JP2001500002A - 骨髄からcd77▲上+▼細胞を選択的にパージする方法 - Google Patents

骨髄からcd77▲上+▼細胞を選択的にパージする方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、自家移植の前にエクスビボで骨髄からCD77陽性細胞を選択的にパージする方法に関する。本方法は志賀毒素または志賀毒素様毒素−1を使用して、骨髄中のCD77を発現するすべての細胞を殺すあるいはアフィニティークロマトグラフィーでCD77+細胞を骨髄から選択的に除去することを特徴とする。この毒素は細胞表面糖脂質CD77に特異的に結合する。本方法は非ホジキンリンパ腫治癒のための手段を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 骨髄からCD77+細胞を選択的にパージする方法 発明の分野 本発明は非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療方法である。本方法は志賀毒素 または志賀毒素様毒素−1(Shiga-like toxin-1)を利用して、骨髄移植前にエ クスビボで骨髄中のNHL細胞を選択的に殺す。本発明の方法によるNHL細胞 の除去はリンパ腫の治癒を招来する。 発明の背景 志賀毒素様毒素−1(Shiga-like toxin-1,SLT−1)は細菌毒素であり、 志賀毒素それ自体と共に、細胞表面糖脂質に結合し、タンパク質合成を阻害する ことによって細胞を殺す(参照文献番号1、2)。ヒトの造血系において、CD 77の発現は活性化B細胞の1つのサブセットに限定されている(参照文献番号 3−8)。 北米では1994年の1年で二千人が非ホジキンリンパ腫で死んだ。NHLの 大部分は濾胞性(B細胞)リンパ腫であり、それは低級(low-grade)リンパ腫 に属し、それを治癒できる治療法は存在しない(参照文献番号9)。悪性B細胞 を有する患者の自家骨髄移植(ABMT)は選択できる治療の一つとしてその利 用は次第に増加している。移植された骨髄は残っているガン細胞が混入している ことがしばしばあり、そうすると結局、病気が再発することになる。この汚染は 濾胞性リンパ腫の治療に関連する特別な問題点であり、したがってABMTが有 用な最先端の治療になるためには、造血幹細胞を殺さないようにしながら、ガン 細胞を殺す安全でかつ効果的な方法が必要である、細菌、植物及び真菌毒素には 、最も強力な細胞毒がいくつか知られているが、それらの毒性を利用できるよう にするには、そのような分子を特定のガン細胞に向かわせることが出来るような らなくてはならない。毒素のごく一部がイムノトキシン (毒素抗体複合体)または融合タンパク質として、ヒトにおける第1相または第 2相試験に使用されてきた(参照文献番号10、11)。これらの毒素複合体の 成功は限られたものであった。 発明の概要 本発明は、細胞表面糖脂質CD77に特異的に結合する志賀毒素または志賀毒 素様毒素−1を使用して移植の前にエクスビボで骨髄をパージ(浄化)し、骨髄 中の正常な造血前駆細胞をそのままにしつつ、骨髄中のCD77を発現するすべ ての細胞を殺す方法を提供するものである。CD77レセプターへの毒素の結合 の特異性はまた、アフィニティークロマトグラフィーを使用してCD77+細胞 を骨髄から選択的に除去するために使用することが出来る。 好ましくは、本発明は、複合化されていない天然の細菌毒素、志賀毒素様毒素 −1(SLT−1)をエクスビボの骨髄パージに化学治療薬として利用する。本 発明の目的上、SLT−1は志賀毒素自体と同等に作用する。SLT−1の発現 系は比較的容易に入手できるので、この毒素が好ましい(参照文献番号26)。 このエクスビボパージは、毒素の全身毒性に関連する合併症を回避できる。エク スビボでB細胞NHLをパージするSLT−1のモデル系として、重症複合免疫 不全(SCID)マウスを、ヒトのバーキットリンパ腫細胞株(Daudi)を 接種したSCID骨髄のレシピエントとして使用した。SCID/Daudiモ デル系は、B細胞イムノトキシンのインビボ実験でよく研究されている(参照文 献番号14、15)。 図面の簡単な説明 Fig.1は、免疫再構築(reconstituted)SCIDマウスの骨髄移植10週間後におけ る末梢血中の成熟T細胞(CD3+)をフローサイトメトリーで検出し、対照マウス と比較した結果を示す。 Fig.2は、本発明によりパージした骨髄を移植した免疫再構築SC IDマウスの無疾患生存のカプラン−マイエル(Kaplan-Meier)プロットである。 Fig.3はいくつかのヒト血液ガンにおけるCD77+細胞の検出を対照グループと比 較して示すグラフである。 好適な態様の詳細な説明 SLT-1細胞毒性 SLT-1は大腸及び腎臓の内皮細胞上に存在するグロボトリオシルセラミド(Gb3) と呼ばれる糖脂質に結合することにより細胞内部に取り込まれ、細胞を殺すこと になる。この糖脂質は造血系でCD77抗原といわれるものであり、胚(濾胞性)中 心の活性化B細胞の1つのサブセットに限って発現されている(参照文献番号3 −5)。CD77は、バーキットリンパ腫(入手できる細胞株統Daudiに代表される )のようなある種の血液ガンに優勢に発現されている(参照文献番号6−8)。 Daudi細胞の毒素に対する感受性は精製SLT-1を用いてテストした。毒素のIC50用 量はトリチウム標識したロイシンの細胞取り込みで測定したところ1pg/mlであ った(データ不記載)。ネズミの骨髄細胞のSLT-1に対する感受性が最少である ことを立証するため、骨髄細胞を毒素の存在/非存在下で培養してインビトロの コロニー形成アッセイを行った。表1に示す結果から、このアッセイでは毒素は 最も未分化のネズミ骨髄前駆細胞に対しては毒性がないことがわかる。急性骨髄 性白血病(ALM)患者の1人の骨髄を用いて同様な実験を行ったところ、同じく高 用量でもほとんど毒性が認められなかった(表1)。 表1 志賀毒素様毒素−1のネズミ及びヒト骨髄細胞に対するインビトロ毒性 略号: Emixは、赤芽球細胞を含む少なくとも3種の形態の異なる前駆細胞に発しコロニ ーをつくった細胞を表し、混合赤芽球コロニー(mixederythroid colonies)と呼 ぶ。 CFUはコロニー形成単位である。 CFU-GM+EmixはCFU-顆粒球/単球と赤芽球/巨核球コロニーの合計である。 全CFUはEmixとCFU-GM+Emixの合計である。 BFU-Eは赤芽球のバースト形成単位である。 CFU-Cは培養のコロニー形成単位である。 NDは測定していないことを示す。 免疫再構築におけるSLT-1の効果 つぎに、SLT-1で処理した骨髄細胞と未処理の骨髄細胞を照射SCIDマウスに移 植してインビボセッティングでのその再構築を確かめた。SCIDマウスには循環す る成熟B細胞とT細胞がない。免疫能のある「同属の(congenic)」マウス(BALB /c ByJ)からとった骨髄をインビトロでSLT-1で処理してあるいは処理せずにSCI Dマウスの免 疫を再構築するために用いた。BALB/c ByJ骨髄前駆細胞による免疫再構築を示す 成熟B細胞とT細胞の出現は、CD3(T細胞)及びB220/CD45R(B細胞)に対す る抗体を用いたフローサイトメトリーでモニターした。BALB/c ByJ骨髄を移植し たSCIDマウスは、そのCD3プロフィル(68%)が対照BALB/c ByJマウスのそれ (57%)と同じになったので移植10週後には再構築された免疫システムを獲 得したことになる(Fig.1)。SLT-1処理をした骨髄を移植した再構築マウスと処 理をしなかった骨髄を移植した再構築マウスではT細胞の割合にはっきりした差 はなかった(処理61%、無処理68%)。B細胞系統の再構築の証拠は同様に フローサイトメトリー(B220/CD45R,データ不記載)で確認された。 ヒトリンパ腫のエクスビボSLT-1パージ こうしてヒト異種移植片の移植先ホストの役をするSCIDマウスでのパージ実験 を開始した。このモデルは終点がはっきりしている、即ちリンパ腫が増殖し脊髄 に侵入したことによる後ろ足の麻痺である(参照文献番号14,15)。骨髄をSCID マウスからとり、Daudi細胞を接種し(全細胞の33%、これは高い腫瘍負荷で ある)、あるいは接種せずに、10ng/mlのSLT-1で60分間37℃でパージを行 った、あるいはパージは行わなずに、洗浄して照射SCIDマウスに注入した。マウ スは疾患兆候を毎日観察し、無疾患(麻痺のない)生存期間を記録した。無疾患 生存は、1 x 106個のDaudi細胞を移植して10ng/mlのSLT-1で処理した(37℃、 60分間)SCIDマウスと処理しなかったSCIDマウスの麻痺までの時間としてプロ ットした。マウスの尾静脈から、骨髄細胞のみ(無菌対照群、▼)、Daudi細胞 を接種した骨髄細胞(陽性疾患対照群、●)、SLT-1処理骨髄(洗浄対照群、■ )、骨髄とDaudi細胞の混合物をSLT処理したもの(パージした骨髄/処理群、毒 素中和抗体添加○、無添加▲)を注入した。パージした群の1つは、骨髄を処理 した後注射する前に毒素中和ポリクローナル抗体(参照文献番号30)を加えた (細胞200 μlに対し抗血清100μl)(SLT処理Daudi細胞、○)。パージした群の中で 10匹中1匹のマウスが98日目に死んだ(▲)。このマウスは不全麻痺あるい は麻痺の徴候は全く示さなかった。死因としてガンを除外することはできないが 、その死は自然死とされた。カプラン−マイエルプロット(Fig.2)は、骨髄と 百万個の無処理Daudi細胞を注入したマウスの群で最も長く行った実験でガン徴 候が迅速に始まる(38−49日目における麻痺)ことを示した。Daudi混入骨 髄をSLT-1でパージすると無疾患生存(及び治癒)が大きく増加した。即ちこの 群はまだ生きていて9カ月無疾患であり、これは疾患対照群の無疾患生存期間の 中央値を超えている。 SLT-1レセプターに関するヒトのガンのスクリーニング SLT-1のB-サブユニット(SLT-B、結合サブユニット、細胞毒性なし)はCD77に 結合するSLT-1の構成成分である。これをフルオレッセインイソチオシアナート( FITC)で標識し、患者のサンプル(カナダ、トロント、プリンセスマーガレット 病院、腫瘍病理学部門)をスクリーニングするのに用いた。患者110人を調べ た。選択された(gated)細胞集団(たとえばCD19陽性細胞即ちリンパ腫について はリンパ球、白血病については芽球)におけるCD77陽性細胞の割合を病理学者に よって診断された種々のガンについてプロットした。Fig.3では、●は末梢血及 びバイオプシー、■は濾胞性リンパ腫患者を示し、サンプルについて染色された 細胞の割合が15%より上のもの及び下のものに分け平均値を―で示した。 対照群は非ガン性であり、MDSは骨髄異形成症候群、AMLは急性骨髄性白血病、CM Lは慢性骨髄性白血病、MLはNHL(非ホジキンリンパ腫)や急性リンパ球性白血病 、B細胞慢性リンパ球性白血病を含む悪性リンパ腫である。平均で3±4%の陽 性細胞が非ガン性患者からなる対照群(n=11)で観察された。このマーカーについ て陽性に染色された細胞が集団中に15%(平均バックグラウンド+3SD)ある 細胞標本を陽性と定義した。最も衝撃的な結果は悪性リンパ腫(ML)の 44%(患者52人のうち23人)が陽性であったことである。MLのサブグルー プである濾胞性リンパ腫群からとられた患者サンプルの69%(16中11)は FITC-SLT-Bプローブで陽性に染色された。 考察 骨髄パージ実験にSLT-1を使用するについて重要な判断基準は、骨髄前駆細胞 がパージ剤に対してそれが高濃度であっても感受性を全くあるいはほとんど示さ ないことである。ネズミ骨髄を10μg/mlのSLT-1(Daudi細胞に対するIC50の107 倍)で処理してもコロニーの数が少し減少しただけであった。これはヒト骨髄に おいてはCD77の発現が免疫化学的に検出されないこと(参照文献番号16)、SL T-1がインビトロでヒト骨髄前駆細胞にたいして警戒させるような毒性を示さな いこと(IC50>1μg/ml)(参照文献番号17)からも期待されたことである。骨 髄前駆細胞に対するSLT-1の毒性も、ABMT法により近いセッティング(免疫再構 築)でテストした。FACS分析(Fig.1)は対照のSCIDマウスからの末梢血は事実 上CD3陽性細胞を全く含まない(参照文献番号18)のにたいし、対照のBALB/c ByJはリンパ球に分類された集団のなかでCD3陽性細胞の割合が期待通り高い(57% )ことを示す。BALB/c ByJあるいは再構築SCIDマウスの全単核細胞中のリンパ球 数は58−65%であるが、年齢をあわせた対照SCIDマウスでは16−17%で あった(データ不記載)。この知見はSCIDマウスと免疫不全C.B-17マウスの末梢 血中の白血球の分別計数値(参照文献番号19)と一致し、パージ剤としてSLT- 1を使用することの安全性を示す。 バーキットリンパ腫細胞株であるDaudiはNHLのモデルとして選んだものである 。マウスにおけるガン症候の出現(Fig.2)は予期された結果と一致する(参照 文献番号14、15)。わずか100個のDaudi細胞を植え付けただけで後ろ足 の麻痺が90日目(平均生存日数)に出現した。SLT-1で毒したDaudi細胞を106 個注入すると、無疾患生存期間が3倍になった。このことは少なくとも4対数 ユニットのDaudi細胞が骨髄からパージされたことを示唆する。実験はさらに2 回繰り返され同様の結果が得られた。 他のグループによるこれまでの研究から、正常及び新生物組織におけるCD77の 組織及び細胞分布が抗体を用いて明らかにされている(参照文献番号3−8、1 6、20、21)。モノクローナル抗体により認識されるCD77の構造決定基毒素 自体により認識されるものとは違うようなので、毒素のBサブユニットを用いて ABMTの恩恵を被ると思われるヒトガン患者に由来する細胞上のSLT-lレセプター の存在についてプローブ実験を行った。これらの結果からこのマーカーがML、特 に濾胞性リンパ腫について優勢であること、および他の血液(骨髄)ガン及び正 常標本には事実上存在しないことが強調される。この知見は抗CD77抗体を用いて NHLにおける高い発現頻度(〜60%)を示したこれまでの結果と一致する(参 照文献番号6)。当業者ならば、志賀毒素のBサブユニットを樹脂に固定して選 択的にCD77+細胞を細胞混合物から除去するのに使用できることがわかるであろ う。であるからCD77+細胞を志賀毒素またはSLT-1を用いて殺す代わりに、志賀毒 素のBサブユニットを結合させたアフィニティクロマトグラフィを用いて骨髄か らCD77+細胞を選択的の除去するほうが好都合な場合もあるだろう。 SLT-1はいかに述べる理由から理想的なパージ剤である。SLT-1は細胞周期全体 にわたって細胞毒性であり(参照文献番号22)、従来の化学療法薬の細胞周期 依存パターンとは異なる。SLT-1は、クローン原性腫瘍細胞を除去する排除する すばらしい能力がある(ここで使用したアッセイの検出限界よりも大きい、すな わち殺細胞の>4−5対数ユニット)。SLT-1は正常骨髄前駆細胞に対して全く 毒性を示さず、幹細胞を残す。SLT-1はほとんどの水性溶媒に可溶性であり、再 注入の前に容易に除くことができる。最後にSLT-1は作用機作が全く異なるため 、先立つインビボ薬剤治療との交差耐性が理論的にあり得ないことである。事実 、SLT-1はイムノトキシンの場合と同様に従来の薬剤の作用を強化するであろう (参照文献番 号13)。 リンパ腫をエクスビボで単一の生物学的薬剤により処置することで治癒できる という本発明の方法は動物モデルで具体的に説明した。今日まで、同様な結果を 得ようとしたら、イムノトキシンを複数組み合せる(さらに化学療法薬剤を用い るかまたは用いずに)ことが必要であった(参照文献番号15、23、24)。 方法論 コロニー形成評価 未処理SCIDマウスから、大腿骨及び脛骨をゲージ25の針を用いてイスコ ーヴ(Iscove)の改良DMEM培地(IMDM)と5%ウシ胎児血清(FCS) とで洗い出すことにより、ネズミ骨髄細胞を得た。次いで、上記骨髄細胞を35 mmの懸濁培養皿中で以下の培地を用いて半固形培養した。HEPES非含有I MDM培地に新鮮なHEPESを加えて17mMとし、これに脂質(オレイン酸 、コレステロール、ジパルミチン酸)、0.05〜0.0625%のBSA、2 0μg/mLのL−シスチン、及び下記の成長因子を加えた培地を作り1%メチ ルセルロース(日本の信越より提供されたもの)を加えた。上記成長因子は、F CSが4%、5637細胞の馴致培地(conditioned-medium)が15%、ネズミ Kitリガンドを含むCHO馴致培地が0.5〜3%、X63Ag8−653ミ エローマトランスフェクタント馴致培地が15U/mL、ヒトエリスロポエチン が0.1〜1U/mL、トランスフェリンが100μg/mL、ウシインシュリ ンが10μg/mL(方法及びサイトカインの供給元については文献25及びそ の中の引用文献を参照)含まれるものである。この培地にはさらに段階的に濃度 を変えたSLT−1(文献26)が含まれる。培養は5%のCO2を含む加湿雰 囲気中37℃で9〜10日インキュベートした。50細胞より大きいコロニーを 顕微鏡下に目視で数えて形態学的に分類した。結果はそれぞれ1mL中3000 0個の有核ネズミ細胞を培養した30mm 培養皿4枚の平均で表した。 告知に基づく同意(informed consent)後に1人のAML患者の骨髄から単核 細胞を採取し、35mmペトリ皿で培養した。2x105個の細胞を含む0.8 %メチルセルロース1mLに、5637馴致培地を10%、エリスロポエチンを 20U、ネズミKitリガンドを発現しているCHO株(米国マサチューセッツ 州ケンブリッジにあるジェネティクス・インスティテュートのスティーヴン・ク ラーク博士)の馴致培地を10%、及びヒトIL3を50U添加した。これらの 培養は5%のCO2を含む加湿雰囲気中37℃で所定時間インキュベートした。 50細胞より大きいコロニーを顕微鏡下で数えた。 免疫再構成実験 SCIDマウス(C.B−17scid/scid)(文献27)を無病原体 限定フローラコロニー(pathogen free defined flora colony)中で飼育維持し た。生後8〜13週の雌のマウスだけを移植実験に用いた。生後6〜8週の雌の BALB/c ByJマウスを、ジャクソン・ラボラトリーズ(米国メイン州バ ーハーバー)から、骨髄移植のドナーに用いるSCIDマウスに適合する(cong enic)株として購入した。すべての動物実験はメディカル・リサーチ・カウンシ ル・オブ・カナダのガイドラインに従って行った。ホロ毒素(holotoxin)SL T−1はSLT−1をコードするプラスミドで形質転換した大腸菌培養から精製 した(文献26)。骨髄をBALB/c ByJマウスから採取し、1μg/m LのSLT−1を用いて、または用いずに、37℃で1時間処理して洗浄した。 骨髄細胞(2x106)を照射SCIDマウスに注入した。移植10週後に、尾 静脈から末梢血を採取してT細胞の存在を分析した。BALB/c ByJマウ スの骨髄を用いたSCIDマウスの免疫再構築は、再構築SCIDマウスの末梢 血50μLのフローサイトメトリー分析で確認した。このとき、対照としては未 処理SCIDマ ウスとBALB/c ByJマウスを用いた。末梢部でのCD3陽性細胞(成熟 T細胞)の出現は、FITCに結合させた、ハムスターの抗マウスT3−CD3 ε複合体モノクローナル抗体(オンタリオ州ホーンビイのシーダーレーン)を用 いて検出した。フローサイトメトリーは、LysisIIというソフトウエアを用い、 ベクトン・ディキンソン・ファクスキャン(Beckton-Dickinson FACScan)で行 った。10000件(単核細胞)のデータを集めた。 SLT−1パージ実験 ヒトバーキットリンパ腫のDaudi細胞株をATTCより取得し、加熱不活化し たFCS20%を加えたα−MEM中に維持した(CELLect GOLD,ICN Flow)。 末処理SCIDマウスの大腿骨と脛骨から、ゲージ25の針とFCSを5%含む IMDM培地を用いて洗い出すことにより、骨髄を無菌状態で単離した。骨髄を Daudi細胞と2:1の割合で混合したものと混合しないものを用意し、これらを 10ng/mLのSLT−1を加えて、または加えずに、培養皿中37℃で60 分処理した。細胞は、FCSを1%添加したハンクスの平衡化塩溶液(Hanks' b alanced salt solution)(CaCl2及びMgCl2は含まず)で2回洗浄し、 ハンクス/FCS液中に再懸濁して、それぞれのマウスに200〜300μL中 の2x106個の有核骨髄細胞を、1x106個の生きている(色素排除)Daudi 細胞とともに、またはDaudi細胞なしに、投与した。細胞を混合し等量に分割し て種々の処理群に供し、マウスは等しい個数の細胞を受けとった。SCIDマウ スは骨髄注入直前に137Cs源から致死量未満のγ照射(0.4Gy)を受けた (線量率0.54Gy/分)(参照文献番号28)。マウスの病気の徴候を毎日 観察した。麻痺の徴候が現れた時点で動物を安楽死させ、時間を記録した。 フローサイトメトリーによるSLT−1受容体についてのヒト癌のスクリーニン グ すでに記載されているように(文献29)、Bサブユニットをコードするプラ スミドpJLB122で形質転換した大腸菌培養からSLT−1のBサブユニッ トを精製した。pH7.4のPBS中に溶解した精製SLT−Bに、フルオレセ インイソチオシアネート(FITC;米国オレゴン州ユージーンのモレキュラー プローブズ)を直接加えた。遊離のFITCは50mMのNH4HCO3で平衡さ せたセファデックス(Sephadex)G−50(ファルマシア)カラム上のクロマト グラフィで除去した。カラム空隙容積で溶出してくるオレンジ色のピークを捕集 し、凍結乾燥し、−5℃で保存した。このFITC−SLT−B結合体を0.2 5mg/mLの濃度となるようPBS又は水中に再懸濁させた。サンプルをFI TC−SLT−Bの1:50〜1:75希釈物で染色し、ベクトン−ディキンソ ン・ファクスキャン・フローサイトメーターを用いたフローサイトメトリーで分 析した。患者サンプルの診断は組織学や細胞遺伝学を含むいくつかの基準に基づ き、グループの病理学者によって行われた(BP)。 参照文献リスト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 哺乳類の骨髄細胞の集団からCD77陽性細胞をエクスビボで選択的にパー ジする方法において、 CD77+細胞を発現する噛乳類から骨髄細胞を採収し、 該骨髄細胞を致死量の志賀毒素または志賀毒素様毒素−1で充分な時間処理 してCD77+細胞を殺し、そして 処理した骨髄細胞を洗浄して残りの志賀毒素または志賀毒素様毒素−1を除 去する、ことを特徴とする方法。 2. CD77陽性細胞が非ホジキンリンパ腫である請求項1に記載の方法。 3. 致死量の毒素が10ng/mlで37℃で約1時間適用される請求項1に記 載の方法。 4. 洗浄が、CaCl2及びMgCl2を含まず1%FCSを補充したハンクス平 衡塩溶液を使用して行われる請求項1に記載の方法。 5. 洗浄が2回行われる請求項4に記載の方法。 6. 哺乳類がヒトである請求項1に記載の方法。 7. 哺乳類の骨髄細胞の集団からCD77+陽性細胞をエクスビボで選択的にパ ージする方法において、 CD77+細胞を発現する哺乳類から骨髄細胞を採収し、 懸濁液中の細胞を、志賀毒素の少なくともBサブユニットを結合させた樹脂 と接触させて、CD77+細胞をサブユニットを介して樹脂に結合させ、そして 結合していない骨髄細胞を樹脂から分離する、ことを特徴とする方法。 8. CD77+細胞が非ホジキンリンパ種である請求項7に記載の方法。 9. 哺乳類がヒトである請求項7に記載の方法。
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