【発明の詳細な説明】
疎水性溶媒と親水性溶媒とを含んでなる洗濯洗剤組成物
技術分野
本発明は、液体組成物およびそれを用いる布帛の洗濯法に関する。
背景技術
酵素と、クリーニング効果の大部分を与える界面活性剤とを含んでなる液体組
成物のような多種多様な液体洗濯組成物が当該技術分野で報告されている。しか
しながら、このような普通に見られる液体クリーニング組成物を綿やポリエステ
ル、ポリアミドなどの合成布帛などの様々な種類の布帛を処理する目的で洗濯用
途に用いるときに見られる問題点は、これらの組成物が脂染み、酵素性染み、泥
/粘土染み、漂白可能な染みなどのあらゆる型の染みについて消費者の要求に十
分に見合う効果的な性能を示さないということである。
従って、本発明の目的は、広汎な染みに対する全般的な染み除去性能を向上す
ることである。
総組成物の0.0001重量%〜5重量%の酵素と、界面活性剤と、疎水性溶
媒、すなわち親水性指数が15未満である溶媒および親水性溶媒、すなわち親水
性指数が15を上回る溶媒を、この親水性溶媒対疎水性溶媒の重量比が10:1
〜2:1で含んでなる溶媒系とを含んでなる液体組成物で布帛をクリーニングす
ることによって、この目的を適えることができることを見出だした。
親水性指数は、下記の式
によって定義される。
実際に、酵素と界面活性剤と前記に定義した溶媒系とを含んでなる液体組成物
を洗濯作業に用いると、脂染み、泥/粘土を含む染み、酵素性染み、並びに漂白
可能な染みなどの様々な型の染みの除去が向上することを見出だした。
本発明の利点は、様々な洗濯用途、例えば、洗濯洗剤、または洗濯添加剤、好
ましくは洗濯前処理剤において、優れた性能が得られることである。
本発明のもう一つの利点は、本明細書に記載されているような溶媒系を本発明
の液体組成物に添加すると、この溶媒系の添加前の組成物の粘度がどのようなも
のであっても、この粘度が減少することである。従って、本発明は、本明細書に
記載の液体組成物であって、粘度を好都合に制御しかつ適正な物理的安定性を保
持し、処方コストを上昇させかつこの組成物の嵩を増しこの組成物のクリーニン
グ性能には寄与しない粘度調節剤を全く加える必要がない、液体組成物も提供す
る。
EP−A−137616号明細書には、エマルションの形態に処方され、pH
が6.5以上であり、溶媒を少なくとも5重量%含んでなる洗濯用液体組成物が
開示されている。このような溶媒としては、テルペンおよびテルペノイド溶媒(
例えば、ピネン、d−リモネン)並びにベンジルアルコール、パラフィンのよう
な他の溶媒が挙げられる。このような組成物による布帛の前処理および洗浄中処
理が開示されている。しかしながら、これらの組成物のいずれも、親水性溶媒対
疎水性溶媒の重量比が10:1〜2:1である親水性溶媒と疎水性溶媒とを含む
溶媒を含んではいない。
発明の開示
本発明は、布帛のクリーニングに適する液体組成物であって、
界面活性剤と、
酵素を総組成物の0.0001重量%〜5重量%と、
親水性指数が15を上回る親水性溶媒と親水性指数が15未満である疎水性
溶媒とを、この親水性溶媒対疎水性溶媒の重量比が10:1〜2:1で含んでな
る溶媒系
とを含んでなり、
親水性指数が、式
によって定義される、液体組成物を包含する。
本発明は、本明細書に記載の液体組成物による布帛のクリーニング法であって
、この組成物をニートの形態で布帛に、好ましくは布帛の汚れた部分だけに適用
した後、この布帛を濯ぎ、または洗浄し、次いで濯ぎを行う段階を含んでなる方
法も包含する。
本発明は、布帛のクリーニング法であって、水性浴中で本明細書記載のニート
形態の液体組成物を希釈し、前記布帛をこの液体組成物を含んでなる水性浴と接
触させた後、この布帛を濯ぎ、または洗浄し次いで濯ぎを行う段階を含む方法も
包含する。
発明を実施するための最良の形態 液体組成物
本発明は、親水性指数が15を上回る親水性溶媒と、親水性指数が15未満の
疎水性溶媒疎水性溶媒とをこの親水性溶媒対疎水性溶媒の重量比が10:1〜2
:1で含んでなる溶媒系を、酵素(0.0001%〜5%)および界面活性剤を
含んでなる液体組成物に加えることによって、特に前処理用途で汚れた布帛を処
理するのに用いるときには、前記溶媒系を含まない、または溶媒の一方の型のみ
、すなわち本明細書で定義した親水性溶媒または疎水性溶媒を含んでなる、また
は
親水性溶媒と疎水性溶媒とを両方とも含んでなるが、本明細書で定義した一方の
溶媒対他方の溶媒の特定の重量比ではない比で含んでなる同じ組成物で得られる
染み除去性能と比較して、向上した染み除去性能が得られるという知見に基づい
ている。
「染み除去性能」とは、本明細書では、脂/油性染み、および/または酵素性
染み、および/または泥/粘土染み、および/または漂白可能な染みのような様
々な染み/汚れについての染み除去性能を意味する。
「脂/油性染み」とは、本明細書では、汚れたモーター油、鉱油、メーキャッ
プ、口紅植物油、スパゲッティーソース、マヨネーズなどのような布帛状に見出
だすことができる脂性の任意の汚れおよび染みを意味する。
酵素性染みの例としては、草、チョコレートおよび血液が挙げられる。漂白可
能な染みの例としては、茶、コーヒー、ワインなどが挙げられる。
染み除去性能例えば、前処理条件下での汚れた布帛に対する所定の組成物の染
み除去性能は、下記の試験法によって評価することができる。本発明による組成
物を、最初に布帛の染みの付いた部分に適用し、約1〜約10分間、好ましくは
5分間その上で作用させた後、前処理した布帛を通常の洗浄条件によって通常の
洗剤組成物を用いて30℃〜70℃の温度で、この布帛を漂白するのに十分な時
間洗浄する。例えば、この染み除去性能試験法に用いられる典型的な汚れの付い
た布帛は、2種類の異なる綿(CW120)およびポリコットン(PCW28)の基材が粘土、
草、スパゲッティーソース、グレービー、汚れたモーター油、メーキャップ、バ
ーベキューソース、茶などで汚れた布帛であって、EMC(Empirical Manufacturin
g Company)、シンシナティー、オハイオ、米国から市販されている。
染み除去性能は、本発明による組成物で前処理した汚れた布帛を、対照物、例
えば本発明による溶媒系を含まない同じ組成物で処理したものと並べて比較する
ことによって評価することができる。目視による等級付け尺度を用いて、パネル
得点単位(psu)の差を0〜4の範囲に割り当てることができる。
第一の本質的要素としては、本発明による液体組成物は、本明細書で定義した
疎水性溶媒と本明細書で定義した親水性溶媒とを、この親水性溶媒対疎水性溶媒
の重量比が10:1〜2:1で含んでなる溶媒系を含んでなる。
「溶媒」とは、本発明では、1個以上のアルコール性基、1個以上のエーテル
基および/または1個以上のケトン基を含むまたは含まない脂肪族性の飽和また
は不飽和炭化水素または芳香族炭化水素などの任意の炭化水素を意味する。
本発明で溶媒の親水性または疎水性を定義するには、下記の親水性指数(HI
)が用いられる。
所定の溶媒の「親水性部分」とは、本明細書では所定の溶媒の総ての基O、C
O、OHを意味する。
「溶媒の親水性部分の分子量」とは、本明細書では所定の溶媒の総ての親水性
部分の総分子量を意味する。
本発明で用いられる親水性溶媒は、親水性指数が15を上回り、好ましくは1
8を上回り、更に好ましくは25を上回り、最も好ましくは30を上回り、本発
明で用いられる疎水性溶媒は、親水性指数が15未満であり、好ましくは14以
下であり、更に好ましくは13以下である。
これらの溶媒は、本発明の液体組成物に、前記の親水性溶媒対疎水性溶媒の重
量比が10:1〜2:1、好ましくは7:1〜3:1、更に好ましくは6:1〜
4:1、最も好ましくは約5:1で含まれることが極めて重要である。実際に、
この様な溶媒系は、酵素と界面活性剤を含んでなる液体組成物に加えると、脂染
み(例えば、汚れたモーター油)、酵素性染み(例えば、血液)および粘土染み
のような様々な型の染み、並びに漂白可能な染み(茶)に対して総体的な染み除
去性能を向上させる。前記の溶媒は、前記液体組成物に含まれる他の活性成分に
対するビヒクルであり、液体組成物が染みに浸透し易くすることができると考え
られる。
典型的には、本発明の液体組成物は、前記の溶媒系を総組成物の0.1重量%
〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、更に好ましくは0.2重
量%〜4重量%、最も好ましくは0.5重量%〜3.5重量%含んでなる。
本発明で用いられる適当な疎水性溶媒としては、パラフィン、テルペンまたは
テルペン誘導体、並びにアルコキシル化脂肪族または芳香族アルコール、脂肪族
または芳香族アルコール、グリコールまたはアルコキシル化したグリコール、お
よびそれらの混合物が挙げられ、これらの溶媒はいずれも親水性指数が15未満
である。
適当なテルペン(親水性指数0)は、単環性および二環性モノテルペン、特に
炭化水素の種類のものであって、テルピネン、テルピノレン、リモネンおよびピ
ネン、およびそれらの混合物が挙げられる。この型の極めて好ましい材料は、d
−リモネン、ジペンテン、α−ピネンおよび/またはβ−ピネンである。例えば発売されている。
親水性指数が15未満のアルコール、アルデヒド、エステルおよびケトンのよ
うなテルペン誘導体を、本発明で用いることもできる。このような材料は、例え
ばテルピネオールおよびリナロールのαおよびβ異性体として発売されている。
総ての種類のパラフィン(親水性指数0)であって、線状または線状でない2
〜20個の炭素、好ましくは4〜10個、更に好ましくは6〜8個の炭素を含む
ものを、本発明で用いることができる。オクタンは、例えばBASFから発売されて
いる。
本発明で用いられる適当な疎水性のアルコキシル化脂肪族または芳香族アルコ
ールは、式
R(A)n−OH
(前記式中、Rは1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有する線状または分岐状の飽和または不飽和アルキル基
であるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有するアルキル置換または非アルキル置換アリール基で
あり、Aはアルコキシ基、好ましくはブトキシ、プロポキシおよび/またはエト
キシであり、nは1〜5、好ましくは1〜2の整数である)によって表される。
本発明で用いられる適当な疎水性のアルコキシル化アルコールは、1−メトキシ
−11−ドデカノール(HI=14)である。
本発明で用いられる適当な疎水性の脂肪族または芳香族アルコールは、式
R−OH
(前記式中、Rは1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有する線状または分岐状の飽和または不飽和アルキル基
であるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有するアルキル置換または非アルキル置換アリール基で
ある)によって表される。本発明で用いられる適当な脂肪族アルコールとしては
、デカノール(HI=7)のような線状アルコールが挙げられる。本発明で用い
られる適当な芳香族アルコールは、3−フェニル−1−ブタノール(HI=13
)である。
本発明で用いられる適当な疎水性グリコールは、式
HO−CR1R2−OH
(前記式中、R1およびR2は独立してHであるか、またはC2−C10の飽和また
は不飽和の鎖状および/または環状の脂肪族炭化水素である)によって表され
る。本発明で用いられる適当なグリコールは、オクタデカングリコール(HI=
12)である。
本発明で用いられる適当な疎水性のアルコキシル化グリコールは、式
R−(A)n−R1−OH
(前記式中、RはH、OHであるか、1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜1
5、更に好ましくは2〜10個の炭素原子を有する線状の飽和または不飽和アル
キルであり、R1はHであるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜
15、更に好ましくは2〜10個の炭素原子を有する線状の飽和または不飽和ア
ルキルであり、Aはアルコキシ基であり、好ましくはエトキシ、メトキシおよび
/またはプロポキシであり、nは1〜5であり、好ましくは1〜2である)によ
って表される。本発明で用いられる適当なアルコキシル化グリコールは、メトキ
シオクタデカノール(HI=11)である。本発明で用いられる特に好ましい疎
水性溶媒としては、d−リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、オク
タン、およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明で用いられる適当な疎水性溶媒としては、アルコキシル化脂肪族または
芳香族アルコール、脂肪族または芳香族アルコール、グリコール、またはアルコ
キシル化グリコール、またはそれらの混合物が挙げられ、これらの溶媒はいずれ
も親水性指数が15を上回る。
本発明で用いられる適当な親水性のアルコキシル化脂肪族または芳香族アルコ
ールは、式
R(A)n−OH
(前記式中、Rは1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有する線状または分岐状の飽和または不飽和アルキル基
であるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有するアルキル置換または非アルキル置換アリール基で
あり、Aはアルコキシ基、好ましくはブトキシ、プロポキシおよび/またはエト
キシであり、nは1〜5、好ましくは1〜2の整数である)によって表される。
本発明で用いられる特に適当なアルコキシル化脂肪族アルコールとしては、メト
キシプロパノール(HI=37)、エトキシプロパノール(HI=32)、プロ
ポキシプロパノール(HI=28)、および/またはブトキシプロパノール(H
I=27)が挙げられる。本発明で用いられる特に適当なアルコキシル化芳香族
アルコールとしては、1−メトキシ−2−フェニル−1−エタノール(HI=2
3)が挙げられる。
本発明で用いられる適当な親水性の脂肪族または芳香族アルコールは、式
R−OH
(前記式中、Rは1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有する線状または分岐状の飽和または不飽和アルキル基
であるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜15、更に好ましくは
2〜10個の炭素原子を有するアルキル置換または非アルキル置換アリール基で
ある)によって表される。本発明で用いられる適当な脂肪族アルコールとしては
、本発明で用いられる特に適当な脂肪族アルコールとしては、エタノール(HI
=37)および/またはプロパノール(HI=28)のような線状アルコールが
挙げられる。本発明で用いられる特に適当な芳香族アルコールは、ベンジルアル
コール(HI=16)である。
本発明で用いられる適当な親水性グリコールは、式
HO−CR1R2−OH
(前記式中、R1およびR2は独立してHであるか、またはC2−C10の飽和また
は不飽和の鎖状および/または環状の脂肪族炭化水素である)によって表される
。本発明で用いられる特に適当なグリコールは、プロパンジオール(HI=45
)および/またはドデカングリコール(HI=16)である。
本発明で用いられる適当な親水性のアルコキシル化グリコールは、式
R−(A)n−R1−OH
(前記式中、RはH、OHであるか、1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜1
5、更に好ましくは2〜10個の炭素原子を有する線状の飽和または不飽和アル
キルであり、R1はHであるか、または1〜20個の炭素原子、好ましくは2〜
15、更に好ましくは2〜10個の炭素原子を有する線状の飽和または不飽和ア
ルキルであり、Aはアルコキシ基であり、好ましくはエトキシ、メトキシおよび
/またはプロポキシであり、nは1〜5であり、好ましくは1〜2である)によ
って表される。本発明で用いられる適当なアルコキシル化グリコールは、メトキ
シオクタデカノール(HI=11)である。本発明で用いられる特に適当なアル
コキシル化グリコールは、エトキシエトキシエタノール(HI=37)である。
本発明で用いられる特に好ましい親水性溶媒は、ベンジルアルコールおよび/
または1−メトキシ−2−プロパノールである。
第二の本質的な要素として、本発明による液体組成物は、酵素またはその混合
物を、総組成物の0.0001重量%〜5重量%、好ましくは0.001重量%
〜2重量%、更に好ましくは0.01重量%〜1重量%の活性酵素の濃度で含ん
でなる。これらの酵素は、液体組成物の染み除去性能に寄与するので、本発明で
望ましい。
本発明で用いられる適当な酵素としては、当業者に知られている任意の酵素が
挙げられる。本発明で用いられる特に適当な酵素としては、セルラーゼ、ヘミセ
ルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコーアミラーゼ、アミラーゼ
、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシ
ダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナ
ーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノ
シダーゼ、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
酵素の好ましい組合せは、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチ
ナーゼおよび/またはセルラーゼである。更に好ましくは、プロテアーゼおよび
/またはアミラーゼがリパーゼとしての脂質分解酵素と組合せて用いられる。
本発明で用いることができるセルラーゼとしては、細菌性または真菌性セルラ
ーゼが両方とも挙げられる。好ましくは、それらの最適pHは5〜9.5である
。適当なセルラーゼは、Barbesgoard et al.の米国特許第4,435,307号
明細書に開示されており、この特許明細書にはHumicola insolensから産生され
る真菌性セルラーゼが開示されている。適当なセルラーゼは、GB−A−2.0
75.028号明細書、GB−A−2.095.275号明細書、およびDE−
OS−2.247.832号明細書にも開示されている。
このようなセルラーゼの例は、Humicola insolensの一菌株(Humicola insolen
s var.thermoidea)によって産生されるセルラーゼであり、特にHumicola菌株DS
M 1800である。
他の適当なセルラーゼは、分子量が約50kDaであり、等電点が5.5であ
り、415個のアミノ酸を含むHumicola insolens由来のセルラーゼである。特
に適当なセルラーゼは、色保護効果を有するセルラーゼである。このようなセル
ラーゼの例は、1991年11月6日出願の欧州特許出願第91202879.
2号明細書(Novo)に記載のセルラーゼである。
好ましい市販のプロテアーゼ酵素としては、Novo Nordisk A/S(デンマーク国
)
で発売されているものが挙げられる。本発明者らの同時係属出願USSN08/
136,797号明細書に記載のプロテアーゼも、本発明の液体組成物に配合す
ることができる。
本明細書で「Protease D」と表される好ましいプロテアーゼは、天然には見ら
れないアミノ酸配列を有するカルボニルヒドロラーゼ変異体であって、好ましく
は1994年10月13日出願の米国特許出願連続番号第08/322,676
号を有する「プロテアーゼ含有クリーニング組成物」という標題のA.Baecketal
.の共存出願された特許出願明細書に記載の、Bacillus amyloliquefaciensズブ
チリシンの付番に準じる+99、+101、+103、+104、+107、+
123、+27、+105、+109、+126、+128、+135、+15
6、+166、+195、+197、+204、+206、+210)+216
、+217、+218、+222、+260)+265、および/または+27
4からなる群から選択されるものに相当する1個以上のアミノ酸残基位置とも組
合せた+76位に相当する前記カルボニルヒドロラーゼのある位置のアミノ酸残
基を異なるアミノ酸で置換することによって前駆体カルボニルヒドロラーゼから
誘導され、前記特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用され
る。
本発明の組成物に配合することができる極めて好ましい酵素としては、リパー
ゼが挙げられる。脂汚れに対するクリーニング性能は、リパーゼを用いることに
よって相乗的に向上することを見出だした。適当なリパーゼ酵素としては、英国
特許第1,372,034号明細書に開示されているように、Pseudomonas stut
zeri ATCC 19.154のようなPseudomonas類の微生物によって産生されるものが
挙げられる。適当なリパーゼとしては、微生物Pseudomonas fluorescens IAM 10
57によって産生されるリパーゼの抗体と正の免疫学的交差反応を示すものが挙げ
ら
品名でAmano Pharmaceutical Co.,Ltd.、名古屋、日本から発売されている。他
パーゼである。極めて好ましいリパーゼは、米国特許出願連続番号第08/34
1,826号明細書に記載のHumicola lanuginosa由来の生のリパーゼのD96L脂
この酵素は、本発明による組成物に、洗浄溶液1リットル当たり50LU〜85
00LUの濃度で配合される。好ましくは、変異体D96Lは、洗浄溶液1リットル
当たり100LU〜7500LUの濃度で含まれる。更に好ましくは、洗浄溶液
1リットル当たり150LU〜5000LUの濃度で含まれる。
D96L脂質分解酵素変異体とは、特許出願WO92/05249号明細書に記載
のリパーゼ変異体、すなわちHumicola lanuginosa由来の生のリパーゼの96位
のアスパラギン酸(D)残基がロイシン(L)に代わったものを意味する。この
命名法によれば、この96位のアスパラギン酸からロイシンへの置換は、D96Lと
して示される。
リパーゼの特殊な種類と考えることができるクチナーゼ[EC 3.1.1.50]、すな
わち界面活性化を必要としないリパーゼも適当である。クチナーゼの洗剤組成物
への添加は、例えばWO−A−88/09367号明細書(Genencor)に記載され
ている。
アミラーゼ(αおよび/またはβ)は、炭水化物を基材とする染みの除去の目
上記の酵素は植物、動物、細菌、真菌および酵母などいかなる好適な源からで
あってもよい。
第三の本質的要素として、本発明による液体組成物は、界面活性剤またはその
混合物を含んでなる。
ノニオン性、アニオン性、カチオン性、双性イオン性および/または両性界面
活性剤などの当業者に知られている任意の界面活性剤が、本発明で適当であるこ
とがある。このような界面活性剤は、本発明による組成物の染み除去特性に寄与
する。
本発明の液体組成物は、界面活性剤またはその混合物を、総組成物の0.1重
量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%、更に好ましくは8重量%
〜20重量%含んでなる。
ノニオン性界面活性剤は、性能上の理由で本発明で極めて好ましい。本発明で
用いられる適当なノニオン性界面活性剤は、市販されておりかつ様々な脂肪族ア
ルコール鎖長と様々なエトキシル化度を有する脂肪族アルコールエトキシレート
および/またはプロポキシレートである。実際に、このようなアルコキシル化し
たノニオン性界面活性剤のHLB値は、本質的に脂肪族アルコールの鎖長、アル
コキシル化の性質およびアルコキシル化度によって変化する。ノニオン性界面活
性剤などの多数の界面活性剤をそれらのそれぞれのHLB値と共に記載している
界面活性剤目録が利用できる。
本発明で用いるノニオン性界面活性剤の適当な化学的製造法としては、相当す
るアルコールとアルキレンオキシドとの所望な比での縮合が挙げられる。このよ
うな方法は、当業者に周知であり、当該技術分野で広範囲に記載されている。あ
るいは、本発明で用いるのに適当な多種多様のアルコキシル化アルコールが、様
々な供給業者から発売されている。
ノニオン性界面活性剤として本発明で用いられる特に適当なものは、HLB(
親水性−親油性バランス)が16以下であり、好ましくは15以下であり、更に
好ましくは12以下であり、最も好ましくは10以下である疎水性のノニオン性
界面活性剤である。これらの疎水性のノニオン性界面活性剤は、良好なグリース
切断特性を提供することが見出だされている。
本発明による組成物に用いられる好ましい疎水性のノニオン性界面活性剤は、
HLBが16以下であり、式
RO−(C2H4O)n(C3H6O)mH
(前記式中、RはC6〜C22アルキル鎖またはC6〜C28アルキルベンゼン鎖であ
り、n+mは0〜20であり、nはO〜15であり、mは0〜20であり、好ま
しくはn+mは1〜15であり、nおよびmは0.5〜15であり、更に好まし
くはn+mは1〜10であり、nおよびmは0〜10である)を有する界面活性
剤である。従って、本発明で用いられる適当な疎水性のノニオン性界面活性剤
=8、RはC13アルキル鎖であり、nは3であり、mは0である)、またはLute
〜C15アルキル鎖長の範囲であり、nは3であり、mは0である)、またはDoba
とC13アルキル鎖の混合物であり、nは2であり、mは0である)、またはDoba
とC13アルキル鎖の混合物、nは6.5であり、mは0である)、またはDobano
C11アルキル鎖の混合物であり、nは5であり、mは0である)、またはDobano
C9とC11アルキル鎖の混合物であり、nは8であり、mは0である)、または
nは10であり、mは0である)、またはそれらの混合物である。本発明で好ま剤は、UNION CARBIDEから発売されている。ノニオン性界面活性剤は、Surfonic
本発明で用いられる他の適当なノニオン性界面活性剤としては、式
R2−C(O)−N(R1)−Z
(前記式中、R1はHであるか、またはC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロアル
キル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、またはそれらの混合物
であり、R2はC5〜C31ヒドロカルビルであり、Zは線状ヒドロカルビル鎖を有
し、少なくとも3個のヒドロキシルが鎖に直接結合しているポリヒドロキシヒド
ロカルビルであるか、またはそのアルコキシル化誘導体である)を有するポリヒ
ドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤、またはその混合物が挙げられる。
好ましくは、R1はC1〜C4アルキルであり、更に好ましくはC1またはC2ア
ルキルであり、最も好ましくはメチルであり、R2は直鎖状C7〜C19アルキルま
たはアルケニルであり、好ましくは直鎖状C9〜C18アルキルまたはアルケニル
であり、更に好ましくは直鎖状C11〜C18アルキルまたはアルケニルであり、最
も好ましくは直鎖状C11〜C14アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合
物である。Zは、好ましくは還元的アミノ化反応で還元糖から誘導され、更に好
ましくは、Zはグリシチルである。適当な還元糖としては、グルコース、フルク
トース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、およびキシロー
スが挙げられる。原料としては、高デキストローストウモロコシシロップ、高フ
ルクトーストウモロコシシロップ、および高マルトーストウモロコシシロッ
プ、並びに前記の個々の糖を用いることができる。これらのトウモロコシシロッ
プは、Zの糖成分の混合物を生じることができる。これは、他の適当な原料を除
外しようとするものではないことを理解すべきである。Zは、好ましくは−CH2
−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH)−(CHOH)n-1−CH2
OH、−CH2−(CHOH)2−(CHOR’)(CHOH)−CH2OH(式
中、nは3〜5の整数であり、R’はHであるか、または環状または脂肪族単糖
、およびそれらのアルコキシル化誘導体である)からなる群から選択される。最
も好ましいものは、グリシチル(但し、nは4である)であって、特にCH2−
(CHOH)4−CH2OHである。
式R2−C(O)−N(R1)−Zにおいて、R1は、例えばN−メチル、N−
エチル、N−プロピル、N−イソプロピル、N−ブチル、N−2−ヒドロキシエ
チル、またはN−2−ヒドロキシプロピルであることができる。R2−C(O)
−N<は、例えばコカミド、ステアルアミド、オレアミド、ラウルアミド、ミリ
ストアミド、カプリックアミド、パルミトアミド、獣脂アミドなどであることが
できる。Zは1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル、1−デオキ
シマルチチル、1−デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオ
キシマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチルなどであることができる。
本発明で用いられる適当なポリヒドロキシル脂肪酸アミド界面活性剤は、Hoec
ポリヒドロキシル脂肪酸アミド界面活性剤の製造法は、当該技術分野で知られ
ている。一般に、それらは、還元的アミノ化反応でアルキルアミンを還元糖と反
応させて相当するN−アルキルポリヒドロキシアミンを形成した後、N−アルキ
ルポリヒドロキシアミンを縮合/アミド化段階で脂肪族性の脂肪酸エステルまた
はトリグリセリドと反応させて、N−アルキル、N−ポリヒドロキシ脂肪酸アミ
ド生成物を形成させることによって製造することができる。ポリヒドロキシ脂肪
酸アミドを含む組成物の製造法は、例えばThomas Hedley & Co.,Ltd.によって
1959年2月18日公表の英国特許第809,060号明細書、1960年1
2月20日にE.R.Wilsonに発行された米国特許第2,965,576号明細書
、1955年3月8日発行のAnthony M.Schwartzの米国特許第2,703,7
98号明細書、1934年12月25日にPiggottに発行された米国特許第1,
985,424号明細書、およびWO92/06070号明細書に開示されてお
り、これらの特許明細書のそれぞれの内容は、その開示の一部として本明細書に
引用される。
本発明で用いられる他のノニオン性界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤
である。本発明の組成物は、一般式
R1(EO)x(PO)y(BO)zN(O)(CH2R’)2・qH2O (I)
を有するアミンオキシドを含んでなることができる。
一般に、構造(I)は、1個の長鎖残基R1(EO)x(PO)y(BO)zと、2
個の短鎖残基CH2R’を提供する。R’は、好ましくは水素、メチルおよび−
CH2OHから選択される。一般に、R1は、飽和または不飽和であることができ
る第一または分岐状のヒドロカルビル残基であり、好ましくはR1は第一アルキ
ル残基である。x+y+z=0であるときには、R1は鎖長が約8〜約18のヒ
ドロカルビル残基である。x+y+zが0以外であるときには、R1は幾分長く
なり、C12〜C24の範囲の鎖長を有することができる。一般式は、アミンオキシ
ドであって、x+y+z=0、R1=C8〜C18、R’=Hであり、q=0〜2、
好ましくは2であるものも包含する。これらのアミンオキシドとしては、C12 〜 14
アルキルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、オ
クタデシルアミンオキシド、およびそれらの水和物、特に米国特許第5,075
,501号明細書および第5,071,594号明細書に開示されている二水和
物が挙げられ、前記特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書
に引用される。
本発明は、アミンオキシドであって、x+y+zが0以外であり、具体的には
x+y+zが約1〜約10であり、R1が8〜約24個の炭素、好ましくは約12
〜約16個の炭素原子を含む第一アルキル基であり、これらの態様において、y
+zは好ましくは0であり、xは好ましくは約1〜約6であり、更に好ましくは
約2〜約4であり、EOがエチレンオキシであり、Pがプロピレンオキシであり
、BOがブチレンオキシであるものも包含する。このようなアミンオキシドは、
通常の方法によって、例えばアルキルエトキシスルフェートとジメチルアミンと
の反応の後、エトキシル化アミンを過酸化水素で酸化することによって調製する
ことができる。
本発明で極めて好ましいアミンオキシドは、周囲温度で固形物であり、更に好
ましくは融点が30℃〜90℃である。本発明で用いるのに好適なアミンオキシ
ドは、Akzo Chemie、Ethyl Corp.、およびProcter & Gambleなどの多数の供給業
者によって商業的に製造されている。他のアミンオキシド製造業者については、
McCutcheonの編纂物、およびKirk-Othmerの総説を参照されたい。好ましい市販
本発明で用いられる好ましいアミンオキシドとしては、ヘキサデシルジメチル
アミンオキシド二水和物、ドデシルジメチルアミンオキシド二水和物、オクタデ
シルジメチルアミンオキシド二水和物、ヘキサデシルトリス(エチレンオキシ)
ジメチルアミンオキシド、およびテトラデシルジメチルアミンオキシド二水和物
が挙げられる。
一方、R’=Hである好ましい態様のあるものでは、R’がHより若干大きな
ものに関して幾分許容度がある。具体的には、本発明は、R’=CH2OHであ
る態様、例えばヘキサデシルビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、獣
脂ビス(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ステアリルビス(2−ヒドロ
キシエチル)アミンオキシド、およびオレイルビス(2−ヒドロキシエチル)ア
ミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド二水和物も包含する。
本発明による液体組成物は、アニオン性界面活性剤のような他の界面活性剤、
またはそれらの混合物を含んでなることができる。アニオン性界面活性剤は、湿
潤剤として作用し、すなわち、洗濯用途では布帛、特に親水性布帛上の染みを濡
らすので、本発明に好適である。更に、アニオン性界面活性剤は、前記組成物が
疎水性界面活性剤のような疎水性成分を含んでなるときにも、透明な組成物を得
ることができる。
本発明で用いるのに特に適当なものは、スルホン酸塩および硫酸塩界面活性剤
である。同様なアニオン性界面活性剤は当該技術分野で周知であり、商業的洗剤
に広い用途を見出だしている。これらのアニオン性界面活性剤としては、C8〜
C22Kアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、C8〜C22アルキル硫酸塩(
AS)、オレイル硫酸塩のような不飽和硫酸塩、C10〜C18アルキルアルコキシ
硫酸塩(AES)、およびC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩が挙げら
れる。アニオン性の合成スルホン酸塩および/または硫酸塩に対する中和カチオ
ンは、ナトリウム、カリウムまたはアルカノールアンモニウムのような洗剤技術
で広く用いられている通常のカチオンによって表される。本発明で好ましいもの
は、アルキル硫酸塩、特にアルキル鎖に6〜18個の炭素原子、好ましくは8〜
15個を有するココナッツアルキル硫酸塩、またはその混合物である。
洗剤目的に有用な他のアニオン性界面活性剤を、本発明で用いることもできる
。これらには、石鹸の塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、およ
びモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン塩のような置換アンモニウム塩)、
C8〜C22第一または第二アルカンスルホン酸塩、C8〜C24オレフィンスルホン
酸塩、例えば英国特許第1,082,179号明細書に記載のアルカリ土類金
属クエン酸塩の熱分解生成物のスルホン化によって調製されるスルホン化ポリカ
ルボン酸、C8−C24アルキルポリグリコールエーテル硫酸塩(エチレンオキシ
ド10モルまでを含む)、C14 〜16メチルエステルスルホン酸塩のようなアルキ
ルエステルスルホン酸塩、アシルグリセロールスルホン酸塩、脂肪族オレイルグ
リセロール硫酸塩、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテル硫酸塩、パラ
フィンスルホン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アシルイセチオネートのようなイ
セチオン酸塩、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメートおよびスルホス
クシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に、飽和および不飽和のC12
〜C18モノエステル)、スルホスクシネートのジエステル(特に、飽和および
不飽和のC6〜C14ジエステル)、アルキルポリグルコシドの硫酸塩のようなア
ルキル多糖類の硫酸塩が挙げられる(ノニオン性の非硫酸化化合物は、以下に記
載する)。樹脂酸および水素化樹脂酸、例えばロジン、水素化ロジン、およびタ
ル油に含まれているまたはから誘導される樹脂酸および水素化樹脂酸も適当であ
る。他の例は、「界面活性剤および洗剤(Surface Active Agents and Detergent
s)」(第IおよびII巻、Schwartz,PerryおよびBerch共著)に示されている。様
々なこのような界面活性剤は、1975年12月30日にLaughlin et al.に発
行された米国特許第3,929,678号明細書、第23欄、58行目〜第29
欄、23行目にも総括的に開示されている(前記特許明細書の内容は、その開示
の一部として本明細書に引用される)。
本発明で用いられる他の適当なアニオン性界面活性剤としては、酸および/ま
たは塩形態でのアシルサルコシン酸塩またはその混合物、好ましくは下記の式
(前記式中、Mは水素またはカチオン性残基であり、Rは11〜15個の炭素原
子、好ましくは11〜13個の炭素原子を有するアルキル基である)を有する長
鎖アシルサルコシン酸塩も挙げられる。好ましいMは水素およびアルカリ金属塩
、特にナトリウムおよびカリウムである。前記のアシルサルコシン酸塩界面活性
剤は、天然の脂肪酸およびアミノ酸サルコシン(N−メチルグリシン)から誘導
される。それらは、それらの塩の水溶液としてまたは粉末のようなそれらの酸性
形態で用いるのに適している。天然脂肪酸の誘導体であるため、これらのアシル
サルコシン酸塩は、速やかにかつ完全に生物分解性であり、良好な皮膚適合性を
有する。
従って、本発明で用いられる特に好ましい長鎖アシルサルコシン酸塩としては
、C12アシノけルコシン酸塩(すなわち、前記式(式中、Mは水素であり、Rは
11個の炭素原子を有するアルキル基である)を有するアシルサルコシン酸塩)
、およびC14アシノけルコシン酸塩(すなわち、前記式(式中、Mは水素であり
、Rは13個の炭素原子を有するアルキル基である)を有するアシルサルコシン
酸塩)が挙げられる。C12アシルサルコシン酸塩は、例えばHampshire製のHampo
sy
本発明の液体組成物に使用するのに特に適当なカチオン性界面活性剤は、1個
の長鎖ヒドロカルビル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤
の例としては、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物のようなアンモニウ
ム界面活性剤、および式
[R2(OR3)y][R4(OR3)y]2R5N+X-
(前記式中、R2はアルキル鎖に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキルまた
はアルキルベンジル基であり、それぞれのR3は−CH2CH2−、−CH2CH(
CH3)−、−CH2CH(CH2OH)−、−CH2CH2CH2−、およびそれら
の混合物からなる群から選択され、それぞれのR4は、C1〜C4
アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、2個のR4を結合することによって形
成されるベンジル環構造、−CH2CHOH−CHOHCOR6CHOHCH2O
H(式中、R6は分子量が約1000未満の任意のヘキソースまたはヘキソース
ポリマーである)、およびyが0でないときには、水素からなる群から選択され
、R5はR4と同一であるか、またはR2とR5との炭素原子の総数が約18以下で
あるアルキル鎖であり、それぞれのyは0〜約10であり、yの値の和は0〜約
15であり、Xは任意の適合性アニオンである)を有する界面活性剤が挙げられ
る。
好ましいカチオン性界面活性剤は、式
R1R2R3R4N+X- (i)
(前記式中、R1はC8〜C16アルキルであり、R2、R3、およびR4のそれぞれ
は独立してC1〜C4アルキル、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ベンゼン、および
−(C2H4O)xH(式中、xの値は1〜5)であり、Xはアニオンである)を
有する本発明の組成物に有用な水溶性の第四アンモニウム化合物である。R2、
R3、またはR4の1個以下がベンジルであるべきである。
R1についての好ましいアルキル鎖長は、C12〜C15であり、特にアルキル基
がココナッツまたはパーム核脂から誘導される鎖長の混合物であるか、またはオ
レフィン増成またはOXOアルコール合成によって合成的に誘導されるものであ
る。R2、R3およびR4についての好ましい基は、メチルおよびヒドロキシエチ
ル基であり、アニオンXは、ハロゲン化物、メトスルフェート、アセテートおよ
びホスフェートイオンから選択することができる。
本発明で用いられる適当な第四アンモニウム化合物の例は、
ココナッツトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
デシルトリエチルアンモニウムクロリド、
デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
C12〜15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはブロミド、
ラウリルジメチル(エテンオキシ)アンモニウムクロリドまたはブロミド、
コリンエステル(式(i)の化合物であって、R1が−CH2−O−C(O)−
C12〜14アルキルであり、R2、R3およびR4がメチルであるもの)
である。
本発明で用いられる他のカチオン性界面活性剤は、1980年10月14日発
行のCambreの米国特許第4,228,044号明細書にも記載されている。
本発明により用いられる組成物は、液体でなければならない。本発明で用いら
れる「液体」とは、「ペースト状」組成物を包含し、液体組成物は、本発明では
好ましくは20℃でスピンドルNo.2を用いてブルックフィールド粘度計で5
0rpmの剪断速度でまたは20℃で50ダイン/cm2でキャリーメッドレオ
メーターで測定したときの粘度が1cps〜10000cpsであり、好ましく
は100cps〜1000cpsであり、更に好ましくは150cps〜600
cpsであり、最も好ましくは200cps〜500cpsである。
好ましくは、本発明で用いられる組成物は、水性である。この水性組成物は、
pHが5〜12であり、好ましくは6〜10であり、更に好ましくは7〜9であ
る。組成物のpHは、例えば有機または無機酸、またはアルカリ化剤を用いるこ
とによって調整することができる。
本発明による液体組成物は、物理的に安定である。「物理的に安定」とは、本
発明では、本発明の組成物が、強制条件下に、例えば50℃の温度で2週間暴露
するときに2以上の相に分離しないことを意味する。
本発明による組成物は、更にビルダー、安定剤、キレート化剤、染料移り剤(d
ye transfer agents)、ラジカルスカベンジャー、溶媒、増白剤、起泡抑制剤、
香料、汚れ懸濁ポリアミンポリマー、ポリマー性汚れ放出剤、触媒、漂白剤、漂
白活性剤、および染料のような他の任意成分も含んでなることができる。布帛のクリーニング法
本発明は、本明細書に記載の、液体組成物から出発する布帛のクリーニング法
も包含する。
本発明の布帛のクリーニング法は、本明細書で上記したように、布帛をニート
または希釈した液体組成物と接触させた後、この布帛を濯ぐ段階を含んでいる。
好ましい態様では、布帛を「前処理」するときには、液体組成物をニートで布帛
に適用し、次いで、布帛を濯ぎ、または洗浄した後、通常の洗浄サイクルで濯ぐ
。本発明者らは、本発明の液体組成物を用い、布帛の汚れた部分と直接接触させ
た後、布帛を洗浄/濯ぎを行うと、染み除去性能の向上が特に顕著であることを
観察した。
本発明のクリーニング工程では、酵素、界面活性剤および前記の溶媒系を含ん
でなる液体組成物をクリーニングを行う布帛と接触させる必要がある。これは、
液体組成物をニートで前記の布帛に適用した後、布帛を濯ぎ、または洗浄した後
濯ぎを行ういわゆる「前処理方式」で、または液体組成物を最初に水槽中で希釈
して、布帛を水槽に浸しまたは浸漬した後、濯ぎを行う「浸漬方式」で、または
液体組成物を典型的な洗濯洗剤の解離または分散によって形成した洗浄液の最上
部に加える「洗浄中方式(throgh the wash mode)」で行うことができる。上記の
ように、本発明の工程を行うための組成物は、固形物または気体とは異なり、液
体状である。
本発明によるこれらの方法では、布帛を前記液体組成物と接触させ、この組成
物が完全に乾燥してしまう前に布帛を濯ぐことも重要である。
前処理方式では、この方法は、ニート状のこの液体組成物を布帛または少なく
ともその汚れた部分に適用し(すなわち、本明細書に記載の前記液体組成物を何
ら希釈することなく前記布帛に直接適用し)、次いでこの布帛を濯ぎまたは洗浄
の後濯ぎを行う段階を含んでなる。この方式では、ニート組成物は、場合によっ
ては1分間〜1時間、好ましくは1分間〜30分間の時間前記布帛上で作用させ
たままにした後、組成物が前記布帛上で乾燥しないという条件で、濯ぎまたは洗
浄後濯ぎを行う。特にひどい染みに対しては、この布帛をスポンジまたはブラシ
で更に擦りまたはブラッシングし、または布帛の2片を互いに擦り合わせること
が適当であることがある。
「浸漬」と一般に呼ばれるもう一つの方式では、この方法は、ニート状の液体
組成物を水槽で希釈して、希釈組成物を形成させる段階を含んでなる。水槽中の
前記液体組成物の希釈濃度は、典型的には1:85までであり、好ましくは1:
50までであり、更に好ましくは約1:25(組成物:水)である。次いで、布
帛を、液体組成物を含んでなる水槽と接触させ、布帛を最後に濯ぎ、または洗浄
の後濯ぎを行う。好ましくは、この態様では、布帛を液体組成物を含んでなる水
槽中に浸し、かつまた好ましくは布帛を水槽中で、30分間〜48時間、好まし
くは1時間〜24時間の時間浸漬させたままにする。
「浸漬」の下位態様と考えられ、一般に「洗浄中漂白」と呼ばれる更にもう一
つの方式では、液体組成物は、いわゆる洗濯添加剤として用いられる。また、こ
の態様では、水槽は、通常の洗濯洗剤を水に溶解または分散することによって形
成される。ニート状の液体組成物を水槽と接触させ、次に布帛を、液体組成物を
含む水槽と接触させる。最後に、布帛の濯ぎを行う。任意成分
本発明による組成物は、任意であるが極めて好ましい成分としてキレート化剤
を含んでなることができる。実際に、このようなキレート化剤は、本発明の液体
組成物の効果に更に寄与し、すなわち、それらは更に本発明の液体組成物の染み
除去特性を向上させる。また、それらは、汚れの付いた着色した布帛を、長時間
の接触時間で前処理した後に、この布帛を洗浄するのに用いることができる本発
明の液体組成物の安全性の側面に寄与する。
本発明で用いられる適当なキレート化剤としては、ホスホン酸塩キレート化剤
、アミノカルボン酸塩キレート化剤、多官能価置換芳香族キレート化剤、および
グリシン、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マロン酸、またはそれ
らの混合物のような他のキレート化剤の群から選択されるキレート化剤が挙げら
れる。キレート化剤を用いるときには、本発明では典型的には総組成物の0.0
01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜2重量%の範囲の量で含ま
れる。
本発明で用いられる適当なホスホン酸塩としては、エチドロン酸、並びにアミ
ノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、アミノアルキレンポリ(アルキレ
ンホスホン酸塩)、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシニホスホン酸塩、ニトリ
ロトリメチレンホスホン酸塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、
およびジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩などのアミノホスホン
酸塩化合物が挙げられる。ホスホン酸塩化合物は、その酸形態でまたはその酸官
能基の幾つかまたは総てに対する様々なカチオンの塩として存在することができ
る。本発明で用いられる好ましいホスホン酸塩キレート化剤は、ジエチレンペン
タメチレンホスホン酸塩、およびアミノトリ(メチレンホスホン酸)である。ホ
多官能価置換芳香族キレート化剤を、本発明の組成物で用いることもできる。
1974年5月21日にConnor et al.に発行された米国特許第3,812,0
44号明細書を参照されたい。酸型でのこの種の好ましい化合物は、1,2−ジ
ヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼン
である。
本発明で用いられる好ましい生物分解性キレート化剤は、エチレンジアミンN
,N’−二コハク酸、またはそのアルカリ金属またはアルカリ土類、アンモニウ
ムまたは置換アンモニウム塩、またはそれらの混合物である。エチレンジアミン
N,N’−二コハク酸、特に(S,S)異性体は、1987年11月3日のHart
manおよびPerkinsに対する米国特許第4,704,233号明細書に詳細に記載
されている。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸は、例えばPalmer Researc
本発明で用いられる適当なアミノカルボン酸塩としては、エチレンジアミン四
酢酸塩類、ジエチレントリアミン五酢酸塩類、ジエチレントリアミン五酢酸塩(
DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩類、ニトリロ三酢
酸塩類、エチレンジアミン四プロピオン酸塩類、トリエチレンテトラアミン六酢
酸塩類、エタノールーグリシン類、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、お
よびグリシン二酢酸(MGDA)であって、いずれもそれらの酸型、またはそれ
らのアルカリ金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩型でのものが挙げら
れる。本発明で用いられる特に適当なアミノカルボン酸塩は、ジエチレン五酢酸
、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)であって、例えばBASFからTrilon F
である。
本発明で用いられるもう一つの好ましいキレート化剤は、式
(前記式中、R1、R2、R3、およびR4は、独立して−H、アルキル、アルコ
キシ、アリール、アリールオキシ、−Cl、−Br、−NO2、−C(O)R’
、および−SO2R”であって、R’が−H、−OH、アルキル、アルコキシ、
アリール、およびアリールオキシからなる群から選択され、R”がアルキル、ア
ルコキシ、アリール、およびアリールオキシからなる群から選択されるものであ
り、R5、R6、R7およびR8が、独立して、−Hおよびアルキルからなる群から
選択される)を有するものである。
本発明で用いられる特に好ましいキレート化剤は、ATMP、ジエチレントリ
アミンメチレンホスホン酸塩、エチレンN,N’−二コハク酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸塩、グリシン、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マロ
ン酸、またはそれらの混合物である。
本発明による組成物は、蛍光増白剤としてラジカルスカベンジャーを含んでな
ることができる。本発明で用いられる適当なラジカルスカベンジャーとしては、
周知の置換したモノおよびジヒドロキシベンゼンおよびそれらの類似体、アルキ
ルおよびアリールカルボン酸塩類、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明
で用いるのに好ましいこのようなラジカルスカベンジャーとしては、ジ−第三ブ
チルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−第三ブチルヒドロキノ
ン、モノ−第三ブチルヒドロキノン、第三ブチル−ヒドロキシアニソール、安息
香酸、トルイル酸、カテコール、第三ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタ
ン、n−プロピル−没食子酸塩、またはそれらの混合物が挙げられ、極めて好ま
しいものは、ジ−第三ブチルヒドロキシトルエンである。ラジカルスカベンジャ
ーを用いるときには、典型的には、本発明では総組成物の0.001重量%〜2
重量%、好ましくは0.001重量%〜0.5重量%の範囲の量で含まれる。
本発明による液体組成物は、更に汚れ懸濁ポリアミンポリマーまたはその混合
物を、任意であるが極めて好ましい成分として含んでなることができる。当業者
に知られている任意の汚れ懸濁ポリアミンポリマーを、本発明で用いることもで
きる。本発明で用いられる特に適当なポリアミンポリマーは、ポリアルコキシル
化ポリアミンである。このような材料は、好都合には、繰返し単位および
(前記式中、Rは、通常は2〜6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり
、R1はC1〜C20の炭化水素であり、アルコキシ基はエトキシ、プロポキシなど
であり、yは2〜30であり、最も好ましくは10〜20であり、nは少なくと
も2、好ましくは2〜20)最も好ましくは3〜5の整数であり、X ̄は四級化
反応から生じるハロゲン化物またはメチル硫酸塩のようなアニオンである)を有
する経験的構造の分子として表すことができる。
本発明で用いるのに最も好ましいポリアミンは、いわゆるエトキシル化ポリエ
チレンアミン、すなわち、y=2〜30であるときに、式
を有するエチレンオキシドとエチレンイミンとの重合反応生成物である。本発明
で用いるのに特に好ましいモノは、エトキシル化ポリエチレンアミン、特にエト
キシル化テトラエチレンペンタミン、および四級化エトキシル化ヘキサメチレン
ジアミンである。
前記の汚れ懸濁ポリアミンポリマーは、本発明の効果に寄与する、すなわち酵
素と界面活性剤を含んでなる液体組成物において前記溶媒系の最上部に加えると
、特に洗濯前処理条件下では、前記組成物の染み除去性能を更に向上させること
を意外にも見出だした。実際に、それらは、脂染み、酵素染み、粘土/泥染みな
どの様々な染み、並びに漂白可能な染みに対する染み除去性能を改良する。
典型的には、組成物は、このような汚れ懸濁ポリアミンポリマーまたはその混
合物を総組成物の10重量%まで、好ましくは0.1重量%〜5重量%、更に好
ましくは0.3重量%〜2重量%含んでなる。
本発明の組成物は、当業者に知られている他のポリマー性の汚れ懸濁剤を含ん
でなることもできる。このようなポリマー性の汚れ懸濁剤は、ポリエステルやナ
イロンのような疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維
に付着して、洗浄および濯ぎサイクルの完了までそこに付着したままになり、親
水性部分のアンカーとして作用する疎水性部分とを有することを特徴とする。こ
れにより、汚れ放出剤で処理した後に存在する染みを、後の洗浄処理で一層容易
にクリーニングすることができる。
本発明で用いられるポリマー性の汚れ放出剤としては、特に(a)(i)重合度が少
なくとも2のポリオキシエチレン部分、または(ii)重合度が2〜10のオキシプ
ロピレンまたはポリオキシプロピレン部分であって、これがそれぞれの末端でエ
ーテル結合によって隣接残基に結合しない限りオキシプロピレン単位を包含しな
い前記親水性部分、または(iii)オキシエチレンを含んでなるオキシアルキレン
単位と1〜約30個のオキシプロピレン単位との混合物であって、汚れ放出剤が
表面に付着することによって従来のポリエステル合成繊維表面の親水性を増加す
るのに十分な親水性を親水性成分が有するようにする十分な量のオキシエチレ
ン単位を含む前記混合物から本質的になる1個以上のノニオン性の親水性成分、
または(b)(i)C3オキシアルキレンテレフタレート部分であって、前記の疎水性
成分もオキシエチレンテレフタレートを含んでなる場合には、オキシエチレンテ
レフタレート:C3オキシアルキレンテレフタレート単位の比が約2:1以下で
あるもの、(ii)C4〜C6アルキレンまたはオキシC4〜C6アルキレン部分、また
はそれらの混合物、(iii)重合度が少なくとも2であるポリ(ビニルエステル)
部分、好ましくはポリビニルアセテート、または(iv)C1〜C4アルキルエーテル
、またはC4ヒドロキシアルキルエーテル置換基、またはそれらの混合物であっ
て、C1〜C4アルキルエーテルまたはC4ヒドロキシアルキルエーテルセルロー
ス誘導体、またはそれらの混合物の形態で存在し、かつこのようなセルロース誘
導体が両親媒性であり、これにより従来のポリエステル合成繊維表面に付着する
のに十分な濃度のC1〜C4アルキルエーテルおよび/またはC4ヒドロキシアル
キルエーテルを有し、このような従来の合成繊維表面に一旦付着したならば、繊
維表面の親水性を増加するのに十分な濃度のヒドロキシルを保持する前記置換基
を含んでなる1個以上の疎水性成分、または(a)と(b)との組合せを有する汚れ放
出剤が挙げられる。
典型的には、(a)(i)のポリオキシエチレン部分は、重合度が約1〜約200で
あり、これより高レベルを用いることができるが、好ましくは3〜約150、更
に好ましくは6〜約100である。適当なオキシC4〜C6アルキレン疎水性部分
としては、1988年1月26日にGosselinkに発行された米国特許第4,72
1,580号明細書に開示されているMO3S(CH2)nCH2CH2O−(式中
、Mはナトリウムであり、nは4〜6の整数である)のようなポリマー性汚れ放
出剤の末端キャップが挙げられるが、これに限定されない。
本発明で用いられるポリマー性の汚れ放出剤としては、ヒドロキシエーテルセ
ルロース性ポリマーのようなセルロース誘導体、エチレンテレフタレートまたは
プロピレンテレフタレートとポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシ
ドテレフタレートとの共重合性ブロックなども挙げられる。このような薬剤は市
販されており、METHOCEL(Dow)のようなセルロースのヒドロキシエーテルが挙げ
られる。本発明で用いられるセルロース性汚れ放出剤としては、C1〜C4アルキ
ルまたはC4ヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択されるものも挙
げられ、1976年12月28日にNicol et al.に発行された米国特許第4,
000,093号明細書を参照されたい。
ポリ(ビニルエステル)疎水性部分を特徴とする汚れ放出剤としては、ポリ(
ビニルエステル)のグラフトコポリマー、例えばC1〜C6ビニルエステル、好ま
しくはポリエチレンオキシド主鎖のようなポリアルキレンオキシド主鎖にグラフ
トしたポリ(ビニルアセテート)が挙げられる。1987年4月22日にKud et
al.によって公表された欧州特許出願第0 219 048号明細書を参照され
たい。この種の市販の汚れ放出剤としては、SOKALAN型の材料、例えばBASF(西
ドイツ)から発売されているSOKALAN HP-22が挙げられる。
好ましい汚れ放出剤の一つの型は、エチレンテレフタレートとポリエチレンオ
キシド(PEO)テレフタレートとのランダムブロックを有するコポリマーであ
る。このポリマー性汚れ放出剤の分子量は、約25,000〜約55,000の
範囲である。1976年5月25日にHaysに発行された米国特許第3,959,
230号明細書、および1975年7月8日にBasadurに発行された米国特許第
3,893,929号明細書を参照されたい。エチレンテレフタレート単位10
〜15重量%と、平均分子量300〜5,000のポリオキシエチレングリコー
ルから誘導されたポリオキシエチレンテレフタレート単位90〜80重量%を含
むエチレンテレフタレート単位の反復単位を有するポリエステルである。このポ
リエステルの例としては、市販の材料ZELCON 5126(Dupont製)およびMILEASE T
(ICI製)が挙げられる。1987年10月27日にGosselinkに発行された米国
特許第4,702,857号明細書も参照されたい。
もう一つの好ましいポリマー性汚れ放出剤は、テレフタロイルおよびオキシア
ルキレンオキシ反復単位のオリゴマー性エステル主鎖と、この主鎖に共有結合し
た末端基からなる実質的に線状のエステルオリゴマーのスルホン化生成物である
。これらの汚れ放出剤は、1990年11月6日にJ.J.ScheibelおよびE.P.Go
sselinkに発行された米国特許第4,968,451号明細書に詳細に記載され
ている。他の適当なポリマー性汚れ放出剤としては、1987年12月8日にGo
sselink et al.に発行された米国特許第4,711,730号明細書、のテレ
フタレートポリエステル、および1987年10月27日にGosselinkに発行さ
れた米国特許第4,702,857号明細書のブロックポリエステルオリゴマー
性化合物が挙げられる。
好ましいポリマー性汚れ放出剤としては、1989年10月31日にMaldonad
o et al.に発行された米国特許第4,877,896号明細書であって、アニ
オン性の、特にスルホアロイル末端キャップしたテレフタレートエステルが開示
されているものに記載の汚れ放出剤も挙げられる。
更にもう一つの好ましい汚れ放出剤は、テレフタロイル単位、スルホイソテレ
フタロイル単位、オキシエチレンオキシおよびオキシ−1,2−プロピレン単位
の反復単位を有するオリゴマーである。反復単位は、オリゴマーの主鎖を形成し
、好ましくは改質したイセチオネート末端キャップで終わっている。この型の特
に好ましい汚れ放出剤は、約1個のスルホイソフタロイル単位、5個のテレフタ
ロイル単位、約1.7対約1.8の比のオキシエチレンオキシおよびオキシ−1
,2−プロピレンオキシ単位、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エタンスルホ
ン酸ナトリウムの2個の末端キャップ単位を含んでなる。この汚れ放出剤は、好
ましくはキシレンスルホネート、クメンスルホネート、トルエンスルホネート、
およびそれらの混合物からなる群から選択される結晶性の還元安定剤をもオリゴ
マ
ーの約0.5重量%〜20重量%含んでなる。1995年5月16日にGosselin
k et al.に発行された米国特許第5,415,807号明細書を参照されたい。
汚れ放出剤を用いるときには、これは一般に本発明の洗剤組成物の約0.01
重量%〜約10.0重量%、典型的には約0.1重量%〜約5重量%、好ましく
は約0.2重量%〜約3.0重量%が含まれる。
本発明の組成物は、クリーニングエ程中に一方の染色表面から他方の染色表面
への染料の移動を抑制するのに有効な1種類以上の材料も含む。一般に、このよ
うな染料移り抑制剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−
オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリ
マー、フタロシアニンマンガン、ペルオキシダーゼ、およびそれらの混合物が挙
げられる。これらの薬剤を用いるときには、これらは、組成物の約0.01重量
%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、更に好ましくは
約0.05重量%〜約2重量%が含まれる。
更に具体的には、本発明で用いるのに好ましいポリアミンN−オキシドポリマ
ーは、下記の構造式
R−Ax−P
(前記式中、Pはポリマー性単位であり、N−O基が結合することができ、また
はN−O基が重合性単位の部分を形成するか、または両単位に結合することがで
きるものであり、Aは、下記の構造−NC(O)、−C(O)O−、−S−、−
O−、−N=の一つであり、xは0または1であり、Rは、脂肪族、エトキシル
化脂肪族、芳香族、複素環式または脂環式基またはそれらの任意の組み合わせで
あって、N−O基の窒素が結合することができ、またはN−O基がこれらの基の
一部であるものである)を有する単位を含む。好ましいポリアミンN−オキシド
は、ピリジン、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、およびそれ
らの誘導体のようなRが複素環式基であるものである。
N−O基は、下記の一般構造
(前記式中、R1、R2、およびR3は、脂肪族基、芳香族、複素環式または脂環
式基、またはそれらの組み合わせであり、x、yおよびzは0または1であり、
N−O基の窒素が前記基のいずれかに結合することができ、または部分を形成す
る)によって表すことができる。ポリアミンN−オキシドのアミンオキシド単位
は、pKa<10であり、好ましくはpKa<7、更に好ましくはpKa<6で
ある。
形成されたアミンオキシドが水溶性でありかつ染料移り抑制特性を有する限り
、いずれのポリマー主鎖を用いることもできる。適当なポリマー性主鎖の例は、
ポリビニル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリアクリレート、およびそれらの混合物である。これらのポリマーと
しては、ランダムまたはブロックコポリマーであって、一方のモノマー型がアミ
ンアミンN−オキシドポリマーは、典型的にはアミン対アミンN−オキシドの比
が10:1〜1:1,000,000である。しかしながら、ポリアミンオキシ
ドポリマーに含まれるアミンオキシド基の数は、適当な重合によってまたは適当
なN−オキシド化度によって変化することができる。ポリアミンオキシドは、ほ
ぼ任意の重合度で得ることができる。典型的には、平均分子量は、500〜1,
000,000の範囲内であり、更に好ましくは1,000〜500,000で
あり、最も好ましくは5,000〜100,000である。この好ましい種類の
材料は、「PVNO」と表すことができる。本発明の洗剤組成物に用いられる最
も
好ましいポリアミンN−オキシドは、平均分子量が約50,000であり、アミ
ン対アミンN−オキシド比が約1:4であるポリ(4−ビニルピリジン−N−オ
キシド)である。
N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールポリマーのコポリマー(「P
VPVI」のような種類として表される)を、本発明で用いるのも好ましい。P
VPVIは、好ましくは平均分子量が5,000〜1,000,000の範囲で
あり、更に好ましくは5,000〜200,000であり、最も好ましくは10
,000〜20,000である。(平均分子量範囲は、Barth et al.,Chemical
Analysis,Vol 113「ポリマーの特性決定の最新の方法(Modem Methods of Poly
mer Characterization)」に記載の光散乱によって測定され、前記文献の内容は
、その開示の一部として本明細書に引用される。)PVPVIコポリマーは、典
型的にはN−ビニルイミダゾール対N−ビニルピロリドンのモル比が1:1〜0
.2:1であり、好ましくは0.8:1〜0.3:1であり、最も好ましくは0
.6:1〜0.4:1である。これらのコポリマーは、線状でもまたは分岐状で
あることもできる。
本発明の組成物は、平均分子量が約5,000〜約400,000、好ましく
は約5,000〜約200,000、更に好ましくは約5,000約50,00
0であるポリビニルピロリドン(「PVP」)を用いることもできる。PVPは
洗剤分野の当業者に知られており、例えば、EP−A−262,897号明細書
およびEP−A−256,696号明細書を参照されたい。前記特許明細書の内
容は、その開示の一部として本明細書に引用される。PVPを含む組成物は、平
均分子量が約500〜約100,000、好ましくは約1,000〜約10,0
00のポリエチレングリコール(「PEG」)を含むこともできる。好ましくは
、洗浄溶液で得られるppm換算でのPEG対PVPの比は、約2:1〜約50
:1であり、更に好ましくは約3:1〜約10:1である。
高起泡性が所望ならば、C10〜C16アルカノールアミドのような起泡増進剤を
組成物に典型的には1%〜10%の濃度で配合することができる。C10〜C14モ
ノエタノールおよびジエタノールアミドは、このような起泡増進剤の典型的な種
類を例示する。このような起泡増進剤を、前記のアミンオキシド、ベタインおよ
びスルタインのような高起泡性の添加剤界面活性剤と共に用いることも有利であ
る。所望ならば、MgCl2、MgSO4などの可溶性のマグネシウム塩を例えば
0.1%〜2%の濃度で加えて、更に泡を生じ、グリース除去性能を向上させる
ことができる。
任意の蛍光増白剤、蛍光白化剤、または当該技術分野で知られている他の光沢
または増白剤を、本発明の組成物が布帛処理または洗濯用にデザインされたもの
であるときには、これに典型的には本発明の洗剤組成物の約0.05重量%〜約
1.2重量%の濃度で配合することができる。本発明で用いることができる市販
の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシア
ニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5−および6−員
環の複素環式増白剤の誘導体を包含するサブグループに分類することができるが
、必ずしもこれらに限定されない。このような増白剤の例は、「蛍光増白剤の製
造および応用(The Production and Applications of Fluorescent Brightening
Agents)」、M.Zahradnik、Johm Wiley & Sons、ニューヨークより刊行(198
2年)に開示されている。
本発明の組成物で用いられる蛍光増白剤の具体例は、1988年12月13日
にWixonに発行された米国特許第4,790,856号明細書で確認されたもの
である。これらの増白剤としては、Verona製の増白剤のPHORWHITEシリーズが挙
げられる。この文献に開示されている他の増白剤としては、Ciba-Geigyから発売
されているTinopal UNPA、Tinopal CBSおよびTinopal 5BM、イタリアにあるHilt
on-Davisから発売されているArtic White CCおよびArtic White CWD、2−(4
−スチリル−フェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾール、4,
4’−ビス−(1,2,3−トリアゾール−2−イル)−スチルベン、4,4’
−ビス(スチリル)ビスフェニル、およびアミノクマリンが挙げられる。これら
の増白剤の具体例としては、4−メチル−7−ジエチル−アミノクマリン、1,
2−ビス(ベンズイミダゾール−2−イル)エチレン、2,5−ビス(ベンズオ
キサゾール−2−イル)チオフェン、2−スチリル−ナフトー[1,2−d]オ
キサゾール、および2−(スチルベン−4−イル)−2H−ナフトー[1,2−
d]トリアゾールが挙げられる。1972年2月29日にHamiltonに発行した米
国特許第3,646,015号明細書も参照されたい。アニオン性増白剤が、本
発明で特に好ましい。
考えられる最終用途によっては、本発明の液体組成物は、従来のボトル、ロー
ル・オン、スポンジ、ブラシ装置または噴霧装置を備えたボトル、または噴霧器
などの様々な容器に包装することができる。
本明細書に記載の液体組成物の好ましい用途は、洗濯洗剤として、または洗濯
添加剤として、および特に前処理剤としての洗濯用途であるが、このような組成
物は硬質表面のクリーニングに用いることもできる。
本発明を、下記の実施例によって更に説明する。
例
表示された成分を表示された割合(重量%)で含んでなる液体組成物を調製し
た。 DTPA*は、ジエチレントリアミン五酢酸塩である。
DTPMP**は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸である。
ATMP***は、アミノトリ(メチレンホスホン酸)である。
組成物1〜3は、前処理方式で用いることができる。この方式では、このよう
な組成物を布帛の染みの付いた部分にニートで適用し、その上で5分間作用させ
る。次いで、布帛を従来の洗剤で洗浄し、濯ぐ。脂染み、酵素染み、粘土染み、
および漂白可能な染みなどの様々な染みについて優れた染み除去性が得られる。
組成物4〜5は、洗浄中方式で用いることができる。この方式では、このよう
な組成物を、従来の洗剤を水に溶解することによって形成された水槽と接触させ
る。次に、布帛を液体組成物を含んでなる水槽と接触させ、布帛を濯ぐ。
脂染み、酵素染み、粘土染み、および漂白可能な染みなどの様々な染みについ
て優れた染み除去性が得られる。
組成物6は、浸漬方式で用いることができる。この方式では、このような液体
組成物100mlを水10リットルで希釈する。次に、布帛を、組成物を含むこ
の水槽と接触させ、その中に24時間浸漬したままにする。布帛を最終的に濯ぐ
。脂染み、酵素染み、粘土染み、および漂白可能な染みなどの様々な染みについ
て優れた染み除去性が得られる。
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フロントページの続き
(81)指定国 OA(BF,BJ,CF,CG,
CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,T
D,TG),AP(GH,KE,LS,MW,SD,SZ
,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,
MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,
AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE,
KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L
T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX
,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,
SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U
A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW