JP2000356692A - 車載用時計装置 - Google Patents

車載用時計装置

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JP2000356692A
JP2000356692A JP16757899A JP16757899A JP2000356692A JP 2000356692 A JP2000356692 A JP 2000356692A JP 16757899 A JP16757899 A JP 16757899A JP 16757899 A JP16757899 A JP 16757899A JP 2000356692 A JP2000356692 A JP 2000356692A
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達也 皆川
Akinori Okade
明紀 岡出
Hiroto Mizutani
浩人 水谷
Tatsuo Tsuboi
達男 壺井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時刻表示の精度が高く、表示時刻のちらつき
が発生しない車載用時計装置を提供すること。 【解決手段】 本実施例の車載用時計装置1は、コント
ロールユニット18にて実行される時刻補正処理におい
て、GPS時刻情報Tと内部時刻情報26とに誤差があ
ると判断されると、内部時刻情報26をGPS時刻情報
Tと同じ時刻に更新して補正する。しかし、GPS時刻
情報の「秒」の桁が55秒〜59秒となる補正禁止期間
では、内部時刻情報26を補正しないため、時刻補正動
作の直前と直後に表示器駆動部30によって表示時刻が
更新されることがない。このため、短時間の間に複数回
の表示時刻の更新が行われることが無くなり、表示時刻
のちらつきの発生を防ぐことが出来る。また、時刻補正
処理の実行周期が70秒であり補正禁止期間の存在する
時間間隔とは異なるため、時刻補正動作が連続して禁止
されることがなく、時刻表示の精度を著しく低下させる
ことが無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】外部からの送信電波に含まれ
る外部時刻情報に基づき、表示時刻を補正する車載用時
計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内部に備えられた発振回路か
らの出力信号により内部時刻情報を更新し、この内部時
刻情報を用いて表示時刻を更新させる時計装置が知られ
ている。このような時計装置は、電源または動力源の消
耗や発振回路の精度等が要因となり、時刻の更新周期が
不正確となって、時間が経過するに従い、表示時刻(す
なわち内部時刻情報)に実際の時刻(以下、現在時刻と
いう)との誤差が生じてしまうことがある。
【0003】このような問題に対して、外部からの送信
電波に含まれる外部時刻信号に基づいて、表示時刻(内
部時刻情報)を自動的に補正する車載用時計装置が提案
されている(特開平3−61893公報参照)。具体的
には、全世界測位衛星システム(Global Positioning S
ystem 、以下GPSという)を構成する人工衛星からの
送信電波に含まれる高精度の時刻情報(以下、GPS時
刻情報という)に基づいて、表示時刻(内部時刻情報)
を自動的に補正する車載用時計装置である。このGPS
時刻情報は、原子時計によって更新されるため高精度の
時刻情報であり、GPS時刻情報に基づいて時刻補正を
行う車載用時計装置は、表示時刻に現在時刻との誤差が
生じ難い信頼性の高い車載用時計装置である。また、時
刻補正処理が自動的に行われるため、使用者が面倒な時
刻修正作業を行う必要が無くなるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案の車載用時計装置では、時刻補正動作が実行される時
期によっては、表示時刻がちらつく現象が発生するとい
う問題がある。つまり、時刻経過により表示時刻が更新
された後、すぐに時刻補正動作により表示時刻が更新さ
れ、さらにその直後に、時刻経過により表示時刻が更新
されると、短時間のうちに表示時刻が3回も更新されて
しまい、表示時刻がちらついて見えるのである。
【0005】このちらつき現象の具体例を、図4に示す
説明図を用いて説明する。尚、この現象例の車載用時計
装置では、「時」「分」「秒」の情報からなる内部時刻
情報のうち、「時」「分」の情報を表示時刻として表示
しており、また、周期的に実行される時刻補正処理によ
って、内部時刻情報とGPS時刻情報とに誤差があると
判定されると、内部時刻情報をGPS時刻情報と一致す
るように更新する時刻補正動作を行い、内部時刻情報を
補正している。
【0006】図4には、表示時刻、内部時刻情報、GP
S時刻情報をそれぞれ記載しており、時間経過にともな
い、それぞれ上から下に向かう順に状態が推移してい
る。まず、状態Aでは、内部時刻情報が「1:00’5
9」であるため、表示時刻が「1:00」となる。ま
た、このときのGPS時刻情報は「1:00’57」と
なっている。
【0007】次に、状態Aから2秒経過した状態Bで
は、内部時刻情報が「1:01’01」となるため、表
示時刻が「1:01」に更新される。このとき、周期的
に実行される時刻補正処理の実行時期になり、内部時刻
情報とGPS時刻情報とに誤差があるために時刻補正動
作が実行されると、内部時刻情報がGPS時刻情報の時
刻「1:00’59」と同一の時刻に更新されて、内部
時刻情報が「1:00’59」に補正される。
【0008】すると、時刻補正動作の実行直後の状態C
では、時刻補正動作により、内部時刻情報が「1:0
0’59」に補正されているため、表示時刻が「1:0
0」に更新される。そして、状態Cから1秒経過した状
態Dでは、内部時刻情報が「1:01’00」となるた
め、表示時刻が「1:01」に更新される。
【0009】このように、図4に示す現象例によれば、
3秒間で表示時刻が3回も更新されてしまい、時刻表示
がちらつくことになる。通常、車両に搭載されている車
載用時計装置は、「時」「分」の時間単位のみを表示す
るものが多く、「秒」の時間単位まで表示するものは少
ないため、こうした表示時刻のちらつき現象が発生する
場合がある。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みなされた
ものであり、時刻表示の精度が高く、表示時刻のちらつ
きが発生しない車載用時計装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、時刻を所定の時間
単位で表示する時刻表示部を備え、内部時刻更新手段
が、時刻表示部に表示される表示時刻よりも細かい時間
単位で内部時刻情報を更新すると、表示部駆動手段が、
この内部時刻情報を用いて時刻表示部に時刻を表示して
おり、また、時刻情報受信手段が、外部時刻情報を含む
外部からの送信電波を受信して、内部時刻情報と同じ時
間単位で外部時刻情報を復調すると、時刻補正手段が、
予め設定された更新周期毎に、内部時刻情報を外部時刻
情報と同一時刻となるように更新することで、内部時刻
情報を補正する車載用時計装置である。
【0012】そして、本発明の車載用時計装置では、時
刻補正手段が内部時刻情報を更新した後、表示部駆動手
段が表示時刻を更新した際に表示時刻がちらつく時間と
して設定された補正禁止期間に基づいて、補正動作禁止
手段が、時刻補正手段による更新時期が補正禁止期間内
であるか否かを判定し、補正禁止期間内である場合に
は、時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止
している。
【0013】このように、本発明の車載用時計装置で
は、全ての時間帯において時刻補正を実行するのではな
く、外部時刻情報が予め設定された補正禁止期間となる
ときには、時刻補正を行うことを禁止していることか
ら、時刻補正の直後に、内部時刻更新手段により内部時
刻情報が更新されて、表示部駆動手段により表示時刻が
更新されることがなくなる。このため、短時間の間に複
数回にわたり表示時刻が更新されることが無くなり、表
示時刻のちらつきの発生を防ぐことが出来る。
【0014】したがって、本発明(請求項1)の車載用
時計装置によれば、時刻補正を行うため時刻表示の精度
が高く、また、補正禁止手段を備えたことで表示時刻が
ちらつくことがない車両用時計装置が実現できる。な
お、補正禁止期間の長さは、表示時刻のちらつき現象を
抑えるためには長く設定するほど良いが、あまり長く設
定した場合には内部時刻情報に大きな誤差が生じる虞が
あるため、時刻表示の精度を低下させない程度の長さに
設定することが望ましい。そのため、補正禁止期間の長
さとしては、例えば、5秒に設定すると良い。
【0015】ところで、時刻の更新は、秒の桁の時間単
位が更新されていき一定の値(以下、単位更新値とい
う)に達すると、分の桁の時間単位が更新され、さら
に、分の桁の時間単位が更新されていき単位更新値に達
すると、時間の桁の時間単位が更新されるというように
行われる。このため、表示される時間単位の下の桁とな
る時間単位の値が、単位更新値に達するまでの時間を知
ることができれば、表示される時間単位の更新直前とな
る時期を把握することが出来る。
【0016】そこで、時刻補正禁止の判断を行うには、
請求項2に記載のように、補正動作禁止手段が、外部時
刻情報の時間単位の中の表示時刻として表示される時間
単位よりも下の桁である時間単位の値に基づいて判断す
ると良く、この時間単位の値が、補正禁止期間であるこ
とを表すために予め設定された補正禁止値であると判断
される場合に、時刻補正手段による内部時刻情報の更新
動作を禁止するのである。
【0017】このとき、表示時刻として表示される時間
単位の下の桁となる時間単位の値のうち、単位更新値に
達するまでの時間が短い値を補正禁止値として設定する
ことで、補正禁止時間帯を確実に把握することが可能に
なる。したがって、本発明(請求項2)によれば、外部
時刻情報に基づいて判断を行うことで、補正禁止期間で
あることを確実に把握することができ、表示時刻のちら
つきを発生させてしまう時刻補正動作を無くすことがで
きる。
【0018】ところで、補正禁止期間を設けることで表
示時刻のちらつきを防ぐことはできるが、時刻補正動作
が実行される時期が常に補正禁止期間と重複してしまう
と、内部時刻情報を補正することができなくなり、この
場合、最大で補正禁止期間の長さに相当する時間の誤差
が表示時刻に生じる可能性があり、車載用時計装置の精
度を低下させてしまう。
【0019】そこで、時刻補正手段は、請求項3に記載
のように、補正禁止期間の存在する時間間隔とは異なる
更新周期で、内部時刻情報の更新を行うとよい。このよ
うに、補正禁止期間の存在する時間間隔とは異なる更新
周期で内部時刻情報を更新すれば、時刻補正動作の実行
時期が連続して補正禁止期間に含まれてしまうことがな
くなり、時刻補正動作が実施されない状態が長期間続く
ことがなくなる。
【0020】よって、本発明(請求項3)によれば、内
部時刻情報に誤差が生じており時刻補正動作を行う必要
があるにも拘らず、補正禁止期間であるために補正動作
が行われないという状態が、長期間にわたり続いてしま
うことを防ぐことができ、時刻表示の精度を著しく低下
させることが無くなる。
【0021】なお、時刻補正動作の実行周期と補正禁止
期間の存在する時間間隔との差が、補正禁止期間の長さ
よりも大きくなるように、時刻補正動作の実行周期を設
定すれば、補正禁止手段により時刻補正動作が禁止され
る状態が連続して発生することが無くなる。
【0022】また、時刻補正動作の実行周期が、補正禁
止期間の存在する時間間隔の整数倍となる場合も、補正
禁止期間であるために時刻補正動作が行われない状態
が、長期間にわたり続いてしまう可能性があるため、前
記時刻補正手段は、補正禁止期間の存在する時間間隔の
整数倍とは異なる周期で時刻補正動作を行うことが望ま
しい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、ナビゲーション装置を備えた車両
に搭載された車載用時計装置1の構成を表す概略構成図
である。
【0024】図1に示すように、本実施例の車載用時計
装置1は、GPS人工衛星から送信されるGPS情報信
号を受信するGPS受信機12と、GPS受信機12に
て受信されたGPS情報信号からGPS時刻情報Tを抽
出するアダプタ14と、アダプタ14から出力されるG
PS情報信号に基づき、車両の現在位置の検出や経路案
内等のナビゲーション動作を行うCCS(Car Communic
ation System)16と、アダプタ14から出力されるG
PS時刻情報Tに基づいて時刻補正処理を行うコントロ
ールユニット18と、内部時刻情報26に基づいて時刻
表示を行う時計ユニット20を備えている。
【0025】そして、時計ユニット20では、カウンタ
駆動部28が、水晶振動子を発振させて、その振動数を
分周して内部時刻情報26を更新し、表示器駆動部30
が内部時刻情報26に基づいて、表示器32に「時」
「分」を表示して時刻を表示しており、また、マニュア
ル調整スイッチ24が操作されて、その操作に応じた調
整指令信号がカウンタ修正部22に入力されると、カウ
ンタ修正部22が内部時刻情報26を調整指令信号に応
じた時刻に更新する。また、内部時刻情報26は、時情
報(H)26a、分情報(M)26b、秒情報(S)2
6cを備えている。
【0026】また、コントロールユニット18は、GP
S時刻情報Tおよび内部時刻情報26を、それぞれアダ
プタ14および時計ユニット20から取り込んでおり、
コントロールユニット18内で実行される時刻補正処理
では、GPS時刻情報Tと内部時刻情報26との誤差を
検出すると、内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同
じ時刻になるよう更新する時刻補正動作を実行する。そ
して、時刻補正動作により内部時刻情報26が補正され
る際には、コントロールユニット18が、カウンタ修正
部22に対してGPS時刻情報Tを含んだ補正指令信号
を出力し、カウンタ修正部22が内部時刻情報26をG
PS時刻情報Tと同じ時刻となるように更新すること
で、内部時刻情報26を補正する。
【0027】なお、本実施例の車載用時計装置1では、
カウンタ修正部22による内部時刻情報26の更新は、
カウンタ駆動部28による内部時刻情報26の更新より
も優先される。次に、コントロールユニット18にて実
行される時刻補正処理について、図2に示す時刻補正処
理のフローチャートに従って説明する。なお、本実施例
の車載用時計装置1は、車両が始動されると同時に電源
が投入され、車載用時計装置1の電源投入直後から時刻
補正処理が開始されて、時刻補正処理は繰り返し実行さ
れる。
【0028】時刻補正処理が開始されると、まず、S1
10(Sはステップを表す)では、GPS時刻情報Tを
受信したか否かを判断しており、肯定判定されるとS1
20に移行し、否定判定されるとS150に移行する。
つまり、S110では、時刻補正を行う際の基準となる
GPS時刻情報Tが、正常に受信されているか否かを判
断し、正常に受信されている場合のみ、時刻補正動作を
行うようにしている。
【0029】このとき、GPS時刻情報Tが正常に受信
されており、S110で肯定判定されると、S120に
移行する。すると、S120では、時刻補正が必要であ
るか否かを判断しており、肯定判定されるとS130に
移行し、否定判定されるとS150に移行する。S12
0での判断は、具体的には、GPS時刻情報Tと、内部
時刻情報26との間に誤差があるか否かを判断すること
で行っている。
【0030】そして、GPS時刻情報Tと内部時刻情報
26との間に誤差が生じており、S120にて肯定判定
されると、S130に移行する。すると、S130で
は、GPS時刻情報Tの秒の桁が55〜59秒であるか
否かを判断しており、肯定判定されるとS150に移行
し、否定判定されるとS140に移行する。
【0031】この時、GPS時刻情報Tの秒の桁が55
〜59秒ではなく、S130で否定判定されると、S1
40に移行する。すると、S140では、時刻補正動作
を行うために、内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと
同じ時刻となるように更新して補正する。実際には、コ
ントロールユニット18からカウンタ修正部22に対し
て、GPS時刻情報Tを含んだ補正指令信号を出力し、
カウンタ修正部22が内部時刻情報26をGPS時刻情
報Tと同じ時刻になるように更新する。
【0032】そして、S140の処理が実行された後、
S150に移行し、S150では、補正タイミング間隔
をカウントする。本実施例では、補正タイミング間隔と
して70秒が設定されており、S150に処理が移行し
た後70秒経過するとS150の処理を終了するととも
に、本処理(時刻補正処理)を終了する。また、S15
0の処理は、S140の処理が実行された後の他に、S
110で否定判定された場合、またはS120で否定判
定された場合、あるいはS130で肯定判定された場合
にも実行される。
【0033】前述したように、時刻補正処理の一連の処
理が終了すると、再び時刻補正処理が実行されるため、
実質的には、時刻補正処理は70秒周期で行われること
になる。なお、本実施例の車載用時計装置1では、表示
器32が特許請求の範囲における時刻表示部に相当して
おり、カウンタ駆動部28が内部時刻更新手段に相当
し、表示器駆動部30が表示部駆動手段に相当し、GP
S受信機12とアダプタ14が時刻情報受信手段に相当
し、コントロールユニット18およびカウンタ修正部2
2が時刻補正手段に相当し、時刻補正処理におけるS1
30が補正動作禁止手段に相当する。また、55〜59
秒を補正禁止値として定め、表示時刻が更新される前の
5秒間を補正禁止期間として設定している。
【0034】以上説明したように、本実施例の車載用時
計装置1では、時刻補正処理を70秒周期で行っている
が、GPS時刻情報Tが正常に受信できない場合、また
は時刻補正が不要の場合、あるいはGPS時刻情報Tの
秒の桁が55〜59秒の場合には、内部時刻情報26を
GPS時刻情報Tと同じ時刻になるよう更新する時刻補
正動作(S140)を実行することはない。
【0035】特に、GPS時刻情報Tの秒の桁が55〜
59秒である場合に時刻補正動作を行わないようにして
いるため、表示時刻が時刻補正動作により更新されてか
ら、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されるま
での時間が、少なくとも5秒以上となることから、時刻
補正動作の直後に表示時刻が更新されることが無くな
る。
【0036】一方、内部時刻情報26がGPS時刻情報
Tよりも進んでいる場合、表示器駆動部30によって表
示時刻が更新されたあと、時刻補正動作の更新によって
表示時刻が元の時刻に戻されてしまうが、この2回の更
新の時間間隔が短い場合には表示時刻のちらつきが発生
してしまう。しかし、本実施例の車載用時計装置1で
は、前述のように補正禁止期間を設けているため、内部
時刻情報26が5秒以上進んでいない限り、表示時刻が
元の時刻に戻されるような更新が行われることはなく、
つまり、時刻補正動作による時刻更新の直前に、表示器
駆動部30によって表示時刻が更新されることはない。
そして、時刻補正処理の実行周期である70秒以内に、
5秒以上の誤差が生じる程の低精度な時計装置は実質的
に有り得ないため、時刻補正動作による時刻更新の直前
に、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されるこ
とはない。
【0037】よって、本実施例の車載用時計装置1で
は、一回の時刻補正動作の直前と直後のそれぞれにおい
て、表示時刻が更新されてしまうことが無いため、短時
間の間に複数回の表示時刻の更新が行われることはな
く、表示時刻のちらつきが発生することを防ぐことがで
きる。
【0038】また、S130での判断基準として、GP
S時刻情報Tの「秒」の桁を用いており、とりわけ、
「秒」の桁が55〜59秒となる期間を補正禁止期間と
して判断しているため、GPS時刻情報Tの「分」の桁
が更新される直前であることを、確実に判断することが
可能になる。なお、補正禁止期間の長さは、表示時刻の
ちらつき現象を抑える程度に長く、かつ、時刻表示の精
度を低下させない程度に長い値に設定することが望まし
く、本実施例では5秒を設定している。
【0039】さらに、本実施例の車載用時計装置1で
は、GPS時刻情報Tの「秒」の桁が55〜59秒であ
る時に時刻補正動作を行わないようにしているため、補
正禁止期間が60秒周期で存在することになる。しか
し、時刻補正処理を70秒周期で実行しており、時刻補
正処理の周期(70秒)と補正禁止期間の周期(60
秒)との差が、補正禁止期間の長さ(5秒間)よりも長
いため、時刻補正動作の実行時期が、連続して補正禁止
期間に含まれてしまうことがなくなる。つまり、内部時
刻情報26とGPS時刻情報Tとの間に誤差が生じてお
り時刻補正動作を行う必要があるにも拘らず、補正禁止
期間であるために補正動作が行われない状態が連続して
発生してしまうことを防ぐことができるため、時刻表示
の精度を著しく低下させることが無い。
【0040】ここで、本実施例の車載用時計装置1にお
いて、時刻補正処理が行われる具体例を、図3に示すタ
イムチャートに沿って説明する。図3には、GPS時刻
情報Tの時間経過による推移を横方向に示しており、
「12:59」から「1:03」までを示している。そ
して、時刻補正処理が行われた時刻を矢印で示してお
り、前述の時刻補正処理におけるS130での判定によ
って、補正が行われるか否かの判定結果を記載してい
る。なお、このときのS110およびS120における
判定結果は、両方とも肯定判定されているものとする。
【0041】図3での「12:59’47」における時
刻補正処理では、S130で否定判定されて時刻補正動
作が行われる。次の「1:00’57」における時刻補
正処理では、秒の桁が57秒であるため、S130で肯
定判定されて補正動作が行われない。続く「1:02’
07」および「1:03’17」における時刻補正処理
では、S130で否定判定されて時刻補正動作が行われ
る。
【0042】このように、図3に示すタイムチャートに
示すとおり、本実施例の車載用時計装置1では、S13
0での判定結果により時刻補正動作が禁止されて時刻補
正動作が行われない状態が、連続して発生することがな
いことが判る。したがって、本発明の実施例である車載
用時計装置1によれば、時刻補正動作による表示時刻の
更新と表示器駆動部30による表示時刻の更新との時間
間隔が、少なくとも5秒以上となることから、一回の時
刻補正動作の直前と直後のそれぞれにおいて、表示時刻
が更新されてしまうことが無くなり、表示時刻のちらつ
きが発生することを防ぐことができる。
【0043】また、時刻補正動作を行う必要があるにも
拘らず、補正禁止期間であるために補正動作が行われな
い状態が連続して発生することを防ぐことができるた
め、時刻表示の精度を著しく低下させることが無くな
る。これらのことから、本発明の実施例である車載用時
計装置1は、時刻表示の精度が高く、表示時刻のちらつ
きが発生しない車載用時計装置となる。
【0044】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、
種々の態様をとることができる。本実施例では、時刻補
正処理をコントロールユニット18で実行しているが、
例えば、車両の電子制御装置(ECU)で実行するよう
にしてもよい。
【0045】また、時刻補正処理を実行する周期を、補
正禁止期間の存在する時間間隔より短く設定することで
も、連続して時刻補正が禁止されてしまうことが無くな
り、精度の高い車載用時計装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載用時計装置1の構成を表す構成
図である。
【図2】 コントロールユニット18で実行される時刻
補正処理のフローチャートである。
【図3】 時刻補正処理の具体例を説明するための説明
図である。
【図4】 表示時刻のちらつき現象例を説明するための
説明図である。
【符号の説明】
1…車載用時計装置、12…GPS受信機、14…アダ
プタ、16…CCS、18…コントロールユニット、2
0…時計ユニット、22…カウンタ修正部、24…マニ
ュアル調整スイッチ、26…内部時刻情報、28…カウ
ンタ駆動部、30…表示器駆動部、32…表示器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 浩人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 壺井 達男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F002 AA06 AD03 AD07 EA00 EB01 ED02 FA16 FA21 FA23 GA06 GA18 GC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時刻を所定の時間単位で表示する時刻表
    示部と、 該時刻表示部に表示される表示時刻よりも細かい時間単
    位で内部時刻情報を更新する内部時刻更新手段と、 該内部時刻更新手段により更新される前記内部時刻情報
    を用いて、前記時刻表示部に時刻を表示する表示部駆動
    手段と、 外部時刻情報を含む外部からの送信電波を受信し、前記
    内部時刻情報と同じ時間単位で該外部時刻情報を復調す
    る時刻情報受信手段と、 予め設定された更新周期毎に、前記内部時刻情報を、該
    時刻情報受信手段にて復調された前記外部時刻情報と同
    一時刻となるように更新することで、前記内部時刻情報
    を補正する時刻補正手段と、 を備えた車載用時計装置であって、 前記時刻補正手段が前記内部時刻情報を更新した後、前
    記表示部駆動手段が表示時刻を更新した際に表示時刻が
    ちらつく時間として設定された補正禁止期間に基づい
    て、前記時刻補正手段による更新時期が該補正禁止期間
    内であるか否かを判定し、該補正禁止期間内である場合
    には、前記時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作
    を禁止する補正動作禁止手段、を備えたことを特徴とす
    る車載用時計装置。
  2. 【請求項2】 前記補正動作禁止手段は、前記外部時刻
    情報の時間単位の中の表示時刻として表示される時間単
    位よりも下の桁である時間単位の値が、前記補正禁止期
    間であることを表すために予め設定された補正禁止値で
    あるか否かを判定し、該補正禁止値である場合には、前
    記時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車載用時計装置。
  3. 【請求項3】 前記時刻補正手段は、前記補正禁止期間
    の存在する時間間隔とは異なる更新周期で、前記内部時
    刻情報を更新することを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の車載用時計装置。
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