JP2000515512A - ブロモティアクマイシン化合物 - Google Patents

ブロモティアクマイシン化合物

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ホチロウスキー,ジル・イー
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Abstract

(57)【要約】 構造式(I)を有する抗生物質であって、R1及びR2は、水素及びC1からC4のアルカノイル基からなる群から独立に選択されたもの;R3及びR4は、(a)R3は水素、R4は水酸基(b)R3は水酸基、R4は水素(c)R3及びR4が一緒になって=O、または水素及び水酸基からなる群のいずれかから選択されたもの;R5及びR6は、少なくとも一方が臭素であることを条件に、水素、臭素、及び塩素からなる群から独立に選択された前記抗生物質。また、該化合物を含有する薬剤組成物、該物質を投与することによる細菌感染症の治療法及び該化合物の製造法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 ブロモティアクマイシン化合物 技術分野 本発明は、新規な抗生物質ブロモティアクマイシン、この物質を含有する医薬 品組成物及び細菌感染症の治療にそれらを使用する方法、並びにそれらの製造法 に関する。 背景技術 グラム陽性その他の細菌に広い活性を有するある種の抗生物質は、世界中の土 壌サンプルから単離された各種の微生物によって生産されることが知られている 。しかし、活性が改善され、有効性スペクトルが改善されるか、特有の抗菌性ス ペクトルを持つ抗生物質、及び/または患者に投与されたとき、より望ましい薬 物動力学的性質を示す新規の抗生物質に対する需要は継続的にある。 特に、Clostridium difficileによってしばしば引き起 こされる、抗生物質に関連した、またはその他の、院内感染大腸炎の治療、特に 一部または全部の通常の菌相の回復を許す様な有効な抗生物質に対する需要が大 きい。 ティアクマイシン系抗生物質は、米国特許第4,918,174号(1990 年4月17日発行、引用文献により本明細書に掲載)に記述されており、ティア クマイシンA、ティアクマイシンB、ティアクマイシンC、ティアクマイシンD 、ティアクマイシンE、及びティアクマイシンFからなる。関連する物質として は、リピアルマイシン系抗生物質(Arnone等、J.Chem.Soc.P erkin Trans.I,1987:1353−1359(1987)及び Cavalleri等、J.Antibiotics,41:308−315( 1988))及びクロストマイシン系抗生物質(Omura等、J.Antib iotics,39:1407−1412(1986))がある。 発明の概要 本発明により、ティアクマイシン系抗生物質の製造方法を変更することにより 、新規なブロモティアクマイシン系抗生物質を取得できる方法が確立された。テ ィアクマイシン系抗生物質は、Dactylosporangium aura ntiacum subsp.hamdenensis subsp.nov. の培地及び菌糸から単離される。本発明の化合物は、前記ティ アクマイシン系物質の臭素化誘導体であり、細菌性病原菌に対してin vit ro活性を有することが判明した。特に、嫌気性条件でWilkins−Cha lgren寒天培地で試験すると、Chlostridiumに対して活性があ る。従って、これらの化合物は、哺乳動物の細菌感染症の治療に有効であると期 待される。 本発明の一態様は、構造式(I)を持つ化合物、またはその薬理学的に許容し うるプロドラッグであり、 上式で、R1及びR2は、水素及びC1からC2までのアルカノ イル基から各々独立に選ばれたものであり、 R3及びR4は、 (a) R3は水素、R4は水酸基 (b) R3は水酸基、R4は水素 (c) R3とR4が一緒になって=O からなる群から選択されたものであり、 R5及びR6は、少なくとも一方が臭素であるという条件の下に、水素、臭素、 及び塩素からなる群から独立に選ばれたものである。 本発明の他の態様は、薬剤として許容される担体と共に、本発明の化合物を治 療上有効な量を含む医薬組成物を開示している。 本発明の別の態様は、本発明の化合物を治療上有効な量患者に投与することに より、グラム陽性細菌の感染症、特に、病原菌Clostridium dif ficileの感染症を治療する方法を開示している。 本発明の更に別の態様は、(a)臭化物を多くした発酵培地からブロモティア クマイシンを分離し、(b)ブロモティアクマイシンを沈殿またはその他の方法 で精製することにより、本 発明の化合物を調製する方法を開示している。 発明の開示 本発明の好ましい一実施形態は、構造式(I)のR1及びR2の一方がC1から C4までのアルカノイル基で、他の一方が水素である化合物である。 本発明の好ましい他の実施形態は、構造式(I)のR5が臭素で、R6が水素で ある化合物である。 本発明の好ましい別の実施形態は、構造式(I)のR5が塩素で、R6が臭素で ある化合物である。 本発明の化合物の代表例は、次の通りである: 構造式(I)のR1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3が水素、R4 が水酸基、R5が塩素、R6が臭素の化合物; 構造式(I)のR1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3とR4が一緒 になって=O、R5が塩素、R6が臭素の化合物; 構造式(I)のR1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3が水素、R4 が水酸基、R5が臭素、R6が水素の化合物;及び 構造式(I)のR1が2−メチルプロパノイル基、R2が水素、R3が水素、R4 が水酸基、R5が臭素、R6が水素の化合物; または、上記化合物の薬剤として許容できるプロドラッグ。 本発明の最良モードは、構造式(I)のR1が水素、R2が2−メチルプロパノ イル基、R3が水素、R4が水酸基、R5が塩素、R6が臭素の化合物である。 本発明の全明細書及び添付の請求の範囲において、次の語句は次のような特定 の意味を持つ。 本明細書では、用語「アルキル」基は、炭素数1から12個の一価の直鎖また は分岐炭化水素基で、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ ル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘ プチル、等を含むが、これらに限定されるものではない。 本明細書では、用語「アルカノイル」基は、一価の−C(O)R”の構造で、 R”は、上で定義した如く、水素またはアルキル基であり、アセチル、プロピオ ニル、イソブチリル基等を含むが、それに限定されるものではない。 本明細書では、用語「C1からC4のアルカノイル」基は、 上で定義したアルカノイル基であるが、R”は、水素か、炭素1から3のアルキ ル基である。 本明細書では、用語「低級アルキル」基とは、炭素数1から6個の上で定義し たアルキル基である。 本明細書では、用語「薬剤として許容されるプロドラッグ」は、妥当な医学的 な評価の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずに、人間やよ り下等動物の組織に接触して使用することができ、相応の利益対危険比を持ち、 意図した用途に有効な本発明の化合物のプロドラッグであり、可能な場合には、 本発明の化合物の両性イオン形も当然に含む。用語「プロドラッグ」とは、たと えば血液中での加水分解のように、生体内で急速に変形して前記化学構造式を持 つ親化合物を生成する化合物である。その詳細は、T.Higuchi及びV. Stella,Pro−drugs as Novel Delivery S ystems,Vol.14,A.C.S.Symposium Series 及びEdward B.Roche編、Bioreversible Carr iers in Drug Design,American Pharmac eutical Association and Pergamon Press,1987において論じられており、両 者とも参照により本明細書に援用される。 本発明の化合物の誘導体であるプロドラッグは、適当ないかなる方法で調製し てもよい。プロドラッグの部分構造がアミノ酸またはペプチドの機能性を持つ場 合には、アミノ酸及びペプチドとアミノ基との縮合反応は、アジド法、混合酸無 水物法、DCC(dicyclohexyl−carbodiimide)法、 活性エステル法(p−ニトロフェニルエステル法、N−ヒドロキシコハク酸イミ ドエステル法、シアノメチルエステル法等)、Woodward試薬K法、DC C−HOBT(1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール)法等の通常の縮合法に従 って行えばよい。アミノ酸縮合反応に関する伝統的な方法は、M.Bodans ky,Y.S.Klausner及びM.A.Ondetti,Peptide Synthesis,Second Edition,N.Y.,1976に 記載されている。 不斉中心は、本発明の化合物にも存在する可能性がある。しかし、特に断らな い限り、本発明は、各種の立体異性体とその混合物をすべて含むことを意図する 。従って、結合が非立体特 異的に記載されているときには、双方の配向を包含することを意図している。 上記の治療その他に使用する際、本発明の化合物の一つの治療上有効な量は、 純品として使用しても、そのような形態が存在すれば、薬剤として許容される塩 、エステル、またはプロドラッグの形で使用しても良い。あるいはまた、その化 合物は、薬剤として許容される一種または複数の賦形剤と共に当該化合物を含有 する薬剤組成物として投与される。本発明の化合物の「治療上有効な量」とは、 いかなる医学的治療にも適用される妥当な利益対危険比で、標的の疾患を治療す るのに十分な化合物の量を言う。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の一 日の総使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で、治療する医者によって決定され るべきことを理解する必要がある。特定の患者の治療上有効な量のレベルは、様 々な要因に依存し、その中には、治療すべき疾患の種類とその重度;採用される 特定の化合物の活性;採用される特定の組成;患者の年齢、体重、全般的な健康 状態、性、及び食事;採用される特定の化合物の投与時間、投与経路、排出速度 ;治療期間;採用される特定の化合物と一緒にまたは偶然同時に使用される薬; 及び医学分野で周 知の要因などが含まれる。たとえば、望まれる治癒効果を達成するのに必要な該 化合物の服用量よりも低い水準で投与を開始し、次第に服用量を増加して、望み の効果を達成するようにすることは、当技術分野の範囲内である。 人間またはより下等な動物に対する経口投与による本発明の化合物の一日あた りの総服用量は、約0.01から100mg/kg/日である。更に望ましくは 、0.1から10mg/kg/日の範囲である。必要であれば、一日あたりの有 効服用量は、投与の目的の為に複数の服用に分割してもよい。従って、一回の服 用の組成は、一日の服用を充当する量またはその約量を含む。 本発明の薬剤組成は、本発明の化合物、及び薬剤として許容される担体、また は賦形剤からなり、経口投与、直腸投与、非経口投与、槽内投与、膣内投与、腹 膜投与、局所投与(粉末、軟膏、点滴薬として)、口腔内投与、または口腔内或 いは鼻孔内スプレーとして投与される。「薬剤として許容される担体」とは、無 毒性の固体、半固体または液体のフィラー、希釈剤、カプセル化剤、全ての種類 の製薬補助剤を言う。本明細書では、用語「非経口」は、静脈、筋肉、腹膜、尻 、皮下、関節注射、 または点滴を言う。 非経口注射のための本発明の薬剤組成物は、薬剤として許容される無菌非水溶 液または水性分散液、懸濁液、またはエマルジョンばかりでなく、使用直前に無 菌注射液または分散液として調製できる無菌粉末を含む。水溶性または非水溶性 担体、希釈剤、溶媒、ビヒクル、として好適な例としては、水、エタノール、ポ リオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、等 )、カルボキシメチルセルロース及びそれらの適当な混合物、植物油(オリーブ 油のようなもの)、及びオレイン酸エチルの様な注射可能な有機エステルがある 。適当な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティング剤の使用、分散の場 合には必要とされる粒子径の維持、表面活性剤の使用によって維持することが出 来る。 これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、または分散剤をアジュバントと して含有することが出来る。微生物の作用を防止する為に、例えばパラベン、ク ロロブタノール、フェノールソルビン酸等の各種の抗菌剤、抗黴剤を含有させる ことが出来る。また、糖、塩化ナトリウムのような等張剤を含有させることが望 ましい。注射可能な薬剤組成物の吸収を遅延させる為、 モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような吸収を遅延させる薬剤を包 含させることが出来る。 ある場合には、薬の効果を持続する為に、皮下または筋肉注射の薬の吸収を遅 らせることが望ましい。これは、水溶解性に乏しい結晶または非結晶物質の液体 懸濁物を使用することにより達成できる。薬の吸収速度は、溶解速度に依存し、 溶解速度は今度は結晶のサイズと結晶の形に依存する。また、非経口的に投与し た薬の吸収の遅延は、薬を油性ビヒクルに溶解または懸濁することにより達成さ れる。 注射可能なデポ剤は、薬のポリ乳酸−ポリグリコール酸のような微生物分解性 ポリマーのマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造できる。 薬とポリマーとの比及び採用した特定のポリマーの性質に依存して、薬の放出速 度が制御できる。他の微生物分解性ポリマーとしては、ポリ(オルトエステル類 )、ポリ(酸無水物類)が含まれる。デポ剤注射組成物は、体組織と両立しうる リポソームまたはマイクロエマルジョンに薬をトラップすることにより、調製す ることもできる。 注射組成物は、例えば細菌捕捉フィルタでろ過したり、使用の直前に無菌水ま たは他の無菌注射媒体に溶解または分散でき るような滅菌剤を無菌固体組成物の形で添加することにより、無菌化できる。 経口投与のための固体投与形状には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤、顆粒剤が 含まれる。そのような固体投与形状のものでは、活性化合物は、少なくとも一種 以上の不活性な、薬剤として許容される賦形剤または担体と混合される。そのよ うな賦形剤としては、クエン酸ナトリウム、りん酸二カルシウム、及び/または a)デンプン,乳糖、蔗糖、グルコース、マンニトール、及びケイ酸のようなフ ィラーまたは増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼ ラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、アラビアゴム、のような結合剤、c)グ リセリンのような湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯またはタピオカデ ンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、炭酸カルシウムのような崩壊剤、e) パラフィンのような溶解遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物のような吸収促 進剤、g)例えばセタノール、モノステアリングリセロール酸のような湿潤剤、 h)カオリン、ベントナイトクレイのような吸着剤、i)タルク、ステアリン酸 カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリ ル硫酸ナトリウムのような 滑剤、及びそれらの混合物がある。カプセル、錠剤、丸薬の場合、投与形状に緩 衝剤を含めることもある。 同様のタイプの固体組成物が乳糖または高分子量ポリエチレングリコール等を 賦形剤として使用するソフト充填及びハード充填ゼラチンカプセルにおいてフィ ラーとしても採用されている。 錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、顆粒剤の固形投与形状は、製剤技術分野で周 知の溶腸性コーティング等のコーティング及びシェルで形成できる。それらは不 透明化剤を含んでも良いし、腸管の特定の部位でのみ、又はそこで選択的に活性 成分を放出したり、場合によっては遅延した様式で放出する組成物とすることも できる。使用できる埋込み組成物の例には重合物質及びワックスがある。 活性化合物は、マイクロカプセルに封入した形であっても良いし、もし適当で あれば、その際上述した賦形剤と共に封入した形であっても良い。 経口投与の液体服用形状としては、薬剤として許容されるエマルジョン、溶液 、懸濁液、シロップ、エリキシル剤がある。液体服用形状のものは、活性化合物 と共に、この分野で一般的 に使用される次のような不活性希釈剤を含有する。例えば、水又は他の溶媒、溶 解剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、 ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3ブチレ ングリコール、ジメチルフォルムアミド、オイル(特に、綿実油、ナッツ油、コ ーンオイル、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びごま油)、グリセリン、テト ラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸 エステル及びそれらの混合物などの乳化剤である。 不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味、調味 、芳香剤のようなアジュバントを含有することができる。 懸濁液は、活性化合物の他に、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコー ル、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶セルロース 、水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカンゴム、及びそれらの混 合物のような懸濁剤を含有する。 局所投与には、皮膚、肺及び目の表面を含む粘膜への投与が含まれる。局所投 与の組成物は、吸入組成物も含め、加圧又は 非加圧の乾燥粉末として調製される。非加圧粉末組成物にあっては、微粉末状の 活性成分は、例えば、直径100ミクロンに達する粒子径を持つ形状の大きい、 薬剤として許容される不活性担体と混ぜて使用される。適当な不活性担体として は、乳糖のような糖がある。活性成分の粒子の少なくとも95重量%は、0.0 1から10ミクロンの範囲の有効粒子径を持つことが望ましい。 或いはその代わりに、組成物は加圧され、窒素又は液化ガスプロペラントのよ うな加圧ガスを含有しても良い。液化プロペラント媒体及び全組成物は、活性成 分が実質的に溶け込まないようなものであることが好ましい。加圧組成物は、界 面活性剤を含有しても良い。界面活性剤は、液体又は固体の非イオン界面活性剤 でも良いし、固体アニオン界面活性剤であってもよい。固体アニオン界面活性剤 は、ナトリウム塩の形で使用することが好ましい。 直腸投与又は膣投与のための組成物は、ココアバター、ポリエチレングリコー ル、又は座薬バターのような適当な非刺激性の賦形剤又は担体と本発明の化合物 を混合することにより調製される座薬であることが好ましい。ココアバター等は 、室温で は固体であるが、体温では液体であり、従って直腸又は膣内で溶解し、活性化合 物を放出する。 本発明の化合物は、リポソームの形状でも投与することができる。この分野で は周知の如く、リポソームは一般にリン脂質又はその他の脂質に由来する。リポ ソームは、水媒体に分散した単層又は多層の水和液晶で形成される。無毒性で、 生理学上許容され、代謝されるリポソーム形成能のあるいかなる脂質も、使用す ることができる。リポソーム形状の本組成物は、本発明の化合物に加えて、安定 剤、保存剤、賦形剤等を含有することができる。好ましい脂質は、天然又は合成 のリン脂質、ホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成する 方法は、この分野で知られている。例えば、Prescott,Ed.,Met hods in Cell Biology,Volume.XIV,Acad emic Press,New York,N.Y.,1976,p.33を参 照のこと。 ブロモティアクマイシンの製造法 本発明の化合物は、次のような方法を使用することによって製造できる。ティ アクマイシンの発酵法は、前に引用した米国特許第4,918,174号に記載 されている。ブロモティア クマイシンの製造は、発酵培地の塩化ナトリウムを臭化ナトリウムに置換するこ とにより、上記発酵法の修正法によって達成できる。培地の臭化ナトリウム濃度 は、0.25から1.0%の範囲で、最も好ましくは0.48%である。 ブロモティアクマイシンは、酢酸エチル、ジエチルエーテル、メチレンクロラ イド、クロロホルムのような水に不溶かごく微量しか溶解しない通常の有機溶媒 によって、発酵ビールから抽出できる。抽出前にメタノールまたはアセトンのよ うな水溶性溶媒を適当量添加して、菌体を溶菌することが望ましい。この処理段 は、菌体内の貯蔵器官からの抗生物質の抽出を確実にする。同類のティアクマイ シン抗生物質の精製は、クロマトグラフィ法によって達成できる。 実験 旋光度はパーキンエルマーのモデル241偏光計で10cmのセルを用いて測 定した。高速原子衝撃質量スペクトルはクラトスMS−50質量スペクトル計で 測定した。紫外スペクトルはパーキンエルマーラムダ3BのUV可視分光光度計 で、また赤外スペクトルはニコレットコンピュータと接続したニコレットのモデ ル60SX、FT−IRで記録した。NMRスペクト ルはゼネラルエレクトリックのGN500またはGN300のいずれかのスペク トル計で測定した。NMRスペクトルのデータは表1(下記の実施例6)に報告 されている。報告されているRf値はクロロホルムとメタノールの混合液(体積 比で9:1)で展開されたアナルテックTLCプレート上に得られ、硫化セリウ ムのスプレー試薬で可視化された。融点はフーバーユニメルトで測定され、補正 を加えずに報告されている。最小抑制濃度は寒天の二倍希釈液で測定された。好 気菌にはBrain heart infusion寒天培地が、嫌気菌にはW ilkins−Chalgren寒天培地が用いられた。 本発明の化合物、製造加工方法、用途は下記の実施例によってより判りやすく なるが、下記の実施例は本発明の範囲を説明したり限定したりするためのもので はない。 実施例1 ブロモティアクマイシンの発酵製造方法 ブロモティアクマイシンは、容量42リットルのステンレス 鋼発酵器(LH Fermentation製)中で2%のブドウ糖1水和物、0.1%の大豆 油、1%の大豆粉、0.3%の牛肉エキス、0.05%の燐酸カリウム、0.0 5%の硫酸マグネシウム七水和物、0.48%の臭化カリウム、0.3% の炭酸カルシウムを含む培地中で発酵され製造される。この培地は前述の米国特 許第4,918,174号においてティアクマイシンの培養に用いられるものの 塩化カリウムが臭化カリウムに置き換えられただけのものである。発酵器には3 0リットルの培地が注がれた。殺菌は121℃、1.05kg/cm2の圧力で 1時間行われた。ブドウ糖一水和物は別に殺菌され、菌を接種する前に発酵器に 投入された。ブロモティアクマイシンを生産する微生物であるDactylos porangium aurantiacum subsp.hamdenen sis AB 718C−41はATCC培地172の寒天培地で30℃、10 日間培養された。培地で成長した菌は0.1%のブドウ糖一水和物、2.4%の 可溶澱粉、0.5%のイースト抽出物、0.5%のトリプトン、0.3%の牛肉 エキス、0.4%の炭酸カルシウムを含む接種用培地中に接種された。接種用菌 は二段階の工程で準備された。第一段階は寒天培地中で96時間培養された。こ の培養菌体は600mlの接種用培地の入った容量2リットルのエルレンマイヤ ーフラスコに5%加えられた。そのエルレンマイヤーフラスコは72時間培養さ れた。どちらの培養工程も30℃において、回転式攪拌機で 225rpm(5.08cmの振り巾)の速度で行われた。第二段階での培養菌 体は上記発酵器に5%接種された。発酵中は温度は30℃に保たれ、攪拌は25 0rpmの速度、空気の供給は1分間に培地体積の7割で、供給空気の圧力は0 .35kg/cm2に保たれた。発泡はシリコーン系の消泡剤、XFO371( Ivanhoe Industries)を最初に0.01%添加し、あとは必 要に応じて加えることで抑制された。発酵物は7日後に回収された。回収時pH は7.9であり、7.0に調整された。 実施例2ブロモティアクマイシンの分離 回収に際し、培地の全量(30リットル)はpH7に調整され、アセトン(1 5リットル)が加えられた。1時間攪拌後、アセトンと培地の混合物は酢酸エチ ル(3×15リットル)で抽出された。合わせた抽出物は乾燥状態まで濃縮され 、残留物はクロロホルム、メタノール、水(各1200ml)で分離された。こ の分離物の最下層は濃縮され、青白い非晶質の固体となった。この固体はシリカ ゲルのカラムに入れられ、メタノールとクロロホルムの混合物で、メタノールの 割合を1%から5 0%へと少しずつ増やしながら溶離された。活性分画はTLC(薄層クロマトグ ラフィ)分析により三つのプールにまとめられた。第一のプールはシリカゲルの カラムにかけられてメタノールとクロロホルムの混合物で、メタノールの割合を 10%、20%、50%と段階的に増やしながら溶離された。このカラムの活性 分画はまとめて白い固体に濃縮された。この固体はイトー多層コイルプラネット 遠心機でクロロホルム、四塩化炭素、メタノール、水、7:3:7:3の混合溶 媒で低位相に設定して向流クロマトグラフィにかけられた。このカラムの活性分 画はまとめて2mgの化合物3(下記実施例5を参照)に濃縮された。第二のプ ールを同様に処理して純粋なティアクマイシンB(58mg)と純粋な化合物2 (3mg)(下記実施例4を参照)を得た。第三のプールは同条件で向流クロマ トグラフィにかけられ、純粋な化合物4(45mg)(下記実施例6を参照)を 得た。未精製の化合物1はセファデックスLH−20カラムを用いたクロマトグ ラフィでメチレンクロライドとメタノール(1:1)で溶離され精製された。こ のLH−20カラムの活性分画はまとめて42mgの純粋な化合物1(下記実施 例3を参照)に濃縮された。 実施例3 化合物1;R1が水素、R2が2−メチルプロパノイル、R3が水素、R4が水酸 基、R5が塩素、R6が臭素である式(I)の化合物の同定 化合物1の高速原子衝撃(FAB)陽イオン質量スペクトルはm/z=112 3という最大の分子量のイオンを示した。この最大のピークは試料にカリウムを 加えればm/z=1139に変換できたので、1123は分子量1100(測定 値−ナトリウム)の親化合物のナトリウム塩であると思われる。この1123イ オンクラスターの同位体分布パターンは1個の臭素原子と1個の塩素原子を有す る化学式に適合する。1100の分子量はティアクマイシン本来の44の質量単 位(臭素の原子量と塩素の原子量の差)に対応するので、化合物1において塩素 原子1個が臭素原子1個と置換されたと解釈できる。陽イオン質量スペクトルに おいてm/z=437でみられる実質的な分解ピークは1個の臭素原子と1個の 塩素原子の同位体分布パターンに対応する。これはティアクマイシンの質量スペ クトルでみられる塩素原子2個の同位体分布パターンであるm/z=393のピ ークに類似していて、芳香族環を持つ糖のフラグメ ントに帰属される。(下記a、b) 化合物1の1H NMRスペクトルは相関分光実験(COSY)とあいまって ティアクマイシンB(表1を参照)のものと同等の基本構造を示している。ティ アクマイシンBと化合物1のPMRスペクトルにおいて特記すべき唯一の相違は 両者のC−8'''プロトンの信号である。ティアクマイシンBではこの2個のプ ロトン信号はd 2.95を中心とする左右対称の2Hの多重線として現れる。 化合物1では対応するプロトン信号はd 3.04とd 2.97に1Hの五重 線として現れる。こ のデータは化合物1が芳香族環のC−6'''の位置に臭素を持つ化合物(6'''− 脱塩素−6'''ブロモティアクマイシンB)であることを示している。 [a]D 25=+3°(c=0.33、MeOH)、白色非晶質固体、融点14 5〜151℃、Rf=0.34、分子量1123(ナトリウム塩)、UV(Me OH):lmax224nm(e 9,900)、232(肩)(9,700)、 266(肩)(5,900)、314(2,400)、酸性メタノール中では: lmax206nm(肩)(e 9,400)、222(11,000)、230 (肩)(10,800)、266(6,500)、塩基性メタノール中では:lmax 206nm(e 13,500)、226(肩)(10,300)、232 (10,800)、312(10,100)IRumax(CDCl3):3690 ,3605,3665,3497,2976,2935,2876,1733, 1684,1601,1575,1468,1456,1411,1385,1 371,1322,1312,1244,1196,1159,1143,11 13,1087,1023cm-1。 実施例4 化合物2;R1が水素、R2がC1からC4のアルカノイル、R3とR4が一緒にな って=O、R5が塩素、R6が臭素である式(I)の化合物の同定 化合物2の高速原子衝撃(FAB)陽イオン質量スペクトルは、m/z=10 21という最大の分子量のイオンを示した。この最大のピークは試料にカリウム を加えればm/z=1037に変換できたので、化合物2の分子量は1098あ るいは化合物1の化合物1より2質量単位低いものと推測される。化合物2のナ トリウム付加物の同位体分布パターンはその構造が1個の臭素原子と1個の塩素 原子を持つことを示している。 化合物1と2のPMRとCOSYのスペクトルを比較するとC−15とC−1 9の領域に相違がみられる。化合物1においてC−15からC−19の原子を示 す一連の結合プロトン信号は化合物2においてはC−17に集中し、d 5.1 3のプロトン信号はC−16のメチレンのプロトンにのみ結合していることを示 す。さらに化合物1のC−19を表すd 1.16における対のメチルのプロト ン信号はd 2.21において単一のメチルのプロトン信号に置き換えられてい る。このデータは、化合物1と比較して化合物2ではC−18位が酸化されてい る と解釈される。故にこの構造は6'''−脱塩素−6'''−臭素−18−ケトティア クマイシンBであると推測される。 [a]D 25=+13°(c=0.21,MeOH)、白色非晶質固体、融点1 39〜144℃)Rf=0.35、分子量1121(ナトリウム塩)、UV(M eOH):lmax222nm(e 10,300)、266(6,800)、酸 性メタノール中では:lmax222nm(e 8,800)、230(肩)(8 ,500)、240(肩)(8,200)、316(肩)(5,500)、塩基 性メタノール中では:lmax206nm(e 13,600)、238(10, 800)、270(肩)(6,700)、316(4,600)。IRumax( CDCl3):3690,3608,2974,2931,2874,1705 ,1601,1457,1383,1376,1312,1251,1196, 1162,1147,1136,1111,1068,1022cm-1。 実施例5 化合物3;R1が水素、R2がC1からC4のアルカノイル、R3が水素、R4が水 酸基、R5が臭素、R6が水素である式(I)の化合物の同定 化合物3の分子量は1064と測定された。化合物3のナト リウム付加物の同位体分布パターンはその構造が1個の臭素原子をもつが塩素原 子は持たないことを示している。m/z=403にあらわれた陽イオン質量スペ クトルのフラグメントピークは臭素1個に対応する同位体分布をあらわしている 。これはティアクマイシンの質量スペクトル中の糖のフラグメントにみられる2 個の塩素の同位体分布パターンのm/z=393のピーク(下記c)と類似して いる。化合物1と3のプロトンとCOSYのスペクトルを比較すると、その構造 中の芳香族環部分にのみ違いがみられる。特に化合物3は単一のメチンプロトン 信号をd 6.35に持ち、これはHMQC実験におけるd 111.5にあら われる炭素の信号の1個の結合を示している。これと同じプロトン信号(d 6 .35)はHMBC実験におけるd 27.7の8'''メチレンの炭素信号や、 d 98.0(Q)やd 107.6(Q)の二つの芳香族炭素の信号への3個 の結合を示している。これらのデータはこのプロトンが化合物3の6'''位の炭 素につくことを示し、4'''、6'''−2脱塩素−4'''ブロモティアクマイシン Bの構造が決定された。 [a]D 25=+3°(c=0.16,MeOH)、白色非晶質固体、融点13 8〜140℃、Rf=0.42、分子量1087(ナトリウム塩)、UV(Me OH):lmax226nm(e 6,000)、266(3,800)、酸性メ タノール中では:lmax226nm(e 6,700)、266(4,200) 、塩基性メタノール中では:lmax206nm(e 7,700)、236(6 ,300)、278(肩)(3,800)、304(3,600)、312(肩 )(3,500)、IRumax(CDCl3):3690,3606,3501, 2987,2935,2875,1731,1692,1653,1603,1 570,1469,1456,1423,1386,1323,1312,12 95,1256,1233,1187,1162,1116,1069,102 2,789cm-1。 実施例6 化合物4;R1がC1からC4のアルカノイル、R2が水素、R3が水素、R4が水 酸基、R5が臭素、R6が水素である式(I)の化合物の同定 化合物4の親化合物のピークと同位体分布パターンは分子量1064でハロゲ ンとして臭素のみを持つ化合物3のそれと同一であった。1個の臭素を示す同位 体分布パターンのm/z=403(5c)のフラグメントピークは化合物4の質 量スペクトルにみられた。化合物4のプロトンとCOSYのスペクトルをティア タマイシンCのそれと比較すると両者はその構造中の芳香族環部分のみが違って いた。化合物4と3のプロトンとCOSYのスペクトルを比較するとC−11に 結合している糖部分のみが違っていた。化合物4は単一線のメチンプロトン信号 をd 6.39に持ち、それはd 111.8の炭素信号に1個の結合を持つこ とを示す。これと同じプロトン信号(d 6.39)はd31.0の8'''メチ レンの炭素信号に3個の結合を持つことを示している。このデータは化合物4が 4''',6'''−2脱塩素−4'''ブロモティアクマイシンCの構造を持つことを 示す。 [a]D 25=−5°(c=0.42,MeOH)、白色非晶質固体、融点14 3〜150℃、Rf=0.30、分子量1087(ナトリウム塩)、UV(Me OH):lmax226nm(e 11,500)、266(7,600)、30 6(肩)(2,300)、酸性メタノール中では:lmax226nm(e 11 ,800)、266(7,800)、306(肩)(2,000)、塩基性メタ ノール中では:lmax204nm(e 11,500)、226(肩)(10, 400)、238(11,800)、270(6,500)、306(7,20 0)、IRumax(CDCl3):3619,2976,2935,2895,1 733,1700,1652,1646,1603,1447,1388,13 71,1323,1311,125,1188,1160,1145,1114 ,1068,1047cm-1表1 実施例3〜6の化合物の1H NMRの割合 化学シフトはTMSから低磁場方向にppm単位で示す。結合係数(J値)は Hzで示した。 表1(続き) 実施例7好気菌と任意バクテリアに対する抗菌性作用のin vitro分析 本発明の化合物の特定の好気性の微生物に対する最小抑制濃度(MIC)の第 一段階でのスクリーニングは下記の寒天希釈法で行った。一連の試験用化合物の 二倍希釈液をbrain heart infusion寒天培地に加えた。こ の寒天培地に各々の試験微生物を1カ所あたりおよそ104個接種した。この接 種培地を37℃で約20時間培養した。目視観察で微生物の繁殖抑制を確認し、 被験化合物(mg/ml)の最小抑制濃度を測定した。 本発明の化合物のClostridiumなどの好気菌に対する最小抑制濃度 (MIC)の第一段階でのスクリーニングは下記の寒天希釈法で行った。一連の 被験化合物の二倍希釈液をWilkins−Chalgren寒天培地に加えた 。この寒天培地に各々の試験微生物を1カ所あたりおよそ105個接種した。こ の接種培地を37℃で約48時間培養した。目視観察で菌の繁殖抑制を確認し、 被験化合物(mg/ml)の最小抑制濃度を測定した。 表2のデータはブロモティアクマイシンがClostridiumに対し、優 れた活性を発揮するが、ティアクマイシンBはStaphylococcusや Enterococcusに対しやや活性が劣ることを示す。実施例3の化合物 、6'''−脱塩素−6'''ブロモティアクマイシンBは本発明の化合物中最も優れ た抗菌性を有し、ティアクマイシンBに比肩しうる。 表2 選択した微生物に対する最小抑制濃度データ(μm/mL) 表2(続き) 上述の詳細な説明と付記した実施例は単に本発明を説明するだけのもので、本 発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲及びその 均等物によってのみ定義される。開示された実施形態に対する様々な変形や修正 は当業者には明白であり、本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに実施することがで きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (72)発明者 マツクアルピン,ジエイムズ・ビイ アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 01740、ボルトン、ケトル・ホール・ロー ド・180 (72)発明者 ラズミユツセン,ロナルド・アール アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53105、 バーリントン、スリーハンドレツド・トウ エルフス・アベニユー・9015

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の構造式を有する化合物であって、 上式でR1及びR2は、水素及びC1からC4までのアルカノイル基からなる群か ら各々独立に選ばれたものであり、 R3及びR4は、 (a)R3は水素、R4は水酸基 (b)R3は水酸基、R4は水素 (c)R3とR4が一緒になって=O、または水素と水酸基 からなる群 から選択されたものであり、 R5及びR6は、少なくとも一方が臭素であるという条件で、水素、臭素、及び 塩素からなる群から独立に選ばれたものである、化合物または薬剤として許容さ れるそのプロドラッグ。 2.R1及びR2の一方がC1からC4までのアルカノイル基であり、他方が水素で ある、請求の範囲第1項に記載の化合物。 3.R5が臭素で、R6が水素である、請求の範囲第1項に記載の化合物。 4.R5が塩素で、R6が臭素である、請求の範囲第1項に記載の化合物。 5.請求の範囲第1項に記載の式を有する化合物であって、 (a)R1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3が水素、R4が水酸基 、R5が塩素、R6が臭素; (b)R1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3とR4が一緒になって =O、R5が塩素、R6が臭素; (c)R1が水素、R2が2−メチルプロパノイル基、R3が水素、R4が水酸基 、R5が臭素、R6が水素;及び (d)R1が2−メチルプロパノイル基、R2が水素、R3が 水素、R4が水酸基、R5が臭素、R6が水素である、化合物の群から選択される 請求の範囲第1項に記載の化合物、またはその薬剤として許容されるプロドラッ グ。 6.薬剤として許容される担体と共に治療上有効な量の請求の範囲第1項に記載 の化合物を含む薬剤組成物。 7.薬剤として許容される担体と共に治療上有効な量の請求の範囲第5項に記載 の化合物を含む薬剤組成物。 8.治療上有効な量の請求の範囲第1項に記載の化合物を患者に投与することを 含む、治療を必要とする患者の細菌感染症の治療方法。 9.治療上有効な量の請求の範囲第5項に記載の化合物を患者に投与することを 含む、治療を必要とする患者の細菌感染症の治療方法。 10.臭化物強化培地でブロモティアクマイシン化合物産生能を有し、該培地で ブロモティアクマイシン化合物を蓄積するDactylosporangium aurantiacum subsp.hamdenensisに属する微生 物を培養する、ブロモティアクマイシン化合物の製造方法。 11.前記微生物がDactylosporangium aurantiacum NRRL 18085である、請求の範囲第10項に 記載の方法。 12.請求の範囲第11項に記載の前記培地から前記ブロモティアクマイシンを 分離する方法。 13.温度25℃から35℃、pH6〜9、臭化物塩濃度0.25〜1.0%の 範囲で前記微生物を培養する、請求の範囲第11項に記載の方法。 14.前記臭化物塩濃度が0.48%である、請求の範囲第13項に記載の方法 。
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