予期しないことに、この目標は、本発明によって達成された。
本発明の対象は、下記の式によって定義される化合物
[上式で、Rは、(CH2)nNH(CH2)n、(CH2)nNCH3(CH2)n、(CH2)nピペラジニル(1,4)(CH2)n、もしくは(CH2)nNH(CH2)nNH(CH2)nから選択される基を表し、それらのうちnは、2から4までの整数であり、R1は、HもしくはCH3を表し、Xは、
から選択される基であり、これらのうちR2は、H、OH、またはOCH3を表し、R3は、H、NO2、またはCH3を表し、R4は、HまたはCH3を表す]
またはそれらの医薬的に許容可能な塩、具体的には塩酸塩またはメタンスルホン酸塩である。
好ましくは、Xは、基:
を表し、それは、以下の化合物:9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリドン×2HCl、1-[3-(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノエチル]エチルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HCl、1-[3-(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-3’-[(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-[N-(4-メチル-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×4HCl、9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノエチル]エチルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2CH
3SO
2OH、1-[3-(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3CH
3SO
2OH、9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HCl、1-[3-(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロ-アクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HCl、9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]プロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-[N-(4-メチル-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×4HCl、9-{N-[(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×2HCl、9-{N-[(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HCl、1-[3-(4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、1-[3-(4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]プロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノプロピルアミノエチルアミノ-プロピルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノプロピルアミノエチルアミノ-プロピルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×3HClから選択される。
同様に、好ましくは、Xは、基:
を表し、それは、以下の化合物:1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×1.5HCl、9-[N-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×4HCl、1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、1-[3-(8-メトキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(8-ヒドロキシ-メチルイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-[( イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClから選択される。
同様に、好ましくは、Xは、基:
を表し、それは、以下の化合物:1-[3-(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-[(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×2CH3SO2OH、9-{N-5-[(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、1-[3-(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClから選択される。
本発明の次の対象は、医薬で使用するための上記に定義された本発明による化合物である。本発明の次の対象は、新生物の治療および予防で使用するための上記に定義された本発明による化合物である。好ましくは、新生物は、膵臓腫瘍であり、化合物は、以下の 化合物:1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HCl、9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×1.5HCl、9-[N-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×4HCl、1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HCl、9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、1-[3-(8-メトキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、1-[3-(8-ヒドロキシ-メチルイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClから選択され、具体的には、C-2041 1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HCl、C-2045 9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、C-2053 9-{N-[( イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HCl、C-2028 9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×1.5HClから選択される化合物であり、具体的には、好ましくはC-2028 9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×1.5HClである。
開示される化合物は、全く新規のアクリジン誘導群である。これまで、不斉ビス-アクリジンを獲得した者はなかった。我々は、リンカー鎖を介して、実質的な構造要素である1-ニトロアクリジン、イミダゾアクリドンおよびトリアゾロアクリドンを共に結合することによって、そのような不斉ビス-アクリジンの合成を行った。これらの要素は、側鎖を欠いたアクリジン核であり、生物活性に重要な役割を果たす可能性がある。また、使用されるのは、イミダゾおよびトリアゾロアクリドンの合成の基質であるアクリドンであり、これは抗新生物特性も示す。
3つの部分群の新規の不斉ビス-アクリジン化合物を得た。すなわち、1.アクリドノ-1-ニトロアクリジン、2.イミダゾアクリドノ-1-ニトロアクリジン、3.トリアゾロアクリドノ-1-ニトロアクリジンであり、それらは、得られた各ビス-アクリジンに存在する1-ニトロアクリジンによって接続される。実施形態例では、43個のビス-アクリジンがまとめて記載され、それらについて、多種多様な生物活性試験が、具体的には様々な新生物に対するインビトロおよびインビボでの抗新生物活性の試験が実施された。実施例に記載されたビス-アクリジンは全て、それ自体の試験所コード、ならびにローマ数字およびローマ文字を有するのに対し、基質および中間体は、アラビア数字およびアラビア文字で表されている。
本発明による化合物例の最初の部分群は、アクリドノ-1-ニトロアクリジン(Ia~x)の不斉二量体からなる。一般式Iによって示されるこれらの化合物を、我々は、概略図1に示される方法を使用して得た。最初の段階は、合成の後期の段階で使用される基質(化合物1、3)を得るためのものであった。これらは、文献(S. Archerおよび中、J. Am. Chem. Soc.、1954年、76(2)巻、588~591;D. B. Cappsおよび中、J. Med. Chem.、1992年、35巻、4770~4778頁)に記載されている化合物である。文献のデータに基づいて、または事前の経験を使って、これらの誘導体の再合成を、3段階もしくは4段階の反応で行った。新規の二量体(ビス-アクリジン)(I)を合成するため、2つの9-フェノキシ-1-ニトロアクリジン(3)誘導体および3つの1-クロロアクリドン(1)誘導体を使用した。
次の段階は、側鎖、すなわち末端アミノ基(2)を有するアクリドンの一置換誘導体―12誘導体を得るためのものであった。これらの化合物は、(W. M. Cholodyら、J. Med. Chem.、1995年、38巻、16号、3043~3052ペ-ジ)に記載された方法または類似の方法を使用して得てもよい。1-クロロアクリドンの誘導体を、過剰の適切な脂肪族アミンと効率良く(合成した誘導体に応じて60~95%)反応させた。複数のフリーのアミノ基が存在している場合、純粋な生成物の合成には、カラムクロマトグラフィーの使用が必要であった。得られた誘導体を、合成された9-フェノキシアクリジン(3)誘導体とフェノール中で縮合して、(I)の不斉二量体を産生し、結晶化および/またはカラムクロマトグラフィーを介してこれを精製した。場合によっては、生物試験を行うのに充分な純度の化合物を得るために、カラムクロマトグラフィーを使用して、生成物を何度も清浄化する必要があった。
概略図1.構造式Ia~xによって定義される化合物の合成
表1.概略図1によって得られるアクリドノ-1-ニトロアクリジンの二量体例(Ia~x)
本発明による化合物例の第2のサブグループは、イミダゾアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(IIa~k)によって構成される。これらの化合物は、一般式IIによって規定され、概略図2に記載の方法を使用して得られた。
合成の実質的な段階は、イミダゾアクリドン5の誘導体の調製である。これらは、2のニトロ誘導体に始まり、還元を経て、結果として得られて不安定なアミノ誘導体を速やかに環化して、合成された。この合成の方法は、W.M. Cholody, S. Martelliら、J. Med. Chem.、33巻、49~52頁、1990年;W.M. Cholody、S. Martelli、J. Konopa、J. Med. Chem.、33巻、10号、2852~2856頁、1990年;M.T. Konieczny、J.K. Konopa, GB 2317888に記載されていた。合成の最後の段階は、5a~gの誘導体と9-フェノキシ-1-ニトロアクリジンの誘導体(3aおよびb)との縮合であった。生物学的試験を実施するのに必要な純度を有する化合物を得るため、得られた最終生成物をカラムクロマトグラフィーによって3回精製した。
概略図2.イミダゾアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉アクリジン二量体(IIa~k)の合成
表2.概略図2に従って得られるイミダゾアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(IIa~k)
本発明による化合物例の第3のサブグループは、トリアゾロアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(IIIa~j)によって構成される。
これらの化合物は、一般式IIIによって規定され、概略図3に記載の方法を使用して得られた。刊行物(Cholodyら、J. Med. Chem.、1990年、33巻、10号、2852~2856頁)に類似のまたは同様の方法を使用して、アクリジン誘導体の縮合に使用する基質(7a~e)の合成を実施した。既に合成されていた化合物(1aおよび1b)を還元反応に供し、次いでトリアゾール環を閉じた。過剰量の適切な脂肪族アミンを含むDMSOまたはDMA中で、1-クロロトリアゾロアクリドンの誘導体(6)の縮合を実施した。結果として得られた誘導体の7を、結晶化を経て精製した。次いで、これらの誘導体を、既に合成されていた誘導体の9-フェノキシ-1-ニトロアクリジン(3aおよびb)と、フェノール中で縮合した。それぞれの生成物(IIIa~j)を得るために、縮合条件(反応時間および温度)を設計した。結晶化および/またはカラムクロマトグラフィーを介して、生成物を精製した。
概略図3.構造式IIIa~jによって規定される誘導体の合成
表3.概略図3に従って得られるトリアゾロアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(IIIa~j)
本発明によるビス-アクリジンの例は、純度99.7%以上の塩酸塩またはメタンスルホン酸塩などの塩の形態で得た。それらの構造は、分光学的方法、すなわちプロトン磁気共鳴法、元素分析によって確認し、これらの化合物の純度は、薄層クロマトグラフィーTLCならびに高速液体クロマトグラフィーを使用して確かめた。固体の塩は、乾燥剤上で1年間にわたって安定である。しかし、水溶液では、これらは、はるかに安定性が低い。合成される誘導体は全て、含水性である。ビス-アクリジンの塩酸塩は全て、水に良く溶けるという特徴がある(1mmolならびに1μmolの溶液について研究を行った)。静脈内および腹腔内に投与するための条件であるため、このことは非常に好ましい。ビス-アクリジンのメタンスルホン酸塩の水中溶解性は、塩酸塩よりもはるかに高い。
融点は、Stuart SMP30キャピラリー装置で決定し、修正していない。1HNMRスペクトルは、500MHzで操作したVarian VXR-S分光計で記録した。化学シフトは、δ単位として、テトラメチルシランから低磁場側のppmでレポート出力している。使用されるNMRの略記は、以下の通りである:br.s-広域のシグナル、s-シングレット、d-ダブレット、dd-ダブルダブレット、t-トリプレット、k-カルテット、m-マルチプレット。各元素の元素分析の結果は、理論値の±0.4%内に適合する。
実施例1.二量体Ia(C-1906):9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリドン×2HClの調製。誘導体2a(0.002mol)、フェノール15mL、および9-フェノキシ-1-ニロアクリジン(3a)(0.002mol)の混合物を90℃で24時間攪拌した。冷却後、反応混合物をメタノール(~10mL)中で溶解し、次いでジエチルエーテル(~100mL)中に注ぎ入れ、次いで0.5時間攪拌した。沈殿物を濾過によって採集し、エーテルおよびアセトンで洗浄した。生成物をアセトン-水から結晶化した。収率51%、融点228~229℃。元素分析:C33H33N7O6Cl2x4H2O。 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 14.00 (br.s, 1H, N10’-H+); 12.41 (s, 1H, N10-H); 11.96 (m, 1H, N1HCH2); 10.74 (br.s, 1H, CH2NCH3-H+CH2); 10.52 (br.s, 1H, N9’-H); 8.44-8.56 (m, 1H, C8’); 8.35 (d, J=9.8 Hz, 1H, C3); 8.12-8.24 (m, 2H, C5’, C2’); 7.93-8.06 (m, 2H, C6’, C3’); 7.84-7.89 (m, 2H, C4’, C5); 7.55-7.62 (m, 1H, C7’); 7.50 (s, 1H, C8); 7.28 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.7 Hz, 1H, C6); 6.58 (d, J= 9.8 Hz, 1H, C2); 3.60-3.69 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.50-3.58 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.96-3.19 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.70 (s, 3H, CH2NCH
3 CH2); 2.02-2.10 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 2.10-2.19 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)
誘導体2a:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ}-7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン×2HClの合成。1-クロロ-7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン(1a)(1.45g、0.005mol)および3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン2.90g(0.02mol)のDMSO(25mL)中混合物を、室温で2.5時間攪拌した。この後、水を添加し(~200mL)、反応混合物を0.5時間攪拌した。沈殿物を濾過によって採集した。次に、それを水中に移し入れ、希塩酸で酸性化し、0.5時間攪拌した。不溶物を濾別し、溶液を蒸発させて体積を小さくした。アセトン(~100mL)を使用して生成物を沈殿とし、次いで濾別して1.2g(51%)を得た。
実施例2.二量体Ib(C-1941):1-[3-(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。調製の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2bおよび3aを合成に使用し、収率63%、融点223~224℃。元素分析:C36H33N8O6Cl3x2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.38 (s, 1H, N10-H); 11.93 (m, 1H, N1HCH2); 8.48-8.56 (m, 1H, C8’); 8.38 (d, J=9.8 Hz, 1H, C3); 8.17-8.22 (m, 1H, C2’); 8.04-8.12 (m, 1H, C4’); 7.94-8.00 (m, 1H, C3’); 7.88-7.94 (m, 2H, C5’, C6’); 7.77 (d, 1H, C5); 7.58 (s, 1H, C8); 7.52-7.58 (m, 1H, C7’); 7.30 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.7 Hz, 1H, C6); 6.61 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.67-3.75 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.57-3.64 (m, 2H, N1HCH
2 ); 3.22-3.57 (m, 8H, N(CH
2 CH
2
)
2N); 3.07-3.22 (m, 2H, N1HCH2CH2CH
2 N); 2.93-3.07 (m, 2H, NCH
2 CH2CH2N9’H); 2.10-2.21 (m, 4H, N1HCH2CH
2 CH2; CH2CH
2 CH2N9’-H)。誘導体2b:1-(アミノプロピル)-4[N-(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)-3-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。調製の方法は、誘導体2aの場合と同様とした。1,4-ビス-(3-アミオノプロピル)ピペラジンを使用した。収率64%。
実施例3.二量体Ic(C-1965):9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノエチル]エチルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2cおよび3aを使用し、反応温度100℃、時間は12時間とした。違いは生成物の精製にあり、化合物を水に溶解し、Na2CO3の水溶液を用いてアルカリ化し、クロロホルムで水相を抽出することを基本とした。抽出物を水で3回洗浄し、MgSO4を用いて乾燥した。溶媒を蒸発させて、シリカゲルクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。最初の溶離液はCHCl3、次いでCHCl3/MeOH(20:1v/v)、(10:1v/v)、(5:1v/v)とした。塩基の形態で精製した生成物をメタノール(10mL)に溶解し、HCl/ジエチルエーテルで酸性化した。次に、それをジエチルエーテルで沈殿とした。収率53%、融点252~254℃。元素分析:C31H31N6O3Cl3x3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.80 (s, 1H, N10-H); 10.10 (s, 1H, N9’HCH2); 9.98 (s, 1H, N1HCH2); 8.13 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.91 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.82 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.64 (t, 1H, Ar-H); 7.50 (t, 2H, Ar-H); 7.35 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.24-7.31 (m, 3H, Ar-H); 7.19 (t, J= 7.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.06-7.12 (t, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 6.19 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.78-3.83 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.21-3.26 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.84-2.89 (m, 2 H, CH
2NHCH2); 2.75-2.80 (m, 2 H, CH2NHCH
2); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3)。誘導体2c:1-{2-[N-(2-アミノエチルアミノ)エチル]アミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。1-クロロ-4-メチル-9(10H)-アクリドン(1b)(1.5g、0.0062mol)およびジエチルトリアミン(10mL)の混合物を攪拌し、150℃で24時間加熱した。この後、混合物を室温に冷却し、次いで水(100mL)中に注ぎ入れ、次いで0.5時間攪拌した。沈殿物を濾過によって採集し、水で洗浄し、乾燥した。生成物をシリカゲル カラム クロマトグラフィーによって精製し、最初の溶離液CHCl3/MeOHを(4:1v/v)の比率で使用して、次いでCHCl3/MeOH/NH3(3:1:0.01、v/v)とした。主要な画分を蒸発させた後にクロロホルム-ヘキサンから結晶化した。結晶をメタノール(10mL)に溶解し、HCl/ジエチル エーテルで酸性化した。アセトン(~100mL)を添加した後、所望の生成物を得た。収率53%。
実施例4.二量体Id(C-1973):1-[3-(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-3’-[(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Icの場合と同様とした。2dおよび3aを使用し、反応時間は26時間、収率33%、融点199~201℃。元素分析:C37H43N7O3Cl4x5H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.71 (s, 1H, N10-H); 10.12 (s, 1H, N9’HCH2); 9.92-9.94 (m, 1H, N1HCH2); 8.14 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.82 (d, J=8.3 Hz, 2H, Ar-H); 7.62-7.65 (t, 1H, Ar-H); 7.48 (t, J=7.8 Hz, 2H, Ar-H); 7.33-7.36 (m, 1H, C3); 7.24-7.29 (m, 3H, Ar-H); 7.17-7.20 (t, 1H, Ar-H); 7.07-7.10 (t, 1H, Ar-H); 6.19 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.66-3.69 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.16-3.20 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.37-2.40 (m, 12 H, CH
2N(CH
2 CH
2
)
2NCH
2); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3); 1.77-1.80 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.65-1.67 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体2d:1-(アミノプロピル)-4-(N-(4-メチル-9(10H)アクリドノ-1-イル)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体2cの場合と同様とした。1,4-ビス(3-N-アミノプロピル)-ピペラジンを使用し、収率68%。
実施例5.二量体Ie(C-1977):9-[N-(4-メチル-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×4HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Icの場合と同様とした。2eおよび3aを使用し、反応時間は30時間、収率35%、融点200~202℃。元素分析:C33H37N7O3Cl4x3H2O. 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.71 (s, 1H, N10-H); 10.12 (s, 1H, N9’HCH2); 9.92-9.94 (m, 1H, N1HCH2); 8.13 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.82 (d, J=8.3 Hz, 2H, Ar-H); 7.63 (t, J= 7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.50 (k, J=7.8 Hz, 2H, Ar-H); 7.35 (d, J=8.3 Hz, 1H, C3); 7.27 (t, J= 7.8 Hz, 3H, Ar-H); 7.16 (t, J= 7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.05 (t, J= 7.8 Hz, 1H, Ar-H); 6.18 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.74-3.79 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.16-3.23 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.81-2.86 (m, 2H, NHCH
2 CH2N9’-H); 2.70-2.75 (m, 2H, N1HCH2CH
2 NH); 2.62-2.68 (m, 4H, NHCH
2 CH
2 NH); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3); 1.77-1.80 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.65-1.67 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体2e:1-{2-[2-(2アミノエチルアミノ)-エチルアミノ]-エチルアミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体2cの場合と同様とした。トリエチレンテトラアミンを使用し、収率35%。
実施例6.二量体If(C-2016):9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノエチル]エチルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2CH3SO2OHの調製。合成および精製の方法は、誘導体Icの場合と同様とした。2cおよび3bを使用し、反応温度120℃、時間は3時間。塩基の形態で精製された生成物をメタノール(10mL)に溶解し、メタンスルホン酸を用いて酸性化した。ジエチルエーテルを添加した後、所望の生成物を得た。収率39%、融点106~108℃。元素分析: C34H38N6O9S2x3H2O. 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.77 (s, 1H, N10-H); 10.10 (s, 1H, N9’HCH2); 9.96 (s, 1H, N1HCH2); 8.14 (d, J=7.7 Hz, 1H, Ar-H); 7.88 (d, J=8.0 Hz, 1H, Ar-H); 7.82 (d, J=8.2 Hz, 1H, Ar-H); 7.67 (d, J=8.2 Hz, 1H, Ar-H); 7.64 (t, J=8.2 Hz, 1H, Ar-H); 7.51 (t, J=7.4 Hz, 1H, Ar-H); 7.37 (d, J=7.7 Hz, 1H, Ar-H); 7.27 (d, J=8.2 Hz, 1H, Ar-H); 7.22 (d, J=8.0 Hz, 1H, Ar-H); 7.19 (t, J=7.4 Hz, 1H, Ar-H); 7.12 (t, J=7.4 Hz, 1H, Ar-H); 6.19 (d, J=8.2 Hz, 1H, C2); 3.78-3.82 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.21-3.28 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.85-2.91 (m, 2 H, CH
2NHCH2); 2.77-2.82 (m, 2 H, CH2NHCH
2); 2.48 (s, 3H), 2.36 (s, 3H, Ar-CH3)。
実施例7.二量体Ig(C-2017):1-[3-(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3CH3SO2OHの調製。合成および精製の方法は、誘導体Ifの場合と同様とした。2dおよび3bを使用し、収率45%、融点119~120℃。元素分析:C41H53N6O12S3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.13 (s, 1H, N10-H); 9.94 (br.s, 1H, N9’HCH2); 9.62 (s, 1H, N1HCH2); 8.15 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.83 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.79 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.63-7.67 (m, 2H, Ar-H); 7.50 (t, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.51 (t, J=7.4 Hz, 1H, Ar-H); 7.35-7.37 (m, 2H, Ar-H); 7.28 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.17-7.24 (m, 2H, Ar-H); 7.12 (t, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 6.18 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.62-3.69 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.15-3.22 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.47 (s, 3H, Ar-CH3); 2.36-2.46 (m, 12 H, CH
2N(CH
2 CH
2
)
2NCH
2); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3); 1.75-1.82 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.63-1.69 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。
実施例8.二量体Ih(C-2019):9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2aおよび3bを使用し、反応温度130℃、時間は3時間、収率34%、融点215~217℃。元素分析:C34H35N7O6Cl2×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.40 (s, 1H, N10-H); 11.97 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.04 (br.s, 1H, N9’-H); 8.36-8.42 (m, 1H, C8’), 8.35 (d, J=9,8 Hz, 1H, C3); 8.11-8.24 (m, 2H, C2’, C5’); 7.97 (t, J=7,6 Hz, 1H, C3’); 7.81-7.91 (m, 2H, C5, C6’); 7.55-7.63 (m, 1H, C7’); 7.49 (s, 1H, C8); 7.27 (dd, J1=8,8 Hz, J2=2,4 Hz, 1H, C6); 6.56 (d, J= 9,8 Hz, 1H, C2); 3.48-3.59 (m, 4H, CH
2N1,9’-H); 2.94-3.22 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.75 (s, 3H, Ar-CH3); 2.73 (br.s, 3H, NCH3); 2.10-2.19 (m, 4H, N1,9’HCH2CH
2 CH2)。
実施例9.二量体Ii(C-2020):1-[3-(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロ-アクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2bおよび3bを使用し、反応温度140℃、時間は3時間、収率39%、融点225~227℃。元素分析:C37H41N8O6Cl3×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.44 (s, 1H, N10-H); 11.99 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.40-8.42 (m, 1H, C8’), 8.38 (d, J=9.8 Hz, 1H, C3); 8.16-8.22 (m, 2H, C2’, C5’); 7.97 (t, J=7,6 Hz, 1H, C6’); 7.81-7.93 (m, 2H, C5, C3’); 7.57-7.68 (m, 1H, C7’); 7.53 (s, 1H, C8); 7.28 (dd, J1=8,8 Hz, J2=2,4 Hz, 1H, C6); 6.59 (d, J= 9,8 Hz, 1H, C2); 3.07-3.80 (m, 16H, Alif-H); 2.01-2.17 (m, 4H, N1,9’HCH2CH
2 CH2)。
実施例10.二量体Ij(C-2021):9-{N-[(7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2fおよび3bを使用し、反応温度140℃、時間は4時間、収率37%、融点221~223℃。元素分析:C33H33N7O6Cl2×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.43 (s, 1H, N10-H); 11.95 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.37 (d, J=9.8 Hz, 1H, C3,); 8.35-8.37 (m, 1H, C8’); 8.12-8.22 (m, 2H, C3’, C5’); 7.92-8.03 (m, J=7.6 Hz, 1H, C6’); 7.78-7.92 (m, 2H, C5, C2’); 7.56-7.63 (m, 1H, C7’); 7.51 (s, 1H, C8); 7.26 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.4 Hz, 1H, C6); 6.56 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.46-3.64 (m, 4H, CH
2N1,9’-H); 2.88-3.09 (m, 4H, CH
2 NHCH
2 ); 2.74 (s, 3H, Ar-CH3); 1.99-2.15 (m, 4H, N1,9’HCH2CH
2 CH2)。誘導体2f:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)]プロピルアミノ}-7-ヒドロキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン×2HClの調製。合成の方法は、誘導体2aの場合と同様とした。ビス(3-アミノプロピル)アミンを使用し、収率56%。
実施例11.二量体Ik(C-2022):9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]プロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体Iaの場合と同様とした。2gおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は2.5時間。違いは生成物の精製にあり、化合物を水に溶解し、Na2CO3の水溶液を用いてアルカリ化し、クロロホルムで水相を抽出することを基本とした。抽出物を水で3回洗浄し、MgSO4を用いて乾燥した。溶媒を蒸発させて、シリカゲルクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。最初の溶離液はCHCl3/MeOH(5:1v/v)、次いでCHCl3/MeOH/NEt3(5:1:0.1v/v)とした。塩基の形態で精製した生成物をメタノール(10mL)に溶解し、HCl/ジエチルエーテルで酸性化した。ジエチルエーテルを添加した後、所望の生成物を得た。収率43%、融点207~209℃。元素分析:C34H37N6O3Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6) δ: 12.31 (s, 1H, N10’-H); 11.02 (s, 1H, N10-H); 10.21 (br.s, 1H, N9’HCH2); 9.15 (s, 1H, N1HCH2); 8.30-8.32 (m, 1H, Ar-H); 8.16-8.17 (m, 1H, Ar-H); 8.11 (d, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.98-7.99 (m, 1H, Ar-H); 7.84-7.90 (m, 2H, Ar-H); 7.58-7.65 (m, 2H, Ar-H); 7.28 (d, J=8.3 Hz, 1H, C3); 7.18 (t, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 6.20 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.59-3.82 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.24-3.27 (m, 2H, N1HCH
2 ); 2.88-2.98 (m, 4 H, CH
2NHCH
2); 2.78 (s, 3H, Ar-CH3); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3); 2.09-2.16 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.95-2.02 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体2g:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)]プロピルアミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体2cの場合と同様とした。ビス(3-アミノプロピル)アミンを使用し、収率33%。
実施例12.二量体Il(C-2023):9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Ikの場合と同様とした。2hおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は1.5時間、収率52%、融点135~137℃。元素分析:C35H39N6O3Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6, base) δ: 10.18 (s, 1H, N10-H); 9.98 (br.s, 1H, N9’HCH2); 9.75 (s, 1H, N1HCH2); 8.13 (d, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.84 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.74-7.81 (d, 1H, Ar-H); 7.69 (d, J=8.3, 1H, Ar-H); 7.65 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.52 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.36 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.28 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.17-7.24 (m, 2H, Ar-H); 7.12 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 6.21 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2); 3.72 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.23-3.29 (m, 2H, N1HCH
2 ); 3.14-3.22 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.78 (s, 3H, Ar-CH3); 2.36 (s, 3H, Ar-CH3); 1.98-2.09 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.84-1.94 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体2h:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。1-クロロ-4-メチル-9(10H)-アクリドン(1b)(2.0g、0.0082mol)および3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン(10mL)の混合物を、マイクロ波反応器を用いて反応させた。合成パラメータは、マイクロ波反応器の効率をP=25%、tmin=120℃、tmax=130℃、実行時間を1時間とした。この後、混合物を室温に冷却し、次いで、水(100mL)中に注ぎ入れて、クロロホルムで抽出した。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。最初の溶離液はCHCl3/MeOH (4:1v/v)、次いでHCl3/MeOH/NH3 (3:1:0.01、v/v)とした。所望の生成物を含有する画分を蒸発させ、次いでそれをメタノール(10mL)に溶解し、HCl/ジエチルエーテルで酸性化した。アセトンを添加した後、所望の生成物を得た。収率47%。
実施例13.二量体Im(C-2024):9-[N-(4-メチル-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×4HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Ikの場合と同様とした。2eおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は3時間、収率33%、融点219~220℃。元素分析:C34H39N7O3Cl4×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.20 (s, 1H, N10-H); 10.07 (br.s, 1H, N9’HCH2); 9.15 (s, 1H, N1HCH2); 8.30 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.18 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 8.12 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.96 (t, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.88 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.83 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.59-7.64 (m, 2H, Ar-H); 7.26 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.17 (t, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 6.25 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.87-3.96 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.50-3.56 (m, 2H, N1HCH
2 ); 3.33-3.39 (m, 2H, NHCH
2CH2NH); 3.14-3.22 (m, 6 H, CH
2NHCH
2CH
2NH); 2.74 (s, 3H, Ar-CH3); 2.34 (s, 3H, Ar-CH3)。誘導体2e:1-{2-[2-(2アミノエチルアミノ)-エチルアミノ]-エチルアミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×4HCl。合成および精製の方法は、誘導体2hの場合と同様とし、トリエチルテトラアミンを使用した。マイクロ波反応器の反応パラメータは、P=30%、tmin=120℃、tmax=130℃、処理時間は45分間とした。収率40%。
実施例14.二量体In(C-2026):9-{N-[(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×2HClの調製。2i(0.0011mol)、フェノール5mL、および9-フェノキシ-1-ニロアクリジン(3a)(0.0011mol)の混合物を、90℃で6時間攪拌した。冷却後、反応混合物をメタノール(~10mL)に溶解し、ジエチルエーテル(~100mL)に注ぎ入れ、次いで、0.5時間攪拌した。沈殿物を濾過によって採集し、エーテルおよび次いでアセトンで洗浄した。生成物をメタノールに溶解し、少量のシリカゲルを添加して溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥クロマトグラフィーカラム上にロードした。最初の溶離液をCHCl3とし、次いで、CHCl3/MeOHを比率(15:1、10:1v/v)とし、CHCl3/MeOH/NH3(10:1:0.1v/v)とした。収率48%、融点148~149℃。元素分析:C33H33N7O5Cl2×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 11.79 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.43 (br.s, 1H, CH2NCH3-H+CH2); 8.30 (d, J=9.8 Hz, 1H, C3); 8.20 (d, 1H, J=8.3 Hz, C8); 7.86 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5); 7.71-7.79 (m, 2H, C6, C8’); 7.34-7.46 (m, 3H, C3’, C6’, C7); 7.29 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.24 (d, J=7.8 Hz, C5’); 7.15 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 7.00 (t, J=7.3 Hz, 1H, C7’); 6.52 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.72 (t, J=5.9 Hz, 2H, CH
2N9’-H); 3.41-3.50 (m, 2H, CH
2N1-H); 2.42-3.50 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.20 (s, 3H, NCH3); 1.80-1.83 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2); 1.70-1.72 (m, 2H, CH2CH
2 CH2 N9’H)。誘導体2i:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ}-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン×2HClの調製。1-クロロ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン(1c)(0.01mol)、3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン(0.04mol)のDMSO(50mL)中混合物を室温で3時間攪拌した。この後、水を添加し(~200mL)、次いで10分間攪拌した。沈殿物を濾過によって採集して、水(~100mL)に懸濁し、次いで、希塩酸で酸性化し、再度15分間攪拌した。不溶の沈殿物を濾別し、濾過物をさらに体積が少なくなるように蒸発させ。アセトン(~100mL)を用いて生成物を沈殿させ、次いで濾別した。収率81%。
実施例15.二量体Io(C-2029):9-{N-[(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×2HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2iおよび3bを使用し、反応温度120℃、時間は12時間とした。収率57%、融点187~189℃。元素分析:C34H35N7O5Cl2×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.37 (s, 1H, N10H); 11.80 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.39 (br.s, 1H, CH2NCH3-H+CH2); 8.38-8.50 (m, 1H, C3); 8.34 (d, 1H, J=9.8 Hz, C8); 8.21 (d, J=8.8 Hz, 1H, C2’); 8.14 (d, J=7.8 Hz, 2H, C5’, C8’); 7.93-7.97 (m, 1H, C6’); 7.91 (d, J=8.8 Hz, 1H, C3’); 7.86 (t, J=7.8 Hz, 1H, C5); 7.74 (t, J=7.6 Hz, 1H, C7); 7.54-7.62 (m, 1H, C7’); 7.36 (d, J=7.6 Hz, C6); 6.59 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.48-3.70 (m, 4H, CH
2N1,9’-H); 3.06-3.20 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.74 (s, 3H, A-CH3); 2.71 (br.s, 3H, NCH3); 2.00-2.20 (m, 4H, N1HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)。
実施例16.二量体Ip(C-2030):1-[3-(4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2jおよび3bを使用し、反応温度140℃、時間は3.5時間とした。収率46%、融点211~213℃。元素分析:C37H41N8O5Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.44 (s, 1H, N10H); 11.87 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.42 (d, J= 9.8 Hz, 1H, C3); 8.34-8,40 (m,1H, C8); 8.15-8.24 (m, 3H, C2’, C5’, C8’); 7.94-8.02 (m, 2H, C6’, C3’); 7.90 (d, J=7.3 Hz, 1H, C5); 7.78 (t, J=7.3, 1H, C7); 7.58-7.65 (t, 1H, C7’); 7.40 (t, J=7.6 Hz, 1H, C6); 6.64 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.53-3.62 (m, 4H, CH
2N9’-H, CH
2N1-H); 3.29-3.33 (m, 4H, CH
2N(CH2CH2)2NCH
2); 3.06-3.15 (m, 8H, CH2N(CH
2 CH
2
)
2NCH2); 2.75 (s, 3H, Ar-CH3); 2.00-2.13 (m, 4H, N1HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)。誘導体 2j: 1-(アミノプロピル)-4[N-(4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)-3-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体2iの場合と同様とした。1,4-ビス(3-N-アミノプロピル)-ピペラジンを使用、収率73%。
実施例17.二量体Ir(C-2031):1-[3-(4-ニトロ-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とし、2jおよび3aを使用した。反応温度90℃、時間は12時間、収率55%、融点204~206℃。元素分析:C36H39N8O5Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.43 (s, 1H, N10H); 11.85 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.72 (s, 1H, N9’HCH2); 8.35 (d, J=9.8 Hz, 2H, C3); 8.19 (d, 1H, J=7.8 Hz, C8); 7.93 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5’); 7.81 (d, J=7.8 Hz, 1H, C8’); 7.75 (t, J=7.3 Hz, 1H, C6’); 7.44-7.52 (m, 2H, C3’, C7); 7.38 (t, J=7.3 Hz, C7’); 7.33 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5); 7.23-7.30 (m, 2H, C2’, C4’); 7.08 (t, J=7.6 Hz, C6); 6.60 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.62-3.69 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.43-3.53 (m, 2H, CH
2N1-H); 2.95-3.35 (m, 12H, CH
2N(CH
2 CH
2
)
2NCH
2); 1.80-1.83 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2); 1.70-1.72 (m, 2H, CH2CH
2 CH2 N9’H)。
実施例18.二量体Is(C-2032):9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Ipの場合と同様とした。2kおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は3時間、収率34%、融点206~208℃。元素分析:C33H35N8O5Cl3×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.38 (s, 1H, N10H); 11.81 (br.s, 1H, N1HCH2); 9.23 (br.s, 2H, NH alif.); 8.44-8.54 (m, 1H, C3); 8.40 (d, 1H, J=9.8 Hz, C8); 8.16-8.24 (m, 3H, C2’, C5’, C8’); 7.94-8.02 (m, 2H, C6’, C3’); 7.89 (d, J=7.8 Hz, 1H, C5); 7.74-7.80 (t, 1H, C7); 7.59-7.66 (t, 1H, C7’); 7.39 (t, J=7.6 Hz, 1H, C6); 6.68 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.85-3.98 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.77-3.85 (m, 2H, CH
2N1-H); 3.31-3.43 (m, 4H, N1HCH2CH
2’ CH
2CH2N9’H); 3.13-3.28 (m, 4H, NHCH
2CH
2NH); 2.76 (s, 3H, Ar-CH3)。誘導体2k:1-{2-[2-(2-アミノエチルアミノ)-エチルアミノ]-エチルアミノ}-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体2iの場合と同様とした。トリエチレンテトラアミンを使用し、収率51%。
実施例19.二量体It(C-2033):9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2kおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は12時間、収率48%、融点241~242℃。元素分析:C32H33N8O5Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.47 (s, 1H, N10H); 11.71 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.59 (s, 1H, N10’HCH2); 8.37 (d, J=9.8 Hz, 2H, C3); 7.91 (d, J=7.8 Hz, 1H, C5’); 7.87 (d, J=8.3 Hz, 1H, C8); 7.59-7.70 (m, 2H, Ar-H); 7.32-7.39 (m, 1H, Ar-H); 7.18-7.25 (m, 2H, Ar-H); 7.14 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.09 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 6.90 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 6.82 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 6.41 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.99 (t, J=5.4 Hz, 2H, CH
2N9’-H); 3.70-3.79 (m, 2H, CH
2N1-H); 3.21-3.30 (m, 4H, N1HCH2CH
2’ CH
2CH2N9’H); 3.09 (t, J=5.4 Hz, 2H, NHCH
2CH2NH); 2.90 (t, J=5.1 Hz, 2 H, NHCH2CH
2NH)。
実施例20.二量体Iu(C-2038):9-{N-[(4-メチル-9(10H)-アクリドノ-1-イル)アミノプロピル]プロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2gおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は5時間、収率38%、融点203~205℃。元素分析:C33H35N6O3Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.25 (s, 1H, N10-H); 8.82 (br.s, 1H, CH2NHCH2); 8.47 (br.s, 1H, Ar-H); 8.22 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.13 (t, J=7.8 Hz, 2H, Ar-H); 7.99-8.05 (m, 2H, Ar-H); 7.81-7.90 (m, 2H, Ar-H); 7.61 (dt, J1=19,3 Hz, J2=7,7Hz, 2H, Ar-H); 7.30 (d, J=8.3 Hz, 1H, C3); 7.18 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 6.26 (d, J=8.3 Hz, 1H, C2); 3.68 (br.s, 2H, CH
2N9’-H); 3.27 (t, J=6.6 Hz, 2H, N1HCH
2 ); 2.86-3.02 (m, 4 H, CH
2NHCH
2); 2.35 (s, 3H, Ar-CH3); 2.02-2.14 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’-H); 1.91-2.02 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体2g:1-{3-[N-(3-アミノプロピル)]プロピルアミノ}-4-メチル-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体2hの場合と同様とし、ジエチルトリアミンを使用した。マイクロ波反応器の反応パラメータは、P=25%、tmin=120℃、tmax=130℃、処理時間は30分。収率54%。
実施例21.二量体Iw(C-2039):9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノプロピルアミノエチルアミノ-プロピルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2lおよび3bを使用した。反応温度120℃、時間は8時間とした。収率38%、融点199~201℃。元素分析:C35H39N8O5Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.43 (s, 1H, N10H); 11.84 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.44-8.54 (m, 1H, C3); 8.39 (d, 1H, J=9.8 Hz, C8); 8.13-8.24 (m, 3H, C2’, C5’, C8’); 7.97 (m, 2H, C6’, C3’); 7.87 (d, J=7.3 Hz, 1H, C5); 7.78 (t, J=7.8 Hz, 1H, C7); 7.55-7.65 (t, 1H, C7’); 7.40 (t, J=7.3 Hz, 1H, C6); 6.65 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.57-3.65 (m, 2H, CH
2N9’-H);3.25-3.33 (m, 2H, CH
2N1-H); 3.17-3.24 (m, 4H, N1HCH2CH2CH
2, CH
2CH2CH2N9’H); 3.04-3.13 (m, 2H, NHCH2CH
2NH); 2.90-3.03 (m, 2H, NHCH
2CH2NH); 2.75 (s, 3H, Ar-CH3); 1.99-2.16 (m, 4H, N1HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)。誘導体2l: 1-{3-[2-(3-アミノプロピルアミノ)-エチルアミノ]-プロピルアミノ}-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体2iの場合と同様とした。1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンを使用し、収率55%。
実施例22.二量体Ix(C-2040):9-[N-(4-ニトロ-9(10H)アクリドノ-1-イル)-アミノプロピルアミノエチルアミノ-プロピルアミノ]-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。合成および精製の方法は、誘導体Inの場合と同様とした。2lおよび3bを使用し、反応温度90℃、時間は4時間とした。収率39%、融点211~213℃。元素分析:C34H37N8O5Cl3 ×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 12.43 (s, 1H, N10H); 11.77 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.74 (br.s, 1H, N9’HCH2); 9.49-9.55 (br.s, 2H, NH alif.); 8.51 (br.s, 1H, Ar-H); 8.30 (d, J=9.8 Hz, 1H, Ar-H); 8.19 (d, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.08-8.17 (m, 2H, Ar-H); 7.99 (t, J=8.1 Hz, 1H, Ar-H); 7.92-7.97 (m, 1H, Ar-H); 7.83-7.87 (m, 2H, Ar-H); 7.69-7.75 (m, 1H, Ar-H); 7.58 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.32-7.37 (m, 1H, Ar-H); 6.57 (d, J=9.8 Hz, 1H, C2); 3.62-3.77 (m, 2H, CH
2N9’-H); 3.52-3.62 (m, 2H, m, 2H, N1HCH
2 ); 3.18-3.36 (m, 4H, N1HCH2CH2CH
2, CH
2CH2CH2N9’H); 3.02-3.15 (m, 2H, NHCH2CH
2NH); 2.87-3.01 (m, 2 H, NHCH
2CH2NH); 1.99-2.20 (m, 4H, N1HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)。
実施例23.二量体IIa(C-2025):1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。誘導体5b(0.001mol)、フェノール5mL、および9-フェノキシ-4-メチル-1-ニロアクリジン(3b)(0.001mol)の混合物を、140℃で3.5時間攪拌した。冷却後、反応混合物をメタノール(~10mL)に溶解し、次いで、ジエチルエーテル(~100mL)中に注ぎ入れ、次いで、0.5時間攪拌した。沈殿物を濾別し、エーテルおよび次いでアセトンで洗浄した。生成物をメタノールに溶解し、少量のシリカゲルを添加して、溶媒を蒸発させた。残渣を乾燥クロマトグラフィーカラム上にロードした。最初の溶離液をCHCl3とし、次いで、CHCl3/MeOHを(15:1、10:1v/v)の比率とし、CHCl3/MeOH/NH3(10:1:0.1v/v)とした。収率36%、融点208~210℃。元素分析:C38H42N8O4Cl4×5H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.23 (s, 1H, N10CH); 9.17 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.40-8.46 (m, 1H, C8’); 8.32 (d, J=9.0 Hz, 1H, C3); 8.20 (d, J= 8.7 Hz, 1H, C5’); 8.15 (d, J=7.8 Hz,1H, C2’); 8.07 (d, J=9.3 Hz, 1H, C6’); 7.96 (t, J=7.8, 1H, C3’); 7.86 (d, J=7.8 Hz, 1H, C5); 7.75 (s, 1H, C8); 7.55-7.64 (m, 1H, C7’); 7.36-7.43 (m, 1H, C6); 7.18 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.32-3.94 (m, 12H, Alif-H) 3.23-3.33 (m, 2H, Alif-H); 3.10-3.15 (m, 2H, Alif-H); 2.75 (s, 3H, Ar-CH3); 2.03-2.22 (m, 4H, N5HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H).
誘導体5b:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。既に得られていた誘導体2b(0,0027mol)、10%Pd/C(触媒量)、および96%ギ酸40mLを、室温で24時間、水素ガスを通すことによって水素添加した。この後、触媒を濾別し、濾過物に2~3mLの濃HClを添加して、混合物を110℃で24時間加熱した。ギ酸を蒸発させ、結果として得られた残渣を、1/1の比率の水-メタノール混合物(約50mL)中で3時間加熱した。溶媒を蒸発させて、残渣をメタノールに溶解し、濃塩酸で酸性化した。生成物をアセトンから結晶化した。収率78%。
実施例24.二量体IIb(C-2027):1-[3-(8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×3HClの調製
生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIaの場合と同様とした。5bおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は24時間、収率63%、融点231~232℃であった。元素分析:C37H39N8O4Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.15 (s, 1H, N10CH); 8.50 (br.s, 1H, C8’); 8.33 (d, J=8.8 Hz, 1H, C3); 8.22 (d, J= 7.4 Hz, 1H, C5’); 8.14 (d, J=8.8 Hz, 1H, C2’); 7.95-8.05 (m, 2H, C6’, C3’); 7.87 (d, J=8.2 Hz, 1H, C5); 7.74 (s, 1H, C8); 7.61 (d, J=7.6 Hz, 1H, C7’); 7.40 (dd, J1=8.7 Hz, J2=2.3 Hz, 1H, C6); 7.16 (d, J=9.1 Hz, 1H, C2); 3.52-3.80 (m, 10H, Alif-H) 3.33-3.52 (m, 2H, CH
2N(CH2CH2)2NCH2); 3.20-3.33 (m, 2H N(CH
2CH2)2N); 3.04-3.19 (m, N(CH2CH
2)2NC); 2.14-2.23 (m, 2H, CH2CH
2 CH2 N9’H); 2.05-2.14 (m, 2H, N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例25.二量体IIc(C-2028):9-{N-[(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×1.5HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5aおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は24時間、収率45%、融点207~209℃。元素分析:C34H34N7O3Cl1,5 ×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.79 (s, 1H, N10CH); 9.70 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.43 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.37-8.41 (m, 1H, Ar-H); 8.36 (d, J= 7.8 Hz, 1H, Ar-H); 8.20 (d, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.08 (d, J=8.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.99-8.02 (m, 2H, Ar-H); 7.92-7.99 (m, 2H, Ar-H); 7.82 (d, J=8.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.63 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.58 (t, J=7.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.01 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.58-3.63 (m, 2H, CH
2N9’H) 3.48-3.56 (m, 2H, CH
2N5H); 2.91-3.27 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.75 (s, 3H, NCH3); 1.90-2.22 (m, 4H, CH2CH
2 CH2N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体5c:5-{3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ}-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×2HClの調製。合成の方法は、誘導体5bの場合と同様とした。誘導体2iを使用、収率74%。
実施例26.二量体IId(C-2037):9-[N-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-アミノエチルアミノエチルアミノ-エチルアミノ]-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5eおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は3時間、収率27%、融点220~221℃、元素分析:C33H34N8O3Cl4×5H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.13 (s, 1H, N10CH); 9.18 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.52 (d, J=8.3 Hz, 1H, C8); 8.46 (d, J=8.3 Hz, 1H, C8’); 8.40 (d, J= 7.8 Hz, 1H, C5’); 8.20 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 8.13 (d, J=8.8 Hz, 1H, C4’); 8.07 (d, 1H, C3); 8.01 (t, 1H, C3’); 7.91-7.98 (m, 2H, C7’, C6); 7.85 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5); 7.66 (t, J=7.8 Hz, 1H, C6’); 7.55-7.63 (t, 1H, C7); 7.16 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.85-3.94 (m, 2H, CH
2N9’H) 3.77-3.85 (m, 2H, CH
2N5H); 3.36-3.43 (m, 2H, NHCH
2CH2N9’H); 3.17-3.27 (m, 6H, N5HCH2CH
2NHCH
2CH
2NH)。誘導体5e:5-{2-[2-(2-アミノエチルアミノ)-エチルアミノ]-エチルアミノ}-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体5bの場合と同様とした。誘導体 2kを使用、収率67%。
実施例27.二量体IIe(C-2041):1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5dおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は19時間、収率56%、融点199~201℃。元素分析:C37H40N8O3Cl4×6H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 13.79 (br.s, 1H, N10’-H+); 9.81 (s, 1H, N10CH); 8.48-8.54 (m, 1H, Ar-H); 8.46 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.40 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 8.22 (d, J= 7.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.13 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.02-8.09 (m, 2H, Ar-H); 7.94-8.01 (m, 2H, Ar-H); 7.86 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.66 (t, 1H, Ar-H); 7.59 (t, 1H, Ar-H); 7.06 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.61-3.73 (m, 4H, N5HCH
2, CH
2N9’H); 3.50-3,59 (m, 4H, CH
2N(CH2CH2)2NCH
2); 3.24-3.33 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.06-3.16 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 2.05-2.21 (m, 4H, N5HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2N9’H)。誘導体5d:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体5bの場合と同様とした。誘導体2jを使用、収率72%。
実施例28.二量体IIf(C-2042):9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5aおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は26時間、収率42%、融点223~225℃。元素分析:C34H37N7O4Cl3×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.28 (br.s, 1H, N1HCH2); 10.13 (s, 1H, N10CH); 8.39-8.52 (m, 1H, C8’); 8.31 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.20 (d, J= 7.3 Hz, 1H, C5’); 8.12 (d, J=8.8 Hz, 1H, C2’); 8.05 (d, J=9.3 Hz, 1H, Ar-H) 7.98-8.03 (m, 1H, Ar-H); 7.92-7.98 (m, 1H, C5); 7.85 (d, J=8.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.71 (s, 1H, C8); 7.52-761 (m, 1H, C7’); 7.40 (d, J=8.8 Hz, 1H, C6); 7.13 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.58-3.71 (m, 2H, CH2N9’H) 3.51-3.58 (m, 2H, N5HCH2); 3.23-3.33 (m, 4H, CH
2NCH3CH
2); 2.70 (s, 3H, NCH3); 2.08-2.19 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’H); 2.00-2.08 (m, 2H, N5HCH2CH
2 CH2)。 誘導体5a:5-{3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ}-8-ヒドロキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体5bの場合と同様とした。誘導体2aを使用、収率67%。
実施例29.二量体IIg(C-2045):9-{N-[(8-ヒドロキシイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5aおよび3bを使用し、反応温度90℃、時間は26時間、収率45%、融点218~218℃。元素分析:C35H36N7O4Cl3×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.03 (s, 1H, N10CH); 9.07 (br.s, 1H, N1HCH2); 8.44 (m, 1H, C8’); 8.31 (d, J=8.8 Hz, 1H, C3); 8.22 (d, J= 8.3 Hz, 1H, C5’); 8.15 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 8.04 (d, J=9.3 Hz, 1H, C6’); 7.96 (t, J=7.8 Hz, 1H, C3’); 7.87 (d, J=7.3 Hz, 1H, C5); 7.70 (s, 1H, C8); 7.54-7.63 (m, 1H, C7’); 7.39 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.4 Hz, 1H, C6); 7.10 (d, J=8.8 Hz, 1H, C2); 3.44-3.67 (m, 4H, CH2N9’H, N5HCH2) 2.91-3.27 (m, 4H, CH
2NCH3CH
2); 2.76 (s, 3H, Ar-CH3); 2.70 (s, 3H, NCH3); 2.12-2.23 (m, 2H, CH2CH
2 CH2 N9’H) 1.98-2.12 (m, 2H, N1HCH2CH
2 CH2)。
実施例30.二量体IIh(C-2049):1-[3-(8-メトキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製
生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5gおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は7時間、収率51%、融点218~220℃。元素分析:C38H42N8O4Cl4×4H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.30 (s, 1H, N10HCH); 8.43 (d, J= 9.1 Hz, 1H, Ar-H); 8.18 (d, J= 7.7 Hz, 1H, C5’); 8.04-8.07 (m, 2H, , Ar-H); 7.90-8.01 (m, 2H, , Ar-H); 7.79-7.84 (m, 2H, C8); 7.53-7.62 (m, 2H, , Ar-H); 7.18 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 2.89 (s, 3H, OCH3); 3.55-3.69 (m, 10H, Alif-H) 3.26-3.34 (m, 4H N(CH
2CH
2)2N); 3.06-3.19 (m, 2H, N(CH2CH2)2NCH
2); 2.04-2.20 (m, 4H, CH2CH
2 CH2N9’H; N1HCH2CH
2 CH2)。誘導体5g:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(8-メトキシ-イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。1-クロロ-7-メトキシ-4-ニトロ-9(10H)-アクリドン(1d)(4.57g、0.015mol)、1,4-ビス-(3-アミオノプロピル)ピペラジン(12g、0.06mol)のDMSO(25mL)中混合物を、60℃で0.5時間攪拌した。この後、水を添加し、(~200mL)、次いで、0.5時間攪拌した。沈殿物を濾別して水に懸濁し、希塩酸で酸性化して、再度0.5時間攪拌した。不溶の物質を濾過によって分け、濾過物をさらに体積が少なくなるように蒸発させた。アセトン(~100mL)を用いて生成物(2m)を沈殿させ、次いで、濾過した。収率43%。結果として得られた誘導体2m(0,002mol)、10%Pd/C(触媒量)、および96%ギ酸30mLを、室温で24時間、水素ガスを通すことによって水素添加した。この後、触媒を濾別し、濾過物に約2~3mLの濃HClを添加して、混合物を110℃の温度で24時間加熱した。ギ酸を蒸発させ、得られた残渣を1/1の比率の水-メタノール混合物(約50mL)中で3時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールに溶解し、濃塩酸で酸性化した。生成物をメタノール/アセトンから結晶化した。収率59%。
実施例31.二量体IIi(C-2050):1-[3-(イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5dおよび3bを使用し、反応温度140℃、時間は7時間、収率23%、融点218~220℃。元素分析:C38H42N8O3Cl4x7H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.16 (s, 1H, N10CH); 8.47 (d, 1H, Ar-H); 8.40 (d, 2H, Ar-H); 8.19 (d, J= 7.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.15 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.07 (d, 2H, Ar-H); 7.92-7.98 (m, 2H, Ar-H); 7.85 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.67 (t, 1H, Ar-H); 7.59 (t, 1H, Ar-H); 7.13 (d, J=9.3 Hz, 1H, C2); 3.49-3.67 (m, 10H, Alif-H) 3.23-3.36 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.04-3.20 (m, 2H, N(CH2CH
2)2N); 2.74 (s, 3H, Ar-CH3); 2.03-2.21 (m, 4H, N5HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)
実施例32.二量体IIj(C-2051):1-[3-(8-ヒドロキシ-メチルイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIbの場合と同様とした。5fおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は6時間、収率20%、融点238~240℃。元素分析:C38H42N8O4Cl4x8H2O. 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 8.40-8.48 (m, 1H, Ar-H); 8.15-8.22 (m, 2H, Ar-H); 8.06-8.11 (d, 1H, Ar-H); 7.92-8.03 (m, 3H, Ar-H); 7.83 (s, 1H, C8) 7.82-7.85 (m, 1H, C7’); 7.58 (t, 1H, Ar-H); 7.38 (dd, 1H, Ar-H); 7.13 (d, 1H, C2); 3.60-3.69 (m, 6H, N5HCH
2, CH
2N9’H, CH
2N(CH2CH2)2N) 3.53-3.60 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.27-3.33 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.24 (s, 3H, イミダゾ-CH3); 3.08-3.17 (m, 2H, N(CH2CH2)2NCH
2); 2.12-2.19 (m, 2H, CH2CH
2 CH2 N9’H); 2.04-2.12 (m, N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体5f:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(8-ヒドロキシ-メチルイミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。MeOH:H2O(4:1)混合物150mL中の既に得られていた誘導体2b(0.004モル)、10%Pd/C(触媒量)を、室温で24時間、水素ガスを通すことによって水素添加した。この後、HCl/ジエチルエーテルの酸性化溶液中へ触媒を濾別した。沈殿物 を濾過によって採集し、DMA40mLに希釈して、24時間加熱した。次に、DMAを1/3容量まで蒸発させて、沈殿物を濾別し、濾過物にアセトンを添加した。沈殿物をメタノールに溶解し、濃塩酸で酸性化した。生成物をアセトンから結晶化した。収率31%。
実施例33.二量体IIk(C-2053):9-{N-[( イミダゾ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIaの場合と同様とした。5cおよび3bを使用し、反応温度120℃、時間は3時間、収率40%、融点205~206℃。元素分析:C35H36N7O3Cl3×2H2O. 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.93 (br.s, 1H, N1HCH2); 9.77 (br.s, 1H, N10CH); 8.44 (d, J=8.3 Hz, 1H, Ar-H); 8.36 (d, J=7.3 Hz, 2H, Ar-H); 8.18 (d, J=8.8 Hz, 1H, C3); 8.15 (d, J= 7.8 Hz, 1H, Ar-H); 8.04 (d, J=9.3 Hz, 1H, Ar-H); 7.97 (t, J=7.8 Hz, 2H, Ar-H); 7.88 (d, J=7.8 Hz, 1H, Ar-H); 7.64 (t, J=7.6 Hz, 1H, Ar-H); 7.55-7.61 (m, 1H, Ar-H); 7.02 (d, J=8.8 Hz, 1H, C2); 3.42-3.61 (m, 4H, CH2N9’H, N5HCH2) 3.07-3.24 (m, 4H, CH
2NCH3CH
2); 2.75 (s, 3H, Ar-CH3); 2.73 (s, 3H, NCH3); 1.95-2.20 (m, 4H, N5HCH2CH
2 CH2, CH2CH
2 CH2 N9’H)。
実施例34.二量体IIIa(C-2047):1-[3-(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIaの場合と同様とした。7aおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は6時間、収率59%、融点217~219℃。元素分析:C36H39N9O4Cl4×5H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.32 (br.s, 1H, N5HCH2); 8.53 (m, 1H, C8’); 8.30 (d, J=8.8 Hz, 1H, C10); 8.26 (d, J= 9.3 Hz, 1H C3); 8.21 (d, J=7.3 Hz, 1H, C2’); 8.18 (d, J=8.8 Hz, 1H, C5’); 8.02 (t, J=8.1 Hz, 1H, C3’); 7.94-7.99 (m, 1H, C6’); 7.90 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.71 (s, 1H, C7); 7.60 (t, J=7.6 Hz, 1H, C7’); 7.40 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.9 Hz, 1H, C9); 7.17 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.72-3.90 (m, 2H, CH
2N9’H); 3.57-3.72 (m, 6H, N5HCH
2, CH
2N(CH2CH2)2NCH
2); 3.36-3.54 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.22-3.32 (m, 2H, N(CH
2CH2)2N); 3.04-3.18 (m, 2H, N(CH
2CH2)2N); 2.16-2.24 (m, 2H, CH2CH
2 CH2N9’H) 2.06-2.16 (m, 2H, N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体7a:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。1,4-ビス-(3-アミオノプロピル)ピペラジン(2.7g、0.0135mol)、6a(1.16g、0.0045mol)のDMA(10mL)中混合物(化合物6aは、Cholodyら、J. Med. Chem.、1990年、33巻、10号、2852~2856頁にあるものと類似の方法を使用して得た)を60℃で4時間加熱した。この後、メタノールを添加し、反応混合物を一晩、冷凍庫に放置した。沈殿物を濾別し、次いで、クロロホルムに溶解し、HCl/ジエチルエーテルで酸性化して、ジエチルエーテルで沈殿させた。生成物をメタノール/アセトンから結晶化した。収率65%。
実施例35.二量体IIIb(C-2048):1-[3-(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製
生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7bおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は1.5時間、収率66%、融点223~225℃。元素分析:C36H39N9O3Cl4×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.35 (br.s, 1H, N5HCH2); 8.50-8.56 (m, 1H, C8’); 8.48 (d, J=8.3Hz, 1H, C10); 8.39 (d, J= 7.8 Hz, 1H, C7); 8.32 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.22 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 8.16 (d, J=8.8 Hz, 1H, C5’); 7.95-8.07 (m, 3H, C6’, C3’, C8); 7.89 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.69 (t, J=7.6 Hz; 1H, C9); 7.61 (t, J=7.6 Hz, 1H, C7’); 7.22 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.55-3.92 (m, 8H, CH
2N9’H, N5HCH
2, CH
2N(CH2CH2)2NCH
2); 3.36-3.54 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.33-3.51 (m, 4H, N(CH
2CH
2)2N); 3.21-3.32 (m, 2H); 3.01-3.21 (m, 2H); 2.01-2.27 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体7b:1-(アミノプロピル)-4[N-5-(6H-[1,2,3]トリアゾロ [4,5,1-de]-アクリジン-6-オン)-3-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体7aの場合と同様とし、6bおよび1,4-ビス(3-N-アミノプロピル)-ピペラジン を使用した。クロロホルムを反応混合物に添加し、水で洗浄した。水相を蒸発させ、メタノールに溶解し、HCl/ジエチルエーテルで酸性化して、次いで、ジエチルエーテルで塩酸塩として沈殿させた。収率72%。
実施例36.二量体IIIc(C-2052):9-{N-[(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×2CH3SO2OHの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7cおよび3aを使用、反応温度90℃、時間は2時間、収率40%、融点195~197℃。元素分析:C35H38N8O10S2×3H2O。 1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.60 (br.s, 1H, OH); 9.34 (br.s, 1H, N5HCH2); 8.36-8.42 (m, 1H, C8’); 8.20 (d, J=8.8 Hz, 1H, C10); 8.28 (d, J= 9.3 Hz, 1H C3); 8.18-8.22 (m, 1H, C2’); 8.09 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5’); 8.00-8.05 (m, 1H, C3’); 7.50-8.00 (m, 1H, C6’); 7.83 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.69 (s, 1H, C7); 7.56-7.62 (m, 1H, C7’); 7.41 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.9 Hz, 1H, C9); 7.16 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.58-3.64 (m, 4H, CH
2N5,9’H); 2.93-3.21 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.73 (s, 3H, NCH3); 2.00-2.16 (m, 4H, CH2CH
2 CH2N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体7c:5-[3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ]-8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×4HClの調製。合成の方法は、誘導体7aの場合と同様とした。6aおよび3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミンを使用、収率67%。
実施例37.二量体IIId(C-2056):9-{N-5-[(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7cおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は1時間、収率35%、融点205~207℃。元素分析:C34H35N8O4Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 10.91 (s, 1 H, OH); 9.32 (t, 1H, N5H); 8.40-8.60 (m, 1H, C8’); 8.31 (d, J=8.8 Hz, 1H, C10); 8.27 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.16 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5’); 8.07 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 7.94 (t, J=7.8 Hz, 1H, C6’); 7.83 (d, J=7.8 Hz, 1H, C3’); 7.70 (s, 1H, C7); 7.53-7.63 (m, 1H, C7’); 7.42 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.9Hz, 1H, C9); 7.17 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.52-3.71 (m, 4H, CH
2N5,9’-H); 2.97-3.17 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.77 (s, 3H, CH3-Ar); 2.67 (s, 3H, NCH3); 2.12-2.23 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例38.二量体IIIe(C-2057):1-[3-(8-ヒドロキシ-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン ×4HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7aおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は1.5時間、収率39%、融点225~227℃。元素分析:C37H41N9O4Cl4×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.37 (t, 1H, N5H); 8.38-8.48 (m, 1H, C8’); 8.33 (d, J=8.8 Hz, 1H, C10); 8.29 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.20 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5’); 8.16 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 7.97 (t, J=7.8 Hz, 1H, C6’); 7.88 (d, J=7.8 Hz, 1H, C3’); 7.73 (s, 1H, C7); 7.58-7.65 (m, 1H, C7’); 7.41 (dd, J1=8.8 Hz, J2=2.9 Hz, 1H, C9); 7.19 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.22-3.79 (m, 12H, CH
2N5,9’-H, N(CH
2 CH
2
)
2N); 2.97-3.17 (m, 4H, CH
2 N(CH2CH2
)
2NCH
2 ); 2.77 (s, 3H, Ar-CH3); 2.12-2.23 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例39.二量体IIIf(C-2058):1-[3-(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-4-[3’-(4’-メチル-1’-ニトロアクリジン-1-イル)-アミノプロピル]ピペラジン×4HClの調製
生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7bおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は1時間、収率35%、融点192~193℃。元素分析:C37H41N9O3Cl4×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.37 (t, 1H, N5H); 8.53 (d, J=7.8 Hz, 1H, C10); 8.46-8.50 (m, 1H, C8’); 8.43 (d, J=7.3 Hz, 1H, C7); 8.36 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.26 (d, J=8.3 Hz, 1H, C5’); 8.20 (d, J=7.3 Hz, 1H, C2’); 7.95-8.06 (m, 2H, C6’, C8); 7.93 (d, J=7.3 Hz, 1H, C3’); 7.72 (t, J=7.3 Hz, 1H, C9); 7.62-7.68 (m, 1H, C7’); 7.25 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.41-3.78 (m, 12H, CH
2N5,9’-H, N(CH
2 CH
2
)
2N); 3.05-3.39 (m, 4H, CH
2 N(CH2CH2
)
2NCH
2 ); 2.80 (s, 3H, CH3-Ar); 2.04-2.22 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例40.二量体IIIg(C-2059):9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製
生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7dおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は1.5時間、収率46%、融点189~191℃。元素分析:C33H33N8O3Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.30 (t, 1H, N5H); 8.48-8.54 (m, 1H, C8’); 8.47 (d, J=8.3 Hz, 1H, C10); 8.36 (d, J=7.8 Hz, 1H, C7); 8.28 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.19 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 8.16 (d, J=8.8 Hz, 1H, C5’); 7.94-8.02 (m, 2H, C3’, C6’); 7.90-7.96 (m, 1H, C8); 7.88 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.66 (t, J=7.8 Hz, 1H, C9); 7.58 (t, J=7.8 Hz, 1H, C7’); 7.18 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.54-3.65 (m, 4H, CH
2N5,9’-H); 2.88-3.10 (m, 4H, CH
2 NHCH
2 ); 2.70 (s, 3H, NCH3); 2.00-2.10 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体7d:5-[3-[N-(3-アミノプロピル)-N-メチルアミノ]プロピルアミノ]-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体7bの場合と同様とした。6bおよび3,3-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミンを使用、収率65%。
実施例41.二量体IIIh(C-2060):9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-N-メチルアミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体 IIIaの場合と同様とした。7d および 3bを使用し、反応温度100℃、時間は1時間、 収率36%、融点203~205℃。元素分析: C34H35N8O3Cl3×3H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.31 (t, 1H, N5H); 8.44 (d, J=7.8, Hz, 1H, C10); 8.33 (d, J=7.8 Hz, 1H, C7); 8.24 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.17 (d, J=7.8 Hz, 1H, C5’); 8.10 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 7.89-7.98 (m, 2H, C6’, C8); 7.82-7.87 (m, 1H, C3’); 7.54-7.63 (m, 2H, C9, C7’); 7.14 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.41-3.75 (m, 4H, CH
2N5,9’-H); 2.95-3.08 (m, 4H, CH
2 NCH3CH
2 ); 2.72 (s, 3H, NCH3); 2.00-2.18 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例42.二量体IIIi(C-2061):9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-4’-メチル-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7eおよび3bを使用し、反応温度100℃、時間は1.5時間、収率44%、融点228~229℃。元素分析:C33H33N8O3Cl3×2H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.33 (t, 1H, N5H); 8.60-8.66 (m, 1H, C8’); 8.45 (d, J=8.3 Hz, 1H, C10); 8.36 (d, J=8.3 Hz, 1H, C7); 8.26 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.16 (d, J=8.8 Hz, 1H, C5’); 8.11 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 7.90-7.96 (m, 2H, C6’, C8); 7.82 (d, J=7.8 Hz, 1H, C3’); 7.63 (t, J=7.8 Hz, 1H, C9); 7.54-7.58 (m, 1H, C7’); 7.15 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.62-3.70 (m, 4H, CH
2N5,9’-H); 2.87-3.05 (m, 4H, CH
2 NHCH
2 ); 1.95-2.10 (m, 4H, CH2CH
2 CH2N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。誘導体 7e: 5-{3-[N-(3-アミノプロピル)-アミノ]プロピルアミノ}-6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン×3HClの調製。合成の方法は、誘導体 7aの場合と同様とした。6bおよびビス(3-アミノプロピル)アミンを使用、収率 63%。
実施例43.二量体IIIj(C-2062):9-{N-5-[(6H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5,1-de]-アクリジン-6-オン-5-イル)アミノプロピル]-アミノプロピルアミノ}-1’-ニトロアクリジン×3HClの調製。生成物の合成および精製の方法は、誘導体IIIaの場合と同様とした。7eおよび3aを使用し、反応温度90℃、時間は2時間、収率36%、融点213~215℃。元素分析:C32H31N8O3Cl3 ×H2O。1H NMR (Me2SO-d6+TFA) δ: 9.30 (t, 1H, N5H); 8.43 (d, J=8.3 Hz, 1H, C10); 8.38-8.42 (m, 1H, C8’); 8.34 (d, J=7.8 Hz, 1H, C7); 8.24 (d, J=9.3 Hz, 1H, C3); 8.17 (d, J=7.8 Hz, 1H, C2’); 8.07 (d, J=8.8 Hz, 1H, C5’); 7.97 (t, J=7.8 Hz, 1H, C3’); 7.90-7.96 (m, 2H, C6’, C8); 7.81 (d, J=8.3 Hz, 1H, C4’); 7.62 (t, J=7.8 Hz, 1H, C9); 7.55 (t, J=7.8 Hz, 1H, C7’); 7.13 (d, J=9.3 Hz, 1H, C4); 3.60-3.73 (m, 4H, CH
2N5,9’-H); 2.90-3.05 (m, 4H, CH
2 NHCH
2 ); 2.00-2.10 (m, 4H, CH2CH
2 CH2 N9’H; N5HCH2CH
2 CH2)。
実施例44.インビトロ細胞毒性試験。ビス-アクリジンの細胞毒性の尺度は、対象に比べて50%の細胞の成長を阻害する検討化合物のEC50(腫瘍の50%の阻害が観察される際の、供試化合物の濃度)である。化合物の細胞毒性は、米国国立がん研究所(米国)の推奨するSRBを使用して決定した。ビス-アクリジンスクリーニング研究における13種のヒト由来新生物のスペクトルとして、以下を使用した:HT29(CRC)、HCT116(CRC)、H460(肺がん)、MDAMB231(乳がん)、MCF-7(乳がん)、UM UC3(膀胱がん)、PC3(前立腺がん)、DU145(前立腺がん)、Panc-1(膵臓がん)、MiaPaCa2(膵臓がん)、BXPC3(膵臓がん)、AsPC1(膵臓がん)、Capan-2(膵臓がん)。検討したビス-アクリジンについて決定したEC50値を表4に示す。ビス-アクリジンの活性に対する最も高い感受性は、前立腺がんDU-145によって示され、このため、得られた43種のビス-アクリジンを全てそれに供試した。43種のビス-アクリジンが全て、DU145に対し細胞毒性を示す(EC50は1μMを下回る)一方、16種のビス-アクリジンは、前記に比べて、これらの新生物に対して非常に高い細胞毒性を示した(EC50は0.01~0.03μMの範囲)。DU-145の結果は、化合物およびスクリーニング用の新生物を選択するために、実質的に根拠となった。ビス-アクリジンの細胞毒性に最も感受性の高い次点の新生物は、CRC HCT-116ならびに乳がんMBA-MB-231である。その場合、HCT-116のEC50が0.01~0.03μMの範囲にあることが、供試した27種のうち12種のビス-アクリジンによって示され、MDA-MB-231の場合には、22種のうち11種のビス-アクリジンによって示された。残りのビス-アクリジンの細胞毒性は、著しく大きいかまたは高い(EC50は1から0.04μMの範囲)。イミダゾアクリドノ-1NO2-アクリジンの二量体の細胞毒性に対する様々な感受性は、膵臓がんで示されている。Panc-1、MiaPaCa-2、およびCapan-2は、より感受性が高く、一方、AsPC-1およびBxPC-3では、この活性は、少なくとも1桁は小さい。であることを強調すべきである。選択した12種の新生物への試験において、得られた43種のビス-アクリジンは全て、前立腺がん細胞DU145の場合のように、細胞毒(EC50<1μM)を示した。
表4.EC50値として表されるヒト由来の新生物細胞に対するビス-アクリジンの細胞毒性
実施例45.胸腺を欠いているマウスに及ぼすヒト由来の新生物の異種移植に対する抗新生物活性
現在、抗新生物活性の試験で最も重要な結果が、異種移植を使用して、ヒト由来の新生物について得られており、特に、インビトロで細胞が高い感受性を示す結果がある。そのため、主に細胞毒性に基づき、26種のビス-アクリジンを選択した。ビス-アクリジンの細胞毒性の測定(表4)から、11種のヒト由来の新生物に対する抗新生物活性を無毛マウスでの異種移植にて評価する、34通りの実験を実施した。5週齢の雌のCrl:Nu-Foxn1nuの無毛マウスに、マウス1頭あたり5x106細胞個の割合で腫瘍を皮下注射した。新生物とその生着に応じて腫瘍が約100mm3または200mm3に達した後、すなわち8日間または30日間後に、治療を開始した。治療を開始した日に、動物を無作為化して群に分けた。試験群には6頭から8頭までの動物がおり、対照には8頭から14頭の動物がいた。各化合物を3つの異なる用量で供試した。
調製物を4週間にわたって週2回(成長の早い新生物には週3回)、静脈内投与(i.v.)した。いくつかの連では、同じスキームで腹腔内(i.p.)を使用した。(I.p.)投与の結果では、(i.v.)よりもはるかに高い毒性があっため、さらに(i.v.)のみを使用した。腫瘍サイズ(算出した腫瘍体積に基づく腫瘍の長さおよび幅の測定値)を測定することによって、供試した製剤の治療上の有効性を評価した。成長の早い新生物には約30日間にわたって、ならびに成長の遅い新生物には約60日間にわたって、腫瘍を週2回測定した。処置群の腫瘍体積を対照群と比較した。これに基づき、以下の式:腫瘍成長阻害TGI(%)=100-(ΔVT/ΔVC×100)を使用して腫瘍成長の阻害を算出した。式中で、ΔVTは、所与の治療日に処置された群の動物の平均腫瘍体積から、治療開始日の動物の腫瘍体積を引いたものである。ΔVCは、所与の治療日における対照群の動物の平均腫瘍体積から、治療開始日の動物の腫瘍体積の平均値を引いたものである。マウス中のヒト由来新生物の異種移植で実施された抗新生物活性の試験の結果を、表5に示す。結果の表は、最適であるものとして特定された新生物の成長の最大阻害パーセントの用量、ならびにその結果を得た日程を示す。上記の結果は、動物全てに、または実験終了まで生き残った半数を超える動物に投与された用量であった場合にのみ採用した。また、評価は、調製物の投与が既に完了した日であった。すなわち、成長の速い新生物(例えばHCT116)には、これを15日から26日までとし、一方、成長の遅い新生物(例えばPanc1)には、34日から60日までとした。これらの結果は、一連(3つの異なる用量)の試験新生物の周囲の成長阻害のパーセンテージに示された新生物の成長を阻害する。さらに、新生物の最大阻害は、値TGI値を変えることのできる要素がない日に特定することができた。
そのような要素としては、体重の大幅な減少、観察可能な毒素血症の出現、腫瘍成長の過剰な速度、すなわち腫瘍が2000mm3を上回り、その日には全ての動物が生存していた場合が挙げられる。
表5.無毛マウスにおける異種移植されたヒト由来の新生物に対するビス-アクリジンの抗新生物活性の決定(化学基に分類)
A.アクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体
*成長の遅い新生物(Panc1、DU145)の場合は60日間、t成長の早いものの場合は30日間、少なくとも半数の動物が生存しなかった。
B.トリアゾロアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(表5続き)
C.イミダゾアクリドノ-1-ニトロアクリジンの不斉二量体(表5続き)
*成長の遅い新生物(Panc1、DU145)の場合は60日間、t成長の早いもの(HCT116、H460)の場合は30日間、少なくとも半数の動物が生存しなかった。
評価の基準として、以下の阻害の尺度:閾値活性TGI<60%、著しい活性としてTGI≧60%、非常に高い活性としてTGI≧80%を採用した。