【発明の詳細な説明】
s−CD23生成およびTNF分泌の阻害剤
本発明は可溶性ヒトCD23の形成の新規な阻害剤および可溶性CD23(s
−CD23)の過剰産生に伴う病態、例えば、自己免疫疾患およびアレルギーの
治療におけるその阻害剤の使用に関する。本発明の化合物は腫瘍壊死因子(TN
F)の放出の阻害剤でもある。
CD23(低親和性IgEレセプターFceRII、Blast2)は、BおよびT−リン
パ球、マクロファージ、天然キラー細胞、ランゲルハンス細胞、単球および血小
板を含む、種々の成熟細胞の表面上で発現される、45kDaのII型細胞膜内タ
ンパク質である(Delespesseら、Adv Immunol,49[1991]149-191
)。また、好酸球上にはCD23様分子がある(Grangetteら、J Immunol,14 3
[1989]3580-3588)。CD23は免疫反応の調節に関与している
(Delespesseら、Immmunol Rev,125[1992]77-97)。ヒトCD23
は、細胞内N−末端のアミノ酸だけで異なる、2種の特異的に調節されるイソ型
、aおよびbとして存在する(Yokotaら、Cell,55[1988]611-61
8)。ヒトにおいては、構成的aイソ型はB−リンパ球でのみ見られるのに対し
て、IL4で誘発可能なbイソ型はCD23の発現能を有する細胞すべてにおい
て見られる。
無傷の細胞結合したCD23(i−CD23)は、細胞表面から切断され、そ
の機構もまだあまり解明されていない、複雑な一連のタンパク質分解性事象の結
果として産生される、多数の明確な可溶性フラグメント(s−CD23)を形成
することが知られている(Bourgetら、J Biol Chem,269[1994]692
7-6930)。未だ実証されてはいないが、これらのタンパク質分解性事象の
主な可溶性フラグメント(分子量37、33、29および25kDa)は、その
すべてがi−CD23に共通のょ−末端レクチン領域を保持しており、最初の3
7kDaフラグメントの形成を介して連続的に起こると仮定されている(Letelli
erら、J Exp Med,172[1990]693-700)。別の細胞内切断経路に
より、i−CD23
とC−末端領域で異なる安定した16kDaフラグメントが得られる(Grenier-
Brosetteら、Eur J Immunol,22[1992]1573-1577)。
いくつかの活性はヒトにおける膜結合i-CD23に起因するものであり、そ
のすべての活性がIgE調節にて役割を果たすことがわかっている。個々の活性
として:a)抗原表示、b)IgE介在の好酸球細胞毒性、c)B細胞のリンパ
節および脾臓の胚中心への帰巣、およびd)IgE合成のダウンレギュレーショ
ンが挙げられる(Delespesseら、Adv Immunol,49,[1991]149-19
1)。3つの高分子量の可溶性CD23フラグメント(分子量37、33および
29kDa)は多機能性サイトカイン特性を有し、IgE産生にて主な役割を果
たすと思われる。かくして、s−CD23の過度の形成は、IgEの生産過剰、
外因性喘息、鼻炎、アレルギー性結膜炎、湿疹、アトピー性皮膚炎およびアナフ
ィラキシーなどのアレルギー疾患の顕著な特徴に関連付けられる(SuttonおよびG
ould、Nature,366,[1993]421-428)。s−CD23が原因の他
の生物学的活性として、B細胞の増殖を刺激すること、メディエーターの単球か
らの放出を誘発することが挙げられる。かくして、高レベルのs−CD23が、
B−慢性リンパ球白血病の患者の血清中で観察され(Sarfatiら、Blood,71[
1988]94-98)、慢性リウマチ関節炎の患者の滑液中で観察される(Choma
ratら、Arthritis and Rheumatism,36[1993]234-242)。CD2
3が炎症において役割を果たすということは、多くの供給源で示唆されている。
第1に、sCD23は、活性化されると、炎症の細胞介在事象に関与する細胞外
レセプターに結合すると報告されている。すなわち、sCD23は単球、TNF
、IL−1およびIL−6放出を直接活性化すると報告されている(Armantら、
vol180,J.Exp.Med.,1005-1011(1994))。CD23は、単球/
マクロファージ上でB2−インテグリン吸着分子、CD11bおよびCD11c
と相互作用し、NO2 -、過酸化水素およびサイトカイン(IL−1、IL−6お
よびTNF)放出を作動させると報告されている(S.Lecoanet-Henchozら、Immu
nity,vol3;119-125(1995))。最後に、IL−4またはIFNはヒト
単球によるsCD23のようにCD23の発現およびその放出を誘発する。膜結
合CD23レセプターとIgE/抗−IgE免疫複合体また
は抗CD23mAbとの連結は、炎症におけるCD23のレセプター介在の役割
を説明する、cAMPおよびIL−6産生およびトロンボキサンB2形成を活性
化する。
CD23のこれらの種々の特性のため、s−CD23の形成を阻害する化合物
は、a)B細胞の表面にあるi−CD23のレベルを維持することによりIgE
合成の負のフィードバック阻害を強化し、b)s−CD23の高分子量(分子量
37、33および29kDa)の可溶性フラグメントの免疫刺激性サイトカイン
活性を阻害する、二面的な作用を有するはずである。加えて、CD23切断の阻
害は、sCD23誘発の単球活性化およびメディエーター形成を緩和し、それに
より炎症応答は軽減されるはずである。
TNFαは、不活性前駆体中の76−アミノ酸シグナル配列を特異的に切断し
、成熟形態を生成することにより刺激細胞から放出されるプロー炎症性サイトカ
インである。TNFαの切断はメタロプロテアーゼによりなされると報告されて
いる(Gearing,A.J.H.ら、(1994)Nature370,555-557;McGeeha
n,G.M.ら、(1994)Nature370,558-561;Mohler,K.M.ら、(199
4)Nature370,218-220)。TNFαのTNF処理酵素による切断を阻
害すると報告されている化合物は、概して、特にヒドロキサム酸種のマトリック
ス・メタロプロテアーゼ阻害剤であると記載することができる。
TNFαは、TNFαに起因する一の生理学的機能が細菌、寄生体などの急性
感染に対する炎症性応答に貢献するように、細菌、エンドトキシン、種々のウイ
ルスおよび寄生体に応答して、種々の細胞型にて誘発される(Dinarello,C.A.
(1992)Immunol.4,133-145)。TNFαの過剰産生は慢性リウマ
チ関節炎、敗血症性ショック、クローン病およびカヘキシーなどの病態に関与す
る(Dinarello,1992)。したがって、TNFαの成熟活性形態へのプロセッ
シングを阻害することはこのような炎症性障害の治療にて効果的であろう。TN
Fαはまた、自己免疫疾患における開始因子ではないが、この疾患における組織
破壊の原因であるかもしれない。慢性リウマチ関節炎におけるTNFαの重要性
を確認すると、TNFα抗体は慢性リウマチ関節炎実験の短期間の研究にて疾患
の重篤度を減少させること
が明らかにされた(Elliott,M.J.ら、(1993)Arthrit.Rheum.12,1
681-1690;Elliottら、(1994)Lancet344,1125-1127
)。
国際特許出願番号WO96/02240(スミスクライン・ビーチャム・パブ
リック・リミテッド・カンパニー)は、マトリックス・メタロプロテアーゼ(例
えば、コラゲナーゼ、ストロメリシンおよびゲラチナーゼ)の作用を阻害する化
合物が、哺乳動物細胞培養系にトランスフェクトされたヒト可溶性CD23の放
出の効果的な阻害剤であることが見出された。
英国特許出願番号9601041.8(スミスクライン・ビーチャム・パブリ
ック・リミテッド・カンパニー)は、式(I):
で示される特定の化合物が、哺乳動物細胞培養系にトランスフェクトされたヒト
可溶性CD23の放出の効果的な阻害剤であると開示している。
本発明によれば、前記した式(I)
[式中、
Rはヒドロキシ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールで
あり;
R1はアリールメチルまたはヘテロサイクリルメチルであり;
R2はアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキルまたはシクロアルケ
ニルであり;および
R3は水素、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールを意味する;
ただし、
R1がフェニルメチルまたはナフチルメチル(ここで、フェニルまたはナフチ
ル基は、非置換であるか、またはハロゲン、(C1-6)アルキル、アリール(C1 -6
)アルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アル
キル、ハロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、モノ-およびジ−
N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、カルボキシ、カ
ルボキシ塩、カルボキシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1- 6
)アルキルカルバモイル、(C1-6)アルコキシカルボニル、アリールオキシカ
ルボニル、ウレイド、グアニジノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C1-6
)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィニル(C1-6)アルキルスルホ
ニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリル(C1-6)アルキル、および2つの
隣接する環炭素原子を連結し、炭素環式環を形成する(C3-5)アルキレン鎖か
らなる群より選択される5個までの置換基により置換されている)である場合、
Rはヒドロキシである]
で示される化合物が提供される。
本明細書でいうアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、6個までの炭素
原子を含有する直鎖および分岐鎖基を包含し、それらは、所望により、アリール
、ヘテロサイクリル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ、アリール
(C1-6)アルコキシ、アリール(C1-6)アルキルチオ、アミノ、モノ−または
ジ−(C1-6)アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、カルボキシ
およびそのエステル、ヒドロキシおよびハロゲンからなる群より選択される1ま
たはそれ以上の基により置換されていてもよい。
本明細書にいうシクロアルキルおよびシクロアルケニルは、3ないし8個の環
炭素原子を有する基を包含し、それらは所望によりアルキル、アルケニルおよび
アルキニル基について前記したように置換されていてもよい。
本明細書にて用いる場合、「アリール」なる語は、各環において、適当には、
4ないし7個の、好ましくは5または6個の環原子を含有する単環または縮合環
であり、その各々が非置換であるか、例えば、3個までの置換基で置換されてい
てもよい環を意味する。縮合環系は脂肪族環を有していてもよく、一つだけの芳
香族環を有する必要がある。
適当なアリール基は、フェニルおよび1−ナフチルまたは2−ナフチルなどの
ナフチルを包含する。
適当には、フェニルおよびナフチルを含む、いずれのアリール基も、所望によ
り、5個までの、好ましくは3個までの置換基により置換されていてもよい。適
当な置換基は、ハロゲン、(C1-6)アルキル、アリール、アリール(C1-6)ア
ルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルキル、ハロ
(C1-6)アルキル、アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シア
ノ、アジド、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、
アリールカルボニルアミノ、アシルオキシ、カルボキシ、カルボキシ塩、カルボ
キシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカルバ
モイル、(C1-6)アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ウレイ
ド、グアニジノ、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチ
オ、(C1-6)アルキルスルフィニル、(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサ
イクリルおよびヘテロサイクリル(C1-6)アルキルを包含する。加えて、2つ
の隣接する環炭素原子が(C3-5)アルキレン鎖により連結され、炭素環式環を
形成してもよい。
本明細書にて用いる場合、「ヘテロサイクリル」および「ヘテロサイクリック
」なる語は、適当には、特に限定されない限り、各環中に4個までの、その各々
が酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子を適宜含有し、環
が置換されていないか、例えば3個までの置換基により置換されている、芳香族
または非芳香族の単環または縮合環を包含する。ヘテロサイクリック環は、各々
、適宜、4ないし7個の、好ましくは5または6個の環原子を有する。ヘテロサ
イクリック縮合環系は炭素環式環を有していてもよく、1つだけのヘテロサイク
リック環を有することを必要とする。
好ましくは、ヘテロサイクリル基についての置換基は、ハロゲン、(C1-6)
アルキル、アリール(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アル
コキシ(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ
−およびジ−N−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ塩、カ
ルボキシエステル、カルバモイル、モノ−およびジ−N−(C1-6)アルキルカ
ルボニル、アリールオキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボニル(C1-6
)アルキル、アリール、オキシ基、ウレイド、グアニジノ、スルホニルア
ミノ、アミノスルホニル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィ
ニル、(C1-6)アルキルスルホニル、ヘテロサイクリルおよびヘテロサイクリ
ル(C1-6)アルキルから選択される。
本発明の特に好ましい態様において、Rはヒドロキシであり;R1は1−また
は2−ナフチルメチルであり;および/またはR2はベンジルまたはt−ブチルで
あり;および/またはR3は水素またはメチルである。本発明のさらなる態様にお
いて、Rはヒドロキシであり;R1は置換されていてもよい、例えばパラ−置換
ベンジルであり;R2はt−ブチルであり;およびR3は水素またはメチルである
。本発明のさらに別の態様において、RないしR3は、各々、以下の実施例にお
いてその置換基について記載されているものからなる群より選択される。好まし
くは、本発明の式(I)の化合物は、以下の実施例に記載されている化合物から
なる群より選択される。
さらなる態様によれば、本発明は、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患
などの、s−CD23の過剰生産が関与する障害の治療または予防用の医薬の製
造における式(I)の化合物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患
などの、s−CD23の過剰生産が関与する障害の治療または予防方法であって
、式(I)の化合物をその治療または予防を必要とするヒトまたはヒト以外の哺
乳動物に投与することからなる方法を提供する。
本発明はまた、アレルギー、炎症障害および自己免疫疾患などの、s−CD2
3の過剰生産が関与する障害の治療または予防用の医薬組成物であって、式(I
)の化合物と、所望により医薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供す
る。
さらなる態様によれば、本発明は、限定されるものではないが、炎症、発熱、
心血管作用、出血、凝固および急性期応答、カヘキシーおよび食欲不振、急性感
染、ショック状態、対宿主移植片反応および自己免疫疾患を含む、TNFにより
介在される症状を治療または予防するための医薬の製造における式(I)の化合
物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明はTNFにより媒介される症状の治療または予
防
方法であって、式(I)の化合物をその治療または予防を必要とするヒトまたは
ヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法を提供する。
本発明はまた、TNFにより介在される症状の治療または予防用の医薬組成物
であって、式(I)の化合物と、そのための医薬上許容される担体とからなる組
成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、s−CD23の過剰生産が関与する、アレ
ルギー、炎症障害および自己免疫疾患などの障害の治療または予防用の方法であ
って、TNFのプロセシングの阻害剤である化合物、ただし、マトリックス・メ
タロプロテアーゼの阻害剤以外の化合物をその治療または予防を要するヒトまた
はヒト以外の哺乳動物に投与することからなる方法を提供する。
特定の炎症障害として、アルツハイマー病、多発性硬化症および多梗塞性痴呆
症などのCNS障害、ならびに発作および頭部外傷の炎症介在性続発症が挙げら
れる。
式(I)の化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物および他の医薬上許容され
る誘導体もまた、本発明に含まれることは明らかである。
式(I)の化合物の塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、
プロピオン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、コハク
酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩などの無機または有機酸
より誘導される酸付加塩を包含する。
また、塩基と塩を形成していもよい。かかる塩は、無機または有機塩基から由
来の塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、およびモ
ルホリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミン塩などの有機アミ
ン塩を包含する。
意外にも、本発明の化合物は、前記した先行文献の化合物と比較して、低コラ
ゲナーゼ阻害活性を示すが、CD23プロセシングおよびTNF放出の強力かつ
選択的阻害剤であることが見出された。
本発明の化合物は、適当な慣用的方法、例えば、特許公報GB2268934
に記載されている方法と類似する方法を用いることにより調製することができる
。
したがって、本発明のさらなる態様は、前記した式(I)の化合物の製法であ
って、
(a)式(II):
〔RないしR3は前記と同意義であり、Xはベンジルまたはトリメチルシリルな
どの保護基を意味する]
で示される化合物を脱保護するか、または
(b)式(III):
[RないしR3は前記と同意義であり、ヒドロキシ基は所望により置換されてい
てもよい]
で示される化合物を、ヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させるか、または
(c)式(IV):
[R1ないしR3は前記と同意義である]
で示される化合物を、チオールと反応させ、式(I)の化合物(Rはアルキルチ
オ、アリールチオ、アラルキルチオまたはヘテロサイクリルチオにより置換され
ているメチルである)を得るか、または
(d)式(I)の化合物を前記した式(I)の別の化合物に変換する
ことからなる方法を提供する。
式(II)および(III)の化合物(Rはヒドロキシまたは保護ヒドロキシであ
る)および式(IV)の化合物(R1はヘテロサイクリルメチルである)は新規で
あり、本発明のさらに別の態様を形成する。
式(II)の化合物は、保護ヒドロキシルアミンとの反応により式(III)の化
合物より調製することができる。1またはそれ以上の保護ヒドロキシ基を有する
式(III)の化合物は、対応する式(III)の非保護化合物に加水分解することに
より変換することができる。
ヒドロキサム酸についての適当な保護基は当該分野において周知であり、ベン
ジル、トリメチルシリル、t−ブチルおよびt−ブチルジメチルシリルを包含す
る。
カルボン酸についての適当な保護基は当該分野において周知であり、t−ブチ
ル、ベンジルおよびメチルを包含する。
式(III)の特定の化合物は、式(V):
[式中、R1ないしR3は前記と同意義であり、Yはt−ブチルなどの保護基であ
り、ZはZCH2−がRであるような基である]
で示される化合物を還元することにより調製することができる。
式(III)の化合物はまた、式(VI):[式中、R、R1およびYは前記と同意義である]
で示される化合物を、式(VII):
[式中、R2およびR3は前記と同意義である]
で示される化合物またはその活性化誘導体と反応させることにより調製すること
ができる。
式(III)の化合物はまた、式(VIII):
[式中、R1ないしR3は前記と同意義である]
で示される化合物を、チオールと反応させ、式(III)の化合物(Rはアルキル
チオ、アリールチオ、アラルキルチオまたはヘテロサイクリルチオである)を得
ることにより調製することもできる。
式(VIII)の化合物は、式(IX):
[式中、R1およびYは前記と同意義である]
で示される化合物を、前記した式(VII)の化合物またはその活性化誘導体と反
応させ、つづいて加水分解し、保護基Yを除去することにより調製することがで
きる。
本発明の特定の態様は、前記した式(I)の化合物(Rはヒドロキシである)
の製法であって、式(X):
[式中、R1ないしR3は前記と同じであり、R4およびR5は、同一または異なり
、各々、水素またはヒドロキシ保護基であるか、またはR4およびR5は一緒にな
って二価保護基を形成する]
で示される化合物を、ヒドロキシルアミンまたはその塩と反応させることからな
る方法を提供する。
式(X)の化合物(R4およびR5は水素である)は、対応する化合物(R4お
よびR5は水素以外の基である)を脱保護すること(例えば、加水分解および/
または脱エーテル化)により調製することができる。
式(X)の化合物(R4およびR5は水素以外の基である)は、式(XI)
[R1、R4およびR5は前記と同じ]
で示される化合物を、前記した式(VII)の化合物と反応させることにより調製
することができる。
式(IX)の好ましい化合物は、式(XII):[式中、R1は前記と同じ]
で示される化合物をジメトキシプロパンと反応させることにより調製することが
できる。
式(XII)の化合物は、2−ヒドロキシコハク酸のジエステル(例えば、ジメ
チルまたはジエチルエステル)を、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基
の存在下、式:RIX’(X’は臭素またはヨウ素などの脱離基である)で示さ
れる化合物と反応させ、ついで得られた化合物を加水分解してエステル基を除去
することにより調製することができる。
立体異性体を含め、本発明の化合物の異性体は、そのような異性体の混合物と
して、または個々の異性体として調製できる。個々の異性体は、いずれか適当な
方法により調製してもよく、例えば、個々の立体異性体はキラル基質より開始す
る立体特異的化学合成により調製してもよく、または公知手段によりジアステレ
異性体の混合物を分離することにより調製してもよい。好ましい態様において、
本発明は、式(IA):
で示される化合物を提供する。
化合物は実質的に純粋な形態にて単離されることが好ましい。
本明細書中に記載したように、可溶性ヒトCD23形成の阻害剤は有用な医薬
特性を有する。その有効化合物を医薬上許容される組成物として投与することが
好ましい。
該組成物は経口投与に適していることが好ましい。しかし、該組成物は、気道
障害を治療するために、例えば、スプレー、エアロゾルまたは他の慣用的な吸入
方法の形態にて;または心不全を患っている患者のために、非経口投与の形態に
て投与する他の方法に適していてもよい。他の投与方法として、舌下または経皮
的投与が挙げられる。
組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、ロゼンジ、坐剤、復元可能な散剤ま
たは液体製剤、例えば経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であっても
よい。
投与に一貫性をもたすために、本発明の組成物は単位用量の形態であることが
好
ましい。
経口投与の単位投与形は錠剤およびカプセルであってもよく、結合剤、例えば
シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニル
ピロリドン;充填剤、例えばラクトース、ショ糖、トウモロコシ澱粉、リン酸カ
ルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤化滑沢剤、例えばステアリン酸マ
グネシウム;崩壊剤、例えば澱粉、ポリビニルピロリドン、澱粉グリコール酸ナ
トリウムまたは微結晶セルロース;または医薬上許容される湿潤剤、例えばラウ
リル硫酸ナトリウムなどの通常の賦形剤を含有してもよい。
固形経口用組成物は、通常の混合、充填または錠剤化方法により調製すること
ができる。繰り返し混合操作を用いて、活性剤を多量の充填剤を用いる組成物全
体に分配させることができる。そのような操作は、もちろん、当該分野にて慣用
的である。錠剤は、製薬慣習に周知の方法に従って、特に腸溶性コーティング剤
で被覆してもよい。
経口用液体製剤は、例えば、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態
であってもよく、あるいは使用前に水または他の適当なビヒクルで復元する乾燥
品として提供してもよい。そのような液体製剤は、沈殿防止剤、例えばソルビト
ール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、硬化食用脂;乳
化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性ビヒ
クル(食用油を含んでいてもよい)、例えばアーモンド油、分別ココヤシ油、グ
リセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコールのエステルなどの油性
エステル;保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルあるい
はソルビン酸;および要すれば、通常のフレーバーまたは着色剤などの通常の添
加剤を含有してもよい。
非経口投与の場合、化合物と滅菌ビヒクルを用いて流体単位投与形を調製し、
使用する濃度に応じて、ビヒクルに懸濁させるかまたは溶解させることができる
。溶液を調製するにおいては、化合物を注射用水に溶かし、滅菌濾過し、適当な
バイアルまたはアンプルに充填して密封することができる。有利には、局所麻酔
薬、保存剤および緩衝剤などのアジュバントをビヒクルに溶かすことができる。
安定性を高
めるために、組成物をバイアルに充填した後に凍結し、真空下で水を除去するこ
とができる。非経口懸濁液は、化合物をビヒクルに溶かす代わりに懸濁させるこ
と、滅菌処理を濾過により行うことができないことを除いて、実質的に同じ操作
にて調製する。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁させる前に酸化エチレンに曝すこ
とにより滅菌処理することができる。有利には、界面活性剤または湿潤剤を組成
物に配合し、化合物の均一な分散を容易にする。
本発明の組成物はまた、適当には、嗅剤または噴霧器用のエアロゾルもしくは
溶液として、あるいは通気用の微細粉末として、単独でまたはラクトースなどの
不活性担体と組み合わせて、気道に投与するように付与することができる。その
ような場合、活性な化合物の粒子は、径が50ミクロン以下、好ましくは10ミ
クロン以下、例えば1−50ミクロン、1−10ミクロンまたは1−5ミクロン
の範囲の径を有する。適当ならば、少量の他の抗喘息薬および気管支拡張剤、例
えば、イソプレナリン、イソエタリン、サルブタモール、フェニレフリンおよび
エフェドリンなどの交感神経興奮作用性アミン;テオフィリンおよびアミノフィ
リンなどのキサンチン誘導体;およびプレドニソロンなどのコルチコステロイド
およびACTHなどの副腎刺激剤が含まれていてもよい。
組成物は、投与方法に応じて、0.1ないし99重量%、好ましくは10−6
6重量%の活性物質を含有してもよい。吸入投与の場合の好ましい範囲は、10
−99%、特に60−99%、例えば90、95または99%である。
微細粉末処方は、適当には、計量した用量のエアロゾルにてまたは適当な呼吸
活性化装置を用いて投与することができる。
適当な計量した用量のエアロゾル処方は、通常の噴射剤、エタノールなどの共
溶媒、オレイルアルコールなどの界面活性剤、オレイルアルコールなどの滑沢剤
、硫酸カルシウムなどの乾燥剤および塩化ナトリウムなどの比重調節剤を含んで
なる。
噴霧器に適する溶液は、標準的噴霧装置で用いるための、所望により、例えば
pH4−7に緩衝化されていてもよく、20mg/mlまでの、より一般には0
.1ないし10mg/mlの化合物を含有する、滅菌等張溶液である。
有効量は、本発明の化合物の相対的効能、治療すべき障害の重度および患者の
体
重に依存するであろう。適当には、単位投与形の本発明の組成物は、0.1ない
し1000mgの、より一般には1ないし500mg、例えば、1ないし25ま
たは5ないし500mgの本発明の化合物(吸入では、0.001ないし10m
g)を含有する。かかる組成物を、一日に1ないし6回、より一般には一日に2
ないし4回、70kgの成人で一日の用量が1mgないし1g、さらには5ない
し500mgであるように投与してもよい。この用量は約1.4x10-2mg/
kg/日ないし14mg/kg/日の範囲にあって、さらには約7x10-2mg
/kg/日ないし7mg/kg/日の範囲にある。
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、何ら本発明を制限するものではな
い。
生物学的試験方法
操作1: 試験化合物の可溶性CD23の放出を阻害する能力を以下の方法を用
いて試験した。
RPMI8866細胞膜CD23切断活性アッセイ:
高レベルのCD23を発現するRPMI8866細胞、ヒトEpstein-Barrウイ
ルス形質転換B−細胞系(Sarfatiら、Immunology60[1987]539-54
7)からの原形質膜を水性抽出法を用いて精製する。均質化緩衝液(20mM
HEPES pH7.4、150mM NaCl、1.5mM MgCl2、1mM
DTT、に再び懸濁させた細胞をParrボンベでのN2キャビテーションにより破
壊し、他の膜と混合している原形質膜フラクションを10000xgで遠心分離
に付すことにより回収する。比重の小さいペレットを1−3gの湿った細胞当た
り2mlの0.2Mリン酸カリウム(pH7.2)に再び懸濁させ、核ペレット
を捨てる。その膜を、膜タンパク質10−15mg当たり合計16gにて、0.
25Mシュークロースで、デキストラン500(6.4%w/w)とポリエチレ
ングリコール(PEG)5000(6.4%w/w)(ref)の間に分配してさら
に分画する[MorreおよびMorre、BioTechniques 7,946-957(1989)]
。短時間、1000xgで遠心分離に付して相を分離し、PEG相(上相)を収
集し、20mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)で3ないし5倍に希釈し、
100000xgで遠心分離
に付し、その相中の膜を回収する。ペレットを再びリン酸緩衝化セイラインに懸
濁させる。それは3ないし4倍豊富な原形質膜ならびに他の細胞膜(例えば、リ
ソソーム、ゴルジ(Golgi))を有している。膜をアリコートし、−80℃で貯蔵す
る。6.6%デキストラン/PEGで分画し、10倍豊富な原形質膜を得る。
分画した膜を37℃で4時間までインキュベートし、CD23のフラグメント
を得、アッセイをP30994の調製例1(5μM)を用いてクエンチした後、
それを0.2ミクロンのDuraporeフィルタープレート(Millpore)で濾過して膜
から分離する。膜より分離したsCD23を、The Binding Site(バーミンガム
、UK)からのEIAキットまたはサンドウィッチEIAにて捕獲抗体としてM
HM6抗-CD23mAb[Roweら、Int.J.Cancer,29,373-382(1
982)]もしくは他の抗-CD23mAbを利用する同様のキットを用いて測定
する。総容量50μlのリン酸塩緩衝化セイライン中、0.5μg膜タンパク質
を用いて製造した可溶性CD23の量をEIAで測定し、種々の濃度の阻害剤の
存在下で得られた量と比較する。阻害剤を水またはジメチルスルホキシド(DM
SO)の溶液に調製する。最終のDMSO濃度は最大2%である。IC50を、
sCD23産生の50%阻害が阻害剤不在の下でインキュベートされた対照との
間でsCD23の相違に関連して観察される場合の濃度として曲線適合により決
定する。
操作2:試験化合物のコラゲナーゼを阻害する能力を以下の操作を用いて試験し
た。
コラゲナーゼ阻害アッセイ
化合物のコラゲナーゼ阻害剤として作用する強度を、出典明示により本明細書
の一部とする、CawstonおよびBarrett(Anal.Biochem.99,340-345,
1979)の方法により測定した。すなわち、試験する阻害剤の1mM溶液また
は希釈体を、コラーゲンおよびイー・コリよりクローンし、発現させて精製した
滑液繊維芽細胞からのヒト組換えコラゲナーゼと37℃で18時間インキュベー
トした(15mM塩化カルシウム、0.05%Brij35、200mM塩化ナトリ
ウムおよび0.02%ナトリウムアジドを含有する150mM Tris(pH7
.6)を用いて緩衝化した)。コラーゲンはCawstonおよびMurphyの方法(Enzymo
logy80,711,
1981の方法)により調製したアセチル化3H1型ウシコラーゲンであった。
試料を遠心分離に付して未消化コラーゲンを沈殿させ、放射活性な上清のアリコ
ートを取り出し、加水分解測定手段としてシンチレーションカウンターでアッセ
イした。1mM阻害剤またはその希釈体の存在下にあるコラゲナーゼ活性を阻害
剤を欠く対照の活性と比較し、その結果をコラゲナーゼの50%を阻害する濃度
(IC50)として報告した。
操作3:試験化合物のTNF放出の阻害能を以下の方法を用いて試験した。
TNFαの、リポ多糖類(LPS)エンドトキシンによって刺激されたヒト単球
からの放出の阻害についてのアッセイ
10%ウシ胎児血清を補足したRPMI1640培地中で培養したヒト単球を
1000gで5分間遠心分離に付し、ついで培地に2x106細胞/mlで再び
懸濁させる。その細胞懸濁液を24ウェルプレートに1ml/ウェルでアリコー
トする。試験すべき化合物を純粋なジメチルスルホキシド(DMSO)に溶かし
、0.1%の最終DMSO濃度で培養液に加える。化合物を3重ウェルで細胞に
加える。LPSを200ng/mlの最終濃度で細胞に添加することによりTN
Fα放出を刺激する。適当な対照培養液も3重ウェルで試験する。プレートを3
7℃、5%CO2で18−20時間インキュベートし、ついで1000xgで5
分間遠心分離に付す。ヒトTNFαに特異的なELISA(SmithKline Beecham
)を用いて無細胞培養上澄中のTNFレベルを測定する。
実施例1
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル)ス
クシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミドの調製
a)ジメチル2S-ヒドロキシ-3R-(2-ナフチルメチル)スクシネート
ジイソプロピルアミン(3.1ml)22ミリモル)のテトラヒドロフラン(
30ml)中溶液に、-10℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、13
.75ml、22ミリモル)を滴下した。溶液を30分間攪拌し、ついで-70℃
に冷却し、(S)-ジメチルマレート(1.6g、10ミリモル)のテトラヒドロフ
ラン(20ml)中溶液を滴下した。90分後、2-ナフチルメチルブロミド(4
.42g、22ミリモル)を加えた。反応物を2時間攪拌し、ついで2N塩酸に
注ぎ、生成物をジエチルエーテル(3x50ml)で抽出した。合した抽出液を
水(30ml)、炭酸水素ナトリウム(30ml)、ブラインで洗浄し、乾燥(
MgSO4)した。濾過および蒸発に付して油状物を得、それをシリカ上のクロ
マトグラフィーに付した。グラジエント溶出(0-50%エーテル/ヘキサン)
により、白色固体(1.08g)を得た。融点91-92℃。1
H NMR(CDCl3)3.13-3.47(3H,m)、3.26(1H,d,J=7Hz)
、3.69(3H,s)、3.74(3H,s)、4.12(1H,dd,J=7,2.5Hz)、7.
38-7.50(3H,m)、7.73(1H,s)、7.81(4H,brd,J=8Hz)。
b)N'-[2R-(22-ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキサラン-5S-イル)-3-(
2-ナフチル)プロパノイル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド
ジメチル2S-ヒドロキシ-3R-(2-ナフチルメチル)スクシネート(2.0g
、6.6ミリモル)のジオキサン(15ml)および水(30ml)中溶液に、
水酸化カリウム(1.11g)を添加した。黄色溶液を3時間加熱還流し、Dowex
50x8樹脂を用いて酸性化して濃縮した。得られた桃色固体をジメチルホルム
アミド(50ml)および2,2-ジメトキシプロパン(50ml)に溶かし、塩
化トシル(0.1g)を加えた。18時間攪拌した後、溶液を濃縮した。残渣を
酢酸エチルに溶かし、炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥(MgSO4)し
て黄色泡沫状(1.664g)にまで濃縮した。この物質を乾燥ジメチルホルム
アミド(10ml)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(367m
g)に溶かし、tert-ロイシンメチルアミド(218mg、1.5ミリモル)お
よび1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(312
mg、1.6ミリモル)を加えた。その溶液を18時間攪拌し、ついで濃縮した
。残渣を酢酸エチルに溶かし、クエン酸(10%、2x20ml)、水(20ml)
、炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)およびブライン(10ml)で洗浄して
乾燥(MgSO4)した。溶媒を除去して、残渣をシリカ上のクロマトグラフィ
ー(ジエチルエーテル)に付し、白色粉末のN'-[2R-(2,2-ジメチル-4-オ
キソ-1,3-ジオキサラン-5S-イル)-3-(2-ナフチル)プロパノイル]-S-tert
-ロイシン-N-メチルアミド(434mg)を得た。融点118-9℃。1
H NMR(d6 DMSO)0.84(9H,s)、1.49(3H,s)、1.59(3H,s
)、2.33(3H,d,J=4.5Hz)、3.0-3.24(2H,m)、4.16(1H,d,J=10
Hz)、4.55(1H,d,J=8.5Hz)、7.33(1H,d,J=7Hz)、7.4-7.5(2H
,m)、7.65(1H,s)、7.67-7.86(5H,m)。
c)N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル
)スクシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド.
N'-[2R-(2,2-ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキサラン-5S-イル)-3-(
2-ナフチル)プロパノイル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド(410mg、
0.9ミリモル)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(259mg、3.7ミリモル)
およびN-メチルモルホリン(0.41ml、3.7ミリモル)のメタノール(5m
l)中溶液を24時間攪拌した。溶液を濃縮し、ジエチルエーテル、水でトリチ
ュレートし、ついで濾過して白色固体のN'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキ
シアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル)スクシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチル
アミドを得た(257mg)。融点189-90℃。1
H NMR(d6 DMSO)0.85(9H,s)、225(3H,d,J=4.5Hz)、2
.74(1H,dd,J=13.4,5Hz)、2.94(1H,app t,J=11Hz)、3.07-
3.09(1H,m)、3.86(1H,t,J=7.5Hz)、4.09(1H,d,J=10Hz)、5
.55(1H,d,J=8Hz)、7.29(1H,d,J=8Hz)、7.4-7.51(3H,m)、
7.51(1H,s)、7.75-7.85(4H,m)、8.89(1H,s)、10.67(1H,
s)。
実施例1に記載の方法を用いて以下の化合物を調製した。
実施例2
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド融点168-70℃。1H NMR(d6 DMSO)228(3H,d,J=4Hz)、2.
77-2.96(5H,m)、3.94(1H,t,J=4Hz)、4.27(1H,q,J=5Hz)、5.7
7(1H,d,J=6Hz)、7.1-7.87(13H,m)、7.98(1H,d,J=7,5Hz)、8
.93(1H,s)、10.74(1H,s)。
実施例3
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニンアミド
融点175-7℃。1H NMR(d6DMSO)2.75-3.0(4H,m)、3.01
(1H,dd,J=13.5,5Hz)、3.93(1H,t,J=6Hz)、4.26(1H,dd,J=8,5
.5Hz)、5.82(1H,d,J=6Hz)、7.02(1H,brs)、7.16(5H,s)、7.22
(2H,d,J=10Hz)、7.41-7.50(2H,m)、7.55(1H,brs)、7.75-7.
86(3H,m)、7.95(1H,d,J=8Hz)、8.91(1H,s)、10.70(1H,s)。
実施例4
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(3-ヨードベンジル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニンアミド MH+512
実施例5
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(4-メチルベンジル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニンアミド MNa+422
実施例6
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(3-メチルベンジル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニンアミド MNa+422
実施例7
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(ベンジル)スクシニル]
-S-フェニルアラニンアミド MNa+408
実施例8
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-メチルベンジル)ス
クシニル]-S-フェニルアラニンN-メチルアミド MH+414
実施例9
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(ベンジル)スクシニル]
-S-フェニルアラニンN-メチルアミド MH+400
実施例10
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-フェニルベンジル
)スクシニル]-S-フェニルアラニンN-メチルアミド MNa+498
実施例11
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(3-ヨードベンジル)ス
クシニル]-S-tert-ロイシンN-メチルアミド MH+492
実施例12
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(4-メチルベンジル)ス
クシニル]-S-tert-ロイシンN-メチルアミド MH+380
実施例13
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(3-メチルベンジル)ス
クシニル]-S-tert-ロイシンN-メチルアミド MH+380
実施例14
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(ベンジル)スクシニル]
-S-tert-ロイシンN-メチルアミド MH+366
実施例15
N'−[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(4-アジドベンジル)
スクシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド MH+407
実施例16
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(2-ベンゾチオフェ
ニルメチル)スクシニル]-S-フェニルアランアミド
融点.189-190℃。1H NMR(d6 DMSO)2.8-3.14(5H,m)、
4.00(1H,t,J=6.5Hz)、4.31(1H,dd,J=5,3Hz)、5.85(1H,d,J=6
.5Hz)、6.97(1H,s)、7.06(1H,br s)、7.15(5H,S)、7.24-7.3
2(2H,m)、7.34(1H,br s)、7.67(1H,d,J=7Hz)、7.84(1H,d,J=7
Hz)、7.99(1H,d,J=8Hz)、8.93(1H,d,J=2Hz)、10.70(1H,d
,J=2Hz)。
実施例17
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(3-ベンゾチオフェニ
ルメチル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド融点.148-150℃。 MH+=456;MNa+=478。
実施例18
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(2-ベンゾフラニル
メチ
ル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
融点.160-161℃。 1H NMR(d6 DMSO)2.43(3H,d,J
=4Hz)、2.75-3.10(5H,m)、4.01(1H,t,J=6Hz)、4.33(1H,appq,
J=5.5Hz)、5.86(1H,d,J=6Hz)、6.40(1H,s)、7.02-7.25(7H,
m)、7.44-7.50(2H,m)、7.66(1H,q,J=4Hz)、8.07(1H,d,J=6Hz)
、8.94(1H,s)、10.75(1H,s)。
実施例19
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(4-ヒドロキシベンジ
ル)スクシニル]-S-フェニルアランアミド融点.154-155℃。1H NMR(d6 DMSO)2.49-2.58(2H,ob
s)、2.66(1H,dd,J=14,8Hz)、2.84(1H,dd,J=14,8Hz)、3.08
(1H,dd,J=14,5Hz)、3.85(1H,t,J=6.5Hz)、4.27(1H,m)、5.
74(1H,d,J=6.5Hz)、6.58(2H,d,J=8Hz)、
6.81(2H,d,J=8Hz)、7.05(1H,br s)、7.15-7.26(6H,m)、7.8
3(1H,d,J=8Hz)、8.86(1H,s)、9.14(1H,s)、10.64(1H,s
)。
実施例20
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(7-メトキシベンゾフ
ラニルメチル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
融点.161-163℃。 MH+=470;MNa+=492。
実施例21
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(2-(3-メチル)ベン
ゾチオフェニルメチル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミドMH+=470;MNa+=492。
実施例22
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(4-ベンジルオキシベ
ンジル)スクシニル]-S-フェニルアランアミド
融点.179-180℃(メタノール/酢酸エチル)。1H NMR(d6DMSO)
2.5-2.93(4H,m)、3.02(1H,dd,J=14,5Hz)、3.86(1H,t,J=6
Hz)、4.28(1H,dd,J=14,5Hz)、5.03(2H,s)、5.72(1H,d,J=6
Hz)、6.83(2H,d,J=8.5Hz)、6.93(2H,d,J=8.5Hz)、7.04(1H,s)
、7.08(1H,s)、7.1-7.3(5H,m)、7.3-7.5(5H,m)、7.86(1H,
d,J=8Hz)、8.86(1H,s)、10.64(1H,s)。
実施例23
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(3,4-ジメチルベン
ジル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド融点.163-165℃。MH+=428。
実施例24
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(4-(プロプ-2-イル)
ベンジル)スクシニル]-S-フェニルアランアミド
融点.168-170℃。 MNa+=450。
実施例25
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ベンズチアザリル
メチル)スクシニル]-S-tert-ロイシンN-メチルアミド
融点.132-134℃。 1HNMR(d6DMSO)0.86(9H,s)、2.39
(3H,d,J=4.5Hz)、2.5-2.6(1H,obs)、3.0-3.24(2H,m)、3.9
5(1H,t,J=3Hz)、4.15(1H,d,J=8Hz)、7.4-7.7(3H,m)、7.75
(1H,brq,J=4.5Hz)、7.88(1H,d,J=9Hz)、8.94(1H,s)、10.73(
1H,s)。
実施例26
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(2-ベンズチアザリル
メチル)スクシニル]-S-フェニルアランアミド
融点.165-167℃。 1H NMR(d6DMSO)2.88(1H,dd,J=14,
8Hz)、3.01-3.22(4H,m)、4.06(1H,appt,J=6.5Hz)、4.28(1H
,dd,J=8,3Hz)、5.80(1H,d,J=6Hz)、7.05-7.15(6H,m)、7.3
8-7.51(3H,m)、7.89(1H,d,J=8Hz)、8.02(1H,d,J=7Hz)、8.08(
1H,d,J=8Hz)、8.95(1H,s)、10.71(1H,s)。
実施例27
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-{2-(4-ニトロベンジ
ル)}スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
MH+=445。
実施例28
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-{2-(4-アミノベンジ
ル)}スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
M+=414。
実施例29
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-{2-(4-ベンゾイルア
ミノベンジル)}スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
MNa+=541。
実施例30
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-{2RS-(1,2,3,4
-テトラヒドロナフチルメチル)}スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチル
アミドMNa+=476。1
H NMR(d6DMSO)1.07-1.45(2H,m)、1.49-1.67(2H,m)、
2.10-2.31(1H,m)、2.46(3H,d,J=4.4Hz,D2Oとの一重線への潰れ
)、2.51-2.65(4H,m)、2.81-2.87(2H,m)、3.06(1H,d,d,J=
4.2 & 8.0Hz)、3.89(1H,t,J=7.3Hz,J=7.0Hz(D2Oとの二重線へ
の潰れ))、4.30-4.47(1H,m)、5.65(1/3H,d,J=7.2Hz,D2Oとの
交換)、5.72(2/3H,d,J=7.2Hz,D2Oとの交換)、7.03-7.18(9H
,m)、7.80(2/3H,q,J=4.3Hz,D2Oとの交換)、7.89(1/3H,q,J=4.
3Hz,D2Oとの交換)、7.98(1H,d,J=8.25Hz,D2Oとの交換)、8.8
8(1H,s,D2Oとの交換)、10.66(1H,s,D2Oとの交換)。
実施例31
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(2-ナフチルメチル)
スクシニル]-S-tert-ロイシンアミド
MNa+=4241
H NMR(d6DMSO)0.90(9H,s)、2.75(1H,dd,J=13,5Hz)
、2.97-3.31(2H,m)、3.84(1H,t,JJ=7Hz)、4.15(1H,d,J=
10Hz)、5.61(1H,d,J=8Hz)、6.88(1H,s)、7.242(1H,s)、7
.32(1H,d,J=8Hz)、7.45(2H,m)、7.55(1H,d,J=10Hz)、7.63
(1H,m)、7.82(3H,m)、8.88(1H,s)、10.68(1H,s)。
実施例32
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(5-ベンゾチオフェニ
ルメチル)スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
MH+=456、 MNa+=4781
H NMR(d6DMSO)2.36(3H,d,J=4Hz)、2.81-3.15(5H,m)
、3.92(1H,m)、4.30(1H,m)、5.78(1H,d,J=6Hz)、7.05(1H,d
,J=8Hz)、7.17(5H,m)、7.35(2H,d,J=5.5Hz)、7.52(1H,s)
、7.71(1H,d,J=5Hz)、7.83(1H,d,J=8Hz)、7.96(1H,d,J=8
Hz)、8.92(1H,s)、10.73(1H,s)。
実施例33
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(4-ビフェニルメチル)
スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミド
MH+=476、 MNa+=4981
H NMR(d6DMSO)2.44(3H,d,J=5Hz)、2.56-2.87(4H,m)
、3.01(1H,dd,J=13.7,5Hz)、3.93(1H,t,J=6.5Hz)、4.31(
1H,m)、5.78(1H,d,J=6Hz)、7.10-7.65(15H,m)、7.97(1H,d,J=
8Hz)、8.92(1H,s)、10.72(1H,s)。
実施例34
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N−ヒドロキシアミノ)-2-R-(2−5,6,7,8-テ
トラヒドロナフチルメチル)スクシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド
MNa+=442
実施例35
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2-R-(1-ナフチルメチル)
スクシニル]-S-tert-ロイシン-N-メチルアミド
MNa+=438
実施例36
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(4-ベンジル)ベンジル
スクシニル]-S-フェニルアラニン-N-メチルアミドMNa+=512
実施例37
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(3-キノリニル)メ
チル)スクシニル-S-フェニル-アラニンアミド.1
H NMR(d6DMSO;4006MHz)2.83-3.02(5H,m)、3.9
7(IH,br.d)、4.28(1H,m)、5.81(1H,br.s)、6.98(1H,br.s)
、7.16(5H,m)、7.28(1H,br.m)、7.57(1H,ddd,J=8,7,1Hz
)、7.70(1H,ddd,J=8,7,1Hz)、7.86(1H,dd,J=8,1Hz)、7.95-
7.99(3H,m)、8.66(1H,d,J=2Hz)、8.91(1H,br.s)、10.72
(1H,m)。
実施例38
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(3-キノリニル)メ
チル)スクシニル-S-tyrosinアミド1
H NMR(d6DMSO;400MHz)2.73-2.94(5H,m)、3.97(
1H,br.t)、4.21(1H,m)、5.84(1H,br.d,J=6Hz)、6.60(2H,
d,J=8Hz)、6.95(1H,br.s)、6.96(2H,d,J=8Hz)、7.24(1H,b
r.s)、7.56(1H,ddd,J=8,7,1Hz)、7.69(1H,ddd,J=8,7,
1Hz)、7.85-7.98(4H,m)、8.66(1H,d,J=2Hz)、8.91(1H,br.s)
、9.13(1H,s)、10.73(1H,s)。
実施例39
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(6,7-ジフルオロ
ナフチル)メチル)スクシニル-S-チロシンアミド1
H NMR(d6DMSO;400MHz)2.67-2.87(5H,m)、3.89(
1H,t,J=6Hz)、4.16(1H,m)、5.74(1H,d,J=6Hz)、6.56(2H,d
,J=8Hz)、6.90(1H,br.s)、6.92(2H,d,J=8Hz)、7.04(1H,br.s)
、7.21(1H,d,J=8Hz)、7.51(1H,s)、7.73-7.92(4H,m)、8.
86(1H,s)、9.09(1H,s)、10.66(1H,s)。
実施例40
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(6-ヒドロキシナ
フチル)メチル)スクシニル-S-フェニルアラニンアミド1
H NMR(d6DMSO;400MHz)2.69-2.88(4H,m)、3.01(
1H,dd,J=14,4Hz)、3.90(1H,t,J=6Hz)、4.26(1H,m)、5.83(
1H,d,J=6Hz)、7.02-7.25(10H,m)、7.40(1H,s)、
7.53(1H,d,J=8Hz)、7.62(1H,d,J=9Hz)、7.95(1H,d,J=8Hz)
、8.93(1H,s)、9.64(1H,s)、10.7(1H,s)。
実施例41
N'-[3S−ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(6-フルオロナフ
チル)メチル)スクシニル-S-フェニルアラニンアミド
融点198-201℃;1H NMR(d6 DMSO;400MHz)2.74-2.9
3(4H,m)、3.01(1H,dd,J=14,5Hz)、3.93(1H,t,J=6Hz)、
4.27(1H,m)、5.78(1H,d,J=6Hz)、6.98(1H,br.s)、7.16(
6H,m)、7.26(1H,d,J=8Hz)、7.37(1H,m)、7.59(1H,s)、7.
63(1H,dd,J=12,2Hz)、7.76(1H,d,J=9Hz)、7.86(1H,m)、
7.93(1H,d,J=8Hz)、8.90(1H,s)、10.69(1H,s)。
実施例42
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(7-フルオロナフ
チル)メチル)スクシニル-S-フェニルアラニンアミド
融点197-8℃;1H NMR(d6 DMSO;400MHz)2.76-2.93(
4H,m)、3.01(1H,dd,J=14,5Hz)、3.93(1H,t,J=6Hz)、4.28
(1H,m)、5.77(1H,d,J=7Hz)、6.99(1H,br.s)、7.17(7H,m)、
7.34(1H,m)、7.55(2H,m)、7.80(1H,d,J=8Hz)、7.92(2H,m)
、8.90(1H,s)、10.69(1H,s)。
実施例43
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(6-キノリニル)メ
チル)スクシニル-S-フェニル−アラニンアミド
融点215-20℃;1H NMR(d6DMSO;400MHz)2.80-2.96(
4H,m)、3.01(1H,dd,J=14,5Hz)、3.95(1H,t,J=6Hz)、4.2
8(1H,m)、5.79(1H,d,J=6Hz)、6.99(1H,br.s)、7.15(5H,m
)、7.23(1H,br.s)、7.44-7.50(2H,m)、7.60,(1H,s)、7.
87(1H,d,J=9Hz)、7.95(1H,d,J=8Hz)、8.23(1H,d,J=8Hz)、8
.83(1H,dd,J=4,1Hz)、8.91(1H,s)、10.70(1H,s)。
実施例44
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-(6-ベンジルオキ
シナフチル)メチル)スクシニル-S-フェニルアラニンアミド
融点201-4℃;1HNMR(d6 DMSO;400MHz)2.75(1H,m)、2
.83-2.91(3H,m)、3.01(1H,dd,J=14,5Hz)、3.95(1
5.78,d,J=6Hz)、6.99(1H,br.s)、7.17(8H,m)、7.35(2H,
m)、7.41(2H,m)、7.50(3H,m)、7.64(1H,d,J=8.5Hz)、7.7
2(1H,d,J=9Hz)、7.91(1H,d,J=8Hz)、8.88(1H,s)、10.67(
1H,s)。
実施例45
N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル)
スクシニル]-S-チロシニルアミドの調製
a)N'-[2R-(2,2-ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキサラン-5S-イル)-3
-(2-ナフチル)プロパノイル]-S-チロシニルアミド. この化合物は、実施例1(b)に記載の一般的操作に従い、tert-ロイシンメ
チルアミドの代わりにS−チロシニルアミドを用いて調製した。
δH[(CD3)2SO]1.47(3H,s)、1.50(3H,s)、2.69(1H,ABq,J=13
.8,8.1Hz)、2.82(1H,ABq,J=13.8,5.3Hz)、3.14(2H,m)、4.
38(1H,m)、4.49(1H,d,J=6.2Hz)、6.60(2H,d,J=8.5Hz)、6.9
6(3H,m)、7.12(1H,s)、7.38-7.55(3H,m)、7.69(1H,s)、7.7
9-8.00(4H,m)および9.16(1H,s)。MNa+499(+veイオン電子噴射)
。
b)N'-[3S-ヒドロキシ-4-(N-ヒドロキシアミノ)-2R-(2-ナフチルメチル
)スクシニル]-S-チロシニルアミド
この化合物はm実施例1(c)に記載の一般的操作に従い、N’-[2R-(2,
2−ジメチル-4-オキソ-1,3-ジオキサラン-5S-イル)-3-(2-ナフチル)プ
ロパノイル]-S-チロシニルアミドを用いて調製した。
融点179-180℃。 δH[(CD3)2SO]2.70-3.00(5H,m)、3.93
(1H,m)、4.20(1H,m)、5.85(1H,d,J=6.4Hz)、6.60(2H,d,J=8.
2Hz)、6.97(3H,m)、7.23(2H.s)、7.43-7.57(3H,m)、
7.72-7.92(4H,m)、8.92(1H,s)、9.17(1H,s)および10.72(1
H,s)。(M-H)−450(-veイオン電子噴射)。
活性データ
*比較例は、WO90/05719の実施例2に記載の、式:
[式中、RはCH2S-(2-チエニル)であり、R1はメチルである]
で示される化合物である。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/357 A61K 31/335 603
31/343 31/34 602
31/381 31/38 601
31/428 31/425 603
31/47 31/47
C07D 215/12 C07D 215/12
277/64 277/64
307/79 307/79
317/36 317/36
333/54 333/54
333/60 333/60
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU
(72)発明者 バックル,デレク・リチャード
イギリス、ケイティ18・5エックスキュ
ー、サリー、エプソム、ユー・トゥリー・
ボトム・ロード、グレート・バーグ、スミ
スクライン・ビーチャム・ファーマシュー
ティカルズ
(72)発明者 ファラー,アンドリュー
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、ニュー・フロ
ンティアーズ・サイエンス・パーク・サウ
ス、スミスクライン・ビーチャム・ファー
マシューティカルズ
(72)発明者 スミス,デイビッド・グリン
イギリス、シーエム19・5エイダブリュ
ー、エセックス、ハーロウ、ニュー・フロ
ンティアーズ・サイエンス・パーク・サウ
ス、スミスクライン・ビーチャム・ファー
マシューティカルズ