JP2000357605A - Sm2Fe17の製造方法 - Google Patents

Sm2Fe17の製造方法

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JP2000357605A
JP2000357605A JP11168008A JP16800899A JP2000357605A JP 2000357605 A JP2000357605 A JP 2000357605A JP 11168008 A JP11168008 A JP 11168008A JP 16800899 A JP16800899 A JP 16800899A JP 2000357605 A JP2000357605 A JP 2000357605A
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molten metal
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cooling
crucible
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Junji Nakajima
純二 中島
Tsutomu Takai
努 高井
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Honda Motor Co Ltd
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2
    • H01F1/0596Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2 of rhombic or rhombohedral Th2Zn17 structure or hexagonal Th2Ni17 structure

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Abstract

(57)【要約】 【課題】α−Feを含まないSm2 Fe17を容易かつ簡
便にしかも低コストで製造することができ、したがっ
て、Sm2 Fe17を原料として製造される材料、例え
ば、Sm−Fe−N系磁粉等を安価に提供することが可
能なSm2 Fe17の製造方法を提供する。 【解決手段】Sm2 Fe17が生成される割合で混合され
たSm粉末とFe粉末との混合粉末をるつぼ内に収容し
て該るつぼ内を真空排気し、さらに前記混合粉末を不活
性ガス雰囲気中で溶解させる溶解工程S30により溶湯
を得る。この溶湯を前記るつぼから噴出させ、次いで回
転している冷却用ローラに接触させることにより該溶湯
を急冷凝固させる急冷凝固工程S40によりリボン状の
Sm2 Fe 17を形成する。溶湯の噴出圧力と前記冷却用
ローラの周速を調整することにより急冷凝固における冷
却速度を適切範囲に設定すれば、前記リボン状のSm2
Fe 17にはα−Feが含まれなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Sm2 Fe17の製
造方法に関し、一層詳細には、容易かつ簡便にSm2
17を製造することができ、Sm2 Fe17を原料として
製造される材料、例えば、Sm−Fe−N系磁粉等の製
造コストを著しく低減させることが可能なSm2 Fe17
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Sm−Fe−N系磁粉は、通常、まずバ
ルク状のSm2 Fe17を製造し、次いでこのSm2 Fe
17を粉砕して粉末にした後、該粉末を窒化処理すること
により製造されている。
【0003】従来技術に係るSm2 Fe17の製造方法を
フローチャートにして図3に示す。この場合、まず、S
2 Fe17が得られる割合でSm粉末とFe粉末を混合
して混合粉末とし、該混合粉末を加熱装置内に挿入され
たるつぼ内で溶解して溶湯とする(溶解工程;S1)。
次いで、前記溶湯を鋳型に鋳込んだ後に該溶湯を凝固さ
せてSm2 Fe17のインゴットを作製する(インゴット
作製工程;S2)。
【0004】ここで、このインゴット中には、デンドラ
イト状に析出したα−Feが大量に存在する。α−Fe
を含有するSm2 Fe17を窒化した場合、得られた磁粉
にもα−Feが含有されるが、このような磁粉はα−F
eが含有されていない磁粉と比較して磁気的特性が劣
る。したがって、インゴットを窒化処理する前に、α−
Feを消失させる均質化処理を行う。
【0005】すなわち、前記インゴットを粗粉砕し、粉
砕物とする(粉砕物作製工程;S3)。次いで、前記粉
砕物を、不活性ガス雰囲気中、1100〜1200℃で
10〜15時間程度熱処理し、α−Feと未固溶のSm
とを互いに固溶させ、Sm2Fe17とする(均質化処理
工程;S4)。
【0006】なお、不活性ガス雰囲気中にごくわずかで
も酸素等の酸化性ガスが残留していた場合には、熱処理
中に前記粉砕物の表面が酸化され、厚さ数十〜数百μm
の酸化物層が形成される。この酸化物層を除去すること
なくSm2 Fe17を窒化すると、磁気的特性が良好でな
い磁粉となる。したがって、粉砕物表面に酸化物層が形
成された場合には、図3にかっこ書きで示したように、
該酸化物層を除去する(酸化物層除去工程;S5)。こ
のため、粉砕物はある程度体積が大きいものでなければ
ならない。体積が小さいものであると、表面から酸化物
層を除去することが著しく困難となるからである。
【0007】最後に、均質化処理が終了した粉砕物に不
活性ガスを吹き付けて該粉砕物を急冷し、該粉砕物をさ
らに粉砕すれば、Sm2 Fe17の粉末が得られる(粉砕
工程;S6)。
【0008】ここで、粉砕物を粉末とするのは、Sm−
Fe−N系磁粉を得るためにSm2Fe17を窒化処理す
るにあたって、粉末を使用することにより短時間で窒化
することができ、しかも、磁粉の窒素含有量を、表面か
ら内部にかけて均一にすることができるからである。こ
のため、通常、上記粉砕物を平均粒径100μm未満の
粉末となるまで粉砕する。
【0009】しかしながら、1段階の粉砕で粉砕物を平
均粒径100μm未満の粉末にしようとすると、粒度分
布幅の広い粉末となってしまう。このため、粉砕物をジ
ョウクラッシャにより大粒径の粉末に粉砕し、次いで該
大粒径の粉末をデスクミルにより中粒径の粉末に粉砕
し、最後に該中粒径の粉末をロールミルにより粉砕して
上記平均粒径の粉末とする等、3段階程度の粉砕が行わ
れることが通例となっている。さらに、粒度分布幅を狭
くするため、各々の粉砕の後には分級が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術に係るSm2 Fe17の製造方法においては、製造コス
トが高く、その結果、Sm2 Fe17を原料として製造さ
れるSm−Fe−N系磁粉、ひいてはSm−Fe−N系
磁石を安価に供給することが困難であるという不都合が
ある。
【0011】この理由としては、上記従来技術に係るS
2 Fe17の製造方法は長時間を要するため、Sm2
17の生産効率が低いことが挙げられる。すなわち、上
記したように、均質化処理工程S4に10〜15時間を
要し、また、均質化処理工程S4において粉砕物の表面
に酸化層が形成された場合には、酸化物層除去工程S5
が必要となるからである。さらに、粉砕工程S6におい
ては、3段階程度の粉砕を行う必要があるからである。
【0012】Sm2 Fe17の製造コストが高くなる別の
理由として、Sm2 Fe17粉末の歩留まりが良好でない
ということが挙げられる。すなわち、インゴットにおい
てα−Feが偏析している場合、このα−FeとSmと
を互いに固溶させることには著しい困難を伴うので、α
−Feが残留してしまうことがあるからである。
【0013】そこで、溶湯を冷却用ロールに接触させる
ことにより急冷して凝固させる、いわゆる単ロール法に
より薄い帯状(リボン状)のSm2 Fe17を製造し、次
いでこれを粉砕してSm2 Fe17粉末を得ることも考え
られる。しかしながら、この方法においてもやはりリボ
ン状のSm2 Fe17にα−Feが大量に含まれることが
多いという不都合がある等、単ロール法によりSm2
17を製造する技術は未だに確立されていない。
【0014】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、α−Feを含まないSm2 Fe17を、単
ロール法により容易かつ簡便に、かつ効率よく製造する
ことができ、したがって、均質化処理工程および酸化物
層を除去する工程が不要となり、しかも、Sm2 Fe17
の粉末を容易に得ることができ、その結果、製造コスト
が著しく低減されるばかりでなく、Sm−Fe−N系磁
粉の安価な供給が可能となるSm2 Fe17の製造方法を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、Sm2 Fe17が生成される割合で混
合されたSm粉末とFe粉末との混合粉末をるつぼ内に
収容する工程と、前記るつぼ内を真空排気する工程と、
前記混合粉末を不活性ガス雰囲気中で溶解させて溶湯と
する工程と、前記溶湯を前記るつぼから噴出させて回転
している冷却用ローラに接触させることにより該溶湯を
急冷して凝固させ、リボン状のSm2 Fe17を形成させ
る工程とを備えることを特徴とする。
【0016】上記製造方法により、Sm−Fe−N系磁
粉の原材料であるSm2 Fe17を容易かつ簡便に製造す
ることができる。
【0017】この場合、前記混合粉末におけるSmの割
合を25.5〜48.5重量%とすることが好ましい。
このような割合とすることにより、SmFe3 等のSm
−rich合金やα−Feの生成が良好に抑制されるの
で、Sm2 Fe17の歩留まりが向上する。
【0018】また、るつぼとしてノズル噴出口の直径が
0.5〜0.8mmであるものを用い、かつ、冷却用ロ
ールとして直径が260〜300mmのものを用い、前
記溶湯を急冷して凝固させる工程を、前記るつぼからの
溶湯の噴出圧力を0.1〜0.5kg/cm2 とし、前
記冷却用ロールの周速を1〜23m/sとして行うこと
が好ましい。
【0019】このような条件下では、前記リボン状のS
2 Fe17にα−Feが含まれることがない。すなわ
ち、このSm2 Fe17に対して均質化処理および均質化
処理後の酸化物層の除去を行う必要がないので、Sm2
Fe17の製造に要する時間を短縮することができる。そ
の結果、Sm2 Fe17の生産効率を向上させることがで
きるとともにSm2 Fe17の歩留まりを向上させること
ができるので、Sm2 Fe17の製造コストが低減され
る。
【0020】上記製造方法においては、前記溶湯を急冷
して凝固させるための工程の後に、前記リボン状のSm
2 Fe17を粉砕して粉末とする工程を備えるようにする
ことが好ましい。Sm−Fe−N系磁粉を製造する際に
はSm2 Fe17の窒化処理を行うが、Sm2 Fe17を粉
末とすることにより、Sm2 Fe17の表面から内部にか
けての窒素含有量が短時間でより均一となるからであ
る。
【0021】この場合、Sm2 Fe17粉末の平均粒径が
100〜300μmとなるように粉砕すれば、Sm2
17粉末を短時間で窒化することができるとともに、窒
化処理されることにより得られたSm−Fe−N系磁粉
の磁気的特性が劣ることがない。
【0022】なお、この粉砕工程においては、1段階の
粉砕であっても、リボン形状材を平均粒径100〜30
0μmの粉末とすることができる。すなわち、従来技術
に係るSm2 Fe17の製造方法と比較して、窒化処理に
適した粒径の粉末を得るまでに要する時間が著しく短縮
される。その結果、Sm2 Fe17の生産効率が一層向上
され、Sm2 Fe17の製造コストがさらに低減される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るSm2 Fe17
の製造方法につき好適な実施の形態を挙げ添付の図面を
参照して詳細に説明する。
【0024】本実施の形態に係るSm2 Fe17の製造方
法のフローチャートを図1に示す。図1に示されるよう
に、この製造方法は、Sm粉末とFe粉末の混合粉末を
るつぼ内に収容する収容工程S10と、該るつぼ内を真
空排気する排気工程S20と、前記混合粉末を溶湯とす
る溶解工程S30と、前記溶湯を回転している冷却用ロ
ールに接触させることにより急冷凝固させてリボン状の
Sm2 Fe17を形成する急冷凝固工程S40と、必要に
応じて、前記リボン状のSm2 Fe17を粉砕してSm2
Fe17とする粉砕工程S50(図1のかっこ書き参照)
とを備える。以上のことから諒解されるように、本実施
の形態においては、まず、単ロール法によりリボン状の
Sm2 Fe17を形成する。
【0025】単ロール法によりリボン状のSm2 Fe17
を形成する設備の全体概要を図2に示す。この設備10
においては、密閉可能なるつぼ12が加熱コイル14を
備える加熱装置(図示せず)内に挿入されており、該加
熱装置の下方には直径が260〜300mmである銅製
または鉄製の冷却用ロール16が配置されている。な
お、るつぼ12のノズル噴出口12aの直径は、0.5
〜0.8mmに設定されている。
【0026】収容工程S10においては、まず、Sm2
Fe17が生成される割合でSm粉末とFe粉末が混合さ
れる。具体的には、混合粉末におけるSmの割合が2
5.5〜48.5重量%となるように両者を混合すれば
よい。上記範囲を外れると、次の急冷凝固工程S40で
得られる生成物(リボン形状材18)中には、α−Fe
や、Sm2 Fe17以外のSm−Fe系合金、例えば、S
mFe3 やSmFe2 等も含まれるようになり、結果と
して、リボン形状材18中のSm2 Fe17の割合が低く
なる。
【0027】このような割合で混合された混合粉末を、
るつぼ12内に収容する。なお、両粉末の粒径は5mm
以下であることが好ましい。短時間に溶解することがで
き、また、互いの溶湯が均一に混合されるからである。
【0028】次いで、排気工程S20において、図示し
ない吸引排気機構により該るつぼ12内を真空排気す
る。
【0029】次いで、溶解工程S30において、まず、
該るつぼ12内に不活性ガスを導入する。このような真
空排気および不活性ガスの導入により酸素等の酸化性ガ
スがるつぼ12内から排出される。したがって、Smや
Feが溶解されて溶湯となった際に酸化されることはな
い。なお、不活性ガスの導入は大気圧になるまで行う必
要はなく、大気圧より低い圧力、例えば、560Tor
r程度としてもよい。そして、加熱コイル14に通電
し、前記混合粉末の融点以上、好ましくはこの融点より
も50〜100℃高い温度まで前記加熱装置内を昇温し
て前記混合粉末を溶解して、図2に示すように、溶湯2
0を得る。
【0030】急冷凝固工程S40においては、るつぼ1
2の底部に設けられたノズル噴出口12aから溶湯20
を噴出させ、該溶湯20を回転する冷却用ロール16に
接触させることにより急冷凝固させる。この急冷凝固に
より、リボン形状材18が形成される。
【0031】るつぼ12から溶湯20を噴出させるに
は、例えば、るつぼ12内にアルゴン等の不活性ガスを
導入することにより溶湯20を押圧すればよい。溶湯2
0の噴出圧力は、0.1〜0.5kg/cm2 程度に設
定される。
【0032】上記急冷凝固においては、リボン形状材1
8が実質的にSm2 Fe17となるように溶湯20の冷却
速度を設定する。この設定は、溶湯20の噴出圧力と冷
却用ロール16の周速を調整することにより行われる。
具体的には、溶湯20の噴出圧力および冷却用ロール1
6の直径が上記範囲内であれば、該冷却用ロール16の
周速は1〜23m/sに調整される。この場合、溶湯2
0の冷却速度は、10 2 〜104 ℃/sであると推定さ
れる。このような条件の下では溶湯20が飛散したりす
ることがないので、効率よくリボン形状材18が得られ
る。
【0033】この場合、前記リボン形状材18は、Sm
2 Fe17からなる結晶粒が集合した多結晶体となる。ま
た、該結晶粒同士の間には、SmFe3 やSmFe2
のSm−rich合金からなる粒界が存在するが、その
割合はわずかである。すなわち、リボン形状材18は実
質的にSm2 Fe17からなっているとみなすことができ
る。なお、溶湯20の噴出圧力が上記範囲内である場
合、冷却用ロール16の周速が1m/sよりも低いと、
リボン形状材18にα−Feが顕著に含まれるようにな
る。また、23m/sよりも高いと、リボン形状材18
にはSmFe7 が無視できない程の割合で含まれるよう
になる。すなわち、いずれの場合においてもSm2 Fe
17の割合が低くなるので、Sm2 Fe17の歩留まりが低
下する。
【0034】このように、溶湯20の噴出圧力と冷却用
ロール16の周速を調整して溶湯20の冷却速度を設定
することにより、α−Feを析出させることなくリボン
状のSm2 Fe17を製造することができる。したがっ
て、従来技術に係るSm2 Fe 17の製造方法において行
われていた均質化処理工程S4および酸化物層除去工程
S5が不要となる。その結果、Sm2 Fe17の生産効率
を向上させることができるとともにSm2 Fe17の歩留
まりを向上させることができるので、Sm2 Fe 17の製
造コストが低減される。
【0035】ノズル噴出口12aの直径および溶湯20
の噴出圧力が上記範囲内である場合、リボン形状材18
の厚さは冷却用ロール16の周速に依存し、周速が高く
なるほど薄くなる。周速が1〜23m/sであるときに
は、30〜450μmの厚さのリボン形状材18が製造
される。
【0036】このようにして製造されたSm2 Fe17
リボン形状材18を、次いで、粉砕工程S50において
粉砕し、粉末とする。Sm2 Fe17を粉末とすることに
より、Sm2 Fe17の表面から内部にかけての窒素含有
量がより均一となる。すなわち、リボン形状材18を窒
化処理するよりも均一に窒化される。リボン形状材18
の粉砕は、例えば、ロールミルにより行うことができ
る。さらに、粒度分布幅を狭くするため、得られた粉末
を分級することを粉砕工程S50に含めるようにしても
よい。
【0037】ここで、Sm2 Fe17粉末の粒径が小さい
ほど窒化処理に要する時間を短くすることができるが、
リボン形状材18の粉砕に伴って、該リボン形状材18
を構成していた各結晶粒にひずみが生じる。このひずみ
は、リボン形状材18を細かく粉砕するほど大きくな
る。言い換えれば、粉砕工程S50において、Sm2
17粉末の粒径を小さくするほど、該Sm2 Fe17粉末
を構成する結晶粒のひずみが大きくなる。また、この場
合、該Sm2 Fe17粉末における酸素含有量が増加す
る。このようなSm2 Fe17粉末を窒化処理してSm−
Fe−N系磁粉とした場合には、この磁粉は、飽和磁束
密度が低くなる等、磁気的特性に劣るものとなる。
【0038】このため、Sm2 Fe17粉末の粒径は、窒
化処理するのに適切で、かつ、得られるSm−Fe−N
系磁粉の磁気的特性が問題とならない程度に設定され
る。具体的には、平均粒径を100〜300μm、好ま
しくは106〜250μmとする。平均粒径がこのよう
な範囲の粉末を窒化処理した場合であっても、得られた
磁粉の飽和磁束密度は、上記従来技術に係るSm2 Fe
17の製造方法により製造された平均粒径100μm未満
の粉末を窒化処理して得られた磁粉の飽和磁束密度とほ
ぼ同等となる。
【0039】このように、リボン形状材18の厚さを3
0〜450μmと薄くすることができるので、粉砕が1
段階であっても、容易に平均粒径100〜300μmの
粉末とすることができる。すなわち、本実施の形態に係
るSm2 Fe17の製造方法における粉砕工程S50は、
従来技術に係るSm2 Fe17の製造方法における粉砕工
程S6と比較して、窒化処理に適した粒径の粉末を得る
までに要する時間が著しく短かい。したがって、Sm2
Fe17の生産効率を一層向上させることができるので、
Sm2 Fe17の製造コストのさらなる低減が可能とな
る。
【0040】なお、上記した実施の形態においては、る
つぼ12としてノズル噴出口12aの直径が0.5〜
0.8mmであるものを用い、かつ、冷却用ロール16
として直径が260〜300mmのものを用い、るつぼ
12からの溶湯20の噴出圧力を0.1〜0.5kg/
cm2 とし、該冷却用ロール16の周速を1〜23m/
sとしてリボン形状材18を形成したが、ノズル噴出口
12aの直径、溶湯20の噴出圧力、冷却用ロール16
の直径および周速はこのような範囲に特に限定されるも
のではなく、リボン形状材18にα−Feが含まれず、
かつ該リボン形状材18に含まれるSm2 Fe17以外の
Sm−Fe系合金の割合が著しく低くなるように種々設
定することができる。例えば、同一噴出圧力の下で、径
が260mmよりも小さい冷却用ロールを使用する場合
には、冷却速度が上記範囲内になるように周速を調整す
ればよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るSm
2 Fe17の製造方法によれば、α−Feを含まないSm
2 Fe17を容易かつ簡便に、しかも効率よく製造するこ
とができる。したがって、このSm2 Fe17に対して均
質化処理を施す必要がなく、また、このSm2 Fe17
は酸化物層が形成されることがないので、酸化物層を除
去する工程も不要である。その結果、Sm2 Fe17の生
産効率を向上させることができるとともにSm2 Fe17
の歩留まりを向上させることができるので、Sm 2 Fe
17の製造コストが低減されるという効果が達成される。
【0042】また、単ロール法により得られたリボン状
のSm2 Fe17を粉砕する場合、Sm2 Fe17のインゴ
ットを粉砕する場合よりも著しく短時間で粉末とするこ
とができる。すなわち、従来技術に係るSm2 Fe17
製造方法と比較して、窒化処理に適した粒径の粉末を得
るまでに要する時間が著しく短縮される。その結果、S
2 Fe17の生産効率が一層向上され、Sm2 Fe17
製造コストがさらに低減されるという効果が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るSm2 Fe17の製造方法を
示すフローチャートである。
【図2】リボン状のSm2 Fe17の製造設備の全体概略
縦断面図である。
【図3】従来技術に係るSm2 Fe17の製造方法を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
12…るつぼ 14…加熱コイル 16…冷却用ロール 18…リボン形状
材 20…溶湯

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Sm2 Fe17が生成される割合で混合され
    たSm粉末とFe粉末との混合粉末をるつぼ内に収容す
    る工程と、 前記るつぼ内を真空排気する工程と、 前記混合粉末を不活性ガス雰囲気中で溶解させて溶湯と
    する工程と、 前記溶湯を前記るつぼから噴出させて回転している冷却
    用ローラに接触させることにより該溶湯を急冷して凝固
    させ、リボン状のSm2 Fe17を形成させる工程と、 を備えることを特徴とするSm2 Fe17の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のSm2 Fe17の製造方法に
    おいて、 前記混合粉末におけるSmの割合を25.5〜48.5
    重量%とすることを特徴とするSm2 Fe17の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のSm2 Fe17の製
    造方法において、 前記るつぼとしてノズル噴出口の直径が0.5〜0.8
    mmであるものを用い、かつ、冷却用ロールとして直径
    が260〜300mmのものを用い、 前記溶湯を急冷して凝固させる工程を、前記るつぼから
    の溶湯の噴出圧力を0.1〜0.5kg/cm2 とし、
    前記冷却用ロールの周速を1〜23m/sとして行うこ
    とを特徴とするSm2 Fe17の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のSm
    2 Fe17の製造方法において、 さらに前記リボン状のSm2 Fe17を粉砕して粉末とす
    る工程を備えることを特徴とするSm2 Fe17の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のSm2 Fe17の製造方法に
    おいて、 前記粉末の平均粒径を100〜300μmとすることを
    特徴とするSm2 Fe 17の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133496A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Chiba Inst Of Technology サマリウム−鉄系永久磁石材料及びその製造方法
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