JP2008513486A - 抗生物質化合物 - Google Patents

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Abstract

Nocardia種による栄養培地の発酵は、構造式(I)の新規な広域抗生物質化合物または医薬的に許容されるその塩、エステル、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはそれらの混合物を産生する。

Description

本発明は細菌感染症の治療に有用な広域チアゾリル−ペプチド抗生物質化合物に関する。
細菌が引き起こす感染症は、これらの多くの細菌が種々の抗生物質に耐性であるため、医学的な懸念が増している。このような細菌としては、Staphylococcus aureus、Staphylococcus hemolyticus、Pediococcus種およびStreptococcus pyogenes、Streptococcus pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Vibrio cholerae、Vibrio parahemolyticus、Actinobacter calcoaeticus、Stenotrophomonas maltophiliaがある。従って本発明の抗生物質は、種々の既知抗生物質に耐性の感染症を治療する療法に大きく貢献できる。
同じくチアゾリル−ペプチドであり、細菌感染症の治療に使用されている従来技術の化合物は、チオストレプトン、GE2270A,ノカチアシン、グリコチオヘキシドおよびノシヘプチドである。
本発明では、チアゾリル−ペプチド抗生物質がNocardia種の発酵によって産生される。これらは、慣用の抗生物質に感受性および抵抗性を有している細菌感染症に対して抗菌活性を有している。
本発明は、式I:
Figure 2008513486
[式中、
Rは、−C(O)NH、−C(O)NHC=CHC(O)NHを表し;
、RおよびRは独立にOHを表すか;またはR、RおよびRが一緒に
Figure 2008513486
を表し;
は、OH
Figure 2008513486
を表し;
は水素またはOHを表す]
の新規なチアゾリル−ペプチド抗生物質または医薬的に許容されるその塩、エステル、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはそれらの混合物に関する。
本発明はまた、Nocardia種の発酵による式Iの化合物の製造方法に関する。本発明はまた、発酵ブロスから式Iの化合物を単離する方法に関する。
本発明はまた、式Iの化合物、特に、構造式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、IhおよびIi:
Figure 2008513486
Figure 2008513486
Figure 2008513486
Figure 2008513486
Figure 2008513486
の化合物または医薬的に許容されるその塩、エステル、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはそれらの混合物に関する。
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、無機または有機の無毒性塩基から形成されるような慣用の無毒性塩基を含む。例えば、このような慣用の無毒性塩基は、カリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物のような無機塩基から誘導された塩、ジベンジルエチレンジアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ベンジルアミンなどのアミンのような有機塩基から製造された塩、または、水酸化テトラメチルアンモニウムのような水酸化第四級アンモニウムを含む。
医薬的に許容される塩は慣用の化学的方法によって本発明の化合物から合成できる。一般に、塩は、遊離酸を化学量論的量または過剰量の所望の無機または有機の塩形成性塩基と共に適当な溶媒または種々の混合溶媒中で反応させることによって製造される。
本発明の化合物は細菌感染症の治療に有用な広域抗生物質である。これらは主として、多くの既知抗生物質に耐性の種を含むS.aureus、E.faecalis、E.faecium、S.pneumoniae、B.subtilusに対して抗菌活性を示す。これらの試験菌株の最小阻止濃度(MIC)は、Staphylococcus aureus、Staphylococcus hemolyticus、Streptococcus pyogenes、Streptococcus pneumoniae、およびE.faecalisのような試験菌株に対しては0.01ug/mLから200ug/mL未満の範囲である。本発明の化合物は、化合物を医薬的に許容される担体に組合せることによって医薬組成物に配合できる。このような担体の例は後述する。
化合物は、粉末または結晶質形態、液体溶液、または、懸濁液として使用し得る。これらは多様な手段によって投与し得る。表在投与、経口投与および注射(静脈内または筋肉内)による非経口投与が有利な主要投与経路である。
1つの配給経路である注射用の組成物はアンプルまたは多用量容器に入れた単位剤形で調製し得る。注射用組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルションのような形態でよく、様々な配合剤を含有し得る。あるいは、有効成分が、配給のときに滅菌水のような適当なビヒクルで復元される粉末(凍結乾燥または非凍結乾燥)でもよい。注射用組成物中の担体は典型的には、滅菌水、生理食塩水またはその他の注射可能液体から成り、例えば、筋肉内注射の場合にはピーナツ油から成る。また、種々の緩衝剤、保存剤なども含有させることができる。
表在投与の場合、軟膏、クリーム、ローションを形成するためには疎水性または親水性担体のような担体、塗布剤を形成するためには水性、油脂性またはアルコール性液体、粉末を形成するためには乾燥稀釈剤のような担体中で配合するとよい。
経口組成物は、錠剤、カプセル剤、経口懸濁液および経口溶液のような形態を有し得る。経口組成物には慣用の配合剤のような担体を利用でき、持続放出形態にも即時配給形態にもできる。
投与すべき薬用量は、治療下の患者の状態および体格、投与の経路および頻度、化合物に対する病原体の感受性、感染のビルレンスおよびその他の要因に大きく左右される。しかしながらこれらの事項は抗生物質の分野で公知の治療方針に従って日常的に処方を行う医師に一任される。
ヒトに投与される組成物は、液体であるか固体であるかにかかわりなく、単位剤形あたり約0.01%−約99%の化合物Iを含有し得る。この範囲の一例は約10−60%である。組成物は一般に約2mg−約2.5gの化合物Iを含有し、この範囲の一例は約2mg−1000mgである。非経口投与の場合、単位剤形は典型的には、滅菌水溶液中に純粋な化合物Iを含むかまたは中性pHおよび等張性に調整できる溶液とするための可溶粉末の形態である。
本文中に記載の本発明はまた、感染症の治療に有効な量の式Iの化合物を哺乳動物に投与する段階を含む、治療を要する哺乳動物の細菌感染症の治療方法を含む。
式Iの化合物の投与方法の1つの実施態様は、経口および非経口方法、例えば、静脈内注入、動脈内濃縮塊および筋肉内注射を含む。
成人に対しては、体重1kgあたり0.1−50mgの式Iの化合物の1日1−4回の投与が好ましい。好ましい用量は、2mg−1000mgの抗菌剤の1日1−4回の投与である。より特定的に、軽度な感染症に対しては約5−200mgの用量の1日2−3回の投与が推奨される。極めて感染力の強いグラム陽性微生物による中度の感染症に対しては約20−1000mgの用量の1日3−4回の投与が推奨される。抗生物質に上限の感受性をもつ微生物による生命に危険な重篤な感染症に対しては約100−2000mgの用量の1日3−4回の投与が推奨される。
小児に対しては、典型的には、体重1kgあたり0.1−50mgの式Iの化合物の1日1−4回の投与が推奨される。本発明の別の目的は、2mg−1000mgの抗菌剤の1日1−4回の投与という用量で達成される。
本発明の別の目的は、Nocardia種微生物を適当な栄養培地で培養し次いで発酵ブロスから本発明の化合物を回収する段階を含む式Iの化合物の製造方法である。問題の微生物は、American Type Culture Collection (ATCC),12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland,20852から受託番号ATCC 202099で入手できる。これはMerck culture collectionに受託番号MA7332で寄託されている。微生物の公然入手(public access)に関する制限は特許許諾のときに最終的に排除される。本発明に関してはこの特定種の使用を記載したが、式Iの化合物を産生できる上記微生物の他の種および変異体も存在するであろう。本発明の実施にはそれらの使用も考察する。
構造式Iの化合物は、ATCC受託番号202099の培養物の接種により管理条件下で適当な培地を好気性発酵させることによって製造する。適当な培地は好ましくは水性であり、同化性炭素源、窒素源および無機塩を含有している。
発酵に使用される培地は主として、単独で使用されるかまたは当業者に常用の栄養物を加えて使用される公知のDifcoトリプチック・ダイズブロスである。
本文中に記載の栄養培地が使用できる多様な培地の単なる代表例であり、本発明の範囲がこれらに限定されないことを理解されたい。
発酵は約10℃−約40℃の範囲の温度で行う。しかしながら最適結果を得るためには、発酵を約31−32℃で行うのが好ましい。発酵中の栄養培地のpHは、約5.5−約7.5でよい。
本発明の化合物の発酵生産について、本発明がATCC受託番号202099の特定のNocardia種に限定されないことを理解されたい。本発明の化合物を産生できるならば記載の培養物から産生または誘導された他の天然または人工の突然変異体またはNocardia属の他の変異体または種の使用が本発明の範囲内に含まれることは特に希望しまた意図するものである。ATCC 202099のNocardiaの突然変異種または菌株を人工的に産生するためには、慣用の物理的または化学的な突然変異誘発物質、例えば、記載の培養物の紫外線照射、または、ニトロソグアニジン処理などを用いるとよい。プロトプラスト融合、プラスミド組込み、染色体フラグメント組込み、などのような組換えDNA技術も有用であることが立証されている。
段階1a:化合物Ia、Ic、Id、Ie、If、IhおよびIiを産生するための発酵。1mLの凍結したNocardia種ATCC 202099(MA7332)の発育性原培養物を使用し、250mL容のフラスコに入れた50mLの母培地に接種した。母培地は水1リットルあたり、20gのデンプン、5gのデキストロース、3gのN−Zアミン(Kerry Bio−Science,Hoffman Estates,IL)、2gの酵母エキス、5gのPharmamedia(Traders Protein,Memphis,TN)、1gの炭酸カルシウムを含有していた。培養物を220rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で3日間インキュベートした。得られた培養物の20mLを使用し、2リットル容のフラスコに入れた500mLの母培地に接種し、母培地は上記の50mL培地と同じ成分を含有していた。培養物を180rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で1日間インキュベートした。得られた500mLの培養物を使用し、30リットル容の発酵槽に入れた20Lの培地に接種し、培地は水1リットルあたり、20gのデキストロース、5gのペプトン、10gの一次酵母、5gのAllophosite(ケイ酸アルミニウム)、1mLのP2000抑泡剤(これは泡立ちを防止する高分子材料、Dow Chemical,Midland,MI製)を含有していた。産生発酵は、温度32℃、背圧5psiおよび撹拌速度300rpmで行った。発酵槽に10slpmで空気を散布し、NaOHおよびHSOでpHを7.0に調整した。発酵槽を13日間作動させ、ここで培養物を採集し、化合物を段階2aに記載のようにして抽出し単離した。
段階1b−1:化合物Ibを産生するための発酵:
1mLの凍結したNocardia種ATCC 202099(MA7332)の発育性原培養物を使用し、250mL容のフラスコに入れた50mLの母培地に接種した。母培地は水1リットルあたり、20gのデンプン、5gのデキストロース、3gのN−Zアミン、2gの酵母エキス、5gのPharmamedia、1gの炭酸カルシウムを含有していた。培養物を220rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で2日間インキュベートした。得られた培養物の20mLを使用し、2リットル容のフラスコに入れた500mLの母培地に接種した。母培地は上記の50mL培地と同じ成分を含有していた。培養物を180rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で2日間インキュベートした。得られた500mLの培養物を使用し、23リットル容の発酵槽に入れた15Lの培地に接種した。培地は水1リットルあたり、25gの可溶性デンプン、15gのグルコース、7.5gの酸加水分解したカゼイン、12gの酵母エキス、3.5gのダイズひき割り、3.5gのビーフエキス、1mLの抑泡剤(P2000)を含有していた。産生発酵は、温度32℃、背圧5psiおよび撹拌速度300rpmで行った。発酵槽に5標準リットル/分(slpm)で空気を散布し、NaOHおよびHSOでpHを7.0に調整した。発酵槽を10日間作動させ、ここで培養物を採集し、化合物Ibを単離するために後述のようにして抽出した。
段階1b−2:化合物Igを産生するための発酵:
mLの凍結したNocardia種ATCC 202099(MA7332)の1発育性原培養物を使用し、250mL容のフラスコに入れた50mLの母培地に接種した。母培地は水1リットルあたり、20gのデンプン、5gのデキストロース、3gのN−Zアミン、2gの酵母エキス、5gのPharmamedia、1gの炭酸カルシウムを含有していた。培養物を220rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で2日間インキュベートした。得られた培養物の20mLを使用し、2リットル容のフラスコに入れた500mLの母培地に接種した。母培地は上記の50mL培地と同じ成分を含有していた。培養物を180rpmで作動している回転撹拌器に載せ、32℃で2日間インキュベートした。得られた500mLの培養物を使用し、30リットル容の発酵槽に入れた20Lの培地に接種した。培地は水1リットルあたり、20gのデキストロース、5gのペプトン、10gの一次酵母、5gのAllophosite(ケイ酸アルミニウム)、2mLのP2000抑泡剤(これは泡立ちを防止する高分子材料)を含有していた。産生発酵は、温度32℃、背圧5psiおよび撹拌速度300rpmで行った。発酵槽に10slpmで空気を散布し、NaOHおよびHSOでpHを7.0に調整した。発酵槽を10日間作動させ、ここで培養物を採集し、化合物Igを回収するために酢酸エチルで抽出した。
段階2a:化合物Ia、Ic、Id、Ie、If、IhおよびIiの単離。18リットルの発酵ブロス(pH=5.0)を各18および16リットルの酢酸エチルと共に室温で一夜撹拌することによって2回抽出した。酢酸エチル層を分離し、プールして減圧下で濃縮すると、7.1グラムの固体が得られた。水層をセライトで濾過し、ケーキを各8リットルのアセトンで2回抽出した。プールしたアセトン抽出物を濃縮乾固すると15.6グラムの固体が得られたので、これを焼結ガラス漏斗に載せ、ヘキサン(4×150mL)で洗浄すると、12.8グラムの固体が得られた。これを250mLの1:1のメチレンクロリド−メタノールに懸濁させ、濾過した。35グラムのSephadex LH20のアリコートを濾液に注ぎ、減圧下で溶媒を除去した。化合物で被覆されたLH20粉末を、1:4のヘキサン−メチレンクロリドを充填した2.0リットル容のSephadex LH20カラムの頂上部に充填した。カラムを各2カラム容の1:4のヘキサン−メチレンクロリド(画分3)、2.5%のメタノール−メチレンクロリド(画分4−6)、1.5カラム容の5%メタノール−メチレンクロリド(画分7−11)1カラム容の10%メタノール−メチレンクロリド(画分12−15)、各1.5カラム容の20(画分16−18)、50(19−21)および最後に100%のメタノールで溶出させた。TLC分析および分析用HPLCに基づいて画分をプールすると、溶出溶媒と共に括弧内に示した画分1−21が得られた。
化合物Iaの単離:LH20画分3(1グラム)を50%のメタノール−メチレンクロリドに溶解し、5gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)に吸着させた。これを減圧下で乾燥し、真空液体クロマトグラフィーを使用して内径20cmの焼結ガラス漏斗に入れた100gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)で精製した。これを0.5Lのクロロホルムで溶出し、次いで1Lの10%メタノール−クロロホルム、0.5Lの20%メタノール−クロロホルム、1Lの50%メタノール−クロロホルムで溶出し、最後に50%メタノール−クロロホルム中の5%水酸化アンモニウムで洗浄した。10%メタノール−クロロホルム溶出から得られた画分を減圧下に濃縮し、凍結乾燥すると650mgの固体材料が得られた。これを、Zorbax SB Phenylを使用して13回の同一処理を行う分取HPLCによって精製した(21×250mm、0.1%のTFAを含有する40−50%のアセトニトリル−水の勾配で36分溶出、流速12mL/分)。化合物Iaは32−33分後に溶出した。これを凍結乾燥すると、42mgの淡黄色粉末材料が得られたので、Zorbax SB Phenylをもっと緩やかな勾配で使用する分取HPLCによって精製した(21×250mm、0.1%のTFAを含有する40−50%のアセトニトリル−水の勾配で42分溶出、流速12mL/分)。化合物Iaは33−37分後に溶出した。画分をプールし、これを凍結乾燥すると、化合物Iaが淡黄色粉末として得られた。
化合物Icの単離:メチレンクロリド中の5%メタノール中に溶出したLH−20画分07を濃縮乾固すると400mgの材料が得られたので、これをプレパックした焼結ガラス漏斗中でシリカゲルクロマトグラフィー処理し(40gシリカゲル、EM science、粒度230−240mm)、各100mlの酢酸/メタノール/クロロホルム1:0:99、1:1:98、1:2:97、1:3:96、1:4:95および1:5:94(5×100mL)で溶出し、次いで水酸化アンモニウム/メタノール/クロロホルム1:7.5:91.5(100mL)、1:10:89(3×100mL)、1:25:74(2×100mL)、1:99:0(100mL)で溶出した。最後の300mLの1:5:94酢酸/メタノール/クロロホルム溶出溶媒で溶出した画分をプールし、水酸化アンモニウムによってpH=7.0に調整し、濃縮乾固し、水と研和し、濾過し、濾液を濃縮乾固すると、33.5mgの材料が得られたので、これを、分取HPLC(YMC ODS−AQ,20×250mm,5mL/分、0.05%のTFAを含有する40−50%水アセトニトリル、60分超、215nm)でクロマトグラフィー処理した。46分後に溶出する画分を凍結乾燥すると化合物Icが得られた。
化合物Idの単離:上述したように23L容の発酵タンクで7日間増殖させたNocardia種の15Lの発酵物を15Lの酢酸エチルで抽出し濾過した。回転蒸発器を使用して減圧下で濾液を濃縮し凍結乾燥すると、15gの油性材料が得られた。乾燥した酢酸エチル抽出物(15g)を50mLの90%メタノール−メチレンクロリドに溶解し、2LのSephadex LH20カラムに充填し、流速5mL/分のメタノール−メチレンクロリド(3:1)で溶出した。40mLの画分を採集した。目的の化合物は画分21−36に溶出した(0.8−1.4カラム容)。これらの画分をプールし、濃縮乾固すると、4.5gの油性材料が得られた。これを50%メタノール−メチレンクロリドに溶解し、12gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)に吸着させた。これを減圧下で乾燥し、内径8.5cmの焼結ガラス漏斗中の100gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)上で真空液体クロマトグラフィーを使用して精製した。これを2Lのメタノール−水−メレンクロリド(3:0.025:97)で洗浄し、化合物Idを2Lのメタノール−水−メレンクロリド(35:0.025:65)で溶出した。これを減圧下で濃縮し凍結乾燥すると、1.8gの固体材料が得られたので、10%のメタノール−メチレンクロリドに溶解して、3gのDiol(DL12S50,120A,s−50μm YMC Co.Ltd.Japan)に吸着させた。これを減圧下で乾燥し、5mL/分の流速の150gのDiol(DL12S50,120A,s−50μm YMC Co.Ltd.Japan)カラム(1.75×8インチ)で精製した。これをメチレンクロリドで溶出し、次いでメタノール−水−メチレンクロリド(1:0.5:99)からメタノールのパーセンテージが漸増して最終的にメタノール−水−メチレンクロリド(15:1:84)となる溶媒系で溶出し、最後に、(10:1:89の)メタノール−水酸化アンモニウム−ジクロロメタンで洗浄し、50mLの画分を収集した。最後の溶媒で溶出した画分をプールすると48mgの半精製画分が得られたので、10%メタノール−メチレンクロリドに溶解し、0.5gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)に予め吸着させ、1.5mL/分の流速で使用する10gのシリカゲル60(230−400メッシュ、E−M Scientific,Germany)カラム(0.5×8.5インチ)で精製した。これを250mLのクロロホルムで溶出し、次いで、メタノールのパーセンテージが漸増するクロロホルム−水酸化アンモニウム[すなわち、メタノール−水酸化アンモニウム−クロロホルム2.5:0.125:97.5(600mL)、3:0.125:97(800mL)、5:0.125:95(800mL)、10:0.125:90(1.4L)、15:0.125:85(600mL)、25:0.125:75(200 mL)、40:0.125:60(200mL)]で抽出した。化合物Idを含有する画分は10:0.125:90(メタノール−水酸化アンモニウム−クロロホルム)で溶出した。これらをプールし、減圧下で濃縮し、凍結乾燥すると、4mgの化合物Idが得られた。
化合物Ieの単離:LH20画分16(432mg)をクロロホルム/メタノール(1:1)に溶解し、2gのシリカゲルに吸着させ、減圧下で溶媒を除去し、粉末をシリカゲル充填焼結ガラス漏斗(25g、EM science、粒度230−240mm、house vacuum)に塗布し、各100mLの2.5%、5.0%、7.5%、10%、15%、20%、30%、50%、75%のメタノール/クロロホルムで溶出させ、最後に400mLの100%メタノールで洗浄した。メタノール画分を濃縮すると、84.4mgの材料が得られたので、これを分取HPLC分画化(YMC ODS−AQ、20×250mm、10mL/分、TFA非含有の25−35%アセトニトリル、40分超、215nm)処理した。25分後に溶出したHPLC画分を凍結乾燥すると、化合物Ieが粉末として得られた。
化合物Ifの単離:メチレンクロリド中の5%メタノールに溶出したLH−20画分07を濃縮乾固すると400mgの材料が得られたので、これをプレパック焼結ガラス漏斗(40gシリカゲル、EM science、粒度230−240mm)でシリカゲルクロマトグラフィー処理し、各100mLの1:0:99、1:1:98、1:2:97、1:3:96、1:4:95および1:5:94(5×100mL)の酢酸/メタノール/クロロホルムで溶出し、次いで1:7.5:91.5(100mL)、1:10:89(3×100mL)、1:25:74(2×100mL)、1:99:0(100mL)の水酸化アンモニウム/メタノール/クロロホルムで溶出した。最後の300mLの1:5:94酢酸/メタノール/クロロホルム溶出溶媒で溶出する画分をプールし、水酸化アンモニウムでpH7.0に調整し、濃縮乾固し、水と研和し、濾過し、濾液を濃縮乾固すると、33.5mgの材料が得られた。これを分取HPLCによってクロマトグラフィー処理した(YMC ODS−AQ、20×250mm、5mL/分、0.05%TFAを含有する40−50%水アセトニトリル、60分超、215nm)。31分後に溶出する画分を凍結乾燥すると化合物Ifが得られた。
化合物IhおよびIiの単離:50%メタノール−メチレンクロリドで溶出したLH−20画分21(175.0mg)をYMC ODS−AQ、20×250mmカラムを流速10mL/分で0.05%のTFAを含有する25−35%水アセトニトリルの40分勾配と共に使用し214nmで検出する分取HPLCによって処理した。22分および31分後に得られた画分を凍結乾燥すると、それぞれ化合物IiおよびIhが粉末として得られた。
化合物Ibの単離:段階Ib−1に記載したように6個のタンクから得られた100Lのブロスを、50Lの酢酸エチルで抽出した。一番上の酢酸エチル層を除去し、水層をセライトで濾過した。酢酸エチル抽出物を濃縮乾固し、ヘキサンと研和すると10gの材料が得られた。濾過したケーキを2×20Lのアセトンで抽出した。アセトンを除去した後、沈殿した化合物を焼結ガラス漏斗で濾過した。酢酸エチルおよびアセトンによる抽出から得られた固体をプールし、ヘキサン(500mL)で洗浄し、1:1のメタノール/メチレンクロリド(500mL)に溶解し、焼結ガラス漏斗で濾過した。濾液を濃縮乾固すると、42グラムの固体が得られたので、これを1:1のメチレンクロリド/メタノール(200mL)に溶解し、50gのシリカゲルに予め吸着させ、550gのシリカゲルを詰めた12×17cmの焼結ガラス漏斗に塗布し、1%の酢酸を含む2Lの1%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む1Lの2%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む1Lの3%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む1Lの4%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む4Lの5%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む1Lの6%メタノール/クロロホルム、1%の酢酸を含む3Lの7.5%メタノール/クロロホルム、1%の水酸化アンモニウムを含む5Lの7.5%メタノール/クロロホルム、1%の水酸化アンモニウムを含む2Lの15%メタノール/クロロホルム、1%の水酸化アンモニウムを含む2Lの30%メタノール/クロロホルム、1%の水酸化アンモニウムを含む2Lの60%メタノール/クロロホルム、1%の水酸化アンモニウムを含む3Lの100%メタノールで順次溶出した(500mL/画分、合計54画分)。
画分30を濃縮乾固すると、146.5mgの粉末が得られたので、これを分取HPLC(Zorbax SB−phenyl、21.2×250mm、12mL/分、0.1%TFA含有の40−50%アセトニトリル水、45分超、214nm)で処理した。39−40分後に溶出する画分をプールし、凍結乾燥すると、化合物Ibが得られた。
化合物Igの単離:段階1b−2の14リットルのブロスを14リットルの酢酸エチルで抽出した。混合物を濾過し、セルを各2リットルのアセトンで2回抽出し、集めた。アセトン抽出物を減圧下で1.5リットルの沈殿性水溶液に濃縮し、濾過すると5.8gの固体が得られた。5gの固体アリコートをメタノール−メチレンクロリドに溶解し、5gのシリカゲルを添加した。減圧下に溶媒を除去すると粉末が得られたので、これを99−1クロロホルム−酢酸中で2リットルの焼結ガラス漏斗に入れた250グラムのシリカ層の頂上部に加えた。各3倍容の99−1クロロホルム−酢酸、99−1−1のクロロホルム−メタノール−酢酸、次いで、98−2−1、97−3−1、96−4−1、95−5−1、90−10−1および90−10−1のクロロホルム−メタノール−水酸化アンモニウムで溶出した。95−5−1の溶媒組成で溶出する画分17および18を集めて(105mg)、溶解し、3−5gのシリカゲルに加えて濃縮乾固した。15gのシリカゲルをドライパックしたカラムの頂上部にこれを加え、各画分の合計155.6mLに対して30カラム容の97−3−1のクロロホルム−メタノール−水で溶出した。画分を最初にシリカTLCによって分析し、選択した画分をHPLCによって検定した。画分21−50(20mg)を1gのシリカゲルに加えて濃縮乾固した。15gのシリカゲルをドライパックしたカラムの頂上部にこれを加え、各画分の合計240.6mLに対して48カラム容の98−2−1クロロホルム−メタノール−水で溶出した。画分180−210を集めて濃縮乾固すると、3.2mgの粗Igが得られた。これをZorax phenyl半分取HPLCカラム(9.4×250mm)で、21分間の40−60%水アセトニトリル勾配を保持時間2分で使用する多重注入によって更に精製した。14分後に溶出する画分を集めて凍結乾燥すると、化合物Igが得られた。
段階3:Ia−Ieの生理化学的特性
化合物Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If、Ig、IhおよびIiの構造を質量分析法、H NMRおよび13C NMRの使用によって決定した。
化合物Ia:
分子量:1434
分子式:C61581418
HRESIMS(m/z):1435.2696(M+Hの測定値)、1435.2734(計算値)
UV(メタノール)λmax(logε)222(4.77),288(4.40),358(4.08)nm
IR(neat)νmax3389,3096,2929,1669,1638,1535,1476,1424,1387,1320,1253,1203,1229,1099,1038,1016cm−1
H NMR(CDC13+CD3OD)δppm δ8.38(1H,d,J=10Hz),8.31(1H,s),8.27(1H,s),8.21(1H,s),8.08(1H,d,J=11.5Hz),7.93(1H,s),7.76(1H,d,J=8.5 Hz),7.68(1H,s),7.64(1H,s),7.36(1H,t,J=8.5Hz), 7.16(1H,d,J=7.0Hz),6.58(1H,s),5.96(1H,d,J=12.0Hz),5.93(1H,d,J=10.0 Hz),5.70(1H,m),5.59(1H,s),5.26(1H,m),5.04(1H,t,J=7.0Hz),4.97(1H,d,J=5.0Hz),4.91(1H,d,J=12.5Hz),4.84(1H,d,J=10.0Hz),4.40(1H,d,J=9.5Hz),4.24(1H,m),4.19(1H,d,J=5.5Hz),4.16(1H,d,J=12.0Hz),3.87(1H,d,J=6.0Hz),3.81(3H,s),3.56(1H,d,J=10.5Hz),2.91(1H,m),2.70(1H,s),2.37(1H,dd,J=16.0,5.5Hz),1.90(3H,s),1.83(1H,dd,J=15.0,7.0Hz),1.40(3H,s),1.39(3H,d,J=6.0Hz),0.72(3H,d,J=6.5Hz)
13C NMR(CDC13+CD3OD)δ172.0,169.7,169.4,167.8,166.6,166.2,165.5,162.3,162.0,161.7,161.6,160.6,159.5,158.8,155.3,151.7,149.9,149.8,149.3,146.1,144.1,135.5,134.8,133.1,130.3,127.9,126.9,126.6,125.7,125.4,124.9,124.3,124.0,120.5,119.6,112.4,110.5,110.1,104.3,93.9,84.8,81.6,72.0,70.0,68.3,66.3,64.7,64.2,64.2,56.5,55.9,41.3,35.9,25.4,18.2,16.3,13.8。
化合物Ib:
分子量:1448
分子式:C62601418
UV(メタノール+THF,1:1)λmax222(ε52736),288(ε23110),362(ε9383)
IR(ZnSe)νmax3387,2978,1742,1667(br,strong),1531,1475,1422,1320,1252,1200,1128,1097,1070,1025,832,801,721cm−1
HRESIMS:1449.2930(M+Hの測定値),1449.2892(M+Hの計算値)
H NMR(CDC13+CD3OD)δ(ppm):8.39(1H,d,J=10.8Hz),8.33(1H,brs),8.24(1H,brs),8.21(1H,s),8.10(1H,d,J=10.9Hz),7.93(1H,s),7.94(1H,brs),7.76(1H,d,J=7.2Hz),7.69(1H,s),7.62(1H,brs),7.37(1H,t,J=7.0Hz),7.13(1H,d,J=7.0Hz),6.57(1H,brs),5.98(1H,m),5.96(1H,m),5.67(1H,dd,J=10.1,5.1Hz),5.58(1H,brs),5.27(1H,dd,J=10.1,5.1Hz),5.07(1H,t,J=6.3Hz),4.93(1H,d,J=12.3Hz),4.84(1H,d,J=10.1Hz),4.46(1H,brs),4.43(1H,d,J=9.1Hz),4.41(1H,d,J=10.9Hz),4.22(1H,brs),4.17(1H,d,J=10.3Hz),3.93(1H,q,J=6.5Hz),3.81(1H,d,J=10.0Hz),3.80(3H,s),3.00(1H,brs),2.94(1H,brs),2.73(3H,s),2.41(1H,dd,J=15.7,5.5Hz),1.89(3H,s),1.80(1H,dd,J=15.7,7.8Hz),1.45(3H,brs),1.40(3H,brs),1.39(3H,s),0.75(3H,d,J=6.1Hz)
13C NMR(CDC13+CD3OD)δ(ppm)171.4,169.3,169.1,167.4,166.3,165.9,165.1, 162.1,161.7,161.4,161.3,160.3,159.2,158.4,155.0,151.3,149.6,149.5,148.9,145.8,143.8,135.2,134.4,132.8,129.9,127.5,126.6,126.3,126.3,125.4,124.9,124.3,124.0,123.7,120.1,119.3,111.9,110.1,109.7,103.7,93.1,91.9,81.0,79.3,72.6,69.2,67.1,65.9,64.1,64.1,63.5,56.0,55.3,48.7,48.4,39.6,35.4,24.8,17.5,15.1,14.5,13.3。
化合物Ic:
分子量:1409
分子式:C59551319
HRESIMS:1410.2429(M+Hの測定値),1410.2419(M+Hの計算値)、
H NMR(CDCl+CDOD)δ8.31(1H,s),8.29(1H,s),8.24(1H,s),8.00(1H,s),7.83(1H,d,J=8.6Hz),7.69(1H,s),7.66(1H,s),7.42(1H,dd,J=8.6,7.0Hz),7.16(1H,d,J=7.0 Hz),6.62(1H,s),6.07(1H,d,J=12.3Hz),5.81(1H,brd,J=9.1Hz),5.69(1H,dd,J=10.2,5.4Hz),5.54(1H,s),5.30(1H,dd,J=11.3,5.9Hz),4.95(1H,d,J=12.3Hz),4.90(1H,d,J=10.7Hz),4.89(1H,d,J=4.3Hz),4.44(1H,dd,J=11.3,9.7Hz),4.42(1H,d,J=10.2Hz),4.28(1H,d,J=4.3Hz),4.23(1H,d,J=10.7Hz),3.91(1H,d,J=10.2Hz),3.83(3H,s),3.35(1H,m),3.05(1H,d,J=9.7Hz),2.93(1H,m),2.17(1H,d,J=13.9Hz),1.91(3H,s),1.89(lH,d,J=13.9Hz),1.49(3H,s),1.39(3H,d,J=6.4Hz),0.67(3H,d,J=6.4Hz)。
化合物Id:
分子量:1351
分子式:C58581316
ESIMS:1352(M+Hの測定値)
H NMR(CDCl+CDOD)δ(ppm)8.44(1H,d,J=9.5Hz),8.38(1H,s),8.29(1H,s),8.25(1H,s),8.00(1H,s),7.83(1H,d,J=10.5Hz),7.74(1H,s),7.71(1H,d,J=8.5Hz),7.60(1H,s),7.39(2H,m),7.16(1H,d,J=9.0Hz),6.15(1H,d,J=12.5Hz),5.82(1H,brd,J=8.0Hz),5.76(1H,dd,J=11,4Hz),5.38(1H,dd,J=1l,4.5Hz),5.16(1H,d, J=10Hz),5.05(1H,d,J=5Hz),4.95(1H,d,J=12.5Hz),4.65(1H,d,J=11.5Hz),4.43(1H,d,J=9.5Hz),4.30(1H,m),4.21(1H,d,J=10Hz),3.99(1H,brd,J=6Hz),3.94(1H,dd,J=9.5,1.5Hz),3.86(3H,s),2.60(6H,s),2.29(1H,m),2.07(1H,d,J=14.5Hz),1.97(1H,m),1.95(3H,s),1.57(3H,s),1.32(3H,d,J=6Hz),0.78(3H,d,J=7Hz)。
化合物Ie:
分子量:1253
分子式:C50551316
UV(メタノール+THF,1:1)λmax224(ε60244),364(ε11502)
IR(ZnSe)νmax3368,1657(br,strong),1536,1479, 1423,1321,1251,1124,1025,887,761cm−1
HRESIMS:1254.2551(M+Hの測定値),1254.2571(M+Hの計算値)
H NMR(DMSO−d)δ(ppm):10.08(1H,s,NH),9.55(1H,brs,NH),8.61(1H,brs,NH),8.55(1H,s),8.51(1H,d,J=8.8Hz,NH),8.43(1H,s),8.35(1H,s),8.19(1H,s),8.05(1H,brs,NH),7.59(1H,brs,NH),7.87(1H,s),7.81(1H,s),7.38(1H,brs,NH),5.72(1H,brs),6.35(1H,brs),5.66(1H,dd,J=9.3,2.7Hz),5.26(1H,ddd,J=9.3,9.3,4.4Hz),5.12(1H,brs),4.78(1H,brs),4.66(1H,d,J=7.9Hz),4.55(1H,brs),4.02(1H,m),4.00(1H,m),3.88(3H,s),3.72(1H,m),3.50(1H,t,J=10.2Hz),3.70(1H,m),2.60(6H,s),2.36(1H,brs),2.02(3H,s),1.88(1H,dd,J=13.6,3.4Hz),1.74(1H,d,J=13.6Hz),1.46(3H,s),1.30(3H,d,J=5.7Hz),0.95(3H,d,J=6.2Hz)
13C NMR(DMSO−D6)δ(ppm)171.7,169.3,169.2,168.8,166.7,165.1,164.2,162.2,160.8,160.5,160.1,160.0,158.5,153.6,151.5,149.9,149.4,149.2,146.6,141.6,135.1,134.3,129.5,127.2,127.1,125.4,124.8,123.0,118.4,110.2,103.5,94.4,72.7,72.4,69.4,68.4,67.2,65.1,62.1,56.0,55.7,52.9,49.6,44.1,40.1,30.1,20.9,18.2,12.7。
化合物If:
分子量:1249
分子式:C52431315
HRESIMS(m/z):1250.1670(M+Hの測定値),1250.1683(M+Hの計算値)
H NMR(CDCl−CDOD)δ(ppm)10.7(1H,brs,NH),9.7(1H,s,NH),8.32(1H,s),8.31(1H,d,J=9.7Hz),8.23(1H,s),8.18(1H,s),8.09(1H,brs,OH),7.92(s),7.81(1H,d,J=10.8Hz),7.72(1H,s),7.61(1H,d,J=8.5Hz),7.57(1H,s),7.30(1H,m),7.30(1H,d,J=7.5Hz),7.07(1H,d,J=7.0Hz),5.99(1H,d,J=12.3Hz),4.93(1H,d,J=12.6Hz),5.95(1H,dd,J=9.6,1.8Hz),5.70(1H,dd,J=11.0,3.9Hz),5.57(1H,d,J=1.7Hz),6.52(1H,d,J=1.8Hz),5.31(1H,dd,J=11.8,4.4Hz),4.59(1H,d,J=11.4Hz),5.07(1H,d,J=10.1Hz),4.08(1H,d,J=10.0Hz),4.21(1H,brd,J=7.4Hz),4.20(1H,d,J=9.3Hz),3.74(3H,s),3.65(1H,dd,J=9.6,1.9Hz),1.85(3H,s),1.85(lH,m),1.25(3H,d,J=6.3Hz)
13C NMR(CDCl−CDOD)δ(ppm)174.4,169.3,168.2,168.2,166.4,166.3,165.7,164.3,161.8,161.7,161.4,159.2,159.2,158.5,154.9,151.6,150.1,149.4,149.1,146.0,142.6,136.4,134.2,132.8,129.5,127.0,126.3,125.9,125.9,124.3,124.1,124.1,123.6,123.4,122.8,119.3,115.8,115.8,110.0,103.7,81.4,68.0,67.3,66.2,64.4,62.0,55.3,54.6,50.7,49.2,17.6,12.9。
化合物Ig:
分子量:1196
分子式:C49401215
HRESIMS(m/z) 1197.1420(M+Hの測定値),1197.1412(M+Hの計算値)
H NMR(DMSO−d):δ(ppm)10.83(1H,s),8.95(1H,s),8.64(1H,s),8.56(1H,s),8.51(1H,s),8.45(1H,s),8.38(1H,d,J=8.5Hz),8.24(1H,s),7.99(1H,s),7.91(1H,d,J=11Hz),7.86(1H,s),7.71(1H,s br),7.70,(1H,s br),7.38(1H,d,J=8.0Hz),7.34 (1H,t,J=8.0Hz),7.17(1H,d,J=7.0Hz),6.08(1H,d,J=7.0Hz),5.92(1H,d,J=12.0Hz),5.87(1H,d,J=9.5Hz),5.75(1H,s),5.74(1H,m),5.22(1H,m),5.02(1H,d,J=12.0Hz),4.69(1H,d,J=10.5Hz),4.53(1H,m),4.90,(1H,d,J=10.5Hz),4.20(1H,m),4.10(1H,m),4.02(1H,dd,9.5,7.5),3.88(3H,s),3.73(1H,d,J=9.5Hz),2.53(1H,m),12.9(3H,s),1.16(3H,s br)
13C NMR(DMSO−d)δ(ppm)174.3,167.9,167.9,167.7,167.6,163.8,162.7,161.0,160.9,160.2,160.2,159.1,157.8,157.5,150.9,150.6,149.4,148.6,145.9,143.1,134.8,134.4,130.0,128.4,127.4,126.7,126.2,125.4,125.0,124.0,122.9,120.0,119.4,112.3,111.2,109.7,81.3,67.7,67.1,65.1,64.3,63.1,56.0,55.7,49.5,49.3,17.8,13.0。
化合物Ih:
分子量:1082
分子式:C41381412
HRESIMS(m/z):1083.1277(M+Hの測定値),1083.1312(M+Hの計算値)
H NMR(DMSO−d)δ(ppm)8.59(1H,s),8.45(1H,s),8.40(1H,s),8.20(1H,s),7.92(1H,s),7.86(1H,s),6.34(1H,s),5.88(1H,dd,J=9.7,2.5Hz),5.74(1H,s),5.32(1H,ddd,J=9.5,9.5,5.2Hz),4.66(1H,bd,J=8.8Hz),4.05(1H,bs),3.89(3H,s),3.73(1H,dd,J=11.1,4.4Hz),3.68(1H,brs),3.60(1H,brs),3.51(1H,t,J=10.2Hz),2.05(3H,s),0.90(3H,d,J= 6.5Hz)
13C NMR(DMSO−d)δ(ppm)173.6,169.4,169.4,169.1,167.1,165.1,164.0,162.2,160.5,160.5,160.4,160.4,158.4,153.4,150.8,149.8,149.8,149.2,146.6,142.6,135.1,134.3,129.6,127.3,127.1,125.7,125.5,123.5,119.0,110.0,103.8,73.6,71.5,66.1,62.2,56.3,55.8,53.1,49.7,16.9,12.7。
化合物Ii:
分子量:1013
分子式:C38351311
HRESIMS(m/z):1014.1073(M+Hの測定値),1014.1097(M+Hの計算値)
H NMR(DMSO−d)δ(ppm)8.56(1H,s),8.45(1H,s),8.39(1H,s),8.19(1H,s),7.94(1H,s),7.84(1H,s),5.86(1H,brd,J=9.4Hz),5.31(1H,m),4.65(1H,bd,7.3Hz),4.03(1H,m),3.88(3H,s),3.77(1H,m),3.73(1H,m),3.59(1H,m),3.49(1H,m),2.03(3H, s),0.88(3H,d,J=6.5Hz)。
化合物Iの抗生物質活性を定量するために使用したプロトコルを以下に記載する。
材料:
カチオン調節ミュラー・ヒントンブロス(MH;BBL)
50%溶解ウマ血液(LHB;BBL)(凍結保存)
RPMI 1640(Bio Whittaker)
ヒト血清(Pel−Freez)
RPMI 1640(Bio Whittaker)
ヘモフィルス試験培地(HTM,Remel)
トリプチケース・ダイズブロス(TSB、5mL/管;BBL)
0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水;Baxter)
トリプチケースダイズ+5%ヒツジ血液寒天プレート(TSA;BBL)
サブローデキストロース寒天プレート(BBL)
チョコレート寒天プレート(BBL)
2×脱脂乳(Remel)
マイクロバンクビーズ(Kramer Scientific)
MIC2000マイクロタイタープレート接種器
2×トリプチケース・ダイズブロス(TSB,BBL)+15%グリセロール/50%ウマ血清
96−ウェルマイクロタイタープレート、蓋、接種物トレー(Dynex Laboratories)
8−チャンネルのFinnマルチチャンネルピペッター、容量0.5−10μL。
方法
培地調製
カチオン調節ミュラー・ヒントンブロス(MH;BBL):製造業者の指示通りに調製した(22gを1000mLの水に溶解し、22分間オートクレーブ処理)。冷蔵保存した。使用前にCorning 0.45Tm酢酸セルロースフィルターを使用して濾過滅菌した。
50%溶解ウマ血液:線維素除去したウマ血液を滅菌蒸留水で1:1に希釈し、凍結し、解凍し、再凍結し(少なくとも7回)、次いで遠心する。−20℃で冷凍保存した。
カチオン調節ミュラー・ヒントン+2.5%溶解ウマ血液:100mLのカチオン調節ミュラー・ヒントンブロスに5mLの50%溶解ウマ血液を無菌的に添加する。使用前にCorning 0.45Tm酢酸セルロースフィルターを使用して濾過滅菌する。
カチオン調節ミュラー・ヒントン+50%ヒト血清:50mL×2のカチオン調節ミュラー・ヒントンブロスに50mLのヒト血清を無菌的に添加する。使用前にCorning 0.45Tm酢酸セルロースフィルターを使用して濾過滅菌する。
ヘモフィルス試験培地(Remel):製造業者から調製済みで入手した。使用前にCorning 0.45Tm酢酸セルロースフィルターを使用して濾過滅菌した。
0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水;Abbott Labs):製造業者から調製済みで入手した。
2×脱脂乳(Remel):製造業者から調製済みで入手した
寒天プレートはすべて製造業者から調製済みで入手した。
Figure 2008513486
単離物の選択と維持
使用した菌株は、Merck Culture Collection、Merck Clinical Culture CollectionまたはClinical Trialsからの単離物である。Haemophilus influenzae菌株は、Merckでin vivo試験に使用したマウス病原体である。Escherichia coli菌株は、細胞壁透過性菌株である。Candida albicans菌株を対照として使用する。これらの培養物を−80℃の凍結予製液として、a)マイクロバンクビーズ;b)2×脱脂乳;またはc)2×トリプチケース・ダイズブロス+15%グリセロール/50%ウマ血清中に維持する(HaemophilusおよびStreptococcus pneumoniae)。
接種物の調製
選択した単離物をチョコレート寒天プレート(Haemophilus influenzae)、トリプチケース・ダイズブロス+5%ヒツジ血液寒天プレート(Streptococcus pneumoniae、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、Enterococcus、Bacillus)またはサブローデキストロース寒天培地(Candida)で継代培養し、35℃でインキュベートする。HaemophilusおよびStreptococcus pneumoniaeは5%CO中でインキュベートする。その他の単離物はすべて周囲空気中でインキュベートする。アッセイ前に単離物を2×継代培養する。
プレートからコロニーを選択し、トリプチケース・ダイズブロス中で0.5 McFarland標準に等価の接種物を調製する。Streptococcus pneumoniaeの場合には1.0 McFarland標準に等価の密度の接種物を調製する。すべての培養物の接種密度は、TSB中で〜10CFU/mLである。このTSB接種物を滅菌生理食塩水で1:10に希釈し(4mLの接種物+36mLの生理食塩水;〜10CFU/mLに等価)、マイクロタイタープレートに接種するまで氷上で保存する。
ランダムに選択した単離物をコロニーカウントしてCFU/ウェルを確認する(TSB接種物をTSA II+5%SBまたはチョコレート寒天プレートに10−5、10−6に平板培養し、35℃、COで一夜インキュベートした)。
プレート充填
96ウェルマイクロタイタープレート(Dynex)の全部のウェルに100TLの培地を充填する。Haemophilus influenzaeを試験するためにヘモフィルス試験培地を調製する;Streptococcus pneumoniaeの試験にはカチオン調節ミュラー・ヒントン+5%溶解ウマ血液プレートを調製する;Enterococcus、Staphylococcus aureus、Escherichia coliおよびBacillus subtilisの試験にはカチオン調節ミュラー・ヒントンプレートを調製する。Candidaの試験にはRPMI 1640を使用する。S.aureus Smithに対するMICはカチオン調節ミュラー・ヒントンおよびカチオン調節ミュラー・ヒントン+50%ヒト血清中で定量し、化合物が血清中の何らかの成分によって失活するか否か(MICの増加が指標)を判定する。充填したプレートをプラスチックバッグに包み(蒸発を最低限に抑制するため)、冷凍保存し、使用前に解凍する。
化合物の調製
化合物は、重量基準で調製する。100%DMSO中に2−10mg/mLになるように化合物を調製し、次いで1:1に希釈したDMSO/2×CAMHB(最終濃度=50%DMSO/50%CAMHB)で1mg/mLに希釈する。BD Biosciences Deep Wellポリプロピレン96ウェルプレート中、化合物を50%DMSO/50%CAMHBで1:1に系列希釈する(出発濃度1−5mg/mL)。
マイクロブロス希釈アッセイ
Finn全自動マルチチャンネルピペット(0.5−10μL容)を使用し、6.4TLの抗菌作用性溶液を充填マイクロタイタープレートのウェルに加える(第一ウェルの抗菌剤の濃度=512−64μg/mL;DMSOの濃度=3.2%)。各ウェルのDMSOの量を一定に保つため(化合物を溶解状態に維持するため、および、DMSOによる非特異的殺菌の可能性を補正するため)にこのようにして抗菌剤を加える。最終列は3.2%DMSOから成る増殖対照を含む。
各アッセイと共に対照を処理する。対照は、化合物と同様にして調製したペニシリンGおよびクロラムフェニコールである。血清タンパク質結合アッセイに対する対照としてエルタペネムが含まれる。
プレート接種
ウェルあたり1.5TLの接種物を配給する全自動接種デバイスであるMIC2000システムを使用して(生理食塩水に希釈した)培養物をマイクロタイタープレートの全部のウェルに接種する。プレートを周囲空気中、35℃でインキュベートする。接種しなかったプレートも無菌性チェックとしてインキュベートする。22−24時間のインキュベーション後の結果を記録する。プレートが無増殖になるまで読取りを行う。MICは22−24時間のインキュベーション後に無増殖という結果を示した抗菌剤の最小量レベルであると定義する。
化合物Ia−Iiは、S.aureus、E.faecalis、E.faecium、B.subtilusおよびS.pneumoniaeの種々の菌株に抗菌活性を示す。化合物Ia−Iiはまた、メチシリン耐性S.aureus(MRSA)、バンコマイシン耐性Enterococcus種(VRE)、多剤耐性E.faecium、マクロライド耐性S.aureusおよびS.epidermidis、リネゾリド耐性S.aureusおよびE.faeciumのような多くの既知抗生物質に耐性の様々な種に抗菌活性を示す。これらの被験菌株に対する最小阻止濃度(MIC)の値は0.01−200ug/mLの範囲である。MICはNCCLSガイドラインによって得られる。

Claims (7)

  1. 式I:
    Figure 2008513486
    [式中、
    Rは、−C(O)NH、−C(O)NHC=CHC(O)NHを表し;
    、RおよびRは独立にOHを表すか;またはR、RおよびRが一緒に
    Figure 2008513486
    を表し;
    は、OH
    Figure 2008513486
    を表し;
    は水素またはOHを表す]
    の化合物または医薬的に許容されるその塩、エステル、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはそれらの混合物。
  2. Figure 2008513486
    Figure 2008513486
    Figure 2008513486
    Figure 2008513486
    Figure 2008513486
    の化合物または医薬的に許容されるその塩、エステル、鏡像異性体、ジアステレオマーまたはそれらの混合物。
  3. ATCC受託番号202099のNocardia種またはその天然または人工の突然変異体を栄養培地で培養し発酵ブロスから構造式Iの化合物を回収する段階を含む請求項1に記載の構造式Iの化合物の製造方法。
  4. 発酵を約10℃−約40℃の温度で行う請求項3に記載の方法。
  5. 発酵を約31℃−32℃の温度で行う請求項4に記載の方法。
  6. 医薬的に許容される担体と有効量の請求項1に記載の構造式Iの化合物とを含む医薬組成物。
  7. 治療を要する宿主の細菌感染症を治療する医薬を製造するための請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
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