JP2000507230A - 望ましくない標的細胞の破壊方法 - Google Patents

望ましくない標的細胞の破壊方法

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Abstract

(57)【要約】 末梢血液から採集された有核細胞,前記有核細胞から選別されたCD-34+細胞,もしくは骨髄穿剌腔から採集されたCD-34+細胞,または骨髄または多能性幹細胞を含んだ血液もしくは正常基質細胞により支持された悪性細胞からの未成熟(早期)の前駆細胞などの細胞集団内の好ましくない標的細胞を破壊する方法であって,前記細胞集団は,1または2の免疫性トキシンにインビトロまたはインビボで曝露される。さらに,本発明は,免疫性トキシンの混合物及び該混合物の使用方法並びに前記破壊方法実施のためのキットにも係わる。

Description

【発明の詳細な説明】 1または2以上の免疫性トキシンによって,患者から 採取された細胞集団中の標的細胞を破壊する方法 この発明は,標的細胞としての細胞集団(cell population)を一種またはそれ 以上の免疫性トキシンによって選別的にパージ(purge)する方法に関する。 いわゆる自系の(autologous)幹細胞移植組織(stem cell trans plants)には ガン患者の血液または骨髄から分離した細胞が含まれるが,これら細胞は,患者 を予備治療したあとでは,適量の未成熟(immature)かつ前駆的(progenitor)な血 液と,免疫された細胞とが含まれてその細胞が採取された患者の血液の細胞を再 生することにより遅かれ早かれ骨髄機能を回復させる。 移植組織が未選別な骨髄サンプルである場合の抗体を用いて自系の非病原性(h aematopoietic)移植組織を除くことについてはよく知られている。たとえば,My klebust A.T.,Godal,A.,Juell,S., for elimination of breast cancer cells from human bone marrow”(Cancer R es.(USA)1994,54/1(209-214)),さらに,Myklebust A. “Eradicationof small cell lung cancer cells from human bone marrow with immunotoxins”(Cancer Res.(USA)1993,53(16),3784-88)に発表されている 。両文献は,抗体を混合した免疫性トキシン(immunotoxins)を用いている。理論 的には,細胞浮遊液(cell suspe-nsion)を患者に再注入する前に,採取された骨 髄中の悪性細胞を破壊(kill)することである。 最近,この考え方とは反対の方法が提唱されている。幹細胞移植 を用いる際に,血液または骨髄から患者に細胞が再注入された後,正常な骨髄機 能を回復させることができる正常細胞のサブ群を積極的に選別する。これらの幹 細胞は,血液に対する最も未成熟の(most immature)前駆体(precursor),免疫細 胞,さらにもっと分化(differentiated)した細胞の混合からなっている。こうし た細胞の採取は,末梢血液のいわゆるアファレシス(apharesis)な方法で数日か けて行うか,または,公知の種々の技術を用いた血液または骨髄からのCD-34+細 胞(未成熟前駆細胞)の免疫吸着(選別)によって行う。 P.G.Adrian,G.Samuel,A.W-W.Diana編集の“Advances in bone marrow pu rging and processing”,97〜103頁Orlando(Will-elis Inc.,1994)においてSt ray,K.M.等はその論考「アビジン,ビオジン,免疫性吸着(immuno adsorption )を用いた骨髄または末梢血液からの腫瘍細胞(tumor cell)のパージ」において ,骨髄細胞と末梢血液からのアファレシス産生物のパージについて説明している 。その方法は,患者の中でリンパ腫や乳ガンと一緒にパージするようにすすめら れる。この方法は,CD-34+細胞の濃縮化(enric-hment)を行ってからいわゆるア ビジン・コラム(avidin column)を有したB細胞または乳ガン細胞の純化を行う 。この場合のパージングは間接的である。というのは,細胞浮遊液(cell suspen sion)は,先ず,第1抗体で培養され,第1次抗体は,乳ガン細胞と結合する。 その細胞浮遊液は洗浄後に,再度,第1次抗体と結合可能の抗体により培養され る。ラット抗体(rat antibody)は,バイオテイニレイテッド(biotinylated),す なわち,アビジンと強く結合可能の分子と結合する。最終的にこの細胞浮遊液は ,アビジン抱合ビードをもったコラムに負荷されると,腫瘍細胞は,一次的には 抗体によりバイオテイニレイテッドされ二次的には抗体アビジンをもった細胞間 の結合中に捕捉される。このシステムによるパージング結果は悪性 細胞の精々3.2log減であった。この方法は,時間かかかり,しかも煩雑である。 それは,細胞浮遊液をコラムに負荷するまでに抗体による培養と洗浄とを含む数 段階の工程を踏む必要があるからである。したがって,幹細胞を傷め易く,また ,コラム内の幹細胞を不特定に捕捉することになるので正常な骨髄機能の回復に とって欠くべからざる細胞を失うことになる。 Tyer,C.L.等はその著書において,「乳ガン細胞は,免疫性磁性技術を用いて 末梢血液前駆細胞から効果的にパージできる」と述べている。第1回国際会議In ternational Society for Hematotherapy and Graft Engineering,0rlando,FL ,1993,のレジュメで,上記Myklebust等の著書に書かれたものと類似の免疫性 磁性方法が述べられている。しかし,この方法は,元来末梢血液細胞に応用され るものであってこの原理は免疫性トキシンを用いる方法とは根本的に異なり,パ ージングの効果も実験では悪性細胞の減少は3.3〜4.8logと一定しなかった。前 記レジュメは,第1次抗体の培養と,以後の洗浄と,第1次抗体に結合可能な抗 体に接合したビードによる新たな培養方法については言及していない。しかし, これには理由がないわけではない。この方法は,正常細胞のトラウマチック(tra umatic)な治療にもなり,方法自体は時間がかかる。効力には限界があり,レジ ュメは,CD-34+細胞集団のパージについてはなにも説明していないが,実はこれ がこの方法での大問題なのである。CD-34+細胞の選別自体時間を要し,また労力 を要する。従って,多くの場合,免疫性磁気方法はCD-34+細胞の選別に用いられ ,その後で免疫性磁気工程がパージングに用いられる。そこで,必要としない細 胞破壊(destruction)を起こし,細胞を失うことになる。加えて,時間とコスト がかかる。 移植のための幹細胞を分離するに際し,主たる目的の一つは,患 者体内で再生予定の細胞を選択的に分離し,その結果,移植組織が悪性細胞を含 まない ようにすることであった。従来の技術の下において,驚くべきことに,幹 細胞の調剤がかなりの数の実験例において悪性の細胞を含んでいるこが最近判明 している。今日までこうした移植組織の悪性細胞を選別的に除去または破壊する (kill)する努力は殆ど行われてこなかった。これは一つに,当業者がその必要性 を認識しなかったことと,公知の方法が特定的でなく,有用な幹細胞までも破壊 または削除してしまうおそれがあったからである。さらに,患者からの骨髄また は動化された(mobilized)末梢血液の供給が簡単なものではなく,限界がなく, しかも幹細胞移植組織のパージングは短期間に行う必要がありその間に正常細胞 を喪失したり,損傷したりしないようにするために完璧でなければならいのであ る。従って,幹細胞を用いるための条件の第1は,移植組織が完全にガン細胞か ら自由になること,第2は,骨髄機能の回復が未選別骨髄への移植より先に行う ことである。そのことから,脆弱な正常幹細胞を無傷に保ち,かつ,幹細胞分別 工程と一緒に実行のできる方法の発明か望まれているのである。 この発明の目的は,上記した問題を解決した幹細胞移植組織のパージングの方 法を提供することにある。 かかる目的は請求項に記載の構成により達成される。 詳しくは,本発明は,細菌毒素(bacterial toxins)と結合させた2またはそれ 以上の抗体の組成物に細胞集団を曝露すことにより腫瘍から採取された幹細胞集 団をパージするものである。使用される抗体は,標的細胞に適した抗原に当てら れる。...... 以下,本発明を末梢血管から採取された幹細胞移植組織をパージして乳ガン細 胞を除去する場合を例に説明する。 細胞を採取する公知の方法は,血液または骨髄からの免疫性吸着 または末梢血液幹細胞(PBSC)またはCD_34+細胞の選り分けであった。しかし,腫 瘍細胞をなす細胞集団をパージできる無害でしかも効果的な方法は知られていな い。未成熟細胞の中にさえ悪性の細胞があり,それらは従来の知識によればCD34 レセプタを保有していない。大事なことは,本発明によれば,ガン細胞は正常な 前駆細胞(progenitors)に悪影響なくほぼ完全なパージを実現することができ た。 幹細胞移植組織を末梢血液から採取する前に,骨髄からの幹細胞を化学療法(c hemotherapy),または公知の方法による増殖因子(growth factors)を使った治療 (treatment)によって活動化(mobilize)する必要がある。幹細胞は,細胞の種類 に応じた適宜の方法によって採取できる。その一つとして,末梢血液幹細胞を集 める方法がある。これは,患者に,相当程度の化学療法を施し,全身にわたる放 射線照射を与えた後に白血球搬出法を10乃至11日にわたってG-CSF(10μg/k g/day)投与(administration)を行う。CS-300Plus血球分離器(Baxter Healthca re Corporation,Fenwal Division,Deerfi-eld,IL,USA)を用いて血液の流量 をたとえば70ml/minに一定する。こうした方法により扱われた平均の血液量は, ジューアル・ルーメン・セントラル静脈カテーテル(dual-lumen central venous cathe-ter)によれば21/2時間当たり約10リッターでよい。50mlのPBSCが集めら れ,Cobeプロセッサー2991中でリン酸塩緩衝食塩水(PBS),1%のヒト血清アルブミ ン(HSA)で洗浄して,血小板を除去する。本発明においては,細胞濃度(2-4 x 1010 /apharesis)は,マイナス選別(パージ)として免疫性トキシンによって1 x 1 -08/mlに調整される。 もしCD-34+細胞が望ましい場合,ISOLEX 50またはISOLEX 300(Baxter)を使って プラス選別により得ることができる。この方法に おいては,アファレシスまたは骨髄の産生物は約4 x 1010乃至6 x 1010個の細胞 からなるが,これを混合し,たとえば,抗CD34+-モノクロナル抗体9C5を1 x 106 個当たり0.5μg/の割合で,4℃の温度で30分間ゆるやかなロータで培養する。処 理された細胞は,PBSに1%のHSAを加えCobe前駆体(precursor)で洗浄して,分離 した抗体を除去する。ダイナル・ビーズ(DYNAL beads)M-450が,4℃の温度で30分 間有核細胞1個当たり0.5ビーズ分CD-34+分画に加えられる。非標的細胞からの ロゼット(rosettes)を磁気により分離する場合には,PBSと1%のHSAを使って2 〜3回洗浄することで可能となる。CD-34+細胞は,たとえば,キモセル(ChymoCe ll-R)(Chym-opapain)を,室温で15分間最終濃度200pKat/mlで加えることでダイ ナル・ビーズから開放できる。このようにしてCD-34+細胞は,5%のクエン酸ナ トリウム中でPBSで洗浄することにより採取できる。幹細胞または初期の前駆細 胞を選別するその他の方法は公知である。 乳ガン細胞系及び腫瘍物質における抗体の幾つかの結合輪郭(bin-ding profil e)が一般に検査されその一部は確認されている。乳ガン細胞の大部分と結合し, 血液や骨髄中の重要な未成熟正常細胞と結合していない抗体は,シュードモナス 属外毒素A(PE)と抱合(con-jugated)されており,主にコロニイ生成検定で培養 中のガン細胞破壊力が検査された。抗体の結合輪郭に基づいて本発明は,次に示 す5個の夫々異なった免疫性トキシンにおいて抱合体の産生に成功した。 1.MOC31-PE:この抱合体(conjugate)は,すべての乳ガン細胞のほとんどと結 合し,モデル試験において正常な造血性前駆細胞の周辺部に毒性を与える程度の 濃度において非常に有効であった。 2.NrLu10-PE:これは,上記したのと同じ抗原に結合するが,他の抗原決定基( epltope)とも結合する。MOC31-PEよりは,やや強 力さが欠ける。 3.PM7-PE:これは,主に乳ガン細胞上に見られるムチン抗原のタンパク質部分 に結合する。この抗原は乳ガン細胞のほとんどに存在するが,すべてにではない 。免疫性トキシンは,ガン細胞には高い特殊の効果は示したが,上記二つのケー ス程の効果ではなかった。 4.BM2-PE:これは,BM7-PEと同じ抗原上の抗原決定基を含んだ砂糖と結合する 。この免疫性トキシンは上記BM7-PEと略同じ効果を示した正常な細胞に非常に低 い毒性とともに,効果的にもBM7-PEとおなじであった。 5.MLuCI-PE:これは,全く種類の異なる抗原,Lewisy-抗原に結合する。この免 疫性トキシンは,上記のもの程の効果はなく,また,正常な細胞に適度の毒性を 与えることが示された。 上記1,2,5の免疫性は,ガン細胞のために正規の骨髄サンプルをパージす るモデル試験において,個々にまたは組み合わせてテストされた(マイクバスト 他,Cancer Research,1994)。上記したように,幹細胞移植組織を用いることの大 きな利点は,正規の骨髄機能を直ぐに回復できる点である(すなわち,より安全 は手続)しかし,期待に反してこの移植組織は腫瘍細胞で汚染されて,移植組織 内のすべてのガン細胞を,正常の細胞に影響を与えることなく破壊することので きる免疫性トキシン加えることが必要となった。 MLuCI-PEよりもっと特定した乳ガンに対する免疫性トキシンに対する研究が開 始された。 この研究中に驚くべきことに,MOC31-PEとBM7-PEの組み合わせが前記免疫性ト キシンを単独で用いたものの総和より効果的であったということである。この結 果は表1に示す。抗体と細胞系間の結合をさらに調べてみると,組み合わせは, 結果的には,抗体単独より強い結合力をもっているということも判明した。 MOC31は,乳ガン細胞の大部分と平均して結合する。BM7は,ムチン抗原は乳ガ ン細胞の殆どの表面に発現しているのが認められるが,細胞によって差がある。 NrLU10及びBM2は,夫々MOC31及びBM7によって認識された抗原に結合するが,こ のことを考慮すると,MOC31及びBM7免疫性トキシンの組み合わせにはなにも追加 するようなことはない。MLuCI-PEは,前記免疫性トキシンとは異なった抗原に結 合する気配がある点で理論的には興味がある。しかし,MLuCI-PEは正常な細胞に 毒性があり,しかも,モデル試験ではこれを組み合わせに含ませることのはっき りした利点を示さなかった。 次に実施例に基づき末梢幹細胞移植組織のパージについて説明する。さらに, 発明者は,MOC31-PE及びBM7-PEの組み合わせを用いて腫瘍細胞が採取された末梢 幹細胞または骨髄に免疫磁性によるCD-34+細胞の回収前に加えられた。試験の結 果は表2に示される。二つの異なった細胞系にあっては,CD-34+細胞の回収は, (パージングの形式を問わず)最初の採取された細胞集団から3.8log腫瘍細胞ま で動けるのが強み。たの試験では,CD34選別のパージング効果は,2-3logから変わ りつつある。この2-3logは文献に掲載されている。免疫性トキシン治療が回収さ れたCD-34群に用いられたとき全体的なパージング効果は,すべての細胞系に対 し4.7log(表2参照のこと)を超えていた。4.7log以上ということは,腫瘍細胞 は検出されたものは除去されたと考えられる。他の試験では,各テスト毎に,1 時間の免疫性トキシンによる処置の後にCD-34+細胞集団から取った成長した腫瘍 細胞と正常の前駆細胞とを用いた。この試験において腫瘍細胞は,処置直後に破 壊または死滅していることが観察された。他方,非パージに抑えられた細胞集団 の腫瘍細胞は成長しコロニーを形成するか,または細胞培地で増殖していた。正 常な幹細胞はこの処置には影響されず,三つの試験システムでそのまま で存続し,その数の減少は殆ど無視し得る程度であった。表3は同様の試験結果 を示している。この試験ではCD-34+細胞は,37℃の温度で2時間免疫性トキシン を使って培養された。その結果,幹細胞は免疫処置にも殆ど影響を受けなかった 。 驚くべきことに,それぞれシュードモナス属外毒素Aバクテリア・トキシン毒 素と結合された,本発明による上皮細胞として発現された抗原に向けた二つの抗 体が,抹消血液及び骨髄から採取した正常の幹細胞に悪影響を与えることなく悪 性細胞を破壊していたことが判明した。細胞がバクテリア外毒素で破壊されるこ と,及び,破壊効果(killer effect)は,該トキシンを標的細胞として表れたエ ピトープに結合された抗原に接触させることにより向上する。しかし,もし,未 成熟細胞が一つまたは数個の免疫性トキシンに曝露すると,細胞集団中の正常の 幹細胞移が破壊される可能性が高い。さらに,こうした正常の幹細胞は,外的ト ラウマ(physical trauma)を伴うエックス・ビボ治療や温度変化に敏感である。 本発明では,細胞集団,たとえば,末梢血液から採取された幹細胞移植組織は, 二つの抗体の混合液に曝されPEと結合するようになっている。免疫性トキシンの 一つが先行して活動するので,バクテリア・トキシンに接触された二つの抗体の 混合液を用いることによりパージング効果は免疫性トキシンを個々に使った時の 効果の総和より大きいことが実証されている。この相乗効果を表4に示す。ここ では,シュードモナス属外毒素Aに結合された抗体BM7及びMOC31を用いて人間 の乳ガン細胞PM7を破壊した状態を示している。シュードモナス属外毒素はとも に,バクテリア・トキシン・シュードモナス属外毒素に接触された腫瘍関連抗原 用モノクロナルな抗体である。その抗体の一つは,GA733-2遺伝子と分類されてい る上皮抗原は,大部分がカルシノナ(carcinoma)細胞と認識されており,従って ,カルシノナ(たとえば,乳ガン,結腸または直腸ガン,前立線,卵巣ガン,肺 ガン,膵臓ガン)が絡む殆どのケースに用いることができる。もう一方の抗体は ,ムシン,すなわち,タイプ毎に少しづつ異なるムーカス・タンパク質に関連し ている。通常,抗原は,MUC-1,MUC-2I, MUC-3として記号化されたタンパク質として記述できる。上記のモノクロナル抗 体は,夫々MOC31及びBM7である。 抗体とトキシンは種々の方法で結合できる。 バクテリア外毒素にリンクするための2個以上の抗体は,抗体結合が,標的細 胞上に発現し正常な細胞上には発現していないエピトープと結合するように選別 する。先行技術の問題は,悪性細胞と良性細胞が共に細胞表面に共通の抗原を発 現するという点である。本発明の実施例では,2つのモノクロナルな抗体MOC31 及びBM7が用いられ,前者は,もし末梢血液に発見され悪性の場合は外皮細胞と 結合する。抗原(タンパク質)はGA733-2遺伝子として記号化されている。しか し,この抗原は幾つかのエピトープを有しているので,それらは各明確に発現で きるように標的化することが大切である。 BM7抗体はMUCI遺伝子により発現される抗原のエピトープに関係する抗体の一 つである。数種の遺伝子が類似の抗原,たとえば,MUC2やMUC3などをエンコード する。 バクテリア・トキシン・シュードモナス属外毒素Aの毒性は,正常細胞及び悪 性細胞に対し比較的軽度である。しかし,標的細胞として発現される抗原に関係 する抗体に結合されると,これら細胞に対する毒性は非常に顕著となる。表5に 示すように,本発明による免疫性トキシンでは,たとえ60分という短時間の培 養でもT-47D細胞,MCF7細胞,PM1細胞は,従来技術である方法によるより遥かに 効率よく破壊された(killed)。こうした二つの免疫性トキシンの組み合わせが, 選別的な効果,単純さ,正常な前駆細胞にはほんの末端のみへの毒性などから予 見されるところに応じて驚異的な効果を奏するものである。 三種類の抗体(Myklebust他1993,1994を見よ)に結合されたシュードモナス属外 毒素Aからなる数種の免疫性トキシンを使用す ることは公知だという主張があるかもしれない。一例として,MOC31を本発明方法 と類似の方法で用いて,無差別に骨髄細胞をパージしようとしたが,結果は,使 用された他の抗体,就中,その一つがMOC31と同じ抗原に結合したり,他の抗体( MLuCI)が正常細胞と反応し合い,その結果,この抗体にリンクした免疫性トキシ ンが,最も未成熟の幹細胞に対しても簡単に毒素として働いてしまうということ があった。本発明では,幹細胞パージング調液にMOC31の効果に加えてさらにモ ノクロナルな抗体を調整した。それにより,免疫性トキシンとして用いたこれら 二種の抗体の組み合わせ驚異的な効果をもたらすことが観察された。 開示の免疫性トキシンの高度な特別の作用により,種々のカルシノマに苦しん でいる患者の生体内で治療のために混合液を調整することはできる。もし,ガン が軽度であるとして,ガンが骨髄まで広がっていることが判明した場合,各免疫 性トキシンまたはその混合液を静脈に注射または注入することが可能である。さ らに,腹水(ascites)または胸膜滲出を伴う病状の進展にあって患者に免疫性 トキシン個々を単独にまたは組み合わせて注射することは可能である。第3の可 能性は,ガンが中枢神経まで進行した患者を治療することである。この場合は, 免疫性トキシンは,直接腫瘍組織または脊髄もしくは血液を脳に運ぶ動脈に注射 することができる。 MOC31-PEが,小規模細胞による肺癌のための軟膜の腫瘍モデルに用いられたこ とがあることを除けば生体内でこうした免疫性トキシンを用いることは知られて いない。BM7-PEは文献には全く触れられていない。 免疫性トキシンを生体内で用いる場合の重大な問題は,それらの半減期が非常 に短いということである。すなわち,免疫性トキシンは濃度が腫瘍の中で適度に 高くなる前に衰弱し,血液から除かれる。 米国特許第5322678号ではMorgan et al.は免疫性トキシンの抗体部分の変形に より生体内での短期半減期の問題を解消したものについて特許を得ている。この 発明はトキシン部分の同様の変形を提案するが,方法は今までに知られていない ものである。 実施例1 免疫性トキシンによって末梢血液幹細胞の採取群から乳ガン細胞をパージする こと。 はじめに 自系の造血幹細胞サポートを使って高度の化学放射を頻度を徐々に上げながら 投与して種々の悪性度(malignancies)(1,2)をもった患者を治療する。この方法 が,成功しない理由の主たるものは,毒性(toxicity),感染(infections),engra ftmentの欠如(3)というよりは病気の再発(relapse of disease)である。高投与 治療を受けた患者にはクローン原性の腫瘍細胞を含む自己移植(autografts)の再 輸液が再発に寄与し,結果(4)に影響する。自己移植細胞の遺伝子標識(gene-mar king)の研究によって再注入された骨髄(BM)に残った腫瘍細胞が,病気(5)の再発 に寄与することを実証した。この結論は,小胞条のリンパ種をもった患者にはBM が効率よくパージされると,無病で長生き(6)できる効果があるという事実によ り支持されている。 免疫細胞化学技法を用いることで組織学的には正常な骨髄オートグラフトに腫 瘍細胞汚染が,高投与治療(7)を受けている乳ガン患者の37〜62%の範囲にわたっ て観測することができる。造血成長因子と化学療法とをもって予備的治療を施し た後アファレシス法により採取された末梢血液幹細胞(PBSC)オートグラフトが, かなりの程度用いられるのは,これら産生物が腫瘍細胞を含む確率は低い。しか し,近時,腫瘍細胞問題が,PBSCオートグラフトではBM群に比べ てそれ程広範囲ではないが,それでも悪性細胞は,乳ガン患者(4,7)から採取さ れた生理的に活動したPBSCには頻繁に観察される。さらに,最近の研究で判明し たことは,化学療法及び/または成長因子は,腫瘍細胞を患者の末梢血液へと活 性化するが,その際,骨髄(7,8)に検出し得るガン細胞がある場合とない場合と がある。その結果,PBSCグラフトに腫瘍細胞汚染がある危険が増す結果となる。 悪性細胞の再注入を避けるために,悪性の乳ガン細胞のPBSCオートグラフトの 試験管内パージが必要となる可能性がある。そこでその具体的で,かつ急速なパ ージ法を開示せんとするものである。その結果,アファレシス産出物に直接加え られたITの60分間培養法が5ロガリズム以上の腫瘍細胞を選別的に破壊した。 素材と方法について 細胞系 PM1乳ガン細胞系は本願発明者の実験室で,症状の悪化した患者からの腹水か ら得られた。MCF7及びT-47D細胞系が,American Type Culture Collection(Rockw ille,MD)において夫々ATCC HTB 22,ATCC HTB 133として得られている。細胞は, 37℃の温度の下,5%の炭酸ガス雰囲気内で,10%の熱により不活性化された子牛 胎児の血清(FCS)に,さらに抗生物質(100U/Mlのペニシリン,100μg/mlのストレ プトマイシン)とを添加したRPM11640培地(RPM1)中で培養された。培地と添加物 とはGIBCO(Paisley,UK)で購入されたものである。 ヒト骨髄と末梢血液前駆細胞について BM細胞を健康な自発的ドナーから得た。BM単核細胞(MNC)因子がLymphoprep(N ycomed Pharma,Oslo,Norway)から得て,実験に先立ちリン酸塩緩衝食塩水(PB S)で2度洗浄した。PBSCは,非ホジキン・リンパ腫患者から得られた。PBSCを活 動化(mobilize)するため に,患者は予め化学療法と造血成長因子(G-CSF,Neupogen,Amgen/Hoffman-La Roc he,Basel,Switzerland)を使って予め治療を施した。化学療法後11〜12日経 って末梢血液中のCD-34+細胞の数が増えてきた段階で,幹細胞がCS-3000に血液 細胞分離器(Baxter Healthcare Corp.Fenwal Division,Deerfield,IL)を使っ て回収した。 トキシン,抗体,免疫性トキシンの構成について 抗(anti-)MUCI(9)抗体BM7(IgG1)がエス・コール氏(Frauenklinik,University of Heidelberg,Germany)から寄贈され,また,抗EGP2(10)抗体MOC-31(IgG2a) がエル・ドレイジ氏(University of Groningen,The Netherlands)及びMCA Deve lopment(Groningen)から提供された。PEは,Swiss Serum and Vaccines Instit ute(Bern,Switzerland)から得られた。各抗体は,sulfo-succinimidyl-4-(N-mal eimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate(Pierce,Rockford,IL)によって形 成されたチオエーテル結合体(thioether bond)を介して前述(11)した様にしてPE に結合された。 免疫性トキシン治療について クローン原性乳ガン細胞が未だ生きていることに対するIL治療の効果が、FCS を含むRPM1中の2x106の腫瘍細胞を37℃の温度の下、表示されたIT濃度で、ゆっ くり撹拌しながら(培養器[Gallenkamp製,Leicestershire,UK])種々の時間差 を設けて培養することによりテストされた。こうした実験法は共通している。細 胞は、クローン原性アッセイに接種する前に1%のFCSを含むPBS内で2度洗浄さ れた。 ある実験では、10%の腫瘍細胞がBM単核細胞またはPBSCに混合され、IT液中 で培養され、腫瘍細胞または造血プロジェニタ・クローン原性細胞の生存に対し 評価された。腫瘍と増血前駆細胞に対するクローンについて 使用済の腫瘍細胞に対するクローン原性軟寒天培養のアッセイについては上記 の通りである(12)。三通りの培養集団(cultures)が、夫々5%の炭酸ガス,5% の酸素ガス,90%の窒素ガス雰囲気内で14日間37℃の温度の下に培養され、 50以上の細胞のコロニーがツアイス複式顕微鏡(Zeiss Stereo microscope)に よって計数された。 処理済及び未処理の各正常前駆細胞は,5x104 PBSC/mlがIMDM媒体(GIBCO)の標 準メチルセルローズ培地(HCC-4433 Methocult,Terry Fox Labs,Vanvouver,BC) 内で個別に培養されたCFU-GEMMアッセイ(13)で検査された。19日間の培養後に BFU-E及びCFU-GM細胞コロニーが逆相コントラスト顕微鏡で計数された。各アッ セイは,1ml 35mmの皿内で温度37℃,5%の炭酸ガス雰囲気,かつ,湿度100%の 条件の下で三種の培地に分けて実施された。 結果 軟寒天中のヒト乳ガン細胞について 幾つかの実験において接種された腫瘍細胞の数と産出された腫瘍コロニーの数 とは比例していることが観察された。PM1細胞系にあっては,クローニング効力 は20〜30%(図示省略)の範囲内であった。T-47D及びMCF7の各細胞系を使っての 実験では,27%と22%のPE液を使った先に報告(14)の比例関係が確認された。こう したデータは治療における乳ガン細胞を減らす効力の計算に用いられた。 乳ガン細胞の破壊における免疫性トキシン単独使用と混合液との効力について モデル実験において濃度の異なる三種のIT液が用いられた。表4に示すように ,二つの濃度の低い方でBM7抱合体と共にmarginal effectsが得られただけであ る。一方,2.5logの細胞破壊が1.0μg/ mlで得られたが,3 log細胞破壊も見られた。濃度の最も高い(1μg/ml)では効 果は少なくとも5 logsで,これはこのアッセイ(14)での評価した中では最高の効 果であった。ITの混合液にあっては,表示濃度においてはすべての腫瘍細胞は0. 1μg/ml(表4)で既に破壊されていた。こうした結果から,二つのITの混合液 は,乳ガン細胞を効率よく破壊することができるこが分かる。さらに,データは 二つの抱合体を組み合わせることにより倍加されることを証明している。ITの混 合液が二つの異なる乳ガン細胞系(図示省略)に対しテストされたところ,同様 の結果が得られた。標的細胞上の抗原発現(antigen expression)における不均質 性(heterogeneity)のために,実際の臨床的な実施のためにはIT混合液を使用す ることは理にかなっている。 培養時間の影響について 上記した実験においていITを使った120分培養が用いられた。臨床の場合には ,現実問題として,もっと短い培養時間が有利である。IT液への曝露時間が,特 定の腫瘍細胞破壊に影響を与えずに短縮できるかを研究するために,各1μm/ml の濃度で用いられたこれらの抱合体異なる培養時間で三種の乳ガン細胞系に対し テストされた。すべての場合,ガン細胞は,120分のIT液への曝露によって根絶 される結果となった。重要なことは,培養時間が90分に,さらに60分(表5)に 短縮されても効果に変わりはなかった。データから判明したことは,用いられた IT濃度で最も短い培養時間で,腫瘍細胞培地に存在しているすべてのクローン腫 瘍細胞を破壊するのに十分である。 正常な増血細胞を数多く入れることで乳ガン細胞に対する毒性が変わるかどう かを調べるために,腫瘍細胞が,アファレシスによってハーべストされたPBPCに 1対10の割合で混合されて実験された。表5に示すようにITは,正常細胞の存 在する中で,既に60分間だけ培養させた後,PM1腫瘍細胞の5 log以上を破壊した 。こうした結果は三種の細胞系すべてに同じであったことから,得られたデータ は,IT方法が臨床上にも効果的に用いることができることを実証している。 培養条件及び細胞濃度の影響について 臨床上のサンプルに用いられると思われる条件に類似の条件下でIT方法がどの ような効果を示すかを調べるために,PM1腫瘍細胞が1対10の割合でPBPCに混 合された。その実験では細胞は,IT培養前にアファレシス・バッグから直接取っ た未洗浄細胞でACD(stock solutin bag,R 2220,Baxter Healthcare Corp.,F enwal Division)を加えた生理的正食塩水に再浮遊(resuspended)させた。結果 は,洗浄し10%のFCSを混入したRPM1に再浮遊させた細胞による最初の実験で得ら れた結果と比較された。表6から,いづれの場合もITによる60分処理ですべての PM1細胞は破壊されること,また,臨床用にはIT液は直接にアファレシス・バッ グに注入することができ,さらに,この条件下では低pHがITの細胞毒性に影響を 与えることはないことが分かる。 アファレシス・バッグ内では細胞の全数量は,非常に高い。こういう高い細胞 濃度にあっては方法の効力は,モデル実験の条件に比べて落ちるのが普通である 。そうなるかどうかテストした結果,細胞の全体の濃度が,ミリリットル当たり 最初1x107から5x107に上がり,さらに,1x108に上がると効力上差は観察されな かった(表6)。 IT の正常(normal)増血前駆細胞に対する毒性について 生存したCFU-GM及びBFU-Eに対するITの効果が,上記した培養条件の下で調べ られた。表7に示すように,洗浄して10%のFCSを含むRPM1中に細胞を再浮遊し た後も,ACDを含む正塩水に再浮遊させた未洗浄細胞を用いた場合もテスト結果 では,IT混合液による有核PBPCの120分間の培養でも前駆細胞の生存を抑えること はできなかった。 臨床での応用では処理された細胞は冷凍し患者に適用する前に解凍した場合の 前駆細胞の効果についても研究された。冷凍・解凍によれば,CFU-GM及びBFU-E の数の低下があった(表7)。注目すべきは,IT治療は,細胞コロニーの平均数 を,低pH条件で処理された細胞群で多少減らす程度で前駆細胞の生存を著しく減 少することはほとんどない。データによれば,60分の培養で腫瘍細胞を効果的に 根絶するITの濃度でもできるだけながく2度処理された正常クローン細胞の生存 には目立った影響は与えていないことが判明した。 ディスカッション 循環増血幹細胞のオートローガスな移植が,BM移植(15,16)に比べて利点があ るため最近大きな注目を集めている。骨髄機能の急速な回復に加えてPBSCの使用 によって移植組織を汚染する腫瘍細胞を再注入する危険はないと思われるが,腫 瘍細胞による汚染問題は減少はしたものの,なくなってはいない(4)。細胞集団 剌激因子を使う化学療法を高投与に与えて腫瘍細胞を再生して末梢血液(7,8)に 送ることができる。したがって,アファレシス産出物をパージする急速で効果的 な方法が大いに受けている。 乳ガン細胞をBMから除くための方法として,化学的免疫分離(chemo-immunosep aration),免疫磁気手法(immunomagneticprocedures),免疫トキシン(14,17,18 ,19)を含む幾つかの方法が報告されている。これに反し,パージ性PBSC調剤に ついての研究報告は非常に少ない(20,21)が,リボソーム不活性タンパク質(22 ,23)を含むIT調剤が,BM(24)から調整されたCD34-ポジティブ細胞の補集液に添 加されたリンパ系腫瘍細胞を破壊するのに用いられてきた。後者の研究では,CD 34選別方法によって得られた3logの間接純化に加えて2logのパージング効果得ら れた。今回の研究は,乳ガン細胞をPBSCから追放する安全なIT方法を開発するこ とである。モデル実験において得られた結果は,対ガン抗体及びPEとを含む二つ の抱合体(conjugates)の夫々を,1μg/mlづつ添加して60分の培養したところ,P BSCに添加されたすべての腫瘍細胞は,正常な前駆細胞に悪影響を与えることな く効果的に破壊された。重要なことは,この方法では,IT液は直接アファレシス 産出物に添加されるようになっており,培養後に細胞は洗浄され,遠心分離され て冷凍に備えられる。特に,簡単で効果的であるところから,乳ガン患者を,PB SCの移植とともに化学的療法の投与数に応じてグループ分けし,グループ毎に管 理するの に有用である。本発明方法の効力は下記に述べる要因による。 第1に,MOC31抗体として知られている抗原は,ほとんどの乳ガン見本(10)に 発現していることが知られている。さらに,BM7抗体は,MUC-1遺伝子(9)として 発現しているコアタンパク質で通っているが,乳ガン細胞(25)の高いフラクショ ンに結合している。こうした二つのモノクロナルは,かなりの程度,乳ガンに見 られる抗原としての異質性(heterogeneity)を含む。第2に,IT液を構成するに 際して使用している抗体(11)に合致するトキシンを用いることは重要であること が実証された。多数のモノクロナルを含むPE抱合体は非常に効果的である(14)こ とが判明した。さらに,PEを含むIT液は,自由PE(11,18)の等モル濃縮液より 毒性が高く,これがITの特性を示している。 パージング方法は,効果的で安全で,実際的であり,臨床規模で用いられる必 要がある。アファレシス・バッグに直接添加できる利点に加えて僅か60分の培養 で全クローン腫瘍細胞を破壊することができるということである。加えて,この 治療は正常な増血前駆細胞にはなんの影響もなく,しかも,BMパージング実験で はさらに高いIT濃度の濃縮液が得られた(14)。さらに,ITで処理されたPBSC液の 冷凍と解凍も毒性を増やすことのないことを確認するとともに,IT方法が,免疫 ビーズまたは免疫吸着による腫瘍細胞の除去に伴いがちな方法によくある不特定 の細胞損失を引き起こすことがないことは注目に値する。 添加された全量(26)の約0.75%となるよう洗浄した後にIT処理されたBMに残っ ている抱合体の量を計算した。臨床への応用にあっては,約2x1010の免疫細胞を 含み,好ましくは2μgIT/ML(1X108細胞)の濃度で,最終生成物における最大3 μgのITとなることが期待される。これは,理論的に計算された最大の許容範囲 の自由トキ シンの100〜150倍毒性が低いことを示している。従って,パージされたPBSCの再 注入しても全身的毒性を与えることはない。 オートローガス増血前駆細胞移植組織と結びついた高投与療法の成否は,移植 (grafts)をパージする効力より全身性の治療の効果に依存するところが大きい 。にも拘らず,自己移植(autografts)に存在すると思われるガン細胞を除去する ことは論理的である。他の腫瘍の研究は,パージングの重要性を示している。乳 ガンでは,簡単で,安全で,効力のある方法を提案する。 実施例2 乳ガン細胞は,免疫性トキシンに対する感応が異なり,そのため患者が異なる ごとにその乳ガン細胞に対するBM7及びMOC31のパージング力が異なることになる ので,PM1乳ガン細胞を使って行った前回(実施例1)と同じ実験を他の細胞系で あるMA11で行った。その結果,免疫治療の効果は,MA11細胞に対してはPM1細胞 (表4)と同じか,幾分良好であることが判明した。実験結果から免疫性トキシ ンのパージング治療の特効性が確認された。 別の実験で免疫性トキシンの細胞破壊能力(cell killing activity)の動態学( kinetics)がある実験で研究された。その実験では,PM1乳ガン細胞が末梢血液前 駆細胞(比:1対100)に添加された。2時間の培養後混合された細胞懸濁液(cell suspension)を冷凍し次いで解凍して細胞が接種されてガン細胞と正常前駆細胞 との生死判別が並行した実験で行われた。その結果,乳ガン細胞の毒性化が急速 に起こり約72時間以内にすべての腫瘍細胞は死滅したことが判明した。これに 対し正常血液前駆体は,免疫性トキシン処理のされた細胞とされない細胞の培地 間に同じ時間内ではなんの違いも発見できなかった。 実施例3−4 骨または骨髄,胸膜,腹腔,脳,脊髄筋組織,尿道へ拡がった悪性腫瘍細胞が ,腫瘍に,前記体液に,または全身的に,たとえば,血液,骨,骨髄などの筋組 織の移転性の腫瘍細胞に投与した免疫性トキシンによって選別的に破壊すること ができる。 実施例3 MA-11ヒト乳ガン細胞が免疫欠乏性ラットの心臓の左心房に注入された。未処 理対照動物は,脊髄の圧縮の症状を呈し,細胞注入から34〜37日で死滅となった 。MOC31-PE(20μg/rat)の一回の投与処置を受けた動物は,無症候生存(sympton- free survival)が長く続き,その幾つかは50日以上生存した。 同じモデル実験内の他の実験でもその結果が確認された。この実験では動物の 内幾つかは観察時間110日にわたって生存した。これらの実験ではラットの一つ のグループが,PEに結合されたEGF-レセプターに向けられた425.3の抗体からな る免疫性トキシンによって処理された。このグループの動物は全部生存した。 このモデル内の第3の実験では対照ラットは脊髄の圧縮の症状を呈し,結局, 細胞注入から40〜60日の間に全部死んだ。この実験では,三つのグループが含ま れており,一つは20μgの425.3-PEを,一つは,各10mgの免疫性トキシンを受容 した。免疫性トキシンを個々に用いたものは両方共に無病徴候性生存が長く続い たのが顕著であったが,MOC31-PEと423.3-PEのものは夫々60%及び80%の長寿生存 となった。組み合わせ実験では動物は全部が無病徴候性生存であった。 このモデル内の第4の実験では,MOC31-PEの効果がシス形プラチナ(cis-plati n)及びドキソルビシン(doxorubicin)の効果と比較された。この実験ではMOC31-P E処理動物がすべて70日以上生存した。これに反し,ドキソルビシンだけの場合 ,末梢的効果はあるが,シ ス形プラチナ処理ラットは食塩水処理対照動物以上には生存できなかった。こう したデータは,使用した免疫性トキシンが高い乳ガンの転移を抑える上で,現在 病院等で最もよく使われている薬の内の二つに当たるシス形プラチナ及びドキソ ルビシンに比べて効果的であることを証明するものである。 実施例4 ヒト乳ガン細胞系MT-1が二つの異なった実験で用いられた。この内第1のもの では細胞は対照動物の心臓の左心室に注入したところ該動物は,脊髄筋組織圧縮 で19日の半ばで死滅が確認された。細胞注入一日後に静脈に425.3-PEで処理され た動物はすべて生存した。他方の実験では,MT-1腫瘍細胞がラットの脛骨の骨髄 に直接注射された。未処理動物は20日後に脛骨腫瘍ですべて死んだ。他方,20μ gの423.3-PEで細胞注射一日後に静脈注射されたラットは,100日以上生存した。 さらに,TM-1腫瘍細胞がラットの脛骨の骨髄に直接注入されたモデル実験では 1日または7日注入されたものと,BM7-PEに対するのと同じ日に処理された動物 グループにおいて425.3-PEの場合と比較された。さらに,7日と14日に静脈に 注入されたドキソルビシン(アドリアマイシン)の効果も研究された。その結果 ,1日または7日に注入されたこととは関係なく免疫性トキシンはラットの80% を治癒した。各免疫性トキシンの半分の濃度が混合された場合には動物はすべて 生存した。これに対し,ドキソルビシンは明らかに効率が悪く90日後の生存率は 35%であった。対照動物は,上記実験例の結果通り細胞の注射後20日で死滅せざ るを得なかった。データから,前述の425.3-PEの効果が確認された。重要なこと は,BM7-PEも425.3-PEと同様の効果があることが判明した。両剤は,明らかに効 果において病院等で抗乳ガン剤として盛用されているドキソルビシ ンよりすぐれている。さらに,これら免疫性トキシンの組み合わせによりすべて の動物が治癒された。 実施例5 二組の実験では,エルブB2遺伝子産生物に対する組換え型の免疫性トキシンの 効果は,組換え型PEの変異を加えてテストされた。実施例4で述べた実験におい て組換え型免疫性トキシンの濃縮液は動物の寿命を驚異的に延長し,ラットの35 %が生存した。MT-1乳ガン細胞が免疫欠乏性ラット内部に注射されたモデル実験 では同様にラットの内部に(1日,2日,3日に)組換え型免疫性トキシンを注 射した処理の結果ラットの寿命は著しく延びた。この効果は,用量に依存してお り,二つの異なる用量によって動物の寿命を10.6日(塩水処理対照の場合)から 23.4日に延ばし,二つの異なる用量の免疫性トキシンの場合は32.8日まで延ばす ことが判明した。最高用量の場合20%のラットが生存した。免疫性トキシンを最 高用量用いた場合も,毒性は観察されなかったので,最適用量であればその効果 はもっといいものになると期待できる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年3月9日(1998.3.9) 【補正内容】 明細書 望ましくない標的細胞の破壊方法 この発明は,標的細胞としての細胞集団(cell population)を一種またはそれ 以上の免疫性トキシンによって選別的にパージ(purge)する方法に関する。 いわゆる自系の(autologous)幹細胞移植組織(stem cell trans-plants)には ガン患者の血液または骨髄から分離した細胞が含まれるが,これら細胞は,患者 を予備治療したあとでは,適量の未成熟(immature)かつ前駆的(progenitor)な血 液と,免疫された細胞とが含まれてその細胞が採取された患者の血液の細胞を再 生することにより遅かれ早かれ骨髄機能を回復させる。 移植組織が未選別な骨髄サンプルである場合の抗体を用いて自系の非病原性(h aematopoietic)移植組織を除くことについてはよく知られている。たとえば,My klebust A.T.,Godal,A.,Juell,S., for elimination of breast cancer cells from human bone marrow”(Cancer R es.(USA)1994,54/1(209-214)),さらに,Myklebust A. “Eradicationof small cell lung cancer cells from human bone marrow with immunotoxins”(Cancer Res.(USA)1993,53(16),3784-88)に発表されている 。両文献は,抗体を混合した免疫性トキシン(immunotoxins)を用いている。理論 的には,細胞浮遊液(cellsuspe-nsion)を患者に再注入する前に,採取された骨 髄中の悪性細胞を破壊(kill)することである。 最近,この考え方とは反対の方法が提唱されている。幹細胞移植を用いる際に ,血液または骨髄から患者に細胞が再注入された後, 正常な骨髄機能を回復させることができる正常細胞のサブ群を積極的に選別する 。これらの幹細胞は,血液に対する最も未成熟の(most immature)前駆体(precur sor),免疫細胞,さらにもっと分化(diffe-rentiated)した細胞の混合からなって いる。こうした細胞の採取は,末梢血液のいわゆるアファレシス(apharesis)な 方法で数日かけて行うか,または,公知の種々の技術を用いた血液または骨髄か らのCD-34+細胞(未成熟前駆細胞)の免疫吸着(選別)によって行う。 P.G.Adrian,G.Samuel,A.W-W.Diana編集の“Advances in bone marrow pu rging and processing”,97〜103頁Orlando(Will-elis Inc.,1994)においてSt ray,K.M.等はその論考「アビジン,ビオジン,免疫性吸着(immuno adsorption )を用いた骨髄または末梢血液からの腫瘍細胞(tumor cell)のパージ」において ,骨髄細胞と末梢血液からのアファレシス産生物のパージについて説明している 。その方法は,患者の中でリンパ腫や乳ガンと一緒にパージするようにすすめら れる。この方法は,CD-34+細胞の濃縮化(enric-hment)を行ってからいわゆるア ビジン・コラム(avidin column)を有したB細胞または乳ガン細胞の純化を行う 。この場合のパージングは間接的である。というのは,細胞浮遊液(cell suspen sion)は,先ず,第1抗体で培養され,第1次抗体は,乳ガン細胞と結合する。 その細胞浮遊液は洗浄後に,再度,第1次抗体と結合可能の抗体により培養され る。ラット抗体(rat antibody)は,バイオテイニレイテッド(biotinylated),す なわち,アビジンと強く結合可能の分子と結合する。最終的にこの細胞浮遊液は ,アビジン抱合ビードをもったコラムに負荷されると,腫瘍細胞は,一次的には 抗体によりバイオテイニレイテッドされ二次的には抗体アビジンをもった細胞間 の結合中に捕捉される。このシステムによるパージング結果は悪性細胞の精々3. 2log減であった。この方法は,時間がかかり,しか も煩雑である。それは,細胞浮遊液をコラムに負荷するまでに抗体による培養と 洗浄とを含む数段階の工程を踏む必要かあるからである。したがって,幹細胞を 傷め易く,また,コラム内の幹細胞を不特定に捕捉することになるので正常な骨 髄機能の回復にとって欠くべからざる細胞を失うことになる。 Tyer,C.L.等はその著書において,「乳ガン細胞は,免疫性磁性技術を用いて 末梢血液前駆細胞から効果的にパージできる」と述べている。第1回国際会議In ternational Society for Hematotherapy and Graft Engineering,0rlando,FL ,1993,のレジュメで,上記Myklebust等の著書に書かれたものと類似の免疫性 磁性方法が述べられている。しかし,この方法は,元来末梢血液細胞に応用され るものであってこの原理は免疫性トキシンを用いる方法とは根本的に異なり,パ ージングの効果も実験では悪性細胞の減少は3.3〜4.8logと一定しなかった。前 記レジュメは,第1次抗体の培養と,以後の洗浄と,第1次抗体に結合可能な抗 体に接合したビードによる新たな培養方法については言及していない。しかし, これには理由がないわけではない。この方法は,正常細胞のトラウマチック(tra umatic)な治療にもなり,方法自体は時間がかかる。効力には限界があり,レジ ュメは,CD-34+細胞集団のパージについてはなにも説明していないが,実はこれ がこの方法での大問題なのである。CD-34+細胞の選別自体時間を要し,また労力 を要する。従って,多くの場合,免疫性磁気方法はCD-34+細胞の選別に用いられ ,その後で免疫性磁気工程がパージングに用いられる。そこで,必要としない細 胞破壊(destruction)を起こし,細胞を失うことになる。加えて,時間とコスト がかかる。 Lemoli,R.M.et al(1994)は,Bone Marrow Transplant 13:465-471,にお いて,アビジン・ビオチン免疫性吸着技術を用いた ヒトCD-34+増血細胞の純化を説明している。これら細胞は,リボソーム不活性タ ンパク・サプリン(ribosome-inactivating protein saporin)を含み,かつ,リ ンパ系抗原CD30及びCD2に適した幾つかの免疫性トキシンを使うことで悪性形質( neoplastic)細胞のパージングを促進する。Tecce,R.他(1991)Int.J.Cancer ,49:310-316は,オートローガスな骨髄をパージしてから,サポリンで構成され た単核細胞系統の特定の免疫性トキシン二つと,単核とM5b急性非リンパ血球病( ANLL)の循環(circulating)特性を有するMoAb二つとを,単核性血球病の患者に移 植する方法について説明している。WO91/0958には,骨髄からのANLLのパージン グに有用な骨髄単球特性(myelomonocytic specific)MoAb195を含む免疫性トキシ ンが説明されている。Tonevitsky,A.G.他(1986)Int.J.Cancer,37:263-273は ,リチンA-連鎖(ricin-A-chain)とMoAb MAE15との抱合体を含む免疫性トキシン を使って骨髄からのマウスerythroleucemic幹細胞をパージすることについて説 明している。前記抱合体は,正常細胞及び悪性形質にマウス赤芽細胞の表面に結 合する特性を有している(骨髄移植療法の研究モデル)。 移植のための幹細胞を分離するに際し,主たる目的の一つは,患者体内で再生 予定の細胞を選択的に分離し,その結果,移植組織が悪性細胞を含まないように することであった。従来の技術の下において,驚くべきことに,幹細胞の調剤が かなりの数の実験例において悪性の細胞を含んでいるこが最近判明している。今 日までこうした移植組織の悪性細胞を選別的に除去または破壊する(kill)する努 力は殆ど行われてこなかった。これは一つに,当業者がその必要性を認識しなか ったことと,公知の方法が特定的でなく,有用な幹細胞までも破壊または削除し てしまうおそれがあったからである。さらに,患者からの骨髄または動化された (mobilized)末梢血液の供 給が簡単なものではなく,限界がなく,しかも幹細胞移植組織のパージングは短 期間に行う必要がありその間に正常細胞を喪失したり,損傷したりしないように するために完璧でなければならいのである。従って,幹細胞を用いるための条件 の第1は,移植組織が完全にガン細胞から自由になること,第2は,骨髄機能の 回復が未選別骨髄への移植より先に行うことである。そのことから,脆弱な正常 幹細胞を無傷に保ち,かつ,幹細胞分別工程と一緒に実行のできる方法の発明が 望まれているのである。 この発明の目的は,上記した問題を解決した幹細胞移植組織のパージングの方 法を提供することにある。 かかる目的は請求項に記載の構成により達成される。 詳しくは,本発明は,細菌毒素(bacterial toxins)と結合させた2またはそれ 以上の抗体の組成物に細胞集団を曝露すことにより腫瘍から採取された幹細胞集 団をパージするものである。使用される抗体は,標的細胞に適した抗原に当てら れる。...... 以下,本発明を末梢血管から採取された幹細胞移植組織をパージして乳ガン細 胞を除去する場合を例に説明する。 細胞を採取する公知の方法は,血液または骨髄からの免疫性吸着または末梢血 液幹細胞(PBSC)またはCD_34+細胞の選り分けであった。しかし,腫瘍細胞をなす 細胞集団をパージできる無害でしかも効果的な方法は知られていない。未成熟細 胞の中にさえ悪性の細胞があり,それらは従来の知識によればCD34レセプタを保 有していない。大事なことは,本発明によれば,ガン細胞は正常な前駆細胞(pr ogenitors)に悪影響なくほぼ完全なパージを実現することができた。 幹細胞移植組織を末梢血液から採取する前に,骨髄からの幹細胞を化学療法(c hemotherapy),または公知の方法による増殖因子(growth factors)を使った治療(treatment)によって活動化(mobilize)する必要がある 。幹細胞は,細胞の種類に応じた適宜の方法によって採取できる。その一つとし て,末梢血液幹細胞を集める方法がある。これは,患者に,相当程度の化学療法 を施し,全身にわたる放射線照射を与えた後に白血球搬出法を10乃至11日に わたってG-CSF(10μg/kg/day)投与(administration)を行う。CS-300Plus血球分 離器(Baxter Healthcare Corporation,Fenwal Division,Deerfield,IL,USA )を用いて血液の流量をたとえば70ml/minに一定する。こうした方法により扱わ れた平均の血液量は,ジューアル・ルーメン・セントラル静脈カテーテル(dual- lumen central venous catheter)によれば21/2時間当たり約10リッターでよい。 50mlのPBSCが集められ,Cobeプロセッサー2991中でリン酸塩緩衝食塩水(PBS),1 %のヒト血清アルブミン(HSA)で洗浄して,血小板を除去する。本発明においては ,細胞濃度(2-4 x 1010/apharesis)は,マイナス選別(パージ)として免疫性 トキシンによって1 x 1-08/mlに調整される。 もしCD-34+細胞が望ましい場合,ISOLEX 50またはISOLEX 300 (Baxter)を使ってプラス選別により得ることができる。この方法においては,ア ファレシスまたは骨髄の産生物は約4 x 1010乃至6 x 1010個の細胞からなるが ,これを混合し,たとえば,抗CD34+-モノクロナル抗体9C5を1 x 106個当たり 0.5μg/の割合で,4℃の温度で30分間ゆるやかなロータで培養する。処理された 細胞は,PBSに1%のHSAを加えCobe前駆体(precursor)で洗浄して,分離した抗体を 除去する。ダイナル・ビーズ(DYNAL beads)M-450が,4℃の温度で30分間有核細 胞1個当たり0.5ビーズ分CD-34+分画に加えられる。非標的細胞からのロゼット( rosettes)を磁気により分離する場合には,PBSと1%のHSAを使って2〜3回洗 浄することで可能 となる。CD-34+細胞は,たとえば,キモセル(ChymoCell-R)(Chym-opapain)を, 室温で15分間最終濃度200pKat/mlで加えることでダイナル・ビーズから開放でき る。このようにしてCD-34+細胞は,5%のクエン酸ナトリウム中でPBSで洗浄す ることにより採取できる。幹細胞または初期の前駆細胞を選別するその他の方法 は公知である。 乳ガン細胞系及び腫瘍物質における抗体の幾つかの結合輪郭(bin-ding profil e)が一般に検査されその一部は確認されている。乳ガン細胞の大部分と結合し ,血液や骨髄中の重要な未成熟正常細胞と結合していない抗体は,シュードモナ ス属外毒素A(PE)と抱合(con-jugated)されており,主にコロニイ生成検定で培 養中のガン細胞破壊力が検査された。抗体の結合輪郭に基づいて本発明は,次に 示す5個の夫々異なった免疫性トキシンにおいて抱合体の産生に成功した。 1.MOC31-PE:この抱合体(conjugate)は,すべての乳ガン細胞のほとんどと結 合し,モデル試験において正常な造血性前駆細胞の周辺部に毒性を与える程度の 濃度において非常に有効であった。 2.NrLu10-PE:これは,上記したのと同じ抗原に結合するが,他の抗原決定基( epltope)とも結合する。MOC31-PEよりは,やや強力さが欠ける。 3.PM7-PE:これは,主に乳ガン細胞上に見られるムチン抗原のタンパク質部分 に結合する。この抗原は乳ガン細胞のほとんどに存在するが,すべてにではない 。免疫性トキシンは,ガン細胞には高い特殊の効果は示したが,上記二つのケー ス程の効果ではなかった。 4.BM2-PE:これは,BM7-PEと同じ抗原上の抗原決定基を含んだ砂糖と結合する 。この免疫性トキシンは上記BM7-PEと略同じ効果を示した正常な細胞に非常に低 い毒性とともに,効果的にもBM7-PEとおなじであった。 5.MLuCI-PE:これは,全く種類の異なる抗原,Lewisy-抗原に結合する。この免 疫性トキシンは,上記のもの程の効果はなく,また,正常な細胞に適度の毒性を 与えることが示された。 上記1,2,5の免疫性は,ガン細胞のために正規の骨髄サンプルをパージす るモデル試験において,個々にまたは組み合わせてテストされた(マイクバスト 他,Cancer Research,1994)。上記したように,幹細胞移植組織を用いることの大 きな利点は,正規の骨髄機能を直ぐに回復できる点である(すなわち,より安全 は手続)しかし,期待に反してこの移植組織は腫瘍細胞で汚染されて,移植組織 内のすべてのガン細胞を,正常の細胞に影響を与えることなく破壊することので きる免疫性トキシン加えることが必要となった。 MLuCI-PEよりもっと特定した乳ガンに対する免疫性トキシンに対する研究が開 始された。 この研究中に驚くべきことに,MOC31-PEとBM7-PEの組み合わせが前記免疫性ト キシンを単独で用いたものの総和より効果的であったということである。この結 果は表1に示す。抗体と細胞系間の結合をさらに調べてみると,組み合わせは, 結果的には,抗体単独より強い結合力をもっているということも判明した。 MOC31は,乳ガン細胞の大部分と平均して結合する。BM7は,ムチン抗原は乳ガ ン細胞の殆どの表面に発現しているのが認められるが,細胞によって差かある。 NrLU10及びBM2は,夫々MOC31及びBM7によって認識された抗原に結合するが,こ のことを考慮すると,MOC31及びBM7免疫性トキシンの組み合わせにはなにも追加 するようなことはない。MLuCI-PEは,前記免疫性トキシンとは異なった抗原に結 合する気配がある点で理論的には興味がある。しかし,MLuCI-PEは正常な細胞に 毒性があり,しかも,モデル試験ではこれを組み合わせに含ませることのはっき りした利点を示さなかった。 次に実施例に基づき末梢幹細胞移植組織のパージについて説明する。さらに, 発明者は,MOC31-PE及びBM7-PEの組み合わせを用いて腫瘍細胞が採取された末梢 幹細胞または骨髄に免疫磁性によるCD-34+細胞の回収前に加えられた。試験の結 果は表2に示される。二つの異なった細胞系にあっては,CD-34+細胞の回収は, (パージングの形式を問わず)最初の採取された細胞集団から3.8 log腫瘍細胞 まで動けるのが強み。たの試験では,CD34選別のパージング効果は,2-3 logから 変わりつつある。この2-3 logは文献に掲載されている。免疫性トキシン治療が 回収されたCD-34群に用いられたとき全体的なパージング効果は,すべての細胞 系に対し4.7 log(表2参照のこと)を超えていた。4.7 log以上ということは, 腫瘍細胞は検出されたものは除去されたと考えられる。他の試験では,各テスト 毎に,1時間の免疫性トキシンによる処置の後にCD-34+細胞集団から取った成長 した腫瘍細胞と正常の前駆細胞とを用いた。この試験において腫瘍細胞は,処置 直後に破壊または死滅していることが観察された。他方,非パージに抑えられた 細胞集団の腫瘍細胞は成長しコロニーを形成するか,または細胞培地で増殖して いた。正常な幹細胞はこの処置には影響されず,三つの試験システムでそのまま で存続し,その数の減少は殆ど無視し得る程度であった。表3は同様の試験結果 を示している。この試験ではCD-34+細胞は,37℃の温度で2時間免疫性トキシ ンを使って培養された。その結果,幹細胞は免疫処置にも殆ど影響を受けなかっ た。 驚くべきことに,それぞれシュードモナス属外毒素Aバクテリア・トキシン毒 素と結合された,本発明による上皮細胞として発現された抗原に向けた二つの抗 体が,抹消血液及び骨髄から採取した正常の幹細胞に悪影響を与えることなく悪 性細胞を破壊していたことが判明した。細胞がバクテリア外毒素で破壊されるこ と,及び,破壊効果(killer effect)は,該トキシンを標的細胞として表れたエ ピトープに結合された抗原に接触させることにより向上する。しかし,もし,未 成熟細胞が一つまたは数個の免疫性トキシンに曝露すると,細胞集団中の正常の 幹細胞移が破壊される可能性が高い。さらに,こうした正常の幹細胞は,外的ト ラウマ(physical trauma)を伴うエックス・ビボ治療や温度変化に敏感である。 本発明では,細胞集団,たとえば,末梢血液から採取された幹細胞移植組織は, 二つの抗体の混合液に曝されPEと結合するようになっている。免疫性トキシンの 一つが先行して活動するので,バクテリア・トキシンに接触された二つの抗体の 混合液を用いることによりパージング効果は免疫性トキシンを個々に使った時の 効果の総和より大きいことが実証されている。この相乗効果を表4に示す。ここ では,シュードモナス属外毒素Aに結合された抗体BM7及びMOC31を用いて人間 の乳ガン細胞PM7を破壊した状態を示している。シュードモナス属外毒素はとも に,バクテリア・トキシン・シュードモナス属外毒素に接触された腫瘍関連抗原 用モノクロナルな抗体である。その抗体の一つは,GA733-2遺伝子と分類されてい る上皮抗原は,大部分がカルシノナ(carcinoma)細胞と認識されており,従って ,カルシノナ (たとえば,乳ガン,結腸または直腸ガン,前立線,卵巣ガン, 肺ガン,膵臓ガン)が絡む殆どのケースに用いることができる。もう一方の抗体 は,ムシン,すなわち,タイプ毎に少しづつ異なるムーカス・タンパク質に関連 している。通常,抗原は,MUC-1,MUC-21 ,MUC-3として記号化されたタンパク質として記述できる。上記のモノクロナル抗 体は,夫々MOC31及ひBM7である。 抗体とトキシンは種々の方法で結合できる。 バクテリア外毒素にリンクするための2個以上の抗体は,抗体結合が,標的細 胞上に発現し正常な細胞上には発現していないエピトープと結合するように選別 する。先行技術の問題は,悪性細胞と良性細胞が共に細胞表面に共通の抗原を発 現するという点である。本発明の実施例では,2つのモノクロナルな抗体MOC31 及びBM7が用いられ,前者は,もし末梢血液に発見され悪性の場合は外皮細胞と 結合する。抗原(タンパク質)はGA733-2遺伝子として記号化されている。しか し,この抗原は幾つかのエピトープを有しているので,それらは各明確に発現で きるように標的化することが大切である。 BM7抗体はMUCI遺伝子により発現される抗原のエピトープに関係する抗体の一 つである。数種の遺伝子が類似の抗原,たとえば,MUC2やMUC3などをエンコード する。 バクテリア・トキシン・シュードモナス属外毒素Aの毒性は,正常細胞及び悪 性細胞に対し比較的軽度である。しかし,標的細胞として発現される抗原に関係 する抗体に結合されると,これら細胞に対する毒性は非常に顕著となる。表5に 示すように,本発明による免疫性トキシンでは,たとえ60分という短時間の培 養でもT-47D細胞,MCF7細胞,PM1細胞は,従来技術である方法によるより遥かに 効率よく破壊された(killed)。こうした二つの免疫性トキシンの組み合わせが, 選別的な効果,単純さ,正常な前駆細胞にはほんの末端のみへの毒性などから予 見されるところに応じて驚異的な効果を奏するものである。 三種類の抗体(Myklebust他1993,1994を見よ)に結合されたシュードモナス属 外毒素Aからなる数種の免疫性トキシンを使用す ることは公知だという主張があるかもしれない。一例として,MOC31を本発明方法 と類似の方法で用いて,無差別に骨髄細胞をパージしようとしたが,結果は,使 用された他の抗体,就中,その一つがMOC31と同じ抗原に結合したり,他の抗体( MLuCI)が正常細胞と反応し合い,その結果,この抗体にリンクした免疫性トキシ ンが,最も未成熟の幹細胞に対しても簡単に毒素として働いてしまうということ があった。本発明では,幹細胞パージング調液にMOC31の効果に加えてさらにモ ノクロナルな抗体を調整した。それにより,免疫性トキシンとして用いたこれら 二種の抗体の組み合わせ驚異的な効果をもたらすことが観察された。 開示の免疫性トキシンの高度な特別の作用により,種々のカルシノマに苦しん でいる患者の生体内で治療のために混合液を調整することはできる。もし,ガン が軽度であるとして,ガンが骨髄まで広がっていることが判明した場合,各免疫 性トキシンまたはその混合液を静脈に注射または注入することが可能である。さ らに,腹水(ascites)または胸膜滲出を伴う病状の進展にあって患者に免疫性ト キシン個々を単独にまたは組み合わせて注射することは可能である。第3の可能 性は,ガンが中枢神経まで進行した患者を治療することである。この場合は,免 疫性トキシンは,直接腫瘍組織または脊髄もしくは血液を脳に運ぶ動脈に注射す ることができる。 MOC31-PEが,小規模細胞による肺癌のための軟膜の腫瘍モデルに用いられたこ とがあることを除けば生体内でこうした免疫性トキシンを用いることは知られて いない。BM7-PEは文献には全く触れられていない。 免疫性トキシンを生体内で用いる場合の重大な問題は,それらの半減期が非常 に短いということである。すなわち,免疫性トキシンは濃度が腫瘍の中で適度に 高くなる前に衰弱し,血液から除かれる。 米国特許第5322678号ではMorgan et al.は免疫性トキシンの抗体部分の変形に より生体内での短期半減期の問題を解消したものについて特許を得ている。この 発明はトキシン部分の同様の変形を提案するが,方法は今までに知られていない ものである。 実施例1 免疫性トキシンによって末梢血液幹細胞の採取群から乳ガン細胞をパージする こと。 はじめに 自系の造血幹細胞サポートを使って高度の化学放射を頻度を徐々に上げながら 投与して種々の悪性度(malignancies)(1,2)をもった患者を治療する。この方法 が,成功しない理由の主たるものは,毒性(toxicity),感染(infections),engra ftmentの欠如(3)というよりは病気の再発(relapse of disease)である。高投与 治療を受けた患者にはクローン原性の腫瘍細胞を含む自己移植(autografts)の再 輸液が再発に寄与し,結果(4)に影響する。自己移植細胞の遺伝子標識(gene-mar king)の研究によって再注入された骨髄(BM)に残った腫瘍細胞が,病気(5)の再発 に寄与することを実証した。この結論は,小胞条のリンパ種をもった患者にはBM が効率よくパージされると,無病で長生き(6)できる効果があるという事実によ り支持されている。 免疫細胞化学技法を用いることで組織学的には正常な骨髄オートグラフトに腫 瘍細胞汚染が,高投与治療(7)を受けている乳ガン患者の37〜62%の範囲にわた って観測することができる。造血成長因子と化学療法とをもって予備的治療を施 した後アファレシス法により採取された末梢血液幹細胞(PBSC)オートグラフトが ,かなりの程度用いられるのは,これら産生物が腫瘍細胞を含む確率は低い。し かし,近時,腫瘍細胞問題が,PBSCオートグラフトではBM群に比べ てそれ程広範囲ではないが,それでも悪性細胞は,乳ガン患者(4,7)から採取さ れた生理的に活動したPBSCには頻繁に観察される。さらに,最近の研究で判明し たことは,化学療法及び/または成長因子は,腫瘍細胞を患者の末梢血液へと活 性化するが,その際,骨髄(7,8)に検出し得るガン細胞がある場合とない場合と がある。その結果,PBSCグラフトに腫瘍細胞汚染がある危険が増す結果となる。 悪性細胞の再注入を避けるために,悪性の乳ガン細胞のPBSCオートグラフトの 試験管内パージが必要となる可能性がある。そこでその具体的で,かつ急速なパ ージ法を開示せんとするものである。その結果,アファレシス産出物に直接加え られたITの60分間培養法が5ロガリズム以上の腫瘍細胞を選別的に破壊した。 素材と方法について 細胞系 PM1乳ガン細胞系は本願発明者の実験室で,症状の悪化した患者からの腹水か ら得られた。MCF7及びT-47D細胞系が,American Type Culture Collection(Rock wille,MD)において夫々ATCC HTB 22,ATCC HTB 133として得られている。細胞 は,37℃の温度の下,5%の炭酸ガス雰囲気内で,10%の熱により不活性化された子牛 胎児の血清(FCS)に,さらに抗生物質(100U/Mlのペニシリン,100μg/mlのスト レプトマイシン)とを添加したRPM11640培地(RPM1)中で培養された。培地と添加 物とはGIBCO(Paisley,UK)で購入されたものである。 ヒト骨髄と末梢血液前駆細胞について BM細胞を健康な自発的ドナーから得た。BM単核細胞(MNC)因子がLymphoprep(N ycomed Pharma,Oslo,Norway)から得て,実験に先立ちリン酸塩緩衝食塩水(PB S)で2度洗浄した。PBSCは,非ホジキン・リンパ腫患者から得られた。PBSCを活 動化(mobilize)するために,患者は予め化学療法と造血成長因子(G-CSF,Neupoge n,Amgen/ Hoffman-La Roche,Basel,Switzerland)を使って予め治療を施した。化学療法後 11〜12日経って末梢血液中のCD-34+細胞の数が増えてきた段階で,幹細胞か CS-3000に血液細胞分離器(Baxter Healthcare Corp.Fenwal Division,Deerfie ld,IL)を使つて回収した。 トキシン,抗体,免疫性トキシンの構成について 抗(anti-)MUCI(9)抗体BM7(IgG1)がエス・コール氏(Frauenklinik,University of Heidelberg,Germany)から寄贈され,また,抗EGP2(10)抗体MOC-31(IgG2a) がエル・ド レイジ氏(University of Groningen,The Netherlands)及びMCA Dev elopment(Groningen)から提供された。PEは,Swiss Serum and Vaccines Insti tute(Bern,Switzerland)から得られた。各抗体は,sulfo-succinimidyl-4-(N-ma leimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate(Pierce,Rockford,IL)によって形 成されたチオエーテル結合体(thioether bond)を介して前述(11)した様にしてPE に結合された。 免疫性トキシン治療について クローン原性乳ガン細胞が未だ生きていることに対するIL治療の効果が、FCS を含むRPM1中の2x106の腫瘍細胞を37℃の温度の下、表示されたIT濃度で、ゆっ くり撹拌しながら(培養器[Gallenkamp製,Leicestershire,UK])種々の時間差 を設けて培養することによりテストされた。こうした実験法は共通している。細 胞は、クローン原性アッセイに接種する前に1%のFCSを含むPBS内で2度洗浄さ れた。 ある実験では、10%の腫瘍細胞がBM単核細胞またはPBSCに混合され、IT液中 で培養され、腫瘍細胞または造血プロジェニタ・クローン原性細胞の生存に対し 評価された。腫瘍と増血前駆細胞に対するクローンについて 使用済の腫瘍細胞に対するクローン原性軟寒天培養のアッセイについては上記 の通りである(12)。三通りの培養集団(cultures)が、夫々5%の炭酸ガス,5% の酸素ガス,90%の窒素ガス雰囲気内で14日間37℃の温度の下に培養され、 50以上の細胞のコロニーがツアイス複式顕微鏡(Zeiss Stereo microscope)に よって計数された。 処理済及び未処理の各正常前駆細胞は,5x104 PBSC/mlがIMDM媒体(GIBCO)の標 準メチルセルローズ培地(HCC-4433 Methocult,Terry Fox Labs,Vanvouver,BC) 内で個別に培養されたCFU-GEMMアッセイ(13)で検査された。19日間の培養後に BFU-E及びCFU-GM細胞コロニーが逆相コントラスト顕微鏡で計数された。各アッ セイは,1ml 35mmの皿内で温度37℃,5%の炭酸ガス雰囲気,かつ,湿度100% の条件の下で三種の培地に分けて実施された。 結果 軟寒天中のヒト乳ガン細胞について 幾つかの実験において接種された腫瘍細胞の数と産出された腫瘍コロニーの数 とは比例していることが観察された。PM1細胞系にあっては,クローニング効力 は20〜30%(図示省略)の範囲内であった。T-47D及びMCF7の各細胞系を使っての 実験では,27%と22%のPE液を使った先に報告(14)の比例関係が確認された。こう したデータは治療における乳ガン細胞を減らす効力の計算に用いられた。 乳ガン細胞の破壊における免疫性トキシンの単独使用と混合液との効力につい モデル実験において濃度の異なる三種のIT液が用いられた。表4に示すように ,二つの濃度の低い方でBM7抱合体と共にmarginal effectsが得られただけであ る。一方,2.5logの細胞破壊が1.0μg/mlで得られたが,3log細胞破壊も見られ た。濃度の最も高い (1μg/ml)では効果は少なくとも5logsで,これはこのアッセイ(14)での評価 した中では最高の効果であった。ITの混合液にあっては,表示濃度においてはす べての腫瘍細胞は0.1μg/ml(表4)で既に破壊されていた。こうした結果から ,二つのITの混合液は,乳ガン細胞を効率よく破壊することができるこが分かる 。さらに,データは二つの抱合体を組み合わせることにより倍加されることを証 明している。ITの混合液が二つの異なる乳ガン細胞系(図示省略)に対しテスト されたところ,同様の結果が得られた。標的細胞上の抗原発現(antigen express ion)における不均質性(heterogeneity)のために,実際の臨床的な実施のために はIT混合液を使用することは理にかなっている。 培養時間の影響について 上記した実験においていITを使った120分培養が用いられた。臨床の場合には ,現実問題として,もっと短い培養時間が有利である。IT液への曝露時間が,特 定の腫瘍細胞破壊に影響を与えずに短縮できるかを研究するために,各1μm/ml の濃度で用いられたこれらの抱合体異なる培養時間で三種の乳ガン細胞系に対し テストされた。すべての場合,ガン細胞は,120分のIT液への曝露によって根絶 される結果となった。重要なことは,培養時間が90分に,さらに60分(表5)に 短縮されても効果に変わりはなかった。データから判明したことは,用いられた IT濃度で最も短い培養時間で,腫瘍細胞培地に存在しているすべてのクローン腫 瘍細胞を破壊するのに十分である。 正常な増血細胞を数多く入れることで乳ガン細胞に対する毒性が変わるかどう かを調べるために,腫瘍細胞が,アファレシスによってハーベストされたPBPCに 1対10の割合で混合されて実験された。表5に示すようにITは,正常細胞の存 在する中で,既に60分間だけ培養させた後,PM1腫瘍細胞の5 log以上を破壊した 。こうした結果は三種の細胞系すべてに同じであったことから,得られたデータ は,IT方法が臨床上にも効果的に用いることができることを実証している。 培養条件及び細胞濃度の影響について 臨床上のサンプルに用いられると思われる条件に類似の条件下でIT方法がどの ような効果を示すかを調べるために,PM1腫瘍細胞が1対10の割合でPBPCに混 合された。その実験では細胞は,IT培養前にアファレシス・バッグから直接取っ た未洗浄細胞でACD(stock solutin bag,R 2220,Baxter Healthcare Corp.,F enwal Division)を加えた生理的正食塩水に再浮遊(resuspended)させた。結果 は,洗浄し10%のFCSを混入したRPM1に再浮遊させた細胞による最初の実験で得ら れた結果と比較された。表6から,いづれの場合もITによる60分処理ですべての PM1細胞は破壊されること,また,臨床用にはIT液は直接にアファレシス・バッ グに注入することができ,さらに,この条件下では低pHがITの細胞毒性に影響を 与えることはないことが分かる。 アファレシス・バッグ内では細胞の全数量は,非常に高い。こういう高い細胞 濃度にあっては方法の効力は,モデル実験の条件に比べて落ちるのが普通である 。そうなるかどうかテストした結果,細胞の全体の濃度が,ミリリットル当たり 最初1x107から5x107に上がり,さらに,1x108に上がると効力上差は観察されな かった(表6)。 IT の正常(normal)増血前駆細胞に対する毒性について 生存したCFU-GM及びBFU-Eに対するITの効果が,上記した培養条件の下で調べ られた。表7に示すように,洗浄して10%のFCSを含むRPM1中に細胞を再浮遊し た後も,ACDを含む正塩水に再浮遊させた未洗浄細胞を用いた場合もテスト結果 では,IT混合液による有核PBPCの120分間の培養でも前駆細胞の生存を抑えること はできなかった。 臨床での応用では処理された細胞は冷凍し患者に適用する前に解凍した場合の 前駆細胞の効果についても研究された。冷凍・解凍によれば,CFU-GM及びBFU-E の数の低下があった(表7)。注目すべきは,IT治療は,細胞コロニーの平均数 を,低pH条件で処理された細胞群で多少減らす程度で前駆細胞の生存を著しく減 少することはほとんどない。データによれば,60分の培養で腫瘍細胞を効果的に 根絶するITの濃度でもできるだけながく2度処理された正常クローン細胞の生存 には目立った影響は与えていないことが判明した。 ディスカッション 循環増血幹細胞のオートローガスな移植が,BM移植(15,16)に比べて利点かあ るため最近大きな注目を集めている。骨髄機能の急速な回復に加えてPBSCの使用 によって移植組織を汚染する腫瘍細胞を再注入する危険はないと思われるが,腫 瘍細胞による汚染問題は減少はしたものの,なくなってはいない(4)。細胞集団 刺激因子を使う化学療法を高投与に与えて腫瘍細胞を再生して末梢血液(7,8)に 送ることができる。したがって,アファレシス産出物をパージする急速で効果的 な方法が大いに受けている。 乳ガン細胞をBMから除くための方法として,化学的免疫分離(chemo-immunosep aration),免疫磁気手法(immunomagnetic procedures),免疫トキシン(14,17,18 ,19)を含む幾つかの方法が報告されている。これに反し,パージ性PBSC調剤に ついての研究報告は非常に少ない(20,21)が,リボソーム不活性タンパク質(22 ,23)を含むIT調剤が,BM(24)から調整されたCD34-ポジティブ細胞の補集液に添 加されたリンパ系腫瘍細胞を破壊するのに用いられてきた。後者の研究では,CD 34選別方法によって得られた3 logの間接純化に加えて2 logのパージング効果得 られた。今回の研究は,乳ガン細胞をPBSCから追放する安全なIT方法を開発する ことである。モデル実験において得られた結果は,対ガン抗体及びPEとを含む二 つの抱合体(conjuga-tes)の夫々を,1μg/mlづつ添加して60分の培養したとこ ろ,PBSCに添加されたすべての腫瘍細胞は,正常な前駆細胞に悪影響を与えるこ となく効果的に破壊された。重要なことは,この方法では,IT液は直接アファレ シス産出物に添加されるようになっており,培養後に細胞は洗浄され,遠心分離 されて冷凍に備えられる。特に,簡単で効果的であるところから,乳ガン患者を ,PBSCの移植とともに化学的療法の投与数に応じてグループ分けし,グループ毎 に管理す るのに有用である。本発明方法の効力は下記に述べる要因による。 第1に,MOC31抗体として知られている抗原は,ほとんどの乳ガン見本(10)に 発現していることが知られている。さらに,BM7抗体は,MUC-1遺伝子(9)として 発現しているコアタンパク質で通っているが,乳ガン細胞(25)の高いフラクショ ンに結合している。こうした二つのモノクロナルは,かなりの程度,乳ガンに見 られる抗原としての異質性(heterogeneity)を含む。第2に,IT液を構成するに 際して使用している抗体(11)に合致するトキシンを用いることは重要であること が実証された。多数のモノクロナルを含むPE抱合体は非常に効果的である(14)こ とが判明した。さらに,PEを含むIT液は,自由PE(11,18)の等モル濃縮液より 毒性が高く,これがITの特性を示している。 パージング方法は,効果的で安全で,実際的であり,臨床規模で用いられる必 要がある。アファレシス・バッグに直接添加できる利点に加えて僅か60分の培養 で全クローン腫瘍細胞を破壊することができるということである。加えて,この 治療は正常な増血前駆細胞にはなんの影響もなく,しかも,BMパージング実験で はさらに高いIT濃度の濃縮液が得られた(14)。さらに,ITで処理されたPBSC液の 冷凍と解凍も毒性を増やすことのないことを確認するとともに,IT方法が,免疫 ビーズまたは免疫吸着による腫瘍細胞の除去に伴いがちな方法によくある不特定 の細胞損失を引き起こすことがないことは注目に値する。 添加された全量(26)の約0.75%となるよう洗浄した後にIT処理されたBMに残っ ている抱合体の量を計算した。臨床への応用にあっては,約2x1010の免疫細胞を 含み,好ましくは2μgIT/ML(1XI08細胞)の濃度で,最終生成物における最大3 μgのITとなることが期待される。これは,理論的に計算された最大の許容範囲 の自由トキ シンの100〜150倍毒性が低いことを示している。従って,パージされたPBSCの再 注入しても全身的毒性を与えることはない。 オートローガス増血前駆細胞移植組織と結びついた高投与療法の成否は,移植 (grafts)をパージする効力より全身性の治療の効果に依存するところが大きい。 にも拘らず,自己移植(autografts)に存在すると思われるガン細胞を除去するこ とは論理的である。他の腫瘍の研究は,パージングの重要性を示している。乳ガ ンでは,簡単で,安全で,効力のある方法を提案する。 実施例2 乳ガン細胞は,免疫性トキシンに対する感応が異なり,そのため患者が異なる ごとにその乳ガン細胞に対するBM7及びMOC31のパージング力が異なることになる ので,PM1乳ガン細胞を使って行った前回(実施例1)と同じ実験を他の細胞系 であるMA11で行った。その結果,免疫治療の効果は,MA11細胞に対してはPM1細 胞(表4)と同じか,幾分良好であることが判明した。実験結果から免疫性トキ シンのパージング治療の特効性が確認された。 別の実験で免疫性トキシンの細胞破壊能力(cell killing activlty)の動態学( kinetics)がある実験で研究された。その実験では,PM1乳ガン細胞が末梢血液前 駆細胞(比:1対100)に添加された。2時間の培養後混合された細胞懸濁液(cell suspension)を冷凍し次いで解凍して細胞が接種されてガン細胞と正常前駆細胞 との生死判別が並行した実験で行われた。その結果,乳ガン細胞の毒性化が急速 に起こり約72時間以内にすべての腫瘍細胞は死滅したことが判明した。これに 対し正常血液前駆体は,免疫性トキシン処理のされた細胞とされない細胞の培地 間に同じ時間内ではなんの違いも発見できなかった。 実施例3−4 骨または骨髄,胸膜,腹腔,脳,脊髄筋組織,尿道へ拡がった悪性腫瘍細胞が ,腫瘍に,前記体液に,または全身的に,たとえば,血液,骨,骨髄などの筋組 織の移転性の腫瘍細胞に投与した免疫性トキシンによって選別的に破壊すること ができる。 実施例3 MA-11ヒト乳ガン細胞が免疫欠乏性ラットの心臓の左心房に注入された。未処 理対照動物は,脊髄の圧縮の症状を呈し,細胞注入から34〜37日で死滅となった 。MOC31-PE(20μg/rat)の一回の投与処置を受けた動物は,無症候生存(sympton- free survival)が長く続き,その幾つかは50日以上生存した。 同じモデル実験内の他の実験でもその結果が確認された。この実験では動物の 内幾つかは観察時間110日にわたって生存した。これらの実験ではラットの一つ のグループが,PEに結合されたEGF-レセプターに向けられた425.3の抗体からな る免疫性トキシンによって処理された。このグループの動物は全部生存した。 このモデル内の第3の実験では対照ラットは脊髄の圧縮の症状を呈し,結局, 細胞注入から40〜60日の間に全部死んだ。この実験では,三つのグループが含ま れており,一つは20μgの425.3-PEを,一つは,各10mgの免疫性トキシンを受容 した。免疫性トキシンを個々に用いたものは両方共に無病徴候性生存が長く続い たのが顕著であったが,MOC31-PEと423.3-PEのものは夫々60%及び80%の長寿生 存となった。組み合わせ実験では動物は全部が無病徴候性生存であった。 このモデル内の第4の実験では,MOC31-PEの効果がシス形プラチナ(cis-plati n)及びドキソルビシン(doxorubicin)の効果と比較された。この実験ではMOC31-P E処理動物かすべて70日以上生存した。これに反し,ドキソルビシンだけの場合 ,末梢的効果はあるが,シ ス形プラチナ処理ラットは食塩水処理対照動物以上には生存できなかった。こう したデータは,使用した免疫性トキシンが高い乳ガンの転移を抑える上で,現在 病院等で最もよく使われている薬の内の二つに当たるシス形プラチナ及びドキソ ルビシンに比べて効果的であることを証明するものである。 実施例4 ヒト乳ガン細胞系MT-1が二つの異なった実験で用いられた。この内第1のもの では細胞は対照動物の心臓の左心室に注入したところ該動物は,脊髄筋組織圧縮 で19日の半ばで死滅が確認された。細胞注入一日後に静脈に425.3-PEで処理され た動物はすべて生存した。他方の実験では,MT-1腫瘍細胞がラットの脛骨の骨髄 に直接注射された。未処理動物は20日後に脛骨腫瘍ですべて死んだ。他方,20μ gの423.3-PEで細胞注射一日後に静脈注射されたラットは,100日以上生存した 。 さらに,TM-1腫瘍細胞がラットの脛骨の骨髄に直接注入されたモデル実験では 1日または7日注入されたものと,BM7-PEに対するのと同じ日に処理された動物 グループにおいて425.3-PEの場合と比較された。さらに,7日と14日に静脈に 注入されたドキソルビシン(アドリアマイシン)の効果も研究された。その結果 ,1日または7日に注入されたこととは関係なく免疫性トキシンはラットの80% を治癒した。各免疫性トキシンの半分の濃度が混合された場合には動物はすべて 生存した。これに対し,ドキソルビシンは明らかに効率が悪く90日後の生存率は 35%であった。対照動物は,上記実験例の結果通り細胞の注射後20日で死滅せざ るを得なかった。データから,前述の425.3-PEの効果が確認された。重要なこと は,BM7-PEも425.3-PEと同様の効果があることが判明した。両剤は,明らかに効 果において病院等で抗乳ガン剤として盛用されているドキソルビシ ンよりすぐれている。さらに,これら免疫性トキシンの組み合わせによりすべて の動物が治癒された。 実施例5 二組の実験では,エルブB2遺伝子産生物に対する組換え型の免疫性トキシンの 効果は,組換え型PEの変異を加えてテストされた。実施例4で述べた実験におい て組換え型免疫性トキシンの濃縮液は動物の寿命を驚異的に延長し,ラットの35 %が生存した。MT-1乳ガン細胞が免疫欠乏性ラット内部に注射されたモデル実験 では同様にラットの内部に(1日,2日,3日に)組換え型免疫性トキシンを注 射した処理の結果ラットの寿命は著しく延びた。この効果は,用量に依存してお り,二つの異なる用量によって動物の寿命を10.6日(塩水処理対照の場合)から 23.4日に延ばし,二つの異なる用量の免疫性トキシンの場合は32.8日まで延ばす ことが判明した。最高用量の場合20%のラットが生存した。免疫性トキシンを最 高用量用いた場合も,毒性は観察されなかったので,最適用量であればその効果 はもっといいものになると期待できる。 請求の範囲 1.末梢血液から採集された有核細胞,または前記有核細胞から選別されたCD- 34+細胞,または多能性(multipotent)幹細胞を含んだ未成熟(早期)の前駆細胞 を有する細胞集団中の乳ガン細胞または同じ標的抗原示すその他の悪性細胞を破 壊する方法であって,前記細胞集団は,1または2の免疫性トキシンに曝露され ,該各免疫性トキシンは,抗体と細胞トキシンとの抱合体,抗体とトキシンとの フラグメント,または,組換え型抗体,トキシン,免疫性トキシン,もしくはそ れらのフラグメントを含み,該抗体は,遺伝子GA733により表現される抗原EGP2 上の抗原決定基,及びMUC1,MUC2もしくはMUC3またはこれらの組み合わせにより 表現される抗原上の抗原決定基に適しており,しかも,トキシンは,シュードモ ナス外毒素Aであることを特徴とした標的細胞を破壊する方法。 2.使用される抗体は,MOC31及び遺伝子MUC1,MUC2,MUC3またはこれらの組み 合わせにより記号化される抗原に適していることを特徴とした請求項1に記載の 標的細胞の破壊方法。 3.使用される抗体は,MOC31及びBM7またはこれらの組み合わせであることを 特徴とした請求項1または2に記載の標的細胞の破壊方法。 4.使用される抗体は,MOC31及びBM2もしくは12H12またはこれらの組み合わせ であることを特徴とした請求項1または2に記載の標的細胞の破壊方法。 5.使用される抗体は,MOC31及び595A6またはこれらの組み合わせであること を特徴とした請求項1または2に記載の標的細胞の破壊方法。 6.特定の免疫性トキシンは,インビボに注入されることを特徴 とした請求項1に記載の標的細胞の破壊方法。 7.免疫性トキシンは,特に骨や骨髄のような筋肉組織に拡がった場合には全 身に注入することを特徴とした請求項6に記載の標的細胞の破壊方法。 8.免疫性トキシンは,腫瘍に直接,または胸膜及び腹腔に直接注入されるこ とを特徴とした請求項6に記載の標的細胞の破壊方法。 9.請求項1に記載の方法により標的細胞を破壊するのに用いられる免疫性ト キシンが,悪性細胞に存在する抗原に適した2の免疫性トキシンを含むことを特 徴とした免疫性トキシン。 10.請求項9の免疫性トキシンにおいて,抗体が,MOC31,BM7,595,BM2,12 H12もしくはこれらの組み合わせまたはこれらのフラグメントから選択されたも のであり,しかも,トキシンが生(native)もしくは組換え型シュードモナス外毒 素Aまたはこれらのフラグメントであることを特徴とした請求項9に記載の免疫 性トキシン。 11.請求項9に記載の免疫性トキシンの使用であって,対ガン性の治療剤を産 出することを目的としたことを特徴とした使用。 13.請求項1に記載の方法を実施するためのキットであって,2の免疫性トキ シンを薬事法に規定する法定の範囲内で処方したものを含むことを特徴としたキ ット。 【手続補正書】 【提出日】1998年11月5日(1998.11.5) 【補正内容】 (1)明細書の第11頁の「表2」を別紙のとおり訂正する(表中の項目に脚注に対 応する参照符号a,b,cを追加する)。 (2)明細書の第19頁第27行に「μg/mlで得られたが,3log細胞破壊も見られた。 」とあるのを「μg/mlで得られたが,濃度0.1μg/mlのMUC-31にあっては略3 log 細胞破壊も見られた。」と訂正する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN,YU (72)発明者 ワン,メン,ユー ノルウェー エヌ―0379 オスロ モンテ ベローヴァィエン 11 (72)発明者 エンゲブローテン,オラフ ノルウェー エヌ―1470 ルーレンスクー グ ハーネボルグスヴァィエン 43アー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 末梢血液から採集された有核細胞,または前記有核細胞から選別されたCD -34+細胞,または骨髄穿剌液(bone marrow aspirates)から採集されたCD-34+細 胞,または多能性(multipotent)幹細胞を含んだ骨髄もしくは血液からの未成熟 /早期の前駆細胞,または正常基質細胞により支持された悪性細胞を有する細胞 集団内の好ましくない標的細胞を破壊する方法であって,前記細胞集団は,1ま たは2の免疫性トキシンに曝露され,該各免疫性トキシンは,抗体と細胞トキシ ンとの抱合体,抗体とトキシンとのフラグメント,または,組換え型抗体,トキ シン,免疫性トキシン,もしくはそれらのフラグメントを含むことを特徴とした 標的細胞を破壊する方法。 2. 細胞集団は,二つ以上の免疫性トキシンに曝露されることを特徴とした請 求項1に記載の標的細胞の破壊方法。 3. 細胞集団は,たとえばMOC31-PEまたはBM7-PEなどの内一つの免疫性トキシ ンに曝露されることを特徴とした請求項1に記載の標的細胞の破壊方法。 4. 細胞集団は,末梢血液から採取されることを特徴とした請求項1に記載の 標的細胞の破壊方法。 5. 幹細胞または早期前駆細胞は,骨髄から採取されることを特徴とした請求 項1に記載の標的細胞の破壊方法。 6. 細胞集団は,標的細胞に関連した抗原に適した2〜3,好ましくは2つの 特定の抗体または抗体フラグメントによって培養されることを特徴とした請求項 1または2に記載の標的細胞の破壊方法。 7. 上皮細胞抗原に適した抗体を用いることを特徴とした請求項4に記載の標 的細胞の破壊方法。 8. 主として上皮細胞内に発現する抗原決定基(epitopes)に適 した抗体を用いることを特徴とした請求項7に記載の標的細胞の破壊方法。 9. 使用する抗体の少なくとも一つが,GA733-2遺伝子で表現された抗原EGP2 上の抗原決定基に適しており,少なくとも一つが,遺伝子MUC1,MUC2もしくはMU C3またはこれらの組み合わせで表現された抗原EGP2上の抗原決定基に適している ことを特徴とした請求項1〜8のいづれかに記載の標的細胞の破壊方法。 10.使用する抗体が,MOC31及び遺伝子MUC1,MUC2もしくはMUC3またはこれら の組み合わせで記号化された抗原に適した抗体であることを特徴とした請求項1 〜9のいづれかに記載の標的細胞の破壊方法。 11.使用する抗体が,MOC31及びBM7またはこれらのフラグメントであることを 特徴とした請求項6に記載の標的細胞の破壊方法。 12.使用する抗体が,MOC31及びBM7もしくは12H12またはそれらのフラグメン トであることを特徴とした請求項6に記載の標的細胞の破壊方法。 13.使用する抗体が,MOC31及び595A6またはそれらのフラグメントであること を特徴とした請求項6に記載の標的細胞の破壊方法。 14.使用する免疫性トキシンのトキシン部分が,生(native)もしくは組換え型 シュードモナス外毒素Aまたはそのフラグメントであることを特徴とした請求項1 〜13のいづれかに記載の標的細胞の破壊方法。 15.使用するトキシンが,生(native)もしくは組換え型アブリン(abrin),リシ ン(ricin),ジェロニン(gelonin),ニグリン(nigrin),もしくは,ポークウィード 抗ウイルスタンパク(pokeweed antiviral protein),サポリン(saporin),エブ リン(ebulin)またはこれらのフラグメントであることを特徴とした請求項1〜1 4のいづれか に記載の標的細胞の破壊方法。 16.細胞集団は,末梢血液から採集された有核細胞であり,標的細胞が上皮オ リジンの悪性細胞であることを特徴とした請求項1〜15のいづれかに記載の標 的細胞の破壊方法。 17.細胞集団は,要部としてCD-34+細胞,または,他の表面マーカ,たとえば ,p-グリコプロテインにより選別された前記細胞に類似の早期前駆細胞を含むこ とを特徴とした請求項1〜16のいづれかに記載の標的細胞の破壊方法。 18.標的細胞が,ガン腫たとえば,乳ガン細胞,大腸ガン細胞,前立腺ガン細 胞,卵巣ガン細胞,膵臓ガン細胞,肺ガン細胞であることを特徴とした請求項8 に記載の標的細胞の破壊方法。 19.細胞集団は,インビボで特定の免疫性トキシンに曝露されることを特徴と した請求項2または3に記載の標的細胞の破壊方法。 20.免疫性トキシンが,腫瘍に直接注入されるか,または,胸膜及び腹腔に注 入することを特徴とした請求項19に記載の標的細胞の破壊方法。 21.免疫性トキシンが,特に悪性のガンが骨または骨髄などの筋肉に拡がった 場合には全身に直接注入されることを特徴とした請求項19に記載の標的細胞の 破壊方法。 22.請求項1に記載の方法により標的細胞を破壊するのに用いられる免疫性ト キシンが,悪性細胞に存在する抗原に適した1または2の免疫性トキシンを含む ことを特徴とした免疫性トキシン。 23.抗体が,MOC31,BM7,595,BM2,12H12,またはこれらの組み合わせから選 別されたものであり,かつ,トキシンが,シュードモナス外毒素Aであることを 特徴とした請求項22に記載の免疫性トキシン。 24.請求項22に記載の混合物の使用であって,対ガン性の治療 剤を産出することを目的としたことを特徴とした混合物の使用。 25.請求項1に記載の方法を実施するためのキットであって,該キットは,1 または2の免疫性トキシンを薬事法に規定する法定の範囲内で処方したものを含 むことを特徴としたキット。
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