JP2000358313A - グロメットおよびグロメットの装着方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、相手側部材の開口部の形状が異な
る場合であっても、１種類で対応することができるよう
にして製造コストおよび部品管理の手間が増大するのを
防止することができるグロメットおよびグロメットの装
着方法を提供するものである。 【解決手段】 グロメット11と別体に設けられ、環状溝
13ａに内周部が嵌合可能な環状プレート16、18と、環状
プレート16、18の外周部に取付けられ、開口部12ａに嵌
合可能なシール部材17、19とを設け、環状プレート16、
18の外周形状を開口部12ａが真円の場合には真円の開口
部12ａの内周形状と略同形状に、また、開口部12ａが楕
円の場合には楕円の開口部12ａの内周形状と略同形状に
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はグロメットおよびグ
ロメットの装着方法に関し、詳しくは、車体や電気機器
等のパネルの開口部にワイヤハーネス等の線材束を挿通
する際に、該開口部とワイヤハーネスが接触するのを防
止するとともに、開口部を通してパネル内に水等が侵入
するのを防止することができるグロメットおよびグロメ
ットの装着方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、車体の外部と内部を区画するパ
ネルに形成された開口部にワイヤハーネス等の線材束を
挿通する際に、開口部とワイヤハーネスが接触するのを
防止するとともに、水等が開口部とワイヤハーネスの間
の隙間からパネル内（室内）に侵入するのを防止するた
めにグロメットが使用されている。

【０００３】従来のこの種のグロメットとしては、例え
ば、図４のように示される。図４において、１はグロメ
ットであり、このグロメット１は、外周部に車体や電気
機器等のパネル５の開口部５ａに嵌合される環状溝２ａ
が形成された筒状大径部２と、この筒状大径部２から突
出し、ワイヤハーネス４が挿通可能な長尺の筒状小径部
３とから構成され、筒状小径部３およびワイヤハーネス
４の外周部にテープ６を巻回するとともに、嵌合溝２ａ
を開口部５ａに嵌合することによって、車体の内部と外
部を液密的に密閉するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のグロメット１にあっては、パネル５の開口部
５ａの形状に応じた環状溝２ａを備えた筒状大径部２が
必要になってしまった。

【０００５】すなわち、開口部５ａはパネル５に対する
形成位置、あるいは車両の種類に応じて異なる形状をし
たものがあり、例えば、図５の相関図に示すように、パ
ネル５の開口部５ａが楕円小、楕円大、真円小、真円大
の場合にその開口部５ａの形状に応じた環状溝２ａを備
えた筒状大径部２が必要になってしまうのである。

【０００６】このため、グロメットの種類が増大してし
まい、グロメットの製造コストおよび部品管理の手間が
増大してしまうという問題が発生してしまった。

【０００７】そこで本発明は、相手側部材の開口部の形
状が異なる場合であっても、１種類で対応することがで
きるようにして製造コストおよび部品管理の手間が増大
するのを防止することができるグロメットおよびグロメ
ットの装着方法を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記課題を解決するために、外周部に相手側部材の開口
部に装着される環状溝が形成された筒状大径部と、該筒
状大径部から突出する筒状小径部とを有し、該筒状大径
部および筒状小径部の内周部に線材束を挿通可能なグロ
メットにおいて、前記グロメットと別体に設けられ、前
記環状溝に内周部が嵌合可能な環状プレートと、該環状
プレートの外周部に取付けられ、前記開口部に嵌合可能
なシール部材とを設け、前記環状プレートの外周形状を
前記開口部の内周形状と略同形状にしたことを特徴とし
ている。

【０００９】その場合、環状プレートの内周部を筒状大
径部の環状溝に嵌合させるとともに、環状プレートをシ
ール部材を介して相手側部材の開口部に嵌合させること
により、グロメットをパネルに取付けることができる。
この際、環状プレートの外周部に設けられたシール部材
が開口部に嵌合するため、環状プレートと開口部の間を
水等が通過するのを防止することができ、相手側部材の
内部と外部を液密的に密閉することができる。

【００１０】また、環状プレートの外周形状を開口部の
内周形状と略同形状にしたため、開口部の内周形状と略
同形状の外径形状を有する環状プレートを用意し、開口
部の内周形状に応じた環状プレートをグロメットに取付
けることにより、相手側部材の開口部の形状が異なる場
合であっても、１種類のグロメットで対応することがで
きる。

【００１１】請求項２記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項１記載のグロメットを相手側部材の開
口部に装着するグロメットの装着方法であって、外周部
にシール部材が取付けられるとともに前記開口部の内周
形状と同形状の環状プレートを準備し、該環状プレート
を前記筒状大径部の環状溝に嵌合した後、該環状プレー
トおよびシール部材を介してグロメットを開口部に装着
するようにしたことを特徴としている。

【００１２】その場合、相手側部材の開口部の形状が異
なる場合であっても、開口部の内周形状と同形状の環状
プレートを準備して筒状大径部の環状溝に嵌合し、この
環状プレートおよびシール部材を介してグロメットを開
口部に装着するようにすれば、１種類のグロメットで対
応することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００１４】図１〜３は本発明に係るグロメットおよび
グロメットの装着方法の一実施形態を示す図である。

【００１５】まず、構成を説明する。図１、３におい
て、11はグロメットであり、このグロメット11は、外周
部に車体や電気機器等のパネル（相手側部材）12の開口
部12ａに取付けられるようになっている。

【００１６】このグロメット11は外周部に環状溝13ａが
形成された筒状大径部13と、この筒状大径部13から突出
する長尺の筒状小径部14とから構成されており、筒状大
径部13および筒状小径部14の内周部にワイヤハーネス
（線材束）15が挿通されるようになっている。

【００１７】一方、図２（ａ）（ｂ）において、符号16
はグロメット11と別体に設けられた環状プレートであ
り、この環状プレート16は内周部16ａが環状溝13ａに嵌
合されるようになっている。また、環状プレート16の外
周形状は、開口部12ａが真円の場合には真円の開口部12
ａの内周形状と略同形状に形成されており、外周部にゴ
ム等の弾性部材からなるシール部材17が嵌合されてい
る。このシール部材17は断面略Ｈ形状に形成されてお
り、外周部が開口部12ａに嵌合されるようになってい
る。

【００１８】また、図２（ｃ）において、符号18はグロ
メット11と別体に設けられた環状プレートであり、この
環状プレート18は内周部18ａが環状溝13ａに嵌合される
ようになっている。また、環状プレート18の外周形状
は、開口部12ａが楕円の場合には楕円の開口部12ａの内
周形状と略同形状に形成されており、外周部にゴム等の
弾性部材からなるシール部材19が嵌合されている。この
シール部材19は断面略Ｈ形状に形成されており、外周部
が開口部12ａに嵌合されるようになっている。

【００１９】すなわち、本実施形態では、環状プレート
16、18の内周部16ａ、18ａの形状は環状溝13ａの外周形
状と略同形状になっており、外周形状が開口部12ａの内
周形状に応じて異なっている。

【００２０】次に、グロメット11にパネル12に取付ける
方法を説明する。

【００２１】まず、開口部12ａが真円の場合には、ワイ
ヤハーネス15に取付けられたグロメット11の環状溝13ａ
にシール部材17と一体になった環状プレート16の内周部
16ａを嵌合し、この環状プレート16をシール部材17を介
して開口部12ａに嵌合させることにより、グロメット11
をパネル12に取付けることができる。この際、環状プレ
ート16の外周部に設けられたシール部材17が開口部12ａ
に嵌合するため、環状プレート16と開口部12ａの間を水
等が通過するのを防止することができ、パネル12の内部
と外部を液密的に密閉することができる（図３参照）。

【００２２】一方、開口部12ａが楕円の場合には、ワイ
ヤハーネス15に取付けられたグロメット11の環状溝13ａ
にシール部材19と一体になった環状プレート18の内周部
18ａを嵌合し、この環状プレート18をシール部材19を介
して開口部12ａに嵌合させることにより、グロメット11
をパネル12に取付けることができる。この際、環状プレ
ート18の外周部に設けられたシール部材19が開口部12ａ
に嵌合するため、環状プレート18と開口部12ａの間を水
等が通過するのを防止することができ、パネル12の内部
と外部を液密的に密閉することができる。

【００２３】このように本実施形態では、グロメット11
と別体に設けられ、環状溝13ａに内周部16ａ、18ａが嵌
合可能な環状プレート16、18と、環状プレート16、18の
外周部に取付けられ、開口部12ａに嵌合可能なシール部
材17、19とを設け、環状プレート16、18の外周形状を開
口部12ａが真円の場合には真円の開口部12ａの内周形状
と略同形状に、また、開口部12ａが楕円の場合には楕円
の開口部12ａの内周形状と略同形状にしたため、開口部
12ａの内周形状に応じた環状プレート16、18をグロメッ
ト11に取付けることにより、パネル12の開口部12ａの形
状が異なる場合であっても、１種類のグロメット11で対
応することができる。

【００２４】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、相手側部
材の開口部の形状が異なる場合であっても、１種類で対
応することができるようにして製造コストおよび部品管
理の手間が増大するのを防止することができる。

【００２５】請求項２記載の発明によれば、相手側部材
の開口部の形状が異なる場合であっても、開口部の内周
形状と同形状の環状プレートを準備して筒状大径部の環
状溝に嵌合し、この環状プレートおよびシール部材を介
してグロメットを開口部に装着するようにすれば、１種
類のグロメットで対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るグロメットおよびグロメットの装
着方法の一実施形態を示す図であり、その外観図であ
る。

【図２】（ａ）は一実施形態の環状プレートおよびシー
ル部材の正面図、（ｂ）はその側面図、（ｃ）は他の形
状の環状プレートおよびシール部材の正面図である。

【図３】一実施形態のグロメットを環状プレートを介し
てパネルに取付けた状態を示す図である。

【図４】（ａ）は従来のグロメットの外観図、（ｂ）は
そのグロメットをパネルに取付けた状態を示す図であ
る。

【図５】従来のグロメットの形状と開口部の形状の相関
関係を示す図である。

【符号の説明】

11 グロメット 12 パネル（相手側部材） 12ａ 開口部 13 筒状大径部 13ａ 環状溝 14 筒状小径部 15 ワイヤハーネス（線材束） 16、18 環状プレート 16ａ、18ａ 内周部 17、19 シール部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外周部に相手側部材の開口部に装着される
   環状溝が形成された筒状大径部と、該筒状大径部から突
   出する筒状小径部とを有し、該筒状大径部および筒状小
   径部の内周部に線材束を挿通可能なグロメットにおい
   て、 前記グロメットと別体に設けられ、前記環状溝に内周部
   が嵌合可能な環状プレートと、該環状プレートの外周部
   に取付けられ、前記開口部に嵌合可能なシール部材とを
   設け、前記環状プレートの外周形状を前記開口部の内周
   形状と略同形状にしたことを特徴とするグロメット。
2. 【請求項２】請求項１記載のグロメットを相手側部材の
   開口部に装着するグロメットの装着方法であって、 外周部にシール部材が取付けられるとともに前記開口部
   の内周形状と同形状の環状プレートを準備し、 該環状プレートを前記筒状大径部の環状溝に嵌合した
   後、該環状プレートおよびシール部材を介してグロメッ
   トを開口部に装着するようにしたことを特徴とするグロ
   メットの装着方法。