JP2000515853A - 放出制御用の加水分解可能なヒドロゲル - Google Patents

放出制御用の加水分解可能なヒドロゲル

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含んでなる生分解性ヒドロゲルに関する。より詳細には、本発明は加水分解可能な複数のスペーサーを介して互いに結合した2種の高分子網目(interPenetrating polymer network)よりなることを特徴とするヒドロゲルに関する。更に本発明は、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含む巨大分子、例えば重合体を、水溶液中で架橋させることを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法にも関連する。

Description

【発明の詳細な説明】 放出制御用の加水分解可能なヒドロゲル 技術分野 本発明は、放出挙動が良好に制御されているヒドロゲル、及び、該ヒドロゲル の製造方法に関する。 発明の背景 分子生物学とバイオテクノロジーの急速な発展により、薬学的に興味深い数多 くの物質の大量生産が可能になった。例えば、薬理活性を有するペプチドやタン パク質は、癌やウイルス性・細菌性・寄生生物性の数種類の疾病などの生命を脅 かす疾患の治療薬として、また糖尿病などの治療薬として、感染症予防のための ワクチンとして、あるいは避妊(anticonception)などの目的で、好適に用いる ことができる。特に、これらのタイプの薬物は特異な生物活性を有するために、 他のタイプの医薬品に比べて極めて有利である。 上記のような分子生物学とバイオテクノロジーの急速な発展を物語る数字を挙 げると、米国においては、バイオテクノロジーによって得られた約275種類の 物質が第四相臨床試験の段階(phase IVstudies)にあり、更に500種類以上 の物質が研究中である、と報告されている〔例えば、SoeterboekとVerheggen、P harm.Weekblad 130(1995)670−675を参照〕。 薬理学的な観点から非常に興味深いと考えられる(組換え)タンパク質の例と しては、インターロイキン類、インターフェロン類、腫瘍 壊死因子(TNF)などのサイトカインや、インスリン、ワクチン用のタンパク質 、及び成長ホルモンなどが挙げられる。 タンパク質や、ペプチドなどのタンパク質性物質(proteinaceous products) は、その性質上、経口投与が不可能である(なお、以下、タンパク質やタンパク 質性物質を「タンパク性薬物(protein drugs)」などと称する)。即ち、これ らの物質は、胃腸管における酸性環境下及びタンパク質分解酵素の存在下で急速 に分解する傾向にある。 またタンパク性薬物は、そのサイズが大きく、また、一般に極性を有するため 、多くの場合内皮や上皮の障壁(endothelial and epithelial barriers)を通 過できない。 これらの理由により、タンパク性薬物は、非経口投与、即ち注射による投与が 必要である。しかし、タンパク性薬物の薬物動態学的プロファイル(pharmacoki netical profile)によれば、タンパク性薬物をそのまま注射によって投与する 場合には、頻回投与が必要である。これは、タンパク質性の物質は血液循環系か ら数分以内に排除されることが知られているためである。 言い換えれば、タンパク性薬物は化学的及び/又は物理的に不安定で、一般的 に人体や動物の体内での半減期が短いので、タンパク性薬物によって望ましい治 療効果を得るためには、一日に複数回の注射による投与や連続的な注入による投 与が必要である。そのような投与方法が患者にとって不便なのは明らかである。 また、そのような投与方法では入院が必要な場合が多い上に、投与作業が煩雑で あるなどの欠点(logistic drawbacks)がある。 更に、少なくとも特定の種類のタンパク性薬物(例えば、現在癌の治療などに 用いられているサイトカイン類など)については、その治療効果は、それらの効 果的な送達(delivery)、例えば腫瘍内や肺瘍近傍(intra- or peritumoral) への送達、がなされるか否かに大きく依存している。このような場合、タンパク 性薬物は、それが奏効すべき部位に長時間にわたって送達されるべきである。 従って、タンパク性薬物の放出を制御する能力を有するデリバリーシステム( delivery systems)が必要である。当業界においては、高分子網目中にタンパク 質を取り込ませ(loaded)ておき、その網目中からタンパク質が徐々に放出され るようにしたデリバリーシステムが提案されている。 更に詳しくは、現在、高分子を用いたデリバリーシステムは、生分解性高分子 と非生分解性ヒドロゲルという2つの主要なタイプに分類できる。 タンパク質用デリバリーシステムとしては、ポリ乳酸(PLA)や乳酸とグリコ ール酸との共重合体(PGLA)等の生分解性ポリマーが屡々用いられる。 タンパク質は、種々の方法によって、薬物デリバリーシステム、例えばミクロ スフェア(microsphere)等に組み込むことができる。タンパク質の薬物デリバ リーシステムは、試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)のいずれにおい ても、通常二相性の放出プロファイルが観察される。即ち、まず初期のバースト (burst)が起き、続いて徐放(gradual release)が起こる。バーストは、ミク ロスフェア の表面又はその付近に存在するタンパク質性物質と、孔内に存在するタンパク質 性物質とによって起こる。また徐放は、タンパク質性物質のミクロスフェア母材 を通過しての拡散と、ミクロスフェア母材の分解に起因する。特に、高分子量の タンパク質については、ミクロスフェア母材中への拡散はごくわずかなので、タ ンパク質の放出はポリマー(ミクロスフェア母材)の分解に依存している。この ポリマーの分解は、(共)重合体の組成に影響を受け得る。PLAの分解速度を上 げるための手段として、PLAをグリコール酸と共重合させることがよく知られて いる。 生分解性ポリマーを用いたデリバリーシステムは興味深いものであるが、組み 込まれたタンパク質の放出を制御することが非常に困難である。そのため、上記 デリバリーシステムは、特にサイトカインやホルモン等の、治療領域の狭いタン パク質に適用することができない。更に、これらの生分解性ポリマーを用いたデ リバリーシステムにおいては、タンパク質をポリマーで被包(encapsulation) するために有機溶媒を使用しなければならない。一般に、タンパク質は有機溶媒 に触れると変性を起こし、タンパク質の生物活性が影響を受ける。更に、医薬品 の認可登録を行う際の、薬物中に存在する可能性のある微量の有害物質に関する 当局(registration authorities)の要求は非常に厳しいので、上記のような組 成を有するタンパク質の治療用薬物を、患者(ヒト)に対して用いることが認め られない恐れがある。 ヒドロゲルもまた、タンパク質やペプチドのデリバリーシステムとして屡々用 いられている。ヒドロゲルは、水溶性ポリマーを架橋させ、 大量の水を含有することができる三次元網目を形成させることによって得られる 。タンパク質をゲル中へ取り込ませる方法としては、架橋反応を行う前に、ポリ マー溶液にタンパク質を添加する方法や、予め調製したヒドロゲルをタンパク質 溶液に浸漬させる方法等を挙げることができる。よって、この方法においては、 ヒドロゲルにタンパク質分子を取り込ませるために、[タンパク質の変性を起こ す恐れのある(aggressive)]有機溶媒を使用する必要がない。 上記生分解性ポリマーの場合と異なり、ヒドロゲルを用いる場合、ヒドロゲル の特性、例えば、ゲルの含水率や架橋密度を変えることによって、タンパク質の ヒドロゲルからの放出を容易に制御・調節することができる。しかし、ヒドロゲ ルを用いたデリバリーシステムに関する現在の最大の欠点は、ヒドロゲルが生分 解性ではないということである。このため、空の(タンパク質放出後の)ヒドロ ゲルが体内に残ることによる合併症(屡々組織が傷つけられる)を防ぐために、 タンパク質が放出された後で、患者から外科手術によってゲルを取り除く必要が ある。 タンパク性薬物用デリバリーシステムの調製には、生分解性ヒドロゲルも用い られている。これらのシステムの一つとして、グリシジルメタクリレート(GMA )とデキストランとをカップリングして得られる(GMAを用いて誘導体化した) デキストラン(dex-GMA)の水溶液をラジカル重合反応に付すことによって得ら れる、架橋デキストランより成る系を挙げることができる。これについては、Va n Dijk-Wolthuis et al.,Macromolecules 28,(1995),6317-6322及びDe Smedt et al., Macromolecules 28,(1995),5082-5088を参照することができる。 この場合、架橋反応の前にGMAで誘導体化したデキストランの溶液にタンパク 質を加えておき、この状態で架橋反応を行うことにより、タンパク質をヒドロゲ ルで被包することができる。これらのヒドロゲルからのタンパク質の放出は、ゲ ルの架橋度と含水率に依存するので、これらを調節することによってヒドロゲル からのタンパク質放出の制御が可能であることが明らかである[Hennink et al. ,J.Contr.Rel.39,(1996),47-57を参照]。 架橋されたデキストランからなる上記のヒドロゲルは、生分解性であると考え られていたが、これらのヒドロゲルはむしろ生理的条件下でかなり安定である。 このことは実施例5でさらに詳細に説明する。とりわけグリシジルメタクリレー トを用いて誘導体化したデキストランを重合して得られるデキストランヒドロゲ ル(DS=4)の溶解時間は約100日であった。比較的高い置換度のデキストランヒ ドロゲルは、過酷な条件下でも70日間にわたって分解の兆候を示さなかった。 本発明の目的は、上記のような欠点を持たない、特に有機溶媒の使用を必要と せず、制御不可能な、好ましくないバースト効果(bursteffect)がなく、放出 挙動を良好に制御しうる(do not possess apoorly controllable release beha vior)、徐放性又は放出速度を制御可能なデリバリーシステムを提供することで ある。本発明は、2タイプの公知デリバリーシステムの長所を結び付ける、即ち 生理的条件下で化学的及び/又は酵素的に分解され(つまり生分解性であり)、 且つタンパク性薬物の放出を制御可能であるデリバリーシステムを 提供することを目的としている。 本発明は、特定の生分解性のヒドロゲルを含む、安全で、且つタンパク性薬物 の放出を容易に制御可能なデリバリーシステムを供給するものである。このデリ バリーシステムは、種々の疾病治療用タンパク性薬物の適用範囲を広げる。また これらの薬物に伴う危険性(放出プロファイルにおけるバースト等)や、患者の 不便さを減らすことができる上、本発明のヒドロゲルを用いた投薬治療は治療効 果が高い。 より詳細には、本発明は生理条件下で加水分解可能な複数の結合を含んでなる 生分解性のヒドロゲルに関する。本発明のヒドロゲルは、加水分解されやすく、 ヒト又は動物体内で分解されるスペーサーを含む。これまでに概説した通り、ヒ ドロゲルとは、架橋された親水性の巨大分子からなる、水で膨潤された3次元網 目と定義される。更に詳細には、本発明のヒドロゲルは、2つのポリマー鎖が複 数の加水分解性スペーサーを介して互いに結合して形成された高分子網目(inte rpenetrating polymer network)よりなる。通常ヒドロゲルは、20重量%から 99重量%を上回る量の水分を含む。 また本発明は、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含む高分子を、水 溶液中で架橋させることを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法に関する。 本発明によれば、その構造中に加水分解されやすいスペーサーが導入されてい れば、どのような種類の生分解性ヒドロゲルも使用できる。ヒドロゲルは、動物 又はヒトの体内に導入されると速やかに、或いは徐々に分解される。分解産物は 体内で代謝及び/または排出されうる ため、治療後取り除く必要がない。 該ヒドロゲルは、デキストラン又はデキストランの誘導体のような水溶性ポリ マーを含み、該水溶性ポリマーが他のポリマーとの間にリンカーを形成すること のできる複数の側鎖を有することが好ましく、また該水溶性ポリマーとしては、 側鎖を形成しうる複数のモノマー単位を含む、デンプンやその誘導体、ヒドロキ シエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導 体、ポリビニルピロリドン、タンパク質、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール 、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコー ル等及びそれらのコポリマーも使用できる。 本発明のヒドロゲルは、好ましくは、複数の架橋性メタクリル酸エステル単位 の重合によって形成された高分子を含む。他の架橋性単位としては、アクリル酸 エステル単位、ビニルエーテル単位、ビニルエステル単位、その他当業者により この目的で用いうることが知られている架橋性単位を挙げることができる。 これまでに述べた通り、本発明で用いられる水で膨潤するポリマー(ヒドロゲ ル)は、一般に、主鎖である水溶性の第1のポリマー鎖と、架橋性単位が重合し て形成された第2のポリマー鎖との2つのポリマー鎖が複数のスペーサーを介し て互いに結合して形成された高分子網目を包含してなり、このスペーサーに加水 分解されやすい単位が導入され、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含 む加水分解性スペーサーとなっている。このことにより、本発明のヒドロゲルは 加水分解可能となっている。該(主鎖である)第1のポリマー鎖とし て、加水分解されやすいモノマー単位を含有するポリマー鎖を使用することもで きる。しかし、加水分解性スペーサーのみによって互いに結合している(interc onnected head-to-tail)ポリマー鎖しか含まない(即ち上記の第2のポリマー 鎖を含まない)ヒドロゲルは、本発明には含まれない。本発明のヒドロゲルと違 って、加水分解性スペーサーのみによって互いに結合しているポリマー鎖のみを 含む、膨潤されうるポリマーを含むヒドロゲルにおいては、ゲルの架橋度はゲル の含水率と直接的な相関がある。これに対し、本発明のヒドロゲルのポリマー系 では、ゲルの含水率及び/または架橋度を独立に調節することにより、化合物の 放出を制御することが可能である。 本発明のヒドロゲルは、加水分解されやすい単位として、加水分解性乳酸エス テル結合、加水分解性炭酸エステル結合を含むことが好ましい。例えば、(ポリ )グリコール酸及び/又は(ポリ)乳酸残基を、ポリマーの主鎖と該ポリマーの 架橋性単位の間に導入することにより、これらの結合により、ヒドロゲルを結合 することができる。「(ポリ)グリコール酸」という用語は、グリコール酸、グ リコール酸二量体及びグリコール酸オリゴマーを意味する。「(ポリ)乳酸」と いう用語は、乳酸、乳酸二量体及び乳酸オリゴマーを意味する。加水分解されや すい単位の他の例として、カルボン酸エステル結合、ウレタン結合、無水物結合 、ヘミアセタール結合、アミド(ペプチド)結合がある。 本発明の最も好ましい態様においては、(ポリ)グリコール酸及び/または( ポリ)乳酸のスペーサーを、重合可能なメタクリル酸エス テル基とデキストランの間に導入する。このような原料を用いて形成されたヒド ロゲルが生理的環境に導入されると、該ヒドロゲルは生体内で分解され、分解産 物として、デキストラン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、乳 酸及び/またはグリコール酸が生ずる。乳酸及びグリコール酸は内因性物質であ る。デキストランは血漿増量剤として長年使用されている無害なポリマーであり 、その分子量にもよるが腎臓において血中から除去される。PHEMAはよく知られ た生体適合性のあるポリマーで、これも腎臓において血中から除去される。 本発明のヒドロゲルは、以下のようにして調製することが好ましい。即ち、ま ず、少なくとも1つの架橋性単位及び少なくとも1つの加水分解されやすい単位 を含むスペーサーを合成し、そのスペーサーを水溶性のポリマーに結合させ、そ して、好ましくは遊離させるべき化合物の存在下で、得られたポリマーを架橋す ることにより、本発明のヒドロゲルを調製することができる。 スキーム1のステップa及びbに示すように、本発明において、スペーサーは 、1つまたはそれ以上のラクチド及び/またはグリコリド(glycolide)単位と 結合させた、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)由来の基を含有していること が好ましい。より詳細には、HEMAを開始剤として、アルミニウムアルコキサイド を触媒として用い、トルエン中でラクチドを溶液重合させる、または、HEMAを開 始剤として、オクタン酸スズ(II)(stannous octoate)を触媒として用い、ラ クチドを塊状重合させることにより、末端にHEMAが結合したポリ乳酸 プレポリマーを合成することができる。HEMAとラクチドの量比を変えることによ り、乳酸ブロックの分子量が異なるポリ乳酸プレポリマーを合成することができ る。末端にHEMAが結合したグリコール酸プレポリマーや、末端にHEMAが結合した グリコール酸−乳酸混合プレポリマー(HEMA terminated copolymers of glycoli c acid and of glycolic acid-co-lactic acid)も同様に合成することができる 。プレポリマーは、公知の技術、例えばMMRスペクトルやIRスペクトル、示差熱 量測定(DSC)及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などにより特徴付けるこ とができる。 末端にHEMAが結合したポリ乳酸及び/又はグリコール酸プレポリマーをデキス トランとカップリングさせるためには、HEMA末端のヒドロキシル基を活性化しな ければならない。HEMAのデキストランへのカップリングは、カルボニルジイミダ ゾール(CDI)をカップリング剤として用いて行うことが好ましいが、他の活性 化手段を用いることもできる。例えば、末端にHEMAが結合したポリ乳酸プレポリ マーの水酸基をコハク酸無水物と反応させ、次いで生じたカルボキシル基を、常 法、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いて活性化する方法 である。加水分解されやすいエステル結合のみを有するデキストラン誘導体は後 者の方法で得られる。このようなデキストラン誘導体は、エステル結合とカーボ ネート結合の双方を有する、CDI法で合成されたデキストラン誘導体とは、分解 される際の特性が異なっている。 次いで、末端にHEMAが結合したポリ乳酸及び/又はグリコール酸 プレポリマーの活性化体を、適切な非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキ シド(DMSO)中で、触媒、例えばN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下 でデキストランと結合させる。置換度(デキストラン中のグルコース単位100 モル当たりの、メタクリレート基含有プレポリマーのモル数)は、反応混合物中 のHEMA含有プレポリマーに対するデキストランの比で調節することができる。 その後、HEMA−プレポリマーを結合させたデキストランの水溶液を、例えば第 三級アミン及び過硫酸塩からなる既知の開始剤系を用いるラジカル重合反応に付 すことにより(例えば、上記Van Dijk-Wolthuisら著“Macromolecules”28及びH enninkら著“J.Contr.Rel.”39を参照)、これらの置換ポリマーからヒドロゲ ルを調製することができる。また、重合はガンマ線照射によって行っても良く、 その場合開始剤及び/又は触媒の残さをヒドロゲルから抽出する必要がない点で 有利である。 本発明のヒドロゲル系はタンパク性薬物の放出速度を容易に調節することがで きるので、タンパク性薬物の利用可能性を大きく広げることができる。特に、免 疫系が関係する種々の疾患の治療において有用な、治療領域の狭い生物学的反応 調節剤において、このことは極めて重要である。 置換度(主ポリマーである水溶性ポリマー中の残基100個当たりの、加水分解 性スペーサーを含む架橋性側鎖の数;1H-NMRで測定)が上昇すると、網目の架橋 度が高まる。その結果、ゲルの膨潤速度は低下し、ゲルの溶解時間は増加する。 本発明のヒドロゲルは、溶解時間が1日未満から約3ヶ月、或いはそれ以上と なるように調節することができる。溶解時間の調節は、例えば、架橋処理に付す ポリマー水溶液の初期含水率及び置換度(DS)を変化させることにより行うこと ができる。初期含水率が例えば85重量%以上であるような、初期含水率の高い ポリマー水溶液を用いて調製したヒドロゲルは、架橋反応の大半が分子内(同一 ポリマー鎖内)で起こり、その結果架橋の大半が分子内架橋である。これに対し 、ポリマー水溶液の初期含水率が低下するにつれて、分子間架橋の割合が増して いく。置換度が同じである場合、分子間架橋の割合の低いヒドロゲルは、より早 く溶解する。 薬物は、薬剤含有溶液における平衡を利用してヒドロゲルに取り込ませること もでき(例えば、Kimら著、“Pharm”9(3)(1992年)283−290頁参照)、また、 ヒドロゲルの調製中に薬物を混合させることによりヒドロゲルに取り込ませるこ ともできる(例えば、Hellerら著、“Biomaterials”4(1983年)262−266頁参 照)。 しかし、平衡を利用して薬物をヒドロゲルに取り込ませる場合、通常はデリバ リーシステム中の薬物量はやや低くなる。これは、薬物が巨大分子である場合に 特によく起こることである。巨大分子よりもヒドロゲルの孔径のほうが大きくな いと、巨大分子はヒドロゲルの外部表面にのみ吸着してしまい、バーストの原因 となる。 従って、薬物は重合中か架橋中にヒドロゲル中に取り込ませるのが好ましい。 ミタロスフェア懸濁液の調製は容易であり、また注射も容易に行え るので、ヒドロゲルは一般に種々の孔径を有するミクロスフェアとして利用され る。ミクロスフェアの調製は、例えば次のようにして行うことができる。即ち、 HEMAを用いて誘導体化したデキストランを水に溶かし、次いで得られた溶液を、 油相(シリコンオイルなど)中に添加して油中水型乳濁液とし、これに適当な開 始剤を添加してメタクリル酸エステル基を重合させることにより、安定なミクロ スフェアを得ることができる。 本発明の生分解性ヒドロゲル中からの薬物の放出は、ヒドロゲルが加水分解さ れる際に起こる(ある程度は、タンパク質がヒドロゲル中を拡散することによっ て起こる)。実際、ヒドロゲルの加水分解時の挙動と、ヒドロゲル系中の化合物 が放出されるまでの時間は、一方を調節するとこれに伴って他方も調節される関 係にあり、そのため薬物の放出は一次放出(薬物の放出がヒドロゲルの分解によ る制御を全く受けない)とゼロ次放出(薬物の放出が完全にヒドロゲルの分解に よって制御されている)までの間のいかなる状態でも起こりうる(これについて は実施例6を参照)。このような点で、本発明のヒドロゲルは、生理的条件下で 加水分解されない、安定なヒドロゲル(例えば公知のデキストラン−GMAヒドロ ゲル系)や、一方向にのみ伸長したポリマーよりなるヒドロゲル系に比べ明らか に優れている。 タンパク性薬物は、安定なヒドロゲルからは一次速度論的に(following firs t order kinetics)(放出タンパク量が時間の平方根に比例する)放出される。 しかし本発明のヒドロゲルでは、タンパク性薬物の放出挙動はよりゼロ次放出( 放出タンパク量が時間に比例 する)に近い。薬物の放出中にヒドロゲルの分解が起こっていれば、ヒドロゲル 中のタンパク性薬物の拡散係数は増加し、その結果薬物の放出はより一定に近い ものとなる。 既に述べた通り、本発明のヒドロゲル系は、被包されたタンパク質の放出プロ ファイルが適切なものとなるよう調節することができる。より詳細には、ヒドロ ゲルの初期含水率、置換度及びスペーサー中の加水分解可能な基の数と長さの変 更、並びに加水分解性スペーサーの選択により、ヒドロゲルの分解速度を調節す ることができる。 グリコール酸を含むスペーサーは、乳酸を含むスペーサーに比べ加水分解され やすいことが判明した。従って、ヒドロゲルにグリコール酸を含むスペーサーが 含まれていれば、乳酸を含むスペーサーが含まれている場合に比べヒドロゲルの 分解は早くなる。 ヒドロゲルの含水率と、ヒドロゲルを構成する高分子の置換度の影響は、後述 の実施例において詳細に説明する。 また、薬物の放出速度は、ヒドロゲルの粒子径にも影響される。ヒドロゲルの 粒子径は、ミクロスフェアを調製する際の攪拌速度、外相(external phase)の 粘度などを変えることにより調節することができる。 放出速度は、水溶性ポリマーの鎖長に少なくとも高度に依存してはいない。こ のことは、加水分解可能な基がポリマー(分岐せず一方向にのみ伸長したポリマ ー)の主鎖中のみに存在するようなヒドロゲル系とは逆の関係にある。 前述のように、放出可能な化合物としてはタンパク性薬剤を挙げる ことができるが、例えばリポソーム、イスコム(iscoms)、ポリ乳酸粒子、ポリ カプロラクタム粒子および当業者にとって公知の遺伝子デリバリーシステム等の ような、薬物(pharmacon)を含むナノ粒子(nanoparticle)を被包することも 可能である。上記ナノ粒子の被包は、被包された化合物の速すぎる放出をより確 実に防止することができる[即ちバースト効果(burst-effect)をより確実に回 避することができる]という利点がある。 薬物を取り込ませた本発明のヒドロゲル系の例としては、サイトカインの一種 であるインターロイキン−2(IL-2)を含有するヒドロゲルを挙げることができ る。IL-2は、例えば特定の癌の治療に用いることができるタンパク性薬剤である 。 癌の治療においてIL-2を有効に作用させるためには、腫瘍の成長部位にIL-2を 長時間にわたって存在させる必要がある。これは、高用量のIL-2を、ボラス注射 (bolus injections)により静脈内に頻回投与する(例えば、Rosenberget al. ,JAMA,271,(1994),907-913参照)、IL-2を長時間にわたって連続的に注入す る(例えば、West et al.,N.Engl.J.Med.,316,(1987),898-905参照)、 あるいは腫瘍の内部または近傍に、低用量のIL-2を頻回投与する(例えば、Den Otter et al.,Anticancer Res.,13,(1993),2453-2455参照)ことにより達成 することができる。 静脈投与を行う場合の主な欠点として、腫瘍の成長部位におけるIL-2レベルを 充分に高いものとするためには、著しい毒性を示すような高用量のIL-2を静脈に 投与しなければならない点が挙げられる。 これに対し、デン・オッターら(Den Otter et al.)によって開発された、IL -2を腫瘍の内部または近傍に投与するアプローチでは、実際に各種の移植した腫 瘍および自然発生した腫瘍に対して充分に有効であり、且つ毒性も示さないこと が判明した。 しかしながら、このような治療を癌患者に適用する場合、腫瘍の内部または近 傍にIL-2を1〜2週間内に5〜10回も注射しなければならないという重大な問 題がある。数多くのタイプの癌(肺癌、膀胱癌および胃癌を含む)の患者にとっ て、この負担は許容し難いものである。極めて効果的な、低用量のIL-2による局 所的な治療を、ヒトの癌に対して臨床的に応用しようとする最初の試みにおいて 既に、IL-2の患部への送達に関する前記の問題に直面していた。本発明の徐方性 デリバリーシステムは、IL-2による局所的免疫療法の利用を可能にする。 生体内(in vivo)での適用では、通常、0.5ml中に105I.U.までのIL-2を含有 し、そのIL-2が5日間にわたって放出される(すなわち、1日当たり 2×104I. U.のIL-2が放出される)ようなヒドロゲル(ミクロスフェア)懸濁液を用いる。 タンパク質の放出量は、高感度な定量・検出法(HPLC、ELISAアッセイなど)に より測定することができる。また、IL-2依存性のCTLL細胞株を用いる増殖試験( proliferation assay)により、放出されたIL-2が生物活性を有するか否か、ま たその生物活性がどの程度であるか(すなわち、IL-2の比活性が、上記の化学的 処置によってどのような影響を受けるか)を調べることができる。 次に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定さ れるものではない。 実施例 デキストランヒドロゲルを得るためには、まず加水分解性メタクリレート基を デキストランに導入する。以下の全ての反応において、デキストランはFluka社 製デキストラン(T-40、Mn=15,000、Mw=32,000g/mol)を用いた。メタクリル酸 エステルがスペーサーを介してデキストランに結合している4種の異なるデキス トラン誘導体を合成した(実施例1〜4)。これらのスペーサーは、いずれも加 水分解性化学結合(炭酸またはカルボン酸のエステル)を含んでいる。これらの デキストラン誘導体を用いて製造したヒドロゲルの分解時の挙動を、グリシジル メタクリレートを用いて誘導体化したデキストラン(dex-GMA)を用いて調製し たデキストランヒドロゲルの場合と比較した。この参照化合物においては、メタ クリル酸がデキストランの水酸基と直接カップリングしてエステルとなっている 。この参照化合物の分解は極めて遅い。 実施例1:ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を用いて誘導体化したデキ ストラン(dex−HEMA)の合成 カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて活性化させたHEMA(HEMA-CI)をデ キストランとカップリングさせることにより、dex-HEMAを合成した。 CDI(1.62g;10mmol)を約10mlの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、得 られた溶液を、HEMA(1.30g;10mmol)を5mlの無水THFに溶解した溶液に添加し た。この混合物を室温で16時間攪拌した 後、溶媒を留去して、粗生成物を淡黄色液体として得た(収量2.93g)。この粗 生成物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄してイミダゾールと未反応HEMAを除去し 、無水MgSO4を用いて乾燥した後濾過し、溶媒を留去して、CDIで活性化されたHE MA(HEMA-CI)をほぼ純粋な状態で得た。このものの構造はNMR及びIRスペクトル により確認した。 種々の量(0.73、1.49及び2.19g;純度96%)のHEMA-CIを、デキストラン(10g 、グルコース単位として62mmol)及びN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP;2g、 16.4mmol)を無水ジメチルスルホキシド(DMSO)90mlに溶解した溶液に加え、室 温で4日間攪拌した後、約2mlの濃塩酸を添加して反応を停止した。反応混合物 を水に対して4℃で3日間透析した後、凍結乾燥してdex-HEMAを白色綿状(fluf fy)物質として得た(収率>90%)。HEMAによる置換度はNMRスペクトルにより 求められ、前述のHEMA-CI使用量に対しそれぞれ4、9及び13であった。 実施例2:HEMA及びコハク酸(SA)のヘミエステルを用いて誘導体化したデキス トラン(dex-SA-HEMA)の合成 以下に述べる方法で、dex-SA-HEMAを合成した。 SA(2.00g,20mmol)、HEMA(2.6g;20mmol)、トリエチルアミン(TEA;0.28ml 、2mmol)及びヒドロキノン(重合阻害剤、±10mg)を約30mlの無水THFに溶解 し、得られた溶液を45℃で2日間攪拌した後、溶媒を留去して、黄色液体を得 た(収量4.88g)。生成物であるHEMA-SAの構造は、NMR及びIRスペクトルにより 確認された。 HEMA-SA[0.99g(純度94%)、4mmol]及びジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC;0.83g、4mmol)を無水DMSO約20mlに溶解した。15分後、沈殿[ジシクロ ヘキシル尿素(DSU)]が生じた。この混合物を、デキストラン(2.57g、グルコ ース単位として16mmol)及びTEA(0.56ml、4mmol)を無水DMSO 20mlに溶解した 溶液に加え、室温で3日間攪拌した後、濃塩酸3滴を添加して反応を停止した。 反応混合物を濾過してDCUを除去し、濾液を水に対して4℃で3日間透析した後 、凍結乾燥して白色綿状(fluffy)物質を得た(収量2.78g)。NMRスペクトルに より求めた置換度は3であった。 実施例3:HEMA及びオリゴラクチド(HEMA-oligolactlde)を用いて誘導体化し たデキストラン(dex-lactate-HEMA)の合成 以下に述べる方法で、dex-Iactate-HEMAを合成した。この方法は、次のスキー ム1に示す3段階に分けることができる。 <スキーム1> a.乳酸をHEMAとカップリングさせ、HEMA-lactateを得る。 b.CDIを用いてHEMA-lactateを活性化させ、HEMA-lactate-CIを得る。 c.HEMA-lactate-CIをデキストランとカップリングさせる。 L-ラクチド(4.32g;30mmol)とHEMA(3.90g;30mmol)の混合物を110℃まで加熱 した後、約0.5mlのトルエンに溶解した触媒量の オクタン酸スズ(II)(stannous octoate)(SnOct2、121.5mg;0.3mmol)を添 加し、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、THFに溶解し、得ら れた溶液を水(180ml)中に滴下した。このとき生じた沈殿(ペレット)を遠心 分離により集めて酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル不溶性の固形物を遠心分離 により除去した。その後、MgSO4を用いて乾燥した後濾過し、溶媒を留去して粘 稠な油状物質(3.74g、収率45%)を得た。生成物であるHEMA-lactateの構造は 、NMR及びIRスペクトルにより確認された。 HEMA-lactate(3.74g;10.8mmol)を、CDI(1.76g;10.8mmol)をTHFに溶解した 溶液に添加した。この混合物を室温で16時間攪拌した後、溶媒を減圧下で留去 して、粘稠な油状物質を得た。以降の工程では、このHEMA-lactate-CI及びイミ ダゾールを主成分とする(NMRスペクトルにより確認)生成物を、これ以上精製 せずに用いた。 種々の量(1.61、3.23及び4.84g;純度80%)のHEMA-lactate-CIを、デキスト ラン(10g、グルコース単位として62mmol)及びDMAP(2g、10.6mmol)を含む溶 液に加え、室温で4日間攪拌した後、約2mlの濃塩酸を添加して反応を停止した 。反応混合物を水に対して2日間透析した後、凍結乾燥して白色綿状(fluffy) 物質として得た(収率85%前後)。置換度はNMRスペクトルにより求められ、 前述のHEMA-lactate-CI使用量に対しそれぞれ3、6及び10であった。 第一段階の反応においてHEMAとラタチドのモル比を変更する以外は上記の方法 と同様の方法を繰り返すことにより、乳酸エステルスペーサーの長さを変えるこ とが可能である。 実施例4:HEMA及びグリコリドを用いて誘導体化したデキストラン(dex-glycol ide-HEMA)の合成 ラクチドをグリコリドに変更する以外は実施例3と同様の方法を繰り返すこと により、dex-glycolide-HEMAを合成した。 比較例1:グリシジルメタクリレートを用いて誘導体化したデキストラン(dex- GMA)の調製 Macromolecules,28,(1995),6317-6322(Van Dijk Wolthuisら)に記載の方 法に従い、dex-GMAを調製した。このものを再検討したところ、メタクリル酸が デキストランの水酸基と直接カップリングしてエステルとなっている(従ってグ リセリルスペーサーは存在しない)ことが判明した。 実施例5:デキストランヒドロゲルの調製 メタクリル酸と結合させたデキストラン(実施例1〜4及び比較例1で調製し たもの)の水溶液をラジカル重合反応に付すことにより、ヒドロゲルを得た。 メタクリル酸と結合させたデキストラン100mgを、760μlのPBS緩衝液(10 mmolリン酸、0.9%NaCl及び0.02%NaN3含有、pH7.2)に溶解し、得られた溶液1g に対しペルオキシニ硫酸カリウム(KPS)を上記PBS緩衝液に溶解した溶液( 濃度:50mg/ml)を90μl添加してよく攪拌した。 次いで、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の水溶液(20 v/ v%、pH7に調整)を50μl添加し、得られた混合物をすばやくエッペンドルフ チューブに移し、室温で1時間重合させて、重合後の初期含水率90%のヒドロゲ ルを得た。 得られたゲルをチューブから取り出して秤量した後、上記PBS緩衝液中37℃ でインキュベートした。 ゲルの重量を定期的に測定し、その重量から膨潤度を求めた[膨潤度=Wt/Wo(Wt は時間tにおけるゲルの重量、Woはゲルの初期重量を表わす)]。またヒドロ ゲル分解(溶解)時間は、膨潤度(またはWt)が0となるまでに要した時間を表 わす。 図1は、3種の異なるデキストランヒドロゲル(初期含水率90%)の膨潤時 の挙動を示すグラフである。 dex-GMA(DS=4)の膨潤度は、3日間で平衡膨潤度に達し、その後ゲルの重量 は一定であった。このことは、dex-GMAにおいてはメタクリル酸エステルの加水 分解がほとんど起こらなかったことを示している。 dex-HEMA及びdex-lactate-HEMAについては、これらのゲルが完全に溶解するま では、時間と共に膨潤度が上昇した。このことは、これらのヒドロゲル系におい ては、炭酸エステル(dex-HEMA及びdex-lactate-HEMA)及び/または乳酸エステ ル(dex-lactate-HEMA)の加水分解が起こったことを示している。 図2は、種々の置換度を有するdex-lactate-HEMAヒドロゲル(初期含水率92 %)の膨潤時の挙動を示すグラフである。図から明らかな通 り、置換度が増加すると溶解時間が長くなることがわかる。 図3は、種々の初期含水率及び一定の置換度(6)を有するdex-lactate-HEMA ヒドロゲルの膨潤時の挙動を示すグラフである。初期含水率の増加に伴い、溶解 時間が長くなることがわかる。 図4は、種々の初期含水率を有するdex-SA-HEMAヒドロゲル(DS=3)の膨潤時 の挙動を示している。 下記の表は、各種デキストランヒドロゲルの溶解時間の概要を示している。 dex−lactate−HEMAゲルの溶解時間(日) 初期含水率 DS 10 DS 6 DS 2.5 90% 8〜13 4 1〜2 80% 16 7〜18 3〜9 70% 22 10〜19 6〜10 dex−HEMAゲルの溶解時間(日) 初期含水率 DS 8 DS 17 DS 20 92% 25 42 55 80% 53 100 ND 67% 70 >100 ND dex−HEMA−SAゲルの溶解時間(日) 初期含水率 DS 3 80% 15 74% 23〜28 60% 44 GMAを用いて誘導体化したデキストランを重合することによって得られたデキ ストランヒドロゲル(初期含水率:92%、DS=4)の溶解時間は、(pH7.2、37℃ で)約100日であった。GMAを用いて誘導体化したデキストランを重合することに よって得られたヒドロゲル(初期含水率:80%、DS=11)は、過酷な条件下(37 ℃、pH1及び12)においても、分解の兆候(膨潤度の上昇)は70日間にわたって 見られなかった。 実施例6:分解性デキストランヒドロゲルからのタンパク質の放出 非分解性de x-GMAヒドロゲルからの放出について、詳細に研究した。その結果、タンパク質 の直径がヒドロゲルのメッシュサイズ(meshslze)より小さい場合には、タンパ タ質放出を自由体積の理論によって効果的に説明しうることが分かった。この場 合、放出されたタンパク質の累積量は、時間の平方根に比例した[W.E.Hennlnk ,“デキストランヒドロゲルからのタンパク質放出制御(Controlled release o f proteins from dextran hydrogels)”,Journal of Controlled Release,39 ,(1996),47-55]。 図5は、分解性デキストランヒドロゲル(dex-lactate-HEMA、DS2.5)からの モデルタンパク質(IgG)の放出の様子を示す。非分解性デキストランヒドロゲ ルからのタンパク質の放出は一次放出であることが観察されるのに対し、IgGの これら分解性ゲルからの放出はゼロ次である(即ち、タンパク質の累積放出量が 時間に比例する)。
【手続補正書】 【提出日】平成11年6月15日(1999.6.15) 【補正内容】 (1)「請求の範囲」を別紙の通り補正する。 (2)明細書第25頁、第4行目の記載「長くなる」を「短くなる」に補正する 。 (3)図3を添付のものに差し替える。 別紙 請求の範囲 1.主鎖である少なくとも1つの第1のポリマー鎖と、架橋性単位が重合して形 成された少なくとも1つの第2のポリマー鎖が、複数のスペーサーを介して互い に結合して形成された高分子網目を包含してなり、該スペーサーの各々が 生理的 条件下で加水分解可能な結合を含んでなる生分解性ヒドロゲル。 .デキストランの架橋体、またはデキストラン誘導体の架橋体を含むことを特 徴とする、請求項1に記載のヒドロゲル。 .複数の架橋性メタクリル酸エステル単位の重合によって形成された高分子を 含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のヒドロゲル。 .乳酸エステル結合、炭酸エステル結合、コハク酸エステル結合及びエチレン グリコール結合よりなる群より選ばれる、少なくとも1種の加水分解性結合を含 むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロゲル。巨大分子鎖及び架橋性単位を含み、該巨大分子鎖と各々の該架橋性単位の間 生理的条件下で加水分解可能な結台を含む巨大分子を、水溶液中で架橋させる ことを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法。6.該巨大分子が、デキストランの架橋体、またはデキストラン誘導体の架橋体 を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。 .該結合が、乳酸、グリコール酸、コハク酸及びエチレングリコールよりなる 群より選ばれる少なくとも1種の物質に由来する結合であることを特徴とする、請求項5または6 に記載の方法。 8.タンパク性薬物の存在下で該巨大分子の架橋を行うことを特徴とする、請求 項6または7に記載の方法 【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含んでなる生分解性ヒドロゲル 。 2.加水分解可能な複数のスペーサーを介して互いに結合した2種の高分子網目 よりなることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロゲル。 3.デキストランの架橋体、またはデキストラン誘導体の架橋体を含むことを特 徴とする、請求項1または2に記載のヒドロゲル。 4.複数の架橋性メタクリル酸エステル単位の重合によって形成された高分子を 含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロゲル。 5.乳酸エステル結合、炭酸エステル結合、コハク酸エステル結合及びエチレン グリコール結合よりなる群より選ばれる少なくとも1種の加水分解性結合を含む ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロゲル。 6.生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含む巨大分子を、水溶液中で架 橋させることを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法。 7.該結合が、乳酸、グリコール酸、コハク酸及びエチレングリコー ルよりなる群より選ばれる少なくとも1種の物質に由来する結合であることを特 徴とする、請求項6に記載の方法。 8.タンパク性薬物の存在下で該巨大分子の架橋を行うことを特徴とする、請求 項6または7に記載の方法
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