JP2000511960A - 硫黄含有ポリマーを調製する方法 - Google Patents
硫黄含有ポリマーを調製する方法Info
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Abstract
(57)【要約】
溶媒中において、少なくとも1種類のスルフィドと少なくとも1種類の芳香族ジハロゲン化合物とから、硫黄含有ポリマー、特にポリアリーレンスルフィドを調製する方法を、a)芳香族ジハロゲン化合物とスルフィドとの混合物を重合させる工程、b)その重合混合物に対して、芳香族ジハロゲン化合物及びスルフィドを加える工程、及びc)その反応混合物を更に重合させる工程によって実行する。前記方法によって調製した硫黄含有ポリマーは、高純度及び良好な機械的性質を特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
硫黄含有ポリマーを調製する方法
本発明は、線状又は枝分れ硫黄含有ポリマー、例えばポリアリーレンスルフィ
ド、特にポリフェニレンスルフィド(PPS)を調製する方法に関するものであ
り、該方法では、重合させた又は部分的に重合させた混合物に対してモノマーを
加える。
米国特許第4,910,294号では、PPSを調製する方法が開示されてい
る。用いられるモノマーは、ジハロゲン化芳香族炭化水素、特にジクロロベンゼ
ン(DCB)、及び硫酸ナトリウムであり、それらは、例えばN−メチルピロリド
ン(NMP)のような高沸点双極性溶媒中で反応させる。溶媒の実質的な量を用
いて、反応相手と反応させなければならない。なぜならば、硫化金属及び芳香族
ジハロゲン化合物反応成分は互いに不混和性であるからである。典型的には、ス
ルフィド1モル当たり少なくとも3.5モルのNMPが用いられる。
EP−A1−536684では、p−ジクロロベンゼンを硫化ナトリウムとN
MPとの脱水混合物に対して加え、その混合物を重合させることによる、スルフ
ィド1モル当たりNMP3.5モルを超える濃度のNMP中におけるポリフェニ
レンスルフィドの調製が開示されている。しかしながら、反応温度は280℃が
必要であり、生成物の溶融粘度によって特徴付けられる高い分子量に関して再現
性が得られない。
DE−A1−3 237 110では、高沸点極性N−アルキル−2−ピロリ
ドン中にアルカリ金属スルフィドを予め投入し、次にそれを芳香族ジハリド中に
計量して投入することによって、低分子量ポリアリーレンスルフィドを調製する
方法が開示されている。溶媒の、用いられるスルフィドに対する割合は、少なく
とも3.1に達する。反応時間は、ジハリド添加後、少なくとも255℃で12
時間である。
EP−B1−215 259では、N−メチルカプロラクタム中ジハロ芳香族
化合物とアルカリ金属スルフィドとからポリアリーレンスルフィドを調製する方
法
が開示されている。前記方法では、穏やかな還流下で、反応混合物の半分を事前
投入し、次に溶媒を含んでいる混合物の第二の半分を計量して投入する。溶媒の
、用いられるスルフィドに対する最小割合は3.25である。撹拌容器カスケー
ドにおける平均反応時間は12.5時間である。
EP 0 374462では、ジハロ芳香族化合物と極性溶媒との混合物に対
してスルフィドを連続添加することによるポリアリーレンスルフィドの調製が開
示されている。極性溶媒対スルフィドの割合は、約1.1:1〜1.8:1であ
る。反応時間は約10〜15時間である。
従来技術の方法において、より少量の溶媒を用いる場合、分子量及びポリマー
収量は低下し;より高い溶媒濃度では、空時収量は不満足なものである。満足の
行く空時収量を達成するために、反応温度をしばしば上昇させるが、それにより
副反応が増加してしまう。
而して、目的は、副産物によって起こり得る汚染が最小である硫黄含有ポリマ
ー、特にポリアリーレンスルフィドを、モル質量の広範な分子量範囲にわたって
(例えば、Mw=10,000〜200,000g/モル)、最も穏やかな可能条件
を用いて良好な空時収量で調製することである。
250℃以下の反応温度、短い反応時間(5時間未満)で、用いられるスルフ
ィド1モル当たり溶媒300g未満の溶媒総必要量を用いて、高い空時収量で、
硫黄含有ポリマー、特にポリアリーレンスルフィドを調製できることを発見した
。まず最初に、プレポリマーが、極性溶媒中において芳香族ジハロゲン化合物と
スルフィドとから形成されても、芳香族ジハロゲン化合物とスルフィドとを添加
することによって、前記プレポリマーは、より高分子量のポリマーへと転化され
る。
而して、本発明は、溶媒中において、少なくとも1種類の芳香族ジハロゲン化
合物と少なくとも1種類のスルフィドとから硫黄含有ポリマーを調製する方法に
関するものであり、該方法では、a)芳香族ジハロゲン化合物とスルフィドとの
混合物を重合させ、b)その重合混合物に対して芳香族ジハロゲン化合物とスル
フィドとを加え、c)その重合混合物を更に重合する。
硫黄含有ポリマーは、アリーレンスルフィド単位を含むポリマーである。アリ
ーレンスルフィド単位のアリーレン成分は、単環式又は多環式芳香族炭化水素、
もしくは化合物芳香族(compound aromatics)を含む。芳香族化合物は、ヘテロ
原子も含むことができる。置換又は未置換であっても良い前記芳香族化合物とし
ては、ベンゼン、ピリジン、ビフェニル、ナフタレン及びフェナントレンが挙げ
られる。置換基としては、C1〜C6-アルキル基、C1〜C6-アルコキシ基、カル
ボキシル基、アミノ酸基及びスルホン酸基が挙げられる。化合物芳香族炭化水素
としては、ビフェニル、及びエーテル橋(アリーレンエーテル)によって結合さ
れた芳香族炭化水素が挙げられる。
好ましい硫黄含有ポリマーは、ポリアリーレンスルフィド、特にポリフェニレ
ンスルフィドである。
無機スルフィド及び有機スルフィド双方ともに、ポリマーを調製するためのス
ルフィドとして適当である。無機スルフィドは、アルカリ金属及びアルカリ土類
金属のスルフィドであり、例えば硫化リチウム、硫化カリウム、硫化カルシウム
、及び好ましくは硫化ナトリウムである。対応ビスルフィド、又は硫化水素を用
いることもでき、所望ならば、アルカリ金属水酸化物と一緒に用いることもでき
る。適当な有機スルフィドは、有機カチオンを有する塩様スルフィドである。本
発明のために、有機スルフィドは、反応条件下でスルフィドアニオン又はビスル
フィドアニオンを遊離する有機硫黄化合物であり、例えばチオアセトアミド及び
チオ−N−メチルピロリドンである。結晶水を有するスルフィドを用いることも
できる。
適当な芳香族ジハロゲン化合物は、ジハロゲン化芳香族炭化水素、特に例えば
オルト−、メタ−及びパラ−ジクロロベンゼンのようなジハロベンゼン、例えば
2,5−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロ安息香酸、2,5−ジクロロベン
ゼンスルホン酸、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸及びそれらの塩のような
置換ジハロベンゼンである。しかしながら、例えば1,4−ジブロモナフタレン
のようなジハロナフタレン、及び例えば4,4’−ジクロロジフェニルエーテル
を用いることもできる。また、異なるアリーレンジハリドの混合物を用いること
もできる。少量(ジハロ芳香族化合物を基準として0.2〜5モル%)のポリハ
ロゲン化芳香族炭化水素を用いて、枝分れした又は架橋された硫黄含有ポリマー
を用いることもできる。
ジハロ芳香族化合物及びスルフィドはモノマーとも呼称する。
ポリマーを調製する適当な溶剤は、アミドタイプの双極性非プロトン性溶媒、
例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−
メチルカプロラクタム、及びN−アルキル化ピロリドン、例えばN−メチルピロ
リドン(NMP)、又はそれらの混合物である。特に好ましくは、NMPである。
プレポリマーという用語は、アリーレンスルフィド単位を含むオリゴマー及び
ポリマーを含む。これらの生成物は、通常は、500〜20,000g/モルの数平
均モル質量Mnとして表されるモル質量を有する。前記生成物は、線状又は枝分
れであっても良い。置換ジハロアリール化合物(例えば、2,5−ジクロロトル
エン)を用いることによって、置換プレポリマーを調製することもできる。好ま
しくは、ハロゲン末端基、特に塩素末端基を有するプレポリマーを調製する。
工程a)におけるプレポリマーの調製は、極性溶媒中において、例えばジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド(DME)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、N−アルキル化ラクタム、例えばN−アルキルカプロラクタム、例えば
N−メチルピロリドンカプロラクタム(NMC)、N−アルキルピロリドン、例え
ばN−メチルピロリドン(NMP)又はそれらの混合物中において、穏やかな条
件下で、すなわち250℃を超えない温度で、スルフィドとジハロゲン化合物と
を反応させることによって行う。スルフィド1モル当たり用いられる溶媒の重量
は、150g〜1000g、好ましくは250g〜600gである。NMPを溶
剤として用いる場合、スルフィド1モル当たりNMPは1.5〜10モル、好ま
しくはスルフィド1モル当たりNMPは2.5〜6モルである。スルフィド1モ
ル当たり、ジハロ芳香族化合物は0.9〜1.5モル用いられる。特に好ましく
は1.05〜1.3モルであり、ハロゲンを末端基とするプレポリマーが生成す
る。反応温度は、120〜280℃であり、好ましくは190〜250℃である
。工程a)における反応時間は、0.1〜5時間であり、好ましくは0.2〜2
時間である。スルフィドを基準としたプレポリマーへの転化率は、10〜98%
であり、好ましくは30〜95%であり、特に好ましくは50〜80%である。
工程b)における、溶媒、プレポリマー、副産塩及び未転化モノマーを含む初
期重合混合物に対するモノマーの更なる添加は、回分法又は連続法で行うことが
できる。芳香族ジハロゲン化合物は、溶融液として、又は少量の溶媒と一緒に、
計量型ポンプによって、反応器中にポンプで注入する。スルフィドは、適当なポ
ンプを用いて、バルブから固体形態で又は溶融水和物として液体形態で加えるこ
とができる。本発明の好ましい態様では、スルフィドと溶媒との均質混合物を、
プレポリマーと一緒に反応混合物に加える。モノマーと共に加える溶媒の量は、
添加後に、反応器中において、スルフィド1モル当たり溶媒300g以下の量に
なるように調節される。
添加したモノマーの重量m1対プレポリマーを調製するのに初めに用いられる
モノマーの重量m2の割合は、広範に変化させることができる。m1対m2の重量
比は、0.1:1〜10:1であり、好ましくは0.5:1〜5:1であり、特
に好ましくは1:1〜3:1であることができる。
本発明の別の好ましい態様では、モノマーは、反応混合物中においてモノマー
の濃度が実質的に定常濃度に維持される方法で、すなわちモノマー濃度が反応中
に出来る限り一定に保たれるような方法で加える。前記定常状態では、時間単位
当たりに加えるモノマーの量は、反応で消費されるモノマーの量に等しい。
スルフィドを結晶水と一緒に加える場合、反応混合物から水を除去すると有利
である。水の除去は、不連続工程で又は連続的に行うことができる。水の他に、
ジハロ芳香族化合物、溶媒、及びいくらかのH2Sも除去される。この混合物か
ら水を除去し、残っている成分を反応器に戻すと有利である。
モノマーの添加が完了したら、撹拌しながら、反応混合物を完全に重合させる
(工程c)。反応条件は、広範に変化させることができる。反応温度は、120〜
280℃、好ましくは190〜250℃であることができる。反応時間は、20
分間〜20時間、好ましくは1〜3時間であることができる。本発明の好ましい
態様では、総反応時間は、250℃以下の温度で5時間以下である。
ポリマーの調製の全ての段階を、不連続に又は連続して行うことができる。例
えば、反応段階では、撹拌容器カスケードを用いて、又は管状反応器において、
又は両方の組み合わせを用いて行うことができる。
反応中、化学的に結合している結晶水は、通常は遊離する。反応完了後に、反
応混合物中に存在する水のいくらか又は全てを除去することは、加工にとって有
利で有り得る。所望ならば、加工する前に、酸を添加して、反応器内容物を中和
又はわずかに酸性にしても良い。適当な酸は、例えば酢酸、塩酸又は二酸化炭素
である。
単純な圧力濾過によってポリマーを濾別する。しかしながら、例えば遠心分離
又はデカンテーションのような液体から固体を分離する他の方法を用いることも
できる。フラッシュ蒸発又は噴霧乾燥させることにより、溶媒と、主成分として
の他の低分子量物質とを蒸気形態で取り出し、実質的な乾燥固体混合物としてポ
リマーと副産塩とを生成させることにより、得られた懸濁液を加工することもで
きる。
圧力濾過の場合、濾過残留物を溶媒で都合良く洗浄して、前記残留物に付着し
ている母液残留物を除去する。それによって固体としてポリマー及び塩が、また
更なるポリマーを調製するために直接再使用することができる母液が分離される
。前記固体からは、水中で該固体(まず最初に乾燥させることもできる)を沸騰
させ、そして濾過することにより、ポリマーを分離することができる。
加工では、加圧下で熱(150〜240℃)反応混合物を濾過すると、残留物
として塩のみが得られ、ポリマーは濾液中に再溶解され、その濾液から、噴霧乾
燥することによって、又は結晶化させ濾過することによって、ポリマーを単離す
ることができる。
ポリアリーレンスルフィドの分子量は、スルフィドモノマーとジハロ芳香族化
合物モノマーとの化学量論量によって、所望の値に調整することができる。最大
分子量は、一般的に、スルフィドを基準として、ジハロ芳香族化合物を2モル%
過剰で用いると得られる。
以下、ポリフェニレンスルフィド(PPS)を調製する例を用いて、新規な方
法を説明するが、以下の実施例によって該方法が限定されるものではない。
まず最初に、チタン製オートクレーブにおいて、180℃のNMP中で加熱す
ることにより、硫化ナトリウム三水和物を溶解させる。次に、190℃の初期温
度に達するまで、いくらかの結晶水を蒸留して除去する。オートクレーブの内容
物を更に加熱し、215〜220℃の温度でp−ジクロロベンゼン(DCB)を
計量して加える。次に、230℃において30分間〜1時間の反応時間でプレポ
リマーを形成させる。この最初の反応段階後に、約1時間にわたって、両方の反
応相手を連続して又は少しずつ計量して投入する。添加後における成分のモル比
(スルフィド:DCB:NMP)は、典型的には1:1.05:2.8である。
化学結合水が遊離されるので、反応中に、反応器の内部圧力が増加する。反応混
合物の含水量を制御することは有利であることが分かった。これを達成する1つ
の方法は、反応器の内部圧力を2〜6バールの値に制限する方法である。それは
、反応器のガス相を凝縮器へと部分的に放出することによって達成することがで
きる。添加後に、反応混合物を、230〜235℃において1〜2時間撹拌し続
ける。その反応混合物を、所望ならば、溶媒による希釈後に、冷却し、濾過する
。PPS及び塩化ナトリウムの濾過残留物を水と一緒に数回沸騰させ、濾過し、
次に乾燥させる。
ポリフェニレンスルフィドの融点は、270〜305℃であり、典型的には2
80〜295℃である。溶融粘度は、5000〜500,000mPas(センチポ
アズ)であり、好ましくは50,000〜250,000mPas(センチポアズ)
である。溶融粘度は、添加剤無しで安定であり:300℃において、1時間の間
に、10%未満だけ変化する。
新規な方法によって調製される硫黄含有ポリマー、例えばポリアリーレンスル
フィド、特にポリフェニレンスルフィドは、高純度及び高品質を特徴とする。特
に注目に値する特性は、前記ポリマーが実質的に臭気及び変色を有していない点
である。また、前記ポリマーは、熱応力に暴露されたとき、良好な特性も示す。
而して、本発明は、新規な方法によって調製される硫黄含有ポリマー、例えば
ポリアリーレンスルフィドにも関する。本発明にしたがって調製される硫黄含有
ポリマーは、溶融押出によって、造形品へと二次加工することができる。しかし
ながら、良好な機械的性質を有するフィルム及び繊維を製造することもできる。
新規な方法は、以下の多くの利点、すなわち:
用いられる溶媒の量は、用いられるスルフィド1モル当たり溶媒300g以
下である。
総反応時間は、5時間未満である。
反応温度は、250℃を超えず、実質的にそれよりもずっと低い温度が可能
であり、ポリマー中に存在する毒性不純物の原因の一つである副反応を抑制する
。
全反応において、ポリマーは、用いられるスルフィドの量を基準として、少
なくとも90%、典型的には95%の収率で得られる。
を有する。
以下、実施例を掲げて、本発明を説明する。
実施例1
2リットルのチタン製オートクレーブにおいて、180℃のNMP 780g
中に硫化ナトリウム三水和物(約60%;2.2モル)284gを溶かす。次に
約130mlの凝縮液を蒸留して除去する。オートクレーブを230℃まで加熱し
、215℃で撹拌し、220gの温NMP中に溶かしたDCB(1.3x 2.
2モル)418gを、20ml/分の速度で加える。次に、230℃で1時間、予
備重合を行ってから、オートクレーブ内を大気圧にする。この予備重合の段階の
間は、NMPのスルフィドに対するモル比は4.6である。次に、硫化ナトリウ
ム三水和物(60%;2モル)250gを、オートクレーブの未だ温かい内容物
に対して加え、内部温度が約190℃に達するまで、水とDCBとNMPとの混
合物を蒸留して取出す。次に、その混合物を230℃まで加熱し、更に180ml
のNMP中DCB 360gを、20ml/分の速度で計量投入する。最後に、23
0℃で1.5時間、その混合物を反応完了まで重合する。NMP:スルフィドの
モル比は2.85である。その混合物を約300mlのNMPで希釈し、冷却する
。その結晶質反応混合物を濾過し、残留物を水中で数回沸騰させてから、濾別し
、乾燥させる。PPSの収量:410g(理論値の95%)。ポリマーの平均モル
質量はMw=20,000g/モルである。
実施例2
2リットルのチタン製オートクレーブにおいて、180℃のNMP 700g
中に硫化ナトリウム三水和物(約60%;1.8モル)230gを撹拌しながら
溶かす。次に約95mlの凝縮液を蒸留して除去する。オートクレーブを230℃
まで加熱し、215℃で撹拌し、135gの温NMP中に溶かしたDCB(1.
3x 2.2モル)418gを、20ml/分の速度で加える。次に、オートクレー
ブの内容物を230℃で1時間保持する。この予備重合の段階の間は、NM
Pのスルフィドに対するモル比は4.6である。オートクレーブ内を大気圧にし
、次に、硫化ナトリウム三水和物(60%;1.5モル)192gを、オートク
レーブの温かいままの内容物に対して加え、内部温度が約190℃に達するまで
、水とDCBとNMPとの混合物を蒸留して取出す。次に、その混合物を230
℃まで加熱し、更に102mlのNMP中DCB 227gを、20ml/分の速度で
加える。最後に、230℃で2.5時間、その混合物を反応完了まで重合する。
NMP:スルフィドのモル比は2.85である。その混合物を約300mlのNM
Pで希釈し、冷却する。その結晶質反応混合物を濾過し、残留物を水中で数回沸
騰させてから、濾別し、乾燥させる。PPSの収量:410g(理論値の95%)
。310℃の温度及び1000/分の剪断速度における溶融粘度は12pasであり
、これはMw=20,000g/モルの平均モル質量に相当する。
比較実施例
以下の実施例は、反応を本発明にしたがって実行しない場合には、低分子量ポ
リマーが低い収量で製造されることを示している。
2リットルのチタン製オートクレーブにおいて、180℃のNMP 780g
中に硫化ナトリウム三水和物(約60%;3.2モル)420gを溶かす。次に
約170mlの凝縮液を蒸留して除去する。オートクレーブを230℃まで加熱し
、215℃で撹拌し、320gの温NMP中に溶かしたDCB(1.3x 3.
2モル)610gを、20ml/分の速度で加える。230℃で2時間、予備重合
を行ってから、オートクレーブ内を大気圧にし、その内容物を約300mlのNM
Pで希釈し、冷却する。その結晶質反応混合物を濾過し、残留物を水中で何度も
沸騰させてから、濾別し、乾燥させる。PPSの収量:290g(理論値の85
%)。ポリマーの平均モル質量はMw=7000g/モルである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.溶媒中において少なくとも1種類のスルフィドと少なくとも1種類の芳香 族ジハロゲン化合物とから、硫黄含有ポリマー、特にポリアリーレンスルフィド を調製する方法であって、該方法が、a)芳香族ジハロゲン化合物とスルフィド との混合物を重合させる工程、b)その重合混合物に対して芳香族ジハロゲン化 合物とスルフィドとを加える工程、及びc)その反応混合物を更に重合させる工 程を含む前記方法。 2.該重合混合物に対して、芳香族ジハロゲン化合物とスルフィドとを加える 前に、工程a)における転化率が、スルフィドを基準として、10〜98%、好 ましくは30〜95%、特に好ましくは50〜80%の値に達している請求項1 記載の方法。 3.芳香族ジハロゲン化合物とスルフィドとを、工程a)から得られる重合混 合物に対して、連続して加える請求項1又は2記載の方法。 4.工程b)で加える芳香族ジハロゲン化合物及びスルフィドの重量が、工程 a)で加えた芳香族ジハロゲン化合物及びスルフィドの重量の0.1〜10倍で ある請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 5.N−メチルピロリドンを、溶媒として用いる請求項1〜4のいずれかに記 載の方法。 6.反応の終わりには、溶媒の、用いたスルフィドに対する割合が、スルフィ ド1モル当たり300g以下に達するか、又は反応の終わりには、溶媒の、用い たスルフィドに対するモル比が、3以下の値に達する請求項1〜5のいずれかに 記載の方法。 7.工程a),b)及びc)における反応温度が、250℃以下である請求項 1〜6のいずれかに記載の方法。 8.工程a),b)及びc)の反応時間の合計が、5時間以下である請求項1 〜7のいずれかに記載の方法。 9.請求項1〜9のいずれかに記載のように調製される硫黄含有ポリマー。 10.硫黄含有ポリマーが、ポリアリーレンスルフィド、特にポリフェニレン スルフィドであり、ポリマーのモル質量Mwの重量平均値が10,000〜20 0,000g/モルである請求項9記載の硫黄含有ポリマー。
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