JP2000512989A - 新規の抗凝固性グリコシド及びその薬理組成物 - Google Patents

新規の抗凝固性グリコシド及びその薬理組成物

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JP2000512989A JP10502570A JP50257098A JP2000512989A JP 2000512989 A JP2000512989 A JP 2000512989A JP 10502570 A JP10502570 A JP 10502570A JP 50257098 A JP50257098 A JP 50257098A JP 2000512989 A JP2000512989 A JP 2000512989A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は式(I)の新規の1,5−ジチオ−ピラノシド (式中、R1は水素、ヒドロキシ又はアジド基を表わす、R2はヒドロキシ、アジド、アミノ又はアセトアミド基を表わす、R3はヒドロキシ又はアジド基を表わす、R4は水素、メチル又はヒドロキシメチル基を表わす、R5は水素を表わす、R4及びR5は一緒になってメチレン基を表わす、R6はニトロ、シアノ、アミジノ、アミノチオカルボニル、−C(=NH)−OCH3,−C(=NH)−NH−NH2又は−C(=NH)−SCH3基を表わす、但し、R6はR1−R3のそれぞれがヒドロキシを表わし、そしてR4及びR5が水素を表わすとき、ニトロ又はシアノ基以外の基しか表わさず、更にR6は、R1−R3それぞれがヒドロキシを表わし、R4がヒドロキシメチル基を表わし、そしてR5が水素を表わすとき、ニトロ基以外の基しか表わさない)並びに可能なら、有機又は無機酸で形成されたその酸付加塩、並びにそれを含む薬理組成物に関する。本発明の化合物は、有用な治療特性、特に抗凝固特性をもつ。

Description

【発明の詳細な説明】 新規の抗凝固性グリコシド及びその薬理組成物 本発明は式(I)の新規の1,5−ジチオ−ピラノシド (式中、 R1は水素、ヒドロキシ又はアジド基を表わす、 R2はヒドロキシ、アジド、アミノ又はアセトアミド基を表わす、 R3はヒドロキシ又はアジド基を表わす、 R4は水素、メチル又はヒドロキシメチル基を表わす、 R5は水素を表わす、 R4及びR5は一緒になってメチレン基を表わす、 R6はニトロ、シアノ、アミジノ、アミノチオカルボニル、−C(=NH)−OCH3, −C(=NH)−NH−NH2又は−C(=NH)−SCH3基を表わす、但し、R6はR1−R3のそ れぞれがヒドロキシを表わし、そしてR4及びR5が水素を表わすとき、ニトロ又 はシアノ基以外の基しか表わさず、更にR6は、R1−R3それぞれがヒドロキシ を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表わし、そしてR5が水素を表わすとき、 ニトロ基以外の基しか表わさない) 並びに可能なら、有機又は無機酸で形成されたその酸付加塩に関する。 本発明の化合物は、たとえ経口ルートにより投与された場合でも 、有用な薬理特性、特に抗凝固活性をもつ。 本発明に係る特に有用な式(I)の代表物は下記の通りである: 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノ シド 4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノ シド 4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラ ノシド 4−アミジノフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド 4−(ヒドラジノ)(イミノ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラ ノシド 4−シアノフェニル4−アジド−4−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド 4−シアノフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド 4−シアノフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピ ラノシド 4−シアノフェニル2−アジド−2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジ チオ−β−D−キシロピラノシド 4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド 4−シアノフェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノ シド 4−ニトロフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ− β−D−キシロピラノシド 4−(アミノチオカルボニル)フェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −グルコピラノシド 4−(アミノチオカルボニル)フェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −スレオ−ペントピラノシド 4−アミジノフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペント ピラノシド 4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノ シド 4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラ ノシド 4−ニトロフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピ ラノシド。 R1−R3がそれぞれヒドロキシ基であり、R4及びR5が水素であり(即ち、1 ,5−ジチオ−キシロピラノシド)、そしてR6がクロロ、ニトロ、シアノ、メ チル又はメトキシ基である式(I)のいくつかの誘導体が論文から公知となって いる〔F.Bellamyら、Eur.J.Med.Chem.30(1995)101〕。これらの誘導体のうち とりわけR6がニトロ又はシアノ基であるものが経口投与したときでさえも有利 な抗凝固活性を有する(EP 365,397)。更に、R1−R3のそれぞれがヒドロキシ基 を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表わし、R5が水素を表わし、そしてR6 がニトロ基を表わす式(I)の1,5−ジチオ−グルコピラノシドも論文より公 知となっているが(B.Joseph and P.Rollin,J.Carbohydr.Chem.12(1993)719 )、この化合物の生物活性は今まで述べられていない。 本発明の狙いは公知のものよりも強い凝固過程のインヒビターであり、しかも 経口活性であるかかる新規の炭水化物誘導体の合成に ある。 驚くべきことに、炭水化物誘導体の抗血栓活性は、炭水化物成分のヒドロキシ 基(R1−R3)を水素又はアジド基と交換することにより実質的に高まりうること が見い出された。似たような高まった活性が、炭水化物部分がチオペントースの 代わりにチオヘキソースであるチオグリコシド(R4がヒドロキシメチル基を表 わしている)、及びアグリコンのC−4にあるシアノ置換基がカルボン酸誘導体 へと変換されている別の誘導体に見い出された。 本発明の化合物は様々な公知の方法により合成できうる。 a)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素であり、そし てR6が−C(=NH)−OCH3基を表わす式(I)の化合物は、例えばR1−R5の意 味が上記の通りであり、そしてR6がシアノ基である式(I)の化合物をメタノ ール中でナトリウムメトキシドで処理することにより、又は例えばR1−R5の意 味が上記の通りであり、そしてR6が−C(=NH)−SCH3基である式(I)の化合 物をメタノール性溶液中で加熱することにより調製できる。 b)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素であり、そし てR6がアミノチオカルボニル基を表わす式(I)の化合物は、例えばR1−R5 の意味が上記の通りであり、そしてR6がシアノ基である式(I)の化合物を溶 媒として有機塩基を用いて硫化水素で処理することにより調製できうる。 上記の反応は好ましくは室温で溶媒としてトリエチルアミン−ピリジンの1: 1の混合物を用いて実施できうる。 c)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素であり、そし てR6が−C(=NH)−SCH3基である式(I)の化合物は、例えばR1−R5の意味 が上記の通りであり、そしてR6 がアミノチオカルボニル基である式(I)の化合物をメチル化剤で処理すること により調製できうる。 上記の反応は好ましくは溶媒としてアセトン、そして試薬としてヨウ化メチル を用い、還流温度で実施できうる。 d)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素であり、そし てR6がアミジノ基を表わす式(I)の化合物は、例えばR1−R5の意味が上記 の通りであり、そしてR6が−C(=NH)−SCH3基である式(I)の化合物を溶媒 として低級脂肪族アルコールを用いて酢酸アンモニウム又はアンモニアで処理す ることにより調製できうる。 上記の反応は好ましくは溶媒としてメタノール又はエタノールを用いて還流温 度で実施できうる。 e)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素であり、そし てR6が−C(=NH)−NH−NH2基を表わす式(I)の化合物は、例えばR1−R5の 意味が上記の通りであり、そしてR6が−C(=NH)−SCH3基である式(I)の化 合物を溶媒として低級脂肪アルコールを用いてヒドラジンで処理することにより 調製できうる。 上記の反応は好ましくは試薬として98%のヒドラジン水和物、そして溶媒とし てエタノールを用いて実施できうる。 f)R1及びR2それぞれがヒドロキシ基を表わし、R3がアジド基を表わし、R4 及びR5が水素であり、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は、次式 (II)のアノマー混合物 (式中、Rはシアノ基を表わす)のβ−アノマーを分割し、そして低級脂肪族ア ルコール中のアセチル基を塩基で処理することにより調製できうる。 上記の反応は好ましくはRがシアノ基である式(II)のアノマー混合物をカラ ムクロマトグラフィーにより分割し、そしてこの分割したβ−アノマーからアセ チル基をメタノール性溶液中のナトリウムメトキシドを利用して除去することに より実施できうる。 Rがシアノ基である式(II)のグリコシドは新規の化合物であり、そして例え ば次式(VII)の化合物 (式中、R1及びR2は独立して水素である)から、第一ヒドロキシ基に保護基を 導入し、そして第二ヒドロキシ基をメシル化することにより調製できる。R1が メシル基を表わし、そしてR2が適当な保護基である得られる式(VII)の化合物 を適当なアジドによる処理により式(VI)の化合物(式中、Rは適当な保護基を担持するヒドロキシ基を表わす)へと変換する。次 いでこの保護基を除去し、そしてこの遊離ヒドロキシ基を好ましくはメシル化に より離核基へと変換させる。後者はチオ 酸の塩による処理により、エチルメルカプト基が分離する対応のチオエステルを 供する。得られる式(V)のアルデヒド からベンゾイル基、次いでイソプロピリデン基を除去し、そして得られるチオ糖 を直接、又は式(IV)のメチルグリコシド (式中、Rはメトキシ基を表わす)を介して、Rがアセトキシ基を表わす式(IV )のトリアセテートへと変換する。後者の化合物の式(III)の4−シアノチオ フェノール との縮合はRがシアノ基を表わす式(II)のグリコシドのアノマー混合物を供す る。 別の手順に従うと、グリコシドの同混合物は、Rがアセトキシ基を表わす式( IV)のトリアセテートをRがヒドロキシ基を表わす式(IV)のジアセテートへと 変換させ、次いでRが−O−C(NH)−CCl3基である式(IV)のトリクロロアセトイ ミドへと変換させることにより得られうる。後者の(III)との縮合はRがシア ノ基である式(II)のグリコシドのアノマー混合物を供する。 上記の反応系列は好ましくはR1及びR2が水素を表わす式(VII)のメルカプ タルを、有機塩基、好ましくはピリジンの存在下で、まず A) 1.1当量の塩化ベンゾイル、次いで塩化メシルで処理することにより実施 し、R1がメシル基を表わし、そしてR2がベンゾイル基を表わす式(VII)の化 合物を供する、又は B) 1.1当量のt−ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMS-Cl)、次いで塩化 メシルで実施し、R1がメシル基であり、そしてR2がTBDMS基である式(VII)の 化合物を供する、 ことで実施できる。得られる誘導体を適当なヒドラゾン酸の適当な塩、好ましく はアジ化ナトリウムで、非極性溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド 又はジメチルスルホキシドの中で、100〜150℃、好ましくは120℃で処理する。 その後ベンゾイル基をR1がメシル基を表わし、そしてR2がベンゾイル基を表わ す得られる式(VII)の中間体からメタノール中でナトリウムメトキシドにより 除去し、一方R1がメシル基を表わし、そしてR2がTBDMS基を表わす式(VII)の 中間体のTBDMS保護基はテトラブチルアンモニウムフルオリドでテトラヒドロフ ラン中で分離させる。Rがヒドロキシ基を表わす得られる式(VI)の化合物はピ リジン溶液中の塩化メシルでRがメシルオキシ基を表わす式(VI)のメシレート へと変換させる。この後者は非プロトン溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホル ムアミドの中でのチオカルボン酸の塩、好ましくはチオ安息香酸ナトリウムによ る処理によりRがベンゾイルチオ基を表わす式(VI)のエステルを供する。式( V)のアルデヒドが得られるとき、この中間体のエチルメルカプト基を好ましく は水性アセトンの中で塩化水銀(II)により炭酸カドミウムの存在下で分離させ る。式(V)のアルデヒドのエステル基をメタノール中でナトリウムメトキ シドにより除去し、次いでそのイソプロピリデン基を塩酸による溶液の酸性化に より分離させる。式(V)のアルデヒドのエステル基はメタノール中のナトリウ ムメトキシドにより除去し、次いでそのイソプロピリデン基を塩酸による溶液の 酸性化により分離させる。Rがアセトキシ基である式(IV)のα−及びβ−トリ アセテートの混合物が、上記の溶液を中和し、そしてエバポレーション後の残渣 をピリジン中の無水酢酸で処理することにより得られる。酸性化メタノール性溶 液を長時間放置すると、又はそれを中和及びアセチル化の前に加熱すると、Rが メトキシ基を表わす式(IV)のアセチル化α−及びβ−メチルグリコシドの混合 物が得られる。この後者の化合物は無水酢酸中の硫酸によりRがアセトキシ基を 表わす式(IV)の前者のトリアセテートへと変換されうる。非プロトン溶媒、好 ましくはジクロロメタン中のトリアセテートのこの混合物をプロモーター、好ま しくはトリメチルシリルトリフレートの存在下で式(III)の4−シアノチオフ ェノールで処理すると、Rがシアノ基を表わす式(II)のグリコシドの混合物が 得られる。 他方、Rがアセトキシを表わす式(IV)のトリアセテートをN,N−ジメチル ホルムアミドの中でヒドラジンアセテートで処理すると同混合物が得られ、そし て得られるRがヒドロキシ基である式(IV)の化合物をトリクロロアセトニトリ ルによりジクロロメタンの中で炭酸カリウムの存在下で処理してRが−O−C(NH) −CCl3基を表わす式(IV)のイミデートが供される。この化合物の式(III)の 4−シアノチオフェノールによる、硼素トリフルオリドエーテラーテの存在下で のジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタン中での低温、好ましくは−15℃で の処理は、Rがシアノ基である上記の式(II)のグリコシドの同混合物を供する 。 g)R1及びR3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R2がアジド 基を表わし、R4及びR5が水素であり、そしてR6がシアノ基を表わす式(I) の化合物は、例えば式(VIII)のキシロピラノース(式中、Rはアセトキシ基又は−O−C(NH)−CCl3基を表わす)を式(III)の4 −シアノチオフェノールによりプロモーターの存在下で処理し、次いで得られる 式(X)のグリコシド (式中、Rはシアノ基を表わす)を低級脂肪族アルコール中での塩基による処理 により除去することにより調製し得る。 上記の反応は好ましくは A)Rがアセトキシ基を表わす式(VIII)のアセテートを、式(III)の4−シ アノチオフェノールと、ジクロロメタン中で、低温、好ましくは−10℃で、プロ モーターとしてのトリメチルシリルトリフレートの存在下で反応させることによ り、又は B)Rが−O−C(NH)−CCl3基を表わす式(VIII)のイミデートを、式(III)の 4−シアノチオフェノールと、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンの中 で、プロモーターとしての硼素トリフルオリドエーテラーテの存在下で、低温、 好ましくは−15℃で反応させることにより、 実施できうる。双方のケースにおいてグリコシドの混合物が形成され、それよ りRがシアノ基を表わす式(X)のβ−アノマーがカ ラムクロマトグラフィーにより分割される。Rがシアノ基を表わす式(X)の化 合物の脱アセチル化はメタノール中のナトリウムメトキシドで実施でき、R1及 びR3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R2がアジド基を表わし、R4及びR5が 水素であり、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物が供される。 Rがアセトキシ基を表わす式(VIII)のキシロピラノース誘導体も新規化合物 であり、そして例えば公知の〔H.Ohruiら、Agric.Biol.Chem.34(1970)375〕 3−アシド−3−デオキシ−1,2−O−イソプロピリデン−5−O−トシル −D−キシロフラノースをチオ安息香酸カリウムにより式(IX)のエステル へと変換させ、それをまず脱ベンゾイル化し、次いでそのイソプロピリデン基 を分離し、そして得られる5−チオ−キシロピラノース誘導体をその過酢酸塩へ と変換させることにより調製できうる。上記の反応系列は好ましくは3−アジド −3−デオキシ−1,2−O−イソプロピリデン−5−O−トシル−D−キシロ フラノースのチオ安息香酸カリウムによるN,N−ジメチルホルムアミド中での 100℃での処理により実施できうる。式(IX)の形成エステルをメタノール中の ナトリウムメトキシドで脱ベンゾイル化し、次いでその溶液を水性塩酸で酸性に し、煮沸し、そして得られるトリヒドロキシ誘導体をピリジン中の無水酢酸でR がアセトキシ基である式(VIII)の過酢酸塩へと変換させる。 h)R1,R4及びR5が水素であり、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、そし てR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は例 えば非プロトン溶媒中の臭化水素を式(XI)のペントース誘導体 (式中、Rはベンゾイル基を表わす)に加え、そして得られる式(XII)のブロ ミド(式中、Rはブロモ原子を表わす)を式(III)の4−シアノチオフェノールの 塩で処理することにより調製できうる。Rが4−シアノフェニルチオ基である得 られる式(XII)のグリコシドのエステル基を低級脂肪族アルコール中の塩基に よる処理により除去し、そして必要とされる上記式(I)のβ−アノマーを得ら れるアノマーグリコシドの混合物からの結晶化により分割する。 他方、Rが4−シアノフェニルチオ基を表わす式(XII)のグリコシドの同混 合物はまずRがブロモ原子を表わす構造式(XII)のブロミドのブロモ原子をア セトキシ基を交換し、次いで得られるRがアセトキシを表わす構造式(XII)の アセテートをプロモーターの存在下で構造式(III)の4−シアノチオフェノー ルと反応させることにより得られうる。 上記の反応系列は好ましくはRがベンゾイル基を表わす式(XI)のペントー ス誘導体の二重結合をベンゼン溶液中の臭化水素により飽和にし、次いでRがブ ロモ原子を表わす式(XII)の得られる反応性中間体を単離することなく化合物 (III)及び水素化ナトリウ ムから現場調製した4−シアノチオフェノールのナトリウム塩で処理することに より実施できうる。Rが4−シアノフェニルチオ基を表わす構造式(XII)のア ノマーの形成混合物をRがベンゾイル基を表わす式(XI)の形成排除生成物か らカラムクロマトグラフィーにより除去する。 他方、Rが4−シアノフェニルチオ基を表わす構造式(XII)のグリコシドの 同混合物が、Rがブロモ原子である式(XII)のブロモ中間体を単離することな くアセトニトリル中の酢酸銀で処理し、そしてRがアセトキシ基を表わす式(X II)の形成アセテートを式(III)の4−シアノチオフェノールによりジクロロ メタン中でトリメチルシリルトリフレートの存在下で処理することにより得られ る。Rが4−シアノフェニルチオ基を表わす構造式(XII)のグリコシドの得ら れる混合物のベンゾイル基はメタノール中のナトリウムメトキシドにより除去で き、アノマーグリコシドの混合物が供され、これよりR1,R4及びR5が水素で あり、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式( I)の必要なβ−アノマーが結晶化により分割される。 i)R1がアジド基を表わし、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、R4及びR5 が水素であり、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は例えばRがベ ンゾイル基を表わす式(XI)のペントース誘導体の非プロトン溶媒中でのアジ ド硝酸化、得られる式(XIII)の中間体 (式中、RはO−ニトロ基を表わす)のO−ニトロ基のアセトキシ 基による交換、及びRがアセトキシ基を表わす式(XIII)の形成トリエステル のプロモーターの存在下での構造式(III)の4−シアノチオフェノールとのカ ップリングにより調製できうる。Rが4−シアノフェニルチオ基を表わす構造式 (XIII)のグリコシドの得られる混合物の2つのアノマーを分割し、そしてβ −アノマーのエステル基を低級脂肪族アルコール中の塩基による処理により除去 する。 上記反応系列は好ましくは溶媒としてのアセトニトリル並びにRがベンゾイル 基を表わす式(XI)のペントース誘導体のアジド硝酸化のための試薬としての アジ化ナトリウム及び硝酸アンモニウムセリウムを利用することにより実施でき うる。RがO−ニトロ基を表わす式(XIII)の形成中間体を酢酸中の酢酸カリ ウムにより高温、好ましくは100℃で処理し、Rがアセトキシ基を表わす式(XI II)のトリエステルを供し、そしてこれをプロモーターとしてトリメチルシリル トリフレートを用いて式(III)の4−シアノチオフェノールで処理する。Rが 4−シアノフェニルチオ基を表わす構造式(XIII)のグリコシドの形成混合物 をカラムクロマトグラフィーにより分割し、そしてそのベンゾイル基をβ−アノ マーからメタノール中のナトリウムメトキシドによる処理により除去し、R1が アジド基を表わし、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、R4及びR5が水素を表 わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の必要なグリコシドが供される。 j)R1及びR3がヒドロキシ基を表わし、R2がアミノ基を表わし、R4及びR5 が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は、例えばR1 及びR3がヒドロキシ基を表わし、R2がアジド基を表わし、R4及びR5が水素を 表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物の3−アジド基を溶媒 として低級脂肪族アルコールを用いて還元することにより調製できう る。 上記還元は好ましくは溶媒としてのエタノール及び試薬としての硼水素化ナト リウム−塩化ニッケル(II)を用いることにより実施できうる。 k)R1及びR3がヒドロキシ基を表わし、R2がアセトアミド基を表わし、R4及 びR5が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は例えば R1及びR3がヒドロキシ基を表わし、R2がアミノ基を表わし、R4及びR5が水 素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物を無水酢酸で塩基 の存在下で処理し、そして形成されるエステル基をその後除去することにより調 製できうる。 上記反応は好ましくは塩基としてのピリジン及びエステル基を除去するための メタノール中のナトリウムメトキシドを利用することにより実施できうる。 l)R1及びR3がヒドロキシ基を表わし、R2がアジド基を表わし、R4及びR5 が水素を表わし、そしてR6が−C(=NH)−OCH3基を表わす式(I)の化合物は 例えばR1〜R5の意味が上述の通りであり、そしてR6がシアノ基を表わす式( I)の化合物をメタノール中のナトリウムメトキシドで処理することにより調製 できうる。 m)R1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表 わし、R5が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は例 えば式(XIV)の2つのアノマー(式中、Rはアセトキシ基を表わし、そしてXはシアノ基を表わす)を分割し、 そしてこのβ−アノマーからアセチル基を低級脂肪族アルコール中の塩基による 処理により除去する。 2つのアノマーの分割のため、好ましくはカラムクロマトグラフィーを適用し 、そして分割したβ−アノマーの脱アセチル化をメタノール中のナトリウムメト キシドにより実施する。 Rがアセトキシ基を表わし、そしてXがシアノ基を表わす式(XIV)のグリコ シドは新規化合物であり、そして例えば公知の〔W.Korytnykら:Carbohydrate r es.,108(1982)293〕アセトブロモ5−チオ−D−グルコースを式(III)の4 −シアノチオフェノールと非プロトン溶媒中で塩基の存在下で反応させることに より調製できうる。 上述の反応は好ましくは還流しながら、溶媒としてのアセトン及び塩基として の炭酸カリウムを利用して実施できうる。 n)R1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がメチル基を表わし、R5が 水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は、例えばRが 水素を表わし、そしてXがシアノ基を表わす式(XIV)のβ−アノマーのアセチ ル基を低級脂肪族アルコール中での塩基による処理により除去することにより調 製できうる。 Rが水素を表わし、そしてXがシアノ基を表わす式(XIV)のβ−グリコシド は新規化合物であり、そして例えば A)R1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表 わし、R5が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)のグリコシド の第一ヒドロキシ基を活性エステルへと変換し、それを残留ヒドロキシ基の保護 の後にヨージド塩で処理し、そしてこのヨード置換基をRがヨード原子を表わし 、そして Xがシアノ基を表わす式(XIV)の形成中間体から還元式除去することにより; 又は B)公知の〔E.Bozoら:Carbohydr.Res.290(1996)159〕1,2,3,4−テ トラ−O−アセチル−6−デオキシ−5−チオ−D−グルコピラノースをそのア セトブロモ誘導体へと変換し、それと式(III)の4−シアノチオフェノールと の縮合を非プロトン溶媒中で塩基の存在下で実施する; ことにより調製できうる。 上記方法A)に記載の反応系列は下記の通りに実施するのが好ましい。R1〜 R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表わし、R5 が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)のグリコシドの第一ヒ ドロキシ基をメシル化により離核基へと変換し、そして残りのヒドロキシ基をア セチル化により保護する。Rがメシルオキシ基を表わし、そしてXがシアノ基を 表わす式(XIV)の得られるメシレートをヨウ化ナトリウムによりジエチルケト ンの中で還流温度で処理し、そしてRがヨード原子を表わし、そしてXがシアノ 基を表わす式(XIV)の得られる化合物のヨード誘導体から、そのヨード置換基 を試薬としての硼水素化ナトリウム−塩化ニッケル(II)を利用することにより 還元式除去する。 上記方法B)に記載の反応系列は下記の通りに実施するのが好ましい。アセト ブロモ−6−デオキシ−5−チオ−D−グルコースを4−シアノチオフェノール により沸騰アセトンの中で炭酸カリウムの存在下でRが水素を表わし、そしてX がシアノ基を表わす式(XIV)のアノマーグリコシドの混合物へと変換し、そし てR1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がメチル基を表わし、R5が水 素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす構造式(I)のβ −アノマーを結晶化によりこの混合物から分割する。 o)R1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4及びR5がメチレン基を表わ し、そしてR6がシアノ基を表わす式(I)の化合物は、例えば式(XV)のβ −アノマー からアセチル基を低級脂肪族アルコール中で塩基による処理により除去するこ とにより調製できうる。 上記反応は好ましくはメタノール中でのナトリウムメトキシドにより実施でき うる。 式(XV)のβ−グリコシドは新規化合物であり、そして例えばRがヨード原 子を表わし、そしてXがシアノ基を表わす式(XIV)のヨージドからヨウ化水素 を除去することにより調製できうる。 上記除去反応は好ましくはピリジンの中で、試薬としてフッ化銀を利用して実 施できうる。 p)R1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表 わし、R5が水素を表わし、そしてR6が−C(=NH)−OCH3基を表わす式(I)の 化合物は、例えばR1〜R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシ メチル基を表わし、R5が水素を表わし、そしてR6がシアノ基を表わす式(I) の誘導体をメタノール中のナトリウムメトキシドで処理することにより調製でき うる。 q)R1及びR3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R2がアジド基を表わし、R4 及びR5が水素を表わし、そしてR6がニトロ基を表わす式(I)の化合物は例え ばRがアセトキシ基を表わす式( VIII)のキシロピラノース誘導体を4−ニトロチオフェノールによりプロモータ ーの存在下で処理し、そしてRがニトロ基を表わす式(X)の得られるグリコシ ドからアセチル基を低級脂肪族アルコール中の塩基により除去することにより調 製できうる。 上記の反応系列は好ましくはRがアセトキシ基を表わす式(VIII)のキシロピ ラノース誘導体を4−ニトロチオフェノールによりジクロロメタンの中で低温で 、好ましくは−10℃で、プロモーターとしてトリメチルシリルトリフレートを用 いて、又は1,2−ジクロロエタン中で、20℃にて、プロモーターとして硼素ト リフルオリドエーテラーテを用いて処理することにより実施できうる。得られる アノマー混合物から、Rがニトロ基を表わす式(X)のβ−グリコシドをカラム クロマトグラフィーにより分割し、そしてその後メタノール中のナトリウムメト キシドにより脱アセチル化してR1及びR3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R2 がアジド基を表わし、R4及びR5が水素を表わし、そしてR6がニトロ基を表わ す式(I)の化合物が供される。 r)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がメチル基を表わし、R5が 水素を表わし、そしてR6がアミノチオカルボニル基を表わす式(I)の化合物 は例えばR1−R5の意味が上述の通りであり、そしてR6がシアノ基である式( I)の化合物を硫化水素により、溶媒として有機塩基を利用することにより調製 できうる。 上記の反応は好ましくは室温で、溶媒としてトリエチルアミン−ピリジンの1 :1の混合物を利用して実施できうる。 s)R1,R4及びR5が水素であり、R2及びR3がそれぞれヒドロキシ基であり 、そしてR6がアミノチオカルボニル基である式(I)の化合物は例えばR1−R5 の意味が上述の通りであり、そ してR6がシアノ基である式(I)の化合物を溶媒として有機塩基を利用して硫 化水素で処理することにより調製できうる。 上記の反応は好ましくは室温で、溶媒としてトリエチルアミン−ピリジンの1 :1の混合物を利用して実施できうる。 t)R1,R4及びR5が水素であり、R2及びR3がヒドロキシ基であり、そして R5がアミジノ基である式(I)の化合物は、例えばR1−R5の意味が上述の通 りであり、そしてR6がアミノチオカルボニル基を表わす式(I)の化合物を、 R1−R5の意味が上述の通りであり、そしてR6が−C(=NH)−SCH3基を表わす 式(I)の中間体が得られるとき、メチル化剤で処理することにより調製できう る。この後者と酢酸アンモニウム又はアンモニアとの、溶媒として低級脂肪族ア ルコールを利用する反応はR1,R4及びR5が水素であり、R2及びR3がヒドロ キシ基を表わし、そしてR6がアミジノ基を表わす式(I)の所望の生成物を供 する。 上記の反応は好ましくは、試薬としてのヨウ化メチル及びメチル化のための溶 媒としてのアセトンを利用し、そして形成されるメチルチオ基を酢酸アンモニウ ムにより溶媒としてのメタノール又はエタノール中で還流温度で交換することに より実施できうる。 u)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表 わし、R5が水素を表わし、そしてR6がアミノチオカルボニル基を表わす式(I )の化合物は、例えばR1−R5の意味が上述の通りであり、そしてR6がシアノ 基である式(I)の化合物を硫化水素により、溶媒として有機塩基を利用するこ とにより調製できうる。 上記の反応は好ましくは室温にて、溶媒としてトリエチルアミン−ピリジンの 1:1の混合物を利用することにより実施できうる。 v)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキ シメチル基を表わし、R5が水素を表わし、そしてR6が−C(=NH)−SCH3基を表 わす式(I)の化合物は例えばR1−R5の意味が上述の通りであり、そしてR6 がアミノチオカルボニル基である式(I)の化合物をメチル化剤で処理すること により調製できうる。 上記の反応は好ましくは還流温度で、溶媒としてのアセトン及び試薬としての ヨウ化メチルを用いて実施できうる。 w)R1−R3それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がメチル基を表わし、R5が 水素を表わし、そしてR6がニトロ基を表わす式(I)の化合物は、例えばRが 水素を表わし、そしてXがニトロ基を表わす式(XIV)のβ−アノマーから溶媒 として低級脂肪族アルコールを用いて塩基によりアセチル基を除去することによ り調製できうる。 Rが水素を表わし、そしてXがニトロ基を表わす式(XIV)のβ−アノマーも 新規化合物であり、そして例えば公知の1,2,3,4−テトラ−O−アセチル 6−デオキシ−5−チオ−D−グルコピラノースをそのアセトブロモ誘導体へと 変換させることにより調製でき、この後者と4−ニトロチオフェノールとの反応 はRが水素を表わし、そしてXがニトロ基を表わす式(XIV)のα,β−アノマ ーの混合物を供し、それからβ−アノマーが分割される。 上記の反応系列は好ましくはアセトブロモ−6−デオキシ−5−チオ−D−グ ルコピラノースと4−ニトロチオフェノールとの反応のために溶媒としてアセト ンを用い、そして反応を炭酸カリウムの存在下で還流温度で実施することにより 実施できうる。β−アノマーは好ましくは結晶化によりα,β−アノマーの混合 物から分割する。 x)R1,R4及びR5が水素であり、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、そし てR6がニトロ基を表わす式(I)の化合物は例 えばRがベンゾイル基を表わす式(XI)のペンテノース誘導体の二重結合を非 プロトン溶媒中で臭化水素により飽和させることにより調製できうる。Rがブロ モ原子を表わす式(XII)の得られる中間体のブロミドをアセトキシ基と交換し 、そしてRがアセトキシ基を表わす式(XII)の形成エステルをプロモーターの 存在下で4−ニトロチオフェノールで処理する。Rが4−ニトロフェニルチオ基 を表わす式(XII)のグリコシドの得られるアノマー混合物からベンゾイル基を 低級脂肪族アルコール中の塩基で除去し、そしてR1,R4及びR5が水素であり 、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、そしてR6がニトロ基を表わす式(I) のβ−アノマーを結晶化により分割する。 上記の反応系列は好ましくは、Rがベンゾイル基を表わす式(XI)のペンテ ノース誘導体の二重結合を臭化水素で飽和するための溶媒としてベンゼンを利用 して実施できうる。Rがブロモ原子を表わす式(XII)の反応性1−ブロモ化合 物は単離することなくアセトニトリル中の酢酸銀で処理し、そしてRがアセトキ シ基を表わす式(XII)の形成エステルをジクロロメタン中の4−ニトロチオフ ェノールと、プロモーターとしてトリメチルシリルトリフレートを利用して反応 させる。ベンゾイル基をメタノール中のナトリウムメトキシドでRが4−ニトロ フェニルチオ基を表わす式(XII)のグリコシドの形成混合物から除去し、そし てこのβ−アノマーを結晶化により分割する。 y)R1及びR2それぞれがヒドロキシ基を表わし、R3がアジド基を表わし、R4 及びR5が水素を表わし、そしてR6がニトロ基を表わす式(I)の化合物は例え ばRがニトロ基を表わす式(II)のグリコシドのアノマー混合物を分割し、そし てβ−アノマーからアセチル基を溶媒として低級脂肪族アルコールを用いて塩基 で除去 することにより調製できうる。 上記の反応は好ましくはアノマーの分割のためのカラムクロマトグラフィーを 用い、そしてアセチル基をβ−アノマーからメタノール中のナトリウムメトキシ ドにより除去することにより実施できうる。 Rがニトロ基を表わす式(II)のグリコシドは新規化合物であり、そして例え ばRがアセトキシ基を表わすトリアセテート(IV)を4−ニトロチオフェノール と反応させることにより調製できうる。 上記反応は好ましくは非プロトン溶媒、好ましくはジクロロメタン又は1,2 −ジクロロエタンの中でプロモーター、好ましくは硼素トリフルオリドエーテラ ーテの存在下で実施できうる。 z)R1がアジド基を表わし、R2及びR3がヒドロキシ基を表わし、R4及びR5 が水素を表わし、そしてR6がニトロ基を表わす式(I)の化合物を例えばRが アセトキシ基を表わすアセテート(XIII)を方法i)に従って合成し、そして それをプロモーターの存在下で4−ニトロチオフェノールとカップリングさせる ことにより調製できうる。Rが4−ニトロフェニルチオ基を表わす式(XIII) の2つの形成アノマーを分割し、そしてエステル基をβ−アノマーから低級脂肪 族アルコール中の塩基を利用して除去する。 上記の縮合反応は好ましくはプロモーターとしての硼素トリフルオリドエーテ ラーテの存在下で実施し、そしてベンゾイル基を分割したβ−アノマーからメタ ノール中のナトリウムメトキシドにより除去する。 序論において述べた通り、本発明の式(I)の化合物は価値ある抗凝固活性を 有する。 本発明の式(I)の化合物の抗凝固活性は雄SPRDラットで、Pescadorの静脈血 栓症モデルを利用して決定した〔D.Bagdyら、Thromb .Haemost.68(1992)125〕。従って、12.5mgの個々の化合物を300μlのDMSOに 溶かし、そしてこの溶液を生理食塩水で1mlに希釈した。この溶液から12.5mg/ kgの用量を血栓を誘引する3h前に動物に経口投与した。 表1には本発明の化合物のいくつかの代表例の抗血栓活性を、対照化合物とし て利用したベシパラシル(4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロ ピラノシド、EP 365,397)により同用量レベルで引き起こされた阻害のパーセン テージで示す。 表1.12.5mg/kgの用量でのラットにおける式(I)の化合物の 経口抗血栓活性 表1からわかる通り、本発明の式(I)の化合物のいくつかの代表例の抗血栓 活性は対照品のそれを、ある場合には有意義な度合いにまで上まわった。 治療目的のため、本発明の化合物及びその薬理学的に許容される塩はそのまま 又は適当な薬理組成物形態で利用できうる。これらの組成物も本発明の範囲に属 する。 これらの薬理組成物は治療効果を発揮するのに必要な量の式(I)の化合物又 はその薬理学的に許容される塩を、既知の担体、賦形剤、希釈剤及び/又はその 他薬理薬品において汎用されている添加剤と一緒に含む。 経口投与のため、当該抗血栓化合物を、結合剤、潤滑剤、崩壊剤等の如き賦形 剤を含みうるカプセル又は錠剤の中に配合する。非経腸投与のため、当該抗血栓 化合物は薬理学的に許容される希釈剤、例えば生理食塩水(0.9%)、5%のデキ ストロース、Ringtr溶液等に配合する。 本発明に係る化合物の治療効果を発揮するのに必要な用量は個体の症状及び処 置すべき患者の年令に依存して変動し得、これらの用量は最終的にはかかりつけ の医師により決定される。しかしながら 、病気の予防及び/又は処置のため抗凝固剤の服用が所望されるとき、これらの 化合物の毎日の用量は約0.01mg/kg体重〜約100mg/kg体重とし、そして好まし くは約0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重が経口、非経腸、例えば静脈内ルートに 利用される。 本発明に係る化合物及びその調製方法は下記の非限定例により詳細に説明する 。 実験の部に示すRf値はTLCにより、E.Merckプリコーテッドシリカゲル60F254 プレートを用い、下記の溶媒で決定した: (A)ベンゼン (B)ベンゼン−エタノール(100:1) (C)ベンゼン−メタノール(9:1) (D)ベンゼン−メタノール(4:1) (E)ヘキサン−酢酸エチル(1:1) (F)ヘキサン−酢酸エチル(2:1) (G)ヘキサン−酢酸エチル(3:1) (H)ヘキサン−酢酸エチル(4:1) (I)ヘキサン−酢酸エチル(5:1) (J)ヘキサン−酢酸エチル(9:1) (K)酢酸エチル−ピリジン−水−酢酸(60:20:11:6) スポットはプレートに10%の硫酸溶液中の0.02Mのヨウ素溶液及び0.30Mのヨ ウ化カリウム溶液を吹き付け、次いで約200℃に加熱することにより検出した。 カラムクロマトグラフィーのため、Kieselgel 60を利用した。Mpは補正しなかっ た。施光性は20℃で決定した。NMRスペクトルをVarian XL-400光度計で400MHz(1 H)及び100MHz(13C)により、又はBruker AC 250光度計で250MHz(1H)及び62. 9MHz(13C)で記録した(内部標準としてMe4Siを使用した)。13C NMRスペクトル の多重度はDEPT実験より得た。プロトンの表 示はホモ核脱カップリング及びDNOE実験に基づく。同定したプロトンとプロトン 化炭素との間の接続はHETCOR実験により決定した。MSスペクトルはFinnigan MAT 8430質量スペクトル計で記録した。FABスペクトルの場合、サンプルは3−ニト ロベンズアルデヒド又はグリセリン中に溶かした。 ピリジンの中で実施するアシル化反応の作業の際の「通常の処理」とは、生成 物が反応混合物を氷冷水に注いでも結晶化しないとき、それをジクロロメタンで 抽出し、そしてその有機溶液をpH約3となるまで1Mの硫酸、次いで水、5%の 水性炭酸水素ナトリウム、そして最後に水で洗ったことを意味する。有機溶液を 硫酸ナトリウムで乾かし、次いで減圧下で実施する濃縮を行った。 例 1 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノ シド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=−C(=NH)−OCH3) 方法A) 10mlのメタノール中の0.45gの4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D− キシロピラノシド(EP 365,397)の溶液にIMのメタノール性ナトリウムメトキシ ド0.lmlを加えた。室温にて24h後、この混合物を二酸化炭素で中和し、次いで 濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ(溶媒C)、第一画分( Rf=0.4)を濃縮し、出発材料そのままを得た(350mg)。第二画分(Rf=0.3)の 濃縮は100mg(回収出発材料の計算に基づき90%)の表題の化合物を供した。Mp:17 4−177℃;[α]D+28°(c=0.5、メタノ 方法B) 10mlのメタノール中の100mgの4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1, 5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(例3)の溶液に0.1mlの3Mのメタノ ール性ナトリウムメトキシドを加え、そしてこの混合物を窒素の下で1時間還流 した。この溶液を冷却して二酸化炭素で中和し、そして方法A)に記載の通りに 処理して20mg(21%)の表題の化合物を得、それは方法A)に従って調製したも のと同一であった。 例 2 4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノ シド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=−CS(NH2)) 10mlのピリジン及び10mlのトリエチルアミン中の0.5gの4−シアノフェニル 1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(EP 365,397)の溶液をドライ硫化 水素のゆっくりとしたストリームで5hかけて飽和にした。この混合物を室温で 一夜保ち、次いで濃縮した。その残渣をメタノールから再結晶化させ、0.46g( 82%)の表題の化合物を供した。Mp:174−179℃,Rf(D)=0.3,[α]D例 3 4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラ ノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=−C(=NH)−SCH3) 35mlのアセトン中の35Omgの4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5− ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H, R6=−CS(NH2))(例2)の溶液に0.2mlのヨウ化メチルを加え、そしてこの反 応混合物を2.5h還流した。沈殿生成物を冷却後濾過し、そしてアセトンで洗っ て400mg(79%)の表題化合物をそのヨウ素酸塩として得た。Mp:191−194℃, Rf (D)=0.4,[α]D=+70°(c=0.4、50%水性酢酸)。 例 4 4−アミジノフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1= R2=R3=OH,R4=R5=H,R5=−C(=NH)−NH2) 30mlのドライエタノール中の0.65gの4(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル 1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5 =H,R6=−C(=NH)−SCH3)(例3)の撹拌溶液に0.2gの酢酸アンモニウムを 加え、そして撹拌を60℃で5h続け、次いで0.2gの酢酸アンモニウムを加え、 そして更に3h撹拌し続けた。この反応混合物を冷却し、そして沈殿生成物を濾 過して0.4g(78%)の表題化合物をその酢酸塩として得た。Mp:195-199℃,Rf(K )=0.6,[α]D=+30°(c=0. 例 5 4−(ヒドラジノ)(イミノ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシロピラ ノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=−C(=NH)−NH−NH2) 方法A) 50mlのエタノール中の320mgの4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5 −ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5=H, R6=−CS(NH2))(例2)の溶液に1mlの98%の水和ヒドラジンを加え、そして この反応混合物を室温で18h撹拌した。沈殿生成物を濾過し、そしてエーテルで 洗ってヒドラジンハイドロスルフィドの夾雑した380mg(99%)の表題の化合物が 得られた。ヒドラジンハイドロスルフィドを除去するため、この粗生成物を30ml の10%の水性酢酸に溶かし、そしてエバポレーション後に得られた残渣を溶出の ためのクロロホルム−メタノール−水60:38:10を利用するカラムクロマトグラ フィーにより精製した。適当な画分のエバポレーションは125mg(33%)の表題化 合物をその酢酸塩として供した。Mp:225−230℃,Rf(K)=0.5,[α.4(C-1), 73.0,75.8及び79.0(C-2,3,4),33.7(C-5),133.8(C(=NH2 +)(NH-NH2 ),146.4,133.8,130.8及び126.0ppm(芳香族C)。 方法B) 10mlのエタノール中の100mgの4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1, 5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=R5= H,R6=−C(=NH)−SCH3)ヨウ素酸塩(例3)の溶液に0.35mlの98%の水和ヒ ドラジンを加え、そしてこの反応混合物を室温で5h撹拌した。沈殿生成物を濾 過し、エタノールで洗い、そして乾燥させて60mg(88%)の表題の化合物を得た 。Mp:193−196℃。 例 6 4−シアノフェニル4−アジド−4−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=R2=OH,R3=N3,R4=R5=H,R6=CN) 10mlのメタノール中の130mgの4−シアノフェニル2,3−ジ−O−アセチル −4−アジド−4−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(II ,R=CN)の溶液に0.1mlのIMのメタノール性ナトリウムメトキシドを加え、 そしてこの反応混合物を室温で1h撹拌した。その後この溶液をDowex 50 WX樹 脂で中和し、そして濃縮して72mg(70%)の表題の化合物を得た。Mp:105−110 ℃, Rf(C)=0.2,[α]D=+139°(c=0.5、メタノール) 出発材料は下記のようにして調製できうる。 方法A) 工程a) 5−O−tert−ブチルジメチルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−4−O −メタンスルホニル−L−アラビノースジエチルジチオアセタール(VII,R1= Ms,R2=TBDMS) 25mlのピリジン中の7gの2,3−O−イソプロピリデン−L−アラビノース ジエチルジチオアセタール〔H.ZinnerらBer.90(1957)2688〕の溶液に3.75g のtert−ブチルジメチルシリルクロリドを加え、そして1.5h後、2mlの塩化メ シルを20℃で加えた。この混合物を室温で24h保ち、通常の処理及びカラムクロ マトグラフィー(溶媒F)を経て、10g(87%)の表題の化合物をシロップとし て得た。Rf(J)=0.5,[α]D=−57°(c=1、クロロホルム) 工程b) 4−アジド−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデン−D−キシロースジ エチルジチオアセタール(VI,R=OH) 100mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の10gの5−O−tert−ブチルジ メチルシリル−2,3−O−イソプロピリデン−4−O−メタンスルホニル−L −アラビノースジエチルジチオアセタール(VII,R1=Ms,R2=TBDMS)及び2g のアジ化ナトリウムの溶液を110℃で15h撹拌した。濃縮して得られる残渣をク ロロホルムに 溶かし、水で洗い、そして濃縮した。得られる混合物(これは5−O−TBDMS(VI ,R=OTBDMS)誘導体(Rf(J)=0.8)と5−OH(VI,R=OH)誘導体(Rf(J )=0.1)の混合物である)を100mlのテトラヒドロフランに溶かし、そして4g のテトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物をこの撹拌溶液に加えた。2h 後この反応混合物を濃縮し、その残渣をクロロホルムに溶かし、水で洗い、乾か し、エバポレーションし、そしてその残渣をカラムクロマトグラフィー(I)に かけて5.8g(88%)の表題の化合物を得た。R 工程c) 4−アジド−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデン−5−O−メタンス ルホニル−D−キシロースジエチルジチオアセタール(VI,R=OMs) 50mlのピリジン中の5.6gの4−アジド−4−デオキシ−2,3−O−イソプ ロピリデン−D−キシロースジエチルジチオアセタール(VI,R=OH)の撹拌溶 液に2.7mlの塩化メシルを10℃未満で滴下した。この混合物を室温に1h保ち、 通常の処理を経て、6.3g(90%)の表題の化合物をシロップとして得た。Rf(B )=0.45, 工程d) 4−アジド−5−S−ベンゾイル−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデ ン−D−キシロースジエチルジチオアセタール(VI,R=SBz) 40mlのアセトン中の3.5gの4−アジド−4−デオキシ−2,3−O−イソプ ロピリデン−5−O−メタンスルホニル−D−キシロースジエチルジチオアセタ ール(VI,R=OMs)及び2.2gのチオ安息香酸カリウムの溶液を1h煮沸した。得 られる粘性なスラリーを冷却し、濾過し、そしてその塩を20mlのアセトンで洗っ た。この濾液を4h煮沸し、冷却し、そして濃縮した。得られる残渣をクロロホ ルムと水とで分配し、この有機溶液の濃縮後、3.6g(93%)の表題の化合物を 得た。Rf(B)=0.85,[α]D=−3°(c=1、 工程e) 4−アジド−5−S−ベンゾイル−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデ ン−5−チオ−D−キシロース(V) 140mlのアセトン中の5.7gの4−アジド−5−S−ベンゾイル−4−デオキ シ−2,3−O−イソプロピリデン−D−キシロースジエチルジチオ−アセター ル(VI,R=SBz)の撹拌溶液に35mlの水、23gの炭酸カドミウム、次いで70mlの アセトン中の26gの塩化水銀(II)の溶液を加えた。このスラリーを20h撹拌し 、濾過し、そして炭酸ナトリウム(2g)の存在下で濃縮した。その残渣をクロ ロホルムと水とで分配し、沈殿塩を濾過し、そしてクロロホルムで洗った。その 有機溶液を10%の水性ヨウ化カリウム溶液及び水で洗い、濃縮して4.5g(〜100 %)の表題の化合物を得た。それはNMRスペクトル測定に従い若干のその水和物 を含んだ。Rf(F)=0. 工程f) メチル2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−D− キシロピラノシド(IV,R=OMe) 窒素下で、45mlのメタノール中の4.5gの4−アジド−5−S−ベンゾイル− 4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデン−5−チオ−D−キシロース(V )の溶液に0.5mlの4Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。膜アシ ル化が完了したら(TLC,Rf0.3→0.4、溶媒G)、溶液のpHをメタノール中の20 %のHClを加えることにより1へと調整し、そしてこの混合物を1h煮沸した。 冷却した溶液を濃縮し、そしてベンゼンをその残渣からエバポレーションさせた 。次いで15mlのピリジン及び10mlの無水酢酸を加え、そして室温で20h後、その 混合物を濃縮した。その残渣はクロマトグラフィー(溶媒G)を経て25g(67% )の表題の化合物を供し た。Mp:85−86℃,[α]D=+226°(c=1、クロロホルム)。 工程g) 1,2,3−トリ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−α− D−キシロピラノース(IV,R=OAc) 15mlの無水酢酸中の5.8gのメチル2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド− 4−デオキシ−5−チオ−α−D−キシロピラノシド(IV,R=OMe)の溶液に1m lの濃硫酸を0℃で加えた。この混合物を0℃で30分、次いで室温で2h保ち、 その後クロロホルム(200ml)、氷(35g)及び炭酸水素ナトリウム(20g)の混 合物に注いだ。その有機溶液を分離し、水性溶液をクロロホルムで抽出し(2×1 00ml)、そして合わせたクロロホルム溶液を5%の水性炭酸水素ナトリウム及び 水で洗った。濃縮により得られる残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒G)に より精製し、4.9g(77%)の表題の化合物をシロップとして得た。Rf=0.45. [α]D=+214°(c= 工程h) 4−シアノフェニル2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−1 ,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(II,R=CN) アンゴン下で、0.63mlのトリメチルシリルトリフレートを−10℃で40mlのジク ロロメタン中の1.0gの1,2,3−トリ−O−アセチル−4−アジド−4−デ オキシ−5−チオ−α−D−キシロピラノース(IV,R=OAc)及び0.8gの4−シ アノチオフェノールの溶液に加え、次いでこの反応混合物を室温で1h撹拌した 。トリエチルアミンで中和後、この混合物を濃縮し、そしてその残渣をカラムク ロマトグラフィー(溶媒H)にかけ、260mg(21%)の表題の化合物を得た。Mp:11 5-120℃,[α]D=+78°(c=0.5、クロロ方法B) 工程a) 5−O−ベンゾイル−4−O−メタンスルホニル−2,3−O−イソプロピリデ ン−L−アラビノースジエチルジチオアセタール(VII,R1=Ms,R2=Bz) 10mlのピリジン中の1.2gの2,3−O−イソプロピリデン−L−アラビノー スジエチルジチオアセタール(VII,R1=R2=H)〔H.Zinnerら、Ber.90(19 57)2688〕の溶液に0.5mlの塩化ベンゾイルを−10℃で15分かけて加え、次いで0 .5mlの塩化メシルを0℃で加えた。この反応混合物を室温で2h撹拌し、氷冷水 に注ぎ、 そして通常に処理してから濃縮及びクロマトグラフィー(溶液F)にかけ、1.4 g(73%)の表題の化合物をシロップとして得た。R 工程b) 4−アジド−5−O−ベンゾイル−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデ ン−D−キシロースジエチルジチオアセタール(VI,R=OBz) 300mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の19.2gの5−O−ベンゾイル− 4−O−メタンスルホニル−2,3−O−イソプロピリデン−L−アラビノース ジエチルジチオアセタール(VII,R1=Ms,R2=Bz)の撹拌溶液に4gのアジ 化ナトリウムを加え、そして撹拌を100℃で20h続けた。この混合物の濃縮によ り得られる残渣をジクロロメタンと水とで分配した。その有機溶液を水で洗い、 そして濃縮により得られる残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒A)により精 製して13.6g(80%)の表題の化合物を得た:[α]D 工程c) 4−アジド−4−デオキシ−2,3−O−イソプロピリデン−D−キシロースジ エチルジチオアセタール(VI,R=OH) 40mlのメタノール中の8.5gの4−アジド−5−O−ベンゾイル−4−デオキ シ−2,3−O−イソプロピリデン−D−キシロースジエチルジチオアセタール (VI,R=OBz)の溶液に3mlの4Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加え 、そしてこの反応混合物を30分還流した。二酸化炭素で中和後、この混合物を濃 縮し、その残渣をクロロホルムに溶かし、水で洗い、乾かし、そして濃縮した。 得られるシロップ状の物質をカラムクロマトグラフィー(溶媒1)により精製し 、5.9g(92%)の表題の化合物を得た。それは方法A)の工程c)の化合物と 同一であった。 方法B)の工程d−h)は方法A)の工程c)−g)と同じである。 工程i) 2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−D−キシロ ピラノース(IV,R=OH) アルゴン下で、0.43gのヒドラジンアセテートを30mlのN,N−ジメチルホル ムアミド中の1.0gの1,2,3−トリ−O−アセチル−4−アジド−4−デオ キシ−5−チオ−α−D−シキロピラノース(IV,R=OAc)の撹拌溶液に室温で 加えた。1h後、50mlの酢酸エチル及び50mlのジクロロメタンを加え、そしてそ の有機層をブラインで洗い、濃縮し、そしてその残渣をカラムクロマトグラフィ ー(溶媒F)にかけて0.65g(75%)の表題の化合物を得た(α: 工程j) O−(2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−α− D−キシロピラノシル)トリクロロアセトイミデート(IV,R=O−C(NH)−CCl3 ) 10mlのジクロロメタン中の0.5gの2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド− 4−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノース(IV,R=OH)の撹拌溶液に1. 8mlのトリクロロアセトニトリル及び2.5gの炭酸カリウムをアルゴン下で加えた 。24h後、この混合物をエーテルで希釈し、セリートで濾過し、濃縮し、そして その残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒H)にかけ、0.65g(85%)の表題 の化合物を得た。Mp:68−72℃,Rf(H)=0.6,[α]D=+1工程k) 4−シアノフェニル2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−1 ,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(II,R=CN) アルゴン下で、10mlのジクロロメタン中の210mgのO−(2,3 −ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−α−D−キシロピ ラノシル)トリクロロアセトイミデート(IV,R=O−C(NH)−CCl3)及び160mg の4−シアノチオフェノールの撹拌溶液を−15℃に冷やし、次いでジクロロメタ ン中の0.5mlの0.1Mの硼素トリフルオリドエーテラーテを加え、そして撹拌を− 15℃で15分続けた。0.5mlのトリエチルアミンの添加後、この混合物を濃縮し、 そしてその残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒H)にかけて63mg(32%)の 表題の化合物を得た。これは方法A)の工程h)の化合物と同一であった。 例 7 4−シアノフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=N3,R4=R5=H,R6=CN) 方法A) アルゴン下で30mlのジクロロメタン中の1.0gの1,2,4−トリ−O−アセ チル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノース(VIII,R =OAc)及び0.8gの4−シアノチオフェノールの溶液に0.63mlのトリメチルシリ ルトリフレートを−10℃で加え、次いでその反応混合物を室温で2h撹拌した。 0.8mlのトリエチルアミンで中和後、この混合物を濃縮し、そしてその残渣をカ ラムクロマトグラフィー(溶媒F)にかけて0.47g(38%)の4−シアノフェニ ル2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β −D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OAc,R2=N3,R4=R5=H,R6= CN)を得た。これを30mlのメタノールに溶かし、そして0.1mlの3Mのメタノー ル性ナトリウムメトキシドを加えた。室温で2h後、この溶液をDowex 50 WX樹 脂で中和し、濾過し、そしてエバポレーションして0.34g( 92%)の表題の化合物を得た。Mp:192-194℃,Rf(C)=0.3, 出発材料(VIII,R=OAc)は下記のようにして調製できる。 工程a) 3−アジド−5−S−ベンゾイル−3−デオキシ−1,2−O−イソプロピリデ ン−5−チオ−D−キシロフラノース(IX) 35mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の5.2gの3−アジド−3−デオキシ −1,2−O−イソプロピリデン−5−O−トシル−D−キシロフラノース〔H. Ohruiら、Agr.Biol.Chem.34(1970)375〕の溶液に2.7gのチオ安息香酸カリウム を加え、そしてこの混合物を110℃で30分撹拌した。濃縮後、この残渣をクロロ ホルムに溶かし、水で洗い、乾かし、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマ トグラフィー(溶媒H)にかけ、2g(42%)の表題の化合物を得た。Mp:71−7 4℃,Rf(H)=0.6,[α]D=−118°(c=0. 工程b) 1,2,4−トリ−O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D− キシロピラノース(VIII,R=OAc) 40mlのメタノール中の2.9gの3−アジド−5−S−ベンゾイル−3−デオキ シ−1,2−O−イソプロピリデン−5−チオ−D−キシロフラノース(IX)の 撹拌溶液に4.4mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。室温で 1h後、この混合物を20mlの4%水性HClで酸性にし、そして2h還流させた。 冷却後、それをトリエチルアミンで中和し、そして濃縮した。その残渣を20mlの ピリジン及び10mlの無水酢酸に溶かし、そして室温で一夜保った。通常の処理後 、得られる残渣をカラムクロマトグラフィ(溶媒H)にかけ、2g(73%)の表 題の化合物を得た:α:β比85:15;R カラムクロマトグラフィーの間、0.2g(8%)のメチル2,4−ジ−O−ア セチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノシド(VIII, R=OCH3)が副産物として得られ(Mp:64−67℃;Rf(H)=0.5)、それは例6 の工程g)に従って90%の収率で表題の化合物へと変換されうる。 方法B) 工程a) 2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D−キシロ ピラノース(VIII,R=OH) 30mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の1.0gの1,2,4−トリ−O−ア セチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D− キシロピラノース(VIII,R=OAc)の撹拌溶液に0.43gのヒドラジンアセテート を加え、そして撹拌を室温で1h続けた。この反応混合物を例6の工程i)に従 って処理し、0.68g(78%)の表題の化合物を得た。Rf(F)=0.6。 工程b) O−(2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−α− D−キシロピラノシル)トリクロロアセトイミデート(VIII,R=O−C(NH)−CC l3) 20mlのジクロロメタン中の1.35gの2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド− 3−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノース(VIII,R=OH)の撹拌溶液に 6.75gの炭酸カリウム及び4.8mlのトリクロロアセトニトリルを加え、そして撹 拌を室温で24h続けた。エーテルで希釈後、その反応混合物をセリートで濾過し 、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(溶媒H)にかけ、1.5g(73%) の表題の化合物を得た。Rf(H)=0.8.[α]D=+223°(c=0.5 工程c) 4−シアノフェニル2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−1 ,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OAc,R2=N3,R4 =R5=H,R6=CN) アルゴン下で、30mlの1,2−ジクロロエタン中の0.52gのO−(2,4−ジ −O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チ オ−α−D−キシロピラノシル)トリクロロアセトイミデート(VIII,R=O−C (NH)−CCl3)及び0.42gの4−シアノチオフェノール(III)の撹拌溶液に30ml の1,2−ジクロロエタン中の1mlの0.1Mの硼素トリフルオリドエーテラート を−15℃で加え、そして撹拌を15分続けた。次にこの反応混合物をトリエチルア ミンでクエンチングし、濃縮し、そしてその残渣をカラムクロマトグラフィー( 溶媒H)にかけて210mg(43%)の表題の化合物を得た。Mp:163−166℃,Rf(H) =0.6,[α]D=+44°(c=0.5、クロロホルム) このようにして得られた化合物をメタノール性ナトリウムメトキシドの中で脱 アセチル化し、方法A)の最終生成物が得られた。 例 8 4−シアノフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピ ラノシド(I,R1=R4=R5=H,R2=R3=OH,R6=CN) 20mlのメタノール中の0.5gの4−シアノフェニル3,4−ジ−O−ベンゾイ ル−2−デオキシ−1,5−ジチオ−α,β−D−スレオ−ペントピラノシド( XII、R=4−シアノフェニルチオ)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナト リウムメトキシドを加えた。室温で1h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂 で中和し、そして濃縮した。その残渣をエーテルから結晶し、0.16g(57%)の 表題の化合物を得た。Mp:169-172℃,Rf(D)=0.4,[α]D 出発材料(XII,R=4−シアノフェニルチオ)は下記のようにして調製でき る: 方法A) 工程a) 3,4−ジ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−5−チオ−2−デオキシ−D −スレオ−ベント−2−エニトール(XI,R=Ac) 110mlのドライベンゼン中の11.2gのアセトブロモチオキシロース〔R.L.Whi stler and T.V.Es,J.Org.Chem.28(1963)2303〕の強く撹拌した溶液に3.2ml の4−ピコリン及び13gの亜鉛粉末を加え、そして撹拌を80℃で1h続けた。こ の混合物を冷却してから濾過し、ベンゼンで洗い、その濾液を濃縮し、そしてそ の残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒F)にかけ、5.8g(85%)の表題の 化合物を得た。0.7,[α]D=−324°(c=0.5、クロロホルム) 工程b) 1,5−アンヒドロ−3,4−ジ−O−ベンゾイル−5−チオ−2−デオキシ− D−スレオ−ペント−2−エニトール(XI,R=Bz) 50mlのメタノール中の4.2gの3,4−ジ−O−アセチル−1, 5−アンヒドロ−5−チオ−2−デオキシ−D−スレオ−ペント−2−エニトー ル(XI,R=Ac)の撹拌溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキ シドを加え、そして撹拌をlh続けた。この反応混合物を二酸化炭素で中和し、 そして濃縮した。15mlのピリジン及び60mlのジクロロメタンに溶解したこの残渣 に35mlのジクロロメタン中の7mlの塩化ベンゾイルの溶液を滴下した。この反応 混合物を室温で一夜保ち、そして氷冷水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、そし て通常通りに処理した。濃縮して得られる残渣をエタノールから再結晶化させ、 4.95g(75%)の表題の化合物を得た。 Mp:119−122℃,Rf(J)=0.6,[α]D=−468°(c=0.5、工程c) 4−シアノフェニル3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−1,5−ジチ オ−α,β−D−スレオ−ペントピラノシド(XII,R=4−シアノフェニルチ オ) 20mlのドライベンゼン中の1.7gの1,5−アンヒドロ−3,4−ジ−O−ベ ンゾイル−5−チオ−2−デオキシ−D−スレオ−ペント−2−エニトール(X I,R=Bz)の撹拌溶液を10℃で20分かけて無水臭化水素で飽和にし、次いで窒 素をこの溶液に吹き込んで過剰の臭化水素を除去した。このようにして得られる 溶液を10mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の0.6gの4−シアノチオフェノ ール(III)及び0.2gの水素化ナトリウム(油中50%)の混合物に 滴下した。この反応混合物を室温で一夜撹拌し、次いで氷冷水に注ぎ、そしてベ ンゼンで抽出した。その有機層を5%の水性炭酸水素ナトリウム、水で洗い、乾 かし、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒J、次いで H)により精製した。第一画分(Rf(J)=0.6)の濃縮は0.73g(43%)の出発 材料を供した。第二画分(Rf(H)=0.4)の濃縮は0.56g(変換に基づき41%) の表題の化合物をα,β=3.7のアノマー混合物として供した方法B) 方法B)の工程a)及びb)は方法A)の工程a)及びb)と同じである。 工程c) 4−シアノフェニル3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−1,5−ジチ オ−α,β−D−スレオ−ペントピラノシド(XII,R=4−シアノフェニルチ オ) 20mlのドライベンゼン中の1.7gの1,5−アンヒドロ−3,4−ジ−O−ベ ンゾイル−5−チオ−2−デオキシ−D−スレオ−ペント−2−エニトール(X I,R=Bz)の撹拌溶液を10℃で20分か けて無水臭化水素で飽和にし、次いで窒素をこの溶液に吹き込んで過剰な臭化水 素を除去した。このようにして得られた溶液を35mlのアセトニトリル中の4.0g の酢酸銀の懸濁物に滴下した。2h後、塩を濾過し、その濾液を濃縮し、そして カラムクロマトグラフィー(溶媒H)にかけた。Rf=0.4を有する画分(1.5g) の濃縮により得られる化合物を40mlのジクロロメタンに溶かし、その溶液を−10 ℃に冷やし、次いで1.0gの4−シアノチオフェノール及び0.8mlのトリメチルシ リルトリフレートを加えた。この反応混合物を室温で1h撹拌し、次いでトリエ チルアミンでクエンチングし、濃縮し、そしてその残渣をカラムクロマトグラフ ィー(溶媒F)にかけて1.6g(67%)の表題の化合物をα,β=15:85のアノ マー混合物として得た。 例 9 4−シアノフェニル2−アジド−2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=N3,R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=CN) アルゴン下で、35mlのジクロロメタン中の1.3gの1−O−アセチル−2−ア ジド−2−デオキシ−3,4−ジ−O−ベンゾイル−5−チオ−D−キシロピラ ノース(XII,R=OAc)及び0.8gの4−シアノチオフェノール(III)の撹拌溶液 に0.6mlのトリメチルシリルトリフレートを−10℃で加えた。この反応混合物を 室温で1h撹拌し、トリエチルアミンでクエンチングし、濃縮し、そしてカラム クロマトグラフィー(溶媒H)にかけて0.35g(23%)の4−シアノフェニル2 −アジド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−1,5−ジチオーβ− D−キシロピラノシド(I,R1=N3,R2=R3=OH,R4=R5=H,R6=CN )Rf=0.5を得た。この化合物を15mlのメタノールの中で0.1mlの3Mのメタノ ー ル性ナトリウムメトキシドの存在下で脱アシル化した。1h後、この反応混合物 をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮して160mg(77%)の表題の化合 物を油として得た。Rf(C)=0.3,[ 出発材料(XIII,R=OAc)は下記のようにして調製できうる。 工程a) 2−アジド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−5−チオ−α−D− キシロピラノシルニトレート(XIII,R=ONO2) アルゴン下で、40mlのアセトニトリル中の2.4gの1,5−アンヒドロ−3, 4−ジ−O−ベンゾイル−5−チオ−2−デオキシ−D−スレオ−ペント−2− エニトール(XI,R=Bz)及び0.7gのアジ化ナトリウムの撹拌懸濁物に11.6 gの硝酸アンモニウムセレニウムを−20℃で加え、そして撹拌を−20℃で2h続 けた。次にこの反応混合物を170mlの氷冷ジクロロメタンに注ぎ、水で洗い、6 %の水性炭酸水素ナトリウムで洗い、乾かし、濃縮し、そしてその残渣をカラム クロマトグラフィー(溶媒J)にかけて1.1g(35%)の表題の化合物を得た。Rf (J)=0.3,[α]D=+140°(c= 工程b) 1−O−アセチル−2−アジド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ− 5−チオ−α,β−D−キシロピラノース(XIII,R=OAc) 10mlの酢酸中の1.34gの2−アジド−3,4−ジ−O−ベンゾイル−2−デオ キシ−5−チオ−α−D−キシロピラノシルニトレート(XIII,R=ONO2)の 溶液に0.5gの酢酸ナトリウムを加え、そしてこの反応混合物を100℃で1h撹拌 した。室温にまで冷却後、それを40mlのジクロロメタンで希釈し、6%の炭酸水 素ナトリウム、水で洗い、乾かし、そして濃縮した。その残渣をカラムクロマト グラフィー(溶媒H)にかけ、0.87g(65%)の表題の化合物をα例 10 4−シアノフェニル3−アミノ−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=NH2,R4=R5=H,R6=CN) 25mlのエタノール中の230mgの4−シアノフェニル3−アジド−3−デオキシ −1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I, R1=R3=OH,R2=N3,R4=R5=H,R6=CN)の撹拌溶液に80mgの硼水素 化ナトリウム及び10mgの塩化ニッケル(II)六水和物を加えた。30分後、この反 応混合物を4%の水性HClで中和し、濾過し、濃縮し、そしてその残渣をカラム クロマトグラフィー(メタノール)により精製して200mg(95%)の表題の化合物 を得た。Rf(K)=0.9,Mp:195−200℃,[α]D=+45°(c=0.5、 例 11 4−シアノフェニル3−アセトアミド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −キシロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=AcNH,R4=R5=H,R6=CN) 5mlのピリジン中の200mgの4−シアノフェニル3−アミノ−3−デオキシ− 1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=NH2,R4 =R5=H,R6=CN)(例10)の溶液に2.5mlの無水酢酸を加え、そしてこの混合物 を一夜室温に保った。通常の処理を経て得られる残渣を10mlのメタノール中で0 .1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドの存在下で脱アセチル化した 。1h後、この反応混合物をDowox 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮し た。その残渣をメタノールから再結晶化させて180mg(78%)の表題の化合物を得 た。Rf(D)=0.4,Mp:245− 例 12 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジ チオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=N3,R4=R5=H ,R6=−C(=NH)−OCH3) 20mlのメタノール中の0.5gの4−シアノフェニル3−アジド−3−デオキシ −1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=N3, R4=R5=H,R6=CN)(例7)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウム メトキシドを加え、そしてこの反応混合物を室温で一夜放置した。二酸化炭素で 中和後、これを濃縮し、そしてその残基をカラムクロマトグラフィー(溶媒C) にかけた。第一画分(Rf=0.3)の濃縮は270mgの回収出発材料を供した。第二画 分の濃縮は130mg(変換に基づき51%)の表題の化合物を供した。Rf(C)=0.2,M p:126−130℃,[α]D 例 13 4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(I,R1=R2 =R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=CN) 20mlのメタノール中の0.9gの4−シアノフェニル2,3,4,6−テトラ− O−アセチル−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(XIV,R=OAc, X=CN)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。 1h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮して0 .55g(93%)の表題の化合物を得た。Rf(D)=0.25,Mp:206-209℃,[ 出発材料(XIV,R=OAc,X=CN)は下記のようにして調製できる。 160mlのアセトン中の2.8gのアセトブロモチオグルコース〔W.KorytnykらCa rbohydrate Res.108(1982)293〕の撹拌溶液に1.0gの4−シアノチオフェノ ール(III)及び1.65gの炭酸カリウムを加え、そしてこの反応混合物を1h還 流した。冷却後、塩を濾過し、アセトンで洗い、濾液を濃縮し、そしてその残渣 をカラムクロマトグラフィー(溶媒E)にかけ、2.15g(68%)の表題の化合 物を15:85のα,βアノマー混合物として得た。これをエーテルから再結晶化さ せて1.63g(52%)のβアノマー(XIV,R=OAc,X=CN)を得た。Rf(E)= 0.7,Mp:125-127℃,[α]D=+38°例 14 4−シアノフェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド (I,R1=R2=R3=OH,R4=CH3,R5=H,R6=CN) 8mlのメタノール中の180mgの4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−ア セチル−6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(XIV,R =H,X=CN)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加 えた。1h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、そして濃縮して100 mg(78%)の表題の化合物を得た。Rf(C)=0.3,Mp:207-212℃,[α]D 出発材料(XIV,R=H,X=CN)は下記のようにして調製できる。 方法A) 工程a) 4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−アセチル−1,5−ジチオ−6−O −メタンスルホニル−β−D−グルコピラノシド(XIV,R=OMs,X=CN) 18mlのピリジン中の1.3gの4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D−グ ルコピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=CN)(例13 )の撹拌溶液に6mlのクロロホルム中の0.6mlの塩化メシルの溶液を0℃で15分か けながら滴下した。この反応混合物を室温で3h撹拌し、次いで8mlの無水酢酸 を加え、そしてこの混合物を室温で一夜保った。通常の処理を経て、その残渣を カラムクロマトグラフィー(溶媒E)にかけて1.15g(54%)の表題の化合物を 得た。Rf(E)=0.3,Mp:119-122℃, 工程b) 4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−1,5− ジチオ−6−ヨード−β−D−グルコピラノシド(XIV,R=I,X=CN) 55mlのジエチルケトン中の1.15gの4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O −アセチル−1,5−ジチオ−6−O−メタンスルホニル−β−D−グルコピラ ノシド(XIV,R=OMs,X=CN)の撹拌溶液に0.6gのヨウ化ナトリウムを加え 、そしてこの反応混合物を4h還流した。その塩を冷却してから濾過し、そして ジクロロメタンで洗った。その濾液を濃縮し、そしてその残渣をカラムクロマト グラフィー(溶媒F)にかけて1.2g(98%)の表題の化合物を得た。Rf(F)= 0.6,[α]D=0°(c=0.5、クロロホルム)。 工程c) 4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−1,5− ジチオ−β−D−グルコピラノシド(XIV,R=H, X=CN) 45mlのエタノール中の1.2gの4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−ア セチル−6−デオキシ−1,5−ジチオ−6−ヨード−β−D−グルコピラノシ ド(XIV,R=I,X=CN)の撹拌溶液に0.22gの硼水素化ナトリウム及び20mg の塩化ニッケル(II)六水和物を加え、そして撹拌を30分続けた。この反応混合 物を4%の水性HClで中和し、濾過し、そして濃縮した。この残渣をカラムクロ マトグラフィー(溶媒F)にかけ、0.4g(43%)の表題の化合物を得た。Rf(F )=0.4,Mp:134-136℃,[α]D=+57°(c= 方法B) 20mlのジクロロメタン中の1.3gの1,2,3,4−テトラ−O−アセチル− 6−デオキシ−5−チオ−D−グルコピラノース〔E.Bozoら、Carbohydrate Res .290(1996)159〕の撹拌溶液に酢酸中の4mlの33%の臭化水素を加えた。室温 で1h後、この混合物を氷冷水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し、6%の水性炭 酸水素ナトリウム、水で洗い、乾かし、そして濃縮した。その残渣を110mlのア セトンに溶かし、0.54gの4−シアノチオフェノール及び1.1gの炭酸カリウム を加え、そしてこの混合物を3h還流した。その塩を冷却してから濾過し、そし てアセトンで洗った。その濾液を濃縮し、そしてその残渣をカラムクロマトグラ フィー(溶媒F)にかけて0.97g(61%)のグリコシドをα,β=1:8のアノ マー混合物と して得た。それはエーテルからの再結晶化により0.6g(38%)のβ−アノマー を供し、それは方法A)の工程c)で調製された化合物と同一である。 例 15 4−シアノフェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシロ−ヘキス− 5−エノピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4+R5=CH2,R6=CN) 10mlのメタノール中の200mgの4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−ア チセル−6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシローヘキス−5−エノピ ラノシド(XV)の撹拌溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシ ドを加えた。1h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そ して濃縮して140mg(91%)の表題の化合物を得た。Rf(D)=0.4,Mp:152-15 出発材料(XV)は下記のようにして調製できうる。 12mlのピリジン中の0.5gの4−シアノフェニル2,3,4−トリ−O−アセ チル−6−デオキシ−1,5−ジチオ−6−ヨード−β−D−グルコピラノシド (XIV,R=I,X=CN)の撹拌溶液に0.4gのフッ化銀を加え、そして2h後 、50mlのクロロホルムを加えた。この反応混合物を濾過し、その濾液を濃縮し、 そしてその残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒F)にかけて0.27g(70%) の表題の化合物を得た。Rf=0.4,Mp:150-153℃,[α]D 例 16 4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノ シド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=−C(=NH)−OCH3) 10mlのメタノール中の210mgの4−シアノフェニル1,5−ジチオ−β−D− グルコピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=CN)(例 13)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。室温で 24h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮した 。その残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒D)にかけた。第一画分(Rf=0 .25)の濃縮は100mgの回収出発材料を供した。第二画分(Rf=0.2)の濃縮は80mg (変換に基づき66%)の表題の化合物を供した。Mp:181−184℃,[α]D=− 10°(c=0.5、メタノ 例 17 4−ニトロフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=R3=OH,R2=N3,R4=R5=H,R6=NO2) 方法A) アルゴン下で、20mlのジクロロメタン中の0.8gの1,2,4−トリ−O−ア セチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノース(VIII, R=OAc)及び0.8gの4−ニトロチオフェノールの溶液に0.45mlのトリメチルシ リルトリフレートを−10℃で加えた。この反応混合物を室温で5h撹拌し、次い でトリエチルアミンでクエンチングし、5%の水性炭酸水素ナトリウム及び水で 洗った。有機層の濃縮により得られる残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒F )にかけた。Rf=0.6の画分の濃縮により得られる残渣を10mlのメタノールに溶 かし、そして0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。室温 で1h後、その反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮し て90mg(11%)の表題の化合物を得た。Mp:145-150℃,Rf(D)=0.4,[α方法B) アルゴン下で、24mlの1,2−ジクロロエタン中の1.54gの1,2,4−トリ −O−アセチル−3−アジド−3−デオキシ−5−チオ−D−キシロピラノース (VIII,R=OAc)及び0.82gの4−ニトロチオフェノールの溶液に0.6mlの硼素ト リフルオリドエーテラーテを加えた。この反応混合物を室温で24h撹拌し、次い で5%の水性炭酸水素ナトリウム及び水で洗った。有機層の濃縮により得られる 残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒F)にかけ、0.76g(38%)の4−ニト ロフェニル2,4−ジ−O−アセチル−3−アジド− 3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(I,R1=R3=OAc ,R2=N3,R4=R5=H,R6=NO2)を得た。このようにして得た物質をメタ ノール性ナトリウムメトキシドで脱アセチル化して方法A)の最終生成物と同一 の化合物を得た。 例 18 4−(アミノチオカルボニル)フェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −グルコピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH3,R5=H,R6=−CS( NH2)) 6mlのピリジン及び6mlのトリエチルアミン中の0.3gの4−シアノフェニル 6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(I,R1=R2=R3 =OH,R4=CH3,R5=H,R6=CN)(例14)を含む溶液を室温で5hかけてドラ イ硫化水素で飽和にした。室温で一夜放置後、この反応混合物を濃縮し、そして その残渣をエーテルで結晶化させて310mg(93%)の表題の化合物を得た。Mp:92-9 6℃,Rf(D)=0.3,[α]D=+5°(c=0.5、メタ例 19 4−(アミノチオカルボニル)フェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −スレオ−ペントピラノシド(I,R1=R4=R5=H,R2=R3=OH,R6=− CS(NH2)) 6mlのピリジン及び6mlのトリエチルアミン中の0.3gの4−シアノフェニル 2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピラノシド(I,R1= R4=R5=H,R2=R2=OH,R6=CN)(例8)を含む溶液を室温で5hかけてド ライ硫化水素で飽 和にした。室温で一夜放置後、この反応混合物を濃縮し、そしてその残渣をエー テルで結晶化させて300mg(89%)の表題化合物を得た。Mp:169−173℃, Rf(D )=0.3,[α]D=−25°(c=0.5、 例 20 4−アミジノフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペント ピラノシド(I,R1=R4=R5=H,R2=R3=OH,R6=−C(=NH)−NH2) 35mlのアセトン中の150mgの4−(アミノチオカルボニル)フェニル2−デオ キシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピラノシド(I,R1=R4=R5 =H,R2=R3=OH,R6=−CS(NH2))(例19)の溶液に0.2mlのヨウ化メチルを 加え、その反応混合物を5h還流し、次いで濃縮した。その残渣を10m1のエタノ ールに溶かし、120mgの酢酸アンモニウムを加え、そしてその混合物を60℃で6 h撹拌し、次いで濃縮した。この残渣を10mlの10%の水性酢酸に溶かし、そして Varion AD樹脂(10ml)で精製して70mg(41%)の表題の化合物をその酢酸塩と して得た。Mp:183−188℃, 例 21 4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノ シド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=−CS(NH2)) 20mlのピリジン及び20mlのトリエチルアミン中の0.9gの4−シアノフェニル 1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2 OH,R5=H,R6=CN)(例13)の溶液を室温で5hかけてドライ硫化水素で飽和 にした。室温で一夜放置後、この反応混合物を濃縮し、そしてその残渣をメタノ ールで結晶化させて0.68g(68%)の表題の化合物を得た。Mp:165− 例 22 4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−グルコピラ ノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5=H,R6=−C(=NH)−SCH3 ) 20mlのアセトン中の80mlの4−(アミノチオカルボニル)フェニル1,5−ジ チオ−β−D−グルコピラノシド(I,R1=R2=R3=OH,R4=CH2OH,R5= H,R6=−CS(NH2))の溶液に0.1mlのヨウ化メチルを加え、そしてこの反応混合 物を4h還流した。その沈殿生成物を冷却してから濾過し、そしてアセトンで洗 って110mg(98%)の表題の化合物をそのヨウ素酸塩として得た。Mp:2 例 23 4−ニトロフェニル6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド (I,R1=R2=R3=OH,R4=CH3,R5=H,R6=NO2) 20mlのメタノール中の320mgの4−ニトロフェニル2,3,4−トリ−O−ア セチル−6−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(XIV,R =H,X=NO2)の溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加 えた。室温で2h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そ して濃縮した。この残渣をエーテルで結晶化させて130mg(57%)の表題の化合物 を得た。Mp:157-159℃,Rf(D)=0.4.[α]D=+9°(c= 出発材料(XIV,R=H,X=NO2)を例14の方法B)に従って調製したが、但 し4−シアノチオフェノールの代わりに4−ニトロチオフェノールをアグリコン として使用した。このようにして純粋なβ−アノマーが37%の収率で得られた。 Mp:138−141℃,Rf(F 例 24 4−ニトロフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペントピ ラノシド(I,R1=R4=R5=H,R2=R3=OH,R6=NO2) 20mlのメタノール及び10mlのジクロロメタン中の4−ニトロフェニル3,4− ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−1,5−ジチオ−D−スレオ−ペントピラ ノシド(XII,R=4−ニトロフェニルチオ)α,β=1:9混合物0.57gを含 む溶液に0.1mlの3Mのメタノール性ナトリウムメトキシドを加えた。室温で24 h後、この反応混合物をDowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮した。 その残渣をエーテルで結晶化させ、235mg(71%)の表題の化合物を得た。Mp:150- 152℃,Rf(C)=0.3,[α]D=−26°(c=0. 出発材料は例8の方法B)の工程c)に従って調製したが、4−シアノチオフ ェノールの代わりに4−ニトロチオフェノールをアグリコンとして使用した。こ のようにしてα,β=1:9のアノマー 例 25 4−ニトロフェニル4−アジド−4−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=R2=OH,R3=N3,R4=R5=H,R6=NO2) 50mlのドライ1,2−ジクロロエタン中の例8の方法A)の2.0gの1,2, 3−トリ−O−アセチル−4−アジド−4−デオキシ−5−チオ−α−D−キシ ロピラノシド(IV,R=OAc)(工程g)及び1.1gの4−ニトロチオフェノールの 撹拌溶液に0.78mlの硼素トリフルオリドエーテラーテを加えた。室温で24h後、 この反応混合物を5%の水性炭酸水素ナトリウム及び水で洗った。この有機層の 濃縮により得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒H)にかけ、0.65g (25%)の4−ニトロフェニル2,3−ジ−O−アセチル−4−アジド−4−デ オキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(II,R=NO2)を得た。こ のようにして得た化合物を20mlのメタノールに溶かし、そして0.1mlの1Mのメ タノール性ナトリウムメトキシドを加えた。室温で1時間後、この反応混合物を Dowex 50 WX樹脂で中和し、濾過し、そして濃縮した。その残渣をエーテルで結 晶化し、0.38g(73%)の表題の化合物を得た。Mp:126-129℃,Rf(C)=0.4, [α]D=+104°(c=0.5、メ 例 26 4−ニトロフェニル2−アジド−2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド(I,R1=N3,R2=R3=OH,R4 =R5=H,R6=NO2) アルゴン下で、15mlのドライ1,2−ジクロロメタン中の0.85gの1−O−ア セチル−2−アジド−2−デオキシ−3,4−ジ−O−ベンゾイル−5−チオ− D−キシロピラノース(XIII,R=OAc)(例9の工程b)の溶液に0.33gの4 −ニトロチオフェノール及び0.26mlの硼素トリフルオリドエーテラーテを加えた 。室温で24h後、この反応混合物を5%の炭酸水素ナトリウム及び水で洗った。 この有機層の濃縮により得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶媒H)に かけ、0.3g(30%)の4−ニトロフェニル3,4−ジ−O−ベンゾイル−2− アジド−2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド(XIII, R=4−ニトロフェニルチオ)を得た。このようにして得た化合物を20mlのメタ ノール及び10mlのジクロロメタンに溶かし、次いで0.1mlのメタノールナトリウ ムメトキシドを加えた。この反応混合物を室温で1h後に固形二酸化炭素で中和 し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(溶媒C)にかけて80mg(44%) の表題の化合物を得た。Rf(C)=0.3,[α
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD, MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 サボー,ガブリエラ ハンガリー国,ハー―1132 ブタペスト, バチ ウート 8 (72)発明者 ボロス,サンドール ハンガリー国,ハー―2134 ソード,ニュ アール ウッツァ 86 (72)発明者 モラブブクシック,イムレ ハンガリー国,ハー―1095 ブタペスト, メステル ウッツァ 38

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(I)の1,5−ジチオ−ピラノシド (式中、 R1は水素、ヒドロキシ又はアジド基を表わし、 R2はヒドロキシ、アジド、アミノ又はアセトアミド基を表わし、 R3はヒドロキシ又はアジド基を表わし、 R4は水素、メチル又はヒドロキシメチル基を表わし、 R5は水素を表わすか、又は R4及びR5は一緒になってメチレン基を表わし、 R6はニトロ、シアノ、アミジノ、アミノチオカルボニル、−C(=NH)−OCH3 ,−C(=NH)−NH−NH2又は−C(=NH)−SCH3基を表わし、 但しR1−R3それぞれが独立してヒドロキシであり、そしてR4及びR5が水素 を表わすなら、R6はニトロ又はシアノ基以外の基しか表わさず、更にR1−R3 それぞれがヒドロキシ基を表わし、R4がヒドロキシメチル基を表わし、そして R5が水素を表わすなら、R6はニトロ基以外の基しか表わさない) 又は可能なら、有機もしくは無機酸とで形成されるその酸付加塩。 2.4−(ヒドラジノ)(イミノ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド。 3.4−(イミノ)(メチルチオ)メチルフェニル1,5−ジチオ−β−D−キシ ロピラノシド。 4.4−シアノフェニル2−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D−スレオ−ペ ントピラノシド。 5.4−(イミノ)(メトキシ)メチルフェニル3−アジド−3−デオキシ−1, 5−ジチオ−β−D−キシロピラノシド。 6.4−ニトロフェニル3−アジド−3−デオキシ−1,5−ジチオ−β−D −キシロピラノシド。 7.4−(アミノ−チオカルボニル)フェニル1,5−ジチオ−β−D−グル コピラノシド。 8.活性成分としてのR1−R6が請求項1に記載と同じ意味を有する前記一般 式(I)の化合物又は可能ならばその薬理学的に許容される塩、及び薬品に通常 利用される溶媒、希釈剤又は充填剤を含んで成る薬理組成物。 9.薬品としての、R1−R6が請求項1に記載と同じ意味を有する前記一般式 (I)の化合物の利用。 10.抗凝固薬の調製のための、R1−R6が請求項1に記載と同じ意味を有する 前記一般式(I)の化合物の利用。
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