JP2000514643A - B型肝炎表面抗原のa―決定基の抗原エピトープ及びその利用法 - Google Patents
B型肝炎表面抗原のa―決定基の抗原エピトープ及びその利用法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、B型肝炎表面抗原のアミノ酸残基(117〜128)に対応するペプチド配列及びその利用法に関する。特に、該ペプチドは抗原エピトープであり、従って、例えば、診断試薬として、またワクチンの製造に用い得る。さらに本発明は、該ペプチド内に存在するC(K/R)TCモチーフ及び該モチーフを含む他のペプチドに関する。
Description
【発明の詳細な説明】
B型肝炎表面抗原のa−決定基の抗原エピトープ及びその利用法 発明の背景 技術分野
本発明は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)の117〜128アミノ酸残基に
対応する分離ペプチド及びその利用法に関する。該ペプチドは、a−決定基に関
与する抗原エピトープであり、例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)検出用の診
断試薬として、またHBVに対するワクチンの製造に用い得る。さらに、本発明
は、より特定的には、HBsAgの121〜124アミノ酸残基を含む、従って
C(K/R)TCモチーフを有するペプチド、及びそのようなペプチドの利用法
に関する。背景情報
B型肝炎ウイルス(HBV)は重大且つ広範囲に及ぶヒト病原菌である。急性
肝炎は罹患率も死亡率も高く、該ウイルスによる慢性感染症は、慢性肝炎や、肝
硬変、肝細胞ガンに関連する。現在、米国には約百万人の慢性感染者が存在し、
世界中では3億人もの保菌者がいると予測されている。HBVは汚染血
清及び母系新生児遺伝により伝播する血液媒介病原菌である。血液又は血液製剤
に露出される医療従事者などはHBVに感染する危険性が高い。急性感染個体や
、持続性感染保菌者から感染することは周知である。風土病地域では、HBV感
染症は人口の75〜95%に発生し得、保菌者率は5%を超える。母系新生児遺
伝及び幼児期の水平感染は、通常無症状で認識されないそのような初期感染症が
慢性HBV感染症の重要な危険因子となるために最も重大である。HBV感染症
の予防に関する世界的規模の研究により、HBV保菌者の検出及びワクチンの開
発が進められている。
急性及び慢性のHBV感染症に特異的な診断マーカーは、B型肝炎表面抗原(
HBsAg)の存在の検出である。HBsAgはHBV中で検出される主要エン
ベロープタンパク質である。感染サイクルの間に、大量のHBsAgが血清中に
産生される。HBsAg全体の極く一部だけが完全ビリオン又はデーン粒子とし
て存在する〔Daneら,Lancet 1:695−698(1970)〕。
大多数のHBsAgは、HBVビリオンをはるかに超える数の、ウイルスコアを
持たない小型サブウイルス粒子として集合している。血清中のHBsAgの存在
は、
慣用のサンドイッチ免疫アッセイにより検出される〔Overbyら,Vox Sanquinis
24:102−113(1973);Wandsら,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA
78:1214−1218(19
81);Usudaら,J.Immunol.Methods 87:1300
(1986);Zuckerman編,Viral hepatitis an d liver disease
,Alan R.Liss Inc.,New
York(1988)〕。これらの免疫アッセイはHBV感染症の診断や、血
液提供者及び妊婦のスクリーニングに世界中で広範囲に用いられている。
ウイルス粒子及びサブウイルス粒子中のHBsAgタンパク質は、防御免疫応
答を誘発し得る主要B細胞抗原決定基を提示する。このことが、天然又は組換え
HBsAg粒子をHBV感染症の予防ワクチンとして用いることにつながった〔
Szmunessら,N.Engl.J.Med.303:833(1980)
;Zuckerman編,Viral hepatitis and live r disease
,Alan R.Liss Inc.,New York(
1988)〕。血清学的には、HBsAgは、a−決定基と称される共通エピト
ープと、相互に排他的な2セットのサブタイプ決定基、d又
はy及びw又はrとを含んでいる〔Le Bouvier,J.Infect. Dis
.123:671(1971);Bancroftら,J.Immuno l
.109:842−848(1972)〕。共通決定基とサブタイプ決定基が
組み合わされて、4種の主要サブタイプ:adw、ayw、adr及びayrが
できる。一般に、ヒトにおける抗HBsAg免疫応答は、主としてHBVの全て
のタイプに関連するa−決定基を標的とする〔Iwarsonら,J.Med. Virol
.16:89−95(1985);Zuckerman編,Vira l hepatitis and liver disease
,Alan R
.Liss Inc.,New York(1988)〕。1種のHBsAgサ
ブタイプで免疫感作すると、全てのサブタイプによるHBV感染症に対する防御
が得られる〔Szmunessら,N.Engl.J.Med.303:833
(1980)〕が、これは、a−決定基が臨床的に最も重要であることを示して
いる。
分子レベルでは、HBsAgは226個のアミノ酸からなる膜タンパク質であ
る。一次配列分析により、HBsAgが4つの膜貫通ドメインと、1つは細胞外
スペース中に存在し、もう
1つはHBV粒子内に埋まっている2つの親水性ループとを含むことが示唆され
る〔Stirkら,Intervirology 33:148−158(19
92)〕。a−決定基は細胞外ルー中に位置し、101〜159アミノ酸残基に
またがっている。この親水性領域(aa 101〜159)は極めてシステイン
に富んでおり、8つのシステイン残基を含んでいる。これらのシステイン間での
ジスルフィド結合の形成はa決定基の構造の定義に極めて重要である。ジスルフ
ィド結合の重要性は、ジスルフィド結合を減少させ、次いで減少したスルフヒド
リル基をアルキル化すると、HBsAgの免疫原性が著しく低下することを示し
た初期の研究で明らかに立証された〔Vyasら,Science 178:1
300(1972);Dreesmanら,J.Gen.Virol.19:1
29(1973)〕。
種々の研究により、a−決定基が複数の非重複エピトープを含むことも示唆さ
れたが、これは、a−決定基が単一の決定基ではなく、HBsAgの異なる領域
に位置する複数のエピトープから構成されている可能性が最も高いことを示して
いる〔Gerinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:
2365−2369(1983);Petersonら,J.Immunol
.132:920−927(1984)〕。より重要なのは
、a−決定基領域(aa 101〜159)由来の合成ペプチドがa−決定基を
模倣し得ることである〔Lernerら,Proc.Natl.Acad.Sc i.USA
78:3403−3407(1981);Bhatnagarら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
79:4400−4404(
1982);Dreesmanら,Nature 295:158−160(1
982);Princeら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
79:579−582(1982);Gerinら,Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA
80:2365−2369(1983);Ohnuma
ら,J.Immunol.145:2265−2271(199O);Mani
velら,J.Immunol.149:2082−2088(1992)〕。
合成ペプチドがa−決定基を模倣し、防御免疫応答を誘発し得るという知見に
より、HBVワクチン開発の新たな方法が提供される。HBVに対する天然又は
組換えHBsAgをベースとするワクチンは野生のものから入手し得るが、経済
的で大量免疫感作に適したワクチンの開発が未だ早急に必要とされてい
る。従って化学合成ペプチドはHBV予防接種プログラムのコストや安全性の点
で有利であると考えられる。確かに、そのような方策はHBVに対する可能なワ
クチンの開発に用いられている。
複数の研究グループ〔Bhatnagaraら,Proc.Nat.Acad .Sci.USA
79:4400−4404(1982);Princeら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
79:579−582(19
82);Tam編,Svnthetic peptide:approache s to biological roblems
, Alan R.Liss
Inc.,New York(1989)〕により、HBsAgのノナペプチ
ド配列(aa 139〜147)が、HBsAgのad及びayサブタイプのど
ちらとも交差反応性の抗体を誘発させるa−決定基の必須部分を構成することが
証明された。さらに、図6に示されているように、Cys139とCys147
の間にジスルフィド結合が存在する環状ペプチド(aa 139〜147)が、
a−決定基の天然コンホメーションに最も近似していることも見出された〔Ta
m編,Synthetic peptide:approaches to biological problems
,Alan R.Liss I
nc.,New York(1989)〕。該環状ペプチド(aa 139〜1
47)のループ構造と免疫原性が十分に解明されたことにより、該ペプチドは可
能な合成ワクチンの理想的な候補となっている。しかし、最近の研究で、HBV
のワクチン誘発エスケープ変異株がループ領域中にアミノ酸置換(Gly145
がArg145で置換されている)を含むことが証明された〔Carmanら,Lancet
345:1406−1407(1990);Carman及びT
homas,Gastroentrology 102:711−719(19
92)〕。Gly→Arg145変異の結果、HBV変異株はワクチン誘発免疫
から逃れ、モノクローナル抗体ベースの免疫アッセイでは検出不能となる〔Ca
rmanら,Lancet 345:1406−1407(199O);Car
man及びThomas,Gastoroentrology 102:711
−719(1992)〕。従って、環状ペプチド(aa 139〜147)は、
新たなHBV変異株の出現により、合成ワクチン及び診断試薬としての有用性が
制限される。
Dreesmanら〔Dreesmanら,Nature
295:158−160(1982)〕は、図6に示されているように、Cys
124とCys137の間にa−決定基に関与するジスルフィド結合が存在する
別の環状合成ペプチド(aa 122〜137)を同定した。しかし、該環状ペ
プチドは、親和性が天然HBsAgよりもはるかに低い(即ち、3次数も低い)
ことが示された〔Ionescu−Matiuら、J.Immunol.130
:1947−1952(1983)〕。さらに、図5の配列整列により示されて
いるように、HBVのサブタイプ及び変異株間には、aa 124〜137にわ
たる領域中に広範囲の配列変異が存在するが、これは、該ループ構造全体(aa
124〜137)がHBsAgの全てのサブタイプが共有する共通エピトープ
である可能性が低いことを示している。
さらに、オリゴマー形態で提示されてはいるが同じペプチド配列(aa 12
4〜147)がa−決定基に関与するコンホメーションエピトープとして同定さ
れた〔Manivelら,J.Immunol.149:2082−2088(
1992);ヨーロッパ特許出願WO94/05698(1994)〕。このオ
リゴマー化ペプチドは、主としてa−決定基を標的とする
免疫応答を誘発する。該ペプチドは、対応モノマーペプチドよりも免疫原性が高
い〔Manivelら,J.Immunol.149:2082−2088(1
992)〕。しかし、オリゴマー化ペプチドの正確な構造的特徴は解明されてい
ない。該ペプチドの構造が朱解明であり、且つ該ペプチド配列に広範囲の変異が
あるために、合成ワクチン及び診断試薬としての該ペプチドの有用性が制限され
る。
Gerinら〔Gerinら,Proc.Natl.Acad.Sci.US A
80:2365−2369(1983);Milich及びChisari
,米国特許第4,599,230号〕は、合成ペプチド(即ち、aa 110〜
137)がHBsAgに対するサブタイプ特異的抗体応答を誘発し得ることを証
明した。しかし、該ペプチドのサブタイプ特異性の故に、ペプチドが由来するH
BsAgサブタイプのみが免疫認識され得るに過ぎない。例えば、HBSAgの
aywサブタイプ由来のペプチド配列により誘発される抗体はHBVの他の3種
のサブタイプ:adr、awy、awrを認識し得ない〔Gerinら,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA
80:2365−2369(198
3)〕。これは、ペプチド(aa 110〜137)
がa−決定基よりもサブタイプ決定基をより効果的に模倣する複数のサブタイプ
特異的アミノ酸(図5参照)を含んでいるという事実に由来する。ペプチド配列
(aa 110〜137)のサブタイプ特異的免疫応答により、該ペプチドを、
HBVの全てのサブタイプの感染症に対する共通ワクチンとして用いることが妨
げられる。
最近になって、Ohnumaらは、HBsAgの2種の短いペプチド(即ち、
aa 115〜129及びaa 123〜136)を用いて、ペプチド(aa
115〜129)はa−決定基に関与するエピトープを有するか、ペプチド(a
a 123〜136)は主としてサブタイプ特異的エピトープを表すことを見出
した〔Ohnumaら,J.Immunol.145:2265−2271(1
990)〕。Ohnumaらの研究により、HBsAg免疫感作個体由来のヒト
血清試料の30%がペプチド(aa 115〜129)を認識したことが示され
たが、これは、該ペプチド(aa 115〜129)が免疫ドミナントエピトー
プであることを示している。しかし、長いペプチド配列(aa 110〜137
)と同様に、短いペプチド配列(aa 115〜129)も、117、120、
122、
125、126、127及び128位に同じサブタイプ特異的アミノ酸を含んで
いる。従って、構造ベースでは、何故短いペプチド(aa 115〜129)が
長いペプチド(aa 110〜137)より上手くa−決定基を模倣するのかは
不明である。
要するに、HBsAgの110〜160領域由来の複数の非重複ペプチドが、
a−決定基に関与する抗原性及び免疫原性エピトープとして同定された。しかし
、HBsAgのサブタイプ配列の変異や、HBV変異株の出現により、殆どのH
BV変異株を含めたHBsAgの全てのサブタイプが共有する共通配列を有する
a−決定基に関与するペプチドエピトープの同定が依然として求められている。
そのようなペプチドエピトープにより、a−決定基に対する抗原性及び免疫原性
が高められるであろうし、誘発される免疫応答は殆どのHBV変異株を含めたH
BsAgの全てのサブタイプを標的とすると考えられる。
本明細書に引用されている全ての米国特許及び刊行物は、参照としてその全体
を本明細書に組み込むものとする。
発明の要旨
本発明の主目的は、殆どのHBV変異株を含めたHBsAgの全てのサブタイ
プが共有するHBsAgのa−決定基に関与
する共通ペプチドエピトープを提供することである。
より特定的に言えば、本発明は、HBsAgの「a」エピトープを含む抗B型
肝炎表面抗原(HBsAg)抗血清との交差反応性を示す、分離又は精製された
線状又は環状ペプチドを包含する。該ペプチドは、HBsAgの117〜128
アミノ酸残基に対応する12マーのアミノ酸配列である。該ペプチドは、121
アミノ酸残基と124アミノ酸残基の間にジスルフィド結合を含み得る。この結
合により、親和性が線状ペプチドの約8〜10倍増大する。
該ペプチドは、C(K/R)TCモチーフを含み、且つアミノ酸配列:
X1X2X3X4C(K/R)TCX5X6X7X8
(ここで、X1は、セリン、グリシン、アラニン、バリン及び2〜6個の炭素原
子を有する脂肪族アミノ酸からなる群から選択され;
X2は、トレオニン、セリン、アラニン及びグリシンからなる群から選択され
;
X3はグリシン又はアラニンであり;
X4は、プロリン、セリン及びトレオニンからなる群から選
択され;
X5は、トレオニン、メチオニン、アラニン、セリン及びグリシンからなる群
から選択され;
X6は、トレオニン、セリン、アラニン、イソロイシン及び2〜6個の炭素原
子を有する脂肪族アミノ酸からなる群から選択され;
X7は、プロリン、ロイシン、トレオニン、セリン、アラニン及び2〜6個の
炭素原子を有する脂肪族アミノ酸からなる群から選択され;
X8は、アラニン、グリシン及びバリンからなる群から選択される)
を有し得る。
該ペプチドは、アミノ酸配列:STGPC(K/R)TCTTPA又はAAG
PC(K/R)TCATPAを有するのが好ましい。
さらに、本発明は、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清と
の交差反応性を示し、C(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの121〜
124アミノ酸残基を含み、且つ合成法に従って製造された薬理学的に有効量の
環状ペプチドと医薬上許容し得る担体とを含むB型肝炎に対するワク
チンをも包含する。医薬上許容し得る担体としてはミョウバンが好ましい。該ワ
クチンのペプチドは、アミノ末端に付加されたミリスチン酸をさらに含み得る。
さらに本発明は、本発明のペプチドを指向する抗体及びその任意の断片を包含
する。より特定的に言えば、本発明は、121〜124残基を含み且つC(K/
R)TCモチーフを有するペプチドに応答して産生される抗体を包含する。該抗
体はモノクローナルであってもポリクローナルであってもよい。
本発明はさらに、テスト試料中のB型肝炎表面抗原又は抗体の存在を検出する
ためのキットを包含し、該キットは、HBsAgの「a」エピトープを含むHB
sAg抗血清との交差反応性を示す環状ペプチドを含むポリペプチドを含有する
容器を含む。該環状ペプチドは、C(K/R)TCモチーフを有するHBsAg
の121〜124アミノ酸残基を含む。該ポリペプチドは、合成法に従って製造
し得且つ固相に結合し得る。
さらに、本発明は、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を含むと思われ
るテスト試料中のHBsAgを検出する方法を包含し、該方法は、(a)テスト
試料と、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清との交差反応性
を示し且つ
C(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの121〜124アミノ酸残基を
含む環状ペプチドに特異的に結合する抗体又はその断片とを、抗体/抗原複合体
の生成に十分な時間及び十分な条件下に接触させるステップ;及び(b)合成法
に従って製造されたポリペプチドを利用して生産した抗体を含む複合体を検出す
るステップを含む。該抗体は固相に結合し得、モノクローナルであってもポリク
ローナルであってもよい。
本発明はさらに、B型肝炎抗体を含むと思われるテスト試料中の該抗体を検出
する方法を包含し、該方法は、(a)該テスト試料と、HBsAgの「a」エピ
トープを含むHBsAg抗血清との交差反応性を示し且つC(K/R)TCモチ
ーフを有するHBsAgの121〜124アミノ酸残基を含む環状ペプチドを含
むプローブポリペプチドとを、抗原/抗体複合体の生成に十分な時間及び十分な
条件下に接触させるステップ;及び(b)該プローブポリペプチドと前記抗体を
含む複合体を検出するステップを含む。該プローブポリペプチドは固相に結合し
得る。固相は、ビーズ、マイクロタイターウエル、試験管の壁、ニトロセルロー
スストリップ、磁気ビーズ及び非磁気ビーズからなる群から選択し得る。
さらに、本発明は、HBsAgに対する抗体を産生させる方法を包含し、該方
法は、個体に、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清との交差
反応性を示し且つC(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの121〜12
4アミノ酸残基を含む環状ペプチドを含む分離免疫原性ポリペプチド又はその断
片を免疫応答の生起に十分な量投与することを含む。該ポリペプチドは合成法に
従って製造し得る。
本発明はさらに、B型肝炎表面抗原由来のポリペプチド又はその断片を含む診
断試薬を包含し、該ポリペプチド又はその断片は、HBsAgの「a」エピトー
プを含むHBsAg抗血清との交差反応性を示し且つC(K/R)TCモチーフ
を有するHBsAgの121〜124アミノ酸残基を含む環状ペプチドを含む。
該ポリペプチドは合成法により製造し得る。
さらに本発明は、ペプチドが、例えば、HBsAgの117〜128アミノ酸
、又はHBsAgの121〜124アミノ酸残基、従ってC(K/R)TCモチ
ーフを含む任意の他の長さのアミノ酸配列若しくはその断片であってよい上記物
質及びその利用法を全て包含する。図面の簡単な説明
図1(A)は、ELISAにおいて、mAb H166が等しい親和性をもっ
てrHBsAgサブタイプad及びayに結合することを表している。図1(B
)は、遊離rHBsAg(ay及びad)による、mAb H166のrHBs
Ag(ay)への結合の阻害を表している。阻害率は実施例に記載の競合ELI
SAを用いて定量した。
図2は、HBsAg配列由来の環状ペプチドによるmAb H166のrHB
sAg(ay)への結合の阻害率を表している。阻害率は、実施例に記載の競合
ELISAを用いて定量した。
図3は、線状及び環状ペプチドI(STGPCKTCTTPA)によるmAb
H166のrHBsAg(ay)への結合の阻害率を表している。阻害率は実
施例に記載の競合ELISAを用いて定量した。
図4は、HBsAg由来のペプチドIの種々のアラニン置換部位におけるΔΔ
Gmut-wtのプロットを表す。
図5は、HBsAg及びHBsAg変異株のサブタイプの101〜160残基
領域の配列整列を表す。該整列は実施例に記載のように実施した。全ての配列は
そのGenbankアク
セスコード(供給源)に従って示されている。元の配列とその作者は、キーワー
ドとしてGenbankアクセスコードを用い、NCBI(National
Center for Biotechnology Information
,Bethesda,MD)又はGCG(Genetic Computer
Group,Madison,WI)から容易に検索し得る。リストされている
サブタイプ(SUBT)及び遺伝子型(GTYPE)は元のリファレンス由来で
ある。HBsAg変異株は「mut」と称され、HBsAg配列の定義されてい
ない数種のサブタイプは「nd」と称されている。C(K/R)TCモチーフは
影付き文字で示されている。
図6は、HBsAgのa−決定基の提案構造を示している。(A)HBsAg
の124〜147アミノ酸はシステイン124−137と139〜147の間で
ジスルフィド架橋を介して2つの推定ループを形成する〔Bhatnagarら
,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:4400−4404
(1982);Dreesmanら,Nature 295:158−160(
1982);Brownら,J.Immunol.Methods 72:41
−48(1984)〕。(B)C
(K/R)TCモチーフは、Cys121とCys124の間でジスルフィド架
橋を介してループ構造を形成する。
発明の詳細な説明
本発明は、B型肝炎表面抗原(HBsAg)の117〜128アミノ酸残基に
対応する分離ペプチド及びその利用法に関する。該ペプチドは、a−決定基に関
与する抗原エピトープであり、B型肝炎ウイルス(HBV)の検出用診断試薬と
して、またHBVに対するワクチンの製造に用い得る。さらに、本発明は、抗a
モノクローナル抗体が認識する主要結合部位であるエピトープ内のC(K/R)
TCモチーフ(aa 121〜124)に関する。該モチーフは、殆どのHBV
変異株を含めたHBsAgの全てのサブタイプが共有する共通エピトープである
ことが見出された。本発明はさらに、該モチーフを含むペプチド及びキットを包
含する。
本発明のペプチドは、最初に、抗aモノクローナル抗体(H166)を用いて
同定された。HBsAgの117〜128アミノ酸残基に対応するペプチド配列
はこの抗aモノクローナル抗体に特異的に結合する。特に、該ペプチドは、10-6
〜10-7Mの範囲のTC50(50%阻害剤濃度)で抗aモノ
クローナル抗体に結合する天然タンパク質HBsAgを特異的に阻害し、該ペプ
チドによる最大阻害率は約80%である(図2及び図3参照)。従って、該ペプ
チド(aa 117〜128)は、a−決定基に関与する抗原エピトープを含む
。
本発明により、上記ペプチドの他に、図6Bに示されているような、HBsA
gのCys121とCys124残基間のこれまで確認されていなかったジスル
フィド結合も開示される。発明の背景の章に記載されているように、a−決定基
のシステイン残基間のジスルフィド結合の形成は、a−決定基の構造の定義に極
めて重要である。正しいジスルフィド結合が形成されると、合成ペプチドのa−
決定基模倣能が高められ、その結果、抗aモノクローナル抗体に対する該ペプチ
ドの結合親和性が増大する。確かに、HBsAgに対する抗aモノクローナル抗
体の結合阻害において、環状型ペプチド(aa 117〜128)は、その有効
性が天然タンパク質HBsAgの20分の1程度低いだけであるのに対し、線状
型ペプチドは160分の1の低さである。従って、Cys121とCys124
の間のジスルフィド結合によって束縛されるループ構造はa−決定基の天然コン
ホメーションに非常に近似している。
合成ペプチドのコンホメーションの自由度を適切に制限すると、該ペプチドの
性能が強化されることは当業界で周知である。通常、コンホメーションの制限は
、合成ペプチド内のアミノ酸を架橋することにより達成される。その最も簡単な
方法は、ジスルフィド架橋を介してペプチドを環化することである。該手順によ
り合成ペプチドの抗原性及び/又は免疫原性が改良されることを示す多くの例が
ある〔Kennedyら,J.Virol.46:653−655(1983)
;Fergusonら,Virology 143:505−515(1985
)〕。同様に、Cys121とCys124の間でジスルフィド結合を形成する
と、抗aモノクローナル抗体が免疫認識する線状ペプチド(aa 117〜12
8)に対する親和性が8倍も増大する(図3)。
既に同定されているペプチド配列(aa 110〜137及びaa 115〜
129)と同様に、本発明の線状及び環状のペプチド配列(aa 117〜12
8)は、117、120、122、125、126、127及び128位に同じ
サブタイプ特異的アミノ酸を含んでいる。a−決定基を模倣するペプチド上のこ
れら特異的アミノ酸の作用は解明されていない。ペプ
チド(aa 117〜128)においてa−決定基の模倣に最も重要な残基を同
定するために、ペプチド(aa 117〜128)の(アラニンによる単一アミ
ノ酸置換を表す)アラニン置換類似体1セットを用いた。ペプチド(aa 11
7〜128)のアラニン置換類似体を用いることにより、3つの残基Cys12
1、Thr123及びCys124が抗aモノクローナル抗体の認識に最も重要
な残基であることが判明した(実施例VII参照)。該3つの残基のうち任意の1
つをアラニン置換すると、抗aモノクローナル抗体に結合するペプチド(aa
117〜128)が完全に排除された(表I及び図4参照)。配列(aa 11
7〜128)中の残りの残基では、マイナー作用(即ち、結合親和性の10分の
1未満の減少又は10倍未満の増大)が認められた(表I及び図4参照)。これ
らの結果は、122位がX残基で表される任意のアミノ酸であってよいCXTC
モチーフ(発明の要旨の章参照)が抗体認識及びa−決定基の模倣に最も重要な
構造特性であることを示している。言い換えれば、a−決定基に関与するのは、
該ペプチド配列中のCXTCモチーフであって、残りの残基ではない。
さらに、配列分析の結果、CXTCモチーフがHBsAg分
離株の100種のサブタイプ及び変異株間で高度に保存されていることが示され
た。配列整列(図5参照)により示されているように、101〜160残基領域
には多くの配列変異があるか、CXTCモチーフは、図5に示されている配列の
全てに完全に保存されている。さらに、122位の残基もかなり保存されている
。該残基は、図5に示されている全配列においてLys又はArgである。また
、アラニン置換類似体は、122位にLys又はArgが保存されていると、親
和性が約10倍も増大することが示された(表I参照)。従って、アラニン置換
類似体を用い、コンピューターより配列分析すると、CXTC、より正確には、
C(K/R)TCモチーフは、ペプチド(aa 117〜128又はaa 11
5〜129)内でのa−決定基の模倣に不可欠な成分又は必須のコアエピトープ
であると同定された。また、配列分析から、C(K/R)TCモチーフが殆どの
HBV変異株を含めたHBsAgの全てのサブタイプが共有する共通エピトープ
であることも示された。このように、C(K/R)TCモチーフが保存されてい
るということから、構造ベースで、HBsAgの1種のサブタイプで免疫感作す
ると、全てのサブタイプによるHBV感染症に対する防御が得られる理由が明ら
かになった。全てのサブタイプがC(K/R)TCモチーフを含んでいるために
、1種のサブタイプによる免疫感作により、C(K/R)TCモチーフを標的と
する中和抗体が誘発される。従って、全てのHBsAgサブタイプがC(K/R
)TCモチーフを含んでいる限り、抗体は該サブタイプを標的とする。
高度に保存されたC(K/R)TCモチーフ及びその抗原性により、C(K/
R)TCモチーフを含むペプチド(aa 117〜128)又は合成ペプチドを
合成ワクチンとして用いることが可能になる。C(K/R)TCモチーフのルー
プ構造は、Cys121とCys124の間のジスルフィド結合により十分に束
縛されているので、該モチーフを含む合成ペプチドはHBsAgのa−決定基の
天然構造を模倣し、HBsAgの全てのサブタイプ及び殆どの変異株上のC(K
/R)TCモチーフを標的とする中和抗体を誘発させる。さらに、C(K/R)
TCモチーフにより高結合親和性が維持され得るという知見から、ホモジニアス
免疫アッセイ法におけるHBsAg検出用のトレーサーとしてC(K/R)TC
モチーフを用い得ることが立証される。これらの可能な有用性を以下に説明する
。ワクチンの製造
本発明のペプチドは、該ペプチドを免疫原性キャリヤーに結合させることによ
り合成ワクチンとして用い得る。適当なキャリヤーには、タンパク質、多糖、例
えば、ラテックス機能化セファロース、アガロース、セルロース、セルロースビ
ーズ、並びに高分子アミノ酸、例えば、ポリグルタミン酸及びポリシリンが含ま
れる。タンパク質基質又はキャリヤーの例としては、血清アルブミン、KLH、
免疫グロブリン分子、チログロブリン、オボアルブミン、破傷風トキソイド、及
び当業者には公知の他のタンパク質が挙げられる。
結合法は当業界では公知であり、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジル
チオ)プロピオネート(SPDP)及びスクシンイミジル 4−(N−マレイミ
ドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)を用いる方法が
含まれるが該方法には限定されない。本発明により開示されるペプチドのアミノ
末端又はカルボキシル末端は、システイン残基を付加することにより修飾し得る
。これらの試薬は、該試薬自体と、1種のタンパク質上のペプチドシステイン残
基とのジスルフィド結合や、リシン上のε−アミノ又は他の残基中の他の遊離ア
ミノ基を介したアミド結合を生成する。そのようなジスルフィド/アミド生成物
質が多種存在することは公知である。他の二官能性カップリング物質を用いると
、ジスルフィド結合よりむしろチオエステルか生成する。これらのチオ−エーテ
ル生成物質の多くは市販されており、当業者には公知である。本発明のペプチド
のカルボキシル基は、該基をスクシンイミド又は1−ヒドロキシ−2−ニトロ−
4−スルホン酸、ナトリウム塩と合わせることにより活性化し得、該ペプチドと
キャリヤーとの結合は、アミド結合を生成させることにより達成し得る。
そのような合成ワクチンは、典型的には、液体溶剤又は懸濁剤のような注入可
能薬として製造されるが、注入する前に、液体中に溶解又は懸濁するのに適した
固体形態を製造することもできる。該製剤は乳化してもよいし、タンパク質をリ
ポソーム内に封入してもよい。免疫原性有効成分を該有効成分と適合し得る薬理
学的に許容し得る賦形剤と混合する場合が多い。適当な賦形剤には、水、生理食
塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどが含まれるかそれらには
限定されない。これらの賦形剤を種々の量で組み合わせて用いてもよい。該ワク
チンはさらに、少量の補助物質、例えば、湿潤剤若しくは乳化
剤、pH緩衝剤、及び/又は該ワクチンの有効性を強化するアジュバントを含み
得る。例えば、該アジュバントには、水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラ
ミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン(thr−DMP)、N−アセチル
−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP 11687、n
or−MDPとも称される)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソ
グルタミニル−L−アラニン−2−(1’2’−ジパルミトイル−sn−グリセ
ロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP 19835A
、MTP−
マルション中のRIBI(MPL+TDM+CWS)が含まれ得る。
通常、ワクチンは静脈内又は筋肉内注射により投与する。他の投与モードに適
した他の製剤には座薬が含まれ、経口製剤を用いる場合もある。座薬の場合、慣
用の結合剤や担体としては、ポリアルキレングリコール又はトリグリセリドが含
まれ得るがそれには限定されない。そのような座薬は、約0.5〜約10%、好
ましくは約1〜約2%の範囲で有効成分を含む混合物から形成し得る。経口製剤
には、例えば、医薬等級のマンニトール、
ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、セ
ルロース、炭酸マグネシウムなどの通常利用される賦形剤が含まれる。これらの
組成物は、溶剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続性製剤又は散剤の形態
をとり得、約10〜約95%、好ましくは約25〜約70%の有効成分を含む。
ワクチンは、投与製剤に適合した方法で予防上及び/又は治療上有効な量を投
与する。投与量は一般に、1用量当たり約5〜約250μg抗原の範囲であり、
投与を受ける患者、患者の免疫系の抗体合成能力や、求められる防御の程度に応
じて異なる。投与を要する有効成分の正確な量も処方医師の判断に依存し、各患
者毎に異なり得る。該ワクチンは単一又は多重用量計画で投与し得る。多重用量
とは、最初の予防接種コースでは、1〜10回分の別々の用量を用い、次いで、
その後の免疫応答の維持及び/又は強化に必要な時間間隔、例えば、1〜4ヶ月
間に第2回目として投与される他の用量を用い、さらに個体が必要とする場合、
その後の数ヶ月間に単一又は複数用量を用いるものである。投薬計画も、少なく
とも部分的には個体の必要に応じて、また処方医師の判断に従って決定される。C(K/R)TCモチーフに対する抗体の産生
本明細書に記載のように製造したペプチドを用いて、C(K/R)TCモチー
フに対するポリクローナル又はモノクローナル抗体を産生させる。該ペプチドは
、HBsAgのaa 117〜128配列であってもよいし、C(K/R)TC
モチーフ(aa 121〜124)を含む限りどのペプチドであってもよい。ポ
リクローナル抗体を産生させる場合、選択される哺乳動物(例えば、マウス、ウ
サギ、ヤギ、ウマなど)を本発明により開示されるペプチド−キャリヤーで免疫
感作する。感作した動物から採取した血清を適切なインキュベーション期間後に
回収し、公知手順に従って処理する。C(K/R)TCモチーフに対するポリク
ローナル抗体を含む血清が他の抗原に対する抗体を含んでいる場合、ポリクロー
ナル抗体は、例えば、免疫アフィニティークロマトグラフィーにかけて精製し得
る。ポリクローナル抗体の産生法及びプロセシング法は当業界では公知であり、
特に、Mayer及びWalker編,Immunochemical Met hods in Cell and Molecular Biology
,A
cademic Press,London(1987)に記載されている。C
(K/R)TCモチーフ特
異抗体も既にHBsAgで免疫感作されている哺乳動物から得ることができる。
本発明では、アフィニティークロマトグラフィーを用い、HBsAgで免疫感作
した個体の血清由来のC(K/R)TCモチーフ特異抗体を精製する方法の一例
を提供する。
C(K/R)TCモチーフに対するモノクローナル抗体も当業者が産生させ得
る。そのような抗体を産生させる一般的な方法は周知であり、例えば、Kohl
er及びMilstein,Nature 256:494(1975)に記載
されており、J.G.R.Hurrel編,Monoclonal Hybri doma Antibodies:Techniques and Appli cations
,CRC Press Inc.,Boca Raton,FL
(1982)に概説されているし、L.T.Mimmsら,Virology
176:604−619(1990)でも教示されている。不変(immortal)抗
体産生細胞系は、細胞の融合や他の技術、例えば、ガン遺伝子DNAによるBリ
ンパ球の直接形質転換又はEpstein−Barrウイルスによるトランスフ
ェクションなどによっても作出し得る。M.Schreierら,Hybrid
oma Techniques,Scopes(1980)Protein P
urification,
Priciples and Practice,第2版,Springer−
Verlag,New York(1984);Hammerlingら,Mo
noclonal Antibodies and T−Cell Hybri
domas(1981);Kennetら,Monoclonal Antib
odies(1980)も参照されたい。モノクローナル抗体の利用法及び技術
の例は当業者には周知である。
このようにして産生させた、C(K/R)TCモチーフに対するモノクローナ
ル及びポリクローナル抗体は、診断及び予後適用にも受動免疫療法にも有用であ
る。特にモノクローナル抗体は、抗イディオタイプ抗体の産生に用い得る。これ
らの抗イディオタイプ抗体は、防御が望まれる感染性物質の抗原の「内部イメー
ジ」を記憶している免疫グロブリンである。例えば、A.Nisonoffら,Clin.Immunol.Immunopath
.21:397−406(1
981)及びDreesmanら,J.Infect.Dis.151:761
(1985)を参照されたい。そのようなイディオタイプ抗体を産生させる方法
は当業界では公知であり、例えば、Grychら,Nature 316:74
(1985);MacNa
maraら,Science 226:1325(1984);及びUytde
haagら,J.Immunol.134:1225(1985)に記載されて
いる。これらの抗イディオタイプ抗体もHBV感染症の治療に有用であり得る。免疫アッセイ及び診断キット
本発明のペプチドもC(K/R)TCモチーフに対して産生される抗体も生物
学的テスト試料中のHBsAg又はHBVの存在を検出する免疫アッセイにおい
て有用である。該免疫アッセイの設計には種々の変更が加えられ、多様な免疫ア
ッセイが当業界で公知となっており、本明細書にも種々記載されている。シグナ
ル生成化合物としてラベルを利用するアッセイや該ラベルの例が本明細書に記載
されている。また、シグナルは、ビオチン及びアビジン、酵素ラベル又はビオチ
ン抗ビオチン系を用いることにより増幅することもできる。
本明細書に詳述されている(I125などの放射性同位元素、酵素又はビオチン
で)シグナルラベルした合成ペプチド、及びC(K/R)TCモチーフに対する
モノクローナル又はポリクローナル抗体を利用する固相を用いた競合アッセイ法
の1種を設計し得る。ヒトテスト試料中のHBsAgの存在を検出す
るアッセイ法では、先ず、既知量のシグナルラベルしたペプチドをヒトテスト試
料に加え、次いで、特定量のシグナルラベルしたペプチドを含むヒトテスト試料
を、C(K/R)TCモチーフに対するモノクローナル又はポリクローナル抗体
でコートした固相と接触させ、インキュベートする。HBsAg粒子及びHBV
粒子がテスト試料中に存在すれば、該粒子はラベルしたペプチドと競争して固相
表面上のモノクローナル又はポリクローナル抗体に結合しようとする。固相を洗
浄して結合していない物質及びペプチドを除去した後、放射能レベルを定量する
か、酵素基質を添加するか、又は基質添加後に抗ビオチン結合体を添加して、抗
体が結合したペプチドの量を定量し得る。シグナルの減少は、ヒトテスト試料中
のHBsAg粒子及びHBV粒子の量に比例する。
ホモジニアス競合アッセイである、即ち、洗浄又は分離ステップを必要としな
い蛍光偏光免疫アッセイ(FPIA)では、本発明の合成ペプチド、特にC(K
/R)TCモチーフをHBsAg検出用のトレーサーエピトープとして用い得る
。高分子量タンパク質のFPIAにおけるトレーサーエピトープとして合成ペプ
チドを用いることは当業界では公知であり、特に、Geysen
ら,J.Immunol.Methods 102:259−274(1987
);Houghtenら,Nature 354:84−86(191);La
mら,Nature 354:82−83(1991);米国特許第4,833
,092号に記載されている。FPIAにおいて、ラベル基(例えば、フルオレ
セイン)に共有結合した本発明のペプチドをトレーサーとして用いる。また、C
(K/R)TCモチーフに対する(モノクローナル又はポリクローナル)抗体を
用い、ペプチドエピトープトレーサーとの複合体を形成する。次いで、エピトー
プトレーサーと抗体との複合体を含む系を用い、蛍光偏光の変化をモニターして
、ヒトテスト試料中のHBsAgの存在を検出、定量し得る。
以下の非限定的実施例を用いて本発明を説明する。
実施例 実施例I ペプチド合成
ペプチド合成に用いたFmoc保護アミノ酸及び試薬は全て、Appplie
d Biosystem(Foster City,CA)又はRainin
Instrument Co.,
Inc.(Emeryville,CA)から購入した。モノクローナル抗体(
mAb)H166〔Petersonら,J.Immunol.132:920
927(1984)〕は、Abbott Monoclonal Antibo
dy Development Group,Abbott Park,Ill
inoisから得た。組換えHBsAg〔Mimmsら,J.Virol.Me thods
25:21 1−232(1989)〕、サブタイプad及びay
は、Abbott Rare Reagent Development Gr
oup(Abbott Park,IL)から得た。アルカリ性ホスファターゼ
結合ヤギ抗マウスIgG及びIgMは、Pierce Chemical Co
.(Rockford,IL)から購入した。
ペプチドは全て、標準Fmoc(9−フルオレニルメトキシ カルボニル)化
学を用い、Applied Biosystem 431A Synthesi
zer(Foster City,CA)又はRainin Symphony
Synthesizer(Emeryville,CA)上で、Merrif
ieldの段階的固相法〔Merrifield,J.Am. Chem.Soc.
85:2149−2154(1963)〕に従って合成した
。ペプチドを切断し、82%トリフルオロ酢酸(TFA)、5%フェノール、5
%H2O、5%チオアニソール及び2.5%エタンジチオールの混合物を用い2
5℃で2〜4時間脱保護し、冷エーテルを加えて沈降させた。粗ペプチドを、0
.1%TFAを含む5→50%アセトニトリル勾配を用いる逆相HPLCにかけ
て精製した。精製されたペプチドの均一性及び同一性をエレクトロスプレイ質量
分析法により確認した。全てのペプチドが純度95%以上であると定量された。
分子内ジスルフィド架橋により生成された環状ペプチドを、空気酸化法〔Tam
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8082(198
6)〕を用いて合成した。簡潔に言えば、精製した線状ペプチドを0.1mM
Tris−HCl緩衝液(pH8.4)に0.5mg/mlの濃度で溶解し、2
5℃で空気に露出して種々の時間攪拌した。HPLCにかけて環化をモニターし
た。上記のように環状ペプチドを精製し、分子内ジスルフィド架橋の形成をエレ
クトロスプレイ質量スペクトルで確認した。実施例II 親和性の定量
酵素結合免疫アッセイ(ELISA)を用いて0.2M炭酸−重炭酸緩衝液(
pH9.0)中のrHBsAg、サブタイプ(ad及びay,5μg/ml)に
対するモノクローナル抗体H166の親和性を評価し、PBS緩衝液(pH7.
4)中1%BSAでブロックした。次いで、ad及びayに、出発濃度(1μg
/ml)のH166の2倍希釈液(100μl/ウエル)を加えた。簡潔に言え
ば、マイクロタイタープレートを100μl/ウエルのrHBsAgでコートし
、25℃で1時間インキュベートした。ウエルを、0.5%Tween 20を
含むPBS緩衝液で洗浄し、アルカリ性ホスファターゼ結合ヤギ抗マウスTgの
5000倍希釈液(100μl/ウエル)を加え、25℃で1〜2時間インキュ
ベートした。洗浄後、100μl/ウエルのp−ニトロフェニルホスフェート基
質を加え、自動マイクロタイタープレート読取り装置(Molecular D
evices Corp.,Menlo Park,CA)を用いて405nm
で吸光度を測定した。ELISAの結果を、ミカエリス−メンテンの式〔Lan
gone及びVan Vunakis編,Methods in Enzymo logy
,Academic Press,San Diego(1986)〕
の類似型:
(ここで、[Ag−Ab]は抗原−抗体複合体濃度、[Ag−Ab]maxは最大
複合体濃度、[Ab]は抗体濃度、及びKdは乖離定数である)
に当てはめた。曲線の当てはめの際には、[Ag−Ab]を所与の抗体濃度にお
けるOD405nm値で置き換えた。Kdも、[Ag−Ab]maxに対応する[OD405 nm
]maxも、当てはめパラメーターとして扱った。
実施例III 競合ELISA
競合ELISAを用いて、可能な抗原決定基を同定し、定量されたIC50か
らその親和性を比較した。上記のように、マイクロタイータープレートをrHB
sAgでコートし、BSAでブロックした。種々の希釈度のペプチド又はrHB
sAg競争物質のアリコート(50μl/ウエル)と、100μlのH
166(0.4μl/ml)とを、25℃で1時間インキュベートした。0.5
%Tween 20を含むリン酸緩衝食塩液(PBS)でウエルを洗浄し、アル
カリ性ホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgの5000倍希釈液(100μl/
ウエル)を加えた。プレートを25℃で1〜2時間インキュベートし、100μ
l/ウエルのp−ニトロフェニルホスフェート基質を加え、405nmで吸光度
を測定した。以下の式:
(ここで、bkgdはrHBsAgでコートしていないウエルの吸光度である)
に従って、mAb H166のrHBsAgに対する結合の阻害%を計算した。
実施例IV 配列分析
HBsAgコード配列に対応するヌクレオチド配列はGenbank(リリー
ス 89.0,6/95)及びEMBL(リリース 42.0,3/95)から
得た。該ヌクレオチド配列をタンパク質配列に翻訳し、Wisconsin G
enet
ic Computer Group配列分析パッケージ(GCG,バージョン
8.0)のプログラムを用いて分析した。段階的ペア整列(progressive pairwis
e alignment)(PILEUP,GCG)を用いてタンパク質配列の多重配列整
列を実施し、プログラム PRETTY(GCG)を用いて配列を提示した。最
終整列及び編集は手動で行った。
実施例V a−決定基に関与するペプチドエピトープの同定
モノクローナル抗体H166はa−決定基特異的であり、Petersonら
によって観察されたように、9種の異なるHBsAgサブタイプを認識する〔P
etersonら,J.Immunol.132:920927(1984)〕
。種々のHBsAgサブタイプに対するmAb H166の親和性を定量的に比
較するために、ELISAにより、rHBsAgのad及びay両サブタイプの
当てはめ曲線から誘導される見かけ乖離定数(Kd)を定量した。図1Aに示さ
れているように、mAg H166は同等な親和性をもってad及びayサブタ
イプに結合する。ad及びay両サブタイプについて当てはめ曲線から得られた
Kdは、約0.9μg/mlであり、1×1
08Mに相当する。さらに、競合ELTSAを用いて、mAb H166のad
及びayサブタイプとの交差反応性を評価した。
図1Bは、競争物質として遊離ad及びayサブタイプを用いた阻害曲線を示し
ている。該曲線から、両サブタイプが同様な親和性をもってrHBsAgに対す
るmAb H166の結合を阻害することか明らかである。サブタイプay及び
adのIC50は、それぞれ、0.026μM及び0.030μMである。ゆえ
に、H166は、HBsAgのad及びayサブタイプが共有する共通エピトー
プを認識する。
H166はモノタローナル抗a抗体であるから、該抗体はHBsAgのa−決
定基に関与するエピトープのスクリーニングに用い得る。H166のエピトープ
の同定は、HBsAg上のa−決定基又は該a−決定基の一部を定義する際の助
けとなるであろう。H166エピトープを同定するために、HBsAgの細胞外
親水性領域由来の3種の環状ペプチドを合成した。そのペプチド配列が図2に示
されている。環状ペプチドII(aa124〜137)及びIII(aa 139〜
147)がa−決定基の主要部分であることは公知である〔Bhatnagar
ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:44
00−4404(1982);Dreesmanら,Nature 295:1
58−160(1982)〕が、環状ペプチドI(aa 117−128)のみ
が特異的にH166に結合する。図2に示されているように、環状ペプチドIは
2mMの濃度でH166に対するHBsAgの結合を70%阻害する。従って、
ペプチドIがH166のエピトープを表すことは明らかである。ペプチドIIが、
恐らくその配列のペプチドI(aa 117〜128)と重複する部分(aa
124〜128)のために、2mMの濃度で約20%の阻害を示すことが認めら
れたことは興味深い。
実施例VI 線状対環状ペプチドI(aa 117〜128)の親和性
同定されたmAb H166のエピトープをさらに特性決定するために、競合
ELISAを用い、環状ペプチドI(aa 117〜128)のIC50とその
線状配列及び天然タンパク質、rHBsAg(サブタイプad)のIC50とを
比較した。図3に示されているように、環状ペプチドIのIC50は0.54μ
Mであり、天然ペプチド、rHBsAgのIC50(0.026μM)の20分
の1の低さに過ぎない。環状ペプチドの
この高力価は、該ペプチドがmAgによって認識されるHBsAg上のエピトー
プの必須部分を含んでいることを示してい。より重要なのは、線状ペプチドのI
C50(4.0μM)は環状ペプチドのIC50より8倍も高いが、両ペプチド
とも高濃度(>0.1mM)では類似の阻害率を示すことである。これらの結果
は、環状ペプチドIが線状ペプチドIに比べ、HBsAgのa−決定基の天然構
造により近いミクロコンホメーションを含んでいることを示している。
線状ペプチドI(aa 117〜128)のスルフヒドリル基が実験条件下に
は還元形態に保たれることを確認する実験を行った。先ず、線状ペプチドIをP
BS緩衝液中のH166と共に1時間インキュベートし、混合物をエレクトロス
プレイ質量分析法にかけて分析した。質量スペクトルには酸化分子イオンは全く
認められなかったが、これは、スルフヒドリル基の酸化がELISA進行中に生
起しなかったことを裏付けるものである。これらの結果は、線状ペプチドはmA
b H166によって認識され得るが、環状形態の方が好ましいコンホメーショ
ンであることを示している。実施例VII 結合親和性に重要な ペプチドI(aa 117〜128)中の残基
環状ペプチドI(aa 117〜128)は、122位にd及びyサブタイを
識別する重要な残基を含んでいる。122位は、dサブタイプではLysであり
、yサブタイプではArgである〔Okamotoら,J.Virol.61:
3030−3034(1987)〕。サブタイプ特異的残基に対してmAb H
166が非感受性であるということは、該残基が結合親和性にとって重要でない
ことを意味している。この仮定を証明し且つmAb H166認識に重要な残基
を同定するために、ペプチドIの(アラニンによる単一アミノ酸置換を表す)ア
ラニン置換類似体1セットを合成した。競合ELISAを用い、アラニン置換ペ
プチドによるHBsAgに対するH166の結合の阻害率を定量した。表1は、
アラニン置換ペプチド配列及び定量されたそれらのIC50を示している。Cy
s121とCys124をAlaで置換すると、H166への特異的結合がほぼ
完全に排除される。これら2種のペプチド(121C及び124C)の場合、2
.9×10-9〜2.9×10-4Mの
濃度範囲では濃度依存性阻害曲線が認められなかったために、IC50が得られ
なかった。両ペプチド(121C及び124C)とも、最高ペプチド濃度(3m
M)で20%の阻害しか示さなかった。
該アッセイ条件下では、IC50は、結合アフィニティー定数Kaにほぼ反比
例する〔Chengら,Biochem.Pharmacol.22:3099
(1973);Munsonら,Anal.Biochem.107:220−
239(1980)〕。従って、アラニン置換ペプチドと野生型ペプチドとの結
合フリーエネルギーの差(ΔΔGmut-wt)は、以下の式:(ここで、Rは気体定数であり、Tは温度である)
に基づいて導かれた。図4はアラニン置換部位におけるΔΔGmut-wtのプロット
を示している。Cys121、Thr123及びCys124がH166認識に
最も重要な残基であることは極めて明らかである。というのは、これら3つの残
基でアラニン置換すると、結合エネルギーの実質的な損失(>4.
5kcal/mol)が生じるからである。122残基を含めた残りの残基では
マイナー作用(0.5〜1.5kcal/mol)しか認められなかった。これ
らの結果は、CXTCモチーフが、122位がX残基によって表される任意のア
ミノ酸であってよいHBsAg上のH166の主要結合部位又は必須コアエピト
ープであることを示している。該結果から、mAb H166結合がad及びa
yサブタイプ特異的残基に対して非感受性である理由もわかる。H166認識に
はCXTCモチーフのみが必要であり、従って、H166は、CXTCモチーフ
がHBsAg配列中に保存されている限り、HBVの全てのサブタイプを認識す
る。
実施例VIII HBsAgの配列整列
HBsAgの全てのサブタイプ及びHBsAg変異株におけるCXTCモチー
フの保存を評価するために、Genbank及びEMBLデータベースから引き
出したヒトHBVゲノム由来の100種のHBsAg配列の分析を行った。引き
出されたヌクレオチド配列をタンパク質配列に翻訳し、PILEUPを用いて整
列させた。配列を分析して、HBsAgの101〜1
60残基の細胞外親水性領域の43種のユニーク配列を同定した。その配列整列
が図5に示されている。領域全体に多くの配列変異が存在するが、CXTCモチ
ーフが、遺伝子型又はサブタイプに関係なく、引き出された全ての配列中に完全
に保存されていることは極めて明らかである。該整列から、122残基がかなり
保存されていることも示される。122残基は、図5に示されている全ての配列
においてLys又はArgである。配列分析結果から、CXTC、より正確に言
えば、C(K/R)TCモチーフは、HBsAg変異株を含めたHBsAgの全
てのサブタイプが共有する共通エピトープであると推断し得る。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C12P 21/08 C12P 21/08
G01N 33/53 G01N 33/53 D
33/576 33/576 B
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. HBsAgの「a」エピトープを含む抗B型肝炎表面抗原(HBsAg) 抗血清との交差反応性を示す分離線状又は環状ペプチドであって、HBsAgの 117〜128アミノ酸残基に対応する12マーのアミノ酸配列であることを特 徴とする前記ペプチド。 2. 環状であり且つ121と124アミノ酸残基の間にジスルフィド結合を含 み、該結合によって、親和性が線状ペプチドの約8〜10倍増大することを特徴 とする、請求項1に記載のペプチド。 3. C(K/R)TCモチーフを含み且つアミノ酸配列: X1X2X3X4C(K/R)TCX5X6X7X8 (ここで、X1は、セリン、グリシン、アラニン、バリン及び2〜6個の炭素原 子を有する脂肪族アミノ酸からなる群から選択され; X2は、トレオニン、セリン、アラニン及びグリシンからなる群から選択され ; X3はグリシン又はアラニンであり; X4は、プロリン、セリン及びトレオニンからなる群から選択され; X5は、トレオニン、メチオニン、アラニン、セリン及びグリシンからなる群 から選択され; X6は、トレオニン、セリン、アラニン、イソロイシン及び2〜6個の炭素原 子を有する脂肪族アミノ酸からなる群から選択され; X7は、プロリン、ロイシン、トレオニン、セリン、アラニン及び2〜6個の 炭素原子を有する脂肋族アミノ酸からなる群から選択され; X8は、アラニン、グリシン及びバリンからなる群から選択される) を有することを特徴とする、請求項2に記載のペプチド。 4. アミノ酸配列: STGPC(K/R)TCTTPA を有することを特徴とする、請求項3に記載のペプチド。 5. アミノ酸配列: AAGPC(K/R)TCATPA を有することを特徴とする、請求項3に記載のペプチド。 6. HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清との交差反応性を 示す薬理学上有効量の環状ペプチドと医薬上許容し得る担体とを含むB型肝炎に 対するワクチンであって、前記ペプチドがC(K/R)TCモチーフを有するH BsAgの121〜124アミノ酸残基を含むことを特徴とする前記ワクチン。 7. HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清との交差反応性を 示す環状ペプチドを含むポリペプチドを含有する容器を含む、テスト試料中のB 型肝炎表面抗原又は抗体の存在を検出するためのキットであって、前記ペプチド がC(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの121〜124アミノ酸残基 を含み、前記ポリペプチドが合成法により製造されることを特徴とする前記キッ ト。 8. B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)を含むと思われるテスト試料中 のHBsAgを検出する方法であって、 (a)テスト試料と、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清 との交差反応性を示し且つC(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの12 1〜124アミノ酸残基を含む環状ペプチドに特異的に結合する抗体又はその断 片とを、 抗体/抗原複合体の生成に十分な時間及び十分な条件下に接触させるステップ; 及び (b)合成法に従って製造されたポリペプチドを利用して生産した抗体を含む 複合体を検出するステップ を含む前記方法。 9. B型肝炎抗体を含むと思われるテスト試料中の該抗体を検出する方法であ って、 (a)前記テスト試料と、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗 血清との交差反応性を示し且つC(K/R)TCモチーフを有するHBsAgの 121〜124アミノ酸残基を含む環状ペプチドを含むプローブポリペプチドと を、抗原/抗体複合体の生成に十分な時間及び十分な条件下に接触させるステッ プ;及び (b)該プローブポリペプチドと前記抗体とを含む前記複合体を検出するステ ップ を含むことを特徴とする前記方法。 10. 個体に、HBsAgの「a」エピトープを含むHBsAg抗血清との交 差反応性を示す環状ペプチドを含む分離免疫原性ポリペプチド又はその断片を投 与することを含む、HBs Agに対する抗体を産生させる方法であって、前記ペプチドがC(K/R)TC モチーフを有するHBsAgの121−124アミノ酸残基を免疫応答の生起に 十分な量で含み、前記ポリペプチドが合成法によって製造されたポリペプチドを 利用して生産されることを特徴とする前記方法。 11. B型肝炎表面抗原由来のポリペプチド又はその断片を含む診断試薬であ って、前記ポリペプチド又はその断片が、「a」エピトープを含むHBsAg抗 血清との交差反応性を示し、前記ペプチドがC(K/R)TCモチーフを有する HBsAgの121〜124アミノ酸残基を含み、前記ポリペプチドが合成法に より生産されることを特徴とする前記診断試薬。 12. 請求項2に記載の前記ポリペプチドに対する抗体。
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