JP2000500670A - 固定されたカバーを有する室内装飾要素及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、室内装飾要素及びその製造方法を提案し、その室内装飾要素は、好ましくは発泡プラスチックである弾性材料のコアを覆うと共に、前記コアにより包囲される固定要素により前記コアに固定されるカバーを備え、前記コアの表面は、内側へ向かって広がる溝部（４）を有し、材料ストリップ（７）の一端がカバー（２）に固定されると共に前記材料ストリップ（７）の他端が寸法の安定した本体（３）を有し、前記本体（３）が前記溝部（４）内に導入され、前記本体（３）の最大径は前記溝部（４）内に配置されると共に前記溝部（４）の最小径より大きい。

Description

【発明の詳細な説明】 固定されたカバーを有する室内装飾要素及びその製造方法 本発明は、カバーを有する室内装飾要素及びその製造方法に関連し、そのカバ ーは、好ましくは発泡プラスチックであるコアを覆うと共に固定要素によりこの コアに固定され、その固定要素はコアにより包囲される。 例えば自動車の備品のための室内装飾要素は、一般的に、保護及び美的目的か ら例えば布地、皮革その他のカバーにより全体的に又は部分的に覆われた表面を 有する弾性コアを備える。特に、好ましくはポリウレタンである発泡プラスチッ クは、時折、植物繊維又は動物繊維と接着されてコア材料として使用される。カ バーがコアを堅固に保持することを確実とするために、従来技術において通常は 大面積に渡る力により生じる応力を分散させるために、コア材料により包囲され る固定要素が使用される。ドイツ国実用新案 ＤＥ29506306は、コア内へ発泡さ せることができる輪郭形状の固定要素の例を記載する。記載された固定要素の特 有の長所は、繊維の網状組織を除いてそれがポリウレタンにより構成されるとい う事実にあり、それにより、単一材料の使用及び金属部品の回避の結果、室内装 飾材料の再生利用をより容易にする。固定要素は、例えばフックなどの留め手段 によりカバーに結合され、その留め手段は、しばしばこの目的のための凹部が設 けられた発泡プラスチックを貫通する。 従来技術において知られている固定要素は、室内装飾要素を製作する時に高い 費用を必要とし、特に、発泡鋳型内におけるカバー及び固定要素のクランプ及び それらの位置決めは労力を要する。さら に、室内装飾のコアとカバーとの間に永続的な結合が存在し、その結果、それが 摩耗した場合又は美的理由からカバーを交換することを非常に困難とする。 この背景に対し、本発明の目的は、カバーを固定するための費用を減少させる と共に、永続的結合を元に戻すことなくカバーを交換することが可能な室内装飾 要素を開発することにある。 この目的は、本発明により達成され、そこにおいて、コアの表面は、内側へ向 かって広がる溝部を有し、材料ストリップの一端がカバーに固定されると共に前 記材料ストリップの他端が寸法の安定した本体を有し、前記本体が前記溝部内に 導入され、前記本体の最大径は前記溝部内に配置されると共に前記溝部の最小径 より大きい。 提案された室内装飾要素のコアの表面は、底部において、即ち、コアの内部に 向かって広がる中空断面の形状の溝部を有する。好ましい輪郭とされた本体が溝 部内に配置され、その本体の最大径は、溝部内に配置され、溝部の最小径よりも 大きい。溝部の最も狭い領域は適切にはその開口部となる。その結果、寸法が安 定な本体を溝部内のみに配置し、弾性コア材料を変形させることにより溝部から 取り出すことが可能である。この場合にコア材料により加えられるスプリング力 が本体を溝部内にしっかりと配置する。本体の寸法の安定性は十分な固定のため にのみ要求され、それにより、その本来的な弾性はコア材料のそれに完全に対応 させることができる。 カバーと本体との結合は材料ストリップにより行われ、それは本体の構成要素 とすることができる。適当な材料ストリップは、可撓性材料、例えば網状結合又 は織物布からなるものであり、それらは端部においてカバーの内側に留められ、 例えばそこに縫いつけられる。溝部は好ましくはある輪郭形状の単一の本体によ り満たされ、材料ストリップがその長さ方向側部に沿って本体及びカバーに取り 付けられる。代替的に、複数の本体を一つの溝部内に導入することが可能であり 、各場合においてそれらは個別のストリップによりカバーに固定される。 通常の製造工程により先ずコアに溝部が作られるようにカバーを室内装飾要素 のコアに固定する。一般的に、溝部は、例えば射出成形などの鋳型の適当な隆起 により形成される。それは従来のコア形成工程中に作られるので、それはあらゆ る追加の費用なしに作られる。一方、原理的に存在する、溝部を粉砕又は切り取 る他の可能性は、一般的にコストの理由からは問題とはならない。本体及びカバ ーは材料ストリップにより、例えば溝部を有するコアの製造とは独立に後者をこ れら両者に縫いつけることにより結合される。結合の種類は、以下に説明するよ うに、異なる本体及び材料ストリップの構成に応じて変化する。従来技術と比較 した場合の本質的な長所は、本体とカバー内部との間に作られるべき結合に作業 のために自由にアクセス可能であることであり、これに対して今までは取り付け 作業をカバーと室内装飾のコアとの間の狭い空間で行わなければならなかった。 最後に、本体を溝部に押し込み、そうしてコアとカバーとの結合を作り、その結 合は十分に引っ張ることにより応力を加えて元に戻すことが依然として可能であ る。溝部の端部を引っ張り又は加圧して広げて押し込み工程を容易にすることが できる。 提案の室内装飾要素は、従来技術において可能であったより遙かに容易に制作 することができる。従って、予め制作した固定要素を蓄え、又はそれらを発泡鋳 型内に配置する必要がない。曲げることにより、角度のある又は交差する溝部も 可能であり、室内装飾の表面上にあらゆる所望の継ぎ目構造を作ることができる 。カバーと固定要素の間にはあらゆる複雑なクランプ要素を必要としない。また 、カバーは、例えばそれが摩耗した場合の交換のために、室内装飾の コアから容易に取り外すことができる。しかし、これに加えて、素人にも及び工 具なしでも可能であるカバーの取り外し及び取り付けに関連する低費用のため、 例えば自動車の場合に美的理由又は季節に合わせてカバーを交換することが自明 であると考えられる。更に、多くの場合に使用されている金属製の固定要素と対 照的に、自動車に使用した場合に特に重要である室内装飾の重量に関連して、及 び室内装飾材料の再生利用において更なる長所が存在する。金属を使用しない室 内装飾は、特に容易に分解し、化学的に溶解することができる。また、本発明に よるカバーの取り付けは、溝部を導入するために十分な深さの弾性及び均質性材 料の外部領域が存在するならば、異なる材料のコア、例えば下面にスプリング手 段を有する発泡プラスチック層と共に使用することもできる。 本発明の有利な発展においては、材料ストリップはフリースであり、それは例 えばポリプロピレン繊維からなり、縫い付けによりカバーに容易に取り付けるこ とができる。カバーから離隔した側において相互に延在する２つのサブストリッ プを有する材料ストリップが好ましい。従って、材料ストリップの断面はほぼ“ Ｔ”又は“Ｙ”の形状であり、その基部がカバーに取り付けられる。２つのサブ ストリップへの端部の分割は、本体の固定のための可能性を改善及び拡張する。 溝部の好ましい断面は、例えばくさび型又はＴ字型であり、好ましくは“Ｔ” の垂直線がコア表面に垂直に向けられる。溝部の開口部又は最も狭い部分は非常 に狭くすることができ、極端な場合にはコア表面上のスリットを呈するようにで きる。 特に、室内装飾のコアが鋳型を発泡で満たすことにより作られる場合、溝部を 形成する鋳型内部の隆起が、カバーを溝部に固定するための本体と同様に固定さ れるので、鋳型から除去することは困難 である。この点、特に、溝部の壁部内にフックする鋳型の端部に起因して問題が 生じる。従って、溝部が断面において円形端部を有し、それがコアの除去を容易 化することが賢明である。 好ましくは本体はコアと類似の材料特性を有し、その結果、室内装飾のユーザ はその感触を不快と感じることはない。また、これは溝部及び本体が相互に損傷 を与え合うことを防止する。従って、本体は発泡プラスチックからなり、それは 例えば材料ストラップに接着することができる。網状結合又はフリースの如き多 孔性の材料ストリップの使用時には、端部に円形部分を形成することにより加圧 が可能な強固な結合を作ることもできる。この場合、材料ストリップを端部にお いてサブストリップに分割すれば、特に強固な結合を実現できる。 発泡鋳型中で形成される結果、発泡成型物は常に独立気泡の滑らかな表面構成 を有し、その結果、２つの成型物が比較的小さな摩擦を伴って相互にスライドす る。溝部内の本体の接着を改善し、そうしてカバーを室内装飾要素にさらに堅固 に取り付けるために、例えば表面を切り取ること又は押し出し機により製作でき るような独立気泡発泡プラスチックを使用することが提案される。応力は気泡間 の狭い網に制限されるので、連続気泡発泡体の端部はフックのように機能し、溝 部の滑らかな表面にわずかに加圧される。その有益な結果は、本体と溝部との間 の静的摩擦の実質的な増加であり、それによる堅固な固定である。また、押し出 し機中での制作は、有益及び安価な方法で本体を継続的に制作することを可能と する。 代替的な本体は、材料ストリップの一体的構成要素であり、例えばフリース材 料の寸法を安定化することにより作ることができる。この目的のためには、例え ば接着剤又は樹脂を伴う含浸に加え、繊維の硬化又は表面融解を生じさせるフリ ース材料の熱処理が特に好 ましい。後者の場合、フリースが圧縮され、重ねられた繊維が強固に一体的に結 合し、そうして溝内に固定可能な寸法の安定した本体を作る。材料ストリップ全 体を、即ち、本体とカバーとの間の領域においても寸法の点で安定化することが できるが、これは一般的には必要ではない。 溝部の開口の方向、即ち、溝部が狭くなる方向に広がる本体が有利である。本 体はその最も広い点において外側をリムにより結合される。適当な輪郭は、台形 断面を有するものであり、例えば、台形の平行な辺の短い方が溝部の底部に向け られる。材料ストリップを通じて引っ張り応力が加えられると、本体のリムが溝 部の壁部に押し込まれ、そうして本体をこの位置に固定する。こうしてカバーの 固定が、特に円形断面を有する溝部の場合に大きく改善される。溝部の壁部への フックについての唯一の要求は、本体が溝部の断面に対して広がっていることで ある。もし溝部が開口に向かって連続的に狭くなるならば、矩形又はＴ型の断面 を有する本体も壁部にフックすることができる。 高度に加重することができる結合を作るために、本体は戻り（barb）の断面、 即ち、溝部の開口に向かって鋭角に向けられた先端又は端部を有する。この場合 、カバーの交換のための取り外し中にコアが損傷を受けることを防止するために 、一定の断面の輪郭を有する本体が好ましい。また、圧縮されて溝内に配置可能 な弾性フックも適当である。適当な二重フックは、特に端部で２つのサブストリ ップに分割されるフリースの寸法を安定させることにより制作される。表面にフ ックを有するのみの大きな本体と、フックとして形成される本体の間のあらゆる 所望の変化が可能である。例えば、ポリウレタン又はポリプロピレンのくさびを 二重フックの頂部に導入することができる。 更なる詳細、特徴及び長所は以下の記述から明らかになり、以下の記述におい て本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明し、その図面は基本的な図示で あり、図面中において、 図１は、本発明による室内装飾要素の断面図であり、 図２は、代替的固定要素の図であり、 図３は、溝部及び固定要素の断面図である。 図１は室内装飾要素の断面を示し、その室内装飾要素は、好ましくはポリウレ タンなどの発泡プラスチックからなるコア（１）からなり、そのコア（１）の面 上にカバー（２）が配置される。コア（１）とカバー（２）との結合は本体（３ ）によりなされ、その本体（３）はコア（１）の表面の溝部（４）に導入される 。断面において溝部（４）は開口（５）から底（６）に向かって広がっており、 それにより、本体（３）がその中に固定され、その本体（３）は例えば切断され た発泡の輪郭を有し、その最大径が溝部（４）の底部領域に対応する本体（３） がその内部に固定される。しかし、コア（１）及び可能なら本体（３）が弾性材 料により構成されるので、十分に大きな力を加え、又は溝部（４）を屈曲させて 開放することにより、導入及び除去が可能に維持される。例えばポリプロピレン のフリースであり、カバー（２）の継ぎ目において縫い付け、又は縫い合わされ る材料ストリップ（７）は、カバー（２）と本体（３）の結合部として作用する 。材料ストリップ（７）の逆側は、２つのサブストリップ（９）からなり、それ らは本体（３）の発泡プラスチックにより包囲され、加重が可能な固定を提供す る。 図２は本体（３）の代替的構成を示し、それは断面が２つのフックを有する輪 郭の形状である。 図３において、本体がコア（１）又は溝部（４）と協働することが示される。 溝部（４）の壁部に押しつけられた結果、本体（３） の端部フック（１０）が膨らみ（１１）を形成し、それにより、円形部分（１２ ）を有する縁無し溝部（４）の場合においてさえ、カバー（２）を強固に保持す る。フック（１０）間のくさび（１３）により、本体（３）の寸法を安定させる 。 このように、結果は、再生利用の可能性を減少させることなく、室内装飾のコ アに容易かつ取り外し可能にカバーを取り付けることができる固定要素である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．室内装飾要素であって、好ましくは発泡プラスチックである弾性材料のコア を覆うと共に、前記コアにより包囲される固定要素により前記コアに固定される カバーを備える室内装飾要素において、 前記コアの表面は、内側へ向かって広がる溝部（４）を有し、 材料ストリップ（７）の一端がカバー（２）の内部に固定されると共に前記材 料ストリップ（７）の他端が寸法の安定した本体（３）を提供し、 前記本体（３）が前記溝部（４）内に導入され、 前記本体（３）の最大径は前記溝部（４）内に配置され、前記溝部（４）の最 小径より大きいことを特徴とする室内装飾要素。 ２．前記材料ストリップ（７）はフリースであることを特徴とする請求項１に記 載の要素。 ３．前記カバー（２）から離隔した前記材料ストリップ（７）の端部は、相互に 平行に延びる２つのサブストリップ（９）からなることを特徴とする請求項１又 は２に記載の要素。 ４．前記溝部（４）は、Ｔ型又はくさび型の断面を有することを特徴とする請求 項１乃至３のいずれかに記載の要素。 ５．前記溝部（４）は、断面が円形の端部を有することを特徴とする請求項１乃 至４のいずれかに記載の要素。 ６．前記本体（３）は、発泡プラスチックからなることを特徴とす る請求項１乃至５のいずれかに記載の要素。 ７．前記本体の表面は、連続気泡を有することを特徴とする請求項６に記載の要 素。 ８．前記本体（３）は、寸法が安定した材料のフリースからなることを特徴とす る請求項２乃至５のいずれかに記載の要素。 ９．前記本体（３）は、開口（５）の方向に前記溝部（４）に対して広がってい ると共に最も広い点においてリムを有することを特徴とする請求項１乃至８のい ずれかに記載の要素。 １０．前記本体（３）は外側フック（１０）を有し、前記フックの先端は、前記 溝部（４）の開口に向かう角度において前記溝部（４）の側壁部に当接すること を特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載の要素。 １１．請求項１乃至１０のいずれかに記載の室内装飾要素の製造方法において、 既知の方法による成形物として、溝部（４）を有するコア（１）を制作する工 程と、 材料ストリップ（７）により前記本体（３）及びカバー（２）を結合する工程 と、 前記本体（３）を前記溝部（４）内に押し込む工程と、を備えることを特徴と する方法。