JP7182766B2 - チップインダクタ - Google Patents
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また、特許文献3には、磁性体を導体における2つの端部をそれぞれ独立して覆う2つの覆い部に用いることで平角線における導体の電流密度を均一化し、表皮効果を低減することが記載されている。
また、前記磁性被覆細線の構成として、前記配線層の最外層の一巻分のコイル導体について、隣接する配線層に対向するコイル導体の面上に設けた構成は、チップインダクタの抵抗を低減させ、Q値を向上させる上で有効である。なお、最外層とは配線層が積層された積層方向の最上層と最下層の双方を指す。
また、前記コイル導体の幅方向の両端縁部を被覆する縁部磁性体が前記コイル導体を被覆する幅方向の範囲が、コイル導体の幅寸法の0.1~0.2倍に設定されていることにより、チップインダクタの特性を効果的に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るチップインダクタについて、図面に基づいて説明するが、本発明はここで述べられる実施の形態に限定されるものではない。
図1(a)はコイルの平面図、図1(b)はA-A′線断面図、図1(c)は斜視図である。
コイルは、矩形断面のコイル導体1が渦巻状に巻回された平面型のエッジワイズコイルである。第1~3の実施形態で示すコイルの巻数は3巻であるが本発明のチップインダクタはこの巻数に限定されない。コイル導体は、銀、アルミニウム、銅あるいはマンガン及びニッケルの合金等の金属からなる。
コイル導体を部分的に被覆する磁性体は、コイル導体に位置合わせしてグリーンシートに磁性材(磁性ペースト)を供給することにより形成することができる。
図2は、第1の実施形態に係るチップインダクタについて、その特徴的な構成部分を示すため、図1のB-B′線断面図に相当する部位を示したものである。
第1の実施の形態のチップインダクタは、コイル導体1の幅方向の両側面部と両端縁部が、コイル導体1の全長にわたり、磁性体により被覆したものである。コイル導体1の幅方向の両側面部分を被覆する磁性体を側面磁性体2a、両端縁部を被覆する磁性体を縁部磁性体2bと称する。
側面磁性体2a及び縁部磁性体2bは、FeSiCrB等の鉄系アモルファス磁性粉を含有する磁性コンポジット材料やフェライト、電磁鋼板、センダスト、パーマロイ、Ni系、Fe系の強磁性材料等で構成することができる。
図3は、本発明に係るチップインダクタの第2の実施形態の特徴的構成部分を示す図であり、コイル断面とコイル導体を部分的に被覆する磁性体の構成を示す。本実施形態のチップインダクタにおいて側面磁性体2aと縁部磁性体2bの構成については第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態において特徴とする構成は、チップインダクタの最外層、すなわち最上層と最下層の配線層に磁性被覆細線2cを設けたことにある。
このように磁性被覆細線2cを、隣接層に対向するコイル導体1の一方の面に設ける理由は、最外層よりも内側に配置されている配線層のコイル導体1の周囲に生じる磁束が最外層の配線層のコイル導体1に鎖交することを抑制させるようにするためである。
磁性被覆細線2cを設ける範囲はコイルの最外層でコイル導体が一周(1ターン)する範囲である。配線層を積層して形成するチップインダクタでは配線層が2層でコイルが1ターンとなるから、具体的には最外層とその内層の2層の配線層に磁性被覆細線2cを設ける。このように、本明細書において、磁性被覆細線2cを配線層に設けるという場合は、コイルの1ターンとなる範囲の配線層に設けることを意味する。
図4は、第3の実施形態に係るチップインダクタの特徴的構成部分を示す図である。本実施形態のチップインダクタにおける側面磁性体2a及び縁部磁性体2bと、コイル導体1の表面に設けた磁性被覆細線2cの構成については上述した第2の実施の形態における構成と同様である。本実施形態のチップインダクタにおいて、第2の実施の形態のチップインダクタと相違する構成は、最上層と最下層の配線層のコイル導体1について、磁性被覆細線2cを設けた面とは反対面上に非磁性絶縁体層3を設け、非磁性絶縁体層3の外面と縁部磁性体2bとを被覆する磁性被覆層2dを設けた点にある。
非磁性絶縁体層3は、セラミック、SiO2やアルミナ、高分子樹脂材料等によって構成される。なお、非磁性絶縁体層3は、常磁性又は反磁性であって抵抗率が108Ωm以上の絶縁性の物質によって構成されればよく、空気等の気体(空隙とする)であってもよい。
以下、本発明に係るチップインダクタを実施・適用した場合のシミュレーション結果について述べるが、本発明はここで述べられる適用例に限定されるものではない。
本発明に係るチップインダクタの特性についてシミュレーション解析する際には、適用する磁性体の厚さやコイル導体上の長さをパラメータとしてコイル特性(抵抗、インダクタンス、Q値)を計算する。コイルの内径IDを0.43mm、外径ODを0.61 mm、コイルに通電する交流電流の周波数を100MHzとした。
図9~図11は、チップインダクタの第3の実施の形態に対応する解析モデル3について、抵抗R、インダクタンスL及びQ値のWv依存性について解析した結果を示す。
図6~8の解析モデル1~3(実施例1~3)について、抵抗R、インダクタンスL、Q値について解析した結果を図12~14に示す。
図中で比較例1とあるのは、図6に示す解析モデル1のコイルと同一形態で磁性体を配置していないコイルについての解析結果である。
図12~14には、比較例1、実施例1、実施例2、実施例3について、それぞれWvを10μm、Dvを7μmとしたときの計算結果を示す。
なお、Wvを5μm、10μm、15μmとし、Dvを5μm、7μm、10μmとして、Q値を計算した結果、実施例1、実施例2についてはWvを10μm、Dvを7μm、実施例3についてはDvとWvがともに10μmとした場合が最もQ値が高くなった。
また、図14に示す計算結果は、実施例3は、実施例1、実施例2と比較してより高いQ値が得られ、チップインダクタとしての特性がさらに改善されることを示す。
2a 側面磁性体
2b 縁部磁性体
2c 磁性被覆細線
2d 磁性被覆層
3 非磁性絶縁体層
Claims (6)
- 矩形の断面形状を有するコイル導体を備える配線層が、層間に非磁性材からなる絶縁層を介して積層され、前記コイル導体がエッジワイズ状のコイルとして積層体中に埋設されたチップインダクタであって、
前記コイル導体の幅方向の両側面部と両端縁部が、コイル導体の全長にわたり、磁性体により被覆されているが、
前記磁性体は前記コイル導体の全周を覆わず、前記コイル導体の断面の長辺の導体中央部表面に前記磁性体が覆わない部分がある ことを特徴とするチップインダクタ。 - 前記配線層に形成されたコイル導体が、層間でビアを介して電気的に接続され、実質的にエッジワイズ状のコイルとして構成されていることを特徴とする請求項1記載のチップインダクタ。
- 前記コイル導体の両端縁部を被覆する縁部磁性体に挟まれた領域の中央部に巻線方向に通過する磁性被覆細線が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のチップインダクタ。
- 前記配線層の最外層の一巻分のコイル導体について、
隣接する配線層に対向するコイル導体の面上に、前記磁性被覆細線が設けられていることを特徴とする請求項3記載のチップインダクタ。 - 前記配線層の最外層の一巻分のコイル導体について、隣接する配線層と対向するコイル導体の表面とは反対面上に、当該反対面上のコイル導体の両端縁部を被覆する縁部磁性体に挟まれた領域の全域が非磁性絶縁体層により被覆され、
該非磁性絶縁体層の外面と前記縁部磁性体とを被覆する磁性被覆層が設けられていることを特徴とする請求項3または4記載のチップインダクタ。 - 前記コイル導体の幅方向の両端縁部を被覆する縁部磁性体が前記コイル導体を被覆する幅方向の範囲が、コイル導体の幅寸法の0.1~0.2倍に設定されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載のチップインダクタ。
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