JP4625548B2 - 放出制御用の加水分解可能なヒドロゲル - Google Patents

放出制御用の加水分解可能なヒドロゲル Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、放出挙動が良好に制御されているヒドロゲル、及び、該ヒドロゲルの製造方法に関する。
発明の背景
分子生物学とバイオテクノロジーの急速な発展により、薬学的に興味深い数多くの物質の大量生産が可能になった。例えば、薬理活性を有するペプチドやタンパク質は、癌やウイルス性・細菌性・寄生生物性の数種類の疾病などの生命を脅かす疾患の治療薬として、また糖尿病などの治療薬として、感染症予防のためのワクチンとして、あるいは避妊(anticonception)などの目的で、好適に用いることができる。特に、これらのタイプの薬物は特異な生物活性を有するために、他のタイプの医薬品に比べて極めて有利である。
上記のような分子生物学とバイオテクノロジーの急速な発展を物語る数字を挙げると、米国においては、バイオテクノロジーによって得られた約275種類の物質が第四相臨床試験の段階(phase IV studies)にあり、更に500種類以上の物質が研究中である、と報告されている〔例えば、SoeterboekとVerheggen、Pharm. Weekblad 130(1995)670−675を参照〕。
薬理学的な観点から非常に興味深いと考えられる(組換え)タンパク質の例としては、インターロイキン類、インターフェロン類、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカインや、インスリン、ワクチン用のタンパク質、及び成長ホルモンなどが挙げられる。
タンパク質や、ペプチドなどのタンパク質性物質(proteinaceous products)は、その性質上、経口投与が不可能である(なお、以下、タンパク質やタンパク質性物質を「タンパク性薬物(protein drugs)」などと称する)。即ち、これらの物質は、胃腸管における酸性環境下及びタンパク質分解酵素の存在下で急速に分解する傾向にある。
またタンパク性薬物は、そのサイズが大きく、また、一般に極性を有するため、多くの場合内皮や上皮の障壁(endothelial and epithelial barriers)を通過できない。
これらの理由により、タンパク性薬物は、非経口投与、即ち注射による投与が必要である。しかし、タンパク性薬物の薬物動態学的プロファイル(pharmacokinetical profile)によれば、タンパク性薬物をそのまま注射によって投与する場合には、頻回投与が必要である。これは、タンパク質性の物質は血液循環系から数分以内に排除されることが知られているためである。
言い換えれば、タンパク性薬物は化学的及び/又は物理的に不安定で、一般的に人体や動物の体内での半減期が短いので、タンパク性薬物によって望ましい治療効果を得るためには、一日に複数回の注射による投与や連続的な注入による投与が必要である。そのような投与方法が患者にとって不便なのは明らかである。また、そのような投与方法では入院が必要な場合が多い上に、投与作業が煩雑であるなどの欠点(logistic drawbacks)がある。
更に、少なくとも特定の種類のタンパク性薬物(例えば、現在癌の治療などに用いられているサイトカイン類など)については、その治療効果は、それらの効果的な送達(delivery)、例えば腫瘍内や腫瘍近傍(intra- or peritumoral)への送達、がなされるか否かに大きく依存している。このような場合、タンパク性薬物は、それが奏効すべき部位に長時間にわたって送達されるべきである。
従って、タンパク性薬物の放出を制御する能力を有するデリバリーシステム(delivery systems)が必要である。当業界においては、高分子網目中にタンパク質を取り込ませ(loaded)ておき、その網目中からタンパク質が徐々に放出されるようにしたデリバリーシステムが提案されている。
更に詳しくは、現在、高分子を用いたデリバリーシステムは、生分解性高分子と非生分解性ヒドロゲルという2つの主要なタイプに分類できる。
タンパク質用デリバリーシステムとしては、ポリ乳酸(PLA)や乳酸とグリコール酸との共重合体(PGLA)等の生分解性ポリマーが屡々用いられる。
タンパク質は、種々の方法によって、薬物デリバリーシステム、例えばミクロスフェア(microsphere)等に組み込むことができる。タンパク質の薬物デリバリーシステムは、試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)のいずれにおいても、通常二相性の放出プロファイルが観察される。即ち、まず初期のバースト(burst)が起き、続いて徐放(gradual release)が起こる。バーストは、ミクロスフェアの表面又はその付近に存在するタンパク質性物質と、孔内に存在するタンパク質性物質とによって起こる。また徐放は、タンパク質性物質のミクロスフェア母材を通過しての拡散と、ミクロスフェア母材の分解に起因する。特に、高分子量のタンパク質については、ミクロスフェア母材中への拡散はごくわずかなので、タンパク質の放出はポリマー(ミクロスフェア母材)の分解に依存している。このポリマーの分解は、(共)重合体の組成に影響を受け得る。PLAの分解速度を上げるための手段として、PLAをグリコール酸と共重合させることがよく知られている。
生分解性ポリマーを用いたデリバリーシステムは興味深いものであるが、組み込まれたタンパク質の放出を制御することが非常に困難である。そのため、上記デリバリーシステムは、特にサイトカインやホルモン等の、治療領域の狭いタンパク質に適用することができない。更に、これらの生分解性ポリマーを用いたデリバリーシステムにおいては、タンパク質をポリマーで被包(encapsulation)するために有機溶媒を使用しなければならない。一般に、タンパク質は有機溶媒に触れると変性を起こし、タンパク質の生物活性が影響を受ける。更に、医薬品の認可登録を行う際の、薬物中に存在する可能性のある微量の有害物質に関する当局(registration authorities)の要求は非常に厳しいので、上記のような組成を有するタンパク質の治療用薬物を、患者(ヒト)に対して用いることが認められない恐れがある。
ヒドロゲルもまた、タンパク質やペプチドのデリバリーシステムとして屡々用いられている。ヒドロゲルは、水溶性ポリマーを架橋させ、大量の水を含有することができる三次元網目を形成させることによって得られる。タンパク質をゲル中へ取り込ませる方法としては、架橋反応を行う前に、ポリマー溶液にタンパク質を添加する方法や、予め調製したヒドロゲルをタンパク質溶液に浸漬させる方法等を挙げることができる。よって、この方法においては、ヒドロゲルにタンパク質分子を取り込ませるために、[タンパク質の変性を起こす恐れのある(aggressive)]有機溶媒を使用する必要がない。
上記生分解性ポリマーの場合と異なり、ヒドロゲルを用いる場合、ヒドロゲルの特性、例えば、ゲルの含水率や架橋密度を変えることによって、タンパク質のヒドロゲルからの放出を容易に制御・調節することができる。しかし、ヒドロゲルを用いたデリバリーシステムに関する現在の最大の欠点は、ヒドロゲルが生分解性ではないということである。このため、空の(タンパク質放出後の)ヒドロゲルが体内に残ることによる合併症(屡々組織が傷つけられる)を防ぐために、タンパク質が放出された後で、患者から外科手術によってゲルを取り除く必要がある。
タンパク性薬物用デリバリーシステムの調製には、生分解性ヒドロゲルも用いられている。これらのシステムの一つとして、グリシジルメタクリレート(GMA)とデキストランとをカップリングして得られる(GMAを用いて誘導体化した)デキストラン(dex-GMA)の水溶液をラジカル重合反応に付すことによって得られる、架橋デキストランより成る系を挙げることができる。これについては、Van Dijk-Wolthuis et al., Macromolecules 28,(1995), 6317-6322及びDe Smedt et al., Macromolecules 28,(1995), 5082-5088を参照することができる。
この場合、架橋反応の前にGMAで誘導体化したデキストランの溶液にタンパク質を加えておき、この状態で架橋反応を行うことにより、タンパク質をヒドロゲルで被包することができる。これらのヒドロゲルからのタンパク質の放出は、ゲルの架橋度と含水率に依存するので、これらを調節することによってヒドロゲルからのタンパク質放出の制御が可能であることが明らかである[Hennink et al., J. Contr. Rel. 39,(1996), 47-57を参照]。
架橋されたデキストランからなる上記のヒドロゲルは、生分解性であると考えられていたが、これらのヒドロゲルはむしろ生理的条件下でかなり安定である。このことは実施例5でさらに詳細に説明する。とりわけグリシジルメタクリレートを用いて誘導体化したデキストランを重合して得られるデキストランヒドロゲル(DS=4)の溶解時間は約100日であった。比較的高い置換度のデキストランヒドロゲルは、過酷な条件下でも70日間にわたって分解の兆候を示さなかった。
本発明の目的は、上記のような欠点を持たない、特に有機溶媒の使用を必要とせず、制御不可能な、好ましくないバースト効果(burst effect)がなく、放出挙動を良好に制御しうる(do not possess a poorly controllable release behavior)、徐放性又は放出速度を制御可能なデリバリーシステムを提供することである。本発明は、2タイプの公知デリバリーシステムの長所を結び付ける、即ち生理的条件下で化学的及び/又は酵素的に分解され(つまり生分解性であり)、且つタンパク性薬物の放出を制御可能であるデリバリーシステムを提供することを目的としている。
本発明は、特定の生分解性のヒドロゲルを含む、安全で、且つタンパク性薬物の放出を容易に制御可能なデリバリーシステムを供給するものである。このデリバリーシステムは、種々の疾病治療用タンパク性薬物の適用範囲を広げる。またこれらの薬物に伴う危険性(放出プロファイルにおけるバースト等)や、患者の不便さを減らすことができる上、本発明のヒドロゲルを用いた投薬治療は治療効果が高い。
より詳細には、本発明は生理条件下で加水分解可能な複数の結合を含んでなる生分解性のヒドロゲルに関する。本発明のヒドロゲルは、加水分解されやすく、ヒト又は動物体内で分解されるスペーサーを含む。これまでに概説した通り、ヒドロゲルとは、架橋された親水性の巨大分子からなる、水で膨潤された3次元網目と定義される。更に詳細には、本発明のヒドロゲルは、2つのポリマー鎖が複数の加水分解性スペーサーを介して互いに結合して形成された高分子網目(interpenetrating polymer network)よりなる。通常ヒドロゲルは、20重量%から99重量%を上回る量の水分を含む。
また本発明は、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含む高分子を、水溶液中で架橋させることを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法に関する。
本発明によれば、その構造中に加水分解されやすいスペーサーが導入されていれば、どのような種類の生分解性ヒドロゲルも使用できる。ヒドロゲルは、動物又はヒトの体内に導入されると速やかに、或いは徐々に分解される。分解産物は体内で代謝及び/または排出されうるため、治療後取り除く必要がない。
該ヒドロゲルは、デキストラン又はデキストランの誘導体のような水溶性ポリマーを含み、該水溶性ポリマーが他のポリマーとの間にリンカーを形成することのできる複数の側鎖を有することが好ましく、また該水溶性ポリマーとしては、側鎖を形成しうる複数のモノマー単位を含む、デンプンやその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、タンパク質、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等及びそれらのコポリマーも使用できる。
本発明のヒドロゲルは、好ましくは、複数の架橋性メタクリル酸エステル単位の重合によって形成された高分子を含む。他の架橋性単位としては、アクリル酸エステル単位、ビニルエーテル単位、ビニルエステル単位、その他当業者によりこの目的で用いうることが知られている架橋性単位を挙げることができる。
これまでに述べた通り、本発明で用いられる水で膨潤するポリマー(ヒドロゲル)は、一般に、主鎖である水溶性の第1のポリマー鎖と、架橋性単位が重合して形成された第2のポリマー鎖との2つのポリマー鎖が複数のスペーサーを介して互いに結合して形成された高分子網目を包含してなり、このスペーサーに加水分解されやすい単位が導入され、生理的条件下で加水分解可能な複数の結合を含む加水分解性スペーサーとなっている。このことにより、本発明のヒドロゲルは加水分解可能となっている。該(主鎖である)第1のポリマー鎖として、加水分解されやすいモノマー単位を含有するポリマー鎖を使用することもできる。しかし、加水分解性スペーサーのみによって互いに結合している(interconnected head-to-tail)ポリマー鎖しか含まない(即ち上記の第2のポリマー鎖を含まない)ヒドロゲルは、本発明には含まれない。本発明のヒドロゲルと違って、加水分解性スペーサーのみによって互いに結合しているポリマー鎖のみを含む、膨潤されうるポリマーを含むヒドロゲルにおいては、ゲルの架橋度はゲルの含水率と直接的な相関がある。これに対し、本発明のヒドロゲルのポリマー系では、ゲルの含水率及び/または架橋度を独立に調節することにより、化合物の放出を制御することが可能である。
本発明のヒドロゲルは、加水分解されやすい単位として、加水分解性乳酸エステル結合、加水分解性炭酸エステル結合を含むことが好ましい。例えば、(ポリ)グリコール酸及び/又は(ポリ)乳酸残基を、ポリマーの主鎖と該ポリマーの架橋性単位の間に導入することにより、これらの結合により、ヒドロゲルを結合することができる。「(ポリ)グリコール酸」という用語は、グリコール酸、グリコール酸二量体及びグリコール酸オリゴマーを意味する。「(ポリ)乳酸」という用語は、乳酸、乳酸二量体及び乳酸オリゴマーを意味する。加水分解されやすい単位の他の例として、カルボン酸エステル結合、ウレタン結合、無水物結合、ヘミアセタール結合、アミド(ペプチド)結合がある。
本発明の最も好ましい態様においては、(ポリ)グリコール酸及び/または(ポリ)乳酸のスペーサーを、重合可能なメタクリル酸エステル基とデキストランの間に導入する。このような原料を用いて形成されたヒドロゲルが生理的環境に導入されると、該ヒドロゲルは生体内で分解され、分解産物として、デキストラン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、乳酸及び/またはグリコール酸が生ずる。乳酸及びグリコール酸は内因性物質である。デキストランは血漿増量剤として長年使用されている無害なポリマーであり、その分子量にもよるが腎臓において血中から除去される。PHEMAはよく知られた生体適合性のあるポリマーで、これも腎臓において血中から除去される。
本発明のヒドロゲルは、以下のようにして調製することが好ましい。即ち、まず、少なくとも1つの架橋性単位及び少なくとも1つの加水分解されやすい単位を含むスペーサーを合成し、そのスペーサーを水溶性のポリマーに結合させ、そして、好ましくは遊離させるべき化合物の存在下で、得られたポリマーを架橋することにより、本発明のヒドロゲルを調製することができる。
スキーム1のステップa及びbに示すように、本発明において、スペーサーは、1つまたはそれ以上のラクチド及び/またはグリコリド(glycolide)単位と結合させた、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)由来の基を含有していることが好ましい。より詳細には、HEMAを開始剤として、アルミニウムアルコキサイドを触媒として用い、トルエン中でラクチドを溶液重合させる、または、HEMAを開始剤として、オクタン酸スズ(II)(stannous octoate)を触媒として用い、ラクチドを塊状重合させることにより、末端にHEMAが結合したポリ乳酸プレポリマーを合成することができる。HEMAとラクチドの量比を変えることにより、乳酸ブロックの分子量が異なるポリ乳酸プレポリマーを合成することができる。末端にHEMAが結合したグリコール酸プレポリマーや、末端にHEMAが結合したグリコール酸−乳酸混合プレポリマー(HEMA terminated copolymers of glycolic acid and of glycolic acid-co-lactic acid)も同様に合成することができる。プレポリマーは、公知の技術、例えばMMRスペクトルやIRスペクトル、示差熱量測定(DSC)及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などにより特徴付けることができる。
末端にHEMAが結合したポリ乳酸及び/又はグリコール酸プレポリマーをデキストランとカップリングさせるためには、HEMA末端のヒドロキシル基を活性化しなければならない。HEMAのデキストランへのカップリングは、カルボニルジイミダゾール(CDI)をカップリング剤として用いて行うことが好ましいが、他の活性化手段を用いることもできる。例えば、末端にHEMAが結合したポリ乳酸プレポリマーの水酸基をコハク酸無水物と反応させ、次いで生じたカルボキシル基を、常法、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いて活性化する方法である。加水分解されやすいエステル結合のみを有するデキストラン誘導体は後者の方法で得られる。このようなデキストラン誘導体は、エステル結合とカーボネート結合の双方を有する、CDI法で合成されたデキストラン誘導体とは、分解される際の特性が異なっている。
次いで、末端にHEMAが結合したポリ乳酸及び/又はグリコール酸プレポリマーの活性化体を、適切な非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)中で、触媒、例えばN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下でデキストランと結合させる。置換度(デキストラン中のグルコース単位100モル当たりの、メタクリレート基含有プレポリマーのモル数)は、反応混合物中のHEMA含有プレポリマーに対するデキストランの比で調節することができる。
その後、HEMA−プレポリマーを結合させたデキストランの水溶液を、例えば第三級アミン及び過硫酸塩からなる既知の開始剤系を用いるラジカル重合反応に付すことにより(例えば、上記Van Dijk-Wolthuisら著“Macromolecules”28及びHenninkら著“J. Contr. Rel.”39を参照)、これらの置換ポリマーからヒドロゲルを調製することができる。また、重合はガンマ線照射によって行っても良く、その場合開始剤及び/又は触媒の残さをヒドロゲルから抽出する必要がない点で有利である。
本発明のヒドロゲル系はタンパク性薬物の放出速度を容易に調節することができるので、タンパク性薬物の利用可能性を大きく広げることができる。特に、免疫系が関係する種々の疾患の治療において有用な、治療領域の狭い生物学的反応調節剤において、このことは極めて重要である。
置換度(主ポリマーである水溶性ポリマー中の残基100個当たりの、加水分解性スペーサーを含む架橋性側鎖の数;1H-NMRで測定)が上昇すると、網目の架橋度が高まる。その結果、ゲルの膨潤速度は低下し、ゲルの溶解時間は増加する。
本発明のヒドロゲルは、溶解時間が1日未満から約3ヶ月、或いはそれ以上となるように調節することができる。溶解時間の調節は、例えば、架橋処理に付すポリマー水溶液の初期含水率及び置換度(DS)を変化させることにより行うことができる。初期含水率が例えば85重量%以上であるような、初期含水率の高いポリマー水溶液を用いて調製したヒドロゲルは、架橋反応の大半が分子内(同一ポリマー鎖内)で起こり、その結果架橋の大半が分子内架橋である。これに対し、ポリマー水溶液の初期含水率が低下するにつれて、分子間架橋の割合が増していく。置換度が同じである場合、分子間架橋の割合の低いヒドロゲルは、より早く溶解する。
薬物は、薬剤含有溶液における平衡を利用してヒドロゲルに取り込ませることもでき(例えば、Kimら著、“Pharm”9(3)(1992年)283−290頁参照)、また、ヒドロゲルの調製中に薬物を混合させることによりヒドロゲルに取り込ませることもできる(例えば、Hellerら著、“Biomaterials”4(1983年)262−266頁参照)。
しかし、平衡を利用して薬物をヒドロゲルに取り込ませる場合、通常はデリバリーシステム中の薬物量はやや低くなる。これは、薬物が巨大分子である場合に特によく起こることである。巨大分子よりもヒドロゲルの孔径のほうが大きくないと、巨大分子はヒドロゲルの外部表面にのみ吸着してしまい、バーストの原因となる。
従って、薬物は重合中か架橋中にヒドロゲル中に取り込ませるのが好ましい。
ミクロスフェア懸濁液の調製は容易であり、また注射も容易に行えるので、ヒドロゲルは一般に種々の孔径を有するミクロスフェアとして利用される。ミクロスフェアの調製は、例えば次のようにして行うことができる。即ち、HEMAを用いて誘導体化したデキストランを水に溶かし、次いで得られた溶液を、油相(シリコンオイルなど)中に添加して油中水型乳濁液とし、これに適当な開始剤を添加してメタクリル酸エステル基を重合させることにより、安定なミクロスフェアを得ることができる。
本発明の生分解性ヒドロゲル中からの薬物の放出は、ヒドロゲルが加水分解される際に起こる(ある程度は、タンパク質がヒドロゲル中を拡散することによって起こる)。実際、ヒドロゲルの加水分解時の挙動と、ヒドロゲル系中の化合物が放出されるまでの時間は、一方を調節するとこれに伴って他方も調節される関係にあり、そのため薬物の放出は一次放出(薬物の放出がヒドロゲルの分解による制御を全く受けない)とゼロ次放出(薬物の放出が完全にヒドロゲルの分解によって制御されている)までの間のいかなる状態でも起こりうる(これについては実施例6を参照)。このような点で、本発明のヒドロゲルは、生理的条件下で加水分解されない、安定なヒドロゲル(例えば公知のデキストラン−GMAヒドロゲル系)や、一方向にのみ伸長したポリマーよりなるヒドロゲル系に比べ明らかに優れている。
タンパク性薬物は、安定なヒドロゲルからは一次速度論的に(following first order kinetics)(放出タンパク量が時間の平方根に比例する)放出される。しかし本発明のヒドロゲルでは、タンパク性薬物の放出挙動はよりゼロ次放出(放出タンパク量が時間に比例する)に近い。薬物の放出中にヒドロゲルの分解が起こっていれば、ヒドロゲル中のタンパク性薬物の拡散係数は増加し、その結果薬物の放出はより一定に近いものとなる。
既に述べた通り、本発明のヒドロゲル系は、被包されたタンパク質の放出プロファイルが適切なものとなるよう調節することができる。より詳細には、ヒドロゲルの初期含水率、置換度及びスペーサー中の加水分解可能な基の数と長さの変更、並びに加水分解性スペーサーの選択により、ヒドロゲルの分解速度を調節することができる。
グリコール酸を含むスペーサーは、乳酸を含むスペーサーに比べ加水分解されやすいことが判明した。従って、ヒドロゲルにグリコール酸を含むスペーサーが含まれていれば、乳酸を含むスペーサーが含まれている場合に比べヒドロゲルの分解は早くなる。
ヒドロゲルの含水率と、ヒドロゲルを構成する高分子の置換度の影響は、後述の実施例において詳細に説明する。
また、薬物の放出速度は、ヒドロゲルの粒子径にも影響される。ヒドロゲルの粒子径は、ミクロスフェアを調製する際の攪拌速度、外相(external phase)の粘度などを変えることにより調節することができる。
放出速度は、水溶性ポリマーの鎖長に少なくとも高度に依存してはいない。このことは、加水分解可能な基がポリマー(分岐せず一方向にのみ伸長したポリマー)の主鎖中のみに存在するようなヒドロゲル系とは逆の関係にある。
前述のように、放出可能な化合物としてはタンパク性薬剤を挙げることができるが、例えばリポソーム、イスコム(iscoms)、ポリ乳酸粒子、ポリカプロラクタム粒子および当業者にとって公知の遺伝子デリバリーシステム等のような、薬物(pharmacon)を含むナノ粒子(nanoparticle)を被包することも可能である。上記ナノ粒子の被包は、被包された化合物の速すぎる放出をより確実に防止することができる[即ちバースト効果(burst-effect)をより確実に回避することができる]という利点がある。
薬物を取り込ませた本発明のヒドロゲル系の例としては、サイトカインの一種であるインターロイキン−2(IL-2)を含有するヒドロゲルを挙げることができる。IL-2は、例えば特定の癌の治療に用いることができるタンパク性薬剤である。
癌の治療においてIL-2を有効に作用させるためには、腫瘍の成長部位にIL-2を長時間にわたって存在させる必要がある。これは、高用量のIL-2を、ボラス注射(bolus injections)により静脈内に頻回投与する(例えば、Rosenberg et al., JAMA, 271,(1994), 907-913参照)、IL-2を長時間にわたって連続的に注入する(例えば、West et al., N. Engl. J. Med., 316,(1987), 898-905参照)、あるいは腫瘍の内部または近傍に、低用量のIL-2を頻回投与する(例えば、Den Otter et al., Anticancer Res., 13,(1993), 2453-2455参照)ことにより達成することができる。
静脈投与を行う場合の主な欠点として、腫瘍の成長部位におけるIL-2レベルを充分に高いものとするためには、著しい毒性を示すような高用量のIL-2を静脈に投与しなければならない点が挙げられる。
これに対し、デン・オッターら(Den Otter et al.)によって開発された、IL-2を腫瘍の内部または近傍に投与するアプローチでは、実際に各種の移植した腫瘍および自然発生した腫瘍に対して充分に有効であり、且つ毒性も示さないことが判明した。
しかしながら、このような治療を癌患者に適用する場合、腫瘍の内部または近傍にIL-2を1〜2週間内に5〜10回も注射しなければならないという重大な問題がある。数多くのタイプの癌(肺癌、膀胱癌および胃癌を含む)の患者にとって、この負担は許容し難いものである。極めて効果的な、低用量のIL-2による局所的な治療を、ヒトの癌に対して臨床的に応用しようとする最初の試みにおいて既に、IL-2の患部への送達に関する前記の問題に直面していた。本発明の徐方性デリバリーシステムは、IL-2による局所的免疫療法の利用を可能にする。
生体内(in vivo)での適用では、通常、0.5ml中に105I.U.までのIL-2を含有し、そのIL-2が5日間にわたって放出される(すなわち、1日当たり2×104I.U.のIL-2が放出される)ようなヒドロゲル(ミクロスフェア)懸濁液を用いる。タンパク質の放出量は、高感度な定量・検出法(HPLC、ELISAアッセイなど)により測定することができる。また、IL-2依存性のCTLL細胞株を用いる増殖試験(proliferation assay)により、放出されたIL-2が生物活性を有するか否か、またその生物活性がどの程度であるか(すなわち、IL-2の比活性が、上記の化学的処置によってどのような影響を受けるか)を調べることができる。
次に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例
デキストランヒドロゲルを得るためには、まず加水分解性メタクリレート基をデキストランに導入する。以下の全ての反応において、デキストランはFluka社製デキストラン(T-40、Mn=15,000、Mw=32,000g/mol)を用いた。メタクリル酸エステルがスペーサーを介してデキストランに結合している4種の異なるデキストラン誘導体を合成した(実施例1〜4)。これらのスペーサーは、いずれも加水分解性化学結合(炭酸またはカルボン酸のエステル)を含んでいる。これらのデキストラン誘導体を用いて製造したヒドロゲルの分解時の挙動を、グリシジルメタクリレートを用いて誘導体化したデキストラン(dex-GMA)を用いて調製したデキストランヒドロゲルの場合と比較した。この参照化合物においては、メタクリル酸がデキストランの水酸基と直接カップリングしてエステルとなっている。この参照化合物の分解は極めて遅い。
実施例1: ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を用いて誘導体化したデキストラン(dex−HEMA)の合成
カルボニルジイミダゾール(CDI)を用いて活性化させたHEMA(HEMA-CI)をデキストランとカップリングさせることにより、dex−HEMAを合成した。
CDI(1.62g; 10mmol)を約10mlの無水テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、得られた溶液を、HEMA(1.30g; 10mmol)を5mlの無水THFに溶解した溶液に添加した。この混合物を室温で16時間攪拌した後、溶媒を留去して、粗生成物を淡黄色液体として得た(収量2.93g)。この粗生成物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄してイミダゾールと未反応HEMAを除去し、無水MgSO4を用いて乾燥した後濾過し、溶媒を留去して、CDIで活性化されたHEMA(HEMA-CI)をほぼ純粋な状態で得た。このものの構造はNMR及びIRスペクトルにより確認した。
種々の量(0.73、1.49及び2.19g; 純度96%)のHEMA-CIを、デキストラン(10g、グルコース単位として62mmol)及びN,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP; 2g、16.4mmol)を無水ジメチルスルホキシド(DMSO)90mlに溶解した溶液に加え、室温で4日間攪拌した後、約2mlの濃塩酸を添加して反応を停止した。反応混合物を水に対して4℃で3日間透析した後、凍結乾燥してdex-HEMAを白色綿状(fluffy)物質として得た(収率>90%)。HEMAによる置換度はNMRスペクトルにより求められ、前述のHEMA-CI使用量に対しそれぞれ4、9及び13であった。
実施例2: HEMA及びコハク酸(SA)のヘミエステルを用いて誘導体化したデキストラン(dex-SA-HEMA)の合成
以下に述べる方法で、dex-SA-HEMAを合成した。
SA(2.00g; 20mmol)、HEMA(2.6g; 20mmol)、トリエチルアミン(TEA; 0.28ml、2mmol)及びヒドロキノン(重合阻害剤、±10mg)を約30mlの無水THFに溶解し、得られた溶液を45℃で2日間攪拌した後、溶媒を留去して、黄色液体を得た(収量4.88g)。生成物であるHEMA-SAの構造は、NMR及びIRスペクトルにより確認された。
HEMA-SA[0.99g(純度94%)、4mmol]及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC; 0.83g、4mmol)を無水DMSO約20mlに溶解した。15分後、沈殿[ジシクロヘキシル尿素(DSU)]が生じた。この混合物を、デキストラン(2.57g、グルコース単位として16mmol)及びTEA(0.56ml、4mmol)を無水DMSO 20mlに溶解した溶液に加え、室温で3日間攪拌した後、濃塩酸3滴を添加して反応を停止した。反応混合物を濾過してDCUを除去し、濾液を水に対して4℃で3日間透析した後、凍結乾燥して白色綿状(fluffy)物質を得た(収量2.78g)。NMRスペクトルにより求めた置換度は3であった。
実施例3:HEMA及びオリゴラクチド(HEMA-oligolactide)を用いて誘導体化したデキストラン(dex-lactate-HEMA)の合成
以下に述べる方法で、dex-lactate-HEMAを合成した。この方法は、次のスキーム1に示す3段階に分けることができる。
<スキーム1>
a.乳酸をHEMAとカップリングさせ、HEMA-lactateを得る。
b.CDIを用いてHEMA-lactateを活性化させ、HEMA-lactate-CIを得る。
c.HEMA-lactate-CIをデキストランとカップリングさせる。
L-ラクチド(4.32g; 30mmol)とHEMA(3.90g; 30mmol)の混合物を110℃まで加熱した後、約0.5mlのトルエンに溶解した触媒量のオクタン酸スズ(II)(stannous octoate)(SnOct2、121.5mg; 0.3mmol)を添加し、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、THFに溶解し、得られた溶液を水(180ml)中に滴下した。このとき生じた沈殿(ペレット)を遠心分離により集めて酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル不溶性の固形物を遠心分離により除去した。その後、MgSO4を用いて乾燥した後濾過し、溶媒を留去して粘稠な油状物質(3.74g、収率45%)を得た。生成物であるHEMA-lactateの構造は、NMR及びIRスペクトルにより確認された。
HEMA-lactate(3.74g; 10.8mmol)を、CDI(1.76g; 10.8mmol)をTHFに溶解した溶液に添加した。この混合物を室温で16時間攪拌した後、溶媒を減圧下で留去して、粘稠な油状物質を得た。以降の工程では、このHEMA-lactate-CI及びイミダゾールを主成分とする(NMRスペクトルにより確認)生成物を、これ以上精製せずに用いた。
種々の量(1.61、3.23及び4.84g;純度80%)のHEMA-lactate-CIを、デキストラン(10g、グルコース単位として62mmol)及びDMAP(2g、10.6mmol)を含む溶液に加え、室温で4日間攪拌した後、約2mlの濃塩酸を添加して反応を停止した。反応混合物を水に対して2日間透析した後、凍結乾燥して白色綿状(fluffy)物質として得た(収率85%前後)。置換度はNMRスペクトルにより求められ、前述のHEMA-lactate-CI使用量に対しそれぞれ3、6及び10であった。
第一段階の反応においてHEMAとラクチドのモル比を変更する以外は上記の方法と同様の方法を繰り返すことにより、乳酸エステルスペーサーの長さを変えることが可能である。
実施例4:HEMA及びグリコリドを用いて誘導体化したデキストラン(dex-glycolide-HEMA)の合成
ラクチドをグリコリドに変更する以外は実施例3と同様の方法を繰り返すことにより、dex-glycolide-HEMAを合成した。
比較例1:グリシジルメタクリレートを用いて誘導体化したデキストラン(dex-GMA)の調製
Macromolecules, 28,(1995), 6317-6322(Van Dijk Wolthuisら)に記載の方法に従い、dex-GMAを調製した。このものを再検討したところ、メタクリル酸がデキストランの水酸基と直接カップリングしてエステルとなっている(従ってグリセリルスペーサーは存在しない)ことが判明した。
実施例5:デキストランヒドロゲルの調製
メタクリル酸と結合させたデキストラン(実施例1〜4及び比較例1で調製したもの)の水溶液をラジカル重合反応に付すことにより、ヒドロゲルを得た。
メタクリル酸と結合させたデキストラン100mgを、760μlのPBS緩衝液(10mmolリン酸、0.9% NaCl及び0.02% NaN3含有、pH7.2)に溶解し、得られた溶液1gに対しペルオキシ二硫酸カリウム(KPS)を上記PBS緩衝液に溶解した溶液(濃度:50mg/ml)を90μl添加してよく攪拌した。
次いで、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の水溶液(20v/v%、pH7に調整)を50μl添加し、得られた混合物をすばやくエッペンドルフチューブに移し、室温で1時間重合させて、重合後の初期含水率90%のヒドロゲルを得た。
得られたゲルをチューブから取り出して秤量した後、上記PBS緩衝液中37℃でインキュベートした。
ゲルの重量を定期的に測定し、その重量から膨潤度を求めた[膨潤度=Wt/W0(Wtは時間tにおけるゲルの重量、W0はゲルの初期重量を表わす)]。またヒドロゲル分解(溶解)時間は、膨潤度(またはWt)が0となるまでに要した時間を表わす。
図1は、3種の異なるデキストランヒドロゲル(初期含水率90%)の膨潤時の挙動を示すグラフである。
dex-GMA(DS=4)の膨潤度は、3日間で平衡膨潤度に達し、その後ゲルの重量は一定であった。このことは、dex-GMAにおいてはメタクリル酸エステルの加水分解がほとんど起こらなかったことを示している。
dex-HEMA及びdex-lactate-HEMAについては、これらのゲルが完全に溶解するまでは、時間と共に膨潤度が上昇した。このことは、これらのヒドロゲル系においては、炭酸エステル(dex-HEMA及びdex-lactate-HEMA)及び/または乳酸エステル(dex-lactate-HEMA)の加水分解が起こったことを示している。
図2は、種々の置換度を有するdex-lactate-HEMAヒドロゲル(初期含水率92%)の膨潤時の挙動を示すグラフである。図から明らかな通り、置換度が増加すると溶解時間が長くなることがわかる。
図3は、種々の初期含水率及び一定の置換度(6)を有するdex-lactate-HEMAヒドロゲルの膨潤時の挙動を示すグラフである。初期含水率の増加に伴い、溶解時間が短くなることがわかる。
図4は、種々の初期含水率を有するdex-SA-HEMAヒドロゲル(DS=3)の膨潤時の挙動を示している。
下記の表は、各種デキストランヒドロゲルの溶解時間の概要を示している。
Figure 0004625548
GMAを用いて誘導体化したデキストランを重合することによって得られたデキストランヒドロゲル(初期含水率:92%、DS=4)の溶解時間は、(pH7.2、37℃で)約100日であった。GMAを用いて誘導体化したデキストランを重合することによって得られたヒドロゲル(初期含水率:80%、DS=11)は、過酷な条件下(37℃、pH1及び12)においても、分解の兆候(膨潤度の上昇)は70日間にわたって見られなかった。
実施例6: 分解性デキストランヒドロゲルからのタンパク質の放出
非分解性dex-GMAヒドロゲルからの放出について、詳細に研究した。その結果、タンパク質の直径がヒドロゲルのメッシュサイズ(mesh size)より小さい場合には、タンパク質放出を自由体積の理論によって効果的に説明しうることが分かった。この場合、放出されたタンパク質の累積量は、時間の平方根に比例した[W.E. Hennink,“デキストランヒドロゲルからのタンパク質放出制御(Controlled release of proteins from dextran hydrogels)”, Journal of Controlled Release, 39,(1996), 47-55]。
図5は、分解性デキストランヒドロゲル(dex-lactate-HEMA、DS2.5)からのモデルタンパク質(IgG)の放出の様子を示す。非分解性デキストランヒドロゲルからのタンパク質の放出は一次放出であることが観察されるのに対し、IgGのこれら分解性ゲルからの放出はゼロ次である(即ち、タンパク質の累積放出量が時間に比例する)。

Claims (5)

  1. 生理的条件下で加水分解可能な複数のスペーサーを介して水溶性高分子鎖が互いに架橋結合して形成された高分子網目を包含してなる生分解性ヒドロゲルであって、該スペーサーの各々が生理的条件下で加水分解可能な単位を少なくとも1つ含み、且つ、架橋性単位が重合して形成された複数の架橋化単位を含み、
    該水溶性高分子がデキストラン及びデキストラン誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該加水分解可能な単位が乳酸エステル単位、グリコール酸エステル単位及び炭酸エステル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    該架橋性単位がアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする生分解性ヒドロゲル。
  2. 該水溶性高分子がデキストランであることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロゲル。
  3. 該架橋性単位がヒドロキシエチルメタクリレートであることを特徴とする、請求項1または2に記載のヒドロゲル。
  4. 水溶性高分子鎖の架橋水溶液中で形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のヒドロゲル。
  5. 水溶性高分子鎖の架橋タンパク性薬物の存在下で形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のヒドロゲル
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