JP2000507092A - 外来dnaを含むパラポックスウイルス、それらの製造及びワクチンにおけるそれらの使用 - Google Patents

外来dnaを含むパラポックスウイルス、それらの製造及びワクチンにおけるそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、外来遺伝情報の形態で欠失または挿入をゲノム中に有し、且つ他の遺伝情報を含む組み換えにより製造されたパラポックスウイルスに関する。また、本発明はそのような構築物の製造及びワクチンにおけるそれらの使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 外来DNAを含むパラポックスウイルス、それらの製造及びワクチンにおけるそ れらの使用 本発明は、組み換えパラポックスウイルス(Parapoxviruses) 、それらの製造並びにそれらを含むワクチン及び免疫調節剤に関する。 新規な、組み換えにより改変されたパラポックスウイルスは、それらのゲノム 中に欠失及び/または挿入を保有する。パラポックスウイルスのゲノムのセグメ ントの欠失及び/または外来DNAの挿入は、それらの病原性の減少または喪失 をもたらすことができる(弱毒化)。病原体または生物学的に活性のある物体か らの遺伝情報が、挿入によりパラポックスウイルスのゲノム中に組み込まれる。 この外来遺伝情報は、組み換えパラポックスウイルスの構成成分として、例えば 細胞培養、組織または完全な生物中で発現される。 本発明に従って調製される組み換えパラポックスウイルスは、例えばワクチン または免疫調節剤に用いられる。パラポックスウイルスのゲノム中の外来DNA の発現は、例えば予防接種を受けた個体において、外来遺伝情報により提示され る病原体に対する防御反応を引き出す。また、予防接種を受けた個体の非特異的 な抵抗性も刺激することができる(以下、パラポックスウイルスという用語をP PVと略す)。 PPVは生物において病原体非特異的な免疫反応を刺激するので、それら自体 が免疫調節作用を有する可能性がある。従って、パラポックスウイルスの調製物 は、例えば、一般的な抵抗性を増すために獣医学においてうまく用いられている 。 病原体特異的な作用を有するワクチンは防御を確立するために抗原により数日 ないし数週を必要とするが、その場合これらは何カ月ないし何年もの間持続する 長期間の防御を与える。 その結果、組み換えパラポックスウイルスに基づいて調製されるワクチンは、 生物中で長く持続する病原体特異的な免疫を確立し、且つ非常に迅速に起こる病 原体非特異的な防御も誘導するので、これらを感染性疾病の改善された制御のた めの生物学的生成物として用いることができる。 PPVの免疫刺激特性並びに同種起源及び/または異種起源の病原体に特異的 な防御を誘導する外来抗原の発現の組み合わせは新規である。これにより、感染 に対して迅速に始まる広い病原体非特異的な防御をもたらし、且つ感染に対して 長く持続する病原体特異的な防御も与える生成物の製造が可能となる。 脊椎動物ポックスウイルスのファミリー(コルドポックスウイルス亜科(Ch ordopoxvirinae))は、個々の独立した属に分けられる。本発明 はPPVの属に関し、これらは他のポックスウイルスと構造及び遺伝子の両方で 異なる。PPVは3つの異なる種、 ‐パラポックスウイルス オビス(Parapoxvirus ovis)(感 染性膿瘡ウイルス(ecthyma contagiosum virus) 、感染性膿疱性皮膚炎ウイルス(contagious pustular dermatitis virus)またはorfウイルス(orf vir us)とも呼ばれる)、これはこの属の原始型とみなされる、 ‐パラポックスウイルス ボビス1(Parapoxvirus bo vis 1)(ウシ丘疹性口内炎ウイルス(bovine papular stomatitis virus)または口内炎丘疹ウイルス(stoma titis papulosa virus)とも呼ばれる)及び ‐パラポックスウイルス ボビス2(Parapoxvirus bovis 2)(乳腺ポックスウイルス(udderpoxvirus)、パラワクシニ アウイルス(paravaccinia virus)、搾乳者結節ウイルス (pseudocowpox virus)または搾乳者結節ウイルス(mi lker’s nodule virus)とも呼ばれる) に分けられる(文献番号1)。 ラクダ、アカシカ、シャモア、アザラシ及びアシカから単離されたパラポック スウイルスの代表種も記述されている。これらのウイルスがパラポックスウイル ス属内の独立した種であるかどうか、またはこれらが上記の種の単離物であるか どうかは、まだ最終的に明らかにされていない。 PPVでの感染は動物及びヒトの両方で局所的疾病を引き起こすことができる (人畜伝染病病原体)。文献番号1は、これまでに記述されているこれらの症候 群の概要を与える。ワクチンのような予防手段をこれらの疾病を制御するために 用いることができる。しかしながら、これまでに得ることができ、そしてパラポ ックスウイルス オビスに基づいて専ら開発されているワクチンの活性は不十分 である(文献番号2)。 本発明は、発現される外来遺伝情報のベクターとしてPPVを用いることに関 する。 アビポックス(avipox)、ラクーンポックス(racoonpox)、 カプリポックス(capripox)、スワインポックス(swinepox) またはワクシニアウイルス(vaccinia virus)に基づくベクター が、外来遺伝情報を発現するためのベクターとしてすでに記述されている。これ に関連して得られている洞察をPPVに移しかえることはできない。比較研究が 示しているように、ポックスウイルスの個々の属の間には形態、構造及び遺伝子 の違いがある。従って、PPVを他のポックスウイルス属から区別するために例 えば血清学的方法を用いることができ、これは、異なるタンパク質型及びこれに 関連する異なる遺伝情報に起因すると考えられる。例えば、ポックスウイルスの いくつかの代表種は赤血球を凝集する能力がある。この活性は、表面タンパク質 、いわゆるヘマグルチニン(HA)を介してもたらされる。PPVはこの活性を 持たない。 PPVゲノムの構造の知識は、現在、ゲノムの大きさ、核酸のGC含有量の決 定、比較制限酵素分析、個々のゲノム断片のクローニング、並びに一部の領域の 配列分析及び個々の遺伝子の関連する予備的な記述に限られている(概説として は、文献番号1、文献番号5、文献番号6を参照)。 ワクシニアの場合で知られている挿入部位は、PPVではないかまたは示され ていないために、これらの部位を用いることは現在できない。 従って、PPVゲノムでチミジンキナーゼの遺伝子を同定する試み及びそれを 挿入部位として用いる試みは、オルトポックスウイルスの場合でのように成功し なかった。Mazur等(文献番号3)は、ワクシニアウイルス(オルトポック スウイルス)のチミジンキナーゼ遺伝子に似 ていると彼らが主張するPPVゲノムのセグメントの同定を記述しているが、我 々自身の詳細な研究ではPPV中にそのような遺伝子の存在を確認することはで きなかった。また、別の著者(文献番号1)もPPVにおいてチミジンキナーゼ 遺伝子を見いだすことはできなかった。ワクシニアウイルスでは外来DNAの挿 入部位としてHAの遺伝子が用いられる。上に記述したように、PPVはこの活 性を持たない。 1992年に、Robinson及びLyttleは、PPVゲノム上の別の 挿入部位を記述したが(文献番号1)、しかしながら、これらの部位の説明また は正確な特性化を与えていない。さらに、PPVのベクターとしての成功した使 用のいかなる記述もいまだない。 PPV株D1701からのHindIIIフラグメントIの配列の我々独自の分 析研究において、我々は各種哺乳類種(例えばマウス、ラット、モルモット、ウ シ及びヒト)からの血管内皮成長因子(VEGF)とアミノ酸の相同性を有する ORFを見いだした(36.1ないし38.3%の同一性;52.8ないし58 .6%の類似性、GCG、ウィスコンシン パッケージ(Wisconsin Package)8.1、例えばピックアップ プログラム(Pikup Pr ogram))。配列番号1はD1701のこの遺伝子のヌクレオチド配列を示 し、一方、配列番号15は対応するD1701タンパク質のアミノ酸配列を示す 。最近、相同遺伝子がPPV株NZ2及びNZ7においても記述された(文献番 号6)が、しかしながら、この遺伝子の機能は知られていない。他のポックスウ イルス、例えばオルトポックスウイルスが対応する遺伝子を持つことは知られて いない。以下、この遺伝子をVEGF遺伝子と称する。 D1701のHindIIIフラグメントIの我々の配列分析により、オルトポ ックスウイルスのプロテインキナーゼ遺伝子と相同性を有し、そしてワクシニア においてF10Lとして知られている別のORFが同定された。ワクシニアF1 0L遺伝子との同一性は51%であり、一方、類似性は70%である。以下、こ の遺伝子をPK遺伝子と称する。配列番号2、番号9及び番号13はD1701 のこの遺伝子のヌクレオチド配列バージョンを示し、一方、配列番号14は対応 するD1701タンパク質のアミノ酸配列を示す。 PK遺伝子の3’末端及びVEGF遺伝子の5’末端と重なり合う別のORF が見いだされた。相同性研究により、ワクシニアのF9L遺伝子と低い同一性( 28%)及び低い類似性(51%)があること示された。配列番号5及び番号1 0はD1701のこの遺伝子のヌクレオチド配列バージョンを示す。以下、この 遺伝子をF9L遺伝子と称する。 さらなるORFがITR領域内に見いだされ、PPV NZ2のある遺伝子に 対するその類似性(同一性76%、類似性83%)のためにORF3と称する。 配列番号4はD1701のこの遺伝子のヌクレオチド配列を示す。以下、この遺 伝子をORF3遺伝子と称する。 本発明は、 1. 挿入及び/または欠失を有する組み換えにより調製されたPPV、 2. ウイルス増殖のために必要ではないゲノムセグメント中に挿入及び/また は欠失を有する組み換えにより調製されたPPV、 3. ウイルス増殖のために必要であるゲノムセグメント中に挿入及び/または 欠失を有する組み換えにより調製されたPPV、 4. D1701のHindIIIフラグメントIの発現されない領域中に 挿入及び/または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV、 5. D1701のHindIIIフラグメントIの発現される領域中に挿入及び /または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV、 6. 挿入及び/または欠失がD1701 HindIIIフラグメントI中または このフラグメントに相当する他のPPVからのDNA中に位置する、1な いし5に記載の組み換えにより調製されたPPV、 7. VEGF遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を 含む組み換えにより調製されたPPV、 8. PK遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を含む 組み換えにより調製されたPPV、 9. ITRセグメントの領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失 を含む組み換えにより調製されたPPV、 10.HD1R遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を 含む組み換えにより調製されたPPV、 11.F9L遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を含 む組み換えにより調製されたPPV、 12.10kDaタンパク質をコードする遺伝子の領域中またはその近くに挿入 及び/または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV、 13.10kDaタンパク質をコードする遺伝子が位置するD1701のEco RIフラグメントEの領域中に挿入及び/または欠失を含む組み換えによ り調製されたPPV、 14.D1701のHindIIIフラグメントIまたはこのフラグメント に相当する他のPPVからのDNAを含むプラスミド、 15.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のウイルス複製のために必要である領域中に欠失及び/または挿入を含む プラスミド、 16.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のウイルス複製のために必要ではない領域中に欠失及び/または挿入を含 むプラスミド、 17.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のウイルス複製のために必要ではなく且つ発現されない領域中に欠失及び /または挿入を含むプラスミド、 18.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のウイルス増殖のために必要ではなく且つ発現される領域に位置する領域 中に欠失及び/または挿入を含むプラスミド、 19.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のVEGF遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿入を含むプラス ミド、 20.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のPK遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿入を含むプラスミド 、 21.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つこのフラグメント のITRセグメント中またはその近くに欠失及び/または挿入を含むプラ スミド、 22.D1701のHindIIIフラグメントIを含み、且つHD1R遺伝子及 び/またはF9L遺伝子中またはその近くに欠失及び/ま たは挿入を含むプラスミド、 23.D1701のEcoRIフラグメントEを含み、且つ10kDaタンパク 質をコードする遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿入を含むプ ラスミド、 24.14ないし23による欠失及び/または挿入が存在する、D1701のH indIIIフラグメントIの部分を含むプラスミド、 25.D1701のDNAフラグメントがこのフラグメントに相当する他のPP VからのDNAで置き換えられている、14ないし24に記載のプラスミ ド、 26.HindIIIフラグメントIの全部またはその一部のみを含む、14ない し25に記載のプラスミド、 27.配列表の配列番号8または配列番号12の配列を有する、D1701 H indIIIフラグメントI、またはその一部またはこのフラグメントに相 当する他のPPVからのフラグメント、 28.配列表の配列番号1によるVEGFタンパク質をコードする、D1701 HindIIIフラグメントIのDNAセグメントもしくは一部またはこの セグメントに相当する他のPPVからのセグメントもしくはその一部、 29.配列表の配列番号2、配列番号9または配列番号13のPKタンパク質を コードする、D1701 HindIIIフラグメントIのDNAセグメント もしくは一部またはこのセグメントに相当する他のPPVからのセグメン トもしくはその一部、 30.PPVの配列表の配列番号3の配列を有するHD1R遺伝子のDNAセグ メントまたはその一部、 31.PPVの配列表の配列番号5または配列番号10の配列を有するF9Lの DNAセグメントまたはその一部、 32.PPVの配列表の配列番号4の配列を有するITR領域のDNAセグメン トまたはその一部、 33.27ないし32に記載のDNAセグメントの配列に基づいて調製された遺 伝子産物、 34.他の病原体の免疫性成分をコードする外来DNAを挿入物として含む、1 ないし13に記載の組み換えにより調製されたPPV、 35.サイトカインをコードする外来DNAを挿入物として含む、1ないし13 及び34に記載の組み換えにより調製されたPPV、 36.14ないし26に記載のプラスミドをそれ自体既知の方法で細胞中でPP Vと組み換え、そして所望するウイルスを選択することを特徴とする、1 ないし13、34及び35に記載のウイルスの調製方法、 37.1.好適なPPV株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.得られたフラグメントをプラスミド中に挿入し、そして 5.10kDaタンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドの選択を 実施し、 6.場合によっては、10kDaタンパク質をコードする遺伝子中に挿入 及び/または欠失を導入し、 7.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成 のような別の方法を用いて調製することもできる、 ことを特徴とする、23に記載のプラスミドの調製方法、 38.1.好適なPPV株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.得られたフラグメントをプラスミド中に挿入し、そして 5.HindIIIメントIまたはこのフラグメントに相当するフラグメン トもしくは成分を含むプラスミドの選択を実施し、 6.そして場合によっては、得られたプラスミドのこれらのフラグメント 中に挿入及び/または欠失を導入し、 7.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成のような別の方法 を用いて調製することもできる、 ことを特徴とする、14ないし22及び24ないし26に記載のプラスミドの調 製方法、 39.1.好適なPPV株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.そして所望するフラグメントもしくはセグメントを選択するか、また は 5.場合によっては、得られたゲノムのフラグメントをまずプラスミドに 挿入し、そして所望するフラグメントを含んでいるプラスミドを単離 し、その後にこれらのプラスミドを増やし、 そして所望するフラグメントをそれらから単離し、 6.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成のような別の方法 を用いて調製することもできる、 ことを特徴とする、D1701 HindIIIフラグメントIもしくは10 kDaタンパク質をコードするEcoRIフラグメントEまたはこのフラ グメントもしくはセグメントに相当する他のPPVからの領域またはその 一部の調製方法、 40.39により得ることができるフラグメントを好適な発現系に導入し、これ らの系を用いて遺伝子を発現することを特徴とする、33に記載の遺伝子 産物の調製方法、 41.1ないし13に記載の組み換えにより調製されたPPVのワクチンにおけ る使用、 42.1ないし13に記載の組み換えにより調製されたPPVの、免疫性を与え 且つ病原体非特異的な免疫防御を刺激する生成物における使用、 43.組み換えにより調製されたPPVの病原体非特異的免疫防御を刺激する免 疫調節剤における使用、 44.組み換えにより調製されたPPVの外来DNAを異種起源で発現するため の使用、 45.組み換えにより調製されたPPVの外来DNAのベクターとしての使用、 46.14ないし16に記載のプラスミドのパラポックスに特異的なゲノムセグ メントを発現するための使用、 47.14ないし26に記載のプラスミドの診断用試薬を調製するための使用、 48.27ないし32に記載のゲノムフラグメントの診断用試薬を調製するため の使用、 49.配列表の配列番号6に記載のDNAセグメント(VEGF遺伝子のプロモ ーター)、 50.DNAを発現するためのプロモーターとしての49に記載のDNAセグメ ントの使用、 プラスミドまたはウイルス中に挿入することができ、且つ遊離DNAセグメン トとして存在することができるPPVの上記ゲノムフラグメントは、定められた DNA配列並びにそれらの変異体及び相同物を包含する。 上に挙げた用語は以下の意味を有する。すなわち、 ‐弱毒化は、 PPVのゲノムの改変の結果として、PPVが動物またはヒトに対して病原性 が低くなるかもしくは病原性がなくなる、または毒性が低くなるかもしくは毒 性がなくなる工程である。 ‐欠失は、 PPVゲノムから欠けているDNAの断片である。 ‐欠失プラスミドは、 プラスミドDNAに加えて、断片が取り除かれたPPVゲノムのセグメントを 保有するプラスミドである。 ‐ウイルス増殖のために必要(必須)であるゲノムセグメントは、 PPVのインビトロでの増殖のために不可欠である、すなわち、感染 性のウイルス子孫を生じるために不可欠である全PPVゲノムの部分である。 ウイルス増殖のために必須である遺伝子の妨害は、中断されるウイルス増殖 をもたらす。例えば、これらの遺伝子の一つの一部または全遺伝子が除かれる 場合、ウイルスの複製はウイルスの増殖サイクルのある特定の時点で止まる。 この性質の突然変異体での感染または処理は、その動物から感染性子孫のいか なる放出も生じない。必須遺伝子の一部または全必須遺伝子が外来DNAで置 き換えられる場合または外来DNAが必須遺伝子中に挿入される場合に、予防 接種を受けた個体中で増殖することができず、従って、感染性の病原体として 放出されないベクターワクチンを構築することができる。 ‐ウイルス増殖のために必要(必須)ではないゲノムセグメントは、 PPVのインビトロでの増殖のため、すなわち、感染性のウイルス子孫を生じ るために不要である可能性のある全PPVゲノムの部分である。 ‐外来DNA成分(外来DNA)は、 本発明により用いられるPPV中に本来存在していないDNA断片、 例えば外来遺伝子またはヌクレオチド配列である。 外来DNAは、以下の理由のため、すなわち、 1.外来DNAを発現するため、 2.PPV DNAの断片の機能を不活性化するため、 3.PPVを標識するため にPPV中に挿入される。 これらの理由により、異なる外来DNAが挿入される。外来DNA が(1)により発現される場合、挿入される外来DNAは、1種またはそれ以上 の所望する外来タンパク質をコードする読み枠を少なくとも保有する。場合によ っては、外来DNAはそれ自体または外来の調節配列をさらに含む。ウイルスの ゲノム中に欠失を作製することにより外来DNAを取り込む能力を増すことがで きる。通例、その長さは1ヌクレオチド及び35,000ヌクレオチドの間、好 ましくは100及び約15,000ヌクレオチドの間である。 挙げることができる例は、 ヘルペスウイルス スイド1(Herpesvirus suid1)、 ウマ ヘルペスウイルス(Equine herpesviruses)、 ウシ ヘルペスウイルス(Bovine herpesviruses)、 口蹄疫ウイルス(Foot and mouth disease virus )、 ウシ RSウイルス(Bovine respiratory syncyti al virus)、 ウシ パラインフルエンザウイルス3(Bovine parainfluen za virus 3)、 インフルエンザウイルス(Influenza virus)、 カリシウイルス(Calicivirus)、 フラヴィウイルス(Flaviviruses)、例えばウシウイルス下痢ウイ ルス(bovine virus diarrhoea virus)または古典的ブタコレラウイルス(classicalswine fever virus)、 のようなウイルス または パスツレラ種(Pasteurella spec.)、 サルモネラ種(Salmonella spec.)、 アクチノバシラス種(Actinobacillus spec.)、 クラミジア種(Chlamydia spec.) のようなバクテリア または トキソプラズマ(Toxoplasma)、 ジロフィラリア(Dirofilaria)、 エキノコックス(Echinococcus) のような寄生虫からの遺伝子または遺伝子の一部である。 外来DNAが(2)により挿入される場合、適当な外来ヌクレオチドの挿入が ベクターウイルスのDNA配列を遮断するために原則として十分である。不活性 化のために挿入される外来DNAの最大の長さはベクターウイルスの外来DNA を取り込む能力により決まる。通例、外来DNAの長さは1ヌクレオチド及び3 5,000ヌクレオチドの間、好ましくは100及び15,000ヌクレオチド の間、特に好ましくは3及び100ヌクレオチドの間である。 DNA配列が(3)による標識化のために挿入される場合、これらの長さは標 識されたウイルスを同定するために用いる検出方法により決まる。通例、外来D NAの長さは1及び25,000ヌクレオチド の間、好ましくは20ヌクレオチド及び15,000ヌクレオチドの間、特に 好ましくは5及び100ヌクレオチドの間である。 ‐遺伝子ライブラリーは、 複製可能なベクター中に含まれるゲノムのフラグメントの全体である。 ライブラリーは、ゲノムを断片化し、そしてこれらのフラグメントの全て、こ れらのフラグメントのいくつかまたはこれらのフラグメントの主要な部分を複 製可能なベクター、例えばプラスミド中に挿入することにより得られる。 ‐ゲノムフラグメントは、 単離された形で存在することができるか、または複製可能なベクター中に挿入 することができるゲノムの断片である。 ‐挿入による不活性化は、 挿入された外来DNAが、本来のPPVゲノム配列が発現されたり、または機 能することを妨げることを意味する。 ‐挿入は、 PPVゲノム中に付加的に組み込まれているDNAの断片である。挿入の理由 により、DNA断片の長さは1ヌクレオチド及び数千ヌクレオチドの間である 可能性がある(「外来DNA」の定義も参照)。 ‐挿入プラスミドは、 PPV DNA配列が隣接した、挿入される外来DNAを含むプラスミド、特 にバクテリアのプラスミドである。 ‐挿入部位は、 外来DNAを受け入れるために適しているウイルスゲノム中の部位である。 ‐クローニングは、 PPVゲノムDNAが単離され、断片化されることを意味する。次に、これら のフラグメントまたはこれらのフラグメントの選択物が通常のDNAベクター (バクテリアのプラスミドまたはファージベクターまたは真核生物のベクター )中に挿入される。 文献番号11は、DNAフラグメントの調製及びクローニング方法の選択を 与える。PPV DNAフラグメントをインサートとして含んでいるDNAベ クターが、例えば、最初に単離されたPPV DNAフラグメントの同一コピ ーを調製するために用いられる。 ‐挿入による標識化は、 挿入された外来DNAが、修飾されたPPVを続いて同定することを可能にす ることを意味する。 ‐ORF(読み枠)は、可能性のあるタンパク質のアミノ酸配列をDNAレベル で特定するヌクレオチドの配列を意味すると理解される。特定するタンパク質 の大きさにより決められる数のヌクレオチドトリプレットからなり、開始コド ン(ATG)により5’末端、そして終止コドン(TAG)TGAまたはTA A)により3’末端の境界が定められる。 ‐調節配列は、 遺伝子の発現に対して影響を与えるDNA配列である。この特性の配列は文献 番号15から既知である。 好ましくは、配列表の配列番号6に記述されるようなVEGFプロモーター を挙げることができる。 ‐組み換えPPVは、 それらのゲノム中に挿入及び/または欠失を有するPPVである。これに関連 して、挿入及び欠失は、分子生物学的方法を用いて調製される。 ‐反復(DNA)配列は、 PPVゲノム中に直接相次いでかまたは異なる部位に分散して存在する同一の ヌクレオチド配列である。 ‐ベクターウイルスは、 外来DNAの挿入のために好適であり、且つそのゲノムに挿入した外来DNA を感染した細胞または生物中に移すことができ、且つ場合によっては外来DN Aを発現することができるPPVである。 (上記)1ないし12に記載の新規なPPVは、以下のようにして調製される 。すなわち、 1. 好適なPPV株の選択 2. 挿入部位を有するPPVゲノム中のゲノムセグメントの同定 2.a ウイルス増殖のために必須でない遺伝子中に挿入部位を有するPPVゲ ノムセグメントの同定 2.b ウイルス増殖のために必須である遺伝子中に挿入部位を有するPPVゲ ノムセグメントの同定 2.c PPVゲノムの遺伝子以外の領域及び/または遺伝子重複中に挿入部位 を有するゲノムセグメントの同定 2.d 挿入部位を有するゲノムセグメントを同定するための他の方法 2.e 挿入部位に対する要求 2.1 挿入部位の同定 2.1.1 PPVゲノムの精製 2.1.2 ゲノムフラグメントのクローニング及び遺伝子ライブラリーの樹立 2.1.3 遺伝子または遺伝子以外のゲノムセグメントを同定する目的のシー クエンシング 2.1.4 さらなる処理のためのPPVゲノムフラグメントを含んでいるクロ ーンの選択 2.2 挿入部位としての、ITR領域、VEGF遺伝子、PK遺伝子、10k Daタンパク質をコードする遺伝子及びPK遺伝子とHD1R遺伝子の 間の領域 2.2.1 VEGF遺伝子のクローニング 2.2.2 プロテインキナーゼ遺伝子のクローニング 2.2.3 10kDaタンパク質をコードする遺伝子領域のクローニング 2.2.4 ITR領域(逆方向末端反復領域)またはPK遺伝子とHD1R遺 伝子の間に存在するゲノムセグメントのクローニング 3. 挿入される外来DNAを保有する挿入プラスミドまたは欠失プラスミドの 構築 3.1 クローン化されたゲノムフラグメント中の1箇所だけに存在する制限酵 素認識部位、すなわち、唯一の制限部位の同定または調製及び外来DNAの挿 入 3.2 クローン化されたゲノムフラグメント中のゲノム配列の欠失及び外来D NAの挿入 3.3 #3.1及び#3.2の組み合わせ 4. (上記)1ないし12による組み換えPPVの構築 1.好適なPPV株の選択 原則として、全てのPPV種が本発明を実施するために適している。組織培養 で>105PFU(プラーク形成単位)/mlの力価まで増殖することができ、 且つ感染した細胞の培地から細胞外の感染性ウイルスとして純粋な形態で調製す ることができるウイルス株が好ましい。好ましいとして挙げることができるPP V属の種はPPV オビス(orfウイルス)である。 特に好ましいとして挙げることができるPPV オビスの株は、登録番号CN CM I−751でパスツール研究所(Institut Pasteur)、 C.N.C.M.にブダペスト条約に従って1988年4月28日に寄託された D1701並びにその変種及び突然変異体である。 これらのウイルスを哺乳類細胞のような動物細胞の組織培養において、例えば ヒツジ細胞またはウシ細胞、好ましくは永久ウシ腎臓細胞系BK mmlingen))のようなウシ細胞または永久サル腎臓細胞MA104もし くはVero(もしくはそれらの誘導体)ようなサル細胞において常法で増殖さ せる。 増殖は、緻密細胞凝集塊の形態または懸濁培養で静置、ローラーまたは担体培 養でそれ自体既知の方法で実施される。 ウイルスを増殖させるために用いる細胞または細胞ローン(lawns)を実 質的に融合するまでまたは最適細胞密度まで常法で増やす。これらの細胞に、あ るMOI(=細胞当たりの感染性ウイルス粒子に相当 する、感染多重度)に相当するウイルス希釈物を感染させる。 動物血清を添加するかまたはしないでウイルスを増殖させる。血清を用いる場 合は、1−30容量%、好ましくは1−10容量%の濃度で増殖培地に添加する 。 感染及びウイルス増殖は、室温及び40℃の間、好ましくは32及び39℃の 間、特に好ましくは37℃の温度で、数日にわたって、好ましくは感染した細胞 が完全に破壊されるまで実施される。ウイルスを集めることに関連して、なお細 胞に結合しているウイルスを機械的にまたは超音波処理によりまたは例えばトリ プシンを用いて穏やかな酵素的タンパク質分解によりさらに遊離することができ る。 次に、感染細胞からのウイルスを含有している培地を例えば、0.2−0.4 5μmのような孔径を用いる濾過及び/または低速遠心分離で細胞屑を除去する ことによりさらに整えることができる。 濾過液または遠心分離上清をウイルスの濃縮及び精製のために用いることがで きる。このために、濾過液または上清をウイルス粒子が沈殿するまで高速遠心分 離に供する。場合によっては、例えば密度勾配遠心分離によりさらに精製工程を 続けることができる。 2.PPVゲノムにおける挿入部位を有するゲノムセグメントの同定 外来DNAを挿入する場合、PPVゲノムの様々な領域を挿入部位として用い ることができる。外来DNAを a.インビトロ及び/またはインビボでのウイルス増殖のために必須でない遺 伝子中、 b.ウイルス増殖のために必須である遺伝子中、そして/または c.いかなる遺伝子機能も持たない領域中 に挿入することができる。 2.a ウイルス増殖のために必須でない遺伝子中に挿入部位を有するPPVゲ ノムのゲノムセグメントの同定 i.ウイルスの増殖のために必須でないウイルスゲノムは、例えば、異なるP PV種の代表を用いて比較研究を実施することにより見いだされる。あるPPV 種の1つまたはそれ以上の単離物または株には存在しないが、他の単離物または 株に見いだされる遺伝子は、必須でない可能性がある。 ii.ウイルス増殖のために必須でない遺伝子を別の方法でも同定することがで きる。例えばクローン化されたフラグメントとして存在することができるPPV ゲノムフラグメントをシークエンスした後、これらのDNA配列を可能な「読み 枠」(ORF)に関して調べる。ORFが見いだされる場合、このORFの遺伝 子としての機能を転写及び/または翻訳を示すことにより確かめる。見いだされ た遺伝子がウイルス増殖のために必須でないかどうかを確かめるために、分子遺 伝学的方法を用い、PPVゲノムからこの遺伝子を取り除くか、または突然変異 を導入することによりこれを部分的に破壊するかもしくはこれを遮断し、得られ たウイルスの増殖能力を次に調べる。操作した遺伝子の非存在下でもウイルスが 複製できる場合、その遺伝子は必須でない遺伝子である。 同定された挿入部位の例 i.外来DNAの挿入部位として用いることができる必須でないPPV遺伝子 の例としてここではPPV オビスのVEGF遺伝子を挙げることができる。こ の遺伝子は、調べられたパラポックスウイルス オビス株(NZ−2、NZ−7及びD1701)で見いだされる(文献番号6) 。このVEGF遺伝子はいくつかのPPV株、例えばPPVボビス1の代表では 示されていない。VEGF遺伝子を含んでいるPPVゲノム上の領域を配列表の 配列番号1に示されるDNA配列を用いて同定することができる。分子生物学の 常法を用いて、ハイブリダイゼーション実験、ゲノム配列分析及び/またはポリ メラーゼ連鎖反応によりPPVのゲノム上の遺伝子を見いだすことができる。 ii.必須でない可能性のあるPPV遺伝子の別の例として10kDaPPVタ ンパク質の遺伝子を挙げることができる。この遺伝子は、パラポックスウイルス オビス(NZ−2、NZ−7及びD1701)の株で見いだされる。分子生物 学の常法を用いて、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により10kDaタ ンパク質の遺伝子を含むPPVゲノム上の領域を同定することができる。文献番 号8は、10kDaタンパク質遺伝子のDNA配列を示している。PCRに用い ることができるプライマーは、例えば文献番号8に特定されている。配列表の配 列番号11は、D1701からの10kDaに特異的なPCR産物のDNA配列 を示している。 外来DNAを挿入する目的のために、必須でない遺伝子を部分的または完全に PPVゲノムから取り除くことができる。しかしながら、PPV遺伝子のいかな る領域も取り除かずに必須ではない遺伝子中に外来DNAを挿入することも可能 である。例えば、挿入部位として制限酵素認識部位を用いることができる。 2.b 必須である遺伝子中に挿入部位を有するPPVゲノム上のPPVゲノム セグメントの同定 i.例えばクローン化されたフラグメントとして存在するウイルスゲノムフラ グメントをシークエンスし、次に可能なORFを同定することにより、必須であ る遺伝子を同定することができる。 ORFが見いだされる場合、転写及び/または翻訳を示すことにより遺伝 子としてのその機能を確かめる。見いだされた遺伝子がウイルス増殖のために必 須であるかどうかを確かめるために、分子遺伝学的方法を用い、例えばこの遺伝 子の一部もしくは全遺伝子を取り除くことにより、または外来DNAを挿入する ことによりPPVゲノムのこの遺伝子を破壊し、得られたウイルスの増殖能力を 次に調べる。得られたウイルス突然変異体が複製できない場合、その遺伝子は必 須遺伝子である可能性が高い。 ウイルス突然変異体が相補細胞系でのみ増殖できる場合、これはその遺伝子が 必須であることを示す。 挿入部位の例 PPV D1701のプロテインキナーゼ遺伝子(PK遺伝子)を例として挙 げることができる。PK遺伝子は、ウイルスの増殖サイクルの後期に発現される 。配列表の配列番号2、配列番号9または配列番号13に示されるDNA配列バ ージョンをPPVゲノム上のPK遺伝子を同定するために用いることができる。 分子生物学の常法を用いて、例えばハイブリダイゼーション実験、ゲノム配列分 析及び/またはポリメラーゼ連鎖反応によりこの遺伝子を含んでいる領域を見い だすことができる。 外来DNAを挿入する目的のために、必須遺伝子を部分的または完全にPPV ゲノムから取り除くことができる。しかしながら、PPV遺伝子から領域を取り 除かずに必須遺伝子中に外来DNAを挿入することも 可能である。 2.c 遺伝子以外の領域及び/または遺伝子重複中に挿入部位を有するPPV ゲノム上のゲノムセグメントの同定 機能的遺伝子産物をコードせず、且ついかなる必須の調節機能も持たないゲノ ムセグメント(いわゆる遺伝子間セグメント)は、原則として、外来DNAの挿 入部位としての使用のために適している。反復配列を含んでいる領域は、領域の 一部の変化を残っている配列反復で埋め合わせることができるので特に適してい る。また、2またはそれ以上のコピーで存在する遺伝子、いわゆる遺伝子重複も この分類の範囲内に入る。 PPVゲノムのITR領域または重複したセグメント中の遺伝子は、ウイルス ゲノム中に2コピーで存在する。そのような遺伝子の一つのコピーを除くかまた は改変し、外来DNAを挿入した後に、たとえ改変した遺伝子がウイルス増殖の ために重要であっても安定なPPV組み換え体を得ることができる。もう一つの 改変されていない遺伝子コピーがその遺伝子の機能のために十分である可能性が ある。 i.遺伝子産物をコードしないゲノム配列を同定するために、PPVゲノムの 配列分析を用いる。配列分析後のORFまたはウイルス特異的な転写を示さず、 且ついかなる調節機能も持たないゲノム領域は、可能性のある挿入部位である。 特に、これらの領域中の制限酵素の切断部位は可能性のある挿入部位である。好 適な挿入部位が存在するかどうかを調べるために、既知の分子生物学的方法を用 いて外来DNAを可能性のある挿入部位中に挿入し、得られたウイルス突然変異 体の生存能力を次に調べる。可能性のある挿入部位に外来DNAを含むウイルス 突然変異体が増殖できる場合、調べている部位は好適な挿入部 位である。 ii.反復配列及び遺伝子重複を同定するために、DNAハイブリダイゼーショ ン実験及び/または配列分析を用いる。ハイブリダイゼーション実験では、PP Vからクローン化または単離したゲノムフラグメントをPPV DNAのフラグ メントとのハイブリダイゼーションのプローブとして用いる。全PPVゲノムの 1個より多いフラグメントとハイブリダイズするPPVのゲノムフラグメントは 、1つまたはそれ以上の反復配列を含む。反復配列または重複したゲノム領域を ゲノムフラグメント上に正確に位置づけるために、このフラグメントのヌクレオ チド配列を決定する。可能性のある挿入部位が全PPVゲノムの好適な挿入部位 であるかどうかを確かめるために、外来DNAを反復配列中または遺伝子重複の 1コピー中に挿入しなければならず、そしてインサートを含んでいるPPVゲノ ムフラグメントをウイルスゲノム中に組み込まなければならない。次に、外来D NAを含んでいる組み換えウイルスの増殖能力を調べる。組み換えウイルスが増 殖する場合、同定した認識部位は挿入部位として適している。 挿入部位の例 i.プロテインキナーゼの遺伝子とHD1R遺伝子の間のゲノムセグメント( 配列表の配列番号7)を遺伝子間領域の例として挙げることができる。 ii.ITR領域(配列表の配列番号4)を反復配列の例として挙げることがで きる。 iii.(ITR領域中の)遺伝子の可能性のある「ORF3」及びVEGF遺 伝子をPPV株D1701の遺伝子重複の例として挙げること ができる。ハイブリダイゼーション試験では、VEGF遺伝子を含んでいる領域 が、前述の株D1701で複製されウイルスゲノムのもう一方の末端に転位され ていて、従って2コピーのVEGF遺伝子が存在することが示された。 配列表の配列番号4(「ORF3」遺伝子を含むITR配列)及び配列番号 7(PK及びHD1R遺伝子間の領域)の配列を用いて、ハイブリダイゼーショ ン実験、ゲノム配列分析及び/またはポリメラーゼ連鎖反応のような分子生物学 の常法を用いて他のPPVの対応するゲノム領域を見いだすことができる。 2.d 挿入部位を同定するための他の方法 通例、PPVゲノム上の可能性のある挿入部位を見いだすためにウイルスゲノ ム配列の修飾も用いることができる。ヌクレオチドの置換、欠失及び/もしくは 挿入またはこれらの組み合わせがウイルス増殖を妨げないゲノム部位は、可能性 のある挿入部位である。可能性のある挿入部位が好適な挿入部位であるかどうか を調べるために、既知の分子生物学的方法を用いて外来DNAを可能性のある挿 入部位中に挿入し、得られたウイルス突然変異体の生存能力を調べる。ウイルス 組み換え体が増殖できる場合、調べている部位は好適な挿入部位である。 2.1 挿入部位の同定 2.1.1 PPVゲノムの精製 分子遺伝学を用いてPPV挿入部位をクローニングする目的のために、PPV ゲノムをまず精製する。(上記)1に従って調製したウイルスからゲノムを単離 し、次いで精製する。好ましくは、精製したウイルス粒子を溶剤及びプロテアー ゼの水溶液で処理することにより天然のウイル スDNAを抽出する。 挙げることができる溶剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性及び非イオン性の 溶剤である。好ましくはイオン性溶剤を用いる。ドデシル硫酸ナトリウム(ラウ リル硫酸ナトリウム)が特に好ましい。 挙げることができるプロテアーゼは、プロテイナーゼK及びプロナーゼのよう な、溶剤の存在下で働く全てのプロテアーゼである。プロテイナーゼKを好まし いとして挙げることができる。 溶剤は0.1−10容量%の濃度で用いられ、0.5−3容量%が好ましい。 プロテアーゼは0.01−10mg/mlウイルスライセートの濃度で用いら れ、0.05−0.5mg/mlウイルスライセートが好ましい。 好ましくは、DNaseインヒビターの存在下で緩衝水溶液中でこの反応を実 施する。挙げることができる緩衝物質は、強塩基と弱酸の塩、例えばトリス(ヒ ドロキシメチルアミノメタン)、弱塩基と強酸の塩、例えば第一リン酸塩、また はこれらの混合物である。 以下のバッファー系、すなわち、トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)を 好ましいとして挙げることができる。 緩衝物質または緩衝系は、DNAが変性しないpH値を保証する濃度で用いら れる。5−9のpH値が好ましく、6−8.5の値が特に好ましく、7−8の値 が非常に特に好ましく、特に、中性の範囲での作用を挙げることができる。 DNaseインヒビターの例は0.1−10mM(ミリモル)の濃度のエチレ ンジアミン四酢酸であり、約1mMが好ましい。 その後、ウイルスライセートの親油性成分を抽出する。フェノール、クロロホ ルム、イソアミルアルコールまたはこれらの混合物のような溶媒を抽出剤として 用いる。まずフェノールとクロロホルム/イソアミルアルコールの混合物を用い ることが好ましく、抽出は1回またはそれ以上の工程で実施される。 ウイルスDNAを単離するための別の方法の例は、ウイルスライセートのCa Cl密度勾配遠心分離またはゲル電気泳動である(文献番号14を参照)。 核酸の抽出は文献番号13に記述されている。 好ましくは、このようにして抽出したDNAを例えばアルコール、好ましくは エタノールまたはイソプロパノールを用いて、そしてアルカリ金属の塩化物また は酢酸塩、好ましくは塩化リチウム、塩化ナトリウムまたは酢酸ナトリウムもし くは酢酸カリウムのような一価の塩を添加して、水溶液から沈殿させる(上記引 用文献を参照)。 2.1.2 ゲノムフラグメントのクローニング このようにして精製したウイルスDNAを今度はDNAフラグメントを調製す るために用いる。このために、例えば制限酵素で処理する。適当な制限酵素の例 はEcoRI、BamHI、HindIII及びKpnIである。また、ポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)を用いてゲノムフラグメントを合成することができる。 このために、すでに知られているウイルスゲノムの配列セグメントからプライマ ーを選択し、このプライマー対により境界が定められるゲノムセグメントを例え ばTaqポリメラーゼまたはPfuポリメラーゼを用いてインビトロで合成する 。 制限消化またはPCRから得られるDNAフラグメントを(Samb roock 89)に記述された方法を用いて、ベクター系にクローン化するこ とができる。例えば、各場合でクローン化されるDNAフラグメントの大きさに より、プラスミドベクター、ラムダファージベクターまたはコスミドベクターが この目的のために利用できる。 2.1.3 シークエンシング、遺伝子の同定及び特性化、並びにそれらの発現 の確認 ベクター中にクローン化されているゲノムフラグメントをまずシークエンシン グにより分析する。異なる制限酵素を用いて、挿入されたDNAフラグメントの 地図を作製し、適当なサブフラグメントをプラスミドベクター中にクローン化す る。シークエンシング反応を例えばPharmaciaにより供給されるT7シ ークエンシングキットを製造業者の説明書に従って用いて実施する。このために 必要な二本鎖のプラスミドDNAを好ましくはPEG法(Hattori及びS akaki 1985)を用いて調製する。ゲノムフラグメント中に存在する「 読み枠」(ORF)をコンピューター分析(GCG、上記参照)により同定する 。同定したORFの配列をデータベースに含まれている既知の機能の他の遺伝子 配列と比較することによりそれらのそれぞれの機能に関する情報を得ることがで きる。同定したORFのそれぞれの対応する転写物をウイルス感染細胞で検出す ることによりこれらを機能的に特徴づける。このために、例えばAGPC法(C homczynski及びSacchi、(20)1987)を用いてウイルス 感染細胞から全RNAを単離する。次に、ノーザンブロット分析またはプライマ ー伸長及びRNA保護実験により特定の転写物並びにそれらの5’及び3’末端 を同定することができる。代わりの方法として、同定したORFによりコードさ れ るウイルスタンパク質をインビトロで発現させ、次に発現産物を用いて抗血清を 得て、そしてこれらの抗血清を用いてORFの発現を示すことが可能である。 見いだされた遺伝子がウイルス増殖のために必須でないかどうかを確かめるた めに、遺伝子破壊または遺伝子欠失によりその遺伝子を壊すことができる。これ に関連して、全遺伝子またはその一部をPPVゲノムから取り除くか、または外 来遺伝子配列を挿入することにより遺伝子の読み枠を遮断する。得られたウイル スの増殖能力を調べる。破壊された遺伝子の非存在下でもウイルスが複製できる 場合、この遺伝子は必須でない遺伝子である。 2.1.4 PPVゲノムフラグメントを含んでいるクローンの選択 上で得られたPPVゲノムフラグメントを含んでいるクローンのいずれを用い るかは、調製する組み換えPPVが(i)複製できるかまたは(ii)複製能力を 欠いているかによる。 i.挿入及び/または欠失にもかかわらず複製できる組み換えPPVを調製す る場合は、ウイルス増殖のために必須でない遺伝子もしくは遺伝子以外のゲノム 領域を含むかまたは遺伝子重複を含むクローン化されたウイルスゲノムフラグメ ントに対してさらなる処理を実施する。 手元にある遺伝子またはゲノム領域がウイルスゲノムの必須でない領域また は遺伝子重複であるかどうかを調べるためにウイルス突然変異体を用いる。この ために、分子生物学的方法を用いて、例えば当該領域を部分的または完全に除く ことにより調べているPPVの遺伝子またはゲノム領域を不活性化し、そしてウ イルス突然変異体の増殖能力を調べる。ウイルス突然変異体が不活性化した当該 遺伝子またはゲ ノム領域にもかかわらず複製できる場合、調べている遺伝子またはゲノム領域は 必須でない領域である。 必須でない遺伝子の完全なバージョンを含むPPVのクローン化されたゲノム フラグメントが好ましい。これに加えて、これらの遺伝子またはゲノム領域の両 末端に隣接するウイルスゲノム領域も存在すべきである。隣接する領域の長さは 100塩基対より多くなければならない。そのようなゲノムクローンが利用でき ない場合は、分子生物学的方法により存在する遺伝子クローンからそれらを調製 することができる。クローン化されたゲノムフラグメントが本調製のために必要 ではないゲノム領域をさらに含んでいる場合は、これらの領域をサブクローニン グにより取り除くことができる。 ii.挿入及び/または欠失の結果、感染性の子孫を生じる能力を失っている組み 換えPPVを調製する場合は、ウイルス増殖のために必須である遺伝子または遺 伝子以外のゲノム領域を含むクローン化されたウイルスゲノムフラグメントをさ らなる処理に供する。 手元にある遺伝子またはゲノム領域がウイルスゲノムの必須領域であるかどう かを調べるためにウイルス突然変異体を用いることができる。このために、分子 生物学的方法を用いて、例えば当該領域を部分的または完全に除くことにより調 べているPPVの遺伝子またはゲノム領域を不活性化し、そしてウイルス突然変 異体の増殖能力を調べる。当該遺伝子またはゲノム領域を不活性化した結果、ウ イルス突然変異体がもはや増殖できない場合、調べている遺伝子またはゲノム領 域は必須領域である。 必須遺伝子の完全なバージョンを含むPPVのクローン化されたゲ ノムフラグメントが好ましい。これに加えて、隣接するウイルスゲノム領域も同 様にこれらの遺伝子またはゲノム領域の両末端に存在すべきである。隣接する領 域の長さは100塩基対より多くなければならない。そのようなゲノムクローン が利用できない場合は、分子生物学的方法により存在するゲノムクローンからそ れらを調製することができる。クローン化されたゲノムフラグメントが本調製の ために必要ではないさらなるゲノム領域を含んでいる場合は、これらの領域をサ ブクローニングにより取り除くことができる。 2.2 挿入部位としての、ITR領域、VEGF遺伝子、PK遺伝子、10k Daタンパク質をコードする遺伝子及びPK遺伝子とHD1R遺伝子の間の領域 ITR領域、VEGF遺伝子、PK遺伝子、10kDaタンパク質をコードす る遺伝子またはPK遺伝子とHD1R遺伝子の間の遺伝子間領域をPPVにおけ る挿入部位として用いる場合、これらの挿入部位を含むPPVゲノムの対応する 領域を単離しなければならない。このために、PPVゲノムの対応する領域をク ローン化する。 2.2.1 VEGF遺伝子のクローニング VEGFをコードする遺伝子をPPVゲノム上に位置づけ、次にその隣接する ゲノムセグメントと共に部分的にまたはその全体を単離する。このために、好ま しくはPPVを#1に従って増やし、ゲノムを#2.1.1に従って精製する。 a.VEGF遺伝子を好ましくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅 する。この反応のために必要である開始配列(プライマー)を配列表の配列番 号1に示されるVEGF遺伝子のDNA配列から得 る。次に、好ましくは、得られる増幅産物をクローン化する。 b.VEGF遺伝子及びその隣接するゲノムセグメントを含む領域を好ましくは PPVゲノムを断片化し、対応するゲノムフラグメントを単離し、クローニング することにより得る。このために、好ましくは制限酵素HindIIIを用いて、 精製したウイルスのゲノムを#2.1.2に記述したように切断する。VEGF 遺伝子及びその隣接するゲノムセグメントを含むゲノムフラグメントを同定する ために、好ましくは、酵素消化後に得られるゲノムフラグメントを電気泳動また はクロマトグラフィーの方法により分画する。 アガロースまたはポリアクリルアミド中での電気泳動分画を ‐Current Protocols in Molecular Biology 1987−1988、Wiley−Inters cience、1987. ‐A Practical Guide to Molecular Cloning、Perbal、第2版、Wiley Inter science、1988 ‐Molecular Cloning、上記引用 ‐Virologische Arbeitsmethoden [P ractical Methods in Virology]、 第III巻、Gustav Fischer Verlag、1989に記述さ れている標準的な方法を用いて実施する。 例えば、特定の核酸プローブでのハイブリダイゼーションによりVEGF遺伝 子及びその隣接する配列を保有するゲノムフラグメントを同定する。このために 、分画したゲノムフラグメントをフィルターに 移し、サザンブロット法に従ってVEGFに特異的な標識した核酸プローブでハ イブリダイズさせる。ゲノムフラグメントの移行及びハイブリダイゼーションの 方法をMolecular Cloning、上記引用中の「サザンブロッティ ング」に記述されているような標準的なプロトコールに従って実施することがで きる。プローブとして用いることができるオリゴヌクレオチドまたは核酸フラグ メントを配列表の配列番号1から得ることができる。例えば、配列番号1により 同定することができるTaqlサブフラグメント(366bp)をハイブリダイ ゼーションプローブとして用いる。 VEGF遺伝子及びその隣接するゲノムセグメントの一部または好ましくは全 部を含むことが示されたゲノムフラグメントを単離し、クローン化する。例えば 、電気溶出を用いるかまたは低融点アガロース法を用いることにより適切なゲノ ムフラグメントをゲルの適切な領域から電気泳動的に単離する。 VEGF遺伝子をクローン化するために、上で調製したゲノムフラグメントを バクテリアまたは真核生物のベクター中に挿入する。最初はプラスミドまたはフ ァージベクターが特に好ましい。ゲノムフラグメントを挿入するために、二本鎖 のプラスミドまたはファージベクターDNA分子を挿入に適した末端が生じるよ うに制限酵素で処理する。 pBR322及びその誘導体、例えばpSPT18/19、pAT153、p ACYC184、pUC18/19及びpSP64/65のような既知のプラス ミドをプラスミドとして用いる。 例えば、ファージラムダZAP及びファージラムダgt10/11またはファ ージM13mp18/19のようなファージラムダの既知 の変種をファージベクターとして用いる。 用いることができる制限酵素は、例えばGene 第92巻(1989)El sevier Science Publishers BV Amsterd amから既知である。 挿入する過剰のDNAフラグメントと制限酵素で処理したプラスミドまたはフ ァージベクターを例えば5:1のおおよその比率で混合し、その後、この混合物 をDNAリガーゼで処理してフラグメントをベクターに連結する。プラスミドま たはファージを増やすために、連結混合物を原核または真核細胞、好ましくはバ クテリア(例えば大腸菌株K12及びその誘導体)中に導入し、後者は複製され る。 Molecular Cloning、上記引用に記述されているようにバク テリアを形質転換し、選択する。 好ましくはハイブリダイゼーション実験により、特に好ましくは配列分析によ り、外来DNAの同一性を確認する。場合によってはサブクローニングを実施す る。 2.2.2 プロテインキナーゼ遺伝子のクローニング プロテインキナーゼをコードする遺伝子をPPVゲノム上に位置づけ、次にそ の隣接するゲノムセグメントと共に部分的にまたはその全体を単離する。 VEGF遺伝子のクローニングのために記述したように、PPVゲノムを断片 化し(切断部位、図1を参照)、好ましくは続いてこれらのフラグメントをクロ ーニングし、PPVゲノムの隣接するDNA配列と共にPK遺伝子の一部または 好ましくは全PK遺伝子を含むフラグメントまたはクローンを選択することによ り、この領域を単離することができ る。PCRのプライマーとしてまたはハイブリダイゼーションのプローブとして 用いることができるDNA分子を配列表の配列番号2または配列番号9から得る ことができる。 場合によってはサブクローニングを実施する。 2.2.3 10kDaタンパク質をコードする遺伝子のクローニング VEGF遺伝子及びPK遺伝子に対して詳細に記述した(上記)方法を用いて 10kDaタンパク質をコードする遺伝子をPPVゲノム上に位置づけ、その隣 接するPPVゲノム配列と共に部分的にまたは好ましくはその全体を単離する。 この場合、好ましくはPCR及び/またはクローニング並びに好適なクローン の同定及び選択により、10kDaタンパク質の遺伝子またはその一部を含むP PVゲノムの領域を得る。 文献番号8は、PCRのプライマーとしてまたはハイブリダイゼーションのプ ローブとして用いることができるDNA分子の詳細を与えている。場合によって はサブクローニングを実施する。 2.2.4 逆方向末端反復領域またはPK遺伝子とHDIR遺伝子の 間に存在するゲノムセグメントのクローニング この方法は、詳細に記述したVEGF遺伝子のクローニング(上記)に相当す る。適切な領域を単離するためにPCRのプライマーとしてまたはハイブリダイ ゼーションのプローブとして用いることができるDNA分子は、配列表の配列番 号4(ITR領域)及び配列番号7(PK遺伝子とHD1R遺伝子の間の領域) から明らかである。 3. 挿入プラスミドまたは欠失プラスミドの構築 第2節に記述したように同定し、位置づけ、そしてクローン化するP PVゲノムフラグメントに基づいて、PPVゲノム中に外来DNAを挿入するた めに用いることができる、いわゆる挿入プラスミドを調製する。挿入プラスミド は、PPVゲノムのセグメントが隣接した、PPV中に挿入される外来DNAを 保有する。挿入プラスミドを調製するためには様々な選択肢があり、以下のもの を例としてここで挙げることができる。 3.1 2.1.4または2.2に記述したようにして得られるクローン化され たゲノムフラグメント中の唯一の制限酵素認識部位の同定または調製及び外来D NAの挿入 1箇所だけに存在する、すなわち唯一の制限切断部位を例えば決定したPPV ヌクレオチド配列中に同定することができる(2.1.3を参照)。 制限酵素の新しい唯一の切断部位を保有する合成により調製したオリゴヌクレ オチドをこれらの唯一の制限部位中に組み込むことがきる。 得られたプラスミドを先に記述したように増やし、選択する。 また、PPVゲノムフラグメント中に新しい唯一の制限酵素認識部位を組み込 むために、Jacobs等(文献番号12)により記述されたようにPCRを用 いることができる。 同定し、そして/または調製した唯一の制限酵素認識部位を外来DNAをPP Vゲノム中に挿入するために用いる。 外来DNAを既知の方法を用いて挿入する(文献番号11)。 3.2 クローン化されたゲノムフラグメント中のゲノム配列の欠失及び外来D NAの挿入 例えば、クローン化されたPPVゲノムフラグメントを好ましくは1箇所より 多い、特に好ましくは2箇所の認識部位を有する制限酵素で処 理することにより、これらからサブフラグメントを除くことができる。酵素処理 の後に、得られたフラグメントを上記のように例えば電気泳動的に分画し、単離 し、そして適切なフラグメントをリガーゼ処理により再び一緒に連結する。得ら れたプラスミドを増やし、欠失プラスミドを選択する。 代わりに、エンドヌクレアーゼ、例えば酵素Bal31でフラグメントを二方 向に分解するために開始点としてPPVゲノムフラグメント上の唯一の制限酵素 認識部位を用いる。酵素が作用する時間により欠失の大きさを決めることができ 、ゲル電気泳動によりこれを調べることができる。3.1(上記)に記述したよ うに、新しく生じたフラグメントの末端に合成オリゴヌクレオチドを連結する。 全PPV集団のごくわずかな割合において、外来遺伝子がPPVゲノム中に導 入される。 このために、組み換えPPVを野生型PPVから分離するための選択系が必要 である(文献番号16)。 大腸菌のグアニル−ホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子に基づくgpt 選択系を用いることが好ましい。真核細胞で発現されると、この遺伝子はプリン 代謝のインヒビターであるマイコフェノール酸(mycophenolic a cid)に対する耐性を与える。組み換えベクターウイルスの構築におけその使 用はしばしば記述されている(文献番号16/番号17を参照)。 4. 1ないし12による組み換えPPVの構築 a.好適な宿主細胞に挿入または欠失プラスミドのDNAをトランスフェクト し、同時にPPVを感染させる b.好適な宿主細胞に挿入または欠失プラスミドのDNAをトランスフェクト し、次にPPVを感染させる c.好適な宿主細胞にPPVを感染させ、次に挿入または欠失プラスミドのD NAをトランスフェクトする ことにより外来DNAをPPVゲノム中に挿入する。 この目的のために適している処置方法は既知である。リン酸カルシウム技術、 リポソームが媒介するトランスフェクションまたはエレクトロポレーションのよ うな既知の方法を用いてトランスフェクションを実施することができる(文献番 号18を参照)。 1.PPVでの感染: 外来DNAを含んでいるPPVを調製するためには、十分なウイルス増殖及 び効率のよいトランスフェクションが可能である細胞培養物、例えば永久ウシ腎 臓細胞系BK−KL−3Aが好ましい。 2.挿入または欠失プラスミドDNAの調製 先に記述した方法により得られ、そして挿入または欠失プラスミドを保有す る形質転換細胞、例えばバクテリアを増やし、これらの細胞から既知の方法でプ ラスミドを単離し、さらなる精製に供する。例えば、CsCl等の密度勾配中の 等密度遠心法により、または市販されているシリカ粒子でのアフィニティー精製 により精製を実施する。 3.トランスフェクション 好ましくは、精製した環状または直鎖状プラスミドDNAをトランスフェク ションのために用いる。例えば、第2項(上記)に示したように精製を実施する 。 4.トランスフェクトされ、且つ感染した細胞の培養 上記の方法を用いて細胞を培養する。細胞変性効果が現れると培養培地を取 り出し、場合によっては遠心分離または濾過により細胞屑を除き、場合によって は保存し、そしてまたウイルスの単一プラーク精製のための常法を用いて整える 。 組み換えPPVを調製する場合、以下の方法を用いる。 融合するまで生育したBK−KL−3A細胞を0.001から5まで、好まし くは0.1のMOI(感染多重度)である感染量で感染させる。2時間後に、C aPO4−グリセロールショック法を用いるか、またはトランスフェクションキ ット(DOSPER、Boehringer-Mannheim)を製造業者の 説明書に従って用いて、例えば、プラスミドpMT−10のDNA(2−10μ g)で感染細胞をトランスフェクトする。次に、これらの細胞培養物を培地と共 に37℃で5%CO2大気下で3から6日までの間cpeまたはプラーク形成が 肉眼で見えるようになるまでインキュベートする。 挿入した外来DNAにより、 a.例えばDNA/DNAハイブリダイゼーションを用いて外来DNAを検出 する b.PCRを用いて外来DNAを増幅する c.組み換えウイルスを用いて外来DNAを発現する ことで組み換えPPVを同定する。 a.に関して、 このために、当該ウイルスからDNAを単離し、そして挿入した外来DNA と少なくとも部分的に同一である核酸を用いてハイブリダイズさせる。 好ましくは、単一プラーク精製し、そして組み換え体として同定したPPV を外来DNAの存在及び/または発現に関してもう一度調べる。外来DNAを安 定に含み、且つ/または発現する組み換えPPVがさらなる用途のために使用で きる。 c.に関して、 例えば、細胞にウイスルを感染させ、次に外来DNAによりコードされるタ ンパク質に対する特異的な抗体を用いる免疫蛍光分析を実施するか、または感染 した細胞のライセートを用いて外来DNAによりコードされるタンパク質に対す る抗体を用いる免疫沈降もしくはウェスタンブロッティングを実施することによ り、タンパク質レベルで外来DNAの発現を検出することができる。 特定の転写物を同定することによりRNAレベルで外来DNAの発現を検出 することができる。このために、ウイルスが感染した細胞からRNAを単離し、 挿入した外来DNAと少なくとも部分的に同一であるDNAプローブを用いてハ イブリダイズさせる。実施例 以下の実施例に、同種起源及び異種起源の遺伝子またはそれらの一部の挿入及 び発現のために適しているPPVゲノムの領域を記述する。好適なゲノムフラグ メントは、PPVオビス株D1701(及びその各誘導体)のHindIIIフラ グメントIに含まれている(配列表の配列番号8及び配列番号12)。1.HindIIIフラグメントIのクローニング 精製したウイルスDNAを制限酵素HindIIIで切断した後、得られたDN Aフラグメントをアガロースゲル電気泳動で分離し、約5.6k bpの大きさであるフラグメントIを切り出し、QiaexR法(商標)(Qi agen)を用いて単離し、精製した。標準的な技術(Maniatis等)を 用いて、このDNAフラグメントをHindIIIで切断してCIP(子ウシ腸ホ スファターゼ)で処理したベクタープラスミドpSPT18(Boehring er−Mannheim)中にクローン化した。得られた組み換えプラスミド、 pORF−1及びpORF−2はインサートの方向のみが異なる。制限地図の構 築により、図1に示されるようなさらなるサブクローニングを実施することがで きた。全ての組み換えプラスミドDNAの同一性及びウイルス起源を確かめるた めに、サザンブロットハイブリダイゼーションを用いてこれらを制限酵素で消化 したウイルスまたはプラスミドのDNAに関して調べた。2.DNAシークエンシング 異なる組み換えプラスミドの二本鎖DNA並びにベクタープラスミドpSPT 18のクローニング部位の2つの末端に結合するSP−6特異的及びT7特異的 プライマーを用いてDNAシークエンシングを実施した。サンガーのジデオキシ チェインターミネーション法を35S−[α]−dATP及びT7−DNAポリメ ラーゼの存在下で製造業者(Pharmacia−Biotech)の推奨に従 って実施した。得られたDNA配列に合わせて非常に多数のオリゴヌクレオチド を合成し、次にHindIIIフラグメントIの両鎖をシークエンシングするため に用いた。ウイルスDNAインサートの比較的高いG+C含有量(64.78% )によるシークエンシングの誤りまたはバンドの縮重を分離するために7−デア ザ(Deaza)−GTPを用い、場合によっては、シークエンシング生成物を ホルムアミドを含有する変性ポリアクリルアミドゲルで 分離した。3.可能性のある遺伝子の同定 得られたDNA配列(配列表の配列番号8及び配列番号12)のコンピュータ ー補助分析によりいくつかの可能性のある読み枠(ORF)が明らかになった。 これらのORFから得られるアミノ酸配列を遺伝子相同性検索(例えばGCGプ ログラム)に用いた。その結果、以下の遺伝子との顕著なアミノ酸の相同性が検 出された(図1も参照)。3.1 異なる哺乳類種(例えばマウス、ラット、モルモット、ウシ及びヒト) の血管内皮成長因子(VEGF)並びにPPV株NZ−2及びNZ−7で最近記 述されたVEGF遺伝子相同物(文献番号6)ともアミノ酸の相同性を有するO RFが見いだされた(36.1ないし38.3%の同一性;52.8ないし58 .6%の類似性)。各種オルトポックスウイルスのような他のポックスウイルス は、対応する遺伝子相同性を有することが知られていない。VEGFと称するこ のORFは399ヌクレオチドを包含し、132アミノ酸を含んで14.77k Daの計算された分子量を有するポリペプチドをコードする。ノーザンブロット ハイブリダイゼーション、RNA保護実験及びプライマー伸長試験を用いた全R NAまたはオリゴ(dt)で選別したRNAに対する転写分析により、VEGF が感染後(p.i.)約2時間から初期遺伝子として発現されることが確かめら れた。特定のmRNAが、ワクシニアウイルス初期遺伝子のプロモーターに典型 的な共通モチーフの重要な領域と100%の相同性を示す配列のすぐ下流で始ま り、422から425塩基までから成ることが見いだされた。VEGF mRN Aの3’末端は、例えばワクシニアウイルス遺伝子の 初期転写物が共有する共通配列中に位置づけられた。このmRNAの大きさはノ ーザンブロットハイブリダイゼーションにより約500塩基であると概算され、 これは約100塩基の長さを有するポリ(A)セグメントを示す。3.2 いくつかのオルトポックスウイルス(例えばワクシニアウイルス、痘瘡 ウイルス(variola virus)またはショープ線維腫ウイルス(Sh ope−fibroma virus))に存在し、F10Lとして知られてい る対応する遺伝子と相同性を有するプロテインキナーゼ(PK)の可能性のある ものをコードする別のORFが見いだされた。この遺伝子相同物は、PPV株D 1701の感染サイクルの後期に転写される(p.i.12から16時間まで) 。転写開始点は、ワクシニアウイルス後期遺伝子の既知のプロモーターと高度の 相同性を示す領域の少し下流に位置する。3.3 既知の遺伝子配列といかなる顕著な相同性も現在まで示していない別の 可能なORFが見いだされた。特に興味深いのは、HD1R遺伝子と称する遺伝 子の可能性のあるものである(図1)。上記のような分析により、約1.6kb の大きさを有する特定の初期mRNAの転写が示された。3.4 最後に、F10Lの3’末端及びVEGFの5’末端と重なるORFが コンピューターにより見いだされた(F9L、図1)。配列比較により、ワクシ ニアウイルスF9L遺伝子との相同性が示された。3.5 orf株NZ−2及びNZ−7の既知のDNA配列と比較することによ り、D1701ゲノムのいわゆるITR領域の始まりをHindIIIフラグメン トIのヌクレオチド位置1611に定めることが可 能であった。ITR領域は、ポックスウイルスゲノムの末端に現れ、且つゲノム のもう一方の末端で逆方向に同様に存在する配列領域であり、それ故、逆方向反 復領域(ITR)と呼ばれる(配列表配列番号4を参照)。配列比較の結果は、 pORF−1中にクローン化したD1701 HindIIIフラグメントIのゲノ ムにおける位置決定の実験と一致する。このフラグメント及びおそらく同一であ るHindIIIフラグメントHの地図を図2に示す。これから、D1701ゲノ ムのITRは約2.6kbpを包含すると結論づけることができる。 D1701 VEGF mRNAの3’末端を決定する実験により、少なくと も1種のさらなるウイルス特異的RNAが、ITRに移ってから約40及び22 0bpの間のITR中で始まることが示された。NZ−2とのアミノ酸の相同性 のために、対応する遺伝子をORF3と称した(図1)。ORF3 mRNAの 推定上の5’末端の前にはポックスウイルス初期プロモーターに典型的な共通配 列がある。これまでのところ他の遺伝子との相同性を見いだすことはできない。4.HindIIIフラグメントI中へのDNA配列の導入 同種起源または異種起源のDNA配列を導入するために記述した(プラスミド pORF−1及びpORF−2にクローン化された)HindIII DNAフラグ メントを用いることができるかを調べた。以下に、この目標を達成するために3 つの異なる方法を用いた。 11Kワクシニアウイルスプロモーターの制御下に大腸菌からの機能的Lac Z遺伝子を含むプラスミドpGSRZを以下の実施例のために構築した。この目 的のために、プラスミドpUCIILZ(文献番号7を参照)のDNAの関係する 部分を単離し、プラスミドpSPT18中に クローン化した。pGSRZから3.2kb Smal/SalIフラグメント を単離することにより、この機能的な11K/LacZ遺伝子の組み合わせ(以 下、LacZカセットと称する)を得ることができる(図7)。 選択カセットの構築 図7に示すように、プラスミドpGSRZ(ワクシニアウイルスプロモーター P11Kの制御下にLacZ遺伝子を含む)、pMT−1(PPV VEGFプロモ ーターを含む)及びpMT5(大腸菌gpt遺伝子を含む)を用いて様々ないわ ゆる選択カセットを構築した。VEGFプロモーター(PVEGF)の配列に相当す る合成の相補的オリゴヌクレオチドを調製し、pSPT18のSmaI切断部位 中に挿入した(pMT−1)。次にBamHI切断を用いて、(pGSRZから のBamHIフラグメントをpSPT18に挿入することにより得られた)p1 8ZからLacZ遺伝子を、またはpMT−5からgpt遺伝子をそれぞれ取り 出し、次にpMT−1にそれらを挿入することによりプラスミドpMT−2及び pMT−4を調製した(図7)。 機能的gpt遺伝子をGPTプラスミドpMSG(Pharmacia−Bi otech)からPCRを用いて増幅し、次にいわゆるTAクローニングを製造 業者(Invitrogen Inc.)の説明書に従って用いてベクターpC RII中にクローン化した。 続いて、図7に図式的に示されるように、11Kプロモーター及び/またはPVEGF の制御下にLazZ遺伝子またはgpt遺伝子をそれぞれ示した組み合わせ 及び方向で発現する二重選択カセットを構築することが可能であった。 実施例XX(LacZ−VEGF欠失)またはYY(遺伝子間−Ba131) に従って、適切な制限酵素切断及び単離後に、これらの選択カセットを異なるP PV orf DNAプラスミド中に挿入することができる。PPV D1701 VEGF遺伝子の312bpの欠失を示す記述したプラスミドpdV−500 中に二重選択カセットを挿入した後にプラスミドpMT−10が構築された。こ の構築により、欠失により取り除かれたVEGF ORFの場所に機能的なla cZ及びgpt遺伝子が挿入された。一時的発現試験の後に、PPV D170 1が感染した細胞においてLacZ遺伝子の活性を示すことが可能であり(示さ ない)、従って、続いてgpt及びlacZを発現しているD1701のVEG F欠失突然変異体の選択を実施した。4.1 遺伝子間の非コーディング領域中への挿入 遺伝子間の非コーディング部分に位置する新しい唯一の制限部位を同定するか または作製した。次に、機能的で検出可能な遺伝子産物(例えば大腸菌LacZ 遺伝子)またはそれらの一部をコードする外来DNA配列を挿入するためにこれ らの部位を用いる。実施例4.1.1 プラスミドpORF−PB(図1)は、プロテインキナーゼ(F10L)及び HD1R遺伝子間に位置する単一のNruI切断部位を含む。pORF−PBを この制限酵素で直鎖状にした後、(平滑化反応後)それにLacZカセットを平 滑末端ライゲーションにより連結した。機能的なLacZ遺伝子を含む組み換え プラスミドを例えばBglIIでの切断後に選択し、LacZ特異的なプローブを 用いるサザンブロットハイブリダイゼーション及びLacZ/PPVDNAの変 わり目の部分的 シークエンシングにより正しい挿入を示した。実施例4.1.2 上の実施例に記述したものと同じ方法をVEGF遺伝子の下流(BstEII部 位での切断、図1)及びITR領域中の遺伝子の可能性のあるORF3(pSP T18クローニング部位中のXbaI部位の切断を防ぐためにXbaIでの部分 分解)に用いた。実施例4.1.3 クローン化されたPPV DNAフラグメントのあらゆる所望する位置に新し い唯一の制限部位を導入するためにPCR突然変異生成の技術を用いることがで きる(図5、文献番号12を参照)。この目的のために、プライマー対E1+E V2(PCR A)及びEV1+XB(PCR B)をそれぞれ用いて2つのPC R反応を別個に実施する。全てのプライマーは、定められた配列の位置でPPV DNA配列と同一である25ヌクレオチドから成る。プライマーXBは例えば XbaI部位(図1)のまわりの本物の配列であるが、プライマーE1の5’末 端には新しいEcoRI部位を導入し、(互いに相補的である)プライマーEV 1及びEV2には新しいEcoRV部位を導入した。LacZカセットを導入す るために選んだ位置に、pORF−1またはpORF−2の全配列中には本来存 在しないEcoRV部位を挿入した。反応A及びBから得られるPCR産物を精 製し、一本鎖に変性し、再会合条件下で一緒に混合し、次に最後のPCR反応、 すなわち、PCR Cにこれらを用いる。この実施例では、pORF−1の左側 の793bpを伸長するために今度はE1及びXBをプライマーとして用いる。 ゲル単離及び精製後に、反応Cから得られるPCR産物をEcoRI及びXba Iで切断 し、次にEcoRI及びXbaIで切断したプラスミドpORF−XBに連結す る。その結果、プラスミドpORF−1EV(図5)は所望する位置にEcoR V制限部位を含み、次にこれを直鎖状にしてLacZカセットに連結するために 用いることができる。 さらに、特定の塩基変化または単一塩基の欠失を含むミスマッチプライマーを この実施例に記述した方法に用いて、ウイルスDNA配列中のあらゆる所望する 位置に例えば翻訳終止コドンまたはアミノ酸欠失を作製することができる。4.2 orf配列の欠失のない遺伝子内挿入 記述したORFのいずれかのコーディング配列中に、選択した遺伝子中に1箇 所だけ存在する制限部位で切断した後に、新しいまたはさらなる配列を導入する ことができる。実施例4.2.1 プラスミドpORF−1を直鎖状にするために、F10L遺伝子相同物の右側 の部分に位置する唯一のXcmI部位を用いた。LacZカセット及び切断した pORF−1 DNAの両方をT4DNAポリメラーゼまたはKlenow DN Aポリメラーゼを用いて平滑末端にし、次にこれらを連結し、そして次に形質転 換のためにコンピテント大腸菌バクテリア(DHαF’)を用いた。得られたバ クテリアコロニーをLacZ特異的なプローブを用いるコロニーフィルターハイ ブリダイゼーションにより陽性の組み換えプラスミドに関して調べ、対応するプ ラスミドDNAを制限酵素で切断した。実施例4.2.2 VEGFをコードする領域は単一のStyI部位を含み、これを上記 のようにLacZカセットを挿入するために用いた。4.3 ウイルス配列の検出 以下の実施例は、コーディング(遺伝子内欠失)及び非コーディング(遺伝子 間欠失)領域の両方の除去を記述する。実施例4.3.1 欠失したウイルス配列を外来遺伝子またはこれらの遺伝子の一部を挿入するこ とで置き換えるために、制限酵素を用いてHindIII DNAフラグメントIの 特定の部分を取り除く。プラスミドpORF−PAを(ITR領域中の位置の、 図1)制限酵素NruIで切断することによりこれを実施し、その結果、396 bpフラグメントが除かれた。平滑化反応後に、LacZカセットを上記のよう に連結した。図3に、pORF−PAからの396bpフラグメントの欠失及び LacZカセットの挿入を図式的に示す。図3及び4に、このようにして構築さ れ、そしてpORF−PAに由来する欠失/挿入プラスミドpCE4及びpCE 9を示す。実施例4.3.2 図6に図式的に略述されるように、エンドヌクレアーゼBal31の影響下で 配列の二方向の欠失を実施するために開始点としてHindIII DNAフラグメ ント中の個々の制限部位を用いた。VEGF及びプロテインキナーゼF10Lを それぞれコードする遺伝子を開くために、プラスミドpORF−PA及びプラス ミドpORF−1またはpORF−XBのそれぞれの場合に、酵素StyI及び XcmIを制限分解のために用いた(図1及び6)。エンドヌクレアーゼBal 31を添加した後、2分毎に反応物からアリコートを取り出し、次に反応を停止 した。これ らの定時試料の例えば制限酵素BglIでの切断及びそれに続くゲル電気泳動に より、Bgl31で除かれたDNAセグメントの大きさを概算することが可能で あった。次に、好適な時点の試料の混合物を用いて平滑化反応によりDNA末端 を閉じた。次に、新しい唯一のSmaI、SalI及びEcoRV制限部位を構 成している2つの相補的オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせ、得られた二 本鎖のプライマー分子(EcoRVリンカーと称する)を平滑末端化したBgl 31生成物に連結した。形質転換されたバクテリアを得た後、プラスミドDNA を単離し、PPV HindIIIフラグメントIのDNA配列中にはいかなる認識 部位も持たないEcoRVで切断した。それ故、EcoRV部位を有する全ての プラスミドDNAは挿入したリンカー配列を含み、次にこれを新しいEcoRV 部位中に平滑末端化したLacZカセットを連結するために用いた。一本鎖のE coRVリンカー及び適当なLacZ遺伝子特異的なプライマーを用いるシーク エンシングにより、得られた各組み換えプラスミドDNA中に作製されたDNA 欠失の正確な大きさを決定することが可能であった。5. 他のパラポックスウイルスのVEGF遺伝子の検出及び同定 D1701でVEGFをコードするDNA領域が分かっているので、大きく異 なる制限特性を有する可能性のある他のパラポックスウイルス株でこの遺伝子を 同定するための特定のDNAプローブ及びPCRプライマーを調製することが可 能である。この目的のために以下の可能性を調べた。すなわち、(i)D170 1 VEGF遺伝子の中心部分に相当するpORF−PAのTaqIサブフラグ メント(366bp)をハイブリダイゼーションプローブとして単離する;(ii )適当な合成プラ イマーを用いて完全なVEGF ORFを増幅し、次にそのPCR産物をプラス ミド中にクローニングする;(iii)VEGF遺伝子の異なる部分から成るプラ イマーを鋳型としてPPV DNAの存在下でPCRに用い、そしてこれらを特 定のハイブリダイゼーションプローブとしても用いた。 放射性標識した後に、これらのプローブをパラポックス オビス、パラポック ス ボビス1(ウシ丘疹状口内炎;BPS)及びパラポックスボビス2(搾乳者 結節)の様々な単離物及び株のゲノムDNAとのサザン及びドット/スポットブ ロットハイブリダイゼーションにうまく用いた。サザンブロットハイブリダイゼ ーションは特定のPPV DNAフラグメントでVEGFに陽性のシグナルを示 し、これにより各種PPVのVEGF遺伝子をさらに詳細に位置づけることが可 能になる。 さらに、他のPPV株の可能性のあるVEGF遺伝子の発現を調べるために、 ノーザンブロットハイブリダイゼーションのような比較RNA分析に同じプロー ブを用いることができる。6. D1701組み換え体の製造 融合するまで生育したBK−KL−3A細胞を0.1のmoi(感染多重度) である感染量で感染させた。2時間後に、CaPo4−グリセロールショック法 を用いるか、またはトランスフェクションキット(DOSPER、Boehri nger−Mannhein)を製造業者の説明書に従って用いて、感染した細 胞を例えばプラスミドpMT−10のDNA(2から10μgまで)でトランス フェクトした。次に、これらの細胞培養物を選択培地(HAT培地+MPAマイ コフェノール酸−キサンチン−5%FCS)を用いて37℃で3から6日までの 間5 %CO2大気下でcpeまたはプラーク形成が肉眼で見えるようになるまでイン キュベートした。ウイルスが誘導するcpeの程度により、 (a)細胞ライセートを得て、希釈シリーズを調製し、プラーク試験をBK−K L−3A細胞で実施した。LacZを発現し、MPAに耐性であるD1701組 み換え体を含む青色プラークを同定するために、添加したアガロース培地混合物 は0.3mg/mlのBluo−Gal(GIBCO−BRLLife Sci ences)を含んだ。 (b)個々のプラークが生じた後に、(a)に記述したアガロース/Bluo Gal混合物を添加し、青色の個々のプラークを選んだ。 以下に記述するように、(a)または(b)で得られるウイルスをBK−KL −3Aに感染させるために用い、100%均質な組み換えウイルス集団が得られ るまで少なくとも2回のさらなるプラーク力価測定及び精製に供する。7. VEGFプロモーター 3.1章に略述したように、D1701のVEGF遺伝子は初期遺伝子であり 、D1701ウイルスが感染した細胞で感染後2ないし4時間から感染の比較的 後期まで特定のmRNAが大量に転写される。このために、同定したD1701 VEGFプロモーター領域は、組み換えPPVウイルスで外来遺伝子またはこ れらの遺伝子の一部の発現を制御するために非常に有用であるはずである。VE GFプロモーターを包含する配列(35ないし40ヌクレオチド;配列表の配列 番号6)を(i)プロモーター領域に隣接する適切なプライマーを用いるPCR 、(ii)適切なDNA断片のサブクローニングまたは(iii)プロモーター配列 をオリゴヌクレオチドとして合成することにより単離することができる。 VEGFプロモーターを目的のあらゆる遺伝子またはDNA配列に連結した後、 得られた遺伝子カセットを先の章に記述したあらゆる方法に従って組み換えPP Vを調製するために用いることができる。8. 10kDa遺伝子 PPV株NZ−2の10kDa遺伝子の公表されたDNA配列(文献番号8) に基づいてPPV 10kDa遺伝子を検出するための特異的PCRを確立した 。合成で調製したプライマー10K−up(5−CAATATGGATGAAA ATGACGG−3)及び10k−down(5−CAGACGGCAACAC AGCG−3)を用いてPCRを実施した後に、297塩基対の大きさの特定の 産物を増幅することに成功した。続いてクローニング(TAクローニングキット 、Invitrogen Inc.)により、297bpのPCR産物をEco RIフラグメントとして含むプラスミドpJS−1が得られた。pJS−1の挿 入の2本のDNA鎖のDNAシークエンシングにより、10kDaに特異的な配 列が存在することが示された。この配列によると、D1701は91アミノ酸の 10kDaタンパク質をコードし、これはNZ−2PPV株と93.3%のアミ ノ酸の同一性及び96.7%のアミノ酸の類似性を有する。 放射性標識したpJS−1でのサザンブロットハイブリダイゼーションを用い て、10kDa遺伝子をD1701ゲノムのEcoRIフラグメントE(4.2 5kbp)に位置づけた。従って、この遺伝子は、NZ−2の場合でのように、 ウイルスゲノムの右側の部分に位置し、HindIIIフラグメントK及びGの切 断部位を含む(図2)。 10kDa遺伝子が(原則として先に記述したように)挿入または欠 失を含むプラスミドを調製するために、4.25kbpのD1701EcoRI フラグメントEを含むプラスミドpDE−E1及びpRZ−E1を用いる。D1 701 10kDa遺伝子のN末端セグメントのHindIII切断部位(フラグメ ントK−G)((#124−#129)配列番号11)を外来DNAを直接挿入 するため及び10kDa遺伝子を除くため(Bal31を用いた二方向消化を参 照)の両方に用いることができる。後者の構築物では、もう一つのHindIII 切断部位(ベクタープラスミドpSPT18のマルチクローニング部位)をプラ スミドpDE−E1から取り除いた。このために、pSPT18 DNAをHi ndIIIで切断し、その後、Klenowで処理することによりHindIII切断 部位を壊し、プラスミドを再連結した。次に、この新しいベクタープラスミドp SPT18dHのEcoRI制限部位に4.25kbpのD1701 EcoR IフラグメントEをクローン化した。得られたプラスミドのpRZ−E1(図8 )は今や10kDa遺伝子中に唯一のHindIII切断部位を有し、この部位に よりさらに簡単な操作が可能となる。 放射性標識したプローブとしてpDE−E1及びpJS−1を用いるサザンブ ロットハイブリダイゼーション並びにPCR研究も、異なるPPVボビス1株の ゲノムがいかなる10kDa特異的な配列も含まないことを示す。これは、10 kDa PPV遺伝子が必須ではないことを 配列番号1 本出願の配列番号1は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するVEGF遺伝子を示す。 さらなる情報: 初期プロモーター: ヌクレオチド50ないし64 mRNA開始: ヌクレオチド78または80 mRNA終止: ヌクレオチド498ないし500 翻訳開始: ヌクレオチド92ないし94 翻訳終止: ヌクレオチド488ないし490配列番号2 本出願の配列番号2は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するプロテインキナーゼ遺伝子F10L(バージョン1)を示す。 さらなる情報: 後期プロモーター: ヌクレオチド48ないし66 mRNA開始: ヌクレオチド74ないし78 翻訳開始: ヌクレオチド94ないし96 翻訳終止: ヌクレオチド1738ないし1740配列番号3 本出願の配列番号3は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するHD1R遺伝子セグメントを示す。配列番号4 本出願の配列番号4は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するITR領域及びこの領域中に見いだされるORF3 遺伝子を示す。 さらなる情報: ITR領域の始まり: ヌクレオチド7 初期プロモーター: ヌクレオチド18ないし33 ORF3 mRNA開始: ヌクレオチド40ないし41 ORF3 mRNA終止: ヌクレオチド673ないし679 ORF3翻訳開始: ヌクレオチド111ないし113 ORF3翻訳終止: ヌクレオチド562ないし564配列番号5 本出願の配列番号5は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するF9L遺伝子相同物(バージョン1)を示す。 さらなる情報: 開始コドン: ヌクレオチド48ないし50 終止コドン: ヌクレオチド861ないし863配列番号6 本出願の配列番号6は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するVEGFプロモーター領域を示す。配列番号7 本出願の配列番号7は、HD1R及びPKF10L遺伝子間に位置し、且つP PV D1701株のHindIIIフラグメントI上に位置する遺伝子間領域を示 す。 推定上のHD1R翻訳終止: ヌクレオチド25ないし27 PKF10L翻訳開始: ヌクレオチド223ないし225配列番号8 本出願の配列番号8は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI( バージョン1)の完全なヌクレオチド配列を示す。配列番号9 本出願の配列番号9は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI上 に位置するプロテインキナーゼF10L遺伝子のバージョン2を示す。 さらなる情報: 後期プロモーター: ヌクレオチド48ないし66 RNA開始シグナル: ヌクレオチド72ないし80 mRNA開始: ヌクレオチド74ないし78 翻訳開始: ヌクレオチド94ないし96 翻訳終止: ヌクレオチド1585ないし1588配列番号10 本出願の配列番号10は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI 上に位置するF9L遺伝子相同物のバージョン2を示す。 さらなる情報: 翻訳開始: ヌクレオチド50ないし52 翻訳終止: ヌクレオチド722ないし724配列番号11 本出願の配列番号11は、PPV D1701株のEcoRIフラグメントE 上に位置する10kDa遺伝子を示す。 さらなる情報: 翻訳開始: ヌクレオチド5ないし7 翻訳終止: ヌクレオチド275ないし277配列番号12 本出願の配列番号12は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI のバージョン2の完全なヌクレオチド配列を示す。配列番号13 本出願の配列番号13は、PPV D1701株のHindIIIフラグメントI 上に位置するプロテインキナーゼF10L遺伝子のバージョン3を示す。 さらなる情報: 後期プロモーター: ヌクレオチド48ないし66 RNA開始シグナル: ヌクレオチド72ないし80 mRNA開始: ヌクレオチド74ないし78 翻訳開始: ヌクレオチド94ないし96 翻訳終止: ヌクレオチド1585ないし1588配列番号14 配列番号14は、(配列番号13から推定される)PPV D1701プロテ インキナーゼF10L相同物のアミノ酸配列を示す。配列番号15 配列番号15は、(配列番号1から推定される)PPV D1701VEGF 相同物のアミノ酸配列を示す。配列番号16 配列番号16は、(配列番号10から推定される)PPV D1701 F9L 相同物のアミノ酸配列を示す。 図面のリスト 図1は、プラスミドpORF−1/−2中のorf D1701Hin dIIIフラグメントIの物理的地図を示す。細い矢印は同定され たmRNAを示し、一方、太い矢印はORFを示す。 図2は、D1701ゲノム上のHindIII認識部位の物理的地図及びH indIIIフラグメントI上に同定された遺伝子、並びに逆方向 末端反復領域の一部を示す。 図3は、プラスミドpCE4を示す。NruIでの切断後、396bp フラグメントをLacZカセットで置き換えた。 図4は、XcmIでの切断により直鎖状にした後にLacZカセットを 挿入したプラスミドpCE9を示す。 図5は、本文中に記述するように、新しい唯一の切断部位を作製するた めにPCRを用いる方法を図式的に示す。 図6は、ヌクレアーゼBal31を用いた二方向への欠失をそれに続く EcoRVリンカー及びLacZカセットの挿入と共に図式的 に示す。 図7は、LacZ/gpt選択カセット: P11K:ワクシニア11Kプロモーター PVEGF:PPV VEGFプロモーター Sm:SmaI B:BamHI の調製方法を示す。 図8は、(本文中に記述したような)10kDa遺伝子を含むPPV D1701EcoRIフラグメントEのクロ−ニング方法を 図式的に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/00 A61K 48/00 48/00 C07K 14/065 C07K 14/065 C12N 7/00 C12N 7/00 G01N 33/569 L G01N 33/569 A61K 37/02 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY, CA,CN,CZ,HU,IL,JP,KR,KZ,L K,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SK,TR ,UA,US (72)発明者 ルツイハ,ハンス―ヨアヒム ドイツ連邦共和国デー―50858ケルン・バ イハーシユトラーセ45

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.挿入及び/または欠失を含んでいる組み換えにより調製されたPPV。 2.ウイルスの増殖のために必要ではないゲノムセグメント中に挿入及び/ま たは欠失を含んでいる組み換えにより調製されたPPV。 3.ウイルスの増殖のために必要であるゲノムセグメント中に挿入及び/また は欠失を含んでいる組み換えにより調製されたPPV。 4.D1701 HindIIIフラグメントIの発現されない領域中に挿入及び /または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV。 5.D1701 HindIIIフラグメントIの発現される領域中に挿入及び/ または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV。 6.挿入及び/または欠失がD1701 HindIIIフラグメントI中または このフラグメントに相当する他のPPVからのDNA中に位置する、請求の範囲 1ないし5に記載の組み換えにより調製されたPPV。 7.VEGF遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を 含む組み換えにより調製されたPPV。 8.PK遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を含む 組み換えにより調製されたPPV。 9.ITRセグメントの領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失 を含む組み換えにより調製されたPPV。 10.HD1R遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失 を含む組み換えにより調製されたPPV。 11.F9L遺伝子の領域中またはこの領域の近くに挿入及び/または欠失を 含む組み換えにより調製されたPPV。 12.10kDaタンパク質をコードする遺伝子の領域中またはその近くに挿 入及び/または欠失を含む組み換えにより調製されたPPV。 13.10kDaタンパク質をコードする遺伝子が位置するD1701Eco RIフラグメントEの領域中に挿入及び/または欠失を含む組み換えにより調製 されたPPV。 14.D1701 HindIIIフラグメントIまたはこのフラグメントに相当 する他のPPVからのDNAを含んでいるプラスミド。 15.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、ウ イルスの複製のために必要であるこのフラグメントの領域中に欠失及び/または 挿入を含むプラスミド。 16.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、ウ イルスの複製のために必要ではないこのフラグメントの領域中に欠失及び/また は挿入を含むプラスミド。 17.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、ウ イルスの複製のために必要ではなく、且つ発現されない領域に位置するこのフラ グメントの領域中に欠失及び/または挿入を含むプラスミド。 18.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、ウ イルスの複製のために必要ではなく、且つ発現される領域に位置するこのフラグ メントの領域中に欠失及び/または挿入を含むプラスミド。 19.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、こ のフラグメントのVEGF遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿入を含 むプラスミド。 20.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、こ のフラグメントのPK遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿入を含むプ ラスミド。 21.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、こ のフラグメントのITRセグメント中またはその近くに欠失及び/または挿入を 含むプラスミド。 22.D1701 HindIIIフラグメントIを含んでいるプラスミドで、H D1R遺伝子及び/またはF9L遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿 入を含むプラスミド。 23.D1701 EcoRIフラグメントEを含んでいるプラスミドで、1 0kDaタンパク質をコードする遺伝子中またはその近くに欠失及び/または挿 入を含むプラスミド。 24.D1701 HindIIIフラグメントIの一部を含んでいるプラスミド で、その部分が請求の範囲14ないし23に記載の欠失及び/または挿入を含む プラスミド。 25.D1701 DNAフラグメントがこのフラグメントに相当する他のP PVからのDNAで置き換えられている、請求の範囲14ないし24に記載のプ ラスミド。 26.完全なHindIIIフラグメントIまたはこのフラグメントの一部のみ が存在する、請求の範囲14ないし25に記載のプラスミド。 27.配列表の配列番号8に記載の配列を有するD1701ゲノムフラグメン トHindIIIフラグメントIまたはこのフラグメントの一部またはこのフラグ メントに相当する他のPPVからのフラグメント。 28.配列表の配列番号1に記載のVEGFタンパク質をコードする D1701 HindIIIフラグメントIのDNAセグメントもしくはその一部ま たはこのセグメントに相当する他のPPVからのセグメントもしくはその一部。 29.配列表の配列番号2に記載のPKタンパク質をコードするD1701 HindIIIフラグメントIのDNAセグメントもしくはその一部またはこのセ グメントに相当する他のPPVからのセグメントもしくはその一部。 30.配列表の配列番号3に記載の配列を有するPPV HD1R遺伝子のD NAセグメントまたはその一部。 31.配列表の配列番号5に記載の配列を有するPPV F9LのDNAセグ メントまたはその一部。 32.配列表の配列番号4に記載の配列を有するPPV ITR領域のDNA セグメントまたはその一部。 33.請求の範囲27ないし32に記載のDNAセグメントの配列に基づいて 調製される遺伝子産物。 34.他の病原体の免疫性成分をコードする外来DNAを挿入物として含む、 請求の範囲1ないし13に記載の組み換えにより調製されたPPV。 35.サイトカインをコードする外来DNAを挿入物として含む、請求の範囲 1ないし13及び34に記載の組み換えにより調製されたPPV。 36.請求の範囲14ないし26に記載のプラスミドをそれ自体既知の方法で 細胞中でPPVと組み換え、そして所望するウイルスを選択することを特徴とす る、請求の範囲1ないし13、34及び35に記載の ウイルスの調製方法。 37.1.好適なパラポックスウイルス株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.得られたフラグメントをプラスミド中に挿入し、そして 5.10kDaタンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドの選択を 実施し、 6.場合によっては、10kDaタンパク質をコードする遺伝子中に挿入 及び/または欠失を導入し、 7.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成のような別の方法 を用いて調製することもできる ことを特徴とする、請求の範囲23に記載のプラスミドの調製方法。 38.1.好適なパラポックスウイルス株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.得られをフラグメントをプラスミド中に挿入し、そして 5.HindIIIフラグメントIまたはこのフラグメントに相当するフラ グメントもしくはその成分を含むプラスミドの選択を実施し、 6.場合によっては、得られたプラスミドのこれらのフラグメント中に挿 入及び/または欠失を導入し、 7.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリ メラーゼ連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成のような 別の方法を用いて調製することもできる ことを特徴とする、請求の範囲14ないし22及び24ないし26に記載のプラ スミドの調製方法。 39.1.好適なパラポックスウイルス株を選択し、 2.そのゲノムを精製し、 3.精製したゲノムを制限酵素で処理し、 4.そして所望するフラグメントもしくはセグメントを選択するか、また は 5.場合によっては、得られたゲノムのフラグメントをまずプラスミド中 に挿入し、次に所望するフラグメントを含んでいるプラスミドを単離 し、これらのプラスミドを増やし、そしてそれらから所望するフラグ メントを単離し、 6.場合によっては、(上記)4に記述したフラグメントをポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)またはオリゴヌクレオチド合成のような別の方法 を用いて調製することもできる ことを特徴とする、D1701 HindIIIフラグメントIもしくは10kDa タンパク質をコードするD1701 EcoRIフラグメントE、またはこのフ ラグメントもしくはセグメントに相当する他のPPVからの領域、またはそれら の一部の調製方法。 40.請求の範囲39により得ることができるフラグメントを好適な発現系に 導入し、これらの系を用いて遺伝子を発現することを特徴とする、請求の範囲3 3に記載の遺伝子産物の調製方法。 41.請求の範囲1ないし13に記載の組み換えにより調製されたP PVのワクチンにおける使用。 42.請求の範囲1ないし13に記載の組み換えにより調製されたPPVの、 免疫性を与え、且つ病原体非特異的な免疫防御も刺激する生成物における使用。 43.組み換えにより調製されたPPVの病原体非特異的な免疫防御を刺激す る免疫調節剤における使用。 44.組み換えにより調製されたPPVの外来DNAの異種発現のための使用 。 45.組み換えにより調製されたPPVの外来DNAのベクターとしての使用 。 46.請求の範囲14ないし26に記載のプラスミドのパラポックス特異的な ゲノムセグメントを発現するための使用。 47.請求の範囲14ないし26に記載のプラスミドの診断用試薬を調製する ための使用。 48.請求の範囲27ないし32に記載のゲノムフラグメントの診断用試薬を 調製するための使用。 49.配列表の配列番号6に記載のDNAセグメント(VEGF遺伝子のプロ モーター)。 50.請求の範囲49に記載のDNAセグメントのDNAを発現するためのプ ロモーターとしての使用。
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