JP2000508662A - 抗新生物薬および抗レトロウイルス薬として有用なアクリドンから誘導された化合物 - Google Patents

抗新生物薬および抗レトロウイルス薬として有用なアクリドンから誘導された化合物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アクリドンから誘導された式(I)または(II)の幾つかの新規な化合物に関する。これらの化合物は有効な抗ウイルス薬であり、ヒト免疫不全ウイルスなどのウイルス性疾患の処置に有用である。さらにこれらの化合物は、種々の形態の癌の処置に有用な抗新生物薬である。これらの式(I)または(II)において、R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲンであり;nは2〜6であり;XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり;YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり;二重破線は二重結合または結合なしを表す。

Description

【発明の詳細な説明】 抗新生物薬および抗レトロウイルス薬として有用な アクリドンから誘導された化合物 発明の分野 本発明は、アクリドンから誘導された化合物であるビスイミダゾアクリドン類 、ビストリアゾロアクリドン類、ならびにイミダゾアクリドン部分およびトリア ゾロアクリドン部分の両方を含むハイブリッド分子に関する。これらの化合物は 抗新生物薬および抗レトロウイルス薬として有用である。発明の背景 高い抗腫瘍活性を示す多数のアクリジン系化合物が最近報告された。Cholody W.M.ら(1990)は、5−[(アミノアルキル)アミノ]イミダゾ[4,5,1− de]アクリジン−6−オンを新規な一群の抗新生物薬として記載している(J .Med.Chem.33:49-52(1990))。8−置換された5−[(アミノアルキル) アミノ]−6H−v−トリアゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オンも 有効な抗新生物薬として記載されている(J.Med.Chem.33:2852-2856(1990) )。発色団修飾された抗新生物薬イミダゾアクリドンの合成、およびそれらがネ ズミ白血病に有効であることが記載されている(J.Med.Chem.35:378-382(199 2))。Capps,D.B.らは、2−(アミノアルキル)−5−ニトロピラゾロ[3,4 ,5−kl]アクリドンを新規な一群の抗癌薬として記載している(J.Med.Ch em.35:4770-4778(1992))。 上記の化合物は、共通の構造特色として(アミノアルキル)アミノ残基を含む 側鎖1個を保有する四環式平面発色団をもつ。これらの化合物の主な標的はDN Aであり、それらはインターカレーションによりDNAに結合すると考えられて いる。 アクリドンその他の平面状芳香族化合物がインターカレーションによりDNA と相互作用しうることに基づいて、二官能性化合物も有効な抗腫瘍薬として研究 されている。Chen,T.K.ら(1978)は、二官能性インターカレーターとしてジア クリジン類を研究した(J.Med.Chem.21:868-874(1978))。Gaugain,B.ら (1978)は、エチジウムホモ二量体およびアクリジンエチジウムヘテロ二量体の 合成および立体配座特性につき記載している(Biochemistry 17:5071-5078(19 78))。Sinha,B.K.ら(Biochemistry 17:5071-5078(1977))は、ビス(キナ ルジン)誘導体の合成および抗腫瘍性につき記載している(J.Med.Chem.20: 1528-1531(1977))。Roques,B.P.ら(1979)は、ピリドカルバゾール二量体の 抗白血病活性につき記載している(Biochem.Pharmacol 28:1811-1815(1979))。 Pelaprat,D.ら(1980)は、7H−ピリドカルバゾール二量体を有効な抗腫瘍薬 として記載している(J.Med.Chem.23:1336-1343(1980))。Brana,M.F.ら (1993)は、一群の抗腫瘍薬としてのビス−ナフタルイミドを記載している(An ti-Cancer Drug Design8:257-268(1993))。 適切なリンカーにより連結した2つの芳香環系を含む二官能性インターカレー ターが核酸に強く結合することに関して、論理的根拠が提唱された(Canellakis ,E.S.,et al.,Biochem.Biophys.Acta 418:277-283(1976))。このような 化合物はDNAに高い親和性を示すが、このインターカレーションによるDNA との強い結合は一般に抗腫瘍活性とは無関係であることが見出された。 平面状発色団の物理化学的特性、連結鎖の性質(その長さ、堅固さ、およびイ オン化状態)、結合位置、その他の要因を含めた多数の要因が、これらの化合物 とDNAの結合および生物学的作用に強く影響を与える。さらに、DNA結合親 和性と細胞毒性の間に直接的関係はないことが見出された。 二官能性インターカレーター群のインビボ抗腫瘍作用に関するそれらの構造− 活性関係は依然として分からないので、そのような活性を示す構造を推定するこ とができない。わずかな構造修飾がその薬剤の生物学的特性を著しく変化させる 可能性がある。したがって、高い抗新生物活性、特に特定の腫瘍に選択的に向け られた活性をもつ他の化合物を見出すという目標がある。 特定のビスイミダゾアクリドン類、近縁のビストリアゾロアクリドン類、なら びにイミダゾアクリドン部分およびトリアゾロアクリドン部分の両方を含むハイ ブリッド分子が有効かつ選択的な抗腫瘍薬であることは、先に開示されている( 米国特許第5,508,289号)。 本発明は、新規な一群のアクリジン系化合物、ならびに抗新生物薬および抗レ トロウイルス薬としてのそれらの使用に関する。米国特許第5,508,289号に開示 されるビスイミダゾアクリドン類、ビストリアゾロアクリドン類およびハイブリ ッド分子が抗レトロウイルス薬として有用であることがさらに見出された。発明の概要 本発明は、下記一般式(I)の化合物: (式中、R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジア ルキルアミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲンであり;n は2〜6であり;XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり;Yおよび Y’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり;二重破線は二重結合または 結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−Nであり、YまたはY’が−C Hまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であり、XまたはX’が−NO2 であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線は結合なしである)に関する 。 本発明は、少なくとも1種類の上記化合物、および薬剤学的に許容しうるキャリ ヤーを含む、薬剤組成物をも提供する。 本発明はさらに、新生物細胞増殖の処置を必要とする対象においてそれを処置 する方法であって、対象に新生物細胞増殖の処置に有効な量の前記薬剤組成物を 投与することを含む方法を提供する。 本発明はさらに、ヒト細胞を含めた細胞の集団においてレトロウイルス感染を 処置する方法であって、有効量の少なくとも1種類の式(I)の化合物を該細胞 集団と接触させるか、またはレトロウイルス感染細胞を有する対象に投与するこ とを含む方法を提供する。 本発明の範囲には、ヒト細胞を含めた細胞の集団をレトロウイルスによる発病 に対し保護する方法であって、細胞を抗レトロウイルスに有効な量の少なくとも 1種類の式(I)の化合物と接触させるか、またはそれで処置することを含む方 法も含まれる。 本発明のさらに他の態様は、ヒト細胞を含めた細胞の集団においてレトロウイ ルス感染を処置する方法であって、レトロウイルス感染細胞を有する対象の細胞 に、有効量の少なくとも1種類の式(II)の化合物: (式中、RはH、アルキル、または化合物をプロドラッグとして機能させる基で あり;nは2〜6であり;R1、R2、X、Y、X’またはY’および二重破線は 式(I)につき前記に定義したとおりである)を投与し、および/または接触さ せることを含む方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1.対称的化合物の製造を示す模式図。 図2.ビストリアゾロアクリドン化合物の製造を示す模式図。 図3.インビトロでのヒト異種移植片に対する抗腫瘍活性。 図4.WMC−26の細胞保護活性。 図5.WMC−42の細胞保護活性。 図6.非感染細胞との平行実験(WMC−26)。 図7.非感染細胞との平行実験(WMC−42)。 図8.HIV複製の阻害(NSC−682404)。 図9.HIV複製の阻害(NSC−682405)。 図10.NSC−682405(“テマクラジン(temacrazine)”)は逆転写 によるプロウイルスDNA形成を阻止する効力をもたない。 図11.U1アッセイにおけるテマクラジンの作用。 図12.テマクラジンがウイルスタンパク質の産生およびプロセシングに与え る影響。 図13.テマクラジンによる、感染力価をもつ無傷HIV−1ビリオンの不活 性化。 図14.テマクラジンはHIV−1 LTR指向性転写を非特異的に阻害しな い。 図15.テマクラジンがHIV−1感染細胞におけるmRNA発現およびスプ ライシングに与える影響。 図16.テマクラジンはHIV−1特異性mRNAを阻害して、“rev非依 存性に類似する”表現型を形成する。発明の詳細な記述 本明細書中で用いる単独または組み合わせた“アルキル”という用語は、1〜 約8個、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基を 意味する。そのような基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミ ル、ヘキシル、オクチルなどが含まれる。アルキル基は、所望により後記に述べ る置換基で置換されていてもよい。単独または組み合わせた“アルコキシ”とい う用語はアルキルエーテル基を意味し、ここでアルキルという用語は前記に定義 したとおりである。適したアルキルエーテル基の例には、メトキシ、エトキシ、 n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブト キシ、t−ブトキシなどが含まれる。 “ハロゲン”または“ハロ”という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素 を意味する。 “ハロアルキル”という用語は、前記に定義した意味をもつアルキル基におい て1個またはそれ以上の水素がハロゲンで置換されたものを意味する。そのよう なハロアルキル基の例には、クロロメチル、1−ブロモエチル、フルオロメチル 、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチルな どが含まれる。 上記の全般的記載において述べた、所望により存在しうる置換基には、少なく とも1個のアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、 ヘテロアリール、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ 、ハロアルキルが含まれ、これらの任意置換基も所望により置換されていてもよ く、所望により置換された基は同一または異なる任意置換基1個または複数個で 置換されていてもよい。 本発明は、一般式(I)の化合物: (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミ ノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲン原 子であり;nは2〜6であり;XおよびXおよびX’は独立して−Nまたは−N O2であり;YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり;二重 破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−Nであり 、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であり、X またはX’が−NO2であり、YまたはY’が-Hである場合、二重破線は結合な しである)に関する。 好ましい態様において、R1およびR2はそれぞれ独立して−H、−OH、−N H2、C1〜C6アルキルアミノ、C1〜C6ジアルキルアミノ、C1〜C6アルキル 、フッ素、塩素または臭素である。より好ましい態様には、n=3であり、Yお よ びY’が−Nであり、XおよびX’が−CHであり、R1およびR2がHであり、 かつ二重破線が二重結合である化合物が含まれる。 本発明化合物は、遊離塩基またはその薬剤学的に許容しうる酸付加塩の形で使 用できる。塩形成に適した酸の例は、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸、 酢酸、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸などである。好ましい態様 において、本発明化合物はメタンスルホン酸塩、たとえばジメタンスルホン酸塩 、または他の塩類、たとえばジ塩酸塩の形で存在し、これらは変動可能な程度に 水和されていてもよい。さらに、式IおよびIIの化合物をプロドラッグ形態で も使用できる。プロドラッグ形態は当業者に知られており、そのような最も有効 な形態は当業者が判定できる。 本発明はまた、式(I)および/または(II)のうち少なくとも1種類、な らびに薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む、薬剤組成物に関する。キャリヤ ーは、配合物の他の成分と相溶性であり、かつそのレシピエントにとって有害で ないという意味で、“許容しうる”ものでなければならない。上記化合物を薬剤 学的に許容しうる1種類またはそれ以上の希釈剤またはキャリヤー、および所望 により、それ自体が療法薬(本発明化合物と相乗性である)であってもよい他の いずれかの成分と配合することができる。配合物中に存在する本発明化合物の濃 度は、選択したキャリヤーおよび目的とする結果に依存するであろう。 適した薬剤用キャリヤーの例には、特にラクトース、スクロース、デンプン、 タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶質セルロース、メチルセルロース、カ ルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム 、粉末(powders)、食塩液、水が含まれる。キャリヤーの選択は投与経路に依 存するであろう。配合物を単位剤形で提供するのが好都合であり、これらは製剤 技術分野で周知の方法で、有効化合物をキャリヤーまたは希釈剤(懸濁液または 溶液として)、および所望により1種類またはそれ以上の補助成分、たとえば緩 衝剤、着香剤、界面活性剤などと混和することにより製造できる。 静脈内、筋肉内、皮下または腹腔内投与のためには、本発明化合物を、好まし くはレシピエントの血液と等張である無菌水溶液と混和する。このような配合物 は、塩化ナトリウム、グリシンなどの生理学的に適合性の物質を含有しかつ生理 学的条件に適合する緩衝化されたpHをもつ水に、固体有効成分を溶解して水溶 液を調製し、この溶液を無菌にすることにより調製できる。これらの配合物は1 回量または多数回量で密封したアンプルまたはバイアルなどの容器内にあっても よい。 経口投与のためには、慣用される添加物、たとえばラクトース、マンニトール 、コーンスターチまたはバレイショデンプン;結合剤、たとえば結晶質セルロー ス、セルロース誘導体、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン;崩壊剤 、たとえばコーンスターチ、バレイショデンプンまたはカルボキシメチルセルロ ースナトリウム;ならびに滑沢剤、たとえばタルクまたはステアリン酸マグネシ ウムを含むカプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤または懸濁液剤として、配合物を提 供できる。 非経口投与に適した配合物は、好ましくは等張にした、有効化合物の無菌水性 調製物を含むことが好都合である。注射用製剤は、非水性溶剤、たとえば植物油 、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコールに 本発明化合物を懸濁または乳化することによっても配合できる。 本発明はさらに、新生物細胞増殖の処置を必要とする対象においてそれを処置 する方法であって、対象に新生物細胞増殖の処置に有効な量の前記薬剤組成物を 投与することを含む方法を提供する。 “処置”という用語には、新生物細胞増殖あるいはレトロウイルスの生育、増 殖および/または拡散の部分的または完全な阻害、ならびに新生物細胞またはレ トロウイルス、および/またはレトロウイルス感染細胞の部分的または完全な破 壊が含まれる。“対象”という用語には、癌またはレトロウイルス感染を伴うと 診断されたヒトまたは動物の対象が含まれる。 投与は、当業者に知られている手段、たとえば経口、直腸、局所、静脈内、皮 下、筋肉内または腹腔内投与経路で行うことができる。 投与の形態および量は、既知の抗新生物治療または予防方式を参照して容易に 確立できる。しかし一般に本発明化合物の投与量は、約0.1μg/kg〜約1 00mg/kgの範囲内であろう。実際の用量は、投与経路、個々の化合物の薬 物動態および毒物学的特性、ならびに目的とする結果に依存するであろう。 式IおよびIIの本発明化合物は、ヒトおよび動物の細胞を含めた細胞の集団 においてレトロウイルス感染を処置するのに有用であり、その際、有効量の少な くとも1種類の式Iおよび/またはIIの化合物を、レトロウイルス感染細胞を 有する対象の細胞集団に接触、またはその対象に投与することを含む。 式IおよびIIの化合物を含む本発明化合物は、多くのレトロウイルス系にお いて感染性ウイルスの拡散を阻止する機能をもちうる。本発明化合物により抑制 しうる他のレトロウイルスにはHTLV−I、HTLV−II、BLV、EIA V、FIV、SIV、STLVおよびビスナウイルスが含まれるが、これらに限 定されない。 式IおよびIIの化合物に関連する初期の実験で、精製した全長HIV−1イ ンテグラーゼを用いたインビトロ実験においてこれらの物質が組込み(integrat ion)および崩壊(disintegration)の両段階を阻害することが明らかになった 。これらの化合物および他の数種類を、HIV−1に感染した末梢血リンパ球に 関連する抗ウイルスアッセイにおいて試験した。 前記に開示した配合物はHIV感染症の処置のための有効かつ比較的安全な薬 剤であるが、有益な結果を得るためにこれらの配合物と他の抗ウイルス医薬また は薬剤を同時投与する可能性を排除しない。このような他の抗ウイルス医薬また は薬剤には、可溶性CD4、サリドマイド、ジデオキシイノシン、ジデオキシチ ミン、ジドブジン(zidovudine)、ジデオキシシチジン、ガンシクロビル(ganc yclovir)、アシクロビル(acyclovir)、ホスホノホルメート、アマトラジン( amatradine)、リババリン(ribavarin)、抗ウイルス性インターフェロン(た とえばα−インターフェロン、α−インターフェロン、またはインターロイキン −2)、またはエーロゾルペンタミジン、そのほか、抗HIV−1療法に用いら れる物質が含まれる。 感染細胞をウイルス活性阻害のために処置するのは、一定期間であってもよく 、連続的であってもよい。ウイルス活性は、p24などのウイルスタンパク質の 量を監視するか、または逆転写酵素量を測定するか、または35S−metパルス チェイス標識および免疫沈降実験によりウイルスタンパク質の活性を監視するか 、または当業者に周知の他の方法により測定できる(Kayeyama,S.,et al.,(1 994), AID SRes.and Human Retroviruses,10:735-745)。 本発明を以下の実験の詳細の部に記載する。これは本発明の理解を補助するた めに具体例を述べたものであり、後記の請求の範囲に定めた本発明をいかなる点 でも限定するものと解すべきではない。実験の詳細の部 材料および方法. 用いた溶剤はすべて試薬用である。試薬はすべてアルドリ ッチ・ケミカルズまたはフルカ(Fluka)から入手され、受け取ったままの状態 で用いられた。融点はエレクトロサーマル毛管融点測定装置で測定され、未補正 である。 化学合成. 両方の発色団が等しい本発明化合物は、図1に示した経路で製造 された。中間体クロロニトロアクリドン1は従来の記載に従って(Capps,D.B., et al.,J.Med.Chem.35:4770-4778(1992);Lehmstedt,K.,et al.,Chem.Ber ichte 70:1526-1538(1937))、またはそれに類する方法で製造された。このア クリドンを当量の適切なピペリジン誘導体2と反応させて、ビスニトロアクリド ン3を得た。これをギ酸および塩化スズ(II)と反応させて、最終ビスイミダ ゾアクリドン4を得た。 トリアゾロ系列の対称的薬物は図2に従って製造された。アクリドンを過剰の ピペリジン誘導体と、生成物7が形成されるように反応させる。 本発明化合物の合成に関する詳細な記述は以下のとおりである。 実施例1 1,4−ビス[3−[(4−ニトロ(10H)−9−オキソーアクリジン−1− イル)アミノ]プロピル]ピペラジン(3) 1−クロロ−4−ニトロ−9(10H)−アクリジノン(1)(2.75g, 0.01mol)、50mLのDMSO、1,4−ビス(3−アミノプロピル) ピペラジン(2)(1.002g,0.005mol)、およびジイソプロピル エチルアミン(1.95g,0.015mol)の混合物を80℃で8時間撹拌 した。この反応混合物に100mLの1%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、1 0分間撹拌し、冷蔵庫内に一夜放置した。沈殿をろ過により採集し、水で洗浄し 、 DMAから結晶化して、2.74g(81%)の黄色の(3)を得た。融点27 4〜279℃(分解)。分析(C363686・H2O)C,H,N。 1,4−ビス[3−[(6−オキソ−6H−イミダゾ[4,5,1−de]−ア クリジン−5−イル)アミノ]プロピル]ピペラジン(4) 2.03g(0.003mol)の(3)を50mLの85%ギ酸に溶解した 。この溶液に、濃塩酸6mL中におけるSnCl2 5.7g(0.03mol )の溶液を添加し、混合物を還流下に36時間撹拌した。冷却後、沈殿をろ過し 、50mLのメタノールで洗浄し、300mLの水に移し、10%水酸化ナトリ ウム水溶液でアルカリ性にした。30mLのクロロホルムーメタノール(10: 1)混合物を添加し、2時間激しく撹拌した。溶解しない物質をろ過により除去 し、クロロホルム層を分離した。この抽出液に2gのシリカゲルを添加し、溶剤 を真空下で蒸発させた。次いでこのゲルをシリカゲルカラムに乗せ、クロロホル ム−メタノール(10:1)で溶離した。主画分を採集し、溶剤を蒸発させた後 、1.05g(55%)の黄色の(4)を得た。融点289〜293℃(分解) 。分析(C383682・H2O)C,H,N。 1,4−ビス[3−[(6−オキソ−6H−v−トリアゾロ[4,5,1−de ]−アクリジン−5−イル)アミノ]プロピル]ピペラジン(6) 5−クロロ−6H−v−トリアゾロ[4,5,1−de]−アクリジン−6− オン(5)(5.12g,0.02mol)、60mLのDMSO、1,4−ビ ス(3−アミノプロピル)ピペラジン(2)(2.003g,0.01mol) 、およびジイソプロピルエチルアミン(2.6g,0.02mol)の混合物を 100℃で20時間撹拌した。この反応混合物に150mLの2%水酸化ナトリ ウム水溶液を添加し、10分間十分に撹拌し、冷蔵庫内に一夜放置した。沈殿を ろ過により分離し、水で洗浄し、200mLの1%メタンスルホン酸水溶液に移 し、室温で1時間撹拌した。溶解しない物質をろ過により除去した。ろ液を水酸 化ナトリウム水溶液でアルカリ性にした。遊離塩基の沈殿をろ過により分離し、 水で洗浄し、次いで沸騰DMAから2回結晶化して、3.84g(60%)の黄 色の(6)を得た。融点242〜245℃。分析(C3634102・H2O)C ,H,N。(6)の構造を単結晶X線構造解析により確認した。生物学的試験の ために、 (4)および(6)の遊離塩基をメタンスルホン酸塩または塩酸塩などの水溶性 塩に変換した。 実施例2 6のジ塩酸塩 6(1.2g,0.002mol)をクロロホルム中の10%メタノールの沸 騰混合物(400mL)に溶解した。この高温溶液に、メタノール中の0.4M 塩酸10mL(塩化アセチルをメタノールに溶解することにより調製)を添加し 、数分間撹拌した。溶剤を蒸発させることにより約100mLに濃縮した。エー テル100mLを添加し、塩の黄色沈殿をろ過により分離し、エーテルで洗浄し 、乾燥させた。収率−100%、融点>300℃(分解)。分析(C363410 2・2HCl・H2O)C,H,N。 インビトロで数種類の腫瘍異種移植片に対する化合物(4)の活性を試験した 。これらの腫瘍に由来する細胞系につき、標準クローン原性アッセイ(clonogeni cassay)プロトコールを用いて実験を行った。試験したすべての細胞系につき、 平均IC70(すなわち腫瘍細胞を70%死滅させた化学物質の濃度)は2.3μ g/mLであった。胃癌GFX(251/14)はこの平均用量(median dose )で感受性であったが、乳腫瘍MACL(MCF7X/13)には平均用量の2 倍以上が必要であった。黒色腫MEXF(514/12)はこの薬物に対し完全 に非感受性であり、腎癌RXF(1220/5)も同様であった。前立腺癌細胞 系PRXF(PX2M/27およびDU145X/2)はこの薬物にきわめて感 受性であり、特にPC3MがIC70を達成するのに要したのは1ナノグラム/m L未満であった。結果を図3に示す。 種々の化合物に関連する実験を行った。これらの化合物は下記の構造式をもつ (それらの別表示を含む): WMC26およびWMC42に関連する実験で、精製した全長HIV−1イン テグラーゼを用いたインビトロ実験においてこれらの化合物が組込みおよび崩壊 の両段階を阻害することが明らかになった。次いでこれらの化合物および他の数 種類を、HIV−1に感染した末梢血リンパ球に関連する細胞保護アッセイにお いて試験した。 要約すると、感染した培養細胞をウイルスにより死滅させ、死滅しつつある細 胞が放出する酵素によるホルマザン色素(XTT)の酸化による発色により、細 胞毒性を検出する(Weislow et al.,J.Natl.Cancer Inst.81:577-586,198 9)。有効な抗ウイルス薬は、ウイルスのある致死機能を阻害することにより、 感染細胞を細胞毒性から保護することができる。したがって、抗ウイルス活性の インビトロの証明は、推定薬物によるウイルスの細胞変性作用に対する用量依存 性保護に依存する。図4および5は、WMC26およびWMC42の細胞保護活 性を示す。多くの薬物が本来細胞に対し毒性でもあるので、非感染細胞をそれら の細胞が薬物の作用により死滅する濃度に達するまで薬物で処理する平行実験を 行う。これらのデータを図6および7に示す。明らかにこれらの薬物は両方とも 、薬物誘導による死滅を生じた濃度よりはるかに低い濃度で感染リンパ球を保護 することができた。これは、これらの化合物がこのアッセイ法できわめて良好な 療法指数をもつことを意味する。 これらの予備データの結果、他の細胞系における抗ウイルス活性を確認するた めに、多様なプロトコールを用いてさらに実験を行った。リンパ球での予備実験 が感染マクロファージを用いて確認された。HIV−1感染CEM SS白血病 細胞で、さらにいっそう広範な実験を行った。残念ながら、WMC26などの化 合物は白血病に対しては細胞毒性がきわめて高く(ナノモル量)(Cholody et al.,J.Med.Chem.55:2338-2245,1995)、したがってこのアッセイ法では細胞 保護性であることを示せなかった。しかし2種類の誘導体は、高い抗ウイルス活 性を維持しながら低い抗白血病活性をもつことが認められた。図8および9は、 それぞれこの細胞系におけるWMC−50およびWHC−70の細胞保護活性を 示す。両化合物ともきわめて低い濃度で明らかに細胞保護性であるが、明らかに WMC−70はその療法指数が卓越しているのでより良い薬物であると思われる 。 たとえばWMC−70がウイルスの細胞毒性を50%にまで阻害する濃度(EC50 値)は1ナノモル未満であるが、この薬物が50%の細胞を死滅させるのはマ イクロモルより高い濃度である。これは、3桁以上の療法指数を与える。対応す るWMC−50の療法指数は約100〜200であり、これはかなり許容できる 。WMC−70につき他の実験を行った。この薬物は、ウイルス複製に伴う他の 2つの重要な酵素であるHIVプロテアーゼまたは逆転写酵素をいずれも阻害し ないことが示された。WMC−70は、ウイルス複製にきわめて重要であると考 えられるウイルスの構造上の他の特徴であるgagタンパク質ジンクフィンガー にも損傷を与えなかった。興味深いことに、HIV−1ウイルス自体をこの薬物 で処理すると、ウイルスがCEM細胞に感染する能力を阻害するように思われた 。さらにWMC−70は、ウイルスの転写後事象に影響を与えるように思われる 。すべてのウイルスが組み込まれた細胞を薬物で処理すると、見かけ上は正常な ウイルスgag p55ポリタンパク質が形成されるが、これはそれ以上はプロ セシングされない。すなわちp24は検出できないことが明らかになる。この化 合物がその抗ウイルス活性を及ぼす主な機構は組込みの阻害であると思われるが 、この薬物および拡大するとこの群の他の抗ウイルス薬の療法作用に関係する他 の機構もあると思われる。 化合物WC−26、WMC−42、WMC−50およびWMC−70は、HI V感染症およびエイズに対し有効な活性をもつ有効な抗ウイルス薬である。(“ WMC−70”を本明細書では“NSC 682405”または“テマクラジン ”とも呼ぶ。) 実施例3 被験化合物の抗ウイルス性 WMC系列の化合物の抗ウイルス性を評価した。まずすべての化合物を、XT T細胞保護アッセイ法により、それらが細胞培養物におけるHIV−1複製を阻 害する効力につき試験した。このアッセイ法では、化合物がCEM−SS細胞を HIV−1RFの細胞変性作用から保護する濃度依存性効力を測定する。50%の 保護を与える化合物濃度がEC50抗ウイルス値であり、一方、細胞を50%死滅 させる化合物濃度はIC50毒性値である。表1に示すように化合物NSC 68 2401〜NSC 682403は不活性であり、毒性のない場合は抗ウイルス 作用がないことを示す。NSC 682404はEC50=0.41nMおよびI C50=158nMを示し、一方テマクラジンはEC50=1.1nMおよびIC50 =2.77μMを示した(図8および9も参照)。したがってテマクラジンはX TT細胞保護アッセイにおいて最も有効な化合物であった。これらの化合物をヒ ト単球/マクロファージ培養物においてHIV−IADAに対する抗HIV−1活 性を試験した場合も、この結論に達した(表1)。 実施例4 被験化合物の機械的特性 HIV−1の既知の抗ウイルス標的に対する機械的試験で得たデータも表1に 示す。これらの化合物は宿主細胞へのHIV−1の付着、HIV−1逆転写酵素 もしくはプロテアーゼの酵素活性、またはp7ヌクレオキャプシドタンパク質ジ ンクフィンガーを阻害しなかった。これまでの所見にもとづいて、本発明者はテ マクラジン同族体の生物学的アッセイ法に努力を向けた。時間経過アッセイでテ マクラジンは、プロウイルスDNAのLTR/gag領域が増幅されたことが示 すように、逆転写中に起きるプロウイルスDNAの形成を阻害しなかった(図1 0)。テマクラジンは、精製オリゴマーおよび組換えHIV−1インテグラーゼ を用いたインビトロアッセイにおいて、濃度依存性様式でEC50 10〜100 nMで3’側プロセシングおよび鎖移動活性を阻害した(表1A)。 これらの所見は、テマクラジンがHIV−1インテグラーゼ阻害薬として作用 することと一致する。HIV−1複製サイクル中で、プロウイルスDNA形成は 組込み事象の前に完了するからである。ウイルスの付着および融合を阻害する実 験化合物(たとえば硫酸デキストラン)、および逆転写を阻害する化合物(DD C、AZT、ネビラピン(Nevirapine)など)は、時間経過アッセイでプロウイ ルスDNAの形成を阻害する。 a XTT細胞保護はスクリーニングアッセイで得たデータを表す。b ビリオン付着、RTおよびプロテアーゼに関する機械的試験は前記に従って 行われた。これらの数値はID50であり、指示した活性を50%阻害した濃 度を表す。c p7NC ジンクフィンガーアッセイでは、p7NCタンパク質を25μM の各化合物で10分間処理した後のジンクフィンガーの低下率を、相対蛍光 単位(RFU)で測定した。d “不活性”は、その化合物がスクリーニングに際し効果を示さなかったこと を表す。e “NI”は指示した高い試験濃度で活性の阻害がないことを表す。 150は指示した活性を50%阻害する薬物濃度である。2 各アッセイにつき陽性対照は以下のものであった;付着:ファルマタリア (Farmatalia)IC50 1.1μM(D.J.Clanton et al.,J.Acquir. Im mune Defic.Syndr.5:771(1992))、逆転写酵素阻害:rAdT鋳型/プ ライマー−AZTTP 27nM、rCdG鋳型/プライマーUC38 6 nM(J.P.Bader et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:6740(1991))、 プロテアーゼ阻害(Ala-Ser-Glu-Asn-Tyr-Pro-Ile-Val-Glu-アミド基質開裂 のHPLC検出):KNI−272 3nM(S.Kageyama et al.,Antimicr ob.Agents Chemother.,37:810(1993))、インテグラーゼ阻害薬、ISI S 5320(R.W.Buckheit Jr.,et al.,AIDS Res.Hum.Retrovir., 1 0:1497(1994))、およびNCp7 Zn2+駆出、NSC−625151 (ジチアン(Dithiane))(W.G.Rice et al.,Antimicrob.Agents and Che mother.,41 印刷中(1997))。3 CEM−SS細胞へのHIV−1RFの付着;付着は、細胞溶解物のp24 ELISAアッセイにより細胞結合p24量を測定することにより判定。4 NIは高い試験濃度で阻害がないことを示す。5 変化を単位時間当たりの相対蛍光単位として表す。実施例5 テマクラジンがHIV−1複製サイクルの後期に与える影響 HIV−1複製サイクルの後期事象のモデルとして、2コピーのHIV−1プ ロウイルスDNAを潜在感染させたU1細胞を用いた。TNF−αなど特定の因 子により、これらのU1細胞におけるウイルス産生の高水準発現を刺激すること ができる。U1細胞をTNF−αで24時間刺激した後、種々の濃度のテマクラ ジンを添加し、培養物をさらに48時間インキュベートした。この時点で、細胞 を生存性、ならびにウイルスタンパク質の合成およびプロセシングの含量につき 評価し、一方、無細胞上清をウイルスp24含量および放出ビリオンの感染力価 につき評価した。図11は、ウイルス産生(p24)が4nM未満で阻害された こと、および放出ウイルス粒子が非感染性であること(1ml当たりの感染単位 “IU/ml”として表す)を示す。これらのU1細胞につき30nMを越える と、細胞生存性が低下した。興味深いことに、p7およびp24抗血清を用いた ウェスタンブロット法によるウイルスタンパク質の検査(図12)で、gag前 駆物質ポリタンパク質(Pr55gag)は合成されたが、これがHIV−1プロ テアーゼによりプロセシングされて成熟ウイルスタンパク質(p24およびp7 NC)になることはないのが明らかになった。 同様な試験で、細胞をTNFαで24時間処理した後にテマクラジンを添加す るか、またはテマクラジンとTNFαを同時に添加するか、またはテマクラジン をTNFα添加の24時間後に添加した。TNFα誘導およびテマクラジン処理 の後、培養を72時間続け、その後ビリオン関連p24および細胞生存性(XT T色素還元)を測定した。テマクラジンは両方のU1において(および潜在感染 細胞系ACH−2においても)HIV−1ウイルス複製の有効な阻害薬であり、 EC50は10〜100nMであった。さらに、テマクラジン仲介によるウイルス 阻害は、テマクラジンとTNFαの添加順序により有意には影響されなかった。 培養物をテマクラジンで30分間パルスすると、TNFα刺激後に感染性ウイ ルスの産生を示すことも認められた。実施例6 テマクラジンによるHIV−1の直接不活性化 表1の機械的試験は、本発明化合物がHIV−1プロテアーゼ活性を阻害しな いことを示した。しかしHPLCによるアッセイ(表1で採用)が正確な所見を 与えることを確認するために、Gagプロセシングアッセイでのテマクラジンの 作用を評価した。このアッセイでは、精製した組換えHIV−1プロテアーゼ酵 素を被験物質により37℃で1時間予備処理し、次いで組換えPr55gag前駆 物質ポリタンパク質をこの処理酵素に暴露した。図13に示すように、プロテア ーゼ単独では前駆物質を効果的にプロセシングすることができた。さらに、この 酵素を本発明化合物で予備処理しても阻害作用がなかった。これらの所見を合わ せて、テマクラジンはHIV−1プロテアーゼ酵素を阻害しないことが証明され た。所見の意義 テマクラジンは、急性感染症モデルにおいて、増殖している細胞におけるリン パ球指向性(lymphocytotropic)HIV−1株、および増殖していない正常細胞 における単球指向性HIV−1株に対し、有効な抗HIV−1活性を示した。さ らに、本発明化合物は先に感染した細胞に対し抗ウイルス作用を及ぼした。後期 作用の厳密な性質については調査中であるが、テマクラジンは先に感染した細胞 から新たな感染性ウイルスが産生されるのを有効に阻害した。HIV−1感染者 においてウイルス負荷を低下させるいかなる手段もインビボで後続の感染周期を 低下させる結果になるとすれば、これは本発明化合物のきわめて重要な作用であ る。さらに、本発明化合物がビリオンを直接に不活性化しうることは、著しく重 要である。これにより血漿の感染力価が効果的に低下し、後続周期のウイルス複 製および接種が阻止されるからである。 実施例7 HIV−1転写の開始および調節には、細胞性転写因子、たとえばNFκB、 SP−1およびAP−1との複雑な一連の相互作用、ならびに転写複合体への細 胞性因子の関与が要求される。さらに、本明細書中で用いた組込み後モデルはT NFα刺激したU1およびACH−2細胞を必要とし、このモデルはNFκB転 写複合体の関与だけでなく、TNFαシグナル伝達経路の成分をも必要とする。 テマクラジンが非特異的に転写に影響を与えたか、またはTNFαシグナル伝達 経路の妨害により複製をダウンレギュレーションしていたということを除外する ために、BF−24細胞においてLTR指向性クロラムフェニコールアセチルト ランスフェラーゼ(CAT)活性を測定した。BF−24細胞はTHP−1単球 系に由来し、HIV−1 LTRの転写制御下で安定に組み込まれたCAT遺伝 子を保有する(S.Schwartz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:7200(1 989);B.K.Felber et al.,Science 239:184(1988))。LTRはこの細胞系に おいてIL−6、PMAおよびTNFαにより誘導することができ、酵素活性を もつクロラムフェニコールトランスフェラーゼ(“CAT”)を産生する。TN FαによるCAT酵素活性の誘導はウイルス成分が存在しなくても起き、したが ってウイルス性調節タンパク質に依存しない作用機構が確認されるであろう。B F−24細胞をTNFαで刺激し、テマクラジンで24時間処理し、次いでCA T酵素活性測定のために細胞タンパク質を採集した(図14)。 蛍光性ボディピー(Bodipy)結合クロラムフェニコールを用い、アセチルCoA を含有するタンパク質抽出液50μgと18時間反応させた後、CAT活性を測 定した。図14は、BF−24細胞単独では固有CAT活性が低く、これをTN Fαで少なくとも10倍誘導できることを示す。BF−24細胞を最高5μMの テマクラジンで処理しても、CAT誘導は有意には変化しなかった。CAT発現 には逆転写は必要ないのでテマクラジンの活性に影響を与えないAZTも、不活 性であった。これらのデータは非特異的転写/翻訳作用に反論するものであるが 、この仮説を証明するために特異的実験を行った。CEM−SS細胞における3 Hロイシン(タンパク質の代謝を測定するため)、3Hチミジン(DNAの複製 を測定するため)、3Hウリジン(RNAの産生を測定するため)の取込みを測 定し、テマクラジンがこれらの細胞性パラメーターに影響を与えないことが認め られた。これらのデータは、テマクラジンの抗ウイルス活性が転写の非特異的ダ ウンレギュレーションによるものではなく、ウイルス因子(1またはそれ以上) の関与を必要とすることを強く示唆する。実施例8 テマクラジンはTNFα誘導の24時間前または後に投与すると、500また は50nMで、非スプライスmRNAまたはシングルスプライスmRNAの発現 を完全に阻害した。テマクラジンとTNFαを同時に添加した場合も同様な結果 がみられた。これに対し、すべてのマルチスプライスrev非依存性mRNAを 検出するために設計されたRT−PCRプライマーを用いた場合、テマクラジン はHIV−1マルチスプライス転写体の発現を変化させなかった(図15)。 対照として、ハウスキーピング遺伝子ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(ヒド ロキシメチルビランシンターゼ、“PBGD”)を増幅して、負荷の均一性を測 定した。この薬物はPBGD発現を低下させなかったので、これはテマクラジン が転写を非特異的にダウンレギュレーションしないことを証明する。 実施例9 テマクラジンがHIV−1 mRNA発現を調節していたという可能性を評価 するために、全HIV−1 mRNAの発現をノーザンブロット法により調べた (図16)。 図16は、TNFαで刺激するとU1細胞におけるHIV−1特異性mRNA の発現が著しく増大することを示す。TNFα刺激したU1細胞を10および1 00nMのテマクラジンで処理すると、mRNAの産生が全面的に抑制され、刺 激していないU1細胞の外観にきわめて近似する外観をもつ表現型(“rev” 非依存性表現型)が生じる。しかし1nMテマクラジンによる処理ではシングル スプライスmRNAおよび非スプライスmRNAが減少し、マルチスプライスm RNAは明らかには減少しなかった。これらのRNA阻害パターンは、テマクラ ジンがmRNAを含有するrev反応性要素(RRE)の発現を阻害または変化 させていることを示唆する。 実施例10 インビボデータ テマクラジンの新規な作用機構、ならびにHIV−1に対するその広範な活性 および高い療法指数が得られたので、本発明者らはHIV−1複製のヌードマウ ス中空繊維モデルにおいてそのインビボおよび抗ウイルス特性を評価することに した。要約すると、CEM−SS細胞をHIV−1RFに感染させ、中空繊維に挿 入し、ヌードマウスの腹腔内または皮下に移植した。DMSOビヒクル中のテマ クラジンを1日3回、2回または1回、1日当たりの全投与量25mg/kgで 6日間腹腔内投与した。同様にマウスをテマクラジンの経口投与および静脈内投 与により処置した。腹腔洗浄液および血清の試料を採集し、p24の発現を抗原 捕獲法により測定した。結果を表2に示す。テマクラジンの腹腔内投与では、腹 腔洗浄液中の検出可能なp24の量が投与計画に関係なく5〜10倍減少した。 テマクラジンは血清中のp24量も減少させた。したがってテマクラジンはイン ビボでのHIV−1複製を低下させる。 ここに提示する実験は、テマクラジンが感染細胞中でHIV−1生活周期の組 込み後事象と相互作用することにより機能することを示す。この相互作用により 、非スプライスおよびシングルスプライス転写体が選択的に枯渇して、ウイルス 転写体が失われる。この薬物は、新規な抗ウイルス作用機構により機能する。な おかつテマクラジンがインビボモデルでHIV−1複製を阻害しうることにより 、有効な抗ウイルス薬としてのテマクラジンおよびその同族体の有用性はさらに 増す。表2. 中空繊維マウスモデルにおけるテマクラジンのインビボ活性 ヌードマウスに、HIV−1RF感染末梢血単核細胞を装入した中空繊維を移 植し、テマクラジンを投与した(全投与量25mg/kg)。 1 スチューデントのt−検定 2 すべての化合物を腹腔内投与した。 3 qは投与回数である。 4 DMSOのみを注射した動物と有意に異なる群。 本明細書中で述べた刊行物はすべて、それらの全体が本明細書に参考として含 まれる。 以上、本発明を明確にし、理解するために、ある程度詳細に記載したが、当業 者はこの開示を読むことにより本発明の真の範囲から逸脱することなく形態およ び詳細を多様に変更しうることが認識されるであろう。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年4月16日(1998.4.16) 【補正内容】 二官能性インターカレーター群のインビボ抗腫瘍作用に関するそれらの構造− 活性関係は依然として分からないので、そのような活性を示す構造を推定するこ とができない。わずかな構造修飾がその薬剤の生物学的特性を著しく変化させる 可能性がある。したがって、高い抗新生物活性、特に特定の腫瘍に選択的に向け られた活性をもつ他の化合物を見出すという目標がある。 特定のビスイミダゾアクリドン類、近縁のビストリアゾロアクリドン類、なら びにイミダゾアクリドン部分およびトリアゾロアクリドン部分の両方を含むハイ ブリッド分子が有効かつ選択的な抗腫瘍薬であることは、先に開示されている( 米国特許第5,508,289号)。 本発明は、新規な一群のアクリジン系化合物、ならびに抗新生物薬および抗レ トロウイルス薬としてのそれらの使用に関する。米国特許第5,508,289号に開示 されるビスイミダゾアクリドン類、ビストリアゾロアクリドン類およびハイブリ ッド分子が抗レトロウイルス薬として有用であることがさらに見出された。発明の概要 本発明は、下記一般式(I)の化合物: (式中、R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジア ルキルアミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲンであり;n は2〜6であり;XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり;Yおよび Y’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり;二重破線は二重結合または 結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−Nであり、YまたはY’が−C Hまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であり、XまたはX’が−NO2 であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線は結合なしである)に関する 。 本発明は、一般式(I)の化合物: (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミ ノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲン原 子であり;nは2〜6であり;XおよびXおよびX’は独立して−Nまたは−N O2であり;YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり;二重 破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−Nであり 、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であり、X またはX’が−NO2であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線は結合 なしである)に関する。 好ましい態様において、R1およびR2はそれぞれ独立して−H、−OH、−N H2、C1〜C6アルキルアミノ、C1〜C6ジアルキルアミノ、C1〜C6アルキル 、フッ素、塩素または臭素である。より好ましい態様には、n=3であり、Yお よびY’が−Nであり、XおよびX’が−CHであり、R1およびR2がHであり 、 かつ二重破線が二重結合である化合物が含まれる。 本発明化合物は、遊離塩基またはその薬剤学的に許容しうる酸付加塩の形で使 用できる。塩形成に適した酸の例は、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸、 酢酸、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸などである。好ましい態様 において、本発明化合物はメタンスルホン酸塩、たとえばジメタンスルホン酸塩 、または他の塩類、たとえばジ塩酸塩の形で存在し、これらは変動可能な程度に 水和されていてもよい。さらに、式IおよびIIの化合物をプロドラッグ形態で も使用できる。プロドラッグ形態は当業者に知られており、そのような最も有効 な形態は当業者が判定できる。 トリアゾロ系列の対称的薬物は図2に従って製造された。アクリドンを過剰の ピペラジン誘導体と、生成物7が形成されるように反応させる。 本発明化合物の合成に関する詳細な記述は以下のとおりである。 実施例1 1,4−ビス[3−[(4−ニトロ(10H)−9−オキソ−アクリジン−1− イル)アミノ]プロピル]ピペラジン(3) 1−クロロ−4−ニトロ−9(10H)−アクリジノン(1)(2.75g, 0.01mol)、50mLのDMSO、1,4−ビス(3−アミノプロピル) ピペラジン(2)(1.002g,0.005mol)、およびジイソプロピル エチルアミン(1.95g,0.015mol)の混合物を80℃で8時間撹拌 した。この反応混合物に100mLの1%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、1 0分間撹拌し、冷蔵庫内に一夜放置した。沈殿をろ過により採集し、水で洗浄し 、DMAから結晶化して、2.74g(81%)の黄色の(3)を得た。融点2 74〜279℃(分解)。分析(C363686・H2O)C,H,N。 1,4−ビス[3−[(6−オキソ−6H−イミダゾ[4,5,1−de]−ア クリジン−5−イル)アミノ]プロピル]ピペラジン(4) 2.03g(0.003mol)の(3)を50mLの85%ギ酸に溶解した 。この溶液に、濃塩酸6mL中におけるSnCl25.7g(0.03mol) の溶液を添加し、混合物を還流下に36時間撹拌した。冷却後、沈殿をろ過し、 50mLのメタノールで洗浄し、300mLの水に移し、10%水酸化ナトリウ ム水溶液でアルカリ性にした。30mLのクロロホルム−メタノール(10:1 )混合物を添加し、2時間激しく撹拌した。溶解しない物質をろ過により除去し 、クロロホルム層を分離した。この抽出液に2gのシリカゲルを添加し、溶剤を 真空下で蒸発させた。次いでこのゲルをシリカゲルカラムに乗せ、クロロホルム −メタノール(10:1)で溶離した。主画分を採集し、溶剤を蒸発させた後、 1.05g(55%)の黄色の(4)を得た。融点289〜293℃(分解)。 分析(C383682・H2O)C,H,N。 請求の範囲 1.下記の一般式(I): (式中、 R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、C1−C8アルキルアミノ、 C1−C8ジアルキルアミノ、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキル、C 1−C8ハロアルキルまたはハロゲンであり; nは2〜6であり; XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり; YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり; 二重破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−N であり、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であ り、XまたはX’が−NO2であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線 は結合なしである)を含む化合物。 2.化合物が次式:(式中、 RはH、C1−C8アルキル、または組成物をプロドラッグとして機能させる 基であり; R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、C1−C8アルキルアミノ、 C1−C8ジアルキルアミノ、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキル、C 1−C8ハロアルキルまたはハロゲンであり; nは2〜6であり; XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり; YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり; 二重破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX'が-Nで あり、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であり 、XまたはX’が−NO2であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線は 結合なしである)を含む、ウイルス複製を阻害するための化合物の使用。 3.化合物が次式: を含む、ウイルス複製を阻害するための請求項2記載の化合物の使用。 4.化合物が次式:を含む、ウイルス複製を阻害するための請求項2記載の化合物の使用。 5.化合物が次式: を含む、ウイルス複製を阻害するための請求項2記載の化合物の使用。 6.化合物が次式: を含む、請求項1記載の化合物。 7.化合物が次式: を含む、請求項1記載の化合物。 8.ウイルスの複製を阻害するための請求項1記載の化合物の使用であって、 有効量の化合物を投与する工程を含む使用。 9.請求項1記載の化合物および薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む薬剤 組成物。 10.新生物細胞増殖を阻害するための請求項1記載の化合物の使用であって 、有効量の化合物を投与する工程を含む使用。 11.請求項2記載の化合物および薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む薬 剤組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 471/06 C07D 471/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN (72)発明者 チョロディ,マレック・ダブリュー アメリカ合衆国メリーランド州21702,フ レデリック,タニー・アベニュー 1408 (72)発明者 ライス,ウィリアム・ジー アメリカ合衆国メリーランド州21701,フ レデリック,マグノリア・アベニュー 625 (72)発明者 ターピン,ジェイムズ・エイ アメリカ合衆国メリーランド州21705,フ レデリック,バスフォード・ロード 3712,ピー・オー・ボックス 3758

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記の一般式(I): (式中、 R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキル アミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲンであり; nは2〜6であり; XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり; YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり; 二重破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−N であり、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であ り、XまたはX’が−NO2であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線 は結合なしである)を含む組成物。 2.下記の一般式(II): (式中、 RはH、アルキル、または組成物をプロドラッグとして機能させる基であり; R1およびR2は独立して−H、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキル アミノ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキルまたはハロゲンであり; nは2〜6であり; XおよびX’は独立して−Nまたは−NO2であり; YおよびY’は独立して−Nまたは−CHまたは−Hであり; 二重破線は二重結合または結合なしを表し;したがって、XまたはX’が−N であり、YまたはY’が−CHまたは−Nである場合、二重破線は二重結合であ り、XまたはX’が−NO2であり、YまたはY’が−Hである場合、二重破線 は結合なしである)を含む組成物。 3.組成物が次式: (WMC−26の構造式をここに挿入) を含む、請求項2記載の組成物。 4.組成物が次式: (WMC−42をここに挿入) を含む、請求項2記載の組成物。 5.組成物が次式: (WMC−43をここに挿入)を含む、請求項2記載の組成物。 6.組成物が次式: を含む、請求項1記載の組成物。 7.組成物が次式: (WMC−70をここに挿入) を含む、請求項1記載の組成物。 8.ウイルスの複製を阻害する方法であって、有効量の請求項1記載の組成物 を投与する工程を含む方法。 9.請求項1記載の化合物および薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む薬剤 組成物。 10.ウイルスの複製を阻害する方法であって、有効量の請求項2記載の組成 物を投与する工程を含む方法。 11.請求項2記載の化合物および薬剤学的に許容しうるキャリヤーを含む薬 剤組成物。
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