する。安全、有効かつ選択的なインビボ遺伝子送達を提供する能力は、将来のプロトコルの重大部門である。プラスミドDNAまたはDNA/リポソーム複合体のいずれかの注入による遺伝子移入は、安全であることが実証されており、そして遺伝子産物の発現を可能にする。DNA/リポソーム複合体の取り込みは、特定の細胞表面レセプターに依存しないが、一方、細胞によるプラスミドDNAの取り込みを媒介する機構は、未知のままである。
【0005】
この技術の十分な可能性を実現するために、選択される組織および細胞における、DNAの安全な送達およびDNAの有効な導入遺伝子発現が達成されなければならない。組織への標的DNAに対する1つのアプローチは、DNAの結合およびインターナリゼーションについてのレセプター媒介機構の使用である。細胞へのDNAのウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス)送達は、レセプター媒介機構を介するが、しかし、この技術は、インビボ臨床適用に限定されている。ウイルスベクターは、エキソビボ遺伝子治療について最も頻繁に使用されているが、形質導入細胞の移植に関連した技術的問題が、重大な障害のままである。さらに、ウイルスベクターは、ウイルス感染を導く可能性、または抗原性ウイルスコートタンパク質に対する免疫応答を誘導する可能性を有する。
【0006】
遺伝子送達の非ウイルス性方法としては、リポソーム、いわゆる「遺伝子銃」および直接注入が挙げられる。リポソームを用いた遺伝子移入は、DNAの取り込みおよび発現をもたらすことが示されている。DNA/リポソームは、有効に取り上げられ、そしてプラスミド上のcDNAが発現されるが、このプロセスは、非特異的と考えられ、選択組織の標的化の可能性は限定される。代案は、送達系を伴わないプラスミドDNAの直接投与である。組織培養における細胞株は、プラスミドDNAのインビトロ取り込み、およびプラスミド上の導入遺伝子の発現を実証した。インビボで直接注入されるDNAが取り上げられ、そしてコード遺伝子が発現していたことがまた示された。このアプローチは、安全かつウイルスによるDNA送達に関連する問題を含まないことが示されているが、このテクノロジーの治療可能性は、しばしば、多くの組織におけるプラスミドDNA由来の乏しい導入遺伝子発現によって限定される。さらに、プラスミドDNAが、細胞に結合され、そして細胞にインターナライズされる機構は、良好に確立されていない。細胞表面へのプラスミドDNA結合の機構についての知識、およびDNAがインターナライズされ、そして発現される方法が、選択組織を標的化する可能性をまた有する導入遺伝子方法の増強に重要である。
【0007】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(ODN)は、極めて重要な細胞外DNAの別の形態である。ODNは、遺伝子発現を特異的に阻害する能力に起因して、種々の病原体および癌遺伝子に対する潜在的な治療因子であると考えられる。組織に注入される場合において、ODNは、細胞によってインターナライズされ、そしてmRNAの相補的領域に結合して、極めて特異的な様式でタンパク質の翻訳を阻害する。HIV RNAに対する異なるアンチセンスODNは、培養ヒト白血病細胞において、ウイルスの感染力を阻害することが示されている。AIDSおよび他の疾患を処置するためのODNを用いたヒト臨床試験が進行中であるが、遺伝子発現がもたらされる場所および方法の明確な理解の欠如が、この技術の最適化を妨げる。
【0008】
細胞外DNAはまた、ヒト疾患(例えば、嚢胞性線維症)に関連する。嚢胞性線維症(CF)は、北アメリカにおいて、最も一般的な致死的遺伝病である。これは、2500人の生児出生のうち1人を冒し、そして冒された個体は、28年の中間の平均余命を有する(Davisら、1996、Amer.J.Respir.Crit Care Med.157:1234〜1239)。炎症(特に、好中球の有害な産物)が、肺損傷の原因であり得ることを示す増大する一連の証拠が存在する(Doring、1997、Ped.Pulmonol.Supp.16:271〜272);大半の罹患率および90%を超える死亡率は、肺の慢性の進行性炎症に由来することが現在認識される。コルチコステロイドは、広範な抗炎症効果(特に、好中球に対する)を有する。複数の研究機関にまたがった試験は、肺機能に対する経口コルチコステロイドの有益な効果を示した。しかし、悪影響(例えば、増殖遅延、グルコース異常および白内障)が、長期選定としてのこの処置の前兆となる(Eigenら、1995、J.Ped.126:515〜523)。非ステロイド性抗炎症薬であるイブプロフェンがまた研究されている(Konstanら、1995、N.Engl.J.Med.332:848〜854)。この薬物は有益であるが、連続したモニタリングが、長期の高用量治療の安全性を決定するために必要である。好中球の有害な産物を処置する他の治療(例えば、抗プロテアーゼおよび抗酸化剤)が、現在研究中である(Konstan、1998、Clin.Chest Med.19:505〜513)。
【0009】
CFの悪性の気道流体特性は、気流を遮断し得、そして病原性細菌についての生存可能な増殖媒体を提供し、そしてこれらの細菌の細胞溶解は、炎症を引き起こす細胞外DNAを産生し得る。組換えヒトDnase(rhDNase)は、1994年から臨床使用となっている(Konstan、1998、同書)。吸入によって投与されるrhDNaseが、細胞外気道DNAをはがし、そして気道流体の粘性を減少するために使用されている。rhDNaseを用いた処置は、肺機能においてわずかな改善を生ずる(CramerおよびBosso、1996、Ann.Pharmacol.30:656〜661)。しかし、処置が停止する場合、患者は、患者の以前の基準を下回る地点に悪化し得る(Bush、1998、Ped.Pulmonol.25:79〜82)。さらに、最近の報告は、肺機能の改善にもかかわらず、気道炎症において変化がないことを示した(Henryら、1998、Ped.Pulmonol.26:97〜100)。DNAは、Dnaseによって分解されるが、完全には分解されず、そして加水分解される(hydrolized)フラグメントは、なお潜在的に免疫刺激性であり、そして炎症に貢献し得る。従って、rhDNaseは、進行中の肺破壊の過程を遮断し得る。
【0010】
CFについての種々の従来の処置(物理療法、栄養補助および薬物を含む)がまた存在する(BiltonおよびMahadeva、1997、J.Royal Soc.Med.90:補遺31、2〜5)。
【0011】
CFを有する患者において、炎症を引き起こし、そして維持する事象が、はっきりと理解されていないので、種々のアプローチが、異なる成分の疾患を処置するために開発されている。気道流体の粘性を減少させるための抗生物質、抗炎症剤および治療が、使用され、そして研究されているすべてのアプローチである。攻撃的な抗生物質治療は、感染の短時間の制御を助けたが、CFを有する患者の気道における細菌は、完全に根絶されことは滅多にない。これらの病原性細菌は、炎症を慢性的に刺激し、そして悪化させる。いくつかの現在利用可能な処置が、症状の緩和、および疾患進行の遅延を助け得るが、現行の処置は、どれも最終的な呼吸不全を妨げることができない。
【0012】
1つの重要な臨床観察は、極めて増大した量の細胞外DNA、宿主および細菌起源が、嚢胞性線維症を有する患者の気道に存在することである。最近の研究は、CFを有する患者の痰から精製される細胞外DNAが、マウス肺において、炎症を直接誘導することを実証した(Schwartzら、1997、J.Clin.Invest.100:68〜73)。嚢胞性線維症を有する患者の痰から精製されるDNAは、主に宿主由来のDNAから構成されることが示されており、そしてわずかな画分のみが、細菌DNAのようである(Schwartzら、1997、同書)。1つの可能な説明は、細胞外DNAが、肺における免疫性肺細胞に結合し、そして炎症前サイトカインの分泌および肺への好中球移動を誘導し、重篤な気道炎症を導くことである。肺における免疫細胞(例えば、肺胞マクロファージ)への細胞外DNA結合が刺激されて、炎症前サイトカインを産生し、このサイトカインは、炎症を導く好中球を補充し、そして活性化する。これらの好中球がアポトーシスを受け、そしてそのDNAを放出する場合、このサイクルが繰り返され、そして炎症が維持または増大される。従って、サイトカイン産生細胞へのDNA結合をブロックする方法および試薬が、現在利用可能な処置よりも優れたCF患者の処置を提供し得る。
【0013】
当該分野において、DNAが細胞表面に結合し得るといういくつかの報告が存在しているが(Bennett、1993、Antisense Res.Develop.3:235〜241;Bennettら、1986、J.Rheumatol.13:679〜685;GaborおよびBennett、1984、Biochem Biophys.Res.Commun.122:1034〜1039;Hefeneiderら、1990、J.Invest.Dermatol.94:79S〜84S;Bennettら、1987、J.Exp.Med.166:850〜863;Bennettら、1991、Clin.Exp.Immunol.86:374〜379;Bennettら、1992、Clin.Exp.Immunol 90:428〜433;Bennettら、1985、J.Clin.Invest.76:2182〜2190;Hefeneiderら、1992、Lupus 1:167〜173;Hefeneiderら、1992、Clin.Immunol.Immunopath.63:245〜251;ReidおよびChalson、1979、Intl.Rev.Cytol.60:27〜52;Lernerら、1971、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 68:1212〜1216;Pancerら、1981、J.Immunol.127:98〜104;MeinkeおよびGoldstein、1974、J.Molec.Biol.86:757〜773;Sudarら、1986、Cell.Molec.Biol.32:87〜91;Gasparroら、1990、Photochem&Photobiol.52:315〜321;Emlenら、1988、Amer.J.Pathol.133:54〜60)、当該分野は、細胞が細胞外DNA結合を媒介する方法についての理解を欠如する。従って、真核生物細胞(特に、哺乳動物細胞)が、細胞外DNAを取り上げる機構についての理解が、種々の生物学的プロセスの改善に重要である。
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、哺乳動物DNA−R遺伝子のクローニング、発現および機能的特徴付けに関する。本発明は、新規の哺乳動物DNA−R遺伝子のヌクレオチド配列を有する核酸を含む。本発明によって提供される核酸は、本発明のDNA−R遺伝子からインビボで転写される対応するmRNAの相補的DNA(cDNA)コピーを含む。好ましい実施形態において、哺乳動物DNA−Rは、ヒトDNA−Rである。また、本発明によって提供されるcDNAの同族タンパク質の推定アミノ酸配列、上記のcDNAを含む組換え発現構造体で形質転換される細胞においてcDNAを発現することによって、上記の同族タンパク質を作製する方法、ならびにそれによって形質転換される上記の組換え発現構造体および細胞が提供される。
【0015】
第一の局面における本発明は、核酸、核酸ハイブリダイゼーションプローブ、形質転換細胞の培養物において、本発明のDNA−Rを発現し得る組換え真核生物発現構造体、および本発明のDNA−Rを合成する形質転換される真核生物細胞のこのような培養物を提供する。別の局面において、本発明は、本発明のDNA−Rタンパク質の相同組成物、上記のDNA−Rのフラグメント(最も好ましくは、DNA−Rのアミノ酸1〜575を含むフラグメント)の相同組成物、ならびにDNA−Rまたはそのフラグメントと、とりわけエピトープマーカーとの間の融合タンパク質、および本発明のDNA−Rタンパク質を発現する細胞由来の膜調製物、ならびにまた、本発明のDNA−Rタンパク質またはそのフラグメントに対する抗体、および本発明のDNA−Rタンパク質またはそのフラグメントのエピトープを提供する。別の局面における本発明は、本発明の組換え発現構造体で形質転換される細胞を用いた、上記の相同調製物および膜調製物の作製についての方法、ならびにそれによる上記のDNA−Rタンパク質の発現についての方法を提供する。レセプター、およびこれらのレセプタータンパク質の生化学的性質の特徴付けについての方法、ならびに本発明のDNA−Rに関連する薬理学的用途を有する因子の開発におけるこれらのタンパク質の使用についての方法がまた提供される。
【0016】
第一の局面において、本発明は、哺乳動物DNA−Rをコードするヌクレオチド配列を有する核酸を提供する。第一の好ましい実施形態において、核酸は、ヒトDNA−Rをコードする。本発明のこの実施形態において、ヌクレオチド配列は、コード配列の3576ヌクレオチド、5’非翻訳配列の601ヌクレオチドおよび3’非翻訳配列の117ヌクレオチドを含むヒトDNA−R cDNAの4351ヌクレオチドを含む。本発明のこの実施形態において、DNA−Rのヌクレオチド配列は、図1に示されるヌクレオチド配列(配列番号1)である。図1に示される配列は、本発明の1192アミノ酸(配列番号2)のヒトDNA−Rアミノ酸配列をコードする多数のヌクレオチド配列の1つの特異的な実施形態を示すことが理解され、そしてこれらの異なるヌクレオチド配列が、機能的に等価であり、そして本発明によって包含されることが意図されることが理解される。さらに、それに由来する異なる生物および細胞が、天然に存在するアミノ酸のいくらかをコードし得る転移RNA(tRNA)の縮重収集物の部分集合に対応する、特定のtRNAを優先的に発現することが理解され、そして特定の原核生物および真核生物における発現について最適化される、本発明のヒトDNA−Rタンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列の多様性の実施形態がまた、本発明によって包含されることが理解される。ヒトゲノムDNA由来の単離核酸、および本発明によって提供されるヒトcDNAを用いた従来方法によって単離される核酸がまた、本発明の範囲内である。最終的に、ヒトDNA−Rの対立遺伝子変異(天然に存在する修飾およびそのインビトロ修飾を含む)が、本発明の範囲内であることが理解される。各々のこのような改変体は、本明細書中で開示されるヒトDNA−Rの配列と本質的に同じアミノ酸配列を有することが理解される。
【0017】
本発明のヒトcDNAに対応する哺乳動物DNA−Rタンパク質が、本発明の第二の局面である。第一の実施形態において、哺乳動物DNA−Rタンパク質は、図1に示される推定アミノ酸配列(配列番号2)を有するヒトDNA−Rである。第二の実施形態において、本発明のヒトDNA−Rをコードする核酸を発現する細胞(最も好ましくは、組換え細胞)由来の膜調製物を含む、このヒトDNA−Rタンパク質が提供される。
【0018】
本発明のこの局面において、およそ150kDの分子量を有する哺乳動物DNA−Rまたはその誘導体の相同組成物が提供され、これは、図1に示され、そして配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであり、このサイズは、その任意の翻訳後修飾前のタンパク質の推定サイズであることが理解される。また、配列番号2として同定される配列のアミノ酸残基1〜575を含むヒトDNA−Rのアミノ末端フラグメントの相同組成物が提供される。本明細書中に記載されるように、DNA−Rの膜貫通領域を欠如するように遺伝子操作されるタンパク質の種、およびそれによって提供する本発明のDNA−Rの可溶性形態がまた、本発明のこの局面の範囲内であり、そして本明細書中に提供される。
【0019】
本発明は、本明細書中に提供される配列由来のヌクレオチドおよびアミノ酸プローブの両方を提供する。本発明は、cDNAまたはゲノムDNAのいずれかから単離されるプローブ、ならびにそれに由来する配列情報を用いて合成によって作製されるプローブを含む。本発明は、特に、哺乳動物DNA−Rまたはそのフラグメントをコードする本発明のcDNAクローンまたはゲノムクローンを用いて作製される、オリゴヌクレオチドプローブ、ニックトランスレーションプローブ、ランダムプライムプローブ、またはインビトロ増幅プローブ、ならびに本発明のcDNAクローン実施形態またはゲノムクローン実施形態のヌクレオチド配列情報を用いて化学合成される、オリゴヌクレオチドプローブおよび他の合成プローブを含むが、これらに限定されない。
【0020】
このような核酸ハイブリダイゼーションプローブを提供して、哺乳動物(ヒトを含む)の種々の組織におけるDNA−R遺伝子の発現パターン、発現量および発現程度を決定することが、本発明のさらなる目的である。本発明の哺乳動物DNA−R遺伝子の配列に由来する核酸ハイブリダイゼーションプローブを提供して、遺伝子疾患の検出および診断について使用されることがまた、本発明の目的である。本明細書中で開示される哺乳動物DNA−R遺伝子の核酸配列に由来する核酸ハイブリダイゼーションプローブを提供して、新規の関連レセプター遺伝子の検出について使用されることが、本発明の目的である。
【0021】
本発明はまた、本発明のcDNA実施形態を含むヌクレオチド配列情報を用いて作製される合成ペプチドを含む。本発明は、天然に存在するペプチドまたは合成ペプチドのいずれかを含み、これらは、DNA−R特異的抗体の産生についての抗原として使用され得るか、または核酸結合についてのDNA−R分子の競争者として有用であり得るか、あるいは、このようなDNA−R分子への核酸結合のインヒビターの産生について使用され得る。
【0022】
本発明はまた、本発明の哺乳動物DNA−R分子に対する抗体および本発明の哺乳動物DNA−R分子のエピトープを提供する。本発明のDNA−Rに免疫学的に反応性である抗体を提供することが、本発明の目的である。これらのDNA−Rに対するモノクローナル抗体を提供することが、特定の目的である。このような抗体を産生するハイブリドーマ細胞株がまた、本発明の目的である。このようなハイブリドーマ細胞株が、非免疫グロブリン産生マウス骨髄腫細胞株と、本発明の哺乳動物DNA−Rの抗原またはエピトープを発現する細胞株で免疫されるマウス由来の脾臓細胞との間の融合の結果として産生され得ることが予見される。本発明はまた、このような抗体を産生し、そして生存マウスに注入されて、このような抗体から構成されるマウス由来の腹水流体を提供し得るハイブリドーマ細胞株を提供する。本発明の哺乳動物DNA−Rタンパク質の免疫学的に活性なエピトープを提供することが、本発明のさらなる目的である。本発明のDNA−Rタンパク質に対して免疫学的に反応性のキメラ抗体がまた、本発明の範囲内である。
【0023】
本発明は、本発明の哺乳動物DNA−Rをコードする核酸を含む組換え発現構造体を提供し、ここで、この構造体は、この構造体で形質転換される細胞の培養物において、コードDNA−Rを発現し得る。このような構造体の好まし実施形態は、図1に示されるヒトDNA−R cDNA(配列番号1)を含み、このような構造体は、この構造体で形質転換される細胞において、その中にコードされるヒトDNA−Rを発現し得る。また、上記のDNA−Rのフラグメント(最も好ましくは、アミノ酸残基1〜575を含むアミノ末端フラグメント、および上記のDNA−Rの膜貫通ドメインを欠失するように遺伝子操作されるフラグメント)をコードする組換え発現構造体が提供され、それによって、DNA−Rの可溶性形態の産生に備える。別の実施形態において、組換え発現構造体は、当該分野で公知の従来の抗体によって認識されるエピトープ配列に融合したDNA−Rをコードする。各々の場合において、本発明の組換え発現構造体は、この構造体で形質転換される細胞において、その中にコードされるヒトDNA−Rまたはそのフラグメントを発現し得る。
【0024】
本発明はまた、本発明の組換え発現構造体で形質転換される原核生物細胞およびより好ましくは、真核生物細胞(各々のこのような細胞は、形質転換構造体においてコードされる哺乳動物DNA−Rまたはフラグメントまたはエピトープ改変種を発現し得、そして実際に発現する)、ならびに上記の形質転換細胞を用いた、哺乳動物DNA−Rタンパク質の調製についての方法を提供する。
【0025】
本発明はまた、本発明の組換え発現構造体で形質転換される、それぞれ原核生物細胞または真核生物細胞の培養物に由来する、本発明のDNA−Rタンパク質、あるいはそのフラグメントまたはエピトープ改変種を含む、原核生物細胞膜および真核生物細胞膜のタンパク質調製物をその範囲内に含む。
【0026】
本発明はまた、本発明の哺乳動物DNA−R分子(特に、それに結合する核酸)の生化学的活性を阻害、促進または調節する能力についての化合物のスクリーニングについての方法を提供する。好ましい実施形態において、本発明の方法は、DNA(特に、二本鎖DNAおよびオリゴヌクレオチド)の結合に関する。本発明の方法は、DNA−Rを発現する細胞へのDNA取り込みまたはオリゴヌクレオチド取り込みに影響を与える化合物の同定に特に関する。好ましい実施形態において、本発明の方法によって同定される化合物は、ピノサイトーシスまたはエンドサイトーシスによって、DNA取り込みまたはオリゴヌクレオチド取り込みに影響を与える。好ましい実施形態において、この化合物は、そこに発現され得る形態で、細胞の核に到達するDNA量またはオリゴヌクレオチド量を増大させることによって、DNA取り込みまたはオリゴヌクレオチド取り込みに影響を与える。本発明の好ましい化合物は、上記のDNAによってコードされる遺伝子(最も好ましくは、レポーター遺伝子)の取り込みの増大または発現の増大を検出することによって同定される。好ましい実施形態において、本発明の組換え発現構造体で形質転換される細胞は、このような化合物と接触され、そして細胞によって取り上げられるDNA量またはオリゴヌクレオチド量、あるいは細胞における遺伝子発現(最も好ましくは、レポーター遺伝子発現)の頻度または量がアッセイされる。
【0027】
本発明の特定の好ましい実施形態は、以下の特定の好ましい実施形態のより詳細な説明および上記の特許請求の範囲から明らかになる。
【0028】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書中で使用されるような用語「哺乳動物DNA−R」は、図1に示されるアミノ酸(配列番号2)によってコードされるタンパク質から本質的になり、そして図1に示されるアミノ酸(配列番号2)によってコードされるタンパク質と実質的に同じ生物学的活性を有するタンパク質をいう。この定義は、開示されるDNA−Rにおいて、天然の対立遺伝子変異を包含することが意図される。本発明によって提供されるクローニングされる核酸は、任意の種の起源(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ネコおよびヒトを含む)のDNA−Rタンパク質をコードし得るが、好ましくは、本発明によって提供される核酸は、哺乳動物起源(最も好ましくは、ヒト起源)のDNA−Rをコードする。
【0029】
本発明によって提供される核酸は、哺乳動物DNA−Rをコードするヌクレオチド配列を有するDNAまたはRNAを含む。この核酸の特定の実施形態は、図1に示され(配列番号1)、そして図1に示されるようなアミノ酸配列(配列番号2)を有する哺乳動物DNA−Rをコードする任意のヌクレオチド配列を含む。本発明によって提供されるような核酸ハイブリダイゼーションプローブは、特定のハイブリダイゼーションに十分なストリンジェンシー条件下で、核酸ハイブリダイゼーションにおいて有効な本発明の核酸の任意の部分を含む。このような核酸ハイブリダイゼーションプローブの混合物はまた、本発明のこの実施形態の範囲内である。本明細書中で提供されるような核酸プローブは、本発明によって提供される核酸の特定の実施形態の哺乳動物種アナログの単離に有用である。本明細書中で提供されるような核酸プローブはまた、当該分野の周知技術(ノーザンブロットハイブリダイゼーション、インサイチュハイブリダイゼーションおよび逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応産物のDNAに対するサザンハイブリダイゼーションを含むが、これらに限定されない)を用いて、細胞および組織における哺乳動物DNA−R遺伝子発現の検出に有用である。本発明によって提供されるプローブ(それに由来するオリゴヌクレオチドプローブを含む)がまた、特定の遺伝的障害に関連する制限断片長多型(RFLP)に対するスクリーニングについての哺乳動物(好ましくは、ヒト)のゲノムDNAのサザンハイブリダイゼーションに有用である。
【0030】
遺伝子操作手段によってクローニングされる遺伝子由来のタンパク質(例えば、哺乳動物DNA−R)の産生は、当該分野で周知である。従って、続く議論は、当該分野の概観として意図され、そして当該分野の完全な状態を反映することは意図されない。
【0031】
DNA−Rをコードする核酸は、即時の開示を考慮して、以下に例示されるような既知の手順に従って、化学合成によって、適切な細胞培養物(cell(s) culture)または細胞株培養物からのmRNAの逆転写物のスクリーニングによって、適切な細胞からのゲノムライブラリのスクリーニングによって、あるいはこれらの手順の組み合わせによって得られ得る。mRNAまたはゲノムDNAのスクリーニングは、本明細書中で開示されるような哺乳動物DNA−R核酸由来の核酸配列情報から作製されるオリゴヌクレオチドプローブを用いて行われ得る。プローブは、既知の手順に従って、検出可能な基(例えば、蛍光基、放射性原子または化学発光基)を用いて標識され得、そして以下の実施例においてより詳細に記載されるような従来型のハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用され得る。あるいは、哺乳動物DNA−R核酸配列は、本明細書中で提供されるようなDNA−R由来の核酸配列情報に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)手順の使用によって得られ得る。Mullisらに対する米国特許第4,683,195号、およびMullisに対する同第4,683,202号を参照のこと。
【0032】
哺乳動物DNA−Rタンパク質は、ゲノムDNAまたはcDNAを含むDNA−R核酸をコードする核酸を含む組換え発現構造体を用いて形質転換される宿主細胞において合成され得る。このような組換え発現構造体はまた、複製可能なDNA構造体であるベクターから構成され得る。ベクターは、DNA−RをコードするDNAの増幅および/またはDNA−R遺伝子をコードするDNAの発現のいずれかについて、本明細書中で使用される。本発明の目的について、組換え発現構造体は、複製可能なDNA構造体であり、これにおいて、DNA−Rをコードする核酸は、適切な宿主においてDNA−Rの発現を果たし得る適切な制御配列に作動可能に結合される。
【0033】
このような制御配列についての必要性は、選択される宿主および選択される形質転換方法に依存して変化する。一般的に、制御配列は、転写を制御するための転写プロモーター配列、任意のオペレーター配列またはエンハンサー配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列ならびに転写および翻訳の終結を制御する配列を含む。増幅ベクターは、発現制御ドメインを必要としない。通常、複製起点によって与えられる宿主における複製能、および形質転換体の認識を容易にするための選択遺伝子のみが必要とされる。Sambrookら、2001、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press:New York)を参照のこと。
【0034】
本発明の実行に有用なベクターとしては、プラスミド、ウイルス(ファージおよび哺乳動物のDNAおよびRNAウイルスを含む)、レトロウイルスならびに組込み可能なDNAフラグメント(すなわち、相同組換えによって、宿主ゲノムに組込まれ得るフラグメント)が挙げられる。ベクターは、目的の遺伝子を複製し得、そして宿主ゲノムから独立して機能し得るか、または、いくつかの場合、ゲノム自身に組込み得る。適切なベクターは、レプリコンおよび制御配列を含み、これらは、意図される発現宿主に適合した種由来である。形質転換宿主細胞は、組換えDNA技術を用いて作製され、そしてDNA−Rタンパク質をコードする核酸を含む組換え発現構造体で形質転換またはトランスフェクトされている細胞である。好ましい宿主細胞は、HEK293細胞、COS−7細胞(Gluzman、1981、Cell 23:175〜182)およびLtk細胞である。形質転換宿主細胞は、DNA−Rタンパク質を発現し得るが、核酸ハイブリダイゼーションプローブDNAのクローニングまたは増幅の目的について形質転換される宿主細胞は、レセプターを発現する必要がない。発現される場合、本発明のDNA−Rは、代表的には、宿主細胞膜に局在する。従って、本発明は、本発明のDNA−Rタンパク質を含む上記の細胞膜の調製物、ならびにレセプタータンパク質自身の精製された相同調製物を提供する。Sambrookら、同書を参照のこと。
【0035】
多細胞生物由来の細胞の培養物が、組換えDNA−Rタンパク質合成についての望ましい宿主である。原則として、脊椎動物培養物由来または無脊椎動物培養物由来にかかわらず、任意の高等真核生物細胞培養物が有用である。しかし、実施例に例示されるように、哺乳動物細胞が好ましい。細胞培養物におけるこのような細胞の増殖は、慣用的手順になっている。Tissue Culture、Academic Press、KruseおよびPatterson、編(1973)。有用な宿主細胞株の例は、ヒト胚腎臓(HEK)293細胞、VERO細胞およびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、マウスLtk細胞株、ならびにWI138細胞株、BHK細胞株、COS−7細胞株、CV細胞株およびMDCK細胞株である。HEK293細胞、COS−7細胞およびLtk細胞が好ましい。
【0036】
本発明は、本明細書中に提供されるように、形質転換される真核生物細胞によって産生される哺乳動物DNA−Rタンパク質の相同組成物を提供する。各々のこのような相同組成物は、DNA−Rタンパク質から構成されることが意図され、これは、このような相同組成物において、このタンパク質の少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%を含む;上記の相同調製物において、個々の汚染タンパク質種は、この調製物の5%未満、より好ましくは2%未満、そして最も好ましくは1%未満を含むことが予想される。本発明はまた、本明細書中に記載されるように、組換え発現構造体を用いた形質転換の結果として、哺乳動物DNA−Rタンパク質を発現する細胞由来の膜調製物を提供する。また具体的には、本発明によって、本発明のDNA−Rのフラグメント、最も好ましくは、そのDNA結合フラグメントが提供される。好ましい実施形態において、上記のフラグメントは、膜貫通ドメイン、および当該分野において、DNA−タンパク質結合に関連することが知られているジンクフィンガーモチーフおよびRING配列モチーフを含むアミノ末端フラグメント(最も好ましくは、アミノ酸1〜575)を欠失するレセプターの可溶性形態を含む。
【0037】
本発明に従ってクローニングされる遺伝子から作製される哺乳動物DNA−Rタンパク質は、本明細書中により完全に記載されるように、インビボおよびインビトロでの細胞へのDNA結合をもたらし、そしてそれによってコードされる遺伝子のDNA取り込みおよび発現に影響を及ぼす化合物のスクリーニングについて使用され得る。例えば、宿主細胞は、本発明の組換え発現構造体で形質転換され得、哺乳動物DNA−Rは、これらの宿主細胞内で発現され得、そしてその細胞または膜が使用されて、DNA結合に対するその効果について、化合物をスクリーニングし得る。通常程度にDNA−Rを発現しない宿主細胞の選択によって、レセプターを含む膜の純粋な調製物が得られ得る。
【0038】
本発明の組換え発現構造体は、通常程度にDNA−Rを発現せず、その後、このレセプターを発現する細胞を形質転換する分子生物学において有用である。このような細胞は、レセプター結合活性アッセイに有用な細胞膜調製物(Cell membrane preparation)の作製についての中間体として有用であり、これは、同様に、薬物スクリーニングに有用である。従って、本発明の組換え発現構造体は、従来の動物スクリーニングプロトコルよりも有意に低いコストで、潜在的に有用な薬物のスクリーニングについての方法を提供する。最終的なインビボ活性および毒物学アッセイについての必要性を完全には排除しないが、本発明の構造体および培養物は、年々、天然の供給源から合成、発見または抽出されるおびただしい数の潜在的に有用な薬物についての重要な第一のスクリーニング段階を提供する。それによって、この有用性は、現在利用可能な技術を用いて、新規の治療的に活性な薬物の合理的な薬物設計を可能にする(Walters、「Computer−Assisted Modeling of Drugs」、KlegermanおよびGroves、編、1993、Pharmaceutical Biotechnology、Interpharm Press:Buffalo Grove、IL、165〜174頁を参照のこと)。
【0039】
本発明の組換え発現構造体はまた、遺伝子治療に有用であり得る。本発明のクローニングされる遺伝子またはそのフラグメントはまた、相同組換えまたは部位特異的突然変異誘発が行われる遺伝子治療に用いられ得る。一般的に、ThomasおよびCapecchi、1987、Cell 51:503〜512;Bertling、1987、Bioscience Reports 7:107〜112;Smithiesら、1985、Nature 317:230〜234を参照のこと。
【0040】
本発明によって提供されるような核酸およびオリゴヌクレオチドプローブは、ヒトおよび他の動物の組織におけるDNA−R遺伝子発現のプローブ化についての診断手段として有用である。例えば、組織が、従来のオートラジオグラフィー技術または他の検出技術によって検出可能な基を保有するオリゴヌクレオチドプローブとインサイチュでプローブ化されて、このレセプターのネイティブ発現またはそれに関連する病理学的状態を研究する。さらに、染色体がプローブ化されて、対応するDNA−R遺伝子の存在または非存在、およびそれに関連する潜在的な病理学的状態を研究し得る。オリゴヌクレオチド(特に、アンチセンスオリゴヌクレオチド)はまた、レセプターを過剰発現する細胞、あるいはその発現が、一般的にまたは特定の組織においてのいずれかで、宿主生物において不利である細胞において、DNA−Rの発現の減少に有用である。後者の場合の例は、本明細書中により完全に示されるように、嚢胞性線維症患者における気道の上皮細胞および肺組織におけるマクロファージである。
【0041】
本発明はまた、本発明によって提供されるDNA−Rタンパク質またはそのエピトープに免疫学的に反応性である抗体を提供する。本発明によって提供される抗体は、当該分野で周知の方法を用いて、DNA−Rまたはそのエピトープを発現する細胞、このような細胞由来の細胞膜(粗膜調製物または当該分野で周知の方法を用いて精製される膜のいずれか)、あるいはタンパク質の精製調製物(タンパク質フラグメントおよび融合タンパク質を含み、特に、融合タンパク質は、異種タンパク質に融合され、そして細菌細胞、酵母細胞または真核生物細胞における遺伝子操作手段を用いて発現される本発明のDNA−Rタンパク質のエピトープを含み、上記のタンパク質は、従来の生化学的方法を用いて、種々の程度の相同性までこのような細胞から単離される)を用いた接種によって、動物において惹起され得る。確立されたインビトロの合成方法を用いて作製され、そしてアミノ酸の異種配列と必要に応じて結合体化される合成ペプチドがまた、これらの方法に包含されて、本発明の抗体を産生する。このような接種に有用な動物としては、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、ヤギおよび霊長類を含む種由来の個体が挙げられる。接種に好ましい動物は、齧歯類(マウス、ラット、ハムスターを含む)およびウサギである。最も好ましい動物は、マウスである。
【0042】
このような接種、または本発明において使用される任意の他の手段について使用され得る細胞は、本発明によって提供されるDNA−Rを本来発現する任意の細胞株、あるいはより好ましくは、分子操作または遺伝子操作の結果として、本発明のDNA−Rまたはその任意のエピトープを発現するか、または物理学的、生化学的もしくは遺伝学的手段によって、内因性DNA−Rタンパク質または異種DNA−Rタンパク質の発現を増大するように処理されている任意の細胞または細胞株を含む。好ましい細胞は、哺乳動物細胞であり、最も好ましい細胞は、DNA−Rタンパク質をコードする本発明の組換え発現構造体で形質転換されており、そしてそこからこのレセプターを発現する齧歯類(最も好ましくは、マウス宿主)に同質遺伝子的な細胞である。
【0043】
本発明はまた、このような細胞の表面上、またはその膜調製物において存在するか、あるいは種々の程度の生化学的精製後に使用される本発明のDNA−Rまたはそのフラグメントに由来するエピトープと免疫学的に反応性であるモノクローナル抗体を提供する。本発明のDNA−Rの可溶性フラグメント(例えば、レセプターの膜貫通ドメイン、およびアミノ末端フラグメント(最も好ましくは、DNA結合フラグメント)を除去するように遺伝子操作されるレセプターの種を含む)が、特に有用である。このような抗体は、当業者に周知の方法および技術を用いて作製される。本発明によって提供されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞株によって産生され、この細胞株はまた、本発明によって提供され、そして当該分野で周知の方法によって作製される。
【0044】
ハイブリドーマ細胞株は、上記のように、骨髄腫細胞株の個々の細胞と、本発明のDNA−Rを発現する細胞で免疫される動物由来の脾臓細胞との融合によって作製される。本発明において使用される骨髄腫細胞株は、マウス、ラット、ハムスター、霊長類およびヒトの骨髄腫由来の株を含む。好ましい骨髄腫細胞株は、マウス由来であり、そして最も好ましいマウス骨髄腫細胞株は、P3X63−Ag8.653である。脾臓が免疫後に得られる動物は、ラット、マウスおよびハムスターであり、好ましくは、マウスであり、最も好ましくは、Balb/cマウスである。脾臓細胞および骨髄腫細胞は、当該分野で周知の多くの方法(不活性なセンダイウイルスとのインキュベーションおよびポリエチレングリコール(PEG)の存在下でのインキュベーションを含むが、これらに限定されない)を用いて融合される。細胞融合についての最も好ましい方法は、45%(w/v)PEG−1450の溶液の存在下でのインキュベーションである。ハイブリドーマ細胞株によって産生されるモノクローナル抗体は、インビトロ細胞増殖からの細胞培養物の上清流体から収集され得る;あるいは、ハイブリドーマ細胞は、皮下および/または動物(最も好ましくは、マウス)の腹膜腔に注入され得、そしてモノクローナル抗体は、血液および/または腹水流体から得られ得る。
【0045】
本発明によって提供されるモノクローナル抗体はまた、当業者に周知の組換え遺伝子方法によって産生され、そして本発明は、このような方法によって作製される抗体(これは、本発明のアミノ酸レセプターのエピトープと免疫学的に反応性である)を包含する。本発明はまた、このような抗体の抗原結合フラグメント(Fフラグメント、F(ab) フラグメントおよびF(ab)フラグメントを含むがこれらに限定されない)を包含する。フラグメントは、任意の数の方法(タンパク質分解開裂または化学的開裂、化学合成あるいは遺伝子操作テクノロジーの手段によるこのようなフラグメントの調製を含むがこれらに限定されない)によって産生される。本発明はまた、当業者に公知の方法によって作製されるDNA−Rのエピトープに免疫学的に反応性である1本鎖抗体を包含する。
【0046】
本発明はまた、レセプター分子に存在する配列および/または配列の配座から構成される本発明のDNA−Rのエピトープを包含する。このエピトープは、天然に存在し得るか、またはレセプター分子の化学的開裂もしくはタンパク質分解的開裂、およびエピトープ含有ペプチドの単離の結果であり得るか、あるいは当業者に周知の方法を用いて、エピトープ含有ペプチドの化学合成またはインビトロ合成によって得られ得る。本発明はまた、遺伝子操作テクノロジーの結果として産生されるエピトープペプチド、および遺伝子操作される原核生物細胞または真核生物細胞によって合成されるエピトープペプチドを包含する。
【0047】
本発明はまた、DNA−R由来ペプチドに免疫学的に反応性の軽鎖および重鎖ペプチドから構成されるキメラ抗体を含む。本発明において具現化されるこのキメラ抗体は、天然に存在する抗体、ならびに当業者に周知の遺伝子操作テクノロジーの手段によって作製されるキメラ抗体に由来する抗体を含む。
【0048】
レセプター、DNA−RおよびそのDNA結合フラグメントをコードする核酸は、有利に使用されて、インビボおよびインビトロで、細胞におけるレセプターの発現または活性を調節する。本明細書中で提供されるように、本発明のDNA−R、特に、その可溶性実施形態は、競合してDNAを結合して、DNA−Rを発現する細胞へのその結合を減少し得る。特定の細胞(例えば、気道上皮細胞および肺におけるマクロファージ)におけるDNA−RへのDNA結合は、炎症プロセスの活性化に関連し、このプロセスは、嚢胞性線維症、慢性気管支炎および他の慢性肺疾患に関連した有意な罹患率および死亡率の産生を引き起こす。従って、本発明は、肺における細胞へのDNA結合の妨害による上記の罹患率および死亡率の減少についての種々の方法を提供する。1つの実施形態において、可溶性DNA−R種は、最も好ましくは、当該分野で周知の処方物、賦形剤およびビヒクルを用いて、肺組織に直接エーロゾル投与によって投与され得、そしてそれによって、競合DNA結合が達成され得る。別の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、最も好ましくは、エーロゾル投与によって肺組織に送達され得、そして肺の標的細胞におけるDNA−Rの発現が、それによって抑制され得る。さらなる代案において、本発明のDNA−RへのDNA結合を特異的に阻害する抗体(最も好ましくは、モノクローナル抗体)が使用されて、上記の肺細胞へのDNA結合を阻害し得る。
【0049】
本発明のDNA−R、特に、その可溶性実施形態およびDNA結合フラグメントはまた、DNA−Rとの相互作用によって炎症を引き起こす他の炎症関連疾患および状態(中耳炎、化膿性関節炎および任意の細菌感染またはウイルス感染を含む)の処置において有用である。
【0050】
さらに、本発明のDNA−Rが使用されて、DNA結合、DNA取り込みおよびDNA発現を調節する化合物をスクリーニングし得る。DNA(特に、所望の遺伝子をコードするDNA)の導入は、当該分野で周知の方法論である。しかし、DNA導入方法は、経験的に、そしてDNA取り込みの分子ベースの理解を少しも伴わずに開発されてきている。特に、これまで、本明細書中で開示されるようなDNA−Rへの特異的DNA結合、およびエンドサイトーシスによるそれによる取り込みが、当該分野で認識されなかった。従って、本発明のDNA−Rの同定は、それによってコードされる遺伝子のDNA取り込みおよび発現の有効性の増大についての化合物および方法の開発についての新規の標的を提供する。
【0051】
本発明によって提供される別の有利な方法は、腫瘍細胞において発現されるDNA−Rの使用であり、腫瘍細胞へのDNA結合抗癌薬物の送達を容易にする。薬物(例えば、アドリアマイシン(ドキソルビシン))は、癌患者の処置について臨床使用される。本発明のDNA−Rを発現する腫瘍細胞における細胞外DNA取り込みの増強は、細胞への薬物のキャリアとして、細胞外DNAの使用によるこのようなDNA結合抗癌薬物の取り込みを容易にする。細胞外DNAとのこの薬物の結合は、とりわけ、薬物が、薬物耐性メディエータ(例えば、P−糖タンパク質)によって、腫瘍細胞において産生される活発な流出を回避することを可能にし得る。遺伝子移入に関して同じ原理を利用して、腫瘍細胞に対するDNA結合レセプターの選択的増強は、DNA結合薬物の取り込みを増強し、そして治療効果の増大をもたらす。別の実施形態において、他の疾患(例えば、マラリア)は、マラリア寄生虫、Plasmodium falciparumで寄生される赤血球における細胞表面のDNA結合の開発に基づく類似の様式で処置され得る。
【0052】
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態およびその種々の使用を例示する。これは、例示の目的のみについて示され、そして本発明を制限するように考慮されない。
【0053】
(実施例1)
(ヒト膜結合DNAレセプター(DNA−R)の単離)
上記の明細書において記載されるように、細胞へのDNA結合は、当該分野で観察されており、そして上記の結合の性質は、細胞表面で発現されるDNA結合タンパク質の存在を示唆した。ヒト細胞から新規のDNA結合タンパク質を単離するために、全身性エリテマトーデス(SLE)を有する患者由来の血清(DNAセファロースカラムにわたる複数回の(6×)通過によって、抗DNA抗体の血清を枯渇するように処理される)を用いて、リポサッカリドで刺激されるヒト単球から作製されるλgt11 cDNA発現ライブラリをスクリーニングした。この血清は、抗DNAレセプター活性(細胞へのDNA結合のブロッキングによって規定される;Bennetら、1992.J.Clin.Invest.76:2182〜2190)を有することが示されている。
【0054】
この血清を用いてスクリーニングされるおよそ100万のプラークから、10のポジティブファージクローンを、YoungおよびDavisの技術に従って(1983、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:1194〜1198)、同定および単離した。このクローンを、溶出される抗体を用いて、サザンブロット分析およびウェスタンブロット分析に基づいて、2つのクラスに分類した。1つのクローン(クローン88)の1.4キロベース(kb)挿入物の配列分析(これは、SLE血清を用いたウェスタンブロットに対して高度に反応性であった)は、クローンの5’末端で開いており、そして3’末端に翻訳停止コドンを含んだオープンリーディングフレームを明らかにした。このオープンリーディングフレームは、46.7キロダルトン(kDa)のタンパク質フラグメントをコードした。
【0055】
推定DNA−Rの全長cDNAを、末梢血単核細胞である、ヒトバーキットリンパ腫細胞(Raji;登録番号CCL 86、米国菌培養収集所、Manassas、VA)、ヒト子宮頸癌細胞(HeLa;ATCC登録番号CCL 2)およびヒトリンパ芽球性白血病細胞(MOLT−4;ATCC登録番号CRL 1582)由来のセグメントにおいて得られた。クローン88由来の731塩基対(bp)のDNAプローブを用いて、Raji細胞株由来のλgt11ファージライブラリ(このライブラリを、Clonetech Labs、Palo Alto、CAから得た)をスクリーニングした。5’オープンリーディングフレーム(ORF)配列のさらなる462bpを含んだ2409bpのクローンを、このスクリーニングから得た。cDNAの5’範囲由来のさらなる配列を、5’RACE(cDNA末端の急速増幅)方法の2つの変形を用いて単離した。第一の5’RACE方法において、一本鎖DNA(ssDNA)を、ポリTプライマーおよび逆転写酵素を用いて、HeLa細胞mRNAから合成した。ポリAテイルを、ターミナルトランスフェラーゼによって、ssDNAの5’末端に付加した。この一本鎖cDNAを、遺伝子特異的プライマーおよびポリTプライマーを用いて増幅した。このクローンは、753bpのさらなる配列を以前に得られた配列の5’に含んだ。このcDNAの5’配列の残りを、製造業者の指示に従って、Marathon Race cDNA増幅(Clonetech Labs、Palo Alto、CA)によって、MOLT−4 cDNAから得た。この手順は、340bpのORFおよび950bpの5’非翻訳領域からなるさらなる1290bpクローンを産生した。これらのスクリーニングおよび増幅実験由来の結果の組み合わせは、本発明のDNA−Rをコードする推定全長cDNAを産生した。
【0056】
推定DNAレセプターについての完全な全長cDNAを、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、MOLT−4 mRNA由来の1つのRT−PCR産物としてクローニングした:
プライマー5’:ACCCGAGCATGGATCCGCCACCATGGCTGTGCAGGCAGC(配列番号5)および
プライマー3’:GGTATCTAGATCCATGGTGTGGTCAC(配列番号6)
この完全配列は、1192アミノ酸(配列番号2)のタンパク質をコードする3576ヌクレオチドの規定されるオープンリーディングフレームを有する4351ヌクレオチド(配列番号1)長であった。この単離プロトコルは、図1に概略的に例示される。
【0057】
(実施例2)
(DNAレセプター遺伝子発現およびタンパク質配列分析)
種々のヒト組織におけるその対応するmRNAの組織特異的発現パターンおよび細胞株特異的発現パターンを、種々の組織および癌細胞株から単離されるRNAに対するノーザンブロット分析によって分析した。これらの実験結果を、図2に示す。
【0058】
組織サンプルのパネルを、低いストリンジェンシー条件下(42℃での、5×SSPE(0.75M NaCl、0.05M NaHPO、5mM EDTA)、10×デンハルト溶液(0.2% フィコール、0.2% ポリビニルピロリドン、0.2% ウシ血清アルブミン)、100μg/mL サケ精子DNA、2% SDSおよび50% 脱イオンホルムアミドならびに1〜2×10cpmのランダムプライムされる32標識プローブにおけるハイブリダイゼーション、その後の0.1×SSC(15mM NaCl、1.5mM クエン酸三ナトリウム、0.1% SDS)における洗浄として規定される)で行われるノーザンハイブリダイゼーション分析によって試験した。このブロットを、DNA−R遺伝子由来のコード配列の3’末端由来の442bpの配列からなるプローブとハイブリダイズさせて、レセプターmRNAの分布を決定した。この分析は、試験されるすべてのヒト組織および癌細胞株において、9.5kbおよび6.8kbの2つの主要な転写物を明らかにした。転写発現は、脾臓、精巣、卵巣および小腸において比較的豊富であった。いくつかのより小さな転写サイズがまた、試験されるいくつかの組織および細胞株において観察された(図2)。
【0059】
ヒトゲノム配列に対する相同性検索は、染色体9q34上に、このDNAレセプターを配置した(GenBank登録番号AC007066、コンティグCHR9.SL27上のマーカーHIM9.89)。このゲノム配列(これは、5’末端から始まるcDNAの85%を含んだ)は、16の完全なエキソンの位置および17番目のエキソンの冒頭を明らかにした。発現されるタグ配列(EST)データベースのBLAST検索は、正常なヒト組織(肝臓/脾臓、前立腺上皮、胚B細胞、白色脂肪、妊娠した子宮、胎児心臓/肝臓および脾臓)ならびに腫瘍細胞および形質転換ヒト細胞(Jurkat、HL60、293、G361、B細胞リンパ性白血病、結腸腫瘍、黒色腫および副甲状腺腫瘍)において、この遺伝子の広範な発現を示した。
【0060】
図3は、配列番号1によってコードされるDNA−Rタンパク質の構造の概略図を提供する。ヒドロパシー分析は、潜在的膜貫通ドメインである、タンパク質のカルボキシ末端近傍の38アミノ酸の疎水性領域(アミノ酸1133〜1171)を同定した。これらのアミノ酸の欠失によるこのレセプターの可溶性種の発現は、膜貫通ドメインとしてのこの領域の同定を支持した。さらに、−結合型グリコシル化についての7つの共通部位が同定されており(アミノ酸、122位、394位、430位、451位、466位、468位および1150位)、そしてアミノ酸549〜809にわたるプロリンリッチ(残基の20%が、プロリンである)領域が存在する(図3)。このDNAレセプタータンパク質の計算される等電点は、6.4である。BLAST検索はまた、DNA−R配列において、2つの当該分野に認識されるアミノ酸配列モチーフを同定した:アミノ末端近傍に位置するC3HC3D Ringフィンガーサブタイプ(アミノ酸14〜50)、およびこのタンパク質配列の中央付近に位置するC3Hジンクフィンガー(アミノ酸416〜435)。いくつかのリングフィンガーモチーフの整列を、図4Aに示す;DNA−Rは、本来同定されるC3HC4 Ringフィンガーモチーフと、最後のシステインのアスパラギン酸での置換だけ異なる。C3Hジンクフィンガーモチーフの保存システインおよびヒスチジンの整列を、図4Bに示す。
【0061】
(実施例3)
(DNAレセプター発現およびタンパク質発現分析)
本発明のDNA−Rを、以下の通りに組換え的に産生した。本発明のDNA−Rのアミノ酸1〜1190(すなわち、2つの最もカルボキシ末端のアミノ酸を欠失する)についてのコード配列を含むBamHI−HpaI cDNAフラグメントを、pTriplFlu(J.Epstein、University of Pennsylvania、Philadelphia、PAから得た)にクローニングした。このベクターは、親ベクター、pcDNA3の複数のクローニング部位の3’にすぐ接して挿入される三つ組において、インフルエンザ赤血球凝集素遺伝子由来のエピトープタグをコードする配列を含み、そしてこれは、挿入されるDNA−R cDNA配列とインフレームである。このベクターを、製造業者の指示に従って、Lipofectamine(Life Technologies、Gaithersburg、MD)を用いたトランスフェクションによって、ヒト293細胞に導入された。トランスフェクト細胞(293−DNA−R/flu)を、500μg/mL G418を補充した増殖培地(10% ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、100U/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補充したDMEM)における培養によって選択した。
【0062】
哺乳動物細胞におけるDNA−Rタンパク質発現を特徴付けるために、免疫沈降法およびウェスタンブロット実験を、アミノ酸残基1〜575を含む、本発明のDNA−Rのアミノ末端フラグメントに対して惹起されるポリクローナル抗血清を用いて、いくつかの細胞株から単離されるタンパク質抽出物を用いて行った。
【0063】
ポリクローナル抗体を、従来技術を用いて、DNA−Rの精製フラグメント(アミノ酸1〜575を含む)に対して産生した。3匹の雌性New Zealand Whiteウサギ(Western Oregon Rabbit Company)(体重2.3〜3.0kg)を、GST融合タンパク質として細菌において産生された(実施例4に記載される)50μgのDNA−Rペプチドを用いて皮下注入し、そしてその融合パートナーから精製した。この抗原を、0.5mLの最終用量において、Titre−Max(CytRx Corp.、Norcross、GA)を用いて乳化した。このウサギを、15μgの抗原/Titre−Max混合物を用いて、4週間後、再び2週間後にブーストし、そしてその後1ヶ月に1度のブースタースケジュールに対して維持した。このウサギを、抗原を用いた各々のブーストから7〜10日後に血液採取し、そして血清を、免疫化抗原に対する反応性について分析した。
【0064】
接種されるウサギから得られるポリクローナル抗血清を、ウェスタンブロット分析に使用した。Mr約1.5×10のタンパク質を、試験される大半の細胞において(293、COS7、G361、HeLa、HRE605、MOLT−4、Raji、A549、B16を含む)、抗DNA−R抗体によって同定した。類似の可動性を有するタンパク質を、遺伝子操作されるヒト293細胞(293−DNA−R/flu)の溶解物において検出し、この細胞は、カルボキシ末端HAタグ化DNA−Rについての発現ベクターを用いて安定にトランスフェクトされた(pDNA−R/flu)。図5に示されるように、このタンパク質を、上記のウサギポリクローナル抗DNA−R(1〜575)抗血清、または組換え産生されるタンパク質におけるカルボキシ末端HAタグに特異的なマウスモノクローナル抗体(抗HA)のいずれかを用いた免疫沈降法および/またはウェスタンブロット分析によって検出した。
【0065】
DNA−Rタンパク質の細胞局在を決定するために、組換え293−DNA−R/flu細胞由来の粗膜画分を、抗DNA−R抗体または抗HA抗体のいずれかを用いたウェスタンブロット分析によって試験した。図6に示される結果は、これらの細胞における本質的にすべてのDNA−Rタンパク質が、膜画分に結合したことを示した。固定されて浸透される細胞に対する間接的免疫蛍光は、抗DNA−R染色が、細胞の核周辺領域に顕著に局在したが、核染色は観察されなかったことを示した(図7)。抗DNA−Rおよび抗トランスフェリンレセプター抗体を用いた二重染色は、DNA−Rおよびトランスフェリンレセプターの部分的な共局在を示したが、DNA−Rは、末梢エンドソームにおいて、トランスフェリンレセプターと共局在しなかった(図7)。これらの結果は、細胞外DNAが、エンドサイトーシスによって、本発明のDNA−Rを発現する細胞によって取り上げられることを示し、そしてエンドサイトーシスによって取り上げられる分子の細胞内輸送に影響を与える化合物が、細胞外DNAの細胞内運命(例えば、リソソームにおける分解、または細胞核への輸送)の調節に有用であることを示唆する。
【0066】
DNA−Rが、細胞表面上に位置するか否かを決定するために、細胞を、抗DNA−R(1〜575)免疫ウサギ血清とともにインキュベートした。抗体結合を、ウサギIgGに対するFITC標識される二次抗体を用いたフローサイトメトリーによって検出した。すべての血清希釈で、免疫血清とともにインキュベートされる細胞の蛍光強度は、免疫前血清(pは、0.003未満である)とともにインキュベートされる細胞の強度よりも有意により高く、これは、DNA−Rが、細胞表面上で発現されることを示唆する(図8)。
【0067】
これらの結果は、ネイティブ発現されるか、または本発明のクローニングされるcDNAから発現されるかのいずれかのDNA−Rタンパク質、またはその遺伝子操作される実施形態が、カルボキシ末端のヒドロパシープロットによって推定されるように、細胞膜に局在したことを実証した。
【0068】
(実施例4)
(可溶性DNA−R融合タンパク質は、高い親和性でDNAを結合する)
本発明のDNA−RのDNAを結合する能力、および特に、DNA−Rタンパク質の可溶性形態のDNAを結合する能力(これは、以下により具体的に記載されるように、治療因子の開発について有用である)を決定した。これらの実験について、DNAレセプターのアミノ末端部分(アミノ酸1〜575)(膜貫通領域を欠失するが、RINGフィンガードメインおよびジンクフィンガードメインの両方を含む)との間の融合タンパク質を、E.coliにおけるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質の発現について、pGEXベクター系(Pharmacia、Kalamazoo、MI)を用いて産生し、そしてGST/DNA−R(1〜575)と名付けた。このタンパク質フラグメントの産生、および本発明の全長DNA−Rに関するその構造の概略図を、図9Aに示す。組換えDNA−Rペプチドの産生、タンパク質分解および精製のポリアクリルアミドゲル分析を、図9Bに示す。GST/DNA−R融合タンパク質およびDNA−Rペプチドの計算分子量は、それぞれ、90kDaおよび63kDaである。
【0069】
次いで、精製GST/DNA−R融合タンパク質を、プラスミドDNAを結合するその能力について試験した。3つの独立のインビトロアッセイを用いて、この融合タンパク質によるDNA結合を評価した。第一に、グルタチオンセファロースビーズに結合したGST/DNA−Rの、YOYO標識されるプラスミドDNAを結合する能力を、0.5mLの培地において、0.9μg YOYO/DNAとのインキュベーションによって決定した。(YOYO−1は、DNAに結合したときにのみ蛍光性である挿入蛍光色素であり、Molecular Probes、Eugene、ORから得られる。)ビーズ(3.5×10)およびYOYO/DNAを、4℃で30分間インキュベートし、1回洗浄し、次いで蛍光強度を、FACSによって分析した。図10に見られるように、GST/DNA−R融合タンパク質は、DNAの結合に極めて有効であったが、一方、精製GSTタンパク質単独および2つのさらなる無関係のGST融合タンパク質(GST−CBDおよびGST−HST.1、Dr.Roland Kwok、Vollum Institute、Portland ORからの贈与物)は、いかなるDNA結合能力も示さなかった。FACS分析後、DNA結合アッセイにおいて使用される各々のサンプル由来のグルタチオンセファロースに結合したタンパク質のアリコートを、SDS−PAGEによって分析し、その後、クーマシーブルー染色した。ほぼ等量の各GST融合タンパク質は、各々のサンプルに存在することが示された。
【0070】
GST/DNA−R融合タンパク質が、DNA結合分子であるか否かをさらに評価するために、サザンウェスタンブロットを行った。精製GST/DNA−R融合タンパク質およびGSTタンパク質単独を、ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、ニトロセルロースに電気泳動的に転移し、次いで、ビオチン化(biotinylated)DNAとプローブ化した。DNA結合を、従来方法を用いて、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合体化したストレプトアビジンの添加によって視覚化した。図11に見られるように、精製GST/DNA−R融合タンパク質(図11B、レーン1)は、ビオチン化プラスミドDNAを結合したが、GSTタンパク質単独(図11B、レーン2)は、このDNAを結合しなかった。GST/DNA−Rサンプルにおいて、ビオチン化DNA/ストレプトアビジン−HRPとの反応が見られた他のペプチド(図11B、レーン1)は、おそらく、部分分解されるGST/DNA−Rペプチドおよび/または汚染細菌タンパク質のトレースを示す。図11Aにおけるレーンは、DNAを添加されないサンプルを示す。
【0071】
第三に、精製DNAレセプターフラグメント(アミノ酸1〜575)のDNA結合能力の最終評価として、精製ペプチドのプラスミドDNAでコーティングされるELISAプレート(VARELISA dsDNAキット、Pharmacia)に結合する能力を決定した。DNAレセプターペプチドの結合を、実施例3に記載されるウサギ抗DNA−Rポリクローナル抗血清を用いて検出した。図12に示されるように、精製DNA−Rペプチドは、1μg/mLおよび10μg/mLの両方で試験される場合、DNAでコーティングされるプレートに結合した。DNA−Rフラグメントを含まないネガティブコントロールは、反応性を示さなかった。
【0072】
これらの結果は、本発明のDNAレセプター遺伝子が、特異的にDNAを結合するタンパク質をコードし、そしてこの分子のDNA結合部分は、ネイティブタンパク質のアミノ酸配列1〜575を有するタンパク質フラグメントに存在したことを実証する。
【0073】
本発明のクローニングされるcDNAによってコードされるタンパク質が、DNAを結合することが実証されて、DNAについての可溶性GST/DNA−Rの親和性を、ニトロセルロースフィルター結合アッセイを用いて概算した。このアッセイを、冷DNA競合物を用いて行い、ここで、既知量のGST/DNA−R(2nM)および標識DNA(200pM)を、漸増量の未標識仔ウシ胸腺DNAを用いて滴定した。これらの結果は、本発明のDNA−RへのDNA結合が、特異的レセプターとしてのその同定と一致して、可飽和であったことを実証した。このデータのスキャッチャード変換は、約4nMのKを生じた(図14)。
【0074】
DNA−Rの可溶性形態(アミノ酸1〜575)によるDNAの結合が、単一特異性の電荷関連相互作用に起因しなかったことを実証するために、アミノ酸416〜435におけるジンクフィンガードメインのDNA結合における役割を試験した。部位特異的突然変異誘発を用いて、アミノ酸416または431のいずれかの保存されたジンクフィンガーのシステインについてのコドンを、アラニンまたはセリンのいずれかについてのコドンに変更した。突然変異誘発されたGST/DNA−R融合タンパク質を、すべて実質的に上記のように、E.coliにおいて発現し、そしてグルタチオンセファロース上でアフィニティー精製し、次いで、ELISAによって、固定されるDNAへの結合能を試験した。ELISAプレートに結合した精製GST/DNA−R(1〜575)融合タンパク質を、図13に示されるように、仔ウシ胸腺DNA(Magiwel、United Biotech、Mountain View、CA)を用いてコーティングした。システイン416または431のいずれかの突然変異誘発は、野生型GST/DNA−R融合タンパク質について観察されるレベルの約50%までDNA結合を減少し、これは、このジンクフィンガードメインが、特異的DNA結合に関与することを強く示唆する(図13)。
【0075】
これらの結果は、可溶性DNA−RフラグメントによるDNA結合が、単に非特異的電荷関連相互作用のみではなく、むしろ、タンパク質における特異的DNA結合モチーフ(少なくともジンクフィンガーモチーフを含む)によって媒介されることを実証した。
【0076】
(実施例5)
(可溶性DNA−Rタンパク質は、DNA誘導性サイトカイン分泌を阻害し、そして細胞へのDNAの結合をブロックする)
いくつかの慢性肺疾患(嚢胞性線維症、慢性気管支炎および気管支拡張症を含む)の肺組織における細胞外DNAの存在は、長期の病理学的結果を伴う肺組織の慢性的炎症を引き起こすかまたはこの炎症に寄与する。細胞外DNAは、当該分野で公知であり、肺のマクロファージおよび他の細胞の、サイトカインの放出を引き起こし、このサイトカインは、嚢胞性線維症患者の慢性の総合的症状の一部としての炎症を媒介する。実施例2に記載されるように、本発明のDNA−Rタンパク質は、肺組織(特に、肺の上皮細胞)において発現される。これは、本発明のDNA−Rレセプタータンパク質が、炎症を引き起こすサイトカインの放出の誘発によって、炎症に関与することを示唆する。従って、DNAを結合するDNA−Rの可溶性形態の能力は、このタンパク質フラグメントが、嚢胞性線維症患者において、細胞外DNAの結合を競争し得、そしてそれによって、治療因子として有用であることを示唆した。
【0077】
本発明の可溶性DNA−Rフラグメントが、DNA誘導性のサイトカイン分泌を阻害するか否かを決定するために、可溶性DNA−Rタンパク質を、培養物において、J774マウス単球/マクロファージ細胞からのCF−DNA誘導性のIL−6放出の阻害について試験した。刺激化DNAの非存在下において、DNA−Rは、IL−6分泌を誘導しなかった(表Iにおいて示される)。嚢胞性線維症を有する患者から単離および精製されるDNA(CF DNA)は、J774細胞から、611pg/mLのIL−6を誘導した。CF DNAを、第一に、DNA−Rタンパク質(10ng/mL)とインキュベートし、次いでJ774細胞に添加した場合、IL−6の量は、可溶性DNA−Rタンパク質(10ng/mL)の存在下において、36%減少した。ネガティブコントロールとして、仔ウシ胸腺DNAは、検出可能なIL−6を誘導できなかった。サイトカイン放出が、汚染内毒素の存在によって引き起こされた可能性を排除するために、カブトガニのアメーバ細胞アッセイを行い、そしてCF DNAは、0.25ng/mL未満の汚染内毒素を有した。コントロール実験において、このLPS量は、ただ4pg/mLのIL−6を誘導した。第二の実験において(また、表Iに示される)、汚染内毒素を、可溶性DNA−Rから除去し、増大したDNA−R濃度の使用を可能にした。可溶性DNA−Rタンパク質(10ng/mL〜50ng/mLの範囲において用いられる)を、J774細胞および50μg/mLのE.coli DNAとともにインキュベートした。細胞を含まない上清を収集し、そしてIL−6を、ELISAによって定量した。細菌DNAの非存在下において、可溶性DNA−Rは、IL−6分泌を誘導しなかった。しかし、細菌DNAが、この系に添加された場合、可溶性DNAレセプタータンパク質は、用量依存性様式で、IL−6分泌を阻害した(表I)。
【0078】
【表1】
Figure 2005503101
可溶性DNA−Rタンパク質フラグメントが、細胞へのDNA結合を妨げ得たか否かを決定するために、J774細胞(5×10細胞)およびYOYO標識されるpGEM−DNAを、可溶性DNA−Rタンパク質フラグメントまたはコントロールのGSTタンパク質のいずれかとともにインキュベートした。細胞を、4℃で30分間インキュベートし、遠心分離し、そしてアッセイ培地を用いて2回洗浄し、生存能力を評価するために、氷上で20分間、7−アミノアクチノマイシンD(7AAD)を用いて再懸濁およびインキュベートした。このサンプルを、FACScan(Becton−Dickinson、Franklin Lanes、NJ)によって、DNA結合について評価した。結果は、J774細胞へのDNA結合の用量依存性阻害を示した(図15)。類似の結果は、ヒト293細胞を用いて観察された。さらに、可溶性DNA−Rタンパク質/DNA複合体は、細胞表面に結合しない。可溶性DNA−Rタンパク質は、DNAに結合し、そして細胞表面とのDNAの結合の妨害に有効である。
【0079】
これらの結果は、本発明によって提供される可溶性DNA−Rフラグメントが、細菌または哺乳動物の細胞外DNAのいずれかを競合的に結合することによって、そして本発明のDNA−Rを発現するサイトカイン産生細胞によって結合されるこのようなDNAの量の減少によって、サイトカイン放出およびそれに引き続く炎症の阻害に有用であることを示す。
【0080】
(実施例6)
(DNA−Rによって媒介される細胞へのDNA結合)
上記に開示される実験結果は、本発明のDNA−Rのアミノ酸1〜575を含む可溶性DNA−Rフラグメントが、DNAを結合し得たことを確立した。さらなる実験が行われて、レセプターへのDNA結合、特に、ネイティブレセプタータンパク質が、細胞表面で細胞外DNAを結合し得るか否か、および結合が、レセプター媒介性プロセスに一致するか否かを特徴付けた。
【0081】
これらの実験において、A549ヒト肺癌腫細胞を、対数期の培養物から収集し、そしてDNaseおよびRNaseで処理して、外因性の細胞表面に結合した核酸を除去した。処理後、この細胞を、10mM EDTAおよびリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を用いて洗浄して、DNaseおよびRNaseの作用を停止した。次いで、この細胞を、1% ウシ胎仔血清(FCS)および1mM Ca++Mg++を含むPBSにおいて、10細胞/ウェルで、V底の96ウェルプレートにプレーティングした。YOYO標識されるpGEM4ZプラスミドDNAを、1% FCSおよび1mM Ca++Mg++を含む0.2mLの培地において、0〜25μg/mLの濃度で添加した。この細胞および標識プラスミドを、4℃で30分間インキュベートして、プラスミドDNAのインターナリゼーションを最小化した。30分間のインキュベーションの完了の際に、この細胞を、1% FCSおよび1mM Ca++Mg++を含む2×PBSにおいて洗浄し、そして0.3mLのPBSにおいて再懸濁した。次いで、細胞を、1% ホルムアルデヒドに固定し、そしてプラスミドDNAの細胞表面結合を、FACSによって定量した。
【0082】
これらの実験結果を、図16に示す。この代表的なFACSヒストグラムは、いずれかの培地とインキュベートされる細胞を比較する場合に見られるA549細胞プロフィール(図16、左の曲線)、または5μg/mLのYOYO/pGem4Zプラスミドとインキュベートされる細胞(図16、右にシフトした曲線)を示す。強度の相乗平均を用いて、細胞集団を記述する。本実施例において、培地のみで処理されるA549細胞集団の相乗平均は13であり、そしてYOYO標識されるプラスミドDNAとインキュベートされる場合に、34まで増大した。
【0083】
次いで、A549細胞についての結合曲線を、0〜25μg/mLのプラスミドDNA範囲を用いて作製した(図17Aおよび17B)。図17AにおけるグラフのY軸は、グラフにおける細胞集団の蛍光強度の相乗平均を示す。A549細胞へのプラスミドDNAの細胞表面結合は、およそ10μg/mLのDNAで飽和を示し始めた。25〜100倍過剰の未標識DNAを用いた細胞の処理は、細胞表面へのYOYO/DNAの結合を有意にブロックした(図17A)。A549細胞への特異的細胞表面結合(過剰の未標識DNAを用いて見られる合計の結合間の差異として示される)は、特徴的な飽和プロフィールを有する結合曲線を示す(図17B)。
【0084】
また、種々の腫瘍細胞株(B16マウス黒色腫細胞、MOLT−4ヒトリンパ芽球性白血病細胞およびヒトRajiバーキットリンパ腫細胞を含む)についての細胞表面プラスミドDNA結合プロフィールが試験された。試験されるすべての細胞において、結合のレセプター媒介性機構に一致して、細胞表面DNAの可飽和結合プロフィールを獲得した。最適のDNA結合条件下において、FACSによって検出されるように、バックグラウンドレベルを超えてDNAを結合し得る集団における細胞のパーセントは、70%を超える範囲(S49、DHL−6、MOLT−4)〜10%未満(D10.S、HUT−78、K562およびG361)にわたった。
【0085】
【表2】
Figure 2005503101
DNA結合が、細胞表面タンパク質によって媒介されるか否かを決定するために、細胞をトリプシンで処理した後に、実験を、記載されるように実質的に行った。A549細胞に対するプラスミドDNAの細胞表面DNA結合は、4℃でのYOYO標識されるDNAとの結合後に、トリプシンを用いた細胞の処理によって有意に阻害された(図18)。
【0086】
最終的に、細胞表面DNA結合に対する二価の陽イオンの効果を、B16黒色腫細胞を用いて試験した。これらの研究は、Ca++が結合媒体に添加される場合に、蛍光強度の4倍の増大を実証した(図19)。
【0087】
これらの結果は、本発明のDNA−Rタンパク質が、哺乳動物細胞において、細胞外DNAの細胞表面結合を媒介することを示す。
【0088】
(実施例7)
(DNA−Rを発現する細胞への細胞外DNAのインターナリゼーション)
実施例6に記載される実験は、細胞外DNAが、本発明のDNA−Rに特異的に結合したことを確立した。レセプターによる細胞へのDNAのインターナリゼーションを、以下のアッセイを用いて特徴付けた。
【0089】
YOYO標識されるプラスミドDNAを用いて、プラスミドDNAインターナリゼーションの動力学を試験した。これらのアッセイにおいて使用されるプラスミドは、グリーン蛍光タンパク質をコードするpEGFP−N1(Clontech、Palo Alto、CA)であった。このアッセイは、標識DNAの細胞表面結合が、インターナライズされるプラスミドDNAと区別されることを必要とした。これは、トリプシンを用いた細胞の処理によって果たされて、プラスミドDNAとのインキュベーション後に、細胞表面タンパク質を除去した。この手順は、細胞表面に結合したプラスミドDNAが、インターナライズされるプラスミドDNAと区別されることを可能にした。なぜなら、トリプシン処理は、細胞表面に結合したDNAを破壊するが、プラスミドDNAをインターナライズしないからである。このアッセイにおいて、細胞を、24ウェルプレートにプレーティングし、そして培養培地において、24時間インキュベートした。次いで、培地を除去し、そして種々の濃度(0〜25μg/mL)のYOYO標識されるpEGFP−N1プラスミドDNAを添加した。この細胞およびプラスミドDNAを、37℃で種々の時間(0.5〜5時間)インキュベートした。その後、この培地を除去し、細胞をトリプシン処理し、洗浄し、次いで1% ホルムアルデヒドを用いて固定した。FACS分析を用いて、蛍光強度を定量した。
【0090】
B16マウス黒色腫細胞を、上記のプロトコルを用いて、1時間、3時間および5時間のインキュベーション後に、YOYO/DNAのインターナリゼーションについて試験した(図20)。pEGFP−N1のインターナリゼーションは、用量依存性および時間依存性の両方であることが見出された。漸増量のインターナライズされるプラスミドDNAが、漸増用量のDNAおよび漸増時間のインキュベーションを用いて観察された。A549細胞によるプラスミドDNAのインターナリゼーションを、未標識のDNAを用いたあらかじめの処理を伴って、そしてその処理を伴わないの両方で評価した。このアッセイを、A549細胞を用いて繰り返し、そして類似の結果を得た(図21)。さらに、25〜100倍過剰の未標識仔ウシ胸腺DNAを用いたA549細胞のあらかじめの処理は、プラスミドDNAの引き続くインターナリゼーションを有意に阻害した(図21)。過剰の未標識DNAを用いた細胞のあらかじめの処理によるインターナリゼーションの類似の阻害を、多くの他の細胞株(B16、RajiおよびMOLT−4を含む)を用いて観察した。可飽和DNA結合およびインターナリゼーションのこの実証は、本発明の細胞表面DNAレセプターが、細胞外プラスミドDNAのインターナリゼーションを媒介することを示す。
【0091】
プラスミドDNAのインターナリゼーションはまた、温度依存性プロセスであることが観察された。4℃でのB16細胞の処理は、37℃で維持された細胞と比較して、インターナライズされるプラスミドDNAの量を有意に阻害した(図22)。
【0092】
細胞表面上で発現されるDNA−Rの量が、細胞外DNA結合またはDNAインターナリゼーションの程度に影響を及ぼすか否かを確認するために、プラスミドDNAの結合およびインターナリゼーションを、以下の2つの細胞株において比較した:ヒト黒色腫G361細胞株および293ヒト細胞株。細胞表面DNA結合アッセイによって評価されるように、G361細胞は、比較的低い量のDNAを結合したが、一方、293細胞は、より多量のプラスミドDNAを結合した(図23)。結合結果に一致して、結果は、DNAインターナリゼーションについて、これらの細胞において得られ、これは、G361細胞が、293細胞よりも少ないプラスミドDNAをインターナライズしたことを示した(図23)。これらのデータは、細胞表面DNAレセプタータンパク質として、本発明のDNA−Rの同定に一致する。
【0093】
(実施例8)
(DNA−RによってインターナライズされるDNAの遺伝子発現)
本発明のDNA−RによってインターナライズされるDNAを用いた導入遺伝子発現についての条件を開発した。
【0094】
上記の実験は、細胞表面結合を飽和したプラスミドDNA濃度を確立した。グリーン蛍光タンパク質(GFP)についてコードするpEGFP−N1プラスミドを用い、これは、GFPが、独占的に細胞内のままであるために使用された。FACS分析を用いて、GFP発現を定量した。このアッセイにおいて、細胞(1.25×10/ウェル)を、24ウェルプレートにおいてプレーティングし、そして哺乳動物細胞の培養条件下において、一晩インキュベートした。翌日、培地を除去し、そして細胞を、0.3mLの増殖培地において、プラスミドDNAとともに、5% COにおいて37℃で3時間インキュベートした。次いで、DNAを除去し、そして新鮮な培地を、この細胞に添加した。いくつかの場合において、0.3mLの増殖培地を、DNAの除去を伴わずに細胞に添加した。24〜72時間後、さらなるインキュベーション培地を除去し、そして細胞を1回洗浄し、次いでホルムアルデヒドを用いて固定した。固定された細胞における蛍光強度を、FACSによって決定した。しかし、GFP発現は、いくつかの異なる濃度のpEGFP−N1プラスミドおよびインキュベーション時間を用いた場合でさえ、検出されなかった。この結果は、種々の細胞株(A549、B16、Raji)、インキュベーション時間(24〜72時間)およびプラスミドDNA濃度の範囲(0.1〜100μg/mL)を用いて、一致して得られた。この結果は、その細胞表面上で、比較的より高いレベルのDNAを結合し、そしてより低いレベルのDNAを結合する細胞株を用いて得られた。ポジティブコントロールにおいて、pEGFP−N1プラスミドは、リポソーム(Lipofectamine、Gibco−BRL、Gaithersburg、MD)によって送達され、そして24時間以内に、有意なGFP蛍光をもたらした。pEGFP−N1単独またはリポソームによって送達されるpEGFP−N1のいずれかとともにインキュベートされるB16細胞株を用いた代表的なデータは、これらの2つの技術間のGFP発現における差異を示す(図24)。
【0095】
これらの結果を考慮して、この実験を、ノコダゾール(微小管インヒビター)の存在下において、A549細胞を用いて繰り返した。このインヒビターの使用が指示された。なぜなら、不首尾の実験の1つの可能な説明が、本発明のDNA−RによってインターナライズされるDNAが分解されており、そしてノコダゾール処理が、このような分解の程度を減少することが期待されたことであるからである。pEGFP−N1とのインキュベーションの前のノコダゾールでのA549細胞の処理は、ノコダゾールで処理されず、そしてpEGFP−N1とともにインキュベートされなかった細胞と比較して、GFPの発現における有意な増大をもたらした(図25)。ノコダゾールを用いて処理されなかった細胞は、GFPの検出可能な発現を実証できなかった(図25)。
【0096】
これらの結果は、本発明のDNA−Rによって媒介される細胞外DNAの取り込みが、さらなる処理を必要として、そこにコードされる遺伝子の発現をもたらし、そして上記のアッセイが、このような化合物の同定についてのアッセイの原型を提供することを実証した。これらのアッセイにおいて、検出可能なGFP発現を確かに産生することが公知であるGFPをコードするプラスミドDNAの量を、細胞外DNAの有効な取り込みを媒介することが公知のレベルで、本発明のDNA−Rを発現する哺乳動物細胞と接触する。次いで、GFP遺伝子発現を、試験化合物の存在下および非存在下においてアッセイして、この化合物の存在下における遺伝子発現の増大を検出する。
【0097】
上述の開示が、本発明の特定の特異的な実施形態を強調し、そしてそれに等価のすべての改変または代案が、添付の特許請求の範囲に示されるような本発明の趣旨および範囲内であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
本発明の理解は、図面を参照することによって容易になる。
【図1】
図1は、本発明のDNA−RについてのcDNAのクローニングを例示する概略図である。全身性エリテマトーデス(SLE)を有する患者由来であり、そして細胞表面のDNA結合を阻害する抗血清を用いて、末梢血単核細胞からλgt11ライブラリをスクリーニングした。オープンリーディングフレーム(ORF)を含むポジティブクローン(クローン番号88)を得た;このオープンリーディングフレームは、クローンの5’末端で開いたままであった。クローンのヌクレオチド配列の分析は、クローンの3’末端上に膜貫通領域を同定した。731bpのプローブを用いて、Raji細胞株(ヒトリンパ腫細胞株)から作製されるλgt11 cDNAライブラリをスクリーニングした。462bpのさらなる5’ORF配列を含んだクローン97D42を、このクローンから得た。ポリメラーゼ連鎖反応の改変(cDNA末端の5’ランダム増幅(RACE−PCR))を用いて、HeLa(ヒト頸部癌腫)細胞株およびMOLT−4(ヒトリンパ芽球性白血病)細胞株由来の5’配列の残りを得た。この配列を、計算上の分子量130.5kDaを有するタンパク質をコードした3543bpのORFを産生するように編集した。
【図2】
図2Aおよび2Bは、ヒト癌細胞株(図2A)およびヒト組織(図2B)のノーザン分析を示す。DNA−Rについてコードする遺伝子の3’末端由来の442bpのDNAフラグメント(プローブ11)を、各々のブロットについての放射能標識プローブとして用いた。
【図3】
図3は、RINGフィンガー、ジンクフィンガー、プロリンリッチ領域および疎水性領域の位置を示すレセプターのヒトDNA−Rの概略図である。は、アミノ酸122位、394位、430位、451位、466位、468位および1150位でのN結合型グリコシル化部位を示す。
【図4】
図4Aは、Homo sapiens ARD1 GTP結合タンパク質(Gene Bank登録422756)、H.sapiens CART1タンパク質(Gene Bank登録番号_)、H.sapiens SBBI03 仮想タンパク質(Gene Bank登録5032071)、Caenorhabditis elegans cDNA EST(Gene Bank登録3879246)、C.elegans仮想25.8KDタンパク質(Gene Bank登録2496825)、C.elegans cDNA EST(Gene Bank登録3878739)におけるC3HC3D RINGフィンガーの保存システイン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸の整列である。図4Bは、C.elegans PIE−1(Gene Bank U62896)、Drosophila melanogaster DTIS 11(Gene Bank U13397)、H.sapiens TIS11B Buryrate応答因子(EFT−応答因子)(Gene Bank X79066)、Saccharomyces cerevisiae CTH1ジンクフィンガータンパク質(Gene Bank L42133)におけるC3H型ジンクフィンガーの保存システインおよびヒスチジンの整列である。
【図5】
図5は、哺乳動物細胞におけるDNA−Rタンパク質発現の分析である。DNA−Rを、ネイティブ分子として、および安定にトランスフェクトされるヒト293細胞(DNA−R/flu細胞)由来のHAタグ化実施形態においての両方で免疫沈降させた。レーン1、293細胞の溶解物;レーン2、293−DNA−R/flu細胞の溶解物;レーン3〜6、以下との293−DNA−R/flu細胞溶解物の免疫沈降:ウサギ免疫前血清(レーン3)または抗DNA−R(レーン4)、コントロールマウスモノクローナル抗体(レーン5)または抗HA(レーン6)。免疫沈降するウサギIgG重鎖を、ウサギ抗DNA−R IgHを用いたウェスタンブロッティングによって検出した。
【図6】
図6は、抗HA(左半分)または抗DNA−R(右半分)を用いたウェスタンブロッティングによって検出されるような、293−MNAB/flu細胞における細胞膜に結合した、DNA−Rタンパク質の細胞内位置を示す。T、Triton X−100全細胞溶解物;M、粗膜画分;C、サイトゾル画分。
【図7】
図7は、固定され、浸透されたA549細胞に対する抗DNA−R抗体および抗トランスフェリン抗体を用いた免疫蛍光染色を例示する。A、ウサギおよびヒツジの非免疫血清を用いた二重染色。B、抗DNA−R。C、抗トランスフェリンレセプター。D、抗DNA−R(赤)および抗トランスフェリンレセプター(緑)についての二重染色;共に局在する染色は、黄色に出現する。
【図8】
図8Aは、本発明のDNA−Rのアミノ末端フラグメント(アミノ酸1〜575)に対して惹起されるポリクローナルウサギ抗血清を用いた、293細胞表面の抗体染色の結果を示す。293細胞を、免疫前血清(黒棒)または免疫血清(白棒)とともにインキュベートした。抗体結合を、フローサイトメトリーによって、FITC結合体化ヤギ抗ウサギIgGを用いて検出した。各々の棒は、相乗平均蛍光強度±sd(n=3、各々の分析において、10,000の生存可能細胞)を示す。二次抗体単独の相乗平均蛍光は、7.6±0.08(n=3)であった。
図8Bは、アミノ末端フラグメント(1〜575)に対して惹起される抗体を用いた、Raji細胞および293細胞の細胞表面への抗体結合を示す。細胞(Raji、灰色の棒;293、白棒)を、DNAレセプターのアミノ末端部分(アミノ酸1〜575)に対して産生されるウサギ抗血清(番号41、血液採取2)の系列希釈とともにインキュベートした。次いで、この細胞を、FITC−ヤギ抗ウサギIgGとともにインキュベートし、そしてFACSによって蛍光強度を測定した。免疫前血清に起因する蛍光を減じた。
【図9】
図9Aは、全長DNA−Rからの可溶性DNA−Rタンパク質の調製の概略図である。
図9Bは、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)と本発明のDNA−Rのアミノ末端フラグメント(1〜575)との間で作製される融合タンパク質(GST/DNA−Rと称する)の発現、アフィニティー精製、およびタンパク質分解のSDS−PAGE分析である。レーン1、GST/DNA−Rを発現するE.coliの全細胞抽出物;レーン2、グルタチオン(GSH)−セファロースに結合したGST/DNA−R;レーン3、GSH−セファロースに結合すると同時のGST/DNA−Rの部位特異的タンパク質分解;レーン4、極めて精製されたDNA−R(1〜575)ペプチドを含むGST/DNA−Rのゲル上タンパク質分解後のGSH−セファロースからの溶出液。
【図10】
図10A〜10Eは、グルタチオンセファロース上に固定されるGST/DNA−Rが、蛍光標識されるプラスミドDNA(YOYO/pGEM4Z)を結合するが、コントロールタンパク質は、これを結合しないことを示す。図示されるのは、YOYO/pGEM4Zとともに4℃で30分間インキュベートされる、固定されるタンパク質を含まないグルタチオンセファロース(図10A)、または固定されるGSTを含むグルタチオンセファロース(図10B)、固定されるGST/HST.1を含むグルタチオンセファロース(図10C)、固定されるGST/CBDを含むグルタチオンセファロース(図10D)もしくは固体されるGST/DNA−Rを含むグルタチオンセファロース(図10E)である。洗浄後、蛍光強度を、FACSによって測定した。
【図11】
図11Aおよび11Bは、DNA−Rに結合する核酸の「サウスウェスタン」ブロットの結果である。実験を、SDS−PAGE分析、、ニトロセルロースへの転移によって行い、次いでビオチン化DNAとともにインキュベートするか(図11A)またはビオチン化DNAを伴わずにインキュベートし(図11B)、その後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合体化したストレプトアビジンに結合させ、そして比色基質とともに反応させた。吸光度を、450nmで測定した。これらの結果は、GST/DNA−Rが、ビオチン化DNAを結合したが、GSTは、ビオチン化DNAを結合しなかったことを示した。
【図12】
図12は、固相酵素免疫検定法(ELISA)の結果を示し、これにおいて、精製DNA−Rフラグメント(1〜575)は、固定化DNAに結合した。DNA−Rフラグメント(0、1および10μ/mLの濃度で)を、ELISAプレートにおいて、固定化プラスミドDNAとともにインキュベートした。次いで、このプレートを、1:100希釈で抗DNA抗体とともにインキュベートし、その後、二次抗体を、HRPに結合体化し、そして比色基質と反応させた。吸光度を、450nmで測定した。
【図13】
図13は、ジンクフィンガードメイン(アミノ酸416〜435における)を含むDNA−Rフラグメントが、GST/DNA−R(1〜575)によって、DNA結合に関与することを示す。システイン残基(416位および431位)を、独立に、セリンに変更するか(そしてそれぞれ、C416SおよびC431Sと称する)、またはアラニンに変更し(そしてそれぞれ、C416AおよびC431Aと称する)、そしてELISAを行って、DNA結合を評価した。416または431のいずれかにおけるジンクフィンガーのシステインを、セリン(C416S、C431S)、またはアラニン(C416A、C431A)のいずれかに変更した。野生型(GST/DNA−R)タンパク質または変異体GST−融合タンパク質、あるいはGST単独の固定化DNAへの結合(1ウェル当たり100ng)を、ELISAによって、抗GSTを用いて検出した。データは、三部決定の平均±s.d.である。
【図14】
図14は、本発明のDNA−Rの可溶性形態が、ニトロセルロースフィルター結合アッセイを用いて、高い親和性でDNAを結合することを実証する実験結果を例示する。一定に保たれた、2nMの濃度での可溶性DNA−R(sDNA−R)および標識DNA(200pM、1×10cpm/pmol)、ならびに漸増濃度の未標識DNA。データは、三部決定の平均±s.d.である。結合データのインセット:スキャッチャード変換。
【図15】
図15は、可溶性DNA−RとのプラスミドDNAの競合結合を例示する。すべてのサンプルは、0.25nM(YOYO標識される)pGEM−DNAを有する。斜線の棒は、DNA結合をブロックするために添加される変化する量の可溶性DNA−Rを有する。水平線の棒は、コントロールのGSTタンパク質である。
【図16】
図16は、A549細胞におけるYOYO標識されるプラスミドDNAの細胞表面結合を例示する蛍光活性化セルソーティング(FACS)実験の結果である。細胞を、5μg/mLのYOYO標識されるpGEM4Z DNAの存在下(破線)および非存在下(実線)でインキュベートした。未処理細胞および処理細胞の相乗平均蛍光は、それぞれ13および34である。2つの値間の差異(21)は、YOYO/pGEM4Zに起因した蛍光強度の増大である。この分析方法は、引き続く図において、FACSによるすべてのYOYO/DNA結合分析について使用される。
【図17】
図17Aおよび17Bは、過剰の未標識DNAの存在下でのA549細胞へのYOYO標識されるプラスミドDNA結合のFACS分析の結果である。A549細胞へのYOYO/DNAの細胞表面結合。図17A(左パネル)において、A549細胞を、25〜100倍過剰の仔ウシ胸腺DNAの存在下(実線)および非存在下(破線)で、4℃で2時間、YOYO/pGEM4Zとともにインキュベートした。図17B(右パネル)において、A549細胞への特異的DNA結合が、左パネルからのデータを用いて、細胞に結合したYOYO/pGEM4Zの蛍光強度における差異として示される。データは、4〜9決定の平均±SEMである。
【図18】
図18は、A549細胞へのDNA結合に対するトリプシン処理の効果を示す。A549細胞を、YOYO/pGEM4Z(0.5〜4μg/ml)とともに、4℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、この細胞を、洗浄するか(白棒)、またはトリプシン処理および洗浄し(灰色の棒)次いで、蛍光強度を、FACSによって測定した。データは、三部決定の平均±SDである。トリプシン処理は、大半の細胞表面DNA結合を除去することが見出された。
【図19】
図19は、レセプターのDNA−RへのDNA結合が、カルシウム依存性であることを示す実験結果を示す。B16細胞を、1mM CaClを含むPBSにおいて(白棒)または含まないPBSにおいて(灰色の棒)、1μg/mLのYOYO/pGEM4Zとともにインキュベートし、次いで、蛍光強度を、FACSによって測定した。データは、三部測定の平均±SDである。
【図20】
図20は、本発明のDNA−Rを発現する細胞によるプラスミドDNA取り込みのタイムコースを示す。B16細胞を、YOYO/pEGFP−N1(0.6〜12μg/mL)とともに37℃で、1時間(黒丸)、3時間(白丸)または5時間(黒四角)インキュベートした。次いで、この細胞を、トリプシン処理して、細胞表面に結合したDNAを除去し、そして蛍光強度を、FACSによって測定した。
【図21】
図21は、過剰の未標識DNAが、A549細胞によるYOYO/DNAのインターナリゼーションをブロックすることを示す。細胞を、25〜100倍過剰の仔ウシ胸腺DNAの存在下(実線)および非存在下(破線)で、YOYO/pGEM4Z(1〜25μg/mL)とともに、37℃で2時間インキュベートした。次いで、この細胞を洗浄し、そして蛍光を、FACSによって測定した。データは、5つの実験の平均±SEMである。
【図22】
図22は、本発明のDNA−Rを発現する細胞におけるプラスミドDNAのインターナリゼーションが、温度依存性であることを例示する。B16細胞を、指示時間の間、4℃(白棒)または37℃(灰色の棒)で、YOYO/pGEM4Z(12μg/mL)とインキュベートした。次いで、この細胞を、トリプシン処理して、細胞表面に結合したプラスミドを除去し、洗浄し、そして蛍光を、FACSによって測定した。データは、三部決定の平均±SDである。
【図23】
図23Aおよび23Bは、本発明のDNA−Rへの細胞表面DNA結合が、DNA取り込みに関連することを示す。293細胞(黒丸)およびG361細胞(白丸)を、YOYO/pGEM4Z(0.3〜2.5μg/mLの濃度で)とともに3.5時間、4℃で結合について(図23A、左パネル)、または37℃で取り込みについて(図23B、右パネル)インキュベートした。次いで、この細胞を、洗浄するか(結合)、またはトリプシン処理および洗浄し(取り込み)、そして蛍光を、FACSによって測定した。
【図24】
図24は、プラスミドDNA由来のグリーン蛍光タンパク質(GFP)導入遺伝子のB16細胞における発現を示す。細胞を、12μg/mLのpEGFP−N1とともに6時間インキュベートした。48時間後、この細胞を、トリプシン処理し、そして蛍光を、FACSによって測定した。DNAを伴わずにインキュベートされるコントロール細胞、およびキャリアを有さないpEGFP−N1を用いて処理される細胞は、類似の蛍光を示したが、一方、リポフェクトアミン(lipofectamine)と複合体化したpEGFP−N1とともにインキュベートされる細胞は、蛍光の増大を示した。
【図25】
図25は、ノコダゾール(nocodazole)が、A549細胞におけるプラスミドDNA由来のGFP導入遺伝子発現を増大することを示す。A549細胞を、33μM ノコダゾールの存在下(破線)および非存在下(実線)で、25μg/mLのpEGFP−N1とともに37℃で5時間インキュベートした。24時間後、この細胞をトリプシン処理し、そして蛍光を、FACSによって測定した。

Claims (73)

  1. 哺乳動物細胞表面DNAレセプター(DNA−R)をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
  2. 前記哺乳動物DNA−RがヒトDNA−Rであることと、前記核酸のヌクレオチド配列が配列番号2によって同定されるアミノ酸配列をコードすることと、を特徴とする請求項1に記載の核酸。
  3. 哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントをコードする核酸。
  4. 前記哺乳動物DNA−RがヒトDNA−Rであることと、前記DNA結合フラグメントが配列番号2によって同定されるアミノ酸配列1〜575番のアミノ酸を含むことと、を特徴とする請求項3に記載の核酸。
  5. 可溶性の哺乳動物DNA−Rをコードする核酸。
  6. 前記哺乳動物DNA−Rが、アミノ酸配列1133〜1171番のアミノ酸が欠失される配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであること、を特徴とする請求項5に記載の核酸。
  7. およそ150キロダルトンの分子量を有し、かつ、配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有する、哺乳動物DNA−Rまたはその誘導体、の相同組成物。
  8. およそ63キロダルトンの分子量を有し、かつ、配列番号2の1〜575番のアミノ酸によって同定されるアミノ酸配列を有する、哺乳動物DNA−Rまたはその誘導体、のDNA結合フラグメントの相同組成物。
  9. およそ145キロダルトンの分子量を有し、かつ、該アミノ酸配列の1133〜1171番のアミノ酸が欠失される配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有する、可溶性の哺乳動物DNA−Rまたはその誘導体、の相同組成物。
  10. 請求項1に記載の哺乳動物DNA−Rをコードするヌクレオチド配列を有する核酸を含む組換え発現構造体であって、該構造体が真核生物細胞または原核生物細胞の形質転換培養細胞において、該レセプターを発現し得る組換え発現構造体。
  11. 前記哺乳動物DNA−RがヒトDNA−Rであることと、前記核酸のヌクレオチド配列が配列番号2によって同定されるアミノ酸配列をコードすることと、を特徴とする請求項10に記載の組換え発現構造体。
  12. 請求項3に記載の哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントをコードするヌクレオチド配列を有する核酸を含む組換え発現構造体であって、該構造体が真核生物細胞または原核生物細胞の形質転換培養細胞において該レセプターを発現し得る組換え発現構造体。
  13. 前記哺乳動物DNA−RがヒトDNA−Rであることと、前記DNA−RのDNA結合フラグメントが配列番号2によって同定されるアミノ酸配列1〜575番のアミノ酸をコードする核酸によってコードされることと、を特徴とする請求項12に記載の組換え発現構造体。
  14. 請求項5に記載の可溶性の哺乳動物DNA−Rをコードするヌクレオチド配列を有する核酸を含む組換え発現構造体であって、該構造体が真核生物細胞または原核生物細胞の形質転換培養細胞において該レセプターを発現し得る組換え発現構造体。
  15. 前記哺乳動物DNA−RがヒトDNA−Rであることと、前記核酸のヌクレオチド配列が、該アミノ酸配列の1133〜1171番のアミノ酸が欠失される配列番号2によって同定されるアミノ酸配列をコードすることと、を特徴とする請求項14に記載の組換え発現構造体。
  16. 請求項10に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記哺乳動物DNA−Rを発現する細胞培養物。
  17. 請求項11に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記ヒトDNA−Rを発現する細胞培養物。
  18. 請求項12に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントを発現する細胞培養物。
  19. 請求項13に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記ヒトDNA−RのDNA結合フラグメントを発現する細胞培養物。
  20. 請求項14に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記可溶性の哺乳動物DNA−Rを発現する細胞培養物。
  21. 請求項15に記載の組換え発現構造体で形質転換される細胞培養物であって、該形質転換細胞培養物が前記可溶性のヒトDNA−Rを発現する細胞培養物。
  22. 哺乳動物DNA−Rを発現する細胞における細胞外DNA結合を調節するための化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)哺乳動物DNA−Rを発現する宿主細胞を選択するステップと、
    (b)該化合物の存在環境下および非存在環境下において、検出可能に標識される細胞外DNAと該細胞とを接触させるステップと、
    (c)検出可能に標識されるDNA結合について、該細胞をアッセイするステップと、
    (d)該化合物の非存在環境下に対し、該化合物の存在環境下において該細胞に結合した検出可能な標識の異なる量を検出することによって、細胞外DNA結合を調節する化合物を同定するステップと、
    からなる方法。
  23. 前記宿主細胞が内因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記宿主細胞が外因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項22に記載の方法。
  25. 検出可能な標識が蛍光標識または放射能標識であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
  26. 前記化合物が前記細胞に対する細胞外DNAの結合を阻害することで、該化合物の非存在環境下より、該化合物の存在環境下において、該細胞に結合する細胞外DNAの量を減少させたことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  27. 前記化合物が前記細胞に対する細胞外DNAの結合を増強することで、該化合物の非存在環境下より、該化合物の存在環境下において、該細胞に結合する細胞外DNAの量を増大させたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  28. 前記化合物が抗体またはその抗原結合フラグメントである請求項22に記載の方法。
  29. 細胞外DNAの細胞内への取り込みを調節するための化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)哺乳動物DNA−Rを発現する宿主細胞を選択するステップと、
    (b)該化合物の存在および非存在環境下において、検出可能に標識される細胞外DNAと該細胞を接触させるステップと、
    (c)該検出可能な標識の細胞内への取り込みについて、該細胞をアッセイするステップと、
    (d)該細胞内部の検出可能な標識の量と比較した場合に、該化合物の非存在環境下より該化合物の存在環境下の方が、該細胞内部からより多量の検出可能な標識を検出することによって、細胞外DNAの細胞内への取り込みを増大させる化合物を同定するステップと、
    からなる方法。
  30. 前記宿主細胞が内因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記宿主細胞が外因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  32. 検出可能な標識が蛍光標識または放射能標識であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  33. 前記化合物が前記細胞に対する細胞外DNAの取り込みを阻害することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下、細胞内において細胞外DNAの減少した量が検出されることと、を特徴とする請求項29に記載の方法。
  34. 前記化合物が前記細胞に対する細胞外DNAの取り込みを増強することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下、細胞内において細胞外DNAの増大した量が検出されることと、を特徴とする請求項29に記載の方法。
  35. 前記化合物が抗体またはその抗原結合フラグメントであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  36. 細胞外DNAの取り込みまたは発現の調節をするための化合物をスクリーニングする方法であって、
    (a)哺乳動物DNA−Rを発現する宿主細胞を選択するステップと、
    (b)該化合物の存在環境下および非存在環境下において、発現が検出され得る遺伝子をコードする細胞外DNAと該細胞とを接触させるステップと、
    (c)該細胞外DNAによってコードされる遺伝子の発現について、該細胞をアッセイするステップと、
    (d)該遺伝子の発現と比較した場合に、該化合物の非存在環境下より該化合物の存在環境下の方が、該遺伝子の発現の増大を検出することによって、細胞外DNAの取り込みまたは発現を増大させる化合物を同定するステップと、
    からなる方法。
  37. 前記宿主細胞が内因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項36に記載の方法。
  38. 前記宿主細胞が外因性DNA−Rを発現することを特徴とする請求項36に記載の方法。
  39. 検出可能な標識が蛍光標識または放射能標識であることを特徴とする請求項36に記載の方法。
  40. 前記化合物が前記細胞に対する細胞外DNAの取り込みを阻害することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下の方が、細胞内において細胞外DNAの減少した量が検出されることと、を特徴とする請求項36に記載の方法。
  41. 前記化合物が前記細胞への細胞外DNAの取り込みを増強することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下の法が細胞内において、細胞外DNAの増大した量が検出されることと、を特徴とする請求項36に記載の方法。
  42. 前記化合物が前記細胞外DNAによってコードされる遺伝子の発現を阻害することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下の方が細胞内において、細胞外DNAによってコードされる遺伝子産物の減少した量が検出されることと、を特徴とする請求項36に記載の方法。
  43. 前記化合物が前記細胞への細胞外DNAの取り込みを増強することと、該化合物の非存在環境下よりも該化合物の存在環境下の方が細胞において、細胞外DNAによってコードされる遺伝子産物の増大した量が検出されることと、を特徴とする請求項36に記載の方法。
  44. 前記化合物が抗体またはその抗原結合フラグメントであることを特徴とする請求項36に記載の方法。
  45. 前記細胞が哺乳動物DNA−Rをコードする組換え発現構造体に形質転換されることと、該形質転換細胞培養物の細胞が該レセプターを発現させることと、を特徴とする請求項22に記載の方法。
  46. 前記細胞が哺乳動物DNA−Rをコードする組換え発現構造体に形質転換されることと、該形質転換細胞培養物の細胞が該レセプターを発現させることと、を特徴とする請求項29に記載の方法。
  47. 前記細胞が哺乳動物DNA−Rをコードする組換え発現構造体に形質転換されることと、該形質転換細胞培養物の細胞が該レセプターを発現させることと、を特徴とする請求項36に記載の方法。
  48. およそ150キロダルトンの分子量を有する、哺乳動物DNA−Rまたはその誘導体を含んでなる細胞膜調製物。
  49. 前記哺乳動物DNA−Rが配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであることを特徴とする請求項48に記載の細胞膜調製物。
  50. 哺乳動物DNA−Rを発現させる真核生物細胞に対する細胞外DNA結合の阻害についての方法であって、可溶性の哺乳動物DNA−Rと該細胞を接触させるステップを包含することを特徴とする方法。
  51. 前記真核生物細胞が配列番号2として同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rを発現することを特徴とする請求項50に記載の方法。
  52. 前記可溶性のDNA−Rが、アミノ酸配列1133〜1171番のアミノ酸が欠失される配列番号2によって同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
  53. 哺乳動物DNA−Rを発現する真核生物細胞に対する細胞外DNA結合の阻害についての方法であって、哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントと該細胞を接触させるステップを包含することを特徴とする方法。
  54. 前記真核生物細胞が配列番号2として同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rを発現することを特徴とする請求項53に記載の方法。
  55. 前記DNA−RのDNA結合フラグメントが、配列番号2によって同定されるアミノ酸配列のアミノ酸1〜575を含むヒトDNA−Rのフラグメントであることを特徴とする請求項53に記載の方法。
  56. 哺乳動物DNA−Rを含むエピトープに対し免疫学的に特異的である、抗体またはその抗原結合フラグメント。
  57. 前記哺乳動物DNA−Rが配列番号2として同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであることを特徴とする請求項56に記載の抗体。
  58. ポリクローナル抗血清を含むことを特徴とする請求項56に記載の抗体。
  59. 前記抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項56に記載の抗体。
  60. 請求項59に記載の抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。
  61. 前記エピトープが、配列番号2の1〜575番のアミノ酸によって同定されるDNA結合ドメインを含むことを特徴とする請求項56に記載の抗体。
  62. 組織における炎症の抑制についての方法であって、該組織を含む細胞への細胞外DNA結合によって引き起こされることと、治療有効量の可溶性の哺乳動物DNA−Rと該組織を接触させるステップを含んでなることと、を特徴とする方法。
  63. 前記組織が肺組織であることを特徴とする請求項62に記載の方法。
  64. 前記肺組織の細胞が上皮細胞またはマクロファージであることを特徴とする請求項63に記載の方法。
  65. 前記可溶性の哺乳動物DNA−Rが、アミノ酸配列1133〜1171番のアミノ酸が欠失される配列番号2として同定されるアミノ酸配列を有するヒトDNA−Rであることを特徴とする請求項62に記載の方法。
  66. 組織における炎症の抑制についての方法であって、該組織を含む細胞への細胞外DNA結合によって引き起こされることと、治療有効量の哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントと該組織を接触させるステップを含んでなることと、を特徴とする方法。
  67. 前記組織が肺組織であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
  68. 前記肺組織の細胞が上皮細胞またはマクロファージであることを特徴とする請求項67に記載の方法。
  69. 前記哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントが、配列番号2として同定されるアミノ酸配列1〜575番のアミノ酸を含むヒトDNA−Rであることを特徴とする請求項66に記載の方法。
  70. 組織における炎症の抑制についての方法であって、該組織を含む細胞への細胞外DNA結合によって引き起こされることと、哺乳動物DNA−Rに対し免疫学的に特異的な、治療有効量の抗体またはその抗原結合フラグメントと該組織を接触させるステップを含んでなることと、を特徴とする方法。
  71. 前記組織が肺組織であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
  72. 前記肺組織の細胞が上皮細胞またはマクロファージであることを特徴とする請求項67に記載の方法。
  73. 前記抗体が、配列番号2として同定されるアミノ酸配列1〜575番のアミノ酸を含むヒトDNA−Rである、哺乳動物DNA−RのDNA結合フラグメントに対し免疫学的に特異的なモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
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