JP2000504539A - インパルス応答を計算する方法及び受信器 - Google Patents
インパルス応答を計算する方法及び受信器Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、インパルス応答を推定する方法、及び受信信号がトレーニングシーケンス(208) より成るバーストで形成された受信器に係り、受信器は、受信信号をサンプリングする手段(404) と、サンプルにおいてDCオフセットを測定する手段(412) とを備えている。受信器の構造を簡単化するために、受信器は、DCオフセットが除去される前に、得られたサンプルをトレーニングシーケンスに相関させることによりインパルス応答を計算するための手段(408) と、その計算されたインパルス応答からDCオフセットの作用を除去するための手段(412) とを備えている。
Description
【発明の詳細な説明】
インパルス応答を計算する方法及び受信器発明の分野
本発明は、送信されるべき信号が記号で形成されたバーストより成り、これら
バーストが既知のトレーニングシーケンスを含むデジタル無線システムのインパ
ルス応答を推定する方法であって、受信信号からサンプリングを行い、サンプル
においてDCオフセットを測定し、そして信号を既知のトレーニングシーケンス
に相関させる段階を含む方法に係る。先行技術の説明
典型的なセルラー無線環境においては、ベースステーションと加入者ターミナ
ルとの間の信号が送信器と受信器との間の多数のルートを経て伝播する。この多
経路伝播は、主として、周囲表面からの信号反射によって生じる。異なるルート
を進行する信号は、伝播遅延が異なるために異なる時間に受信器に到着する。こ
れは、送信方向についても言えることである。信号の多経路伝播は、受信信号の
インパルス応答を測定することにより受信器において監視することができ、異な
る時間に到着する信号は、それらの信号強度に比例するピークとして見える。図
1は、測定されたインパルス応答を一例として示す。時間は横軸100であり、
そして受信信号の強度は縦軸102である。曲線のピーク104、106、10
8は、受信信号の最も強い多経路伝播成分を示す。
公知の解決策では、インパルス応答は、バーストに追加された既知のトレーニ
ングシーケンスを使用して推定される。既知の解決策、例えば、GSMシステム
では、受信サンプルを既知のトレーニングシーケンスとクロス相関させることに
よりインパルス応答が推定される。図2は、公知解決策の一例を示す。受信信号
200は、中間周波数又は基本帯域に変換されて、サンプリング手段202に送
られ、そこで取り出されたサンプル204がメモリ手段206に送られ、そこか
らデジタル信号プロセッサ210がサンプル208を読み取り、そしてそれらを
処理する。サンプル204は、DCオフセットを含み、これは、復調及びインパ
ルス応答の計算の前に除去される。これは信号処理に遅延を生じさせる。信号プ
ロセッサにおいては、DCオフセットが除去され、次いで、信号が復調され、そ
して信号をトレーニングシーケンスと相関させることによってインパルス応答を
計算することができる。この相関は、加算及び減算動作を含み、そしてデジタル
信号プロセッサは、特殊な要素で構成された解決策に比してこれらの動作を非効
率的に実行する。特に、アクセスバーストの計算が信号プロセッサに対して相当
の負荷となる。発明の要旨
本発明の目的は、信号プロセッサの負荷を減少できると共に、インパルス応答
を迅速且つ効率的に計算できるような方法及び受信器を提供することである。
これは、冒頭で述べた方法において、DCオフセットを除去する前に、得られ
たサンプルをトレーニングシーケンスと相関させることによりインパルス応答を
計算し、そしてその計算されたインパルス応答からDCオフセットの作用を除去
するという段階を含むことを特徴とする方法により達成される。
又、本発明は、受信信号が記号で形成されたバーストより成り、これらバース
トが既知のトレーニングシーケンスを含むようなデジタル無線システムの受信器
であって、受信信号をサンプリングする手段と、サンプルにおいてDCオフセッ
トを測定する手段とを備えた受信器にも係る。本発明の受信器は、DCオフセッ
トが除去される前に、得られたサンプルをトレーニングシーケンスと相関させる
ことによりインパルス応答を計算するための手段と、その計算されたインパルス
応答からDCオフセットの作用を除去するための手段とを備えたことを特徴とす
る。
本発明の解決策は、多数の効果を有する。本発明の解決策は、実施が容易であ
る。例えば、GSMシステムでは、アクセスバーストのインパルス応答の計算が
GSMベースステーションの周波数イコライザの最も負担の大きい計算動作であ
る。本発明の解決策では、この計算は、現在の解決策に比して2倍も容易に実施
することができる。更に、本発明の解決策は、サンプリングに関連してインパル
ス応答の計算を行うことができ、従って、計算速度を上げることができる。これ
は、DCオフセットにより生じるエラーのためにこれまで不可能であった。図面の簡単な説明
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、受信信号のインパルス応答を例示する図である。
図2は、インパルス応答を計算するための公知解決策を示す図である。
図3は、GSMシステムの通常のバーストを示す図である。
図4は、本発明の受信器を例示する図である。
図5は、本発明の受信器の構造を詳細に示す図である。好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、バーストがトレーニングシーケンスを含むいかなるデジタル無線シ
ステムにも適用できる。このようなシステムの一例は、GSMセルラー無線シス
テムであり、以下、これを一例として使用して本発明を説明するが、本発明は、
これに限定されるものではない。
公知の解決策では、インパルス応答は、バーストに追加された既知のトレーニ
ングシーケンスにより推定される。図3は、GSMシステムの通常のバーストを
例示するもので、これは、開始及び終了ビット300、302と、2つの部分に
別れた実際のデータ304、306と、バーストの中央に配置された既知のトレ
ーニングシーケンス308とを含む。通常のバーストにおいては、トレーニング
シーケンスの長さが26ビットである。
デジタルシステムの受信器は、通常、受信信号をサンプリングし、即ち所与の
間隔でそれをサンプリングすることによりデジタル形態に変換する。これらサン
プルは、全ての受信サンプルの計算された平均を実際に表すDCオフセットを含
む。受信信号は、ベクトル形態で次のように示すことができる。
但し、添字reは実数部を表し、そして添字imは虚数部を表す。DCre及びD
Cimは、DCオフセットであり、そして
は、バーストの長さをMとすれば、受信した理想的な信号を表す。
本発明の解決策において、インパルス応答は、並列に同時に測定され、復調さ
れる。この点において、インパルス応答は、サンプルのDCオフセットによって
まだ歪んでいる。本発明の解決策では、DCオフセットの作用は、計算されたイ
ンパルス応答から、単純な相関項を用いて除去される。
GSMシステムにおける復調について検討する。復調は、受信したサンプルを
乗算することにより実行できる。
但し、i=0、・・・M−1である。
指数項e-j0.25 πiは、連続的に繰り返されるシーケンス1、−j、−1、j
を定義する。又、項e-j0.25 πiを使用し、符号のみを反転することができる。
従って、Sは次のように表すことができる。
DCオフセットにより、復調されたサンプルは、次のように書き表すことがで
きる。
但し、Sre id 及びSim id は、DCオフセットが除去された項である。
インパルス応答を計算するために、トレーニングシーケンスは、先ず、ベクト
ルとして定義される。
trs=(trs(0) trs(1) ・・・trs(N) )
但し、Nは、トレーニングシーケンスの長さである。トレーニングシーケンスベ
クトルを用いてマトリクスが形成される。計算されるべきクロス相関タップと同数のT個の行がマトリクスに存在する。従
って、インパルス応答Hは、クロス相関を使用して次のように計算することがで
きる。
上記の式は、DCオフセットが信号から除去される前にインパルス応答タップを
計算できることを示している。計算された値から項T*DCre及びT*DCimを
減算することによりDCオフセットでまだ歪められている収集されたインパルス
から歪を除去することができる。
トレーニングシーケンスがバーストの開始部にない場合には、対応するオフセ
ットを用いてインデックスしなければならないことに注意されたい。簡単化のた
めに、ここでは、トレーニングシーケンスがバーストの開始部にあると仮定する
が、例えば、GSMシステムでは、そうでなはない。
項DCre及びDCimは、4つの考えられる値、即ち±Cre及び±DCimしか含
まず、これらは復調により決定されたシーケンスで繰り返され、そしてこれらの
値は測定することができる。従って、DCオフセットの作用は、計算されたイン
パルス応答から補正項を減少することにより除去でき、補正項は、トレーニング
シーケンスを用いて測定されたDCオフセットに予め計算された乗数を乗算する
ことにより計算される。補正項は、次の式を用いて計算することができる。
但し、A、B、C及びDは、使用されるトレーニングシーケンスに基づく予め計
算された一定の乗数である。
上記の式は、クロス相関において計算されるべきタップが4つありそしてトレ
ーニングシーケンスがバーストの開始部にある場合に有効である。一般的な形態
では、これらの式は、次のように表すことができる。
但し、i=バーストにおけるトレーニングシーケンスのスタートインデックス、
L=マトリクスTにおける行の数、即ち計算されるべきクロス相関タップの数で
ある。rem()は、行われた除算の残余を検索する残余関数である。一般的な
場合においても、A、B、C及びDの各項に対して4つの予め決定された値だけ
が必要とされることに注意されたい。
次いで、図4に当該部分が示された本発明の受信器構造体について説明する。
受信器のアンテナ400は、受信信号を受け取って高周波部分402へ送り、こ
こで、信号は中間周波数又は基本帯域に変換される。変換された信号は、サンプ
リング手段404へ搬送され、ここで信号がデジタル形態に変換される。以上の
部分は、当業者に良く知られた方法を用いて実施することができる。
サンプリング手段の出力は、信号から取り出されたサンプルの実数部及び虚数
部414、416より成り、これらは、メモリ手段406及び計算手段408へ
搬送される。計算手段408は、サンプルが受け取られるのと同時にインパルス
応答を計算する。計算手段によって計算されたインパルス応答は、DCオフセッ
トで生じた歪をまだ含んでいる。バーストカウンタ410の出力は、計算手段へ
の入力として導かれる。バーストの開始部に関する情報418は、バーストカウ
ンタを制御する。計算手段の出力は、信号プロセッサ412へ搬送され、メモリ
手段406からの元のサンプル信号は、そこに入力として送られる。信号プロセ
ッサは、上記の計算手段を適用して計算されたインパルス応答からDCオフセッ
トの作用を除去する。本発明の解決策では、信号プロセッサの計算負荷は、公知
の解決策よりも実質的に小さい。
図5に当該部分が示された計算手段構造体について以下に説明する。カウンタ
においては、サンプルをトレーニングシーケンスと相関させることによりインパ
ルス応答タップがカウントされると同時に、サンプルが復調される。サンプルさ
れた信号の実数部及び虚数部414、416は、マルチプレクサ500、502
へ搬送され、カウンタへの入力として送られる。マルチプレクスされた信号は、
更に、計算ユニット504、506へ搬送されて2の補数が計算され、そして更
に、マスキング手段508、510へ送られてAND演算が実行される。マスキ
ング手段から、サンプルは加算器へ送られて、フィードバック538、540が
加算されると共に、加算器から更にメモリ手段516、518へ送られて、その
出力において、実数及び虚数インパルス応答534、536がDCオフセットで
歪まれて計算される。トレーニングシーケンスの長さ522、ビットカウンタ5
24、トレーニングシーケンスのビット526、開始及び終了インデックス52
8、530が入力として送り込まれるコントローラは、カウンタの制御手段52
0として機能する。制御信号532を用いて、コントローラは、他の部分の機能
を制御する。
受信信号は、マルチプレクサ500、502及び計算ユニット504、506
を用いて復調される。更に、制御手段520は、補数ブロック504、506を
使用して、復調結果と、各クロス相関タップに現在対応するトレーニングシーケ
ンスビットとの乗算を実行し、即ちクロス相関計算に必要な乗算を生じさせる。
カウントされるべき各クロス相関タップは、異なるトレーニングシーケンスビッ
トに対応し、これにより、補数ブロック504、506の出力のブロックに到着
する各ビットごとに、クロス相関タップの数に等しい多数の送信信号が必要とさ
れる。メモリ手段516、518においては、各クロス相関の結果がそれ自身の
メモリアドレスのもとで記憶される。各クロス相関タップは、ビットを受け取っ
た後に同時にカウントされる。マスキング手段508、510を使用して、クロ
ス相関をスタートする正しい瞬間を、トレーニングシーケンスの位置に基づいて
選択することができる。
バーストカウンタ410は、各バーストの始めにビットのカウントを開始し、
そしてコントローラ520へ情報を送信する。開始インデックス528は、イン
パルス応答の第1タップのカウントを開始するときに決定され、そして終了イン
デックス530は、最後のタップがカウントされるときに決定される。トレーニ
ングシーケンス526は、相関を実行するために必要とされる。トレーニングシ
ーケンス及びトレーニングシーケンスの長さ522は、プログラム可能なレジス
タに記憶することができる。レジスタは、図示されていない。
添付図面の例を参照して本発明を以上に説明したが、本発明は、これに限定さ
れるものではなく、請求項に記載した本発明の範囲内で種々の仕方で変更できる
ことが明らかであろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.送信されるべき信号が記号で形成されたバーストより成り、これらバース トが既知のトレーニングシーケンス(208) を含むデジタル無線システムのインパ ルス応答を推定する方法であって、受信信号からサンプリングを行い、サンプル においてDCオフセットを測定し、そして信号を既知のトレーニングシーケンス に相関させる段階を含む方法において、 DCオフセットを除去する前に、得られたサンプルをトレーニングシーケンス と相関させることによりインパルス応答を計算し、そして その計算されたインパルス応答からDCオフセットの作用を除去するという段 階を含むことを特徴とする方法。 2.トレーニングシーケンスを用いて測定されたDCオフセット値に予め計算 された乗数を乗算することにより計算された補正項を上記計算されたインパルス 応答から減少することによりDCオフセットの作用が除去される請求項1に記載 の方法。 3.信号の復調及びインパルス応答の測定は、同時に実行される請求項1に記 載の方法。 4.受信信号が記号で形成されたバーストより成り、これらバーストが既知の トレーニングシーケンス(208) を含むようなデジタル無線システムの受信器であ って、受信信号をサンプリングする手段(404) と、サンプルにおいてDCオフセ ットを測定する手段(412) とを備えた受信器において、 DCオフセットが除去される前に、得られたサンプルをトレーニングシーケン スに相関させることによりインパルス応答を計算するための手段(408) と、 その計算されたインパルス応答からDCオフセットの作用を除去するための手 段(412) とを備えたことを特徴とする受信器。 5.上記受信器は、トレーニングシーケンスを用いて測定されたDCオフセッ ト値に予め計算された乗数を乗算することにより補正項を計算するための手段(4 12) と、上記計算されたインパルス応答から補正値を減算するための手段(412) とを含む請求項4に記載の受信器。
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