JP3492686B2 - 風疹ウイルスのe1およびe2タンパク質に対する抗体を検出および惹起するためのペプチド、アナログ、およびその混合物 - Google Patents

風疹ウイルスのe1およびe2タンパク質に対する抗体を検出および惹起するためのペプチド、アナログ、およびその混合物

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、風疹感染を検出および定量するための、ま
たは風疹ウイルスに特異的な抗体を惹起するために有用
な、新規の直鎖状ペプチドおよび環状化ペプチド、なら
びにその混合物および組合物に関する。これらのペプチ
ドはまた、風疹ウイルス感染に対するワクチンの製造に
有用である。本発明に記載されたペプチドは、風疹に対
する種々のタイプの免疫状態を区別するに有用であり得
る。記載された少なくとも1つのペプチドは、風疹中和
抗体を特異的に認識する能力を有する。
発明の背景 風疹は18世紀にドイツではじめて記載され、従って、
しばしばドイツ麻疹(German measles)と呼ばれる。全
身性発疹および微熱を特徴とする高度に伝染性の疾病で
ある。その臨床所見は長い間、麻疹を含む他の感染症と
混同されていた。風疹感染に伴う主な危険は妊娠初期に
起こり、胎児への重得な障害の結果、聾、白内障、心臓
疾患、および小頭症を生じ得る。
風疹の病因の風疹ウイルスはTogaviridaeファミリー
に属し、直径約60nmのほぼ球形のエンベロープを持つウ
イルスである。そのゲノムは、単一のプラス鎖RNA(10K
b)を含有する。このゲノムによりコードされる構造ポ
リタンパク質は、2つのエンベロープ糖タンパク質のE1
(58K)およびE2(42−47K)、ならびにヌクレオキャプ
シドタンパク質のC(33K)を含有する。ウイルスエン
ベロープは、宿主の感染細胞膜由来の成分、ならびに2
つのウイルス糖タンパク質E1およびE2を含む。これらの
エンベロープ糖タンパク質は、風疹ウイルスの赤血球凝
集活性を招く。E1およびE2糖タンパク質は、ジスルフィ
ド結合により連結されホモダイマーおよびヘテロダイマ
ーを形成する。
風疹ウイルスの3つの株(Therien、Judith、M33)が
記載されており、そのゲノムの一部が配列決定されてい
る(Freyら、1986,Virology 154,228−232;Terryら、19
88,Arch.Virol.98,189−197;Clarkeら、1987,Nucl.Acid
s Res.15,3041−3057)。風疹ワクチン株(RA 27/3)の
配列もまた公知である(Nakhasiら、1989,Nucl.Acids R
es.17(11),4393−4394)。
風疹は、感染材料(通常は、鼻咽頭分泌物)を感受性
の細胞培養物に接種することにより診断され得るが、最
も広く用いられる診断試験は、その糖タンパク質の赤血
球凝集特性に基づく。これらのアッセイ(「HAI」)で
は、赤血球凝集素に対する抗体の血清サンプル中での存
在が、ウイルスが赤血球(通常は、ニワトリの血液)に
結合するものを妨害し、従って赤血球凝集を阻害する
(PeetermansおよびHuygelen,1967,Presse Med.75,2177
−2178およびLennetteおよびSchmidt,1979,「ウイル
ス、リケッチア、およびクラミジア感染についての診断
手法」第5版、American Public Health Association I
nc.,Washington)。このようなアッセイにおいて、HAI
抗体力価の増加は最近感染したことを示す。
酵素標識抗体の導入(Avrameas,1969,Immunochemistr
y ,43−52)以来、エンザイムイムノアッセイ(EI
A)、またはエンザイム結合イムノソルベントアッセイ
(ELISA)が、風疹ウイルスを含む多種のウイルス感染
および細菌感染の診断に用いられてきた。ELISA技法を
用いる風疹感染の血清診断は、VollerおよびBidwell(1
975,Br.J.Exp.Pathol.56,338−339)により最初に記載
された。
特にELISAでは、代表的にはウイルス抽出物またはウ
イルス溶解物がプラスチックウエルの表面上にコートさ
れ、血清サンプル中の抗体(存在する場合)または分析
物が、ウイルス抽出物由来の吸着タンパク質に結合す
る。適切な洗浄の後、ウエル中でこのタンパク質に結合
した抗体の存在が、西洋ワサビペルオキシダーゼのよう
な酵素に結合したヒト免疫グロブリンに対する抗体を用
いて検出される。酵素活性のレベルを、非結合酵素を洗
い流した後各ウエルで測定される。ELISA試験の他の形
態または変型もまた周知であり、しばしば当業者により
用いられる。
風疹IgMおよびIgGの特異的な検出用のELISAの導入
が、風疹ウイルス感染のためのHAI診断アッセイの急速
な減退(すなわち、1978−1980年の45%から1982年の19
%)を招いた(Steeceら、1985,J.Clin.Microbiol.21
(1),140−142)。HAI試験に比較して、ELISAは血清
の前処理を必要とせず、血清サンプルあたり1回または
2回の希釈のみを必要とする。ELISAに用いられている
抗生物質の量はまた、前者のHAIアッセイに必要であっ
た量より少ない。
現在用いられている風疹感染についてのELISA診断試
験にいくつかの問題がある。ウエルをコートするために
用いられる風疹抗原の異なる調製物間の変動が、しばし
ば観察される。これらの変動は、風疹ウイルスを再現良
く単離することにおいて遭遇する種々の困難の結果のよ
うである。組織培養では、ウイルスは低力価に増殖し、
細胞膜残渣(debris)から分離するのが困難であり、そ
して非常に不安定である(Ho−Terryら、1986,Arch Vir
ol.87,219−228;ChagnonおよびLaFlamme,1964,Can.J.Mi
crobiol.10,501−503)。このことが、宿主細胞に起源
をもつ細胞残渣からウイルスを単離するのを困難にして
いる。この問題を解決する試みにおいて、風疹感染を検
出するいくつかのELISA技法は、非感染細胞から調製し
た抽出物(参照抗原)でコートした一連のウエル、およ
び風疹感染細胞から調製した抽出物(ウイルス抗原)で
コートした第2の一連のウエルを用いる。次いで各血清
サンプルは、両シリーズのウエルで試験し、正味の応答
を、ウイルス抗原ウエルで測定されたシグナルから参照
抗原ウエルで測定されたシグナルを引き算してもとめ
る。
Terryら、(1988,Arch.Virol.98,189−197)およびHo
−Terryら、(1986,Arch.Virol.90,145−152およびヨー
ロッパ特許出願第88306191.3号)は、風疹のE1糖タンパ
ク質に対する3つの競合しないモノクローナル抗体の反
応性について言及している。これらの各モノクローナル
抗体により結合されるエピトープは同定され、EP1、EP
2、およびEP3と呼ばれている。EP1およびEP2に対するモ
ノクローナル抗体は、赤血球凝集阻害および中和活性の
両方を示す。EP3に対するモノクローナル抗体は中和活
性のみを示す。EP1、EP2、またはEP3エピトープに相当
する合成ペプチドはこれまで報告されていない。ウイル
スゲノム中のこれらの3つのエピトープの配置は、Terr
yら(前出)に記載されている。
Lozziら(1990,Arch.Virol.110,271−276)は、E1糖
タンパク質のEP1、EP2、およびEP3エピトープを含むア
ミノ酸243位−286位の間の領域をカバーする重複するオ
クタペプチドを合成した。彼らの目的は、これらの各エ
ピトープの最小サイズを確立することであった。彼ら
は、風疹ワクチンで過免疫された被験体から単離したヒ
トの高力価の抗風疹IgGのプール(著者らは、このプー
ルが400を下回らない抗風疹免疫グロブリン国際単位/mL
を含むこと、およびHA力価が約2000単位/mLであったこ
とを強調した)で各オクタペプチドを試験した。この非
常に濃縮された抗風疹調製物を用いて、彼らは、これら
のペプチドの全ての低反応性を検出した。ワクチン接種
された患者および自然感染した患者由来の風疹陽性血清
を用いて、精製および濃縮免疫グロブリンを用いた場合
に比べより高いバックグラウンド吸光度が観察されたこ
とを報告した。この研究は、診断試験またはより良いワ
クチンの設計において重要に用いられる合成ペプチド抗
原を同定しようとする場合に直面する困難を例示してい
る。
さらに最近、Wolinskyら(1991,J.Virol.65,3986−39
94)は、E1およびE2タンパク質の種々の領域と反応する
一連のネズミのモノクローナル抗体を特徴付けている。
種々のプラスミド構築物を用いて、著者らはこれらのモ
ノクローナル抗体の結合部位を特定した。ほとんどの抗
E1反応性は、残基202と残基283との間に位置する。E2に
おいて、モノクローナル抗体は、アミノ末端の116残基
をカバーする比較的大きな領域に結合していた。
1963−1965年の風疹の流行は、風疹に対するワクチン
の開発を促進した(Parkmanら、1966,N.Engl.J.Med.27
5,569−574)。それは、弱毒化生ウイルスを含み、そし
て少なくとも95%の受容者で免疫原性であった。弱毒化
ワクチンにより生じた中和抗体は、自然感染の後の中和
抗体より遅く、そして10倍低いレベルで現れる。それに
も関わらず、ワクチン誘導された抗体は、効果的に疾患
から受容者を防御し得る。しかし、本発明の風疹ワクチ
ンはいくつかの欠点を有する。例えば、ワクチン接種し
たヒトのかなりの割合が、しばしば関節炎(主に成人女
性に見られる)、弱い発疹、発熱、およびリンパ節炎を
患う。ワクチンにより得られる防御はまた、自然感染の
後のより長期にわたる免疫よりむしろ2〜10年だけ持続
するに過ぎない。最も重要なのは、少量の感染ウイルス
が代表的には、免疫後2〜3週間に鼻咽頭中に現れ、ワ
クチン接種は、最近ワクチン接種されたヒトと接触する
妊婦にとって非常に危険であり、あるいは妊娠している
ことを知らずに自分自身にワクチン接種するとさらに良
くない。
合成ペプチドまたは組換えペプチドに基づくワクチン
は、この危険が存在しない。何故なら、抗生物質がアレ
ルギー性がかなり低いか、非アレルギー性であるからで
ある。しかし、このようなワクチンは現在入手不可能で
あり、そしてペプチドに基づくワクチンの免疫原性およ
び中和特性が未知である。さらに、全てのペプチドがワ
クチンに有用であると予想されるわけではない。例え
ば、HAI試験における高抗体力価は、風疹感染に対する
防御とあまり相関しない(Partridgeら、1981,Br.Med.
J.282,187−188)。これは、赤血球凝集および中和に関
与するエピトープが異なることに起因し得(Trudelら、
1982,J.Virol.Methods ,191−197)。その一方で、中
和抗体の検出に基づく診断は、免疫状態および風疹感染
または再感染症例を予防するのに高い予想値を有するべ
きである。
これらの差異は、風疹に対するペプチドに基づくワク
チンの評価においてのみではなく、風疹の感染性につい
て患者の免疫状態をアッセイすることにおいて重要であ
る。例えば、現在入手可能な「精製した」風疹抗原は、
感染の可能性があり、赤血球凝集エピトープおよび中和
エピトープの両方を有する。従って、これらの抗原を用
いる免疫状態についての特異的な試験は疑わしく、そし
てこれらのワクチンに用いられる抗原は感染性であり得
る。
これらの問題を考慮し、風疹ウイルスのE1およびE2タ
ンパク質について特定のペプチド配列を選択し、それら
により規定されるペプチドを調製した。ELISAにより測
定されるように、高レベルの抗体と結合する能力で選択
されたこれらのペプチドは、風疹感染についての診断試
験に有用である。中和抗体により認識される本発明のペ
プチドはまた、実質的に接種される風疹ワクチンの活性
成分として有用である。
E1の抗原性は、そのグリコシル化に依存しない(Ho−
TerryおよびCohen、1984,Arch.Virol.79,139−146)。
グリコシル部位はしばしば、イムノアッセイにおいて非
特異的な相互作用を招く。従って、グリコシル化されて
いない合成ペプチド抗原の使用が注目される。
E2糖タンパク質に対する抗体は、先天性風疹症候群の
患者においてより豊富である。それに対して、ほとんど
の他の患者ではE1に対する抗体が優勢である(Katowお
よびSugiura、1985,J.Clin.Microbiol.21,449−451)。
従って、本発明のそれぞれ個別のペプチドは、風疹感染
の別の診断に用いられ得る。
新規のペプチドおよびペプチド混合物は、風疹ウイル
スに予め曝された血液または体液のスクリーニング、な
らびに風疹感染に対する安全で効果的なワクチンの調製
に使用されるために開示される。E2タンパク質のペプチ
ドは、診断および防御抗体の刺激の両方において驚くほ
どに活性である。E2ペプチドと混合したE1ペプチドは本
発明の好適な抗原である。
本発明のペプチドは、風疹ウイルスに対する抗体の検
出用の多種類の特異結合アッセイにおいて有用であり、
抗体を惹起し、次いで風疹抗原の検出、単離、または精
製に用いられ得る免疫原として有用である。ペプチドは
また、風疹ウイルス感染に対するワクチンの調製におい
て用いられ得る。
発明の要旨 本発明は、風疹ウイルスのE2糖タンパク質の領域に対
応する新規なペプチドを提供する。本発明はまた、これ
らのペプチドのアナログ、ならびにこれらのペプチドお
よびアナログの混合物および組合物を提供する。本発明
はさらに、E2タンパク質由来のペプチドと、風疹ウイル
スのE1タンパク質由来の直鎖状ペプチドまたは環状化ペ
プチドとの混合物を提供する。
本発明のペプチドは次の式により定義され:a−Y−
b、ここで: −Yは、風疹ウイルス株のE2糖タンパク質のAA11−AA37
に対応する、風疹ウイルス株のE2糖タンパク質のアミノ
酸配列由来のブロックとして得られる少なくとも6つの
アミノ酸の配列であり、このブロックは、天然のアミノ
酸配列およびそのアナログのアミノ酸配列およびN末端
からC末端方向を維持し、このアナログは天然のアミノ
酸配列ブロックに対して保存的な置換または改変の結果
得られ; −aは以下からなる群より選択され: (i) アミノ末端; (ii) 1から8のアミノ酸の配列; 好ましくは、しかし、限定されないが、E2糖タンパク質
の天然アミノ酸配列からブロックとして得られる配列で
あって、その配列部分の配列およびその配列部分のN末
端からC末端方向を維持し、Yに対してすぐN末端側の
配列、もしくは、その中の保存的置換体またはそれに対
する改変体 (iii) カップリングを促進するに有効な置換体;お
よび (iv) 上記ペプチドの免疫原性活性または抗原活性を
改善するに有効な置換体;および、 −bは以下からなる群より選択される: (i) カルボキシ末端; (ii) 1から8のアミノ酸の配列; 好ましくは、しかし、限定されないが、E2糖タンパク質
の天然アミノ酸配列からブロックとして得られる配列で
あって、その配列部分の配列およびその配列部分のN末
端からC末端方向を維持し、Yに対してすぐC末端側の
配列、もしくはその中の保存的置換体またはそれに対す
る改変体 (iii) カップリングを促進するに有効な置換体; (iv) 上記ペプチドの免疫原性活性および抗原活性を
改善するに有効な置換体。
本発明はまた、上記に規定したような風疹ウイルスの
E2タンパク質由来のペプチド混合物を、次の式のE1タン
パク質のペプチドとの混合物で提供する:a−X−b、こ
こで、 −Xは、風疹ウイルスのTherien株のE1糖タンパク質のA
A213−AA239に対応する風疹ウイルス株のE1糖タンパク
質のアミノ酸配列由来のブロックとして得られる少なく
とも6つのアミノ酸の配列であり、このブロックは、天
然のアミノ酸配列の配列およびN末端からC末端方向を
維持し、そしてそのアナログであり、このアナログは天
然のアミノ酸配列ブロックに対して保存的な置換または
改変の結果得られ; −aおよび−bは上記に規定されるとおりである。
本発明はまた、風疹抗原に対する抗体、ならびにこれ
らのペプチドと免疫学的に反応性の抗体の存在を検出す
る方法を提供する。
以下の記載から容易であるように、これらのペプチ
ド、アナログ、混合物、および組合物は、風疹ウイルス
およびそれにより引き起こされる感染について、広範囲
の診断および予防の方法、手段、および組成物に有用で
ある。
図面の簡単な説明 図1は、風疹ウイルス(Therien株)のE1糖タンパク
質のアミノ酸配列を示す。その配列のアミノ酸は以下の
1文字コードを用いて示される:A=ala、C=cys、D=
asp、E=glu、F=phe、G=gly、H=his、I=ile、
K=lys、L=leu、M=met、N=asn、P=pro、Q=g
ln、R=arg、S=ser、T=thr、V=val、W=trp、
Y=tyr。
名称「EP1、EP2、およびEP3」は、TerryらおよびHo−
Terryら(前出)により同定された3つのエピトープを
示す。名称「BCH−178および環状化BCH−178」は、本発
明の特定のペプチドを示す。
図2は風疹ウイルスのE2糖タンパク質のアミノ酸配列
を示す。名称「BCH−463、BCH−481、およびBCH−933」
は本発明のペプチドを示す。
E1およびE2配列の両方において、推定グリコシル化部位
を(?)で示す。
発明の説明 この記載では、E1およびE2風疹糖タンパク質について
Takkinenら(前出)により公開されたアミノ酸配列およ
び番号付けを用いて、本発明のペプチドの特定のアミノ
酸配列を指定し、そして表した。しかし、これらのペプ
チドおよびそのアナログは、例えばTherien株、Judit
h、RA27/3、およびM33を含む風疹ウイルスの全ての株の
診断および予防に有用である。さらに、これらの株のE1
およびE2タンパク質領域に対応するアミノ酸配列により
特徴付けられるペプチド、およびそれらのアナログはま
た、本発明の範囲、および本出願の請求の範囲に含まれ
る。用語「対応する」および「対応」は、風疹ウイルス
の任意の株におけるこれらの規定される領域の天然のア
ミノ酸を意味する。
当業者に明らかなように、このE2糖タンパク質の特定
の領域を、アミノ酸11〜37の代わりにアミノ酸配列10〜
36と言及する著者らも存在する。これらのアミノ酸の数
値の同定における主観的な変動も本発明の範囲内にあ
る。
本発明はまた上記のペプチドのアナログを含む。本明
細書で用いられる用語「アナログ」は、天然に存在する
風疹のアミノ酸配列のブロックを含むペプチド鎖中の、
1つまたはそれ以上の部位でその部分におけるアミノ酸
の挿入、欠失、置換、および改変をいう。しかし、上記
のように、このような挿入、欠失、置換、および改変に
関わらず、本発明のペプチドは、例えば、E1糖タンパク
質のAA213−AA239から「ブロックとして」配列中にある
少なくとも6つのアミノ酸の配列、あるいは、例えば風
疹ウイルス株のE2糖タンパク質のAA11−AA37からのブロ
ックとして得られる少なくとも6つのアミノ酸の配列を
含まなければならない。用語アナログはまた、同一かま
たは実質的に同一の免疫反応性を有し得る任意のペプチ
ドを意味する。
ペプチド鎖中の天然のアミノ酸配列ブロックに対する
好ましい改変または置換は、保存的なもの(すなわち、
ペプチドの二次構造または三次構造および水に対する特
性(hydropathic nature)に最小の影響を有するもの)
である。これらは、DayhoffによりAtlas of Protein Se
quence and Structure ,1978に、ArgosによりEMBO J.
,779−785,1989に記載された置換のような置換を含
む。
例えば、以下の群の1つに属するアミノ酸は保存的な変
化を代表する: −ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr; −cys、ser、tyr、thr; −val、ile、leu、met、ala、phe; −lys、arg、his;および −phe、tyr、trp、his。
同様に、酸化されやすいアミノ酸、メチオニンは、ノル
ロイシンに置換され得る。これらはまた、Lアミノ酸
に、対応するD異性体の置換を含む。
もちろん、特定の風疹株に天然に見られるネイティブ
なアミノ酸配列への改変もまた、本発明の範囲内に含ま
れる。例えば、風疹の1つのTherien株(受託番号P0756
6)は、E2糖タンパク質の19位でアルギニンの代わりに
システインを有する(図2参照)。
本明細書で用いられる用語「アミノ酸」(例えば、a
およびbの定義において)は、風疹ウイルスのE1または
E2糖タンパク質由来のブロックとして得られるアミノ酸
に言及する場合を除いて、全ての天然アミノ酸、これら
のD体のアミノ酸、および既知の非天然アミノ酸、合成
アミノ酸、および修飾アミノ酸、例えばホモシステイ
ン、オルニチン、およびノルロイシンを包含する。
本発明のペプチドの例は、Yが風疹株のE2糖タンパク
質のAA11−AA37配列およびそのアナログに対応するアミ
ノ酸配列であるペプチドである。
本発明のペプチドの例は、以下のE2糖タンパク質由来
のペプチド: およびそのアナログであり、ここで、aおよびbは上記
のように規定される。
(参照しやすいためTherien株を用いる)本発明の最も
好ましいE2糖タンパク質由来ペプチドは: およびそのアナログであり、ここで、aおよびbは上記
のように規定される。
これらの式で規定されるように、本発明のE2ペプチド
と混合して用いられるE1ペプチドは、直鎖状または環状
であり得る。しかし、本発明の診断用途およびワクチン
の活性成分としての両者には環状化ペプチドが好まし
い。
E2ペプチドと混合して用いられる好ましいE1糖タンパ
ク質誘導ペプチド(参照しやすいためTherien株のアミ
ノ酸配列を用いる)は、次の: およびそのアナログであり、ここでaおよびbは上記の
ように規定される。
本発明の最も好ましいE1ペプチド(参照しやすいため
Therien株を用いる)は: およびそのアナログであり、ここで、aおよびbは上記
のように規定される。
本発明の直鎖状および環状合成ペプチドの組合物およ
び混合物もまた、本発明の範囲内にある。例えば、風疹
ウイルスに特異的な抗体の検出用の好ましいペプチド混
合物は、合成ペプチドBCH−481またはそのアナログ、お
よび本発明の任意の他のペプチドを包含する。本発明の
より好ましいペプチド混合物は、合成ペプチドBCH−48
1、BCH−933、および環状化BCH−178ならびにそれらの
アナログを包含する。風疹ウイルスに特異的な抗体の検
出用の最も好ましいペプチド混合物は、合成ペプチドBC
H−481および環状化BCH−178またはそれらのアナログを
包含する。
本発明の2つまたはそれ以上のペプチド配列を共有結
合すること、あるいは本発明の2つまたはそれ以上のペ
プチドを含有するポリマーを形成することもまた望まし
いことであり得る。このような変更は、それらの抗原特
性の喪失を招くことなく固相表面にペプチドの受動吸着
を促進し得る。それはまた、本発明の1つまたはそれ以
上の合成ペプチドと、T細胞エピトープを有する事が知
られている合成ペプチドとを、共有結合で結合すること
がまた望ましいことであり得、得られる結合体は免疫原
としてより有用である。
本発明の新規のペプチド混合物の他の予期せぬ利点
は、風疹ワクチン化の前後で443人の患者から得られた8
86の血清サンプルのパネル由来の風疹特異抗体の完全な
検出を提供し得ることである。ペプチドBCH−481および
環状化BCH−178を含む混合物が、この利点を有する混合
物の最も好ましい例である。
本発明のペプチドの他の利点は、それらにより示され
る高レベルの特異性である。この結果、陽性と誤診する
数を最小にする。混合物中のBCH−178およびBCH−481の
使用は、E1およびE2タンパク質の両方に特異的な抗風疹
抗体を検出するのに役立つ。それに比べて、これらのペ
プチドのそれぞれを個別に用いることにより、抗風疹抗
体のそれぞれを個別に検出し得、そしてこれは、風疹に
対するヒトの免疫状態を測定するのに役立ち得、環状化
BCH−178に対する反応性が防御のより良い指標となる。
aおよびbにより上記に記載されたように、免疫診断
試薬としてまたはワクチンの活性成分としてより有用で
あるペプチドを選択するために、本発明のペプチド中の
天然に存在する風疹アミノ酸配列を含むペプチドブロッ
クを改変することはしばしば有用であり、本発明の範囲
内にある。このような変更は、例えば以下を包含する: −ヘテロ二官能性架橋試薬(例えばスルホスクシンイミ
ジル−4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート)を
有する適切なキャリアへのペプチドのカップリングを促
進するために、片方または両方の末端にシステイン残基
を付加すること、このような結合をする好ましい試薬、
スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、およびN
−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロ
ピオネート; −支持体あるいはより大きいペプチドまたはタンパク質
に結合するために、あるいは、ペプチドの物理学的特性
または化学的特性を改変するために、ペプチドの片方ま
たは両方の末端に1から8の追加のアミノ酸を付加し
て、ペプチドの互いの結合を促進すること。このような
変更の例は、エステル化反応を介してリンカーとして用
いられ得るチロシン、グルタミン酸、またはアスパラギ
ン酸、ならびにシッフ塩基またはアミド形成を介して連
結され得るリシンを付加することにより成され得る。上
記のように、このような追加のアミノ酸は、全ての天然
アミノ酸、それらのD体のアミノ酸、合成アミノ酸、お
よび修飾アミノ酸を含む;および −ペプチドの片方または両方の末端を、例えばアシル化
またはアミド化により誘導体化すること。これらの改変
の結果、ペプチドの正味の荷電の変化を生じ、そしてま
た固相支持体、キャリア、または他のペプチドへの上記
ペプチドの共有結合を促進し得る。カップリングを促進
するために、あるいは上記ペプチドの免疫原性または抗
原活性を改善するための置換体の例は、C2−C16アシル
基、ポリエチレングリコール、およびリン脂質である。
本発明の新規のペプチドを調製するために、任意の従
来のペプチド生成法が用いられ得る。これらは、合成
法、組換えDNA技術およびその組合せを含む。固相合成
が好ましいが、他の方法もまた役に立つ。合成法による
アプローチでは、樹脂支持体は、ペプチドの固相調製に
ついて当該技術分野において従来用いられている任意の
適切な樹脂であり得る。好ましくは、この樹脂はp−ベ
ンジルオキシアルコールポリスチレンまたはp−メチル
ベンジドリルアミン(p−methylbenzydrylamine)樹脂
である。樹脂支持体への第一の保護されたアミノ酸のカ
ップリングに続いて、当該技術分野で従来用いられてい
る標準法によりアミノ保護基を取り除く。アミノ保護基
を除去した後、残ったアミノ保護アミノ酸および、必要
に応じて側鎖保護されたアミノ酸を、選択したペプチド
を得るために望ましい順序で連続的にカップリングす
る。あるいは、多数のアミノ酸群を、樹脂に支持された
アミノ酸配列とカップリングする前に、溶液法を用いて
カップリングし得る。
適切なカップリング試薬の選択は、確立された技術に
従う。例えば、適切なカップリング試薬は、単独または
好ましくは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下
の、N,N'−ジイソプロピル−カルボジイミドまたはN,N'
−ジシクロ−ヘキシルカルボジイミド(DCC)、または
ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチ
ルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロ−ホスフェート
である。他の有用なカップリング法は、予め形成された
保護アミノ酸の対称無水物(Symmetrical anhydride)
を用いる。
延長するポリペプチド鎖上に導入する各アミノ酸に用
いられる必要なアミノ保護基は、好ましくは9−フルオ
レニルメチルオキシカルボニル(9−fluo−renylmethy
loxycarbonyl)(FMOC)であり、カップリング反応条件
下で分解しない限り任意の他の適切な保護基が用いられ
得る。保護基はまた、延長するペプチド鎖にすでに存在
する任意の他の保護基の存在下で容易に選択的に除去可
能であるべきである。
側鎖アミノ酸用の保護基を選択する基準は:(a)合
成の各工程でアミノ保護基を取り除くために選択される
反応条件下で種々の試薬に対する保護基の安定性;
(b)保護基の戦略上の(strategic)特性の維持(す
なわち、カップリング条件下で落ちるべきではない)お
よび(c)ペプチド合成の終局でおよびさもなければペ
プチド構造に影響しない条件下で保護基が容易に取り除
かれること、である。
十分に保護された樹脂に支持されたペプチドは、好ま
しくは塩化メチレン中トリフルオロ酢酸の50%〜60%溶
液を用いて、1〜6時間室温で、アニソール、チオアニ
ソール、エチルメチルスルフィド、1,2−エタンジオー
ル、および関連試薬のような適切なスカベンジャーの存
在下で、p−ベンジルオキシアルコール樹脂から切断さ
れる。同時に、最も酸に不安定な側鎖保護基が取り除か
れる。より耐酸性の保護基が、代表的にはHF処理により
取り除かれる。
環状化ペプチドは、任意の周知の合成環状化法により
本発明の直鎖状ペプチドから調製され得る。好ましく
は、2つ存在するチオール含有残基、例えばシステイン
を用いる。しかし、チオール残基は、代わりに環状化を
もたらす非チオール残基に置換され得る。例えば、本発
明の環状化合成ペプチドは、ペプチド合成の技術分野で
一般的に知られている技法により、保護されたまたは保
護されていないSH基をジスルフィド結合に直接酸化転換
することにより調製し得る。好ましい方法は、フェリシ
アン化カリウムを用いて遊離のSH基を直接酸化すること
を含む。あるいは、環状化を置換基aおよびbを用いて
行い得る。
本発明のペプチドは、当該技術分野で周知の方法に従
って、風疹ウイルス関連抗体の検出および定量のための
診断試薬として有用である。これらは、ELISAのような
エンザイムイムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッ
セイ(RIA)、フルオレッセンス活性化イムノアッセイ
(FIA)、赤血球凝集、ラテックス凝集、シングルドッ
トおよびマルチドット法ならびにアッセイを含む。
本発明のペプチドあるいはペプチド混合物または組合
物を用いる、風疹ウイルスに対する抗体を測定する好ま
しい簡便なおよび古典的な技法は、エンザイム結合イム
ノソルベントアッセイ(ELISA)である。このアッセイ
では、例えば本発明のペプチドあるいはペプチド混合物
または組合物は、マイクロタイタープレートのウエルに
吸着または共有結合している。次いでこのウエルは、試
験する血清または分析物で処理される。洗浄後、ペルオ
キシダーゼで標識した抗ヒトIgG抗体または抗ヒトIgM抗
体の溶液を添加する。ペルオキシダーゼの測定は、対応
する基質、例えば3,3',5,5'−テトラ−メチルベンジジ
ンで行う。この例示のアッセイの有用性から逸脱するこ
となく、ペルオキシダーゼは、他の標識、例えば放射活
性、蛍光、化学発光、または赤外放射ラベル(infra−r
ed emitting label)により交換され得る。
本発明のペプチドを用いる風疹ウイルスに対する抗体
の他の測定方法は、いわゆる「二重抗原サンドイッチア
ッセイ(Double−Antigen−Sandwich−Assay)」による
酵素免疫学的試験である。この方法は、Immunological
Methods,20,25−34,1978に記載されたMaioliniの研究に
基づく。この方法に従って、試験する血清または他の分
析物を、本発明のペプチドがコートされている固相(捕
捉層)およびペルオキシダーゼで標識した本発明のペプ
チド(プローブ層)と接触させる。免疫反応は1つまた
は2つの工程で行われ得る。洗浄工程は、代表的には、
2つのインキュベーション工程の間およびインキュベー
ション時間の最後で行われる。その後、ペルオキシダー
ゼを例えばO−フェニレンジアミンを用いて測定する。
他の酵素および発色団(すでに記載されたものを含む)
もまたこのアッセイで用いられ得る。
上記のアッセイおよびアッセイ法に用いられる適切な
固相は、有機ポリマーおよび無機ポリマー(例えば、ア
ミラーゼ、デキストラン、天然セルロースまたは改変セ
ルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリル
アミド、アガロース、マグネタイト(magnetite)、多
孔性ガラスパウダー、ポリビニルジエンフルオリド(Ky
nar*)、およびラテックス)、試験容器(すなわち、
試験管、タイタープレート、またはガラスまたは人工的
な材質のキュベット)の内壁、ならびに固体の表面(す
なわち、ガラスおよび人工的な材質のロッド、末端が太
くなったロッド、末端がローブ(lobe)状またはラメラ
(lamallae)状のロッド)を含む。ガラスおよび人工的
な材質のスフェアーが固相キャリアとして特に適切であ
る。
本発明のペプチドならびにそれらの混合物および組合
物は、風疹ウイルスに対する抗体の測定および定量に有
用である。これらのペプチドはまた、風疹ウイルス抗原
自身の測定および定量にも有用である。これらのペプチ
ドは、遊離かあるいは適切なキャリアに重合または結合
しているかのいずれかで風疹ウイルス抗原に免疫学的に
反応性の抗体を惹起するのに有用である。モノクローナ
ル抗体はこの目的に特に好ましい。適切な抗体は、所望
の免疫応答を惹起するに十分なペプチド量で哺乳動物ま
たは鳥類に注入し、そして処置した動物の血清から抗体
を回収することにより産生し得る。抗体を惹起するため
に適切な宿主動物は例えば、ウサギ、ウマ、ヤギ、モル
モット、ラット、マウス、ウシ、ヒツジ、およびニワト
リを含む。好ましくは、所望のモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマが、本発明のペプチドおよび従来
の方法を用いて好適に調製される。例えば、周知のモノ
クローナル抗体を産生するためのKohlerおよびMilstein
の技法が用いられ得る。同一の抗原であるが、異なるエ
ピトープに対するモノクローナル抗体を区別するため
に、Sthliら(J.of Immunol.Methods,32,297−304,19
80)の方法が用いられ得る。
種々の方法が、上記の抗体を用いて、風疹ウイルスま
たはその一部を測定または定量するのに用いられ得る。
これらは先行技術で公知である。このような1つの手法
では、アッセイする既知量の血清サンプルまたは他の分
析物を、本発明の放射標識された直鎖状ペプチドまたは
環状ペプチド、あるいはこれらのペプチドの混合物また
は組合物、ならびに、本発明の非標識ペプチド、あるい
はその混合物または組合物と共に混合する。与えられた
量の抗ペプチド(好ましくはモノクローナル抗体)がま
た添加され、そしてこの混合物を放置する。次いで、得
られる抗体/抗原複合体を当該技術分野で公知の手法
(例えば、硫酸アンモニウム処理、ポリエチレングリコ
ール処理、および過剰の第二の抗体あるいは不溶性支持
体またはデキストランコートした活性炭に結合した第二
の抗体のいずれかによる処理)により非結合試薬から分
離する。次いで標識したペプチドの濃度を、結合相また
は非結合相のいずれかで測定し、そしてサンプルの風疹
ウイルス抗原含有量を、標識成分のレベルをそれ自身が
公知である方法で標準曲線に比較することにより測定さ
れる。
これらの抗体をアッセイに用いる他の適切な方法は、
「二重抗体サンドイッチアッセイ(Double−Antibody−
Sandwich−Assay)」である。このアッセイによれば、
試験するサンプルは2つの異なる抗体(例えば、ヒツジ
およびウサギのような異なる動物を、本発明のペプチド
またはその混合物または組合物で免疫することにより惹
起した)で処理される。抗体の一方を標識し、そして他
方を固相にコートする。好ましい固相は、プラスチック
ビースであり、そして好ましい標識は西洋ワサビペルオ
キシダーゼである。
代表的には、「二重抗体サンドイッチアッセイ」で
は、サンプルを、固相に結合した抗体および標識した抗
体とインキュベートする。しかし、サンプルをまず固相
に結合した抗体と接触させ、次いで必要に応じて洗浄し
た後に、このサンプルを標識抗体と接触させることもま
た可能である。しかし好ましくは、サンプルを固相抗体
および標識抗体と共に同時に処理する。免疫反応後、こ
の混合物を洗浄して、当該技術分野で公知の手法に従っ
て標識を測定する。ペルオキシダーゼが標識として用い
られる場合には、測定は、例えばo−フェニレンジアミ
ンまたはテトラメチルベンジジンのような基質を用いて
行われ得る。標識成分の量は、分析物または血清サンプ
ル中に存在する抗原の量に比例する。
上記のように、風疹ウイルス抗原またはそのウイルス
に対する抗体の測定および定量のための方法およびアッ
セイは、容器中の、本発明のペプチド、その混合物また
は組合物、あるいはこれらのペプチドまたはその混合物
および組合物により惹起された風疹ウイルスに対する抗
体を含有する適切な試験キットで行われ得る。
本発明のペプチドおよびその混合物および組合物はま
た、風疹ウイルスによる感染を受けやすい宿主中でその
ウイルスに対する防御免疫を誘導し得るワクチンの活性
成分として有用である。投与経路、抗原用量、注入の回
数および頻度は、個体から個体まで多様であり、一般
に、他のウイルス感染に免疫を与えるために用いられる
それらに準じ得る。例えば、本発明のワクチンは、本発
明の少なくとも1つのペプチド、そのアナログまたは混
合物または組合物を、その組成物で処理したヒトを含む
哺乳動物中で抗体を惹起するに有効な量で含む薬学的に
受容可能な組成物である。これらの抗体は、風疹ウイル
ス感染から、処置した哺乳動物を一定の期間防御するに
十分であるべきである。
ワクチンは、公知の方法に従って調製される。本発明
のワクチン組成物は、医薬品等級の生理食塩水、破傷風
毒素、およびキーホールリンペットヘモシアニンのよう
な生理学的に受容可能なキャリア材料とうまくそして従
来のように組合される。本発明のワクチン組成物はま
た、アジュバントまたは他の免疫応答のエンハンサー
(例えば、明礬調製物、リポソームまたは免疫調節剤)
を含み得る。さらに、これらのワクチン組成物は、他の
抗原を含有して風疹に加えて他のウイルス(例えば、お
たふくかぜ、および麻疹)または病原に対する免疫を提
供し得る。これらの他の抗原の量は、前述したように処
置される哺乳動物および疾病の経過に依存する。しか
し、この抗原は、一定期間、病原またはウイルスから、
処置した哺乳動物を防御するに十分な抗体を惹起するた
めの有効な量で存在するべきである。
本発明のペプチドはまた、当業者により「スパイキン
グ(spiking)」といわれているものに有用であり得
る。従ってこのペプチドは、組換え抗原または他の任意
の風疹抗原と混合して、ワクチンまたは診断試験それぞ
れの免疫応答または抗原活性を増強し得る。
実施例 本発明のペプチドの合成および利点のための一般的手法
を以下に提供する。
手法1:N−FMOCで保護したアミノ酸残基を有する樹脂の
調製 塩化メチレン(CH2Cl2)およびジメチルホルムアミド
(DMF)(4:1)の混合物中の所望のN−FMOC保護アミノ
酸残基を、CH2Cl2:DMF(4:1)中のp−ベンジルオキシ
アルコール樹脂の懸濁液に0℃で添加した。この混合物
を数秒間手で撹拌し、次いでN,N'−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(DCC)、続いて触媒量の4−(ジメチル
アミノ)ピリジンで処置した。この混合物を0℃でさら
に30分間、次いで室温で一晩撹拌した。濾過した樹脂を
順番にCH2Cl2、DMF、およびイソプロパノールで(各3
回洗浄)、そして最後にCH2Cl2で洗浄した。樹脂をCH2C
l2に懸濁し、氷浴で冷却し、そして再蒸留したピリジン
を撹拌した懸濁液に添加した;その後塩化ベンゾイルを
加えた。0℃で30分間、次いで室温で60分間撹拌し続け
た。濾過後、定重量まで高真空下で乾燥する前に、樹脂
を、順番にCH2Cl2、DMF、およびイソプロパノール(各
3回洗浄)、そして最後に石油エーテル(2回)で洗浄
した。Meienhoferら(Int.J.Peptide Protein Res.,13,
35,1979)による置換の分光光度測定で樹脂の置換の程
度が示された。
手法2:次のアミノ酸のカップリング N−FMOCで保護した第1のアミノ酸残基を有する樹脂
をBiosearch 9600 Peptide Synthesizerの反応容器中
に入れ、次のように処置した: 1)DMFで洗浄した(各20秒間で4回) 2)DMF中のピペリジンの30%溶液で予備洗浄した(3
分) 3)DMF中のピペリジンの30%溶液で脱保護した(7
分) 4)DMFで洗浄した(各20秒間で8回) 5)遊離アミノ基についてのチェックした−Kaiser試験
(陽性であるべき) 6)次いでペプチド樹脂を、8等量の所望のFMOC保護化
アミノ酸および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、お
よびベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジ
メチル−アミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート(すべて、16等量の4−メチルモルホリンを含む乾
燥再蒸留DMFに溶解)とともに、1または2時間穏やか
に撹拌した。
7)DMFで洗浄した(各20秒間で6回) 工程7)の後、アリコートを取り出してニンヒドリン
試験を行った。試験が陰性の場合、次のアミノ酸のカッ
プリングのための工程1に戻る。試験が陽性またはわず
かに陽性の場合、工程6および7を繰り返す。
上記のスキームは、本発明に記載されたペプチドの各
アミノ酸をカップリングするために用いられ得る。FMOC
を用いたN−保護はまた合成を通じて残りの各アミノ酸
に用いられ得る。
放射標識されたペプチドは、上記のカップリングプロ
トコールを用いてトリチウム化アミノ酸の取り込みによ
り調製され得る。
最後のアミノ酸の付加後、N−末端残基のN−FMOCを
上記のスキームの工程1−7に戻ることにより取り除
く。ペプチド樹脂をCH2Cl2で洗浄し、そして減圧下で乾
燥し粗製の保護化ペプチドを得る。
手法3:樹脂からのペプチドの脱保護および切断 保護化ペプチド−樹脂を、2.5%エタンジチオールお
よび2.5%アニソールを含むCH2Cl2中の55%トリフルオ
ロ酢酸(TFA)に懸濁した。混合物にN2を吹き込み、そ
して室温で1.5時間撹拌した。この混合物を濾過し、樹
脂をCH2Cl2で洗浄した。樹脂をCH2Cl2中の20%TFAで再
び室温で5分間処置した。この混合物を濾過し、そして
樹脂をCH2Cl2中の20%TFAで洗浄し次いでCH2Cl2で洗浄
した。合わせた濾液を減圧下、35℃未満で蒸留し、残存
物を数回乾燥ジメチルエーテルを用いて粉末化した。固
型分を10%酢酸水溶液に溶解し、そして凍結乾燥して粗
生成物を得た。
アルギニンおよびシステイン残基を含むペプチドを、
さらに、0℃で1時間アニソールおよびジメチルスルフ
ィドの存在下でHF処理により脱保護した。このペプチド
を10%酢酸水溶液で抽出し、ジメチルエーテルで洗浄
し、そして凍結乾燥して粗製ペプチドを得た。
手法4:ペプチドの調製 粗製ペプチドを、C18またはC4逆相のVydacカラム
(2.5×25mm)で移動相の濃度勾配を用いる調製用HPLC
により精製した。溶出物を220nmでモニターし、続いて
分析用HPLCを行った。ペプチドを含む画分をプールし、
蒸留し、そして凍結乾燥した。合成ペプチドであること
を分析用逆相クロマトグラフィーおよびアミノ酸分析に
より確認した。
手法5:ペプチドの環状化 フェリシアン化カリウム溶液(0.01M,pH7.0)をゆっ
くりとpH7.0で直鎖状ペプチドの希釈水溶液(0.5mM)に
加えた。室温で24時間後、pHを5.0に低下させそしてこ
の溶液をイオン交換樹脂(Bio−Rad Ag−3−X4a,Cl
型)で30分間処置した。懸濁液を濾過し、そして濾液を
凍結乾燥して粗製の環状ペプチドを得た。このペプチド
を、調製用逆相HPLCで精製し、そしてアミノ酸分析によ
り特徴付けた。環状化の証明は、環状ペプチドのHPLC移
動度を出発直鎖状ペプチドと比較することにより、環状
ペプチドのアリコートを直鎖状ペプチドに還元して戻す
ことにより、およびまた環状化後、遊離スルフィドリル
基の消失を観察することにより(Ellman試験)、得た。
手法6:ウシ血清アルブミンまたはキーホールリンペット
ヘモシアニンへのペプチドの結合 ペプチドを、予めスルホスクシンイミジル4−(p−
マレイミド−フェニル)ブチレート(Sulfo−SMPB)ま
たはスルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチ
ル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(Sulfo−S
MCC)のいずれかで誘導体化したBSAまたはKLHに結合し
た。
sulfo−SMPBまたはsulfo−SMCC(Pierce Chemicals)
の水溶液を0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中の
BSAまたはKLH溶液に添加した。この混合液を室温で45分
間振とうして活性化したキャリアをただちに4℃で0.1M
リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を用いて緩衝化してS
ephadex G−25カラムに添付した。
活性化したキャリアに相当する第一の吸光度ピーク
(280nm)画分を合わせて丸底フラスコに入れ、そこに
0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.2)中のペプチド溶
液を加えた。混合物にN2を十分に吹き込み、室温で一晩
インキュベートした。カップリング効率を、3H−標識化
ペプチドを用いて、そして結合物のアミノ酸分析により
モニターした。
手法7:エンザイムリンクトイムノソルベントアッセイ
(ELISA)による風疹ウイルスに対する抗体の検出 マイクロタイタープレートの各ウエルを、100μlの
ペプチド(5μg/ml)またはペプチドの混合物(10μg/
ml)を含む溶液でコートし、一晩放置した。ウエルを空
にし、洗浄用緩衝液(トリス,0.043M;NaCl,0.5M;チメロ
サール,0.01%w/v;Tween 20,0.05% v/v;pH7.4)で2
回洗浄した。次いでウエルを、0.35mlの洗浄用緩衝液で
37℃で1時間で飽和し、同緩衝液で1回洗浄した。分析
する血清サンプルを試料緩衝液(0.05%w/vのカゼイン
を加えた洗浄用緩衝液)で希釈した。ウエルを、希釈し
た血清サンプル(0.1ml)の添加前に洗浄用緩衝液です
すいだ。これらは、室温で1時間インキュベートしたま
まにした。次いで、ウェルを空にし、すばやく2回、次
いで1回、2分間洗浄用緩衝液で洗浄した。洗浄用緩衝
液中の1% w/vのウシ血清アルブミンで希釈した結合物
溶液(ペルオキシダーゼ標識化アフィニティー精製し
た、ヒトIgGに対するヤギ抗体,5mlの50%グリセロール
中0.5mg)を各ウエル(0.1ml)に加え、室温で1時間イ
ンキュベートした。次いでウエルを空にし、そして洗浄
用緩衝液で5回洗浄した。基質溶液(3,3',5,5'−テト
ラメチルベンジジン、DMSO中8mg/ml)を、0.1%v/vの30
%H2O2を含む100容量の0.1Mクエン酸−酢酸緩衝液(pH
5.6)で希釈し、そして各ウエル(0.1ml/ウエル)に加
えた。10分後、各ウエルの内容物を0.1mlの2N H2SO4
処置し、そして吸光度を450nmで読んだ。すべての測定
を2重で行った。
実質的に上記に記載したような一般的な手法を用い
て、次の特定のペプチドを調製した:BCH−178、環状化B
CH−178、BCH−463、およびBCH−481。
次いでこれらのペプチドを風疹特異的抗体を検出する
能力について評価した。
実験1 実験1では、環状化BCH−178、BCH−463、BCH−481の
ペプチド、ならびに環状化BCH−178、およびBCH−463ま
たはBCH−481の混合物を、カナダ、米国、およびヨーロ
ッパの多様な起源から得られた血清陽性(seropositiv
e)および血清陰性(seronegative)の血清パネルを用
いるELISAアッセイで比較した。
結果を、表1にサンプルの吸光度とカットオフの吸光
度(0.2)との比として示した。風疹抗体の存在につい
て陽性であると考えられるサンプルの値は、値(1.0)
に同じまたはそれ以上と定義した。
これらの結果は、BCH−481および環状化BCH−178の混
合物が、各個別のペプチドに比較して優れていることを
示す。
実験2 実験2では、合成ペプチドの混合物(環状化BCH−178
およびBCH−481)を、風疹特異的抗体の検出のためのア
ッセイ中で用いた。これらの結果を、2つの市販のウイ
ルス溶解物ベースの風疹キットで得られた結果と比較す
る(表2aおよび2b)。BCH−481および環状化BCH−178の
混合物で得られたこの結果は、ウイルス溶解物ベースの
試験(Enzygnost)で得られた結果と実質的に同等であ
った。従って、本発明者らの簡単なペプチド混合物は、
より複雑な市販キットに置き換わり得、使用者に同等の
結果を提供する。ペプチド混合物については、コントロ
ールウエルと並行して試験を行う必要がないという追加
の利点がある。
実験3 実験3では、風疹抗原BCH−481および環状化BCH−178
の混合物の、小児科病院からの476血清サンプル中の抗
風疹抗体の存在を検出するための使用を評価した。血清
サンプルを、予め選択せずに(ルーチンの風疹試験基準
について)試験し、この結果を3つの他の市販風疹キッ
ト(Abbott,BehringおよびDiamedix)で得られた結果と
比較した。すべての技法を、それらの製造者により記載
されたように行い、そして結果を解析した。BehringのE
nzygnost EIAアッセイは、中間反応性の「灰色領域」を
定義する。灰色領域に入ったサンプルは結果比較を容易
にするために外した。
表3は、各技法の476の血清サンプルの陽性および陰
性サンプルを区別する能力を示す。本発明のペプチド混
合物で得られた結果は、これら3つの市販キットで得ら
れた結果に一致することを示す;相関は、97.3%と95%
との間の範囲にある。
本発明者らは、本明細書に本発明の多くの実施態様を
記載したが、本発明者らの基本的な構成を変更して、本
発明の方法および組製物を利用する他の実施態様を提供
し得る。従って、本発明の範囲は、実施例により本明細
書に示した特定の実施態様によるのではなく、添付の請
求の範囲により定義されるべきであることは明かであ
る。
配列表 (1)一般的情報: (i)出願人: (A)名称:バイオケム イミュノシステムズ イ
ンコーポレイテッド (B)番地:10900 ハモン ストリート (C)市:モントリオール (D)州:ケベック (E)国:カナダ (F)郵便番号:H3M 3A2 (G)電話:514−335−9922 (H)テレファックス:514−335−9919 (ii)発明の名称:風疹ウイルスのE1およびE2タンパ
ク質に対する抗体を検出および惹起するためのペプチ
ド、アナログ、およびその混合物 (iii)配列数:6 (iv)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントインリリース#1.
0、バージョン#1.25(EPO) (v)現在の出願データ: (A)出願番号:WO PCT/CA93/00306号 (2)配列番号(SEQ ID NO):1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:481アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (iii)ハイポセティカル配列:NO (v)フラグメント型:N末端フラグメント (vi)起源: (A)生物名:風疹E1糖タンパク質 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):1 (2)配列番号(SEQ ID NO):2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:263アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (v)フラグメント型:N末端フラグメント (vi)起源: (A)生物名:風疹E2糖タンパク質 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):2 (2)配列番号(SEQ ID NO):3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:27アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:両形態 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (vi)起源: (A)生物名:BCH−178および環状化BCH−178 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):3 (2)配列番号(SEQ ID NO):4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:20アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (vi)起源: (A)生物名:BCH−463 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):4 (2)配列番号(SEQ ID NO):5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:27アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (vi)起源: (A)生物名:BCH−481 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):5 (2)配列番号(SEQ ID NO):6の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:27アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (v)フラグメント型:中間部フラグメント (vi)起源: (A)生物名:BCH−933 (xi)配列の特徴:配列番号(SEQ ID NO):6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/569 G01N 33/569 K 33/577 33/577 B (56)参考文献 特表 平7−503133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/19 A61K 39/20 CA(STN) SwissProt/PIR/GeneS eq REGISTRY(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 a−Y−bを有するペプチド:ここで、−Yは、 のアミノ酸の配列であり、 −aはアミノ末端であり、−bはカルボキシ末端であ
    る。
  2. 【請求項2】アミノ酸配列 で示される、請求項1に記載のペプチド。
  3. 【請求項3】アミノ酸配列 で示される、請求項2に記載のペプチド。
  4. 【請求項4】アミノ酸配列 で示される、請求項2に記載のペプチド。
  5. 【請求項5】アミノ酸配列 で示される、請求項1に記載のペプチド。
  6. 【請求項6】1つより多い請求項1に記載のペプチドを
    包含する、混合物または組合せ。
  7. 【請求項7】(a)少なくとも1つの請求項1に記載の
    ペプチド;および(b)少なくとも1つの風疹ウイルス
    の他の抗原、を包含する、混合物または組合物。
  8. 【請求項8】前記(a)のペプチドが、 のアミノ酸配列である、請求項7に記載の混合物または
    組合物。
  9. 【請求項9】前記(b)のペプチドが、以下の式のE1タ
    ンパク質のペプチドである、請求項7に記載の混合物お
    よび組合物: a−X−b ここで、−Xは、 のアミノ酸の配列であり、 −aおよび−bは請求項1に規定されるとおりである。
  10. 【請求項10】前記(a)のペプチドが、 のアミノ酸配列のペプチドであり、そして前記(b)の
    ペプチドが の環状化ペプチドである、請求項9に記載の混合物また
    は組合物。
  11. 【請求項11】前記(a)のペプチドが、 のアミノ酸配列のペプチド、および のアミノ酸配列のペプチドとの混合物であり、そして前
    記(b)のペプチドが の環状化ペプチドである、請求項9に記載の混合物、ま
    たは組合物。
  12. 【請求項12】分析物中の風疹抗原に対する抗体の存在
    を検出する方法であって、該分析物のアリコートを、請
    求項1から5のいずれか1つに記載のペプチド、または
    請求項6から11のいずれか1つに記載の混合物または組
    合物と接触させる工程を包含する、方法。
  13. 【請求項13】EIA、RIA、FIA、赤血球凝集、ラテック
    ス凝集、シングルドットイムノアッセイ法、およびマル
    チドットイムノアッセイ法からなる群より選択される、
    請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】請求項1に記載のペプチドに対して惹起
    された抗体。
  15. 【請求項15】前記抗体がポリクローナル抗体およびモ
    ノクローナル抗体からなる群より選択される、請求項14
    に記載の抗体。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の抗体を1つ以上含有す
    る混合物。
  17. 【請求項17】分析物中の風疹抗原の存在を検出する方
    法であって、該分析物のアリコートを請求項14に記載の
    抗体と接触させる工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】以下を含有する薬学的に受容可能な組成
    物:(a)薬学的に受容可能なキャリア;および(b)
    請求項1から5のいずれか1つに記載の少なくとも1つ
    のペプチドを、該組成物で処置した哺乳動物中で抗体を
    惹起するに有効な量で包含し、ここで、該抗体は、該処
    置哺乳動物を風疹ウイルス感染から防御し、そして風疹
    関連関節炎を予防するに十分である。
  19. 【請求項19】ヒトの処置に適合された、請求項18に記
    載の組成物。
  20. 【請求項20】免疫応答のアジュバントまたはエンハン
    サーをさらに含有する請求項18に記載の組成物。
  21. 【請求項21】2次抗原をさらに含有する請求項20に記
    載の組成物であって、該2次抗体が、前記処置哺乳動物
    を風疹ウイルス以外の病原体による感染を防御するに十
    分な抗体を惹起するに有効な量で存在する、組成物。
  22. 【請求項22】ヒトを除く哺乳動物を風疹ウイルス感染
    から防御する、あるいは風疹関連関節炎を予防する方法
    であって、該ヒトを除く哺乳動物を請求項18から21のい
    ずれかに記載の組成物で処置する工程を包含する、方
    法。
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