JP4042258B2 - 車載用時計装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
外部からの送信電波に含まれる外部時刻情報に基づき、表示時刻を補正する車載用時計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内部に備えられた発振回路からの出力信号により内部時刻情報を更新し、この内部時刻情報を用いて表示時刻を更新させる時計装置が知られている。このような時計装置は、電源または動力源の消耗や発振回路の精度等が要因となり、時刻の更新周期が不正確となって、時間が経過するに従い、表示時刻(すなわち内部時刻情報)に実際の時刻(以下、現在時刻という)との誤差が生じてしまうことがある。
【0003】
このような問題に対して、外部からの送信電波に含まれる外部時刻信号に基づいて、表示時刻(内部時刻情報)を自動的に補正する車載用時計装置が提案されている(特開平3−61893公報参照)。具体的には、全世界測位衛星システム(Global Positioning System 、以下GPSという)を構成する人工衛星からの送信電波に含まれる高精度の時刻情報(以下、GPS時刻情報という)に基づいて、表示時刻(内部時刻情報)を自動的に補正する車載用時計装置である。このGPS時刻情報は、原子時計によって更新されるため高精度の時刻情報であり、GPS時刻情報に基づいて時刻補正を行う車載用時計装置は、表示時刻に現在時刻との誤差が生じ難い信頼性の高い車載用時計装置である。また、時刻補正処理が自動的に行われるため、使用者が面倒な時刻修正作業を行う必要が無くなるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の車載用時計装置では、時刻補正動作が実行される時期によっては、表示時刻がちらつく現象が発生するという問題がある。つまり、時刻経過により表示時刻が更新された後、すぐに時刻補正動作により表示時刻が更新され、さらにその直後に、時刻経過により表示時刻が更新されると、短時間のうちに表示時刻が3回も更新されてしまい、表示時刻がちらついて見えるのである。
【0005】
このちらつき現象の具体例を、図4に示す説明図を用いて説明する。
尚、この現象例の車載用時計装置では、「時」「分」「秒」の情報からなる内部時刻情報のうち、「時」「分」の情報を表示時刻として表示しており、また、周期的に実行される時刻補正処理によって、内部時刻情報とGPS時刻情報とに誤差があると判定されると、内部時刻情報をGPS時刻情報と一致するように更新する時刻補正動作を行い、内部時刻情報を補正している。
【0006】
図4には、表示時刻、内部時刻情報、GPS時刻情報をそれぞれ記載しており、時間経過にともない、それぞれ上から下に向かう順に状態が推移している。
まず、状態Aでは、内部時刻情報が「1:00’59」であるため、表示時刻が「1:00」となる。また、このときのGPS時刻情報は「1:00’57」となっている。
【0007】
次に、状態Aから2秒経過した状態Bでは、内部時刻情報が「1:01’01」となるため、表示時刻が「1:01」に更新される。このとき、周期的に実行される時刻補正処理の実行時期になり、内部時刻情報とGPS時刻情報とに誤差があるために時刻補正動作が実行されると、内部時刻情報がGPS時刻情報の時刻「1:00’59」と同一の時刻に更新されて、内部時刻情報が「1:00’59」に補正される。
【0008】
すると、時刻補正動作の実行直後の状態Cでは、時刻補正動作により、内部時刻情報が「1:00’59」に補正されているため、表示時刻が「1:00」に更新される。そして、状態Cから1秒経過した状態Dでは、内部時刻情報が「1:01’00」となるため、表示時刻が「1:01」に更新される。
【0009】
このように、図4に示す現象例によれば、3秒間で表示時刻が3回も更新されてしまい、時刻表示がちらつくことになる。通常、車両に搭載されている車載用時計装置は、「時」「分」の時間単位のみを表示するものが多く、「秒」の時間単位まで表示するものは少ないため、こうした表示時刻のちらつき現象が発生する場合がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、時刻表示の精度が高く、表示時刻のちらつきが発生しない車載用時計装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、時刻を所定の時間単位で表示する時刻表示部を備え、内部時刻更新手段が、時刻表示部に表示される表示時刻よりも細かい時間単位で内部時刻情報を更新すると、表示部駆動手段が、この内部時刻情報を用いて時刻表示部に時刻を表示しており、また、時刻情報受信手段が、外部時刻情報を含む外部からの送信電波を受信して、内部時刻情報と同じ時間単位で外部時刻情報を復調すると、時刻補正手段が、予め設定された更新周期毎に、内部時刻情報を外部時刻情報と同一時刻となるように更新することで、内部時刻情報を補正する車載用時計装置である。
【0012】
そして、本発明の車載用時計装置では、時刻補正手段が内部時刻情報を更新した後、表示部駆動手段が表示時刻を更新した際に表示時刻がちらつく時間として設定された補正禁止期間であって、受信動作により取得した前記外部時刻情報の値に基づいて設定される補正禁止期間に基づいて、補正動作禁止手段が、時刻補正手段による更新時期が補正禁止期間内であるか否かを判定し、補正禁止期間内である場合には、時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止している。
【0013】
このように、本発明の車載用時計装置では、全ての時間帯において時刻補正を実行するのではなく、外部時刻情報が予め設定された補正禁止期間となるときには、時刻補正を行うことを禁止していることから、時刻補正の直後に、内部時刻更新手段により内部時刻情報が更新されて、表示部駆動手段により表示時刻が更新されることがなくなる。このため、短時間の間に複数回にわたり表示時刻が更新されることが無くなり、表示時刻のちらつきの発生を防ぐことが出来る。
【0014】
したがって、本発明(請求項1)の車載用時計装置によれば、時刻補正を行うため時刻表示の精度が高く、また、補正禁止手段を備えたことで表示時刻がちらつくことがない車両用時計装置が実現できる。
なお、補正禁止期間の長さは、表示時刻のちらつき現象を抑えるためには長く設定するほど良いが、あまり長く設定した場合には内部時刻情報に大きな誤差が生じる虞があるため、時刻表示の精度を低下させない程度の長さに設定することが望ましい。そのため、補正禁止期間の長さとしては、例えば、5秒に設定すると良い。
【0015】
ところで、時刻の更新は、秒の桁の時間単位が更新されていき一定の値(以下、単位更新値という)に達すると、分の桁の時間単位が更新され、さらに、分の桁の時間単位が更新されていき単位更新値に達すると、時間の桁の時間単位が更新されるというように行われる。このため、表示される時間単位の下の桁となる時間単位の値が、単位更新値に達するまでの時間を知ることができれば、表示される時間単位の更新直前となる時期を把握することが出来る。
【0016】
そこで、時刻補正禁止の判断を行うには、請求項2に記載のように、補正動作禁止手段が、外部時刻情報の時間単位の中の表示時刻として表示される時間単位よりも下の桁である時間単位の値に基づいて判断すると良く、この時間単位の値が、補正禁止期間であることを表すために予め設定された補正禁止値であると判断される場合に、時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止するのである。
【0017】
このとき、表示時刻として表示される時間単位の下の桁となる時間単位の値のうち、単位更新値に達するまでの時間が短い値を補正禁止値として設定することで、補正禁止時間帯を確実に把握することが可能になる。
したがって、本発明(請求項2)によれば、外部時刻情報に基づいて判断を行うことで、補正禁止期間であることを確実に把握することができ、表示時刻のちらつきを発生させてしまう時刻補正動作を無くすことができる。
【0018】
ところで、補正禁止期間を設けることで表示時刻のちらつきを防ぐことはできるが、時刻補正動作が実行される時期が常に補正禁止期間と重複してしまうと、内部時刻情報を補正することができなくなり、この場合、最大で補正禁止期間の長さに相当する時間の誤差が表示時刻に生じる可能性があり、車載用時計装置の精度を低下させてしまう。
【0019】
そこで、時刻補正手段は、請求項3に記載のように、補正禁止期間の存在する時間間隔とは異なる更新周期で、内部時刻情報の更新を行うとよい。
このように、補正禁止期間の存在する時間間隔とは異なる更新周期で内部時刻情報を更新すれば、時刻補正動作の実行時期が連続して補正禁止期間に含まれてしまうことがなくなり、時刻補正動作が実施されない状態が長期間続くことがなくなる。
【0020】
よって、本発明(請求項3)によれば、内部時刻情報に誤差が生じており時刻補正動作を行う必要があるにも拘らず、補正禁止期間であるために補正動作が行われないという状態が、長期間にわたり続いてしまうことを防ぐことができ、時刻表示の精度を著しく低下させることが無くなる。
【0021】
なお、時刻補正動作の実行周期と補正禁止期間の存在する時間間隔との差が、補正禁止期間の長さよりも大きくなるように、時刻補正動作の実行周期を設定すれば、補正禁止手段により時刻補正動作が禁止される状態が連続して発生することが無くなる。
【0022】
また、時刻補正動作の実行周期が、補正禁止期間の存在する時間間隔の整数倍となる場合も、補正禁止期間であるために時刻補正動作が行われない状態が、長期間にわたり続いてしまう可能性があるため、前記時刻補正手段は、補正禁止期間の存在する時間間隔の整数倍とは異なる周期で時刻補正動作を行うことが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、ナビゲーション装置を備えた車両に搭載された車載用時計装置1の構成を表す概略構成図である。
【0024】
図1に示すように、本実施例の車載用時計装置1は、GPS人工衛星から送信されるGPS情報信号を受信するGPS受信機12と、GPS受信機12にて受信されたGPS情報信号からGPS時刻情報Tを抽出するアダプタ14と、アダプタ14から出力されるGPS情報信号に基づき、車両の現在位置の検出や経路案内等のナビゲーション動作を行うCCS(Car Communication System)16と、アダプタ14から出力されるGPS時刻情報Tに基づいて時刻補正処理を行うコントロールユニット18と、内部時刻情報26に基づいて時刻表示を行う時計ユニット20を備えている。
【0025】
そして、時計ユニット20では、カウンタ駆動部28が、水晶振動子を発振させて、その振動数を分周して内部時刻情報26を更新し、表示器駆動部30が内部時刻情報26に基づいて、表示器32に「時」「分」を表示して時刻を表示しており、また、マニュアル調整スイッチ24が操作されて、その操作に応じた調整指令信号がカウンタ修正部22に入力されると、カウンタ修正部22が内部時刻情報26を調整指令信号に応じた時刻に更新する。また、内部時刻情報26は、時情報(H)26a、分情報(M)26b、秒情報(S)26cを備えている。
【0026】
また、コントロールユニット18は、GPS時刻情報Tおよび内部時刻情報26を、それぞれアダプタ14および時計ユニット20から取り込んでおり、コントロールユニット18内で実行される時刻補正処理では、GPS時刻情報Tと内部時刻情報26との誤差を検出すると、内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同じ時刻になるよう更新する時刻補正動作を実行する。そして、時刻補正動作により内部時刻情報26が補正される際には、コントロールユニット18が、カウンタ修正部22に対してGPS時刻情報Tを含んだ補正指令信号を出力し、カウンタ修正部22が内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同じ時刻となるように更新することで、内部時刻情報26を補正する。
【0027】
なお、本実施例の車載用時計装置1では、カウンタ修正部22による内部時刻情報26の更新は、カウンタ駆動部28による内部時刻情報26の更新よりも優先される。
次に、コントロールユニット18にて実行される時刻補正処理について、図2に示す時刻補正処理のフローチャートに従って説明する。なお、本実施例の車載用時計装置1は、車両が始動されると同時に電源が投入され、車載用時計装置1の電源投入直後から時刻補正処理が開始されて、時刻補正処理は繰り返し実行される。
【0028】
時刻補正処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、GPS時刻情報Tを受信したか否かを判断しており、肯定判定されるとS120に移行し、否定判定されるとS150に移行する。つまり、S110では、時刻補正を行う際の基準となるGPS時刻情報Tが、正常に受信されているか否かを判断し、正常に受信されている場合のみ、時刻補正動作を行うようにしている。
【0029】
このとき、GPS時刻情報Tが正常に受信されており、S110で肯定判定されると、S120に移行する。すると、S120では、時刻補正が必要であるか否かを判断しており、肯定判定されるとS130に移行し、否定判定されるとS150に移行する。S120での判断は、具体的には、GPS時刻情報Tと、内部時刻情報26との間に誤差があるか否かを判断することで行っている。
【0030】
そして、GPS時刻情報Tと内部時刻情報26との間に誤差が生じており、S120にて肯定判定されると、S130に移行する。すると、S130では、GPS時刻情報Tの秒の桁が55〜59秒であるか否かを判断しており、肯定判定されるとS150に移行し、否定判定されるとS140に移行する。
【0031】
この時、GPS時刻情報Tの秒の桁が55〜59秒ではなく、S130で否定判定されると、S140に移行する。すると、S140では、時刻補正動作を行うために、内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同じ時刻となるように更新して補正する。実際には、コントロールユニット18からカウンタ修正部22に対して、GPS時刻情報Tを含んだ補正指令信号を出力し、カウンタ修正部22が内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同じ時刻になるように更新する。
【0032】
そして、S140の処理が実行された後、S150に移行し、S150では、補正タイミング間隔をカウントする。本実施例では、補正タイミング間隔として70秒が設定されており、S150に処理が移行した後70秒経過するとS150の処理を終了するとともに、本処理(時刻補正処理)を終了する。また、S150の処理は、S140の処理が実行された後の他に、S110で否定判定された場合、またはS120で否定判定された場合、あるいはS130で肯定判定された場合にも実行される。
【0033】
前述したように、時刻補正処理の一連の処理が終了すると、再び時刻補正処理が実行されるため、実質的には、時刻補正処理は70秒周期で行われることになる。
なお、本実施例の車載用時計装置1では、表示器32が特許請求の範囲における時刻表示部に相当しており、カウンタ駆動部28が内部時刻更新手段に相当し、表示器駆動部30が表示部駆動手段に相当し、GPS受信機12とアダプタ14が時刻情報受信手段に相当し、コントロールユニット18およびカウンタ修正部22が時刻補正手段に相当し、時刻補正処理におけるS130が補正動作禁止手段に相当する。また、55〜59秒を補正禁止値として定め、表示時刻が更新される前の5秒間を補正禁止期間として設定している。
【0034】
以上説明したように、本実施例の車載用時計装置1では、時刻補正処理を70秒周期で行っているが、GPS時刻情報Tが正常に受信できない場合、または時刻補正が不要の場合、あるいはGPS時刻情報Tの秒の桁が55〜59秒の場合には、内部時刻情報26をGPS時刻情報Tと同じ時刻になるよう更新する時刻補正動作(S140)を実行することはない。
【0035】
特に、GPS時刻情報Tの秒の桁が55〜59秒である場合に時刻補正動作を行わないようにしているため、表示時刻が時刻補正動作により更新されてから、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されるまでの時間が、少なくとも5秒以上となることから、時刻補正動作の直後に表示時刻が更新されることが無くなる。
【0036】
一方、内部時刻情報26がGPS時刻情報Tよりも進んでいる場合、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されたあと、時刻補正動作の更新によって表示時刻が元の時刻に戻されてしまうが、この2回の更新の時間間隔が短い場合には表示時刻のちらつきが発生してしまう。しかし、本実施例の車載用時計装置1では、前述のように補正禁止期間を設けているため、内部時刻情報26が5秒以上進んでいない限り、表示時刻が元の時刻に戻されるような更新が行われることはなく、つまり、時刻補正動作による時刻更新の直前に、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されることはない。そして、時刻補正処理の実行周期である70秒以内に、5秒以上の誤差が生じる程の低精度な時計装置は実質的に有り得ないため、時刻補正動作による時刻更新の直前に、表示器駆動部30によって表示時刻が更新されることはない。
【0037】
よって、本実施例の車載用時計装置1では、一回の時刻補正動作の直前と直後のそれぞれにおいて、表示時刻が更新されてしまうことが無いため、短時間の間に複数回の表示時刻の更新が行われることはなく、表示時刻のちらつきが発生することを防ぐことができる。
【0038】
また、S130での判断基準として、GPS時刻情報Tの「秒」の桁を用いており、とりわけ、「秒」の桁が55〜59秒となる期間を補正禁止期間として判断しているため、GPS時刻情報Tの「分」の桁が更新される直前であることを、確実に判断することが可能になる。なお、補正禁止期間の長さは、表示時刻のちらつき現象を抑える程度に長く、かつ、時刻表示の精度を低下させない程度に長い値に設定することが望ましく、本実施例では5秒を設定している。
【0039】
さらに、本実施例の車載用時計装置1では、GPS時刻情報Tの「秒」の桁が55〜59秒である時に時刻補正動作を行わないようにしているため、補正禁止期間が60秒周期で存在することになる。しかし、時刻補正処理を70秒周期で実行しており、時刻補正処理の周期(70秒)と補正禁止期間の周期(60秒)との差が、補正禁止期間の長さ(5秒間)よりも長いため、時刻補正動作の実行時期が、連続して補正禁止期間に含まれてしまうことがなくなる。つまり、内部時刻情報26とGPS時刻情報Tとの間に誤差が生じており時刻補正動作を行う必要があるにも拘らず、補正禁止期間であるために補正動作が行われない状態が連続して発生してしまうことを防ぐことができるため、時刻表示の精度を著しく低下させることが無い。
【0040】
ここで、本実施例の車載用時計装置1において、時刻補正処理が行われる具体例を、図3に示すタイムチャートに沿って説明する。
図3には、GPS時刻情報Tの時間経過による推移を横方向に示しており、「12:59」から「1:03」までを示している。そして、時刻補正処理が行われた時刻を矢印で示しており、前述の時刻補正処理におけるS130での判定によって、補正が行われるか否かの判定結果を記載している。なお、このときのS110およびS120における判定結果は、両方とも肯定判定されているものとする。
【0041】
図3での「12:59’47」における時刻補正処理では、S130で否定判定されて時刻補正動作が行われる。次の「1:00’57」における時刻補正処理では、秒の桁が57秒であるため、S130で肯定判定されて補正動作が行われない。続く「1:02’07」および「1:03’17」における時刻補正処理では、S130で否定判定されて時刻補正動作が行われる。
【0042】
このように、図3に示すタイムチャートに示すとおり、本実施例の車載用時計装置1では、S130での判定結果により時刻補正動作が禁止されて時刻補正動作が行われない状態が、連続して発生することがないことが判る。
したがって、本発明の実施例である車載用時計装置1によれば、時刻補正動作による表示時刻の更新と表示器駆動部30による表示時刻の更新との時間間隔が、少なくとも5秒以上となることから、一回の時刻補正動作の直前と直後のそれぞれにおいて、表示時刻が更新されてしまうことが無くなり、表示時刻のちらつきが発生することを防ぐことができる。
【0043】
また、時刻補正動作を行う必要があるにも拘らず、補正禁止期間であるために補正動作が行われない状態が連続して発生することを防ぐことができるため、時刻表示の精度を著しく低下させることが無くなる。
これらのことから、本発明の実施例である車載用時計装置1は、時刻表示の精度が高く、表示時刻のちらつきが発生しない車載用時計装置となる。
【0044】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、種々の態様をとることができる。
本実施例では、時刻補正処理をコントロールユニット18で実行しているが、例えば、車両の電子制御装置(ECU)で実行するようにしてもよい。
【0045】
また、時刻補正処理を実行する周期を、補正禁止期間の存在する時間間隔より短く設定することでも、連続して時刻補正が禁止されてしまうことが無くなり、精度の高い車載用時計装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載用時計装置1の構成を表す構成図である。
【図2】 コントロールユニット18で実行される時刻補正処理のフローチャートである。
【図3】 時刻補正処理の具体例を説明するための説明図である。
【図4】 表示時刻のちらつき現象例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…車載用時計装置、12…GPS受信機、14…アダプタ、16…CCS、18…コントロールユニット、20…時計ユニット、22…カウンタ修正部、24…マニュアル調整スイッチ、26…内部時刻情報、28…カウンタ駆動部、30…表示器駆動部、32…表示器。

Claims (3)

  1. 時刻を所定の時間単位で表示する時刻表示部と、
    該時刻表示部に表示される表示時刻よりも細かい時間単位で内部時刻情報を更新する内部時刻更新手段と、
    該内部時刻更新手段により更新される前記内部時刻情報を用いて、前記時刻表示部に時刻を表示する表示部駆動手段と、
    外部時刻情報を含む外部からの送信電波を受信し、前記内部時刻情報と同じ時間単位で該外部時刻情報を復調する時刻情報受信手段と、
    予め設定された更新周期毎に、前記内部時刻情報を、該時刻情報受信手段にて復調された前記外部時刻情報と同一時刻となるように更新することで、前記内部時刻情報を補正する時刻補正手段と、
    を備えた車載用時計装置であって、
    前記時刻補正手段が前記内部時刻情報を更新した後、前記表示部駆動手段が表示時刻を更新した際に表示時刻がちらつく時間として設定された補正禁止期間であって、受信動作により取得した前記外部時刻情報の値に基づいて設定される補正禁止期間に基づいて、前記時刻補正手段による更新時期が該補正禁止期間内であるか否かを判定し、該補正禁止期間内である場合には、前記時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止する補正動作禁止手段、を備えたことを特徴とする車載用時計装置。
  2. 前記補正動作禁止手段は、前記外部時刻情報の時間単位の中の表示時刻として表示される時間単位よりも下の桁である時間単位の値が、前記補正禁止期間であることを表すために予め設定された補正禁止値であるか否かを判定し、該補正禁止値である場合には、前記時刻補正手段による内部時刻情報の更新動作を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車載用時計装置。
  3. 前記時刻補正手段は、前記補正禁止期間の存在する時間間隔とは異なる更新周期で、前記内部時刻情報を更新することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用時計装置。
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