JP2000516452A - 可溶性が増大した免疫グロブリンスーパーファミリードメインおよびフラグメント - Google Patents

可溶性が増大した免疫グロブリンスーパーファミリードメインおよびフラグメント

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)ドメイン、IgSFフラグメント、およびその融合タンパク質の修飾、特に、それらの可溶性と収量を改善し、取り扱いを容易にするための抗体誘導体の修飾に関する。本発明者らは、より大きなフラグメントまたは完全IgSFタンパク質中の該IgSFドメインと隣接するドメインとのインターフェースを含み、修飾により露出し、親水性が増大するようになるIgSFドメイン中の領域を作製することによりこれを達成することができることをみいだした。本発明は、IgSFドメイン、IgSFフラグメント、およびその融合タンパク質の可溶性ならびに発現性を改善し、取り扱いを容易にするための、修飾されたIgSFドメイン、またはフラグメントおよびその融合タンパク質をコードするDNA配列、これらDNA配列を含むベクターおよび宿主、該DNA配列を適切な発現系で発現させることによって得られるIgSFドメインまたはフラグメントおよび融合タンパク質、およびIgSFドメインを修飾する方法について記載している。

Description

【発明の詳細な説明】 可溶性が増大した免疫グロブリンスーパーファミリードメインおよびフラグメン ト 発明の技術分野 本発明は、可溶性を増大させることにより収量を増加させ、取り扱いを容易に するための免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)ドメインとその誘導 体の修飾に関する。 発明の背景 治療剤、診断試薬としての使用、および生化学的研究における小さな抗体フラ グメントの有望性は刺激的である。すなわち、該フラグメントは大量に必要であ り、E.coliのペリプラズムにおける抗体フラグメント、例えばFv、一本鎖Fv (scFv)、またはFabの発現(SkerraおよびPlueckthum 1988;Betterら、1 988)は今や多くの研究室でルチーン的に用いられている。しかし、特にscF vの場合、発現収量が大きく異なる。フラグメントのあるものは震盪フラスコ培 養中の培養ブロスのODおよびILあたり機能的可溶性タンパク質を数mgまで 生産するが(Carterら、1992、Plueckthunら、1996)、他のフラグメントはほとん ど所謂封入体中にのみみいだされることが多い不溶性物質を生じるであろう。機 能的タンパク質は、面倒で時間のかかる再ホールディング(折り畳み)工程によ って後者から限られた収量が得られよう。抗体の発現レベルに影響を及ぼす因子 はまだほとんど解っていない。抗体フラグメントのホールディング効率と安定性 、発現タンパク質の宿主細胞に対する毒性、およびプロテアーゼ分解性はしばし ば実際の生産レベルを大きく制限し、発現収量を増大させる多くの試みがなされ てきた。例えば、KnappikおよびPlueckthun(1995)は発現収量に顕著に影響する 抗体フレームワーク中の鍵となる残基を同定している。同様に、Ullrichら(1995 )は、CDR中の点突然変異がペリプラズムでの抗体フラグメントの発現収量を 増加させ得ることをみいだした。 KnappikおよびPlueckthum(1995)による研究は、抗原認識に直接関与しない 抗体フラグメントの部分を最適化することにより組換えFvおよびscFv構築 物のホールディング特性と生産物収量を有意に改善し得ることを示している。発 現挙動の改善の理由はこれら分子の凝集挙動の減少にある。他の分子ではフラグ メントの安定性とプロテアーゼ耐性も影響を受けるかもしれない。特定の配列の 修飾がこれらの特性をいかに変化させるかに関する理解はまだ非常に限られてお り、現在活発に研究されている。 タンパク質ドメインを発現させ、操作するにあたっては、全分子の部分のみが 発現している時には通常タンパク質構造内に埋没しているアミノ酸が露出するよ うになるため困難が生じるかもしれない。凝集は、最初近傍ドメイン間の接触領 域を形成している新たに溶媒に露出した疎水性残基の相互作用により生じるかも しれない。LeistlerおよびPerham(1994)は、グルタチオン還元酵素のあるドメ インがその隣接ドメインと別個に発現するかも知れないことを示すことができた が、該タンパク質は、多量体のタンパク質種をin vitroで形成する非特異結合を 示した。露出した疎水性アミノ酸に代わって親水性残基を導入するとこの凝集傾 向が減少し、この単離されたドメインを安定化させることができた。野生型およ び修飾ドメインはいずれも全く封入体のみにみいだされ、再ホールディングされ なければならなかった。in vitro試験はホールディング工程を操作する種々の分 子間相互作用を明らかにするのに多いに寄与するが、in vivoにおける異なるポ リペプチド鎖のホールディング挙動を予測するには限られた価値しかない(Gethi ngおよびSambrook,1992)。したがって、LeistlerおよびPerhamは可溶性タンパク 質ドメインの発現収量をいかに増加させるかについて開示も示唆もしていない。 抗体の場合は、2つのβ−シートがジスルフィド結合により一緒にホールドさ れ、所謂免疫グロブリンホールドを形成しているβ−バレルからなるドメイン数 個を含む2本の鎖が二量体(ダイマー)化している。2個のドメイン(1つは可 変ドメイン(VL)で、1つは定常ドメイン(CL))は軽鎖の長軸沿いの近傍に あり(VL−CL)、4個のドメイン(1つは可変ドメイン(VH)で3つは定常 ドメイン(CH1〜CH3))は重鎖の長軸沿いの近傍にある(VH−CH 1−CH2−CH3)。鎖aおよびbによって形成される二量体において、2個 のそのようなドメインは、VLaはVHaと、CLaはCH1aと、VLbはVHbと 、CLbはCH1bと、CH2aはCH2bと、またCH3aはCH3bと側面で結合 する。WO92/01787(Johnsonら、1992)は、単離された1個のドメイ ン、例えばVHの疎水性残基が、親ドメインの特異性を変化させることなく親水 性残基と置換することにより前者のVL/VHインターフェース領域中で修飾さ れ得ることを開示している。WO92/01787の理論的根拠は、露出した疎 水性残基が非特異的結合、表面との相互作用、および安定性の低下をもたらすか もしれないという仮定にあった。結合特異性の増大に関するデータは得られたが 、発現レベルの増大は示されなかった。さらに、完全な抗原結合部位を含む抗体 フラグメントはVLとVHを含まなければならないため、WO92/01787 はいかなる該抗体フラグメントにも応用できないであろう。T細胞レセプターの 場合は、各々免疫グロブリンホールドを有する可変(V)および定常(C)ドメ インと1個の貫膜ドメインからなる2本の鎖(αおよびβ)が二量体化する。各 鎖において、可変および定常ドメインは該鎖の長軸沿いの近傍にあり(Vα−C α;Vβ−Cβ)、第二鎖の対応するドメインと側面で結合する(Vα−Vβ;C α−Cβ)。 CD2、CD4、CD16、CD22のような免疫グロブリンスーパーファミ リーの種々の他の分子は、免疫グロブリンホールドを有する2またはそれ以上の ドメイン(可変および/または定常)が鎖の長軸沿いの近傍にある鎖1本のみを 含む。 本発明では、発現に関する問題が、従来発現研究と関連があるとは考えられて いなかった、免疫グロブリン鎖内の隣り合ったドメイン間のインターフェースを 含む分子の一部と主として関係があることがわかった。この驚くべき知見は本発 明の基礎をなし、可溶性が低いかまたは発現レベルが低下している免疫グロブリ ンスーパーファミリー(IgSF)のドメインまたはフラグメント、特に抗体フ ラグメントの生産に関する問題への全般的解決をもたらす。 発明の詳細な説明 上記の異なる鎖のドメイン間の側面での相互作用に加え、長軸に沿った個々の 鎖内の隣接ドメイン間の接触に関する十分な証拠文献がある。例えば、抗体の場 合は(LestおよびChothia,1988)、VLの「底部」はCLの「先端部」と接触し 、同じ様な接触がVHとCH1の間にみられる。これらドメイン間のインターフ ェースにおける接触はおそらくFabフラグメントのコンパクトな配置に必須で あり、そのような接触に典型的であるように、その性質は少なくとも一部が疎水 性である。 本発明は、少なくとも1個のドメインを含む抗体フラグメントの可溶性(およ び収量)が、通常、より大きな抗体フラグメントまたは完全抗体中の鎖内の第二 ドメインと隣接している該ドメインの「末端」において前者のインタフェースの 疎水性を低下させることにより劇的に増加し得るという驚くべき知見に基く。例 えば、scFvフラグメント中のインターフェースの長軸のサイズはVHとVL の間のそれよりかなり小さく、Fabフラグメント中のVHとCH1間またはV LとCL間のインターフェースを形成するアミノ酸のscFv分子の総表面積に 占める割合はかなり小さいことから、該分子の物理特性の決定にはあまり役割を 果たさないと予測されるため、このことは驚くべきことであり、先行技術文献( WO92/01787)から予測することができなかった。 本発明には、前者のインターフェースの疎水性の低下をもたらす該分子に生じ る変化はCDR由来のドメインの最も遠い部分に位置するため、本発明を応用し ても該分子の結合特性に有害な影響をもたらさないであろうというさらなる利点 がある。このことは、少なくとも1つの修飾がCDRに近いため、抗原結合に対 する影響があると予測されるかもしれないWO92/01787には当てはまら ない。さらに、WO92/01787は上記のVL/VHヘテロダイマーには応 用することができない。 本発明は、より大きな免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)フラグ メントもしくは完全IgSFタンパク質のタンパク質鎖内に親IgSFドメイン またはフラグメントと隣接した第二ドメインを有するインターフェースを含むか または含むであろう、該第二ドメインの非存在下で該親IgSFドメインまたは フラグメント中で露出している領域が修飾により親水性になっている、親IgS Fドメインまたはフラグメントと異なる修飾されたIgSFドメインまたはフラ グメントに関する。 本発明のにおいて、用語免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)ドメ インは、免疫グロブリンまたは抗体、およびT細胞レセプターもしくはインテグ リンのような種々の他のタンパク質を含む免疫グロブリンホールドによって特徴 付けられる免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーの部分を表す。用語I gSFフラグメントは、少なくとも1個のIgSFドメインを含む免疫グロブリ ンスーパーファミリーのメンバーのあらゆる部分をいう。用語隣接ドメインは第 一ドメインと隣接しているドメインをいう。用語インターフェースは、隣接ドメ インとの相互作用を生じる該第一ドメインの領域をいう。用語疎水性および親水 性は、定量的に評価できるアミノ酸の物理特性をいい、天然のアミノ酸20個の 疎水性に関する値の一覧表が利用できる(NozakiおよびTanford,1971;Casariおよ びSippl,1992;RoseおよびWolfenden,1993)。 修飾される残基は多くの方法で同定することができる。例えば、ある方法では 、該より大きなIgSFフラグメントまたは完全IgSFタンパク質と比較した 該親IgSFフラグメント中の疎水性インターフェース残基の溶媒に対する接近 可能性(アクセシビリティ)が計算され(LeeおよびRichards,1971)、高い接近 可能性は露出した残基が多いことを示唆した。第二の方法では、該より大きいI gSFフラグメントまたは完全IgSFタンパク質中の疎水性インターフェース 残基のファンデルワールス(van der Waals)接触の数が計算される。該親ドメ インの残基が大量であることは、該残基が隣接ドメインの非存在下で高度に溶媒 に露出しているであろうことを示す。本発明にしたがって修飾される残基を計算 または決定する他の方法があり、当業者はこれらの方法を確認し、実施すること ができよう。 該親IgSFフラグメントのコンピューターモデルを分析することにより、該 フラグメント内の該高度に露出した残基の相互作用を確認することができる。そ のような相互作用は親IgSFフラグメントを安定化させるかもしれない。他の 疎水性残基と密接に相互作用し、当業者のいずれもが確認できる残基は優先的に 突然変異されてはならない。 上記修飾は当業者によく知られた多くの方法で行なうことができよう。好まし い態様において、該修飾は、上記のごとく確認された該露出したインターフェー スの1またはそれ以上のアミノ酸を、より親水性のアミノ酸で置換することであ る。あるいはまた、1またはそれ以上のアミノ酸を該インターフェースに挿入す るか、または1またはそれ以上のアミノ酸を該インターフェースから欠失させる ことにより、その全体の親水性を増大させることができる。さらに、置換、挿入 、および欠失のあらゆる組み合わせにより、該インターフェースの疎水性を低下 させることができる。本発明には、該インターフェース領域において全体の親水 性値が増加する限りにおいて、置換または挿入が比較的高い疎水性値のアミノ酸 を含むか、または欠失が比較的低い疎水性値のアミノ酸を含む可能性も含まれる 。置換、挿入、および欠失のような修飾は、当業者によく知られた標準的方法を 用いて行なうことができる。実施例により、当業者は部位指向性突然変異もしく はPCRに基く突然変異(Hoら、1989;Kunkelら、1991;Trower,1994;Viville, 1994)、または全遺伝子合成(ProdromouおよびPearl、1992)のいずれかを用い て必要な修飾を行なうことができる。さらなる態様において、突然変異は適切な 発現およびスクリーニング系を用いるランダム突然変異誘発およびランダム突然 変異体のスクリーニングにより得られよう(例えば、Stemmer,1994;Crameriら、 1996参照)。 好ましい態様において、より疎水性のアミノ酸を置換するアミノ酸には、As n、Asp、Arg、Gln、Glu、Gly、His、Lys、Ser、およ びThrが含まれる。これらは天然のアミノ酸20個の中でより親水性の高いも のであり、本発明の応用において特に有効であることが証明された。単独もしく は連結した、または他のアミノ酸と連結した該アミノ酸を用いて、該インターフ ェース領域をより親水性にする上記挿入を形成することもできる。 上記親IgSFドメインまたはフラグメントはいくつかの異なるタイプの一つ であり得る。ある態様において、該親ドメインまたはフラグメントは抗体由来で ある。ある態様において、該親抗体フラグメントはFvフラグメントを含む。こ の文脈において、用語Fvフラグメントは抗体分子のVL(可変軽)およびVH (可変重)部分を含むコンプレックスを表す。さらなる態様において、親抗体フ ラグメントは、VL鎖とVH鎖がペプチドリンカーによりVL−VLまたはVH −VL方向に連結している一本鎖Fvフラグメントであってよい(scFv;Bir dら、1988;Hustonら、1988)。さらなる態様において、親抗体フラグメントは、 ドメイン間のジスルフィド結合により安定化されたFvフラグメントであってよ い。これは、各鎖内に1個のシステイン残基を組み込むことにより作製すること ができる構造であり、二本の鎖由来のシステイン残基が酸化によって連結してジ スルフィドが形成される(Glockshuberら、1990;Brinkmannら、1993)。 最も好ましい態様において、上記可変ドメインのインターフェース領域には、 Kabatナンバリング法(Kabatら、1991)に従って、VLでは残基9、10、12 、15、39、40、41、80、81、83、103、105、106、10 6A、107、108が、また、VHでは9、10、11、13、14、41、 42、43、84、87、89、105、108、110、112、113が含 まれる。該ナンバリング法は、全抗体の配列用に確立されたものであるが、VL とVHがペプチドリンカーにより連結し、N末端からC末端までのタンパク質配 列を別々に番号付けしなければならないscFvフラグメントの場合でも単離さ れた抗体ドメインまたは抗体フラグメントの配列を説明するのに対応して適合さ せることができる。このことは、本発明においてKabatナンバリング法が、目的 とする抗体フラグメント配列内の実際の位置を絶対的に説明するものとしてでは なく、抗体配列について存在するデータに対応した配列の説明として用いられて いることを意味する。 さらなる態様において、該親抗体フラグメントはFabフラグメントを含む。 この文脈において,用語Fabは抗体分子のVL−CL(可変および定常軽)お よびVH−CH1(可変および第一定常重)部分を含むコンプレックスを表し、 用語インターフェース領域は、より大きな抗体フラグメントまたは完全抗体中の CH2ドメインと隣接するかまたは隣接していると思われる重鎖の第一定常ドメ イン(CH1)中の領域を表す。 さらなる態様において、該親IgSFフラグメントは、あらゆる該ドメインま たはフラグメントと、抗体またはあらゆる他のタンパク質もしくはペプチド由来 の別のタンパク質ドメインとの融合タンパク質である。抗体フラグメントの細菌 における発現が実現し、抗体フラグメントと別の分子との融合物を含むタンパク 質の構築に道が開かれた。本発明のさらなる態様は、上記の修飾されたIgSF ドメインまたはフラグメント、およびさらなる部分を共にコードするDNA配列 を提供することによるそのような融合タンパク質に関する。有用な治療的機能を 有する部分が特に好ましい。例えば、さらなる部分は細胞を殺すことができる毒 素分子であってよい(Vitettaら、1993)。細菌毒素Pseudomonas菌体外毒素Aなら びにジフテリア毒素、および植物毒素リシン、アブリン、モデクシン、サポリン 、ならびにゲロニンのような当業者によく知られたその様な毒素の多くの例があ る。そのような毒素と抗体フラグメントを融合することにより、毒素は例えば病 的細胞を標的とすることができ、それにより有益な治療的効果が得られる。ある いはまた、さらなる部分は、あるファミリーの細胞に対する特定の効果(この場 合はT細胞増殖効果)を有するIL−2(RosenbergおよびLotze,1986)のような サイトカインであってよい。さらに好ましい態様において、さらなる部分は、有 機体、例えば細胞またはファージの表面に融合タンパク質を導き、IgSFパー トナーを表現する表面タンパク質の少なくとも部分である。好ましくは、さらな る部分はフィラメント状バクテリオファージのコートタンパク質の、最も好まし くは遺伝子IIIタンパク質の少なくとも部分である。さらなる態様において、さ らなる部分はそのIgSFパートナーを検出および/または精製する手段を与え ることができよう。例えば、融合タンパク質はアルカリホスファターゼのような 検出目的で通常使用される酵素、および修飾されたIgSFドメインまたはフラ グメントを含むかもしれない(Blakeら、1984)。当業者によく知られている検出 または精製用タグとして用いることができる多くの他の部分がある。特に好まし いのは金属イオンと結合することができ、それらが融合するタンパク質 の精製に用いることができる(Lindnerら、1992)少なくとも5個のヒスチジン 残基を含むペプチドである(Hochuliら、1988)。本発明は、通常用いられるc− mycおよびFLAGタグのようなさらなる部分も提供する(Hoppら、1988;Kna ppikおよびPlueckthun,1994)。 1またはそれ以上の融合したさらなるドメインを操作することにより、IgS Fドメインまたはフラグメントをより大きな分子内に組み立てることができ、こ れも本発明の範囲内である。IgSFドメインまたはフラグメントの物理特性が 組み立てられたものの特性を決定する程度まで、本発明はそのようなより大きい 分子の可溶性を増大させる手段を与える。例えば、ミニ−抗体(Pack,1994)は、 各々が自己結合二量体化ドメインと融合する2つの抗体フラグメントを含む二量 体である。特に好ましい二量体化ドメインにはロイシンジッパー(PackおよびPlu eckthum,1992)またはヘリックス−ターン−ヘリックスモチーフ(Packら、1993 )から誘導されるものが含まれる。 本発明の上記態様はすべて、当業者に知られた分子生物学における標準的技術 を用いて実施することができる。 上記組成物は多くの環境のいずれにおいても有用性を持つかもしれない。診断 的および治療的組成物が特に好ましい。 本発明は上記に包含される組成物および化合物を製造する方法も提供する。以 下の工程を含む方法が特に好ましい: i)溶媒アクセシビリティ(接近可能性)法(LeeおよびRichards,1971)、インタ ーフェース領域におけるファンデルワールス相互作用の分析、または当業者によ く知られている同様の方法を用いて溶媒に露出するIgSFドメインのインター フェース領域の疎水性残基を分析し、 ii)より親水性の高い残基で置換される1またはそれ以上の疎水性残基、または インタフェース領域の全体の親水性を増大させる親水性残基またはアミノ酸スト レッチを該インターフェース領域内に挿入することができる1またはそれ以上の 位置、またはインタフェース領域の全体の疎水性を増大させる疎水性残基または アミノ酸ストレッチを該インターフェース領域から欠失させることができる1ま たはそれ以上の位置、または該親IgSFドメインの1またはそれ以上の突然変 異体をもたらす該置換、該挿入、および該欠失のあらゆる組み合わせを同定し、 iii)例えば、通常の突然変異誘発法または遺伝子合成法を用いることにより、i i)において同定された変化によって特徴付けられる、別個にかまたは混合物と して製造される該IgSFの突然変異体をコードするDNAを製造し、 iv)該突然変異体を発現させるのに適したベクター系中にDNAまたはDNA混 合物を導入し、 v)適切な宿主細胞中に該ベクター系を導入し、次いで該突然変異体または突然 変異体混合物を発現させ、 vi)可溶形で高収量で得られる突然変異体を同定し、特徴付け、 vii)必要であれば、工程iii)〜vi)を反復して該同定された突然変異体または 突然変異体(複数)の親水性をさらに増大させる。 上記宿主は、限定されるものではないがE.coli(Geら、1995)、またはBacillus subtilis(Wuら、1993)のような細菌、酵母(Horwitzら、1988;Ridderら、19 95)または糸状菌(Nyyssoenenら、1993)のような真菌、植物細胞(Hiatt,1990 、HiattおよびMa,1993;Whitelamら、1994)、昆虫細胞(Potterら、1993;Wardら 、1995)、または哺乳動物細胞(Trillら、1995)を含む、ヘテロローガスなタン パク質の生産に通常用いられる多くのあらゆる宿主であってよい。 本発明は、本発明の宿主細胞を培養し、IgSFドメインまたはフラグメント を単離することを含む本発明の該ドメインまたはフラグメントの製造方法にも関 する。 本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、これらは単に例示であって 、本発明の範囲を限定するものではない。 実施例 i)略号 略号:CDR:相補性決定領域;dsFv:ジスルフィド連結Fvフラグメン ト;IMAC:固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー;IP TG:イソプロピル−β−D−チオガラクトシピラノシド;i/s:不溶性/可 溶性比;H(X):重鎖残基番号X;L(X):軽鎖残基番号X;NTA:ニトリロ −3酢酸;OD550:550nmにおける光学濃度;PDB:タンパク質データ ベース;scFv:一本鎖Fvフラグメント;SDS−PAGE:ドデシル硫酸 ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動;v/c:可変/定常;wt:野生 型。 ii)材料と方法 (a)溶媒アクセシビリティの計算 PDBファイルから定常ドメイン相当物を削除することにより30個の非重複 Fabフラグメントおよびこれら由来のFvフラグメントの溶媒に接近可能な表 面積を、Lee & Richards(1971)によって記載されたアルゴリズムに基くプログラ ムNACCESSの最新バージョン(1996年3月)(http://www.biochem.ucl.ac.u k/〜roman/naccess/naccess)を用いて計算した。 (b)scFv遺伝子合成 抗体4−4−20(Bedzykら、1990)のVL−リンカー−VH方向の一本鎖Fv フラグメント(scFv)を遺伝子合成法(ProdromouおよびPearl,1992)によ り得た。VLドメインは3アミノ酸長のFLAGタグ(KnappikおよびPlueckthun, 1994)を保持する。長さ15(Gly4Ser)3および30アミノ酸(Gly4Se r)6の2つの異なるリンカーをそれぞれ用いた。得られた遺伝子をベクターpI G6(Geら、1995)の誘導体中にクローンした。突然変異体抗体フラグメントは一 本鎖DNA、および反応あたり3個までのオリゴヌクレオチドを用いる部位指向 性突然変異誘発(Kunkelら、1987)によって構築された。 (c)発現 増殖曲線は以下のごとく得られた:100μg/mLアンピシリンおよび25 μg/mLストレプトマイシンを含む2xYT培地20mLに、それぞれの抗体 フラグメントをコードするプラスミドを保持するE.coli JM83の一夜培養250 μLを接種し、OD550が0.5に達するまで24.5℃でインキュベーション した。IPTG(Biomol Feinchemikalien GmbH)を最終濃度が1mMとなる ように加え、3時間インキュベーションを続けた。細胞の漏れやすさ(leakiness )の程度を定量するために培養上清のβ−ラクタマーゼ活性を測定したように、 ODを毎時間測定した。誘導後3時間の培養の部分標本を取り出し、Knappikお よびPlueckthun(1995)の記載に厳密に従って細胞を溶解させた。不溶性分画お よび可溶性分画の上清のβ−ラクタマーゼ活性を測定した。考えられるプラスミ ドの損失と細胞における漏れやすさを説明するため、ODおよびβ−ラクタマー ゼ活性について正規化した試料を用いる還元SDS−PAGEにより分画の抗体 フラグメントについてアッセイした。ゲルをブロットし、FLAG抗体M1(Pr ickettら、1989)を第一抗体に、ホースラディッシュパーオキシダーゼ結合Fc −特異的抗マウス抗血清(Pierce)を第二抗体に用い、別に記載(Geら、1995)の 化学ルミネッセント検出アッセイを用いて免疫染色した。 (d)精製 突然変異体scFvフラグメントは2カラム法により精製された。細胞をフレ ンチプレスで溶解させ、次いで生(き)E.coli抽出物をIMAC(Ni−NTA スーパーフロー、Qiagen)(20mM HEPES、500Mm NaCl(pH6 9);イミダゾール10、50、および200mMの段階勾配)(Lindnerら、1992 )によって最初に精製し、次いで20mM MES(pH6.0)でIMAC溶出 物を透析した後、最終的に陽イオン交換クロマトグラフィー(S−Sephar ose急速流速カラム、Pharmacia)(20mM MES(pH6.0);塩勾配0− 500mM NaCl)により精製した。純度はクーマシー染色SDS−PAGE により調節した。scFVの機能性は競合ELISAにより試験した。 wt4−4−20はペリプラズマ系における可溶性が非常に低いため、T7に 基く系(Studier & Moffatt,1986;Geら、1995)中で原形質封入体として発現さ せた。再ホールディング手順は別の記載(Geら、1995)に従って行なった。精製 において、再ホールディング用溶液(2L)を、予め透析することなく、10時 間かけてフルオレセインアフィニティーカラムにかけ、次いで20mM HEP ES、150mM NaCl(pH7.5)で洗浄した。1mMフルオレセイン( ナトリウム塩、Sigma Chemicals Co.)(pH7.5)2カラム容量を用い て、すべての機能的scFvフラグメントを溶出した。すべてのフルオレセイン を除去するには徹底的な透析(7日間、緩衝液交換12回)が必要であった。す べての精製scFvフラグメントをゲル濾過にて試験した(Superose-12カラム 、Pharmacia SMART-System、20mM HEPES、150mM NaCl(pH 7.5)。 (e)フルオレセインタイトレーションによるKD測定 タンパク質の濃度はGillおよびvon Hippel(1989)に従って、計算した吸光度 係数を用いて測光法的に測定した。蛍光タイトレーション実験はフルオレセイン の蛍光が強いという利点を生かして行なった。10または20nMフルオレセイ ンを含む20mM HEPES、150mM NaCl(pH7.5)2mLをス ターラーを統合したキュベットに入れた。励起波長は485nmであり、490 から530nmまでの放射波長を記録した。精製scFv(20mM HEPE S、150mM NaCl(pH7.5)中)を部分標本5〜100μL加え、 3分間平衡化した後、スペクトルを記録した。スペクトルはすべて20℃で記録 した。510nMにおける最大放射を用いて、抗体フラグメント濃度の関数とし て減衰として示されるscFvのフルオレセインに対するコンプレックス化の程 度を測定した。KD値はScatchard分析により測定された。 (f)平衡変性測定値 平衡変性曲線を、HEPES緩衝生理食塩水(HBS)緩衝液(20mM H EPES、150mM NaCl、1mM EDTA(pH7.5))中で0.2μ Mタンパク質を変性させ、総量1.7mL中の尿素量を増加させる(1.0−7 .5M;20mM HEPES、150mM NaCl(pH7.4);1段階0 .25M)ことによって得た。試料を10℃で12時間、さらに測定前に20℃ で3時間インキュベーションした後、励起波長280nmで20℃にて320− 360nmの蛍光スペクトルを記録した。変性時における蛍光ピークの放射波長 は341から347nmに移動し、非ホールド分子の分画を測定するのに用いら れた。曲線はPace(1990)に従って適合させた。 (g)温度変性 温度変性速度を測定するには、精製scFvを最終濃度0.5μMとなるよう にHBS緩衝液2mLに溶解させた。400nmでの光分散により40℃および 45℃で2.5時間、凝集を追跡した。 iii)結果 (a)既知の抗体配列の比較 タンパク質の他のドメイン/ドメインインターフェースに比べて、免疫グロブ リンの可変ドメインと定常ドメイン間のインターフェースはあまり密にはパッキ ングされていない。PDBデータベースの30の非重複Fab構造の比較により 、軽鎖の可変ドメインと定常ドメイン間のドメインあたり410±90Å2の領 域が埋没しているが、重鎖の可変ドメインと定常ドメインは710±180Å2 の領域にわたって相互作用することが示された。インターフェース残基のすべて ではなくそのいくつかは疎水性、主に脂肪族である。一般的に、v/cドメイン インターフェースに関与する残基の配列保存性は特に高くない。さらに、v/c ドメインインターフェースはFvフラグメント表面にはっきりした疎水性パッチ として現れる(図1)。 30の非重複Fabフラグメントおよびその対応Fvフラグメント(PDBフ ァイルから定常ドメイン相当物を除去することによりFabフラグメントから誘 導)の溶媒に接近可能な(アクセシブル)表面積はプログラムNACCESS(L ee & Richards,1971)を用いて計算した。v/cドメインインターフェースに関 与する残基は、Fvフラグメントにおける各アミノ酸側鎖の溶媒に接近可能な表 面をFabフラグメントにおけるその接近可能な表面と比較することにより同定 された。図2は、定常ドメインを除去したときの側鎖の接近可能性の相対変化の プロットを配列位置の関数として示す。側鎖の接触可能性の有意な低下を示す残 基も配列アラインメント中に印をつけている。図2に示す位置の配列変動性を評 価するため、Kabatデータベースに収集された可変ドメイン配列(1996年現在) を分析した(表1)。抗体4-4-20のVLドメイン中に同定された15インターフェ ース残基(図1および表1)のうち、L9(leu)、L12(pro)、L15( leu)、L40(pro)、L83(leu)、およびL106 (ile)は疎水性であり、したがって、置換の候補である。VHドメインの1 6インターフェース残基のうち、H11(leu)、H14(pro)、H41(p ro)、H84(val)、H87(met)、およびH89(ile)は抗体4-4-2 0のscFvフラグメントにおいて親水性残基で置換する可能性のある候補であ ることが確認された(図1および表1)。 しかしながら、これら疎水性残基のすべてが等しく置換の良い候補であるわけ ではない。ある特定の配列中では疎水性であるが、多くの他の配列中では親水性 である残基が最も魅力的であるかもしれないが、表1に示した保存された疎水性 残基が保持する展開圧力は全抗体内のFabフラグメントには作用したが、単離 されたFv部分には作用しなかったため、該残基についても検討を行なった。p roL40およびproH41はフレームワークII領域の底部でヘアピンターン を形成するが、保存されたVLシス−プロリンL8およびプロリン残基H9およ びH14は免疫グロブリン可変ドメインのフレームワークIの形を決定するため 、この試験ではプロリン残基は置換しなかった。 プロリンを除き、これは4-4-20scFvフラグメントにおいて考えられる置換 の候補として、VLドメイン中の残基L9(4-4-20ではleu、ほとんどのκ鎖で はser)、L83(leu、通常valまたはphe)、およびL106(すべて のκ鎖の86%ではIle)、およびVH中のH11(すべての重鎖の60%では leu)、H84(leu)他のVHドメインではしばしばalaまたはser)、 H87(met、通常ser)、およびH89(ile、最もしばしばval)を 残す。 (b)4-4-20scFv中の突然変異 4-4-20scFvフラグメントでは、上記配列分析において確認された非常に重 要な残基のいくつかはすでに親水性であるにも関わらず、9残基は疎水性の性状 を有する(軽鎖中のpro12を含む)(表1)。突然変異によってより綿密に分 析するため3つの残基を選んだ。 VL中のleu15はすべてのκ鎖の98%において疎水性アミノ酸である(表 1)。leu11はVH中で保存されており(表1)、v/cドメイン間接触 に関与する(Lesk & Chothia,1988)。反対に、バリンがH84位にあることは非 常に稀であり、主にこの位置にみられるのはトレオニンまたはセリンおよびアラ ニンである(表1)。図1にみることができるように、val84はVHの新たに 露出した表面における大きな疎水性パッチに関与する。すべての3つの位置は突 然変異により酸性残基となり、L11もアスパラギンに変化した(表2)。 scFvフラグメントは、2つの異なるリンカー、15マー(量体)・リンカ ー(Gly4Ser)3(Hustonら、1995)、および30アミノ酸(Gly4Ser )6に伸長した同じモチーフを用いて試験し、発現させた。すべての突然変異は 両構築物中で試験された。異なる突然変異の可溶性に関するin vivoの結果は同 じであるため、30マー・リンカーの結果についてのみ詳細に説明する。ペリプ ラズマにおける発現試験は24.5℃で実施し、すべての構築物の可溶性および 不溶性タンパク質をイムノブロッティングにより試験した。不溶性/可溶性タン パク質(i/s)比をすべての突然変異体について検討した。図3A−Dにwt scFv突然変異体の不溶性(レーン1)および可溶性(レーン2)分画を示 す。可溶性物質はペリプラズマではほとんど発現がみられず、これは、先にwt scFvcのペリプラズマでの発現が主としてペリプラズマの封入体を生じる と述べたBedzykら(1990)およびDenzinら(1991)の以前の報告と一致する。 VL中の単一点突然変異L15E(Flu1)は、wtと比べてi/s比に対 する影響はなかった(図3A、レーン3、4)。重鎖の11位のleuのアスパラ ギンへの突然変異(Flu2)はwtに比べてほとんど影響がなく、アスパラギ ン酸による置換(Flu3)はi/s比をより可溶性タンパク質へと変化させた が、この効果はあまり劇的ではなかった。これに対し、84位の点突然変異(Fl u4、図3B、レーン3、4、および図3D、レーン3、4)は抗体4-4-20のsc Fvフラグメントの可溶性に劇的な影響を与えた。i/s比は約1:1に変化し 、wtに比べて可溶性タンパク質が25倍に増加した。 V84DのL11NまたはL11Dとの組み合わせ(Flu5、Flu6)も wtに比べてi/s比を変化させるが、この比はV84D単独に比べてさらに改 善されなかった(図3B)。興味深いことに、Flu5を、15位の軽鎖突然変異 (Flu9)と組み合わせると、Flu5自体(図3B、レーン5、6)より可 溶性物質が少なくなる(図3C、レーン7、8)。L15E突然変異の負の影響は Flu3(図3A、レーン7、8)に比べてFlu8(図3c、レーン5、6) でもみることができる。図3Dにおいて、wt(レーン1、2および5、6)と Flu4(レーン3、4および7、8)の比較を15マーと30マーの構築物の 両方について示す。L15Eの負の影響は4-4-20scFvフラグメントのモデル を考察することにより合理的に説明することができる。L15は残基A80、L 83およびL106と一緒に疎水性ポケットを形成している。明らかに、L15 はその直近の隣接物との疎水性相互作用によりscFvフラグメントを安定化さ せる。この様に、scFvフラグメントをより親水性かつ可溶性にするためのL 15Eの置換はフラグメントの安定性を犠牲にしてなされる。したがって、フラ グメント内の疎水性相互作用の分析は、あらゆる他の抗体フラグメントにおいて 突然変異される溶媒に露出する残基を選ぶのに用いるべきである。VHにおける 種々のセリン突然変異の組み合わせは、i/s比のさらなる改善をもたらす。突 然変異体FH15(V84S、M87S、I89S)およびFH20(L11S 、V84S、M87S、I89S)はいずれもイムノブロットにおいて70%以 上が可溶性タンパク質であることを示した(データ示さず)。L15Eの負の影響 (c)機能的発現および精製 リンカー長の関数としてのscFvフラグメントのオリゴマー化は以前に検討 されている。リンカー長の関数としての二量体および多量体の形成量の連続的減 少が報告されてきた(Desplancqら、1994;Whitlowら、1994)。(Gly4Ser)3 リンカーはVH−VL方向で多くの場合においてモノマーscFvをもたらすこ とが示されたが、これはVL−VH方向の場合には当てはまらないことが多い。こ れはVL/VH配列が非対称であることにより、VLのC末端とVHのN末端間より VHの末端とVLのN末端間の距離がより長くなることによって生じる(Hustonら 、1995)。結果として、同じ長さのリンカーは得られる分子に異 なる特性をもたらすことができよう。 本発明では構築物のVLのN末端に最小摂動(perturbation)FLAG(Knappik & Plueckthun,1994)を用いることを選択したため、より長いリンカーの使用が検 討された。E.coliのペリプラズマにおける発現において、対応突然変異体におけ る15マーと30マー・リンカーの差は明らかでなかったが(図3D)、長および 短リンカーを用いて2つのFlu4scFvの精製を試みると、2つの構築物に 大きな不一致がみられた。15マー・リンカーを用いるFlu4突然変異体(V 84D)の精製では非常に少量の部分精製タンパク質しか得られないが(約0. 015mg/LおよびOD;IMAC精製後SDS−PAGEから推定)、30 マー・リンカー構築物は、高度に精製された機能的タンパク質約0.3mg/L およびODを生じる。30マー・リンカーを用いるすべての突然変異体はゲル濾 過で試験され、モノマーであることがわかった(データ示さず)。 さらなるin vitro特性に関して、5つの突然変異体を30マー・リンカーを用 いて精製した(V84D(Flu4)、V84D/L11D(Flu6)、L11D( Flu3)、およびセリン突然変異体FH15およびFH20(iii(b)参照)。最 初にIMACを用い、次に陽イオン交換クロマトグラフィーを用いる二段階クロ マトグラフィーは均質なタンパク質をもたらした。抗体フラグメントのi/s比 (図3)は機能的タンパク質の精製収量にも反映された。高度に可溶性の突然変 異体Flu4(V84D)(図3B、レーン3、4)は精製された機能的タンパ ク質約0.3mg/LおよびODを産生し、Flu3(図3A、レーン7、8の ブロットにおいて可溶性の低い物質)は約0.25mg/LおよびODを生じた 。セリン突然変異体FH15およびFH20はそれぞれ0.3mgおよび0.4 mg/LおよびODを生じた。抗体4-4-20のwt scFvはいずれのリンカー を用いたペリプラズマにおける発現でも全くいかなる可溶性タンパク質も生じず 、細胞質封入体として発現し、次いでin vitroで再ホールディングされ、蛍光ア フィニティクロマトグラフィーにかけられた。再ホールディングしたwtscF vは、ゲル濾過により30マー・リンカーを用いてモノマーであることが示され た(データ示さず)。 (d)突然変異体scFvの生物物理学的特性 本発明では保存されているアミノ酸を変化させたため、これらの位置の変化が 構造全体に及び、それらが結合部位から非常に離れていても結合定数に影響する 可能性を排除できない(Chatellierら、1996)。これらの可能性を排除するため、 突然変異体Flu3、Flu4、Flu6、およびwtsvFvの結合定数を測 定した。蛍光タイトレーションを用い、フルオレセインが抗体と結合するときの フルオレセインの内在性蛍光の減衰を用いて溶液中のKDを測定した。510n mで減衰する蛍光を、加えたscFvの関数として測定した。KD値(表3およ び図4)は3つすべての突然変異体scFvにっいて得られ、wt scFvは モノクローナル抗体4-4-20の最近訂正されたKDときわめて同様で非常に良く一 致している(Miklaszら、1995)。 突然変異が該タンパク質の熱力学的安定性に影響を及ぼすか否かを検討するた め、尿素変性による平衡無ホールディング曲線を検討した。V84D突然変異体およ びwt scFvをこの分析に用い、図5にオーバーレイプロットを示す。両曲 線の中心点は4.1M尿素である。両曲線はPace(1990)記載の2段階モデルの アルゴリズムにより適合させたが、V84D突然変異体とwt scFvの明らかに 小さな差は統計的に有意ではない。 ホールディング中間体の凝集は、突然変異体scFvとwt scFvのin v ivo成績が異なることに対する別の説明となるかもしれない(図3)。E.coliのペ リプラズマではタンパク質濃度がかなり高いと考えられるため(van Wielink & D uine,1990)、凝集効果がみられるのであろう。in vitroでの凝集挙動を推定する ため、種々の温度で温度凝縮速度が測定された。図6には、wt scFvは4 4℃ですでに有意に凝集し始めるが、突然変異体V84Dはより徐々に凝集する 傾向があることが明確に示されている。すなわち、wt scFvは突然変異体 scFvより明らかに凝集傾向が強い。これは、平衡変性曲線と発現挙動との間 に相関が認められなかったが温度凝集速度には良好な相関がみられた、抗体Mc PC603について種々の突然変異を用いて行なわれた観察結果(Knappikおよ びPlueckthum,1995)と非常に同様である。 図および表 図1:抗体4-4-20のFvフラグメントの空間充填模型 図2:VL(2a)およびVH(2b)の可変/定常ドメインインターフェース 残基。Brookhaven Databankからの30の非重複(redundant)Fabフラグメント について、アミノ酸側鎖の溶媒に接近可能な表面をFvおよびFabフラグメン トについて計算した。プロットは定常ドメインと接触している接近可能な表面の 相対的減少を示す(30すべてのFvフラグメントについてのオーバーレイプロ ット)。配列アラインメントにおいて、v/cインターフェースに関与する残基 に印を付している。シンボルは定常ドメインの除去における溶媒に接近可能な表 面の相対的減少を示す(シンボル:シンボルなし<1%;●<20%;■<40 %;▲<60%;▼<80%;および◆≧80%)。円はさらに分析される残基 の位置を示す(表1参照)。 図3:抗体4-4-20のscFvフラグメントを発現している材料と方法に従って 調製した細胞抽出物の不溶性(i)および可溶性(s)分画を示すウエスタンブ ロット。種々の突然変異体において置換されたアミノ酸を表2に示す。 図4:510nmで測定した抗体(4〜800nM)を用いるフルオレセイン (20nM)の蛍光タイトレーションのScatchardプロット。r値は(F−FO)/ (FOO−FO)から得られた(ここで、Fは示した抗体濃度で測定されたフルオレセ イン蛍光であり、FOは抗体非存在下の蛍光であり、FOOは大過剰の抗体が存在 するときの蛍光である)。rは抗体によるフルオレセインの飽和をもたらす。( a)wt scFvのタイトレーション。(b)Flu4(V84D)のタイト レーション。 図5:尿素変性曲線のオーバーレイプロットを示す。(X)wt scFv、 (o)Flu4。 図6:wtおよびFlu4scFvフラグメントの40および44℃における 温度変性時間経過を示す。(a)40℃におけるwt scFv、(b)40℃ におけるFlu4、(c)44℃におけるFlu4、(d)44℃におけるwt scFv。 表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性:残基の統計はKa batデータベース(1996年3月)の可変ドメイン配列に基く。<90%完全な配列 は分析から除外した。分析した配列の数:ヒトVLκ:881中404、ネズミ VLκ:2239中1061、ヒトVLλ:409中223、ネズミVLλ:2 06中71、ヒトVH:1756中663、ネズミVH:3849中1294。 位置はKabatら(1991)に従った配列位置を示し、また、%exp.(Fab)はプロ グラムNACCESS(NACCESS v2.0、Simon Hubbard(http://www.biochem.ucl .ac.uk/〜roman/naccess/naccess.html))により計算されたFabフラグメント 中の相対的側鎖接近可能性を、%exp.(ind.)は単離されたVL」またはVHドメ インの相対的側鎖接近可能性を、埋没%はFvフラグメントとFabフラグメント の側鎖接近可能性の相対的差を示す。コンセンサスは配列コンセンサスを示し、 分布は残基の種類の分布を示す。 表2:抗体4-4-20のscFvフラグメントに導入された突然変異。各線は示し た突然変異を有する異なるタンパク質を表す。残基はKabatら(1991)に従って 番号付けしている。 表3:蛍光タイトレーションにおいて測定した異なるscFv突然変異体のKD 値。KD値はnMで示し、誤差はScatchard分析(図4)から計算し、#はMikla szら(1995)によって決定した。 参考文献 表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性(続き)表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性(続き)表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性(続き)表1:v/cインターフェースに関与する残基の配列変動性(続き)表2:抗体4−4−20のscFvフラグメントに導入された突然変異表3:蛍光タィトレーションで決定した種々のscFv突然変異体のKD
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 5/10 G01N 33/53 N G01N 33/53 C12N 5/00 A

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.より大きな免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)フラグメント もしくはタンパク質の鎖内に親IgSFドメインまたはフラグメントと隣接した 第二ドメインとのインターフェースを含むかまたは含むであろう領域が修飾によ り親水性になっている、親IgSFドメインまたはフラグメントと異なるIgS FドメインまたはフラグメントをコードするDNA配列。 2.修飾が、より親水性であるアミノ酸とのインターフェースにおける1また はそれ以上のアミノ酸の置換である請求項1記載のDNA配列。 3.修飾が、該インターフェースにおける1またはそれ以上の親水性アミノ酸 の挿入、または該インターフェースにおける全体的親水性を増大させるアミノ酸 の挿入、または該インターフェースにおける1またはそれ以上の疎水性アミノ酸 の欠失、または該インターフェースにおける全体的親水性の増大をもたらすアミ ノ酸の欠失である請求項1記載のDNA配列。 4.修飾が、 a)より親水性であるアミノ酸を有するインターフェースでの1またはそれ以上 のアミノ酸の置換、 b)該インターフェースにおける1またはそれ以上の親水性アミノ酸の挿入また は該インターフェースにおける全体的親水性を増大させるアミノ酸の挿入、 c)該インターフェースにおける1またはそれ以上の疎水性アミノ酸の欠失また は該インターフェースにおける全体的親水性の増大をもたらすアミノ酸の欠失の 2またはそれ以上からなる請求項1に記載のDNA配列。 5.該置換または挿入アミノ酸がAsn、Asp、Arg、Gln、Glu、 Gly、His、Lys、Ser、およびThrから選ばれる請求項2〜4のい ずれかに記載のDNA配列。 6.親IgSFドメインがIgSFフラグメントの一部である請求項1〜5の いずれかに記載のDNA配列。 7.該ドメインまたはフラグメントが抗体由来である請求項1〜6のいずれか に記載のDNA配列。 8.該フラグメントがFabフラグメントである請求項7記載のDNA配列。 9.該フラグメントがFvフラグメントである請求項7記載のDNA配列。 10.該フラグメントがscFvフラグメントである請求項7記載のDNA配 列。 11.該フラグメントがドメイン間のジスルフィド結合により安定化している Fvである請求項7記載のDNA配列。 12.該インターフェース領域が、VLでは残基9、10、12、15、39 、40、41、80、81、83、103、105、106、106A、107 、108を、VHでは残基9、10、11、13、14、41、42、43、8 4、87、89、105、108、110、112、113を含む請求項9〜1 1のいずれかに記載のDNA配列。 13.1またはそれ以上のさらなる部分をコードする隣接配列を有する請求項 1〜12のいずれかに記載のDNA配列。 14.該さらなる部分の少なくとも一つが毒素、サイトカイン、またはレポー ター酵素である請求項13記載のDNA配列。 15.該さらなる部分の少なくとも一つが有機体の表面タンパク質の少なくと も部分である請求項13記載のDNA配列。 16.該有機体がフィラメント状バクテリオファージである請求項15記載の DNA配列。 17.表面タンパク質が遺伝子IIIタンパク質である請求項16記載のDNA 配列。 18.該さらなる部分の少なくとも一つが金属イオンと結合することができる 請求項13記載のDNA配列。 19.該さらなる部分の少なくとも1つが少なくともヒスチジン5個を含む請 求項18記載のDNA配列。 20.該部分がペプチドである請求項13記載のDNA配列。 21.該ペプチドが標識用タグである請求項20記載のDNA配列。 22.標識用タグがc−mycまたはFLAGである請求項21記載のDNA 配列。 23.該ペプチドが2またはそれ以上の抗体フラグメントの自己結合を生じる 結合ドメインを含む請求項20記載のDNA配列。 24.該結合ドメインがロイシンジッパーまたはヘリックス−ターン−ヘリッ クスモチーフから誘導される請求項23記載のDNA配列。 25.該ペプチドが第一ヘテロ結合ドメインと結合することができる第二ヘテ ロ結合ドメインを含む、1またはそれ以上の抗体フラグメントと1またはそれ以 上のペプチドまたはタンパク質とのヘテロ結合を生じる第一ドメインを含む請求 項20記載のDNA配列。 26.請求項1〜25のいずれかに記載のDNA配列を含むベクター。 27.請求項26記載のベクターを含む宿主細胞。 28.請求項1〜25のいずれかに記載のDNA配列、請求項26記載のベク ターによってコードされるか、または請求項27記載の宿主細胞によって生産さ れるIgSFドメインまたはフラグメントを含むIgSFドメインもしくはフラ グメントまたは融合タンパク質。 29.請求項28記載のIgSFドメインまたはフラグメントを含むIgSF ドメインもしくはフラグメントまたは融合タンパク質を含む診断的組成物。 30.請求項28記載のIgSFドメインまたはフラグメントを含むIgSF ドメインもしくはフラグメントまたは融合タンパク質を含む治療的組成物。 31.i)溶媒に暴露する親IgSFドメインのインターフェース領域の疎水 性残基を分析し、 ii)より親水性の残基で置換される1またはそれ以上の疎水性残基、または該イ ンターフェース領域の全体的親水性を増大させる親水性残基またはアミノ酸スト レッチを該インターフェース領域中に挿入することができる1またはそれ以上の 位置、、または該インターフェース領域の全体的疎水性を増大させる疎水性残基 またはアミノ酸ストレッチを該インターフェース領域中から欠失させることがで きる1またはそれ以上の位置、または親IgSFドメインの1またはそれ以上の 突然変異体をもたらす置換、挿入、および欠失のあらゆる組み合わせを同定する 工程を含む請求項1〜25のいずれかに記載のDNA配列を誘導する方法。 32.i)請求項31記載のDNA配列を誘導し、 ii)別個にかまたは混合物として製造される、該突然変異体または突然変異体( 複数)をコードするDNAを製造し、 iii)所望によりさらなるIgSFドメインまたはフラグメントを発現するのに 適した1またはそれ以上のさらなるDNA配列、または該突然変異体または突然 変異体(複数)を含む融合タンパク質を発現させるのに適した1またはそれ以上 のDNA配列、または該さらなるDNA配列のあらゆる組み合わせを含む、該突 然変異体または突然変異体(複数)を発現させるのに適したベクター系中に該D NAまたはDNA混合物を導入し、 iv)該ベクター系を適切な宿主細胞中に導入し、次いで該突然変異体または突然 変異体(複数)の混合物を発現するか、または該さらなるDNA配列の発現産物 と共に該突然変異体または突然変異体の混合物を発現し、 v)可溶性形で高収量で得られる単独または混合物の1またはそれ以上の突然変 異体を同定し、特徴づけ、 vi)必要により、さらに単独または混合物の該同定された突然変異体または突然 変異体(複数)の親水性を増大させるために工程ii)〜vi)を反復する工程を含 む請求項28記載のIgSFドメインまたはフラグメントを含むIgSFドメイ ンもしくはフラグメントまたは融合タンパク質の製造方法。 33.該宿主が細菌、真菌、植物、昆虫細胞、または哺乳動物起源の細胞系で ある請求項32に記載の方法。 34.請求項27記載の宿主細胞を培養し、該ドメインまたはフラグメントを 単離することを含む請求項28記載のIgSFドメインまたはフラグメントの製 造方法。
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