JP2000357612A - インダクティブ素子 - Google Patents

インダクティブ素子

Info

Publication number
JP2000357612A
JP2000357612A JP2000061778A JP2000061778A JP2000357612A JP 2000357612 A JP2000357612 A JP 2000357612A JP 2000061778 A JP2000061778 A JP 2000061778A JP 2000061778 A JP2000061778 A JP 2000061778A JP 2000357612 A JP2000357612 A JP 2000357612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
film
layer
coil layer
magnetic film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000061778A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3776281B2 (ja
JP2000357612A5 (ja
Inventor
Eiichi Komai
栄一 駒井
Yoshito Sasaki
義人 佐々木
Kazuyuki Ogawa
和志 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2000061778A priority Critical patent/JP3776281B2/ja
Priority to KR1020000016395A priority patent/KR100331732B1/ko
Priority to TW089106116A priority patent/TW451232B/zh
Priority to US09/547,639 priority patent/US6603382B1/en
Publication of JP2000357612A publication Critical patent/JP2000357612A/ja
Publication of JP2000357612A5 publication Critical patent/JP2000357612A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3776281B2 publication Critical patent/JP3776281B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/02Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers
    • H01L27/04Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers the substrate being a semiconductor body
    • H01L27/08Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components specially adapted for rectifying, oscillating, amplifying or switching and having potential barriers; including integrated passive circuit elements having potential barriers the substrate being a semiconductor body including only semiconductor components of a single kind
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/04Fixed inductances of the signal type  with magnetic core

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、渦電流損失低減の観点から、薄膜イン
ダクタを構成する磁性層を、複数の膜厚の薄い磁性膜を
積層して形成していたが、コイル層に近い磁性膜にコイ
ル層からの磁束が集中するため、各磁性膜の磁束分布は
不均一になり、各磁性膜をほぼ同様に機能させることが
できなかった。 【解決手段】 コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど透
磁率と膜厚との積の値をを大きくすることで、コイル層
12から遠ざかる磁性膜ほど、コイル層12から発生す
る磁束が誘導されやすくなり、各磁性膜にほぼ均一な磁
束分布を形成でき、各磁性膜をほぼ同様に機能させるこ
とが可能である。これにより、従来よりもインダクタン
ス及び直流重畳特性の向上、及び高周波帯域における鉄
損の低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜インダクタ、
薄膜トランスなどのインダクティブ素子に係り、特に磁
性層を複数の磁性膜を積層して形成し、最もコイル層に
近い磁性膜への前記コイル層からの磁束の集中を回避
し、より好ましくは、各磁性膜に、均一な磁束分布が形
成されるようにして、高周波特性を良好にすることが可
能なインダクティブ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば薄膜インダクタは、基板上に第1
の磁性層が形成され、前記第1の磁性層の上に絶縁層を
介してコイル層が形成され、さらに前記コイル層の上に
絶縁層を介して第2の磁性層が形成されて構成されてい
る。
【0003】上記薄膜インダクタは、例えばマイクロD
C−DCコンバータに使用されるが、前記薄膜インダク
タを構成する磁性層が膜厚の厚い単層で形成されている
と、高周波帯域では、渦電流損失が増大し、良好な高周
波特性が得られないといった問題があった。
【0004】そこで従来では、図10に示すように、薄
膜インダクタ1を構成する磁性層3,5を、多層化した
構造のものが考えられ、これによりインダクタンスをあ
る一定以上に確保できるとともに、渦電流損失の低減を
可能にし、高周波特性を改善できるとしている。
【0005】図10に示すように、コイル層4は、第1
の磁性層5と第2の磁性層3との間に介在し、各磁性層
5,3は、それぞれ複数の磁性膜5aないし5c,3a
ないし3cが積層されて形成されている。
【0006】また図10に示すように、磁性層5,3を
構成する各磁性膜は、全て同じ幅寸法t1、同じ膜厚h
1、及び同じ透磁率μ1で形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図10に示す
ように磁性層5,3を構成する各磁性膜が、全て同じ幅
寸法t1、同じ膜厚h1、及び同じ透磁率μ1で形成さ
れていると、コイル層4に近い磁性膜ほど、前記コイル
層4からの磁束が集中し、各磁性膜に均一な磁束分布が
形成されず、全ての磁性膜を同等に機能させることがで
きなかった。
【0008】磁性層4を構成する各磁性膜は、同じ膜厚
h1で形成されているために、コイル層4に最も近い磁
性膜5a,3aは、前記コイル層4から発生する磁束に
よる磁性膜内の磁束密度が高くなり、磁化飽和状態に達
し易い。前記磁性膜5a,3aがほぼ磁化飽和状態に達
すると、前記磁性膜5a,3aは実質的に磁性膜として
機能せず、空心と同様の状態となる。
【0009】すなわち従来は、磁性膜を積層して磁性層
を構成することで、渦電流損失の低減を図っていたが、
前記各磁性膜をすべて同じ膜厚h1、及び同じ透磁率μ
1で形成すると、コイル層4に近い磁性膜ほど、コイル
層4からの磁束が集中し、励振電流の振幅、或いは重畳
される直流電流の増加にともない磁性膜が飽和状態に近
づくため、インダクタンスの低下などの問題が生じる。
【0010】ところで、コイル層4に近い磁性膜ほどコ
イル層4からの磁束が集中し、各磁性膜において、均一
な磁束分布が得られていないことは、以下で説明する各
磁性膜の損失等価抵抗からも実証される。
【0011】図11は、周波数と、各磁性膜の損失等価
抵抗との関係を示すグラフである。図11に示すよう
に、全ての周波数帯域において、最もコイル層4に近い
磁性膜5a,3aが、最も損失等価抵抗が大きく、続い
て磁性膜5b,3bの損失等価抵抗が大きく、最もコイ
ル層4から遠い磁性膜5c,3cが、最も損失等価抵抗
は小さくなることがわかる。
【0012】このように各磁性膜において損失等価抵抗
が異なるのは、コイル層4から各磁性層に誘導される磁
束量が異なるためである。コイル層4に近い磁性膜ほど
コイル層4から発生する磁束が多く誘導されるので、コ
イル層4に近い磁性膜ほど損失等価抵抗は大きくなる。
【0013】また、前述のように、前記コイル層4に最
も近い磁性膜5a,3aが、磁化飽和状態に達すると、
磁性膜5,3として機能する部分は、磁性膜5b,3b
と磁性膜5c,3cだけになり、磁性膜5,3の膜厚が
実質的に減少することとなる。このため、インダクタン
スは低下し、直流重畳特性の低下を招く。
【0014】また磁性膜5a,3aが磁化飽和状態に達
すると、前記コイル層4から発生する磁束は、前記磁性
膜5a,3aに次いでにコイル層4に近い磁性膜5b,
3bに集中し、前記磁性膜5a,3aと同様に前記磁性
膜5b,3bが磁化飽和に達しやすくなるため更なる直
流重畳特性の低下を招く原因となる。
【0015】本発明は上記従来の問題を解決するための
ものであり、特にコイル層に最も近い磁性膜への前記コ
イル層からの磁束の集中を回避し、好ましくは、各磁性
膜にほぼ均一な磁束分布が得られるようにして、インダ
クタンスをある一定以上に確保でき、直流重畳特性の向
上が可能なインダクティブ素子を提供することを目的と
している。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、コイル層およ
び、絶縁層を介して前記コイル層を覆う磁性層が設けら
れたインダクティブ素子において、前記磁性層は、少な
くとも2層の磁性膜が重ねられて形成されており、前記
磁性層を形成する任意の2つの磁性膜を比較したとき
に、前記コイル層に近い磁性膜の透磁率と膜厚との積の
値が、前記コイル層から遠い磁性膜の前記透磁率と膜厚
との積の値よりも小さくなる磁性膜の組み合わせを含む
ことを特徴とするものである。
【0017】従来、磁性層を多層化する場合には、複数
の磁性膜を、同じ透磁率、及び同じ膜厚で形成していた
ので、コイル層に近い磁性膜ほどコイル層からの磁束が
集中し、各磁性膜に均一な磁束分布が形成されず、各磁
性膜が同等に機能していなかった。特に磁束の集中する
コイル層に近い磁性膜は、磁化飽和状態に達して実質的
に磁性膜としての機能せず、直流重畳特性やインダクタ
ンスの低下などを招き、磁性層を多層化する効果が十分
に発揮されない現状がある。
【0018】これに対し本発明では、前記磁性層を形成
する任意の2つの磁性膜を比較したときに、前記コイル
層に近い磁性膜の透磁率と膜厚との積の値を、前記コイ
ル層から遠い磁性膜の前記透磁率と膜厚との積の値より
も小さくすることで、コイル層に近い磁性膜に磁束が集
中するのを回避できる。
【0019】また、前記磁性層が3層以上重ねられた磁
性膜を有するときには、コイル層に近い磁性膜へのコイ
ル層からの磁束の集中を回避し、コイル層から遠ざかる
磁性膜に磁束が誘導されやすくするために、前記コイル
層に最も近い磁性膜の透磁率と膜厚との積の値が、それ
以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積の値よりも小さいこ
とが好ましく、前記コイル層から最も遠い磁性膜の透磁
率と膜厚との積の値が、それ以外の磁性膜の透磁率と膜
厚との積の値よりも大きいとより好ましく、最も好まし
くは、前記磁性膜の透磁率と膜厚との積の値が、前記コ
イル層から遠ざかるにしたがって順に大きくなることで
ある。
【0020】すなわち本発明では、コイル層から最も近
い磁性膜へのコイル層からの磁束の集中を回避でき、ま
たコイル層から遠ざかる磁性膜に誘導される磁束量を多
くすることができ、各磁性膜に見合った磁束量をコイル
層から誘導することが可能になる。これにより各磁性膜
の磁束密度分布を均一な状態に近づけることができ、全
ての磁性膜を、ほぼ同等に機能させることが可能にな
る。本発明によれば、各磁性膜の透磁率と膜厚との積の
値を適正に調整することで、各磁性膜の損失等価抵抗の
総和を低減し、従来と比較して直流重畳特性を向上で
き、また、インダクタンスの低下を防ぐことができる。
また、鉄損の低減を図ることもできる。特に、高周波領
域における鉄損の低下を図ることが可能である。
【0021】また、本発明は、例えば、前記磁性層を形
成する各磁性膜の膜厚が相違することによって、前記透
磁率と膜厚との積の値が相違しているものである。前記
各磁性膜の透磁率が同じであれば、前記各磁性膜の膜厚
を相違させることで、前記透磁率と膜厚との積の値を相
違させることになる。 または、本発明は、前記磁性層
を形成する各磁性膜の透磁率が相違することによって、
前記透磁率と膜厚との積の値が相違しているものであ
る。前記各磁性膜の膜厚が同じであれば、前記各磁性膜
の透磁率を相違させることで、前記透磁率と膜厚との積
の値を相違させることになる。 各磁性膜の膜厚の調整
及び磁性材料の選択を適切に行うことで、各磁性膜に対
し、より均一な磁束分布が得られ、全ての磁性膜をほぼ
同等に機能させることが可能である。
【0022】また、本発明は、コイル層および、絶縁層
を介して前記コイル層を覆う磁性層が設けられたインダ
クティブ素子において、前記磁性層は、少なくとも2層
の磁性膜が重ねられて形成されており、前記磁性層を形
成する任意の2つの磁性膜を比較したときに、前記コイ
ル層に近い磁性膜の膜厚が、前記コイル層から遠い磁性
膜の膜厚よりも小さくなる磁性膜の組みあわせを含むこ
とを特徴とするものである。
【0023】前記磁性層が3層以上重ねられた磁性膜を
有する場合には、前記コイル層に最も近い磁性膜の膜厚
が、それ以外の磁性膜の膜厚よりも小さいことが好まし
く、また、前記コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚が、
それ以外の磁性膜の膜厚よりも大きいことが好ましい。
より好ましくは、前記磁性膜の膜厚が、前記コイル層か
ら遠ざかるにしたがって順に大きくなることである。
【0024】また、本発明は、コイル層および、絶縁層
を介して前記コイル層を覆う磁性層が設けられたインダ
クティブ素子において、前記磁性層は、少なくとも2層
の磁性膜が重ねられて形成されており、前記磁性層を形
成する任意の2つの磁性膜を比較したときに、前記コイ
ル層に近い磁性膜を形成する磁性材料の透磁率が、前記
コイル層から遠い磁性膜を形成する磁性材料の透磁率よ
りも小さくなる磁性膜の組みあわせを含むことを特徴と
するものである。
【0025】前記磁性層が3層以上重ねられた磁性膜を
有する場合には、前記コイル層に最も近い磁性膜を形成
する磁性材料の透磁率が、それ以外の磁性膜を形成する
磁性材料の透磁率よりも小さいことが好ましく、また、
前記コイル層から最も遠い磁性膜を形成する磁性材料の
透磁率が、それ以外の磁性膜を形成する磁性材料の透磁
率よりも大きいことが好ましい。より好ましくは、前記
磁性膜を形成する磁性材料の透磁率が、前記コイル層か
ら遠ざかるにしたがって順に大きくなることである。
【0026】さらに本発明では、前記磁性層を形成する
各磁性膜のうち、コイル層に最も近い磁性膜は、その両
側端部がそれ以外の少なくとも1つの磁性膜の両側端部
よりも中心側に位置するように形成されていることが好
ましく、コイル層から最も遠い磁性膜は、その両側端部
がそれ以外の少なくとも1つの磁性膜の両側端部よりも
側方へ延出するように形成されているとより好ましい。
また、前記磁性層を形成するいずれか2つの磁性膜を比
較したときに、前記コイル層から遠い磁性膜の両側端部
が、前記コイル層に近い磁性膜の両側端部よりも側方へ
延出するように、コイル層から遠ざかる磁性膜ほど幅寸
法が大きく形成されていることが最も好ましい。
【0027】これにより、コイル層に最も近い磁性膜へ
のコイル層からの磁束の集中を、より適切に回避するこ
とができ、しかも、さらにコイル層から遠ざかる磁性膜
ほど、コイル層からの磁束が誘導されやすくなるので、
各磁性膜の磁束分布がより均一になり、従って全ての磁
性層を適切に機能させることが可能である。
【0028】また、前記磁性層を形成する各磁性膜のう
ち、前記コイル層から最も遠い磁性膜を除いた少なくと
も一つの磁性膜に、スリット或いは切り欠き部が形成さ
れていることが好ましい。
【0029】前記コイル層から最も遠い磁性膜を除いた
少なくとも一つの磁性膜に、スリット或いは切り欠き部
が形成されていることにより、コイル層に近い磁性膜へ
の磁束の集中を防ぎ、各磁性膜において均一な磁束密度
分布を得ることができ、損失等価抵抗が減少する。従っ
て、本発明のインダクタンス素子は、各磁性膜の損失等
価抵抗の総和を低減させることができ、直流重畳特性を
向上でき、従来と同等以上のインダクタンスを確保でき
る。また、前記コイル層から最も遠い磁性膜には、スリ
ット或いは切り欠き部が形成されず、磁気シールドとし
て機能する。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における薄膜イン
ダクタ(インダクティブ素子)の構造を示す部分斜視
図、図2は図1の切断線2−2をa方向から切断した際
の部分断面図である。
【0031】図2に示すように、本発明における薄膜イ
ンダクタ10は、基板上に第1の磁性層11と、前記第
1の磁性層11の上に、例えばSiO2等の絶縁材料で
形成された絶縁層(図示しない)を介して形成されたコ
イル層12と、このコイル層12の上に絶縁層(図示し
ない)を介して形成された第2の磁性層13とを有して
構成されている。なお図1では、コイル層12の上に絶
縁層を介して形成される第2の磁性層13は図面上省略
されている。
【0032】図1及び図2に示すように、第1の磁性層
11は、複数の磁性膜11aないし11cが絶縁膜(図
示しない)を介して積層されて形成されている。
【0033】また図1に示すように、前記第1の磁性層
11上に形成されるコイル層12は平面的に螺旋状に形
成されており、前記コイル層12は例えば銅などの電気
抵抗の低い導電性材料でパターン形成される。このよう
に、本発明は平面型のコイルを用いた平面型磁気素子に
適用することができる。
【0034】図1に示すように前記コイル層12の巻き
中心12aは、例えば第1の磁性層11の中央に開けら
れたスルーホール(図示しない)を通って、外部に通じ
る取り出し電極(図示しない)に電気的に接続されてい
る。また図1に示すコイル層12の巻き外端12bも、
他の取り出し電極に電気的に接続された状態になってい
る。
【0035】また前記コイル層12の上に絶縁層を介し
て形成される第2の磁性層13は、図2に示すように、
複数の磁性膜13aないし13cが絶縁膜(図示しな
い)を介して積層されて形成されている。
【0036】このように本発明では、上述のように、第
1の磁性層11及び第2の磁性層13は、複数の磁性膜
11aないし11c,13aないし13cが積層されて
構成されており、前記磁性層が単一の層で形成される場
合に比べ、渦電流損を低減させることが可能である。
【0037】ところで本発明では、図1及び図2に示す
ように、コイル層12から遠ざかる磁性膜の膜厚ほど、
厚く形成されている。図1及び2に示すように、第1の
磁性層11のうち、コイル層12に最も近い位置に形成
される磁性膜11aは、その膜厚がh4で形成され、コ
イル層12から最も離れた位置に形成される磁性膜11
cは、その膜厚がh6で形成され、前記磁性膜11aと
11cとの間に形成される磁性膜11bの膜厚は、h5
で形成されており、前記膜厚h4,h5及びh6は、コ
イル層12から遠ざかるに従って大きく形成されてい
る。
【0038】また第2の磁性層13においても、図2に
示すように、磁性膜13aないし13cの膜厚h7ない
しh9は、膜厚h7、h8及びh9の順に大きくなって
おり、コイル層12から離れる磁性膜ほど膜厚が大きく
形成されることがわかる。
【0039】このように本発明では、コイル層12から
遠ざかる磁性膜ほど膜厚が大きく形成され、この構造に
よりコイル層12から発生する磁束が、コイル層12か
ら遠ざかる磁性膜に導かれ易くなり、従来のようにコイ
ル層12に最も近い磁性膜11a,13aにのみ集中し
ていた磁束を各磁性膜に、適切に分散させることが可能
である。
【0040】また、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほ
ど透磁率と膜厚との積の値も大きくなっている。
【0041】本発明ではこのように、コイル層12から
遠ざかる磁性膜ほど膜厚が厚く形成され、この構造によ
りコイル層12から発生する磁束がコイル層12から遠
い磁性膜に多く誘導されるため、従来であればコイル層
12に最も近い磁性膜11a,13aにのみ集中してい
た磁束を各磁性膜に適切に分散させることが可能であ
る。
【0042】本発明ではこのように、コイル層12から
遠ざかる磁性膜ほど膜厚を厚く形成すること、すなわ
ち、コイル層12から遠い磁性膜ほど磁気回路における
磁気抵抗を小さくすることで、大きな磁束量が誘導され
ることとなる。このため、各磁性膜の磁束密度が均等な
状態に近づき、コイル層12に近い磁性膜11a,13
aのみが飽和することを回避することが可能である。
【0043】すなわち本発明では、各磁性膜が、その膜
厚に見合った磁束量を、コイル層12から有効に誘導す
ることができ、これにより各磁性膜にほぼ均一な磁束分
布が形成される。なお、1つの磁性膜の厚みは、0.5
〜15μmであることが好ましい。1つの磁性膜の厚み
が15μm以上であると、インダクタンスの増加を見込
み難くなる。
【0044】また図1及び図2に示す実施例において
は、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法が大き
く形成されていることがわかる。
【0045】本発明では、図1及び図2に示すように、
第1の磁性層11を構成する各磁性膜のうち、コイル層
12に最も近い磁性膜11aの幅寸法t2が最も短く形
成され、コイル層12に最も遠い磁性膜11cの幅寸法
t4が最も長く形成され、前記磁性膜11aと11cと
の間に位置する磁性膜11bの幅寸法t3が、磁性膜1
1aの幅寸法t2よりも長く形成され、且つ磁性膜11
cの幅寸法t4よりも短く形成されている。
【0046】同様に第2の磁性層13を構成する各磁性
膜のうち、コイル層12に最も近い磁性膜13aの幅寸
法t5が最も短く形成され、コイル層12に最も遠い磁
性膜13cの幅寸法t7が最も長く形成され、前記磁性
膜13aと13cとの間に位置する磁性膜13bの幅寸
法t6が、磁性膜13aの幅寸法t5よりも長く形成さ
れ、且つ磁性膜13cの幅寸法t7よりも短く形成され
ている。
【0047】このようにコイル層12から遠ざかる磁性
膜ほど幅寸法が長く形成されることにより、中間に位置
する磁性膜11b,13bの両側端部は、コイル層12
に最も近い位置に形成された磁性膜11a,13aの両
側端部よりも側方へ延出して形成され、さらにコイル層
12から最も遠い位置に形成された磁性膜11c,13
cの両側端部は、中間に位置する磁性膜11b,13b
の両側端部よりも側方へ延出して形成されている。
【0048】このようにコイル層12から遠ざかる磁性
膜の両側端部ほど、外側に延出して形成されることによ
り、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど、コイル層1
2から発生する磁束が誘導されやすくなり、各磁性膜の
磁束密度を効果的に均一化することが可能である。
【0049】なお各磁性膜の両側端部が、コイル層12
に近い側に形成された磁性膜の両側端部より側方へ延出
して形成される幅寸法を、オーバーハング量と呼ぶが、
本発明ではこのオーバーハング量を適切に調整すること
で、各磁性膜における磁束分布の均一化を促進させるこ
とができる。
【0050】さらに本発明では、磁性層11,13を構
成する各磁性膜が同じ材質で形成されていてもよいし、
あるいは異なった材質で形成されていてもよいが、高周
波特性の向上という観点からすると、磁性材料に求めら
れる1つの特性として高比抵抗が挙げられ、各磁性膜
は、高比抵抗を有する磁性材料で形成されていることが
好ましい。
【0051】前記磁性層11,13を構成する各磁性膜
11aないし11c、及び13aないし13cは、高周
波特性に優れた軟磁性膜であり、例えば、特開平6−3
16748号公報に記載されているFe−M−O系軟磁
性材料(但し、Mは、Zr,Hf,V,Nb,Ta,M
o,W,Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,Geと
希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の元素)
あるいは特開平10−25530号公報に記載されてい
るCo−Fe−E−O系軟磁性材料(但し、元素Eは、
Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,Al,S
i,Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元素から選
ばれる1種または2種以上の元素)や、Co−Ta−H
f、Co−Ta−Hf−Pd、Co−Zr−Nb、Co
−Zr−Ta、あるいはCo−Hf−Nb等により形成
される。
【0052】さらに本発明では、各磁性膜の磁束分布の
均一化をより効果的に図るために、コイル層12から遠
ざかる磁性膜ほど、高い透磁率を有する磁性材料で形成
されることが好ましい。このように各磁性膜の透磁率を
変えるには、元々透磁率の異なる組成の異なった磁性材
料を適正に選択して、磁性膜に使用する場合のみなら
ず、全ての磁性膜を同じ組成の磁性材料で形成する場合
でも、前記磁性材料の構成元素の組成比等を変えること
によって、透磁率を変えることもできる。
【0053】上記のようにコイル層12から遠ざかる磁
性膜ほど、高い透磁率を有する磁性材料で形成すること
により、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど、コイル
層12からの磁束が誘導されやすくなり、各磁性膜の磁
束分布の均一化を促進させることができる。
【0054】以上のように本発明では、コイル層12か
ら遠ざかる磁性膜ほど膜厚を厚く形成することにより、
コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど、コイル層12か
らの磁束が誘導されやすくなる。従って、各磁性膜は、
各磁性膜の膜厚に見合った磁束量をコイル層から取り入
れることができ、各磁性膜の磁束分布の均一化を効果的
に図ることが可能である。またコイル層12から遠ざか
る磁性膜ほど幅寸法を大きくしたり、あるいはコイル層
12から遠ざかる磁性膜ほど透磁率の高い磁性材料で形
成することにより、さらに効果的に各磁性膜の磁束分布
の均一化を促進させることができる。
【0055】各磁性膜の磁束分布がほぼ均一な状態であ
ると、各磁性膜の損失等価抵抗をほぼ同じ値にすること
ができ、各磁性膜の損失等価抵抗の総和を低減させるこ
とができ、直流重畳特性を向上でき、従来と同程度、あ
るいはそれ以上のインダクタンスを確保できる。また、
特に高周波帯域において、鉄損を低減させることができ
る。
【0056】なお図1及び図2に示す実施例において
は、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法を大き
くしているが、各磁性膜の幅寸法は同じ寸法で形成され
ていてもかまわない。さらに図1及び図2に示す実施例
においては、コイル層12から遠ざかる磁性膜ほど、高
い透磁率を有する磁性材料によって形成しているが、全
ての磁性膜が、ほぼ同程度の透磁率を有する磁性材料に
よって形成されていてもかなわない。
【0057】図3は、本発明における他の実施例の薄膜
インダクタ(インダクティブ素子)の構造を示す部分断
面図である。
【0058】図3に示すように薄膜インダクタ15は、
基板上に第1の磁性層16が形成され、また前記第1の
磁性層16の上に絶縁層(図示しない)を介してコイル
層17が螺旋状にパターン形成されており、さらに前記
コイル層17の上に、絶縁層(図示しない)を介して第
2の磁性層18が形成されている。
【0059】この実施例においても第1の磁性層16及
び第2の磁性層18は、複数の磁性膜16aないし16
c、及び18aないし18cが、絶縁膜(図示しない)
を介して積層されて構成されており、磁性層16,18
の多層化により渦電流損失の低減を図ることができる。
【0060】図3に示すように各磁性膜は、ほぼ同じ膜
厚h10で形成されている。そして、この実施例におい
ては、コイル層17から遠ざかる磁性膜ほど、高い透磁
率を有する磁性材料で形成されることにより、コイル層
17から遠ざかる磁性膜ほど透磁率と膜厚との積の値が
大きくなっている。
【0061】前述したように、各磁性膜16aないし1
6c、及び18aないし18cは、例えば、特開平6−
316748号公報に記載されているFe−M−O系軟
磁性材料(但し、Mは、Zr,Hf,V,Nb,Ta,
Mo,W,Al,Si,Cr,P,C,B,Ga,Ge
と希土類元素から選ばれる1種あるいは2種以上の元
素)あるいは特開平10−25530号公報に記載され
ているCo−Fe−E−O系軟磁性材料(但し、元素E
は、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,Al,
Si,Cr,P,C,B,Ga,Geと希土類元素から
選ばれる1種または2種以上の元素)等により形成され
る。
【0062】各磁性膜の透磁率を変えるには、元々透磁
率の異なる組成の異なった磁性材料を適正に選択して、
磁性膜に使用する場合のみならず、全ての磁性膜を同じ
組成の磁性材料で形成する場合でも、前記磁性材料の構
成元素の組成比等を変えることによって、透磁率を変え
ることもできる。
【0063】このようにコイル層17から遠ざかる磁性
膜ほど、透磁率の高い磁性材料で形成することで、コイ
ル層17から遠ざかる磁性膜ほど、コイル層17からの
磁束が誘導されやすくすることができる。
【0064】従来では、図3に示す実施例と同様に、各
磁性膜をほぼ同じ膜厚で形成していたが、各磁性膜を全
て同じ磁性材料で形成していたので、各磁性膜における
透磁率はほぼ同じ値であり、従ってコイル層からの磁束
は、コイル層に近い磁性膜に集中し、各磁性膜に均一な
磁束分布を形成できなかった。
【0065】これに対し図3に示す実施例では、各磁性
膜の透磁率を、コイル層17から遠ざかる磁性膜ほど高
くすることで、コイル層17から発生する磁束は、前記
コイル層17に最も近い磁性膜16a,18aのみなら
ず、コイル層17から距離の離れる磁性膜16b,18
b及び16c,18cにも適切に導かれ、各磁性膜全て
にほぼ同程度の磁束量を吸収させることができる。よっ
て本発明によれば、各磁性膜の磁束分布の均一化を図る
ことが可能であり、これにより各磁性膜の損失等価抵抗
をほぼ同じ値にすることができ、各磁性膜の損失等価抵
抗の総和を低減させることができ、直流重畳特性を向上
でき、従来と同程度、あるいはそれ以上のインダクタン
スを確保できる。また、特に高周波帯域において、鉄損
を低減させることができる。
【0066】なお図3に示す実施例では、図1及び図2
に示す実施例の場合と同様に、コイル層17から遠ざか
る磁性膜ほど、幅寸法が大きく形成されている。第1の
磁性層16では、磁性膜16aの幅寸法t8、磁性膜1
6bの幅寸法t9、及び磁性膜16cの幅寸法t10の
順で大きくなっており、同様に、第2の磁性層18で
は、磁性膜18aの幅寸法t11、磁性膜18bの幅寸
法t12、及び磁性膜18cの幅寸法t13の順で大き
くなっている。
【0067】このように、コイル層17から遠ざかる磁
性膜ほど、幅寸法を大きく形成することで、コイル層1
7から遠ざかる磁性膜の両側端部ほど、外側に延出して
形成され、これによりコイル層17から遠ざかる磁性膜
ほど、コイル層17から発生する磁束が誘導されやすく
なり、各磁性膜の磁束密度をより均一化することが可能
である。
【0068】ただし本発明では、磁性層16,18を構
成する各磁性膜の幅寸法が、ほぼ同一の幅寸法で形成さ
れていてもかまわない。
【0069】図4は、本発明の他の実施例における薄膜
インダクタ(インダクティブ素子)の構造を示す部分平
面図である。なお図4に示す薄膜インダクタには、第2
の磁性層は図面上省略されている。
【0070】図4に示すように、第1の磁性層20は、
複数の磁性膜20aないし20cが、絶縁層(図示しな
い)を介して積層されて構成されており、前記第1の磁
性層20の上に絶縁層(図示しない)を介してコイル層
21が螺旋状にパターン形成されている。そして前記コ
イル層21の上には、絶縁層(図示しない)を介して図
示しない第2の磁性層が形成されている。この第2の磁
性層も第1の磁性層20と同様に複数の磁性膜が積層さ
れて構成されている。
【0071】この実施例においては、コイル層21から
遠ざかる磁性膜ほど膜厚が大きくなって形成されてい
る。図4に示すように、磁性層20の中央には、磁性膜
20aから磁性膜20cにまで貫通する穴部20dが形
成されている。そしてコイル層21の巻き中心部21a
は、前記穴部20d内を通って、外部に通じる取り出し
電極(図示しない)に電気的に接続されている。
【0072】またこの実施例では、図4に示すように、
コイル層21から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法が大きく形
成されている。コイル層21に最も近い位置に形成され
た磁性膜20aは、幅寸法がt14で形成され、前記磁
性膜20aの次にコイル層21に近い位置に形成された
磁性膜20bは、幅寸法がt15で形成され、コイル層
21から最も遠い位置に形成された磁性膜20cは幅寸
法がt16で形成されている。そして前記幅寸法は、磁
性膜20aの幅寸法t14、磁性膜20bの幅寸法t1
5、及び磁性膜20cの幅寸法t16の順で大きく形成
されていることがわかる。
【0073】このようにコイル層21から遠ざかる磁性
膜ほど幅寸法が大きく形成されることで、コイル層21
から遠ざかる磁性膜の両側端部ほど、コイル層21の内
径及び外径から延出して形成される。
【0074】すなわちこの実施例においては、磁性層2
0に形成された穴部20d内においても、コイル層21
から遠ざかる磁性膜の側端部ほど、前記穴部20dの中
心方向に延出して形成された状態になるので、この穴部
20d内においても、コイル層21から遠ざかる磁性膜
は、コイル層21からの磁束を引き込み易くなる。
【0075】よってこの実施例においては、より効果的
に、コイル層21から遠ざかる磁性膜ほど、コイル層2
1からの磁束が誘導されやすくなり、従って、コイル層
21からの磁束を各磁性膜へ適正に分散させることがで
き、各磁性膜の磁束分布の均一化を図ることが可能であ
る。
【0076】なおコイル層21から遠ざかる磁性膜ほど
高い透磁率を有する磁性材料で形成されることが好まし
いが、全ての磁性膜がほぼ均一な透磁率を有する磁性材
料で形成されていてもかまわない。
【0077】図5は本発明における他の実施例を示す薄
膜インダクタ(インダクティブ素子)の部分平面図であ
る。なお図5に示す薄膜インダクタには、第2の磁性層
は図面上省略されている。
【0078】図5に示すように、第1の磁性層22は、
複数の磁性膜22aないし22cが、絶縁層(図示しな
い)を介して積層されて構成されており、前記第1の磁
性層22の上に絶縁層(図示しない)を介してコイル層
23が螺旋状にパターン形成されている。そして前記コ
イル層23の上には、絶縁層(図示しない)を介して図
示しない第2の磁性層が形成されている。この第2の磁
性層も第1の磁性層22と同様に複数の磁性膜が積層さ
れて構成されている。
【0079】この実施例においては、図5に示すよう
に、磁性層22の中央に、磁性膜22aから磁性膜22
cにまで貫通する穴部22dが形成されている。
【0080】またこの実施例においても、コイル層23
から遠ざかる磁性膜ほど膜厚が大きく形成されているこ
とが磁束分布の均一化を促進させる上で好ましいが、例
えば従来と同様に、各磁性膜の膜厚がほぼ同じ大きさで
形成されていてもかまわない。
【0081】さらに図5に示すように、コイル層23か
ら遠ざかる磁性膜ほど、幅寸法が大きく形成されてい
る。図5に示すように、コイル層23に最も近い位置に
形成された磁性膜22aは幅寸法がt17で形成され、
前記磁性膜22aの次にコイル層23に近い磁性膜22
bの幅寸法がt18で形成され、さらにコイル層23か
ら最も遠い位置に形成された磁性膜22cの幅寸法がt
19で形成されている。
【0082】このようにコイル層23から遠ざかる磁性
膜ほど幅寸法が大きく形成されることで、コイル層23
から遠ざかる磁性膜の両側端部ほど、コイル層23の内
径及び外径から延出して形成される。
【0083】またこの実施例においては、図5に示すよ
うに、磁性膜22cの上に形成される磁性膜22bと磁
性膜22aには、矢印b方向と、矢印c方向にスリット
24,25が入れられており、これにより磁性膜22a
と磁性膜22bは、それぞれ2つに分断された状態にな
っている。
【0084】なお前記スリット24,25の方向(b方
向、c方向)は、磁化困難軸方向(図示X方向)である
ことが好ましい。ところで、コイル層23からの磁束
は、各磁性膜内にて透磁率の高くなっている磁化困難軸
方向(図示X方向)において誘導される磁束量が大き
い。このため、各磁性膜の磁束密度分布を可視化する
と、図示X方向に延びて形成された部分の磁性膜の磁束
密度分布の方が、図示Y方向に延びて形成された部分の
磁性膜に比べ、高い磁束密度領域を有するものとなる。
【0085】上記のように、磁性膜22a及び磁性膜2
2bに形成されたスリット24,25が、磁化困難軸方
向と同じ方向に形成されると、前記スリット24,25
の形成により、前記磁性膜22a及び22bが磁化困難
軸方向(図示X方向)と平行に分断されることになる。
すなわちスリット24,25の形成された部分は、磁性
膜にとって、コイル層23から誘導される磁束量が大き
くなる部分であり、コイル層23から遠い磁性膜におい
ても十分な磁束量が誘導されやすくなる。
【0086】さらに図5に示すように、コイル層23に
最も近い位置に形成された磁性膜22aのスリット2
4,25の幅寸法はt20で、前記磁性膜22aの次に
コイル層23に近い位置に形成される磁性膜22bのス
リット24,25の幅寸法はt21であり、コイル層2
3に近い側の磁性膜22aのスリット24,25の幅寸
法の方が大きく形成されている。
【0087】このため、前記コイル層23から発生する
磁束は、スリット24,25の幅寸法がt20で形成さ
れた磁性膜22a、前記幅寸法t20よりも小さい幅寸
法t21で形成されたスリット24,25を有する磁性
膜22b、及び全くスリットの形成されていないコイル
層23から最も遠い位置に形成された磁性膜22cの順
に導かれ易くなるので、より効果的に各磁性膜の磁束分
布をほぼ均一な状態にすることができる。
【0088】なおこの実施例においても、コイル層23
から遠ざかる磁性膜ほど高い透磁率を有する磁性材料で
形成されることが好ましいが、全ての磁性膜がほぼ均一
な透磁率を有する磁性材料で形成されていてもかまわな
い。
【0089】前記各磁束密度分布がほぼ均一な状態にな
ると、各磁性膜の損失等価抵抗をほぼ同じ値にすること
ができ、各磁性膜の損失等価抵抗の総和を低減させるこ
とができ、直流重畳特性を向上でき、従来と同程度、あ
るいはそれ以上のインダクタンスを確保できる。また、
特に高周波帯域において、鉄損を低減させることができ
る。
【0090】なお図5に示す実施例では、スリット2
4,25が二つ形成されているが、さらに多くのスリッ
トが形成されていてもかまわない。またスリットにより
磁性膜を分断するのではなく、磁性膜の途中にまで切り
欠きが形成されたものであってもよい。さらに図5で
は、磁性膜22a,22bにスリット24,25が形成
されているが、磁性膜22cにスリットが形成されてい
てもかまわない。この場合、前記磁性膜22cに形成さ
れるスリットの幅寸法が、磁性膜22a及び磁性膜22
bに形成されるスリットに形成される幅寸法に比べて小
さいことが好ましい。さらに前記スリット24,25
は、コイル層23に最も近い位置に形成された磁性膜2
2aにのみ形成されていてもかまわない。
【0091】以上詳述したように本発明では、磁性層を
構成する複数の磁性膜の膜厚、幅寸法、あるいは材質等
を改良することで、コイル層から遠ざかる磁性膜ほどコ
イル層からの磁束が誘導されやすくなり、各磁性膜にほ
ぼ均一な磁束分布を形成することが可能になる。
【0092】前記各磁束分布がほぼ均一な状態になる
と、各磁性膜の損失等価抵抗をほぼ同じ値にすることが
でき、各磁性膜の損失等価抵抗の総和を低減させること
ができ、直流重畳特性を向上でき、従来と同程度、ある
いはそれ以上のインダクタンスを確保できる。また、特
に高周波帯域において、鉄損を低減させることができ
る。
【0093】また上記で説明した実施例では、コイル層
の上下に絶縁層を介して、第1の磁性層と第2の磁性層
が設けられているが、本発明では、前記コイル層に絶縁
層を介して少なくとも1つの磁性層が形成された形態の
インダクティブ素子にも適応可能なものである。
【0094】また上記で説明した実施例では、第1の磁
性層及び第2の磁性層がいずれも複数の磁性膜を積層し
た構造で形成されていたが、本発明では、第1の磁性層
または第2の磁性層のどちらか一方の磁性層が、複数の
磁性膜を積層した構造のものであってもかまわない。ま
た上記で説明した実施例では、図面上、いずれも磁性層
は3層の磁性膜の積層構造であったが、前記磁性膜は2
層でもよいし、あるいは3層より多くてもよい。磁性膜
の層数は、例えば、2層から12層である。
【0095】また、磁性層を構成する各磁性膜の膜厚を
1層ごとに変えるのでなく、2層を一組として、2層ご
とに各磁性層の膜厚を変えてもよい。
【0096】なお上記した実施例は、いずれも最も好ま
しい形状を表したものであり、本発明では、図1ないし
図5に示す形状以外の形状で形成されていてもかまわな
い。
【0097】本発明では、磁性層を形成するいずれか2
つの磁性膜を比較したときに、前記コイル層に近い磁性
膜の透磁率と膜厚との積の値が、前記コイル層から遠い
磁性膜の前記透磁率と膜厚との積の値よりも小さければ
よい。
【0098】また、図1ないし図5に示されたように、
磁性層が3層重ねられた磁性膜を有しているときは、コ
イル層に最も近い磁性膜の透磁率と膜厚との積の値が、
それ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積の値よりも小さ
いことが好ましく、コイル層から最も遠い磁性膜の透磁
率と膜厚との積の値が、それ以外の磁性膜の透磁率と膜
厚との積の値よりも大きいことがより好ましい。
【0099】具体的には、図1及び図2に示された1つ
の磁性層11又は13を構成するいずれか2つの磁性膜
を比較したときに、コイル層12に近い方の磁性膜の透
磁率と膜厚との積の値が、コイル層12から遠い方の磁
性膜の透磁率と膜厚との積の値よりも小さければよい。
【0100】好ましくは、上記構成に加え、コイル層1
2に最も近い磁性膜11a,13aの透磁率と膜厚との
積の値が、それ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積の値
に比べて、最も小さく形成されていることであり、より
好ましくは、上記構成に加え、コイル層12に最も遠い
磁性膜11c,13cの透磁率と膜厚との積の値が、そ
れ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積の値に比べ、最も
大きく形成されていることである。
【0101】さらに本発明では、各実施例における好ま
しい構造として、磁性膜の両側端部が、前記磁性膜より
もコイル層に近い側に形成された磁性膜の両側端部より
側方へ延出するように、コイル層から遠ざかる磁性膜ほ
ど幅寸法が大きく形成されているが、本発明では、1つ
の磁性層を形成する各磁性膜のうち、コイル層に最も近
い磁性膜の両側端部が、それ以外の少なくとも1つの磁
性膜の両側端部よりも中心側に位置するように形成され
ているか、もしくは、1つの磁性層を形成する各磁性膜
のうち、コイル層から最も遠い磁性膜の両側端部がそれ
以外の少なくとも1つの磁性膜の両側端部よりも側方へ
延出するように形成されていればよい。
【0102】上記構成によっても、本発明では、少なく
ともコイル層に最も近い磁性膜へのコイル層からの磁束
の集中を回避することができ、また好ましくは、各磁性
膜に、均一な磁束分布を形成でき、高周波損失を抑制す
ることが可能になる。
【0103】また本発明では、平面型磁気素子である薄
膜インダクタについて説明したが、同じ平面型磁気素子
である1次平面コイルと2次平面コイルを有する薄膜ト
ランスなどの他のインダクティブ素子についても本発明
を適用することができる。また、多層化された磁性層を
有するインダクティブ素子について本発明を適用するこ
とができる。
【0104】なお、薄膜インダクタや薄膜トランスは薄
膜形成プロセスを有する工程で製造される薄膜磁気素子
である。
【0105】
【実施例】本発明では、図4に示す薄膜インダクタのよ
うに、磁性層の中央に穴部を形成し、前記磁性層を構成
する各磁性膜の膜厚や幅寸法を変えた場合における各磁
性膜の磁束分布を三次元有限要素法(FEM)で測定し
た。まず実験の諸条件について以下に説明する。
【0106】薄膜インダクタを構成するコイル層の導体
幅を60μm、導体間隔を25μm、さらに巻き数を6
ターンで形成した。
【0107】また磁性層を構成する各磁性膜を、比透磁
率が磁化困難軸方向にμhard=1800、磁化容易軸方
向にμeasy=300、比抵抗が、1000μΩ・cmで
ある磁性材料を用いて形成した。また第1の磁性層と第
2の磁性層との間の間隔(ギャップ長)を70μmで形
成した。
【0108】さらに駆動周波数を5MHzとし、コイル
層に流す励磁電流を0.3A(peakto peak:表記は
(p−p))とした。
【0109】次に、比較例及び実施例での各磁性膜の膜
厚、及び幅寸法について説明する。まず比較例1となる
薄膜インダクタの磁性層は、磁性膜を3層積層した構成
であり、各磁性膜の膜厚をすべて2.0μmで形成し、
さらに各磁性膜の幅寸法を全て同じ幅寸法で形成した。
【0110】比較例2となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、各磁性膜の膜厚
をすべて2.0μmで形成し、さらにオーバーハング量
(磁性膜の側端部が、コイル層に近い側に形成された磁
性膜の側端部から延出する幅寸法)が150μmとなる
ようにコイル層から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法を大きく
形成した。
【0111】比較例3となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を3μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
1μmで形成し、さらにオーバーハング量が150μm
となるようにコイル層から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法を
大きく形成した。
【0112】実施例1となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を1μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
3μmで形成し、さらにオーバーハング量が150μm
となるようにコイル層から遠ざかる磁性膜ほど幅寸法を
大きく形成した。
【0113】図6ないし図9は、比較例1ないし3、及
び実施例1のある一部分の磁性層を、三次元有限要素法
(FEM)で測定した結果得られた磁束分布を表す模式
図である。
【0114】各図のAは、コイル層から最も遠い位置に
形成された磁性膜の磁束分布を示し、Bは、中間の位置
に形成された磁性膜の磁束分布を示し、Cは、コイル層
に最も近い位置に形成された磁性膜の磁束分布を示す。
【0115】図6は比較例1の各磁性膜の磁束分布の模
式図である。図6に示すように、コイル層に最も近い磁
性膜(図6C)の0.4T(テスラ)の磁束密度領域
は、コイル層から離れる磁性膜の順(図6B、図6Aの
順)に徐々に小さくなっており、各磁性膜の磁束分布が
不均一であることがわかる。
【0116】図7は比較例2の各磁性膜の磁束分布の模
式図である。この場合も図6と同様に、コイル層に最も
近い磁性膜(図7C)の0.4Tの磁束密度領域は、コ
イル層から離れる磁性膜の順(図7B、図7Aの順)に
徐々に小さくなっており、各磁性膜の磁束分布が不均一
であることがわかる。
【0117】このように、各磁性膜を同じ膜厚、同じ幅
寸法で形成した場合(比較例1)及び各磁性膜を同じ膜
厚で形成し、且つ各磁性膜をオーバーハングさせた場合
(比較例2)では、いずれの場合も各磁性膜の磁束分布
を均一に形成することができないとわかる。
【0118】次に図8は比較例3の各磁性膜の磁束分布
の模式図である。この場合、コイル層に最も近い磁性膜
(図8C)の0.4Tの磁束密度領域は、図8B、及び
図8Aの場合に比べて非常に大きくなっており、この比
較例3では、上記した比較例1及び2の場合に比べて
も、各磁性膜における磁束分布がさらに不均一化されて
いることがわかる。
【0119】比較例3の場合は、コイル層から遠ざかる
磁性膜ほど膜厚を小さく形成しているが、このような構
造では、比較例1及び2の場合に比べても、コイル層か
ら発生する磁束は、コイル層に最も近い膜厚の厚い磁性
膜にさらに集中し、コイル層から最も遠い膜厚の薄い磁
性膜には、ほとんど導かれない状態になっている。
【0120】よってコイル層から遠ざかる磁性膜ほど膜
厚を小さく形成すると、最も磁束分布の不均一化が促進
される結果となる。
【0121】図9は実施例1の各磁性膜の磁束分布の模
式図である。図9に示すように、各磁性膜全てが、ほぼ
同様の磁束分布を有していることがわかる。図9に示す
実施例1の場合は、コイル層から遠ざかる磁性膜ほど膜
厚を厚く形成しているが、これによりコイル層から遠ざ
かる磁性膜ほどコイル層からの磁束が導かれ易くなり、
適切にコイル層からの磁束が各磁性膜に分散されて、各
磁性膜にてほぼ同等の磁束密度分布が形成されるのであ
る。
【0122】次に、前記磁性層を構成する各磁性膜の透
磁率と膜厚との積の値を変えた場合における磁性層の損
失等価抵抗を三次元有限要素法(FEM)で測定した。
まず実験の諸条件について以下に説明する。
【0123】薄膜インダクタを構成するコイル層の導体
幅を60μm、導体間隔を25μm、さらに巻き数を6
ターンで形成した。
【0124】また磁性層を構成する各磁性膜を、比透磁
率が磁化困難軸方向にμhard=1800、磁化容易軸方
向にμeasy=300、比抵抗が、1000μΩ・cmで
ある磁性材料を用いて形成した。また第1の磁性層と第
2の磁性層との間の間隔(ギャップ長)を70μmで形
成した。
【0125】さらに駆動周波数を5MHzとし、コイル
層に流す励磁電流を0.3A(peakto peak:表記は
(p−p))とした。
【0126】次に、比較例及び実施例での各磁性膜につ
いて説明する。まず、比較例4となる薄膜インダクタの
磁性層は、磁性膜を厚さ6μmの単層膜とした構成であ
る。
【0127】比較例5となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、各磁性膜の膜厚
をすべて2.0μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法
を全て同じ幅寸法で形成した。従って、各磁性膜の磁化
困難軸方向の透磁率(μ)と膜厚(t)との積の値は、
すべて3600である。
【0128】比較例6となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を3μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
1μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法を全て同じ幅
寸法で形成した。従って、各磁性膜の磁化困難軸方向の
透磁率(μ)と膜厚(t)との積の値は、コイル層に近
いほうの磁性膜から順に5400、3600、1800
である。
【0129】比較例7となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、各磁性膜の膜厚
をすべて2.0μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法
を全て同じ幅寸法で形成した。また、もっともコイル層
に近い磁性膜と中央の磁性膜には、図5に示された薄膜
インダクタの磁性層と同様の磁化困難軸方向のスリット
を設けた。各磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と
膜厚(t)との積の値は、すべて3600である。
【0130】比較例8となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を3μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
1μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法を全て同じ幅
寸法で形成した。また、もっともコイル層に近い磁性膜
と中央の磁性膜には、図5に示された薄膜インダクタの
磁性層と同様の磁化困難軸方向のスリットを設けた。従
って、各磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と膜厚
(t)との積の値は、コイル層に近いほうの磁性膜から
順に5400、3600、1800である。
【0131】実施例2となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を1μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
3μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法を全て同じ幅
寸法で形成した。各磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率
(μ)と膜厚(t)との積の値は、コイル層に近いほう
の磁性膜から順に1800、3600、5400であ
る。
【0132】実施例3となる薄膜インダクタの磁性層
は、磁性膜を3層積層した構成であり、コイル層に最も
近い磁性膜の膜厚を1μm、次にコイル層に近い磁性膜
の膜厚を2μm、コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚を
3μmで形成し、さらに各磁性膜の幅寸法を全て同じ幅
寸法で形成した。また、もっともコイル層に近い磁性膜
と中央の磁性膜には、図5に示された薄膜インダクタの
磁性層と同様の磁化困難軸方向のスリットを設けた。各
磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と膜厚(t)と
の積の値は、コイル層に近いほうの磁性膜から順に18
00、3600、5400である。
【0133】なお、比較例5から8並びに実施例2及び
3の各磁性膜の間には、厚さ0.2μmのAl23層が
形成されている。
【0134】結果を表1に示す。なお、表1ではコイル
層に最も近い磁性膜を磁性膜1、次にコイル層に近い磁
性膜を磁性膜2、コイル層から最も遠い磁性膜を磁性膜
3としている。
【0135】
【表1】
【0136】表1において、比較例4、比較例5、比較
例6、及び実施例2を比較すると、磁性層を単層の磁性
膜で形成した比較例4よりも、磁性層をすべて同じ厚さ
の3層の磁性膜で形成した比較例5の方が各磁性膜の損
失等価抵抗の総和が低くなっていることがわかる。
【0137】また、磁性層をすべて同じ厚さの3層の磁
性膜で形成した比較例5よりも、磁性膜の厚さをコイル
層に遠くなるほど厚くなるように形成した実施例2のほ
うが、各磁性膜の損失等価抵抗の総和が低くなっている
ことがわかる。
【0138】各磁性膜の透磁率は等しいので、膜厚をコ
イル層に遠くなるほど厚くなるように形成することによ
って、各磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と膜厚
(t)との積の値もコイル層に遠くなるほど大きくな
り、コイル層から遠ざかる磁性膜ほどコイル層からの磁
束が誘導されやすくなり、各磁性膜にほぼ均一な磁束分
布を形成することが可能になるためである。
【0139】前記各磁束分布がほぼ均一な状態になる
と、各磁性膜の等価抵抗をほぼ同程度にすることがで
き、従来のように、各磁性膜の損失等価抵抗が異なって
いた場合に比べ、従来と同程度、あるいはそれ以上のイ
ンダクタンスを確保でき、また直流重畳特性を向上でき
る。さらに、高周波帯域において、鉄損を低減させるこ
とができる。
【0140】逆に、比較例6のように、膜厚をコイル層
に遠くなるほど薄くなるように形成したものは、各磁性
膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と膜厚(t)との積
の値もコイル層に遠くなるほど小さくなり、各磁性膜の
磁束分布の不均一性を助長することになっていしまう。
その結果、比較例6の各磁性膜の損失等価抵抗の総和
は、磁性層を単層の磁性膜によって形成した比較例4よ
りも大きくなってしまっている。
【0141】また、磁性膜に磁化困難軸方向のスリット
を形成した比較例7、比較例8、及び実施例3において
も同様に、各磁性膜の磁化困難軸方向の透磁率(μ)と
膜厚(t)との積の値がコイル層から遠くなるほど大き
くなる実施例3で、各磁性膜の損失等価抵抗の総和が最
も低くなっている。しかも、実施例3の各磁性膜の損失
等価抵抗の総和は、実施例2の各磁性膜の損失等価抵抗
の総和よりも低くなっており、磁性膜に磁化困難軸方向
のスリットを形成した効果が現れていることがわかる。
【0142】なお、各磁性膜の損失等価抵抗の総和と
は、コイル層の上下にある2つの磁性層を形成する合計
6層の磁性膜の損失等価抵抗の総和のことである。
【0143】なお、本実施例では、3つの磁性薄膜から
なる1つの磁性層全体の厚さが6μmとなるように各比
較例及び各実施例を形成したが、磁性層全体の厚さは任
意に変更することが可能である。
【0144】例えば、磁性層全体の厚さを9μmとし
て、磁性層を3層の磁性膜で形成するときに、各磁性膜
の厚さをコイル層に近い磁性膜から順に、1.5μm、
3.0μm、4.5μmと形成することや、磁性層全体
の厚さを12μmとして、磁性層を3層の磁性膜で形成
するときに、各磁性膜の厚さをコイル層に近い磁性膜か
ら順に、2.0μm、4.0μm、6.0μmと形成す
ることができる。このとき、各磁性膜の透磁率を等しく
することにより、各磁性膜の透磁率と膜厚との積の値を
コイル層から遠くなるほど大きくして、コイル層から遠
ざかる磁性膜ほどコイル層からの磁束が誘導されやすく
でき、各磁性膜を均一の膜厚で形成したときよりも各磁
性膜にほぼ均一な磁束分布を形成することが可能になる
ことも分かっている。
【0145】磁性層全体の厚さを厚くするとインダクテ
ィブ素子のインダクタンスを大きくすることができる。
【0146】また、磁性層を構成する各磁性膜の透磁率
と膜厚との積の値の範囲は、例えば、1800〜108
00である。
【0147】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、前記磁性
層を形成するいずれか2つの磁性膜を比較したときに、
前記コイル層に近い磁性膜の透磁率と膜厚との積の値
を、前記コイル層から遠い磁性膜の前記透磁率と膜厚と
の積の値よりも小さくすることで、コイル層に近い磁性
膜に磁束が集中するのを回避できる。
【0148】例えば、前記コイル層に最も近い磁性膜の
透磁率と膜厚との積の値を、それ以外の磁性膜の透磁率
と膜厚との積の値よりも小さくし、あるいは、前記コイ
ル層から最も遠い磁性膜の透磁率と膜厚との積の値を、
それ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積の値よりも大き
くし、最も好ましくは、前記磁性膜の透磁率と膜厚との
積の値を、前記コイル層から遠ざかるにしたがって順に
大きくすることで、コイル層に近い磁性膜に磁束が集中
するのを回避でき、コイル層から遠ざかる膜厚の厚い磁
性膜に磁束が導かれ易くなる。
【0149】また、本発明によれば、前記磁性層を形成
する任意の2つの磁性膜を比較したときに、前記コイル
層に近い磁性膜の膜厚を、前記コイル層から遠い磁性膜
の膜厚よりも小さくすることで、コイル層に近い磁性膜
に磁束が集中するのを回避できる。
【0150】さらに、本発明によれば、前記磁性層を形
成する任意の2つの磁性膜を比較したときに、前記コイ
ル層に近い磁性膜を形成する磁性材料の透磁率を、前記
コイル層から遠い磁性膜を形成する磁性材料の透磁率よ
りも小さくすることで、コイル層に近い磁性膜に磁束が
集中するのを回避できる。
【0151】よって本発明では、各磁性膜にほぼ均一な
磁束分布が得られ、全ての磁性膜を、ほぼ同じように機
能させることが可能になる。
【0152】本発明によれば、各磁性膜の膜厚や透磁率
を適正に調整することで、各磁性膜の損失等価抵抗をほ
ぼ同じ値に設定でき、従来に比べ直流重畳特性の向上を
図ることができる。また、インダクタンスの低下を抑え
ることができる。また、高周波帯域においても、鉄損の
低下を図ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜インダクタ(インダクティ
ブ素子)の構造を示す部分斜視図、
【図2】図1の切断線2−2をa方向から切断した際の
薄膜インダクタの構造を示す部分断面図、
【図3】本発明における他の薄膜インダクタ(インダク
ティブ素子)の構造を示す部分断面図、
【図4】本発明における他の薄膜インダクタ(インダク
ティブ素子)の構造を示す部分平面図、
【図5】本発明における他の薄膜インダクタ(インダク
ティブ素子)の構造を示す部分平面図、
【図6】全ての磁性膜の膜厚及び幅寸法を同じにした場
合の各磁性膜の磁束分布を示す模式図、
【図7】全ての磁性膜の膜厚を同じ膜厚で形成し、且つ
各磁性膜をオーバーハングさせた場合の各磁性膜の磁束
分布を示す模式図、
【図8】コイル層から遠ざかる磁性膜ほど膜厚を小さく
形成し、且つ各磁性膜をオーバーハングさせた場合の各
磁性膜の磁束分布を示す模式図、
【図9】コイル層から遠ざかる磁性膜ほど膜厚を大きく
形成し、且つ各磁性膜をオーバーハングさせた場合の各
磁性膜の磁束分布を示す模式図、
【図10】従来の薄膜インダクタ(インダクティブ素
子)の構造を示す部分断面図、
【図11】図10の薄膜インダクタにおける周波数と各
磁性膜の損失等価抵抗との関係を示すグラフ、
【符号の説明】
10 薄膜インダクタ 11、16、20、22 第1の磁性層 11a、11b、11c、13a、13b、13c、1
6a、16b、16c、20a、20b、20c、22
a、22b、22c 磁性膜 12、17、21、23 コイル層 13、18 第2の磁性層 24、25 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 和志 東京都大田区雪谷大塚1番7号 アルプス 電気株式会社社内 Fターム(参考) 5E049 AA01 AA09 AC05 BA11 CB01 CC01 5E070 AA01 AA11 AB01 AB04 AB07 AB10 BA11 BA20 CB01 CB11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル層および、絶縁層を介して前記コ
    イル層を覆う磁性層が設けられたインダクティブ素子に
    おいて、前記磁性層は、少なくとも2層の磁性膜が重ね
    られて形成されており、前記磁性層を形成する任意の2
    つの磁性膜を比較したときに、前記コイル層に近い磁性
    膜の透磁率と膜厚との積の値が、前記コイル層から遠い
    磁性膜の前記透磁率と膜厚との積の値よりも小さくなる
    磁性膜の組みあわせを含むことを特徴とするインダクテ
    ィブ素子。
  2. 【請求項2】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性膜
    を有し、前記コイル層に最も近い磁性膜の透磁率と膜厚
    との積の値が、それ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との積
    の値よりも小さい請求項1記載のインダクティブ素子。
  3. 【請求項3】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性膜
    を有し、前記コイル層から最も遠い磁性膜の透磁率と膜
    厚との積の値が、それ以外の磁性膜の透磁率と膜厚との
    積の値よりも大きい請求項1または2に記載のインダク
    ティブ素子。
  4. 【請求項4】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性膜
    を有し、前記磁性膜の透磁率と膜厚との積の値が、前記
    コイル層から遠ざかるにしたがって順に大きくなる請求
    項1ないし3のいずれかに記載のインダクティブ素子。
  5. 【請求項5】 前記磁性層を形成する各磁性膜の膜厚が
    相違することによって、前記透磁率と膜厚との積の値が
    相違している請求項1ないし4のいずれかに記載のイン
    ダクティブ素子。
  6. 【請求項6】 前記各磁性膜の透磁率が同じである請求
    項5記載のインダクティブ素子。
  7. 【請求項7】 前記磁性層を形成する各磁性膜の透磁率
    が相違することによって、前記透磁率と膜厚との積の値
    が相違している請求項1ないし4のいずれかに記載のイ
    ンダクティブ素子。
  8. 【請求項8】 前記各磁性膜の膜厚が同じである請求項
    7記載のインダクティブ素子。
  9. 【請求項9】 コイル層および、絶縁層を介して前記コ
    イル層を覆う磁性層が設けられたインダクティブ素子に
    おいて、前記磁性層は、少なくとも2層の磁性膜が重ね
    られて形成されており、前記磁性層を形成する任意の2
    つの磁性膜を比較したときに、前記コイル層に近い磁性
    膜の膜厚が、前記コイル層から遠い磁性膜の膜厚よりも
    小さくなる磁性膜の組みあわせを含むことを特徴とする
    インダクティブ素子。
  10. 【請求項10】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記コイル層に最も近い磁性膜の膜厚が、そ
    れ以外の磁性膜の膜厚よりも小さい請求項9記載のイン
    ダクティブ素子。
  11. 【請求項11】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記コイル層から最も遠い磁性膜の膜厚が、
    それ以外の磁性膜の膜厚よりも大きい請求項9または1
    0に記載のインダクティブ素子。
  12. 【請求項12】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記磁性膜の膜厚が、前記コイル層から遠ざ
    かるにしたがって順に大きくなる請求項9ないし11の
    いずれかに記載のインダクティブ素子。
  13. 【請求項13】 コイル層および、絶縁層を介して前記
    コイル層を覆う磁性層が設けられたインダクティブ素子
    において、前記磁性層は、少なくとも2層の磁性膜が重
    ねられて形成されており、前記磁性層を形成する任意の
    2つの磁性膜を比較したときに、前記コイル層に近い磁
    性膜を形成する磁性材料の透磁率が、前記コイル層から
    遠い磁性膜を形成する磁性材料の透磁率よりも小さくな
    る磁性膜の組みあわせを含むことを特徴とするインダク
    ティブ素子。
  14. 【請求項14】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記コイル層に最も近い磁性膜を形成する磁
    性材料の透磁率が、それ以外の磁性膜を形成する磁性材
    料の透磁率よりも小さい請求項13記載のインダクティ
    ブ素子。
  15. 【請求項15】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記コイル層から最も遠い磁性膜を形成する
    磁性材料の透磁率が、それ以外の磁性膜を形成する磁性
    材料の透磁率よりも大きい請求項13または14に記載
    のインダクティブ素子。
  16. 【請求項16】 前記磁性層は3層以上重ねられた磁性
    膜を有し、前記磁性膜を形成する磁性材料の透磁率が、
    前記コイル層から遠ざかるにしたがって順に大きくなる
    請求項13ないし15のいずれかに記載のインダクティ
    ブ素子。
  17. 【請求項17】 前記磁性層を形成する各磁性膜のう
    ち、コイル層に最も近い磁性膜は、その両側端部がそれ
    以外の少なくとも1つの磁性膜の両側端部よりも中心側
    に位置するように形成されている請求項1ないし16の
    いずれかに記載のインダクティブ素子。
  18. 【請求項18】 前記磁性層を形成する各磁性膜のう
    ち、コイル層から最も遠い磁性膜は、その両側端部がそ
    れ以外の少なくとも1つの磁性膜の両側端部よりも側方
    へ延出するように形成されている請求項1ないし17の
    いずれかに記載のインダクティブ素子。
  19. 【請求項19】 前記磁性層を形成するいずれか2つの
    磁性膜を比較したときに、前記コイル層から遠い磁性膜
    の両側端部が、前記コイル層に近い磁性膜の両側端部よ
    りも側方へ延出するように、コイル層から遠ざかる磁性
    膜ほど幅寸法が大きく形成されている請求項17または
    18に記載のインダクティブ素子。
  20. 【請求項20】 前記磁性層を形成する各磁性膜のう
    ち、前記コイル層から最も遠い磁性膜を除いた少なくと
    も一つの磁性膜に、スリット或いは切り欠き部が形成さ
    れている請求項1ないし19のいずれかに記載のインダ
    クティブ素子。
JP2000061778A 1999-04-13 2000-03-07 インダクティブ素子 Expired - Fee Related JP3776281B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061778A JP3776281B2 (ja) 1999-04-13 2000-03-07 インダクティブ素子
KR1020000016395A KR100331732B1 (ko) 1999-04-13 2000-03-30 인덕티브 소자
TW089106116A TW451232B (en) 1999-04-13 2000-03-31 Inductive element
US09/547,639 US6603382B1 (en) 1999-04-13 2000-04-12 Inductive element having improved superposed DC current characteristic

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10484299 1999-04-13
JP11-104842 1999-04-13
JP2000061778A JP3776281B2 (ja) 1999-04-13 2000-03-07 インダクティブ素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000357612A true JP2000357612A (ja) 2000-12-26
JP2000357612A5 JP2000357612A5 (ja) 2004-08-19
JP3776281B2 JP3776281B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=26445220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000061778A Expired - Fee Related JP3776281B2 (ja) 1999-04-13 2000-03-07 インダクティブ素子

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6603382B1 (ja)
JP (1) JP3776281B2 (ja)
KR (1) KR100331732B1 (ja)
TW (1) TW451232B (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1288975A2 (en) * 2001-08-29 2003-03-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetic device, method for manufacturing the same and power supply module equipped with the same
JP2004047849A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Jfe Steel Kk 平面磁気素子
JP2005072169A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Toko Inc 積層型電子部品
WO2013151065A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 独立行政法人科学技術振興機構 インダクタ、及び、その製造方法
JP2015142074A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 太陽誘電株式会社 積層型コイル部品
JP2018152551A (ja) * 2017-01-27 2018-09-27 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド 可変透磁率コアを有するインダクタ
JP2020072260A (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル電子部品

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100768919B1 (ko) * 2004-12-23 2007-10-19 삼성전자주식회사 전원 생성 장치
US8248200B2 (en) * 2006-03-24 2012-08-21 Panasonic Corporation Inductance component
US20100253456A1 (en) * 2007-06-15 2010-10-07 Yipeng Yan Miniature shielded magnetic component and methods of manufacture
JP5118394B2 (ja) * 2007-06-20 2013-01-16 パナソニック株式会社 非接触電力伝送機器
WO2009025279A1 (ja) * 2007-08-21 2009-02-26 Kabushiki Kaisha Toshiba 非接触型受電装置およびそれを用いた電子機器並びに充電システム
JP2009267077A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Seiko Epson Corp コイルユニット及びそれを用いた電子機器
JP4572953B2 (ja) * 2008-05-14 2010-11-04 セイコーエプソン株式会社 コイルユニットおよびそれを用いた電子機器
US9859043B2 (en) * 2008-07-11 2018-01-02 Cooper Technologies Company Magnetic components and methods of manufacturing the same
US20100277267A1 (en) * 2009-05-04 2010-11-04 Robert James Bogert Magnetic components and methods of manufacturing the same
CN102003903B (zh) * 2009-08-31 2013-07-03 富准精密工业(深圳)有限公司 热管及采用该热管的散热装置
US9087637B2 (en) 2012-07-29 2015-07-21 Qualcomm Incorporated Universal apparatus for wireless device charging using radio frequency (RF) energy
US9431473B2 (en) 2012-11-21 2016-08-30 Qualcomm Incorporated Hybrid transformer structure on semiconductor devices
US10002700B2 (en) 2013-02-27 2018-06-19 Qualcomm Incorporated Vertical-coupling transformer with an air-gap structure
US9634645B2 (en) 2013-03-14 2017-04-25 Qualcomm Incorporated Integration of a replica circuit and a transformer above a dielectric substrate
CN104282411B (zh) 2013-07-03 2018-04-10 库柏技术公司 低轮廓、表面安装电磁部件组件以及制造方法
US9449753B2 (en) 2013-08-30 2016-09-20 Qualcomm Incorporated Varying thickness inductor
US9906318B2 (en) 2014-04-18 2018-02-27 Qualcomm Incorporated Frequency multiplexer
KR20160053380A (ko) * 2014-11-04 2016-05-13 삼성전기주식회사 적층형 인덕터
CN107146690B (zh) * 2017-03-03 2019-11-05 华为机器有限公司 一种薄膜电感、电源转换电路和芯片
CN108387784B (zh) * 2018-02-02 2020-11-20 上海交通大学 一种磁膜电感传感器

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4117878C2 (de) * 1990-05-31 1996-09-26 Toshiba Kawasaki Kk Planares magnetisches Element
JPH08273934A (ja) * 1995-04-03 1996-10-18 Murata Mfg Co Ltd コイル部品

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1288975A2 (en) * 2001-08-29 2003-03-05 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetic device, method for manufacturing the same and power supply module equipped with the same
JP2004047849A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Jfe Steel Kk 平面磁気素子
JP2005072169A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Toko Inc 積層型電子部品
WO2013151065A1 (ja) * 2012-04-06 2013-10-10 独立行政法人科学技術振興機構 インダクタ、及び、その製造方法
JP2015142074A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 太陽誘電株式会社 積層型コイル部品
JP2018152551A (ja) * 2017-01-27 2018-09-27 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド 可変透磁率コアを有するインダクタ
JP2020072260A (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル電子部品
US11830643B2 (en) 2018-11-02 2023-11-28 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil electronic component

Also Published As

Publication number Publication date
JP3776281B2 (ja) 2006-05-17
KR20010014659A (ko) 2001-02-26
TW451232B (en) 2001-08-21
US6603382B1 (en) 2003-08-05
KR100331732B1 (ko) 2002-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000357612A (ja) インダクティブ素子
US7791837B2 (en) Thin film device having thin film coil wound on magnetic film
US6525635B2 (en) Multilayer inductor
US7212094B2 (en) Inductive components and electronic devices using the same
KR20120025236A (ko) 적층형 인덕터 및 그 제조 방법
JPH097835A (ja) 積層ノイズ対策部品
JPS6132722B2 (ja)
JP2001319813A (ja) インダクティブ素子
JPH0582349A (ja) 渦巻状薄膜コイル
JP3141893B2 (ja) 平面インダクタ
JP2003217935A (ja) 積層インダクタアレイ
JP4736902B2 (ja) 薄膜デバイス
JP2002050520A (ja) マイクロインダクタあるいはマイクロトランスタイプのマイクロ要素
JP4400092B2 (ja) 表面実装型インダクタ
JP2000182850A (ja) 薄膜トランス
JP2002110423A (ja) コモンモードチョークコイル
JP3602712B2 (ja) チョークコイル
JP7182766B2 (ja) チップインダクタ
JP2000058323A (ja) コイル部品
CN115527739A (zh) 线圈组件
JPH08273934A (ja) コイル部品
JP2522318B2 (ja) 変圧器
JP2007081051A (ja) コモンモードフィルタ
JPH10270253A (ja) インダクタンス素子及びlc複合素子
CN117153535A (zh) 线圈组件

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051024

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090303

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees