JP2000355825A - ポリケトンドープ及びそれを用いた繊維 - Google Patents

ポリケトンドープ及びそれを用いた繊維

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JP2000355825A
JP2000355825A JP11167370A JP16737099A JP2000355825A JP 2000355825 A JP2000355825 A JP 2000355825A JP 11167370 A JP11167370 A JP 11167370A JP 16737099 A JP16737099 A JP 16737099A JP 2000355825 A JP2000355825 A JP 2000355825A
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polyketone
dope
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polymer
solvent
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Toru Morita
徹 森田
Jinichiro Kato
仁一郎 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 繰り返し単位の90重量%以上が一酸化
炭素とオレフィンの交互共重合体であるポリケトンのド
ープにおいて、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、チ
オシアン酸塩、塩化鉄(III )、臭化鉄(III )からな
る群から選ばれた少なくとも1種の塩を含む水溶液が溶
剤であることを特徴とするポリケトンドープ、及び該ド
ープを用いた繊維の製造法、並びに該方法で得られた繊
維。 【効果】 ポリケトンを安定に溶解し、溶剤の回収性に
優れ、単純な紡糸設備で湿式紡糸が可能となるポリケト
ンドープ及び該ドープを用いた繊維の製造方法並びに該
方法で得られた繊維を提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリケトンドープ
及び該ドープを用いた繊維の製造方法並びに該方法で得
られた繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素とエチレン、プロピレンのよ
うなオレフィンとをパラジウムやニッケルなどといった
遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることによ
り、一酸化炭素と該オレフィンが実質完全に交互共重合
したポリケトンが得られることが知られている(工業材
料、12月号、第5ページ、1997年)。ポリケトン
を産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究者に
よってなされ、高強度、高弾性率、高温での寸法安定
性、接着性、耐クリープ特性などの物性を生かしてタイ
ヤコード、ベルト等の補強繊維、コンクリート補強用繊
維といった複合材料用繊維への応用が期待されている。
上記の用途に最も適したポリケトンは、高度な繊維物性
を発現できるという観点から実質的に一酸化炭素とエチ
レンのみからなるポリケトン[ポリ(1−オキソトリメ
チレン)、以下「ECO」と略記する]であるが、この
ポリマーはゲル化しやすいために溶融紡糸はできず、湿
式紡糸しか適用できない。
【0003】ECOを湿式紡糸する場合に、用いる溶媒
としてはヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾ
ール、レゾルシン/水といったフェノール系溶剤、レゾ
ルシン/カーボネートといった有機溶剤が知られている
(特開平2−112413号公報、特開平4−2286
13号公報、特表平7−508317号公報、特表平8
−507328号公報)。しかしながら、これらの溶剤
はいずれも毒性、可燃性が高く、用いる凝固溶剤にもメ
タノールやアセトンといった可燃性溶剤を使用せざるを
得ないので、高価な防爆施設を備えた紡糸設備が必要と
なる他、これらの溶剤はいずれも高価でありわずかな回
収ロスでさえ紡糸コストを大幅に上昇させるといった欠
点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
ケトンを安定に溶解し、溶剤の回収性に優れ、単純な紡
糸設備で湿式紡糸が可能となるポリケトンドープ及び該
ドープを用いた繊維の製造方法並びに該方法で得られた
繊維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、ポリケトンの溶剤探索を詳細に行った
結果、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、チオシアン
酸塩、塩化鉄(III )、臭化鉄(III )からなる群から
選ばれた少なくとも1種の塩を含む水溶液がポリケトン
の溶剤になることを見いだし、更に検討の結果本発明に
到達した。すなわち、本発明は、繰り返し単位の90重
量%以上が一酸化炭素とオレフィンの交互共重合体であ
るポリケトンのドープにおいて、臭化カルシウム、ヨウ
化カルシウム、チオシアン酸塩、塩化鉄(III )、臭化
鉄(III )からなる群から選ばれた少なくとも1種の塩
を含む水溶液が溶剤であることを特徴とするポリケトン
ドープを提供するものである。
【0006】本発明に用いるポリケトンは、繰り返し単
位の90重量%以上が一酸化炭素とオレフィンとが交互
共重合してなるポリケトンである。10重量%未満の範
囲でポリケトン以外の繰り返し単位を含有していてもよ
い。繊維としての強度、弾性率、接着性、寸法安定性、
耐クリープ性、耐光性が優れるという点で、下記の構造
式(1)に示す一酸化炭素とオレフィンが交互共重合し
てなるポリケトンが特に好ましい。
【化1】
【0007】すなわち、この好ましいポリケトンは、カ
ルボニル基がオレフィン由来のアルキレン基と交互に配
列されているポリマーである。このポリマー中には部分
的にカルボニル基同士、アルキレン基同士がつながって
いてもよいが、90重量%以上、好ましくは95重量%
以上が一酸化炭素とオレフィンの完全交互共重合体、す
なわちアルキレン基の次にはカルボニル基が結合し、そ
のカルボニル基の次にはアルキレン基が結合する交互共
重合体からなるポリケトンであることが耐熱性、耐光性
を向上させる観点から好ましい。もちろん、ポリマー中
の一酸化炭素とオレフィンが完全交互共重合した部分の
含有率は高ければ高い程よく、更に好ましくは97%以
上であり、最も好ましくは100重量%である。
【0008】また、本発明に用いるポリケトンは、一酸
化炭素と、1種のオレフィンとのコポリマーであって
も、2種以上のオレフィンとのコポリマーであってもよ
い。用いるオレフィンの具体例としては、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ウンデ
セン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビ
ニルピロリドン等が挙げられる。これらのオレフィンか
ら得られるポリケトンとしては、実質的にエチレンと一
酸化炭素のみから構成させる完全交互共重合体であるポ
リケトンが、高強度、高弾性率、高温での寸法安定性が
達成できるという観点で最も好ましい。また、本発明の
溶剤への溶解性が優れるという観点から、ポリケトンを
構成するオレフィンとして3〜10モル%、好ましくは
4〜8モル%のプロピレンを含んだ、一酸化炭素とエチ
レンの交互共重合単位と一酸化炭素とプロピレンの交互
共重合単位とが混在したコポリマーであることが好まし
い。
【0009】また、これらのポリケトンには必要に応じ
て、酸化防止剤、ゲル化抑制剤、他のポリマー、艶消し
剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤を含有
させてもよい。本発明で使用するポリケトンの極限粘度
[η]は0.3以上であることが好ましい。これは、極
限粘度が0.3未満では分子量が低すぎて繊維化するこ
とが困難となるからである。得られる繊維の強度と溶解
性、紡糸性のかねあいから、好ましくは0.5〜15、
最も好ましくは2〜10の範囲である。ここでの極限粘
度[η]は、後記の実施例で記述した測定方法中で定め
たものである。
【0010】本発明に用いるポリケトンの溶剤は、臭化
カルシウム、ヨウ化カルシウム、チオシアン酸塩、塩化
鉄(III )、臭化鉄(III )からなる群から選ばれた少
なくとも1種の塩を含む水溶液であることが必要であ
る。これらの塩は単独でも複数組み合わせても使用可能
である。チオシアン酸塩の具体例としては、チオシアン
酸亜鉛、チオシアン酸アルミニウム、チオシアン酸アン
モニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸カルシ
ウム、チオシアン酸クロム、チオシアン酸ストロンチ
ム、チオシアン酸セシウム、チオシアン酸鉄、チオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸ニッケル、チオシアン酸
パラジウム、チオシアン酸バリウム、チオシアン酸マグ
ネシウム、チオシアン酸リチウム等が挙げられる。これ
らは2種以上を混在して用いてもよい。コストの点、溶
解安定性の点でチオシアン酸塩の陽イオン部がアンモニ
ウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウムで
あることが好ましい。
【0011】該塩水溶液には、ポリケトンを溶解する能
力を阻害しない範囲で、他の水溶性の塩(例えば、塩化
ナトリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化バリ
ウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等)を含有さ
せることはかまわない。該塩水溶液の塩濃度は、特に制
限はないが、ポリケトンの溶解性の点で高い方が好まし
い。該塩水溶液の塩濃度が低いとポリケトンの溶解可能
な濃度や重合度が制限され、製造コストや繊維の強度に
対して不利となる。ただし、該塩水溶液の塩濃度が高す
ぎると水溶液の粘度が高くなり溶解作業に時間がかかっ
たり、結晶の析出が起こるためにポリマー溶液が不均一
になるなど、の問題が生じる場合がある。したがって、
塩濃度は30〜85重量%が好ましく、さらに好ましく
は45〜75重量%である。尚、塩濃度は、以下の式で
定義される値である。 塩濃度(重量%)=〔塩の重量/(塩の重量+水の重
量)〕×100 該塩水溶液に用いる水については、工業的に用いること
が可能なものであれば特に制限はなく、飲料水、河川
水、イオン交換処理水等任意のものが使用できる。さら
に、該塩水溶液のポリケトンを溶解する能力を阻害しな
い範囲内で、通常は水中の10%以内で、メタノール、
エタノール、エチレングリコール、アセトン、ジメチル
スルホキシド、N−メチルピロリドン等の有機溶剤を含
有させても良い。
【0012】また、本発明のドープ中のポリマー濃度は
0.005〜70重量%であることが好ましい。尚、本
発明でドープとは、ポリマーを溶剤に溶解させた溶液を
示す言葉であり、ここではポリケトンを該塩水溶液に溶
解させた溶液を示すものである。ポリマー濃度が0.0
05重量%未満では濃度が低すぎて、凝固時に繊維にな
りにくい欠点を有する他、繊維の製造コストが高くなり
すぎる欠点を有する。また、70重量%を越えるともは
やポリマーが溶剤に溶解しなくなる。溶解性、紡糸のし
やすさ、繊維の製造コストの観点から、好ましくは0.
5〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%であ
る。
【0013】本発明のドープの製造方法としては特に制
限はないが、以下好ましい例を挙げて説明する。本発明
のドープは、ポリケトンを当該塩水溶液の溶剤に撹拌し
ながら一気にあるいは数回に分けて添加して製造する。
ポリケトンの形態としては、粉末、チップ等特に制限は
ないが、溶解速度、重合過程で生成したゲル化物量が少
ないという観点から粉末が好ましい。ポリケトンを合成
すると通常は粉末の形態で得られることが知られてい
る。この粉末は、かさ密度が高く表面が凹凸に富んでい
るので、比表面積が大きく溶剤に触れやすいので溶解性
に優れている。これに対し、チップ等のポリマーを一旦
溶融させて付形したものは、比表面積が少なく溶剤に触
れる面積が少なくなっている他、溶融過程でゲル化物が
生成する恐れがあるので、合成で得られたポリマーをそ
のままで用いることが推奨される。
【0014】溶解する時の温度は特に制限はないが、溶
解性、溶解速度を考えると温度が高い程良いが、ポリケ
トンの安定性は温度が低いほど良い。この観点から、通
常は30〜150℃の範囲で溶解することが好ましい。
さらに適正の範囲は当該塩水溶液の種類やポリマーの分
子量及び濃度により適宜決められる。溶解方法として
は、撹拌羽根による撹拌、1軸または2軸押出機を用い
た撹拌、超音波を用いた撹拌等を用いることができる。
こうして得られたドープを必要に応じてフィルターで濾
過し、ごみ、ゲル化物、未溶解ポリマー、触媒残さ等を
除去する。また、必要に応じて、ドープに酸化防止剤、
耐光安定剤、艶消し剤等を添加してもよい。
【0015】こうして得られたドープを紡口口金から押
し出し、凝固浴に通すことにより凝固した繊維状物を得
る。押し出すときのドープ温度は、特に制限はないが、
塩の析出温度より高くすることが好ましく、またドープ
の粘度を下げるためにも高く設定することが有利であ
る。しかし、脂肪族ポリケトンポリマーの安定性を考慮
すると設定可能な温度には上限がある。一般的には30
〜150℃の範囲が好ましい。凝固浴に用いる凝固浴剤
としては、特に制限はないが、溶剤の回収を考慮すると
水または溶剤として用いた塩水溶液で塩濃度が溶剤より
も低い状態のものを用いることが好ましい。また、凝固
浴温度も、特に制限はないが、ドープの凝固速度を早く
できる観点から20℃以上が好ましい。
【0016】ドープを紡口口金から凝固浴へ押し出す方
法としては、紡口を凝固浴に浸ける方法、すなわち浸漬
法であっても、紡口を空気中に置いて紡口口金から出た
繊維状物が空気相を経て凝固浴に入る方法、いわゆるエ
アギャップ法であってもよい。押し出し時のドープ温度
と凝固浴の温度が大きな差があるときは、エアギャップ
法が好ましい。その後、実質的に溶剤を除去するために
洗浄を行う。洗浄剤は溶剤を抽出する能力がある液体で
あれば特に制限はないが、安全性、溶液のコスト、回収
のコスト等を考慮すると、水系の溶液が好ましい。
【0017】こうして凝固され実質的に溶剤を含まない
繊維は、乾燥後延伸あるいは乾燥させながら延伸を行っ
て延伸糸を得ることが出来る。乾燥方法としては、いっ
たん凝固糸を巻き取ったもの(チーズ、あるいはケーク
やパーン)を乾燥機中で乾燥するバッチ乾燥法であって
も、また凝固糸を紡糸後そのまま連続して、あるいはい
ったん巻き取った後に、加熱したロールやプレート上あ
るいは加熱気体中を走行させて乾燥する連続乾燥法であ
ってもよい。糸の均一性や製造コストの観点からは連続
乾燥法が好ましい。延伸は、0〜300℃の温度範囲で
行う必要がある。延伸応力を下げて、延伸倍率を高くす
るためには100℃以上の温度が好ましく、糸の劣化を
さけるために280℃以下であることが好ましい。高い
強度、弾性率を持った繊維を得るためには、延伸倍率を
3倍以上とすることがが好ましく、さらに好ましくは5
倍以上、特に10倍以上が好ましい。また、延伸は一段
で行っても、数段に分けて行ってもかまわない。
【0018】
【実施例】本発明を、以下の実施例などにより更に詳し
く説明するがそれらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法
は次の通りである。 (1)極限粘度 極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値で
ある。
【式1】 定義式中のt及びTは、純度98%以上のm−クレゾー
ル及びと該m−クレゾールに溶解した脂肪族ポリケトン
の希釈溶液の60℃での粘度管の流過時間である。また
Cは、上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重
量値である。 (2)強伸度 糸の強伸度は、JIS−L−1013に準じて測定し
た。
【0019】
【実施例1】極限粘度[η]が0.4で、オレフィン中
に含まれるプロピレン量が10モル%となるように共重
合したエチレン/プロピレン/一酸化炭素の完全交互タ
ーポリマー用い、表1に示す溶剤組成、ポリマー濃度、
温度条件で撹拌しながら溶解し、溶解時間30分以内で
それぞれの組成のドープを得た。得られたドープを直ち
に大量の水に落とし、フィブリル状のポリマーを回収し
た。回収したポリマーを徹底的に水で洗い、乾燥した。
回収されたポリマーは、色の変化はなく、ポリマーの赤
外吸収スペクトル、NMRスペクトルを測定したとこ
ろ、原料のポリマーに対し変化はなかった。また、極限
粘度も表1に示すように、ほとんど変化がなかった。こ
のことは原料ポリマーが分解することなく溶剤に溶解
し、該実施例1〜5の水溶液はポリケトンのドープにな
り得ることを示すものである。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例6】極限粘度[η]が4.0のエチレン/一酸
化炭素の完全交互コポリマーを90℃で撹拌しながら、
75重量%の臭化カルシウム水溶液に加えた。ポリマー
は極めて容易に溶解し、溶解時間30分以内でポリマー
濃度10重量%のドープを得た。得られたドープを直ち
に大量の水に落とし、フィブリル状のポリマーを回収し
た。回収したポリマーを徹底的に水で洗い、臭化カルシ
ウムを完全に除去し、乾燥した。回収されたポリマー
は、色の変化がなく、ポリマーの赤外吸収スペクトル、
NMRスペクトルを測定したところ、原料のポリマーに
対し変化はなかった。また、極限粘度も4.0であり変
化がなかった。このことは原料ポリマーが75重量%臭
化カルシウム水溶液に分解することなく、完全溶解する
ことを示すものである。
【0022】
【実施例7】実施例6で得たドープを20μmのフィル
ターを通過させた後、直径0.1mmの穴が50個ある
紡口口金からプランジャー型押出機を用いて、直接10
重量%臭化カルシウム水溶液の凝固浴に2m/minの
速度で押し出した。次いで水洗浴を通して洗浄し、水を
含んだ状態で管上に巻き取った。これを乾燥器に入れ
て、バッチで乾燥を行い、得られた乾燥糸を240℃の
オーブン中で6倍の延伸倍率で延伸した。得られた繊維
は強度6g/d、伸度10%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の臭化カルシウム、ヨウ化カルシ
ウム、チオシアン酸塩、塩化鉄(III)、臭化鉄(III
)からなる群から選ばれた少なくとも1種の塩を含む
水溶液は、ポリケトンを安定に溶解するとともに、その
ドープは優れた湿式成形性を有しており、繊維およびフ
ィルム製造等に極めて有用である。また、溶剤回収の点
において、該塩の変性、揮発性、引火性、爆発性が無い
ことから、完全密閉型や防爆の設備を必要とせず、安価
で単純な設備で湿式紡糸、回収が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/30 D01F 6/76 Z C08L 73/00 C08J 3/03 CEZ D01F 6/76 // C08L 73:00 Fターム(参考) 4F070 AA52 AC12 AC17 AC18 AC19 AC20 AE28 CB03 4J002 CJ001 DD076 DD086 EV086 GQ00 HA04 4J005 AB01 4L035 BB03 BB04 BB06 BB10 BB22 BB66 BB69 BB79 BB89 BB91 EE08 EE20 HH10 MA03 MA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位の90重量%以上が一酸化
    炭素とオレフィンの交互共重合体であるポリケトンのド
    ープにおいて、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、チ
    オシアン酸塩、塩化鉄(III )、臭化鉄(III )からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の塩を含む水溶液が溶
    剤であることを特徴とするポリケトンドープ。
  2. 【請求項2】 チオシアン酸塩が、その陽イオン部がア
    ンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリ
    ウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載のポリケトンドープ。
  3. 【請求項3】 ポリマー濃度が0.005〜70重量%
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリケ
    トンドープ。
  4. 【請求項4】 ポリケトンが、その繰り返し単位の95
    重量%以上が一酸化炭素とオレフィンの完全交互共重合
    体からなるポリマーであることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のポリケトンドープ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリケ
    トンドープを紡口口金から押し出し、続いて得られた繊
    維状物から実質的に溶剤を除去した後、0〜300℃の
    範囲で延伸することを特徴とするポリケトン繊維の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の繊維の製造方法によって
    得ることを特徴とするポリケトン繊維。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002068738A1 (fr) * 2001-02-27 2002-09-06 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Fibre de polycetone et procede de production de celle-ci
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